説明

一次照明光を前処理するための光学装置

【課題】光損失の少ない色ー偏光選択性能を有し、高温安定性、温度ロバスト性に優れた光学装置を提供する。
【解決手段】順次及び/又は連続して接続された複数のプリズム(21、22)から構成されるマルチプリズムアセンブリ(10)を有するスペクトル処理部(P)を備え、一次照明光を前処理する光学装置を提供する。隣接していて接続されたプリズム(21、22)の対(20)は、各スペクトル分離面(20c)を形成する。スペクトル分離面(20c)は、一次照明光(L1)に対して、スペクトル分離/スプリッティング処理を実行するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次照明光を前処理するための光学装置に関し、詳しくは、波長別の偏光管理を実現するスペクトル処理部として、複数のダイクロイックプリズムのアセンブリ又はマルチプルダイクロイックプリズムアセンブリ(multiple dichroic prism assembly:MDP)である又はこのようなアセンブリを備える光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの光学システム、特にLCDプロジェクタにおいて、供給される一次照明光を前処理するための光学装置が必要である。前処理では、入射された一次照明光を、スペクトル及び/又は偏光特性に関して、相補的な成分に分割するサブプロセスが行われる場合がある。
【0003】
但し、例えば、色選択フィルタユニット(colour selective filter unit)等の周知の手法は、色選択性に関しては良好な性能を示すが、投写システムでは、多くの場合、いくらかの温度上昇があるため、動作時における光出射及び/又は安定性に関しては、適切ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、光損失が少ない良好な色−偏光選択性能を有し、高温安定性及び温度ロバスト性に優れた光学装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明の独立請求項1の特徴に係る光学装置を用いて達成される。本発明に係る光学装置の好ましい実施形態は、従属請求項の範囲に含まれる。
【0006】
本発明に係る光学装置は、一次照明光を処理する光学装置において、光入射部と、光出射部と、スペクトル処理部とを備える。光入射部は、入射方向から照射される一次照明光が入射されるように構成及び/又は配置されている。光出射部は、二次照明光として、出射方向に出射光を出射するように構成及び/又は配置されている。スペクトル処理部は、光入射部及び光出射部の間に配設され、一次照明光をスペクトル的に処理し、二次照明光を生成するように構成及び/又は配置されている。
【0007】
スペクトル処理部は、順次及び/又は連続して接続された複数のプリズムからなるマルチプリズムアセンブリを備える。隣接し、接続されたプリズムの対は、特に、対角線に対応する面又は斜面において、対角線に対応する面又は斜面の間の接続インタフェースを構成する各スペクトル分離面を形成する。スペクトル分離面は、一次照明光又はその派生成分に対して、スペクトル分離及び/又はスプリッティング処理を実行し、二次照明光又は二次照明光のプリフォームを生成し、特に、スペクトル的に分離され、実質的に異なる及び/又は実質的に相補的なスペクトル帯域又はスペクトル成分に属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない二次照明光の第1及び第2の成分又は種類又は二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを生成する。
【0008】
換言すれば、本発明の課題は、一次照明光L1から2種類の二次照明光L2であるL2−1及びL2−2を生成することである。2種類の二次照明光L2であるL2−1及びL2−2の間では、スペクトル帯域が異なり、更に、特に偏光状態が異なる。
【0009】
まず、L2−1及びL2−2は、例えば、赤−シアン、青−黄色、緑−マゼンタ等、相補的な光のスペクトル帯域を有する。本発明に基づくマルチダイクロイックプリズムアセンブリの第1のタスクは、これらの異なるスペクトル帯域を分離することである。
【0010】
第2に、2つの相補的なスペクトル帯域を互いに垂直な、所定の直線偏光状態にする。例えば、青色光をs偏光された光にし、黄色光をp偏光された光にする。
【0011】
光路及び光学装置の後段にある照明システムの構成に応じて、色の間で偏光状態を変更してもよい。
【0012】
このシステムにより、構成体の大きさを大きくすることなく、又はシステムの部品数を多くすることなく、スペクトル帯域の一部を所望の偏光状態にすることができる。既存の照明システムでは、それぞれの第2のレンズアレイと偏光変換器の後に白色光は1つだけの直線偏光状態、すなわちp偏光状態又はs偏光状態で存在している。
【0013】
部品数の削減と、照明システムの大きさの縮小について、図5及び図6を用いて説明する。本発明に基づく構成では、2つの状態の直線偏光された光が存在し、各状態は、それぞれ、固有のスペクトル帯域又は色を有している。
【0014】
例えば、LCDプロジェクタ等の投写システムは、偏光に影響されるイメージャ(polarization sensitive imager)を用いる。照射時において、空間的には分離されていないが、偏光状態及び色に関して既に分離されている光を用いることによって、システムの大きさ及び複雑さを小さくできるという利点がある。両方の状態は、同じ照明光の光束において、Z方向に平行に存在している。
【0015】
偏光又は色に影響される部分は、システムのアーキテクチャに応じて、後に光を空間的に分離することができる。また、この環境により、投写エンジンの光学的設計の自由度が高まる。
【0016】
本発明に基づく光学装置の好適な実施形態では、複数のプリズム又は複数のプリズムの部分は、入射方向に向いている入射面を構成する。これに加えて又はこれに代えて、複数のプリズム又は複数のプリズムの部分は、出射方向に向いている出射面を構成する。
【0017】
本発明の更なる又は代替となる実施形態においては、隣接し、接続されたプリズムの対は、立方体構造又は正方形の構造を有し、これは、直平行六面体又は正平行六面体の構造を意味する。
【0018】
好ましくは、ダイクロイックミラーは、プリズムの対の間に配設する。これにより、上述したスペクトル分離面が形成される。ダイクロイックミラーは、第1のスペクトル帯域外又は第1のスペクトル帯域内の光を反射するように構成してもよい。更に、ダイクロイックミラーは、第2のスペクトル帯域外又は第2のスペクトル帯域内の光を透過するように構成してもよい。更に、第2のスペクトル帯域は、第1のスペクトル帯域に対して実質的に相補的であり及び/又は重複しない帯域であってもよい。
【0019】
この場合、本発明の好適な実施形態として示す光学装置は、45°の向きに配設され、反射光又は透過光の偏光状態を適応化する半波長又はλ/2リターダを備え、実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき二次照明光の第1及び第2の成分又は種類又は二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備する。
【0020】
本発明の更なる好適な実施形態においては、プリズムは、正三角形の形状を有していてもよく、及び/又はスペクトル分離面は、プリズムの対の隣接し、接続された2つのプリズムの斜面によって形成してもよい。
【0021】
この場合、λ/2リターダは、プリズムの直角面上に又はこれに隣接して構成することが好ましい。これに加えて、直角面は、入射方向及び/又は出射方向に対して平行な向きを向いていてもよい。特に、これにより、実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき二次照明光の第1及び第2の成分又は種類又は二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備してもよい。
【0022】
変形例として、プリズムの対は、菱形の形状を有していてもよく、プリズムの平行面の第1の組は、入射方向に対して45°の角度を形成し、プリズムの平行面の第2の組は、入射方向に垂直な方向に向けられていてもよい。更に、隣接し、接続されたプリズムの第1の組の面の間に、ダイクロイックミラーを配置してもよい。
【0023】
この場合、平行面の第2の組の光出射部に向いている面は、45°の向きでλ/2リターダによってコーティングされており、これにより、実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき二次照明光の第1及び第2の成分又は種類又は二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備してもよい。
【0024】
本発明の更なる実施形態においては、本発明に基づく光学装置は、スペクトル処理部の一部として、偏光又は偏光変換装置を備えていてもよい。
【0025】
この偏光又は偏光変換装置は、光入射部と、スペクトル処理部との間に構成及び/又は配置してもよい。
【0026】
これに代えて、偏光又は偏光変換装置は、第2の処理部と、光出射部との間に構成及び/又は配置してもよい。
【0027】
本発明に基づく光学装置の更なる好適な実施形態では、複数のプリズム及び/又はマルチプリズムアセンブリのプリズムの対又はマルチプリズムアセンブリ自体は、入射方向に実質的に垂直である実質的に一方向に延びる構成を有する又はこのような構成に形成される。更に、各プリズム又はアセンブリ自体は、棒状の構造を有していてもよい。
【0028】
これに代えて、複数のプリズム及び/又はマルチプリズムアセンブリのプリズムの対、又はマルチプリズムアセンブリ自体又はその一部は、実質的に2方向に延び、それぞれ入射方向に対して実質的に垂直であり、且つそれぞれ互いに実質的に垂直であってもよい。各プリズム又はアセンブリ自体は、二次元プレート又は平面状の構成を有し又は形成してもよい。
【0029】
本発明の好適な実施形態においては、プリズムの対は、一次照明光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置された第1のプリズムを備える。
【0030】
この機能を実現するために、第1のプリズムは、一次照明光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置され、光入射方向に対して実質的に垂直に向けられている第1の面を備えていてもよい。
【0031】
本発明の更なる実施形態又は代替的な実施形態において、第1のプリズムは、第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分を第1のプリズムから、プリズムの隣接する対の第2のプリズムに向けて照射させ、特にプリズムの隣接する対の第2のプリズムの第1の面を介して入射させるように構成及び/又は配置された第2の面を備えていてもよい。
【0032】
本発明の光学装置の更なる好適な実施形態において、第1のプリズムは、第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分が入射され、入射された第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分を、特に、第1の面から、第1のプリズムの第2の面に反射するように構成及び/又は配置された第3の面を備える。
【0033】
これに加えて又はこれに代えて、この第1のプリズムの第3の面は、第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分が入射され、この入射された第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分をプリズムの対の第1のプリズムの第1の面から第3の面に出射し、プリズムの対の第2のプリズムの第3の面を介して、第2のプリズムに入射させるように構成及び/又は配置してもよい。
【0034】
本発明の好適な実施形態に基づく第1のプリズムの特定の単純な形式として、第1のプリズムの第1の面は、特に直角面として、入射方向に実質的に垂直な方向に向けられる。これに加えて又はこれに代えて、第1のプリズムの第2の面は、直角面として、入射方向に対して実質的に平行な方向に向けてもよい。更に、これに加えて又はこれに代えて、第1のプリズムの第3の面は、斜面として、第1のプリズムの第1の面及び第2の面を接続する対角線に対応する面であってもよい。
【0035】
プリズムの対は、第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置された第2のプリズムを備えていてもよい。
【0036】
これに加えて又はこれに代えて、第2のプリズムは、特に、プリズムの対の第1のプリズムから、更に特に、プリズムの対の第1のプリズムの第3の面から、第2のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置してもよい。
【0037】
プリズムの対の第2のプリズムの部分である第1の面を、特に、プリズムの隣接する対から、更に特に、プリズムの隣接する対の第1のプリズムの第2の面から第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置することが特に好ましい。更に、これに加えて又はこれに代えて、第2のプリズムの第1の面は、入射方向及び/又は放射方向に実質的に平行な方向に向けるとよい。
【0038】
本発明に基づく光学装置の更に好ましい実施形態では、第2のプリズムは、第2のプリズムから、特に、実質的に出射方向に、及び/又は、特に、第2のスペクトル帯域のすなわち第2のスペクトル帯域内の光を出射させるように構成及び/又は配置された第2の面を備えていてもよい。
【0039】
本発明に係る光学装置の更に好ましい実施形態では、第2のプリズムは、第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分すなわち第1のスペクトル帯域内の光又はその派生成分が入射され、第2のプリズムの第1の面から第2のプリズムの第2の面にp偏光状態の光を反射する第3の面を備える。これに加えて又はこれに代えて、第3の面は、s偏光状態の光を透過するように構成及び/又は配置してもよい。
【0040】
これに加えて又はこれに代えて、第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分すなわち第2のスペクトル帯域内の光又はその派生成分が入射され、光を第2のプリズムの第2の面に照射するように構成及び/又は配置された第3の面を備えていてもよい。
【0041】
本発明のこれらの及び更なる側面は、以下の記述によっても説明される。
【0042】
本発明は、以下の幾つかの好適な実施形態によって示すように、90°のプリズムのアセンブリであり、又はこのようなアセンブリを含む。90°のプリズムのアセンブリは、LCD投写機用の投写システムにおいて用いることができる。このアセンブリは、入射する光を、互いに相補的であり、実質的に重複しない2つの成分すなわち、第1及び第2のスペクトル成分に分割する。例えば、第1のスペクトル帯域は、第2のスペクトル帯域に対して相補的な偏光状態に変更される。
【0043】
出射される光は2つのスペクトル帯域に分割され、スペクトル帯域の偏光状態は、s直線偏光された光又はp直線偏光された光に分離される。
【0044】
例えば、入射された白色の直線偏光された光は、青色及び黄色の成分に分割される。この場合、青色光の偏光ステージは、青色が黄色に対して180°の位相シフトされた、直線偏光された光を有するように変更される。
【0045】
周知の第1の手法では、例えば、ポリマを材料とする複数の、例えば、20〜30個のリターダホイル(retarder foil)を積層することによって、同様の機能を実現できる。この種フィルタは、例えば、カラーリンク社(Colorlink)から、色選択フィルタ(color select filter:商標)として市販されている。
【0046】
フィルタは、直線偏光された光に対して作用する。この手法は、温度安定性の点で劣り、UV放射及び濃い青色光に対する抵抗が低く、伝達効率が悪いという問題があった。周知の第2の手法では、システムの照明部分で45°のダイクロイックミラー構成及び半波長リターダを用いる。この手法の具体例を図4に示す。この構成では、本発明に基づく構成に比べて、照明システムの大きさが大きくなり、光の光路も長くなる。
【0047】
本発明の利点は、色選択フィルタに比べて、温度の影響が小さく、伝達効率が高いという点である。
【0048】
上述した色選択フィルタ(周知の第1の手法)は、性能は高いが、高温では安定せず、したがって、現在用いられている殆どの投写システムに不向きである。更に、積層される層の数によって、光の伝達効率が低下するため、システムの効率に制約がある。
【0049】
45°のダイクロイックミラー構成を有する上述したシステム、すなわち、第2の手法では、構成が空間的に大きくなってしまい、照明システムの光路が長くなるため、そのための空間も必要となる。
【0050】
本発明は、以下の問題を解決する。
・照明システムの大きさ
・温度安定性
・濃い青色光に対する抵抗
・伝達効率
・波長選択的な偏光におけるF/#ナンバー(F/# number)に対する依存性
図3及び図7は、本発明の第1の実施形態に基づく上述した直角三角形のプリズムのアセンブリを示している。各第2の単一のプリズムは、三角形又は三角形プリズムの斜面の表面がダイクロイックミラーコーティングによってコーティングされる。これらのプリズムは、同形状ではあるが、上述のような種類のコーティングを有していないプリズムと共に、一対に接合される。これにより、立方体状のプリズムアセンブリが形成される。次の工程では、各立方体状のプリズムの一方の面にリターダを積層する(図7参照)。
【0051】
これらのプリズムは、直線偏光された光を必要とする従来の照明システムに配設及び/又は採用される。
【0052】
レンズアレイ集光(lens array light integration system)システムの周知の設計は、マルチダイクロイックプリズムアセンブリを用いる基礎となる。
【0053】
図1は、ランプと、放物面反射器と、第1のレンズアレイと、偏光変換装置(polarizing-converting-system:以下、PCSとも言う。)と、第2のレンズアレイと、マルチDCプリズムとを備える第1の実施形態に基づくアセンブリの概略的構成を示している。この照明システムは、本発明に基づくマルチDCプリズムアセンブリ以外は、現在のプロジェクタに採用されている周知の照明システムを用いている。
【0054】
ランプから出射され、コリメートされた光束は、第1のレンズアレイによって、第2のレンズアレイに焦点を合わせられる。光は、第2のレンズアレイに到達する前に、偏光ビーム分割プリズム(偏光変換装置)によって、p偏光された光と、s偏光された光とに分割される。光分割の後に、偏光状態の1つをs偏光からp偏光に、又はp偏光からs偏光に変更することができる。とにかくPCSの後段では、白色光(λ1)は、直線偏光される。直線偏光された光λ1は、レンズアレイ2を通過した後、ダイクロイックプリズムによって、2つの帯域の光λ2及びλ3に分割される。ダイクロイックミラーは、λ3を透過し、λ2を反射する。透過された帯域の光λ3は、偏光ステージを変更することなく誘導される。ダイクロイックミラーは、光λ2を2回反射する。第1の反射の後に、プリズムの間に設けられた半波長リターダは、光λ2の偏光ステージを変更する。第2の反射は、照明システムに向けて光を誘導する。
【0055】
図2は、同じ機能を有する本発明の第2の実施形態を示している。ここでは、幾つかの部品が、その配置及び細部の構造が、上述の実施の形態と異なっている。
【0056】
第2の実施形態は、放物面反射器、第1のレンズアレイ、マルチDCプリズム、第2のレンズアレイ及び偏光変換装置PCSを備える。ここでは、第1の構成から、マルチDCプリズム及び偏光変換装置PCSの位置が変更されている。更に、マルチDCプリズムアセンブリの基本的な構造は、コーティングを除いて、偏光変換装置PCSと同様である。マルチDCプリズムの正面に設けられたグリッドは、光が予定外のプリズムに出射されることを回避するために設けられている。このシステムは、原理的に、上述したシステムと逆の動作を行う。まず、光を2つの帯域の光λ2、λ3に分割する。ここでは、いずれの帯域もまだ偏光されていない。第2のレンズアレイを通過した後、PCSは、両方のスペクトル帯域について、スペクトル帯域の偏光ベクトルが互いに直交するように、直線偏光された光を生成する。
【0057】
ダイクロイックプリズムは、第1のレンズアレイから入射される光を2つのスペクトル帯域に分割する。ダイクロイックミラーは、λ2を反射させ、λ3を透過させる。レンズアレイを通過した後、λ3は、PCSのプリズム1に入射し、λ2は、PCSのプリズム2に入射する。ここで、λ2及びλ3は、s偏光成分とp偏光成分とに分離される。以下のスキームでは、(図2参照)λ2の透過された成分は、p偏光される。更に、λ3の透過された部分もp偏光される。
【0058】
λ2及びλ3の両方の反射された成分は、s偏光される。このプリズム構成により、各プリズムでは、プリズム毎に異なる偏光方向を有する両方のスペクトル帯域が得られる。各第2のプリズムの正面には、45°に傾斜された半波長リターダが配設され、これにより、偏光方向が約90°変更され、全てのλ2成分が同じ偏光ステージを有し、全てのλ3成分が、λ2の偏光ステージに対して相補的な、同じ偏光ステージを有することとなる。
【0059】
これにより、高度な製造技術を用いることなく、1つのシステムで色管理及び偏光管理を統合できる。この手法では、リターダシートから色選択フィルタを製造するために必要であった高度な積層処理を行う必要もない。本発明の更なる利点は以下の通りである。
・F/#ナンバー(照明システムにおける角度の急峻さを示す数値)からの偏光及び色選択効率の独立性が実現できる。
・伝達効率が高い。
・製造工程が簡単である。
・温度の変化に対する影響が小さい。
・430nm未満の濃い青色光に関して、安定性が高い。
【0060】
以下、添付の図面を参照して、好適な実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下では、構造的又は機能的に同等又は類似する要素については、同じ参照シンボルを付す。これらの同様な要素については、出現の都度、その構造及び機能を繰返し説明することはしない。
【0062】
図1は、本発明に基づく光学装置1の第1の実施形態の概略的な断面図である。この光学装置1は、スペクトル処理部Pとして、λ/2リターダユニットを有するマルチダイクロイックプリズムアセンブリ(multi-dichroic prism assembly)10を備える。マルチダイクロイックプリズムアセンブリ10は、第1及び第2のプリズム21、22の対20から構成される1次元構造すなわち棒状の構造又は2次元構造すなわち面状の構造を有する。
【0063】
一次照明光L1は、マルチダイクロイックプリズムアセンブリ10の光入射側の面に配設された第1のレンズアレイ31、偏光変換器50及び第2のレンズアレイ32を介して、入力方向又は入射方向Zから入射する。本発明に基づくマルチダイクロイックプリズムアセンブリ10を用いて、スペクトル処理部Pによって、一次照明光L1を前処理した後に、二次照明光L2は、スペクトル処理部Pから出射され、すなわち、マルチダイクロイックプリズムアセンブリ10から、この具体例では、実質的には入射方向Zと同じ方向である出射方向Z’に出射される。
【0064】
図2に示す本発明に基づく光学装置1の実施形態は、以下の特性に関して、図1に示す光学装置と同様である。図2に示す実施形態は、スペクトル処理部Pとしてマルチダイクロイックプリズムアセンブリを備え、ここで、隣接し、連結されたプリズム21、22の対20は、平行六面体(parallelepiped)又は偏菱形(rhomboid)の構造を有する。尚、図1の実施形態では、プリズム21及び22は、三角形の構造を有する。更に、この実施形態では、各偏光状態を変換するために、各第2のダイクロイックプリズムの背後にλ/2リターダユニット40を設けている。
【0065】
図3は、図1に示す実施形態の概略的な断面の側面図であり、偏光されていない一次照明光、p偏光された一次照明光及びs偏光された一次照明光の光路を示している。更に、各偏光状態Aを変換するために、偏光変換器50の各第2のプリズムの背後にλ/2リターダユニット40を設けている。マルチダイクロイックプリズムアセンブリ10内の光路に関するより詳細な状態については、図9A及び図9Bに示してある。
【0066】
上述のように、図4は、本発明と効果を比較するために、従来の光学装置の光路を示している。
【0067】
図5は、従来のスペクトル処理部10’を備える従来の光学装置1’の概略的な断面図を示しており、このスペクトル処理部は、従来の投写システムに用いられており、その光学的広がり(optical extension)は比較的大きい。
【0068】
直接の比較として、図6は、図5の構成に比べて、実質的には、本発明に基づく光学装置1を用いて、特に、本発明に基づくマルチダイクロイックプリズムアセンブリ10を用いて行われるスペクトル処理としての光学的広がりを小さくした新たな投写システムにおける、スペクトル処理部P又はスペクトル処理部10を備える本発明に基づく光学装置1の実施形態の概略的な断面図を示している。
【0069】
図7A〜Eは、本発明に基づくマルチダイクロイックプリズムアセンブリ10の組立手順を示している。まず、図7Aに示すように、プリズムの2つの直角面である第1の面21−1及び第2の面21−2と、スペクトル及び/又は偏光選択光学インタフェース20cを実現するためにダイクロイックミラーコーティング30が施された、コーティング面を構成する対角線に対応する面又は斜面21dとを有する直角三角形の形状を有する第1のプリズム21を準備する。また、第2のプリズム22は、プリズムの直角面である第1の面22−1及び第2の面22−2を備える。更に、第2のプリズム22は、対角線に対応する面又は斜面22dを備える。
【0070】
次に、図7Bに示すように、第1及び第2のプリズム21、22を互いに接合し、第1及び第2のプリズム21、22の対20を形成する。次に、図7Cに示すように、45°の向き(orientation)を有するλ/2リターダ40を準備し、これを第1のプリズム21の第2の面21−2上に配設する。そして、図7Dに示すように、接合された第1及び第2のプリズム21、22の第2の対20を準備し、図7Eに示すように、この第2の対20と、他の第1及び第2のプリズム21、22からなる第1の対20とを接合する。この接合は、第1の対20の第2のプリズム22の第1の面22−1と、第2の対20の第1のプリズム21の第2の面21−2の間にλ/2リターダの40が挟み込まれるように行われる。実際の動作では、本発明に基づく光学装置1において、λ/2リターダ40は、入射光(inciting light)の偏光状態を、s偏光からp偏光に又はp偏光からs偏光に変更するように動作する。
【0071】
図8は、本発明に基づく光学装置1の包括的構造を示している。光学装置1は、光入射面E’を有する光入射部Eと、光出射面O’を有する光出射部Oと、これらの間に挟まれた本発明に基づくスペクトル処理部Pとを備える。スペクトル処理部Pは、光入射方向Zから一次照明光L1を受け取り、二次照明光L2を生成して、この場合、実質的には光入射方向Zと同じである出射方向Z’に向けて、二次照明光L2を照射及び出射する。
【0072】
図9Aは、本発明に基づく光学装置1のスペクトル処理部Pを構成するマルチダイクロイックプリズムアセンブリ10を用いた光学装置1の概略的な断面を示している。この構成は、第1及び第2のプリズム21、22の隣接する対20を有するマルチダイクロイックプリズムアセンブリ10に基づいている。各プリズム21、22は、直角三角形状の断面を有している。第1のプリズム21は、第1及び第2の直角面21−1、21−2と、対角線に対応する面又は斜面21dとを備える。第2のプリズム22も同様に、第1及び第2の直角面22−1、22−2と、対角線に対応する面又は斜面22dとを備える。第1及び第2のプリズム21、22の対角線に対応する面又は斜面21d、22dの間には、ダイクロイックコーティング又はダイクロイックミラー30が形成され、これにより、第1及び第2のプリズム21、22の各対20の間に、スペクトル選択的なインタフェース20cが実現される。
【0073】
第1及び第2のプリズム21、22の隣接する複数の対20の間には、それぞれλ/2リターダ40が配設され、これにより、第1及び第2のプリズム21、22の直接隣接する各対20の間に偏光選択又は偏光変換インタフェース40cが実現される。図9Aに示すように、第1のプリズム21の第1の面21−1は、光入射方向Zを向いている。一方、第2のプリズム22の第2の面22−2は、光出射方向Z’を向いている。
【0074】
図9Bは、図9Aと同様の図であり、本発明に基づくスペクトル分解を図式的に示しており、具体的には、図3に示す手法と同様の手法による白色光の赤及びシアンへの分解を示している。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態の概略的な断面図である。
【図3】本発明の原理を説明する本発明の第1の実施形態の概略的な断面図である。
【図4】従来のシステムを概略的に示す図である。
【図5】従来のシステムを概略的に示す図である。
【図6】本発明の実施形態を用いた照明システムの概略的な断面図である。
【図7】A〜Eは、本発明に基づく組立手順を説明する概略的な断面図である。
【図8】本発明の原理を更に説明する概略的な断面図である。
【図9A】本発明の動作原理を説明する断面図である。
【図9B】本発明の動作原理を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 光学装置、10 マルチダイクロイックプリズムアセンブリ、20 プリズム21、22の対、20c インタフェース、スペクトル分離面又はインタフェース、21 第1のプリズム、21−1 第1の面又は直角面、21−2 第2の面又は第2の直角面、21−d 第3の面、対角線に対応する面又は斜面、22 第2のプリズム、22−1 第1の面又は第1の直角面、22−2 第2の面又は第2の直角面、22−d 第3の面又は対角線に対応する面又は斜面、30 ダイクロイック反射要素又はダイクロイックミラー、31 第1のレンズアレイ、32 第2のレンズアレイ、40 偏光変更要素、偏光選択要素、半波長リターダ又はλ/2リターダ、40c 偏光変更面又はインタフェース、又は偏光選択面又はインタフェース、50 偏光変換装置、E 光供給/入射/入力部、E’ 光供給/入射/入力面、L1 一次照明光、L2 二次照明光、L2−1 二次照明光の第1の成分又は種類、L2−2 二次照明光の第2の成分又は種類、O 光出力/出射/照射部、O’ 光出力/出射/照射面、P スペクトル処理部、SC1 第1のスペクトル成分、SC2 第2のスペクトル成分、X 拡張の方向、Y 拡張の方向、Z 光入射/入力方向、Z’ 光出射/出力方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次照明光を処理する光学装置において、
入射方向(Z)から照射される一次照明光(L1)が入射される光入射部(E)と、
二次照明光(L2)として、出射方向(Z’)に出射光を出射する光出射部(O)と、
上記光入射部(E)及び光出射部(O)の間に配設され、上記一次照明光(L1)をスペクトル的に処理し、上記二次照明光(L2)を生成するスペクトル処理部(P)とを備え、
上記スペクトル処理部(P)は、順次及び/又は連続して接続された複数のプリズム(21、22)からなるマルチプリズムアセンブリ(10)を備え、
上記隣接し、接続されたプリズム(21、22)の対(20)は、対角線に対応する面又は斜面(21d、22d)において、該対角線に対応する面又は斜面(21d、22d)の間の接続インタフェース(20c)を構成する各スペクトル分離面(20c)を形成し、
上記スペクトル分離面(20c)は、
上記一次照明光(L1)又はその派生成分に対して、スペクトル分離及び/又はスプリッティング処理を実行し、
上記二次照明光(L2)又は該二次照明光のプリフォームを生成し、
スペクトル的に分離され、実質的に異なる及び/又は実質的に相補的なスペクトル帯域又はスペクトル成分(SC1、SC2)に属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない上記二次照明光(L2)の第1及び第2の成分又は種類(L2−1、L2−2)又は該二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを生成することを特徴とする光学装置。
【請求項2】
上記複数のプリズム(21、22)又は該複数のプリズムの部分は、上記入射方向(Z)に向いている入射面(E’)を有し、及び/又は、
上記複数のプリズム又は該複数のプリズムの部分は、上記出射方向(Z’)に向いている出射面(O’)を有することを特徴とする請求項1記載の光学装置。
【請求項3】
上記隣接し、接続されたプリズム(21、22)の対(20)は、立方体構造又は正方形の構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光学装置。
【請求項4】
上記プリズム(21、22)の対(20)の間には、ダイクロイックミラー(30)が配設されて、上記スペクトル分離面(20c)を構成し、
上記ダイクロイックミラー(30)は、第1のスペクトル帯域を有する光を反射するように構成され、
上記ダイクロイックミラー(30)は、第2のスペクトル帯域を有する光を透過するように構成され、
上記第2のスペクトル帯域は、上記第1のスペクトル帯域に対して実質的に相補的であり及び/又は重複しないことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の光学装置。
【請求項5】
45°の向きに配設され、上記反射光又は上記透過光の偏光状態を適応化する半波長(1/2波長)又はλ/2リターダ(40)を備え、
実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき上記二次照明光(L2)の第1及び第2の成分又は種類(L2−1、L2−2)又は該二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備することを特徴とする請求項4記載の光学装置。
【請求項6】
上記プリズム(21、22)は、正三角形の形状を有し、及び/又は、
上記スペクトル分離面(20c)は、上記プリズム(21、22)の対(20)の隣接し、接続された2つのプリズム(21、22)の斜面(21d、22d)によって形成されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光学装置。
【請求項7】
上記λ/2リターダ(40)は、上記プリズム(21、22)の直角面(21−2、22−1)上に又はこれに隣接して構成され、
上記直角面(22−1、21−2)は、上記入射方向(Z)及び/又は上記出射方向(Z’)に対して平行な向きを向いており、
これにより、上記実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき上記二次照明光(L2)の第1及び第2の成分又は種類(L2−1、L2−2)又は該二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備することを特徴とする請求項6記載の光学装置。
【請求項8】
上記プリズム(21、22)は、菱形の形状を有し、
上記プリズム(21、22)の平行面の第1の組は、上記入射方向(Z)に対して45°の角度を形成し、
上記プリズム(21、22)の平行面の第2の組は、上記入射方向(Z)に垂直な方向(X、Y)に向けられ、
上記隣接し、接続されたプリズム(21、22)の上記第1の組の面の間に、ダイクロイックミラー(30)が配置されることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光学装置。
【請求項9】
上記平行面の第2の組の上記光出射方向(Z’)に向いている面は、45°の向きでλ/2リターダによってコーティングされており、
これにより、上記実質的に異なる又は実質的に相補的な偏光状態である第1の偏光状態又はs偏光状態及び第2の偏光状態又はp偏光状態を有する又はこれに属するとともに、同時に残り、実質的に空間的に混合され、又は実質的に空間的に分離されていない、偏光状態に関して更に分離すべき上記二次照明光(L2)の第1及び第2の成分又は種類(L2−1、L2−2)又は該二次照明光の第1及び第2の成分又は種類のプリフォームを準備することを特徴とする請求項8記載の光学装置。
【請求項10】
上記スペクトル処理部(P)は、偏光変換装置(50)を備えることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の光学装置。
【請求項11】
上記偏光変換装置(50)は、上記光入射部(E)及び上記スペクトル処理部(P)の間に配設されていることを特徴とする請求項10記載の光学装置。
【請求項12】
上記偏光変換装置(50)は、上記スペクトル処理部(P)及び上記光出射部(O)の間に配設されていることを特徴とする請求項10記載の光学装置。
【請求項13】
上記複数のプリズム(21、22)及び/又は上記マルチプリズムアセンブリ(10)のプリズム(21、22)の上記対(20)、又は上記マルチプリズムアセンブリ(10)自体又はその一部は、実質的に一方向(X)に延び、上記入射方向(Z)に対して実質的に垂直であり、棒状の構成を有する又は形成することを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の光学装置。
【請求項14】
上記複数のプリズム(21、22)及び/又は上記マルチプリズムアセンブリ(10)のプリズム(21、22)の上記対(20)、又は上記マルチプリズムアセンブリ(10)自体又はその一部は、実質的に2方向(X、Y)に延び、それぞれ上記入射方向(Z)に対して実質的に垂直であり、且つそれぞれ互いに実質的に垂直であり、二次元プレート又は平面状の構成を有する又は形成することを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の光学装置。
【請求項15】
上記プリズム(21、22)の対(20)は、上記一次照明光(L1)又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置された第1のプリズム(21)を備えることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載の光学装置。
【請求項16】
上記第1のプリズム(21)は、上記一次照明光(L1)又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置され、上記光入射方向(Z)に対して実質的に垂直に向けられている第1の面(21−1)を備えることを特徴とする請求項15記載の光学装置。
【請求項17】
上記第1のプリズム(21)は、上記第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分を上記第1のプリズム(21)から、上記プリズム(21、22)の隣接する対(20)の第2のプリズム(22)に向けて照射させ、該プリズム(21、22)の隣接する対(20)の上記第2のプリズム(22)の第1の面(22−1)を介して入射させるように構成及び/又は配置された第2の面(21−2)を備えることを特徴とする請求項15又は16いずれか1項記載の光学装置。
【請求項18】
上記第1のプリズム(21)は、第3の面(21d)を備え、該第3の面は、
上記第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分が入射され、該入射された第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分を上記第1の面(21−1)から、上記第1のプリズム(21)の上記第2の面(21−2)に反射し、及び/又は、
上記第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分が入射され、該入射された第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分を上記第1のプリズム(21)の上記第1の面(21−1)から該第3の面(21d)に出射し、上記プリズム(21、22)の上記対(20)の第2のプリズム(22)の第3の面(22d)を介して、該第2のプリズム(22)に入射させるように構成及び/又は配置されていることを特徴とする請求項15乃至17いずれか1項記載の光学装置。
【請求項19】
上記第1のプリズム(21)の第1の面(21−1)は、直角面として、上記入射方向(Z)に対して実質的に垂直な方向に向けられ、及び/又は、
上記第1のプリズム(21)の上記第2の面(21−2)は、直角面として、上記入射方向(Z)に対して実質的に平行な方向に向けられ、及び/又は、
上記第1のプリズム(21)の上記第3の面(21d)は、斜面として、上記第1のプリズムの上記第1の面及び第2の面(21−1、21−2)を接続する対角線に対応する面であることを特徴とする請求項15乃至18いずれか1項記載の光学装置。
【請求項20】
上記プリズム(21、22)の上記対(20)は、上記第1のスペクトル帯域の外又は内の光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置された第2のプリズム(22)を備えることを特徴とする請求項1乃至19いずれか1項記載の光学装置。
【請求項21】
上記第2のプリズム(22)は、上記入射方向(Z)及び/又は上記出射方向(Z’)に実質的に平行な方向に向いている上記プリズム(21、22)の隣接する対(20)の第1のプリズム(21)の第2の面(21−2)から、上記第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分が入射されるように構成及び/又は配置された第1の面(22−1)を備えることを特徴とする請求項1乃至20いずれか1項記載の光学装置。
【請求項22】
上記第2のプリズム(22)は、上記第2のプリズムから、実質的に出射方向(Z’)に光を照射するように構成及び/又は配置された第2の面(22−2)を備えることを特徴とする請求項20又は21記載の光学装置。
【請求項23】
上記第2のプリズム(22)は、
上記第1のスペクトル帯域の光又はその派生成分又は上記第1のスペクトル帯域内の光又はその派生成分が入射され、上記第2のプリズムの上記第1の面(22−1)から(22)上記第2のプリズム(22)の上記第2の面(22−2)にp偏光状態の光を反射し、及び/又は、
s偏光状態の光を透過し、及び/又は、
上記第2のスペクトル帯域の光又はその派生成分すなわち上記第2のスペクトル帯域内の光又はその派生成分が入射され、該光を上記第2のプリズム(22)の第2の面(22−2)に照射するように構成及び/又は配置された第3の面(22d)を備えることを特徴とする請求項20乃至22いずれか1項記載の光学装置。
【請求項24】
上記第2のプリズム(22)の第1の面(22−1)は、直角面として、上記出射方向(Z)に対して実質的に平行な方向に向けられており、
上記第2のプリズム(22)の上記第2の面(22−2)は、直角面として、上記出射方向(Z)に実質的に垂直な向きに向けられており、
上記第2のプリズム(22)の上記第3の面(22d)は、上記第2のプリズムの上記第1の面及び第2の面(22−1、22−2)を接続する対角線に対応する面又は斜面であることを特徴とする請求項20乃至23いずれか1項記載の光学装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate


【公開番号】特開2006−85148(P2006−85148A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−195436(P2005−195436)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(397051508)ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (140)
【Fターム(参考)】