説明

ロボット玩具およびその組立方法

【課題】ロボット玩具のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを簡単に合致させる。
【解決手段】ロボット玩具1は、サーボ3が取り付けられたブロック10と、ボス21aにサーボ3の出力軸34が嵌合することによってブロック10に連結される他のブロック21と、サーボ3を制御する制御装置100とを備える。サーボ3には、出力軸34に追従して回転する回転盤33aと、回転盤33aに対向して配設されるとともに、ユーザ操作に基づいて回転盤33aと平行な面内で当該回転盤33aに対して相対回転する回転盤33bと、回転盤33a,33bにおける基準線33c,33d同士の相対角度を検出する回路パターン8,9とが設けられている。制御装置100は、出力軸34とともに回転盤33aを回転させ、前記相対角度が0となるときのサーボ3の位置を中心位置としてサーボ3を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット玩具およびその組立方法に関し、さらに詳しくは、サーボを備えたロボット玩具およびその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一のブロックと他のブロックとをサーボで連結した構造のロボット玩具が知られている。このロボット玩具においては、次のようにしてロボット玩具を組み立てるのが一般的であった。
まず、人型のロボット玩具の足について説明する。ここで、足の構成要素として、RCターボが取り付けられた一のブロックと、この一のブロックに連結すべき他のブロックとを含むものとする。この場合、最初に、サーボの信号線に初期電圧を与えて中心位置(サーボ・ゼロ位置)を出しておき、一のブロックと他のブロックのホームポジション(基本始動位置)で、他方のブロックのボスにサーボの出力軸を嵌合する。このようにして、隣接するブロックを組み付けてゆく。これによって、足全体を組み立てる。
また、足と同様にして手の構成要素同士、胴部と頭部、胴部と手足を連結する(例えば、非特許文献1)。
【非特許文献1】「2足歩行ロボット製作超入門」(株式会社オーム社,平成18年10月5日,第1版第3刷発行,140−141)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、サーボの出力軸にはスプラインが設けられていることが多い。この場合、出力軸とボスとを嵌合させるには、出力軸のスプラインとボスの内周の凹部とを噛合させることが必要となる。
【0004】
しかしながら、一般にサーボの出力軸のスプラインは数条しか設けられないため、サーボの出力軸とボスとが嵌合するときの位置関係は数種類に限定されることとなる。そのため、サーボの出力軸にスプラインが設けられている場合には、サーボモータのサーボ・ゼロ位置とロボット玩具のホームポジションとが合致する位置でサーボの出力軸とボスとを嵌合させることは困難である。
【0005】
一方、サーボの出力軸にスプラインが設けられない場合には、サーボの出力軸とボスとを嵌合させるときの位置関係の自由度が高すぎるため、サーボ・ゼロ位置とホームポジションとが合致する位置でサーボの出力軸とボスとを嵌合させることは困難である。
【0006】
そのため、従来、ロボット玩具内の制御用ICをパソコンに繋いで、エディタによってサーボ・ゼロ位置とホームポジションとを合致させたりしていた。
しかし、その作業は煩雑である。
このような事態は、ロボット玩具の構成要素に設計誤差がある場合などにも生じる。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、ロボット玩具のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを簡単に合致させることができるロボット玩具およびその組立方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、ロボット玩具において、
サーボが取り付けられた一のブロックと、
ボスに前記サーボの出力軸が嵌合することによって前記一のブロックに連結される他のブロックと、
前記サーボを制御するサーボ制御手段と、
を備えるロボット玩具において、
前記サーボには、
前記出力軸に追従して回転する第一回転盤と、
前記第一回転盤に対向して配設されるとともに、ユーザ操作に基づいて前記第一回転盤と平行な面内で当該第一回転盤に対して相対回転する第二回転盤と、
前記第一回転盤及び前記第二回転盤における所定の基準線同士の相対角度を検出する角度検出手段と、
が設けられており、
前記サーボ制御手段は、
前記出力軸とともに前記第一回転盤を回転させ、前記相対角度が0となるときの前記サーボの位置を中心位置として前記サーボを制御する中心位置制御手段を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のロボット玩具において、
前記角度検出手段は、
前記第一回転盤及び前記第二回転盤における互いの対向面に設けられ、前記相対角度に応じて抵抗値の変化する可変抵抗回路を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のロボット玩具において、
前記第二回転盤は、
当該サーボの筐体よりも外側に突出するレバーを有し、このレバーに対するユーザ操作によって前記第一回転盤に対して相対回転することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のロボット玩具を組み立てるロボット玩具の組立方法であって、
前記ボスに前記出力軸を嵌合させる嵌合工程と、
前記サーボ制御手段によって前記サーボに中心位置を出力させる中心位置出力工程と、
前記一のブロックと前記他のブロックとの位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定する判定工程と、
をこの順に行い、
前記判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致しないと判定した場合に、前記第二回転盤を前記第一回転盤に対して相対回転させる回転角調整工程と、前記中心位置出力工程及び前記判定工程とを繰り返し、
前記判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致すると判定した場合に、前記一のブロックと前記他のブロックとの連結を完了することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、一のブロックと他のブロックとがサーボを介して連結されており、このサーボには、出力軸に追従して回転する第一回転盤と、第一回転盤に対向して配設されるとともにユーザ操作に基づいて第一回転盤と平行な面内で当該第一回転盤に対して相対回転する第二回転盤と、第一回転盤及び第二回転盤における所定の基準線同士の相対角度を検出する角度検出手段とが設けられ、サーボ制御手段には、出力軸とともに第一回転盤を回転させ、前記相対角度が0となるときのサーボの位置を中心位置としてサーボを制御する中心位置制御手段が備えられるので、サーボ制御手段にサーボの中心位置を出力させた後、一のブロックと前記他のブロックとの位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定し、前記位置関係がホームポジションに合致しないと判定した場合には、第二回転盤を第一回転盤に対して相対回転させる工程と、改めてサーボ制御手段に中心位置を出力させて前記位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定する工程とを繰り返すことで、サーボの中心位置をホームポジションに合致させることができる。従って、従来と比較して、サーボをパソコンに繋いでエディタを操作することなくサーボ・ゼロ位置とホームポジションとを合致させることができるため、ロボット玩具のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを簡単に合致させることができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0014】
また、請求項3記載の発明によれば、第二回転盤はサーボの筐体よりも外側に突出するレバーを有し、このレバーに対するユーザ操作によって第一回転盤に対して相対回転するので、サーボの筐体を外すことなく第二回転盤を回転させることができる。従って、より簡単にロボット玩具のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを合致させることができる。
【0015】
また、請求項4記載の発明によれば、出力軸を前記ボスに嵌合させる嵌合工程と、サーボ制御手段によってサーボに中心位置を出力させる中心位置出力工程と、前記一のブロックと前記他のブロックとの位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定する判定工程と、をこの順に行い、判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致しないと判定した場合に、第二回転盤を第一回転盤に対して相対回転させる回転角調整工程と、前記中心位置出力工程及び前記判定工程とを繰り返し、判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致すると判定した場合に、前記一のブロックと前記他のブロックとの連結を完了するので、サーボの中心位置をホームポジションに合致させた状態でロボット玩具を組み立てることができる。つまり、従来と比較して、ロボット玩具のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを簡単に合致させて、ロボット玩具の組み立てを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るロボット玩具について説明する。
図1は本実施の形態におけるロボット玩具1の正面図、図2はロボット玩具1の右側面図である。
【0017】
ロボット玩具1は、図示しないコントローラの操作によって遠隔で動作制御されるものである。具体的には、このロボット玩具1は、胴部10、頭部11、足部12及び手部13を備えており、足部12及び手部13の関節部分には、コントローラの操作に応じて駆動されるサーボ3がそれぞれ組み込まれている。
【0018】
[サーボの構成]
図3,図4に示すように、サーボ3は、出力軸34を回転駆動させるものであり、ケース30の内部にサーボモータ31、減速歯車機構32およびポテンショメータ33を備えている。
【0019】
このうち、サーボモータ31は、減速歯車機構32を回転させるようになっている。
減速歯車機構32は、歯車32a〜32jを有しており、サーボモータ31から出力される動力を歯車32a〜32jの順に伝達して、出力軸34を回転させるようになっている。
【0020】
この減速歯車機構32の最終段の歯車32jと出力軸34との間にはクラッチ機構35が組み込まれており、歯車32jと出力軸34とが互いに独立して回転できるように構成されている。より詳細には、歯車32jの端面には、図5に示すように、2つの半円柱状の突起32j−a,32j−aが付設されている。一方、出力軸34の端面には、図6に示すように、歯車36が付設されている。そして、歯車32jと歯車36とは、図7に示すクラッチ部材37を介して連結されている。クラッチ部材37は環状を呈しており、その内周には、2つの半円柱状の突起32j−a,32j−aに係合する2つの凹部37a,37aと、歯車36の歯に噛み合う2つの凸部37b,37bとが形成されている。これにより、サーボモータ31の軸が回転中に出力軸34が何らかの原因により強制的に停止させられた際には、クラッチ部材37が弾性変形して歯車32jから歯車36ひいては出力軸34への動力伝達を遮断する。
【0021】
なお、本実施の形態においては、歯車32g,32jは環状に形成されており、出力軸34の中心軸(図示せず)はこれら歯車32g,32jに挿通され、先端部において後述の回転盤33aと一体化されている。また、本実施の形態においては、出力軸34の外周面には、軸方向に延在するスプライン34aが所定間隔おきに設けられているが、当該スプライン34aは設けられないこととしても良い。
【0022】
ポテンショメータ33は、サーボモータ31の回転角度を検出するものであり、図4,図8に示すように、回転盤33a,33bを有している。
回転盤(第一回転盤)33aは、出力軸34の前記中心軸の先端に設けられた円盤状の部材であり、出力軸34と一体的に回転するようになっている。一方、回転盤(第二回転盤)33bは、ケース30に軸支された板状の部材であり、当該ケース30から外側に突出するレバー330を有している。このレバー330は、ユーザ操作によって回転盤33bを回転盤33aと平行な面内で且つ出力軸34の軸線を中心に回動させるようになっている。
【0023】
ここで、本実施の形態においては、回転盤33bの回転可能な角度範囲は約15°となっている。また、以下の説明では、図8に示すように、回転盤33a,33bにおける所定の中心線を基準線33c,33dとして説明する。
【0024】
これら回転盤33a,33bの互いの対向面には、本発明における可変抵抗回路としての回路パターン8,9が設けられている。
回路パターン8,9は、カーボン等の導電材料によって形成されており、回転盤33a,33bが相対回転した場合に、基準線33c,33d同士の相対角度によって抵抗値が変化するようになっている。
【0025】
より詳細には、回転盤33aに設けられた回路パターン8は、円形状の円形回路部81と、基準線33c上で円形回路部81の中心を通って円周上の2点を連結する中心線回路部82とから構成されている。このうち、中心線回路部82の中点、つまり円形回路部81の中心には端子83が設けられており、円形回路部81と中心線回路部82との交点部分には端子84が設けられている。
【0026】
また、回転盤33bに設けられた回路パターン9は、端子83との当接位置からレバー330と反対側の端部まで基準線33d上で延在する中央回路部91と、円形回路部81に対向する円弧状の円弧状回路部92とから構成されている。そして、中央回路部91の端部の電極91aには、電池(図示せず)の正極又は負極の一方の極が接続されており、円弧状回路部92の2つの端部の電極92a,92bには、それぞれ他方の極が接続されている。
【0027】
以上のポテンショメータ33においては、例えば回路パターン9の中央回路部91から流入する電流は、回路パターン8の端子83、中心線回路部82に流れた後、端子84から再び回路パターン9の円弧状回路部92に流れ、電極92a,92bの2箇所からそれぞれ流出することとなる。そのため、回転盤33a,33bの基準線33c,33d同士が合致しない限り、その相対角度だけ、つまり端子84から電極92a,92bの端部までの経路の長さの違いだけ、電極91a,92a間の抵抗値と、電極91a,92b間の抵抗値とが異なる結果、サーボモータ31の出力軸34の回転角度がアナログの電流差として検出される。
【0028】
以上の各サーボ3には、図9に示すように、電池(図示せず)、制御装置100および受信回路110が接続されている。なお、本実施の形態においては、これら電池、制御装置100および受信回路110は、ロボット玩具1の胴部10に組み込まれている。
【0029】
制御装置100は、内部の記憶装置に記憶されたプログラムに従って、受信回路110およびポテンショメータ33からの信号等を処理し、サーボモータ31の動作をデジタル信号で制御するようになっている。例えば、ロボット玩具1の電源が投入された場合、制御装置100は、ポテンショメータ33からの信号に基づいて初期パルスをサーボモータ31に与え、サーボ3を中心位置(サーボ・ゼロ位置)に移行させる。なお、本実施の形態においては、サーボ3の中心位置は、ポテンショメータ33における電極91a,92a間の電流と、電極91a,92b間の電流とが等しくなる位置、つまり前記相対角度が0となる位置となっている。
【0030】
[足部の構成]
続いて、足部12の構成について説明する。
足部12は、図10(正面図)および図11(右側面図)に示すように、大別して、5つのブロック21,22,23,24,25から構成されている。
【0031】
このうち、ブロック21は、サーボ3(以下、他のサーボ3と区別するためにサーボ3aとする)を介して胴部(ブロック)10に連結されている。すなわち、ブロック21は、胴部10の下端部に設けられたサーボ3aの出力軸34をボス21aに嵌合させることで胴部10に連結されている。これにより、サーボ3aのサーボモータ31を回転駆動した際に、ブロック21は胴部10に対して動作することになる。なお、上記のボス21aや、後述のボス22a〜25aの内周面には、出力軸34のスプライン34aと噛合する凹部(図示せず)が設けられている。
【0032】
また、このブロック21の下端部には、サーボ3(以下、他のサーボ3と区別するためにサーボ3bとする)が設けられており、当該サーボ3bを介してブロック22が連結されている。すなわち、ブロック22は、サーボ3bの出力軸34をボス22aに嵌合させることでブロック21に連結されている。これにより、サーボ3bのサーボモータ31を回転駆動した際に、ブロック22はブロック21に対して動作することになる。
【0033】
また、このブロック22の下端部には、サーボ3(以下、他のサーボ3と区別するためにサーボ3cとする)が設けられており、当該サーボ3cを介してブロック23が連結されている。すなわち、ブロック23は、サーボ3cの出力軸34をボス23aに嵌合させることでブロック22に連結されている。これにより、サーボ3cのサーボモータ31が回転駆動した際に、ブロック23はブロック22に対して動作することになる。
【0034】
また、このブロック23の下端部には、サーボ3(以下、他のサーボ3と区別するためにサーボ3dとする)が設けられており、このサーボ3dを介してブロック24が連結されている。すなわち、ブロック24は、サーボ3dの出力軸34をボス24aに嵌合させることでブロック23に連結されている。これにより、サーボ3dのサーボモータ31を回転駆動した際に、ブロック24はブロック23に対して動作することになる。
【0035】
また、このブロック24の下端部には、サーボ3(以下、他のサーボ3と区別するためにサーボ3eとする)が設けられており、このサーボ3eを介してブロック25が連結されている。すなわち、ブロック25は、サーボ3eの出力軸34をボス25aに嵌合させることでブロック24に連結されている。これにより、サーボ3eのサーボモータ31を回転駆動した際に、ブロック25はブロック24に対して動作することになる。
【0036】
[手部の構成]
手部13は、図12(正面図)および図13(右側面図)に示すように、大別して、5つのブロック41,42,43,44,45から構成されている。これらブロック41,42,43,44,45は、それぞれサーボ3を介して胴部10側からこの順に連結されている。なお、胴部(ブロック)10とブロック41の連結構造は手部13のブロック同士の連結構造と同じであっても良いし、胴部10にブロック41が固定されていても良い。
【0037】
[ロボット玩具の組立方法]
次に、ロボット玩具1の組立方法について、足部12を例にして説明する。
【0038】
例えば、胴部10とブロック21とを連結する場合、まず、胴部10に組み込まれたサーボ3の出力軸34をブロック21のボス21aに嵌合させる(嵌合工程)。次に、制御装置100からサーボ3aのサーボモータ31に通電させてサーボ3aの中心位置(サーボ・ゼロ位置)、すなわち、ポテンショメータ33における電極91a,92a間の電流と、電極91a,92b間の電流とが等しくなる位置を出力させる(中心位置出力工程)。
【0039】
次に、胴部10に対するブロック21の角度がホームポジションの角度であるか否かを判定し(判定工程)、胴部10に対するブロック21の角度がホームポジションの角度でないと判定された場合には、サーボ3aのレバー330を介して回転盤33bを回転させる工程(回転角調整工程)と、上述の中心位置出力工程及び判定工程とを繰り返す。なお、上記の判定工程においては、目視によって胴部10とブロック21との角度がホームポジションの角度であるか否かを判定しても良いし、予めホームポジションの角度に形成された型板を用いて判定しても良い。
【0040】
そして、判定工程において胴部10に対するブロック21の角度がホームポジションの角度であると判定された場合には、胴部10とブロック21との連結を完了する。
【0041】
以降、同様にして、足部12の隣り合うブロック同士を連結するとともに、手部13の隣り合うブロック同士を連結することで、ロボット玩具1の組み立てが完了する。
【0042】
以上のロボット玩具1によれば、サーボ3に中心位置を出力させた後、一のブロック(例えばブロック10)と他のブロック(例えばブロック21)との位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定し、当該位置関係がホームポジションに合致しないと判定した場合には、回転盤33bを回転盤33aに対して相対回転させる工程と、改めてサーボ3に中心位置を出力させて前記位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定する工程とを繰り返すことで、サーボ3の中心位置をホームポジションに合致させることができる。従って、従来と比較して、サーボ3をパソコンに繋いでエディタを操作することなくサーボ・ゼロ位置とホームポジションとを合致させることができるため、ロボット玩具1のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを簡単に合致させることができる。
【0043】
また、回転盤33bはサーボ3のケース30よりも外側に突出するレバー330を有し、このレバー330に対するユーザ操作によって回転盤33aに対して相対回転するので、サーボ3のケース30を外すことなく回転盤33bを回転させることができる。従って、より簡単にロボット玩具1のホームポジションとサーボ・ゼロ位置とを合致させることができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0045】
例えば、本発明における可変抵抗回路を図8の形状の回路パターン8,9として説明したが、他の形状の回路としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るロボット玩具の正面図である。
【図2】本発明に係るロボット玩具の右側面図である。
【図3】サーボの一例を示す斜視図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】実施形態のサーボを構成する減速歯車機構中の1つの歯車の斜視図である。
【図6】実施形態のサーボの出力軸の斜視図である。
【図7】実施形態のサーボのクラッチ部材の斜視図である。
【図8】実施形態のポテンショメータの分解斜視図である。
【図9】実施形態の制御ブロック図である。
【図10】実施形態のロボット玩具の足部の正面図である。
【図11】実施形態のロボット玩具の足部の右側面図である。
【図12】実施形態のロボット玩具の手部の正面図である。
【図13】実施形態のロボット玩具の手部の右側面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 ロボット玩具
3,3a〜3e サーボ
8,9 回路パターン(角度検出手段、可変抵抗回路)
10 胴部(ブロック)
21〜25 ブロック
21a〜25a ボス
33a 回転盤(第一回転盤)
33b 回転盤(第二回転盤)
33c,33d 基準線
34 出力軸
41〜44 ブロック
100 制御装置(サーボ制御手段、中心位置制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボが取り付けられた一のブロックと、
ボスに前記サーボの出力軸が嵌合することによって前記一のブロックに連結される他のブロックと、
前記サーボを制御するサーボ制御手段と、
を備えるロボット玩具において、
前記サーボには、
前記出力軸に追従して回転する第一回転盤と、
前記第一回転盤に対向して配設されるとともに、ユーザ操作に基づいて前記第一回転盤と平行な面内で当該第一回転盤に対して相対回転する第二回転盤と、
前記第一回転盤及び前記第二回転盤における所定の基準線同士の相対角度を検出する角度検出手段と、
が設けられており、
前記サーボ制御手段は、
前記出力軸とともに前記第一回転盤を回転させ、前記相対角度が0となるときの前記サーボの位置を中心位置として前記サーボを制御する中心位置制御手段を有することを特徴とするロボット玩具。
【請求項2】
前記角度検出手段は、
前記第一回転盤及び前記第二回転盤における互いの対向面に設けられ、前記相対角度に応じて抵抗値の変化する可変抵抗回路を有することを特徴とする請求項1記載のロボット玩具。
【請求項3】
前記第二回転盤は、
当該サーボの筐体よりも外側に突出するレバーを有し、このレバーに対するユーザ操作によって前記第一回転盤に対して相対回転することを特徴とする請求項1または2記載のロボット玩具。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載のロボット玩具を組み立てるロボット玩具の組立方法であって、
前記ボスに前記出力軸を嵌合させる嵌合工程と、
前記サーボ制御手段によって前記サーボに中心位置を出力させる中心位置出力工程と、
前記一のブロックと前記他のブロックとの位置関係がホームポジションに合致するか否かを判定する判定工程と、
をこの順に行い、
前記判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致しないと判定した場合に、前記第二回転盤を前記第一回転盤に対して相対回転させる回転角調整工程と、前記中心位置出力工程及び前記判定工程とを繰り返し、
前記判定工程で前記位置関係がホームポジションに合致すると判定した場合に、前記一のブロックと前記他のブロックとの連結を完了することを特徴とするロボット玩具の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−136570(P2009−136570A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317402(P2007−317402)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】