説明

レーザ溶接装置

【課題】電池容器における溶接クレータ部の残存を抑制可能なレーザ溶接装置を提供する。
【解決手段】本発明のレーザ溶接装置50は、電池容器2aの溶接対象部44aに溶接を施すレーザ溶接装置である。電池容器2aにレーザ光Lを照射可能なレーザ溶接機60と、レーザ溶接機60から電池容器2aにレーザ光Lが照射されるときに、電池容器2aの表面におけるレーザ光Lの照射位置からレーザ溶接機60の焦点位置までの距離が、溶接対象部44aのうちで溶接の終端を含む所定の領域内で終端に向うにつれて増加するように、照射位置と焦点位置との相対位置を調整する位置調整部52と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池容器に溶接を施すためのレーザ溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の電池セルは、電気自動車や定置用電源装置、発電装置等の各種の電気システムに用いられている。電池セルの一例として、特許文献1に開示されているような角型密閉電池が挙げられる。電池セルは、例えば、電解液を貯留する電池容器の内部に、正極板及び負極板を有する電極体が収容された構造である。電池容器は、例えば、開口を有する容器本体に、開口を塞く蓋体が溶接された構造である。
【0003】
上記の電池セルは、例えば、容器本体に電極体を収容した状態で容器本体に蓋体をレーザ溶接して電池容器を形成した後に、電池容器に電解液を注入すること等によって製造される。電池セルは、電解液の漏れや劣化を防止する等の観点で、電池容器の内部の密閉性が要求されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−135080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の従来技術において、溶接の終端部では、レーザ光の走査が停止することによって溶融池が移動しなくなり、溶接クレータ部が形成されてしまうことがある。溶接クレータ部は、溶接ビードが他の部分よりも薄肉であり、電池容器の外部と内部とのリークを生じやすい部分になってしまう。本発明は、上述の事情に鑑み成されたものであって、電池容器における溶接クレータ部の残存を抑制可能なレーザ溶接装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のレーザ溶接装置は、電池容器の溶接対象部に溶接を施すレーザ溶接装置であって、前記電池容器にレーザ光を照射可能なレーザ溶接機と、前記レーザ溶接機から前記電池容器に前記レーザ光が照射されるときに、前記電池容器の表面における前記レーザ光の照射位置から前記レーザ溶接機の焦点位置までの距離が、前記溶接対象部のうちで溶接の終端を含む所定の領域内で該終端に向うにつれて長くなるように、前記照射位置と前記焦点位置との相対位置を調整する位置調整部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記のレーザ溶接装置によれば、溶接の終端を含む所定の領域内において終端に向うにつれて、焦点位置から照射位置までの距離が長くなる。したがって、所定の領域で終端に向うにつれて溶接対象部に照射されるレーザ光のエネルギー密度が減少し、電池容器における溶接クレータ部の残存が抑制される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電池容器における溶接クレータ部の残存を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電池セルの構成例を示す説明図である。
【図2】(a)は電池容器の溶接線に直交する断面図、(b)は電池容器の溶接線に沿った断面図である。
【図3】本発明に係るレーザ溶接装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】(a)〜(c)はレーザ溶接装置の動作例を示す説明図である。
【図5】(a)〜(c)はレーザ溶接装置の動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ実施形態について説明する。説明に用いる図面において、各種構造の寸法や縮尺を実際と異ならせていることがある。以下の実施形態において、同様の構成要素については、同じ符号を付して図示して重複する説明を省略することがある。本実施形態のレーザ溶接装置は、電池セルの一部を構成する電池容器の溶接に用いられる。本実施形態のレーザ溶接装置の説明に先立ち、このレーザ溶接装置を用いて製造される電池セルの構成例について説明する。
【0011】
[電池セル]
図1は、電池セルの構成例を示す説明図、図2(a)は電池容器の溶接線に直交する断面構造を模式的に示す図、図2(b)は電池容器の溶接線に沿った断面構造を模式的に示す図である。図2(a)は、図1のA−A’線断面図に相当し、図2(b)は図2(a)のB−B’線断面図に相当する。
【0012】
図1及び図2に示す電池セル1は、例えばリチウムイオン二次電池である。電池セル1は、電池容器2、電極体3、正極端子4、及び負極端子5を備える。電極体3は、電池容器2に収容されている。電極体3は、正極板6及び負極板7がセパレータ8を介して交互に積層された構造である。正極端子4は、電池容器2に取付けられ、正極板6と電気的に接続されている。負極端子5は、電池容器2に取付けられ、負極板7と電気的に接続されている。電池セル1は、電池容器2の内部に電解液が貯留された状態で使用される。電池セル1は、正極端子4及び負極端子5を介して、電池セル1の外部との間で充放電可能である。
【0013】
次に、電池セル1の各構成要素について説明する。
電池容器2は、容器本体9及び蓋体10を有する。本実施形態の容器本体9は、開口9aを有する箱形状である。蓋体10は、容器本体9の開口9aを塞いでいる。容器本体9及び蓋体10は、例えばアルミニウム製である。容器本体9と蓋体10は、本実施形態に係るレーザ溶接装置で溶接されて、互いに接合されている。なお、本発明の適用範囲は、電池容器2の形状や材質に限定されない。電池容器2の外面には、絶縁性の塗料等で塗装が施されていてもよい。
【0014】
容器本体9は、底部40及び側部41を有する。底部40と側部41は、一体的に形成されている。底部40は、蓋体10に対向して配置されている。底部40の外周は、矩形の角を丸めた形状である。側部41は、蓋体10と底部40との間に、蓋体10と底部40とを結ぶ軸の周りに環状に配置されている。本実施形態において、底部40から蓋体10へ向う方向(U方向)と直交する断面(ST面)における側部41の形状は、矩形枠の角を丸めた形状であり、底部01の外周とほぼ同じ形状及び寸法である。
【0015】
図2(b)に示すように、側部41は、平面部45a〜45d、及び曲面部46a〜46dを有する。平面部45a〜45dは、それぞれ、上記の矩形枠の各辺に対応している。平面部45a及び平面部45bは、電極体3の積層方向(S方向)に互いに対向している。平面部45c及び平面部45dは、電極体3の積層方向と直交する方向(T方向)に互いに対向している。曲面部46a〜46dは、上記の矩形枠の角に相当し、電池容器2の外部を向く面が外部に向かって凸の曲面である。曲面部46aは、平面部45aと平面部45cとの角に対応しており、平面部45aと平面部45cとで、容器本体9の側部41の一部分を形成している。以下同様に、曲面部46bが平面部45cと平面部45bとの角に対応しており、曲面部46cが平面部45bと平面部45dとの角に対応し、曲面部46dが平面部45dと平面部45aとの角に対応している。
【0016】
側部41において底部40と反対側の端部には、後述する蓋体10の嵌合凸部43と嵌め合わされる嵌合凹部42が形成されている。嵌合凹部42は、側部41の外周側が蓋体10に対して凸形状であり、側部41の内周側が蓋体10に対して凹形状である。
【0017】
蓋体10は、板状であり、容器本体9の底部40と外周の形状がほぼ同じである。蓋体10は、その外周面が容器本体9の側部41の外周面とほぼ面一になるように、容器本体9と嵌合されている。蓋体10において容器本体9を向く端部は、容器本体9の嵌合凹部42と嵌め合わされる嵌合凸部43になっている。嵌合凸部43は、蓋体10の外周側が容器本体9に対して凹形状であり、蓋体10の内周側が蓋体10に対して凸形状である。
【0018】
容器本体9の嵌合凹部42及び蓋体10の嵌合凸部43は、底部40と蓋体10とを結ぶ軸周り(U方向周り)の全周にわたって、環状に形成されている。容器本体9と蓋体10は、嵌合凹部42と嵌合凸部43とが互いに嵌合された状態で、電池容器2の外周側における継ぎ目をまたぐように、溶接されている。電池容器2は、外周の表層に容器本体9と蓋体10とにわたって、溶接により形成された溶接線44を有している。溶接線44は、上記の軸周り(U方向周り)の全周にわたって連続する環状である。
【0019】
正極端子4は、絶縁スリーブ12を介して、電池容器2の蓋体10に取付けられている。絶縁スリーブ12は、正極端子4と電池容器2とが短絡しないように、設けられている。このように、蓋10に取付けられた正極端子4は、一部が電池容器2の内部に配置されており、他の一部が電池容器2の外部に配置されている。負極端子5は、正極端子4と同様の構造であり、絶縁スリーブ13を介して電池容器2の蓋体10に取付けられている。
【0020】
電極体3は、電池容器2に収容されている。電極体3は、複数の正極板6、複数の負極板7、及びセパレータ8を有する。電極体3において、正極板6及び負極板7は、セパレータ8を介して交互に繰り返し積層されている。
【0021】
正極板6は、集電材22の両面に電極活物質層23が形成された構造である。正極板6は、電極活物質層23が形成されている本体部20と、電極活物質層23が形成されていない領域を含むタブ21とを有する。本体部20は、例えば平面視略矩形である。タブ21は、例えば帯状であり、本体部20からU方向に延びている。本実施形態の集電材22は、導電性の薄板やシートであり、例えば、アルミニウム製のシートである。電極活物質層23は、正極活物質で形成されている。この正極活物質は、電池容器2の内部に貯留される電解液の種類等に応じて、適宜選択される。複数の正極板6のタブ21は、タブ21の先端側で束ねられてリード25の一端と接合されている。リード25の他端は、電池容器2の内部にて正極端子4と接合されている。すなわち、正極板6は、リード25を介して正極端子4と電気的に接続されている。
【0022】
負極板7は、正極板6と同様の形状及び寸法であり、集電材32の両面に電極活物質層33が形成された構造である。負極板7は、電極活物質層33が形成されている本体部30と、電極活物質層33が形成されていない領域を含むタブ31とを有する。本実施形態の集電材32は、例えば、銅製のシートである。電極活物質層33は、負極活物質で形成されている。この負極活物質は、電池容器2の内部に貯留される電解液の種類等に応じて、適宜選択される。複数の負極板7は、正極板6と同様に、リード25とは別のリードを介して負極端子5と電気的に接続されている。
【0023】
本実施形態のセパレータ8は、袋形状に形成されている。本実施形態において、セパレータ8は、負極板7を包装している。本実施形態において、負極板7を包装したセパレータ8と正極板6とが交互に積層されている。これにより、隣り合う正極板6と負極板7との間に袋状のセパレータ8の互いに対向するフィルム状の部材の一方が介装されることとなる。このように、電極体3は、正極板6と負極板7とが互いに接触しないように構成されている。なお、正極板6がセパレータ8に包装されていてもよい。また、セパレータは、正極板6と負極板7との間ごとに独立した部材を介装する構成であっても構わない。
【0024】
電極体3の縁端には、絶縁性の固定部材11が設けられている。固定部材11は、互いに積層された正極板6と負極板7とセパレータ8とを互いに固定する。本実施形態の固定部材11は、固定用テープであり、電極体3の側面のうちで電極板の積層方向(S方向)に沿う側面に貼設されている。固定部材11は、電極体3のT方向の両縁端のそれぞれに配置されている。固定部材11は、電極体3の各縁端においてU方向の複数箇所に配置されている。
【0025】
上記の電池セル1の製造方法は、例えば、電極体3を形成する工程と、蓋体10に取り付けられた電極端子と電極体3のリードとを電気的に接続する工程と、電極端子と電気的に接続された電極体3を容器本体9に収容して容器本体9と蓋体10とを溶接する工程と、電池容器2の内部に電解液を注入する工程と、を有する。次に説明するレーザ溶接装置は、容器本体9と蓋体10とを溶接する工程で用いられる。
【0026】
[レーザ溶接装置]
図3は、本実施形態のレーザ溶接装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のレーザ溶接装置(溶接システム)50は、溶接前の電池容器(以下、電池容器2aという)に対して、容器本体9と蓋体10とを溶接する溶接処理を実行することができる。電池容器2aは、例えば電極体3が収容された容器本体9と、電極体3の複数の正極板6及び負極板7がそれぞれリード25を介して接続させた正極端子4及び負極端子5が取付けられた蓋体10とが互いに嵌合された構造である。レーザ溶接装置50は、電池容器2aの表面上でレーザ光Lを走査させ、電池容器2aにおいてレーザ光Lが入射した部分を溶接することができる。
【0027】
本実施形態のレーザ溶接装置50は、制御部51、レーザ溶接機60、及び容器移動部70を備える。本実施形態において、制御部51及び容器移動部70は、位置調整部52を構成している。容器移動部70は、電池容器2aを保持することができ、電池容器2aを移動させることができる。レーザ溶接機60は、容器移動部70に保持された電池容器2aに、レーザ光Lを照射することができる。容器移動部70が電池容器2aを移動させると、電池容器2aの表面におけるレーザ光Lの照射位置(以下、電池容器上の照射位置という)が変化する。換言すると、電池容器2aの表面をレーザ光Lが走査する。
【0028】
制御部51は、容器移動部70を制御して、電池容器2aの位置を制御することができる。すなわち、レーザ溶接装置50は、容器移動部70に保持された電池容器2a上の照射位置とレーザ溶接機60の焦点位置との相対位置を、制御部51と容器移動部70により調整することができる。制御部51は、溶接の終端処理において、レーザ溶接機60の焦点位置から電池容器2a上の照射位置までの距離が溶接の終端を含む所定の領域内で終端に向うにつれて増加するように、照射位置と焦点位置との相対位置を調整する。
【0029】
次に、レーザ溶接装置50の各構成要素について説明する。
本実施形態のレーザ溶接装置50は、例えば定盤等のベース53を備える。ベース53は、平面状の上面53aを有する。図3に示すXYZ直交座標系において、X方向及びY方向は、互いに直交し、かつ上面53aに平行な方向である。また、Z方向は、上面53aの法線方向である。例えば、X方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が鉛直方向である。
【0030】
容器移動部70は、ステージ71、固定部72、及びステージ駆動部73を有する。ステージ71は、ベース53の上面53aに配置される。ステージ71は、ベース53の上面53aでX方向、Y方向、及びZ方向周りの回転方向の3方向に移動可能に設けられている。ステージ71は、その上面71aに電池容器2aを載置可能である。
【0031】
本実施形態において、電池容器2aは、例えば搬送ロボットRによって、電池セル1の製造ラインの上流側からステージ71の上面71aの所定の位置に搬入(ロード)される。本実施形態において、搬送ロボットRは、電池容器2aの側部41を把持して電池容器2aをベース53の上方で搬送し、電池容器2aをステージ71に載置する。搬送ロボットRは、電池容器2aの底部40をステージ71の上面71aに向けて、電池容器2aを上面71aに載置する。搬送ロボットRは、電池容器2aを載置した後に、ベース53の上方に電池容器2aから退避する。搬送ロボットRは、溶接後の電池容器2aをステージ71から搬出(アンロード)することもできる。
【0032】
なお、搬送ロボットRは、レーザ溶接装置50の一部でもよいし、レーザ溶接装置50の外部の装置でもよい。電池容器2aは、上記の搬送ロボットRの代わりに、手動でステージ71の上面71aに載置されても構わない。また、電池容器2aは、上記の搬送ロボットRの代わりに、ステージ71から手動で搬出されても構わない。
【0033】
固定部72は、ステージ71に載置された電池容器2aをステージ71に固定することができる。本実施形態の固定部72は、ステージ71に設けられている。固定部72は、ステージ71の上面から突出する複数(ここでは4つ)の押え板74a〜74d、及び駆動部75を有する。固定部72は、電池容器2aを複数の押え板74a〜74dで把持して、電池容器2aを固定することができる。
【0034】
複数の押え板74a〜74dは、ステージ71において電池容器2aが配置される領域を囲むように、配置されている。複数の押え板74a〜74dは、それぞれ、上記の領域に対して進退移動可能に設けられている。固定部72の駆動部75は、複数の押え板74a〜74dを進退移動させることができる。押え板74aと押え板74bは、互いに対向して配置されている。固定部72の駆動部は、押え板74aと押え板74bを互いに接近する方向に移動させると、押え板74aが電池容器2aの平面部45a(図2参照)に接触するともに押え板74bが平面部45bに接触する。このようにして、押え板74a及び押え板74bは、電池容器2aを電極板の積層方向(図2に示すS方向)に把持する。押え板74c及び押え板74dは、押え板74aと押え板74bと同様に駆動されて、電池容器2aを上記の積層方向と交差する方向(図2に示すT方向)に把持する。
【0035】
制御部51は、固定部72の駆動部75を制御して、電池容器2aをステージ71に固定させることができる。また、電池容器2aがステージ71に固定されているときに、制御部51は、駆動部75を制御して、固定部72による電池容器2aの固定を解除させることができる。
【0036】
ステージ駆動部73は、電池容器2aがステージ71上に固定されているときに、ベース53の上面53aでステージ71をX方向、Y方向、及びZ方向周りの回転方向の3方向に移動させることができる。電池容器2aがステージ71に固定されているときに、制御部51は、ステージ駆動部73を制御してステージ71を移動させ、ベース53上での電池容器2aの位置を制御することができる。
【0037】
本実施形態のレーザ溶接機60は、レーザ光源部61、導光部62、及び光学モジュール63を有する。本実施形態のレーザ光源部61は、YAGレーザ光を射出可能である。導光部62は、例えば光ファイバー等である。導光部62は、一端がレーザ光源部61に接続されており、他端が光学モジュール63に接続されている。導光部62は、レーザ光源部61から射出されるレーザ光を、導光部62の内部を通して光学モジュール63に導くことができる。光学モジュール63は、複数のレンズ等の光学部品を内包している。光学モジュール63は、導光部62から入射したレーザ光を、光学モジュール63の外部の所定の焦点位置に向けて集光させることができる。
【0038】
本実施形態の光学モジュール63は、焦点距離が固定(単焦点)の光学系である。本実施形態では、レーザ溶接機60におけるレーザ光Lの射出位置及び射出方向が、ベース53に対して固定されている。本実施形態において、光学モジュール63の位置及び姿勢は、溶接処理中にベース53に対して固定される。すなわち、レーザ溶接機60の焦点位置は、溶接処理中にベース53に対して固定される。制御部51は、レーザ光源部61を制御して、レーザ溶接機60からのレーザ光Lの射出を開始させること及び停止させることができる。
【0039】
本実施形態のレーザ溶接装置50は、光散乱部80を備える。光散乱部80は、レーザ溶接機60からのレーザ光Lの射出方向に配置される。光散乱部80は、電池容器2aが配置される位置と比較して、レーザ溶接機60から遠い位置に配置される。本実施形態において、光散乱部80は、レーザ溶接機60からのレーザ光Lがステージ71上の電池容器2aに遮られないときに、すなわち、レーザ光Lが電池容器2aに照射されないときに、レーザ溶接機60からのレーザ光が入射する位置に配置されている。光散乱部80は、レーザ光Lが入射しうる面がレーザ光Lを後方散乱(反射散乱)させる特性を有している。光散乱部80は、例えば表面粗度が高められた(鏡面加工でない)金属板等で構成される。
【0040】
なお、光散乱部80は、レーザ光Lの少なくとも一部を前方散乱(透過散乱)させる部材で構成されていてもよい。また、レーザ溶接装置50は、光散乱部80で散乱されたレーザ光Lが入射する位置に配置され、散乱されたレーザ光Lの少なくとも一部を吸収する光吸収部を備えていてもよい。また、光散乱部80は、設けられていなくとも構わないし、光散乱部80の代わりに、レーザ溶接機60からのレーザ光Lの少なくとも一部を吸収する光吸収部が配置されていてもよい。上記の光吸収部は、例えば黒体化された金属板等で構成される。
【0041】
本実施形態の制御部51は、メモリ及びCPU等を有するコンピュータシステムと、ハードディスク等の不揮発性の記憶媒体と、コンピュータシステムの外部の装置との通信を実行可能なインターフェースとを有する。上記の記憶媒体には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされている。上記の記憶媒体には、上述したようなレーザ溶接装置50の各部の動作の制御を、制御部51に実行させるプログラムが格納されている。
【0042】
制御部51の記憶媒体には、電池容器2aに対するレーザ光Lの照射を開始してからの時間に対するステージ71の位置を規定する位置データが格納されている。制御部51は、上記の位置データに基づいて、ステージ駆動部73を制御することにより、溶接対象部44a上をレーザ光Lが走査するように電池容器2aの位置を制御する。溶接対象部44aは、溶接後に溶接線44になる部分である。後に詳しく説明するが、制御部51は、電池容器2a上の照射位置からレーザ溶接機60の焦点位置までの距離が、溶接の終端を含む所定の領域内で終端に向うにつれて増加するように、レーザ溶接機60とステージ71との相対位置を制御する。
【0043】
なお、制御部51は、レーザ溶接装置50の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。制御部51の機能は、ソフトウエアで実現されてもよいし、ハードウエアで実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組合せで実現されても構わない。また、制御部51に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいはコンピュータシステムの外部の装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。制御部51は、液晶表示ディスプレイ等の表示装置を含んでいてもよいし、表示装置と接続されていてもよい。
【0044】
次に、図4及び図5を参照しつつ、溶接を行うときのレーザ溶接装置50の一連の動作について説明する。図4(a)〜(c)、図5(a)〜(c)は、本実施形態のレーザ溶接装置の動作例を示す説明図である。上述のように、本実施形態の制御部51は、レーザ溶接装置50の各部の動作を制御し、レーザ溶接装置50が行う各処理を各部に実行させる。
【0045】
本実施形態では、電池容器2aがステージ71の上面71aに搬送ロボットRによって載置された後に、制御部51は、固定部72の駆動部75を制御して、駆動部75に固定処理を実行させる。固定処理は、電池容器2aをステージ71に固定する処理である。制御部51は、例えば搬送ロボットRの動作タイミングを示す情報に基づいて、固定処理を開始させる。
【0046】
制御部51は、固定処理の後に必要に応じて、初期配置処理を容器移動部70のステージ駆動部73に実行させる。初期配置処理は、溶接対象部44a内に予め設定された溶接の開始点がレーザ溶接機60からのレーザ光Lの照射位置になるように、電池容器2aが固定されたステージ71を移動させる処理である。本実施形態では、上記の溶接の開始点がレーザ溶接機60の焦点位置とほぼ一致するように、制御部51がステージ駆動部73を制御する。
【0047】
溶接対象部44a(図4(a)参照)は、電池容器2aの側部41における平面部45a〜45dにそれぞれ設定された直線部47a〜47d、及び曲面部46a〜46dにそれぞれ設定された曲線部48a〜48dを有する。本実施形態において、溶接の終端E(後述する)は、曲線部48aに予め設定されており、溶接の開始点Sは、曲線部48aに近接する部分の直線部47aに設定されている。
【0048】
制御部51は、電池容器2aの溶接の開始点がレーザ溶接機60からのレーザ光Lの照射位置に配置された後に、レーザ溶接機60を制御して、レーザ溶接機60に溶接処理を開始させる。レーザ溶接機60は、レーザ光Lの射出を開始して、溶接処理を開始する。制御部51は、ステージ駆動部73を制御して、溶接処理の開始とともにステージ駆動部73にステージ移動処理を実行させる。ステージ移動処理は、制御部51の記憶媒体に格納されたレーザ光Lの照射を開始してからの時間に対するステージ71の位置を規定する位置データにしたがって、ステージ71を移動させる処理である。
【0049】
図4(a)に示すように、溶接処理が開始されたときに、レーザ溶接機60からのレーザ光Lは、溶接の開始点Sに入射する。制御部51は、溶接処理の開始後に、レーザ光Lが直線部47aを開始点Sから曲線部48aに向かって走査するように、ステージ71を移動させる処理をステージ駆動部73に実行させる。本実施形態において、ステージ駆動部73は、ステージ71を直線部47aに平行な方向に移動させる。これにより、電池容器2a上の照射位置からレーザ溶接機60の焦点位置までの距離が、直線部47aを溶接するときにほぼ一定値(ここでは0)に保たれる。
【0050】
図4(b)に示すように、レーザ光Lが曲線部48aに入射するときに、制御部51は、曲線部48aの曲率中心を通りZ方向に平行な軸周りにステージ71を回転させる処理をステージ駆動部73に実行させる。これにより、電池容器2a上の照射位置からレーザ溶接機60の焦点位置までの距離が、曲線部48aを溶接するときにほぼ一定値(ここでは0)に保たれる。
【0051】
図4(c)に示すように、レーザ光Lが直線部47cに入射するときに、制御部51は、ステージ71を直線部47cと平行な方向に移動させる処理をステージ駆動部73に実行させる。以下同様に、制御部51は、レーザ光Lが曲線部48bに入射するときに、ステージ71をZ方向と平行な軸周りに回転させる処理をステージ駆動部73に実行させ、次いでレーザ光Lが直線部47bに入射するときに、ステージ71を直線部47bと平行な方向に移動させる処理をステージ駆動部73に実行させる。次いで、制御部51は、レーザ光Lが曲線部48cに入射するときに、ステージ71をZ方向と平行な軸周りに回転させる処理をステージ駆動部73に実行させ、次いでレーザ光Lが直線部47dに入射するときに、ステージ71を直線部47dと平行な方向に移動させる処理をステージ駆動部73に実行させる。次いで、制御部51は、レーザ光Lが曲線部48dに入射するときに、ステージ71をZ方向と平行な軸周りに回転させる処理をステージ駆動部73に実行させる。
【0052】
次いで、レーザ光Lが直線部47aに入射するとき(図5(a)参照)に、制御部51は、ステージ71を直線部47aと平行な方向(X方向)に移動させる処理をステージ駆動部73に実行させる。制御部51は、溶接の終端Eに向って直線部47aを溶接するときに、直線部47aの溶接処理と終端処理とを連続して、ステージ駆動部73に実行させる。直線部47aの溶接処理は、レーザ光Lが開始点Sに入射するまで、ステージ71をX方向に移動させる処理である。図5(b)に示すように、終端処理は、レーザ光Lが開始点Sを通過した後も直線部47aの溶接処理から継続して、ステージ71X方向への移動を継続させる処理である。
【0053】
このとき、曲線部48aは直線部47aとY方向に平行な直線部47cの角に対応するため、レーザ光Lが開始点Sを通過したもステージ71がX方向に継続して移動すると、レーザ溶接機60の焦点位置から曲線部48a上の照射位置までの距離が次第に長くなる。よって、ステージ71がX方向に移動するにつれて、曲線部48a上のレーザ光Lのスポットサイズが次第に大きくなり、曲線部48a上でのレーザ光Lのエネルギー密度が次第に低くなる。結果として、溶接クレータ部の残存を抑制することができる。
【0054】
図5(c)に示すように、制御部51は、電池容器2aにレーザ光Lが入射しなくなるまでステージ71のX方向への移動をステージ駆動部73に継続させる。電池容器2aにレーザ光Lが入射しなくなることによって、終端処理が終了する。すなわち、直線部47cの近傍の曲線部48aが溶接の終端Eになる。このようにして、電池容器2aの側部41の外周面を環状に溶接することができ、溶接線44が形成された電池容器2が得られる。レーザ溶接機60から電池容器2に遮られることなく進行したレーザ光Lは、光散乱部80に入射して拡散され、拡散光Laになる。拡散光Laは、光散乱部80に入射する前のレーザ光Lよりも、エネルギー密度が低くなる。したがって、レーザ溶接機60から射出されたレーザ光Lによって、レーザ溶接装置50の外部の設備等が損傷することが防止される。
【0055】
溶接処理が終了した後に、制御部51は、ステージ71を所定の位置で停止させる移動停止処理をステージ駆動部73に実行させる。本実施形態において、移動停止処理の後に、制御部51は、固定部72による電池容器2の固定を解除させる固定解除処理を、固定部72に実行させる。固定解除処理の後に、制御部51は、搬送ロボットRを制御して、溶接後の電池容器2をステージ71から搬出させる搬出処理を、搬送ロボットRに実行させる。製造された電池容器2は、例えば搬送ロボットRによってステージ71から電池セル1の製造ラインの下流側へ、搬出される。
【0056】
以上のように本実施形態のレーザ溶接装置50は、電池容器2上の照射位置からレーザ溶接機60の焦点位置までの距離が、溶接の終端Eを含む所定の領域(曲線部48a)内で終端Eに向うにつれて長くなるように、照射位置と焦点位置との相対位置を調整する。したがって、溶接クレータ部が電池容器2に残存することが抑制され、電池容器2の内部の密閉性を高めることができる。よって、電池容器2の内部に貯留された電解液の漏れや劣化が抑制されるとともに、電池セル1の歩留りを向上させることができる。
【0057】
また、レーザ溶接機60の出力を調整しなくとも溶接の終端部(曲線部48a)上でレーザ光Lのエネルギー密度を次第に低下させることができる。したがって、レーザ溶接機60の制御をシンプルにすることができるとともに、レーザ溶接機60の出力を安定させることができる。
【0058】
本実施形態において、曲線部48dを溶接した後に直線部47a及び曲線部48aを溶接するときに、制御部51は、ステージ71が直線部47aに平行な方向(所定の方向)に移動するように、ステージ駆動部73を制御する。したがって、直線部47aの溶接と同じ処理で曲線部48aにおける終端処理を実行することができ、シンプルな終端処理で溶接クレータ部の残存を抑制することができる。
【0059】
また、溶接の開始点Sが、溶接の終端Eを含んだ曲線部48aに近接する部分の直線部47aに設定されているので、開始点Sから終端Eの間で重複して溶接される部分を減らすことができ、溶接に要する時間を減らすことができる。
【0060】
本実施形態において、レーザ溶接装置50は、レーザ溶接機60の光学モジュール63がベース53に固定されており、電池容器2aが固定されたステージ71を移動させて、電池容器2a上のレーザ光Lの照射位置とレーザ溶接機60の焦点位置との相対位置を調整する。したがって、光学モジュール63の移動を減らすことや省略することができ、レーザ溶接機60の焦点位置のずれを抑制することができる。
【0061】
なお、本発明の技術範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。
上記の実施形態では、電池容器2が略矩形箱状であるが、電池容器2の形状は適宜変更可能である。電池容器2が円筒状であってもよい。電池容器が中空の円柱状であって電池容器の外周部に溶接を施す場合には、電池容器の溶接対象部にレーザ光が照射されるときに、制御部51は、電池容器を中心軸周りに回転させる処理をステージ駆動部73に実行させればよい。また、制御部51は、円柱状の電池容器2の外周部が環状に溶接された後に、例えば、レーザ光Lの射出方向と交差する方向に電池容器2を直線的に移動させる終端処理をステージ駆動部73に実行させればよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、電池容器2の外周が矩形の角を丸めた形状であるが、電池容器2の外周は、例えば矩形の角を面取りした形状でも構わない。この場合には、面取りされた部分を曲面部に代えて溶接の終端に設定することにより、終端を含む領域で
、溶接クレータ部の残存を抑制可能である。
【0063】
レーザ溶接装置50は、電池容器2の形状に応じて、電池容器2aに対するレーザ光Lの照射を開始してからの時間に対するステージ71の位置を規定する位置データを変更することにより、多様な形状の電池容器2に溶接を施すことができる。位置データは、例えば、ステージ71上での電池容器2aの固定位置を示す固定位置データと、電池容器2aの形状及び寸法を示す形状データと、電池容器2a上での溶接対象部44aの位置を示す処理位置データとに基づいて、設定可能である。
【0064】
制御部51は、ユーザーの入力等によって、上記の固定位置データ、形状データ、及び処理位置データを取得して、位置データを求めることが可能でもよい。制御部51の記憶媒体は、複数の型の電池容器について、各型に対応する位置データを予め格納しており、制御部51は溶接処理を施す電池容器の型を示すデータの入力を受けて、電池容器の型に応じた位置データを読み出して、上記の各処理を実行させてもよい。
【0065】
また、電池容器2aに溶接対象部44aの位置を示すマークが設けられており、レーザ溶接装置50は上記のマークを検出するイメージセンサー等を備え、制御部51は、イメージセンサーの検出結果に基づいて、各部を制御してもよい。上記のマークは、例えば溶接対象部44aに描画された線でもよい。
【0066】
制御部51は、終端処理において、レーザ光Lの射出方向と平行な方向でステージ71がレーザ溶接機60から離れる向きにステージ71を移動させる処理をステージ駆動部73に実行させても構わない。この場合にも、溶接の終端に向うにつれて電池容器の表面に照射されるレーザ光のエネルギー密度が低下し、溶接クレータ部の残存が抑制される。
【0067】
上記の実施形態において、電池容器2は、容器本体9と蓋体10との継ぎ目が側部41に配置される構造であるが、容器本体と蓋体との継ぎ目が容器本体の底部とは反対側を向く蓋体の上面に配置される構造であっても構わない。この場合には、蓋体の上面側から上記の継ぎ目にレーザ光が照射されるようにレーザ溶接機の配置を変更し、終端処理において、制御部は、レーザ光Lの射出方向と平行な方向でステージ71がレーザ溶接機60から離れる向きにステージ71を移動させる処理をステージ駆動部73に実行させてもよい。この場合にも、溶接の終端に向うにつれて電池容器の表面に照射されるレーザ光のエネルギー密度が低下し、溶接クレータ部の残存が抑制される。
【0068】
制御部51は、レーザ光Lの射出位置を変化させることによってレーザ溶接機60の焦点位置と電池容器2上の照射位置との相対位置を調整しても構わない。この場合にも、溶接の終端に向うにつれて電池容器の表面に照射されるレーザ光のエネルギー密度が低下し、溶接クレータ部の残存が抑制される。
【0069】
レーザ溶接機60は、焦点距離が可変でも構わない。制御部51は、レーザ溶接機60の焦点距離を調整することによって、レーザ溶接機60の焦点位置と電池容器2上の照射位置との相対位置を調整しても構わない。この場合にも、溶接の終端に向うにつれて電池容器の表面に照射されるレーザ光のエネルギー密度が低下し、溶接クレータ部の残存が抑制される。
【0070】
上記の実施形態において、レーザ光Lが電池容器2の表面に垂直に入射しているように図示しているが、レーザ光Lが電池容器2の表面に対して斜方から入射するようになっていてもよい。これにより、例えば、電池容器2の表面で反射したレーザ光Lのレーザ溶接機への戻り光を減らすこと等ができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・電池セル、2、2a・・・電池容器、3・・・電極体、4・・・正極端子、5・・・負極端子、6・・・正極板、7・・・負極板、8・・・セパレータ、9・・・容器本体、9a・・・開口、10・・・蓋体、11・・・固定部材、12、13・・・絶縁スリーブ、20・・・本体部、21・・・タブ、22・・・集電材、23・・・電極活物質層、25・・・リード、30・・・本体部、31・・・タブ、32・・・集電材、33・・・電極活物質層、40・・・底部、41・・・側部、42・・・嵌合凹部、43・・・嵌合凸部、44・・・溶接線、44a・・・溶接対象部、45a〜45d・・・平面部、46a〜46d・・・曲面部、47a〜47d・・・直線部、48a〜48d・・・曲線部、50・・・レーザ溶接装置、51・・・制御部、52・・・位置調整部、53・・・ベース、53a・・・上面、60・・・レーザ溶接機、61・・・レーザ光源部、62・・・導光部、63・・・光学モジュール、70・・・容器移動部、71・・・ステージ、71a・・・上面、72・・・固定部、73・・・ステージ駆動部、74a〜74d・・・押え板、75・・・駆動部、80・・・光散乱部、E・・・終端、L・・・レーザ光、La・・・拡散光、R・・・搬送ロボット、S・・・開始点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池容器の溶接対象部に溶接を施すレーザ溶接装置であって、
前記電池容器にレーザ光を照射可能なレーザ溶接機と、
前記レーザ溶接機から前記電池容器に前記レーザ光が照射されるときに、前記電池容器の表面における前記レーザ光の照射位置から前記レーザ溶接機の焦点位置までの距離が、前記溶接対象部のうちで溶接の終端を含む所定の領域内で該終端に向うにつれて長くなるように、前記照射位置と前記焦点位置との相対位置を調整する位置調整部と、を備えることを特徴とするレーザ溶接装置。
【請求項2】
前記溶接対象部は、前記レーザ溶接機の前記レーザ光の射出方向と交差する所定の方向に延びて配置される直線部と、前記所定の領域を含む曲線部と、を有し、
前記位置調整部は、前記直線部及び前記曲線部を溶接するときに、前記レーザ溶接機と前記電池容器の相対位置を前記所定の方向に直線的に変化させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接装置。
【請求項3】
前記射出方向において、前記電池容器が配置される位置と比較して前記レーザ溶接機から遠い位置に配置され、前記レーザ光を散乱する光散乱部を備え、
前記位置調整部は、前記電池容器に前記レーザ光が入射しなくなるまで前記相対位置を変化させることを特徴とする請求項2に記載のレーザ溶接装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−125775(P2012−125775A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277202(P2010−277202)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】