説明

不均一/均一共重合体

均一触媒系を用いて調製された新規なポリエチレン共重合体組成物は、ユニークな高分子量、低共単量体(高密度)画分を有することにより特徴づけられる。これらの不均一/均一組成物は、重合反応器が温度、触媒濃度又は単量体濃度における勾配を含有する、溶液重合方法を用いて調製することができる。この発明の不均一/均一組成物は、優れた引き裂き強さ及び低いヘキサン抽出可能物を有するフイルムに容易に加工処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユニークなバランスのとれた性質を有するポリエチレン組成物に関する。好ましいポリエチレン組成物は、非常に良好な引き裂き強さ、衝撃強さ及び光学的性質を有するプラスチックフイルム類を生成するために容易に“加工処理(process)すること”ができる。
【背景技術】
【0002】
慣用のチーグラー−ナッタタイプの触媒系を用いて、高級アルファオレフィンとのエチレンの共重合により調製される線状低密度ポリエチレン(“LLDPE”)共重合体は3つの異なる重合体画分(即ち“モード(modes)”)、即ち、1)高い共単量体含有量を含有する低分子量画分;2)中間分子量及び中間の共単量体含有量の共重合体画分;及び3)共単量体を殆ど含有しない又は含有しない高分子量の画分、を含有することが知られている。低分子量画分はまた、ときには(高い共単量体含有量に起因して)“高度に分枝され”ているとして記載され、そして/又は(低分子量に起因して)“グリース(grease)”として記載される。高分子量含有分はまた、ときには“単独重合体”として記載される。“グリース”画分はしばしば感覚器官感触性(organoleptic)問題を起こし、そしてその重合体が食品と接触する用途を限定又は制限さえする可能性がある。“単独重合体”画分は、一般に樹脂に堅さを与え、そして他の画分よりも高い温度で溶融する。一般に分子量及び共単量体含有量の不均一性(non−unifomity)は、慣用のチーグラー樹脂の顕著な特性である。今では、“不均一(heterogeneous)”としてこれらの樹脂を称することは普通である。
【0003】
対照的に、“均一(homogeneous)”ポリエチレン共重合体は、狭い分子量分布及び狭い組成分布を有することにより一般に特徴づけられる。“均一(homogeneous)”と言う用語は米国特許(USP)第3,645,992号(エルストン(Elston))(この特許の開示を参照することにより本明細書に組み入れる)においてそのような重合体を記載するために本発明者等の一人によって提案された。
【0004】
前記エルストンの’992特許に記載されているように、均一(homogeneous)重合体は均一な(uniform)重合体構造に起因して、はっきりと識別できる融点を有する。該エルストンの’992特許において開示された均一重合体は、普及している市場での使用を可能にするには不十分な活性であるバナジウム触媒系を用いて調製された。
【0005】
今では触媒技術における進歩は、市場での実用的な割合で均一エチレン共重合体の生産を可能にしている。例えば、カミンスキー(Kaminsky)(USP 4,542,199)により開示され、そしてウエルボーン(Welborn)(USP 5,324,800)により改良されたメタロセン/アルミノキサン触媒;ステベンス(Stevens)等(USP 5,064,802)及びカニヒ(Canich)(USP 5,055,438)により開示されたモノシクロペンタジエニル触媒;マクミーキング(McMeeking)等(USP 6,114,481)により開示されたケチミン(ketimine)触媒;及びステファン(Stephan)等(USP 6,063,879)により開示されたホスフィンイミン(phosphinimine)触媒、はすべて均一共重合体の調製のために高度に活性である。
【0006】
LLDPEの特に重要な末端の用途はフイルムの製造である。均一LLDPEから調製されたフイルムは一般に良好な光学的性質、良好な感覚器官感触性質及び優れた衝撃強さを有している。
【0007】
しかしながら、均一LLDPEから調製されたフイルム類は、一般、特にいわゆる“縦方向”において、貧弱な引き裂き強さを有する。さらに、均一樹脂は、“加工処理すること(process)”(即ちフイルムに変換すること)が困難である。この貧弱な加工処理性(processability)は、樹脂を押し出すために必要とされる高いエネルギー需要性(例えば押し出しを駆動するために使用する電動機上に引き入れる大きな電流)及び/又は貧弱な溶融強度により明白に示される。
【0008】
いっそう高い衝撃強さ及び良好な引き裂き性質を有するフイルムに変換すること、そして/又はそのフイルムを生成すること、がいっそう容易である樹脂ブレンドを生成するために、不均一(チーグラー−ナッタ、又は“Z/N”)樹脂を均一樹脂とブレンドする試みがなされた。(ファーレイ(Farley)発明、エクソン(Exxon)に譲渡の)USP 5,530,065は、慣用の不均一Z/N樹脂とメタロセン樹脂との単純なブレンドが、幾らかのフイルムの性質について適当である性質のバランスを有することを教示している。同様に、USP 5,844,045及び5,869,575(コルサマー(Kolthamer)発明、ダウ(Dow)に譲渡)はまた、モノシクロペンタジエニル触媒を用いて調製された慣用の不均一Z/N樹脂と均一樹脂との単純なブレンドがまた、フイルムを調製するために適当であることを開示している。
【0009】
しかしながら、上記’065特許、’045特許及び ’575特許のすべての単なるブレンドは、幾らかのブレンド組成物を調製するためにZ/N触媒の使用に起因して低分子量“グリース(grease)”を含有していることがまた認識されよう。さらに、上記 ’065特許、’045特許及び ’575特許の開示は、それらのブレンドのヘキサン抽出可能な含有物に関して何もふれていない。
【0010】
したがって、従来の不均一樹脂から調製されたフイルムは比較的に貧弱な衝撃強さ、光学的性質及び感覚器官感触性を有しているが、−しかし非常に良好な引き裂き強さを事実有している。逆に、均一樹脂から調製されたフイルムは優れた衝撃強さ、光学的性質及び感覚器官感触性を有しているが、−しかし貧弱な引き裂き強さを有している。この問題を排除するための樹脂ブレンドを使用する以前の試みは、完全には成功しなかった。均一樹脂との不均一樹脂の単純なブレンドは、(恐らくは、“グリース”画分、即ち従来の不均一樹脂において形成された“グリース”画分の故に)最適でない感覚器官感触性を有するフイルムを提供する。
【0011】
この問題を解決するための他の試みは、USP 5,382,630及び5,382,631(ステーリング(Stehling)等の発明、エクソン(Exxon)に譲渡)に開示されている1種より多くの均一樹脂のブレンドを作成することである。ステーリング等の上記’631特許は、他のブレンド成分よりも高い分子量及び低い共単量体含有量を有するブレンド成分(例えば、従来の不均一樹脂の高分子量単独重合体)を実質的に存在させないことにより特徴づけられるブレンドを教示している。これらのブレンドは改良された引き裂き性質を有する構造物の調製のために有用であることが示されている。しかしながら、この特許の開示は、主題の衝撃性質については触れておらず、そして低分子量高密度成分の量が引き裂き強さを高めるために十分である場合にそのようなブレンドから作成されたフイルムがダート(dart)衝撃強さの非常に大きな損失を受けることを本発明者等は観察した。本発明者等の1人はフイルムの製造のために有用である均一共重合体組成物を調製するために二段反応器溶液重合方法を開示している(ブラウン(Brown)USP 6,372,864)。この発明の組成物の必須要素である、高分子量、高密度(非常に低い共単量体)画分を含有した、本発明の共重合体組成物は前記ブラウンの ’864特許には開示されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、従来の不均一樹脂から調製されたフイルムは比較的に貧弱な衝撃強さ、光学的性質及び感覚器官感触性を有しており、−しかし非常に良好な引き裂き強さを事実有している。逆に均一樹脂から調製されたフイルムは優れた衝撃強さ、光学的性質及び感覚器官感触性を有しており、−しかし貧弱な引き裂き強さを有している。この問題を排除するために樹脂ブレンドを使用する以前の試みは、完全には成功しなかった。均一樹脂との不均一樹脂の単純なブレンドは(恐らくは“グリース”画分、即ち従来の不均一樹脂において形成した“グリース”画分の故に)最適でない感覚器官感受性及び光学的性質を有するフイルムを提供する。したがって、良好な衝撃強さ、良好な光学的性質、良好な感覚器官感受性及び良好な引き裂き強さを有するバランスのとれた性質を有するフイルムを得るために使用することができる重合体組成物を提供することが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、改良されたバランスのとれた衝撃強さ、引き裂き強さ、及び感覚器官感触性を有するフイルムを調製するために使用できる不均一化(heterogenized)/均一(homogeneous)重合体組成物を、今や見い出した。
【0014】
さらに、この発明の不均一化/均一重合体組成物は、(均一樹脂に比較して)驚くべきことに、本組成物をフイルムに変換させるために使用される機械類において“加工処理(process)”することが容易である。
【0015】
不均一化(heterogenized)/均一重合体組成物は、慣用の重合反応器を用いて、“均一系触媒”、即ち(狭い分子量分布及び狭い組成分布を有する)均一重合体を生成する触媒系を用いて調製しなければならない。さらに、この発明の不均一化/均一重合体組成物は少なくとも1種の第1共重合体画分、及び第2高分子量/高密度画分を含有しなければならない。この第2画分は、不均一樹脂の“単独重合体”画分に幾分か類似している。この意味で本組成物は、“不均一化(heterogenized)されている”として称することができる。したがって、この発明の重合体組成物は、“均一”触媒系を用いて調製された“均一”成分を用いて形成されるが、しかしそれらはまた、“不均一”樹脂に類似している高分子量、高密度成分を含有しなければならない。
【0016】
したがって、1つの態様において、本発明は、均一触媒系を用いて調製された不均一化/均一重合体組成物を提供し、前記組成物は:
A)ASTM D792により測定したときに0.880〜0.945g/cmの密度を有し;ASTM D1238により測定したとき0.1〜200g/10分のメルトインデックス,Iを有し;2重量%未満のヘキサン抽出可能物を有し;そして単独重合体が実質的に存在しない第1重合体画分であって、しかも前記第1重合体画分はエチレンと少なくとも1種のC〜C10アルファオレフィンとの均一共重合体の少なくとも1種を含み、そして前記少なくとも1種の均一共重合体の各々が3未満の分子量分布Mw/Mnを有することにより特徴づけられる第1重合体画分;及び
B)前記第1画分よりも高い分子量を有し;前記第1画分よりも高い密度を有し;そして前記第1画分よりも低いアルファオレフィン含有量を有する第2重合体画分であって、しかも前記第2重合体画分が随意的に少なくとも1種のC〜C10アルファオレフィン共単量体を有する、エチレンの少なくとも1種の第2均一重合体を含み、そして前記エチレンの少なくとも1種の第2均一重合体の各々が3未満の分子量分布Mw/Mnにより特徴づけられる、第2重合体画分;
を含む。
【0017】
上記のように、第2画分は第1画分よりも高い分子量及び第1画分よりも低い共単量体含有量の両方を有しなければならない。
該2つの重合体画分の単純な機械的ブレンドによりそのような重合体組成物を調製することは非常に困難であることは当業者により認識されるだろう。したがって、−特にそれらの画分がその場でブレンドされる、溶液重合方法を介して−溶液ブレンドすることにより本組成物を調製することが非常に好ましい。単一チューブ反応器(プラグ(plug)流反応器)、又はチューブ反応器と1つの連続的にかき混ぜられるタンク反応器(CSTR)との組み合わせをまた適当に使用することが出来るけれども、本組成物を調製するために2つの連続的にかき混ぜられたタンク反応器(CSTR’s)を使用することが特に好ましい。
【0018】
この発明の組成物は、射出成形部品、回転成形(rotomolded)部品及びフイルムを含む広い種々の商品を作成するために使用できる。以下にいっそう詳細に記載される好ましい組成物はフイルムの製造のために特に適している。フイルムは、慣用の“注型(cast)”又は“吹き込み泡立ち(blown bubble)”技術により作成することができる。単層フイルム又は(薄層の多重層の同時押し出しにより調製された)多重層フイルムが可能である。得られたフイルムは、液体のための密閉包装を包含する、密閉包装における食品及び消費者商品を包装するために使用することができる。フイルムはまた、廃棄物袋(trash bag)、(造園用(ガーデニング)センターにおいて戸外でさらされている、水ごけ−及び樹皮、肥料及び装飾砂利−を包含する他の造園(ガーデニング)用の商品のような商品のための)“高荷重に耐えられる(heavy duty)包装”;(家禽又は食肉の切り身のための高性能包装において使用できる)収縮フイルム;(船輸送及び/又は戸外貯蔵中の荷物置台上の商品を保護するための)荷物置台包装;及びストレッチフイルム(stretch film)を調製するために特に適している。
【0019】
この発明の重合体組成物から作られたプラスチック部品及びフイルムは、酸化防止剤(例えば、ヒンダード(hindered)フェノール類、ホスフェート類);ヒンダード(hindered)アミン類のようなUV安定剤;アンチブロック剤(antiblocks)(例えばタルク及びシリカ);帯電防止剤(例えば低分子量ポリエチレングリコール);処理助剤(例えばフルオロ重合体類及び2,000〜8,000の分子量を有するポリエチレングリコール);顔料、等のような慣用の添加剤を含むことができる。
【0020】
発明を実施するための最良の形態
パート1.触媒の記載
一般に、この発明の組成物を調製するために(該エルストンの’922特許により規定されているような)“均一”エチレン共重合体を生成する任意の触媒系を使用することができる。第4族金属のグラム当たり少なくとも250,000グラムの重合体の活性を提供する第4族金属の触媒を使用することが好ましい。好ましい触媒は少なくとも1つのシクロペンタジエニル配位子を含有する。そのような触媒の例は、上記ウエルボーン(Welborn)’800特許、ステベンス(Stevens)’802特許、ステファン(Stephan)’879特許及びマクミーキング(McMeeking)’481特許、に開示されている。
【0021】
この発明の方法において使用する好ましい触媒は、(下記1.3文節において定義されるような)シクロペンタジエニル配位子及び(下記1.2.1文節において定義されるような)ホスフィンイミン配位子又は(下記1.2.2文節において定義されるような)ケチミド(ketimide)配位子を有することにより特徴づけられる第3族、第4族又は第5族の金属の有機金属錯体である。
【0022】
エチレン重合のための触媒活性を示すホスフィンイミン配位子を有する任意のそのような有機金属を使用できる。好ましい触媒は式:
【化1】


〔式中、Mは(下記の1.1文節において記載されているような)Ti、Hf及びZrから選ばれた遷移金属であり;Cpは(下記文節1.3において広く定義されているような)シクロペンタジエニル配位子であり;Lはホスフィンイミン配位子又はケチミド(ketimide)配位子であり;Xは(下記1.4文節において定義されているような)最も好ましくはアルキル又はハライドのような単一のモノアニオン性配位子である活性化可能な配位子であり;そしてpはM及びXの原子価に依存して1又は2である〕により規定される。
【0023】
最も好ましい触媒は最も高い酸化状態での第4族金属錯体である。例えば、好ましい触媒はチタン、ジルコニウム又はハフニウムのシクロペンダジエニル(ホスフィンイミン)ジクロライド錯体であることができる。触媒は1つのホスフィンイミン配位子、1つのシクロペンタジエニル配位子及び(両方ともクロライドである)2つの“X”配位子を含有することが特に好ましい。
【0024】
1.1 金属
好ましい触媒は、第3族、第4族又は第5族金属(該数字はIUPAC命名法を使用する元素の周期律表における欄に言及している)の有機金属錯体である。好ましい金属は第4族(例えば、チタン、ハフニウム又はジルコニウム)からの金属であり、チタンが最も好ましい。
【0025】
1.2.1 ホスフィンイミン配位子
好ましい触媒は、金属に共有的に結合しているホスフィンイミン配位子を含有する。この配位子は式:
【化2】


〔式中、各々のRは、水素原子、ハロゲン原子、置換されていないか又はハロゲン原子、C〜Cアルコキシ基、C〜C10アリール基又はアリールオキシ基により置換されているC〜C20ヒドロカルビル基、アミド基、式:
【化3】


(但し、各々のRは、水素、C〜Cアルキル又はアルコキシ基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基からなる群から独立して選ばれる)のシリル基、及び式:
【化4】


(但し、Rは上に定義したとおりである)のゲルマニル(germanyl)基、からなる群から独立して選ばれる〕により定義される。
【0026】
好ましいホスフィンイミン類は、各々のRがヒドロカルビル基であるものである。特に好ましいホスフィンイミンはトリ(tert−ブチル)ホスフィンイミン(即ち、各々のRがtert−ブチル基である場合)である。
【0027】
1.2.2 ケチミド配位子
本明細書において使用されるものとして、“ケチミド(ketimide)配位子”という用語は:
(a)金属−窒素原子結合を介して遷移金属に結合されており;
(b)窒素原子上に単一の置換基を有し(この場合においてこの単一置換基はN原子に二重結合している炭素原子である);そして
(c)該炭素原子に結合している2つの置換基(下に記載されるSub 1及びSub 2)を有する;
配位子を称する。
【0028】
条件a、b及びcは以下に例示される:
【化5】

【0029】
置換基“Sub 1及びSub 2”は同じであっても又は異なっていてもよい。例示的置換基は1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル類;シリル基、アミド基及びホスフィド(phosphido)基を包含する。費用及び便宜の理由から、これらの置換基は両方共ヒドロカルビル類であるのが好ましく、特に単純なアルキル基、そして最も好ましくはtert−ブチルである。
【0030】
1.3 シクロペンタジエニル配位子
好ましい触媒は、1つのホスフィンイミン配位子又はケチミド(ketimide)配位子及び1つのシクロペンタジエニル配位子を含有する第4族有機金属錯体である。
【0031】
本明細書において用いられるものとして、シクロペンタジエニル配位子と言う用語は、その広い意味を伝えることを意味し、即ちエタ−5結合(eta−5 bonding)を介して金属に結合している5炭素環を有する配位子を意味する。したがって、“シクロペンタジエニル”と言う用語は、置換していないシクロペンタジエニル、置換したシクロペンタジエニル、置換していないインデニル、置換したインデニル、置換していないフルオレニル(fluorenyl)及び置換したフルオレニルを包含する。シクロペンタジエニル配位子のための置換基の例示的なリストはC〜C10ヒドロカルビル基(このヒドロカルビル置換基は置換されていないか又はさらに置換されている);ハロゲン原子、C〜Cアルコキシ基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基;置換されていないか又は2個までのC〜Cアルキル基によって置換されているアミド基;置換されていないか又は2個までのC〜Cアルキル基により置換されているホスフィド(phosphido)基;式−Si−(R)(但し、各々のRは独立して水素、C〜Cアルキル又はアルコキシ基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基からなる群から選ばれる)のシリル基;式Ge−(R)(但し、Rは直上に定義したとおりである)のゲルマニル(germanyl)基からなる群を包含する。
【0032】
1.4 活性化可能な配位子 X
“活性化可能な配位子”という用語は、オレフィン重合を促進するために共触媒(また、“活性化剤”と称される)により活性化されることができる配位子を言う。例示的な活性化可能な配位子は、水素原子、ハロゲン原子、C〜C10ヒドロカルビル基、C〜C10アルコキシ基、C〜C10アリールオキシド基(前記ヒドロカルビル、アルコキシ及びアリールオキシド基の各々は置換されていないかあるいはハロゲン原子、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基によってさらに置換されていてもよい);置換されていないか、又は2個までのC〜Cアルキル基によって置換されているアミド基;置換されていないか、又は2個までのC〜Cアルキル基によって置換されているホスフィド(phosphido)基からなる群から独立して選ばれる。
【0033】
活性化可能な配位子の数は金属の原子価、及び活性化可能な配位子の原子価により左右される。例えば(ブタジエンのような)1つの二価の活性化可能な配位子は、4酸化状態での第4族金属と共に使用することができる。好ましい触媒金属は、それらの最も高い酸化状態(即ち4)での第4族金属であり、そして好ましい活性化可能な配位子は(ハライド、特にクロライド又はアルキル、特にメチルのような)モノアニオン性である。したがって、好ましい触媒は、第4族金属に結合したホスフィンイミン配位子、シクロペンタジエニル配位子及び2つのクロライド(又はメチル)配位子である。或る場合において、触媒成分の金属はその最も高い酸化状態になくてもよい。例えばチタン(III)成分は、1つだけの活性化可能な配位子を含有するだろう。
【0034】
1.5 好ましい触媒の概略的説明
上記したように、最も好ましい触媒は、ホスフィンイミン配位子、シクロペンタジエニル−タイプ配位子、及び2つの活性化可能な配位子を有する、その最も高い酸化状態での第4族有機金属錯体である。これらの要件は、好ましい触媒について以下の式を用いて簡潔に記載することができる:
【化6】


〔式中、(a)MはTi、Hf及びZrから選ばれた金属であり;(b)Plは式:
【化7】


(式中、各々のRは独立して、水素原子、ハロゲン原子、C〜C20ヒドロカルビル基(但し、この基は置換されていないか、又はハロゲン原子、C〜Cアルコキシ、C〜C10アリール又はアリールオキシ基により置換されていてもよい)、アミド基、式:
【化8】


(式中、各々のRは独立して、水素、C〜Cアルキル又はアルコキシ基、C〜C10アリール又はアリールオキシ基からなる群から選ばれる)のシリル基、及び式:
【化9】


(式中、Rは上に定義したとおりである)のゲルマニル(germanyl)基からなる群から選ばれる)により規定されるホスフィンイミン配位子であり;(c)Cpはシクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、インデニル、置換インデニル、フルオレニル(fluorenyl)、置換フルオレニルからなる群から選ばれた配位子であり;そして(d)各々のXは活性化可能な配位子である〕。
【0035】
2. 共触媒の説明
上記パート1に記載した触媒成分は、オレフィン重合のための活性触媒系を形成するために少なくとも1種の共触媒(又は“活性化剤”)と組み合わせて使用する。好ましい活性化剤は下記文節2.1及び2.2においてさらに詳細に記載される。
【0036】
2.1 アルモキサン類
アルモキサン(alumoxane)は式:
【化10】


〔式中、各々のRは独立してC〜C20ヒドロカルビル基からなる群から選ばれ、そしてmは0〜50であり、好ましくはRはC〜Cアルキル基であり、そしてmは5〜30である〕のものであることができる。各々のRがメチルである、メチルアルモキサン(又は“MAO”)が、好ましいアルモキサンである。
【0037】
アルモキサンは、特にメタロセン−タイプの触媒のための共触媒として周知である。アルモキサンはまた市場で容易に手に入れることができる商品である。
【0038】
アルモキサン共触媒の使用は一般に、20:1〜1000:1の、アルミニウムの、触媒における遷移金属に対するモル比を必要とする。好ましい比は50:1〜250:1である。
【0039】
市販のMAOは典型的には、触媒活性を減少させ、そして/又は重合体の分子量分布を拡げる可能性がある遊離のアルミニウムアルキル(例えばトリメチルアルミニウム又は“TMA”)を含有する。もし狭い分子量分布の重合体を必要とするならば、そのような市販のMAOを、TMAと反応することができる添加剤で処理することが好ましい。この目的のためにアルコール類が好ましい(ヒンダードフェノールが特に好ましい)。
【0040】
2.2 “イオン性活性化剤”共触媒
メタロセン触媒のためにいわゆる“イオン性活性化剤”はまた、周知である。例えばUSP 5,198,401(ヒラットキー(Hlatky)及びターナー(Turner))及びUSP 5,132,380(スチーブンス(Stevens)及びナイサマー(Neithamer))を参照。
【0041】
何ら理論により束縛されることを望まないけれども、“イオン性活性化剤”は触媒をカチオンにイオン化し、次にカチオン形で触媒を安定化させる大きな不安定な非配位アニオンを提供する様式で、始めに活性化可能な配位子の1つ以上の引き抜きを起こさせることが当業者により考えられる。大きな(bulky)非配位(non−coordinating)アニオンは、(恐らくは非配位アニオンは触媒に配位している単量体により非常に置き換えられ易いので)カチオン触媒センターでオレフィン重合を進行させることを可能にさせる。好ましいイオン性活性化剤は以下の(i)〜(iii)に記載されるホウ素含有イオン性活性化剤である:
【0042】
(i)式〔R〔B(R
(式中、Bはホウ素原子であり、Rは芳香族ヒドロカルビル(例えばトリフェニルメチルカチオン)であり、そして各々のRは置換されていないか又はフッ素原子、C〜Cアルキル又はアルコキシ基(但し、これは置換されていないか又はフッ素原子により置換されている)からなる群から選ばれた3〜5置換基で置換されているフェニル基;及び式−Si(R(但し、各々のRは独立して水素原子及びC〜Cアルキル基からなる群から選ばれる)のシリル基からなる群から独立して選ばれる)の化合物;
【0043】
(ii)式〔(RZH〕〔B(R
(式中、Bはホウ素原子であり、Hは水素原子であり、Zは窒素原子又は燐原子であり、tは2又は3であり、そしてRはC〜Cアルキル基、フェニル基(但し、これは置換されていないか、又は3個までのC〜Cアルキル基で置換されている)からなる群から選ばれるか、又は1個のRは窒素原子と一緒になってアニリニウム基を形成することができ、そしてRは上に定義したとおりである)の化合物;及び
(iii)式B(R
(式中、Rは上に定義したとおりである)の化合物。
【0044】
上記化合物において、好ましくはRは、ペンタフルオロフェニル基であり、Rはトリフェニルメチルカチオンであり、Zは窒素原子であり、そしてRはC〜Cアルキル基であるか、又はRは窒素原子と一緒になって2つのC〜Cアルキル基で置換されているアニリニウム基を形成する。
【0045】
“イオン性活性化剤”はカチオンに触媒中心をイオン化するが、しかし触媒と共有結合しないように、そして触媒とイオン化用活性化剤との間に十分な距離を提供して得られた活性部位に重合可能なオレフィンが入ることを可能にするように、1つ以上の活性化可能な配位子を引き抜くことができる。
【0046】
イオン性活性化剤の例は以下のものを包含する:
・トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素;
・トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素;
・トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素;
・トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素;
・トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素;
【0047】
・トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素;
・トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素;
・トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素;
・N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)n−ブチルホウ素;
・N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・ジ−(イソプロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素;
・ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トリフェニルホスホニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
【0048】
・トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ホウ素;
・トロピリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレ−ト
(tropillium tetrakispentafluorophenyl borate);
・トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート
(triphenylmethylium tetrakispentafluorophenyl borate);
・ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
・トロピリウムフェニルトリスペンタフルオロフェニルボレート;
・トリフェニルメチリウムフェニルトリスペンタフルオロフェニルボレート;
・ベンゼン(ジアゾニウム)フェニルトリスペンタフルオロフェニルボレート;
・トロピリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;
・トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;
【0049】
・ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート;
・トロピリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート;
・ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート;
・トロピリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボレート;
・トリフェニルメチリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボレート;
・ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボレート;
・トロピリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート;
・トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート;及び
・ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート。
【0050】
容易に市場で手に入れることができるイオン性活性化剤は以下のものを包含する:
・N,N−ジメチルアニリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート;
・トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート;及び
・トリスペンタフルオロフェニルボレート。
【0051】
3.二重反応器溶液重合方法の記載
エチレンの(共)重合のための溶液方法は当業界において周知である。これらの方法は、不活性炭化水素溶媒、典型的にはペンタン、メチルペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及び水素添加ナフサのような、置換されていないか、又はC〜Cアルキル基で置換されていることができるC〜C12炭化水素の存在下に行われる。市販されている適当な溶媒の例は、“イソパールE(Isopar E)”(エクソンケミカルカンパニー(Exxon Chemical Co.)製のC〜C12脂肪族溶媒)である。
【0052】
この発明の好ましい溶液重合方法は少なくとも2つの重合反応器を使用する。
第1反応器における重合温度は約80℃〜約180℃(好ましくは約120℃〜160℃)であり、そして第2反応器は好ましくはより高い温度(約220℃まで)で操作する。最も好ましい反応方法は、各々の反応器におけるその圧力が好ましくは約6,000psi(約42,000キロパスカル又はkPa)未満であり、最も好ましくは約2,000psi〜3,000psi(約14,000〜22,000kPa)であることを意味する、“中圧法”である。
【0053】
エチレンとの共重合のための適当な単量体はC〜C10アルファオレフィン類を包含する。好ましい共単量体は置換されていないか又は2個までのC〜Cアルキル基で置換されているアルファオレフィン類を包含する。そのようなアルファオレフィン類の例示的な、非限定的例は、1種以上の、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセンである。
【0054】
本発明に従って調製することができる不均一/均一共重合体組成物は、典型的には60重量%以上、好ましくは75重量%以上のエチレン、そして残りが好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群から選ばれる1種以上のC〜C10アルファオレフィン類からなるLLDPE(複数)である。本発明にしたがって調製されるポリエチレンは約0.910〜0.935g/ccの密度を有するLLDPE又は0.935g/ccより上の密度を有する(線状)高密度ポリエチレンであることができる。本発明はまた、0.910g/ccより下の密度を有するポリエチレン−いわゆる非常に低い且つ超低密度のポリエチレンを調製するために有用である。
【0055】
一般に、アルファオレフィンは約3〜30重量%、好ましくは約4〜25重量%の量で存在することができる。
単量体類を、第1反応器に供給する前に、溶媒中に溶解/分散させる(又は、ガス状単量体について、それが反応混合物中に溶解するように反応器に供給することができる)。混合する前に、水、酸素又は金属不純物のような潜在的な触媒毒を除去するために、溶媒及び単量体は一般に精製される。その供給原料精製は、当業界における標準の慣習的方法に従い、例えば分子篩、アルミナ床及び酸素除去触媒を単量体の精製のために使用する。同様に溶媒自体(例えばメチルペンタン、シクロヘキサン、ヘキサン又はトルエン)は、同様な方法で処理するのが好ましい。
【0056】
供給原料は、第1反応器に供給する前に、加熱又は冷却することができる。追加の単量体及び溶媒を第2反応器に加えることができ、そしてそれを加熱又は冷却することができる。
【0057】
一般に、触媒成分を、反応のために溶媒中で予備混合することができるか、又は各々の反応器に別々の流れとして供給できる。或る場合において、それを予備混合することは、反応に入る前に触媒成分のための反応時間を提供するために望ましいだろう。そのような“インライン(in line)混合”技術は、デュポン カナダ インコーポレーテッドの名前での多くの特許(例えば1996年12月31に発行されたUSP 5,589,555)に記載されている。
【0058】
各々の反応器においての滞留時間は反応器のデザイン及び収容能力により左右されるだろう。一般に反応器は、反応体の良好な混合を達成させる条件下に操作すべきである。さらに、最終重合体の20〜60重量%を第1反応器で重合させ、そして残りを第2反応器で重合させるのが好ましい。反応器システムを出る際に、溶媒を除去し、そして得られた重合体を慣用方法で仕上げる。
【0059】
非常に好ましい態様において、第1重合反応器は、第2重合反応器よりも小さい容積を有する。さらに、第1重合反応器は、第2反応器よりも低い温度で操作するのが好ましい。
【0060】
好ましい重合体組成物
ポリエチレン樹脂は、しばしば溶融押し出し処理により仕上げ製品に変換される。押し出し処理は一般に押し出しダイス型中に通過させて溶融物を“引き抜く(draw)”ために必要とされる力に起因して横方向(TD)よりも縦方向(MD)においてポリエチレン溶融物のより多い“ドローダウン(drawdown)”を生ずる。これは、典型的には、配向又は測定の方向と共に変化するアンバランスな機械的性質を有する仕上げプラスチック品を生成する。この現象の普通の例は、射出成形されたプラスチックカップを考えることにより説明される。これらのカップは、通常、カップ型の基部での射出口中にプラスチック溶融物を押し通して、かくして長さ方向にカップの基部からカップの縁まで流れを生成させることにより形成される。それ故に、仕上げプラスチックカップは、カップの長さに沿って“縦方向(machine direction)”を有し、そしてこの長さ方向において割れ(split)又は引き裂き(tear)をいっそう起こしやすい(即ち、カップは外周のまわり、又は“横方向”に損じる傾向が小さい)。
【0061】
類似の現象がポリエチレンフイルムに関して観察される。即ち、押し出されたプラスチックフイルムは、一般に横方向引き裂き強さに比較して貧弱な“縦方向”引き裂き強さを有する。これは、引き裂き強さアンバランスと称することができる。この効果(即ち、MD対TD引き裂きアンバランス)は、共重合体の分子量が増大するにつれて、不均一エチレン−ブテン共重合体から作られたフイルムにおいて、より顕著になる。即ち、相対的MD対TDアンバランスは、いっそう高い分子量の不均一共重合体から作られたフイルムおいていっそう顕著になる。理論により束縛されることを望まないけれども、この現象は、より高い分子量の共重合体を押し出しするのに必要とされる、より大きな応力の結果である(これは重合体分子のより高い配向を生じ、それにより、より高いMD/TDアンバランスを起こす)と見なされる。
【0062】
この現象はまた、均一樹脂に関して、なおいっそう顕著になることが観察される。理論に束縛されることを再び望まないけれども、均一樹脂の均一な構造は溶融押し出し中に重合体分子に非常に均一に配向することを生じさせると信じられる。とにかく、均一重合体から作成されたフイルムのMD引き裂きは一般に非常に貧弱である。しかしながら、均一重合体から作成されたフイルムの衝撃強さは、通常、優れている。
【0063】
上記したように、組成物の或る画分又はブレンド成分が他の重合体画分より高い密度であるが、しかし低い分子量を含有する均一エチレン重合体組成物を調製することが知られている(例えば、前記ステーリング(Stehling)等の’631特許及び市販のEXCEEDTM1018CA樹脂)。
【0064】
対照的に、この発明の組成物は、第1共重合体画分よりも高い分子量及び高い密度の両方である(又は、言い換えると、“分枝が少ない”)“第2”重合体画分を含有しなければならない。この高分子量/高密度画分は、総重合体組成物の1〜20重量%、特に2〜10重量%の量で存在するのが好ましい。高分子量/高密度画分は、1,000個の炭素原子当たり5未満、特に4未満の短い分枝を有するのがまた好ましい。高分子量/高密度画分は、130,000〜500,000、特に150,000より大〜500,000の重量平均分子量(Mw)を有するのがさらに好ましい。
【0065】
この発明の重合体組成物の“第1”画分は少なくとも1種の共重合体を含有する。この第1画分は1種より多くの均一共重合体を含有することができるが、しかしこれは必須ではない。
【0066】
この発明の不均一化/均一組成物はフイルムの製造のために特に適している。不均一化/均一組成物から作成されたフイルムは、0.900〜0.940g/cc(特に0.905〜0.920g/cc)の全体的な密度及び0.3〜20の全体的なメルトインデックス,Iを有するのが好ましい。
【実施例】
【0067】
パート1. 比較例
比較例 1
エクソンモビルケミカル(ExxonMobil Chemical)により商標EXCEEDTM1018CAで販売された市販の樹脂のサンプルを、分子量分布を測定するためにゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析に付し、そして温度上昇溶離分別(temperature rising elution fractionation)(TREF)分析に付した。トリクロロベンゼンをTREF分析のための移動性液体相として使用した。GPC分析を下記のパート2において記載する。
【0068】
EXCEEDTM1018CA樹脂はエクソンモビルケミカルズEXXPOLTM技術(これはメタロセン触媒技術であると信じられる)を用いて生成されたエチレン−ヘキセン共重合体であると報告されている。
【0069】
この樹脂のTREF分析は2つのはっきりとした溶離ピークを示した。第1ピーク(均一共重合体画分の表示)は80.7℃で観察された。より少ない共単量体を有する第2画分(高密度画分)は93.1℃で溶離することが観察された。
【0070】
全体の樹脂のGPC分析は、重量平均分子量(Mw)を約101,000であると示し、そして分子量分布を約2.1であると示した。
【0071】
次に、この樹脂のサンプルを、(移動性液体相溶媒としてトリクロロベンゼンを用いる慣用TREF調剤技術を用いて)溶離温度に従って、幾つかの“カット分(cuts)”に分別化した。90〜95℃の温度で溶離した高密度画分(又はカット分)は、総重合体組成物の約8.5重量%であることが観察された。この画分は、72,000の重量平均分子量を有すると分析された。したがって、EXCEEDTM1018CAのこのサンプルは、“高密度”画分が共重合体画分よりも低い分子量(即ち、72,000対101,000)を有するので、前記ステーリング(Stehling)等の’630特許の開示と一致している。(2.5:1のブローレシオ(blow up ratio)を用いて、60ミルのダイス型間隙を有する、吹き込みフイルムライン(blown film
line)上で)EXCEEDTM1018CAから作られた1ミルフイルムは、740グラムのダート(dart)衝撃強さ、260グラムの縦方向(MD)引き裂き強さ及び340グラムの横方向(TD)引き裂き強さを有すると、エクソンモビルケミカルにより報告されている。
【0072】
比較例 2
0.917g/cm(g/cc)の密度及び1.8の分子量分布(Mw/Mn)を有するエチレン−オクテン共重合体は、1つのシクロペンタジエニル配位子、1つのトリ(tert−ブチル)ホスフィンイミン配位子及び2つのクロライド配位子を有するチタン触媒(以後“CpTiNP(t−Bu) Cl”と称する)、そして100/1のAl/Tiモル比での市販のメチルアルミノキサン(“MAO”)及び1.2/1のB/Tiモル比でのトリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(“PhCB(C”)からなる活性化剤を用いて溶液重合方法により調製した。
【0073】
得られた共重合体は非常に高い密度/より高い融点の画分を、何ら意義ある量で含有していなかった。
1ミルの平均厚さの吹き込みフイルム(blown film)を、3.5ミルのダイス型間隙を通過させて2.5/1のブローレシオ(blow up ratio)で慣用の押出機を用いて調製した。
【0074】
得られたフイルムは1,000グラムより大きいダート(dart)衝撃強さ、250グラムの縦方向引き裂き強さ及び340グラムの横方向引き裂き強さを有した。
【0075】
パート2. 本発明の重合
この例は、中圧でのエチレン及びオクテンの連続溶液共重合を例示する。この本発明の例は、比較的に低い温度(表B.1参照)で操作する第1連続かき混ぜタンク反応器(“CSTR”)を使用した。第1反応器の圧力は約14.5メガパスカルであり、そして第2反応器の圧力は(第1反応器から第2反応器への流れを容易にするために)ぎりぎりでわずかに低かった。この反応器の中味は、またCSTRである、より大きな第2重合反応器へ流れた。反応器2の容積は反応器1の容積よりも1.8倍大きかった。
【0076】
この方法は、すべての供給物流(即ち、メチルペンタンである溶媒;単量体及び触媒系)において、そして生成物の取り出しにおいて連続的であった;単量体は(水、酸素及び極性汚染物質を除去するために種々の吸収媒体と接触させるような)慣用の供給物調整システムを用いて、反応器に添加する前に精製した。
【0077】
供給物(単量体、触媒、活性化剤)を、表B.1において示されるようにして反応器中にポンプ送り込みした。反応器のための平均滞留時間は、平均流速を、反応器の容積で割り算することにより計算した。本発明の実験のすべてについて各々の反応器における滞留時間は1.5分未満であり、そして反応器を十分に混合した。理論により束縛されることを望まないけれども、本発明の重合の短い滞留時間は、この発明の組成物にとって必須である高分子量/高密度重合体成分の形成を生じさせる、小さな温度、触媒及び/又は単量体濃度勾配に導くと信じられる。
【0078】
すべての実験において使用した触媒は、1つのシクロペンタジエニル配位子、2つのクロライド配位子及び1つのトリ(tert−ブチル)ホスフィンイミン配位子を有するチタン(IV)錯体(“CpTiNP(t−Bu)Cl”)であった。共触媒は市販のメチルアルモキサン(“MAO”)及び市販のボレート(“PhCB(C”)であった。ヒンダードフェノール(2,6−ジ−tert−ブチル,4−エチル,フェノール)をまた、表B.1において示されるように使用した。
【0079】
表B.1において示すような、(反応器含有物の総質量に基づいて重量により100万当たりの部(ppm)として表される)量の触媒を各々の反応器に加えた。MAO、ボレート及びフェノールは表B.1において示される量で加えた。((触媒中の)Tiのモル当たりのAlのモルとして表される)MAOの量、(Tiのモル当たりのBのモルとして表される)ボレートの量、及び(MAO中のAlのモル当たりのOHのモルとして表される)フェノールのモルを表B.1において示しており、表B.1において“R1”は反応器1を言い、そして“R2”は反応器2を言う。
【0080】
反応器1(“R1”)におけるエチレン濃度は、重量%として表される。当量流(equivalent flow)のエチレンが、各々の反応器に提供された。
両方の反応器において使用するオクテンの合計量は、(モル/モル基準で)エチレンの合計量に基づき表B.1において報告している。R1に加えられるオクテンの画分を、表B.1に示す(残りのオクテンを、第2反応器“R2”に加える)。
【0081】
(重量によりppmとして表される)表B.1に示されるように少量で水素を反応器に加えた。
(明確化のために:表B.1は、第1組成物が反応器1(“R1”)において以下の平均条件を用いて調製されたことを示す:0.099ppmの触媒濃度;ホウ素/Ti=1.1(モル/モル);Al/Ti=65.4(モル/モル);
OH/Al=0.3(モル/モル);エチレン濃度=9.2重量%;R1及びR2に加えられる総オクテンの80%がR1に加えられた;総オクテン/エチレンモル比は0.85であった;水素濃度はR1において重量により0.23ppmであった;平均R1反応温度は139.8℃であり、そして滞留時間は1.0分であった)。
【0082】
第2反応器“R2”における単量体供給物の組成、そして触媒供給物入口に対しての単量体供給物入口(1つ又は複数)の位置は、この発明の不均一化均一組成物の微細構造についてのこれらの可変性の効果を調べるために変化させた。
【0083】
反応器1への供給物口は、どの実験についても調節されなかった。1つの供給物口は溶媒中のエチレン及びオクテンを加えるために用い、そして他の供給物口はR1に加える触媒成分のすべてのために用いた。
【0084】
R1からの重合体溶液のための反応器R2中への入口は表B.1に示されるどの実験のためにも変化させなかった−それを頂部と底部とのほぼ中間での反応器の1つの側面に配置させた。第1生成物(表B.1における樹脂1)は、別の供給物配管を通過させて反応器R2の底部で新しい単量体及び触媒を供給することにより調製した。
【0085】
生成物2は、反応器の側面に新しい単量体供給物を移動させることにより調製した。
生成物3〜6は、“分割の新しい単量体供給物”を用いて−即ち反応器の側面上の2つのノズルを通過させて−調製した。共触媒流及び水素流はまた、表B.1に示されるような生成物3〜6のために変化させた。
【0086】
重合体の性質を下に記載された試験方法を用いて測定した:
メルトインデックス(“MI”)測定は、ASTM方法D−1238にしたがって行う。
重合体密度はASTM D−1928を用いて測定する。
【0087】
140℃で移動相として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて商標“Waters 150c”下で販売された機器を用いてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分子量を測定した。この溶媒中に重合体を溶解することによりサンプルを調製し、そして濾過することなしに実験を行った。数平均分子量(“Mn”)について2.9%及び重量平均分子量(“Mw”)について5.0%の相対的標準偏差を有するポリエチレン当量として分子量を表す。
【0088】
フイルムの性質は以下の試験方法を用いて測定した:
くもり(haze) (ASTM D−1003);
光沢 (ASTM D−2457);
MD引き裂き抵抗及びTD引き裂き抵抗 (ASTM D−1922);
ダート(dart)衝撃強さ (ASTM D−1709);及び
ヘキサン抽出可能物 (連邦の条例タイトル 21、パート177.
1520に設定された米国食品医薬品局の法規に
従う。一般にフイルムサンプルを2時間50℃で
ヘキサン中に抽出させる)。
【0089】
不均一化均一組成物の各々についてのメルトインデックス,I及び密度のデータをまた、表B.1に示す。
次に生成物1,4及び6のTREF及びGPC分析を完了させた。生成物1は(新しい単量体供給物及び触媒の入口の、前に記載した配置に起因して)最も“不均一化”されていると予期された。
【0090】
生成物1は、93,300のMw;24,000のMn;及び1,000個の炭素原子当たり15の短鎖分枝の平均を有した。組成物の91.5重量%は均一共重合体を予期する、より低い温度で溶離した。しかしながら、生成物1の8.5重量%は88〜110℃のより高い温度範囲にわたって溶離した。この画分は130,400のMw及び1,000個の炭素原子当たり3.9だけの分枝を有し−したがって、それは、その組成物の残りよりも高い分子量及び低い共単量体含有量(高い密度)であった。これらのデータを、(重合例からの)生成物4及び6についての類似のデータと一緒に表B.2において示す。表B.2において、“SCB”とは1,000個の炭素原子当たりの短鎖分枝の数を言う。低いSCB数字は低い量の共単量体を示す。
【0091】
表B.2における“不均一化画分(heterogenized fraction)”と言う用語は、総不均一/均一組成物の重量%として表された(TREF技術を用いて)88〜110℃の温度で溶離する高分子量、高密度成分を言う。明確化のために、表B.2におけるデータは、生成物1が8.5重量%の高密度/高分子量、低共単量体含有量物質を含有し、そして生成物6が5.9重量%含有したことを示す。
【0092】
パート3. フイルム調製
上に示された重合において調製した組成物1〜6からフイルムを調製した。比較のフイルムをまた、前記した市販EXCEEDTM1018生成物を用いて作成した。3.5インチスクリュー直径を有する単一スクリュー押し出し機により供給された慣用の吹き込みフイルムライン上でフイルムを作成した。その押し出し機を電気モーターにより駆動させた。慣用の添加剤(酸化防止剤及び処理助剤)を、すべての押し出しに加えた。4インチ直径及び35ミルダイス型間隙を有する円形ダイス型中に押し出し物を押し通した。2.5:1のブローレシオ(blow up ratio)(BUR)を、フイルムを調製するために使用した。他の処理条件(出力、ヘッド圧力及びモーター負荷)を表C.1に示す。表C.1を参照して、押し出し機を駆動するために必要とされる電力需要は、(時間当たりのフイルムのポンドで表される)一定のフイルム生産量を生成するために(アンペアで表される)モーター上の電流負荷として表される。実験1−Cからの生成物についての電気需要は(本発明の組成物についての36〜39アンペアに比較して)100ポンド/時間の処理能力について54アンペアであった。したがって、実験1−Cの比較のLLDPEは(電気モーター上の負荷により示されるように)貧弱な“加工処理能力(processability)”を有する。
【0093】
フイルムの物理的性質を表C.1に示す。すべてのフイルムの“ヘキサン抽出可能物(extractable)”は非常に低い。これは均一触媒系から形成されたフイルムの非常に望ましい性質である。
【0094】
比較のフイルム1−Cは非常に高いダート(dart)衝撃強さを有していたが、しかし引き裂き性であった。〔1,226gの“ダート(dart)”衝撃強さは−上記パート1において論じたように−その樹脂製造業者により報告された740の“典型的な”値よりも非常に高い。しかしながら表C.1おいて示されるMD及びTDの引き裂き強さの数値(255g及び337g)は、EXCEEDTM1018樹脂の製造業者により報告された“典型的な”値(MD=260g、TD=340g)に非常に近くに対応していることに留意〕。本発明の組成物2〜6のすべては有意義に改良された引き裂き強さを有している。さらに不均一/均一樹脂4〜6から作成されたフイルムはまた、非常に良好な衝撃強さを示している。
【0095】
この機械上で調製されたフイルムのすべての“くもり(haze)”値は非常に印象的ではなかったことをまた認識するだろう。追加の実験は、或る量の高圧低密度(“LD”)樹脂又は慣用の(不均一)線状低密度樹脂を、本発明の樹脂とブレンドすることにより、くもり(haze)値を大きく改良することができたことを示した。該LD又は不均一なLLDPE樹脂の40重量%までのブレンドはくもり結果を改良するために用いることができ、そして0.25〜3.00重量%ほどの低さの量は、10%未満までくもり水準を減少させることを観察した。
【0096】
例えば、生成物4との(0.921g/ccの密度及び0.8g/10分のメルトインデックス,Iを有する)高圧、低密度ポリエチレン“LD”の3つのブレンドを吹き込んでフイルムにし、そしてくもり(haze)について試験した。その3つのブレンドは、2重量%、3重量%及び4重量%(それぞれ)のLDを、100重量%にするための残りの量の生成物4と共に含有した。これらのフイルムはそれぞれ、5%、6%及び5%のくもり(haze)値を有した。次に(3.5インチのスクリュー押し出し機直径を有する)大きな吹き込みフイルム形成機上で、3つのさらに“ブレンドした”フイルムを作成し、そしてくもり(haze)について試験した。生成物5とのこれらのブレンドを作り、そして上記LDのほんの1重量%、0.75重量%及び0.5重量%だけを含有した。これらのフイルムのくもり値は、それぞれ3%、4%及び4%であった。
【0097】
異なるブローレシオ(blow up ratio)(2〜3)を用いて異なるフイルムゲージ(0.5〜2.5ミル)で追加のフイルムを調製した。これらのデータは包含されていないが、しかしすべてのフイルムの引き裂き強さが優れていることを観察した。
【0098】
産業上の適用性
この発明の新規な組成物は、広い種々のプラスチック商品、特にフイルムの製造のために適している。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)ASTM D792により測定したときに0.880〜0.945g/cmの密度を有し;ASTM D1238により測定したとき0.1〜200g/10分のメルトインデックス,Iを有し;2重量%未満のヘキサン抽出可能物を有し;そして単独重合体が実質的に存在しない第1重合体画分であって、しかも前記第1重合体画分はエチレンと少なくとも1種のC〜C10アルファオレフィンとの均一共重合体の少なくとも1種を含み、そして前記少なくとも1種の均一共重合体の各々が3未満の分子量分布Mw/Mnを有することにより特徴づけられる、第1重合体画分;及び
B)前記第1画分よりも高い分子量を有し;前記第1画分よりも高い密度を有し;そして前記第1画分よりも低いアルファオレフィン含有量を有する第2重合体画分であって、しかも前記第2重合体画分が随意的に少なくとも1種のC〜C10アルファオレフィン共単量体を有する、エチレンの少なくとも1種の第2均一重合体を含み、そして前記エチレンの少なくとも1種の第2均一重合体の各々が3未満の分子量分布Mw/Mnにより特徴づけられる、第2重合体画分;
を含む、不均一化/均一重合体組成物。
【請求項2】
第4族金属のグラム当たり250,000グラムの重合体組成物よりも大きい活性を有する該第4族金属の有機金属錯体を含む触媒系を使用する溶液重合方法で調製された場合の、請求項1の重合体組成物。
【請求項3】
前記第2重合体画分が、1,000個の炭素原子当たり4未満の短鎖分枝を含有する、請求項1の重合体組成物。
【請求項4】
80〜99重量%の前記第1重合体画分及び1〜20重量%の前記第2重合体画分を含有する、請求項1の重合体組成物。
【請求項5】
2〜10重量%の前記第2重合体画分を含有する、請求項4の重合体組成物。
【請求項6】
2重量%未満のヘキサン抽出可能物を含有する、請求項1の重合体組成物。
【請求項7】
ASTM D792により測定したときに0.910〜0.940g/cmの全体的組成物密度を有する、請求項4の重合体組成物。
【請求項8】
前記第1重合体画分がエチレンとオクテン−1との少なくとも1種の均一共重合体を含む、請求項1の重合体組成物。
【請求項9】
請求項1の重合体組成物から調製されたフイルム。
【請求項10】
請求項1の重合体組成物と、高圧線状低密度ポリエチレン;不均一線状低密度ポリエチレン;不均一高密度ポリエチレン;及び均一線状低密度ポリエチレン;からなる群から選ばれた少なくとも1種の追加のポリエチレンと、のブレンドから調製されたフイルム。
【請求項11】
0.5ミル〜3.0ミルの厚さ;300g/ミルより大きい、ASTM D1922により測定されたときの縦方向引き裂き強さ;及び2重量%未満のヘキサン抽出可能物を有する、請求項10に記載のフイルム。
【請求項12】
請求項9に記載のフイルムの少なくとも1つの層を含む、多重層フイルム構造物。
【請求項13】
請求項10に記載のフイルムの少なくとも1つの層を含む、多重層フイルム構造物。
【請求項14】
請求項9に記載のフイルムから作成された密封包装。
【請求項15】
請求項9に記載のフイルムから作成された廃棄物袋。
【請求項16】
請求項9に記載のフイルムから作成された液体包装。
【請求項17】
請求項9に記載のフイルムから作成された高荷重に耐えられる包装。
【請求項18】
請求項9に記載のフイルムから作成された荷物台ラップ包装。

【公表番号】特表2006−508204(P2006−508204A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548959(P2004−548959)
【出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001585
【国際公開番号】WO2004/041927
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(501066727)ノバ ケミカルズ(インターナショナル)ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】