説明

レーザ接合方法

【課題】
レーザ接合方法において、熱可塑性樹脂と金属の界面の密着性を向上させることで、接合時の熱応力による剥離を抑止し、信頼性の高い熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法を提供する。
【解決手段】
接合前に、少なくとも熱可塑性樹脂の接合界面側には、表面改質処理を施すことによりバルク熱可塑性樹脂に比べ酸素官能基を多く含有した酸化層を形成する工程を有し、酸化層を形成した熱可塑性樹脂の表面エネルギーに比べ、接合面の金属の表面エネルギーを大きくした状態で、加圧し、レーザ照射して熱可塑性樹脂と金属を接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂と金属をレーザ照射により接合するレーザ接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂は、優れた加工性と形状の自由度が大きいため、自動車や電機機器や医療・バイオ機器など一般産業用途に広く用いられており、熱可塑性樹脂が使われていない分野はないと言えるほど普及し、身近な材料となっている。当初は、木材や紙などの天然素材の代替として利用されていたが、今やプラスチック材料でなければ作り得ないという特殊な製品も数多く開発されるようになった。そのため、最適な材料や最適な加工方法を設計開発のために提供できれば、今までにない新しい製品を生み出す可能性がある。
【0003】
また、近年のCO排出制限や低コスト化の流れから、熱可塑性樹脂の高機能化とともに、金属の代替が徐々になされつつある。しかしながら、熱可塑性樹脂は一般的に金属に比べて耐熱温度や機械的強度が低く、熱膨張が大きく、変形・分解しやすい、有機溶剤に溶けやすい、水分により膨潤しやすいなどの劣る点も多々あるため、完全に代替することは不可能である。
【0004】
特に、近年の製品の構造の複雑化により、熱可塑性樹脂と金属それぞれのメリットを生かした設計がなされ、それらの2次加工技術が重要となってきている。その中でも、近年、レーザを用いる方法を検討されることが多くなってきた。
【0005】
特許文献1には、アクリル樹脂とサンドペーパーで荒らされた凹凸面を持つスズを密着させた状態でレーザ照射することにより、アクリル樹脂が凹凸面に食い込み、強固な接合が形成されることが記載されている。
【0006】
特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる成形体と金属を重ね合わせた状態で、金属側からレーザ照射することにより、成形体がレーザ光を透過しない場合であっても、強固に接合できることが示されている。また、金属の接合面側の表面への表面処理が接合強度向上に有効なことも記載されている。
【0007】
非特許文献1には、プラスチックと金属を重ね合わせた状態で、ハイパワーのレーザ照射をすることにより、プラスチック界面近傍に微小な気泡を発生させ、その発生時の圧力効果により、強固な接合ができることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−15405号
【特許文献2】特開2010−76437号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】S.katayama, Y.Kawahito, A.Tange and S.Kubota, ‘‘Laser−Assisted Metal and Plastic(LAMP) joining’’, Online Proc. of LAMP 2006, JLPS, #06−7 (2006)
【非特許文献2】西野 考,「表面改質による高分子の機能化」科学と工業, 80,(11),512−518 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1で開示されている技術では、アクリルのような酸素官能基を持つ熱可塑性樹脂である場合では有効であるが、酸素官能基を持たない熱可塑性樹脂の場合は、金属面の酸化膜と酸素官能基を介した強固な接合を形成しないため、接合強度が低いことが判明した。また、アクリルのように酸素官能基を持っていたとしても、その総量が少ないため、界面の密着性が低く、強度的に十分なマージンを確保できないことが多々あった。
【0011】
特許文献2で開示されている技術では、金属側の接合面に表面処理を施すことで、強度を向上させることが示されているが、上記特許文献1と同様に、界面の密着性が低く、強度的に十分なマージンを確保できないことが多々あった。さらに、上記特許文献1,2では、アンカー効果がメインであるため、せん断方向の強度には強いが、引張り方向やはく離方向の強度には弱いという課題があった。その上、界面強度が弱いため、レーザ接合の際の冷却時や信頼性試験により、界面ではく離が生じ、その結果一部付いているところに応力集中が発生するため、信頼性に弱いという欠点が発覚した。
【0012】
非特許文献1で開示されている技術では、ハイパワーのレーザを照射し、発生するプラスチックの微小な気泡を用いることで、強度を発現するが、熱可塑性樹脂は限定され、特に、酸素官能基を持たない熱可塑性樹脂の場合は、接合できないことが確認されている。
【0013】
このように、レーザ光を加熱源として、樹脂と金属を接合する技術では、接合できる樹脂が限定されるという大きな問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するに当たって、レーザ照射前に、ドライな表面改質処理を用いて熱可塑性樹脂の接合面側にバルク材に比べ酸素官能基を多く含んだ酸化層を形成し、酸化層を形成した熱可塑性樹脂の表面エネルギーに比べ、接合面の金属の表面エネルギーを大きくした状態で、加圧し、熱可塑性樹脂側からもしくは金属側からレーザ照射することで、より強固な接合が得られることを見出した。通常、接着などでも熱可塑性樹脂への表面改質処理は有効なことが知られている。非特許文献2によると、ポリエチレンテレフタレート(PET)をコロナ処理し、150℃で3分間放置すると、全く接着しなくなることが確認されている。これは、高温でPET分子鎖の熱運動が誘起され、一旦導入された酸素官能基が表面から消失してしまったことに対応しているとされている。そのため、レーザ接合においても接着と同様に効果が消失してしまうと通常考えられる。しかしながら、本発明者らは、レーザ接合の場合では、瞬間的に加熱し密着するため、表面改質効果が消える前に、接合できることを新規に見出した。さらに、本発明の場合は、界面の密着性が向上するため、引張り強度やはく離強度も高いことも特徴である。
【0015】
すなわち、本発明は、レーザ接合において、熱可塑性樹脂の界面に酸素官能基を生成・増加させる表面改質処理を行う工程と、表面改質処理を行った熱可塑性樹脂の界面と金属とをレーザ照射するにより加熱することにより接合する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合もしくは溶着において、接合部の界面の密着性を向上させることで、接合時の熱応力による剥離を抑止し、信頼性の高い接合を得ることが可能となる。また、これまで接合が得られなかった組み合わせでも良好な接合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図3】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図4】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図6】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図7】光ピックアップ装置のレンズと筐体の組立てを示す平面図である。
【図8】PA6Tとステンレスの組み合わせにおいて、樹脂への表面改質処理の実施有無の場合のレーザパワーと接合強度の関係を示す実験結果の一例である。
【図9】PA6Tとステンレスの組み合わせにおいて、ステンレスの粗さを大きくした時の効果を表した実験結果の一例である。
【図10】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図11】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図12】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図13】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【図14】本発明の熱可塑性樹脂と金属のレーザ接合方法の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について以下に説明する。本発明で用いる熱可塑性樹脂は、非結晶性もしくは結晶性樹脂からなる。非結晶性樹脂としては、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)、ポリメチルメタアクリル酸メチル(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニルデン(PVDC)が挙げられる。結晶性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロプレン(PP)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン6T(PA6T)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、それらのアロイ材やフィラーを含んだ熱可塑性樹脂も対象となる。一般的には、成形性や透明性は非結晶性樹脂が優れているのに対し、結晶性樹脂は耐熱性や耐薬品性に優れている。
【0019】
金属としては、鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、金、チタン、合金(ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金、リン青銅など)、ダイカストなど挙げることができる。また、本発明では、金属被膜(メッキ、蒸着膜など)も対象となる。
【0020】
レーザ接合及び溶着の条件は、材料のレーザ照射波長における透過・吸収率、熱伝導率を考慮した上で、レーザスポットサイズ、パワー、照射時間、加圧力を決定する。レーザ接合に用いる光源は、半導体レーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザを含めた赤外領域のレーザが好ましい。レーザ光源の強度分布は、ガウシアン、トップハット、リング型など付属するレンズによって様々な強度分布にすることが可能であるが、溶着状態を均一にしやすいという点で、トップハット型もしくは中央部の強度が最大値の50%以上となるリング型の強度分布を用いた光源を使用することが望ましい。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の樹脂と金属のレーザ接合方法の実施例を示す平面図である。本実施例では、熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合前に、熱可塑性樹脂1−1の接合界面側に、表面改質処理を施し、酸素官能基を含んでいない熱可塑性樹脂1−1については、酸素官能基の生成を、酸素官能基を含んでいる熱可塑性樹脂1−1に関しては、酸素官能基の増大をさせることで、バルクの熱可塑性樹脂1−1に比べ、界面に酸化層4を形成した状態で、熱可塑性樹脂1−1側からレーザ光6−1を照射し、レーザ接合したことを特徴とする。表面改質処理としては、環境性や他の部品への影響を考慮すると、UVオゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、短パルス(パルス幅がピコ秒以下)レーザ処理のいずれかのドライ処理を用いると良い。このような処理を施すことで、熱可塑性樹脂1−1の主鎖3や側鎖のCC、CH結合を切り、CO、COO、C=Oなどの酸素官能基を生成・増加させ、表面エネルギーが増大する。
【0022】
また、熱可塑性樹脂1−1にPPSを用いた場合はSOHと極性の大きい極性基も新たに生成する。金属2−1は、通常、表面に酸化膜が形成されているため、一般的に表面エネルギーは非常に高い状態になっている。そこで、熱可塑性樹脂1−1側に表面改質処理を実施することで、互いの表面エネルギーが近い状態になるため、金属酸化膜と強固な接合を形成することが可能となる。
【0023】
ただし、熱可塑性樹脂1−1側の表面エネルギーの方が、金属の表面エネルギーより大きくなる場合は、熱可塑性樹脂1−1が濡れにくくなるため、界面の密着性は劣化する傾向となる。そのため、少なくとも、レーザ光6−1を照射前に、熱可塑性樹脂1−1の表面エネルギーに比べ、金属2−1の表面エネルギーを大きくしておくことが重要となる。さらに、そのような状態でレーザ接合することにより、濡れによる界面強度の向上のみならず、ファンデルワールス力よりも強固な結合である水素結合も形成することが可能となる。
【0024】
以上より、濡れの向上に加え、水素結合の形成により、界面強度が向上する。
【0025】
なお、金属2−1の表面に異物などが付着している場合は、アルコールなどで脱脂することが望ましい。さらに、金属2−1側にも表面改質処理を実施することも有効である。ただし、異物が強固に付着している場合や付着物が無機物である場合は、プラズマ処理やレーザ処理が最も好適な方法となる。プラズマ放電処理としては、酸素官能基を導入することが最も重要なことを考慮すると、主に酸素プラズマ、窒素プラズマ処理が有効である。熱可塑性樹脂1−1の酸素が含有された酸化膜4は少なくとも5nm程度あることが望ましい。
【0026】
このような表面改質処理は、接着などで良く使われている方法である。通常、接着などでも熱可塑性樹脂への表面改質処理は有効なことが知られているが、高温に放置すると、熱運動により界面に生成した酸素官能基が内部に潜り込み、改質効果がなくなることが知られている。その結果は、非特許文献2に示されており、ポリエチレンテレフタレート(PET)をコロナ処理し、150℃で3分間放置すると、全く接着しなくなることが確認されている。
【0027】
レーザ接合では、金属2−1の熱が熱可塑性樹脂1−1に伝導し、熱可塑性樹脂1−1が溶融もしくは軟化し、濡れることで熱可塑性樹脂1−1と金属が密着するが、接着の場合と同様に考えると、接合時の温度は数100℃以上となるため、改質効果はなくなってしまうことが懸念される。しかしながら、本発明者らは、レーザ照射時間が瞬間的であり、走査時間が数s程度と非常に短いため、熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合に有効なことを見出している。
【0028】
なお、熱可塑性樹脂1−1と金属のレーザ接合では、特に、熱可塑性樹脂1−1同士をレーザ溶着する場合に比べ、熱可塑性樹脂1−1の温度はさらに上げる必要があるため、レーザ照射の中心部は熱可塑性樹脂1−1の熱がこもりやすく、浮き上がってきてしまい、密着性を確保できないという課題がある。そのため、接合部の上部を十分に加圧することが重要となる。加圧に用いる加圧材5は、透明な材料を用いるのが良く、特に熱伝導率が高く透明であるガラスを用いることが望ましい形態である。さらに、熱可塑性樹脂1−1側の密着部分は、鏡面仕上げにしておくことが望ましい。
【0029】
また、熱可塑性樹脂1−1側からレーザ光6−1を入射する場合は、熱可塑性樹脂1−1の透過率が問題となることがある。本構成では、熱可塑性樹脂1−1の色は透明もしくはナチュラルのものを用いると良く、少なくとも50%以上の透過率の熱可塑性樹脂1−1を用いることが望ましい。
【0030】
金属面には、カーボンなどの黒色の膜を蒸着しておくことも有効である。その他の手法として、電着によるセラミックコートや黒色の樹脂などを塗布するなどして、レーザ光6−1に対する吸収率を増加させることも有効である。
【0031】
ここで、熱可塑性樹脂1−1に透明樹脂であるCOPを、金属2−1にステンレス(SUS304)を用いた場合の接合強度の評価結果を表1に示す。表面改質処理は、熱可塑性樹脂1−1にはUVオゾン処理を、金属2−1には酸素プラズマ処理を用いた。なお、表1は、処理1日後にレーザ光6−1を照射し、接合した時の強度評価結果である。使用したCOP樹脂とステンレスの試験片のサイズは70mm×20mmであり、COP樹脂の厚みは2mm、ステンレスは1mmである。また、COP樹脂の表面は鏡面仕上げとしたため、Rz1.0μm以下である。ステンレスの表面は研磨を実施し、Rz1.5μm程度とした状態で評価を行った。レーザ光6−1は、波長940nmと808nmが混合された10mm×1mmサイズのラインレーザを用い、速度5mm/sで長さ20mm分照射し、10mm×20mmのエリアをレーザ照射した。レーザ光6−1によって接合するもしくは樹脂が溶融する幅はレーザパワーに依存して大きくなるが、本結果では、接合幅10mm程度となった時の結果を示している。接合したサンプルは、せん断方向に速度1.0mm/min.で引張り、その破壊強度を測定した。また、接合後の面積と破壊強度から単位面積あたりの接合強度を算出した。
【0032】
この結果、熱可塑性樹脂1−1中に極性基を持っていないCOPでは、少なくとも前処理としてCOP側に表面改質処理をすることによりせん断試験時にCOP樹脂が破断するほどの強度が発現することが明らかになった。本結果では、レーザパワー300Wのみの結果を示しているが、COP側に処理を実施しない場合、325―425Wでも接合しないことが確認できている。
【0033】
【表1】

【実施例2】
【0034】
図2は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法の他の実施例を示す模式図ある。金属2−1の接合界面に微細な凹凸2−2を形成した点が実施例1との違いであり、他の点は同様である。
【0035】
金属2−1の接合界面に微細な凹凸2−2を形成した状態で、上記表面改質処理した熱可塑性樹脂1−1と微細な凹凸2−2を形成した金属2−1をレーザ接合する。微細な凹凸2−2は、サンドブラスト、レーザ処理などを実施しておくことがより好適である。また、金属材質がアルミニウムである場合は、上記サンドブラスト処理以外に、陽極酸化処理もしくはナノポーラスな穴を形成する電解処理を実施しても良い。このように、金属2−1の界面に微細な凹凸2−2を形成することで、実表面積が大きくなるため、濡れる表面はより濡れる効果が促進される。この時も同様に、少なくとも、レーザ光6−1を照射前に、熱可塑性樹脂1−1の表面エネルギーに比べ、金属2−1の表面エネルギーを大きくしておくことが重要となる。なお、この熱可塑性樹脂1−1側の表面エネルギーの方が、金属2−1の表面エネルギーより大きくなる場合は、より濡れにくいことが促進されるため注意が必要となる。また、濡れが強調され、界面強度が向上するだけでなく、アンカー効果も発現するため、接合強度はより向上する。以上より、接着界面と強度向上とアンカー効果の複合化により、すべての方向の接合強度が向上するため、望ましい構成である。
【実施例3】
【0036】
図3は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。レーザ光6−1の照射を熱可塑性樹脂1−1を通さずに金属2−1側から行う点が実施例1との違いであり、他の点は同様である。
【0037】
熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合では、熱可塑性樹脂1−1側の透過率が低い場合、熱可塑性樹脂1−1側からレーザ光6−1を照射すると、熱可塑性樹脂1−1のレーザ入射表面部にエネルギーが集中し、炭化してしまう場合がある。そのように、熱可塑性樹脂1−1の透過率が低い場合は、金属2−1側からレーザ光6−1を照射すると良い。本構成とすることで、熱可塑性樹脂1−1の着色や透明性に影響することなく、熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合が可能となる。ただし、この構成の場合、金属2−1の厚みや熱伝導率に応じて、金属2−1の溶融をも伴う場合がある。そのため、設計が可能な場合は、金属2−1の溶融を伴わない厚み1.0mmと薄い状態で接合することがより好適である。また、レーザ光6−1を照射する金属2−1面をブラストなどにより荒らしておけば、レーザの散乱効果により必要なレーザパワーを小さくでき、有効な方法である。
【0038】
さらに、レーザ光6−1を照射する金属2−1面は事前に黒色処理を行っておくことも望ましい。
【0039】
表2には、熱可塑性樹脂1−1に不透明なPPS、PA6T、PBTを、金属にSUS304、A5052を用いたときの接合強度の評価結果を示す。レーザ光6−1の照射は、熱可塑性樹脂1−1が不透明であるため、金属2−1側から照射している。また、熱可塑性樹脂1−1への表面改質処理は、組み合わせによって変えており、UVオゾン処理もしくはプラズマ処理を実施している。また、熱可塑性樹脂1−1の厚みは3mmのものを用いた。他の点は、表1で示した条件と同様である。
【0040】
この結果、すべての組み合わせにおいて、熱可塑性樹脂1−1への表面処理の効果があることが明らかになった。
【0041】
【表2】

【0042】
レーザ光6−1の照射時に接合面の金属2−1の温度は数100℃以上となっているが、表1及び表2より、そのような高温状態でも表面改質によって生成された最表面の酸化層4が大きく影響していることが明らかになった。
【0043】
金属2−1は厚みが薄いことが望ましいが、例えばライン形状のようなレーザを用いた場合は、レーザの幅が大きいため、金属2−1厚が厚い場合でも溶融を伴わないことがある。
【0044】
図8に、熱可塑性樹脂1−1を厚み3mmのPA6Tとし、金属2−1を厚み2mmのステンレスとした時のレーザパワー依存性の結果を示す。熱可塑性樹脂1−1のPA6Tへの表面改質処理は表2と同様に酸素プラズマ処理を120s行った。この結果、レーザパワーが小さい方ほど表面改質処理の効果が大きいことが明らかになっている。特に、レーザパワーを400Wとした時で比べた場合、表面改質処理を実施しない場合は、強度が発現しないのに対して、表面改質処理を実施した場合は、9.3MPaと高い強度となっていた。そのため、比較的接合しやすい熱可塑性樹脂1−1と金属2−1の組み合わせの場合でも、表面改質処理を実施した場合は、低パワーで接合可能となるため、金属2−1の溶融を抑制した上で、金属厚の厚い場合でも対応可能となる。また、装置の低コスト化やレーザ光源の長寿命化にも大きく寄与する。
【0045】
図9には、表2に示したPA6Tとステンレスの組み合わせで、ステンレス側の接合面に#240番のサンドブラストを施し、粗さRzを8.6μm時の結果を示す。なお、PA6Tの粗さはRzを1.4μmのものを用いた。それ以外の条件は、表2で示した場合と同様である。この結果、PA6Tへの表面処理とSUS304の微細な粗さ効果を組み合わせることで最大2.5倍となることが明らかになった。したがって、熱可塑性樹脂1−1への表面改質処理を実施し、金属2−1の粗さを熱可塑性樹脂1−1より大きくすることは強度向上に有効であると言える。
【実施例4】
【0046】
図4は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。熱可塑性樹脂1−1の接合する面とは反対面にも酸化層4を形成するとともに、熱可塑性樹脂1−1と加圧材5の間に中間材8が存在している点が実施例1との違いである、図示はしていないが、図4の下側には、図1と同様に接合面側の酸化層4と金属2−1が存在し、接合面にレーザ光6−1が照射されている。
【0047】
熱可塑性樹脂1−1側からレーザ光6−1の照射を行う場合、熱可塑性樹脂1−1の最表面が炭化してしまい問題となる場合がある。特に、熱伝導率の高い加圧材5であるガラスで加圧した場合でも、ガラスと熱可塑性樹脂1−1表面が完全に接触することは不可能である。そのため、熱可塑性樹脂1−1のレーザ照射側の表面にも表面改質処理を施し、加圧材5であるガラスとの間に中間材8である水を含有させ、濡れさせた状態とした上で、接合することが有効となる。このようにすることにより、熱可塑性樹脂1−1と中間材8である水の界面の反射の低減やガラスへの放熱性向上により、熱可塑性樹脂1−1の炭化を抑制することが可能となる。この方法は、電子デバイスが近辺に配置された状態で接合する場合は困難であるが、医療もしくはバイオ系の部品の接合などの場合にはより好適な方法である。
【実施例5】
【0048】
図5は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。
【0049】
熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合において、金属2−1の熱伝導率が高いため、接合のために照射するレーザの入熱量は大きくなる。そのため、金属2−1側に凸部2−3を設け、幅方向への熱拡散を抑制し、熱伝導を厚みの方向だけに制限することにより、入射するレーザパワーを低減することが可能なる。さらに、加圧力を大きくした状態とすることにより、熱可塑性樹脂1−1によるフィレット1−2を形成し、埋め込み構造とするが可能となり、特にせん断方向への負荷に対しては強度が向上する。
【0050】
また、図6で示したように、熱可塑性樹脂1−1側に凸部1−3を、金属2−1側に凹部2−4設け、凸部2−1を凹部2−4に挿入し互いを密着した状態でレーザ光6−1を照射することにより、熱可塑性樹脂1−1側にフィレット1−2を形成し、埋め込み構造とすることも有効な手段である。熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合において、熱可塑性樹脂1−1側は一部ガス化するまで温度は上昇するため、一部の組み合わせでは、精密に接合できない場合がある。そのため、本構造は、精密に接合した場合に特に有効である。
【0051】
図5、6で示した実施例において、使用するレーザ光6−1の強度分布6−2のスポット径に対して、凸部1−3や凹部2−4の幅を小さくすることが望ましい。凸部2−3や凸部1−3は、レーザ光6−1の走査方向が長手方向となるように形成されている。また、熱可塑性樹脂1−1の金属2−1と接合される位置(すなわち図5で金属の凸部2−3が接触する熱可塑性樹脂1−1の位置、または図6の凸部1−3の先端)には酸化層(図示せず)が形成されているが、酸化層が形成されたものに限らなくてもよい。
【0052】
また、これら発明は、熱可塑性樹脂1−1側からのレーザ光6−1の照射のみに限定されず、金属2−1側からのレーザ光6−1の入射の場合でも良く、その場合でもフィレット1−2形成による埋め込み構造とすることができる。
【0053】
一方で、製品によっては外観やサイズ制限によって、フィレットを伴わない方が良い場合もある。そのような場合は、図10に示すように、金属2−1側のレーザ接合部分7の両側に溝2−6を設けておくと良い。レーザ光は、その端が溝にかかるように照射される。そのようにすることで、熱可塑性樹脂1−1側もしくは金属2−1側からレーザ光6−1を照射することにより、溝が接合される部分の端となり、必要な部分のみ接合することが可能となる。
【実施例6】
【0054】
図7は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法を用いて、光ピックアップの熱可塑性樹脂レンズ100と金属筐体200に適用するときの一例を示す斜視図である。実施例1〜6のいずれかの接合方法により、熱可塑性樹脂レンズ100と金属筐体200とを接合する。本構造を適用できる対象部は、熱可塑性樹脂レンズ100と筐体200の接合のみならず、バイオチップ、電子制御ユニット(ECU)、コネクタなどの製品及びレーザ接合できる全ての製品全般に有効である。
【実施例7】
【0055】
図11は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−7のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。通常、加圧材5には透明なガラスを用いることが多いが、数多く使用しているとガラスに傷が発生する場合がある。その結果、透過率低下の要因となり、接合が安定しないこともある。そこで、本実施例では、熱可塑性樹脂1−1と金属2−1とを接合する場合に、金属を加圧材5として用い、金属の加圧材5にレーザ光6−1を照射することが有効である。
【0056】
但し、熱可塑性樹脂1−1材の種類によっては、加圧材5である金属が熱可塑性樹脂1−1と接合してしまう可能性がある。特に、熱可塑性樹脂1−1中に極性基を含まない場合は、接合強度が発現しないもしくは強度が弱いため加圧材である金属から剥離可能であるが、熱可塑性樹脂1−1に比較的接合しやすいPA6Tを用いた場合には、注意が必要である。そこで、加圧材5側と金属2−7側で、熱可塑性樹脂1−1の接合しやすさを変えておくと良い。例えば、加圧材5側の熱可塑性樹脂1−1の表面には表面改質処理を施さず、接合側の金属2−7側のみ表面改質処理を実施しておくことが有効な手段となる。なお、加圧材5である金属と熱可塑性樹脂1−1との密着面は、研磨した状態とし、接合部側の金属2−7の表面には、微細な凹凸2−2を形成しておくことも有効である。
【0057】
加圧材5に用いる金属材は、剛性を考慮した上で可能な限り薄くしておくと良い。また、加圧部を突起2−3もしくは溝2−6を設けておくことにより、熱可塑性樹脂1−1の熱伝導する領域を制御できるため、接合幅も制御することが可能となる。そのため、製品構造によっては有効な場合もある。
【実施例8】
【0058】
図12は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1、2−7のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図であり、一括で金属2−1/熱可塑性樹脂1−1/金属2−7の3層構造とできる方法及び構造である。実施例7(図11)に対して、加圧材5(2−1)側の樹脂も表面改質処理を実施しておくことで、加圧材5を接合材とすることが可能となる。但し、加圧材5はガラスなどの透明体を用いても良い。本手法も熱可塑性樹脂1−1への表面改質処理のメリットを活かした方法であり、表面改質処理により、熱可塑性樹脂1−1と金属2−1の強度が発現するもしくは低エネルギーで接合できることによって達成できる新たな方法及び構造である。
【0059】
異種の金属の溶接は様々な検討が実施されているが、組み合わせによっては、ガルバニック腐食による接合性の低下が起こることが多々ある。そのため、本構造により、異材金属の腐食を抑制することが可能となる。さらに、熱可塑性樹脂1−1の材質やフィラーの種類によって、導電性・絶縁性を制御することも可能となる。また、異材の金属の組み合わせでは、溶接できない場合すらある。そのような場合、これまで接着剤を用いているが、本構造により、シール特性の向上や短タクト化にも寄与する。なお、本構造においても、少なくとも金属2−1、2−7の接合部側の界面は、微細な凹凸2−2を形成しておくと良い。また、異種金属を用いる場合は、レーザ光6−1を照射する側の金属2−1の熱伝導率をもう一方の金属2−7より大きくした方が良い。さらに、レーザ光6−1を照射する側の金属2−1よりももう一方の金属2−7の厚みを小さくすることも望ましい。なお、図11と図12で示した方法の場合、熱可塑性樹脂1−1の厚みは薄い方が良く、望ましくは2mm以下としておくと良い。
【実施例9】
【0060】
図13は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。実施例8は、金属2−1/熱可塑性樹脂1−1/金属2−7の積層であるのに対し、金属2−1/熱可塑性樹脂1−1/熱可塑性樹脂1−1の3層構造となっている。この場合、少なくとも各接合面には表面改質処理を実施しておくと良い。この構造の場合、中間の樹脂は熱可塑性樹脂1−1のみならず、熱硬化性樹脂を用いることも可能となる。
【実施例10】
【0061】
図14は、本発明の熱可塑性樹脂1−1と金属2−1のレーザ接合方法の別の実施例を示す平面図である。金属2−1の厚みが薄い場合は、熱可塑性樹脂1−1/金属2−1/熱可塑性樹脂1−1の接合も、片面からのレーザ6−1の照射で可能となる。その場合も、これまでと同様に少なくとも樹脂の接合面には表面改質処理を実施しておくと良い。
【0062】
以上示した構成において、これまでに示したレーザ接合方法を組み合わせることにより、3層構造の複合体とも限らず熱可塑性樹脂と金属の材質や厚み次第で4層以上の複合体とすることも可能である。また、構成によっては、熱硬化樹脂や金属以外のセラミクスなどでも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
近年の製品の構造の複雑化により、熱可塑性樹脂と金属のそれぞれのメリットを生かした設計がなされ、それらの2次加工技術が重要となってきている。従来より、熱可塑性樹脂と金属の接合には、接着剤が多く用いられている。しかしながら、接着剤は、アウトガスによる部品へのコンタミ、液体であるため精密に接合をすることが困難、気密性が良くないなど製品によっては、特性上課題になることが多い。また、硬化に炉や光源を使用するタイプがあり、それらの場合、硬化プロセスに要する時間が長いため、消費電力が大きく、さらに、接着剤自体の環境負荷が大きいという課題がある。以上述べた各実施例を用いれば、熱可塑性樹脂と金属を直接強固にレーザ接合することができ、環境負荷の大きい接着の代替技術とすることが可能である。さらに、製品の特性向上や低コスト化にも寄与することが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
1−1…熱可塑性樹脂、1−2…フィレット、1−3…凸部、2−1…金属、2−2…微細な凹凸、2−3…凸部、2−4…凹部、2−5…段差、2−6…溝、2−7…レーザ光が直接照射されない側の金属、3…主鎖、4…酸化層、5…加圧材、6−1…レーザ光、6−2…レーザ強度分布、7…接合界面、8…中間材、100…レンズ、200…筐体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂の界面に酸素官能基を生成・増加させる表面改質処理を行う工程と、
前記表面改質処理を行った熱可塑性樹脂の界面と金属とをレーザ照射で加熱することにより接合する工程とを有することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記表面改質処理は、UVオゾン、プラズマ、コロナ処理、短パルスレーザ処理のいずれかのドライ処理であることを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記接合する工程は、前記表面改質処理を行った界面の表面エネルギーに比べ、接合する面の金属の表面エネルギーを大きくした状態で行うことを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記レーザを、前記熱可塑性樹脂を介して前記金属の接合面に照射することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
レーザ照射を前記金属側から行い、前記金属と前記熱可塑性樹脂との接合部に伝熱させることを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記熱可塑性樹脂の表面粗さに比べ、前記金属の表面粗さを大きい状態で前記接合を行うことを特徴とするのレーザ接合方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記熱可塑性樹脂は、その主鎖に極性基を含まないことを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項8】
請求項4において、
前記熱可塑性樹脂の接合面とは反対面に、前記表面改質処理を施し、
当該反対面を加圧材で押圧するとともに、前記熱可塑性樹脂と前記加圧材との間に水を介在させ、前記加圧材、前記水及び前記熱可塑性樹脂を介してレーザ照射することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項9】
請求項1乃至8において、
前記熱可塑性樹脂または金属に凸部を形成してあり、当該凸部と接着対象である前記熱可塑性樹脂または金属とを接触させ、
前記接触させた部分に前記凸部の幅より大きいレーザスポットの前記レーザ光を照射することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記凸部は前記金属に設けられていることを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項11】
請求項9において、
前記凸部は前記熱可塑性樹脂に設けられており、
前記金属側は、前記凸部よりも幅が広い凹部を設けられており、
前記凸部を凹部内に挿入した状態でレーザ照射することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項12】
請求項1乃至8のいずれかにおいて、
前記金属は、前記レーザを照射される部分に溝を有していることを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項13】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記熱可塑性樹脂の接合面とは反対面を、金属製の加圧材で押圧するとともに、前記金属製の加圧材にレーザ照射して、前記金属と前記熱可塑性樹脂との接合部に伝熱させて接合することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項14】
請求項5において、
前記熱可塑性樹脂の前記金属とは反対面を前記表面改質処理を行い、
当該反対面に接合部材が接した状態で、前記金属側から前記レーザ照射を行って、前記熱可塑性樹脂と前記接合部材とを接合することを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記接合部材は、金属または熱可塑性樹脂であることを特徴とするレーザ接合方法。
【請求項16】
請求項4において、
前記金属の両面に、前記表面改質処理を行った熱可塑性樹脂を設け、
一方の前記熱可塑性樹脂を介してレーザ照射を行うことにより、前記金属の両面に前記熱可塑性樹脂を接合することを特徴とするレーザ接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−56308(P2012−56308A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118636(P2011−118636)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】