説明

レーダーシステム駆動方法およびレーダーシステム

本発明は、少なくとも1つの第1のセンサーモジュール(110a)と少なくとも1つの別のセンサーモジュール(110b)とを有するレーダーシステム(100)、特に原動機付き車両(200)のレーダーシステムを駆動する方法に関するものである。本発明に従えば、第1のセンサーモジュール(110a)の通達範囲(A)の少なくとも一部が、別のセンサーモジュール(110b)の通達範囲(B)とオーバラップする。そして、監視モード(305)にある第1のセンサーモジュール(110a)は、別のセンサーモジュール(110b)の動作状態に関する情報を得るために、この別のセンサーモジュール(110b)から送り出される送信信号を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの第1のセンサーモジュールと少なくとも1つの別のセンサーモジュールとを有するレーダーシステム、特に原動機付き車両のレーダーシステムを駆動する方法に関するものである。
【0002】
本発明はさらに、少なくとも1つの第1のセンサーモジュールと少なくとも1つの別のセンサーモジュールとを有するレーダーシステム、特に原動機付き車両のレーダーシステムに関するものである。本発明は、これだけではなく、レーダーシステム、特に原動機付き車両のレーダーシステムに用いるコントロールユニットと、コントロールユニットに用いるコンピュータープログラムとにも関するものである。
【背景技術】
【0003】
この種の方法およびシステムは、それ自体は公知であり、例えば、原動機付き車両の運転支援システムに用いられて、例えば、原動機付き車両の周囲の状況を監視し、あるいは、その他の諸システム、例えば、いわゆるレーン・デパーチャー・ワーンニング・システムまたはその他の運転支援システムを支援または補完するようにしている。
【0004】
これらの公知の方法およびシステムの欠点は、この種のレーダーシステムを信頼性をもって駆動するのに必要な複数のセンサーモジュールを同期させるためには、また特に、これら複数のセンサーモジュールが動作中に互いに妨害しないようにするためには、著しい費用がかかることである。
【0005】
現在、このような同期は、専用の同期配線を介して得られるが、これらの配線は、対応するケーブルの敷設のためには、材料上および組み立て上の追加費用が必要になり、この結果、レーダーシステムの総費用が高くなる。
【0006】
もう1つの公知の解決法の場合には、個々のセンサーモジュールをネットワーク化するために設けられるデータバスが、同期に必要な信号を伝送するために用いられる。この解決法には、精密な同期を可能にするには、大部分のバスシステムの待ち時間が大きすぎるという欠点がある。他方では、この種のシステムの場合、同期情報を伝送するために、バス負荷がそれに応じて高くなり、この結果、場合によっては、データバスを経由するその他の通信を行おうとしても、その可能性がきわめて限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、冒頭に挙げた種類の方法およびレーダーシステムを発展させて、複数のセンサーモジュールの単純で安価で弾力的な同期を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、つぎに記載のようにして、この課題を解決するようにしている。すなわち、冒頭に挙げた種類の方法の場合には、第1のセンサーモジュールの通達範囲の少なくとも一部が、別のセンサーモジュールの通達範囲とオーバラップすることと、監視モードにある第1のセンサーモジュールが、別のセンサーモジュールの動作状態に関する情報を得るために、別のセンサーモジュールから送り出される送信信号を受信することとによって、解決するようにしている。
【0009】
すなわち、複数のセンサーモジュールを有する公知のレーダーシステムの場合には、さまざまなセンサーモジュールの通達範囲は、これらの通達範囲をできるだけ互いにオーバラップさせないように、そして、相互の影響を排除するように、設計される。この公知のレーダーシステムとは異なり、この種のオーバラップを意識的に発生させて、監視モードにある第1のセンサーモジュールが別のセンサーモジュールから送り出される送信信号を受信するために活用されることを、本発明は提案している。このようにすれば、例えば、本発明に従った駆動方法の場合には、第1のセンサーモジュールが別のセンサーモジュールから生じる送信信号を評価することによって、この別のセンサーモジュールの動作状態に関する情報を得ることが可能になる。これによって、第1のセンサーモジュールは、特に有利な方法として、自らの送信動作および受信動作を別のセンサーモジュールの動作状態に同調させることができる。
【0010】
したがって、特に有利な方法として、第1のセンサーモジュールが、別のセンサーモジュールの動作状態に関する情報に応じて駆動されることができる。
【0011】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態は、送信信号としてFMCM(周波数変調持続波)−信号を用いることを意図している。この信号の場合には、その周波数がスタート周波数とストップ周波数との間で時間的に変化する。
【0012】
チャープ信号とも呼ばれるこのような送信信号の場合には、この送信信号の周波数は、スタート周波数を出発点として、例えば時間線形的に高くなる。この結果、このチャープ信号は、例えば、そのスタート周波数、ストップ周波数および信号継続時間の記述によって、完全に決定される。
【0013】
これだけでなく、周波数の時間線形的変化を示さないチャープ信号も、送信信号として用いられることができる。さらには、いわゆる、ステップドFMCW信号、アップダウンFMCW信号、その他のチャープ信号またはまったく一般的なFSK信号、もしくは、これらの組み合わせが、送信信号として用いられることができる。
【0014】
本発明に従った方法のもう1つの特に有利な実施形態の場合には、第1のセンサーモジュールの受信機が、監視モードにおいて、受信した信号のうの、FMCW信号のスタート周波数とFMCW信号のストップ周波数との間にある周波数を有する信号だけを評価する。これによって、第1のセンサーモジュールにおいて、別のセンサーモジュールに由来する送信信号を監視するための費用は、明らかに減少する。これだけでなく、この措置によれば、本発明に従ったレーダーシステムの干渉感受性も減少する。なぜならば、同期に必要な送信信号とは異なる送信信号の評価は、行われないからである。
【0015】
例えば、第1のセンサーモジュールの受信機に設けられる電圧制御発振器(VCO)は、受信される送信信号をミキシングダウンするための混合信号を生成するものであるが、この発振機は、本発明に従った監視モードでは、つぎのようにして調整される。すなわち、この発振機の動作が、一定の周波数でもって、そして、その周波数がFMCW送信信号のスタート周波数とストップ周波数とによって定義される周波数範囲内にあるときに、行われるように調整される。この場合には、別のセンサーモジュールから送信信号として送り出されるFMCW信号が、少なくとも短時間、第1のセンサーモジュールの受信機の電圧制御発振器と同一の周波数を有することが可能になる。この結果、少なくともこの時点で、送信信号が第1のセンサーモジュールまたはその受信機に記録される。
【0016】
受信される送信信号の周波数は、この場合、ローカルな電圧制御発振器の周波数と一致する。受信される送信信号の受信時間と周波数とから、そして、別のセンサーモジュールが用いる送信信号のタイプの知識から、第1のセンサーモジュールにおいては、例えば、別のセンサーモジュールが送信信号の送り出しを開始したスタート時点と、この別のセンサーモジュールが送信信号の送り出しを中止した終了時間とが、推論されることができる。これらのデータの知識の下で、別のセンサーモジュールとの第1のセンサーモジュールの非常に精密な同期を行うことができる。
【0017】
本発明に従ったレーダーシステムのすべてのセンサーモジュールが同種のものに形成され、特に、送信信号も同一のものを使用する場合には、本発明に従った方法を適用することによって、センサーモジュールの同期を、非常に簡単な方法でもって、達成することができる。
【0018】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態においては、第1のセンサモジュールおよび/または別のセンサーモジュールが、制御可能な指向性パターンを伴っているレーダーセンサーを有している。この種の制御可能な指向性パターンは、例えば、整相列とも呼ばれる多数の位相制御式アンテナによって得られる。そして、例えば、各レーダーセンサーまたは対応するセンサーモジュールが時間区分ごとにその通達範囲全体のうちの1つの小さい部分領域だけを監視することが、可能になる。これによって、他にもこれに応じた高い空間的解像度が、例えば、原動機付き車両の周囲の状況において障害物を検出するときに、得られる。
【0019】
この場合、さまざまなセンサーモジュールの通達範囲の配置は、これらの通達範囲が比較的小さい空間領域においてのみオーバラップするようにすれば、特に有利である。この場合、レーダーセンサーまたはアンテナの指向性パターンを適切に形成すれば、隣接するセンサーモジュールの送信信号を監視することによって、本発明に従った同期を行う可能性が、依然として得られる。他方、各レーダーセンサーの指向性パターンがオーバラップ領域内に到達しなければ、隣接する各センサーモジュール相互の意図せざる妨害のリスクは、十分に排除される。
【0020】
例えば、1つのセンサーモジュールは、その通達範囲全体を周期的に探ることができる。このために、このセンサーモジュールは、そのレーダーセンサーの指向性パターンのために、比較的狭い主ローブを調整する。この主ローブは、通達範囲全体のさまざまな部分領域上を、順次旋回される。この場合、隣接する各センサーモジュールの通達範囲がそもそも実際にオーバラップを生じるのは、つぎに挙げる時点だけである。すなわち、隣接するセンサーモジュールのそれぞれの主ローブは、それぞれの通達範囲の部分領域を捕らえるが、これは、隣接する各センサーモジュールの通達範囲のオーバラップ領域にこの部分領域がある時点である。
【0021】
一方のセンサーモジュールによる隣接するセンサーモジュールに対する同期は、この場合、例えばつぎのようにして行われる。すなわち、センサーモジュールは、ある指定可能な時間の間に、監視モードを取り、そして、この監視モードのときに、好ましくはオーバラップ領域だけを監視する。隣接するセンサーモジュールは、その通達範囲を周期的に探って、オーバラップ領域にその送信信号をやはり周期的に送る。この隣接するセンサーモジュールの送信信号が、同期されるべきセンサーモジュールによって検出されると、本発明による同期がただちに可能になる。
【0022】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態では、センサーモジュールが監視モードに周期的に移行する。これによって、センサーモジュールのローカルなタイムベースに不正確さが生じても、このことは、複数のセンサーモジュール間の同期がまったく失われることにはならない。なぜならば、監視モードを周期的に取ることによって、定期的な補正ができるようになるからである。
【0023】
特に有利な方法として、センサーモジュールは、つぎのような場合にも、同期のために監視モードに移行することができる。このセンサーモジュールが、通常動作、例えば障害物検出動作にあって、クロストークその他の妨害を受信するか、あるいは、それらがあると評価した場合である。この妨害とは、隣接するセンサーモジュールの送信信号を意図しないのに受信していること、したがって、同期が失われたことを示すものである。
【0024】
特に有利な方法として、本発明のもう1つの実施形態の場合には、センサーモジュールが起動された直後に監視モードに移行する。このようにして、隣接するセンサーモジュールに当初は同期されていなかったセンサーモジュールの可能な限りの迅速な同期が得られる。
【0025】
非常に有利な方法として、本発明のもう1つの実施形態では、センサーモジュールが、指定可能な待ち時間の経過後またはランダム依存性の待ち時間の経過後に、監視モードを離れる。したがって、例えば、隣接するセンサーモジュールが完全に機能停止したときに、この機能停止した隣接するセンサーモジュールとの同期をたとえ実行できなくても、該当するセンサーモジュールの間隔測定機能または障害物検出などは可能である。
【0026】
ランダム依存性の待ち時間を設けることは、特に有利である。なぜならば、これによって、同時に起動された隣接する各センサーモジュールが同一時点に監視モードを離れて相互間の同期が不可能になることが、十分に防止されるからである。
【0027】
2つの同時に起動されたセンサーモジュールが同一時点に監視モードを離れる確率は、比較的小さい。したがって、両方のセンサーモジュールのうちの一方は、高い確率でもって、そのランダム依存性の待ち時間の経過後に、例えば通常動作を取り、このセンサーモジュールは、障害物検出などの主要機能を遂行する。隣接する他方のセンサーモジュールは、依然として監視モードを取り続ける。なぜならば、この隣接するセンサーモジュールのランダム依存性の待ち時間は、まだ経過してないからである。したがって、この他方のセンサーモジュールは、隣接していて今すでに通常の動作状態にある一方のセンサーモジュールに、同期することができる。
【0028】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態では、別のセンサーモジュールから送り出される送信信号が、この別のセンサーモジュールにおいて、この別のセンサーモジュールと、この別のセンサーモジュールの通達範囲内にある物体との間隔を測定するのに用いられることを意図している。すなわち、本発明に従った方法によって、監視モードにあるセンサーモジュールが隣接するセンサーモジュールと同期できるようにするために、この隣接するセンサーモジュールが、例えば障害物検出などを可能としない特別な送信信号を送り出す必要はない。むしろ、この隣接するセンサーモジュールは、非常に有利な方法として、通常の動作状態を示し、そして、その機能に必要な送信信号、例えばFMCW送信信号を送り出す。これによって、センサーモジュールを本発明に従って同期させる間に、レーダーシステムの少なくとも1つの限定された動作が得られる。これが可能なのは、監視モードにないセンサーモジュールが、障害物などがあればこれに関するデータをすでに検出することができるからである。
【0029】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態では、別のセンサーモジュールが、同期情報を含む特有の送信信号を第1のセンサーモジュールの通達範囲に、または、隣接するセンサーモジュールの通達範囲のオーバラップ領域に、送り出すことを意図している。この方法バリエーションの場合には、必要があれば、この別のセンサーモジュールから、監視モードにあるセンサーモジュールに、特に妨害に強い同期情報その他のデータを伝送することができる。
【0030】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態では、監視モードにあるセンサーモジュールが受信する別のセンサーモジュールの送信信号に対して、直角復調が行われる。これは、受信された送信信号の値および位相に関する必要な情報を得るためである。この場合、受信された送信信号は、適切な混合周波数を選択することによって、例えばベースバンド位置に置き換えられる。この結果、簡単な信号処理によって、例えば、受信された送信信号の強さまたは受信された送信信号のその他の特性を、簡単な方法でもって、調べることができる。これによって、受信された送信信号を簡単にプラウシビリティチェックすることができることも、非常に有利である。例えば、特に、受信された送信信号の振幅にプラウシビリティチェックを行って、同期のためにつぎのような信号を誤って評価するのを防止することもできる。これは、例えば、本発明に従ったレーダーシステムの周囲にある他の原動機付き車両または他のシステムから生じる送信信号である。
【0031】
特に有利な方法として、本発明の原理の応用の下に、監視モードにそれぞれある複数のセンサーモジュールが、同時に、別のセンサーモジュールから送り出される送信信号を受信して、別のセンサーモジュールの動作状態に関する情報を得ることができる。すなわち、本発明によれば、まだ同期されていない複数のセンサーモジュールが、同時に、隣接するセンサーモジュールの送信信号を監視し、そして、このセンサーモジュールの動作に同期することも可能である。
【0032】
本発明の課題のもう1つの解決法として、請求項14に記載するレーダーシステムを挙げることができる。
【0033】
本発明の課題のさらにもう1つの解決法として、請求項16に記載するコントロールユニットと、請求項17に記載するコンピュータープログラムとを挙げることができる。
【0034】
その他の利点、内容および詳細が、つぎに説明されている。つぎの記載では、図面を引用しながら、本発明のさまざまな実施例を説明している。この場合、請求項および説明で挙げたさまざまな内容は、それぞれ個別でも、また、任意の組み合わせでも、本発明の重要な点をなすものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明によるレーダーシステム100の第1の実施形態を模式的に示している。レーダーシステム100は、第1のセンサーモジュール110aと第2のセンサーモジュール110bとを有している。図1から明らかなように、センサーモジュール110a、110bは、長方形200で示されている原動機付き車両の後部領域200aに設けられている。
【0036】
いずれのセンサーモジュール110a、110bも、レーダー信号を送信および受信するのに適しているレーダーセンサーを備えているが、ここには図示されていない。特に有利な方法としては、いずれのレーダーセンサーないしはこれらのアンテナも、制御可能な指向性パターンを有し、そして、このような方法で比較的狭い主ローブを形成して、それぞれが、各センサーモジュール110a、110bに割り当てられた通達範囲A、Bの部分領域を監視する。図1には、この状況を説明するための例として、第1のセンサーモジュール110aのレーダーセンサーにおいて詳しくは示さないが可能性がある3つの主ローブと、第2のセンサーモジュール110bのレーダーセンサーにおいて詳しくは示さないが可能性がある3つの主ローブとを示している。
【0037】
好ましくは、いずれのレーダーセンサーも、そのときどきに図示の主ローブの1つを設定して、この主ローブを通達範囲A、B全体の範囲内で旋回させることができる。この結果、各通達領域A、B全体のいずれの部分領域も、1つの主ローブで周期的にカバーされる。
【0038】
本発明に従えば、レーダーセンサーまたはそのセンサーモジュール110a、110bは、つぎのように形成される。すなわち、センサーモジュール110a、110bの通達範囲A、Bが、図1で符号Cを付したオーバラップ領域で互いにオーバラップするように形成される。これによって、例えば、第2のセンサーモジュール110bからオーバラップ領域Cに送り出されるレーダー信号は、第1のセンサーモジュール110aによって受信されることができる。
【0039】
しかし、このためには、対応するレーダーセンサーの指向性パターンもしくは指向性特徴は、例えば、図1に示すように主ローブがオーバラップ領域C内に達するという構成をとることになる。この構成においては、指向性パターンのそれぞれは、オーバラップ領域Cの少なくとも部分領域をカバーしている。
【0040】
本発明に従えば、センサーモジュール110a、110bは、少なくとも一時的に監視モードを取ることを予定されている。この監視モードでは、センサーモジュールのそれぞれは、隣接するセンサーモジュール110a、110bから送り出される送信信号を受信する。これは、隣接するセンサーモジュール110a、110bの動作状態に関する情報を得て、必要があれば、隣接するセンサーモジュール110a、110bに同期するためである。
【0041】
つぎの記載では、センサーモジュール110a、110b同士の本発明に従った同期が、図2に示す状態ダイヤグラムを引用しながら、詳しく説明されている。図2の状態ダイヤグラムは、例えば、センサーモジュール110a、110bの動作状態をいくつか記載している。この動作状態は、本発明に従った方法が実行される間に、センサーモジュールが取ることができるものである。
【0042】
つぎの説明では、両方のセンサーモジュール110a、110bが、同時に起動されることを前提にしている。これは、例えば、原動機付き車両200(図1)の使用を開始する際に、イグニッションにスイッチを入れることによって行われるものである。
【0043】
特に有利なこととして、センサーモジュール110a、110bは、原動機付き車両200における取り付け位置以外の点では、完全に同一に形成されることができる。この場合、つぎの実施形態は、例えば、第1のセンサーモジュール110aだけに関するものであっても、第2のセンサーモジュール110bや、その他にもセンサーモジュールが設けられればこれらにも、問題なく直接に転用されることができる。
【0044】
図2から明らかなように、センサーモジュール110aは、起動後にただちに初期化状態300を取る。この初期化プロセスは、例えば、センサーモジュール110aに含まれるレーダーセンサーの起動またはその他のコンポーネントの校正、センサーモジュール110aのローカルなコントロールユニット(ここには図示しない。)の起動などを含むことがある。この初期化プロセスの終了後には、センサーモジュール110aは、本発明に従った監視モード305に移行する。
【0045】
監視モード305においては、センサーモジュール110aのレーダーセンサーは、このセンサーが図1に示すオーバラップ領域Cの少なくとも一部をカバーするように、構成されている。これは、例えば、レーダーセンサーのアンテナシステムの主ローブがオーバラップ領域Cを向くように調整することによって、達成される。これに対応して、センサーモジュール110aは、隣接するセンサーモジュール110bからオーバラップ領域Cに送り出される送信信号を受信することができる。
【0046】
本発明では、第1のセンサーモジュール110aは、隣接するセンサーモジュール110bから送り出される送信信号をこの第1のセンサーモジュールが実際に受信するまで、監視モード305にとどまる。この状況は、図2の状態遷移305aによって示されている。
【0047】
センサーモジュール110aは、その監視モード305においてセンサーモジュール110bから生じる送信信号を受信すると、監視モード305から状態遷移305bを経由して評価モード310にただちに切り替わる。この評価モード310では、センサーモジュール110aは、第2のセンサーモジュール110bから受信した送信信号を解析して、第2のセンサーモジュール110bの動作状態に関する情報を得る。
【0048】
この解析が終了した後には、センサーモジュール110aは、評価モード310を離れて、構成モード315に切り替わる。この構成モードでは、センサーモジュール110aは、そのレーダーセンサーを評価310に応じて構成して、センサーモジュール110bの動作に同期する。この同期は、例えば、ローカルなコントロールユニットのタイマーのような、ローカルなタイムベースの校正を含むことができる。そして、センサーモジュール110aにおいては、例えば、将来の時間的インターバル、すなわち、隣接するセンサーモジュール110bがその送信信号をオーバラップ領域Cに送り出すための時間的インターバルが、算出されることができるようにする。
【0049】
同期が成功した後には、第1のセンサーモジュール110aは、最後に、通常動作320に切り替わる。この通常動作では、このセンサーモジュールは、そのレーダーセンサーの指向性パターンを周期的に変化させて、通達範囲Aの部分領域に例えば障害物その他の物体がないのかを周期的に監視する。
【0050】
本発明に従って、隣接するセンサーモジュール110bの動作にセンサーモジュール110aを同期させるおかげで、センサーモジュール110aによる通達範囲Aの監視は、つぎのようにして行うのが特に有利である。すなわち、センサーモジュール110aがオーバラップ領域Cを監視する時点は、隣接するセンサーモジュール110bが同様にオーバラップ領域Cを監視してはいない時点とする。これによって、センサーモジュール110a、110bは、その通常動作320の間に、相互干渉を生じなくなる。
【0051】
しかし、第1のセンサーモジュール110aが、その通常動作320の間に、隣接するセンサーモジュール110bに対する同期を時とともに失う場合には、隣接するセンサーモジュール110bもオーバラップ領域Cを監視する時点と同一の時点に、センサーモジュール110aがオーバラップ領域Cを監視する場合が生じることがある。このような場合には、センサーモジュール110a、110bの間に望ましからぬクロストークが生じる。
【0052】
この種の望ましからぬクロストークは、例えば、第1のセンサーモジュール110aによって、通常動作320において送り出しまたは受信されたレーダー信号内で検出される。そうすると、第1のセンサーモジュール110aは、ただちに、通常動作320を離れて、状態遷移320aによって改めて本発明の監視モード305を取る。続いて―すでに前述したようにして―第2のセンサーモジュール110bに対する第1のセンサーモジュール110aの本発明に従った新たな同期が行われる。
【0053】
第1のセンサーモジュール110aによって望ましからぬクロストークを検出する代わりに、第2のセンサーモジュール110bによってこの種の検出を行うこともできる。この場合、第2のセンサーモジュールは、同じ方法でもって監視モード305にただちに切り替わる。
【0054】
しかし、両方のセンサーモジュール110a、110bが同時に改めて監視モード305を取ることを防止するために、本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態は、つぎのことを提案している。すなわち、各通達範囲A、Bの部分領域を周期的に監視する際に、そして、クロストークが検出される場合に、これらのセンサーモジュール110a、110bは、まず、ランダム依存性の待ち時間または周期数の間に通常動作320を維持して、その後に、監視モード305に切り替わる。これによって、もう1つのセンサーモジュール110bは依然として通常動作320にとどまる一方で、センサーモジュール320aは、ランダムコントロールされながら状態遷移320aを経由して、まず監視モード350に切り替わり、改めて同期を実行できるようになる。
【0055】
本発明に従った方法のもう1つの非常に有利な実施形態では、センサーモジュール110aが、監視モード305を取った後に、例えば、一定な待ち時間ではなく、ランダム依存性の待ち時間の間も、監視モード305にとどまることができる。この待ち時間の間に、隣接するセンサーモジュール110bに由来する送信信号が受信または検出されなかった場合には、対応するセンサーモジュール110aは、監視モード305から通常動作320に直接に移行する(状態遷移305C参照)。これによって、このセンサーモジュール110aは、例えば、隣接するセンサーモジュール110bのすべてが完全に機能停止したときに、通常動作320に移行し、本発明に従ったレーダーシステム100(図1)は、少なくとも一部の動作を維持される。
【0056】
ランダム依存性の相応の待ち時間の後に、状態遷移305cによってさらに、センサーモジュール110bの1つが、高い確率でもって、初期化300の後に通常動作320を取ることができるようになる。この場合、本発明に従った同期は、前もって実行はされない。これによって、レーダーシステム100のその他のセンサーモジュール110aが、このセンサーモジュール110bに対して、すでに何回も説明した同期を行うことができるようになる。
【0057】
ここからは、本発明に従った方法の特に有利な実施形態を示している図3a〜図3cを引用して、隣接するセンサーモジュールから受信する送信信号の同期または評価310(図2)について、詳しく説明する。
【0058】
ここで、図3aは、センサーモジュール110aのレーダーセンサーに含まれるミキサーの混合周波数の時間的経過を示している。図3aから明らかなように、センサーモジュール110aが監視モードにある間には、ミキサーは時間的に一定な混合周波数f3を示している。
【0059】
図3bは、チャープ信号とも呼ばれるFMCW(周波数変調持続波)−送信信号の時間的経過を示している。この送信信号は、センサーモジュール110bから、特にオーバラップ領域C(図1)にも、周期的に送り出される。
【0060】
図3bから明らかなように、この送信信号は、スタート周波数f1を出発点としてストップ周波数f2まで、周波数の時間線形的変化を示している。すなわち、総送信時間T=t3−t1の中で、センサーモジュール110bから送り出された送信信号の周波数は、スタート周波数f1からストップ周波数f2まで、時間線形的に変化する。
【0061】
これによって、第1のセンサーモジュール110aのレーダーセンサーは、混合周波数f3(図3a)で一定に駆動されるミキサーを用いて、ちょうどつぎのような場合に、送信信号に対応する受信信号を検出することができる。これは、センサーモジュール110bの図3bに示すチャープ送信信号の周波数がミキサーの混合周波数f3と同一の場合である。
【0062】
このことは、図3bに示すチャープ送信信号では、時点t2で生じる。すなわち、時点t2で、図3bのチャープ送信信号は、受信された送信信号をミキシングするためにミキサーが用いた信号と同一の周波数f3を有している。したがって、センサーモジュール110aでは、チャープ送信信号を評価することによって、図3cに示す評価信号と比較することが可能な信号が得られる。この評価信号は、時点t=t2で、最大値を示す。
【0063】
すなわち、送信モジュール110bから送り出されるFMCW送信信号またはチャープ送信信号を上述のように評価することによって、第1のセンサーモジュール110aは、受信時点t2と、ミキサーで用いられる混合周波数f3とに関する知識の下に、FMCW送信信号(図3b)の既知の特性T=t3−t1、f1、f2から、隣接するセンサーモジュール110bの動作状態を推論することができる。
【0064】
いわゆるチャープ経過時間Tとは、送信信号が時間線形的に周波数変調されて送り出されるのに要する時間である。特に、このチャープ経過時間に関する知識の下で、例えば、チャープ送信信号のスタート時点t1または終了時点t3=t1+Tを求めることもできる。
【0065】
このためには、つぎの等式を利用すれば、非常に有利である。
【数1】

【0066】
この方法によって、第1のセンサーモジュール110aは、センサーモジュール110bから送り出される送信信号の以前に求められたパラメーターに応じて、自らの送信信号のスタート時点t1を確定することができる。
【0067】
アルゴリズムを用いて、センサーモジュール110a、110bにおいて、例えば、各レーダーセンサーの主ローブを変化させることまたは通達範囲A、B(図1)上を旋回させることができる。このアルゴリズムの知識の下で、特定のセンサーモジュール110aのレーダーセンサーの動作は、つぎのように制御されることができる。すなわち、互いに異なるセンサーモジュール110a、110bの主ローブが時間的に重なり合うことによって生じる望ましからぬクロストークが、オーバラップ領域Cに生じないようにすることができる。
【0068】
従来型のシステムの場合には、同期信号を伝送するために、各センサーモジュール間のデータラインは別々に設けられている。本発明に従ったレーダーシステム100または本発明に従った動作方法の場合には、このように別々にする必要はない。
【0069】
特に、図4に模式的に示すレーダーシステム100の場合には、中央のコントロールユニット120との個々のセンサーモジュール110a、110bのコミュニケーションのために、データバス130が設けられているが、このようなデータバスが設けられていても、このデータバスは同期目的には用いられない。この結果、データバス130のバス負荷はこのためには増加せず、したがって、バス上のその他のデータ通信は、妨害されることなく、信頼性をもって実行されることができる。中央のコントロールユニット120に加えて、センサーモジュール110a、110bのいずれにも、中央のコントロールユニット120に匹敵する相応のローカルなコントロールユニット(図示しない。)を設けることができる。このローカルなコントロールユニットは、例えば、レーダーセンサーないしはそのアンテナを制御し、送信信号の評価機能を制御し、そして、センサーモジュール110a、110bの動作をすべて共通に制御する。
【0070】
図3bに示す送信信号の時間線形的な周波数変調だけでなく、非線形なチャープ信号、もしくは、いわゆる、ステップドFMCW、アップダウンFMCWまたは一般的なその他のFSK信号、もしくは、これらの組み合わせが、送信信号として用いられることもできる。
【0071】
まったく一般的には、例えば障害物検出などのようなセンサーモジュール110bの主要機能を実現するために、監視モード305(図2)にあるセンサーモジュール110aは、センサーモジュール110bが用いる送信信号であれば、考えられるあらゆる送信信号をセンサーモジュール110bと同期するために用いることができる。したがって、同期が行われなくても、レーダーシステム100の少なくとも1つの限定された機能が得られる。
【0072】
しかし、これとは異なる方法として、センサーモジュール110a、110bは、目的に合わせて、例えば特別な同期情報またはそのほかのデータを含む送信信号をオーバラップ領域Cに送り出して、この送信信号を受信するセンサーモジュールに必要な情報を伝送することもできる。
【0073】
監視モード305にある送信モジュール110aが受信した隣接するセンサーモジュール110bの送信信号に、特に有利な方法として、直角復調を行い、そして、受信された送信信号の値および位相に関する必要な情報を得ることもできる。この場合、適切な混合周波数f3を選択することによって、受信された送信信号をベースバンド位置に直接に置き換えることができる。この結果として、あまり複雑ではない信号処理を介して、例えば、受信された送信信号の強さ、または、受信された送信信号のその他の特性を探ることができる。受信された送信信号の強さは、従来型の復調によっても求められることができる。この場合、直角復調器を省くことができる。
【0074】
特に有利な方法として、本発明は、特に、受信された送信信号ないしはこれに対応する復調された信号の振幅をも解析する。これは、同期のために、誤った送信信号が評価されるのをプラウシビリティチェックによって防止するためである。この誤った送信信号としては、例えば、本発明のレーダーシステム100の周囲にある他の車両のセンサーモジュールから生じる送信信号または他のシステムから生じる送信信号がある。
【0075】
本発明の原理を応用しながら、監視モードにある複数のセンサーモジュールが同時に、別のセンサーモジュールから送り出される送信信号を受信して、この別のセンサーモジュールの動作状態に関する情報を得ることもできる。すなわち、本発明では、まだ同期されていない複数のセンサーモジュールが、同時に、隣接するセンサーモジュールの送信信号を監視し、そして、このセンサーモジュールの動作に同期することもできる。
【0076】
センサーモジュール110aがレーダーセンサーを備え、そして、このレーダーセンサーが専用の送信機および専用の受信機を有する場合には、センサーモジュール110aは、これに応じて、通常動作320にあるときでも、監視モード305の関連で上述した機能、すなわち、センサーモジュール110aが隣接するセンサーモジュール110bから送り出される送信信号を同期目的で受信しかつ評価する機能を、実行することができる。この場合、両方のセンサーモジュール110a、110bは、好ましくは、互いに異なる送信信号、例えば、互いに異なるチャープ時間または周波数変調を有する送信信号を用いる。これは、対応する評価を容易に行えるようにするためである。
【0077】
特に重要なのは、本発明の方法をコンピュータープログラムとして実現することである。このコンピュータープログラムは、例えばEEPROMのような例えば電子的記憶装置に記憶され、そして、コントロールユニット120(図4)またはセンサーモジュール110a、110bのローカルなコントロールユニットで実行可能である。
【0078】
センサーモジュールに含まれる受信機のシステム帯域幅によっては、同期のためには、特に、隣接する各センサーモジュール間のクロストークを防止するためには、隣接する各センサーモジュールのチャープ信号を、指定可能な時差だけ相互に時間をずらして、送り出すだけでも十分な場合がある。すなわち、この場合、両方のセンサーモジュールは、同時にオーバラップ領域Cに送り出すことができ、そして、このチャープ信号は―指定可能な時差に応じて―少なくとも一部がオーバラップすることさえできる。
【0079】
これが可能になるのは、時差を適切に選択している場合には、すでにこの時差の経過後に、一方のセンサーモジュールのチャープ信号が、他方のセンサーモジュールのチャープ信号に対して、十分大きい周波数間隔を有しているからである。この場合、一方のセンサーモジュールのチャープ信号は、もはや、他方のセンサーモジュールからその時点で観察された受信周波数領域にはない。この受信周波数領域は、他方のセンサーモジュールの遅延したチャープ信号のその時点の周波数に、再び依存する。したがって、指定可能な時差の選択は、使用されたチャープ信号の周波数変化速度と、受信器のシステム帯域とに依存する。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に従ったレーダーシステムの第1の実施形態である。
【図2】本発明に従った方法の第1の実施形態の状態ダイヤグラムである。
【図3a】本発明の別の実施形態に従ったセンサーモジュールの受信周波数の時間的経過である。
【図3b】本発明の別の変形例に従った送信信号の周波数の時間的経過である。
【図3c】隣接するセンサーモジュールの送信信号を評価する際に、監視モードにあるセンサーモジュールから得られる信号の時間的経過である。
【図4】本発明によるレーダーシステムの別の実施形態の、単純化されたブロック線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のセンサーモジュール(110a)と少なくとも1つの別のセンサーモジュール(110b)とを有するレーダーシステム(100)、特に原動機付き車両(200)のレーダーシステムを駆動する方法において、
上記第1のセンサーモジュール(110a)の通達範囲(A)の少なくとも一部が、上記別のセンサーモジュール(110b)の通達範囲(B)とオーバラップすることと、
監視モード(305)にある上記第1のセンサーモジュール(110a)が、上記別のセンサーモジュール(110b)の動作状態に関する情報を得るために、上記別のセンサーモジュール(110b)から送り出される送信信号を受信することとを特徴とするレーダーシステム駆動方法。
【請求項2】
上記第1のセンサーモジュール(110a)が、上記別のセンサーモジュール(110b)の動作状態に関する情報に応じて駆動されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記送信信号としてFMCW信号が用いられ、
このFMCW信号の周波数がスタート周波数(f1)とストップ周波数(f2)との間で時間的に変化することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
上記第1のセンサーモジュール(110a)の受信機が、上記監視モード(305)において、受信された信号のうちの、その周波数(f3)が上記FMCW信号のスタート周波数(f1)と上記FMCW信号のストップ周波数(f2)との間にある信号だけを評価することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記別のセンサーモジュール(110b)との上記第1のセンサーモジュール(110a)の同期が、受信される上記別のセンサーモジュール(110b)の送信信号の受信時間(t2)および周波数(f3)に応じて実行されることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
上記第1のセンサーモジュールおよび/または上記別のセンサーモジュール(110、110b)が、制御可能な指向性パターンを伴っているレーダーセンサーを有している、請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
上記センサーモジュール(110a、110b)が上記監視モード(305)に周期的に移行することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
上記センサーモジュール(110a、110b)が起動された直後に上記監視モード(305)に移行することを特徴とする、請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
上記センサーモジュール(110a、110b)が、指定可能な待ち時間の経過後またはランダム依存性の待ち時間の経過後に、上記監視モード(305)を離れることを特徴とする、請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
上記別のセンサーモジュール(110b)から送り出される送信信号が、この別のセンサーモジュール(110b)において、この別のセンサーモジュール(110b)と、上記別のセンサーモジュール(110b)の通達範囲(B)にある物体との間隔を測定するのに用いられることを特徴とする、請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
上記別のセンサーモジュール(110b)が、同期情報を含む特有の送信信号を上記第1のセンサーモジュール(110a)の通達範囲(A)に送ることを特徴とする、請求項1〜10のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
上記第1のセンサーモジュール(110a)において、受信される上記別のセンサーモジュール(110b)の送信信号に対して、直角復調が行われることを特徴とする、請求項1〜11のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
上記監視モード(305)にある複数のセンサーモジュールが、上記別のセンサーモジュール(110b)の動作状態に関する情報を得るために、上記別のセンサーモジュール(110b)から送り出される送信信号を受信することを特徴とする、請求項1〜12のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの第1のセンサーモジュール(110a)と、少なくとも1つの別のセンサーモジュール(110b)とを有するレーダーシステム(100)、特に原動機付き車両(200)のためのレーダーシステムにおいて、
上記第1のセンサーモジュール(110a)の通達範囲(A)の少なくとも一部が、上記別のセンサーモジュール(110b)の通達範囲(B)とオーバラップすることと、
監視モード(305)にある上記第1のセンサーモジュール(110a)が、上記別のセンサーモジュール(110b)の動作状態に関する情報を得るために、上記別のセンサーモジュール(110b)から送り出される送信信号を受信することができることとを特徴とするレーダーシステム。
【請求項15】
上記レーダーシステム(100)が、請求項1〜13のうちのいずれか1つに記載の方法を実行することができることを特徴とする、請求項14に記載のレーダーシステム(100)。
【請求項16】
上記コントロールユニット(120)が、請求項1〜13のうちのいずれか1つに記載の方法を実行することができることを特徴とする、レーダーシステム(100)、特に原動機付き車両(120)のレーダーシステムのためのコントロールユニット(120)。
【請求項17】
請求項1〜13のうちのいずれか1つに記載の方法を実行することができることを特徴とするコンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−517635(P2009−517635A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541600(P2008−541600)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009326
【国際公開番号】WO2007/062708
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(508108903)ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー (22)
【Fターム(参考)】