説明

一定量の全血を少なくとも3つの成分に分離する装置および方法

分離バッグ(1)に含まれる一定量の全血を−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように分離バッグ(1)を遠心分離する方法であって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、−分離バッグ(1)に接続されている血漿成分バッグ(2)内に、第1の層の第1の一部分を実質的に備える血漿成分を移送することと、−分離バッグ(1)に接続された単核球成分バッグ(3a)内に、リンパ球および単球を備える第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を移送することからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定量の全血を少なくとも3つの成分に分離する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全血は、細胞成分、すなわち、赤血球、白血球および血小板を備え、これらは、水および溶質(特に、タンパク質、電解質および代謝産物)からなる液体成分すなわち血漿に懸濁している。白血球は、単核球(リンパ球、単球、幹細胞)、および、多核白血球(好中球、好酸球および好塩基球を備える顆粒球)を備える。
【0003】
血液細胞の各種類は、特定の機能を実行する。すなわち、赤血球は酸素を肺から体細胞へ輸送し、二酸化炭素を体細胞から肺へ輸送する。白血球は、免疫系の一部であり、微生物および異物に対して体を保護する。血小板は、血管損傷の部位でプラグを形成することによって血液の損失を防止するのを助ける。
【0004】
血漿タンパクもまた、特定の機能を実行する。すなわち、凝固タンパク(凝固因子)は、血小板プラグを適所に保持することによって血栓形成を補助し、グロブリン(抗体)は、免疫応答の一部として異物を中和し、アルブミンは血漿の含水量および粘度を維持する助けをし、これらは両方とも、正常血圧を保つために必要である。
【0005】
血液細胞によって且つ血漿タンパクによって果たされる機能の特異性のため、今日では、特定の外科的状態または病状に対処するために患者に必要な血液成分またはこの一部分(例えば凝固因子)のみを患者内に注入または投入することが慣例である。全血は依然として外傷または手術中に失われた血液に取って代わるために注入されてもよいが、大半の場合には、疾病または化学療法によって失っているかまたは破壊された血液成分のみが投与される。
【0006】
患者に注入されるか投入される全血または血液成分またはこのいずれの一部分は、健常なドナー(自己血提供の場合には、血液生成物の将来の受容者であり得る)からもたらされる。血液提供は一般に、全血の約450ml(1パイント)または約500mlのいずれかからなる。
【0007】
上述の現在の注入慣例にしたがって、提供された全血は、通常、2つまたは3つの血液成分、すなわち、血漿および赤血球、または、血漿、赤血球および血小板に分離される。
【0008】
全血を2つの血液成分に分離することは、血漿および濃厚赤血球に血液が分離される遠心分離フェーズと、血小板および白血球が濃厚赤血球から除去される任意の濾過フェーズとを含む。
【0009】
全血を3つの血液成分に分離することは、主に血漿を備える第1の成分と、主に血小板を備える第2の成分と、主に赤血球を備える第3の成分と、に血液が分離される遠心分離フェーズを含む。任意であるさらなる濾過段階において、白血球が濃厚赤血球から除去される。4〜6の血液提供から分離された血小板がプールされて、輸血投与量を形成し、濾過によって白血球がそれから除去される。
【0010】
下記の理由のため、白血球を全血および血液成分(血小板、濃厚赤血球)から除去することが重要である。特に、保管中に、白血球がサイトカインを放出し、これは、患者内に輸血されるときに、発熱性非溶血輸血反応を引き起こす可能性がある。また、複数回輸血後に、ヒト白血球抗原(HLA)に対する抗体を生み出す患者もあり、それはドナーの白血球の膜上でHLAに反応する。HLA抗体はまた、複数回輸血を受ける患者に輸血反応を引き起こす可能性もある。白血球はまた、疾病の感染に関与する。
【0011】
国際特許出願公開公報WO2004/018021号には、一定量の全血を、血漿成分および赤血球成分か、または、血漿成分、赤血球成分および血小板成分か、のいずれかに分離する方法および装置が記載されている。この装置は、全血用の環状分離バッグと協働するように適合された遠心分離機を備え、それは、血漿成分バッグおよび赤血球成分バッグか、または、血漿成分バッグ、赤血球成分バッグおよび血小板成分バッグか、のいずれかに接続されている。遠心分離機は、下記を含む。すなわち、
−分離バッグをスピンし、この中に含まれる全血を遠心分離するロータであって、分離バッグを支持するターンテーブルと、分離バッグに接続された成分バッグを含む中心コンパートメントとを有するロータと、
−分離バッグを圧搾し、血漿成分を分離バッグから血漿成分バッグ内に移送させ、赤血球成分を赤血球成分バッグ内に移送させ、場合に応じて、血小板成分を血小板成分バッグ内に移送させる圧搾システムとである。
【0012】
国際特許出願公開公報WO2004/018021号に記載された方法にしたがって、様々な血液成分から白血球を除去すること(いわゆる「白血球除去(leukoreduction)」)は、全血の遠心分離の前か、または、全血を2つまたは3つの成分に分離した後か、のいずれかに行うことができる。遠心分離前除去プロセスにおいて、白血球(および、場合に応じて、血小板)は、収集バッグから分離バッグ内に移送される間に全血から濾過によって除去される。分離後プロセスでは、白血球(および、場合に応じて、血小板)は、移送バッグから赤血球生成物バッグ内に移送される間に赤血球成分から濾過によって除去される。
【0013】
本発明に導いた研究活動中に、赤血球成分から白血球をおよび場合に応じて血小板を除去するために、赤血球を従来のフィルタによって濾過することは、結果として、フィルタの目詰まりになることもあり、且つ/または、濾過された赤血球生成物に残余白血球が存在することもあり、特に、血液提供が、収集後数時間以内に処理されるのではなく、処理される前に24時間まで室温で保存されるときにはそうであることが観察された。
【特許文献1】WO2004/018021号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の1つの目的は、所定の量未満の残余白血球を含む輸血可能生成物の用意を可能にする全血を分離する方法および装置を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態にしたがって、分離バッグに含まれる一定量の全血を少なくとも3つの成分に分離する方法は、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように分離バッグを遠心分離することであって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−分離バッグに接続された血漿成分バッグ内に、第1の層の第1の一部分を実質的に備える血漿成分を移送することと、
−分離バッグに接続された単核球成分バッグ内に、リンパ球および単球を備える第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を移送することと、
を備える。
【0016】
本発明にしたがった方法の他の特徴は下記の通りである。
【0017】
−単核球成分は、第1の層の第2の一部分および第2の層をさらに備える。
【0018】
−方法は、単核球成分を単核球成分バッグ内に移送した後に、分離バッグに接続された赤血球成分バッグ内に、第4の層と顆粒球を備える第3の層の一部分とを備える赤血球成分を移送することをさらに備える。
【0019】
−方法は、顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、赤血球成分バッグ内に移送する間に、赤血球成分を濾過することをさらに備える。
【0020】
−方法は、赤血球成分を分離バッグから赤血球成分バッグ内に移送する前に、一定量の保存溶液を赤血球成分バッグから分離バッグ内に移送することをさらに備える。
【0021】
−赤血球成分を分離バッグから赤血球成分バッグ内に移送することは、分離バッグを遠心分離するのを停止した後に発生する。
【0022】
−赤血球成分は、重力によって分離バッグから赤血球成分バッグ内に移送される。
【0023】
−方法は、血漿成分を血漿成分バッグ内に移送した後に、分離バッグに接続された血小板成分バッグ内に、第2の層の一部分と、血漿成分を血漿成分バッグ内に移送した後に分離バッグに残っている第1の層の一部分とを備える血小板成分を移送することをさらに備える。
【0024】
−方法は、血小板成分を血小板成分バッグ内に移送する前に、血漿に血小板を懸濁させるように、第1の層の一部分と、血小板成分が備えられる第2の層の一部分とを混合することをさらに備える。
【0025】
−血小板成分は、血小板成分バッグ内に少なくとも2つの連続流量で移送され、第1の流量は第2の流量よりも速い。
【0026】
−方法は、単核球成分を単核球成分バッグ内に移送した後に、分離バッグを遠心分離するのを停止することをさらに備える。
【0027】
本発明は、少なくとも下記の利点を呈する。
【0028】
−従来の白血球除去フィルタ(白血球を除去するためのフィルタ)によって、単核球および場合に応じて血小板が実質的にない赤血球成分を濾過することは、フィルタが目詰まりすることなく発生し、結果として、残余白血球がAABB(米国血液銀行協会(American Association of Blood Banks))によって設定された基準未満である赤血球生成物になる。
【0029】
−この結果は、室温に保たれた一定量の全血が、ドナーからの収集後1日で、様々な成分に分離されるときでさえ、達成される。
【0030】
−従来の白血球除去フィルタによって、単核球および場合に応じて血小板が実質的にない赤血球成分を濾過するために必要な時間は、赤血球、白血球および場合に応じて血小板を備える赤血球成分を濾過するために現在必要な時間よりも、実質的に短い。
【0031】
−本発明にしたがって遠心分離によって分離させられた単核球成分は、貴重な生成物を構成し、それから、例えば、インターフェロン等の治療上関心のある物質を抽出することができる(インターフェロンは、ウイルスに感染した細胞を攻撃するサイトカインである)。
【0032】
−上述のように、現在用意された濃厚赤血球は、患者に注入される前に必ずしも濾過されるわけではない。これは、血液を濾過するには必然的にコストがかかるため、経済的な理由のためである。この点で、本発明にしたがった方法によって得られた赤血球成分は、実質的に単核球がなく、従来のプロセスによって分離された濃厚赤血球よりも、濾過せずに注入されるはるかに良好な生成物である。
【0033】
−本発明の一実施形態にしたがって、分離バッグに含まれる一定量の全血を、少なくとも血漿成分、単核球成分および赤血球成分に分離する方法であって、分離バッグは少なくとも血漿成分バッグおよび単核球成分バッグに流体的に接続されている方法は、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように第1の回転スピードで回転軸のまわりに分離バッグをスピンすることであって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−分離バッグと単核球バッグとの間の流体連通を阻止することと、
−分離バッグと血漿成分バッグとの間の流体連通を可能にすることと、
−血漿成分バッグ内に、第1の層の第1の一部分を備える血漿成分を移送するように、回転の軸から第1の距離で赤血球が検出されるまで分離バッグを圧搾することと、
−分離バッグと血漿成分バッグとの間の流体連通を阻止することと、
−分離バッグと単核球成分バッグとの間の流体連通を可能にすることと、
−単核球成分バッグ内に、リンパ球および単球を備える第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を移送するように、分離バッグを圧搾することと、
を備える。
【0034】
この方法の他の特徴は下記の通りである。
【0035】
−単核球成分は、第1の層の第2の一部分、第2の層、および、第4の層の一部分をさらに備える。
【0036】
−単核球成分バッグ内に移送された単核球成分は、所定の容量を有する。
【0037】
−全血の容量は約450mlであり、単核球成分の容量は、約10mlから約15mlまでの間で構成される。
【0038】
−全血の容量は約450mlであり、単核球成分の容量は、約50mlから約60mlまでの間で構成される。
【0039】
−方法は、単核球成分を単核球成分バッグ内に移送した後に、分離バッグをスピンするのを停止することをさらに備える。
【0040】
−方法は、血漿成分を血漿成分バッグ内に移送するように分離バッグを圧搾した後に、
−第1の層の第2の一部分に懸濁した第2の層の血小板を備える血小板成分を用意するように、第2の層と分離バッグに残っている第1の層の第2の一部分とを混合することと、
−分離バッグと血漿成分バッグとの間の流体連通および分離バッグと単核球成分バッグとの間の流体連通を阻止することと、
−分離バッグと分離バッグに接続された血小板成分バッグとの間の流体連通を可能にすることと、
−血小板成分を血小板成分バッグ内に移送するように、回転の軸から第2の距離で赤血球が検出されるまで分離バッグを圧搾することであって、第2の距離は第1の距離よりも短いことと、
をさらに備える。
【0041】
−血小板成分を用意するように第2の層と分離バッグに残っている第1の層の第2の一部分とを混合することは、
−第1の層の第2の一部分と第2の層と第3の層と第4の層の一部分とを混合するように、回転スピードを第1の回転スピードから第2の回転スピードへ減少することと、
−血小板成分を第3の層および第4の層から分離するように、回転スピードを第2の回転スピードから第3の回転スピードへ増加することであって、第3の回転スピードは第1の回転スピードよりも低いことと、
を備える。
【0042】
−血小板成分を血小板成分バッグ内に移送するように分離バッグを圧搾することは、
−回転の軸から第2の距離で赤血球が検出されるまで第1の流量で血小板成分を移送するように、分離バッグを圧搾することであって、第2の距離は第1の距離よりも短いことと、
−回転の軸から第2の距離で赤血球を検出するのに続いて、少なくとも、第1の流量よりも低い第2の流量で、血小板成分を移送するように、分離バッグを圧搾することと、
−回転の軸から第3の距離で赤血球を検出するのに続いて分離バッグを圧搾するのを停止することであって、第3の距離は第2の距離よりも短いことと、
を備える。
【0043】
−方法は、単核球成分を単核球成分バッグ内に移送した後に、分離バッグに接続された赤血球成分バッグ内に、第4の層と顆粒球を備える第3の層の一部分とを備える赤血球成分を移送することをさらに備える。
【0044】
−方法は、顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、赤血球成分バッグ内に移送する間に、赤血球成分を濾過することをさらに備える。
【0045】
−本発明の一実施形態にしたがって、赤血球成分は、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように、分離バッグ内の一定量の全血を遠心分離することであって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−分離バッグから、第1の層と、第2の層と、リンパ球および単球の大半を含む第3の層の一部分とを除去することと、
の各ステップによって、一定量の全血から抽出される。
【0046】
−赤血球成分は、顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、第4の層と第3の層の残っている部分とを濾過する追加ステップによって抽出されてもよい。
【0047】
−赤血球成分は、第4の層と第3の層の残っている部分とを濾過するステップの前に、赤血球用の一定量の保存溶液を分離バッグ内に移送する追加ステップによって抽出されてもよい。
【0048】
本発明の一実施形態にしたがって、単核球成分は、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように、分離バッグ内の一定量の全血を遠心分離することであって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−分離バッグから、第1の層の少なくとも第1の一部分を除去することと、
−分離バッグから、リンパ球および単球を備える第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を除去することと、
の各ステップによって、一定量の全血から抽出される。
【0049】
−単核球成分は、第1の成分の第2の一部分と第2の成分とをさらに備えてもよい。
【0050】
−単核球成分は、第1の層の第1の一部分を除去するステップの後に、分離バッグから、第2の層と分離バッグに残っている第1の層の第2の一部分とを除去する追加ステップによって抽出されてもよい。
【0051】
本発明の一実施形態にしたがって、分離バッグに含まれる一定量の全血を少なくとも血漿成分と単核球成分と赤血球成分とに分離する装置は、
−ロータであって、この回転軸のまわりに分離容器をスピンするロータと、
−分離バッグを血漿成分バッグに接続するチューブと相互作用し、それを通る流体流れを選択的に可能にするかまたは阻止するためにロータに装着された第1の弁部材と、
−分離バッグを単核球成分バッグに接続するチューブと相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止するためにロータに装着された第2の弁部材と、
−ロータの回転軸から一定の距離で分離バッグの赤血球を検出する少なくとも1つのセンサと、
−血漿成分を分離バッグから血漿成分バッグ内に移送させ、単核球成分を分離バッグから単核球成分バッグ内に移送させる流体移送システムと、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に一定量の全血が沈降するのを可能にする少なくとも1つの遠心分離スピードを記憶するメモリであって、少なくとも第3および第4の層は部分的に重なり合うメモリと、
−制御ユニットであって、
−少なくとも1つのセンサから情報を受け取り、メモリから少なくとも1つの遠心分離スピードを受け取るために、
−少なくとも1つの遠心分離スピードでロータを回転させるために、
−一定量の全血が分離バッグに沈降したときに、第1の弁部材に、血漿成分バッグに接続されたチューブを開かせ、第2の弁部材に、単核球成分バッグに接続されたチューブを閉じさせるために、
−流体移送システムに、第4の層の第1の一部分を備える血漿成分を血漿成分バッグ内に移送させるために、
−赤血球が少なくとも1つのセンサによって検出されたときに、流体移送システムに、分離バッグの内容物の移送を停止させ、第1の弁部材に、血漿成分バッグに接続されたチューブを閉じさせ、第2の弁部材に、単核球成分バッグに接続されたチューブを開かせるために、
−流体移送システムに、所定容量を有し且つリンパ球および単球を備える第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を単核球成分バッグ内に移送させるために、
プログラムされた制御ユニットと、
を備える。
【0052】
−装置は、
−分離バッグを血小板成分バッグに接続するチューブと相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止するためにロータに装着された第3の弁部材と、
−少なくとも1つのセンサが位置する距離よりも短いロータの回転軸からの距離で、分離バッグの赤血球を検出する1つの追加センサと、
をさらに備え、
制御ユニットは、
−血漿成分を血漿成分バッグ内に移送した後に、分離バッグに残っている第1の層の第2の一部分を、第2の層、第3の層、および、第4の層の内側層と混合するように、ロータの回転スピードを第1の回転スピードから第2の回転スピードへ減少させるために、
−第1の層の第2の一部分を、第2の層、第3の層、および、第4の層の内側層と混合することが完了した後に、血小板成分を第3および第4の層から分離するように、ロータの回転スピードを第2の回転スピードから第3の回転スピードへ増加させるために、血小板成分は第4の層の第2の一部分に懸濁した血小板を備え、第3のスピードは第1のスピードよりも遅いように、
−血小板成分が分離されるときに、第1の弁部材に、血漿成分バッグに接続されたチューブを閉じさせ、第2の弁部材に、単核球成分バッグに接続されたチューブを閉じさせ、第3の弁部材に、血小板成分バッグに接続されたチューブを開かせるために、
−流体移送システムに、少なくとも追加センサが赤血球を検出するまで、血小板成分を分離バッグから血小板成分バッグ内に移送させるために、
さらにプログラムされる。
【0053】
−流体移送システムは、分離バッグを圧搾し、分離バッグの内容物を、血漿成分バッグおよび単核球成分バッグの少なくとも一方内に移送させる圧搾システムを備えてもよい。
【0054】
−流体移送システムは、分離バッグの内容物を、血漿成分バッグおよび単核球成分バッグの少なくとも一方内に移送させるポンプシステムを備えてもよい。
【0055】
本発明の他の特徴および利点は、下記の説明および図面から明らかであり、これらは模範のみとみなされるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
図1は、全血を、血漿成分(本質的に血漿を備える)、赤血球成分(本質的に赤血球および顆粒球を備える)および単核球成分(単球およびリンパ球を備え、さらに血漿、血小板および赤血球を備える)に分離するように適合された1セットのバッグの例を示す。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、それに接続された3つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3a、4とを備える。分離バッグ1は、部分的に環状の分離チャンバ5を備え、これは、チャンバ5が断続輪の形状を有するように、実質的に円形の外側縁6と内側円形縁7と内側縁7から延出する半径方向壁8を有する。分離チャンバ5の外側円形縁6および内側円形縁7は、実質的に同心である。分離チャンバ5はまた、分離チャンバ5の内容物を第3のサテライトバッグ4内に排出するのを助けるために、外側縁6から外向きに突出する漏斗状拡張部9を備える。分離バッグ1は、環状チャンバ5の内側縁7に接続された半可撓性のあるディスク形状の接続要素10をさらに備える。ディスク形状の接続要素10は、この中に包埋された実質的に半円形分配チャネル11を備え、それは、通路12を通って環状チャンバ5と連通する。ディスク形状の接続要素10は、分離バッグ1を遠心分離機のロータに接続する一連の穴13を備える。
【0057】
第1のサテライトバッグ2は、血漿成分を受け取るように意図される。これは、平らで実質的に矩形である。これは、第1のチューブ14によって分離バッグ1に接続されている。第1のチューブ14は、クランプ15が嵌合され、第1のサテライトバッグ2の上部縁に接続された第1の端と、分配チャネル11の第1の端に接続された第2の端とを有する。
【0058】
第2のサテライトバッグ3aは、単核球成分を受け取るように意図される。第2のサテライトバッグ3aは、平らで実質的に矩形である。これは、第2のチューブ16aによって分離バッグ1に接続されている。第2のチューブ16aは、クランプ17が嵌合され、第2のサテライトバッグ3aの上部縁に接続された第1の端と、分配チャネル11の第2の端に接続された第2の端とを有する。
【0059】
第3のサテライトバッグ4は、赤血球成分を受け取るように意図される。これは、平らで実質的に矩形である。これは、第3のチューブ18によって分離バッグ1に接続されている。第3のチューブ18は、第3のサテライトバッグ4の上部縁に接続された第1の端と、分離チャンバ5の漏斗状拡張部9の先端に接続された第2の端とを有する。これは、それぞれ、白血球除去フィルタ20の入口および出口に接続された2つのセグメントを備える。分離バッグ1に接続されたチューブセグメントは、クランプ19が嵌合されている。フィルタは、例えば、ポールコーポレーション(Pall Corporation)によって製造されたタイプRC2Dのフィルタであってもよい。このようなフィルタは、ディスク形状のケーシングを備え、それに対して、半径方向入口ポートおよび出口ポートが、直径対向で接続されている。ケーシングは、ポリカーボネート(GE Lexan HF 1140)から作られ、約33mlの内部体積を有する。これは、ポリエステル繊維(約2ミクロン直径)の不織ウェブの複数層から構成された濾過材で満たされている。第3のサテライトバッグ4は、赤血球用に一定量の保存溶液を含む。第3のサテライトバッグ4内から取り外すことができるプラグ21(例えば、いわゆる「フランジブルピン(frangible pin)」)が、生成物チューブ18を通る液体の流れを阻止し、保存溶液が第3のサテライトバッグ4から分離バッグ1内に流れるのを防止する。
【0060】
バッグセットは、一方の端で分離バッグ1の内側縁7に接続され他方の端で閉じられる移送チューブ22をさらに備える。移送チューブ22を使用して、収集バッグを分離バッグに接続し、この中に収集バッグの内容物(抗凝固処理全血提供)を移送する。
【0061】
分離バッグ1の変形例は、下記を含んでもよい。すなわち、
−同心である外側円形縁6および/または内側円形縁7を有する分離チャンバ5;
−内側円形縁7から外側円形縁6へ延出する半径方向壁を備えず、このため、チャンバ5は、C字形ではなく環状である分離チャンバ5。
【0062】
−内側縁および外側縁を含むいずれの形状を有する分離チャンバ5(分離バッグが遠心分離機のロータに装着されるときに、内側縁は外側縁よりも遠心分離機のロータの軸に近い)、例えば、2つの側方向縁によって境界を定められた環形の一部の形状、または、矩形形状である。この変形例では、サテライトバッグは、分離バッグの内側縁に接続されてもよい。
【0063】
また、分離バッグ1は、遠心分離機のロータの平らな支持表面または円錐台支持表面のいずれかに嵌合するように形状づけることができる。
【0064】
図2は、全血を、血漿成分(本質的に血漿を備える)、血小板成分本質的に血小板を備える)、赤血球成分(本質的に赤血球および顆粒球を備える)および単核球成分(単球およびリンパ球を備え、さらに赤血球および血小板を備える)に分離するように適合された1セットのバッグの例を示す。このバッグセットは、分離バッグ1と、それに接続された4つのサテライトバッグ2、3b、4、24とを備える。
【0065】
分離バッグ1および3つのサテライトバッグ2、3b、4は、図1に示されたものと同一であるが、サテライトバッグ3bが、単核球成分の代わりに、血小板成分を受け取るように意図されることが異なる。
【0066】
図2のバッグセットの特異性は第4のサテライトバッグ24にあり、これは、2つの目的を有し、収集バッグとして且つ単核球成分バッグとして連続して使用される。第4のサテライトバッグは、当初、分離プロセス前にドナーから一定量の全血(通常、約450ml)を受け取るように、且つ、分離プロセス中に単核球成分を受け取るように意図される。第4のサテライトバッグ24は、平らで実質的に矩形である。これは、第4のサテライトバッグ24の上部縁に接続された第1の端と環状チャンバ5の内側縁7に接続された第2の端とを有する移送チューブ22によって分離バッグ1に接続されている。第4のサテライトバッグ24は、一定量の抗凝血溶液(約450mlの血液提供用に典型的に約63mlのクエン酸リン酸ブドウ糖の溶液)を含む。第4のサテライトバッグ24内から取り外すことができるプラグ25(例えば、いわゆる「フランジブルピン」)が、移送チューブ22を通る液体の流れを阻止し、抗凝血溶液が第4のサテライトバッグ24から分離バッグ1内に流れるのを防止する。
【0067】
図2のバッグセットは、収集チューブ26をさらに備え、これは、一方の端で、第4のサテライトバッグ24の上部縁に接続され、他方の端で、シース27によって保護された針を備える。第4のサテライトバッグ24内から取り外すことができるフランジブルピン28は、収集チューブ26の下流端をふさぎ、抗凝血溶液が第4のサテライトバッグ24から収集チューブ26を通って流れるのを防止する。
【0068】
図2のバッグセットの変形例は、特に単核球成分用に意図された分配チャネルに接続された第5のサテライトバッグを備えてもよい。
【0069】
図1および2に示された第1および第2のバッグセットのバッグおよびチューブは、すべて、血液および血液成分に接触するのに適切な可撓性のあるプラスチック材料から作られる。
【0070】
図3、4、5は、遠心分離によって一定量の全血を分離する装置を示す。装置は、図1および2に示された分離バッグのいずれかのセットを受け取るように適合された遠心分離機と、分離された成分をサテライトバッグ内に移送させる流体移送システムとを備える。
【0071】
遠心分離機は、軸受アセンブリ30によって支持されたロータを備え、ロータが垂直中心軸31を中心にして回転するのを可能にする。ロータは、円筒形ロータシャフト32、33と、サテライトバッグバッグ(成分バッグおよび場合によって収集バッグ)を含む円筒形容器34であって、この上端でロータシャフト32、33に接続され、このため、ロータシャフト32、33の長手方向軸および容器34の長手方向軸がロータの中心軸31と整列配置された円筒形容器34と、分離バッグを支持する円形ターンテーブル35であって、この上端で容器34に接続され、このため、ターンテーブル35の中心軸がロータの中心軸31と整列配置されたターンテーブル35とを備える。ロータシャフトは、第1の上部部分32と第2の下部部分33とを備える。シャフトの上部部分32は、軸受アセンブリ30を通って部分的に延出する。プーリー36が、シャフトの上部部分32の下部端に接続されている。
【0072】
遠心分離機は、垂直中心軸31を中心にしてロータを回転するように、プーリー36の溝に係合したベルト41によってロータに連結されたモータ40をさらに備える。
【0073】
分離装置は、可撓性のあるプラスチックチューブを通って液体が流れるのを選択的に阻止するかまたは可能にするために且つプラスチックチューブを選択的に封止し切断するために、ロータに装着された第1、第2および第3のピンチ弁部材42、43、44をさらに備える。各ピンチ弁部材42、43、44は、細長い円筒形本体と、静止上部ジョーおよび開口位置と閉鎖位置との間を動くことができる下部ジョーによって画成された溝を有するヘッドとを備え、溝は、下部ジョーが開口位置にあるときに、図1および2に示されたバッグセットのチューブ14、16a、16b、22の1つが中に滑り係合することができるように、寸法づけられる。細長い円筒形本体は、下部ジョーを動かす機構を含み、プラスチックチューブを封止し切断するのに必要なエネルギを供給する無線周波発生器に接続されている。ピンチ弁部材42、43、44は、円筒形容器34内部に装着され、この内部表面に隣接し、このため、この長手方向軸はロータの中心軸31に平行であり、このヘッドは容器34のリム上に突出する。分離バッグ1がターンテーブル35に装着されるときに分離バッグ1およびそれに接続されたチューブ14、16a、16b、22に対するピンチ弁部材42、43、44の位置は、図1および2では点線で示されている。電力は、ロータシャフトの下部部分33のまわりに装着されたスリップリング45を通ってピンチ弁部材42、43、44に供給される。
【0074】
ターンテーブル35は、上部のより小さい縁が容器34のリムに接続された中心円錐台部分46と、中心円錐台部分46の下部のより大きい縁に接続された環状の平らな部分47と、環状部分47の外側周辺から上方へ延出する外側円筒形フランジ48とを備える。ターンテーブル35は、開口位置と閉鎖位置との間を旋回するようにヒンジ50によってフランジ48に固定されているアーチ型円形蓋49をさらに備える。蓋49にはロック51が嵌合され、それによって閉鎖位置にブロックされることができる。蓋49は、ロータの円筒形容器34へアクセスを提供する大きなカットアウト52を上部部分に備える。蓋49は、環状内部表面を有し、これは、蓋49が閉鎖位置にあるときに、ターンテーブル38の中心円錐台部分46および環状の平らな部分47とともに、実質的に平行四辺形の形状を有する半径方向断面を有する円錐台環状コンパートメント53を画成するように、形状づけられる。円錐台環状コンパートメント53、後に「分離コンパートメント」は、図1および2に示された分離バッグ1を含むように意図される。
【0075】
分離バッグ1の内容物(例えば分離された成分)をサテライトバッグ内に移送させる流体移送システムは、分離コンパートメント53内に分離バッグを圧搾する圧搾システムを備える。圧搾システムは、可撓性のある環状ダイヤフラム54を備え、これは、ターンテーブル35の円錐台部分46と環状の平らな部分47とを1列に並べるように形状づけられ、それに対して、より大きなおよびより小さな円形縁に沿って固定される。流体移送システムは、ロータを通ってロータシャフトの下部部分33の下部端からターンテーブル35へ延出するダクト37を経由して、可撓性のあるダイヤフラム54とターンテーブル35との間に画成された膨張可能な水圧チャンバ55内に且つそれから、水圧液体をポンプ注入する水圧ポンプシステム60をさらに備える。ポンプシステム60は、回転式流体カップリング38を経由してロータダクト37に流体式に接続された水圧シリンダ62内を動くことができるピストン61を有するピストンポンプを備える。ピストン61は、ピストンロッドに連接された主ネジ64を動かすステッパモータ63によって作動される。水圧シリンダ62はまた、水圧シリンダ62、ロータダクト37および膨張可能な水圧チャンバ55を含む水圧回路内におよびそれから水圧液体を導入し且つ回収するのを選択的に可能にするために弁66によって制御されたアクセスを有する水圧液体溜65にも接続されている。圧力ゲージ67が、中の水圧圧力を測定するために水圧回路に接続されている。
【0076】
流体移送システムの変形例は、ロータに装着された1つまたは数個の蠕動ポンプを備えてもよく、分離バッグをサテライトバッグに接続するチューブと協働するように設計され、それを通って液体を流れさせる。
【0077】
分離装置は、装置が作動するときに、分離バッグ内に発生する分離プロセスの特徴を検出するために、3つのセンサ56、57、58をさらに備える。3つのセンサ56、57、58は、蓋49内にロータの回転軸から異なる距離で包埋され、第1のセンサ56は回転軸に対して最も遠く、第3のセンサ58は回転軸にもっとも近く、第2のセンサ57は中間位置を占める。蓋49が閉じられているときには、3つのセンサ56、57、58は、図1および2に示されたように、分離バッグ1に面する。第1および第2のセンサ56、57は一般に、分離チャンバ5から第1および第2のサテライトバッグ2および3bへ流れるいずれの成分の経路にあり、第3のセンサ58は、分離チャンバ5から第2のサテライトバッグ3bへ流れるいずれの成分の経路にある。第1のセンサ56(後に「バッグセンサ」)は、分離チャンバ5上に、この内側縁6から分離チャンバの幅のおよそ3分の1あたりに、分離チャンバ5と分配チャネル11との間の通路12のわずかに外側に位置決めされるように、蓋49に包埋されている。バッグセンサ56は、液体中の赤血球を検出することができる。第2のセンサ57(後に「ベイセンサ」)は、通路12上に、分離チャンバ5と分配チャネル11との間に位置決めされるように、蓋49に包埋されている。ベイセンサ57は、分配チャネル11内に液体が存在することまたは存在しないことを検出することができ、且つ、液体中の赤血球を検出することができる。第3のセンサ58(後に「チャネルセンサ」)は、分配チャネル11上に位置決めされるように、蓋49に包埋されている。チャネルセンサ58は、分配チャネル11内に液体が存在することまたは存在しないことを検出することができ、且つ、液体中の赤血球を検出することができる。各センサ56、57、58は、赤外線LEDおよび光検出器を含むフォトセルを備えることができる。
【0078】
分離装置は、制御ユニット(マイクロプロセッサ)を含むコントローラ70と、様々な分離プロトコルおよびこのような分離プロトコルにしたがった装置の操作に関する情報およびプログラムされた指令をマイクロプロセッサに提供するメモリとをさらに備える。特に、マイクロプロセッサは、分離プロセスの様々な段階中にロータが回転されるべき遠心分離スピード(単/複)に関する情報、および、分離された成分が分離バッグ1からサテライトバッグ2、3a、3b、24内に移送されるべき様々な移送流量に関する情報を受け取るようにプログラムされている。様々な移送流量に関する情報は、例えば、水圧回路の水圧流量として、または、水圧ポンプシステム60のステッパモータ63の回転スピードとして、表現することができる。マイクロプロセッサは、直接またはメモリを通して、圧力ゲージ67から且つフォトセル56、57、58から情報を受け取るために、且つ、選択された分離プロトコルに沿って分離装置を作動させるように遠心分離モータ40、ステッパモータ63およびピンチ弁部材42、43、44を制御するために、さらにプログラムされている。
【0079】
全血提供から3つの血液成分すなわち血漿、単核球および赤血球を分離することを目的とする第1の分離プロトコルの例が、下記に説明される。この第1の分離プロトコルは、第3のピンチ弁部材44またはチャネルセンサ58の使用を必要としない。第1の分離プロトコルに沿った分離装置の操作は、下記の通りである。
【0080】
第1段階(第1のプロトコル):分離されるべき一定量の抗凝固処理血液が、図1のバッグセットの分離バッグ1内に移送される。
【0081】
クランプ15、17、19が分離バッグ1に接続されたチューブ14、16a、18上で閉じられた後に、収集バッグに含まれる一定量の抗凝固処理全血(一般に約500ml)が、重力によって分離バッグ1内にそれに接続された移送チューブ22を通って移送される。移送チューブ22は、封止され切断される。分離バッグ1は、ターンテーブル35上に装着され、生成物チューブ14、16aが、それぞれ、第1および第2のピンチ弁部材42、43に係合され、サテライトバッグ2、3a、4およびフィルタ20が、容器34内に置かれる。ピンチ弁部材42、43は閉じられ、チューブ14および16a上のクランプ15および17が開けられる。第3のサテライトバッグ4に接続されたチューブ18のクランプ19は、閉じられたままである。ロータの蓋49が閉じられる。
【0082】
この第1段階の変形例として、図1のバッグセットが分離装置のロータに装着された後に、一定量の抗凝固処理全血が分離バッグ1内に移送される。
【0083】
第2段階(第1のプロトコル):分離バッグ1に存在する空気が第2のサテライトバッグ3a内に一掃され、この中に単核球成分が後に移送される。
【0084】
第2段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材42、43は閉じられる。ロータは、遠心分離モータ40によって発動され、この回転スピードは、高遠心分離スピード(例えば約3200RPM)に達するまで徐々に増加し、このスピードで、全分離プロセス中回転する。遠心分離スピードが所定の中間値(例えば約1000RPM)に達したときに、第2のピンチ弁部材43が開けられ(分離バッグ1と単核球成分用に意図された第2のサテライトバッグ3aとの間の連通を制御する)、ポンプシステム60は、一定の流量(例えば約240ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入し結果として分離バッグ1を圧搾するように、作動される。分離バッグ1に存在する空気は、単核球成分用の第2のサテライトバッグ3a内に追い出される。ベイセンサ57による液体検出に続く所定の時間期間後に、ポンプシステム60は停止され、ピンチ弁部材43は閉じられる。
【0085】
あるいは、分離バッグ1に含まれる空気は、血漿成分用のサテライトバッグ2内に追い出されることができる。
【0086】
第3段階(第1のプロトコル):分離チャンバ内の血液は、所望のレベルに沈降される。
【0087】
この段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材42、43は閉じられる。ロータは、高遠心分離スピード(例えば約3200RPM)で、所定の時間期間の間(例えば約220秒)回転され、それは、分離バッグ1に当初移送された全血のヘマトクリット値が何であれ、血液は、この中に所定の期間の最後に、外側環状赤血球層のヘマトクリット値が約90であり内側環状血漿層血漿が実質的に細胞がない点へ沈降するように、選択される。より詳細には、この沈降段階の結果で、分離バッグ1は4つの層を呈する。すなわち、主に血漿を備える第1の内側層と、主に血小板を備える第2の中間層と、主に白血球(リンパ球、単球および顆粒球)を備える第3の中間層と、主に赤血球を備える第4の外側層とであり、第1および第2の層は部分的に重なり合う(顆粒球は第4の層に部分的に包埋されている)。
【0088】
第4段階(第1のプロトコル):血漿成分が、第1のサテライトバッグ2内に移送される。
【0089】
この段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材42、43は閉じられる。ロータは、沈降段階と同一の高遠心分離スピードで回転される。バッグセンサ56が赤血球を検出するのを停止した後の所定の時間期間後に、これは、所定の沈降期間の終了前に発生する可能性もあり、第1のサテライトバッグ2へのアクセスを制御する第1のピンチ弁部材42は開けられ、ポンプシステム60は、一定の流量(例えば約220ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように、作動される。膨張水圧チャンバ55は分離バッグ1を圧搾し、血漿を第1のサテライトバッグ2内に移送させる。ベイセンサ57による赤血球の検出に続いて所定の時間期間が経過した後に、ポンプシステム60は停止され、第1のピンチ弁部材42は閉じられる。少量の血漿(例えば約5ml)が、分離バッグ1に残っている。
【0090】
血漿成分の移送流量(これは直接、水圧流体の流量に関する)は、血漿成分を血小板で汚染するのを避けるように血小板層を乱すことなく、できるだけ高く選択される。
【0091】
第4段階の変形例として、バッグセンサ56による赤血球の検出に続いて所定の時間期間が経過した後に、ポンプシステム60が停止される。結果として、ベイセンサ57が使用されるときよりも、より多くの量の血漿(例えば約30ml)が、分離バッグ1に残っている。
【0092】
第5段階(第1のプロトコル):単核球成分が、第2のサテライトバッグ3a内に移送される。
【0093】
第5段階は、第1のピンチ弁部材42が第4段階の最後で閉じられるとすぐに開始することができる。この第5段階の開始時に、第1および第2のピンチ弁部材42、43は閉じられる。ロータは、先と同一の高遠心分離スピードで回転される。第2のサテライトバッグ3aへのアクセスを制御する第2のピンチ弁部材43は開けられ、ポンプシステム60は、一定の流量で(例えば約140ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように作動される。膨張水圧チャンバ55は分離バッグ1を圧搾し、血漿の残余容量、血小板、リンパ球、単球および少量の赤血球を備える単核球成分を第2のサテライトバッグ3a内に移送させる。所定容量が第2のサテライトバッグ3a内に移送された後に、すなわち、所与の水圧液体流量用に所定の時間期間が経過した後に、ポンプシステム60が停止され、第2のピンチ弁部材43は閉じられる。単核球成分のこの所定容量は、部分的に、第4段階の最後における分離バッグ1内の血漿の残余量に依存する。例えば、分離バッグ1内の血漿の残余量がベイセンサ57によって決定されるときには、単核球成分の所定容量は、約10〜15mlの間で設定することができ、約5mlの血漿および約5mlの赤血球を含む。次に、分離バッグ1内の血漿の残余量がバッグセンサ56によって決定されるときには、単核球成分の所定容量は、約50〜60mlの間で設定することができ、約30mlの血漿および約20mlの赤血球を含む。
【0094】
第6段階(第1のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する。
【0095】
ロータの回転スピードは、ロータが停止するように減少し、ポンプシステム60は、水圧チャンバ55が空になるまで高流量(例えば約800ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55からポンプ注入するように作動され、第1および第2のピンチ弁部材42、43は、チューブ14および16aを封止し切断するように作動される。赤血球、顆粒球および残余の単球およびリンパ球は、分離バッグ1内に残っているままである。
【0096】
第7段階(第1のプロトコル):赤血球成分が、第3のサテライトバッグ4内に移送される。
【0097】
ロータの蓋49が開けられ、第3のサテライトバッグ4に接続された分離バッグ1が、それから取り外される。生成物チューブ18上のクランプ19は開けられる。第3のサテライトバッグ4とそれに接続された生成物チューブ18との間の連通を阻止するフランジブルピン21は破られる。第3のサテライトバッグ4に含まれる保存溶液は、重力によってフィルタ20を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように赤血球と混合される。分離バッグ1の内容物は、次いで、重力によってフィルタ20を通って第3のサテライトバッグ4内に流れることができる。白血球(顆粒球および残余の単球およびリンパ球)がフィルタ20によって捉えられ、このため、第3のサテライトバッグ4内の究極濃厚赤血球成分は、実質的に白血球がなく、AABB(米国血液銀行協会)の基準に合致し、これは、1濃厚赤血球成分あたり5×10未満の白血球である。
【0098】
全血提供から4つの血液成分すなわち血漿、血小板、単核球および赤血球を用意することを目的とする第2の分離プロトコルの例が、下記に説明される。この第2の分離プロトコルに沿った分離装置の操作は、下記の通りである。
【0099】
第1段階(第2のプロトコル):分離されるべき一定量の抗凝固処理血液が、図2のバッグセットの分離バッグ1内に移送される。
【0100】
本来の第1段階の前に、1パイントの全血がドナーから第4のサテライト(収集)バッグ24内に受け取られており、この中に含まれる抗凝固溶液と混合されている。収集チューブ26は封止され切断されている。
【0101】
分離バッグ1に接続されたチューブ14、16b、18上のクランプ15、17、19が閉じられた後に、移送チューブ22をふさいでいるフランジブルピン25が壊され、収集バッグ24に含まれる抗凝固処理全血が、重力によって分離バッグ1内に移送チューブ22を通って移送される。分離バッグ1はターンテーブル35に装着され、チューブ14、22、16bは、それぞれ、第1、第2および第3のピンチ弁部材42、43、44に係合され、サテライトバッグ2、3b、4、24およびフィルタ20は、容器34内に置かれる。ピンチ弁部材42、43、44は閉じられ、チューブ14および16bのクランプ15および17は開けられる。赤血球用の第3のサテライトバッグ4に接続されたチューブ18上のクランプ19は、閉じられたままである。ロータの蓋49は閉じられる。
【0102】
この第1段階の変形例として、図2のバッグセットが分離装置のロータに装着された後に、一定量の抗凝固処理全血が分離バッグ1内に移送される。
【0103】
第2段階(第2のプロトコル):分離バッグ1に存在する空気が収集バッグ24内に一掃され、この中に単核球成分が後に移送される。
【0104】
第2段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じられる。ロータは、遠心分離モータ40によって発動され、この回転スピードは、第1の高遠心分離スピード(例えば約3200RPM)に達するまで徐々に増加する。遠心分離スピードが所定の中間値(例えば約1000RPM)に達するときには、第2のピンチ弁部材43が開けられ(分離バッグ1と単核球成分用に意図された第4のサテライトバッグ24との間の連通を制御する)、ポンプシステム60は、一定の流量(例えば約240ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入し結果として分離バッグ1を圧搾するように、作動される。分離バッグ1に存在する空気は、第4のサテライトバッグ24内に追い出される。ベイセンサ57による液体の検出に続く所定の時間期間後に、ポンプシステム60は停止され、ピンチ弁部材43は閉じられる。
【0105】
あるいは、分離バッグ1に含まれる空気は、血漿成分用の第1のサテライトバッグ2内かまたは血小板成分用の第2のサテライトバッグ3b内のいずれかに追い出されることができる。
【0106】
第3段階(第2のプロトコル):分離チャンバ内の血液は、所望のレベルに沈降される。
【0107】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じられる。ロータは、第1の高遠心分離スピード(例えば約3200RPM)で、所定の時間期間の間(例えば約220秒)回転され、それは、分離バッグ1に当初移送された全血のヘマトクリット値が何であれ、血液は、この中に所定の期間の最後に、外側環状赤血球層のヘマトクリット値が約90であり内側環状血漿層血漿が実質的に細胞がない点へ沈降するように、選択される。より詳細には、この沈降段階の結果で、分離バッグ1は4つの層を呈する。すなわち、主に血漿を備える第1の内側層と、主に血小板を備える第2の中間層と、主に白血球(リンパ球、単球および顆粒球)を備える第3の中間層と、主に赤血球を備える第4の外側層と、であり、第1および第2の層は部分的に重なり合う(顆粒球は第4の層に部分的に包埋されている)。
【0108】
第4段階(第2のプロトコル):血漿成分が、第1のサテライトバッグ2内に移送される。
【0109】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じられる。第4段階全体にわたって、ロータは、第1の高遠心分離スピード(例えば約3200RPM)で回転される。バッグセンサ56が赤血球を検出するのを停止した後の所定の時間期間後に、これは、所定の沈降期間の終了前に発生する可能性もあり、第1のサテライトバッグ2へのアクセスを制御する第1のピンチ弁部材42は開けられ、ポンプシステム60は、一定の流量(例えば約220ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように作動される。膨張水圧チャンバ55は分離バッグ1を圧搾し、血漿を第1のサテライトバッグ2内に移送させる。バッグセンサ56による赤血球の検出に続いて所定の時間期間が経過した後に、ポンプシステム60は停止され、第1のピンチ弁部材42は閉じられる。少量の血漿(例えば約30ml〜80mlの間)が、分離バッグ1に残っている。
【0110】
血漿成分の移送流量(これは直接、水圧流体の流量に関する)は、血漿成分を血小板で汚染するのを避けるように血小板層を乱すことなく、できるだけ高く選択される。
【0111】
第5段階(第2のプロトコル):血小板成分が、分離バッグ1で用意される。
【0112】
3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じられる。ロータの回転スピードは、赤血球の内側層、白血球、血小板、および、血漿の残余容量を混合するように、第1の遠心分離スピードから第2の遠心分離スピードへ(例えば、約3200RPMから約1500RPMへ)急速に減少する。次いで、ロータの回転スピードは、血漿内に血小板の懸濁を備える血小板を他の血液細胞(赤血球および白血球)から分離するように、第2の遠心分離スピードから、第1の遠心分離スピードよりも低い第3の遠心分離スピード(例えば、約1500RPMから約2500RPM)へ増加する。
【0113】
第6段階(第2のプロトコル):血小板成分は、第2のサテライトバッグ3b内に移送される。
【0114】
第2のサテライトバッグ3bへのアクセスを制御する第3のピンチ弁部材44は開けられ、第1および第2のピンチ弁部材42、43は閉じられる。ロータは、第3の回転スピード(例えば約2500RPM)で回転される。ポンプシステム60は、第1の流量で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように作動され、その後、血小板成分を第2のサテライトバッグ3b内に移送させるように、分離バッグ1を圧搾する。第1の流量(例えば約140ml/分)は、第4段階で血漿成分が第1のサテライトバッグ2内に移送される流量(例えば約220ml/分)よりも実質的に低い。血小板成分の第1の移送流量(これは直接、水圧流体の第1の流量に関する)は、懸濁血小板が沈降するのを防止するために同時にこの作動をトリガすることなく、十分に高いように選択される。
【0115】
ベイセンサ57が赤血球を検出するときに、ポンプシステム60は、赤血球によって血小板成分を汚染するのを防止するために、第1の流量よりも実質的に低い第2の流量(例えば約40ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように作動される。
【0116】
水圧液体が、第2の流量で所定の時間期間(例えば約4秒)の間、水圧チャンバ55内にポンプ注入されたときに、ポンプシステム60は、チャネルセンサ58が赤血球を検出した後に所定の時間期間(例えば約12秒)が経過するまで、第2の流量よりも低い第3の流量(例えば約20ml/分)で水圧液体をポンプ注入するように作動される。次いで、ポンプシステム60は停止される。
【0117】
第7段階(第2のプロトコル):単核球成分が第4のサテライト(収集)バッグ24内に移送される。
【0118】
第7段階は、第3のピンチ弁部材44が第6段階の最後で閉じられるとすぐに開始することができる。この第7段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じられる。ロータは、第3の高遠心分離スピード(例えば約2500RPM)で回転される。収集バッグ24へのアクセスを制御する第2のピンチ弁部材43は開けられ、ポンプシステム60は、一定の流量(例えば約40ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55内にポンプ注入するように作動される。膨張水圧チャンバ55は分離バッグ1を圧搾し、残余の血小板、リンパ球、顆粒球および少量の赤血球を備える単核球成分を収集バッグ24内に移送させる。所定の時間期間(例えば約15秒)が経過した後に、ポンプシステム60は停止され、第2のピンチ弁部材43は閉じられる。
【0119】
第8段階(第2のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する。
【0120】
ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少し、ポンプシステム60は、水圧チャンバ55が空になるまで、高流量(例えば約800ml/分)で水圧液体を水圧チャンバ55からポンプ注入するように作動され、3つのピンチ弁部材42、43、44は、チューブ14、16bおよび22を封止し切断するように作動される。赤血球、顆粒球および残余の単球およびリンパ球は、分離バッグ1内に残っているままである。
【0121】
第9段階(第2のプロトコル):赤血球成分が、第3のサテライトバッグ4内に移送される。
【0122】
ロータの蓋49は開けられ、第3のサテライトバッグ4に接続された分離バッグ1は、それから取り外される。生成物チューブ18上のクランプ19は開けられる。第3のサテライトバッグ4とそれに接続されたチューブ18との間の連通を阻止するフランジブルピン21は破られる。第3のサテライトバッグ4に含まれる保存溶液は、重力によってフィルタ20を通って分離バッグ内に流れることができ、そこで、粘度を下げるように赤血球および顆粒球と混合される。分離バッグの内容物は、次いで、重力によってフィルタ20を通って第3のサテライトバッグ4内に流れることができる。白血球(顆粒球および残余の単球およびリンパ球)がフィルタ20によって捉えられ、このため、第3のサテライトバッグ内の究極濃厚赤血球成分は、実質的に白血球がなく、AABB(米国血液銀行協会)の基準に合致し、これは、1濃厚赤血球成分あたり5×10未満の白血球である。
【0123】
血漿成分用の移送流量および血小板成分用の移送流量は、上述の例のように、実質的に一定であってもよく、または、変動してもよく、例えば、ランプまたは一連の小さなステップを備えてもよい。
【0124】
本明細書に記載された装置および方法に対して様々な修正を行うことができることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、明細書に検討された主題に限定されないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、修正例および変形例をカバーするように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明にしたがった分離装置と協働するために設計された分離バッグの第1のセットの概略図である。
【図2】本発明にしたがった分離装置と協働するために設計された分離バッグの第2のセットの概略図である。
【図3】本発明にしたがった分離装置の部分断面概略図である。
【図4】本発明にしたがった分離装置のロータの断面図である。
【図5】図4の分離装置のロータの上部部分の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離バッグ(1)に含まれる一定量の全血を少なくとも3つの成分に分離する方法であって、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように前記分離バッグ(1)を遠心分離することであって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−前記分離バッグ(1)に接続されている血漿成分バッグ内に、前記第1の層の第1の一部分を実質的に備える血漿成分を移送することと、
−前記分離バッグ(1)に接続されている単核球成分バッグ(3a、24)内に、リンパ球および単球を備える前記第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を移送することと、
を備える方法。
【請求項2】
前記単核球成分は、前記第1の層の第2の一部分および前記第2の層をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)に接続されている赤血球成分バッグ(4)内に、前記第4の層と顆粒球を備える前記第3の層の一部分とを備える赤血球成分を移送することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、前記赤血球成分バッグ(4)内に移送する間に、前記赤血球成分を濾過することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記赤血球成分を前記分離バッグ(1)から前記赤血球成分バッグ(4)内に移送する前に、一定量の保存溶液を前記赤血球成分バッグ(4)から前記分離バッグ(1)内に移送することをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記赤血球成分を前記分離バッグ(1)から前記赤血球成分バッグ(4)内に移送することは、前記分離バッグ(1)を遠心分離するのを停止した後に発生する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記赤血球成分は、重力によって前記分離バッグ(1)から前記赤血球成分バッグ(4)内に移送される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)に接続されている血小板成分バッグ(3b)内に、前記第2の層の一部分と、前記血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送した後に前記分離バッグ(1)に残っている前記第1の層の前記一部分とを備える血小板成分を移送することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記血小板成分を前記血小板成分バッグ(3b)内に移送する前に、血漿に血小板を懸濁させるように、前記第1の層の前記一部分と、前記血小板成分が備えられる前記第2の層の前記一部分とを混合することをさらに備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記血小板成分は、前記血小板成分バッグ(3b)内に少なくとも2つの連続流量で移送され、第1の流量は第2の流量よりも速い請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)を遠心分離するのを停止することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
分離バッグ(1)に含まれる一定量の全血を、少なくとも血漿成分、単核球成分および赤血球成分に分離する方法であり、前記分離バッグ(1)は少なくとも血漿成分バッグ(2)および単核球成分バッグ(3a、24)に流体的に接続されている方法であって、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように第1の回転スピードで回転軸(31)のまわりに前記分離バッグ(1)をスピンすることであって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−前記分離バッグ(1)と前記単核球成分バッグ(3a、24)との間の流体連通を阻止することと、
−前記分離バッグ(1)と前記血漿成分バッグ(2)との間の流体連通を可能にすることと、
−前記血漿成分バッグ(2)内に、前記第1の層の第1の一部分を備える血漿成分を移送するように、前記回転の軸(31)から第1の距離で赤血球が検出されるまで前記分離バッグ(1)を圧搾することと、
−前記分離バッグ(1)と前記血漿成分バッグ(2)との間の流体連通を阻止することと、
−前記分離バッグ(1)と前記単核球成分バッグ(3a、24)との間の流体連通を可能にすることと、
−前記単核球成分バッグ(3a、24)内に、リンパ球および単球を備える前記第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を移送するように、前記分離バッグ(1)を圧搾することと、
を備える方法。
【請求項13】
前記単核球成分は、前記第1の層の第2の一部分、前記第2の層、および、前記第4の層の一部分をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送された前記単核球成分は、所定の容量を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
全血の容量は約450mlであり、前記単核球成分の容量は、約10mlから約15mlまでの間で構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
全血の容量は約450mlであり、前記単核球成分の容量は、約50mlから約60mlまでの間で構成される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)をスピンするのを停止することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送するように前記分離バッグ(1)を圧搾した後に、
−前記第1の層の前記第2の一部分に懸濁した前記第2の層の血小板を備える血小板成分を用意するように、前記第2の層と前記分離バッグ(1)に残っている前記第1の層の第2の一部分とを混合することと、
−前記分離バッグ(1)と前記血漿成分バッグ(2)との間の流体連通および前記分離バッグ(1)と単核球成分バッグ(3a、24)との間の流体連通を阻止することと、
−前記分離バッグ(1)と前記分離バッグ(1)に接続されている血小板成分バッグ(3b)との間の流体連通を可能にすることと、
−前記血小板成分を前記血小板成分バッグ(3b)内に移送するように、前記回転の軸(31)から第2の距離で赤血球が検出されるまで前記分離バッグ(1)を圧搾することであって、前記第2の距離は前記第1の距離よりも短いことと、
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
血小板成分を用意するように前記第2の層と前記分離バッグ(1)に残っている前記第1の層の第2の一部分とを混合することは、
−前記第1の層の前記第2の一部分と前記第2の層と前記第3の層と前記第4の層の一部分とを混合するように、回転スピードを前記第1の回転スピードから第2の回転スピードへ減少することと、
−前記血小板成分を前記第3の層および前記第4の層から分離するように、回転スピードを前記第2の回転スピードから第3の回転スピードへ増加することであって、前記第3の回転スピードは前記第1の回転スピードよりも低いことと、
を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記血小板成分を前記血小板成分バッグ(3b)内に移送するように前記分離バッグ(1)を圧搾することは、
−前記回転の軸から第2の距離で赤血球が検出されるまで第1の流量で前記血小板成分を移送するように、前記分離バッグ(1)を圧搾することであって、前記第2の距離は前記第1の距離よりも短いことと、
−前記回転の軸から前記第2の距離で赤血球を検出するのに続いて、少なくとも、前記第1の流量よりも低い第2の流量で、前記血小板成分を移送するように、前記分離バッグ(1)を圧搾することと、
−前記回転の軸から第3の距離で赤血球を検出するのに続いて前記分離バッグ(1)を圧搾するのを停止することであって、前記第3の距離は前記第2の距離よりも短いことと、
を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)に接続されている赤血球成分バッグ内(4)に、前記第4の層と顆粒球を備える前記第3の層の一部分とを備える赤血球成分を移送することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、前記赤血球成分バッグ(4)内に移送する間に、前記赤血球成分を濾過することをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記赤血球成分を前記分離バッグ(1)から前記赤血球成分バッグ(4)内に移送することは、前記分離バッグ(1)を遠心分離するのを停止した後に発生する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記赤血球成分は、重力によって前記分離バッグ(1)から前記赤血球成分バッグ(4)内に移送される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように、分離バッグ内の一定量の全血を遠心分離することであって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−前記分離バッグから、前記第1の層と、前記第2の層と、リンパ球および単球の大半を含む前記第3の層の一部分とを除去することと、
の各ステップによって、一定量の全血から抽出される赤血球成分。
【請求項26】
顆粒球、および、残余の単球およびリンパ球を実質的に除去するように、前記第4の層と前記第3の層の残っている部分とを濾過する追加ステップによって抽出される、請求項25に記載の赤血球成分。
【請求項27】
前記第4の層と前記第3の層の残っている部分とを濾過することの前に、赤血球用の一定量の保存溶液を前記分離バッグ(1)内に移送する追加ステップによって抽出される、請求項26に記載の赤血球成分。
【請求項28】
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に分離するように、分離バッグ内の一定量の全血を遠心分離することであって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合うことと、
−前記分離バッグから、前記第1の層の少なくとも第1の一部分を除去することと、
−前記分離バッグから、リンパ球および単球を備える前記第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を除去することと、
の各ステップによって、一定量の全血から抽出される単核球成分。
【請求項29】
第1の成分の第2の一部分と第2の成分とをさらに備える、請求項28に記載の単核球成分。
【請求項30】
前記第1の層の前記第1の一部分を除去するステップの後に、前記分離バッグから、前記第2の層と前記分離バッグに残っている前記第1の層の第2の一部分とを除去する追加ステップによって抽出される、請求項28に記載の単核球成分。
【請求項31】
分離バッグ(1)に含まれる一定量の全血を少なくとも血漿成分と単核球成分と赤血球成分とに分離する装置であり、前記分離バッグ(1)は、少なくとも血漿成分バッグ(2)および単核球成分バッグ(3a、24)に流体的に接続されている装置であって、
前記ロータの回転軸(31)のまわりに分離容器(11)をスピンするロータ(32、33、34、35)と、
−前記分離バッグ(1)を前記血漿成分バッグ(2)に接続するチューブ(14)と相互作用し、それを通る流体流れを選択的に可能にするかまたは阻止するために前記ロータ(32、33、34、35)に装着されている第1の弁部材(42)と、
−前記分離バッグ(1)を前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続するチューブ(16a、22)と相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止するために前記ロータ(32、33、34、35)に装着されている第2の弁部材(43)と、
−前記ロータ(32、33、34、35)の前記回転軸(31)から一定の距離で前記分離バッグ(1)の赤血球を検出する少なくとも1つのセンサ(56、57)と、
−前記血漿成分を前記分離バッグ(1)から前記血漿成分バッグ(2)内に移送させ、前記単核球成分を前記分離バッグ(1)から前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送させる流体移送システム(54、55、37、38、60)と、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に一定量の全血が沈降するのを可能にする少なくとも1つの遠心分離スピードを記憶するメモリであって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合うメモリと、
−制御ユニット(70)であって、
−前記少なくとも1つのセンサ(56、57)から情報を受け取り、前記メモリから前記少なくとも1つの遠心分離スピードを受け取るために、
−前記少なくとも1つの遠心分離スピードで前記ロータ(32、33、34、35)を回転させるために、
−前記一定量の全血が前記分離バッグ(1)に沈降したときに、前記第1の弁部材(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を開かせ、前記第2の弁部材(43)に、前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続されている前記チューブ(16a、22)を閉じさせるために、
−前記流体移送システム(54、55、37、38、60)に、前記第4の層の第1の一部分を備える血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送させるために、
−赤血球が前記少なくとも1つのセンサ(56、57)によって検出されたときに、前記流体移送システム(54、55、37、38、60)に、前記分離バッグ(1)の内容物の移送を停止させ、前記第1の弁部材(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を閉じさせ、前記第2の弁部材(43)に、前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続されている前記チューブ(16a、22)を開かせるために、
−前記流体移送システム(54、55、37、38、60)に、所定容量を有し且つリンパ球および単球を備える前記第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送させるために、
プログラムされた制御ユニット(70)と、
を備える装置。
【請求項32】
−前記分離バッグ(1)を血小板成分バッグ(3b)に接続するチューブ(16b)と相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止するために前記ロータ(32、33、34、35)に装着されている第3の弁部材(44)と、
−前記少なくとも1つのセンサ(56、57)が位置する距離よりも短い前記ロータ(32、33、34、35)の前記回転軸(31)からの距離で、前記分離バッグ(1)の赤血球を検出する1つの追加センサ(58)と、
をさらに備え、
前記制御ユニットは、
−前記血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)に残っている前記第1の層の第2の一部分を、前記第2の層、前記第3の層、および、前記第4の層の内側層と混合するように、前記ロータ(32、33、34、35)の回転スピードを第1の回転スピードから第2の回転スピードへ減少させるために、
−前記第1の層の前記第2の一部分を、前記第2の層、前記第3の層、および、前記第4の層の前記内側層と混合することが完了した後に、血小板成分を前記第3および第4の層から分離するように、前記ロータ(32、33、34、35)の回転スピードを前記第2の回転スピードから第3の回転スピードへ増加させるために、前記血小板成分は前記第4の層の第2の一部分に懸濁した血小板を備えるように、
−前記血小板成分が分離されるときに、前記第1の弁部材(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を閉じさせ、前記第2の弁部材(43)に、前記単核球成分バッグ(24)に接続されている前記チューブを閉じさせ、前記第3の弁部材(44)に、前記血小板成分バッグ(3b)に接続されている前記チューブ(16b)を開かせるために、
−前記流体移送システム(54、55、37、38、60)に、少なくとも前記追加センサ(58)が赤血球を検出するまで、前記血小板成分を前記分離バッグ(1)から前記血小板成分バッグ(3b)内に移送させるために、
さらにプログラムされる、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記流体移送システム(54、55、37、38、60)は、前記分離バッグ(1)を圧搾し、前記分離バッグ(1)の内容物を、前記血漿成分バッグ(2)および前記単核球成分バッグ(3a、24)の少なくとも一方内に移送させる圧搾システム(54、55)を備える、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記流体移送システム(54、55、37、38、60)は、前記分離バッグ(1)の内容物を、前記血漿成分バッグ(2)および前記単核球成分バッグ(3a、24)の少なくとも一方内に移送させるポンプシステム(60)を備える、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
分離バッグ(1)に含まれる一定量の全血を少なくとも血漿成分と単核球成分と赤血球成分とに分離する装置であり、前記分離バッグ(1)は、少なくとも血漿成分バッグ(2)および単核球成分バッグ(3a、24)に流体的に接続されている装置であって、
−回転軸(31)のまわりに前記分離バッグ(1)をスピンする手段(32、33、34、35)と、
−前記分離バッグ(1)を前記血漿成分バッグ(2)に接続するチューブ(14)と相互作用し、それを通る流体流れを選択的に可能にするかまたは阻止する第1の手段(42)と、
−前記分離バッグ(1)を前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続するチューブ(16a、22)と相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止する第2の手段(43)と、
−前記回転軸(31)から一定の距離で前記分離バッグ(1)の赤血球を検出する少なくとも1つの手段(56、57)と、
−前記血漿成分を前記分離バッグ(1)から前記血漿成分バッグ(2)内に移送させ、前記単核球成分を前記分離バッグ(1)から前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送させる手段(54、55、37、38、60)と、
−血漿を備える第1の内側層と、血小板を備える第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を備える第3の中間層と、赤血球を備える第4の外側層と、に一定量の全血が沈降するのを可能にする少なくとも1つの遠心分離スピードを記憶する手段であって、少なくとも前記第3および第4の層は部分的に重なり合う手段と、
−制御手段(70)であって、
−前記少なくとも1つの検出手段(56、57)から情報を受け取り、前記記憶手段から前記少なくとも1つの遠心分離スピードを受け取るために、
−前記スピン手段(32、33、34、35)に、前記少なくとも1つの遠心分離スピードで前記分離バッグ(1)をスピンさせるために、
−前記一定量の全血が前記分離バッグ(1)に沈降したときに、前記第1のチューブ相互作用手段(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を開かせ、前記第2のチューブ相互作用手段(43)に、前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続されている前記チューブ(16a、22)を閉じさせるために、
−前記移送手段(54、55、37、38、60)に、前記第4の層の第1の一部分を備える血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送させるために、
−赤血球が前記少なくとも1つの検出手段(56、57)によって検出されたときに、前記移送手段(54、55、37、38、60)に、前記分離バッグ(1)の内容物の移送を停止させ、前記第1のチューブ相互作用手段(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を閉じさせ、前記第2のチューブ相互作用手段(43)に、前記単核球成分バッグ(3a、24)に接続されている前記チューブ(16a、22)を開かせるために、
−前記移送手段(54、55、37、38、60)に、所定容量を有し且つリンパ球および単球を備える前記第3の層の少なくとも一部分を備える単核球成分を前記単核球成分バッグ(3a、24)内に移送させるために、
プログラムされた制御手段(70)と、
を備える装置。
【請求項36】
−前記分離バッグ(1)を血小板成分バッグ(3b)に接続するチューブ(16b)と相互作用し、それを通る流体流れ成分を選択的に可能にするかまたは阻止する第3の手段(44)と、
−前記少なくとも1つの検出手段(56、57)が位置する距離よりも短い前記回転軸(31)からの距離で、前記分離バッグ(1)の赤血球を検出する1つの追加手段(58)と、
をさらに備え、
前記制御手段は、
−前記血漿成分を前記血漿成分バッグ(2)内に移送した後に、前記分離バッグ(1)に残っている前記第1の層の第2の一部分を、前記第2の層、前記第3の層、および、前記第4の層の内側層と混合するように、前記スピン手段(32、33、34、35)の回転スピードを第1の回転スピードから第2の回転スピードへ減少させるために、
−前記第1の層の前記第2の一部分を、前記第2の層、前記第3の層、および、前記第4の層の前記内側層と混合することが完了した後に、血小板成分を前記第3および第4の層から分離するように、前記スピン手段(32、33、34、35)の回転スピードを前記第2の回転スピードから第3の回転スピードへ増加させるために、前記血小板成分は前記第4の層の前記第2の一部分に懸濁した血小板を備えるように、
−前記血小板成分が分離されるときに、前記第1のチューブ相互作用手段(42)に、前記血漿成分バッグ(2)に接続されている前記チューブ(14)を閉じさせ、前記第2のチューブ相互作用手段(43)に、前記単核球成分バッグ(24)に接続されている前記チューブを閉じさせ、前記第3のチューブ相互作用手段(44)に、前記血小板成分バッグ(3b)に接続されている前記チューブ(16b)を開かせるために、
−前記移送手段(54、55、37、38、60)に、少なくとも前記追加検出手段(58)が赤血球を検出するまで、前記血小板成分を前記分離バッグ(1)から前記血小板成分バッグ(3b)内に移送させるために、
さらにプログラムされる、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記移送手段(54、55、37、38、60)は、前記分離バッグ(1)を圧搾し、前記分離バッグ(1)の内容物を、前記血漿成分バッグ(2)および前記単核球成分バッグ(3a、24)の少なくとも一方内に移送させる圧搾手段(54、55)を備える、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記移送手段(54、55、37、38、60)は、前記分離バッグ(1)の内容物を、前記血漿成分バッグ(2)および前記単核球成分バッグ(3a、24)の少なくとも一方内に移送させるポンプ手段(60)を備える、請求項35に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−525107(P2008−525107A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548272(P2007−548272)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/044821
【国際公開番号】WO2006/071496
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507114521)ガンブロ・ビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】Gambro BCT, Inc.
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】