説明

ロゴ表示用および/又は識別表示用高反射性材料

【課題】基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に接着して使用するために設計されたテープ又はラミネート加工を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの粘着性組成物を含み、上部表面と底部表面を持つ第1の層と、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第1の層の上部表面へと対向しており、少なくとも一つの波長の光を反射および/又は曲げるように設計されている第2の層と、一の又は複数の紫外線抵抗性のある重合体の組成物を含み、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第2の層の上部表面へと対向している第3の層を含むテープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に接着して使用するために設計されたテープ又はラミネート(積層)加工に関する。一実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に使用され得るロゴ表示および/又は識別番号表示に使用されるために設計されたテープ又はラミネート加工に関する。他の実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に使用され得る、他の層の間にあって、ロゴ、文字および/又は数を表示するように設計された少なくとも一の高反射性金属層および/又は一つの二色性フィルム層を含むテープ又はラミネート加工に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロスタット(aerostat)、小型飛行船(blimp)、気球(balloon)、軟式飛行船(dirigible)又は飛行船(airship)といった軽航空機は、例えば大きなスポーツイベント、催し物、文化的イベントの近くで、もしくは大都市圏で、広告やそのイベントの上空からの取材のために様々な用途に利用される。軽航空機はまた、気象観測および/又は軍事偵察の目的のため高高度での用途でも利用される。そういった場合には、その軽航空機がより高高度で運航できるほど、監視および/又は気象観測において、より広いエリアを見ることができることになる。さらに、高度50000フィート以上を運航できる能力を有する軽航空機は、民間の航空交通にとって危険を引き起こす原因とはならず、それを検知および/又は破壊することは困難であり、広域の監視に使用できるので、戦略的および/又は経済的に利点がある。
【0003】
通常は、高高度用軽航空機は、大幅な温度変動、オゾン分解、紫外線照射、大幅な温度変動による毎日の伸張や収縮に耐えるラミネート(積層)加工された材料で作られている。
【0004】
米国特許番号6,979,479によると、内部表面である液晶ポリマー繊維糸の層(VECTRAN(米国登録商標))、粘着層、ポリイミド層、外部表面であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)層からなるラミネート加工が提案されている。ポリイミド層はヘリウムや水素を保持するために気体遮断層として働く。ポリフッ化ビニリデン層はオゾンや紫外線照射の防護機能を備える。
【0005】
高高度で航行する軽航空機用の布に関しては、通常、入射する太陽光照射の大半を反射するために、ヘリウムの透過を減らすために、落雷の影響を最小にするために、そして船体表面にわたり静電気を分散させる手段を備えるために、その層の1つとして薄い金属のコーティング層を有する。
【0006】
上記の通り、軽航空機にロゴおよび/又は識別用文字および/又は数を備えることは問題となりうる。なぜならば、そのような軽航空機の船体部分を構成するのに使用される材料の局所的な温度管理特性に大きく影響することなく、そのようなロゴ、文字および/又は数によって識別力を与えなければならないからである。コントラストのため黒い文字を使用することは要求を満たさない。なぜならば局所的な加熱を生じるからである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、概して、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に接着して使用するために設計されたテープ又はラミネート(積層)加工に関する。一実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に使用され得るロゴ表示および/又は識別番号表示に使用されるために設計されたテープ又はラミネート加工に関する。他の実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の軽航空機に使用され得る、他の層の間にあって、ロゴ、文字および/又は数を表示するように設計された少なくとも一の高反射性金属層および/又は一つの二色性フィルム層を含むテープ又はラミネート加工に関する。
【0008】
一実施形態では、本発明は、以下を含むテープに関する:少なくとも一つの粘着性組成物を含み、上部表面と底部表面を持つ第1の層と、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第1の層の上部表面へと対向しており、少なくとも一つの波長の光を反射および/又は曲げるように設計されている第2の層と、一の又は複数の紫外線(UV)抵抗性のある重合体の組成物を含み、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第2の層の上部表面へと対向している第3の層。
【0009】
他の実施形態では、本発明は、以下を含むテープに関する:少なくとも一つの粘着性組成物を含み、上部表面と底部表面を持つ第1の層と、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第1の層の上部表面へと対向しており、少なくとも一つの波長の光を反射および/又は曲げるように設計されている第2の層。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る軽航空機の透視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るテープの断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るテープの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、概して、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に接着して使用するために設計されたテープ又はラミネート(積層)加工に関する。一実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機に使用され得るロゴ表示および/又は識別番号表示に使用されるために設計されたテープ又はラミネート加工に関する。他の実施形態では、本発明は例えば、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の軽航空機に使用され得る、他の層の間にあって、ロゴ、文字および/又は数を表示するように設計された少なくとも一の高反射性金属層および/又は一つの二色性フィルム層を含むテープ又はラミネート加工に関する。
【0012】
本発明の明細書において、軽航空機との用語は基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造の軽航空機の全ての種類を包含する用語として用いられる。
【0013】
ここでは図を、特に図1を参照する。図1は軽航空機10の一例を示す。軽航空機10は軽航空機として示されているが、本発明が、基本骨格を有するもしくは他の空気注入式の構造のいかなる軽航空機、例えばエアロスタット(aerostat)、小型飛行船(blimp)、飛行船(airship)、気球(balloon)や、繋留(けいりゅう)型(tethered)または非繋留型(un-tethered)の浮揚物(floating object)にも応用可能な柔軟性のあるラミネート構造に関するものであることが理解されるであろう。そして、軽航空機10は翼はなく、すくなくとも一つの安定板14のある船体12を有する。船体12は楕円形の形状として示されているが、どのような形−球体、長円、パラボラ型、涙型および同類の形でもよいことが理解されるであろう。軽航空機10はペイロード16を運んでいてもよい。
【0014】
一実施形態では、本発明は、形成にテープを用いる構造での末端利用を意図するか否かにかかわりなく、ロゴ、識別文字および/又は識別番号が必要などのような利用法においても使用され得るテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造に関する。
【0015】
本発明のテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は、軽航空機の重量にそれほど影響を与えない薄くて軽い材料から成る。本発明に係るテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造に利用される材料の組み合わせには柔軟性があり、大幅な温度変動に耐え得る。一実施形態では、そのような温度変動の幅は摂氏約マイナス90度から摂氏約70度までに至る。
【0016】
一実施形態では、軽航空機10は船体の材料と柔軟性のあるラミネート加工の接着性材料/テープの組み合わせで構成される。他の実施形態では、軽航空機10を形成するのに船体材料の分割部分を接合する他の手段(例えば綴じ、ヒートシールなど)が使われ、前記接着性材料/テープは船体12にある継ぎ目の線からの気体漏洩を減少させるおよび/又は防ぐのに使われる。どちらの例でも、柔軟なラミネート加工物による継ぎ目カバー構造(例えば、接着性材料/テープ)は一の又は複数の布のパネル又は分割部分(例えば船体の分割部分)の間の一の又は複数の外層における隙間を密封、カバー、保護するのに使われる。このような外部の継ぎ目をカバーするテープはこの分野においては知られている。
【0017】
他の実施形態では、本発明のロゴ/番号用テープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は、局所的な温度管理特性に大きく影響することなく軽航空機10の船体を形成するパネル又は分割部分(例えば船体の分割部分)の色、反射および表面組織にコントラストを与えるように設計されている。さらに、本発明のテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は、多くの望ましい特性を有する。概して、そのような特性には、以下に限られないが、紫外線抵抗性、耐オゾン性、高強度、軽量、そして大幅な温度および圧力の変動に耐える性能を含む。高高度用軽航空機に見られる温度変動や緩やかな船体の張り(伸張)を考慮すると、本発明のテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は柔軟なままで船体の分割部分に粘着していなければならない。
【0018】
一実施形態における、本発明のロゴ/番号用テープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は、オゾンや紫外線の防護機能があり、全ての温度状況下で船体構造に接着し、局所的な温度管理特性に大きく影響することがなく望ましい。さらに別の実施形態では、本発明のテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は高高度用の性能を有し望ましい。ここで示された構造により軽航空機10は約80000フィートまでの高度を運航することができる。
【0019】
図2に示すように、一実施形態では、本発明のテープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート構造は、軽航空機10で使用されるロゴ、識別文字および/又は識別番号を与えるために設計される。図2に図示されるように、テープ20は、内部表面22と外部表面24を有する。本実施形態では、テープ20は軽航空機の一つの又は複数の船体の分割部分/パネルに使用される又は配置されるロゴもしくは何らかの識別用形態として機能することを許容する/可能にする複数層から形成される。図2の実施形態では、テープ20は、少なくとも一つの粘着層30と、光反射層又は波長変更層として機能する少なくとも一つの高反射率の金属コーティングを施されたポリイミド層32と、金属コーティングを損傷から保護しオゾンや紫外線の防護機能を有する少なくとも一つの蛍光性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層34を含む。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層34の蛍光発光はこの分野で知られている一つの又は複数の量産品の蛍光増白剤を追加することで得られ、金属コーティングを施されたポリイミド層32をポリフッ化ビニリデン(PVDF)層が途切れることなく覆っているかを確認する検査を補助するものとしても使われる。有益な反射性金属としては、以下に限られるものではないが、アルミニウム、銀、銅、白金、金やこれらの合金又はこれらもしくはこれらの合金をコーティングした粒子を含む。
【0020】
具体的に層32の金属副層に関しては、一実施形態として、この層は二色性の層又はフィルムで置換してもよい。記載を簡潔にするためここでの詳細な記載は省略するが、このような二色性の層やフィルムはこの分野において知られている。さらに別の実施形態では、層32の金属副層は、多重回折格子として機能するように設計され、レーザーエッチングが施されたアルミメッキ層で置換してもよい。そしてさらに別の実施形態では、層32の金属副層は、部分的に反射性色素(例えば、二酸化チタン、銀、金、銅、又はアルミの粒子や他の反射性粒子、又はこれらの金属粒子や他の反射性粒子の混合物)を取り込んだ適当な重合体の層で置換してもよい。
【0021】
一実施形態では、テープ20の層はお互いに直接接着されてもよいし、一の又は複数の粘着層(図示せず)を間に介してお互い接着されてもよい。一実施形態では、一の又は複数の粘着層は、テープ20の層を接合および/又は結合するのに使われる。この例において、本発明は特定の接着剤に限定されるわけではない。むしろ、摂氏マイナス80度から摂氏マイナス90度程の低温で柔軟性を保ち続ける限りは、どの接着性材料が使用されてもよい。更に、前述の粘着層は疎水性であってもよい。すなわち、ポリウレタン素材は、テープ20の表面層または複数層に浸透するかもしれない水分の吸収を妨げるように防水設計されている。さらに、日中の運航高度で軽航空機10がさらされる温度に耐えられるように、接着剤を選んでもよい。
【0022】
他の実施形態では、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層34は、反射性金属を含むポリイミド層32よりも0.125インチから1.5インチ幅広である。幅広のポリフッ化ビニリデン(PVDF)層はヒートシールされて、布の船体用機材パネル上にある保護用のポリフッ化ビニリデン(PVDF)層に接着されてもよい。この層はロゴ用/番号用テープを船体用材料の表面に密着し、厳しい運航条件下で数年にわたりテープがはがれたり、ゆるんだりするのを防ぐ。
【0023】
さらに、層30、32および/又は34の厚さは重要ではない。テープ20は軽航空機で使われるため、例えば軽航空機10用のテープ20によって追加される重量が最小となるように、必要最小量の材料がテープ20で使われることが重要となる。例えば、0.3から1.0ミル(1ミルは1000分の1インチ)の高反射率の金属コーティングがされたポリイミド層は0.2から0.6ミルの蛍光性ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層に接合され得る。そして、これらの層は1.0から2.0ミルの透明なポリフッ化ビニリデン(PVDF)の外層に接合され得る。粘着層の内層は、約1.0から4.0ミルの厚さであってもよく、本発明のロゴ用/番号用テープ、ラミネート加工、又は柔軟性のあるラミネート(積層)構造が軽航空機の船体用機材パネルに結合または密封されたままである限りは、感圧接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤といったどのようなタイプであってもよい。この接着剤を用いるシステムにとって、室温か室温に近い温度で粘着性をもつ材料、すなわち感圧接着剤や熱したときに接着性が生じる熱可塑性材料、感熱接着剤などが推奨される。熱硬化性の性質を有する材料も同様に本発明で使用しうる。
【0024】
一の実施形態では、本発明は一の又は複数の接着促進剤を利用できる。本発明で使用するのに適した接着促進剤には、以下に限られるものではないが、アミノアルキルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、イソシアヌレート、アリルイソシアヌレート、フマル酸エステル、コハク酸エステル、マレイン酸エステル、アルコキシシラン、エポキシシラン、アリル型アルコール、金属アルコキシド、メルカプトアルキルシラン、アリルグリシジルエーテル、シリルホスフェート、ビス3-トリメトキシシリルプロピルフマル酸エステル、およびそれらの2つ又はそれ以上の組み合わせを含む。本発明で接着促進剤が使用される例において、ヒドロシリル化触媒を不活性化させないように、そのような接着促進剤は選ばれるべきである。接着促進剤が存在する場合、その量は本発明に関して定式化すると重量比約0.001パーセントから約5パーセントとなる。
【0025】
一実施形態では、本発明の多層テープは、一つの又は複数の熱可塑性重合体組成物の層を含む構造を有する。一つの例では、その中に少なくとも一つの導電物質を含む少なくとも一つの熱可塑性重合体組成物の層とその中に全く導電物質を含まない少なくとも一つの熱可塑性重合体組成物の層がある。一実施形態では、導電性の糸、又は粒子を含む一つの又は複数の層が厚さの約10パーセントから約90パーセントを占めていても、厚さの約30パーセントから約60パーセントを占めるならばさらに、強度と導電性のよいバランスを得ることができる。
【0026】
実施形態の一つでは、高反射率の金属コーティングを施されたポリイミドフィルム層32はKAPTON(米国登録商標)又は真空蒸着したアルミ又は銀のコーティングをもつ同様の材料で構成される。本実施形態では、ポリイミド層32は、軽航空機の船体内にある軽航空機用物質(例えばヘリウムや水素)を封じ込めおよび/又は留めるのに優れた気体遮断性材料である。あいにく、本発明の使用に適しているポリイミド材料は紫外線の存在により簡単に科学変化を起こす傾向がある。気体遮断性材料はKAPTON(米国登録商標)又は同等のポリイミド材料に限られない。ナイロン、Vectra(米国登録商標)、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエチレンナフタレートのフィルムもヘリウム保持のために使用され得るが、各材料は紫外線やオゾン分解、温度変動に敏感である。これらの材料のそれぞれにおけるヘリウム遮断性は薄い金属フィルム(すなわち、前記の温度管理に関連する金属コーティング)をフィルムの片側又は両側に追加することで大幅に向上できる。フィルム層32の金属コーティングはまたオゾンや紫外線からフィルムを保護する。金属コーティングを保護するため、また、軽航空機の温度管理をよりよくするために、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層34は最上層に置かれ、ポリイミド層32に接合、又は積層されている。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層34はまたオゾンや紫外線の防護機能を有する。
【0027】
他の実施形態では、本発明に関する3層のテープはオプションとして、少なくとも実質上導電粒子を持たず、2つの導電性重合体組成物の層の間に配置された熱可塑性重合体組成物の中間層を有する。この実施形態では、中間層はテープ全体の厚さの約40から約60パーセントを占め、各外層はテープ全体の厚さの約20から約30パーセントを占める。ほとんどの利用において、このような構造の場合の外層の厚さはほぼ同じである。より薄いテープもまた本発明の範囲内であり、いくつかの利用形態ではより薄い方が望ましいが、概して、多層のテープの厚さは、約30から約200ミクロンである。
【0028】
図3を参照すると、テープ50は内層表面22と外層表面24を含む。本実施形態では、テープ50は軽航空機の一つの又は複数の船体の分割部分/パネルに使用される又は配置されるロゴもしくは何らかの識別用形態として機能することを許容する/可能にする複数層から形成される。図3の実施形態においてテープ50は、少なくとも一つの粘着層30と、オゾンや紫外線の防護機能に加えて、テープ50を利用する軽航空機10の船体の分割部分の局所的な反射率を変更する働きをする少なくとも一つのテクスチャード加工のポリフッ化ビニリデン(PVDF)層64を含む。また、このテープ50は、同じくロゴ又は識別用テープとして機能する。層30に関しては、図2の実施形態における記載と同様である。
【0029】
更に、層64は図3に示された形態に限定されない。テープ50が貼付される船体の分割部分の局所的な反射率を変更する形態である限りは、適当ないかなる形態も使用され得る。
【0030】
図2の実施形態同様に、図3の実施形態の層はお互いに直接接着されてもよいし、図2の実施形態に関して前記記載した一の又は複数の粘着層を間に介してお互い接着されてもよい。
【0031】
さらに、層30および/又は64の厚さは重要ではない。テープ50は軽航空機で使われるため、例えば軽航空機10用のテープ50によって追加される重量が最小となるように、必要最小量の材料がテープ50で使われることが重要となる。例えば、粘着層30は約1.0から2.0ミルの厚さであってもよく、テクスチャード加工の透明ポリフッ化ビニリデン(PVDF)層64は1.0から2.0ミルの厚さであってもよい。
【0032】
他の実施形態においてテープ50は、図2の実施形態に関して前記記載した導電性や与えるおよび/又は導電性をよくする微粒子材料を含む感圧接着性材料でコーティングされていてもよい。一の実施形態では、図3の実施形態は図2の実施形態に関して前記記載した一の又は複数の接着促進剤を用いてもよい。
【0033】
さらに別の実施形態では、粘着層30を必要とすることなく、ロゴ/番号用テープの表面のようにポリフッ化ビニリデン(PVDF)でコーティングされた船体の布の素材表面に透明なポリフッ化ビニリデン(PVDF)テープを熱溶解することで、テクスチャード加工された布表面を得てもよい。
【0034】
本発明に係る多層のフィルムやテープは、例えば押し出しコーティングや押し出し成形のラミネート加工や他のラミネート加工、双押し出しコーティングや熱による又は接着剤による別々のフィルム階層の接着といったどのような適当な手段によっても成され得る。例えばカレンダー法、押し出し法や一体成型といった様々な手法により準備される単層フィルムが、接着剤や加熱や加圧によるラミネート加工又は多層フィルムへと表面加工され得る。
【0035】
当該発明はここで詳細を述べた一部の実施形態について特に言及して詳細を述べられているが、他の実施形態によっても同様の結果を得ることが可能である。本発明の変形および改良は本発明の属する分野における通常の知識を有する者にとって明らかとなるであろうし、本願発明はそのような変更および均等な内容の全てを添付のクレームにおいて含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの粘着性組成物を含み、上部表面と底部表面を持つ第1の層と、
上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第1の層の上部表面へと対向しており、少なくとも一つの波長の光を反射および/又は曲げるように設計されている第2の層と、
一の又は複数の紫外線抵抗性のある重合体の組成物を含み、上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第2の層の上部表面へと対向している第3の層を含むテープ。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の層は、少なくとも一つのシリコーンベースの接着剤を含むことを特徴とするテープ。
【請求項3】
請求項1において、
前記第2の層は、少なくとも一つのポリイミド組成物を含むことを特徴とするテープ。
【請求項4】
請求項1において、
前記第3の層は、一の又は複数のポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とするテープ。
【請求項5】
請求項1において、
前記第3の層は、前記第2の層よりも広がっていることを特徴とするテープ。
【請求項6】
請求項4において、
前記ポリフッ化ビニリデンを含む前記第3の層は、蛍光増白剤と紫外線に反応する蛍光色素を含むことを特徴とするテープ。
【請求項7】
請求項5において、
表面にポリフッ化ビニリデンのコーティングを有する軽航空機の船体のパネルの表面に貼られる場合に、第3層における第2層よりも広がっている部分がヒートシール又は熱溶解して、軽航空機の船体のパネルの表面上のポリフッ化ビニリデンに接着されることを特徴とするテープ。
【請求項8】
請求項1において、
前記第2の層は、光を反射する金属の副層を含むことを特徴とするテープ。
【請求項9】
請求項1において、
前記第2の層は、光を反射する粒子を少なくとも1種類含むことを特徴とするテープ。
【請求項10】
請求項1において、
前記第2の層は、二色性の副層を含むことを特徴とするテープ。
【請求項11】
請求項1において、軽航空機の船体部分に一の又は複数のロゴおよび/又は関連マークを作成するのに適していることを特徴とするテープ。
【請求項12】
少なくとも一つの粘着性組成物を含み、上部表面と底部表面を持つ第1の層と、
上部表面と底部表面を持ち、その底部表面は前記第1の層の上部表面へと対向しており、少なくとも一つの波長の光を反射および/又は曲げるように設計されている第2の層を含むテープ。
【請求項13】
請求項11において、
前記第1の層は、少なくとも一つのシリコーンベースの接着剤を含むことを特徴とするテープ。
【請求項14】
請求項11において、
前記第2の層は、一の又は複数のポリフッ化ビニリデンを含むことを特徴とするテープ。
【請求項15】
請求項13において、
前記第2の層は、少なくとも一つの波長の光を反射又は曲げるように設計されているテクスチャード加工のポリフッ化ビニリデン層であることを特徴とするテープ。
【請求項16】
請求項11において、
表面にポリフッ化ビニリデンのコーティングを有する軽航空機の船体のパネルの表面に貼られる場合に、第2層がヒートシール又は熱溶解して、軽航空機の船体のパネルの表面上のポリフッ化ビニリデンに接着されることを特徴とするテープ。
【請求項17】
請求項11において、軽航空機の船体部分に一の又は複数のロゴおよび/又は関連マークを作成するのに適していることを特徴とするテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−215551(P2009−215551A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−46393(P2009−46393)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(509043098)ロッキード マーティン コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】LOCKHEED MARTIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1210 MASSILLON ROAD,AKRON,OH 44315−0001 U.S.A.
【Fターム(参考)】