説明

レール面測定装置及び測定セット

【課題】レール面測定装置の運搬性を高める。
【解決手段】レール面測定装置Xは、所定の長さのガイドバー1と、ガイドバー1をスライドしてレールRの頭頂面8の凹凸を測定する測定器70と、を備えている。ガイドバー1は、第一ガイドバー部10及び第二ガイドバー部20と、第一ガイドバー部10の長手方向の端面16aと第二ガイドバー部20の長手方向の端面26aとが互いに接触し、各ガイドバー部10,20が一直線上に並んでいる使用可能状態と、レール幅方向Wrで、各ガイドバー部10,20が重なり合っている運搬可能状態との間で、測定器70の接触子の変位方向Hを向いている回転軸を中心として、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20を揺動可能に連結するヒンジ30と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールの少なくとも頭頂面の凹凸を測定するレール面測定装置、及びこれを備えている測定セットに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の車輪と接触するレール頭頂面の凹凸は、レール上を車輪が通過する際の騒音原因となる。そこで、従来から、レール頭頂面の凹凸量を把握するために、レール面測定装置により、この凹凸量が測定されている。
【0003】
従来のレール面測定装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。このレール面測定装置は、2m程度の長さのガイドバーと、このガイドバーをレール頭頂面に平行に保持しておくためのバー保持具と、このガイドバーにスライド可能に取り付けられている測定器と、を備えている。測定器は、レール頭頂面に転がり接触するローラと、このローラの上下動に応じて揺動する記録ペンと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−153424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のレール面測定装置は、ガイドバーの長さが2mほどもあり、作業者による運搬が極めて困難である、という問題点がある。特に、高架部分のレール頭頂面の凹凸を測定する場合には、作業者がレール面測定装置を持って狭い階段を登り降りする必要があるため、この階段の踊り場での方向転換時に、ガイドバーが階段の手すり等に接触することがあり、運搬が困難であるばかりか、ガイドバーを変形させてしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明は、従来技術の上記問題点に着目し、運搬性を高めることができるレール面測定装置、及び測定セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するための発明に係るレール面測定装置は、
所定の長さのガイドバーと、該ガイドバーをレールに平行に保持するバー保持具と、該ガイドバーにスライド可能に取り付けられ、該レールの少なくとも頭頂面の凹凸を測定する測定器と、を備えているレール面測定装置において、
前記測定器は、前記バー保持具により前記ガイドバーが前記レールに平行に保持されている際、前記頭頂面に接して、該頭頂面に対して垂直な方向に変位する接触子を有し、
前記ガイドバーは、第一ガイドバー部及び第二ガイドバー部と、前記第一ガイドバー部の長手方向の端面と前記第二ガイドバー部の長手方向の端面とが互いに接触し、各ガイドバー部の長手方向が同じ方向になり、各ガイドバー部が一直線上に並んでいる使用可能状態と、前記バー保持具により前記ガイドバーが前記レール頭頂面に平行に保持されている際の該第一ガイドバー部に関するレール幅方向で、各ガイドバー部が重なり合っている運搬可能状態との間で、前記接触子の変位方向を向いている回転軸を中心として、該第一ガイドバー部に対して該第二ガイドバー部を揺動可能に連結するヒンジと、を有していることを特徴とする。
【0008】
当該レール面測定装置では、ガイドバーの長手方向の長さが運搬可能状態のときには、第一ガイドバー部と第二ガイドバー部とが重なり合って、ガイドバーの長さが短くなるので、運搬性を高めることができる。
【0009】
また、当該レール面測定装置では、ガイドバーを構成する各ガイドバー部が使用可能状態の際、各ガイドバー部の端面相互が接触するので、ガイドバーの直線性を確保できる。さらに、回転軸が接触子の変位方向を向いているため、運搬可能状態時、使用可能状態時、運搬可能状態から使用可能状態への遷移時のいずれの時でも、各ガイドバー部の長手方向は、接触子の変位方向に対して垂直な面内の各方向を向くことになり、各ガイドバー部の長手方向が接触子の変位方向に対して傾くことはない。このため、当該レール面測定装置によれば、使用可能状態の際に、測定器がガイドバーのどの位置に存在していても、接触子の変位方向における測定器の位置が変わらず、レール頭頂面の凹凸を正確に測定することができる。
【0010】
ここで、前記レール面測定装置において、前記ガイドバーは、前記使用可能状態を維持する状態維持具を有し、前記状態維持具は、ネジ部を有する連結ネジと、前記第一ガイドバー部の前記端面側の側部に固定され、該端面と面一のブロック端面が形成されている第一ブロックと、前記第二ガイドバー部の前記端面の側部であって、前記使用可能状態の際に前記第一ブロックと対向する位置に固定され、該第二ガイドバー部の該端面と面一のブロック端面が形成されている第二ブロックと、を有し、前記第一ブロックには、前記第一ガイドバー部の前記長手方向に貫通し、前記連結ネジの前記ネジ部が螺合可能なネジ孔が形成され、前記第二ブロックには、前記使用可能状態で、前記第一ブロックと前記第二ブロックとが対向している際に、該第一ブロックの該ネジ孔に螺合している前記連結ネジの前記ネジ部が、さらに螺合できるネジ孔が形成されていてもよい。
【0011】
当該レール面測定装置によれば、ガイドバーが使用可能状態の際に、第一ブロックのネジ孔及び第二ブロックのネジ孔に、連結ネジのネジ部を螺合させることとで、ガイドバーの使用可能状態を維持することができる。
【0012】
さらに、当該レール面測定装置では、第一ブロックには、第一ガイドバー部の端面と面一のブロック端面が形成され、第二ブロックには、第二ガイドバー部の端面と面一のブロック端面が形成されているため、ガイドバーが使用可能状態の際、第一ガイドバー部の端面と第二ガイドバーの端面とが接触すると共に、第一ブロックのブロック端面と第二ブロックのブロック端面とが接触する。よって、当該レール面測定装置では、使用可能状態の際のガイドバーの直線性をより確実に確保できる。
【0013】
また、前記レール面測定装置において、前記ヒンジは、前記回転軸と、前記第一ガイドバー部に固定されていると共に該回転軸に対して相対回転可能に取り付けられている第一リーフ部材と、前記第二ガイドバー部に固定されていると共に該回転軸に対して相対回転可能に取り付けられている第二リーフ部材と、を有し、前記第一リーフ部材と第二リーフ部材とには、それぞれ、前記使用可能状態の際に互いに接し、前記使用可能状態から前記運搬可能状態になる過程で互いに摺接する摺接面が形成されていてもよい。
【0014】
当該レール面測定装置では、使用可能状態の際に、第一ガイドバー部の端面と第二ガイドバー部とが接触すると共に、これらの端面とは異なる向きの第一リーフ部材の摺接面と第二リーフ部材の摺接面とが接触するので、使用可能状態の際のガイドバーの直線性をより確実に確保できる。
【0015】
また、前記レール面測定装置において、前記バー保持具は、前記第一ガイドバー部に取り付けられている第一バー保持具と、前記第二ガイドバー部に取り付けられている前記第二バー保持具とを有し、前記第一バー保持具は、前記第一ガイドバー部の前記端面とは反対側の端部に固定され、前記第二バー保持具は、前記第二ガイドバー部の前記端面とは反対側の端部に固定され、前記運搬可能状態で、前記第一ガイドバー部と前記第二ガイドバー部とが前記レール幅方向で重なり合っている際に、前記第一ガイドバー部に固定されている前記第一バー保持具と前記第二ガイドバー部に固定されている前記第二バー保持具とが相互に干渉し合わぬよう、前記第一ガイドバー部の前記長手方向の長さと前記第二ガイドバー部の前記長手方向の長さとが異なっていてもよい。
【0016】
当該レール面測定装置では、第一ガイドバー部の端部及び第二ガイドバー部の端部のそれぞれに、バー保持具を設け、運搬可能状態で、第一ガイドバー部と第二ガイドバー部とが重なり合っているときでも、各バー保持具相互の干渉を避けることができる。
【0017】
また、前記レール面測定装置において、前記第一ガイドバー部は、該第一ガイドバー部の長手方向に伸びる第一ガイドバー本体と、該第一ガイドバー本体に固定され、該第一ガイドバー部の前記端面が形成されている端面形成板と、を有し、前記第二ガイドバー部は、該第二ガイドバー部の長手方向に伸びる第二ガイドバー本体と、該第二ガイドバー本体に固定され、該第二ガイドバー部の前記端面が形成されている端面形成板と、を有し、前記第一ガイドバー部の前記端面形成板は、前記第一ガイドバー本体よりも硬い部材で形成され、前記第二ガイドバー部の前記端面形成板は、前記第二ガイドバー本体よりも硬い部材で形成されていてもよい。
【0018】
当該レール面測定装置では、第一ガイドバー部及び第二ガイドバー部の軽量化を図るために、各ガイドバー部の本体を軽量材で形成しても、各ガイドバー部の端面を硬い材料で形成することできる。このため、当該レール面測定装置によれば、ガイドバーの軽量化を図ることができると共に、繰り返しの使用に伴う各ガイドバー部の端面の変形を抑えることができる。
【0019】
前記問題点を解決するための発明に係るレール面測定セットは、
上記レール面測定装置と、該レール面測定装置を収納するケースと、を備え、前記ケースは、前記レール面測定装置が収まる収納凹部が形成されているケース本体と、該収納凹部の開口を塞ぐ蓋と、該蓋の外面であって、該収納凹部の底面と対向する蓋上面に取り付けられ、前記レール面測定装置が載置可能な装置台と、を有し、前記装置台は、前記使用可能状態の前記ガイドバーの長手方向の両端部のうち、一方の端部側が接触可能な第一装置台と、他方の端部側が接触可能な第二装置台と、該第一装置台と該第二装置台との間に配置され、前記運搬可能状態の前記ガイドバーの長手方向の両端部のうち、一方の端部側が前記第一装置台又は前記第二装置台に接しているときに、他方の端部側に接触可能な第三装置台と、を有している、ことを特徴とする。
【0020】
当該レール面測定セットでは、ケースの蓋の上に、使用可能状態のレール面測定装置と、運搬可能状態のレール面測定装置とを置くことができるので、ケース上で、レール面測定装置を、運搬可能状態から使用可能状態へ、使用可能状態から運搬可能状態へ変形させることができる。
【0021】
ここで、前記レール面測定セットにおいて、前記第一装置台及び前記第二装置台は、前記使用可能状態の前記ガイドバーの長手方向の端部側の下面が接する接触面が形成されている固定ブロックと、前記蓋上面が広がっている方向であって、該第一装置台から該第二装置台に向かう蓋横幅方向に対して垂直な蓋縦幅方向における、該固定ブロックの両端に配されている一対の揺動ブロックと、を有し、前記固定ブロックの前記蓋縦幅方向の寸法は、前記第一ガイドバー部及び前記第二ガイドバー部の前記レール幅方向の寸法よりも大きく、前記一対の揺動ブロックは、各揺動ブロックの長手方向が前記蓋横幅方向を向いている横倒し状態と、各揺動ブロックの長手方向が前記蓋上面に対して垂直な方向を向いている直立状態との間で揺動可能に、前記固定ブロックの前記両端に取り付けられ、前記一対の揺動ブロックのそれぞれには、前記横倒し状態の際に、前記固定ブロックの前記接触面と面一となる第一接触面と、前記直立状態の際であって、該固定ブロックの該接触面に該ガイドバーの該端部側の下面が接している際に、該ガイドバーの側面に対向する第二接触面と、が形成されていてもよい。
【0022】
当該レール面測定セットでは、使用可能状態のガイドバーを、第一装置台の一対の揺動ブロックの間、及び第二装置台の一対の揺動ブロックの間で挟める。このため、当該レール面測定セットによれば、ケースの蓋の上に置いた使用可能状態のレール面測定装置に、作業員が接触する等、外力が作用しても、このレール面測定装置がケースの上から落下することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、運搬可能状態のとき、第一ガイドバー部と第二ガイドバー部とが重なり合って、ガイドバーの長さが使用可能状態のときよりも短くなるので、レール面測定装置の運搬性を高めることができる。
【0024】
また、本発明では、レール面測定装置の運搬性を高めるために、ガイドバーを二つのガイドバー部で構成し、相互に重なり合えるようにしているものの、各ガイドバー部が使用可能状態の際、各ガイドバー部の端面相互が接触するので、ガイドバーの直線性を確保できる。さらに、回転軸が接触子の変位方向を向いているため、運搬可能状態時、使用可能状態時、運搬可能状態から使用可能状態への遷移時のいずれの時でも、各ガイドバー部の長手方向は、接触子の変位方向に対して垂直な面内の各方向を向くことになり、各ガイドバー部の長手方向が接触子の変位方向に対して傾くことはない。このため、本発明によれば、使用可能状態の際に、測定器がガイドバーのどの位置に存在していても、接触子の変位方向における測定器の位置が変わらず、レール頭頂面の凹凸を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る一実施形態における使用可能状態のレール面測定装置の斜視図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における運搬可能状態のレール面測定装置の側面図である。
【図3】図2におけるIII矢視図である。
【図4】図2におけるIV−IV線断面図である。但し、同図では、第二ガイドバー部及び第二バー保持具を省略している。
【図5】図2におけるV矢視図である。但し、同図では、測定器及び各バー保持具を省略している。
【図6】本発明に係る一実施形態における運搬可能状態の各ガイドバー部の要部上面図である。
【図7】本発明に係る一実施形態における使用可能状態の各ガイドバー部の要部上面図である。
【図8】本発明に係る一実施形態における各ガイドバー部の斜視図である。
【図9】本発明に係る一実施形態における測定器の構成を示す説明図である。
【図10】本発明に係る一実施形態におけるケースの斜視図である。
【図11】本発明に係る一実施形態におけるケース及び運搬可能状態のレール面測定装置の斜視図である。
【図12】本発明に係る一実施形態におけるケース及び使用可能状態のレール面測定装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るレール面測定装置、及びこれを備えている測定セットの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
本実施形態のレール面測定セットは、図10に示すように、レール面測定装置Xと、このレール面測定装置Xを収納するケースYと、を備えている。
【0028】
レール面測定装置Xは、図1に示すように、所定の長さのガイドバー1と、このガイドバー1をレールRに平行に保持するバー保持具50a,50bと、このガイドバー1にスライド可能に取り付けられ、レール頭頂面8及びレール頭側面9の凹凸を測定する測定器70と、を備えている。なお、ここでの所定の長さとは、例えば、約2mである。
【0029】
ガイドバー1は、それぞれの長手方向の長さを合わせると、前述の所定の長さになる第一ガイドバー部10及び第二ガイドバー部20と、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20を揺動可能に連結するヒンジ30と、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20が一直線上に並んでいる使用可能状態を維持するための状態維持具40と、を有している。
【0030】
第一ガイドバー部10及び第二ガイドバー部20は、図8に示すように、断面がほぼ矩形状のアルミ製鋼材で形成されたガイドバー本体11,21と、ガイドバー本体11,21の両端面のうち、一方の端面に固定されている端面形成板17,27と、他方の端面に固定されている端部カバー19,29と、を有し、四角柱状を成している。第一ガイドバー部10及び第二ガイドバー部20の両端面のうち、一方の端面である第一端面16a,26aは、端面形成板17,27で形成され、他方の端面である第二端面は、端部カバー19,29で形成されている。端面形成板17,27は、ガイドバー本体11,21を形成するアルミよりも硬い、例えば、ステンレスで形成されている。四角柱形状の各ガイドバー部10,20は、互いに向かい合っている第一側面12,22及び第二側面13,23と、互いに向かい合っている上面14,24及び下面15,25とを有している。
【0031】
なお、以下では、便宜上、各ガイドバー部10,20に関して、各ガイドバー部10,20の上面14,24と下面15,25との間の方向を高さ方向Hとし、各ガイドバー部10,20の第一側面12,22と第二側面13,23との間の方向をレール幅方向Wrとする。
【0032】
ヒンジ30は、図7に示すように、第一ガイドバー部10の第一端面16aと第二ガイドバー部20の第一端面26aとが接し、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20が一直線上に並んでいる前述の使用可能状態と、図6に示すように、第一ガイドバー部10の第二側面13と第二ガイドバー部20の第二側面23とが接し、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20がレール幅方向Wrに並んでいる運搬可能状態との間で、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20を揺動可能に連結する。
【0033】
このヒンジ30は、図5〜図7に示すように、回転軸35と、第一ガイドバー部10の第一端面16aを含む第一端部16に固定されていると共に回転軸35に対して相対回転可能に取り付けられている第一リーフ部材31と、第二ガイドバー部20の第一端面26aを含む第一端部26に固定されていると共に、回転軸35に対して相対回転可能に取り付けられている第二リーフ部材32と、を有している。
【0034】
回転軸35は、この回転軸35が伸びている方向が、各ガイドバー部10,20の高さ方向Hを向いている。第一リーフ部材31は、第一ガイドバー部10の第一端部16の下面15側に固定されていると共に、回転軸35が伸びている方向の下側部分に、相対回転可能に取り付けられている。第二リーフ部材32は、第二ガイドバー部20の第一端部26の上面24側に固定されていると共に、回転軸35が伸びている方向の上側部分に、相対回転可能に取り付けられている。
【0035】
第一リーフ部材31には、高さ方向Hにおける第二リーフ部材側に、回転軸35に対して垂直な摺接面31aが形成されている。また、第二リーフ部材32には、回転軸35に対して垂直な面であって、使用可能状態の際に第一リーフ部材31の摺接面31aに接する摺接面32aが形成されている。
【0036】
状態維持具40は、図5〜図7に示すように、ネジ部及びネジ頭を有する連結ネジ45と、第一ガイドバー部10の第一端部16側の第一側面12に固定されている第一ブロック41と、第二ガイドバー部20の第一端部26側の第一側面22に固定されている第二ブロック42と、を備えている。
【0037】
第一ブロック41には、第一ガイドバー部10の第一端面16aと面一のブロック端面41aと、第一ガイドバー部10の長手方向に貫通するネジ孔41bとが形成されている。また、第二ブロック42には、第二ガイドバー部20の第一端面26aと面一のブロック端面42aと、第二ガイドバー部20の長手方向に貫通するネジ孔42bとが形成されている。
【0038】
図7に示すように、第一ガイドバー部10の第一端面16aと第二ガイドバー部20の第一端面26aとが接している使用可能状態では、第一ブロック41のブロック端面41aと第二ブロック42のブロック端面42aとが接すると共に、第一ブロック41のネジ孔41bと第二ブロック42のネジ孔42bとが連なり、一連のネジ孔41b,42bとなる。連結ネジ45のネジ部は、この一連のネジ孔41b,42bに螺合可能である。さらに、使用可能状態では、図5に示す第一リーフ部材31の摺接面31aと第二リーフ部材32の摺接面32aとが接する。
【0039】
バー保持具50a,50bは、図2及び図3に示すように、第一ガイドバー部10に取り付けられている第一バー保持具50aと、第二ガイドバー部20に取り付けられている第二バー保持具50bとを有している。第一及び第二バー保持具50a,50bは、いずれも、各ガイドバー部10,20の下面15,25であって、各ガイドバー部10,20の第一端部16,26と反対側の第二端部18,28に固定されている門型の保持枠51と、この保持枠51に取り付けられている操作レバー55及びレール圧着板56と、を備えている。
【0040】
門型の保持枠51は、各ガイドバー部10,20のレール幅方向Wrに並んで互いに対向している一対の側板52,52と、一対の側板52,52のそれぞれの端部を連結する上板53とを有している。一対の側板52,52の相互間隔は、レール頭部7の幅よりも若干大きく設定されている。保持枠51の上板53は、各ガイドバー部10,20の第二端部18,28の下面15,25に、連結板59を介して固定されている。
【0041】
操作レバー55は、保持枠51の一方の側板52の外面に、揺動可能に取り付けられている。レール圧着板56は、保持枠51の一方の側板52の内側に、操作レバー55の揺動に伴って揺動可能に取り付けられている。このレール圧着板56は、保持枠51の一対の側板52,52間にレール頭部7が存在する際、レール頭部7の頭側面9に圧着している保持状態と、頭側面9と接触していない離脱可能状態との間で揺動する。
【0042】
第二ガイドバー部20の長手方向の長さは、図2及び図11に示すように、運搬可能状態の際に、第一ガイドバー部10の第二端部18に取り付けられている第一バー保持具50aと、第二ガイドバー部20の第二端部28に取り付けられている第二バー保持具50bとが、相互に干渉せぬよう、第一ガイドバー部10の長手方向の長さより短い。
【0043】
測定器70は、図2、図4及び図9に示すように、レール頭頂面8に転がり接触する第一ローラ71aと、第一ローラ71aの上下動を記録紙Sに書き込む第一記録ペン74aと、一方の端部に第一記録ペン74aが固定されている第一アーム73aと、第一ローラ71aの上下動に応じて第一アーム73aを揺動させる第一連動機構72aと、レール頭側面9に転がり接触する第二ローラ71bと、第二ローラ71bの左右動を記録紙Sに書き込む第二記録ペン74bと、一方の端部に第二記録ペン74bが固定されている第二アーム73bと、第二ローラ71bの左右動に応じて第二アーム73bを揺動させる第二連動機構72bと、記録紙Sが巻き付けられている駆動ローラ76及び従動ローラ77と、ガイドバー1に対する測定器70のスライドに応じて駆動ローラ76を回転させる紙送り機構78と、各機構72a,72b,78を収納する測定器枠79と、を備えている。
【0044】
測定器枠79は、前述の各機構72a,72b,78を収納すると共に、駆動ローラ76及び従動ローラ77を回転可能に支持する機構収納部79aと、ガイドバー1が貫通するガイドバー係合部79bと、を有している。
【0045】
ケースYは、図10に示すように、レール面測定装置Xが収まる収納凹部が形成されているケース本体80と、収納凹部の開口を塞ぐ蓋81と、ケース本体80に蓋81を揺動可能に連結するヒンジ(不図示)と、収納凹部の開口を塞いでいる蓋81の閉状態を維持するためのロック83と、蓋81の上面82に取り付けられている取手84及び装置台90a,90b,95と、を備えている。
【0046】
ケースYは、運搬可能状態のレール面測定装置Xが内部に収まる大きさで、使用可能状態のレール面測定装置Xは内部に納まらない。このため、ケースYの横幅方向Wcの幅寸法は、運搬可能状態のレール面測定装置Xの長手方向の寸法、つまり第一ガイドバー部10の長手方向の寸法(=運搬可能状態のガイドバー1の長手方向の寸法)よりも大きいが、使用可能状態のレール面測定装置Xの長手方向の寸法、つまり第一ガイドバー部10の長手方向の寸法に第二ガイドバー部20の長手方向の寸法を合わせた寸法(=使用可能状態のガイドバー1の長手方向の寸法)よりも短い。
【0047】
装置台90a,90b,95には、図10〜図12に示すように、蓋81の横幅方向Wcの両端部側に取り付けられている第一装置台90a及び第二装置台90bと、第一装置台90aと第二装置台90bとの間に固定されている四角柱状の第三装置台95と、がある。蓋81の横幅方向Wcにおける第一装置台90aと第二装置台90bとの間隔寸法は、図12に示すように、使用可能状態のガイドバー1の長手方向の長さ寸法より小さいが、図11に示すように、運搬可能状態のガイドバー1の長手方向の長さ寸法より大きい。また、蓋81の横幅方向Wcにおける第一装置台90aと第三装置台95との間隔寸法、及び第二装置台90bと第三装置台95との間隔寸法は、いずれも、運搬可能状態のガイドバー1の長手方向の寸法より小さい。
【0048】
第一装置台90a及び第二装置台90bは、その長手方向が蓋81の縦幅方向Wbを向いて、蓋81の上面82に固定されている角柱状の固定ブロック91と、固定ブロック91の長手方向の両端部に揺動可能に取り付けられている角柱状の揺動ブロック92と、有している。
【0049】
四角柱状の第三装置台95の側面のうち、蓋81の上面82に接している面と対向している面は、ガイドバー1に接し得る接触面95aを成している。
【0050】
第一装置台90a及び第二装置台90bの固定ブロック91,91は、その長手方向の寸法が、ガイドバー1の第一側面12と第二側面13との間の距離である幅寸法よりも若干大きいものの、この幅寸法とほぼ同じである。
【0051】
第一装置台90a及び第二装置台90bの揺動ブロック92,92は、その長手方向が蓋81の横幅方向Wcを向いている横倒し状態と、その長手方向が蓋81の上面82に対して垂直な方向を向いている直立状態と、の間で揺動可能に、固定ブロック91に取り付けられている。図11に示すように、角柱状の揺動ブロック92の側面で、互いに向かい合っている一対の第一側面のうち、一方の第一側面は、横倒し状態の際に蓋81の上面82に接し、他方の第一側面は、横倒し状態の際に、固定ブロック91の接触面91aと面一となり、固定ブロック91の接触面91aと共にガイドバー1に接し得る第一接触面92aを成している。また、図12に示すように、角柱状の揺動ブロック92の側面で、互いに向かい合っている一対の第二側面のうち、一方の第二側面は、この揺動ブロック92が直立状態で、且つ、使用可能状態のガイドバー1の下面15,25が固定ブロック91の接触面91aに接している際、ガイドバー1の側面が接し得る第二接触面92bを成している。2つの揺動ブロック92,92の各第二接触面92a,92aの相互間隔は、固定ブロック91の長手方向の寸法と一致している。このため、2つの揺動ブロック92、92がそれぞれ直立状態で、ガイドバー1の下面15,25が固定ブロック91の接触面91aに接している際には、2つの揺動ブロック92の間にガイドバー部10,20が挟まれた状態になる。
【0052】
次に、以上で説明したレール面測定セットの取り扱い方について説明する。
【0053】
レール面測定装置Xを運搬する際には、図10に示すように、このレール面測定装置Xを運搬可能状態にして、ケース本体80の収納凹部内に収めて、ケースYの蓋81を閉じる。そして、ケースYの取手84を持って、測定対象のレールRが敷設されている場所の近くまで、ケースYと共にケースY内に収められたレール面測定装置Xを運ぶ。
【0054】
なお、レール面測定装置Xの運搬可能状態を維持する状態維持具を設けてもよい。この状態維持具は、使用可能状態を維持する状態維持具40と同様に、二つのブロックと、連結ネジとで構成してもよいし、第二ガイドバー部に取り付けられている係合部と、第一ガイドバー部又は測定器に取り付けられ、係合部が係合可能な被係合部と、を有して構成してもよい。
【0055】
レール面測定装置Xを使用する際には、まず、ケースYの蓋81を開けてから、ケース本体80内から運搬可能状態のレール面測定装置Xを取り出し、蓋81を閉じる。次に、図11に示すように、運搬可能状態のレール面測定装置Xを蓋81の上面82に設けられている第一装置台90a及び第三装置台95の上に置く。この際、第一装置台90a及び第二装置台90bの揺動ブロック92は、いずれも、横倒し状態である。また、運搬可能状態のレール面測定装置Xは、第一ガイドバー部10の第一側面12が下方を向き、第二ガイドバー部20の第一側面22が上方を向いている。このため、運搬可能状態のレール面測定装置Xは、第一ガイドバー部10の第一側面12が、第一装置台90aの固定ブロック91の接触面91a及び揺動ブロック92の第一接触面92aに接し、且つ第三装置台95の接触面95aに接した状態で、これら第一装置台90a及び第三装置台95の上に置かれたことになる。
【0056】
次に、第一ガイドバー部10に対して上側に位置している第二ガイドバー部20の第二端部28を持ち上げ、ヒンジ30の回転軸35を中心として、この第二ガイドバー部20を揺動させ、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20を一直線上に並ばせる、つまり、使用可能状態にする。この際、第二ガイドバー部20の第一側面22は、第二装置台90bの固定ブロック91の接触面91a及び揺動ブロック92の第一接触面92aに接する。すなわち、使用可能状態のレール面測定装置Xは、第一ガイドバー部10の第一側面12が、第一装置台90aの固定ブロック91の接触面91a及び揺動ブロック92の第一接触面92aと、第三装置台95の接触面95aに接し、第二ガイドバー部20の第一側面22が、第二装置台90bの固定ブロック91の接触面91a及び揺動ブロック92の第一接触面92aに接した状態で、これら第一装置台90a、第二装置台90b及び第三装置台95の上に置かれたことになる。
【0057】
次に、図12に示すように、第一ガイドバー部10の下面15及び第二ガイドバー部20の下面25が下を向くように、使用可能状態のレール面測定装置Xの向きを変えて、使用可能状態のレール面測定装置Xを、第一装置台90a、第二装置台90b及び第三装置台95の上に置く。この際、第一ガイドバー部10の下面15が、第一装置台90aの固定ブロック91の接触面91a、及び第三装置台95の接触面95aに接し、第二ガイドバー部20の下面25が第二装置台90bの固定ブロック91の接触面91aに接する。
【0058】
次に、第一装置台90aの一対の揺動ブロック92,92及び第二装置台90bの一対の揺動ブロック92,92を直立状態にする。この結果、第一ガイドバー部10の第一側面12及び第二側面13は、第一装置台90aの一対の揺動ブロック92,92の第二接触面92b,92bに対向し、第二ガイドバー部20の第一側面22及び第二側面23は、第二装置台90bの一対の揺動ブロック92,92の第二接触面92b,92bに対向する。すなわち、使用可能状態のガイドバー1は、第一装置台90aの一対の揺動ブロック92,92間、及び第二装置台90bの一対の揺動ブロック92,92間に挟まれる。
【0059】
このため、この状態のレール面測定装置Xに、作業者が接触する等で多少の外力が作用しても、第一ガイドバー部10に対する第二ガイドバー部20の角度がほとんど変わらないばかりか、このレール面測定装置XがケースYの蓋81から落下する可能性を極めて小さくすることができる。
【0060】
次に、図7に示すように、状態維持具40の連結ネジ45を、状態維持具40の第一ブロック41のネジ孔41b及び第二ブロック42のネジ孔42bにねじ込み、第一ブロック41と第二ブロック42とを連結する。この結果、第一ガイドバー部10の第一端面16aと第二ガイドバー部20の第一端面26aとの接触、第一ブロック41のブロック端面41aと第二ブロック42のブロック端面42aとの接触が維持されることになる。すなわち、ガイドバー1の使用可能状態が維持される。
【0061】
次に、図1に示すように、測定対象のレールR上に、使用可能状態が維持されているレール面測定装置Xを置く。具体的には、第一ガイドバー部10の第二端部18に固定されている保持枠51の上板53、及び、第二ガイドバー部20の第二端部28に固定されている保持枠51の上板53に、レールRの頭頂面8が接するように、レール面測定装置Xを置く。
【0062】
そして、図1及び図3に示すように、各バー保持具50a,50bの操作レバー55,55を揺動させて、各バー保持具50a,50bのレール圧着板56を離脱可能状態から保持状態に変位させる。この結果、各バー保持具50a,50bのレール圧着板56,56がレール頭側面9に圧着し、使用可能状態のガイドバー1がレールRに固定される。以上で、レールRに対するレール面測定装置Xのセットが完了する。
【0063】
レール面測定装置Xのセットが完了すると、図1に示すように、使用可能状態のガイドバー1に対して、測定器70をスライドさせる。測定器70がスライドすると、図9に示すように、紙送り機構78により、記録紙Sが巻き付けられている駆動ローラ76及び従動ローラ77が回転して、記録紙Sが送られる。また、測定器70の第一ローラ71aは、レールRの頭頂面8上を転がりつつ、レール高さ方向Hに上下動する。また、測定器70の第二ローラ71bは、レールRの頭側面9上を転がりつつ、レール幅方向Wrに左右動する。第一ローラ71aの上下動は、第一連動機構72aにより、第一アーム73aの揺動に変換される。また、第二ローラ71bの左右動は、第二連動機構72bにより、第二アーム73bの揺動に変換される。この結果、第一アーム73aの端部に固定されている第一記録ペン74aが揺動し、この第一記録ペン74aにより、記録紙Sに頭頂面8の凹凸量が書き込まれると共に、第二アーム73bの端部に固定されている第二記録ペン74bが揺動し、この第二記録ペン74bにより、記録紙Sに頭側面9の凹凸量が書き込まれる。
【0064】
以上のように、レールRに固定されているガイドバー1に対して、測定器70をスライドさせると、このレールRの頭頂面8の凹凸量及び頭側面9の凹凸量が記録紙Sに記録される。
【0065】
ところで、ガイドバー1に対して測定器70をスライドさせて、レールRの頭頂面8の凹凸量及び頭側面9の凹凸量を測定する場合、第一ガイドバー部10に対して第二ガイドバー部20が傾き、第一ガイドバー部10と第二ガイドバー部20とが一直線上に並んでいないと、レールRの頭頂面8の凹凸量及び頭側面9の凹凸量を正確に測定することができない。これは、第一ガイドバー部10と第二ガイドバー部20とが一直線上に並んでいない状態で、測定枠79が第一ガイドバー部10から第二ガイドバー部20へ移ったときに、第一ガイドバー1の長手方向に対して垂直な面内での測定器枠79の位置が変化するため、仮に、レールRの頭頂面8及び頭側面9に凹凸が無くても、この測定器枠79に対する第一ローラ71a及び第二ローラ71bの相対位置が変化してしまうからである。
【0066】
従って、レールRの頭頂面8の凹凸量及び頭側面9の凹凸量を測定する場合、第一ガイドバー部10と第二ガイドバー部20とが一直線上に並んでいることが、正確な凹凸量を測定するために重要である。
【0067】
本実施形態では、ガイドバー1を構成する各ガイドバー部10,20が使用可能状態の際、各ガイドバー部10,20の第一端面16a,26a相互、各ガイドバー部10,20に固定されている状態維持具40の各ブロックのブロック端面41a,42a相互、さらに、各ガイドバー部10,20に固定されている各ヒンジリーフ部材31,32の摺接面31a,32a相互が接触して、第一ガイドバー部10に対する第二ガイドバー部20の角度が0°に規制されるので、使用可能状態の際のガイドバー1の直線性を確保することができる。特に、本実施形態では、図5及び図6に示すように、各ガイドバー部10,20の第一端面16a,26aに対して、各ガイドバー部10,20に固定されている各ヒンジリーフ部材31,32の摺接面31a,32aが垂直であり、角度の異なる二種類の面により、第一ガイドバー部10に対する第二ガイドバー部20の角度を0°に規制しているので、使用可能状態の際のガイドバー1の直線性をより確実に確保することができる。
【0068】
以上のように、本実施形態では、レール面測定装置Xの運搬性を高めるために、ガイドバー1を2つのガイドバー部10,20で構成して折り畳めるようにしているものの、使用可能状態の際には、ガイドバー1の直線性が確保されるため、レールRの頭頂面8の凹凸量及び頭側面9の凹凸量を正確に測定することができる。
【0069】
ここで、レールR上を車輪が通過する際の騒音は、レール頭側面9の凹凸量の大小よりも、車輪を介して鉄道車両の荷重を受けるレール頭頂面8の凹凸量の大小の方が大きな影響を受ける。このため、騒音を予測等するにあたり、レール頭頂面8の凹凸量の正確な測定は、極めて重要である。
【0070】
本実施形態では、回転軸35がレール頭頂面8の凹凸を測定するための接触子である第一ローラ71aの変位方向(高さ方向H)を向いているため、運搬可能状態時、使用可能状態時、運搬可能状態から使用可能状態への遷移時のいずれの時でも、各ガイドバー部10,20の長手方向は、第一ローラ71aの変位方向(高さ方向H)に対して垂直な面内の各方向を向くことになり、各ガイドバー部10,20の長手方向が接触子の変位方向に対して傾くことはない。このため、本実施形態では、使用可能状態の際にガイドバー1の直線性が確保されていることと相俟って、測定器70がガイドバー1のどの位置に存在していても、第一ローラ71aの変位方向(高さ方向H)における測定器枠79の位置が変わらず、レール頭頂面8の凹凸をより正確に測定することができる。
【符号の説明】
【0071】
1:ガイドバー、7:頭部、8:頭頂面、9:頭側面、10:第一ガイドバー部、11,21:ガイドバー本体、12,22:第一側面、13,14:第二側面、14,24:上面、15,25:下面、16,26:第一端部、16a,26a:第一端面、17,27:端面形成板、18,28:第二端部、20:第二ガイドバー部、30:ヒンジ、31:第一リーフ部材、31a,32a:摺接面、32:第二リーフ部材、35:回転軸、40:状態維持具、41:第一ブロック、41a,42a:ブロック端面、41b,42b:ネジ孔、42:第二ブロック、45:連結ネジ、50a,50b:バー保持具、51:保持枠、55:操作レバー、56:レール圧着板、70:測定器、71a:第一ローラ、71b:第二ローラ、79:測定枠、80:ケース本体、81:蓋、82:(蓋の)上面、90a:第一装置台、90b:第二装置台、90c:第三装置台、91:固定ブロック、92:揺動ブロック、91a,95a:接触面、92a:第一接触面、92b:第二接触面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の長さのガイドバーと、該ガイドバーをレールに平行に保持するバー保持具と、該ガイドバーにスライド可能に取り付けられ、該レールの少なくとも頭頂面の凹凸を測定する測定器と、を備えているレール面測定装置において、
前記測定器は、前記バー保持具により前記ガイドバーが前記レールに平行に保持されている際、前記頭頂面に接して、該頭頂面に対して垂直な方向に変位する接触子を有し、
前記ガイドバーは、
第一ガイドバー部及び第二ガイドバー部と、
前記第一ガイドバー部の長手方向の端面と前記第二ガイドバー部の長手方向の端面とが互いに接触し、各ガイドバー部の長手方向が同じ方向になり、各ガイドバー部が一直線上に並んでいる使用可能状態と、前記バー保持具により前記ガイドバーが前記レール頭頂面に平行に保持されている際の該第一ガイドバー部に関するレール幅方向で、各ガイドバー部が重なり合っている運搬可能状態との間で、前記接触子の変位方向を向いている回転軸を中心として、該第一ガイドバー部に対して該第二ガイドバー部を揺動可能に連結するヒンジと、
を有していることを特徴とするレール面測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレール面測定装置において、
前記ガイドバーは、前記使用可能状態を維持する状態維持具を有し、
前記状態維持具は、
ネジ部を有する連結ネジと、
前記第一ガイドバー部の前記端面側の側部に固定され、該端面と面一のブロック端面が形成されている第一ブロックと、
前記第二ガイドバー部の前記端面の側部であって、前記使用可能状態の際に前記第一ブロックと対向する位置に固定され、該第二ガイドバー部の該端面と面一のブロック端面が形成されている第二ブロックと、
を有し、
前記第一ブロックには、前記第一ガイドバー部の前記長手方向に貫通し、前記連結ネジの前記ネジ部が螺合可能なネジ孔が形成され、前記第二ブロックには、前記使用可能状態で、前記第一ブロックと前記第二ブロックとが対向している際に、該第一ブロックの該ネジ孔に螺合している前記連結ネジの前記ネジ部が、さらに螺合できるネジ孔が形成されている、
ことを特徴とするレール面測定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレール面測定装置において、
前記ヒンジは、前記回転軸と、前記第一ガイドバー部に固定されていると共に該回転軸に対して相対回転可能に取り付けられている第一リーフ部材と、前記第二ガイドバー部に固定されていると共に該回転軸に対して相対回転可能に取り付けられている第二リーフ部材と、を有し、
前記第一リーフ部材と第二リーフ部材とには、それぞれ、前記使用可能状態の際に互いに接し、前記使用可能状態から前記運搬可能状態になる過程で互いに摺接する摺接面が形成されている、
ことを特徴とするレール面測定装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のレール面測定装置において、
前記バー保持具は、前記第一ガイドバー部に取り付けられている第一バー保持具と、前記第二ガイドバー部に取り付けられている前記第二バー保持具とを有し、
前記第一バー保持具は、前記第一ガイドバー部の前記端面とは反対側の端部に固定され、前記第二バー保持具は、前記第二ガイドバー部の前記端面とは反対側の端部に固定され、
前記運搬可能状態で、前記第一ガイドバー部と前記第二ガイドバー部とが前記レール幅方向で重なり合っている際に、前記第一ガイドバー部に固定されている前記第一バー保持具と前記第二ガイドバー部に固定されている前記第二バー保持具とが相互に干渉し合わぬよう、前記第一ガイドバー部の前記長手方向の長さと前記第二ガイドバー部の前記長手方向の長さとが異なっている、
ことを特徴とするレール面測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のレール面測定装置において、
前記第一ガイドバー部は、該第一ガイドバー部の長手方向に伸びる第一ガイドバー本体と、該第一ガイドバー本体に固定され、該第一ガイドバー部の前記端面が形成されている端面形成板と、を有し、
前記第二ガイドバー部は、該第二ガイドバー部の長手方向に伸びる第二ガイドバー本体と、該第二ガイドバー本体に固定され、該第二ガイドバー部の前記端面が形成されている端面形成板と、を有し、
前記第一ガイドバー部の前記端面形成板は、前記第一ガイドバー本体よりも硬い部材で形成され、前記第二ガイドバー部の前記端面形成板は、前記第二ガイドバー本体よりも硬い部材で形成されている、
ことを特徴とするレール面測定装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のレール面測定装置と、該レール面測定装置を収納するケースと、を備え、
前記ケースは、前記レール面測定装置が収まる収納凹部が形成されているケース本体と、該収納凹部の開口を塞ぐ蓋と、該蓋の外面であって、該収納凹部の底面と対向する蓋上面に取り付けられ、前記レール面測定装置が載置可能な装置台と、を有し、
前記装置台は、前記使用可能状態の前記ガイドバーの長手方向の両端部のうち、一方の端部側が接触可能な第一装置台と、他方の端部側が接触可能な第二装置台と、該第一装置台と該第二装置台との間に配置され、前記運搬可能状態の前記ガイドバーの長手方向の両端部のうち、一方の端部側が前記第一装置台又は前記第二装置台に接しているときに、他方の端部側に接触可能な第三装置台と、を有している、
ことを特徴とするレール面測定セット。
【請求項7】
請求項6に記載のレール面測定セットにおいて、
前記第一装置台及び前記第二装置台は、前記使用可能状態の前記ガイドバーの長手方向の端部側の下面が接する接触面が形成されている固定ブロックと、前記蓋上面が広がっている方向であって、該第一装置台から該第二装置台に向かう蓋横幅方向に対して垂直な蓋縦幅方向における、該固定ブロックの両端に配されている一対の揺動ブロックと、を有し、
前記固定ブロックの前記蓋縦幅方向の寸法は、前記第一ガイドバー部及び前記第二ガイドバー部の前記レール幅方向の寸法よりも大きく、
前記一対の揺動ブロックは、各揺動ブロックの長手方向が前記蓋横幅方向を向いている横倒し状態と、各揺動ブロックの長手方向が前記蓋上面に対して垂直な方向を向いている直立状態との間で揺動可能に、前記固定ブロックの前記両端に取り付けられ、
前記一対の揺動ブロックのそれぞれには、前記横倒し状態の際に、前記固定ブロックの前記接触面と面一となる第一接触面と、前記直立状態の際であって、該固定ブロックの該接触面に該ガイドバーの該端部側の下面が接している際に、該ガイドバーの側面に対向する第二接触面と、が形成されている、
ことを特徴とするレール面測定セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−18059(P2012−18059A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155054(P2010−155054)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】