説明

三次元成形加飾シート及びそれを用いた加飾成形品

【課題】電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した状態で三次元成形に供した場合であっても、優れた耐傷付き性と三次元成形性とを両立し得る表面保護層を有する三次元成形加飾シートを提供する。
【解決手段】基材上に、少なくとも離型層及び表面保護層をこの順で積層してなる、射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートであって、該表面保護層が、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする三次元成形加飾シートである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形による加飾成形品に用いられる射出成形同時転写用の三次元成形加飾シート及びそれを用いた加飾成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する樹脂成形体の加飾には、射出成形同時加飾方法が用いられる。射出成形同時加飾方法とは、射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートをキャビティ内に射出注入された溶融した射出樹脂と一体化させて、樹脂成形体表面に加飾を施す方法であって、樹脂成形体と一体化される加飾シートの構成の違いによって、一般に射出成形同時ラミネート加飾法と射出成形同時転写加飾法に大別される。
射出成形同時転写加飾法においては、射出成形同時転写加飾用の加飾シートの転写層側を金型内に向けて転写層側から熱盤によって加熱し、該加飾シートが金型内形状に沿うように成形して金型内面に密着させて型締した後、キャビティ内に溶融した成形用樹脂を射出して該加飾シートと成形用樹脂とを一体化し、次いで加飾成形品を冷却して金型から取り出し、加飾シートの基材を剥離することにより、転写層を転写した加飾成形品を得る。
【0003】
射出成形同時転写加飾法に用いられる転写シートとしては、従来、離型性シートの離型性面に、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂の硬化物からなる表面保護層を設けてなるものが知られているが、シートの状態で樹脂を硬化させた場合、表面保護層が脆くなり、曲面部分においてクラックが発生するなどの問題が生じ、十分な成形性が得られなくなるといった問題を有していた。
そこで、離型性シートの離型性面に、未硬化状態において常温で固体であり、且つ、熱可塑性樹脂である紫外線硬化性又は電子線硬化性の樹脂の未硬化樹脂を有することを特徴とする転写シートが提案されている(特許文献1参照)。該転写シートは、未硬化樹脂が熱可塑性、溶剤溶解性を有していながら、塗装及び乾燥によって見かけ上、あるいは手で触ったときに非流動性であり、かつ非粘着性であるため、該未硬化樹脂層の上に模様層を形成することができる。射出同時成形法によって、被転写体に転写した後、紫外線もしくは電子線を照射して、硬化がなされる。ところが、この方法であると、射出同時成形の際に、未硬化樹脂層が流動するために、成形体にシートが良好に転写されない場合があり、均一に硬化させるのが非常に困難であるという問題があった。
【0004】
また、成形性の良好な基材の上に、未硬化状態では熱可塑性の固体である電離放射線硬化性樹脂からなる表面保護層を設けた転写シートを、射出成形金型内に配置して、転写シートを真空成形又は真空・圧空成形をした後に、電離放射線を照射して樹脂を硬化させて表面保護層を形成し、更に金型内を閉じて溶融樹脂を射出して射出成形を行い、金型内で硬度の高い表面保護層を形成させることを特徴とする成形品の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
この方法においても、真空成形又は真空・圧空成形をした後に、電離放射線を照射して樹脂を硬化させて表面保護層を形成しているため、特許文献1に開示される加飾シートと同様の問題点がある。すなわち、シートの状態で硬化させると、十分な成形性が得られなくなるため、真空成形又は真空・圧空成形の後に、紫外線もしくは電子線を照射して、硬化がなされるが、真空成形又は真空・圧空成形の際に、未硬化樹脂層が流動するために、成形体への転写が良好になされない場合があった。
【0005】
このような問題を解決するために、特許文献3には、透明基材シートの表面側にアクリレート系電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる表面保護層を積層すると共に、該基材シートの裏面側に装飾層と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤層とを、この順に積層してなる加飾シートが開示されており、そして、前記加飾シートを、その接着剤層を射出樹脂と接する向きにして、雌雄両型間に挿入した後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出し、該樹脂を固化させた後、型開きして、樹脂成形物に前記加飾シートが積層一体化された加飾成形品を得る、射出成形同時加飾方法が開示されている。
この場合、電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる表面保護層が積層された加飾シートを用いて、射出成形同時加飾方法により、加飾成形品を作製しているため、前述した特許文献1や特許文献2に記載されているような電離放射線硬化性樹脂の未硬化樹脂を有する転写シートを用いて、加飾成形品を作製する際に生じる問題は発生しないが、転写シートに用いる基材シートが加飾樹脂成形品中へ取り込まれるため、該基材シートの種類が制限されるのを免れないという問題があった。
【0006】
さらに、特許文献4には、紫外線硬化性樹脂等を半ば架橋硬化させてなる表面保護層を有するシートを、真空吸引して成形品表面に接着した後に、再度紫外線等を照射する成形品の製造方法が開示されているが、一般にラジカル重合は反応速度が大きいため、紫外線照射後も反応が進みやすく、照射量の調整が難しく、照射量が過剰であると、成形品の曲面部において表面保護層にクラックが発生しやすくなる。また、成形品曲面部、深い凹部等で光の照射ムラ、照射抜けが生じる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭63−132095号公報
【特許文献2】特開平6−155518号公報
【特許文献3】特開2002−225070号公報
【特許文献4】特開平10−067047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者は、三次元成形加飾シートを用いて、射出成形同時転写を行い、金型から加飾成形品を取り出したのち、該加飾シートの基材を剥離除去するために、三次元成形加飾シートとして、例えば基材上に、離型層、表面保護層、並びに必要に応じて設けられる装飾層及び接着剤層がこの順に積層してなる構成の加飾シートに着目し、鋭意研究を重ねてきた。
【0009】
本発明は、このような状況下で、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した状態で三次元成形に供した場合であっても、優れた耐傷付き性と三次元成形性とを両立し得る表面保護層を有する三次元成形加飾シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に特定の電離放射線硬化性樹脂組成物からなる表面保護層を有する三次元成形加飾シートによれば、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、
1.基材上に、少なくとも離型層及び表面保護層をこの順で積層してなる、射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートであって、該表面保護層が、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする三次元成形加飾シート、
2.前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、ポリカーボネート(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有し、該ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの質量比が98:2〜70:30である上記1に記載の三次元成形加飾シート、
3.前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が500以上である上記1又は2に記載の三次元成形加飾シート、
4.前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上である上記2又は3に記載の三次元成形加飾シート、
5.前記表面保護層が、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である上記1〜4のいずれかに記載の三次元成形加飾シート、
6.基材上に、少なくとも前記離型層、前記表面保護層、プライマー層、装飾層及び接着剤層をこの順で積層してなる上記1〜5のいずれかに記載の三次元成形加飾シート、及び
7.上記1〜6のいずれかに記載の三次元成形加飾シートを用いてなる加飾成形品、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化した状態で三次元成形に供した場合であっても、優れた耐傷付き性と三次元成形性とを両立し得る表面保護層を有する三次元成形加飾シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の三次元成形加飾シートの一例の断面を示す模式図である。
【図2】本発明の加飾成形品の一例の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の三次元成形加飾シートの一例の断面を示す模式図である。
図1に示される本発明の三次元成形加飾シート10は、基材11上に、離型層12、表面保護層13、プライマー層14、装飾層15及び接着剤層16をこの順に積層してなる射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートである。
【0015】
[基材]
本発明で用いられる基材11は、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂;アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂);塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
基材11の厚みは、通常10〜150μmであり、10〜125μmが好ましく、10〜80μmがより好ましい。
また、基材11としては、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートを用いることができる。
【0016】
本発明においては、基材11として、ポリエステルシートを用いることが、耐熱性、寸法安定性、成形性、及び汎用性の点で好ましい。
ポリエステルシートを構成するポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)が、耐熱性や寸法安定性の点で特に好ましい。
【0017】
また、基材11には、作業性を向上させる目的で、微粒子を含有させてもよい。微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、カオリンなどの無機粒子、アクリル系樹脂などからなる有機粒子、内部析出粒子などを挙げることができる。微粒子の平均粒径は0.01〜5.0μmが好ましく、0.05〜3.0μmがより好ましい。また、ポリエステル樹脂中の微粒子の含有量は0.01〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。また、必要に応じて各種安定剤、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、蛍光増白剤などを配合することもできる。
【0018】
本発明に用いられるポリエステルシートは、例えば以下のように製造される。まず上記のポリエステル系樹脂とその他の原料をエクストルーダーなどの周知の溶融押出装置に供給し、当該ポリエステル系樹脂の融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで溶融ポリマーを押出しながら、回転冷却ドラム状でガラス転移温度以下の温度になるよう急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。このシートを2軸方向に延伸してシート化し、熱固定を施すことで得られる。この場合、延伸方法は逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でも良い。また、必要に応じ、熱固定を施す前又は後に再度縦及び/又は横方向に延伸しても良い。本発明においては十分な寸法安定性を得るため延伸倍率を面積倍率として7倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、3倍以下がさらに好ましい。この範囲内であれば、得られるポリエステルシートを三次元成形加飾シートに用いた場合、該三次元成形加飾シートが射出樹脂を射出する際の温度域で再び収縮せず、当該温度域で必要なシート強度を得ることができる。なお、ポリエステルシートは、上記のように製造しても良いし、市販のものを用いても良い。
【0019】
また、基材11は、後述する離型層との密着性を向上させる目的で、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また、基材11は、基材11とその上に設けられる層との層間密着性の強化などを目的として、易接着層を形成するなどの処理を施しても良い。なお、ポリエステルシートとして市販のものを用いる場合には、該市販品は予め上記したような表面処理が施されたものや、易接着剤層が設けられたものも用いることができる。
【0020】
[離型層]
離型層12は、表面保護層13と、必要に応じて設けられるプライマー層14、装飾層15、及び接着剤層16とからなる転写層17の、基材シート11からの剥離を容易に行うために設けられるものである。離型層12は、図1に示すように、全面を被覆(全面ベタ状)しているベタ離型層であっても良いし、一部に設けられるものであっても良い。通常は、剥離性を考慮して、ベタ離型層が好ましい。
【0021】
離型層12は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル−メラミン系樹脂が含まれる。)、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、硝化綿などの熱可塑性樹脂、該熱可塑性樹脂を形成するモノマーの共重合体、あるいはこれらの樹脂を(メタ)アクリル酸やウレタンで変性したものを、単独で又は複数を混合した樹脂組成物を用いて形成することができる。なかでも、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、これらの樹脂を形成するモノマーの共重合体、及びこれらをウレタン変性したものが好ましく、より具体的には、アクリル−メラミン系樹脂単独、アクリル−メラミン系樹脂含有組成物、ポリエステル系樹脂とエチレン及びアクリル酸の共重合体をウレタン変性したものとを混合した樹脂組成物、アクリル系樹脂とスチレン及びアクリルとの共重合体のエマルションとを混合した樹脂組成物などが挙げられる。これらの内、アクリル−メラミン系樹脂単独又はアクリル−メラミン系樹脂を50質量%以上含有組成物で離型層12を構成することが特に好ましい。
離型層12の厚みは、通常、0.01〜5μm程度であり、好ましくは、0.05〜3μmの範囲である。
【0022】
[表面保護層]
表面保護層13は、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなり、この電離放射線硬化性樹脂組成物は、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有することが好ましく、さらに該ポリカーボネート(メタ)アクリレートと該多官能(メタ)アクリレートの質量比がポリカーボネート(メタ)アクリレート:多官能(メタ)アクリレート=98:2〜70:30であることがより好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が98:2より小さくなると(即ち、ポリカーボネート(メタ)アクリレートの量が、2成分の合計量に対して98質量%以下であると)、耐傷付き性がさらに向上する。一方、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が70:30より大きくなると(即ち、ポリカーボネート(メタ)アクリレートの量が、2成分の合計量に対して70質量%以上となると)、三次元成形性がさらに向上する。好ましくは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が95:5〜80:20である。
本発明において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。
ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物とは、電離放射線硬化性樹脂を含有する組成物をいう。電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。
表面保護層13は、電離放射線硬化性樹脂組成物を完全に硬化したものであっても、半硬化したものであってもよいが、硬化物であると表面性能が良好となる。しかも、電離放射線硬化性樹脂組成物の組成を上述のようにすることで、硬化物であっても伸展性が良好となる。
【0023】
本発明に用いられるポリカーボネート(メタ)アクリレートは、特に限定されず、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、且つ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば良い。この(メタ)アクリレートは、架橋、硬化する観点から、2官能以上有することが好ましい。
上記のポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールの水酸基の一部又は全てを(メタ)アクリレート(アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル)に変換して得られる。このエステル化反応は、通常のエステル化反応によって行うことができる。例えば、1)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸ハライド又はメタクリル酸ハライドとを、塩基存在下に縮合させる方法、2)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸無水物又はメタクリル酸無水物とを、触媒存在下に縮合させる方法、あるいは3)ポリカーボネートポリオールとアクリル酸又はメタクリル酸とを、酸触媒存在下に縮合させる方法などが挙げられる。
【0024】
上記のポリカーボネートポリオールは、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、末端あるいは側鎖に2個以上、好ましくは2〜50個の、より好ましくは3〜50個の水酸基を有する重合体である。このポリカーボネートポリオールの代表的な製造方法は、ジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とから重縮合反応による方法である。
原料として用いられるジオール化合物(A)は、一般式 HO−R1−OHで表される。ここで、R1は、炭素数2〜20の2価炭化水素基であって、基中にエーテル結合を含んでいても良い。例えば、直鎖、又は分岐状のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基である。
【0025】
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらジオールは、それを単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0026】
また、3価以上の多価アルコール(B)の例としては、トリメチロールプルパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ソルビトールなどのアルコール類を挙げることができる。さらに、これらの多価アルコールの水酸基に対して、1〜5当量のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、あるいはその他のアルキレンオキシドを付加させた水酸基を有するアルコール類であっても良い。多価アルコールは、これらを単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0027】
カルボニル成分となる化合物(C)は、炭酸ジエステル、ホスゲン、又はこれらの等価体の中から選ばれるいずれかの化合物である。その具体例としては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジフェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの炭酸ジエステル類、ホスゲン、あるいはクロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸フェニルなどのハロゲン化ギ酸エステル類などが挙げられる。これらは、単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いても良い。
【0028】
ポリカーボネートポリオールは、前記したジオール化合物(A)、3価以上の多価アルコール(B)、及びカルボニル成分となる化合物(C)とを、一般的な条件下で重縮合反応することにより合成される。例えば、ジオール化合物(A)と多価アルコール(B)との仕込みモル比は、50:50〜99:1の範囲にあることが好ましく、また、カルボニル成分となる化合物(C)のジオール化合物(A)と多価アルコール(B)に対する仕込みモル比は、ジオール化合物及び多価アルコールの持つ水酸基に対して、0.2〜2当量であることが好ましい。
【0029】
前記の仕込み割合で重縮合反応した後のポリカーボネートポリオール中に存在する水酸基の当量数(eq./mol)は、1分子中に平均して3以上、好ましくは3〜50、より好ましくは3〜20である。この範囲であると、後述するエステル化反応によって必要な量の(メタ)アクリレート基が形成され、またポリカーボネート(メタ)アクリレート樹脂に適度な可撓性が付与される。なお、このポリカーボネートポリオールの末端官能基は、通常はOH基であるが、その一部がカーボネート基であっても良い。
以上説明したポリカーボネートポリオールの製造方法は、例えば、特開昭64−1726号公報に記載されている。また、このポリカーボネートポリオールは、特開平3−181517号公報に記載されているように、ポリカーボネートジオールと3価以上の多価アルコールとのエステル交換反応によっても製造することができる。
【0030】
本発明に用いられるポリカーボネート(メタ)アクリレートの分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましい。耐傷付き性と三次元成形性とを両立させる観点から、さらに好ましくは、2,000以上50,000以下であり、特に好ましくは、5,000〜20,000である。
【0031】
本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートは、2官能以上の(メタ)アクリレートであれば良く、特に制限はない。ただし、硬化性の観点から3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、2官能とは、分子内にエチレン性不飽和結合{(メタ)アクリロイル基}を2個有することをいう。
また、多官能(メタ)アクリレートは、オリゴマー及びモノマーのいずれでも良いが、三次元成形性向上の観点から多官能(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
【0032】
上記の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。ここで、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0033】
さらに、他の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
【0034】
また、上記の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
以上述べた多官能性(メタ)アクリレートオリゴマー及び多官能性(メタ)アクリレートモノマーは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0035】
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0036】
電離放射線硬化性樹脂組成物として紫外線硬化性樹脂組成物を用いる場合には、光重合用開始剤を紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類;アセトフェノン、2,2'−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリオフェニル)−ブタノン−1などのα−アミノアルキルフェノン類;ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソンなどのイオウ化合物などが好ましく挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
【0037】
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂組成物として電子線硬化性樹脂組成物を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂組成物は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
【0038】
また本発明における表面保護層13を構成する電離放射線硬化性樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。ここで、耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤を用いることができる。
また、表面保護層13には所望によりフィラーを含有させても良い。フィラーを含有させることで、タック性をさらに改善させることができ、印刷適性を付与し得る。
【0039】
表面保護層13の厚みは、通常、1〜50μm程度であり、好ましくは、1〜30μmの範囲である。
【0040】
表面保護層13には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐傷付き性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
また、表面保護層13は、その上に設けられる下記プライマー層14との密着性を向上させる目的で、その表面に必要に応じてコロナ放電処理又はプラズマ処理を施すことができる。
【0041】
[プライマー層]
本発明の三次元成形加飾シートは、表面保護層13と後述する装飾層15との間に、さらにプライマー層14を積層することが好ましい。プライマー層14を積層することにより、表面保護層13と装飾層15の密着性をさらに向上させることができるからである。プライマー層14は透明又は半透明な層であることが好ましく、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの樹脂の1種単独又は2種以上の混合物が用いられるが、特にポリウレタン系2液硬化型樹脂を用いたものが好ましい。
【0042】
前記ポリウレタン系2液硬化型樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系などのポリマーポリオール単独、又はそれらの混合物に対して、使用直前に硬化剤を添加したものが用いられる。硬化剤としては、多価イソシアネートが好ましく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネート;を用いることができ、あるいは、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体等も用いることができる。
前記ポリマーポリオールとしては、ポリエステルポリオールが好ましく、例えばポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレンセバケート)、ポリカプロラクトン等が用いられる。
上記樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布、乾燥してプライマー層14とする。プライマー層14の厚みについては、通常、0.5〜20μm程度であり、好ましくは、1〜5μmの範囲である。
【0043】
[装飾層]
本発明における装飾層15は、通常絵柄層及び/又は隠蔽層により構成される。ここで、絵柄層は、模様や文字などとパターン状の絵柄を表現するために設けられる層であり、隠蔽層は、通常全面ベタ層であり射出樹脂などの着色等を隠蔽するために設けられる層である。隠蔽層には、絵柄層の絵柄を引き立てるために絵柄層の内側に設けられる場合の外、それ単独で装飾層を形成する場合がある。また、当該装飾層は、透明転写箔であってもよいし、色付き転写箔であってもよい。
本発明における絵柄層は、模様や文字などとパターン状の絵柄を表現するために設けられる層である。絵柄層の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる絵柄を挙げることができる。
装飾層15は、前述したプライマー層14に印刷インキでグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法により形成することで、図1に示すようにプライマー層14と接着剤層16との間に形成される。
【0044】
装飾層15の形成に用いられる印刷インキのバインダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、セルロース系樹脂などを好ましく挙げることができるが、アクリル系樹脂単独又はアクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合物を主成分とするのが好ましい。これらの中では、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂又は別のアクリル系樹脂を混合すると印刷適性、成形適性がより良好となり好ましい。ここで、アクリル系樹脂としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体などのアクリル系樹脂〔ただし、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう〕、フッ素などによる変性アクリル樹脂が挙げられ、これらを1種又は2種以上の混合物として用いることができる。この他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどの分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、を共重合させて得られるアクリルポリオールを用いることもできる。また、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂にさらにマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を共重合させても良い。アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂との混合比は、アクリル系樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂=1/9〜9/1(質量比)程度である。この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ウレタン系樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化ポリオレフィン系樹脂などの樹脂を混合しても良い。
【0045】
本発明における装飾層15に用いられる着色剤としては、アルミニウム、クロム、ニッケル、錫、チタン、リン化鉄、銅、金、銀、真鍮などの金属、合金、又は金属化合物の鱗片状箔粉からなるメタリック顔料、マイカ状酸化鉄、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、二酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、着色二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料、アルミン酸ストロンチウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸バリウム、硫化亜鉛、硫化カルシウムなどの蛍光顔料、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモンなどの白色無機顔料、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラックなどの無機顔料、イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッド、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラックなどの有機顔料(染料も含む)を1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0046】
このような装飾層15は、本発明の三次元成形加飾シートに意匠性を付与するために設けられる層であるが、意匠性を向上させる目的で、さらに金属薄膜層などを形成しても良い。金属薄膜層の形成は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅などの金属を用いて、真空蒸着、スパッタリングなどの方法で製膜することができる。この金属薄膜層は全面に設けても、部分的にパターン状に設けても良い。
装飾層15の形成に用いられる印刷インキは、上記成分の他に、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、滑剤などを適宜添加することができる。印刷インキは、上記成分を、通常溶剤に溶解又は分散した態様で提供される。溶剤としては、バインダー樹脂を溶解又は分散させるものであれば良く、有機溶剤及び/又は水を使用することができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのエステル類、アルコール類が挙げられる。
【0047】
[接着剤層]
本発明における接着剤層16は、表面保護層13、プライマー層14、及び装飾層15を、接着性良く加飾成形品に転写するために形成されるもので、所望により設けられる層である。この接着剤層16としては、射出成形同時転写加飾法において、射出成形樹脂と当該三次元成形加飾シートとを、密着性よく、かつ端部に剥がれが生じることがないように接合し得ることが望ましい。
【0048】
当該接着剤層16としては、感熱接着剤や加圧接着剤などで構成されるものが挙げられるが、本発明においては、必要に応じて加熱及び加圧によって、加飾成形品に対する密着性を発現するヒートシール層であることが好ましい。接着剤層16を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の公知の樹脂が用いられる。例えば、熱可塑性樹脂では、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン樹脂又はスチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等のゴム系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂等の1種又は2種以上の混合物が用いられる。また、熱硬化性樹脂では、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。接着剤層の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記樹脂を希釈溶剤で希釈した樹脂液からなるインキ又は塗液として、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。
接着剤層16の厚みとしては、三次元成形加飾シートを接着性良く、かつ効率的に加飾成形品に転写し得るという点から、0.1〜100μm程度が好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
【0049】
接着剤層16には、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合物などの有機系の紫外線吸収剤や、亜鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄などの酸化物のような無機系の紫外線吸収能を有する微粒子の添加剤を含有させることができる。また、添加剤として、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤なども適宜、必要に応じて含有させることができる。
【0050】
[三次元成形加飾シートの製造方法]
本発明の三次元成形加飾シートは、例えば、以下の[1]〜[7]の工程により製造することができる。
[1]基材11上に離型層12を積層する工程、
[2]離型層12上にポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物層を積層する工程、
[3]該電離放射線硬化性樹脂組成物層に電離放射線を照射し該電離放射線硬化性樹脂組成物層を硬化乃至半硬化して表面保護層13を形成する工程、
[4]所望により、該表面保護層13の表面にコロナ放電処理又はプラズマ処理を施す工程、
[5]所望により、該表面保護層13上に、プライマー層14を積層する工程、
[6]所望により、該プライマー層14上に装飾層15を積層する工程、及び
[7]所望により、該装飾層15上に接着剤層16を積層する工程。
基材11上に積層される離型層12、表面保護層13、プライマー層14、装飾層15及び接着剤層16の積層方法は、グラビア印刷、ロールコートなどの公知の印刷又は塗工手段が用いられる。
なお、装飾層15を例えば上記のように絵柄層と隠蔽層との組み合わせとする場合は、一層を積層した後、乾燥し、その後次の層を積層すれば良い。
【0051】
本発明における表面保護層13を形成する工程においては、離型層12上に積層された電離放射線硬化性樹脂組成物層に、電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該電離放射線硬化性樹脂組成物層を架橋硬化させる。表面保護層13は、この段階で完全に硬化させてもよいし、半硬化させてもよく、硬化の状態は必要に応じて適宜決定すればよい。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で電離放射線硬化性樹脂組成物層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材11として電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材11への余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜60kGy(1〜6Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
【0052】
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
【0053】
[加飾成形品の製造方法]
前述した本発明の三次元成形加飾シート又は前記のようにして製造された三次元成形加飾シートは、射出成形同時転写加飾に好適に用いられる。
射出成形同時転写加飾による本発明の加飾成形品は、例えば、以下の工程(1)〜(5)により製造することができる。
(1)まず、上記三次元成形加飾シートの基材側を金型内に向けて、熱盤によって基材側から三次元成形加飾シートを加熱する工程、
(2)加熱された該三次元成形加飾シートを金型内形状に沿うように予備成形して金型内面に密着させて型締する工程、
(3)射出樹脂を金型内に射出する工程、
(4)該射出樹脂が冷却した後に金型から加飾成形品を取り出す工程、及び
(5)該加飾成形品から基材及び離型層を剥離する工程。
【0054】
上記工程(1)及び(2)において、三次元成形加飾シートを加熱する温度は、基材のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常はガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。
なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲をさし、基材として好適なポリエステルシートを使用する場合には、一般に70〜130℃程度である。
【0055】
上記工程(3)において、後述する射出樹脂を溶融させて、キャビティ内に射出して該三次元成形加飾シートと射出樹脂とを一体化させる。射出樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱溶融によって流動状態にして、また、射出樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、未硬化の液状組成物を室温又は適宜加熱して流動状態で射出して、冷却して固化させる。これによって、三次元成形加飾シートが、形成された樹脂成形体と一体化して貼り付き、加飾成形品となる。射出樹脂の加熱温度は、射出樹脂によるが、一般に180〜320℃程度である。
このようにして得られた加飾成形品は、冷却した後に金型から取り出した後、基材11及び離型層12を剥離することにより表面保護層13と、必要に応じて設けられるプライマー層14、装飾層15及び接着剤層16とからなる転写層17が転写された加飾成形品となる。
【0056】
[製造方法:射出樹脂]
加飾成形品に用いられる射出樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂あるいは、熱硬化性樹脂(2液硬化性樹脂を含む)であれば良く、特に制限されず、様々な樹脂を用いることができる。このような熱可塑性樹脂材料としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、エチレングリコール−テレフタル酸−イソフタル酸共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、2液反応硬化型のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独でも良いし、二種以上混合して用いても良い。
また、これらの樹脂には、必要に応じて各種添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機物粉末、木粉、ガラス繊維などの充填剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などを添加することができる。なお、射出樹脂は、用途に応じて適宜、着色剤を添加して着色した樹脂を使用しても良い。着色剤には、前述の基材に用いることのできるものと同様の公知の着色剤を使用できる。
加飾成形品を構成する射出樹脂成形体の厚みについては特に制限はなく、当該加飾成形品の用途に応じて選定されるが、通常1〜5mm、好ましくは2〜3mmである。
【0057】
図2は、本発明の加飾成形品の一例の断面を示す模式図である。
加飾成形品20は、射出樹脂成形体18上に、表面保護層13と、プライマー層14と、装飾層15と、接着剤層16とからなる転写層17が、接着剤層16を介して積層一体化された構造を有している。
【実施例】
【0058】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0059】
<評価方法>
(1)三次元成形性(真空成形)
各実施例及び比較例で得た三次元成形加飾シートを用いて、以下に示す方法で加飾成形品を作成し、成形後の外観にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○;表面保護層に塗膜割れや白化(微細な割れ)がほとんど見られず、良好に形状に追従した。
△;形状に追従できずに表面保護層に白化(微細な割れ)が見られた。
×;形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れが見られた。
<加飾成形品の作製>
各実施例及び比較例で得られた三次元成形加飾シートを熱盤温度150℃で加熱して射出成形の金型内形状に沿うように成形して、金型内面に密着させた。金型は、80mm角の大きさで、立ち上がり10mm、コーナー部が2Rのトレー状である深絞り度の高い形状のものを用いた。一方、射出樹脂としてABS樹脂[日本エイアンドエル(株)製、商品名「クララスチックMTH−2」]を用いて、これを230℃にて溶融状態にしてから、キャビティ内に射出した。温度80℃の金型から取り出し、表面に基材、絵柄層、隠蔽層及び接着剤層からなる転写層を転写形成してなる図2に示す構成の加飾成形品20を得た。なお、本発明において、深絞りとは、三次元成形加飾シートの成形前と成形後との面積比が100%以上となるような形状をいい、深絞り度が高いとは、面積比が大きいことをいう。
【0060】
(2)耐傷付き性
上述のようにして得られた加飾成形品について、#0000スチールウールを用いて荷重1.5kgfで5回往復後の外観を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○;傷付きがほとんどなかった。
△;表面一部に軽微な傷があった。
×;表面全面に著しい傷があった。
【0061】
(3)分子量の測定
東ソー(株)製高速GPC装置を用いた。用いたカラムは東ソー(株)製、商品名「TSKgel αM」であり、溶媒はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用い、カラム温度40℃、流速0.5cc/minで測定を行なった。尚、本発明における重量平均分子量はポリスチレン換算を行った。
【0062】
実施例1(三次元成形加飾シートの製造)
基材として、易接着処理が施された2軸延伸PETシート(厚み:25μm)上に、シリコーン系樹脂をグラビア法により塗布して、離型層(厚み:0.2μm)を形成した。
次いで、2官能ポリカーボネートアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:10,000)からなる電子線硬化性樹脂を、上記離型層の上にグラビアリバース法により塗布して、加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂を架橋硬化させ、表面保護層(厚み:20μm)を形成した。
次に、上記表面保護層表面にコロナ放電処理を施した後、その上に、アクリル/ウレタンブロック共重合樹脂の溶液を塗布して、プライマー層(厚み2μm)を形成した。
次いで、上記プライマー層の上に、アクリルウレタン共重合樹脂をバインダー樹脂としたインキを用い、グラビア印刷を施して、木目柄の絵柄層と隠蔽層からなる装飾層を形成した。さらにこの上にアクリル系樹脂[軟化温度:100℃]を塗工量4g/m2でグラビア印刷を施して接着剤層を形成し、図1に示す構成の三次元成形加飾シートを作製した。
該三次元成形加飾シートについて上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
【0063】
実施例2〜4及び比較例1〜3
電子線硬化性樹脂として、第1表に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして三次元成形加飾シートを作製し、それぞれについて上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
電子線硬化性樹脂A: 2官能のポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量:10,000)
電子線硬化性樹脂B: 6官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:6,000)
電子線硬化性樹脂C: 10官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:10,000)
電子線硬化性樹脂D: 2官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量:50,000)
【0066】
本発明の三次元成形加飾シートは、急激な伸張速度、高伸張度の条件であってもクラックや割れが発生することがなく、三次元成形性が良好であった。さらに、その表面は高い耐傷付き性を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の三次元成形加飾シートは、加飾成形品に意匠性を付与するための射出成形同時転写加飾法に用いられる加飾シートとして有用であり、これを用いて製造される加飾成形品は、携帯電話、パソコン、車内用内装品として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0068】
10 三次元成形加飾シート
11 基材
12 離型層
13 表面保護層
14 プライマー層
15 装飾層
16 接着剤層
17 転写層
18 射出樹脂成形体
20 加飾成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、少なくとも離型層及び表面保護層をこの順で積層してなる、射出成形同時転写用の三次元成形加飾シートであって、該表面保護層が、ポリカーボネート(メタ)アクリレートを含む電離放射線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする三次元成形加飾シート。
【請求項2】
前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、ポリカーボネート(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有し、該ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの質量比が98:2〜70:30である請求項1に記載の三次元成形加飾シート。
【請求項3】
前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が500以上である請求項1又は2に記載の三次元成形加飾シート。
【請求項4】
前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上である請求項2又は3に記載の三次元成形加飾シート。
【請求項5】
前記表面保護層が、前記電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である請求項1〜4のいずれかに記載の三次元成形加飾シート。
【請求項6】
基材上に、少なくとも前記離型層、前記表面保護層、プライマー層、装飾層及び接着剤層をこの順で積層してなる請求項1〜5のいずれかに記載の三次元成形加飾シート。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の三次元成形加飾シートを用いてなる加飾成形品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−56236(P2012−56236A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203120(P2010−203120)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】