説明

レーダ信号処理装置

【課題】本発明は、気象レーダの観測局から引き渡された観測データに基づいて3次元における雲の分布を求めるレーダ信号処理装置に関し、雷監視システムから通知された情報を活用することにより、雲放電や対地放電が発生した地点や空間を的確に識別できることを目的とする。
【解決手段】雷監視システムから与えられ、かつ雲放電が発生した位置を示す雷監視情報を取得する雷情報取得手段と、気象レーダの観測局から引き渡され、かつ地理的な位置毎に前記観測局によって計測されたエコー強度の鉛直方向における分布に、前記雷監視情報で示される位置におけるエコーの頂部を印す雷マーク手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象レーダの観測局から引き渡された観測データに基づいて3次元における雲の分布を求めるレーダ信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気象ドップラレーダシステムは、局地的な豪雨等のような災害の要因となる強雨をもたらす雨雲をとらえることにより、雨の強さに併せて、風向や風速の予測および把握のために用いられている。
【0003】
従来、気象ドップラレーダシステムの表示装置では、ボリュームスキャン観測によって得られたCAPPI(Constant Altitude Plan Position
Indicator)データに基づいて雨エコー強度(例えば、雨の強さが単位:mm/hrまたはdBzで表される。)の鉛直分布のみが三次元表示され、雷監視システムの情報は、例えば、図6に示すように、地表を示す水平面画像に重ね合わせられ、かつ対地放電と雲放電とをそれぞれ示す「+」印と「■」印として表示されていた。
【0004】
また、雷監視システムは、用途に適した複数のものが存在するが、例えば、航空機の安全の確保だけではなく、空港における地上の作業員の安全を守るために設置され、全国の主要な数十カ所の空港に設置された雷探知アンテナによって得られ、かつ雷の発生状況を的確に示す観測データを中央処理局によって一括して解析することにより、雷の種類・発生時刻・場所などをリアルタイムで配信する。
【0005】
なお、上記雷探知アンテナは、雷の放電によって発生した電磁波をとらえ、その電磁波が到来した時刻、到来角、波形その他の中央処理局宛に伝送されるべきデータの収集に供される。
【0006】
本発明に関連する先行技術としては、以下に列記する特許文献1〜特許文献4がある。
(1) 「3次元空間を画定するボクセルごとのパラメータにより規定された2以上の3次元データを記憶するデータ記憶手段と、上記ボクセルごとのパラメータにより規定される合成3次元データを、2以上の隣接するボクセルを合成処理単位とし、当該合成処理単位を構成する各ボクセルを上記3次元データのいずれかに対応づけ、各ボクセルのパラメータを当該ボクセルが対応づけられた上記3次元データに基づき決定することにより生成するデータ合成手段と、合成された3次元データを記憶する合成データ記憶手段とを備える」ことにより、「同一又は重複する3次元空間に関する2以上の3次元情報をボリュームグラフィックス表示する際、これらの3次元情報を同一の3次元空間で合成して表示する」する点に特徴がある3次元情報合成装置、3次元情報表示装置及び3次元情報合成方法
【0007】
(2) 「レーダ装置の観測周期毎に得られるエコー強度の平面分布画像の数枚の時系列画像上で雷雲を追跡し、追跡した雷雲の動きに沿った数個の各地点における気象学的な特徴量や、この特徴量に基づき判定した各地点の発雷危険度の値を表示する。また、雷雲追跡結果に基づき未来時刻の雷雲の予測位置を算出して表示する」ことにより、「レーダ装置による過去数回分の雷雲のエコー観測情報に基づき雷雲の発達、衰弱等の時間変化を示す情報及び雷雲の未来時刻での予測位置を表示し、現時刻及び未来時刻の発雷危険性と地域が判断可能と」する点に特徴がある発雷予測装置
【0008】
(3) 「所定の観測領域Aを所要大きさ・所要数に区分け、その区分けした領域E,e毎に気象情報を予測表示する方法であって、その表示において、所要時間後の予測を、後になる程、その時間間隔を徐々に長くしたり、後になる程、前記区分け領域E,eを徐々に大きくしたり、予測表示を階級Qで行うものにあっては、後になる程、その階級Qの区分けを徐々に粗くし、予測内容を、その予測時間が長くなればなるほど、粗くすれば、当たる確率は高くなり、当たる意味においては、信頼性が増す」ことにより、「予測時間に応じて表示区域、時間間隔などを変化させ、見る者の信頼性を高める」点に特徴がある
【0009】
(4) 「気象レーダ装置で得た3次元観測データから雷雲セル抽出処理部において雷雲セルを抽出し、同抽出した現在の雷雲セルと雷雲セルデータベースからの過去の雷雲セルとの変位を雷雲セル同定処理部において求め、この変位から所望時刻先の位置や強度を雷雲セル予測処理部において予測し、さらに、盛衰状況判定処理手段において盛衰状況を判定し、表示処理部において現在、過去および所望時刻先の雷雲セルとその盛衰状況や軌跡等を表示する」ことにより、「より正確な雷情報を提供する」点に特徴がある
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−157444号公報
【特許文献2】特開平11−38154号公報
【特許文献3】特開2004−69469号公報
【特許文献4】特開2004−317173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述した従来例では、対地放電や雲放電が発生した地点の位置の把握は可能であっても、これらの放電が生じた雨雲やその雨雲の部位の三次元における特定や表示は実現されていなかった。
【0012】
本発明は、雷監視システムから通知された情報を活用することにより、雲放電や対地放電が発生した地点や空間を的確に識別できるレーダ信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明では、雷情報取得手段は、雷監視システムから与えられ、かつ雲放電が発生した位置を示す雷監視情報を取得する。雷マーク手段は、気象レーダの観測局から引き渡され、かつ地理的な位置毎に前記観測局によって計測されたエコー強度の鉛直方向における分布に、前記雷監視情報で示される位置におけるエコーの頂部を印す。
【0014】
すなわち、雷監視システムから通知された雷監視情報が活用されることにより、雲放電が発生した地点や空間の的確な識別が可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、分布算出手段は、気象レーダの観測局から引き渡された観測データから地理的な位置毎に鉛直方向のエコー強度の分布を得る。雷情報取得手段は、雷監視システムから与えられ、かつ雲放電が発生した位置を示す雷監視情報を取得する。雷マーク手段は、前記鉛直方向のエコー強度の分布に、前記雷観測情報で示される位置におけるエコーの頂部を印す。
【0016】
すなわち、気象レーダの観測局と遠隔制御局との機能分散や負荷分散の形態に柔軟に適応しつつ雷監視システムから通知された雷監視情報の活用が図られ、雲放電が発生した地点や空間の的確な識別が可能となる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のレーダ信号処理装置において、前記観測データは、前記観測局によって設定された個々の仰角の方向におけるエコーの強度の分布である。
【0018】
すなわち、気象レーダの観測局と制御局との間における負荷分散の形態に柔軟に適応しつつ雷監視システムから通知された雷監視情報の活用が図られ、雲放電が発生した地点や空間の的確な識別が可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載のレーダ信号処理装置において、前記観測データは、前記観測局によって求められ、前記観測局の上空における個々の高さにおけるエコーの強度の分布である。
【0020】
すなわち、気象レーダの観測局と制御局との間における機能分散や負荷分散の形態に柔軟に適応しつつ雷監視システムから通知された雷監視情報の活用が図られ、雲放電が発生した地点や空間の的確な識別が可能となる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のレーダ信号処理装置において、前記雷監視情報には、前記雷の発生の形態である雲放電と対地放電との識別情報が含まれる。前記雷マーク手段は、前記識別情報に基づいて、前記対地放電が発生した位置を前記雲放電が発生した位置との峻別を図って印す。
【0022】
すなわち、対地放電と雲放電との峻別が容易に可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、気象レーダの性能、利便性および付加価値が大幅に高められる。
したがって、本発明が適用された気象レーダは、多様な地物・建造物等の安全性の確保その他の多様な分野に対する適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】本実施形態における処理装置の動作フローチャートである。
【図3】観測局より受信される観測データの構成を示す図である。
【図4】雷監視データの構成を示す図である。
【図5】本実施形態において表示装置に出力される表示情報の一例を示す図である。
【図6】従来の気象ドップラレーダシステムの表示装置によって出力される表示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す図である。
図において、気象ドップラレーダの観測局10は、観測に好適な山頂等のサイトに配置され、その観測局10は通信路11を介して遠隔制御局20に接続される。
【0026】
遠隔制御局20は、以下の要素から構成される。
(1) 上記通信路11とのインタフェースをとる通信インタフェース部21
(2) 通信路11と異なる通信路22を介して雷観測システムの中央処理局(図示されない。)に接続される通信インタフェース部23
【0027】
(3) 観測局10の遠隔制御、ボリュームスキャン観測の結果等の指示にかかわる操作者とのインタフェースを実現する操作指示部24
(4) 予め組み込まれたソフトウェアに基づいて遠隔制御局20の各部の統括を行う処理装置25
【0028】
(5) 上記通信インタフェース部21、23と共に処理装置25の対応する入出力ポートに接続され、その処理装置25と操作指示部24とのインタフェースをとる操作指示インタフェース部26
【0029】
図2は、本実施形態における処理装置の動作フローチャートである。
以下、図1および図2を参照して本実施形態の動作を説明する。
観測局10は、遠隔制御局20の配下で気象ドップラレーダ方式に基くボリュームスキャン観測を行うことにより雨雲の三次元的な分布や位置を観測し、通信路11を介して遠隔制御局20宛に、そのボリュームスキャン観測の結果として通知する。このようなボリュームスキャン観測の結果は、図3に示すように以下の項目を含むレコードの列(以下、「観測データ列」という。)として与えられる。
【0030】
(1) 何らかの雨雲が存在する地点の緯度・経度
(2) その地点に位置する雨雲の頂部の高度を示すエコー頂高度
【0031】
一方、雷監視システムの中央処理局からは、通信路22を介して以下の項目を含むレコードの列(以下、「雷監視データ列」という。)として雷観測データが通知される。
(1) 雷監視システムによって探知され、かつ雷(放電)が発生した地点の緯度・経度
(2) その雷(放電)形態が「対地放電」と「雷放電」との何れであるかを示す2値情報である形態情報
【0032】
処理装置25は、以下の処理を行う。
(1) 雷監視システムの中央処理局から通信路22および通信インタフェース部23を介して通知される雷監視データ列を取り込み、ファーストイン・ファーストアウト方式により蓄積する。
【0033】
(2) 観測局10から通信路11および通信インタフェース部21を介して通知される観測データ列を取り込み、ファーストイン・ファーストアウト方式により蓄積する。
【0034】
(3) 操作指示部24および操作指示インタフェース部26を介して操作者によって与えられる要求に応じて、通信インタフェース部21および通信路11を介して観測局10の動作の遠隔制御と監視とを行う。
【0035】
(4) 既述の通りに蓄積された観測データ列および雷監視データ列を組み合わせることにより指示データを生成し、操作指示インタフェース部26を介して操作指示部24の表示画面上に、その指示データを出力する。
【0036】
本実施形態の特徴は、このような指示データを生成するために処理装置25が行う以下の処理の手順にある。
【0037】
(1) 雷監視データ列の各レコード毎に以下の処理を行う。
1-1) 雷監視データ列の該当するレコード(以下、「該当雷レコード」という。)に含まれる緯度・経度を取得し、観測データ列に含まれるレコードの内、その緯度・経度に所望の精度で等しい緯度・経度を含むレコード(以下、「該当レコード」という。)を観測データ列から検索する(図2ステップS1)。
1-2) このような該当レコードがない場合には、観測データ列の何れのレコードにも、特別な処理を施さない(図2ステップS2)。
【0038】
1-3) しかし、反対に、該当レコードがあった場合には、対応する該当雷レコードに含まれる形態情報の値(以下、「形態情報値」という。)が「1」であるか否か判別する(図2ステップS3)。
【0039】
1-3-1) 形態情報値が「1」でない(「0」である)場合には、該当雷レコードは「対地放電」を意味する。したがって、操作指示部24の表示画面上に出力されるべき指示データの内、該当する緯度・経度で示される地表(図5(1))を示す水平面画像に「+」印を付加する(図2ステップS4)。
【0040】
1-3-2) 反対に形態情報値が「1」である場合には、該当雷レコードは「雲放電」を意味する。したがって、操作指示部24の表示画面上に出力されるべき指示データの内、該当する緯度・経度に対応する地点上であって、観測データ列の該当するレコードに含まれる「エコー頂高度」に等しい高度の点(図5(2))を示す水平面画像に「+」印を付加する(図2ステップS5)。
【0041】
(2) このようにして生成された水平面画像の集合からなる三次元画像を指示データとして生成する。
【0042】
すなわち、雷監視システムと気象ドップラレーダシステムとが有機的に組み合わせられることにより、雷雲の高さの三次元による視覚的な把握だけではなく、雷の強度や発達状況の視覚な判断を簡便に精度よく、かつ効率的に行うことが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、気象ドップラレーダシステムの性能、利便性および付加価値が大幅に高められ、かつ空港や航空機の安全性の確保以外の多様な分野にも、気象ドップラレーダシステムの適用が可能となる。
【0043】
なお、本実施形態では、鉛直方向におけるエコー強度の分布は、観測局10から通信路11を介して通知された観測データ列に基づいて求められている。
しかし、このような鉛直方向におけるエコー強度の分布は、例えば、観測局10によって求められ、かつ通信路11を介して通知されてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、鉛直方向におけるエコー強度の分布を求めるために、観測局10から引き渡される観測データ列は、その観測局10によって設定された仰角の方向毎に求められたエコーの強度分布でなくてもよく、例えば、この観測局10の上空における個々の高さ毎に求められたエコーの強度分布であってもよい。
【0045】
さらに、本実施形態では、対地放電が発生した地点が「+」印で表示されているが、このような地点の表示は(必要に応じて)省略されてもよい。
【0046】
また、本実施形態では、指示データは、操作指示部24の表示画面上に出力されている。しかし、このような指示データは、表示されなくてもよく、例えば、所定の処理が施される演算対象として、何らかの情報処理系に引き渡されてもよい。
【0047】
さらに、本実施形態では、観測局10の数が「1」となっているが、遠隔制御局20の配下で複数の観測局が稼動し、これらの観測局から得られる観測データ列の一部または全てに既述の処理が施される場合にも、本発明は適用可能である。
【0048】
また、本実施形態では、雲放電が発生した地点には、該当する地表を示す水平面画像上に、従来例と同様に「■」印が併せて表示されてもよい。
【0049】
さらに、本実施形態では、処理装置25によって行われる処理の手順、演算対象となる情報の内容および形式は、既述のものに限定されず、等価な処理が実現されるならば、如何なるものであってもよい。
【0050】
また、本実施形態では、観測データ列および雷監視データ列の内容、形式、精度(語長)は、既述の指示データの生成が可能であるならば、如何なるものであってもよい。
【0051】
さらに、本実施形態では、観測局10と遠隔制御局20とによる機能分散および負荷分散の形態は、如何なるものであってもよい。
【0052】
また、本実施形態では、雷監視データ列のレコードの数が少ないため、その雷監視データ列の各レコードに対応した処理の反復により指示データが生成されている。
【0053】
しかし、このような処理の手順は、例えば、観測データ列の各レコードに含まれる緯度・経度の組み合わせ(エコー頂高度の値が有効であるものに限定されてもよい。)に基づいて雷監視データ列が参照されることによって実現されてもよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、気象ドップラレーダシステムの設定等により雲の像が指示データに反映されない可能性がある場合には、例えば、雷監視データの中央処理局から引き渡される雷監視データ列に含まれる「雲放電が生じた雲の高度」が既述の「エコー頂高度」に代えて用いられてもよい。
【0055】
また、本発明は、空港および航空機の安全の確保、あるいは空港気象情報の取得に供される気象ドップラレーダシステムに限定されず、対地放電や雲放電が発生した位置の三次元における把握が要求される如何なる分野にも適用可能である。
【0056】
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲において多様な実施形態の構成が可能であり、構成要素の全てまたは一部に如何なる改良が施されてもよい。
【0057】
以下、本願に開示された発明の内、「特許請求の範囲」への記載が省略された発明を「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段」の欄の記載に準じた様式により記載する。
【0058】
[請求項6] 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のレーダ信号処理装置において、前記雷放電または前記対地放電が発生した位置が前記雷マーク手段によって印された前記エコー強度の鉛直方向における分布を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。
【0059】
このような構成のレーダ信号処理装置では、請求項1ないし請求項5の何れか1項において、表示手段は、前記雷放電または前記対地放電が発生した位置が前記雷マーク手段によって印された前記エコー強度の鉛直方向における分布を表示する。
【0060】
すなわち、上記エコー強度の鉛直方向における分布には、対地放電や雲放電が発生した点の高度が反映される。
【0061】
したがって、本発明が適用された気象レーダでは、操作者に対して直感的な視覚情報として対地放電や雲放電が発生した地点および高度が伝達され、性能、利便性および付加価値がさらに高められる。
【符号の説明】
【0062】
10 観測局
11,22 通信路
20 遠隔制御局
21,23 通信インタフェース部
24 操作指示部
25 処理装置
26 操作指示インタフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雷監視システムから与えられ、かつ雲放電が発生した位置を示す雷監視情報を取得する雷情報取得手段と、
気象レーダの観測局から引き渡され、かつ地理的な位置毎に前記観測局によって計測されたエコー強度の鉛直方向における分布に、前記雷監視情報で示される位置におけるエコーの頂部を印す雷マーク手段と
を備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。
【請求項2】
気象レーダの観測局から引き渡された観測データから地理的な位置毎に鉛直方向のエコー強度の分布を得る分布算出手段と、
雷監視システムから与えられ、かつ雲放電が発生した位置を示す雷監視情報を取得する雷情報取得手段と、
前記鉛直方向のエコー強度の分布に、前記雷観測情報で示される位置におけるエコーの頂部を印す雷マーク手段と
を備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレーダ信号処理装置において、
前記観測データは、
前記観測局によって設定された個々の仰角の方向におけるエコーの強度の分布である
ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載のレーダ信号処理装置において、
前記観測データは、
前記観測局によって求められ、前記観測局の上空における個々の高さにおけるエコーの強度の分布である
ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のレーダ信号処理装置において、
前記雷監視情報には、
前記雷の発生の形態である雲放電と対地放電との識別情報が含まれ、
前記雷マーク手段は、
前記識別情報に基づいて、前記対地放電が発生した位置を前記雲放電が発生した位置との峻別を図って印す
ことを特徴とするレーダ信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−58809(P2011−58809A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205433(P2009−205433)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】