ログイン方法、ログイン装置および記録媒体
【課題】ユーザ認証のためにログインする際に、その利用・登録が容易であり、ユーザの利便性を損なわず、しかも、IDとパスワードだけよりも、セキュリティ効果の高いログイン方法、ログイン装置および記録媒体を提供する。
【解決手段】ユーザIDとパスワードとによって認証を行った後に、さらに、ユーザ自身が予め認証用に登録したログイン画面上の特定の領域である指示有効領域を、マウスやキーボードで指定する入力操作を行うことによって、ログイン処理が完了する。
【解決手段】ユーザIDとパスワードとによって認証を行った後に、さらに、ユーザ自身が予め認証用に登録したログイン画面上の特定の領域である指示有効領域を、マウスやキーボードで指定する入力操作を行うことによって、ログイン処理が完了する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがユーザ認証のためにPC、携帯、ゲーム機または測定機器等の電子端末機器に対してログインする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、ユーザ認証のためにログイする際に、IDとパスワードとを使用することが一般的であり、パソコンを初めとして、携帯、PDF、ゲーム、銀行のキャッシュカードや制御装置等、多くの電子機器端末で使用者を特定し、セキュリティを確保する目的で社会的に広く使用されている。
【0003】
このログインを行う場合、自動的にセキュリティを確保する方法として、非接触型IDカードを利用する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3520938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例では、IDとパスワードとの組を使用して、匿名性を排除し、電子機器端末の使用者を特定し、利用サービスの使用を許可する方法が一般的である。この方法を採用する場合、昨今、新聞、ニュースで報道されているように、パスワードを何らかの方法で入手されると、使用者のなりすましが可能になり、フィッシング詐欺や不正金額引き落し等の被害が発生する。セキュリティを強化する目的で、指紋認証、虹彩認証や手の静脈認証等、生体認証等のシステムも開発されている。
【0005】
ユーザの立場からすると、セキュリティ強化のためとはいえ、利便性がよくないものは、利用されにくい。したがって、上記生体情報を提供することに抵抗があり、また、誤認識のためにログインできないという不都合が生じるので、利用には壁があり、広く普及していないことが実情である。
【0006】
本発明は、ユーザ認証のためにログイする際に、その利用・登録が容易であり、ユーザの利便性を損なわず、しかも、IDとパスワードだけよりも、セキュリティ効果の高いログイン方法、ログイン装置および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザIDとパスワードとによって認証を行った後に、さらに、ユーザ自身が予め認証用に登録したログイン画面上の特定の領域である指示有効領域を、マウスやキーボードで指定する入力操作を行うことによって、ログイン処理が完了する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ認証のためにログイする際に、その利用・登録が容易であり、ユーザの利便性を損なわず、しかも、IDとパスワードだけよりも、セキュリティ効果が高いという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1である電子端末機器100を示すブロック図である。
【0011】
電子端末機器100は、ログイン装置の例であり、入力部1と、テキストデータ処理部2と、照合部3と、条件判断部4と、領域指示部5と、計算部6と、制御部7と、表示部8と、画面作成部9と、ID・パスワード蓄積部10と、領域座標データ蓄積部11と、ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12と、ログイン処理部13とを有する。また、PCもログイン装置の例である。
【0012】
入力部1は、ID・パスワードを入力する手段である。
【0013】
テキストデータ処理部2は、ID・パスワードをユーザ単位に、ID・パスワード蓄積部10に登録する。
【0014】
照合部3は、登録されているIDとユーザが入力したIDとを照合し、登録されているバスワードとユーザが入力したパスワードとを照合し、また、ユーザがカーソルでクリックした点(x,y)座標が、領域座標データ蓄積部11から読み出された指示有効領域に含まれているかどうかを判断する。
【0015】
上記「指示有効領域」は、指示した領域が有効であると判断される領域である。
【0016】
条件判断部4は、ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以下である(C<N)かどうかを判断する。
【0017】
領域指示部5は、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)、または、ユーザがキーボート等で入力した領域を読み込む。
【0018】
計算部6は、カウンタをリセット(ゼロクリア)、またはインクリメントする。
【0019】
表示部8は、作成されたID・パスワード登録用画面を表示し、作成された指示有効領域登録用画面を表示し、具体的には、指示有効領域登録用画面としての壁紙を表示する。また、表示部8は、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを表示する。
【0020】
画面作成部9は、ID・パスワード登録用画面を作成し、また、指示有効領域登録用画面を作成する。
【0021】
ID・パスワード蓄積部10は、ユーザ単位で、ID・パスワードを登録する。
【0022】
領域座標データ蓄積部11は、指示有効領域の座標データを、ユーザ単位で登録する。
【0023】
ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12は、ログイン処理回数カウンタデータを蓄積する。
【0024】
ログイン処理部13は、ログイン処理回数カウンタCを具備する。
【0025】
次に、電子機器端末100の動作について説明する。
【0026】
また、電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作について説明する。
【0027】
図2は、電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作を示すフローチャートである。
【0028】
まず、ユーザが、ユーザ認証のためにログインを行う状態に遷移するために、電子機器端末100において、ユーザが登録処理を要求する(S2)。
【0029】
入力部1を介して入力されたユーザ登録処理(S2)の要求に基づいて、画面作成部9が、ID・パスワード登録用画面((図示せず)を作成し、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部8が表示する(S3)。
【0030】
そして、ユーザが、入力部1を介して、ID・パスワードを入力すると、テキストデータ処理部2が、ユーザ単位で、ID・パスワードをID・パスワード蓄積部10に登録する(S4)。
【0031】
図3は、実施例1で使用する指示有効領域登録用画面21の例を示す図である。
【0032】
指示有効領域登録用画面21は、指示有効領域を登録するために使用する画面であり、多数の領域R11、R12、…………、R45、R46が表示され、各領域の境界に、破線が表示されている。また、指示有効領域登録用画面21には、「指示有効領域を選択し、クリック(リターン)して下さい」の指示テキスト22が表示されている。
【0033】
そして、画面作成部9が、指示有効領域登録用画面21を作成し、この作成された指示有効領域登録用画面21を、表示部8に表示する(S5)。ボール、はさみ、傘、トライアングル、苺等、指示有効領域登録用画面21は、複数の対象物が表示されている画面であり、これら表示されている対象物が、各指定有効領域のシンボルとして表示され、ユーザが所望の指示有効領域を選択する場合の目安として表示される。
【0034】
ユーザが、マウスまたはキーボードで、矢印等のカーソルを移動し、表示部8に表示されている指示有効領域登録用画面(壁紙)21中の対象物にカーソルを合わせる。また、表示部8に表示されている壁紙中で、ユーザが選択すべき指示有効領域の境界がユーザに分かるように、その境界を破線で示してある。そして、表示されている複数の対象物(指示有効領域)の中から、1つの対象物(指示有効領域)をユーザが選択し、クリックする(S6)。なお、ユーザが選択すべき指示有効領域の境界がユーザに分かるようにする手法として、破線を表示する代わりに、実線、一点鎖線、2点鎖線を表示するようにしてもよく、また、直線の代わりに、円等の曲線を表示するようにしてもよい。
【0035】
この場合、対象物(指示有効領域)は、ユーザが指定し易い大きさであれば、任意の大きさに設定してもよく、また、任意の場所に対象物を設定するようにしてもよい。すなわち、壁紙等に写っている対象物が、1つのまとまりの領域として認識できる領域を、指示有効領域として設定する。
【0036】
実施例1では、対象物の外接矩形、または当該対象物よりも少し大きい範囲を、指示有効領域として決めてある。対象物よりも少し大きい領域を、指示有効領域として決める場合、対象物の対角の2点のx,y座標、たとえば、対象物の左上と右下とのx,y座標によって、指示有効領域を決めるようにしてもよい。
【0037】
なお、指示有効領域を、矩形に限定する必要はなく、多角形、楕円で指示有効領域を設定するようにしてもよい。多角形を指示有効領域として設定する場合には、2点以上を指定することによって多角形を指定すればよく、楕円を指示有効領域として設定する場合には、2点のx座標の差、2点のy座標の差を、長軸、短軸の長さとみなすことによって、楕円を指定すればよい。
【0038】
ユーザが選択した対象物に対応する指示有効領域の座標データを、領域座標データ蓄積部11に、ユーザ単位で登録する(S7)。この登録処理は、ユーザ登録する過程で、パスワード登録とセットで実行し、指示有効領域を変更する場合も、パスワードを変更する場合と同様に、任意のタイミングで実行することができる。
【0039】
なお、実施例1では、指示有効領域を1箇所のみ登録するが、指示有効領域を複数、登録するようにしてもよい。指示有効領域の数が増えると、ユーザの利便性は低下するが、セキュリティは強化されるので、利用サービスに応じて、指示有効領域の数を決定するようにするとよい。この場合、複数の指示有効領域を指定する順序が正しいときにのみ、ログインを許可するようにしてもよく、指定する順序を問わずに、全部の指示有効領域を正しく指定すれば、ログインを許可するようにしてもよい。複数の指示有効領域を指定する順序が正しいときにのみ、ログインを許可する場合と、指定する順序を問わずに、全部の指示有効領域を正しく指定すれば、ログインを許可する場合とでは、セキュリティレベル、サービスレベルが変わるので、利用するサービスに応じて、これらのうちの1つの場合を決定する。
【0040】
次に、電子端末機器100において、予め登録した指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作について説明する。
【0041】
図4は、予め登録しておいた指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作を示すフローチャートである。
【0042】
まず、電子端末機器100の電源を入れると、ユーザがログイン処理を行う状態へ、ログイン処理部13が移行する(S11)。
【0043】
そして、制御部7は、ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12に設けられているログイン処理回数カウンタCをリセットする(=0にする)ように、計算部6に働きかける(S12)。
【0044】
次に、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする(+1する)(S13)。
【0045】
ID・パスワード入力用画面(不図示)を、画面作成部9が作成し、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部8が表示する(S14)。
【0046】
そして、入力部1を介して、ユーザがID・パスワードを入力すると、ID・パスワード蓄積部10に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、それぞれ、照合部3が照合する(S15、S16)。照合に失敗すると、エラーメッセージを出力し(S17)、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする(+1する)処理(S13)に戻る。
【0047】
図5は、実施例1において使用する領域指示用画面31を示す図である。
【0048】
領域指示用画面31には、複数の領域R11、R12、…………、R45、R46と、各領域R11〜R46のそれぞれのシンボルとしての対象物とが表示されている。また、各領域R11〜R46を仕切る破線が表示されている。さらに、領域指示用画面31には、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」が記載されている指示テキスト32が表示されている。
【0049】
ID・パスワードの照合に成功すれば、指示有効領域を選択してクリックするように促す指示テキスト32を、画面作成部9が作成し、この作成された指示テキストを、表示部8が表示する(S18)。
【0050】
そして、ユーザが、マウス等のポインティングデバイスを通じて、画面上の所定の点をクリック(指示)すると、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)を、領域指示部5が出力し、この出力された座標が、予め登録した指示有効領域に含まれているかどうかを判断する(S19、S20)。つまり、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)が、領域座標データ蓄積部11から読み出された指示有効領域に含まれているかどうかを、照合部3が判断する。照合できなければ、ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以下である(C<N)かどうかを、条件判断部4が判断する(S21)。
【0051】
複数領域を指定する場合には、予め登録した指示有効領域の登録順序に従い、カーソルで、クリックする。順序を問わない場合は、領域数だけ合致していればよい。なお、一定時間、入力がない場合、タイムアウトし、照合できない場合と同様に以下の処理に移る。
【0052】
ログイン処理回数カウンタCの値が予め設定された値N未満であると(C<N)、条件判断部4が判断すれば、エラーメッセージを出力し(S22)、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする処理(S13)に戻る。
【0053】
ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以上である(C>=N)場合、ログイン誤りがN回連続して行われたと判断し、エラーメッセージを出し(S22)、ログイン処理部13のログイン処理回数カウンタCをリセットする(=0にする)処理(S12)に戻り、すなわち、ログイン処理の最初に戻り、初めからやリ直しする。
【0054】
また、照合(S20)に成功すると、条件判断部4は、制御部7を通じて、ログイン処理部13に対して、ログイン処理をし、サービスを開始するように命令する。
【0055】
このように、ユーザは、パスワードを登録する場合と同様の感覚で、画面上の任意の領域を自分で選び、この選んだ領域中の任意の位置をクリックする。または、ユーザが選んだ領域を囲むように、範囲指示する。上記任意の領域は、壁紙のたとえば、ボール、はさみ、傘、トライアングル、苺等の対象物の全体や、その対象物の一部分等、目で見て分かリやすい対象物に対応する領域である。
【0056】
このように選んだ領域を囲むようにして、指示有効領域を設定することによって、ユーザにとっては意味のある領域だが、システム上は、単なる(x,y)座標に過ぎない数値の組を登録し、ユーザがログイン時にパスワード入力にプラスして、ユーザにとって意味がある領域(たとえば、ユーザが好む動物、建物、キャラクタ等が表示されている領域)であって、選択しやすい領域内をクリックする。すなわち、壁紙に描かれている対象物の全部または一部分等をマウスでクリックする等、ポインティングデバイスで指示する。このように、指示有効領域中の所定の部位を指示することによって、システム上のセキュリティを、手軽に強化することができる。
【0057】
なお、ユーザにとって意味がない領域をクリックし、指示有効領域を登録するようにしてもよい。上記「ユーザにとって意味がない領域」は、たとえば、画面の上半分、左下部分等、ユーザの趣味等と無関係の領域である。
【0058】
つまり、英数字は、その情報だけで意味があるテキストデータであるので、そのデータそのものが入力対象であり、容易に利用することができ、セキュリティ上、危険である。しかし、上記指示有効領域を示す情報は、位置情報だけであり、そのデータ(位置情報)自身を入力するのではなく、位置情報を、カーソル等のポインティングデバイスで指示する。したがって、電子端末機器100の画面状態とセットでなければ、ユーザにとって意味を理解しにくいので、利用しにくい。すなわち、セキュリティを強化することができるというメリットがある。
【0059】
また、時刻や期間によって、上記指示有効領域を変え、パスワードと同様に、変更できるようにしてもよい。指示有効領域の個数と指示する順番とを定めることによって、セキュリティをさらに強化することができる。
【実施例2】
【0060】
実施例2は、実施例1において、S18を省略する実施例である。
【0061】
図6は、本発明の実施例2で使用する領域指示用画面31aを示す図である。
【0062】
領域指示用画面31aには、多数の領域R11、R12、…………、R45、R46と、各領域R11〜R46のそれぞれのシンボルとしての対象物と、各領域R11〜R46を仕切る破線が表示されている。しかし、領域指定用画面31aには、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」等の指示テキストが表示されていない。
【0063】
ところで、図4に示すS18を実行すれば、操作を促すメッセージ(指示テキスト)がユーザに表示されるので、ユーザにとって利便性の高いログイン処理である。一方、図6に示すように、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」等の指示テキストを省略して表示し、つまり、S18を省略すると、ユーザIDとパスワードとによって認証した後に、ユーザ操作が要求されていることが明示されていないので、セキュリティレベルが一層高いログイン処理である。
【0064】
上記実施例は、多くのログイン時に現在利用されているユーザIDとパスワード入力方法と、基本的には同じであるので、指示有効領域を選択すること自体を知らないユーザは、ログイン法すら気付かない。なお、この場合、一定の入力時間、待機し、S20でタイムアウトを判定する処理も必要である。タイムアウトの場合、S16で「NO」と判定した場合と同様に処理する。
【0065】
実施例2によれば、ID・パスワードを認証する際に、画面上の指示有効領域をユーザが指示するので、IDとパスワードとを認証する場合よりも、セキュリティ効果が高く、また、パスワードのように、英数字という形を持ち、目に見える情報と違い、上記指示有効領域は、通常、ユーザの頭の中にだけにある情報であるので、外部に漏れにくい。
【実施例3】
【0066】
本発明の実施例3は、実施例1において、指示有効領域をユーザが自由に設定する実施例である。
【0067】
図7は、本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aを示す図である。
【0068】
図7に示す例では、指示有効領域登録画面21aに、指示テキスト22aが表示される。指示テキスト22aは、「指示領域を選択してクリックして下さい。複数領域を登録する場合は繰り返して指定して下さい。ログイン時に順番を考慮する場合は、指定した順番に入力する必要があります。終了する場合は、「EXIT」をクリックして下さい。」である。
【0069】
図8は、本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aにおいて、ユーザが指示有効領域RA、RBを指定した状態である指示有効領域登録画面21bを示す図である。
【0070】
実施例3において、指示有効領域RAは、ログイン時のクリック順番が1番目であり、指示有効領域RBは、ログイン時のクリック順番が2番目である。指示有効領域RAをユーザが指示する場合、矩形の左上の頂点の座標(XA1,YA1)と、矩形の右下の頂点の座標(XA2,YA2)とを指示する。ただし、ユーザは、指示有効領域登録画面21b(壁紙)の任意の位置をクリックしたときの座標が(XA1,YA1)と(XA2,YA2)とであることを意識しているのではなく、壁紙の画像中の所望の位置のみを意識している。たとえば、壁紙の右上の雲を囲む領域を意識して、指示有効領域を登録する。
【0071】
指示有効領域RBをユーザが指示する場合、矩形の左上の頂点の座標(XB1,YB1)と、矩形の右下の頂点の座標(XB2,YB2)とが指示される。この場合も、特定の座標値を意識するのではなく、たとえば、富士山の上半分の領域のみを意識して、指示有効領域を登録する。
【0072】
図9は、本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21cを示す図である。
【0073】
上記のようにして、指示有効領域を指定した後に、「EXIT」をクリックすると、図9に示す指示有効領域登録画面21cが表示される。
【0074】
指示有効領域登録画面21cでは、指示テキスト22cが表示される。指示テキスト22cは、
「登録条件を選択して下さい。
◎1.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮する。
◎2.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮しない。」
が表示される。上記「◎」はラジオボタンを示し、このラジオボタンをクリックすることによって、上記「1.」、「2.」の一方を選択し、画面左したの「EXIT」をクリックする。
【0075】
図10は、本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21dを示す図である。
【0076】
指示有効領域登録画面21dでは、指示テキスト22dが表示され,終了ボタンで選択する例である。指示テキスト22dは、
「登録条件を選択し、「EXIT1」または「EXIT2」をクリックして下さい。
1.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮する。(「EXIT1」)
2.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮しない。(「EXIT2」)」
が表示される。
【0077】
図11は、本発明の実施例3において、領域指定用画面31bを示す図である。
【0078】
領域指定用画面31bは、壁紙とともに、指示テキスト32bが表示される。指示テキスト32bは、「指示領域を指定(クリック)して下さい。」である。
【0079】
この場合、指示有効領域を登録したユーザであれば、領域指示用画面31bのうちのどの領域が指示有効領域であるかを知っているので、その指示有効領域(上記例であれば、画面右上の雲と、富士山の上半分の領域)とを指示する。これによって、本人確認が行われる。指示有効領域を正しく指定できなければ、本人確認が行われない。
【0080】
また、実施例2のように、図11に示す領域指定用画面31bにおいて、指示テキスト32bを表示しなくてもよい。このようにすれば、本人でない人は、ログインとして何をすればよいかさえ知らないので、セキュリティ効果が高い。
【0081】
なお、上記実施例において、「指示有効領域登録画面(壁紙)」は、風景の他に、人物または物体の写真、絵、幾何学や芸術的な模様等であってもよい。また、真っ白い画面、真っ黒い画面等、単色の画面も、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。さらに、静止画だけでなく、動画も、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。しかも、表示する時刻、日にちによって,表示内容が異なる画像を、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。
【0082】
上記単色の画面、動画を指示有効領域登録画面(壁紙)として使用する場合、画面の上半分,右下部分等、大まかな領域を指示有効領域として登録することが現実的である。また、表示する時刻、日にちによって,表示内容が異なる画像を、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用する場合も、大まかな領域を指示有効領域として登録することが現実的である。
【0083】
なお、上記実施例において、ユーザが画面上で指示する領域は、所定の面積を有する範囲のみならず、点をも含む概念である。したがって、ユーザが画面上で領域を指定する場合、複数の点で上記領域を指定してもよく、また、一点を指定することによって、上記領域を指定するようにしてもよい。実際にユーザが領域を指定する場合、一点で領域を指定することが、簡単かつ迅速であり、現実的である。
【0084】
また、上記実施例において、ユーザが画面上で領域を指示する場合、マウスを操作してカーソルによって指定するだけでなく、キーボード、タッチパネル等、マウス以外のポインティングディバスを使用して指定するようにしてもよい。
【0085】
つまり、上記実施例は、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と、この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階とを有するログイン時に指示する領域を登録する方法の例である。
【0086】
また、上記実施例は、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階とを有するログイン方法の例である。
【0087】
上記実施例は、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と、この作成された指示有効領域登録用画面を表示する表示手段と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段とを有するログイン時に指示する領域を登録する装置の例である。
【0088】
また、上記実施例は、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理を行うログイン処理手段とを有するログイン装置の例である。
【0089】
さらに、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と、上記作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部に表示するID・パスワード登録用画面表示段階と、ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で、ID・パスワード蓄積部に登録するID・パスワード登録段階と、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と、この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階とを有するログイン時に指示する領域を登録する方法の例である。
【0090】
そして、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部が表示するID・パスワード登録用画面表示段階と、ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、照合部が照合する照合段階と、上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階とを有するログイン方法の例である。
【0091】
この場合、上記指示有効領域登録用画面としての壁紙中に表示されている対象物のうちで、ユーザが選択する対象物に対応する指示有効領域を、ユーザに明示する明示段階を有する。
【0092】
また、上記ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを、画面作成部が作成する指示テキスト作成段階と、上記作成された指示テキストを、上記表示部が表示する指示テキスト表示段階とを有する。
【0093】
しかも、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と、上記作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と、ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で登録するID・パスワード登録手段と、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と、この作成された指示有効領域登録用画面を表示する指示有効領域登録用画面表示手段と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段とを有するログイン時に指示する領域を登録する装置の例である。
【0094】
また、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と、この作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と、ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを照合する照合手段と、上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理手段とを有するログイン装置の例である。
【0095】
さらに、上記実施例をプログラムの発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムの例である。
【0096】
また、上記実施例を記録媒体の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体の例である.この記録媒体として、CD、DVD、HD、光磁気ディスク、半導体メモリ等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施例1である電子端末機器100を示すブロック図である。
【図2】電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作を示すフローチャートである。
【図3】実施例1で使用する指示有効領域登録用画面21の例を示す図である。
【図4】予め登録しておいた指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例1において使用する領域指示用画面31を示す図である。
【図6】本発明の実施例2で使用する領域指示用画面31aを示す図である。
【図7】本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aを示す図である。
【図8】本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aにおいて、ユーザが指示有効領域RA、RBを指定した状態である指示有効領域登録画面21bを示す図である。
【図9】本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21cを示す図である。
【図10】本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21dを示す図である。
【図11】本発明の実施例3において、領域指定用画面31bを示す図である。
【符号の説明】
【0098】
100…電子端末機器、
1…入力部、
2…テキストデータ処理部、
3…照合部、
4…条件判断部、
5…領域指示部、
6…計算部、
7…制御部、
8…表示部、
9…画面作成部、
10…ID・パスワード蓄積部、
11…領域域座標データ蓄積部、
12…ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部、
13…ログイン処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがユーザ認証のためにPC、携帯、ゲーム機または測定機器等の電子端末機器に対してログインする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、ユーザ認証のためにログイする際に、IDとパスワードとを使用することが一般的であり、パソコンを初めとして、携帯、PDF、ゲーム、銀行のキャッシュカードや制御装置等、多くの電子機器端末で使用者を特定し、セキュリティを確保する目的で社会的に広く使用されている。
【0003】
このログインを行う場合、自動的にセキュリティを確保する方法として、非接触型IDカードを利用する方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3520938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例では、IDとパスワードとの組を使用して、匿名性を排除し、電子機器端末の使用者を特定し、利用サービスの使用を許可する方法が一般的である。この方法を採用する場合、昨今、新聞、ニュースで報道されているように、パスワードを何らかの方法で入手されると、使用者のなりすましが可能になり、フィッシング詐欺や不正金額引き落し等の被害が発生する。セキュリティを強化する目的で、指紋認証、虹彩認証や手の静脈認証等、生体認証等のシステムも開発されている。
【0005】
ユーザの立場からすると、セキュリティ強化のためとはいえ、利便性がよくないものは、利用されにくい。したがって、上記生体情報を提供することに抵抗があり、また、誤認識のためにログインできないという不都合が生じるので、利用には壁があり、広く普及していないことが実情である。
【0006】
本発明は、ユーザ認証のためにログイする際に、その利用・登録が容易であり、ユーザの利便性を損なわず、しかも、IDとパスワードだけよりも、セキュリティ効果の高いログイン方法、ログイン装置および記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザIDとパスワードとによって認証を行った後に、さらに、ユーザ自身が予め認証用に登録したログイン画面上の特定の領域である指示有効領域を、マウスやキーボードで指定する入力操作を行うことによって、ログイン処理が完了する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ認証のためにログイする際に、その利用・登録が容易であり、ユーザの利便性を損なわず、しかも、IDとパスワードだけよりも、セキュリティ効果が高いという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例1である電子端末機器100を示すブロック図である。
【0011】
電子端末機器100は、ログイン装置の例であり、入力部1と、テキストデータ処理部2と、照合部3と、条件判断部4と、領域指示部5と、計算部6と、制御部7と、表示部8と、画面作成部9と、ID・パスワード蓄積部10と、領域座標データ蓄積部11と、ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12と、ログイン処理部13とを有する。また、PCもログイン装置の例である。
【0012】
入力部1は、ID・パスワードを入力する手段である。
【0013】
テキストデータ処理部2は、ID・パスワードをユーザ単位に、ID・パスワード蓄積部10に登録する。
【0014】
照合部3は、登録されているIDとユーザが入力したIDとを照合し、登録されているバスワードとユーザが入力したパスワードとを照合し、また、ユーザがカーソルでクリックした点(x,y)座標が、領域座標データ蓄積部11から読み出された指示有効領域に含まれているかどうかを判断する。
【0015】
上記「指示有効領域」は、指示した領域が有効であると判断される領域である。
【0016】
条件判断部4は、ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以下である(C<N)かどうかを判断する。
【0017】
領域指示部5は、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)、または、ユーザがキーボート等で入力した領域を読み込む。
【0018】
計算部6は、カウンタをリセット(ゼロクリア)、またはインクリメントする。
【0019】
表示部8は、作成されたID・パスワード登録用画面を表示し、作成された指示有効領域登録用画面を表示し、具体的には、指示有効領域登録用画面としての壁紙を表示する。また、表示部8は、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを表示する。
【0020】
画面作成部9は、ID・パスワード登録用画面を作成し、また、指示有効領域登録用画面を作成する。
【0021】
ID・パスワード蓄積部10は、ユーザ単位で、ID・パスワードを登録する。
【0022】
領域座標データ蓄積部11は、指示有効領域の座標データを、ユーザ単位で登録する。
【0023】
ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12は、ログイン処理回数カウンタデータを蓄積する。
【0024】
ログイン処理部13は、ログイン処理回数カウンタCを具備する。
【0025】
次に、電子機器端末100の動作について説明する。
【0026】
また、電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作について説明する。
【0027】
図2は、電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作を示すフローチャートである。
【0028】
まず、ユーザが、ユーザ認証のためにログインを行う状態に遷移するために、電子機器端末100において、ユーザが登録処理を要求する(S2)。
【0029】
入力部1を介して入力されたユーザ登録処理(S2)の要求に基づいて、画面作成部9が、ID・パスワード登録用画面((図示せず)を作成し、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部8が表示する(S3)。
【0030】
そして、ユーザが、入力部1を介して、ID・パスワードを入力すると、テキストデータ処理部2が、ユーザ単位で、ID・パスワードをID・パスワード蓄積部10に登録する(S4)。
【0031】
図3は、実施例1で使用する指示有効領域登録用画面21の例を示す図である。
【0032】
指示有効領域登録用画面21は、指示有効領域を登録するために使用する画面であり、多数の領域R11、R12、…………、R45、R46が表示され、各領域の境界に、破線が表示されている。また、指示有効領域登録用画面21には、「指示有効領域を選択し、クリック(リターン)して下さい」の指示テキスト22が表示されている。
【0033】
そして、画面作成部9が、指示有効領域登録用画面21を作成し、この作成された指示有効領域登録用画面21を、表示部8に表示する(S5)。ボール、はさみ、傘、トライアングル、苺等、指示有効領域登録用画面21は、複数の対象物が表示されている画面であり、これら表示されている対象物が、各指定有効領域のシンボルとして表示され、ユーザが所望の指示有効領域を選択する場合の目安として表示される。
【0034】
ユーザが、マウスまたはキーボードで、矢印等のカーソルを移動し、表示部8に表示されている指示有効領域登録用画面(壁紙)21中の対象物にカーソルを合わせる。また、表示部8に表示されている壁紙中で、ユーザが選択すべき指示有効領域の境界がユーザに分かるように、その境界を破線で示してある。そして、表示されている複数の対象物(指示有効領域)の中から、1つの対象物(指示有効領域)をユーザが選択し、クリックする(S6)。なお、ユーザが選択すべき指示有効領域の境界がユーザに分かるようにする手法として、破線を表示する代わりに、実線、一点鎖線、2点鎖線を表示するようにしてもよく、また、直線の代わりに、円等の曲線を表示するようにしてもよい。
【0035】
この場合、対象物(指示有効領域)は、ユーザが指定し易い大きさであれば、任意の大きさに設定してもよく、また、任意の場所に対象物を設定するようにしてもよい。すなわち、壁紙等に写っている対象物が、1つのまとまりの領域として認識できる領域を、指示有効領域として設定する。
【0036】
実施例1では、対象物の外接矩形、または当該対象物よりも少し大きい範囲を、指示有効領域として決めてある。対象物よりも少し大きい領域を、指示有効領域として決める場合、対象物の対角の2点のx,y座標、たとえば、対象物の左上と右下とのx,y座標によって、指示有効領域を決めるようにしてもよい。
【0037】
なお、指示有効領域を、矩形に限定する必要はなく、多角形、楕円で指示有効領域を設定するようにしてもよい。多角形を指示有効領域として設定する場合には、2点以上を指定することによって多角形を指定すればよく、楕円を指示有効領域として設定する場合には、2点のx座標の差、2点のy座標の差を、長軸、短軸の長さとみなすことによって、楕円を指定すればよい。
【0038】
ユーザが選択した対象物に対応する指示有効領域の座標データを、領域座標データ蓄積部11に、ユーザ単位で登録する(S7)。この登録処理は、ユーザ登録する過程で、パスワード登録とセットで実行し、指示有効領域を変更する場合も、パスワードを変更する場合と同様に、任意のタイミングで実行することができる。
【0039】
なお、実施例1では、指示有効領域を1箇所のみ登録するが、指示有効領域を複数、登録するようにしてもよい。指示有効領域の数が増えると、ユーザの利便性は低下するが、セキュリティは強化されるので、利用サービスに応じて、指示有効領域の数を決定するようにするとよい。この場合、複数の指示有効領域を指定する順序が正しいときにのみ、ログインを許可するようにしてもよく、指定する順序を問わずに、全部の指示有効領域を正しく指定すれば、ログインを許可するようにしてもよい。複数の指示有効領域を指定する順序が正しいときにのみ、ログインを許可する場合と、指定する順序を問わずに、全部の指示有効領域を正しく指定すれば、ログインを許可する場合とでは、セキュリティレベル、サービスレベルが変わるので、利用するサービスに応じて、これらのうちの1つの場合を決定する。
【0040】
次に、電子端末機器100において、予め登録した指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作について説明する。
【0041】
図4は、予め登録しておいた指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作を示すフローチャートである。
【0042】
まず、電子端末機器100の電源を入れると、ユーザがログイン処理を行う状態へ、ログイン処理部13が移行する(S11)。
【0043】
そして、制御部7は、ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部12に設けられているログイン処理回数カウンタCをリセットする(=0にする)ように、計算部6に働きかける(S12)。
【0044】
次に、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする(+1する)(S13)。
【0045】
ID・パスワード入力用画面(不図示)を、画面作成部9が作成し、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部8が表示する(S14)。
【0046】
そして、入力部1を介して、ユーザがID・パスワードを入力すると、ID・パスワード蓄積部10に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、それぞれ、照合部3が照合する(S15、S16)。照合に失敗すると、エラーメッセージを出力し(S17)、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする(+1する)処理(S13)に戻る。
【0047】
図5は、実施例1において使用する領域指示用画面31を示す図である。
【0048】
領域指示用画面31には、複数の領域R11、R12、…………、R45、R46と、各領域R11〜R46のそれぞれのシンボルとしての対象物とが表示されている。また、各領域R11〜R46を仕切る破線が表示されている。さらに、領域指示用画面31には、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」が記載されている指示テキスト32が表示されている。
【0049】
ID・パスワードの照合に成功すれば、指示有効領域を選択してクリックするように促す指示テキスト32を、画面作成部9が作成し、この作成された指示テキストを、表示部8が表示する(S18)。
【0050】
そして、ユーザが、マウス等のポインティングデバイスを通じて、画面上の所定の点をクリック(指示)すると、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)を、領域指示部5が出力し、この出力された座標が、予め登録した指示有効領域に含まれているかどうかを判断する(S19、S20)。つまり、ユーザがカーソルでクリックした点の座標(x,y)が、領域座標データ蓄積部11から読み出された指示有効領域に含まれているかどうかを、照合部3が判断する。照合できなければ、ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以下である(C<N)かどうかを、条件判断部4が判断する(S21)。
【0051】
複数領域を指定する場合には、予め登録した指示有効領域の登録順序に従い、カーソルで、クリックする。順序を問わない場合は、領域数だけ合致していればよい。なお、一定時間、入力がない場合、タイムアウトし、照合できない場合と同様に以下の処理に移る。
【0052】
ログイン処理回数カウンタCの値が予め設定された値N未満であると(C<N)、条件判断部4が判断すれば、エラーメッセージを出力し(S22)、ログイン処理回数カウンタCを1インクリメントする処理(S13)に戻る。
【0053】
ログイン処理回数カウンタCの値が、予め設定された値N以上である(C>=N)場合、ログイン誤りがN回連続して行われたと判断し、エラーメッセージを出し(S22)、ログイン処理部13のログイン処理回数カウンタCをリセットする(=0にする)処理(S12)に戻り、すなわち、ログイン処理の最初に戻り、初めからやリ直しする。
【0054】
また、照合(S20)に成功すると、条件判断部4は、制御部7を通じて、ログイン処理部13に対して、ログイン処理をし、サービスを開始するように命令する。
【0055】
このように、ユーザは、パスワードを登録する場合と同様の感覚で、画面上の任意の領域を自分で選び、この選んだ領域中の任意の位置をクリックする。または、ユーザが選んだ領域を囲むように、範囲指示する。上記任意の領域は、壁紙のたとえば、ボール、はさみ、傘、トライアングル、苺等の対象物の全体や、その対象物の一部分等、目で見て分かリやすい対象物に対応する領域である。
【0056】
このように選んだ領域を囲むようにして、指示有効領域を設定することによって、ユーザにとっては意味のある領域だが、システム上は、単なる(x,y)座標に過ぎない数値の組を登録し、ユーザがログイン時にパスワード入力にプラスして、ユーザにとって意味がある領域(たとえば、ユーザが好む動物、建物、キャラクタ等が表示されている領域)であって、選択しやすい領域内をクリックする。すなわち、壁紙に描かれている対象物の全部または一部分等をマウスでクリックする等、ポインティングデバイスで指示する。このように、指示有効領域中の所定の部位を指示することによって、システム上のセキュリティを、手軽に強化することができる。
【0057】
なお、ユーザにとって意味がない領域をクリックし、指示有効領域を登録するようにしてもよい。上記「ユーザにとって意味がない領域」は、たとえば、画面の上半分、左下部分等、ユーザの趣味等と無関係の領域である。
【0058】
つまり、英数字は、その情報だけで意味があるテキストデータであるので、そのデータそのものが入力対象であり、容易に利用することができ、セキュリティ上、危険である。しかし、上記指示有効領域を示す情報は、位置情報だけであり、そのデータ(位置情報)自身を入力するのではなく、位置情報を、カーソル等のポインティングデバイスで指示する。したがって、電子端末機器100の画面状態とセットでなければ、ユーザにとって意味を理解しにくいので、利用しにくい。すなわち、セキュリティを強化することができるというメリットがある。
【0059】
また、時刻や期間によって、上記指示有効領域を変え、パスワードと同様に、変更できるようにしてもよい。指示有効領域の個数と指示する順番とを定めることによって、セキュリティをさらに強化することができる。
【実施例2】
【0060】
実施例2は、実施例1において、S18を省略する実施例である。
【0061】
図6は、本発明の実施例2で使用する領域指示用画面31aを示す図である。
【0062】
領域指示用画面31aには、多数の領域R11、R12、…………、R45、R46と、各領域R11〜R46のそれぞれのシンボルとしての対象物と、各領域R11〜R46を仕切る破線が表示されている。しかし、領域指定用画面31aには、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」等の指示テキストが表示されていない。
【0063】
ところで、図4に示すS18を実行すれば、操作を促すメッセージ(指示テキスト)がユーザに表示されるので、ユーザにとって利便性の高いログイン処理である。一方、図6に示すように、「指示有効領域を選択し、クリックして下さい」等の指示テキストを省略して表示し、つまり、S18を省略すると、ユーザIDとパスワードとによって認証した後に、ユーザ操作が要求されていることが明示されていないので、セキュリティレベルが一層高いログイン処理である。
【0064】
上記実施例は、多くのログイン時に現在利用されているユーザIDとパスワード入力方法と、基本的には同じであるので、指示有効領域を選択すること自体を知らないユーザは、ログイン法すら気付かない。なお、この場合、一定の入力時間、待機し、S20でタイムアウトを判定する処理も必要である。タイムアウトの場合、S16で「NO」と判定した場合と同様に処理する。
【0065】
実施例2によれば、ID・パスワードを認証する際に、画面上の指示有効領域をユーザが指示するので、IDとパスワードとを認証する場合よりも、セキュリティ効果が高く、また、パスワードのように、英数字という形を持ち、目に見える情報と違い、上記指示有効領域は、通常、ユーザの頭の中にだけにある情報であるので、外部に漏れにくい。
【実施例3】
【0066】
本発明の実施例3は、実施例1において、指示有効領域をユーザが自由に設定する実施例である。
【0067】
図7は、本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aを示す図である。
【0068】
図7に示す例では、指示有効領域登録画面21aに、指示テキスト22aが表示される。指示テキスト22aは、「指示領域を選択してクリックして下さい。複数領域を登録する場合は繰り返して指定して下さい。ログイン時に順番を考慮する場合は、指定した順番に入力する必要があります。終了する場合は、「EXIT」をクリックして下さい。」である。
【0069】
図8は、本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aにおいて、ユーザが指示有効領域RA、RBを指定した状態である指示有効領域登録画面21bを示す図である。
【0070】
実施例3において、指示有効領域RAは、ログイン時のクリック順番が1番目であり、指示有効領域RBは、ログイン時のクリック順番が2番目である。指示有効領域RAをユーザが指示する場合、矩形の左上の頂点の座標(XA1,YA1)と、矩形の右下の頂点の座標(XA2,YA2)とを指示する。ただし、ユーザは、指示有効領域登録画面21b(壁紙)の任意の位置をクリックしたときの座標が(XA1,YA1)と(XA2,YA2)とであることを意識しているのではなく、壁紙の画像中の所望の位置のみを意識している。たとえば、壁紙の右上の雲を囲む領域を意識して、指示有効領域を登録する。
【0071】
指示有効領域RBをユーザが指示する場合、矩形の左上の頂点の座標(XB1,YB1)と、矩形の右下の頂点の座標(XB2,YB2)とが指示される。この場合も、特定の座標値を意識するのではなく、たとえば、富士山の上半分の領域のみを意識して、指示有効領域を登録する。
【0072】
図9は、本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21cを示す図である。
【0073】
上記のようにして、指示有効領域を指定した後に、「EXIT」をクリックすると、図9に示す指示有効領域登録画面21cが表示される。
【0074】
指示有効領域登録画面21cでは、指示テキスト22cが表示される。指示テキスト22cは、
「登録条件を選択して下さい。
◎1.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮する。
◎2.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮しない。」
が表示される。上記「◎」はラジオボタンを示し、このラジオボタンをクリックすることによって、上記「1.」、「2.」の一方を選択し、画面左したの「EXIT」をクリックする。
【0075】
図10は、本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21dを示す図である。
【0076】
指示有効領域登録画面21dでは、指示テキスト22dが表示され,終了ボタンで選択する例である。指示テキスト22dは、
「登録条件を選択し、「EXIT1」または「EXIT2」をクリックして下さい。
1.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮する。(「EXIT1」)
2.ログイン時に登録領域の指定順番を考慮しない。(「EXIT2」)」
が表示される。
【0077】
図11は、本発明の実施例3において、領域指定用画面31bを示す図である。
【0078】
領域指定用画面31bは、壁紙とともに、指示テキスト32bが表示される。指示テキスト32bは、「指示領域を指定(クリック)して下さい。」である。
【0079】
この場合、指示有効領域を登録したユーザであれば、領域指示用画面31bのうちのどの領域が指示有効領域であるかを知っているので、その指示有効領域(上記例であれば、画面右上の雲と、富士山の上半分の領域)とを指示する。これによって、本人確認が行われる。指示有効領域を正しく指定できなければ、本人確認が行われない。
【0080】
また、実施例2のように、図11に示す領域指定用画面31bにおいて、指示テキスト32bを表示しなくてもよい。このようにすれば、本人でない人は、ログインとして何をすればよいかさえ知らないので、セキュリティ効果が高い。
【0081】
なお、上記実施例において、「指示有効領域登録画面(壁紙)」は、風景の他に、人物または物体の写真、絵、幾何学や芸術的な模様等であってもよい。また、真っ白い画面、真っ黒い画面等、単色の画面も、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。さらに、静止画だけでなく、動画も、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。しかも、表示する時刻、日にちによって,表示内容が異なる画像を、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用することができる。
【0082】
上記単色の画面、動画を指示有効領域登録画面(壁紙)として使用する場合、画面の上半分,右下部分等、大まかな領域を指示有効領域として登録することが現実的である。また、表示する時刻、日にちによって,表示内容が異なる画像を、指示有効領域登録画面(壁紙)として使用する場合も、大まかな領域を指示有効領域として登録することが現実的である。
【0083】
なお、上記実施例において、ユーザが画面上で指示する領域は、所定の面積を有する範囲のみならず、点をも含む概念である。したがって、ユーザが画面上で領域を指定する場合、複数の点で上記領域を指定してもよく、また、一点を指定することによって、上記領域を指定するようにしてもよい。実際にユーザが領域を指定する場合、一点で領域を指定することが、簡単かつ迅速であり、現実的である。
【0084】
また、上記実施例において、ユーザが画面上で領域を指示する場合、マウスを操作してカーソルによって指定するだけでなく、キーボード、タッチパネル等、マウス以外のポインティングディバスを使用して指定するようにしてもよい。
【0085】
つまり、上記実施例は、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と、この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階とを有するログイン時に指示する領域を登録する方法の例である。
【0086】
また、上記実施例は、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階とを有するログイン方法の例である。
【0087】
上記実施例は、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と、この作成された指示有効領域登録用画面を表示する表示手段と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段とを有するログイン時に指示する領域を登録する装置の例である。
【0088】
また、上記実施例は、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理を行うログイン処理手段とを有するログイン装置の例である。
【0089】
さらに、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と、上記作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部に表示するID・パスワード登録用画面表示段階と、ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で、ID・パスワード蓄積部に登録するID・パスワード登録段階と、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と、この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階とを有するログイン時に指示する領域を登録する方法の例である。
【0090】
そして、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と、この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部が表示するID・パスワード登録用画面表示段階と、ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、照合部が照合する照合段階と、上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階とを有するログイン方法の例である。
【0091】
この場合、上記指示有効領域登録用画面としての壁紙中に表示されている対象物のうちで、ユーザが選択する対象物に対応する指示有効領域を、ユーザに明示する明示段階を有する。
【0092】
また、上記ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを、画面作成部が作成する指示テキスト作成段階と、上記作成された指示テキストを、上記表示部が表示する指示テキスト表示段階とを有する。
【0093】
しかも、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と、上記作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と、ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で登録するID・パスワード登録手段と、指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と、この作成された指示有効領域登録用画面を表示する指示有効領域登録用画面表示手段と、上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段とを有するログイン時に指示する領域を登録する装置の例である。
【0094】
また、上記実施例は、ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と、この作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と、ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを照合する照合手段と、上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と、ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理手段とを有するログイン装置の例である。
【0095】
さらに、上記実施例をプログラムの発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムの例である。
【0096】
また、上記実施例を記録媒体の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体の例である.この記録媒体として、CD、DVD、HD、光磁気ディスク、半導体メモリ等が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施例1である電子端末機器100を示すブロック図である。
【図2】電子機器端末100において、指示有効領域を予め登録する動作を示すフローチャートである。
【図3】実施例1で使用する指示有効領域登録用画面21の例を示す図である。
【図4】予め登録しておいた指示有効領域を、ログイン時にユーザが指示する動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例1において使用する領域指示用画面31を示す図である。
【図6】本発明の実施例2で使用する領域指示用画面31aを示す図である。
【図7】本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aを示す図である。
【図8】本発明の実施例3で使用する指示有効領域登録画面21aにおいて、ユーザが指示有効領域RA、RBを指定した状態である指示有効領域登録画面21bを示す図である。
【図9】本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21cを示す図である。
【図10】本発明の実施例3において、指示有効領域登録画面21bに示すように、ユーザが指示有効領域を指示した後に表示される指示有効領域登録画面21dを示す図である。
【図11】本発明の実施例3において、領域指定用画面31bを示す図である。
【符号の説明】
【0098】
100…電子端末機器、
1…入力部、
2…テキストデータ処理部、
3…照合部、
4…条件判断部、
5…領域指示部、
6…計算部、
7…制御部、
8…表示部、
9…画面作成部、
10…ID・パスワード蓄積部、
11…領域域座標データ蓄積部、
12…ログイン処理回数カウンタデータ蓄積部、
13…ログイン処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と;
この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項2】
ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項3】
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と;
この作成された指示有効領域登録用画面を表示する表示手段と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する装置。
【請求項4】
ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理を行うログイン処理手段と;
を有することを特徴とするログイン装置。
【請求項5】
ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と;
上記作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部に表示するID・パスワード登録用画面表示段階と;
ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で、ID・パスワード蓄積部に登録するID・パスワード登録段階と;
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と;
この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項6】
ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と;
この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部が表示するID・パスワード登録用画面表示段階と;
ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、照合部が照合する照合段階と;
上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項7】
請求項5において、
上記指示有効領域登録用画面としての壁紙中に表示されている対象物のうちで、ユーザが選択する対象物に対応する指示有効領域を、ユーザに明示する明示段階を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項8】
請求項6において、
上記ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを、画面作成部が作成する指示テキスト作成段階と;
上記作成された指示テキストを、上記表示部が表示する指示テキスト表示段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項9】
ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と;
上記作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と;
ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で登録するID・パスワード登録手段と;
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と;
この作成された指示有効領域登録用画面を表示する指示有効領域登録用画面表示手段と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する装置。
【請求項10】
ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と;
この作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と;
ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを照合する照合手段と;
上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理手段と;
を有することを特徴とするログイン装置。
【請求項11】
請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項1】
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と;
この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項2】
ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項3】
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と;
この作成された指示有効領域登録用画面を表示する表示手段と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する装置。
【請求項4】
ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理を行うログイン処理手段と;
を有することを特徴とするログイン装置。
【請求項5】
ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と;
上記作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部に表示するID・パスワード登録用画面表示段階と;
ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で、ID・パスワード蓄積部に登録するID・パスワード登録段階と;
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を、画面作成部が作成する指示有効領域登録用画面作成段階と;
この作成された指示有効領域登録用画面を、表示部に表示する指示有効領域登録用画面表示段階と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録段階と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項6】
ID・パスワード登録用画面を、画面作成部が作成するID・パスワード登録用画面作成段階と;
この作成されたID・パスワード登録用画面を、表示部が表示するID・パスワード登録用画面表示段階と;
ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを、照合部が照合する照合段階と;
上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断段階と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項7】
請求項5において、
上記指示有効領域登録用画面としての壁紙中に表示されている対象物のうちで、ユーザが選択する対象物に対応する指示有効領域を、ユーザに明示する明示段階を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する方法。
【請求項8】
請求項6において、
上記ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、指示有効領域をクリックすることをユーザに促す指示テキストを、画面作成部が作成する指示テキスト作成段階と;
上記作成された指示テキストを、上記表示部が表示する指示テキスト表示段階と;
を有することを特徴とするログイン方法。
【請求項9】
ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と;
上記作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と;
ユーザが入力したID・パスワードを、ユーザ単位で登録するID・パスワード登録手段と;
指示した領域が有効であると判断される指示有効領域を登録するための指示有効領域登録用画面を作成する指示有効領域登録用画面作成手段と;
この作成された指示有効領域登録用画面を表示する指示有効領域登録用画面表示手段と;
上記表示されている指示有効領域登録用画面の中から、ユーザが選択した領域を、上記指示有効領域として登録する指示有効領域登録手段と;
を有することを特徴とするログイン時に指示する領域を登録する装置。
【請求項10】
ID・パスワード登録用画面を作成するID・パスワード登録用画面作成手段と;
この作成されたID・パスワード登録用画面を表示するID・パスワード登録用画面表示手段と;
ID・パスワード蓄積部に格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとを照合する照合手段と;
上記格納されているID・バスワードと、ユーザが入力したID・パスワードとの照合に成功すれば、ユーザが画面上で指示した領域が、予め登録されている指示有効領域に含まれているかどうかを判断する判断手段と;
ユーザが指示した領域が、上記指示有効領域に含まれていれば、ログイン処理部がログイン処理を行うログイン処理手段と;
を有することを特徴とするログイン装置。
【請求項11】
請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
請求項1、2、5〜8のいずれか1項記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−276375(P2008−276375A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116983(P2007−116983)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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