ワイヤーハーネス外装体
【課題】取付治具を所望の位置で安定性良く固定することが可能な構造を有するワイヤーハーネス外装体を得る
【解決手段】ハーフパイプ本体41は、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状の構造を呈している。回転防止部42は、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面42pを有している。一対のリブ43a及び43bは、ハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿って形成される。そして、リブ43a及び43bは回転防止部42により分離されるハーフパイプ本体41の2つの側面それぞれ上に互いに軸方向に距離d1を隔てて形成されている。
【解決手段】ハーフパイプ本体41は、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状の構造を呈している。回転防止部42は、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面42pを有している。一対のリブ43a及び43bは、ハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿って形成される。そして、リブ43a及び43bは回転防止部42により分離されるハーフパイプ本体41の2つの側面それぞれ上に互いに軸方向に距離d1を隔てて形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コルゲートチューブ、ハーフパイプ等ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1〜特許文献4に開示のように、車両等に敷設されるワイヤーハーネスを、屈曲性良好なコルゲートチューブにて覆う技術が知られている。
【0003】
図12はワイヤーハーネス外装体の一つである従来のコルゲートチューブの構造を示す説明図である。
【0004】
コルゲートチューブ10はワイヤーハーネスWHを環状凸部11及び環状凹部12からなるコルゲートチューブ本体部内に配設している。
【0005】
ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が結束された構成とされている。より具体的には、ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が配設対象となる車両への配線形態に応じて分岐しつつ結束された構成とされている。ワイヤーハーネスWHは、必ずしも分岐している必要はないし、また、単一の電線によって構成されていてもよい。また、ワイヤーハーネスWHに、他の光ケーブル等が結束されていてもよい。
【0006】
コルゲートチューブ10は、長手方向に沿って環状凸部11と環状凹部12とが交互に形成された筒状部材であり、樹脂等で形成されている。かかるコルゲートチューブ10は、環状凸部21と環状凹部22との間の段部等で容易に弾性変形するため、それ自体では全体として曲げ変形容易な性質を有している。通常、コルゲートチューブ10としては、装着対象となるワイヤーハーネスWHの部分の外径よりも大きい(通常は多少大きい程度)内径を有するものが用いられる。
【0007】
図13はコルゲートチューブ10に車両取付治具の一つであるベルトクランプを取り付けた構造を模式的に示す説明図である。図14は、図13で示したベルトクランプ50の詳細を示す斜視図である。これら図に示すように、ベルトクランプ50は、留め具100、ベルト支持部200及びベルト部300を主要構成要素として構成されている。
【0008】
ベルトクランプ50のベルト部300は、図13に示されるように、コルゲートチューブ10の周囲に巻き付けられ、これによりコルゲートチューブ10を保持する部分である。このベルト部300における2つの端の一方は固定端であり、他方は自由端である。また、ベルト部300の一方の面には、ベルト部300の長手方向において複数配列された溝310が形成されている。
【0009】
留め具100は、ベルト支持部200が固定されたフランジ部112と、自動車のボディなどの取付孔に挿入される挿入部111とを有している。フランジ部112における一方の面にベルト支持部200が固定され、他方の面に挿入部110が立設されている。フランジ部112は、通常、車両側の取付孔を塞ぐように、当該取付孔の面積よりも大きな面積で形成されている。
【0010】
留め具100は、フランジ部112と挿入部110とにより構成される。挿入部110は、フランジ部112の一方の面に立設された柱部111と、その柱部111の両側に張り出して設けられた2つの張出部113とを備える。
【0011】
ベルト支持部200は、ベルト部300と留め具100とを連結する部分である。ベルト支持部200は、留め具100に固定された連結部201及びベルト規制部202と、連結部201の2箇所に対向して立設された縦壁部210と、それら縦壁部210に架設されたベルト支持壁部220とを有する。ベルト支持壁部220には、ベルト部300の一端(固定端)が固定されている。
【0012】
連結部201は、フランジ部112と縦壁部210とを連結する部分であり、2つの連結部201の間に変位部202が設けられている。2つの縦壁部210と、変位部202と、変位部20に対向するベルト支持壁220は、ベルト部300が自由端側から挿入されるベルト通し孔200Aを形成している。
【0013】
変位部202は、ベルト通し孔200Aの周囲の壁の一部を形成し、その一端がフランジ部112に固定された片持ち梁状の部分である。変位部202は、その可撓性により、ベルト通し孔200Aの高さ方向において変位可能である。ベルト通し孔200Aの高さ方向は、ベルト通し孔200Aに通されたベルト部300の厚み方向に相当する。
【0014】
また、ベルト支持部200には、前述したように、ベルト部300の自由端を挿通させることが可能なベルト通し孔200Aを有しており、ベルト支持壁部220の底面(平面部分)がコルゲートチューブ10を受け取る受承面となっている。
【0015】
そして、コルゲートチューブ10を車両のボディに固定する場合には、先ず、コルゲートチューブ10の固定部位を底面としてベルト支持部200の受承面の上に載せ、コルゲートチューブ10の外周部をベルト部300で巻き付け、ベルト支持部200のベルト通し孔200Aにベルト部300の自由端を挿通して締め付ける。また、このときに、ベルト部300の形成されている溝310に、ベルト支持部200の内部に形成されている係合爪を係合させる。
【0016】
これにより、図13に示すように、コルゲートチューブ10が、ベルトクランプ100に締め付けられて固定された状態で保持される。
【0017】
このようにコルゲートチューブ10にベルトクランプ50を取り付けた後、車両のボディに形成された取付孔に、コルゲートチューブ10を固定したベルトクランプ50の留め具100を差し込むことにより、車両のボディにコルゲートチューブ10を固定することができる。
【0018】
図15はハーフパイプ60からなるハーフパイプ型ワイヤーハーネス外装体へのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【0019】
同図に示す様に、ハーフパイプ60は断面形状が略半円状を呈しており、ハーフパイプ60の内周面上に長手方向に沿ってワイヤーハーネスWHを配設している。したがって、ワイヤーハーネスWHの一部が露出した形状を呈している。また、ハーフパイプ60は、長手方向においてワイヤーハーネスWHの敷設箇所に合わせた形状で形成されている。そして、必要に応じてタイバンド、粘着テープ等(いずれも図示せず)をワイヤーハーネスWH及びハーフパイプ60の外周に巻付けることにより、ワイヤーハーネスWHをハーフパイプ60に固定している。
【0020】
このような構成のハーフパイプ60のようなワイヤーハーネス外装体においても、図12及び図13で示したコルゲートチューブ10と同様、ベルト部300で締め付けることにより、ベルトクランプ50をハーフパイプ60及びワイヤーハーネスWHに固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】実開平4−86022号公報
【特許文献2】特開2000−184551号公報
【特許文献3】特開2002−64917号公報
【特許文献4】特開2006−296166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
コルゲートチューブ10、ハーフパイプ60等の従来のワイヤーハーネス外装体は以上のように構成されており、ベルトクランプ50等の車両取付治具のベルト部分を外周に沿って巻き込むことにより、車両取付治具をワイヤーハーネス外装体に取り付けていた。
【0023】
しかしながら、ワイヤーハーネス外装体の断面形状はいずれも曲線状(コルゲートチューブ10の場合は円状、ハーフパイプ60の場合は半円状)を呈しているため、ベルト部分がワイヤーハーネス外装体の周方向に回転したり、軸方向にズレたりする可能性が高く、ベルトクランプ50等の車両取付治具のワイヤーハーネス外装体への取付位置精度が悪くなる問題点があった。そして、車両取付治具のワイヤーハーネス外装体への取付位置精度が悪化すると、ワイヤーハーネス外装体の車両への取付精度が劣化してしまう。
【0024】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、取付治具を所望の位置で安定性良く固定することが可能な構造を有するワイヤーハーネス外装体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明に係る請求項1記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する回転防止部と、各々が前記本体部の外周面上に周方向に沿って形成される一対の軸方向ズレ防止部とを備え、前記一対の軸方向ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の軸方向ズレ防止部おける前記本体部の外周面が取付領域として規定され、前記一対の軸方向ズレ防止部の前記軸方向における形成位置は前記回転防止部の形成位置に重複する。
【0026】
この発明に係る請求項2記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、各々が前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付領域として規定される。
【0027】
この発明に係る請求項3記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、各々が前記本体部の外周面の底部に下方に突出して設けられる一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付治具配置領域として規定される。
【0028】
請求項4の発明は、請求項1あるいは請求項2記載のワイヤーハーネス外装体であって、前記取付領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、ベルトクランプのベルト部を前記本体部の外周面上に周方向に沿って巻くことが可能であり、かつ前記のベルト部が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む。
【0029】
請求項5の発明は、請求項3記載のワイヤーハーネス外装体であって、前記取付治具配置領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、テープ巻き領域を有する基板を有するベルト巻き型クランプの基板が配置可能であり、かつ前記基板が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む。
【発明の効果】
【0030】
請求項1(及び請求項4)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付領域にベルト型の取付治具のベルト部分を巻きつけることにより取付治具を取り付けることができる。
【0031】
この際、ベルト型の取付治具のベルト支持部の受承面を回転防止部の底面に当接させることにより、取付治具におけるワイヤーハーネス外装体の周方向の位置ズレを確実に回避することができる。また、回転防止部を含めてベルト部分を巻きつける場合においても、平面構成の底面の存在により取付治具における上記周方向への位置ズレを効果的に規制することができる。
【0032】
さらに、ベルト部分の幅に合致するように、上記所定の距離を設定することにより、一対の軸方向ズレ防止部により上記ベルト部分の軸方向への動きを規制することができるため、取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0033】
その結果、請求項1記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、ベルトクランプのようなベルト型の取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【0034】
請求項2(及び請求項4)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付領域にベルト型の取付治具のベルト部分を巻きつけることにより取付治具を取り付けることができる。
【0035】
この際、ベルト型の取付治具のベルト支持部の受承面を一対の位置ズレ防止部の底面に当接させることにより、取付治具におけるワイヤーハーネス外装体の周方向の位置ズレを確実に回避することができる。
【0036】
さらに、ベルト部分の幅に合致するように、上記所定の距離を設定することにより、一対の位置ズレ防止部が上記ベルト部分の軸方向への動きを規制するため、取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0037】
その結果、請求項2記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、ベルトクランプのようなベルト型の取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【0038】
請求項3(及び請求項5)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付治具配置領域上にタープ巻き型の取付治具の基板を配置して、基板を含むワイヤーハーネス外装体をテープ巻きすることにより当該取付治具を取り付けることができる。
【0039】
この際、一対の位置ズレ防止部によりテープ巻き型の取付治具の基板を挟み込んでいるため、上記取付治具配置領域内に配置した時の当該取付治具の基板の軸方向長さに合致するように上記所定の距離を設定することにより、一対の位置ズレ防止部が上記基板の軸方向への動きを規制するため、当該取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0040】
その結果、請求項3記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、テープ巻きタイプの取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1であるハーフパイプの断面構造を模式的に示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1であるハーフパイプの側面構造を模式的に示す断面図である。
【図3】実施の形態1のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態(断面構造)を模式的に示す説明図である。
【図4】実施の形態1のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態(側面構造)を模式的に示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2であるハーフパイプの側面構造を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態2のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。
【図7】実施の形態2のハーフパイプへの基板型クランプの取付状態を模式的に示す説明図である。
【図8】コルゲートチューブの装着部分を示す概略斜視図である。
【図9】図8のIII−III線概略断面図である。
【図10】コルゲートチューブに経路維持部材を取付ける工程を示す説明図である。
【図11】実施の形態1の構造を適用した経路維持部材付コルゲートチューブへのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【図12】従来のコルゲートチューブの構造を示す説明図である。
【図13】従来のコルゲートチューブにベルトクランプを取り付けた構造を模式的に示す説明図である。
【図14】ベルトクランプの詳細を示す斜視図である。
【図15】ハーフパイプへのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<実施の形態1>
図1及び図2はこの発明の実施の形態1であるハーフパイプを模式的に示す説明図である。図1はハーフパイプの軸方向に垂直な断面における断面形状の構造を示しており、図2は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。なお、図1は図2のI−I線概略断面図となる。
【0043】
なお、本明細書において、軸方向とはハーフパイプ等のワイヤーハーネス外装体が形成される長手方向、例えば、図2の軸L2で示す方向に沿った方向を意味し、周方向とは軸方向に垂直なワイヤーハーネス外装体の外周に沿った方向、例えば、図1や図13の軸L1で示す方向に沿った方向を意味する。
【0044】
これらの図に示すように、実施の形態1のハーフパイプ40は、ハーフパイプ本体41(本体部)、回転防止部42及び一対のリブ43a及び43b(軸方向ズレ防止部)から構成される。
【0045】
ハーフパイプ本体41は、軸方向(軸L2方向)に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状(曲線状)の構造を呈している。
【0046】
回転防止部42は、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面42pを有している。この回転防止部42の存在によって、回転防止部42の近傍におけるハーフパイプ本体41の外周面は2つの側面41x及び側面41yに分離される。
【0047】
一対のリブ43a及び43bは、ハーフパイプ本体41の外周面上に共に周方向に沿って形成される。そして、リブ43a及び43bは側面41x及び側面41yそれぞれ上に互いに軸方向に距離d1(所定の距離)を隔てて形成されている。すなわち、リブ43a及び43bはそれぞれ側面41xの上方先端部から回転防止部42にかけて形成されるとともに、側面41yの上方先端部から回転防止部42にかけて形成される。したがって、リブ43a及び43bの軸方向(軸L2の方向)における形成位置は回転防止部42の形成位置に重複する。なお、リブ43a及び43bはそれぞれ側面41x及び側面41yのうち、一方にのみ形成しても良い。
【0048】
そして、リブ43a及び43b間における側面41x及び側面41yの領域A50と回転防止部42の側面部分及び底面42pがクランプ取付領域(取付領域)として規定され、このクランプ取付領域においてベルト巻き型のベルトクランプによる取り付けを可能としている。
【0049】
図3及び図4は実施の形態1のハーフパイプ40へのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図3はハーフパイプ40の軸方向に垂直な断面における断面構造を示しており、図4は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。図3は図4のII−II線概略断面図となる。
【0050】
なお、ベルトクランプ50は図13及び図14で示したベルトクランプ50と同様であるため、適宜、同一符号を付し、図示内容も簡略化して示している。
【0051】
図3及び図4に示すように、ベルト支持部200の受承面(平面領域)上に回転防止部42の底面42pを載せ、リブ43a及び43b間のハーフパイプ本体41の外周部領域(図2の領域A50に相当)及びワイヤーハーネスWHの上部の露出部分をベルト部300で巻き付けることにより、ハーフパイプ40にベルトクランプ50を取り付けることができる。
【0052】
この際、ベルト支持部200の受承面と回転防止部42の底面42pとを当接させることにより、ベルトクランプ50のハーフパイプ40の周方向への位置ズレを確実に回避することができる。また、回転防止部42を含めてベルト部300を巻きつける場合においても、曲面ではなく平面構成の底面42pの存在によりベルトクランプ50におけるハーフパイプ40の周方向への位置ズレを効果的に規制することができる。
【0053】
加えて、ベルト部300の幅(軸L2方向の長さ)に合致するように、リブ43a及び43b間の距離d1を設定することにより、ハーフパイプ本体41の外周面から突出して形成されるリブ43a及び43bによりベルト部300の軸方向への動きを規制することができるため、ハーフパイプ40に巻き付けたベルトクランプ50のベルト部300が軸方向へのズレる現象を確実に回避することができる。
【0054】
なお、ベルト部300の幅に合致された距離d1とは、具体的にはベルト部300の幅と同じか少し長い距離を意味する。すなわち、リブ43a及び43b間のハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿ってベルト部300を巻くことが可能であり、かつベルト部300が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を意味する。なお、所定の許容範囲は“0”以上の任意の値に設定可能である。
【0055】
このように、実施の形態1のハーフパイプ40は、ベルトクランプ50のようなベルト型の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。したがって、ワイヤーハーネス外装体であるハーフパイプ40の車両への取付精度が劣化することもない。
【0056】
<実施の形態2>
図5はこの発明の実施の形態2であるハーフパイプを模式的に示す断面図である。図5は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0057】
図5に示すように、実施の形態2のハーフパイプ45は、ハーフパイプ本体41及び一対のズレ防止部44a及び44bから構成されている。
【0058】
ハーフパイプ本体41は、軸方向(軸L2方向)に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状(曲線状)の構造を呈している。
【0059】
一対のズレ防止部44a及び44bは、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、それぞれ平面構成の底面44ap及び44bpを有している。また、ズレ防止部44a及び44bはハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿って、互いに軸方向に距離d2(所定の距離)を隔てて形成されている。
【0060】
そして、ズレ防止部44a及び44b間におけるハーフパイプ本体41の外周面及びズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpの一部がクランプ取付領域として規定され、このクランプ取付領域においてベルトクランプ50のベルト巻きによる取り付けを可能としている。
【0061】
図6は実施の形態2のハーフパイプ45へのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図6は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0062】
なお、ベルトクランプ50は図13及び図14で示したベルトクランプ50と同様であるため、適宜、同一符号を付し、図示内容も簡略化して示している。
【0063】
図6に示すように、ベルト支持部200の受承面上にズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpの一部を載せ、ズレ防止部44a及び44b間のハーフパイプ本体41の外周領域及びワイヤーハーネスWHの上部の露出部分をベルト部300で巻き付けることにより、ハーフパイプ45にベルトクランプ50を取り付けることができる。
【0064】
この際、ベルト支持部200の受承面とズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpとを当接させることにより、ベルトクランプ50におけるハーフパイプ45の周方向のズレを確実に回避することができる。
【0065】
また、ベルト部300の幅に合致するように、ズレ防止部44a及び44b間の間隔d2を設定することにより、実施の形態1のリブ43a及び43bによる効果と同様、ハーフパイプ45に巻き付けたベルト部300が軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0066】
このように、実施の形態2のハーフパイプ45は、実施の形態1のハーフパイプ40と同様、ベルトクランプ50のようなベルト型の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。したがって、ワイヤーハーネス外装体であるハーフパイプ45の車両への取付精度が劣化することもない。
【0067】
<実施の形態3>
図7は実施の形態3のハーフパイプ47へのテープ巻きタイプのクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図7は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0068】
同図に示す様に、基板型クランプ70は、テープ巻き領域を有する基板71に留め具72(ベルトクランプ50の留め具100と同等)が突出して設けられている。
【0069】
そして、一対のズレ防止突出部46a及び46b(位置ズレ防止部)がハーフパイプ本体41の外周の底部に下方に突出して形成される。一対のズレ防止突出部46a及び46bは互いに軸L2の方向に距離d3(所定の距離)を隔てて形成され、一対のズレ防止突出部46a及び46b間にハーフパイプ本体41の外周面がクランプ配置領域(取付治具配置領域)として規定される。
【0070】
このような構成の実施の形態3のハーフパイプ47に対し、基板71の受承面(留め具72が形成されている面と反対側の面)上に、ズレ防止突出部46a及び46b間の上述したクランプ配置領域を載せる。この際、基板71が一対のズレ防止突出部46a及び46bにより挟み込まれる。
【0071】
そして、ハーフパイプ本体41の外周部、ワイヤーハーネスWHの露出部及び基板71をテープ75で多重に巻き付けることにより、ハーフパイプ45に基板型クランプ70を取り付けことができる。
【0072】
この際、基板型クランプ70におけるハーフパイプ45の周方向のズレは、基板型クランプ70の基板71を含めてテープ75によって巻き付けることにより、確実に回避することができる。
【0073】
また、基板71の幅(ハーフパイプ45の軸方向側の長さ)に合致するように、ズレ防止部44a及び44b間の距離d3を設定することにより、基板型クランプ70におけるハーフパイプ47の軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0074】
なお、基板71の幅に合致された距離d3とは、基板71の幅と同じか少し長い距離を意味する。すなわち、一対のズレ防止突出部46a及び46b間のハーフパイプ本体41の外周面(クランプ配置領域)上に基板71を配置することが可能であり、かつ基板71が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を意味する。なお、所定の許容範囲は“0”以上の任意の値に設定可能である。
【0075】
このように、実施の形態3のハーフパイプ47は、基板型クランプのような車両取付治具においても所望の位置で精度良く固定することができる。
【0076】
<コルゲートチューブへの応用>
実施の形態1〜実施の形態3では、ワイヤーハーネス外装体としてハープパイプを示したがこれに限定されず他のワイヤーハーネス外装体にも適用できる。
【0077】
例えば、図12及び図13で示したコルゲートチューブ10に対しても、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態1の回転防止部42及びリブ43a及び43b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態1相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0078】
同様に、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態2のズレ防止部44a及び44b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態2相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0079】
さらに、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態3のズレ防止突出部46a及び46b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態2相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0080】
さらに、コルゲートチューブに経路維持機能を持たせた経路維持部材付コルゲートチューブにも本発明を適用することができる。
【0081】
以下、ワイヤーハーネス外装体として構成される経路維持部材付コルゲートチューブについて説明する。図8はコルゲートチューブ20の装着部分を示す概略斜視図であり、図9は図8のIII−III線概略断面図であり、図10はコルゲートチューブ20に経路維持部材30を取付ける工程を示す説明図である。
【0082】
ワイヤーハーネスWHを、車両等に配設する際、ワイヤーハーネスWHはその配設形態に沿って曲げられる。ワイヤーハーネスWHが周辺部分に干渉すること等を抑制するため、ワイヤーハーネスWHはその配線形態に沿って曲げられた形状に維持されることがある。このような場合に、本経路維持部材付コルゲートチューブC(コルゲートチューブ20+経路維持部材30)がワイヤーハーネスWHに装着され、当該ワイヤーハーネスWHを一定の曲げ形状に維持する。なお、ワイヤーハーネスWHに対して本経路維持部材付コルゲートチューブCが装着される部分は、ワイヤーハーネスWHの少なくとも一部であればよく、ワイヤーハーネスWHの一部であっても、ほぼ全体であってもよい。
【0083】
コルゲートチューブ20は、長手方向に沿って環状凸部21と環状凹部22とが交互に形成された筒状部材であり(図10参照)、樹脂等で形成されている。かかるコルゲートチューブ20は、環状凸部21と環状凹部22との間の段部等で容易に弾性変形するため、それ自体では全体として曲げ変形容易な性質を有している。通常、コルゲートチューブ20としては、装着対象となるワイヤーハーネスWHの部分の外径よりも大きい(通常は多少大きい程度)内径を有するものが用いられる。
【0084】
また、コルゲートチューブ20の一側部にその長手方向に沿ってスリット24が形成されている。そして、当該スリット24で割開くようにして、ワイヤーハーネスWHをコルゲートチューブ20内に容易に配設できるようになっている。
【0085】
経路維持部材30は、長手方向に沿って少なくとも一部が曲げられた形状を維持するように金型成型された長尺部材であり、P.P.(ポリプロピレン)等の樹脂によって形成されている。換言すれば、経路維持部材30は、金型成型時点で、少なくとも一部が曲げられた形状に形成されている。経路維持部材30の曲げ形状は、ワイヤーハーネスWHのうち装着対象となる部分が配設される配設経路に応じた形状に設定されている。図8に示す例では、経路維持部材30の長手方向の中間部がなだらかなS字を描くように曲っており、経路維持部材30の両端部が直線状に形成されている。経路維持部材30のうち曲げた形状に形成され部分は、その全体であっても一部であってもよい。また、曲げた形状に形成される部分は、平面上で曲る形状に形成されていてもよいし、立体的(3次元的)に曲る形状に形成されていてもよい。
【0086】
上記経路維持部材30は、コルゲートチューブ20にその長手方向に沿って取付けられている。すなわち、経路維持部材30は、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部を収容可能な一対の凹溝部36gが形成された部分を有している。換言すれば、経路維持部材30は、長尺状の連結部31の一方側(外周側)縁部に外周側突起部32が配設されると共に、連結部31の他方側(内周側)縁部に内周側突起部33が配設された構成とされ、その長手方向に対して直交する面における断面形状が略H字状を呈している。上記外周側突起部32の外側面は、コルゲートチューブ20の外周面に沿った弧状曲面を呈している。凹溝部36gの幅寸法は、コルゲートチューブ20の厚み寸法(より具体的には、コルゲートチューブ20の径方向において環状凸部21の最外周部分と環状凹部22の最内周部分との差)と略同じかそれよりも大きい(僅かに大きい)程度の寸法に設定されている。凹溝部36gの深さ寸法は、コルゲートチューブ20の端縁部をその径方向に位置決めした状態で収容できる程度であればよく、特に限定はない。
【0087】
上記経路維持部材30のうち上記一対の凹溝部36gが形成された部分は、経路維持部材30の長手方向全体であってもよいし、その長手方向に沿った一部であってもよい。図8〜図10で示した例では、一対の凹溝部36gが経路維持部材30の長手方向全体に亘って形成された例で説明する。
【0088】
上記経路維持部材30は、コルゲートチューブ20にその長手方向に沿って取付けられる。ここでは、経路維持部材30は、次のようにして、スリット24に配設した状態で、コルゲートチューブ20に取付けられる。
【0089】
すなわち、コルゲートチューブ20を前記スリット24で開くことで、コルゲートチューブ20内にワイヤーハーネスWHを収容する。この状態で、コルゲートチューブ20をスリット24で開いて、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部を一対の凹溝部36g内に嵌め込む。この状態では、連結部31がスリット24内に配設され、外周側突起部32がスリット24の外側でコルゲートチューブ20の外周面に沿って配設され、内周側突起部33がスリット24の内側でコルゲートチューブ20内周面に沿って配設される。これにより、コルゲートチューブ20は、経路維持部材30の形状に沿って曲げられた状態で、当該経路維持部材30と一体化されることとなる。
【0090】
この後、必要に応じて、タイバンド、粘着テープ等がコルゲートチューブ20の外周に巻付けられ、コルゲートチューブ20の閉状態が維持されると共に、コルゲートチューブ20と経路維持部材30との一体化状態が維持される。なお、上記の他、コルゲートチューブ20自体に設けられたロック構造等によってコルゲートチューブ20の閉状態が維持されてもよい。
【0091】
このように構成された経路維持部材付コルゲートチューブCを有するワイヤーハーネス外装体によると、ワイヤーハーネスWHはコルゲートチューブ20によって覆われて保護されると共に、経路維持部材30によって所定の形状に曲った経路を描くように維持されている。このため、経路維持部材30をワイヤーハーネスWHの敷設箇所に合わせた形状に形成することで、ワイヤーハーネスWHを当該敷設箇所に合わせた一定の経路に維持できる。経路維持部材30自体は、いわゆるプロテクタと呼ばれる部材のように、ワイヤーハーネスWHを覆う役割を有してないため、小型かつ単純な形状に形成することができる。このため、長手方向に沿って少なくとも一部が曲げられた形状を維持するように金型成形された経路維持部材30を製造する際に、金型構造の複雑化を抑制して、比較的簡易な金型構造によって比較的低コストで経路維持部材30を形成することができる。したがって、より低コストでワイヤーハーネスWHを覆いつつその経路を一定に維持できる。特に、ワイヤーハーネスWHが3次元的に曲げられた状態で敷設される場合には、その経路規制用の部材が複雑な形状となるため、そのような場合に有効である。
【0092】
また、ワイヤーハーネスWHを曲げた状態に維持できる結果、当該ワイヤーハーネスWHを車両等に組付ける際に、車両に対する取付箇所を少なくすることができる。換言すれば、経路維持部材付コルゲートチューブCの取付箇所が少なくとも、ワイヤーハーネスWHを一定の曲げ形状に維持できる。このため、ワイヤーハーネスWHを取付固定するためのクランプ部材等の使用個数、取付作業を少なくすることができ、この観点からも、経路維持部材付コルゲートチューブCの製造コスト、取付作業コストの低減を図ることができる。
【0093】
また、経路維持部材30をスリット24に配設した状態で、コルゲートチューブ20に取付けているため、コルゲートチューブ20と経路維持部材30との取付位置関係が安定化する。このため、コルゲートチューブ20を、経路維持部材30の形状に沿った所期の形状に維持し易い。
【0094】
また、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部が一対の凹溝部36gにそれぞれ収容されているため、経路維持部材30がコルゲートチューブ20から外れることが抑制される。
【0095】
また、スリット24は経路維持部材30によって閉塞されているため、コルゲートチューブ20内のワイヤーハーネスWHがスリット24から外部に脱してしまうといった事態が抑制される。
【0096】
図11は上述した経路維持部材付コルゲートチューブCであるワイヤーハーネス外装体に実施の形態1の構造を適用した場合のベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【0097】
同図に示す様に、ベルト支持部200の受承面上に回転防止部42の平面部を載せ、コルゲートチューブ20の外周部となるリブ43a及び43b間の領域及び経路維持部材30をベルト部300で巻き付けることにより、経路維持部材付コルゲートチューブCにベルトクランプ50を固定することができる。
【0098】
この際、ベルトクランプ50におけるコルゲートチューブ20の周方向のズレはベルト支持部200の受承面と回転防止部42の平面部とが合致することにより確実に回避することができる。
【0099】
また、ベルト部300の幅に合致するように、リブ43a及び43b間の距離d1を設定することにより、コルゲートチューブ20に巻き付けたベルト部300による軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0100】
このように、実施の形態1の構造を経路維持部材付コルゲートチューブCに適用することにより、経路維持部材付コルゲートチューブCは、ベルトクランプ50のようなベルトタイプの車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。
【0101】
同様にして、実施の形態2及び実施の形態3の構造を経路維持部材付コルゲートチューブCに適用することにより、経路維持部材付コルゲートチューブCは、ベルトクランプ50あるいは基板型クランプ70の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。
【0102】
このように、実施の形態1〜実施の形態3で示した本願発明の構成は、コルゲートチューブ、経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプ等、様々なワイヤーハーネス外装体に適用することができる。
【0103】
経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプはワイヤーハーネスWHの装着時においてワイヤーハーネス外装体に固定されおり、ワイヤーハーネスWHの自由度が無いため、車両取付治具のワイヤーハーネス外装体に対する位置精度は重要となる。したがって、特に経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプにおける本願発明の効果は大きい。
【0104】
なお、コルゲートチューブ10や経路維持部材付コルゲートチューブCに実施の形態1のリブ43a及び43b相当部分や実施の形態3のズレ防止リブ46a及び46bを設ける場合、環状凸部(21,22)に対応する部分に設けることが望ましい。
【符号の説明】
【0105】
40,45,47 ハーフパイプ
41 ハーフパイプ本体
42 回転防止部
43a,43b リブ
44a,44b ズレ防止部
46a,46b ズレ防止リブ
50 ベルトクランプ
70 基板型クランプ
WH ワイヤーハーネス
【技術分野】
【0001】
この発明は、コルゲートチューブ、ハーフパイプ等ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1〜特許文献4に開示のように、車両等に敷設されるワイヤーハーネスを、屈曲性良好なコルゲートチューブにて覆う技術が知られている。
【0003】
図12はワイヤーハーネス外装体の一つである従来のコルゲートチューブの構造を示す説明図である。
【0004】
コルゲートチューブ10はワイヤーハーネスWHを環状凸部11及び環状凹部12からなるコルゲートチューブ本体部内に配設している。
【0005】
ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が結束された構成とされている。より具体的には、ワイヤーハーネスWHは、複数の電線が配設対象となる車両への配線形態に応じて分岐しつつ結束された構成とされている。ワイヤーハーネスWHは、必ずしも分岐している必要はないし、また、単一の電線によって構成されていてもよい。また、ワイヤーハーネスWHに、他の光ケーブル等が結束されていてもよい。
【0006】
コルゲートチューブ10は、長手方向に沿って環状凸部11と環状凹部12とが交互に形成された筒状部材であり、樹脂等で形成されている。かかるコルゲートチューブ10は、環状凸部21と環状凹部22との間の段部等で容易に弾性変形するため、それ自体では全体として曲げ変形容易な性質を有している。通常、コルゲートチューブ10としては、装着対象となるワイヤーハーネスWHの部分の外径よりも大きい(通常は多少大きい程度)内径を有するものが用いられる。
【0007】
図13はコルゲートチューブ10に車両取付治具の一つであるベルトクランプを取り付けた構造を模式的に示す説明図である。図14は、図13で示したベルトクランプ50の詳細を示す斜視図である。これら図に示すように、ベルトクランプ50は、留め具100、ベルト支持部200及びベルト部300を主要構成要素として構成されている。
【0008】
ベルトクランプ50のベルト部300は、図13に示されるように、コルゲートチューブ10の周囲に巻き付けられ、これによりコルゲートチューブ10を保持する部分である。このベルト部300における2つの端の一方は固定端であり、他方は自由端である。また、ベルト部300の一方の面には、ベルト部300の長手方向において複数配列された溝310が形成されている。
【0009】
留め具100は、ベルト支持部200が固定されたフランジ部112と、自動車のボディなどの取付孔に挿入される挿入部111とを有している。フランジ部112における一方の面にベルト支持部200が固定され、他方の面に挿入部110が立設されている。フランジ部112は、通常、車両側の取付孔を塞ぐように、当該取付孔の面積よりも大きな面積で形成されている。
【0010】
留め具100は、フランジ部112と挿入部110とにより構成される。挿入部110は、フランジ部112の一方の面に立設された柱部111と、その柱部111の両側に張り出して設けられた2つの張出部113とを備える。
【0011】
ベルト支持部200は、ベルト部300と留め具100とを連結する部分である。ベルト支持部200は、留め具100に固定された連結部201及びベルト規制部202と、連結部201の2箇所に対向して立設された縦壁部210と、それら縦壁部210に架設されたベルト支持壁部220とを有する。ベルト支持壁部220には、ベルト部300の一端(固定端)が固定されている。
【0012】
連結部201は、フランジ部112と縦壁部210とを連結する部分であり、2つの連結部201の間に変位部202が設けられている。2つの縦壁部210と、変位部202と、変位部20に対向するベルト支持壁220は、ベルト部300が自由端側から挿入されるベルト通し孔200Aを形成している。
【0013】
変位部202は、ベルト通し孔200Aの周囲の壁の一部を形成し、その一端がフランジ部112に固定された片持ち梁状の部分である。変位部202は、その可撓性により、ベルト通し孔200Aの高さ方向において変位可能である。ベルト通し孔200Aの高さ方向は、ベルト通し孔200Aに通されたベルト部300の厚み方向に相当する。
【0014】
また、ベルト支持部200には、前述したように、ベルト部300の自由端を挿通させることが可能なベルト通し孔200Aを有しており、ベルト支持壁部220の底面(平面部分)がコルゲートチューブ10を受け取る受承面となっている。
【0015】
そして、コルゲートチューブ10を車両のボディに固定する場合には、先ず、コルゲートチューブ10の固定部位を底面としてベルト支持部200の受承面の上に載せ、コルゲートチューブ10の外周部をベルト部300で巻き付け、ベルト支持部200のベルト通し孔200Aにベルト部300の自由端を挿通して締め付ける。また、このときに、ベルト部300の形成されている溝310に、ベルト支持部200の内部に形成されている係合爪を係合させる。
【0016】
これにより、図13に示すように、コルゲートチューブ10が、ベルトクランプ100に締め付けられて固定された状態で保持される。
【0017】
このようにコルゲートチューブ10にベルトクランプ50を取り付けた後、車両のボディに形成された取付孔に、コルゲートチューブ10を固定したベルトクランプ50の留め具100を差し込むことにより、車両のボディにコルゲートチューブ10を固定することができる。
【0018】
図15はハーフパイプ60からなるハーフパイプ型ワイヤーハーネス外装体へのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【0019】
同図に示す様に、ハーフパイプ60は断面形状が略半円状を呈しており、ハーフパイプ60の内周面上に長手方向に沿ってワイヤーハーネスWHを配設している。したがって、ワイヤーハーネスWHの一部が露出した形状を呈している。また、ハーフパイプ60は、長手方向においてワイヤーハーネスWHの敷設箇所に合わせた形状で形成されている。そして、必要に応じてタイバンド、粘着テープ等(いずれも図示せず)をワイヤーハーネスWH及びハーフパイプ60の外周に巻付けることにより、ワイヤーハーネスWHをハーフパイプ60に固定している。
【0020】
このような構成のハーフパイプ60のようなワイヤーハーネス外装体においても、図12及び図13で示したコルゲートチューブ10と同様、ベルト部300で締め付けることにより、ベルトクランプ50をハーフパイプ60及びワイヤーハーネスWHに固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】実開平4−86022号公報
【特許文献2】特開2000−184551号公報
【特許文献3】特開2002−64917号公報
【特許文献4】特開2006−296166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
コルゲートチューブ10、ハーフパイプ60等の従来のワイヤーハーネス外装体は以上のように構成されており、ベルトクランプ50等の車両取付治具のベルト部分を外周に沿って巻き込むことにより、車両取付治具をワイヤーハーネス外装体に取り付けていた。
【0023】
しかしながら、ワイヤーハーネス外装体の断面形状はいずれも曲線状(コルゲートチューブ10の場合は円状、ハーフパイプ60の場合は半円状)を呈しているため、ベルト部分がワイヤーハーネス外装体の周方向に回転したり、軸方向にズレたりする可能性が高く、ベルトクランプ50等の車両取付治具のワイヤーハーネス外装体への取付位置精度が悪くなる問題点があった。そして、車両取付治具のワイヤーハーネス外装体への取付位置精度が悪化すると、ワイヤーハーネス外装体の車両への取付精度が劣化してしまう。
【0024】
この発明は上記問題点を解決するためになされたもので、取付治具を所望の位置で安定性良く固定することが可能な構造を有するワイヤーハーネス外装体を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この発明に係る請求項1記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する回転防止部と、各々が前記本体部の外周面上に周方向に沿って形成される一対の軸方向ズレ防止部とを備え、前記一対の軸方向ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の軸方向ズレ防止部おける前記本体部の外周面が取付領域として規定され、前記一対の軸方向ズレ防止部の前記軸方向における形成位置は前記回転防止部の形成位置に重複する。
【0026】
この発明に係る請求項2記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、各々が前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付領域として規定される。
【0027】
この発明に係る請求項3記載のワイヤーハーネス外装体は、ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、各々が前記本体部の外周面の底部に下方に突出して設けられる一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付治具配置領域として規定される。
【0028】
請求項4の発明は、請求項1あるいは請求項2記載のワイヤーハーネス外装体であって、前記取付領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、ベルトクランプのベルト部を前記本体部の外周面上に周方向に沿って巻くことが可能であり、かつ前記のベルト部が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む。
【0029】
請求項5の発明は、請求項3記載のワイヤーハーネス外装体であって、前記取付治具配置領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、テープ巻き領域を有する基板を有するベルト巻き型クランプの基板が配置可能であり、かつ前記基板が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む。
【発明の効果】
【0030】
請求項1(及び請求項4)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付領域にベルト型の取付治具のベルト部分を巻きつけることにより取付治具を取り付けることができる。
【0031】
この際、ベルト型の取付治具のベルト支持部の受承面を回転防止部の底面に当接させることにより、取付治具におけるワイヤーハーネス外装体の周方向の位置ズレを確実に回避することができる。また、回転防止部を含めてベルト部分を巻きつける場合においても、平面構成の底面の存在により取付治具における上記周方向への位置ズレを効果的に規制することができる。
【0032】
さらに、ベルト部分の幅に合致するように、上記所定の距離を設定することにより、一対の軸方向ズレ防止部により上記ベルト部分の軸方向への動きを規制することができるため、取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0033】
その結果、請求項1記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、ベルトクランプのようなベルト型の取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【0034】
請求項2(及び請求項4)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付領域にベルト型の取付治具のベルト部分を巻きつけることにより取付治具を取り付けることができる。
【0035】
この際、ベルト型の取付治具のベルト支持部の受承面を一対の位置ズレ防止部の底面に当接させることにより、取付治具におけるワイヤーハーネス外装体の周方向の位置ズレを確実に回避することができる。
【0036】
さらに、ベルト部分の幅に合致するように、上記所定の距離を設定することにより、一対の位置ズレ防止部が上記ベルト部分の軸方向への動きを規制するため、取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0037】
その結果、請求項2記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、ベルトクランプのようなベルト型の取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【0038】
請求項3(及び請求項5)記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体に対し、上記取付治具配置領域上にタープ巻き型の取付治具の基板を配置して、基板を含むワイヤーハーネス外装体をテープ巻きすることにより当該取付治具を取り付けることができる。
【0039】
この際、一対の位置ズレ防止部によりテープ巻き型の取付治具の基板を挟み込んでいるため、上記取付治具配置領域内に配置した時の当該取付治具の基板の軸方向長さに合致するように上記所定の距離を設定することにより、一対の位置ズレ防止部が上記基板の軸方向への動きを規制するため、当該取付治具における上記軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0040】
その結果、請求項3記載の本願発明のワイヤーハーネス外装体は、テープ巻きタイプの取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の実施の形態1であるハーフパイプの断面構造を模式的に示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1であるハーフパイプの側面構造を模式的に示す断面図である。
【図3】実施の形態1のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態(断面構造)を模式的に示す説明図である。
【図4】実施の形態1のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態(側面構造)を模式的に示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2であるハーフパイプの側面構造を模式的に示す断面図である。
【図6】実施の形態2のハーフパイプへのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。
【図7】実施の形態2のハーフパイプへの基板型クランプの取付状態を模式的に示す説明図である。
【図8】コルゲートチューブの装着部分を示す概略斜視図である。
【図9】図8のIII−III線概略断面図である。
【図10】コルゲートチューブに経路維持部材を取付ける工程を示す説明図である。
【図11】実施の形態1の構造を適用した経路維持部材付コルゲートチューブへのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【図12】従来のコルゲートチューブの構造を示す説明図である。
【図13】従来のコルゲートチューブにベルトクランプを取り付けた構造を模式的に示す説明図である。
【図14】ベルトクランプの詳細を示す斜視図である。
【図15】ハーフパイプへのベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
<実施の形態1>
図1及び図2はこの発明の実施の形態1であるハーフパイプを模式的に示す説明図である。図1はハーフパイプの軸方向に垂直な断面における断面形状の構造を示しており、図2は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。なお、図1は図2のI−I線概略断面図となる。
【0043】
なお、本明細書において、軸方向とはハーフパイプ等のワイヤーハーネス外装体が形成される長手方向、例えば、図2の軸L2で示す方向に沿った方向を意味し、周方向とは軸方向に垂直なワイヤーハーネス外装体の外周に沿った方向、例えば、図1や図13の軸L1で示す方向に沿った方向を意味する。
【0044】
これらの図に示すように、実施の形態1のハーフパイプ40は、ハーフパイプ本体41(本体部)、回転防止部42及び一対のリブ43a及び43b(軸方向ズレ防止部)から構成される。
【0045】
ハーフパイプ本体41は、軸方向(軸L2方向)に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状(曲線状)の構造を呈している。
【0046】
回転防止部42は、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面42pを有している。この回転防止部42の存在によって、回転防止部42の近傍におけるハーフパイプ本体41の外周面は2つの側面41x及び側面41yに分離される。
【0047】
一対のリブ43a及び43bは、ハーフパイプ本体41の外周面上に共に周方向に沿って形成される。そして、リブ43a及び43bは側面41x及び側面41yそれぞれ上に互いに軸方向に距離d1(所定の距離)を隔てて形成されている。すなわち、リブ43a及び43bはそれぞれ側面41xの上方先端部から回転防止部42にかけて形成されるとともに、側面41yの上方先端部から回転防止部42にかけて形成される。したがって、リブ43a及び43bの軸方向(軸L2の方向)における形成位置は回転防止部42の形成位置に重複する。なお、リブ43a及び43bはそれぞれ側面41x及び側面41yのうち、一方にのみ形成しても良い。
【0048】
そして、リブ43a及び43b間における側面41x及び側面41yの領域A50と回転防止部42の側面部分及び底面42pがクランプ取付領域(取付領域)として規定され、このクランプ取付領域においてベルト巻き型のベルトクランプによる取り付けを可能としている。
【0049】
図3及び図4は実施の形態1のハーフパイプ40へのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図3はハーフパイプ40の軸方向に垂直な断面における断面構造を示しており、図4は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。図3は図4のII−II線概略断面図となる。
【0050】
なお、ベルトクランプ50は図13及び図14で示したベルトクランプ50と同様であるため、適宜、同一符号を付し、図示内容も簡略化して示している。
【0051】
図3及び図4に示すように、ベルト支持部200の受承面(平面領域)上に回転防止部42の底面42pを載せ、リブ43a及び43b間のハーフパイプ本体41の外周部領域(図2の領域A50に相当)及びワイヤーハーネスWHの上部の露出部分をベルト部300で巻き付けることにより、ハーフパイプ40にベルトクランプ50を取り付けることができる。
【0052】
この際、ベルト支持部200の受承面と回転防止部42の底面42pとを当接させることにより、ベルトクランプ50のハーフパイプ40の周方向への位置ズレを確実に回避することができる。また、回転防止部42を含めてベルト部300を巻きつける場合においても、曲面ではなく平面構成の底面42pの存在によりベルトクランプ50におけるハーフパイプ40の周方向への位置ズレを効果的に規制することができる。
【0053】
加えて、ベルト部300の幅(軸L2方向の長さ)に合致するように、リブ43a及び43b間の距離d1を設定することにより、ハーフパイプ本体41の外周面から突出して形成されるリブ43a及び43bによりベルト部300の軸方向への動きを規制することができるため、ハーフパイプ40に巻き付けたベルトクランプ50のベルト部300が軸方向へのズレる現象を確実に回避することができる。
【0054】
なお、ベルト部300の幅に合致された距離d1とは、具体的にはベルト部300の幅と同じか少し長い距離を意味する。すなわち、リブ43a及び43b間のハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿ってベルト部300を巻くことが可能であり、かつベルト部300が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を意味する。なお、所定の許容範囲は“0”以上の任意の値に設定可能である。
【0055】
このように、実施の形態1のハーフパイプ40は、ベルトクランプ50のようなベルト型の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。したがって、ワイヤーハーネス外装体であるハーフパイプ40の車両への取付精度が劣化することもない。
【0056】
<実施の形態2>
図5はこの発明の実施の形態2であるハーフパイプを模式的に示す断面図である。図5は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0057】
図5に示すように、実施の形態2のハーフパイプ45は、ハーフパイプ本体41及び一対のズレ防止部44a及び44bから構成されている。
【0058】
ハーフパイプ本体41は、軸方向(軸L2方向)に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、上記軸方向に垂直な外周面の断面形状が半円状(曲線状)の構造を呈している。
【0059】
一対のズレ防止部44a及び44bは、ハーフパイプ本体41の外周面の底部に設けられ、それぞれ平面構成の底面44ap及び44bpを有している。また、ズレ防止部44a及び44bはハーフパイプ本体41の外周面上に周方向に沿って、互いに軸方向に距離d2(所定の距離)を隔てて形成されている。
【0060】
そして、ズレ防止部44a及び44b間におけるハーフパイプ本体41の外周面及びズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpの一部がクランプ取付領域として規定され、このクランプ取付領域においてベルトクランプ50のベルト巻きによる取り付けを可能としている。
【0061】
図6は実施の形態2のハーフパイプ45へのベルトクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図6は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0062】
なお、ベルトクランプ50は図13及び図14で示したベルトクランプ50と同様であるため、適宜、同一符号を付し、図示内容も簡略化して示している。
【0063】
図6に示すように、ベルト支持部200の受承面上にズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpの一部を載せ、ズレ防止部44a及び44b間のハーフパイプ本体41の外周領域及びワイヤーハーネスWHの上部の露出部分をベルト部300で巻き付けることにより、ハーフパイプ45にベルトクランプ50を取り付けることができる。
【0064】
この際、ベルト支持部200の受承面とズレ防止部44a及び44bの底面44ap及び44bpとを当接させることにより、ベルトクランプ50におけるハーフパイプ45の周方向のズレを確実に回避することができる。
【0065】
また、ベルト部300の幅に合致するように、ズレ防止部44a及び44b間の間隔d2を設定することにより、実施の形態1のリブ43a及び43bによる効果と同様、ハーフパイプ45に巻き付けたベルト部300が軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0066】
このように、実施の形態2のハーフパイプ45は、実施の形態1のハーフパイプ40と同様、ベルトクランプ50のようなベルト型の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。したがって、ワイヤーハーネス外装体であるハーフパイプ45の車両への取付精度が劣化することもない。
【0067】
<実施の形態3>
図7は実施の形態3のハーフパイプ47へのテープ巻きタイプのクランプの取付状態を模式的に示す説明図である。図7は軸方向に沿った方向の側面構造を示している。
【0068】
同図に示す様に、基板型クランプ70は、テープ巻き領域を有する基板71に留め具72(ベルトクランプ50の留め具100と同等)が突出して設けられている。
【0069】
そして、一対のズレ防止突出部46a及び46b(位置ズレ防止部)がハーフパイプ本体41の外周の底部に下方に突出して形成される。一対のズレ防止突出部46a及び46bは互いに軸L2の方向に距離d3(所定の距離)を隔てて形成され、一対のズレ防止突出部46a及び46b間にハーフパイプ本体41の外周面がクランプ配置領域(取付治具配置領域)として規定される。
【0070】
このような構成の実施の形態3のハーフパイプ47に対し、基板71の受承面(留め具72が形成されている面と反対側の面)上に、ズレ防止突出部46a及び46b間の上述したクランプ配置領域を載せる。この際、基板71が一対のズレ防止突出部46a及び46bにより挟み込まれる。
【0071】
そして、ハーフパイプ本体41の外周部、ワイヤーハーネスWHの露出部及び基板71をテープ75で多重に巻き付けることにより、ハーフパイプ45に基板型クランプ70を取り付けことができる。
【0072】
この際、基板型クランプ70におけるハーフパイプ45の周方向のズレは、基板型クランプ70の基板71を含めてテープ75によって巻き付けることにより、確実に回避することができる。
【0073】
また、基板71の幅(ハーフパイプ45の軸方向側の長さ)に合致するように、ズレ防止部44a及び44b間の距離d3を設定することにより、基板型クランプ70におけるハーフパイプ47の軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0074】
なお、基板71の幅に合致された距離d3とは、基板71の幅と同じか少し長い距離を意味する。すなわち、一対のズレ防止突出部46a及び46b間のハーフパイプ本体41の外周面(クランプ配置領域)上に基板71を配置することが可能であり、かつ基板71が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を意味する。なお、所定の許容範囲は“0”以上の任意の値に設定可能である。
【0075】
このように、実施の形態3のハーフパイプ47は、基板型クランプのような車両取付治具においても所望の位置で精度良く固定することができる。
【0076】
<コルゲートチューブへの応用>
実施の形態1〜実施の形態3では、ワイヤーハーネス外装体としてハープパイプを示したがこれに限定されず他のワイヤーハーネス外装体にも適用できる。
【0077】
例えば、図12及び図13で示したコルゲートチューブ10に対しても、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態1の回転防止部42及びリブ43a及び43b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態1相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0078】
同様に、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態2のズレ防止部44a及び44b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態2相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0079】
さらに、コルゲートチューブ10の外周面の所定部分を底面として、実施の形態3のズレ防止突出部46a及び46b相当部分を設けた構造を実現することにより、実施の形態2相当のコルゲートチューブを得ることができる。
【0080】
さらに、コルゲートチューブに経路維持機能を持たせた経路維持部材付コルゲートチューブにも本発明を適用することができる。
【0081】
以下、ワイヤーハーネス外装体として構成される経路維持部材付コルゲートチューブについて説明する。図8はコルゲートチューブ20の装着部分を示す概略斜視図であり、図9は図8のIII−III線概略断面図であり、図10はコルゲートチューブ20に経路維持部材30を取付ける工程を示す説明図である。
【0082】
ワイヤーハーネスWHを、車両等に配設する際、ワイヤーハーネスWHはその配設形態に沿って曲げられる。ワイヤーハーネスWHが周辺部分に干渉すること等を抑制するため、ワイヤーハーネスWHはその配線形態に沿って曲げられた形状に維持されることがある。このような場合に、本経路維持部材付コルゲートチューブC(コルゲートチューブ20+経路維持部材30)がワイヤーハーネスWHに装着され、当該ワイヤーハーネスWHを一定の曲げ形状に維持する。なお、ワイヤーハーネスWHに対して本経路維持部材付コルゲートチューブCが装着される部分は、ワイヤーハーネスWHの少なくとも一部であればよく、ワイヤーハーネスWHの一部であっても、ほぼ全体であってもよい。
【0083】
コルゲートチューブ20は、長手方向に沿って環状凸部21と環状凹部22とが交互に形成された筒状部材であり(図10参照)、樹脂等で形成されている。かかるコルゲートチューブ20は、環状凸部21と環状凹部22との間の段部等で容易に弾性変形するため、それ自体では全体として曲げ変形容易な性質を有している。通常、コルゲートチューブ20としては、装着対象となるワイヤーハーネスWHの部分の外径よりも大きい(通常は多少大きい程度)内径を有するものが用いられる。
【0084】
また、コルゲートチューブ20の一側部にその長手方向に沿ってスリット24が形成されている。そして、当該スリット24で割開くようにして、ワイヤーハーネスWHをコルゲートチューブ20内に容易に配設できるようになっている。
【0085】
経路維持部材30は、長手方向に沿って少なくとも一部が曲げられた形状を維持するように金型成型された長尺部材であり、P.P.(ポリプロピレン)等の樹脂によって形成されている。換言すれば、経路維持部材30は、金型成型時点で、少なくとも一部が曲げられた形状に形成されている。経路維持部材30の曲げ形状は、ワイヤーハーネスWHのうち装着対象となる部分が配設される配設経路に応じた形状に設定されている。図8に示す例では、経路維持部材30の長手方向の中間部がなだらかなS字を描くように曲っており、経路維持部材30の両端部が直線状に形成されている。経路維持部材30のうち曲げた形状に形成され部分は、その全体であっても一部であってもよい。また、曲げた形状に形成される部分は、平面上で曲る形状に形成されていてもよいし、立体的(3次元的)に曲る形状に形成されていてもよい。
【0086】
上記経路維持部材30は、コルゲートチューブ20にその長手方向に沿って取付けられている。すなわち、経路維持部材30は、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部を収容可能な一対の凹溝部36gが形成された部分を有している。換言すれば、経路維持部材30は、長尺状の連結部31の一方側(外周側)縁部に外周側突起部32が配設されると共に、連結部31の他方側(内周側)縁部に内周側突起部33が配設された構成とされ、その長手方向に対して直交する面における断面形状が略H字状を呈している。上記外周側突起部32の外側面は、コルゲートチューブ20の外周面に沿った弧状曲面を呈している。凹溝部36gの幅寸法は、コルゲートチューブ20の厚み寸法(より具体的には、コルゲートチューブ20の径方向において環状凸部21の最外周部分と環状凹部22の最内周部分との差)と略同じかそれよりも大きい(僅かに大きい)程度の寸法に設定されている。凹溝部36gの深さ寸法は、コルゲートチューブ20の端縁部をその径方向に位置決めした状態で収容できる程度であればよく、特に限定はない。
【0087】
上記経路維持部材30のうち上記一対の凹溝部36gが形成された部分は、経路維持部材30の長手方向全体であってもよいし、その長手方向に沿った一部であってもよい。図8〜図10で示した例では、一対の凹溝部36gが経路維持部材30の長手方向全体に亘って形成された例で説明する。
【0088】
上記経路維持部材30は、コルゲートチューブ20にその長手方向に沿って取付けられる。ここでは、経路維持部材30は、次のようにして、スリット24に配設した状態で、コルゲートチューブ20に取付けられる。
【0089】
すなわち、コルゲートチューブ20を前記スリット24で開くことで、コルゲートチューブ20内にワイヤーハーネスWHを収容する。この状態で、コルゲートチューブ20をスリット24で開いて、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部を一対の凹溝部36g内に嵌め込む。この状態では、連結部31がスリット24内に配設され、外周側突起部32がスリット24の外側でコルゲートチューブ20の外周面に沿って配設され、内周側突起部33がスリット24の内側でコルゲートチューブ20内周面に沿って配設される。これにより、コルゲートチューブ20は、経路維持部材30の形状に沿って曲げられた状態で、当該経路維持部材30と一体化されることとなる。
【0090】
この後、必要に応じて、タイバンド、粘着テープ等がコルゲートチューブ20の外周に巻付けられ、コルゲートチューブ20の閉状態が維持されると共に、コルゲートチューブ20と経路維持部材30との一体化状態が維持される。なお、上記の他、コルゲートチューブ20自体に設けられたロック構造等によってコルゲートチューブ20の閉状態が維持されてもよい。
【0091】
このように構成された経路維持部材付コルゲートチューブCを有するワイヤーハーネス外装体によると、ワイヤーハーネスWHはコルゲートチューブ20によって覆われて保護されると共に、経路維持部材30によって所定の形状に曲った経路を描くように維持されている。このため、経路維持部材30をワイヤーハーネスWHの敷設箇所に合わせた形状に形成することで、ワイヤーハーネスWHを当該敷設箇所に合わせた一定の経路に維持できる。経路維持部材30自体は、いわゆるプロテクタと呼ばれる部材のように、ワイヤーハーネスWHを覆う役割を有してないため、小型かつ単純な形状に形成することができる。このため、長手方向に沿って少なくとも一部が曲げられた形状を維持するように金型成形された経路維持部材30を製造する際に、金型構造の複雑化を抑制して、比較的簡易な金型構造によって比較的低コストで経路維持部材30を形成することができる。したがって、より低コストでワイヤーハーネスWHを覆いつつその経路を一定に維持できる。特に、ワイヤーハーネスWHが3次元的に曲げられた状態で敷設される場合には、その経路規制用の部材が複雑な形状となるため、そのような場合に有効である。
【0092】
また、ワイヤーハーネスWHを曲げた状態に維持できる結果、当該ワイヤーハーネスWHを車両等に組付ける際に、車両に対する取付箇所を少なくすることができる。換言すれば、経路維持部材付コルゲートチューブCの取付箇所が少なくとも、ワイヤーハーネスWHを一定の曲げ形状に維持できる。このため、ワイヤーハーネスWHを取付固定するためのクランプ部材等の使用個数、取付作業を少なくすることができ、この観点からも、経路維持部材付コルゲートチューブCの製造コスト、取付作業コストの低減を図ることができる。
【0093】
また、経路維持部材30をスリット24に配設した状態で、コルゲートチューブ20に取付けているため、コルゲートチューブ20と経路維持部材30との取付位置関係が安定化する。このため、コルゲートチューブ20を、経路維持部材30の形状に沿った所期の形状に維持し易い。
【0094】
また、コルゲートチューブ20のうちスリット24の両側の端縁部が一対の凹溝部36gにそれぞれ収容されているため、経路維持部材30がコルゲートチューブ20から外れることが抑制される。
【0095】
また、スリット24は経路維持部材30によって閉塞されているため、コルゲートチューブ20内のワイヤーハーネスWHがスリット24から外部に脱してしまうといった事態が抑制される。
【0096】
図11は上述した経路維持部材付コルゲートチューブCであるワイヤーハーネス外装体に実施の形態1の構造を適用した場合のベルトクランプ取付状態を模式的に示す説明図である。
【0097】
同図に示す様に、ベルト支持部200の受承面上に回転防止部42の平面部を載せ、コルゲートチューブ20の外周部となるリブ43a及び43b間の領域及び経路維持部材30をベルト部300で巻き付けることにより、経路維持部材付コルゲートチューブCにベルトクランプ50を固定することができる。
【0098】
この際、ベルトクランプ50におけるコルゲートチューブ20の周方向のズレはベルト支持部200の受承面と回転防止部42の平面部とが合致することにより確実に回避することができる。
【0099】
また、ベルト部300の幅に合致するように、リブ43a及び43b間の距離d1を設定することにより、コルゲートチューブ20に巻き付けたベルト部300による軸方向へのズレを確実に回避することができる。
【0100】
このように、実施の形態1の構造を経路維持部材付コルゲートチューブCに適用することにより、経路維持部材付コルゲートチューブCは、ベルトクランプ50のようなベルトタイプの車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。
【0101】
同様にして、実施の形態2及び実施の形態3の構造を経路維持部材付コルゲートチューブCに適用することにより、経路維持部材付コルゲートチューブCは、ベルトクランプ50あるいは基板型クランプ70の車両取付治具を所望の位置で精度良く固定することができる。
【0102】
このように、実施の形態1〜実施の形態3で示した本願発明の構成は、コルゲートチューブ、経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプ等、様々なワイヤーハーネス外装体に適用することができる。
【0103】
経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプはワイヤーハーネスWHの装着時においてワイヤーハーネス外装体に固定されおり、ワイヤーハーネスWHの自由度が無いため、車両取付治具のワイヤーハーネス外装体に対する位置精度は重要となる。したがって、特に経路維持部材付コルゲートチューブ及びハーフパイプにおける本願発明の効果は大きい。
【0104】
なお、コルゲートチューブ10や経路維持部材付コルゲートチューブCに実施の形態1のリブ43a及び43b相当部分や実施の形態3のズレ防止リブ46a及び46bを設ける場合、環状凸部(21,22)に対応する部分に設けることが望ましい。
【符号の説明】
【0105】
40,45,47 ハーフパイプ
41 ハーフパイプ本体
42 回転防止部
43a,43b リブ
44a,44b ズレ防止部
46a,46b ズレ防止リブ
50 ベルトクランプ
70 基板型クランプ
WH ワイヤーハーネス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する回転防止部と、
各々が前記本体部の外周面上に周方向に沿って形成される一対の軸方向ズレ防止部とを備え、前記一対の軸方向ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の軸方向ズレ防止部おける前記本体部の外周面が取付領域として規定され、前記一対の軸方向ズレ防止部の前記軸方向における形成位置は前記回転防止部の形成位置に重複する、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項2】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
各々が前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付領域として規定される、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項3】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
各々が前記本体部の外周面の底部に下方に突出して設けられる一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付治具配置領域として規定される、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項4】
請求項1あるいは請求項2記載のワイヤーハーネス外装体であって、
前記取付領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、ベルトクランプのベルト部を前記本体部の外周面上に周方向に沿って巻くことが可能であり、かつ前記のベルト部が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項5】
請求項3記載のワイヤーハーネス外装体であって、
前記取付治具配置領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、テープ巻き領域を有する基板を有するベルト巻き型クランプの基板が配置可能であり、かつ前記基板が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項1】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する回転防止部と、
各々が前記本体部の外周面上に周方向に沿って形成される一対の軸方向ズレ防止部とを備え、前記一対の軸方向ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の軸方向ズレ防止部おける前記本体部の外周面が取付領域として規定され、前記一対の軸方向ズレ防止部の前記軸方向における形成位置は前記回転防止部の形成位置に重複する、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項2】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
各々が前記本体部の外周面の底部に設けられ、平面構成の底面を有する一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付領域として規定される、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項3】
ワイヤーハーネスを内部に配設して保護するワイヤーハーネス外装体であって、
軸方向に延びて形成され、内部にワイヤーハーネスを配設可能な領域を有し、前記軸方向に垂直な外周面の断面形状が曲線状の本体部と、
各々が前記本体部の外周面の底部に下方に突出して設けられる一対の位置ズレ防止部とを備え、前記一対の位置ズレ防止部は互いに前記軸方向に所定の距離を隔てて形成され、前記一対の位置ズレ防止部間における前記本体部の外周面が取付治具配置領域として規定される、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項4】
請求項1あるいは請求項2記載のワイヤーハーネス外装体であって、
前記取付領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、ベルトクランプのベルト部を前記本体部の外周面上に周方向に沿って巻くことが可能であり、かつ前記のベルト部が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む、
ワイヤーハーネス外装体。
【請求項5】
請求項3記載のワイヤーハーネス外装体であって、
前記取付治具配置領域の前記軸方向の長さを規定する前記所定の距離は、テープ巻き領域を有する基板を有するベルト巻き型クランプの基板が配置可能であり、かつ前記基板が軸方向に所定の許容範囲を超えて移動しない距離を含む、
ワイヤーハーネス外装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−55814(P2013−55814A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192955(P2011−192955)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
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