ワーク搬送装置及びワーク搬送方法
【課題】搬送効率の良いワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送するワーク搬送装置において、並存してワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルからなる第1搬送テーブル列を搬送方向において進退し、第2搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルからなる第2搬送テーブル列を搬送方向において進退し、制御部は、第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、ワークの保持をこれから前進する搬送テーブル列側に切換える。
【解決手段】搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送するワーク搬送装置において、並存してワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルからなる第1搬送テーブル列を搬送方向において進退し、第2搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルからなる第2搬送テーブル列を搬送方向において進退し、制御部は、第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、ワークの保持をこれから前進する搬送テーブル列側に切換える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象となるワークを処理位置の内外の位置に移動するワーク搬送装置に関し、特にワークの搬送効率を高めたワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池基板、フラットディスプレイ(FPD)のガラス基板、半導体ウエハ等のワークに加工、処理、組み立て等を施す場合(以下、単に「処理」と称する。)、ワークを搬入位置あるいは導入位置から加工装置が設けられた処理位置まで移動し、処理されたワークを搬出位置(次工程)に移動することが必要である。このワークの所定位置間の搬送を行うために搬送装置が使用される。
【0003】
搬送装置には、例えば、ワークを載置するベルトコンベアやワークを載置する搬送テーブルなどが使用される。前者は連続的にワークを搬送することが出来るので単位時間当たりの搬送量(搬送効率)を上げやすいが、個々のワークの位置合せ精度を高くすることが難しい。後者は搬送テーブルにワークの保持機構を設けることが出来、また、搬送テーブル毎にワークや搬送テーブルの位置合せが可能で位置合せ精度を高くすることが可能であるが、搬送テーブルを所定の位置に空荷状態で戻す状態(工程)が生じるのでワークの搬送効率を上げにくい。
【0004】
そこで、例えば、特開2010−18356号公報に記載の発明(特許文献1)は、共用ネジ軸上に第1及び第2搬送機構(パレット)を直列(一列)に設けてワークの各ステーションへの投入と取り出しとを各搬送機構で分担するようにした搬送装置を提案している。また、特開2007−238237号公報に記載の発明は、複数台のワーク処理装置に対してワークを選択的に搬送するために、ワークをテーブルに載置して搬送する搬送装置を上下方向に複数段配設したワーク搬送装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−18356号公報
【特許文献2】特開2007−238237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した第1及び第2搬送機構を直列に配置して各搬送機構の搬送テーブルを別々に動作させる場合であっても往復移動する各搬送テーブルの動作にはそれぞれ非搬送時間(空荷の戻り時間)が存在する。また、一方の搬送テーブルの位置(移動範囲)に他方の搬送テーブルの移動可能範囲(位置)が制約されるためシステムの制御が複雑である。
【0007】
また、上述した上下方向に搬送装置を複数段配設した場合であっても各段の搬送機構の動作において往復移動する搬送テーブルの戻り時間(空荷)は存在する。
【0008】
よって、本発明の第一の課題は、ワークの搬送効率の良いワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の第二の課題は、上記第一の課題に加えて搬送機構が比較的に簡便であり、各種のプロセス対応やプロセス装置との組み合わせが容易なワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決する本発明のワーク搬送装置の態様の一つは、搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送する搬送装置であって、並存して上記ワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、上記第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、上記第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第1搬送テーブル列を上記搬送方向において前進及び後退し、上記第2搬送機構は、上記搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第2搬送テーブル列を上記搬送方向において前進及び後退し、上記制御部は、上記第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を一方の搬送テーブル列側から他方の搬送テーブル列側に切換える。
【0011】
かかる構成とすることによって、ワークを一方向又はその逆方向に搬送することができる。第1(又は第2)の搬送機構の搬送テーブル列が搬送方向にワークを移動(前進)するときに、第2(又は第1)の搬送機構の搬送テーブル列が搬送方向と逆方向に移動(後退)する(搬送テーブルが戻る)ので、ワーク搬送における搬送テーブルの戻り時間のロスを実質的に解消することができ、ワークの搬送効率を向上することが出来る。
【0012】
好ましくは、本発明のワーク搬送装置は、更に、上記第1搬送機構が、上記第1搬送テーブル列を上下動する第1上下動機構を含み、上記第2搬送機構が、上記第2搬送テーブル列を上下動する第2上下動機構を含み、上記制御部が、上記進退に際し、上記第1及び第2搬送機構のうちの一方の搬送機構の搬送テーブル列を他方の搬送機構の搬送テーブル列よりも相対的に上昇させる。
【0013】
かかる構成とすることによって、一方の搬送テーブルに載置されたワークと、他方の相補的に(逆方向に)移動する搬送テーブルとの間で擦れることがなく、具合がよい。2つの搬送テーブル列に高さの差が出来れば良く、一方の搬送テーブル列のみが昇降する構成でも良い。ワークとの擦れが問題にならない場合には、上下動機構を省略可能である。
【0014】
好ましくは、上記制御部は、上記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える。それにより、上記ワークを搬送方向に移動することが出来る。
【0015】
好ましくは、上記制御部は、上記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を後退した搬送テーブル列側から前進した搬送テーブル列側に切換える。それにより、上記ワークを逆搬送方向に移動することが出来る。
【0016】
上記搬送テーブルは、載置された上記ワークを保持するワーク保持機構を含み、上記制御部は、上記ワーク保持機構を制御することが望ましい。それにより、一方の側の搬送テーブルから他方の側の搬送テーブルにワークの保持を切換える(ワークを移動する)ことが出来る。
【0017】
上記ワーク保持機構が上記ワークを上記搬送テーブル上に吸引する吸引機構であることが望ましい。それにより、吸引を切り換えることによって簡単にワークの搬送テーブル間の移動が可能となって具合がよい。なお、保持(吸引、吸着)は、負圧を形成する空気(流体)による吸引、静電力による吸引、電磁力による吸引等であっても良い。
【0018】
更に、上記第1搬送機構及び上記第2搬送機構が複数組配置され、上記制御部は、各組の一方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に前進させ、各組の他方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に後退させることが望ましい。それによって、複数のワーク搬送路を構成することができ、ワーク搬送効率を向上することができる。
【0019】
上記各組の一方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結され、上記各組の他方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結さることが望ましい。それによって、複数の搬送テーブル列の動きが同じになる。
【0020】
また、各搬送テーブル列における搬送テーブル相互間の距離が上記複数のステージの各ステージ相互間の距離に対応していることが望ましい。それによって、各ステージ位置で各列の搬送テーブルの停止位置が同期する。
【0021】
上記第1及び第2搬送テーブル列の各々は、上記搬送方向に延在し、上記複数の搬送テーブルの位置に対応して複数の吸引孔が設けられた棒状の部材によって構成されることが望ましい。それにより、搬送テーブル列として一体的に動作する構造体が得られる。
【0022】
上記第1及び第2搬送テーブル列の列上に上記ワークが保持される。それにより、ワークの下に第1及び第2搬送テーブルを並存させ、ワークを移動(変動)させることなくワークを交互に保持することが可能となる。
【0023】
上記ステージは、搬入ステージ、アライメントステージ、印刷ステージ、搬出ステージのうち少なくともいずれかのステージを含むことが望ましい。それにより、ワーク搬送効率の良い印刷処理系統を構成することが出来る。
【0024】
上記ステージには、上記搬送テーブルと面一になる作業テーブルが配置されることが望ましい。それにより、搬送テーブルと作業テーブルとを合わせてワークへの作業用スペースとすることができる。
【0025】
また、本発明のワーク搬送方法の一態様は、ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、上記2つの搬送テーブル列を該搬送テーブル列の搬送テーブル間隔に対応した距離で交互に進退させ、各搬送テーブル列が交互に前進するときに当該前進する搬送テーブル列に上記ワークを保持させて上記ワークを搬送する。ここで、交互に進退とは2つの搬送テーブル列間の動きにおいて相対的なものであればよい。
【0026】
かかる方法によれば、交互に進退する2つの搬送テーブル列よりなる搬送路上をワークが一方向に向かって移動することになる。
【0027】
また、上記交互に進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側(前進が終了してこれから後退を開始する搬送テーブル列側)から後退した搬送テーブル列側(後退が終了してこれから前進を開始する搬送テーブル列側)に切換える、ことが望ましい。それにより、ワークが2つの搬送テーブル列間を交互に移動して一方向(前進方向)に搬送される。ワークをこれから後退を開始する搬送テーブル列側に保持すれば、ワークは逆方向(後退方向)に搬送される。
【0028】
上記2つの搬送テーブル列の進退において、前進する搬送テーブル列は後退する搬送テーブル列よりも相対的に高い位置を移動することが望ましい。それにより、搬送テーブルに保持されて前進するワークと後退する搬送テーブルとのこすれを回避することができる。
【0029】
上記2つの搬送テーブル列が1つのワーク又は複数のワークの列を交互に保持して前進する、ことが望ましい。それにより、1つのワーク又は複数のワークの列が2つの搬送テーブル列で搬送される。
【0030】
上記2つの搬送テーブル列が少なくとも1つのワークの下に存在して交互に進退することが望ましい。それにより、ワークを保持する搬送テーブルの切り換えに伴ってワークが位置変動することを回避することができ、ワークを直線的に移動(搬送)することが出来る。
【0031】
上記ワークの交互の保持は上記2つの搬送テーブル列の一方の列の搬送テーブルと他方の列の搬送テーブルとで上記ワークを交互に吸引することによって行われることが望ましい。それにより、ワークの保持や保持の切換を容易に行うことができる。吸引(吸着)は、エア吸引、静電力吸引、磁気力吸引等が望ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、往復動(進退)する2つの搬送テーブル列により、ワークが交互に保持され、1つ又は複数のワークが一方向に導出される。一方の搬送テーブル列がワークを一方向に搬送するときに、同時に他方の搬送テーブル列が逆方向に戻る動作を、2つの搬送テーブル列の各々が交互に繰り返すので、搬送テーブルの戻り時間によるロスが実質的に生じない。
【0033】
また、本発明によれば、同じ構成の搬送テーブル列のペアで基本となるワーク搬送機構を構成することができるので、装置構成が比較的に簡単で済む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のワーク搬送装置の構成例を説明する説明図である。
【図2】本発明のワーク搬送装置の構成例(搬送テーブル列上昇の場合)を説明する説明図である。
【図3】本発明の2つの搬送テーブル列によるワーク搬送原理を説明する説明図である。
【図4】本発明の2つにグループ化された複数の搬送テーブル列による同時複数ワークの搬送例を説明する説明図である。
【図5】本発明のワーク搬送装置による2つ(複数)のワーク搬送を説明する説明図である。
【図6】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図7】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図8】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図9】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図10】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図11】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(直列2枚送り)を説明する説明図である。
【図12】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(3ステージ)を説明する説明図である。
【図13】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(並列2枚送り)を説明する説明図である。
【図14】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(直並列4枚送り)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下の実施例では、本発明のワーク搬送装置を印刷システム(スクリーン印刷装置)に適用したものを例に説明するが、本発明のワーク搬送装置が適用されるものはこれに限られず、例えば、液晶表示器の製造装置、有機EL表示器の製造装置、プラズマ表示器の製造装置、半導体装置の製造装置、多色印刷装置等にも使用可能である。
【0036】
本発明の実施形態においては、ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、2つの搬送テーブル列の延在方向において一方の搬送テーブル列を他方の搬送テーブル列に対して相対的に前進し、他方の搬送テーブル列を一方の搬送テーブルに対して相対的に後退することを繰り返し、進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換えることを繰り返してワークを搬送する。
【0037】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明のワーク搬送装置の一態様の概略を示しており、図1(A)はワーク搬送装置の上面図、同図(B)はワーク搬送装置の正面図である。図2は、図1の構成において、後述する第1搬送テーブル列26を上昇した場合のワーク搬送装置の状態を示しており、図2(A)は上面図、同図(B)は正面図である。この実施例においては、ワークWが図示の左側から右側に向かって移動する例を示している。各図において対応する部分には同一符号を付している。
【0038】
図1に示すように、ワーク搬送装置1は、大別して、ベース部10、第1搬送機構20、第2搬送機構30、搬入(あるいは受取)ベルトコンベア41、搬出ベルトコンベア42、制御部70等によって構成される。
【0039】
ワーク搬送装置1のベース部10は搬送機構を組み立てるフレーム12を構成している。フレーム12の内部には、エア吸引を行う吸入ポンプ、高圧エアを形成するエアポンプ、フィルタ、電磁弁、エア配管、配電盤、モータの制御装置などが設けられている。フレーム12の上面に、図示の左側から右側に向かって、搬入ベルトコンベア41、第1搬送機構20及び第2搬送機構30の組からなる搬送機構、搬出ベルトコンベア42などによってワークWの搬送路が1レーン分形成されている。後述のように、複数の搬送路(複数の搬送レーン)を並設してワークの搬送効率を上げることができる。
【0040】
また、フレーム12の上には、上記搬送路に沿って、例えば、ワーク搬入(あるいは受取り)ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、ワーク搬出ステージDが配置される。図示しない前工程(外部)から供給されたワークWは、搬入ベルトコンベア41の2つの搬送ベルト41a,41bに載置されてワーク搬入ステージAに搬送される。ステージAに搬送されたワークWは、以下に述べる第1搬送機構20及び第2搬送機構30による搬送機構によって、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、ワーク搬出ステージDに順次搬送される。ステージBにはワークWの位置を調整するアライメント調整のためのアライメントテーブル16(後ろアライメントテーブル16a,前アライメントテーブル16b)と図示しない公知の位置調整機構が設けられている。ステージCにはワークWに印刷(処理)を施すためにワークWを載置する印刷テーブル(作業テーブル)18(後ろ印刷テーブル18a,前印刷テーブル18b)と図示しない公知の印刷機構(所望の処理機構)が設けられている。印刷テーブル18の上面と搬送テーブル26cの上面は同じ高さであり、同一平面(平坦面)を形成する。実施例では、ワークWとしての基板にスクリーン印刷によって電気配線や端子を形成している。ワーク搬出ステージDに搬送されたワークWは搬出ベルトコンベア42の2つの搬送ベルト42a,42bに載置されて図示しない次工程に搬送される。
【0041】
第1搬送機構20は、フレーム12の上面に配置されたレール21、レール21上を図1の左右方向に移動するスライダー22、スライダー22に設けられた昇降(上下動)機構24a〜24c、昇降機構24a〜24cによって支持される搬送テーブル列(第1搬送テーブル列)26を備えている。
【0042】
なお、図1(B)では、昇降機構24b及び24cは手前に存在する第2搬送機構30の昇降機構34a及び34bの陰に存在している。
【0043】
スライダー22はリニアモータ、位置センサを内蔵し、スライダー22とレール21間に介在するするリニアガイド(図示せず)によってレール21上を滑らかに移動する。リニアモータは公知の技術によって制御され、スライダー22停止位置は所要の精度が確保されている。なお、送りネジ機構や往復動するベルトなどによってスライダー22を移動制御しても良い。
【0044】
昇降(上下動)機構24a〜24cは、例えば、既述高圧エアによってピストンロッドが上下方向に移動するエアシリンダ機構によって構成することが出来る。電磁石やネジ送り機構などによって構成しても良い。昇降機構24a〜24cは、制御部70からの指令信号に応答して搬送テーブル列26全体を上昇させ、あるいは下降させる。なお、搬送テーブルを個別に昇降する構成としても良い。
【0045】
搬送テーブル列26は、平坦な上面に保持手段としての複数の吸気孔28が設けられた搬送テーブル26a〜26c相互間を、結合部材を介して連結して構成されている(後述の図6参照)。実施例では、搬送テーブル列26は棒状の搬送方向に延在する長手部材によって構成されているが、これに限定されるものではない。
【0046】
搬送テーブル列26(搬送テーブル26a〜26c)は、スライダー22によって左右方向に移動し、昇降(上下動)機構24(24a〜24c)によって上下方向に移動する。これ等の移動制御は制御部70によって行われる。
【0047】
上記第1搬送機構20と並行して第2搬送機構30が設けられる。搬送機構30は搬送機構20と同様に構成され、2つの搬送機構20及び30によって1つのワークWを搬送する搬送路を形成する。
【0048】
すなわち、第2搬送機構30は、フレーム12の上面に配置されたレール31、レール31上を図1の左右方向に移動するスライダー32、スライダー32に設けられた昇降(上下動)機構34a〜34c、昇降機構34a〜34cによって支持される搬送テーブル列(第1搬送テーブル列)36を備えている。
【0049】
スライダー32はリニアモータ、位置センサを内蔵し、スライダー32とレール31間に介在するするリニアガイド(図示せず)によってレール31上を滑らかに移動する。リニアモータは公知の技術によって制御され、スライダー32の停止位置は所要の精度が確保されている。なお、送りネジ機構や往復動するベルトなどによってスライダー32の移動を制御しても良い。
【0050】
昇降(上下動)機構34a〜34cは、例えば、既述高圧エアによってピストンロッドが上下方向に移動するエアシリンダ機構によって構成することが出来る。電磁石やネジ送り機構などによって構成しても良い。昇降機構34a〜34cは、制御部70からの指令信号に応答して搬送テーブル列36全体を上昇させ、あるいは下降させる。なお、搬送テーブルを個別に昇降する構成としても良い。
【0051】
搬送テーブル列36は、平坦な上面に保持手段としての複数の吸気孔38が設けられた搬送テーブル36a〜36cの相互間を結合部材で連結して構成されている。実施例では、搬送テーブル列36は棒状の搬送方向に延在する長手部材によって構成されているが、これに限定されるものではない。
搬送テーブル列36(搬送テーブル36a〜36c)は、スライダー32によって左右方向に移動し、昇降(上下動)機構34(34a〜34c)によって上下方向に移動する。
【0052】
図2は、図1の構成において搬送機構20の搬送テーブル列26全体を昇降機構24(24a〜24c)によって上昇させた例を示している。同図に示すように、搬送テーブル列26を所定量y上昇させることによってワークWをベルトコンベア41から搬送テーブル26a上に移動する。搬送テーブル26aの吸気孔28によってワークWを吸着することによってワークWが搬送テーブル26aに保持される。この状態で搬送テーブル列26を次のステージに移動し、所定量y下降することによって、ワークWをアライメントテーブル上に移動することができる。上記所定上昇量及び下降量yは、部材相互間(ベルトコンベアと搬送テーブル間、搬送テーブルとアライメント/作業テーブル間、アライメント/作業テーブルと搬送テーブル間)のワークWの移動に必要な距離に設定される。また、搬送テーブル列20及び30の相補的な移動(前進と後退)の際に搬送テーブルとワークWとが接触しない距離に設定される。
【0053】
次に、制御部70による2つの搬送テーブル列の制御によってワークWが各ステージ間を移動する理由について図3を参照して説明する。図3において、図1、図2と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
図3に示すように、既述4つのステージA〜Dに対応して搬送テーブル列26及び36の3つの搬送テーブル26a〜26c、36a〜36cの各間隔が設定されている。また、各搬送テーブルの停止位置と各ステージの位置とは対応する(同期する)ように制御される。制御部70は以下のように各部の動作を制御する。
【0054】
まず、図3(A)に示す初期状態において、制御部70は、一方の搬送テーブル列26を左側に移動し、その搬送テーブル26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、ベルトコンベア41によってワークWが搬送されている。また、他方の搬送テーブル列36を右側に移動させ、その搬送テーブル36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0055】
制御部70は、この状態から搬送テーブル列26を上昇させ、ワークWを搬送テーブル26a上に吸引してベルトコンベア41のベルト41a,41bよりも上の位置に保持する。次に、一方の搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26全体を下降させてワークWをアライメントテーブル16上に載せ、図3(B)の状態とする。この位置で、ワークWのアライメント調整が行われる。
【0056】
アライメント調整終了後、制御部70は、搬送テーブル列36を上昇させ、ワークWを搬送テーブル36b上に吸引してアライメントテーブル16よりも上の位置に保持させる。次に、搬送テーブル列36全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時に他方の搬送テーブル列26全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列36全体を下降させてワークWを印刷テーブル18上に載せ、図3(C)の状態とする。この位置で、ワークWへの印刷が行われる。
【0057】
印刷終了後、制御部70は、搬送テーブル列26を上昇させ、ワークWを搬送テーブル26c上に吸引して印刷テーブル18よりも上の位置に保持させる。次に、搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時に他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26全体を下降させて吸引を解除してワークWを搬出ステージDのベルトコンベア42上に載せ、図3(D)の状態とする。ワークWは外部に搬送される。
【0058】
上記は説明の便宜上、1つのワークWの搬送について説明したが、後述のようにワーク搬入ステージAで搬送テーブル26a及び36aが交互にワークWを吸引することで、ワークWを連続的に搬送することが出来る。
【0059】
このように、本実施例によれば、往復動(進退)する2つの搬送テーブル列により、ワークが交互に保持され、1つ又は複数のワークが一方向に導出される。一方の搬送テーブル列がワークを一方向に搬送するときに、同時に他方の搬送テーブル列が逆方向に戻る動作を、2つの搬送テーブル列の各々が交互に繰り返すので、搬送テーブルの戻り時間によるロスが実質的に生じない。
【0060】
また、本実施例によれば、ワークを保持して搬送する2つの搬送テーブル列26及び36を搬送路に沿って並存し、一方の搬送テーブル列と他方の搬送テーブル列とを相補的に移動(前進、後退)することを繰り返し、進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が当該ステージ位置で同期(一致)したときに、ワークWの保持を、ワークWを保持して前進した搬送テーブル列側から後退して次に前進する搬送テーブル列側に切換えることにより、ワークWが2つの搬送テーブル列の搬送テーブルを交互に乗り換えて前方に移動し、搬送される。
【0061】
(実施例2)
図4及び図5は、上述した2つの搬送テーブル列による搬送機構を複数レーン(実施例では2レーン)設置して、複数のワークWを同時並列的に搬送する例を示す説明図である。同図において図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0062】
図4に示すように、既述した搬送テーブル列26は搬送テーブル列261と262で構成され、搬送テーブル列36は搬送テーブル列361と362で構成される。平行に配置された2つの搬送機構の搬送テーブル列261と262とがそれらの各左端部で連結部材26eによって連結されて、「コ」の字状に構成されている。それにより、搬送テーブル列261と262は同じ動きをする(動きが同期している)。また、平行に配置された2つの搬送機構の搬送テーブル列361と362とがそれらの各右端部で連結部材36eによって連結されて、「コ」の字状に構成されている。それにより、搬送テーブル列361と362は同じ動きをする(動きが同期している)。
【0063】
なお、スライダや昇降機構の個別の制御によって組となっている搬送テーブル列の動きを正確に同期させことが出来る場合には連結部材26e、36eを用いなくとも良い。また、後述の実施例では、並存する複数の搬送レーンを同期させて動作させたり、非同期動作としたり、一部を動作させて他を停止したりすることができる(図13、図14を参照)。
【0064】
上述した「コ」の字状の2つのグループの搬送機構はそれらの開放側で互いに対向し、いわゆる入れ子状の配置となっている。そして、一方のグループXの搬送機構が右方向に移動したとき、他方のグループYの搬送機構は左方向に移動する。また、一方のグループXの搬送機構が左方向に移動したとき、他方のグループYの搬送機構は右方向に移動する。このように、2つのグループX,Yの搬送機構は相補的に移動する。
【0065】
この構成において、搬送テーブル列261及び361の組が1つのワークWの搬送ルートを形成する。搬送テーブル列262及び362の組が1つのワークWの搬送ルートを形成する。それにより、2つのワーク搬送ルートが形成されている。
【0066】
なお、図しないが、2つのワーク搬送ルートに対応してワーク搬入のベルトコンベア、ワーク搬出のベルトコンベアも増設されている。
【0067】
次に、上記2つのグループの搬送機構によるワークWの搬送について説明する。
【0068】
まず、図4(A)に示す初期状態において、制御部70は、グループXの搬送テーブル列261及び262を左側に移動し、その搬送テーブル26a、26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、既述ベルトコンベア41,41などによってワークW,Wが搬送されている。また、グループYの搬送テーブル列361及び362を右側に移動させ、それらの搬送テーブル36c,36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0069】
制御部70は、この状態からグループXの搬送テーブル列261及び262を上昇させ、ワークW,Wを搬送テーブル26a,26a上に吸引してベルトコンベア41,41の各ベルトよりも上の位置に保持する。次に、グループXの搬送テーブル列261及び262を前進(右方に移動)させて右側に1ステージ分移動させ、グループYの搬送テーブル列361及び362を後退(左方に移動)させて左側に1ステージ分移動させる。グループXの搬送テーブル列261及び262を下降させてワークW,Wを図示しない2つのアライメントテーブル16,16上に載せ、図4(B)の状態とする。この位置で、ワークW,Wのアライメント調整がそれぞれ行われる。
【0070】
アライメント調整終了後、制御部70は、グループYの搬送テーブル列361及び362を上昇させ、ワークW,Wをそれぞれ搬送テーブル36b,36b上に吸引してアライメントテーブル16,16よりも上の位置に保持させる。次に、グループYの搬送テーブル列361及び362を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時にグループXの搬送テーブル列261及び262を後退させて左側に1ステージ分移動させる。グループYの搬送テーブル列361及び362を下降させてワークW,Wをそれぞれ印刷テーブル18a乃至18c上に載せ、図5(A)の状態とする。この位置で、図示しない印刷機によってワークW,Wへの印刷が行われる。
【0071】
印刷終了後、制御部70は、グループXの搬送テーブル列261及び262を上昇させ、ワークW,Wをそれぞれ搬送テーブル26c,26c上に吸引して印刷テーブル18a乃至18cよりも上の位置に保持させる。次に、グループXの搬送テーブル列261及び262を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時にグルーブYの搬送テーブル列361及び362を後退させて左側に1ステージ分移動させる。グループXの搬送テーブル列261及び262を下降させて吸引を解除してワークW,Wを搬出ステージDの図示しないベルトコンベア42,42上に載せ、図5(B)の状態とする。ワークW,Wはベルトコンベアによって外部に搬送される。
【0072】
このようにして、複数のワークが同時並行して搬送される。なお、上述の実施例では、2つの搬送ルートで同時に2つのワークWを搬送する例を説明したが、同様にしてn個(複数)の搬送ルートを配置し、同時にn個のワークを搬送することが出来る。
【0073】
上述したワーク搬送機構の説明では説明の便宜のため、1つ又は2つのワークを搬送する基本的な動作を例として説明したが、通常の使用状態ではワークは連続的に搬送され、ワークに連続的に処理が施される。
【0074】
(実施例3)
図6乃至図10は、図1に示したワーク搬送装置における連続的なワーク搬送動作を説明する説明図である。各図において図1乃至図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0075】
図6(A)に示すように、ワーク搬送路に沿ってワークの進行方向にワーク搬入ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDが配置されている。ワーク搬送機構と特に関係のない部分の図示は省略されている。アライメント調整ステージBでは、ワークの位置調整用のカメラCM1、CM2のみが示されている。調整ピンなどによるアライメント調整機構などについては省略されている。また、印刷ステージCにおいては、スクリーン印刷に使用されるスキージSKのみが示され、印刷機構における他の要素は省略されている。
【0076】
まず、図6(A)に示すように、制御部70は、3つの搬送テーブル26a乃至26cを備える一方の搬送テーブル列26を左側に移動(後退)し、その搬送テーブル26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、ベルトコンベア41によってワークW11が外部から搬送されてくる。また、他方の搬送テーブル列36を右側に移動(前進)させ、その搬送テーブル36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0077】
次に、図6(B)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を上昇させ、ワークW11をベルトコンベア41のベルト41a,41bよりも上の位置に保持する。このとき、ワークW11は搬送テーブル26aの複数の吸気孔28で吸引されて搬送テーブル26a上に着脱可能に保持される。
【0078】
図6(C)に示すように、制御部70は、一方の搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、ワークW11をアライメントテーブル16(後ろアライメントテーブル16a,前アライメントテーブル16b)上に移動する。また、他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。
【0079】
図7(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を下降させてワークW11をアライメントテーブル16(16a,16b)上に載せ、ワークW11の保持を解除する。ワークW11はアライメントテーブル16上に設けられた複数の吸気孔28により吸引されて適宜に保持される。この位置で、図示しないアライメント調整機構によってワークW11の位置調整が行われる。
図7(B)に示すように、ワークW11のアライメント調整中に後続のワークW12がベルトコンベア41によってワーク搬入ステージAに搬送される。
【0080】
図7(C)に示すように、ワークW11のアライメント調整終了後、制御部70は、ワークW11を搬送テーブル36b上に吸引し、アライメントテーブル16の吸引を停止して、搬送テーブル列36全体を上昇させ、アライメントテーブル16よりも上の位置でワークW11を保持させる。また、この上昇のときに、ワークW12を搬送テーブル36a上に吸引してベルトコンベア41よりも高い位置に保持させる。
【0081】
次に、図8(A)に示すように、搬送テーブル列36全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、ワークW11及びW12をそれぞれ印刷テーブル18及びアライメントテーブル16の上方に搬送する。同時に他方の搬送テーブル列26全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26の搬送テーブル26aはワーク搬入ステージAに戻る。
【0082】
その後、図8(B)に示すように、搬送テーブル列36全体を下降させてワークW11及びW12をそれぞれ印刷テーブル18及びアライメントテーブル16上に載せる。
【0083】
図8(C)に示すように、外部からワーク搬入ステージAにワークW13が搬送される。アライメント調整ステージBではワークW12のアライメント調整が行われる。印刷ステージCでは、ワークW11に印刷処理が行われる。
【0084】
アライメント調整及び印刷処理の終了後、図9(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を上昇させる。ワークW11、W12、及びW13はそれぞれ搬送テーブル26c、26b、及び26a上に吸引されて印刷テーブル18、アライメントテーブル16、ベルトコンベア41よりも上方の位置に保持される。
【0085】
次に、図9(B)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させる。それにより、ワークW11、W12、及びW13はそれぞれワーク搬出ステージD、印刷ステージC、及びアライメント調整ステージBの上方に搬送される。また、同時に他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列36の搬送テーブル36aはワーク搬入ステージAに戻る。
【0086】
図10(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を下降させる。ワークW11、W12、及びW13はそれぞれ搬出ステージDのベルトコンベア42、印刷テーブル18、及びアライメントテーブル16上に載置される。ワークW12、W13は適宜に保持(吸引)され、ワークW11の保持(吸引)は解除される。
【0087】
図10(B)に示すように、外部からワーク搬入ステージAにワークW14が搬送される。アライメント調整ステージBではワークW13のアライメント調整が行われる。印刷ステージCでは、ワークW12に印刷処理が行われる。ワークW11はを搬出ステージDのベルトコンベア42によって外部(後工程)に搬送される。
【0088】
図10(C)に示すように、アライメント調整及び印刷処理の終了後、制御部70は、搬送テーブル列36全体を上昇させる。ワークW12、W13、及びW14はそれぞれ搬送テーブル36c、36b、及び36a上に保持(吸引)されて印刷テーブル18、アライメントテーブル16、ベルトコンベア41よりも上方の位置に保持される。
【0089】
以後、図8(A)乃至図10(C)の過程を繰り返すことによって、ワークWが、ステージA乃至Dに連続的に搬送され、ワーク搬入、アライメント調整、印刷処理、及びワーク搬出がなされる。
【0090】
(実施例4)
本発明の他の実施の形態について図11乃至図14を参照して説明する。
各図において図1乃至図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0091】
図11は、同時に2つのワークを処理することができるワーク搬送装置の例を示している。同図のワーク搬送装置が既述図1のワーク搬送装置と異なる点は、図1の構成では各ステージ間を同時に搬送できるワークは1つであるのに対して、本実施例では、各ステージ間を同時に搬送できるワークWは2つ(複数)である。
【0092】
この実施例では、2つ(複数)のワークWに対して同時に処理を行うため、ワーク搬入ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDをそれぞれ搬送方向において直列に配置された2つ(複数)の機構によって同時処理が出来るように構成されている。これ等の各ステージに対応して搬送テーブル列26,36のテーブルには2つ(複数)の搬送テーブルが割り当てられている。
【0093】
例えば、ワーク搬入ステージAには、外部から2つのワークWが搬入される。アライメント調整ステージBは2つのアライメントテーブル(16a1と16b1,16a2と16b2)、図示しない2つのアライメント調整機構によって構成される。印刷ステージCは2つのワークW分の大型の印刷テーブル18(18a,18b)と図示しない2つの印刷機構によって構成されてる。印刷は図示のように手前から奥方向にスキージを移動することによってなされる。ワーク搬出ステージDでは、2つのワークWが同時に外部(後工程)に搬出される。
なお、この実施例では、1つのステージに対して2つの搬送テーブルを備える例が示されているが、1つのステージに対して進行方向において直列な(あるいは連結された)n(複数)個の搬送テーブルを備える構成とすることができることは明らかである。
【0094】
本実施例によれば、搬送路が1レーン構成であっても、直列に配置された、1ステージにつき2つ(複数)の搬送テーブルを使用することによって各ステージ間を同時に2つ(複数)のワークを移動することが出来る。
【0095】
(実施例5)
図12は、図11に示すワーク搬送装置の構成例において、ワーク搬入ステージA及びアライメント調整ステージBを1つのステージであるワーク受取アライメント調整部ABで構成した例を示している。ワーク受取アライメント調整部ABは、外部から搬入されたワークWの受け入れと、受け入れたワークWの印刷用の位置合わせ調整とを行う。このため、アライメントテーブル16の内側にベルトコンベア41が入り込む構成となっている。他の印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDは同様の構成であり、動作も同様である。
【0096】
この実施例の構成によれば、搬送テーブル列26、36の搬送テーブルを1ステージ分減らすことが出来る。
【0097】
(実施例6)
次に、複数の搬送レーンを並存した例について説明する。実施例では、説明の便宜上2つの搬送レーンで説明しているが、複数の搬送レーンで構成することが出来ることは明らかである。
【0098】
図13に示すように、ワークWを搬送する方向と直行する方向に2つ(複数)の搬送レーンが並べられている。1つのステージに対して2つの搬送レーンによって2つのワークW11とW12、W13とW14、…を並列的に供給する。
【0099】
この例では、搬送レーン相互間は近接しており、印刷テーブル18は、後ろ印刷テーブル18a、前印刷テーブルb、中印刷テーブルc、によって構成されている。それにより、2台分の印刷テーブルとして機能する。印刷は横方向(図の左右方向)においてスキージを移動することによって行われる。
各搬送レーンは、相互に同期して動作しても良く、また、非同期で動作しても良い。また、複数の搬送レーンのうち一部を動作させ、他を停止することとしても良い。
【0100】
この実施例の構成によれば、各搬送レーンを個別に制御することができるのでワーク処理量の増減に対応しやすい。また、図12の構成と比べて搬送路の全長を短くすることが出来る利点がある。
【0101】
(実施例7)
この実施例では、図14に示すように、ワーク搬送方向と直交する方に複数(n個)の搬送レーンが並存している。更に、各搬送レーンの搬送テーブル列が1ステージ当たり複数(m個)の搬送テーブルを備える。それにより、1つのステージに対して同時にn×m個のワークWを搬送する。
【0102】
この例では、ワーク搬入アライメント調整部ABには4つのアライメント調整機構(図示せず)が設けられる。印刷部Cにも4つの印刷機構(図示せず)が設けられる。各ステージには同時に4つのワークW11〜W14、W15〜W18、…が搬送される。
【0103】
この実施例においても、図13の場合と同様に、各搬送レーン相互間を同期した動作、非同期動作、各搬送レーン毎の個別動作などを選択することができる。
【0104】
この実施例によれば、同時に搬送するワークWの数を増大してワーク処理の効率を高めることができる利点がある。
【0105】
以上説明したように、本発明の実施例においては、複数の搬送テーブルを備える2つの搬送テーブル列の各列部材を交互に移動(往復動)し、搬送方向に移動する搬送テーブルにワークの保持を切換えることによってワークを搬送方向に移動する。このため、一方の搬送テーブル列の部材がワークを搬送する(往動)ときに、他方の搬送テーブル列の部材が戻る(復動)ので、ワークを途切れなく(連続的に)搬送することでき、単位時間当たりのワーク搬送数(ワーク搬送効率)を高くすることができる。
【0106】
また、本発明の実施例によれば、複数の搬送レーンを配置し、各搬送レーンに1ステージ当たり複数の搬送テーブルを割り当てることによってワーク搬送量を増大することが可能となる。
【0107】
また、本発明の実施例によれば、1つ又は複数個のワークによる列が複数のステージ間を直線的に移動する(搬送される)ので、流れのガイドによるワークの経路変更等が必要なく、ワークエッジなどへのダメージがない。
【0108】
また、本発明の実施例の装置構成と、回転テーブル上にワークを載置してワークを搬送する装置(ターンテーブル型のワーク搬送装置)とを比較した場合、ワークの搬送路が直線的であるので生産ラインの設計・配置が容易である。ワーク搬送装置が専有する床面積(設置面積)が大幅に減少し、搬送装置を相対的に小型化することができる。印刷システムや製造システム等への組み込みが容易である。また、搬送機構の重量も少なくて済むので、装置の低消費電力化や動作制御が容易であり、搬送速度を速くすることが可能である。
【0109】
また、本発明の実施例の装置構成と、ターンテーブル型やベルトコンベア型のワーク搬送装置とを比べた場合、移動機構の慣性質量が少ないので、ワーク搬送における各ステージでの位置合せ精度を高くすることができ、好都合である。
【0110】
なお、実施例ではワークを搬送してワークに印刷を施す例で説明したが、特定の処理に限定されるものではない。また、ワークとして、太陽電池基板、フラットディスプレイ(FPD)のガラス基板、半導体ウエハ等があげられるが、これ等のものに限定されるものではなく、本発明の機構によって搬送できるものであれば何でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によれば、往復動してワークを搬送するワーク搬送機構において、2つのワーク搬送機構を交互に動作させることにより、一方のワーク搬送機構が1つ又は複数のワークを保持して搬送するときに他方のワーク搬送機構を戻すことができ、途切れなくワークを搬送することができる。
【0112】
上述した発明の実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施例の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0113】
16 アライメントテーブル、18 印刷テーブル、20 第1搬送機構、22 スライダ、24、24a〜24c 昇降機構、26 第1搬送テーブル列、26a〜26c 搬送テーブル、28 吸気孔、30 第2搬送機構、32 スライダ、34a〜34c 昇降機構、36 第2搬送テーブル列、36a〜36c 搬送テーブル、38 吸気孔、41,42 ベルトコンベア、制御部70、CM1,CM2 カメラ、SK スキージ、A ワーク搬入ステージ、B アライメント調整ステージ、C 印刷ステージ、D ワーク搬出ステージ、W,W11−W18 ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象となるワークを処理位置の内外の位置に移動するワーク搬送装置に関し、特にワークの搬送効率を高めたワーク搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池基板、フラットディスプレイ(FPD)のガラス基板、半導体ウエハ等のワークに加工、処理、組み立て等を施す場合(以下、単に「処理」と称する。)、ワークを搬入位置あるいは導入位置から加工装置が設けられた処理位置まで移動し、処理されたワークを搬出位置(次工程)に移動することが必要である。このワークの所定位置間の搬送を行うために搬送装置が使用される。
【0003】
搬送装置には、例えば、ワークを載置するベルトコンベアやワークを載置する搬送テーブルなどが使用される。前者は連続的にワークを搬送することが出来るので単位時間当たりの搬送量(搬送効率)を上げやすいが、個々のワークの位置合せ精度を高くすることが難しい。後者は搬送テーブルにワークの保持機構を設けることが出来、また、搬送テーブル毎にワークや搬送テーブルの位置合せが可能で位置合せ精度を高くすることが可能であるが、搬送テーブルを所定の位置に空荷状態で戻す状態(工程)が生じるのでワークの搬送効率を上げにくい。
【0004】
そこで、例えば、特開2010−18356号公報に記載の発明(特許文献1)は、共用ネジ軸上に第1及び第2搬送機構(パレット)を直列(一列)に設けてワークの各ステーションへの投入と取り出しとを各搬送機構で分担するようにした搬送装置を提案している。また、特開2007−238237号公報に記載の発明は、複数台のワーク処理装置に対してワークを選択的に搬送するために、ワークをテーブルに載置して搬送する搬送装置を上下方向に複数段配設したワーク搬送装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−18356号公報
【特許文献2】特開2007−238237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した第1及び第2搬送機構を直列に配置して各搬送機構の搬送テーブルを別々に動作させる場合であっても往復移動する各搬送テーブルの動作にはそれぞれ非搬送時間(空荷の戻り時間)が存在する。また、一方の搬送テーブルの位置(移動範囲)に他方の搬送テーブルの移動可能範囲(位置)が制約されるためシステムの制御が複雑である。
【0007】
また、上述した上下方向に搬送装置を複数段配設した場合であっても各段の搬送機構の動作において往復移動する搬送テーブルの戻り時間(空荷)は存在する。
【0008】
よって、本発明の第一の課題は、ワークの搬送効率の良いワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の第二の課題は、上記第一の課題に加えて搬送機構が比較的に簡便であり、各種のプロセス対応やプロセス装置との組み合わせが容易なワーク搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決する本発明のワーク搬送装置の態様の一つは、搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送する搬送装置であって、並存して上記ワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、上記第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、上記第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第1搬送テーブル列を上記搬送方向において前進及び後退し、上記第2搬送機構は、上記搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第2搬送テーブル列を上記搬送方向において前進及び後退し、上記制御部は、上記第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を一方の搬送テーブル列側から他方の搬送テーブル列側に切換える。
【0011】
かかる構成とすることによって、ワークを一方向又はその逆方向に搬送することができる。第1(又は第2)の搬送機構の搬送テーブル列が搬送方向にワークを移動(前進)するときに、第2(又は第1)の搬送機構の搬送テーブル列が搬送方向と逆方向に移動(後退)する(搬送テーブルが戻る)ので、ワーク搬送における搬送テーブルの戻り時間のロスを実質的に解消することができ、ワークの搬送効率を向上することが出来る。
【0012】
好ましくは、本発明のワーク搬送装置は、更に、上記第1搬送機構が、上記第1搬送テーブル列を上下動する第1上下動機構を含み、上記第2搬送機構が、上記第2搬送テーブル列を上下動する第2上下動機構を含み、上記制御部が、上記進退に際し、上記第1及び第2搬送機構のうちの一方の搬送機構の搬送テーブル列を他方の搬送機構の搬送テーブル列よりも相対的に上昇させる。
【0013】
かかる構成とすることによって、一方の搬送テーブルに載置されたワークと、他方の相補的に(逆方向に)移動する搬送テーブルとの間で擦れることがなく、具合がよい。2つの搬送テーブル列に高さの差が出来れば良く、一方の搬送テーブル列のみが昇降する構成でも良い。ワークとの擦れが問題にならない場合には、上下動機構を省略可能である。
【0014】
好ましくは、上記制御部は、上記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える。それにより、上記ワークを搬送方向に移動することが出来る。
【0015】
好ましくは、上記制御部は、上記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を後退した搬送テーブル列側から前進した搬送テーブル列側に切換える。それにより、上記ワークを逆搬送方向に移動することが出来る。
【0016】
上記搬送テーブルは、載置された上記ワークを保持するワーク保持機構を含み、上記制御部は、上記ワーク保持機構を制御することが望ましい。それにより、一方の側の搬送テーブルから他方の側の搬送テーブルにワークの保持を切換える(ワークを移動する)ことが出来る。
【0017】
上記ワーク保持機構が上記ワークを上記搬送テーブル上に吸引する吸引機構であることが望ましい。それにより、吸引を切り換えることによって簡単にワークの搬送テーブル間の移動が可能となって具合がよい。なお、保持(吸引、吸着)は、負圧を形成する空気(流体)による吸引、静電力による吸引、電磁力による吸引等であっても良い。
【0018】
更に、上記第1搬送機構及び上記第2搬送機構が複数組配置され、上記制御部は、各組の一方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に前進させ、各組の他方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に後退させることが望ましい。それによって、複数のワーク搬送路を構成することができ、ワーク搬送効率を向上することができる。
【0019】
上記各組の一方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結され、上記各組の他方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結さることが望ましい。それによって、複数の搬送テーブル列の動きが同じになる。
【0020】
また、各搬送テーブル列における搬送テーブル相互間の距離が上記複数のステージの各ステージ相互間の距離に対応していることが望ましい。それによって、各ステージ位置で各列の搬送テーブルの停止位置が同期する。
【0021】
上記第1及び第2搬送テーブル列の各々は、上記搬送方向に延在し、上記複数の搬送テーブルの位置に対応して複数の吸引孔が設けられた棒状の部材によって構成されることが望ましい。それにより、搬送テーブル列として一体的に動作する構造体が得られる。
【0022】
上記第1及び第2搬送テーブル列の列上に上記ワークが保持される。それにより、ワークの下に第1及び第2搬送テーブルを並存させ、ワークを移動(変動)させることなくワークを交互に保持することが可能となる。
【0023】
上記ステージは、搬入ステージ、アライメントステージ、印刷ステージ、搬出ステージのうち少なくともいずれかのステージを含むことが望ましい。それにより、ワーク搬送効率の良い印刷処理系統を構成することが出来る。
【0024】
上記ステージには、上記搬送テーブルと面一になる作業テーブルが配置されることが望ましい。それにより、搬送テーブルと作業テーブルとを合わせてワークへの作業用スペースとすることができる。
【0025】
また、本発明のワーク搬送方法の一態様は、ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、上記2つの搬送テーブル列を該搬送テーブル列の搬送テーブル間隔に対応した距離で交互に進退させ、各搬送テーブル列が交互に前進するときに当該前進する搬送テーブル列に上記ワークを保持させて上記ワークを搬送する。ここで、交互に進退とは2つの搬送テーブル列間の動きにおいて相対的なものであればよい。
【0026】
かかる方法によれば、交互に進退する2つの搬送テーブル列よりなる搬送路上をワークが一方向に向かって移動することになる。
【0027】
また、上記交互に進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、上記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側(前進が終了してこれから後退を開始する搬送テーブル列側)から後退した搬送テーブル列側(後退が終了してこれから前進を開始する搬送テーブル列側)に切換える、ことが望ましい。それにより、ワークが2つの搬送テーブル列間を交互に移動して一方向(前進方向)に搬送される。ワークをこれから後退を開始する搬送テーブル列側に保持すれば、ワークは逆方向(後退方向)に搬送される。
【0028】
上記2つの搬送テーブル列の進退において、前進する搬送テーブル列は後退する搬送テーブル列よりも相対的に高い位置を移動することが望ましい。それにより、搬送テーブルに保持されて前進するワークと後退する搬送テーブルとのこすれを回避することができる。
【0029】
上記2つの搬送テーブル列が1つのワーク又は複数のワークの列を交互に保持して前進する、ことが望ましい。それにより、1つのワーク又は複数のワークの列が2つの搬送テーブル列で搬送される。
【0030】
上記2つの搬送テーブル列が少なくとも1つのワークの下に存在して交互に進退することが望ましい。それにより、ワークを保持する搬送テーブルの切り換えに伴ってワークが位置変動することを回避することができ、ワークを直線的に移動(搬送)することが出来る。
【0031】
上記ワークの交互の保持は上記2つの搬送テーブル列の一方の列の搬送テーブルと他方の列の搬送テーブルとで上記ワークを交互に吸引することによって行われることが望ましい。それにより、ワークの保持や保持の切換を容易に行うことができる。吸引(吸着)は、エア吸引、静電力吸引、磁気力吸引等が望ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、往復動(進退)する2つの搬送テーブル列により、ワークが交互に保持され、1つ又は複数のワークが一方向に導出される。一方の搬送テーブル列がワークを一方向に搬送するときに、同時に他方の搬送テーブル列が逆方向に戻る動作を、2つの搬送テーブル列の各々が交互に繰り返すので、搬送テーブルの戻り時間によるロスが実質的に生じない。
【0033】
また、本発明によれば、同じ構成の搬送テーブル列のペアで基本となるワーク搬送機構を構成することができるので、装置構成が比較的に簡単で済む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のワーク搬送装置の構成例を説明する説明図である。
【図2】本発明のワーク搬送装置の構成例(搬送テーブル列上昇の場合)を説明する説明図である。
【図3】本発明の2つの搬送テーブル列によるワーク搬送原理を説明する説明図である。
【図4】本発明の2つにグループ化された複数の搬送テーブル列による同時複数ワークの搬送例を説明する説明図である。
【図5】本発明のワーク搬送装置による2つ(複数)のワーク搬送を説明する説明図である。
【図6】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図7】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図8】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図9】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図10】本発明のワーク搬送装置による連続的なワーク搬送を説明する説明図である。
【図11】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(直列2枚送り)を説明する説明図である。
【図12】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(3ステージ)を説明する説明図である。
【図13】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(並列2枚送り)を説明する説明図である。
【図14】本発明のワーク搬送装置の他の実施例(直並列4枚送り)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しつつ、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下の実施例では、本発明のワーク搬送装置を印刷システム(スクリーン印刷装置)に適用したものを例に説明するが、本発明のワーク搬送装置が適用されるものはこれに限られず、例えば、液晶表示器の製造装置、有機EL表示器の製造装置、プラズマ表示器の製造装置、半導体装置の製造装置、多色印刷装置等にも使用可能である。
【0036】
本発明の実施形態においては、ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、2つの搬送テーブル列の延在方向において一方の搬送テーブル列を他方の搬送テーブル列に対して相対的に前進し、他方の搬送テーブル列を一方の搬送テーブルに対して相対的に後退することを繰り返し、進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換えることを繰り返してワークを搬送する。
【0037】
(実施例1)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明のワーク搬送装置の一態様の概略を示しており、図1(A)はワーク搬送装置の上面図、同図(B)はワーク搬送装置の正面図である。図2は、図1の構成において、後述する第1搬送テーブル列26を上昇した場合のワーク搬送装置の状態を示しており、図2(A)は上面図、同図(B)は正面図である。この実施例においては、ワークWが図示の左側から右側に向かって移動する例を示している。各図において対応する部分には同一符号を付している。
【0038】
図1に示すように、ワーク搬送装置1は、大別して、ベース部10、第1搬送機構20、第2搬送機構30、搬入(あるいは受取)ベルトコンベア41、搬出ベルトコンベア42、制御部70等によって構成される。
【0039】
ワーク搬送装置1のベース部10は搬送機構を組み立てるフレーム12を構成している。フレーム12の内部には、エア吸引を行う吸入ポンプ、高圧エアを形成するエアポンプ、フィルタ、電磁弁、エア配管、配電盤、モータの制御装置などが設けられている。フレーム12の上面に、図示の左側から右側に向かって、搬入ベルトコンベア41、第1搬送機構20及び第2搬送機構30の組からなる搬送機構、搬出ベルトコンベア42などによってワークWの搬送路が1レーン分形成されている。後述のように、複数の搬送路(複数の搬送レーン)を並設してワークの搬送効率を上げることができる。
【0040】
また、フレーム12の上には、上記搬送路に沿って、例えば、ワーク搬入(あるいは受取り)ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、ワーク搬出ステージDが配置される。図示しない前工程(外部)から供給されたワークWは、搬入ベルトコンベア41の2つの搬送ベルト41a,41bに載置されてワーク搬入ステージAに搬送される。ステージAに搬送されたワークWは、以下に述べる第1搬送機構20及び第2搬送機構30による搬送機構によって、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、ワーク搬出ステージDに順次搬送される。ステージBにはワークWの位置を調整するアライメント調整のためのアライメントテーブル16(後ろアライメントテーブル16a,前アライメントテーブル16b)と図示しない公知の位置調整機構が設けられている。ステージCにはワークWに印刷(処理)を施すためにワークWを載置する印刷テーブル(作業テーブル)18(後ろ印刷テーブル18a,前印刷テーブル18b)と図示しない公知の印刷機構(所望の処理機構)が設けられている。印刷テーブル18の上面と搬送テーブル26cの上面は同じ高さであり、同一平面(平坦面)を形成する。実施例では、ワークWとしての基板にスクリーン印刷によって電気配線や端子を形成している。ワーク搬出ステージDに搬送されたワークWは搬出ベルトコンベア42の2つの搬送ベルト42a,42bに載置されて図示しない次工程に搬送される。
【0041】
第1搬送機構20は、フレーム12の上面に配置されたレール21、レール21上を図1の左右方向に移動するスライダー22、スライダー22に設けられた昇降(上下動)機構24a〜24c、昇降機構24a〜24cによって支持される搬送テーブル列(第1搬送テーブル列)26を備えている。
【0042】
なお、図1(B)では、昇降機構24b及び24cは手前に存在する第2搬送機構30の昇降機構34a及び34bの陰に存在している。
【0043】
スライダー22はリニアモータ、位置センサを内蔵し、スライダー22とレール21間に介在するするリニアガイド(図示せず)によってレール21上を滑らかに移動する。リニアモータは公知の技術によって制御され、スライダー22停止位置は所要の精度が確保されている。なお、送りネジ機構や往復動するベルトなどによってスライダー22を移動制御しても良い。
【0044】
昇降(上下動)機構24a〜24cは、例えば、既述高圧エアによってピストンロッドが上下方向に移動するエアシリンダ機構によって構成することが出来る。電磁石やネジ送り機構などによって構成しても良い。昇降機構24a〜24cは、制御部70からの指令信号に応答して搬送テーブル列26全体を上昇させ、あるいは下降させる。なお、搬送テーブルを個別に昇降する構成としても良い。
【0045】
搬送テーブル列26は、平坦な上面に保持手段としての複数の吸気孔28が設けられた搬送テーブル26a〜26c相互間を、結合部材を介して連結して構成されている(後述の図6参照)。実施例では、搬送テーブル列26は棒状の搬送方向に延在する長手部材によって構成されているが、これに限定されるものではない。
【0046】
搬送テーブル列26(搬送テーブル26a〜26c)は、スライダー22によって左右方向に移動し、昇降(上下動)機構24(24a〜24c)によって上下方向に移動する。これ等の移動制御は制御部70によって行われる。
【0047】
上記第1搬送機構20と並行して第2搬送機構30が設けられる。搬送機構30は搬送機構20と同様に構成され、2つの搬送機構20及び30によって1つのワークWを搬送する搬送路を形成する。
【0048】
すなわち、第2搬送機構30は、フレーム12の上面に配置されたレール31、レール31上を図1の左右方向に移動するスライダー32、スライダー32に設けられた昇降(上下動)機構34a〜34c、昇降機構34a〜34cによって支持される搬送テーブル列(第1搬送テーブル列)36を備えている。
【0049】
スライダー32はリニアモータ、位置センサを内蔵し、スライダー32とレール31間に介在するするリニアガイド(図示せず)によってレール31上を滑らかに移動する。リニアモータは公知の技術によって制御され、スライダー32の停止位置は所要の精度が確保されている。なお、送りネジ機構や往復動するベルトなどによってスライダー32の移動を制御しても良い。
【0050】
昇降(上下動)機構34a〜34cは、例えば、既述高圧エアによってピストンロッドが上下方向に移動するエアシリンダ機構によって構成することが出来る。電磁石やネジ送り機構などによって構成しても良い。昇降機構34a〜34cは、制御部70からの指令信号に応答して搬送テーブル列36全体を上昇させ、あるいは下降させる。なお、搬送テーブルを個別に昇降する構成としても良い。
【0051】
搬送テーブル列36は、平坦な上面に保持手段としての複数の吸気孔38が設けられた搬送テーブル36a〜36cの相互間を結合部材で連結して構成されている。実施例では、搬送テーブル列36は棒状の搬送方向に延在する長手部材によって構成されているが、これに限定されるものではない。
搬送テーブル列36(搬送テーブル36a〜36c)は、スライダー32によって左右方向に移動し、昇降(上下動)機構34(34a〜34c)によって上下方向に移動する。
【0052】
図2は、図1の構成において搬送機構20の搬送テーブル列26全体を昇降機構24(24a〜24c)によって上昇させた例を示している。同図に示すように、搬送テーブル列26を所定量y上昇させることによってワークWをベルトコンベア41から搬送テーブル26a上に移動する。搬送テーブル26aの吸気孔28によってワークWを吸着することによってワークWが搬送テーブル26aに保持される。この状態で搬送テーブル列26を次のステージに移動し、所定量y下降することによって、ワークWをアライメントテーブル上に移動することができる。上記所定上昇量及び下降量yは、部材相互間(ベルトコンベアと搬送テーブル間、搬送テーブルとアライメント/作業テーブル間、アライメント/作業テーブルと搬送テーブル間)のワークWの移動に必要な距離に設定される。また、搬送テーブル列20及び30の相補的な移動(前進と後退)の際に搬送テーブルとワークWとが接触しない距離に設定される。
【0053】
次に、制御部70による2つの搬送テーブル列の制御によってワークWが各ステージ間を移動する理由について図3を参照して説明する。図3において、図1、図2と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
図3に示すように、既述4つのステージA〜Dに対応して搬送テーブル列26及び36の3つの搬送テーブル26a〜26c、36a〜36cの各間隔が設定されている。また、各搬送テーブルの停止位置と各ステージの位置とは対応する(同期する)ように制御される。制御部70は以下のように各部の動作を制御する。
【0054】
まず、図3(A)に示す初期状態において、制御部70は、一方の搬送テーブル列26を左側に移動し、その搬送テーブル26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、ベルトコンベア41によってワークWが搬送されている。また、他方の搬送テーブル列36を右側に移動させ、その搬送テーブル36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0055】
制御部70は、この状態から搬送テーブル列26を上昇させ、ワークWを搬送テーブル26a上に吸引してベルトコンベア41のベルト41a,41bよりも上の位置に保持する。次に、一方の搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26全体を下降させてワークWをアライメントテーブル16上に載せ、図3(B)の状態とする。この位置で、ワークWのアライメント調整が行われる。
【0056】
アライメント調整終了後、制御部70は、搬送テーブル列36を上昇させ、ワークWを搬送テーブル36b上に吸引してアライメントテーブル16よりも上の位置に保持させる。次に、搬送テーブル列36全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時に他方の搬送テーブル列26全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列36全体を下降させてワークWを印刷テーブル18上に載せ、図3(C)の状態とする。この位置で、ワークWへの印刷が行われる。
【0057】
印刷終了後、制御部70は、搬送テーブル列26を上昇させ、ワークWを搬送テーブル26c上に吸引して印刷テーブル18よりも上の位置に保持させる。次に、搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時に他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26全体を下降させて吸引を解除してワークWを搬出ステージDのベルトコンベア42上に載せ、図3(D)の状態とする。ワークWは外部に搬送される。
【0058】
上記は説明の便宜上、1つのワークWの搬送について説明したが、後述のようにワーク搬入ステージAで搬送テーブル26a及び36aが交互にワークWを吸引することで、ワークWを連続的に搬送することが出来る。
【0059】
このように、本実施例によれば、往復動(進退)する2つの搬送テーブル列により、ワークが交互に保持され、1つ又は複数のワークが一方向に導出される。一方の搬送テーブル列がワークを一方向に搬送するときに、同時に他方の搬送テーブル列が逆方向に戻る動作を、2つの搬送テーブル列の各々が交互に繰り返すので、搬送テーブルの戻り時間によるロスが実質的に生じない。
【0060】
また、本実施例によれば、ワークを保持して搬送する2つの搬送テーブル列26及び36を搬送路に沿って並存し、一方の搬送テーブル列と他方の搬送テーブル列とを相補的に移動(前進、後退)することを繰り返し、進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が当該ステージ位置で同期(一致)したときに、ワークWの保持を、ワークWを保持して前進した搬送テーブル列側から後退して次に前進する搬送テーブル列側に切換えることにより、ワークWが2つの搬送テーブル列の搬送テーブルを交互に乗り換えて前方に移動し、搬送される。
【0061】
(実施例2)
図4及び図5は、上述した2つの搬送テーブル列による搬送機構を複数レーン(実施例では2レーン)設置して、複数のワークWを同時並列的に搬送する例を示す説明図である。同図において図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0062】
図4に示すように、既述した搬送テーブル列26は搬送テーブル列261と262で構成され、搬送テーブル列36は搬送テーブル列361と362で構成される。平行に配置された2つの搬送機構の搬送テーブル列261と262とがそれらの各左端部で連結部材26eによって連結されて、「コ」の字状に構成されている。それにより、搬送テーブル列261と262は同じ動きをする(動きが同期している)。また、平行に配置された2つの搬送機構の搬送テーブル列361と362とがそれらの各右端部で連結部材36eによって連結されて、「コ」の字状に構成されている。それにより、搬送テーブル列361と362は同じ動きをする(動きが同期している)。
【0063】
なお、スライダや昇降機構の個別の制御によって組となっている搬送テーブル列の動きを正確に同期させことが出来る場合には連結部材26e、36eを用いなくとも良い。また、後述の実施例では、並存する複数の搬送レーンを同期させて動作させたり、非同期動作としたり、一部を動作させて他を停止したりすることができる(図13、図14を参照)。
【0064】
上述した「コ」の字状の2つのグループの搬送機構はそれらの開放側で互いに対向し、いわゆる入れ子状の配置となっている。そして、一方のグループXの搬送機構が右方向に移動したとき、他方のグループYの搬送機構は左方向に移動する。また、一方のグループXの搬送機構が左方向に移動したとき、他方のグループYの搬送機構は右方向に移動する。このように、2つのグループX,Yの搬送機構は相補的に移動する。
【0065】
この構成において、搬送テーブル列261及び361の組が1つのワークWの搬送ルートを形成する。搬送テーブル列262及び362の組が1つのワークWの搬送ルートを形成する。それにより、2つのワーク搬送ルートが形成されている。
【0066】
なお、図しないが、2つのワーク搬送ルートに対応してワーク搬入のベルトコンベア、ワーク搬出のベルトコンベアも増設されている。
【0067】
次に、上記2つのグループの搬送機構によるワークWの搬送について説明する。
【0068】
まず、図4(A)に示す初期状態において、制御部70は、グループXの搬送テーブル列261及び262を左側に移動し、その搬送テーブル26a、26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、既述ベルトコンベア41,41などによってワークW,Wが搬送されている。また、グループYの搬送テーブル列361及び362を右側に移動させ、それらの搬送テーブル36c,36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0069】
制御部70は、この状態からグループXの搬送テーブル列261及び262を上昇させ、ワークW,Wを搬送テーブル26a,26a上に吸引してベルトコンベア41,41の各ベルトよりも上の位置に保持する。次に、グループXの搬送テーブル列261及び262を前進(右方に移動)させて右側に1ステージ分移動させ、グループYの搬送テーブル列361及び362を後退(左方に移動)させて左側に1ステージ分移動させる。グループXの搬送テーブル列261及び262を下降させてワークW,Wを図示しない2つのアライメントテーブル16,16上に載せ、図4(B)の状態とする。この位置で、ワークW,Wのアライメント調整がそれぞれ行われる。
【0070】
アライメント調整終了後、制御部70は、グループYの搬送テーブル列361及び362を上昇させ、ワークW,Wをそれぞれ搬送テーブル36b,36b上に吸引してアライメントテーブル16,16よりも上の位置に保持させる。次に、グループYの搬送テーブル列361及び362を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時にグループXの搬送テーブル列261及び262を後退させて左側に1ステージ分移動させる。グループYの搬送テーブル列361及び362を下降させてワークW,Wをそれぞれ印刷テーブル18a乃至18c上に載せ、図5(A)の状態とする。この位置で、図示しない印刷機によってワークW,Wへの印刷が行われる。
【0071】
印刷終了後、制御部70は、グループXの搬送テーブル列261及び262を上昇させ、ワークW,Wをそれぞれ搬送テーブル26c,26c上に吸引して印刷テーブル18a乃至18cよりも上の位置に保持させる。次に、グループXの搬送テーブル列261及び262を前進させて右側に1ステージ分移動させ、同時にグルーブYの搬送テーブル列361及び362を後退させて左側に1ステージ分移動させる。グループXの搬送テーブル列261及び262を下降させて吸引を解除してワークW,Wを搬出ステージDの図示しないベルトコンベア42,42上に載せ、図5(B)の状態とする。ワークW,Wはベルトコンベアによって外部に搬送される。
【0072】
このようにして、複数のワークが同時並行して搬送される。なお、上述の実施例では、2つの搬送ルートで同時に2つのワークWを搬送する例を説明したが、同様にしてn個(複数)の搬送ルートを配置し、同時にn個のワークを搬送することが出来る。
【0073】
上述したワーク搬送機構の説明では説明の便宜のため、1つ又は2つのワークを搬送する基本的な動作を例として説明したが、通常の使用状態ではワークは連続的に搬送され、ワークに連続的に処理が施される。
【0074】
(実施例3)
図6乃至図10は、図1に示したワーク搬送装置における連続的なワーク搬送動作を説明する説明図である。各図において図1乃至図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0075】
図6(A)に示すように、ワーク搬送路に沿ってワークの進行方向にワーク搬入ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDが配置されている。ワーク搬送機構と特に関係のない部分の図示は省略されている。アライメント調整ステージBでは、ワークの位置調整用のカメラCM1、CM2のみが示されている。調整ピンなどによるアライメント調整機構などについては省略されている。また、印刷ステージCにおいては、スクリーン印刷に使用されるスキージSKのみが示され、印刷機構における他の要素は省略されている。
【0076】
まず、図6(A)に示すように、制御部70は、3つの搬送テーブル26a乃至26cを備える一方の搬送テーブル列26を左側に移動(後退)し、その搬送テーブル26aをワーク搬入ステージAに位置させている。ワーク搬入ステージAには、ベルトコンベア41によってワークW11が外部から搬送されてくる。また、他方の搬送テーブル列36を右側に移動(前進)させ、その搬送テーブル36cをワーク搬出ステージDに位置させている。
【0077】
次に、図6(B)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を上昇させ、ワークW11をベルトコンベア41のベルト41a,41bよりも上の位置に保持する。このとき、ワークW11は搬送テーブル26aの複数の吸気孔28で吸引されて搬送テーブル26a上に着脱可能に保持される。
【0078】
図6(C)に示すように、制御部70は、一方の搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、ワークW11をアライメントテーブル16(後ろアライメントテーブル16a,前アライメントテーブル16b)上に移動する。また、他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。
【0079】
図7(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を下降させてワークW11をアライメントテーブル16(16a,16b)上に載せ、ワークW11の保持を解除する。ワークW11はアライメントテーブル16上に設けられた複数の吸気孔28により吸引されて適宜に保持される。この位置で、図示しないアライメント調整機構によってワークW11の位置調整が行われる。
図7(B)に示すように、ワークW11のアライメント調整中に後続のワークW12がベルトコンベア41によってワーク搬入ステージAに搬送される。
【0080】
図7(C)に示すように、ワークW11のアライメント調整終了後、制御部70は、ワークW11を搬送テーブル36b上に吸引し、アライメントテーブル16の吸引を停止して、搬送テーブル列36全体を上昇させ、アライメントテーブル16よりも上の位置でワークW11を保持させる。また、この上昇のときに、ワークW12を搬送テーブル36a上に吸引してベルトコンベア41よりも高い位置に保持させる。
【0081】
次に、図8(A)に示すように、搬送テーブル列36全体を前進させて右側に1ステージ分移動させ、ワークW11及びW12をそれぞれ印刷テーブル18及びアライメントテーブル16の上方に搬送する。同時に他方の搬送テーブル列26全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列26の搬送テーブル26aはワーク搬入ステージAに戻る。
【0082】
その後、図8(B)に示すように、搬送テーブル列36全体を下降させてワークW11及びW12をそれぞれ印刷テーブル18及びアライメントテーブル16上に載せる。
【0083】
図8(C)に示すように、外部からワーク搬入ステージAにワークW13が搬送される。アライメント調整ステージBではワークW12のアライメント調整が行われる。印刷ステージCでは、ワークW11に印刷処理が行われる。
【0084】
アライメント調整及び印刷処理の終了後、図9(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を上昇させる。ワークW11、W12、及びW13はそれぞれ搬送テーブル26c、26b、及び26a上に吸引されて印刷テーブル18、アライメントテーブル16、ベルトコンベア41よりも上方の位置に保持される。
【0085】
次に、図9(B)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を前進させて右側に1ステージ分移動させる。それにより、ワークW11、W12、及びW13はそれぞれワーク搬出ステージD、印刷ステージC、及びアライメント調整ステージBの上方に搬送される。また、同時に他方の搬送テーブル列36全体を後退させて左側に1ステージ分移動させる。搬送テーブル列36の搬送テーブル36aはワーク搬入ステージAに戻る。
【0086】
図10(A)に示すように、制御部70は、搬送テーブル列26全体を下降させる。ワークW11、W12、及びW13はそれぞれ搬出ステージDのベルトコンベア42、印刷テーブル18、及びアライメントテーブル16上に載置される。ワークW12、W13は適宜に保持(吸引)され、ワークW11の保持(吸引)は解除される。
【0087】
図10(B)に示すように、外部からワーク搬入ステージAにワークW14が搬送される。アライメント調整ステージBではワークW13のアライメント調整が行われる。印刷ステージCでは、ワークW12に印刷処理が行われる。ワークW11はを搬出ステージDのベルトコンベア42によって外部(後工程)に搬送される。
【0088】
図10(C)に示すように、アライメント調整及び印刷処理の終了後、制御部70は、搬送テーブル列36全体を上昇させる。ワークW12、W13、及びW14はそれぞれ搬送テーブル36c、36b、及び36a上に保持(吸引)されて印刷テーブル18、アライメントテーブル16、ベルトコンベア41よりも上方の位置に保持される。
【0089】
以後、図8(A)乃至図10(C)の過程を繰り返すことによって、ワークWが、ステージA乃至Dに連続的に搬送され、ワーク搬入、アライメント調整、印刷処理、及びワーク搬出がなされる。
【0090】
(実施例4)
本発明の他の実施の形態について図11乃至図14を参照して説明する。
各図において図1乃至図3と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
【0091】
図11は、同時に2つのワークを処理することができるワーク搬送装置の例を示している。同図のワーク搬送装置が既述図1のワーク搬送装置と異なる点は、図1の構成では各ステージ間を同時に搬送できるワークは1つであるのに対して、本実施例では、各ステージ間を同時に搬送できるワークWは2つ(複数)である。
【0092】
この実施例では、2つ(複数)のワークWに対して同時に処理を行うため、ワーク搬入ステージA、アライメント調整ステージB、印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDをそれぞれ搬送方向において直列に配置された2つ(複数)の機構によって同時処理が出来るように構成されている。これ等の各ステージに対応して搬送テーブル列26,36のテーブルには2つ(複数)の搬送テーブルが割り当てられている。
【0093】
例えば、ワーク搬入ステージAには、外部から2つのワークWが搬入される。アライメント調整ステージBは2つのアライメントテーブル(16a1と16b1,16a2と16b2)、図示しない2つのアライメント調整機構によって構成される。印刷ステージCは2つのワークW分の大型の印刷テーブル18(18a,18b)と図示しない2つの印刷機構によって構成されてる。印刷は図示のように手前から奥方向にスキージを移動することによってなされる。ワーク搬出ステージDでは、2つのワークWが同時に外部(後工程)に搬出される。
なお、この実施例では、1つのステージに対して2つの搬送テーブルを備える例が示されているが、1つのステージに対して進行方向において直列な(あるいは連結された)n(複数)個の搬送テーブルを備える構成とすることができることは明らかである。
【0094】
本実施例によれば、搬送路が1レーン構成であっても、直列に配置された、1ステージにつき2つ(複数)の搬送テーブルを使用することによって各ステージ間を同時に2つ(複数)のワークを移動することが出来る。
【0095】
(実施例5)
図12は、図11に示すワーク搬送装置の構成例において、ワーク搬入ステージA及びアライメント調整ステージBを1つのステージであるワーク受取アライメント調整部ABで構成した例を示している。ワーク受取アライメント調整部ABは、外部から搬入されたワークWの受け入れと、受け入れたワークWの印刷用の位置合わせ調整とを行う。このため、アライメントテーブル16の内側にベルトコンベア41が入り込む構成となっている。他の印刷ステージC、及びワーク搬出ステージDは同様の構成であり、動作も同様である。
【0096】
この実施例の構成によれば、搬送テーブル列26、36の搬送テーブルを1ステージ分減らすことが出来る。
【0097】
(実施例6)
次に、複数の搬送レーンを並存した例について説明する。実施例では、説明の便宜上2つの搬送レーンで説明しているが、複数の搬送レーンで構成することが出来ることは明らかである。
【0098】
図13に示すように、ワークWを搬送する方向と直行する方向に2つ(複数)の搬送レーンが並べられている。1つのステージに対して2つの搬送レーンによって2つのワークW11とW12、W13とW14、…を並列的に供給する。
【0099】
この例では、搬送レーン相互間は近接しており、印刷テーブル18は、後ろ印刷テーブル18a、前印刷テーブルb、中印刷テーブルc、によって構成されている。それにより、2台分の印刷テーブルとして機能する。印刷は横方向(図の左右方向)においてスキージを移動することによって行われる。
各搬送レーンは、相互に同期して動作しても良く、また、非同期で動作しても良い。また、複数の搬送レーンのうち一部を動作させ、他を停止することとしても良い。
【0100】
この実施例の構成によれば、各搬送レーンを個別に制御することができるのでワーク処理量の増減に対応しやすい。また、図12の構成と比べて搬送路の全長を短くすることが出来る利点がある。
【0101】
(実施例7)
この実施例では、図14に示すように、ワーク搬送方向と直交する方に複数(n個)の搬送レーンが並存している。更に、各搬送レーンの搬送テーブル列が1ステージ当たり複数(m個)の搬送テーブルを備える。それにより、1つのステージに対して同時にn×m個のワークWを搬送する。
【0102】
この例では、ワーク搬入アライメント調整部ABには4つのアライメント調整機構(図示せず)が設けられる。印刷部Cにも4つの印刷機構(図示せず)が設けられる。各ステージには同時に4つのワークW11〜W14、W15〜W18、…が搬送される。
【0103】
この実施例においても、図13の場合と同様に、各搬送レーン相互間を同期した動作、非同期動作、各搬送レーン毎の個別動作などを選択することができる。
【0104】
この実施例によれば、同時に搬送するワークWの数を増大してワーク処理の効率を高めることができる利点がある。
【0105】
以上説明したように、本発明の実施例においては、複数の搬送テーブルを備える2つの搬送テーブル列の各列部材を交互に移動(往復動)し、搬送方向に移動する搬送テーブルにワークの保持を切換えることによってワークを搬送方向に移動する。このため、一方の搬送テーブル列の部材がワークを搬送する(往動)ときに、他方の搬送テーブル列の部材が戻る(復動)ので、ワークを途切れなく(連続的に)搬送することでき、単位時間当たりのワーク搬送数(ワーク搬送効率)を高くすることができる。
【0106】
また、本発明の実施例によれば、複数の搬送レーンを配置し、各搬送レーンに1ステージ当たり複数の搬送テーブルを割り当てることによってワーク搬送量を増大することが可能となる。
【0107】
また、本発明の実施例によれば、1つ又は複数個のワークによる列が複数のステージ間を直線的に移動する(搬送される)ので、流れのガイドによるワークの経路変更等が必要なく、ワークエッジなどへのダメージがない。
【0108】
また、本発明の実施例の装置構成と、回転テーブル上にワークを載置してワークを搬送する装置(ターンテーブル型のワーク搬送装置)とを比較した場合、ワークの搬送路が直線的であるので生産ラインの設計・配置が容易である。ワーク搬送装置が専有する床面積(設置面積)が大幅に減少し、搬送装置を相対的に小型化することができる。印刷システムや製造システム等への組み込みが容易である。また、搬送機構の重量も少なくて済むので、装置の低消費電力化や動作制御が容易であり、搬送速度を速くすることが可能である。
【0109】
また、本発明の実施例の装置構成と、ターンテーブル型やベルトコンベア型のワーク搬送装置とを比べた場合、移動機構の慣性質量が少ないので、ワーク搬送における各ステージでの位置合せ精度を高くすることができ、好都合である。
【0110】
なお、実施例ではワークを搬送してワークに印刷を施す例で説明したが、特定の処理に限定されるものではない。また、ワークとして、太陽電池基板、フラットディスプレイ(FPD)のガラス基板、半導体ウエハ等があげられるが、これ等のものに限定されるものではなく、本発明の機構によって搬送できるものであれば何でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によれば、往復動してワークを搬送するワーク搬送機構において、2つのワーク搬送機構を交互に動作させることにより、一方のワーク搬送機構が1つ又は複数のワークを保持して搬送するときに他方のワーク搬送機構を戻すことができ、途切れなくワークを搬送することができる。
【0112】
上述した発明の実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施例の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0113】
16 アライメントテーブル、18 印刷テーブル、20 第1搬送機構、22 スライダ、24、24a〜24c 昇降機構、26 第1搬送テーブル列、26a〜26c 搬送テーブル、28 吸気孔、30 第2搬送機構、32 スライダ、34a〜34c 昇降機構、36 第2搬送テーブル列、36a〜36c 搬送テーブル、38 吸気孔、41,42 ベルトコンベア、制御部70、CM1,CM2 カメラ、SK スキージ、A ワーク搬入ステージ、B アライメント調整ステージ、C 印刷ステージ、D ワーク搬出ステージ、W,W11−W18 ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送する搬送装置であって、
並存して前記ワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、
前記第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、
前記第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第1搬送テーブル列を前記搬送方向において前進及び後退し、
前記第2搬送機構は、前記搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第2搬送テーブル列を前記搬送方向において前進及び後退し、
前記制御部は、前記第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を一方の搬送テーブル列側から他方の搬送テーブル列側に切換える、ワーク搬送装置。
【請求項2】
更に、
前記第1搬送機構は、前記第1搬送テーブル列を上下動する第1上下動機構を含み、
前記第2搬送機構は、前記第2搬送テーブル列を上下動する第2上下動機構を含み、
前記制御部は、前記進退に際し、前記第1及び第2搬送機構のうちの一方の搬送機構の搬送テーブル列を他方の搬送機構の搬送テーブル列よりも相対的に上昇させる、請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える、請求項1又は2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を後退した搬送テーブル列側から前進した搬送テーブル列側に切換える、請求項1又は2に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記搬送テーブルは、載置された前記ワークを保持するワーク保持機構を含み、
前記制御部は、前記ワーク保持機構を制御する、請求項1乃至4のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記ワーク保持機構が前記ワークを前記搬送テーブル上に吸引する吸引機構である、請求項5に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
更に、
前記第1搬送機構及び前記第2搬送機構が複数組配置され、
前記制御部は、各組の一方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に前進させ、各組の他方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に後退させる、請求項1乃至6のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記各組の一方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結され、前記各組の他方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結さる、請求項7に記載のワーク搬送装置。
【請求項9】
各搬送テーブル列における搬送テーブル相互間の距離が前記複数のステージの各ステージ相互間の距離に対応している、請求項1乃至8のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項10】
前記第1及び第2搬送テーブル列の各々は、前記搬送方向に延在し、前記複数の搬送テーブルの位置に対応して複数の吸引孔が設けられた棒状の部材によって構成される、請求項1乃至9のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項11】
前記第1及び第2搬送テーブル列の列上に前記ワークが保持される、請求項1乃至9のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項12】
前記ステージは、搬入ステージ、アライメントステージ、印刷ステージ、搬出ステージのうち少なくともいずれかのステージを含む、請求項1乃至11のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項13】
前記ステージには、前記搬送テーブルと面一になる作業テーブルが配置される、請求項1乃至12のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項14】
ワークの搬送方法であって、
ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、
前記2つの搬送テーブル列を該搬送テーブル列の搬送テーブル間隔に対応した距離で交互に進退させ、
各搬送テーブル列が交互に前進するときに当該前進する搬送テーブル列に前記ワークを保持させて前記ワークを搬送する、
ワークの搬送方法。
【請求項15】
前記交互に進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える、請求項14に記載のワーク搬送方法。
【請求項16】
前記2つの搬送テーブル列の進退において、前進する搬送テーブル列は後退する搬送テーブル列よりも相対的に高い位置を移動する、請求項14又は15に記載のワーク搬送方法。
【請求項17】
前記2つの搬送テーブル列が1つのワーク又は複数のワークの列を交互に保持して前進する、請求項14乃至16のいずれかに記載のワーク搬送方法。
【請求項18】
前記ワークの交互の保持は前記2つの搬送テーブル列の一方の列の搬送テーブルと他方の列の搬送テーブルとで前記ワークを交互に吸引することによって行われる、請求項14乃至17のいずれかに記載のワーク搬送方法。
【請求項1】
搬送路に沿って配置された複数のステージにワークを搬送テーブルに載せて搬送する搬送装置であって、
並存して前記ワークを交互に保持して搬送する第1及び第2搬送機構と、
前記第1及び第2搬送機構を制御する制御部と、を備え、
前記第1搬送機構は、搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第1搬送テーブル列を前記搬送方向において前進及び後退し、
前記第2搬送機構は、前記搬送方向に配置された複数の搬送テーブルを含む第2搬送テーブル列を前記搬送方向において前進及び後退し、
前記制御部は、前記第1及び第2搬送機構を交互に進退させ、進退する第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を一方の搬送テーブル列側から他方の搬送テーブル列側に切換える、ワーク搬送装置。
【請求項2】
更に、
前記第1搬送機構は、前記第1搬送テーブル列を上下動する第1上下動機構を含み、
前記第2搬送機構は、前記第2搬送テーブル列を上下動する第2上下動機構を含み、
前記制御部は、前記進退に際し、前記第1及び第2搬送機構のうちの一方の搬送機構の搬送テーブル列を他方の搬送機構の搬送テーブル列よりも相対的に上昇させる、請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える、請求項1又は2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1及び第2搬送テーブル列相互間の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を後退した搬送テーブル列側から前進した搬送テーブル列側に切換える、請求項1又は2に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記搬送テーブルは、載置された前記ワークを保持するワーク保持機構を含み、
前記制御部は、前記ワーク保持機構を制御する、請求項1乃至4のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記ワーク保持機構が前記ワークを前記搬送テーブル上に吸引する吸引機構である、請求項5に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
更に、
前記第1搬送機構及び前記第2搬送機構が複数組配置され、
前記制御部は、各組の一方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に前進させ、各組の他方の搬送機構の搬送テーブル列を同時に後退させる、請求項1乃至6のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記各組の一方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結され、前記各組の他方の搬送テーブル列相互間が機械構造的手段によって連結さる、請求項7に記載のワーク搬送装置。
【請求項9】
各搬送テーブル列における搬送テーブル相互間の距離が前記複数のステージの各ステージ相互間の距離に対応している、請求項1乃至8のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項10】
前記第1及び第2搬送テーブル列の各々は、前記搬送方向に延在し、前記複数の搬送テーブルの位置に対応して複数の吸引孔が設けられた棒状の部材によって構成される、請求項1乃至9のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項11】
前記第1及び第2搬送テーブル列の列上に前記ワークが保持される、請求項1乃至9のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項12】
前記ステージは、搬入ステージ、アライメントステージ、印刷ステージ、搬出ステージのうち少なくともいずれかのステージを含む、請求項1乃至11のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項13】
前記ステージには、前記搬送テーブルと面一になる作業テーブルが配置される、請求項1乃至12のいずれかに記載のワーク搬送装置。
【請求項14】
ワークの搬送方法であって、
ワークを交互に保持して搬送する2つの搬送テーブル列を搬送路に沿って並存し、
前記2つの搬送テーブル列を該搬送テーブル列の搬送テーブル間隔に対応した距離で交互に進退させ、
各搬送テーブル列が交互に前進するときに当該前進する搬送テーブル列に前記ワークを保持させて前記ワークを搬送する、
ワークの搬送方法。
【請求項15】
前記交互に進退する2つの搬送テーブル列の搬送テーブル同士の位置が同期したときに、前記ワークの保持を前進した搬送テーブル列側から後退した搬送テーブル列側に切換える、請求項14に記載のワーク搬送方法。
【請求項16】
前記2つの搬送テーブル列の進退において、前進する搬送テーブル列は後退する搬送テーブル列よりも相対的に高い位置を移動する、請求項14又は15に記載のワーク搬送方法。
【請求項17】
前記2つの搬送テーブル列が1つのワーク又は複数のワークの列を交互に保持して前進する、請求項14乃至16のいずれかに記載のワーク搬送方法。
【請求項18】
前記ワークの交互の保持は前記2つの搬送テーブル列の一方の列の搬送テーブルと他方の列の搬送テーブルとで前記ワークを交互に吸引することによって行われる、請求項14乃至17のいずれかに記載のワーク搬送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−6705(P2012−6705A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143738(P2010−143738)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(593039856)マイクロ・テック株式会社 (21)
【Fターム(参考)】
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