説明

三次元測定機の校正方法および校正治具

【課題】回転テーブル座標系の登録を効率よく行えるとともに高精度が確保できる三次元測定機の校正方法および校正治具を提供すること。
【解決手段】 回転テーブル50の座標系を登録するために、少なくとも3つの角度位置で回転テーブル50の表面の基準点の座標位置を測定する。測定には、接触部61として3つの同径の球体65を有し、支持部62として支柱64および基台63を有し、プローブ17の先端球17Aに対して3つの接点で同時に接触する校正治具60を用いる。測定手順として、回転テーブル50の表面に校正治具60を設置し、プローブ17を校正治具60に近接させ、プローブ17の先端球17Aが3つの球体65と同時に接触した状態での座標位置を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに接触する接触子およびワークを載置する回転テーブルを有する三次元測定機の校正方法および校正治具に関る。
【背景技術】
【0002】
従来、ワーク(被測定物)に接触する接触子を用いてワークの表面形状を測定する三次元測定機が知られている。このような三次元測定機では、ワークを回転テーブル(ロータリーテーブル)に載置し、測定効率の向上、測定領域の拡大が図られている(例えば、特許文献1参照)。
このような三次元測定機においては、回転テーブルを用いて測定を行なう場合、事前に回転テーブルの座標系の登録が必要である。
図16に示すように、回転テーブル50の座標系の登録には、通常、回転テーブル50の表面の外周近くの点(基準点)に固定したマスターボール9(基準球)が用いられる。マスターボール9は支持用の軸部をねじ孔に螺合させる等により回転テーブル50の表面に固定される。
【0003】
このようなマスターボール9を用いて回転テーブル50の座標系を登録する際には、回転テーブル50を3つ以上の角度位置(例えば0度,120度,240度)へと回転させ、各角度位置においてマスターボール9の中心位置(基準点の平面座標位置)の測定を行う。通常、マスターボール9の中心位置の測定には、プローブ17の先端球17Aをマスターボール9表面の赤道上4点と頂点1点に順次接触させ、計5回のポイント測定を行う。
図17に示すように、3つ以上の基準点(S1〜S3)が測定できれば、これらの基準点によって1つの円が特定でき、この円の中心位置を回転テーブル50の座標の原点Oと設定し、この円を含む平面に沿ってX軸(X)およびY軸(Y)を設定し、原点Oを通る同平面の法線をZ軸(Z)として設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−264048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した回転テーブルの座標系の登録では、3つ以上の角度位置で基準点つまりマスターボール中心位置を測定するために、少なくとも15点のポイント測定が必要となり、測定時間が長大になるという問題がある。
また、マスターボール表面のポイント測定には、各々プロービング誤差(プローブの測定精度による誤差)が避けられず、このようなポイント測定を多点で行うマスターボール中心位置の測定においては多点である分の誤差の累積が避けられない。その結果、前述した回転テーブル座標系の登録の手順を利用した場合、個々のポイント測定におけるプロービング誤差が僅かでも、回転テーブル座標系としての精度が不十分になるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、回転テーブル座標系の登録を効率よく行えるとともに高精度が確保できる三次元測定機の校正方法および校正治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、三次元測定機の回転テーブルの座標系を登録するために前記回転テーブルの表面の基準点の座標位置を少なくとも3つの角度位置で測定する三次元測定機の校正方法であって、
プローブの先端球に対して同時に接触する少なくとも3つの接点を有する校正治具を用い、
前記回転テーブルの表面に前記校正治具を設置し、前記プローブを前記回転テーブルとは反対側から前記校正治具に近接させ、前記プローブの先端球が全ての前記接点と同時に接触した状態での座標位置を読み取る、ことを特徴とする。
【0008】
このような本発明では、プローブの先端球が少なくとも3つの接点で校正治具と接触することで、先端球を回転テーブル表面の一点に確定することができ、この位置を基準点として座標測定することができる。
つまり、回転テーブル表面上の基準点の測定にあたり、従来はマスターボールの赤道に沿った4点のポイント測定が必要であったのに対し、本発明では校正治具と少なくとも3つの接点で接触させる1回の測定で済ますことができる。このため、従来のようなポイント測定の繰り返しによる作業効率の低下が解消でき、かつ誤差の累積による精度低下が解消できる。
【0009】
本発明において、先端球と同時に接触する少なくとも3つの接点を有することは、基準点としてプローブで測定される点を校正治具上ないし回転テーブル表面上に決定するために必要であり、このような少なくとも3つの接点を実現する形状としては、例えば3つの球体あるいは球面、3つの円錐体あるいは円錐面、三角錐状の孔の内面などが採用できる。
【0010】
本発明において、前記校正治具は、プローブの先端球と接触する3つの球面を有することが望ましい。
ここで、3つの球面は、既存のマスターボールのような球体を3つ集めてもよく、他の支持体で内向きに支持された3つの半球体であってもよい。
このような本発明では、前述したプローブの先端球との接触が球面により行われるため、プローブあるいは校正治具側の傾き等の影響を受けにくく、回転テーブル表面上の基準点の一義的な決定が確実かつ容易に行える。
【0011】
本発明において、前記3つの球面は、互いに接するとともに、互いの曲率半径が同一かつ曲率中心の高さが同一であることが望ましい。
このような本発明では、各球面が互いに接することで曲率中心の位置関係が一意に決定され、互いの曲率半径が同一かつ曲率中心の高さが同一であることで、校正治具における対称性が得られ、校正治具における基準点の決定が確実かつ容易に行える。
【0012】
本発明において、前記3つの球面の曲率半径をR1として、前記プローブの先端球の半径R2は前記R1の0.1547倍よりも大きいことが望ましい。
このような本発明では、互いに接する3つの球面の間に形成される隙間を通過できる球の半径R2=(2/√3−1)R1=0.1547・R1となる。従って、この半径Rより大きな半径R2を有する先端球であれば、前記隙間を通過できず、必ず3つのマスターボールに同時に接触し、基準点を確定することができる。
【0013】
本発明は、前述した本発明の校正方法で使用される校正治具であって、
プローブの先端球に対して同時に接触する少なくとも3つの接点を有する接触部と、
回転テーブル上に固定されて前記接触部を支持する支持部と、を有することを特徴とする。
このような本発明では、支持部により接触部が回転テーブル表面上に固定され、プローブの先端球を接触部に接触させることで前述した本発明の校正方法を実行することができる。
【0014】
本発明において、前記支持部は、回転テーブル上に載置される基台と、前記基台に立設された3本の支柱とを有し、前記接触部は、それぞれ前記支柱に支持されかつ互いに接触する3つの球体であることが望ましい。
本発明の球体としては、既存のマスターボールが利用できる。
このような本発明では、回転テーブル上に載置することで、互いに接触する3つの球体を回転テーブル上に設置することができ、本発明の校正方法の実施に必要な機器構成を迅速かつ簡単に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の装置構成を示す斜視図。
【図2】前記実施形態の座標系の関係を示す模式図。
【図3】前記実施形態の校正治具の使用を示す模式図。
【図4】前記実施形態の校正治具を示す側面図。
【図5】前記実施形態の校正治具を示す平面図。
【図6】前記実施形態の事前測定の手順を示すフロー図。
【図7】前記実施形態の事前測定を示す斜視図。
【図8】前記実施形態の事前測定を示す平面図。
【図9】前記実施形態の本測定の手順を示すフロー図。
【図10】前記実施形態の本測定を示す斜視図。
【図11】前記実施形態の本測定を示す要部拡大した模式図。
【図12】前記実施形態の本測定の補正処理の例を示すフロー図。
【図13】本発明の他の実施形態を示す斜視図。
【図14】本発明の他の実施形態を示す斜視図。
【図15】本発明の他の実施形態を示す斜視図。
【図16】従来の校正処理を示す斜視図。
【図17】3つの基準点からの座標確定を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔装置構成〕
図1において、本実施形態の形状測定装置は、回転テーブル50を有する三次元測定機1と、この三次元測定機1を駆動制御して必要な測定値を取り込んで形状処理に必要な演算処理を実行するコンピュータ2とから構成されている。
【0017】
三次元測定機1は、上面が水平な定盤11を有し、定盤11は除震台10に支持されるとともに、定盤11上には、ワーク71を載置可能な回転テーブル50と、接触式のプローブ17を支持しかつ任意位置へ移動可能な移動機構19とが設置されている。
回転テーブル50は、定盤11内に設置された図示しない回転駆動機構で支持され、定盤11上面に垂直な軸線まわりに任意の回転角度位置へと回転可能である。回転駆動機構は、定盤11に対する回転テーブル50の回転角度を検出する機能を有する。
【0018】
移動機構19は、定盤11の両端側に立設されたビーム支持体12A,12Bを有し、各々の上端によりX軸方向に延びるビーム13が支持されている。ビーム支持体12Aは、その下端がY軸駆動機構14によってY軸方向に駆動される。ビーム支持体12Bは、その下端がエアーベアリングによって定盤11にY軸方向に移動自在に支持されている。ビーム13には垂直方向(Z軸方向)に延びるコラム15が支持され、コラム15はビーム13に沿ってX軸方向に駆動される。コラム15にはスピンドル16が支持され、スピンドル16はコラム15に沿ってZ軸方向に駆動される。各軸の駆動機構は、各軸における位置または移動量を検出する機能を有する。
【0019】
プローブ17は、スピンドル16の下端に装着される。プローブ17の先端には、例えば球形の接触子である先端球17Aが形成されている。プローブ17は移動機構19により移動され、先端球17Aは回転テーブル50に載置されたワーク71の任意の表面に接触させることができる。
【0020】
コンピュータ2は、コンピュータ本体21および操作用のキーボード22、表示装置24及びプリンタ25を備えている。
コンピュータ本体21は、図示しない演算処理装置および記憶装置などを備えるとともに、図示しないインターフェイスを介してプローブ17に接続されている。
コンピュータ2は、外部操作により起動され、記録されたプログラムを実行することで三次元測定機1の動作を制御し、プローブ17からの信号を処理して指定された測定結果を出力できるようになっている。
【0021】
本実施形態においては、移動機構19によりプローブ17が定盤11に対して三次元移動され、さらにワーク71は回転テーブル50により回転される。このような構成では、ワーク71に対する先端球17Aの接触位置の検出に先立って、定盤11と移動機構19との間の座標の設定、回転テーブル50の回転中心の設定および回転角度位置の設定、ワーク71の載置位置および姿勢の設定など、関連する座標系の設定が必要である。
【0022】
〔座標系〕
図2には、本実施形態における座標系の関係が示されている。
本実施形態においては、スケール座標系(X,Y,Z)、マシン座標系(X,Y,Z)、回転テーブル基準座標系(X,Y,Z)、回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)、ワーク座標系(X,Y,Z)が用いられる。
【0023】
スケール座標系(X,Y,Z)は、移動機構19で検出される座標値であり、予め設定された三次元測定機1の絶対位置を原点Oとして設定される基本座標系である。
マシン座標系(X,Y,Z)は、定盤11に設定される基準点を実測し、この基準点を原点Oとして設定される定盤11に固定された座標系であり、スケール座標系(X,Y,Z)を平行移動させた座標系である。
なお、定盤11上の基準点の測定は、既存の手法、例えば定盤11上に図2に示すようなマスターボール11Aを立て、その赤道4点と頂上1点のポイント測定をプローブ17で実行することが採用できる。一方、後述する本発明の校正治具60を定盤11に固定してプローブ17で測定してもよく、操作の簡略化と精度の向上が期待できる。
【0024】
回転テーブル基準座標系(X,Y,Z)は、回転テーブル50の回転角度が基準状態(角度0度の状態)にあるとき、回転テーブル50の上面の中心を原点Oとして設定される座標系である。回転テーブル座標系(X,Y,Z)は、回転テーブル50が回転した場合であっても変化しない。
【0025】
回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)は、回転テーブル50が基準状態から角度θだけ回転した状態にあるとき、回転テーブル50の上面の中心を原点Oとする座標系である。回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)は、回転テーブル50の回転角度θに応じて変化する。回転角度θ=0度の状態での回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)は回転テーブル基準座標系(X,Y,Z)と一致する。
これらの回転テーブル基準座標系および回転テーブル回転座標系を設定するために、後述する回転テーブル基準座標系の登録が行われる。
【0026】
ワーク座標系(X,Y,Z)は、ワーク71の上面をX−Y平面とし、ワーク71の上面の所定位置を原点Oとする座標系である。Z軸は原点Oを通りワーク71の上面に垂直に設定される。
【0027】
このような各座標系においては、定盤11の上方に位置する任意の点Pの座標が次のように表される。
CP=(X,Y,Z) :ワーク座標系
CPTθ=(XTθ,YTθ,ZTθ) :回転テーブル回転座標系
CP=(X,Y,Z) :回転テーブル基準座標系
CP=(X,Y,Z) :マシン座標系
CP=(X,Y,Z) :スケール座標系
【0028】
これらの各座標系における座標は、回転テーブル回転座標系におけるワーク座標系の原点Oの座標CO、マシン座標系におけるテーブル座標系の原点Oの座標CO、スケール座標系におけるマシン座標系の原点Oの座標COとし、後述する変換マトリックスM1,Mおよび回転マトリックスM2を用いて、互いに演算で変換することができる。
CP=[M][CPTθ−CO
CPTθ=[M]CP
CP=[M][CP−CO
CP=CP−CO
【0029】
ここで、変換マトリックスMは、回転テーブル回転座標系をワーク座標系に変換するものであり、X軸,Y軸,Z軸の単位ベクトルのX,Y,Z成分を第1〜第3の各行に配列した次式(1)で表される。
【0030】
【数1】


…(1)
【0031】
また、回転マトリックスMは、回転テーブル基準座標系を回転テーブル回転座標系に変換するものであり、次式(2)で表される。
【0032】
【数2】


…(2)
【0033】
さらに、変換マトリックスMは、マシン座標系を回転テーブル基準座標系に変換するものであり、X軸,Y軸,Z軸の単位ベクトルのX,Y,Z成分を第1〜第3の各行に配列した次式(3)で表される。
【0034】
【数3】


…(3)
【0035】
なお、前述した各座標系は、いわゆる右手系の直交座標系であるので、前述した各マトリクスM〜Mはそれぞれの行列式の値が+1でなくてはならない。
以上の要素を用いて、各座標系における点Pの座標は相互に変換することができる。例えば、ワーク座標系における点Pの座標CP=(X,Y,Z)は次のように変換することができる。
CP=[M]{[M][M][CP−CO−CO]−CO
【0036】
前述した回転テーブル基準座標系(X,Y,Z)および回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)を設定するために、本発明の校正治具および校正方法に基づいて回転テーブル基準座標系の登録(校正)を行う。
本実施形態においては、回転テーブル基準座標系の登録にあたって、本発明に基づく校正治具を用いる。そして、事前測定として、回転テーブル50の3つの角度位置(0度,120度,240度、図3参照)で校正治具の概略位置を測定し、次に、本測定として、同3つの角度位置で校正治具の3球の球心測定により各位置での基準点を測定する。
【0037】
〔校正治具〕
図3に示すように、校正治具60は、プローブ17の先端球17Aに接触する接触部61と、この接触部61を支持する支持部62と、を有する。支持部62は、回転テーブル50上に載置される基台63と、基台63に立設された3本の支柱64とを有する。接触部61は、それぞれ支柱64に支持されかつ互いに接触する3つの球体65を有する。
【0038】
図4に示すように、球体65は、それぞれ直径D1とされ、互いの曲率半径が同一である。また、球体65は、それぞれ支柱64によって同じ高さに支持され、互いの曲率中心の高さが同一である。
図5に示すように、球体65は、互いに表面の一点で互いに接している。その結果、各球体65の間には平面略三角形状の隙間が形成され、この隙間の内接円の直径D2(半径R2)は球体65の直径D1(半径R1)の0.1547倍となる。これは、同隙間の内接円の半径R2=(2/√3−1)R1=0.1547・R1となることによる。
【0039】
従って、図4に示すように、プローブ17の先端球17Aとして直径D3>直径D2のものを選択すれば、この先端球17Aは3つの球体65の隙間を通過することはできず、3つの球体65にそれぞれ各1点で接触し、つまり3つの接点で校正治具60の接触部61と接触し、校正治具60に対して一意に決まる一点(基準点)で保持される。
例えば、球体65として直径D1=20mmのマスターボールを用いるのであれば、隙間の直径D2=3.094mmとなり、先端球17Aの直径D3は3.1mm以上であれば基準点の測定に利用できる。
【0040】
〔事前測定〕
事前測定では、回転テーブル50の3つの角度位置(図3参照)において、それぞれ校正治具60の概略位置測定を行い、後続の本測定におけるプローブ17のアプローチ位置を設定する。
図6において、事前測定では、まず校正治具60を回転テーブル50に載置して固定し、この校正治具60の3つの球体65のうち1つを指定する(処理S11)。
例えば、校正治具60を回転テーブル50に載置する際に、球体65の1つが外周寄りにくるように配置し、この球体65を指定する。あるいは、球体65の1つが回転テーブル50の中心寄りにくるように配置し、この球体65を指定してもよく、測定操作を行うオペレータが3つのうち何れかを認識できればよい。
【0041】
次に、回転テーブル50を回転させて校正治具60を0度位置へと移動させ(処理S12)、指定された球体65の頂点のポイント測定を行う(処理S13)。
図7において、回転テーブル50に固定された校正治具60において、例えば図中左側の球体65が指定されているなら、オペレータはコンピュータ2からの操作により、プローブ17をこの球体65の上方から近接させ、先端球17Aをこの球体65の頂上に接触させる。この際、先端球17Aが接触する位置は、球体65の頂上付近であればよく、目視により操作でよい。
【0042】
続いて、ポイント測定の結果から校正治具60の中心座標(基準点座標)を推定する(処理S14)。
図8に示すように、校正治具60を上方から見ると、3つの球体65の中心は各々を頂点とする正三角形を描く。この正三角形の中央には3つの球体65の隙間が形成されているとともに、この正三角形の中心が校正治具60の中心であり、校正治具60の基準点となる。
ここで、指定された球体65の中心位置O、先端球17Aの接触位置O、校正治具60の中心位置Oとすると、例えば指定された球体65が回転テーブル50の最外側であれば、球体65の中心位置Oから回転テーブル50の中心向きに距離2D1/√3だけ変位した位置が中心位置Oとなる。従って、先のポイント測定で得られた接触位置Oから中心位置Oと中心位置Oとの変位量を計算することにより、中心位置Oの近傍の中心位置O’を推定することができる。
【0043】
先のポイント測定において、接触位置Oが中心位置Oの近傍であれば、中心位置O’も中心位置Oの近傍であり、本測定でのアプローチ位置(先端球17Aを3つの球体65の隙間に導入する目標位置)として利用することができる。
すなわち、後述する本測定では、先端球17Aを3つの球体65の隙間に導入する必要がある。先端球17Aは、この隙間に正確に導入されることが望ましいが、各球体65の表面に当接した後、同表面に沿って摺動しながら同隙間に導入されてもよい。このようなガイド機能は、球体65の表面の傾斜が垂直に近づく部分つまり球体65の中心から半径D/4より内側の領域で円滑に得られる。
従って、アプローチ位置(中心位置O’)は、3つの球体65の中心が形成する正三角形の内側であって、かつ各中心からD/4の円より内側の領域とすることが望ましい。
前述した処理S14で推定した中心位置O’は、通常の目視操作が行われていれば、同領域に確実に設定することができる。
【0044】
図6に戻って、1つの角度位置において前述した処理S13,処理S14が実行できたら、現在の角度位置が240度か否かを判定し(処理S15)、240度でない場合は、回転テーブル50を120回転させ(処理S16)、次の角度位置において同様の処理S13,処理S14を繰り返す。そして、角度位置が240度の状態で処理S13,処理S14が実行できたら、3つの角度位置のアプローチ位置として各角度位置での中心位置O’を計算し、登録しておく(処理S17)。
以上により事前処理が完了となり、続いて本測定に入る。
【0045】
〔本測定〕
本測定では、回転テーブル50の3つの角度位置(図3参照)において、それぞれ校正治具60の基準点測定(3球の球心測定)を行う。各角度位置においては、事前測定で登録したアプローチ位置にプローブ17を降下させることで、3つの球体65の隙間に先端球17Aを導入し、3つの角度位置における校正治具60の基準点の正確な測定を行う。
【0046】
図9において、本測定では、まず回転テーブル50を回転させて校正治具60を0度位置へと移動させる(処理S21)。そして、先に登録された角度位置0度のアプローチ位置を目標にプローブ17を降下させ(処理S22)、この動作を先端球17Aが球体65に接触するまで継続する(処理S23)。球体65への接触は、プローブの押込み量Eが、例えば0.050mm以上で検出する(E=√(Px+Py+Pz))。
先端球17Aが球体65に接触したら、先端球17Aを球体65の表面に沿って移動させ(処理S24)、この動作を先端球17Aが基準点に接近するまで継続する(処理S25)。基準点への接近は、先端球17Aの移動方向から検出することができる。
【0047】
図10に示すように、プローブ17の下降により先端球17Aが球体65の表面に接触した後、引き続き下降させようとすると、先端球17Aは表面に沿って移動することになる。ここで、プローブ17の下降動作のベクトルvA、球体65の反力のベクトルvP(プローブ出力方向=反力ベクトル方向)とすると、先端球17Aの移動は、これらを合成したベクトルvAPとなる。
図11に示すように、先端球17Aが球体65の高緯度部分(球体65の赤道よりも高い位置)に接触している状態では、ベクトルvAとベクトルvAPとのなす角度θは大きいが、先端球17Aの移動が継続されて球体65の赤道近くまで達すると、ベクトルvAとベクトルvAPとのなす角度θは小さくなる。
これを利用して、処理S25では、例えばvAの単位ベクトルとvAPの単位ベクトルの内積を計算し、その値がcos(1度)以上のとき、基準点に接近したと判定することができる。
【0048】
図9に戻って、先端球17Aが基準点に接近したら、プローブ17の下降を継続し(処理S26)、この動作を先端球17Aが基準点に到達するまで継続する(処理S27)。
基準点への到達は、プローブ17の信号から検出される押し込み量Eを監視し、この押し込み量Eの値が安定した状態をもって到達と判断することができる。なお、押し込み量Eが許容値E0を超えた場合、エラーとして処理する。
【0049】
これらの(
前述した先端球17Aを球体65表面に沿って基準点に接近させる動作(処理S24,S25)、およびプローブ移動を継続して基準点に到達させる動作(処理S26,S27)は、例えば図12に示す補正処理プログラムによって実現してもよい。
図9の処理S23までにより、プローブ17が下降して先端球17Aが球体65に接触された状態となっている。
【0050】
図12において、三次元測定機1を動作制御するコンピュータ2は、例えばメインメモリ上に新旧二つのチップ中心座標値(先端球17Aの中心位置)の記憶領域を確保し、これらを初期化する(処理241)。
初期化にあたっては、三次元測定機1におけるX軸,Y軸,Z軸の各現在位置を初期値として設定する。
すなわち、X軸の新チップ中心座標値Pcx_new=CMMx+Px
Y軸の新チップ中心座標値Pcy_new=CMMy+Py
Z軸の新チップ中心座標値Pcz_new=CMMz+Pz
X軸の旧チップ中心座標値Pcx_old=Pcx_new
Y軸の旧チップ中心座標値Pcy_old=Pcy_new
Z軸の旧チップ中心座標値Pcz_old=Pcz_newとする。
【0051】
次に、コンピュータ2は、一定のサイクル時間毎に、三次元測定機1にプローブ17の下降を継続させるとともに、三次元測定機1の現在位置から先端球17Aの基準点への接近を調べる。
具体的には、三次元測定機1によりプローブ17の下降を継続させ(処理S242)、現在の先端球17Aの中心位置を各軸の新チップ中心座標値として更新し(処理S243)、基準点への接近を判定する(処理S251)。
【0052】
処理S243における各軸の新チップ中心座標値は、次のように更新される。
X軸の新チップ中心座標値Pcx_new=CMMx+Px
Y軸の新チップ中心座標値Pcy_new=CMMy+Py
Z軸の新チップ中心座標値Pcz_new=CMMz+Pz
処理S251における基準点への接近の判定は、基準点に対してX,Y,Zの各軸の何れも0.003mm以内に近づいた際、つまり各軸の新旧チップ中心座標値の差である次の3式が全て満たされた際に「接近」と判定する。
|Pcx_new−Pcx_old|≦0.003mm
|Pcy_new−Pcy_old|≦0.003mm
|Pcz_new−Pcz_old|≦0.003mm
【0053】
処理S251において基準点への接近が判定されない場合、旧チップ中心座標値を現在の新チップ中心座標値で更新し(処理S244)、引き続き前述した処理S242〜S243および処理S251を繰り返す。
処理S244における各軸の旧チップ中心座標値は、次のように更新される。
X軸の旧チップ中心座標値Pcx_old=Pcx_new
Y軸の旧チップ中心座標値Pcy_old=Pcy_new
Z軸の旧チップ中心座標値Pcz_old=Pcz_new
【0054】
処理S251において基準点への接近が判定された場合、コンピュータ2は、三次元測定機1によりプローブ17を間欠的に下降させ、先端球17Aを基準点に到達させる。
具体的には、三次元測定機1によりプローブ17を微少な距離だけ下降させ(処理S261)、この後プローブ17を停止させ(処理S262)、所定時間待機して機械の静止を待ち(処理S263)、現在の先端球17Aの中心位置を各軸の新チップ中心座標値として更新し(処理S264)、この後、基準点への到達を判定する(処理S271)。
処理S261における下降の微少な距離としては、前述した押し込み量Eの許容値E0を用いて、E0/8の値などが利用できる。
処理S264における各軸の新チップ中心座標値の更新は前述した処理S243と同様である。
【0055】
処理S271における基準点への到達の判定は、基準点に対してX,Y,Zの各軸の何れも0.001mm以内に近づいた際、つまり各軸の新旧チップ中心座標値の差である次の3式が全て満たされた際に「到達」と判定する。
|Pcx_new−Pcx_old|≦0.001mm
|Pcy_new−Pcy_old|≦0.001mm
|Pcz_new−Pcz_old|≦0.001mm
この処理S271は、基準値が異なるが、前述した接近の判定の処理S251と処理内容が同じである。
【0056】
処理S251において基準点への到達が判定された場合、コンピュータ2は、図9の処理S28へ進む。
処理S271において基準点への到達が判定されない場合、旧チップ中心座標値を現在の新チップ中心座標値で更新し(処理S265)、プローブ17の信号から検出される押し込み量Eの余裕を判定する(処理S272)。
処理S265における各軸の旧チップ中心座標値の更新は前述した処理S244と同様である。
【0057】
処理S272における押し込み量Eの余裕の判定は、例えば、前述した許容値E0を用いて、押し込み量Eが許容値E0の3/4以上になった状態、つまりE=√(Px+Py+Pz)<3E0/4となる状態を判定する。
処理S272において押し込み量に余裕があると判定された場合、引き続き前述した処理S261〜S265の動作および処理S271,S272の判定を繰り返す。
処理S272において押し込み量に余裕がないと判定された場合、押し込み量エラーとしてアプローチ位置の修正(処理S273)を行い、その他の基準点に達しない障害原因を除去し、図9の処理S22に戻ってアプローチから処理をやりなおす。
【0058】
このような処理S241〜S244および処理S251により、前述した先端球17Aを球体65表面に沿って基準点に接近させる動作(処理S24,S25)が実行される。また、処理S261〜S265および処理S271〜S273により、前述したプローブ移動を継続して基準点に到達させる動作(処理S26,S27)が実行される。
【0059】
処理S27までの実行ののち、プローブ17の出力を監視し(処理S28)、出力データ(座標位置)が所定の範囲内で安定したら(処理S29)、この状態での座標データを現在の角度位置における基準点として記録する(処理S30)。
1つの角度位置において前述した処理S22〜処理S30が実行できたら、現在の角度位置が240度か否かを判定し(処理S31)、240度でない場合は、回転テーブル50を120回転させ(処理S32)、次の角度位置において同様の処理S22〜処理S30を繰り返す。そして、角度位置が240度の状態で処理S22〜処理S30が実行できたら、3つの角度位置の基準点の座標データが得られることになる。
【0060】
以上により3つの角度位置の基準点の座標データが得られたら、従来と同様な手順により、3つの基準点を通る円の中心を原点とし、3つの基準点を含む平面に沿ってX軸,Y軸を設定し、原点を通り前記平面に直交するZ軸を設定し、これらにより回転テーブル基準座標系(X,Y,Z)および回転テーブル回転座標系(XTθ,YTθ,ZTθ)を設定する(処理S33)。
【0061】
〔実施形態の効果〕
以上に説明した実施形態によれば、次に示す効果がある。
前記実施形態では、回転テーブル50の各角度位置における基準点の測定にあたり、プローブ17を校正治具60に接近させることで、先端球17Aを3つの球体65の各々と接触させることができ、基準点を1回の測定で済ますことができる。従って、従来はマスターボールの赤道に沿った4箇所と頂上の1箇所の計5点のポイント測定が必要であったのに対し、本発明では処理を大幅に簡素化できる。このため、従来のようなポイント測定の繰り返しによる作業効率の低下が解消でき、かつ誤差の累積による精度低下が解消できる。
【0062】
また、前記実施形態では、3つの球体65を有する校正治具60を用い、プローブ17の先端球17Aとの接触が球面により行われるようにしたため、プローブ17あるいは校正治具60側の傾き等の影響を受けにくく、回転テーブル50表面上の基準点の一義的な決定が確実かつ容易に行える。
さらに、球体65として既存のマスターボールを用いるとしたため、球面精度が確保できるとともに、互いの曲率半径が同一かつ曲率中心の高さが同一であることから、各球体65の曲率中心の位置関係が簡素となり、校正治具60における対称性が得られ、校正治具60の中心位置として基準点を確実かつ容易に規定できる。
【0063】
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。
【0064】
前記実施形態では、校正治具60の接触部61として、互いに接触する3つの完全な球体65を用いたが、プローブ17との関係で有効なのは互いの向かい合う側の表面であり、従って互いに向かい合う側が球面となった3つの半球体を互いに接触した状態で用いてもよい。このような3つの半球体を用いた接触部61を支持する支持部62としては、前記実施形態の支柱64を用いてもよく、あるいは内側に断面三角形の空洞を有する筒体を用いることができる。
【0065】
図13において、本実施形態の校正治具60Aは、支持部62として平面形状が略正三角形の有底筒状体68を用い、その内側面68Aに半球体65Aが固定されている。半球体65Aは何れも同じ半径を有し、互いに接触した状態で固定されている。
このような実施形態においても、上方からプローブ17を近接させれば、先端球17Aが半球体65Aにそれぞれ一点で接触し、前述した図1〜図11の実施形態と同様な手順で事前測定ないし本測定を実行することができる。
【0066】
校正治具60の接触部61としては、図13のような半球体65Aに限らず、4半球であってもよい。プローブ17の先端球17Aの接触が専ら上方からであれば、半球体65Aの下半分も省略が可能である。
前記各実施形態では、3つの球体65あるいは半球体65Aを互いに接触させるとしたが、これらは接触させないように配置してもよい。互いに接触させることで各球体の中心が正三角形を描き、中心位置の割り出しが容易である。しかし、互いに接触させない場合でも、先端球17Aが3つの球体に接触することで一点に位置決めされるようにでき、この状態での先端球17Aの中心位置を実測することで三角形の中心位置ないしは校正治具60の基準位置を割り出すことができる。
さらに、校正治具60の接触部61としては、前述した各実施形態のような球面に限らず、平面あるいは円錐面などであってもよい。
【0067】
図14において、本実施形態の校正治具60Bは、支持部62として平面形状が略正三角形の柱状体67を用い、その上面から三角錐状の孔67Aを形成して接触部61としたものである。三角錐状の孔67Aの各面は、互いに同じ傾斜、同じ幅とされている。
このような実施形態においても、上方からプローブ17を接近させ、先端球17Aを孔67A内に導入することで、先端球17Aは孔67Aの3つの内面とそれぞれ1点で接触し、一意に決まる基準点を設定することができる。
【0068】
図15において、本実施形態の校正治具60Cは、支持部62として円盤状の基台63を有し、その上面に3つの円錐柱66を並べて接触部61としたものである。円錐柱66は高さ、最大外形、傾斜などが同一とされ、最大外形を与える底部で互いに接触されている。
このような実施形態においても、上方からプローブ17を接近させ、先端球17Aを3つの円錐柱66の間に導入することで、先端球17Aは3つの円錐柱66とそれぞれ1点で接触し、一意にきまる基準点を設定することができる。
【0069】
前記各実施形態において、校正治具60は中心に対して対象な形状、例えば図5の球体65あるいは図13の半球体は互いに同径とし、図14の三角錐状の孔67Aも各面の傾斜等が同一であり、図15の円錐柱66も同一のものとしたが、これらは一部が異なる寸法であってもよい。例えば、図5の球体65のうち1つだけが直径の大きな物であってもよく、この場合、基準点となる中心位置の計算がやや複雑となるが、各部の正確な寸法が解っていれば何ら問題なく演算することができる。他の形状に関しても同様である。
【0070】
前記実施形態では、回転テーブル50を120度ずつ3回回転させて0度、120度、240度の3つの位置で基準点を測定したが、例えば0度、90度、180度、270度の4点など、4つ以上の角度位置で測定するようにしてもよい。測定角度位置が増えることで精度の向上が期待できるが、測定時間の増加を考慮する必要があり、測定回数に関しては精度と効率を考慮して設定することが望ましい。
このような測定角度位置は、360度の整数分の一に限らず、不均等な配置で選択してもよい。
【0071】
前記実施形態における図2の各座標系の関係の説明で、定盤11上の基準点の測定にあたっては、定盤11上に図2に示すマスターボール11Aを立て、その赤道4点と頂上1点をプローブ17でポイント測定する既存の手法を用いていた。このような定盤11上の基準点の測定において、本発明に基づく校正治具60を適用してもよく、回転テーブル50の座標系と同様に、定盤11上の座標系について、校正操作の簡略化と精度の向上が期待できる。
【0072】
前記実施形態では、事前測定において、オペレータの操作により回転テーブル50に固定された校正治具60の概略位置を測定し、アプローチ位置として登録しておき、本測定ではアプローチ位置へプローブ17を降下させて基準点の測定を行った。これに対し、事前測定を省略し、回転テーブル50に固定された校正治具60に対してオペレータの操作によりプローブ17を下降させ、基準点を測定してもよい。
前記実施形態のように事前測定によりアプローチ位置を登録しておくことで、本測定では自動運転が可能となり、かつ校正治具60を移動しない限り、複数回の本測定で繰り返し登録されたアプローチ位置を参照可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の校正方法および校正治具は、ワークに接触する接触子およびワークを載置する回転テーブルを有する三次元測定機の校正に利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1…三次元測定機,2…コンピュータ,10…除震台,11…定盤,14…Y軸駆動機構,15…コラム,16…スピンドル,17…プローブ,17A…先端球,19…移動機構,21…コンピュータ本体,22…キーボード,24…表示装置,25…プリンタ,50…回転テーブル,60,60A,60B,60C…校正治具,61…接触部,62…支持部,63…基台,64…支柱,65…球体,65A…半球体,66…円錐柱,67…柱状体,67A…孔,68…有底筒状体,68A…内側面,71…ワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元測定機の回転テーブルの座標系を登録するために前記回転テーブルの表面の基準点の座標位置を少なくとも3つの角度位置で測定する三次元測定機の校正方法であって、
プローブの先端球に対して同時に接触する少なくとも3つの接点を有する校正治具を用い、
前記回転テーブルの表面に前記校正治具を設置し、前記プローブを前記回転テーブルとは反対側から前記校正治具に近接させ、前記プローブの先端球が全ての前記接点と同時に接触した状態での座標位置を読み取る、ことを特徴とする三次元測定機の校正方法。
【請求項2】
請求項1に記載した三次元測定機の校正方法において、
前記校正治具は、プローブの先端球と接触する3つの球面を有することを特徴とする三次元測定機の校正方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した三次元測定機の校正方法において、
前記3つの球面は、互いに接するとともに、互いの曲率半径が同一かつ曲率中心の高さが同一であることを特徴とする三次元測定機の校正方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載した三次元測定機の校正方法において、
前記3つの球面の曲率半径をR1として、前記プローブの先端球の半径R2は前記R1の0.1547倍よりも大きいことを特徴とする三次元測定機の校正方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れかに記載した三次元測定機の校正方法で使用される校正治具であって、
プローブの先端球に対して同時に接触する少なくとも3つの接点を有する接触部と、
回転テーブル上に固定されて前記接触部を支持する支持部と、を有することを特徴とする三次元測定機の校正治具。
【請求項6】
請求項5に記載した三次元測定機の校正治具において、
前記支持部は、回転テーブル上に載置される基台と、前記基台に立設された3本の支柱とを有し、前記接触部は、それぞれ前記支柱に支持されかつ互いに接触する3つの球体であることを特徴とする三次元測定機の校正治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−83192(P2012−83192A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229476(P2010−229476)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】