説明

ワイヤボンディング方法及びその装置並びにバンプ形成方法

【課題】厚さ100μm以下の第2ダイを用いた積層型デバイスにおいて、第2ダイの端部を支持するスペーサを使用しないで、ワイヤループ高さの安定が図れる。
【解決手段】基板10上に第1ダイ11が固定され、第1ダイ11上に該第1ダイ11よりより大きく端部がフリー状態で第2ダイ12が固定されている。キャピラリ40にボンディング荷重である第1荷重W1を加えて第2ダイ12のパッド12aにボンディングを行って圧着ボール30bを形成した後、キャピラリ40に掛ける荷重を第1荷重W1より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重W2とし、その後にワイヤループを形成して基板10のリード10bにボンディングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤボンディング方法及びその装置並びにバンプ形成方法に係り、特にダイを重ね合わせたダイ積層型デバイスのワイヤボンディング方法及びその装置並びにバンプ形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイ積層型デバイスとして、特許文献1及び2が挙げられる。またバンプ形成方法として、特許文献3が挙げられる。
【特許文献1】特開2000−058743号公報
【特許文献2】特開2003−124433号公報
【特許文献3】特開平5−136150号公報
【0003】
特許文献1は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定されている。第1ダイのパッドと基板のリードとは第1ワイヤで接続され、第2ダイのパッドと基板のリードとは第2ワイヤで接続されている。このように、第1ダイと第2ダイ間にスペーサを設けることにより、前記第1ワイヤのための空間を形成している。
【0004】
特許文献2は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きい第2ダイが固定されている。第1ダイのパッドと基板のリードとは第1ワイヤで接続され、第2ダイのパッドと基板のリードとは第2ワイヤで接続されている。また第2ダイの端部を基板上に固定されたスペーサで支持している。
【0005】
また第1ボンド点上にボンディングした圧着ボールより上方に伸びたネック高さ部を低くした低ワイヤループ形状を形成するものとして特許文献4が挙げられる。このワイヤボンディング方法は、第1ボンド点にボールをボンディングして圧着ボールを形成する工程と、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行う工程と、続いて圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成する工程と、その後にキャピラリ上昇、水平移動等のループコントロールを行いながらワイヤを繰り出して第2ボンド点方向に移動させてワイヤを第2ボンド点にボンディングする工程とからなっている。このように、圧着ボールを形成した後にリバース動作を行い、続いて圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成するので、圧着ボール上のネック高さ部が非常に低く形成される。なお、特許文献5はボンディング荷重制御手段の一例を示す。
【特許文献4】特開2004−172477号公報
【特許文献5】特開平10−284532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、第2ダイの端部はフリー状態となっているが、第2ダイの厚さは250〜300μmと厚いので、第2ダイのパッドに第2ワイヤをボンディングする時に第2ダイが撓むことはない。
しかし、デバイスの薄型化を図るために極薄ダイ、例えば第2ダイの厚さを100μm以下とすると、第2ダイの端部がフリー状態であると、第2ダイのパッドにボールをボンディングする時に第2ダイが撓み、このボンディングされた圧着ボールの潰れ量が安定しないと共に、ワイヤループのバラツキが生じる。
これを避けるには、特許文献2に示すように第2ダイの端部をスペーサで支持する必要がある。このように、極薄ダイによって積層型デバイスを形成するには、第2ダイの端部を支持するスペーサを設ける必要があり、その分デバイスがコスト高になる。
【0007】
また特許文献4の方法を前記した第2ダイの厚さが薄いダイ積層型デバイスに適用した場合、第2ダイの端部がフリー状態であると、第2ダイのパッドにボールをボンディングして圧着ボールを形成する時のみでなく、この圧着ボール上にワイヤをボンディングして圧着ワイヤを形成する時にも第2ダイが撓み、圧着ワイヤが正常に形成されなく、またワイヤループのバラツキが生じる。
【0008】
本発明の課題は、厚さ100μm以下の第2ダイを用いた積層型デバイスにおいて、第2ダイの端部を支持するスペーサを使用しないで、第2ダイ上に形成された圧着ボールの潰れ形状又は該圧着ボール上に形成された圧着ワイヤの潰れ形状が安定して得られると共に、ワイヤループ高さの安定が図れるワイヤボンディング方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の請求項1は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の請求項2は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の請求項3は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決するための本発明の請求項4は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するための本発明の請求項5は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、この第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプ形成することを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するための本発明の請求項6は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプを形成することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するための本発明の請求項7は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛け、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御する荷重制御手段を有することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するための本発明の請求項8は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛け、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御する荷重制御手段を有することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための本発明の請求項9は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するための本発明の請求項10は、基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
厚さ100μm以下の第2ダイを用いた積層型デバイスにおいて、第2ダイの端部を支持するスペーサを必要としないので、コスト低減が図れる。また、スペーサを使用しないために、第2ダイへのボンディング時に第2ダイが撓んでも、ボンディング時の第1荷重より軽荷重の第2荷重として第2ダイの撓みを解消した後、ワイヤループを形成するので、安定したワイヤループ高さが得られる。また第2ダイへのボンディングによる圧着ボールの形成は、荷重制御によって行うので、ボンディング後の第2ダイの撓み量に影響されなく、圧着ボールの潰れ形状は安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の第1実施の形態を図1及び図2により説明する。基板10上には第1ダイ11及び第2ダイ12が積層され、更に第1ダイ11と第2ダイ12間にはスペーサ13が配設されている。即ち、基板10上には第1ダイ11が接着剤20により固定されており、第1ダイ11上には、該第1ダイ11より小さいスペーサ13が接着剤21により固定されている。スペーサ13上には第2ダイ12が接着剤22により固定されている。第1ダイ11のパッド11aと基板10のリード10aとは、ワイヤ31により接続されている。このワイヤ31の接続は、第2ダイ12がスペーサ13に固定される前にワイヤボンディング装置によって行われる。ワイヤボンディング装置は、ワイヤ30が挿通されたキャピラリ40を有し、キャピラリ40は上下動及びXY軸方向に移動させられる。以上は従来と同じである。
【0021】
本実施の形態においては、第2ダイ12は、厚さ100μm以下となっており、第2ダイ12の端部はスペーサによって支持されていなくフリー状態となっている。図示しないが、ワイヤボンディング装置は、ボンディング時にキャピラリ40に荷重を掛ける荷重付与手段を有し、この荷重付与手段の荷重は荷重制御手段によって制御されるようになっている。荷重制御手段は第2ダイ12のパッド12aにボンディングする時は第1荷重W1に制御し、その後第1荷重W1より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で該第2ダイ12の撓みを解消する第2荷重W2に制御するようになっている。またキャピラリ40への超音波出力は、第1荷重W1の時に出力され、第2荷重W2の時はオフに制御される。
【0022】
次に作用について説明する。図1(a)に示すように、キャピラリ40に挿通されたワイヤ30の先端にボール30aを形成し、キャピラリ40を下降させる。図1(b)に示すように、キャピラリ40が下降してボール30aを第2ダイ12のパッド12aに接地させ、荷重制御手段による制御によって荷重付与手段よりキャピラリ40にボンディング荷重である第1荷重W1を掛ける。この第1荷重W1で第2ダイ12の端部は撓む。第2ダイ12の撓みh1は、第2ダイ12の材質、厚さt、オーバーハング長s及び第1荷重W1の大きさで異なる。例えば、t=80μm、s=2000μm、W1=20gの場合、撓みh1は約100μmとなる。この第1荷重W1を掛けた状態で超音波出力を開始すると、ボール30aは第2ダイ12のパッド12aに接続され、圧着ボール30bが形成される。
【0023】
ボンディング完了後、キャピラリ40に掛ける荷重は、荷重制御手段による制御によって前記第1荷重W1より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みh1を解消する、例えば1〜3gの第2荷重W2の荷重に制御される。これにより、図1(c)に示すように、第2ダイ12の撓みh1は解消する。その後は図2(a)に示すように、従来と同様にワイヤループ形成動作を行い基板10のリード10bにボンディングし、第2ダイ12のパッド12aと基板10のリード10bにワイヤ32を接続する。続いて図2(b)に示すように、キャピラリ40と共にクランパ(図示せず)が上昇し、この上昇途中でクランパが閉じ、ワイヤ32の付け根から切断する。
【0024】
このように、第2ダイ12の端部を支持するスペーサを必要としないので、コスト低減が図れる。また、スペーサを使用しないために、第2ダイ12へのボンディング時に第2ダイ12が撓んでも、ボンディング時の第1荷重W1より軽荷重の第2荷重W2として第2ダイ12の撓みh1を解消した後、ワイヤループを形成するので、安定したワイヤループ高さが得られる。また圧着ボール30bの形成は、荷重制御によって行うので、ボンディング後の第2ダイ12の撓み量に影響されなく、圧着ボール30bの潰れ形状は安定する。
【0025】
本発明の第2実施の形態を図3及び図4により説明する。前記実施の形態は、ワイヤ31の空間を確保するために、第1ダイ11上にスペーサ13を固定し、このスペーサ13上に第2ダイ12が固定されたデバイスに適用した場合を示す。本実施の形態は、〔背景技術〕の項で挙げた特許文献2に示すデバイスに適用した場合を示す。
【0026】
基板10上には、接着剤20により第1ダイ11が固定され、第1ダイ11上には接着剤23により第2ダイ12が固定されている。基板10のリード10aと第1ダイ11のパッド11aとを接続するワイヤ33は、特許文献2と同様に、リード10aにボールボンディングをし、パッド11aにステッチボンディングにより形成される。このワイヤ33の接続は、第2ダイ12が固定される前に行われることは言うまでもない。
【0027】
第2ダイ12のパッド12aと基板10のリード10bとのワイヤ32の接続は前記実施の形態と同じである。即ち、図3(a)に示すように、キャピラリ40に挿通されたワイヤ30の先端にボール30aを形成し、キャピラリ40を下降させる。図3(b)に示すように、キャピラリ40が下降してボール30aを第2ダイ12のパッド12aに接地させ、荷重制御手段による制御によって荷重付与手段よりキャピラリ40にボンディング荷重である第1荷重W1を掛ける。この第1荷重W1で第2ダイ12の端部は撓む。第2ダイ12の撓みh1は、第2ダイ12の材質、厚さt、オーバーハング長s及び第1荷重W1の大きさで異なる。例えば、t=80μm、s=2000μm、W1=20gの場合、撓みh1は約100μmとなる。この第1荷重W1を掛けた状態で超音波出力を開始すると、ボール30aは第2ダイ12のパッド12aに接続され、圧着ボール30bが形成される。
【0028】
ボンディング完了後、キャピラリ40に掛ける荷重は、荷重制御手段による制御によって前記第1荷重W1より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みh1を解消する、例えば1〜3gの第2荷重W2の荷重に制御される。これにより、図3(c)に示すように、第2ダイ12の撓みh1は解消する。その後は図3(d)に示すように、従来と同様にワイヤループ形成動作を行い基板10のリード10bにボンディングし、第2ダイ12のパッド12aと基板10のリード10bにワイヤ32を接続する。続いて図4に示すように、キャピラリ40と共にクランパ(図示せず)が上昇し、この上昇途中でクランパが閉じ、ワイヤ32の付け根から切断する。
【0029】
このように、第2ダイ12の端部を支持するスペーサを必要としないので、コスト低減が図れる。また、スペーサを使用しないために、第2ダイ12へのボンディング時に第2ダイ12が撓んでも、ボンディング時の第1荷重W1より軽荷重の第2荷重W2として第2ダイ12の撓みh1を解消した後、ワイヤループを形成するので、安定したワイヤループ高さが得られる。また圧着ボール30bの形成は、荷重制御によって行うので、ボンディング後の第2ダイ12の撓み量に影響されなく、圧着ボール30bの潰れ形状は安定する。
【0030】
本発明の第3実施の形態を図5乃至図8による説明する。本実施の形態は図1と同様に基板10上に第1ダイ11、スペーサ13及び第2ダイ12が積層されたデバイスに適用した場合を示す。本実施の形態における荷重制御手段によって制御される荷重付与手段は、第2ダイ12のパッドに第1ボンディングを行う時にキャピラリ40に掛けるボンディング荷重である第1荷重W1を掛けて圧着ボール30bを形成し、その後にキャピラリ40に掛ける荷重を前記第1荷重W1より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重W2を掛けるように制御し、また圧着ボール30b形成後に該圧着ボール30b上にワイヤ30を押圧してボンディングを行う時にキャピラリ40に掛けるボンディング荷重である第3荷重W3を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリ40に掛ける荷重を第3荷重W3より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重W4とするように加えられる。
【0031】
本実施の形態の工程は図1(a)(b)(c)の続きの工程である。そこで、図1(a)(b)(c)の工程は既に説明済みであるので、簡単に説明する。図1(a)に示すように、ボール30aを形成する。次に図1(b)に示すように、ボール30aを第2ダイ12のパッド12aに第1荷重W1でボンディングして圧着ボール30bを形成する。続いて図1(c)に示すように、第2荷重W2にして第2ダイ12の撓みを解消する。
【0032】
次に図5(a)に示すように、キャピラリ40を約50〜100μm上昇させる。その後、図5(b)に示すように、キャピラリ40を第2ボンド点であるリード10bと反対方向に約30〜50μm水平移動させるリバース動作を行う。続いて図5(c)に示すように、キャピラリ40を下降させ、荷重制御手段による制御によって荷重付与手段によりキャピラリ40に前記第1荷重W1(約20g)とほぼ同じ第3荷重W3を掛ける。この図5(a)から(c)の工程により、圧着ボール30bから僅かに上方の部分に腰の強い屈折部33が付けられる。前記第3荷重W3により第2ダイ12の端部には撓みh2が生じる。
【0033】
次にキャピラリ40に掛ける荷重は、荷重制御手段による制御によって前記第1荷重W3より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みh2を解消する、例えば1〜3gの第2荷重W2とほぼ同じ第4荷重W4に制御される。これにより、図6(a)に示すように、第2ダイ12の撓みh2は解消する。その後は図6(b)に示すように、キャピラリ40を約50〜100μm上昇させる。続いて図6(c)に示すように、キャピラリ40を第2ボンド点であるリード10bの方向に、該リード10bと反対側のキャピラリ40の下面が圧着ボール30bの上方に位置するように水平移動させる。
【0034】
次に図7(a)に示すように、キャピラリ40を下降させ、荷重制御手段による制御によって荷重付与手段によりキャピラリ40に約10〜20gの第5荷重W5を掛ける。これにより、ワイヤ30は折り曲げられて圧着ボール30b上に重ね合わせられて押圧され、圧着ボール30b上に圧着ワイヤ30cが形成される。この第5荷重W5により第2ダイ12の端部には撓みh3が生じる。その後、キャピラリ40に掛ける荷重は、荷重制御手段による制御によって前記第5荷重W5より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みh3を解消する、例えば1〜3gの第2荷重W2とほぼ同じ第6荷重W6に制御される。これにより、図7(b)に示すように、第2ダイ12の撓みh3は解消する。
【0035】
その後は図8(a)に示すように、従来と同様にワイヤループ形成動作を行い基板10のリード10bにボンディングし、第2ダイ12のパッド12aと基板10のリード10bにワイヤ32を接続する。続いて図8(b)に示すように、キャピラリ40と共にクランパ(図示せず)が上昇し、この上昇途中でクランパが閉じ、ワイヤ32の付け根から切断する。
【0036】
このように、第2ダイ12上の圧着ボール30b及び圧着ワイヤ30cの形成は、荷重制御によって行うので、ボンディング後の第2ダイ12の撓み量に影響されなく圧着ボール30b及び圧着ワイヤ30cの潰れ形状は安定する。また第2ダイ12に第1荷重W1、第3荷重W3及び第5荷重W5を掛けて該第2ダイ12が撓んだ時は、前記第1、第3及び第5荷重W1、W3、W5より軽荷重の第2、第4及び第6荷重W2、W4、W6として第2ダイ12の撓みh1、h2、h3を解消した後、ワイヤループを形成するので、安定したワイヤループ高さが得られる。
【0037】
なお、図5乃至図8の第3実施の形態は図1の第1実施の形態のデバイスに適用した場合について説明したが、図3及び図4の第2実施の形態にも適用できることは言うまでもない。即ち、図3(a)(b)(c)の工程の後に図5乃至図8の工程を行う。
【0038】
本発明の第4実施の形態を図9及び図10により説明する。本実施の形態は、第2ダイ12のパッド12aにバンプ30d(図10(b)参照)を形成する場合を示す。また本実施の形態は図1と同様に基板10上に第1ダイ11、スペーサ13及び第2ダイ12が積層されたデバイスに適用した場合を示す。
【0039】
本実施の形態の工程は図1(a)(b)(c)の続きの工程である。そこで、図1(a)(b)(c)の工程は既に説明済みであるので、簡単に説明する。図1(a)に示すように、ボール30aを形成する。次に図1(b)に示すように、ボール30aを第2ダイ12のパッド12aに第1荷重W1でボンディングして圧着ボール30bを形成する。続いて図1(c)に示すように、第2荷重W2にして第2ダイ12の撓みを解消する。
【0040】
次に図9(a)に示すように、キャピラリ40を約300〜500μm上昇させた後、図9(b)に示すように、約30〜50μm程度水平移動させる。続いて図9(c)に示すように、キャピラリ40を下降させ、キャピラリ40に例えば20gの第3荷重W3を掛ける。このようにキャピラリ40を下降させることにより、パッド12aにボンディングされたボール30aの立ち上がり部を屈折させ、この立ち上がり部を脆弱化させる。また第3荷重W3を掛けることにより、第2ダイ12の端部は撓む。
【0041】
次に図10(a)に示すように、第3荷重W3より軽く第2ダイ12の剛性による復元力で撓みh4を解消する、例えば1〜3gの第2荷重W2の荷重に制御される。これにより、第2ダイ12の撓みh4は解消する。その後は図10(b)に示すように、キャピラリ40と共にクランパ(図示せず)が上昇し、この上昇途中でクランパが閉じ、圧着ボール30bの立ち上がり部から切断され、第2ダイ12のパッド12a上にはバンプ30dが形成される。
【0042】
このように、第2ダイ12の端部を支持するスペーサを必要としないので、コスト低減が図れる。また、スペーサを使用しないために、第2ダイ12へのボンディング時に第2ダイ12が撓んでも、ボンディング時の第1荷重W1より軽荷重の第2荷重W2として第2ダイ12の撓みh4を解消した後、バンプ30dを形成するので、安定したバンプ30dが得られる。
【0043】
なお、図9及び図10の第4実施の形態は図1の第1実施の形態のデバイスに適用した場合について説明したが、図3の第2実施の形態にも適用できることは言うまでもない。即ち、図3(a)(b)(c)の工程の後に図9及び図10の工程を行う。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施の形態のワイヤボンディング方法を示す工程図である。
【図2】図1の続きの工程図である。
【図3】本発明の第2実施の形態のワイヤボンディング方法を示す工程図である。
【図4】図3の続きの工程図である。
【図5】本発明の第3実施の形態のワイヤボンディング方法を示す工程図である。
【図6】図5の続きの工程図である。
【図7】図6の続きの工程図である。
【図8】図7の続きの工程図である。
【図9】本発明の第4実施の形態のバンプ形成方法を示す工程図である。
【図10】図9の続きの工程図である。
【符号の説明】
【0045】
10 基板
10a、10b リード
11 第1ダイ
11a パッド
12 第2ダイ
12a パッド
30、31、32、33 ワイヤ
30a ボール
30b 圧着ボール
30c 圧着ワイヤ
30d バンプ
40 キャピラリ
W1 第1荷重
W2 第2荷重
h1〜h4 撓み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項3】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項4】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項5】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、この第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプ形成することを特徴とするバンプ形成方法。
【請求項6】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプを形成することを特徴とするバンプ形成方法。
【請求項7】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛け、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御する荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項8】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛け、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御する荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項9】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項10】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行って圧着ボールを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、次にキャピラリを上昇させた後にリバース動作を行い、続いてキャピラリにボンディング荷重である第3荷重を加えて前記圧着ボール上にワイヤを押圧して圧着ワイヤを形成した後、キャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とし、その後にワイヤループを形成して前記基板のリードに第2ボンディングを行うことを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項3】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、この第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプ形成することを特徴とするバンプ形成方法。
【請求項4】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドにバンプを形成するバンプ形成方法において、
前記キャピラリにボンディング荷重である第1荷重を加えて前記第2ダイのパッドにボールをボンディングした後、キャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重とし、その後にボールの立ち上がり部から切断してバンプを形成することを特徴とするバンプ形成方法。
【請求項5】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項6】
基板上に第1ダイが固定され、この第1ダイ上に該第1ダイより小さいスペーサが固定され、このスペーサ上に該スペーサより大きく端部がフリー状態で第2ダイが固定され、前記第2ダイのパッドと前記基板のリードとをキャピラリに挿通されたワイヤで接続するワイヤボンディング装置において、
前記第2ダイのパッドに第1ボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第1荷重を掛けて圧着ボールを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第1荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第2荷重を掛けるように制御し、また前記圧着ボール形成後に該圧着ボール上にワイヤを押圧してボンディングを行う時に前記キャピラリに掛けるボンディング荷重である第3荷重を掛けて圧着ワイヤを形成し、その後にキャピラリに掛ける荷重を前記第3荷重より軽く前記第2ダイの剛性による復元力で撓みを解消する第4荷重とする荷重制御手段を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−32875(P2006−32875A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218094(P2004−218094)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000146722)株式会社新川 (128)
【Fターム(参考)】