説明

不揮発性半導体記憶装置

【課題】ペアセル各々が有する閾値電圧がデータを保持するだけ確保できているか否かを判定可能な不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2のビット線にそれぞれ接続され、互いに電圧値の異なる閾値電圧を有してデータを保持する第1及び第2のメモリセルとから構成されるペアセルの電流差を検出し、データを読み出す差動センスアンプDiffSAと、第1及び第2のビット線各々に対応して設けられ、ワード線により選択されたメモリセルに書き込むデータまたはメモリセルから読み出したデータを記憶するラッチを含む第1及び第2のページバッファPBUF_L、PBUF_Rと、ラッチLTLに読み出したデータと、ラッチLTRに読み出したデータとを比較し、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを判定するコンパレータCOMP1と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの大容量の不揮発性半導体記憶装置においては、2つのセルをペアとして用いてこれらに相補的データを記憶するペア方式(差動セル方式)が用いられている。この差動セル方式においては、データ読出し時に、差動センスアンプが2つのセルのセル電流の比較によってデータを判別する構成をとることにより、セル電流が小さくても確実で高速の読み出しを可能としている。つまり、1つのセルに流れる電流によりデータを判定する1セルSingle−End方式に比べて、差動センスアンプによるデータ判定に用いる電圧差を2倍に確保できるため、高速動作もしくは高い信頼性でデータ読出しが可能となる。
【0003】
一方、差動セル方式を用いることにより、データの記憶密度が下がるので、1セルに複数のビット情報を記憶させる多値記憶方式と差動セル方式とを併用することが行われている。すなわち、多値記憶方式と差動セル方式を併用することで、データの記憶密度を維持して高速センス動作が可能なNANDメモリシステムを構成できる。つまり、差動セル方式のみでは、データの記憶密度は1ビット/2セルになるが、多値記憶方式により1セルで例えば4値記憶を行えば、結局1ビット/1セルと同じことになる。そして、差動セル方式を採用して、2つのセル電流の比較によりデータを判別することにより、セル電流が小さくても確実で高速の読み出しが可能になる。
このような多値記憶方式と差動セル方式とを組み合わせて、メモリセルが記憶するデータの高速に読み出しを可能とする不揮発性半導体記憶装置が、特許文献1〜特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3878573号公報
【特許文献2】特許第4253309号公報
【特許文献3】特許第4253312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜特許文献3記載の不揮発性半導体記憶装置においては、差動セル方式を用いて、セル電流が小さくても確実で高速の読み出しが可能になるものの、不揮発性メモリセルの記憶情報量を評価する(不揮発性メモリセルがデータ保持に必要な閾値電圧を確保しているか否かを判断する)構成とはなっていないため、センスアンプからの読出しデータがフェイルデータになるまで、記憶情報量が十分か否かを知ることができず、信頼性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、不揮発性メモリセルがデータ保持に必要な閾値電圧を確保しているか否かを判断することを可能とすることで、データ読み出しにおいて高い信頼性を確保できる不揮発性半導体記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数のビット線と複数のワード線との各々が交差し、交差した部分に不揮発性のメモリセルが配置されたメモリセルアレイと、前記複数のビット線のうち対をなす第1のビット線及び第2のビット線にそれぞれ接続され、互いに電圧値の異なる閾値電圧を有してデータを保持する第1のメモリセルと第2のメモリセルとから構成されるペアセルの電流差を検出して、前記ペアセルのデータを読み出すセンスアンプと、前記第1のビット線及び前記第2のビット線各々に対応して設けられ、前記ワード線により選択された当該メモリセルに書き込むデータまたは前記メモリセルから読み出したデータを記憶するラッチを含む第1のページバッファ及び第2のページバッファと、前記センスアンプにより前記ペアセルのデータを読み出すときに、前記第1のページバッファの前記ラッチに読み出したデータと、前記第2のページバッファの前記ラッチに読み出したデータとを比較して、前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを判定するコンパレータと、を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを判定するコンパレータを備えている。そのため、データ読み出しにおいてデータが保持されていないことによりフェイルデータが出力されてしまう前に、コンパレータの判定結果によりペアセルのデータが保持できているか否かを知ることができ、高い信頼性を確保できる不揮発性半導体記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態による不揮発性半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるメモリセルアレイの構成例を示す図である。
【図3】図1に示すペアセルが保持するデータと、閾値電圧の状態を示す図である。
【図4】図1におけるページバッファ及びセンスアンプ13の詳細な回路構成を示す図である。
【図5】図1に示す不揮発性メモリセルCell(L)へのデータ書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図1に示す不揮発性メモリセルCell(L)への書き込みベリファイ動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】図1に示す不揮発性メモリセルCell(R)へのデータ書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図1に示す不揮発性メモリセルCell(R)への書き込みベリファイ動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図1に示す不揮発性メモリセルCell(L)への上位データ書き込み及びその書き込みベリファイ動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図10】図1に示す不揮発性メモリセルCell(R)への上位データ書き込み及びその書き込みベリファイ動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図11】図1に示す不揮発性メモリセルCell(L)への下位データ書き込み及びその書き込みベリファイ動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図12】図1に示す不揮発性メモリセルCell(R)への下位データ書き込み及びその書き込みベリファイ動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図13】図1に示すペアセルのデータ消去後の消去ベリファイ動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図14】図1に示すペアセルのデータ消去後の消去ベリファイ動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図15】図1に示すペアセルのデータ読出し動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作を示すタイミングチャートである。
【図16】図1に示すペアセルのデータ読出し動作におけるラッチLTL及びラッチLTRの接続点の状態を示すテーブルである。
【図17】図1に示すペアセルのデータ読出し動作において、ペアセルの一方のセルの閾値電圧が変動した場合を説明するための図である。
【図18】図1に示すペアセルのデータ読出し動作において、ペアセルの一方のセルの閾値電圧が変動した場合を説明するための図である。
【図19】図4に示すページバッファ及びセンスアンプ13の他の変形例の詳細な回路構成を示す図である。
【図20】コンパレータCOMP1を備えていないページバッファ及びセンスアンプの回路構成を示す図である。
【図21】図20に示すページバッファ及びセンスアンプのデータ読出し動作を示すタイミングチャートである。
【図22】図20に示すページバッファ及びセンスアンプのペアセルのデータ読出し動作におけるリードライトバスRWBUSの状態を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による不揮発性半導体記憶装置であるNAND型EEPROMの構成例を示す概略ブロック図である。また、図2はメモリセルアレイ11L及びメモリセルアレイ11Rの内部構成を示す図であり、図3は、不揮発性メモリセルMCが記憶するデータと閾地電圧の関係を示す図である。
メモリセルアレイは、ページバッファ及びセンスアンプ13を共有する2つのメモリセルアレイ11L,メモリセルアレイ11Rより構成される。本実施形態において、メモリセルアレイ11L,メモリセルアレイ11Rの同時に選択される、対応するビット線BL(L),ビット線BL(R)が一対(ペア)を構成するオープンビット線方式が用いられる。このビット線のペアビット線BL(L),ビット線BL(R)と、メモリセルアレイ11L,メモリセルアレイ11R内で同時に選択されるワード線WL(L),ワード線WL(R)との交点にそれぞれ設けられた2つの不揮発性メモリセルCell(L)と不揮発性メモリセルCell(R)が、相補的データを記憶するペアセル(差動セル)を構成する。
【0010】
ページバッファ及びセンスアンプ13は、ページ単位のデータの書き込み動作、書き込みベリファイ動作、消去ベリファイ動作を行うため、ビット線のペア毎に設けられたページバッファを複数有している。ページバッファ各々は、それぞれのビット線に接続され、接続されたビット線の電位を判定するラッチ回路(ラッチ)を有する。また、ページバッファ及びセンスアンプ13は、ページ単位のデータの読み出し動作を行うため、ビット線のペアで共有される差動センスアンプを有している(詳細後述)。
ロウデコーダ14L及びロウデコーダ14Rは、メモリセルアレイ11L及びメモリセルアレイ11Rのワード線WLの選択を行う。
カラムデコーダ15L及びカラムデコーダ15Rは、カラムアドレス信号を出力し、各動作においてページバッファのラッチとリードライトバスRWBUSとの接続、差動センスアンプとリードライトバスRWBUSとの接続を、ページバッファ及びセンスアンプ13を選択して行う。
電圧生成回路16は、不揮発性メモリセルMCに対するデータの書き換え、消去及び読み出しに用いられる各種電圧を電源電圧から昇圧動作等により生成する。
【0011】
入出力回路17は、外部から供給されるアドレスをアドレスレジスタ19へ出力し、外部から供給されるコマンドを示すコマンドデータをコマンドレジスタ18へ出力し、外部から入力される制御信号を制御回路20(コントローラ)へ出力する。
また、入出力回路17は、外部から入力されるデータをページバッファ及びセンスアンプ13のページバッファ各々へ出力、あるいはページバッファ及びセンスアンプ13を介し、不揮発性メモリセルMCから読み出されたデータを外部に出力する。
アドレスレジスタ19は、入出力回路17から入力されるアドレスを保持し、保持したアドレスをロウデコーダ14L、14R及びカラムデコーダ15L、15Rへ出力する。
コマンドレジスタ18は、入出力回路17から入力されるコマンドデータにより表されるコマンドデータを保持する。
【0012】
制御回路20は、入出力回路17から入力する制御信号及びコマンドレジスタ18から供給されるコマンドデータにより、不揮発性メモリセルMCに対するデータの書き込み、読み出し、消去などの動作、及びベリファイの動作の制御を行う。
例えば、制御信号は、外部クロック信号、チップイネーブル信号、コマンドラッチイネーブル信号、アドレスラッチイネーブル信号、書き込みイネーブル信号、読み出しイネーブル信号などである。制御回路20は、これらの制御信号により、コマンドデータの示す動作モードに応じて、各回路に対して内部制御信号を出力する。
【0013】
また、制御回路20は、ページバッファ及びセンスアンプ13における全てのページバッファのラッチに書き込まれたデータを基に、データ書き込みが成功したか否か、あるいはデータ消去が成功したか否かを判定する。また、制御回路20は、データ書き込み動作において、外部から入出力回路17に入力されるデータを判定して、入出力回路17のリードライトバスRWBUSの駆動(ページバッファに書き込まれるべきデータに基づいてリードライトバスRWBUSを所定の電圧レベルにする)を制御する。また、制御回路20は、メモリセルからのデータ読み出し動作において、ページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出されたデータを判定して、入出力回路17の外部データ出力を制御する。
さらに、本実施形態において、制御回路20は、データ読み出し動作において、ページバッファ及びセンスアンプ13に、検査信号を出力し、図1に示す検査信号線nLOSSに読み出されたデータ(検査結果)を基に、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを検査する(詳細後述)。
【0014】
図2は、メモリセルアレイ11L及びメモリセルアレイ11Rの内部構成を示している。また、図2は、選択ブロックBLCi及び非選択ブロックBLCi+1に着目した場合のデータ書き込み動作、書き込みベリファイ動作、消去ベリファイ動作、及びデータ読み出し動作の各動作におけるバイアス条件を示している。
図2に示すように、互いに交差する複数本のビット線BLと複数本のワード線WLの各交差部に不揮発性メモリセルMCが配置される。複数のビット線は、ページバッファ及びセンスアンプを共有する偶数ビット線BLeと奇数ビット線BLoを代表して示している。ここで、偶数奇数は、カラムアドレス信号の最下位ビットが0のとき偶数、1のとき奇数で決定される。不揮発性メモリセルMCは浮遊ゲートと制御ゲートが積層されたMOSトランジスタ構造を有し、浮遊ゲートの電荷蓄積状態によりデータ記憶を行う。この実施の形態では、n個の不揮発性メモリセルMCが直列接続されてNANDセルストリングNAを構成する。
NANDセルストリングNAの一端は、ゲートが選択ゲート線SSLに接続される選択ゲートトランジスタSG1を介してビット線BLに、他端は、ゲートが選択ゲート線GSLに接続される選択ゲートトランジスタSG2を介して共通ソース線CSLに接続される。
【0015】
n個の不揮発性メモリセルMCの制御ゲートは、それぞれワード線WL1〜WLnに接続される。選択ゲートトランジスタSG1,SG2のゲートはそれぞれワード線WLと並行する選択ゲート線SSL,GSLに接続される。1本のワード線WLに沿う複数の不揮発性メモリセルが、データ書き込み及び読み出しの単位となる1ページを構成する。
また、ワード線方向に並ぶ複数のNANDセルストリングが、データ一括消去の単位となるブロックBLCiを構成し、通常ビット線方向に複数のブロックBLCが配置される。メモリセルアレイ11L及びメモリセルアレイ11Rの中で同時に選択される不揮発性メモリセルMCselが、本実施形態において相補的データを記憶するペアセル(差動セル)を構成する不揮発性メモリセルCell(L)と不揮発性メモリセルCell(R)である。
【0016】
図3は、差動セルを構成する不揮発性メモリセルCell(L)及び不揮発性メモリセルCell(R)に記憶される多値データと、各メモリセルの閾値電圧分布を示す図である。本実施形態において、各メモリセルは、4つのしきい値分布により定義されるしきい値レベルL0,L1,L2,L3(但し、L0<L1<L2<L3)により4値データ記憶を行う。4値データを構成する2ビットデータの4つの閾値電圧レベルに対する割り付けは、不揮発性メモリセルCell(L)及び不揮発性メモリセルCell(R)が異なるしきい値レベルを記憶するように、図3に示すように設定される。
【0017】
つまり、4値データを、上位ビットXと下位ビットYにより、「XY」で表すものとして、不揮発性メモリセルCell(L)ではレベルL0,L1,L2,L3を、データ「11」,「10」,「01」,「00」に対応させる。不揮発性メモリセルCell(L)では、多値データのビット情報のデータ「1」は、読み出し時ワード線に所定の読み出し電圧を与えたときにセルがオンする状態(低閾値電圧状態)であり、データ「0」はオフの状態(高閾値電圧状態)である。一方、不揮発性メモリセルCell(R)ではそのしきい値レベルとビット情報の関係が不揮発性メモリセルCell(L)とは逆になる。
すなわち、図3では、差動セルである不揮発性メモリセルCell(L)と不揮発性メモリセルCell(R)との間の相補的データ状態の間を破線で結んでいる。
つまり、不揮発性メモリセルCell(L)がレベルL0を記憶し、対応する不揮発性メモリセルCell(R)がレベルL3を記憶して、この状態の組み合わせをデータ「11」とする。
また、不揮発性メモリセルCell(L)がレベルL1を記憶し、対応する不揮発性メモリセルCell(R)がレベルL2を記憶して、この状態の組み合わせをデータ「10」とする。
また、不揮発性メモリセルCell(L)がレベルL2を記憶し、対応する不揮発性メモリセルCell(R)がレベルL1を記憶して、この状態の組み合わせをデータ「01」とする。
また、不揮発性メモリセルCell(L)がレベルL3を記憶し、対応する不揮発性メモリセルCell(R)がレベルL0を記憶して、この状態の組み合わせをデータ「00」とする。
【0018】
これにより、2セルで4値データを記憶する多値記憶方式を利用して、1セル当たり1ビットの情報記憶が実現される。多値データにおける閾値電圧レベルを4状態以上に増やせば2セルに設定できるビット数は2以上になる。本実施形態においては、説明を簡単にするため、4値の場合のみを説明する。
図3において、R1、R2、R3はセルの各多値データの読み出し動作においてワード線WLに与えられる読み出し電圧Vrである。また、P1、P2、P3は各多値データについて書き込みサイクルで書き込みベリファイ動作においてワード線WLに与えられるベリファイ電圧Vrである。
【0019】
図2を用いて、データ書き込み動作、書き込みベリファイ動作、消去ベリファイ動作、及びデータ読み出し動作の各動作のおけるワード線選択動作について簡単に説明する。なお、重複説明を避けるため、ここではメモリセルアレイ11L側の不揮発性メモリセルCell(L)についての動作を説明する。
<データ書き込み動作におけるワード線選択>
データ書き込み動作(Write)において、セルブロックBLCiのワード線WL1とビット線BLeにより選択されるセルに、そのしきい値を上昇させるデータ書き込みを行う場合(不揮発性メモリセルCell(L)にデータ「0」を書き込む場合)、セルのチャネルから浮遊ゲートに電子をFN(Fowler Nordheim)トンネル電流で注入して、閾値電圧を高くするものである。そのため、選択ワード線には昇圧された書き込みプログラム電圧Vpgmが与えられ、チャンネルには0Vが印加させるようにする。
【0020】
非選択ワード線には、セルをデータによらずオンセルとするパス電圧Vpassが、ビット線側の選択ゲート線SSLには電源電圧Vccが与えられる。ソース側の選択ゲート線GSLは0Vである。ビット線BLeにつながるNANDセルストリングNAの各トランジスタのチャネルを0Vにするためには、ビット線BLeにデータ「0」として0V、データ「1」として電源電圧Vccを与える。また、書き込みを行わないビット線BLoには、電源電圧Vccを与えて、NANDセルストリングチャネルを高電圧レベルのフローティング状態に保持し、セルの浮遊ゲートに電子が注入されないようにする。
【0021】
データ書き込み動作に続いて、メモリセルの閾値電圧の分布をできるだけシャープにする必要があるため、書き込みベリファイ動作が行われる。すなわち、データ書き込み動作とその後の書き込みベリファイ動作を含む複数の書き込みサイクルが繰り返される。
書き込みベリファイ動作においては、データ書き込み動作終了毎に、選択ワード線にベリファイ電圧Vrを与えてベリファイ読み出しを行い、メモリセルの閾値電圧がそのベリファイ電圧Vrに達したメモリセルについては、その後の書き込みを行わないようにする。この様な書き込みベリファイ動作を行うことにより、シャープな閾値電圧の分布を得ることができる。
【0022】
<書き込みベリファイ動作におけるワード線選択>
書き込みベリファイ動作(Write-Verify)においては、選択ワード線に与えるベリファイ電圧Vrは、如何なるデータを書き込みむかに応じて、図3に示すP1,P2,P3のいずれかが用いられる。非選択ワード線には、セルをデータによらずオンさせるパス電圧Vreadが与えられる。この様な書き込みベリファイ動作を行うことによって、全てのセルのデータ書き込みが終了したときの閾地電圧の分布は、ベリファイ電圧Vrの近くに鋭いピークを持つ状態となる。
ページバッファ及びセンスアンプ13におけるペアビット各々に設けられるページバッファは、後述するようにビット線BLe各々に電源電圧Vccを与える。また、ロウデコーダ14Lが、図2に示すように、選択ワード線WL1にベリファイ電圧Vr、非選択ワード線WLにパス電圧Vread、ビット線側の選択ゲート線SSL及びソース側の選択ゲート線GSLには電源電圧Vccを与える。
【0023】
これにより、先の書き込み動作において、データ「0」またはデータ「1」が書き込まれるべき不揮発性メモリセルMCのうち、データ「0」が書き込まれなかった不揮発性メモリセルMCを含むNANDセルストリングNAにおいて、接地への電流パスが形成され、ビット線の電圧レベルは0Vとなる。
一方、データ「0」が書き込まれ不揮発性メモリセルMCを含むNANDセルストリングNAにおいて、接地への電流パスは形成されず、ビット線の電圧レベルは電源電圧Vccレベル(以下、「H」レベル)を維持する。後述するように、ページバッファのラッチには、前者の場合、不揮発性メモリセルMCへのデータの書き込みが正常に行われなかったことを示すフェイルデータが書き込まれ、後者の場合、不揮発性メモリセルMCへのデータの書き込みが正常に行われたことを示すパスデータが書き込まれる。
また、先の書き込み動作において、ページバッファからデータ「1」を与えられ、データ「1」を保持している不揮発性メモリセルMCを含むNANDセルストリングNAにおいて、データ「0」が書き込まれなかった不揮発性メモリセルMCを含むNANDセルストリングNAと同様に、接地への電流パスが形成され、ビット線の電圧レベルは0Vとなる。しかし、この場合は、後述するように、ページバッファのラッチに不揮発性メモリセルMCへのデータの書き込みが正常に行われたことを示すパスデータが書き込まれる。
【0024】
<消去ベリファイ動作におけるワード線選択>
「消去 Stress」動作(消去動作)において、ロウデコーダ14Lは、複数のブロックBLCのうち、一つの選択ブロックBLCを選択する。これにより、選択ブロックBLCにのみ、ロウデコーダ14Lの出力として電圧生成回路16が生成する電圧が供給される。
ロウデコーダ14Lは、選択ブロック内の全てのワード線WLに0Vを与え、また、選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLをフローティング電圧とする。その後、制御回路20は、共通ソース線CSLをフローティング電圧にし、電圧生成回路16は選択ブロックBLCを含む全てのブロックが形成されるPwellに高電圧(例えば20V)を印加する。これにより、選択ブロックBLCにおいては、全ての不揮発性メモリセルMCは、浮遊ゲートから電子がPwellに引き抜かれ、閾値電圧が負電圧へ変化し、データ「1」の保持状態(消去状態)となる。
一方、非選択ブロックBLCにおいては、ロウデコーダ14Lがワード線の電圧レベルをフローティング電圧とするため、非選択ブロック内の全ての不揮発性メモリセルMCは、その浮遊ゲートも昇圧され、浮遊ゲートから電子がPwellに引く抜かれることない。つまり、不揮発性メモリセルMCの閾値電圧は変化せず、不揮発性メモリセルMCは、データ「0」またはデータ「1」の保持状態を維持する。
ロウデコーダ14Lは、選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLを、いったん0Vにし、電圧生成回路16は、Pwellの電圧を通常の電圧(例えば0Vまたは負電圧)に戻すとともに、制御回路20は、共通ソース線CSLを0Vにする。
【0025】
消去動作に続いて行われる「消去ベリファイ」動作(Erase-Verify)において、ページバッファ及びセンスアンプ13は、ビット線BLe各々に「H」レベルを与える。また、ロウデコーダ14Lは、図3に示すように、選択ブロックBLCに入力される選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLを電源電圧Vccレベルとし、選択ブロックBLCに入力されるワード線WLの電圧レベルを0Vとする。また、非選択ブロックBLCに入力される選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLを0Vとする。
【0026】
これにより、先の消去動作において、全てデータ「1」が書き込まれた(消去された)不揮発性メモリセルMCを含むNANDセルストリングNAにおいて、接地への電流パスが形成され、ビット線の電圧レベルは0Vとなる。一方、データ「1」が書かれていない不揮発性メモリセルMCを一つでも含むNANDセルストリングNAにおいて、接地への電流パスは形成されず、ビット線の電圧レベルは「H」レベルを維持する。後述するように、ページバッファのラッチには、前者の場合、不揮発性メモリセルMCのデータ消去が正常に行われたことを示すパスデータが書き込まれ、後者の場合、不揮発性メモリセルMCのデータ消去が正常に行われなかったことを示すフェイルデータが書き込まれる。
また、非選択ブロックBLCにおいては、入力される選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLが0Vであるので、NANDセルストリングNAはビット線BLと非接続であり、接地への電流パスを形成しない。
【0027】
<データ読み出し動作におけるワード線選択>
データ読み出し動作(Read)において、ロウデコーダ14Lは、選択ブロックBLCの選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLを電源電圧Vccの電圧レベルとする。また、残りの非選択ブロックBLCの選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLを0Vとする。
ページバッファ及びセンスアンプは、ビット線BLe各々に「H」レベルを与える。また、ロウデコーダ14Lは、図3に示すように、選択ワード線WL1に読み出し電圧Vr、非選択ワード線Wordにパス電圧Vreadを与える。これにより、選択ワード線Wordが接続される不揮発性メモリセルMCに書き込み動作においてデータ「1」が書き込まれているNANDセルストリングNAは、接地への電流パスを形成し、ビット線の電圧レベルを0Vとする。一方、選択ワード線が接続される不揮発性メモリセルMCに書き込み動作においてデータ「0」が書き込まれているNANDセルストリングNAは、接地への電流パスを形成せず、ビット線の電圧レベルは「H」レベルを維持する。差動センスアンプは後述するように、ビット線ペアが流す電流差に応じて、データ「0」またはデータ「1」を出力する。
なお、非選択ブロックBLCにおいては、入力される選択ゲート線SSL及び選択ゲート線GSLが0Vであるので、NANDセルストリングNAはビット線BLと非接続であり、ビット線の読み出し電圧変化に影響を与えることはない。
【0028】
次に、図1におけるページバッファ及びセンスアンプ13の詳細な構成及び動作について、図4〜図18を用いて説明する。
図4は、図1におけるページバッファ及びセンスアンプ13の一つのページバッファ及びセンスアンプの詳細な回路構成を示す図である。
本実施形態において、カラムデコーダ15L及び15Rが、外部から入力されるビット線の位置を示すpビットのカラムアドレスをデコーディングして、2(=qとする)本のカラムアドレス信号を出力するものとし、また、外部から入出力回路17に入力されるデータのビット数をwビットとすると、ビット線BLの本数は、メモリセルアレイ11Lとメモリセルアレイ11Rで合計(w×q×2)本となる。
ページバッファ及びセンスアンプ13は、これら複数のビット線BLのうち、カラムアドレスの最下位ビットを除くビットが同じカラムアドレス(つまり最下位ビットが偶数か奇数かにより異なるカラムアドレス)、及びメモリセルアレイ11Lとメモリセルアレイ11R各々に含まれるペアビット線に共通して設けられる。つまり、図4に示すように、メモリセルアレイ11Lに含まれる偶数ビット線BL0_Le及び奇数ビット線BL0_Loと、メモリセルアレイ11Lに含まれる偶数ビット線BL0_Re及び奇数ビット線BL0_Roの4本のビット線が、1つのページバッファ及びセンスアンプ13を共有する。
また、データのビット数wは、通常複数であり、カラムアドレスが同じページバッファ及びセンスアンプ13は、データやり取りのために同時に対応する各リードライトバスRWBUSに接続される。つまり、カラムアドレスがインクリメントされることで、カラムアドレスを共通とするページバッファ及びセンスアンプ13とリードライトバスRWBUSがデータのやり取りを行うが、本実施形態においては、1つのリードライトバスについて着目して説明する。
【0029】
また、図4に示すカラムアドレス信号DY0,DY1、DY2は、カラムデコーダ15L及び15Rに外部から入力されるカラムアドレスに応じて、「L」レベル又は「H」レベルとなるが、本実施形態においてはカラムデコーダ15L及び15Rが、図4に示すカラムアドレス信号DY0,DY1、DY2を「H」レベルとし、データやり取りのために、ページバッファ及びセンスアンプ13とリードライトバスRWBUSとを接続または非接続とするものとする。
さらに、図に示す制御信号BLSLTeは、メモリセルアレイ11Lにおける偶数ビット線BL0_Le及び奇数ビット線BL0_Loのいずれか一方と差動センスアンプDiffSA及びページバッファPBUF_Lとを接続するための信号である。また、制御信号BLSLToは、メモリセルアレイ11Rにおける偶数ビット線BL0_Re及び奇数ビット線BL0_Roのいずれか一方と差動センスアンプDiffSA及びページバッファPBUF_Rとを接続するための信号である。これらの信号は、カラムアドレスの最下位を基にいずれか一方が選択または非選択動作を行うが、本形態においては制御回路20がこれらの信号を出力するものとする。また、本実施形態の説明において、各メモリセルアレイにおける偶数ビット線が差動センスアンプDiffSA及びページバッファに接続されるものとして説明する。
【0030】
ページバッファ及びセンスアンプ13における複数のページバッファ及びセンスアンプ13は、いずれも同様の構成をしており、以下に一つのページバッファ及びセンスアンプ13の回路構成を説明する。
ページバッファ及びセンスアンプ13は、ページバッファPBUF_L、ページバッファPBUF_R、差動センスアンプDiffSA、転送回路PBTRAN、及びコンパレータCOMP1から構成される。なお、図4に示す回路のうち、上記各回路に含まれない回路として、図4に示す、インバータIV3、Pチャネル型MOSトランジスタ79、80がある。インバータIV3は複数のページバッファ及びセンスアンプ13に共通に設けられ、制御回路20が制御信号nPGMを「H」レベルにするとき、主にビット線を0Vに放電し、「L」レベルにするとき、非選択のビット線を「H」レベルにプリチャージする。
また、Pチャネル型MOSトランジスタ79、80は、制御回路20が制御信号BUSPCを「L」レベルにするとき、リードライトバスRWBUS、検査信号線nLOSSをそれぞれ「H」レベルにプリチャージし、制御回路20が制御信号BUSPCを「H」レベルにするとき、リードライトバスRWBUS、検査信号線nLOSSをそれぞれ「H」レベルのフローティング状態とする。
【0031】
以下、重複説明を避けるため、ページバッファPBUF_Rを構成するトランジスタについては括弧に入れ、ページバッファPBUF_Lとまとめて説明する。
ページバッファPBUF_L(PBUF_R)は、トランジスタ31L(31R)、32L(32R)、33L(33R)、34L(34R)、40L(40R)、41Le(41Re)、41Lo(41Ro)、42Le(42Re)、42Lo(42Ro)、51L(51R),52L(52R),53L(53R)及びラッチLTL(LTR)から構成されている。
ここで、トランジスタ31L(31R),32L(32R)は、Pチャネル型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。一方、トランジスタ33L(33R)から53L(53R)は、Nチャネル型MOSトランジスタである。
また、ラッチLTL(LTR)は、インバータIV1L(IV1R)及びIV2L(IV2R)から構成されている。ここで、インバータIV1L(IV1R)は、出力端子が接続点N2_L(N2_R)においてインバータIV2L(IV2R)の入力端子に接続され、入力端子が接続点N1_L(N1_R)においてインバータIV2L(IV2R)の出力端子に接続されている。
【0032】
トランジスタ31L(31R)は、ソースが電源配線に接続され、ゲートに制御信号pLOADの配線が接続され、ドレインが接続点SO_L(SO_R)に接続されている。
トランジスタ32L(32R)は、ソースが電源配線に接続され、ゲートに制御信号PBRSTの配線が接続され、ドレインが接続点N1_L(N1_R)に接続されている。
トランジスタ33L(33R)は、ドレインが接続点N1_L(N1_R)に接続され、ゲートが接続点SO_L(SO_R)に接続され、ソースがトランジスタ34L(34R)のドレインに接続されている。
トランジスタ34L(34R)は、ドレインがトランジスタ33L(33R)のソースに接続され、ゲートが制御信号PBLCHの配線に接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ40L(40R)は、ドレインが接続点SO_L(SO_R)に接続され、ゲートが制御信号pPGMの配線に接続され、ソースが接続点N2_L(N2_R)に接続されている。
【0033】
トランジスタ41Le(41Re)は、ドレインがビット線BL0_Le(BL0_Re)に接続され、ゲートが制御信号BLSLTeの配線に接続され、ソースが接続点SO_L(SO_R)に接続されている。
トランジスタ41Lo(41Ro)は、ドレインがビット線BL0_Lo(BL0_Ro)に接続され、ゲートが制御信号BLSLToの配線に接続され、ソースが接続点SO_L(SO_R)に接続されている。
トランジスタ42Le(42Re)は、ドレインがビット線BL0_Le(BL0_Re)に接続され、ゲートが制御信号pDISeの配線に接続され、ソースがインバータIV3の出力に接続されている。
トランジスタ42Lo(42Ro)は、ドレインがビット線BL0_Lo(BL0_Ro)に接続され、ゲートが制御信号pDISoの配線に接続され、ソースがインバータIV3の出力に接続されている。
【0034】
トランジスタ51L(51R)は、ドレインが接続点N1_L(N1_R)に接続され、ゲートが制御信号DY_L(DY_R)の配線に接続され、ソースがトランジスタ53Lのドレインに接続されている。
トランジスタ53Lは、ドレインがトランジスタ51L(51R)のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY0の配線に接続され、ソースが転送回路PBTRANのトランジスタ73のゲートに接続されている。
トランジスタ52L(52R)は、ドレインが接続点N2_L(N2_R)に接続され、ゲートが制御信号DY_L(DY_R)の配線に接続され、ソースがトランジスタ53Rのドレインに接続されている。
トランジスタ53Rは、ドレインがトランジスタ52L(52R)のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY0の配線に接続され、ソースが転送回路PBTRANのトランジスタ71のドレインに接続されている。
【0035】
ページバッファPBUF_LにおけるラッチLTLは、データ書き込み動作において、メモリセルアレイ11Lにおける偶数ビット線BL0_Le及び奇数ビット線BL0_Loのいずれか一方に選択的に接続され、接続されたビット線へリードライトバスRWBUSからトランジスタ71を介して入力されるデータを書き込む。
また、ページバッファPBUF_Lは、書き込みベリファイ動作において、書き込んだデータの検証を実行し、上記ラッチLTLには、書き込みに成功したか否かのパスデータまたはフェイルデータが書き込まれる。この書き込みに成功したか否かのデータは、上記トランジスタ73を介してリードライトバスRWBUSへ読み出され、制御回路20に入力される。
同様に、ページバッファPBUF_RにおけるラッチLTRは、データ書き込み動作において、メモリセルアレイ11Rにおける偶数ビット線BL0_Re及び奇数ビット線BL0_Roのいずれか一方に選択的に接続され、接続されたビット線へリードライトバスRWBUSからトランジスタ71を介して入力されるデータを書き込む。
また、ページバッファPBUF_Rは、書き込みベリファイ動作において、書き込んだデータの検証を実行し、上記ラッチLTRには、書き込みに成功したか否かのパスデータまたはフェイルデータが書き込まれる。この書き込みに成功したか否かのデータは、上記トランジスタ73を介してリードライトバスRWBUSへ読み出され、制御回路20に入力される。
【0036】
なお、本実施形態において、ページバッファによるデータ書き込み動作及び書き込みベリファイ動作は、多値データの上位データについて、まずメモリセルアレイ11Lにおける不揮発性メモリセルに対して行われ、次にメモリセルアレイ11Rにおける不揮発性メモリセルに対して行われる。続いて、多値データの下位データについて、メモリセルアレイ11Lにおける不揮発性メモリセルに対して行われ、次にメモリセルアレイ11Rにおける不揮発性メモリセルに対して行われる(詳細後述)。
【0037】
また、ページバッファPBUF_Lは、消去ベリファイ動作において、消去されたデータの検証を実行し、上記ラッチLTLには、消去に成功したか否かのパスデータまたはフェイルデータが書き込まれる。この消去に成功したか否かのデータは、上記トランジスタ73を介してリードライトバスRWBUSへ読み出され、制御回路20に入力される。
また、ページバッファPBUF_Rは、消去ベリファイ動作において、消去されたデータの検証を実行し、上記ラッチLTRには、消去に成功したか否かのパスデータまたはフェイルデータが書き込まれる。この消去に成功したか否かのデータは、上記トランジスタ73を介してリードライトバスRWBUSへ読み出され、制御回路20に入力される。
なお、本実施形態において、ページバッファによる消去ベリファイ動作は、メモリセルアレイ11Lにおける不揮発性メモリセル、メモリセルアレイ11Rにおける不揮発性メモリセルに対して同時に行われる(詳細後述)。
【0038】
差動センスアンプDiffSAは、トランジスタ60、61、62L、62R、63L、63R、64L、64R、65L、65R、54から構成されている。
ここで、トランジスタ60、62L、62R、64L、64Rは、Pチャネル型MOSトランジスタであり、トランジスタ61、63L、63R、65L、65R、54は、Nチャネル型MOSトランジスタである。
トランジスタ60は、ソースが電源配線に接続され、ゲートに制御信号nR−SETの配線が接続され、ドレインがトランジスタ62L、62Rのソースと接続されている。
トランジスタ62Lは、ソースがトランジスタ60のドレインに接続され、ゲートが接続点RD_Rに接続され、ドレインが接続点RD_Lに接続されている。
トランジスタ62Rは、ソースがトランジスタ60のドレインに接続され、ゲートが接続点RD_Lに接続され、ドレインが接続点RD_Rに接続されている。
トランジスタ63Lは、ドレインが接続点RD_Lに接続され、ゲートが接続点RD_Rに接続され、ソースがトランジスタ61のドレインに接続されている。
トランジスタ63Rは、ドレインが接続点RD_Rに接続され、ゲートが接続点RD_Lに接続され、ソースがトランジスタ61のドレインに接続されている。
トランジスタ61は、ドレインがトランジスタ63L、63Rのソースと接続され、ゲートに制御信号R−SETの配線が接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ64L(64R)は、ソースが接続点SO_L(SO_R)に接続され、ゲートが制御信号nREADの配線に接続され、ドレインが接続点RD_L(RD_R)に接続されている。
トランジスタ65L(65R)は、ドレインが接続点SO_L(SO_R)に接続され、ゲートが制御信号READの配線に接続され、ソースが接続点RD_L(RD_R)に接続されている。
トランジスタ54は、ドレインが接続点RD_Rに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY0の配線に接続され、ソースが転送回路PBTRANのトランジスタ75のゲートに接続されている。
【0039】
ビット線対、すなわちメモリセルアレイ11Lにおけるビット線(偶数ビット線BL0_Le及び奇数ビット線BL0_Loのいずれか一方)と、メモリセルアレイ11Rにおけるビット線(偶数ビット線BL0_Re及び奇数ビット線BL0_Roのいずれか一方)に接続される差動センスアンプDiffSAは、以下のように高速にデータ読み出しを行う。
ビット線対に流れる差動セルのセル電流差は、ビット線対間の電圧差として現れ、またこの電圧差は、左右のページバッファ内の接続点SO_Lと接続点SO_Rとの間の電圧差として現れる。差動センスアンプDiffSAは、この接続点SO_Lと接続点SO_Rとの間の微小な電圧差を、制御回路20が制御信号R_SETを「L」レベルから「H」レベルへ変化させるタイミングで、電源電圧Vcc/接地電圧(GND)レベルへと増幅するとともに、増幅結果をラッチする。このように、差動センスアンプDiffSAを用いることにより、セル電流が小さくても高速な動作が可能となる。このセンス方式によれば、参照レベルを設定する必要がなく、データ「1」とデータ「0」との間でセル電流差があればデータを検知でき、セルの閾値電圧レベルの劣化、セル特性ばらつき等に対して強い安定した情報記憶と高速読み出しを達成できる。
【0040】
転送回路PBTRANは、トランジスタ71、72、73、74、75、76、77、78、81、82、83から構成されている。これらのトランジスタは、全てNチャネル型MOSトランジスタである。
トランジスタ71は、ドレインがページバッファPBUF_Lのトランジスタ53Rのソースに接続され、ゲートがリードライトバスRWBUSの配線に接続され、ソースがトランジスタ72のドレインに接続されている。
トランジスタ72は、ドレインがトランジスタ71のソースに接続され、ゲートが制御信号WTRANの配線に接続され、ソースがトランジスタ77のドレインに接続されている。
トランジスタ73は、ドレインがリードライトバスRWBUSの配線に接続され、ゲートがページバッファPBUF_Lのトランジスタ53Lのソースに接続され、ソースがトランジスタ74のドレインに接続されている。
トランジスタ74は、ドレインがトランジスタ73のソースに接続され、ゲートが制御信号RTRAN_PBの配線に接続され、ソースがトランジスタ77のドレインに接続されている。
トランジスタ75は、ドレインがリードライトバスRWBUSの配線に接続され、ゲートが差動センスアンプDiffSAのトランジスタ54のソースに接続され、ソースがトランジスタ76のドレインに接続されている。
トランジスタ76は、ドレインがトランジスタ75のソースに接続され、ゲートが制御信号RTRAN_DIFFの配線に接続され、ソースがトランジスタ77のドレインに接続されている。
トランジスタ77は、ドレインがトランジスタ72,74,76のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY1の配線に接続され、ソースがトランジスタ78のドレインに接続されている。
トランジスタ78は、ドレインがトランジスタ77のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY2の配線に接続され、ソースが接地されている。
【0041】
トランジスタ81は、ドレインがトランジスタ82のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY1の配線に接続され、ソースがコンパレータCOMP1のトランジスタ90のドレインに接続されている。
トランジスタ82は、ドレインがトランジスタ83のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY2の配線に接続され、ソースがトランジスタ81のドレインに接続されている。
トランジスタ83は、ドレインが検査信号線nLOSSに接続され、ゲートが制御信号LOSS_CHKの配線に接続され、ソースがトランジスタ82のドレインに接続されている。
【0042】
転送回路PBTRANは、データ書き込み動作において、制御回路20が制御信号WTRANを「H」レベルにすると、リードライトバスRWBUSのデータを、ページバッファPBUF_L及びページバッファPBUF_Rに転送する。また、転送回路PBTRANは、書き込みベリファイ動作において、制御回路20が制御信号RTRAN_PBを「H」レベルにすると、各ページバッファにメモリセルから書き込まれたデータを、リードライトバスRWBUSに転送する。
また、転送回路PBTRANは、消去ベリファイ動作において、制御回路20が制御信号RTRAN_PBを「H」レベルにすると、各ページバッファにメモリセルから書き込まれたデータを、リードライトバスRWBUSに転送する。
また、転送回路PBTRANは、データ読み出し動作において、制御回路20が制御信号RTRAN_DIFFを「H」レベルにすると、差動センスアンプDiffSAに読み出され、増幅されたセンス結果を、リードライトバスRWBUSに転送する。また、転送回路PBTRANは、データ読み出し動作において、制御回路20が制御信号LOSS_CHKを「H」レベルにすると、コンパレータCOMP1が、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを検査した結果を、検査信号線nLOSSに転送する。
【0043】
コンパレータCOMP1は、トランジスタ90,91,92,93,94,95,96,97,98から構成される。これらのトランジスタは、全てNチャネル型MOSトランジスタである。
トランジスタ90は、ドレインが転送回路PBTRANのトランジスタ81のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY0の配線に接続され、ソースがトランジスタ92、94,96,98のドレインに接続されている。
トランジスタ91は、ドレインがトランジスタ92のソースに接続され、ゲートが差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Lに接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ92は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Lの接続点N1_Lに接続され、ソースがトランジスタ91のドレインに接続されている。
トランジスタ93は、ドレインがトランジスタ94のソースに接続され、ゲートが差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Rに接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ94は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Lの接続点N2_Lに接続され、ソースがトランジスタ93のドレインに接続されている。
トランジスタ95は、ドレインがトランジスタ96のソースに接続され、ゲートが差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Rに接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ96は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Rの接続点N1_Rに接続され、ソースがトランジスタ95のドレインに接続されている。
トランジスタ97は、ドレインがトランジスタ98のソースに接続され、ゲートが差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Lに接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ98は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Rの接続点N2_Rに接続され、ソースがトランジスタ97のドレインに接続されている。
【0044】
コンパレータCOMP1は、トランジスタ91と92により、接続点RD_Lと接続点N1_Lがいずれも「H」レベルの場合、第1の電流パスを形成する。また、トランジスタ93と94により、接続点RD_Rと接続点N2_Lがいずれも「H」レベルの場合、第2の電流パスを形成する。また、トランジスタ95と96により、接続点RD_Rと接続点N1_Rがいずれも「H」レベルの場合、第3の電流パスを形成する。また、トランジスタ97と98により、接続点RD_Lと接続点N2_Rがいずれも「H」レベルの場合、第4の電流パスを形成する。コンパレータCOMP1の第1〜第4の電流パスは、並列接続されており、データ読み出し動作において、制御回路20が制御信号LOSS_CHKを「H」レベルにすると、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスを形成し、検査信号線nLOSSを「L」レベルにする。一方、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できている場合、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスは形成されず、検査信号線nLOSSを「H」レベルに維持する。
つまり、詳細は具体例をあげて後述するが、コンパレータCOMP1は、データ読み出し動作において、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、閾値電圧が確保できていないという検査結果を、検査信号線nLOSSに転送する。
【0045】
他のカラムアドレス信号が異なるページバッファ及びセンスアンプ13も、上述したページバッファ及びセンスアンプ13と同様の構成である。
続いて、ペアセルへのデータ書き込み動作、書き込みベリファイ動作、消去ベリファイ動作について、順に説明し、最後に、本願の特徴的部分をなすペアセルからのデータ読み出し動作について説明する。
【0046】
<書き込み動作>
まず、ペアセルへのデータ書き込み動作、書き込みベリファイ動作について、図5〜図12を用いて説明する。
図5は、メモリセルアレイ11L内の不揮発性メモリセルCell(L)へのデータ書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作タイミングチャートである。
図6は、不揮発性メモリセルCell(L)からラッチLTLへのパスデータまたはフェイルデータの書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作タイミングチャートである。
図7は、メモリセルアレイ11R内の不揮発性メモリセルCell(R)へのデータ書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作タイミングチャートである。
図8は、不揮発性メモリセルCell(R)からラッチLTRへのパスデータまたはフェイルデータの書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作タイミングチャートである。
図9は、不揮発性メモリセルCell(L)へ、多値データのうち上位データを書き込み、書き込んだデータをベリファイする場合のリードライトバスRWBUS,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
図10は、不揮発性メモリセルCell(R)へ、多値データのうち上位データを書き込み、書き込んだデータをベリファイする場合のリードライトバスRWBUS,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
図11は、不揮発性メモリセルCell(L)へ、多値データのうち下位データを書き込み、書き込んだデータをベリファイする場合のリードライトバスRWBUS,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
図12は、不揮発性メモリセルCell(R)へ、多値データのうち下位データを書き込み、書き込んだデータをベリファイする場合のリードライトバスRWBUS,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
【0047】
データ書き込み動作において、外部から書き込みを示すコマンドデータが入力され、コマンドレジスタ18に書き込み動作モードとするデータが設定され、このデータに基づいて制御回路20が各回路を制御する制御信号を出力する。初期状態においては、制御回路20は、制御信号nPGM、pDISe、pDISo、pLOAD、PBRSTを「H」レベルとし、制御信号BLSLTe、BLSLTo、pPGM、READ、R−SET、RTRAN_DIFF、PBLCH、RTRAN_PG、WTRANを「L」レベルとしている。
また、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレス信号DY0、DY1及びDY2を「L」レベルとしている。なお、制御信号pDISe、pDISo、BLSLTe、BLSLToは、カラムアドレスの最下位ビットにより偶数ビット線と奇数ビット線とを互いに区別する信号であるため、カラムデコーダ15L及び15Rが出力する信号であってもよいが、ここでは制御回路20がカラムアドレスの最下位ビットに基づいて出力するものとし、ここではカラムアドレスの最下位ビットは0で、偶数ビットであるビット線BL0_Le及びビット線BL0_Reが選択され、このビット線にそれぞれ接続されるNANDセルストリングNA内の不揮発性メモリセルCell(L)及びCell(R)が選択され、多値データが書き込まれるものとする。また、説明を簡単にするため、不揮発性メモリセルCell(L)があるメモリセルアレイ11L内のブロックBLCと、不揮発性メモリセルCell(R)があるメモリセルアレイ11R内のブロックBLCは、ブロック単位で消去され、メモリセルアレイ11L内の全ての不揮発性メモリセルは、多値データ「11」を記憶し、メモリセルアレイ11R内の全ての不揮発性メモリセルは、多値データ「00」を記憶しているものとする。
【0048】
この初期状態において、制御回路20は、制御信号nPGM、pDISe、pDISoを「H」レベルとしているので、メモリセルアレイ11Lにおけるビット線BL0_Le、ビット線BL0_Loを含む全てのビット線、メモリセルアレイ11Rにおけるビット線BL0_Re、ビット線BL0_Roを含む全てのビット線は、それぞれトランジスタ42Le、42Lo、42Re、42Ro及びインバータIV3を介して0Vとなっている。
時刻t1において、制御回路20は、pLOADを「L」レベルに変化させ、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させる。これにより、トランジスタ31L(31R)がオン状態となり、接続点SO_L(SO_R)が「H」レベルとなり、トランジスタ33L(33R)がオン状態となる。
また、トランジスタ34L(34R)がオン状態となることにより、強制的に接続点N1_L(N1_R)に「L」レベルのデータを与え、不揮発性メモリセルMCへデータを書き込む前準備のリセット(RESET)動作を行う。これにより、ラッチLTL(LTR)の接続点N1_L(N1_R)に「L」レベル、接続点N2_L(N2_R)に「H」レベルのデータが書き込みまれ、リセット時のデータが記憶される。
そして、制御回路20は、制御信号pLOADを「H」レベルに変化させ、制御信号PBLCHを「L」レベルに変化させ、トランジスタ31L(31R)及び34L(34R)をオフ状態とし、図9に示すデータ設定としてリセット処理を終了する。
【0049】
次に、制御回路20は、不揮発性メモリセルに対して、外部からのデータ「11」、データ「10」、データ「01」またはデータ「00」を書き込むため、入出力回路17を制御する。また、制御回路20は、制御信号BUSPCを「L」レベルから「H」レベルとし、リードライトバスRWBUSを「H」レベルのフローティング状態とする。
入出力回路17は、外部からのシリアルに入力されるこれら2ビットのデータのうち上位のデータに対応して、外部からのデータがデータ「11」またはデータ「10」の場合、リードライトバスRWBUSを「L」レベルに変化させ、外部からのデータがデータ「01」またはデータ「00」の場合、リードライトバスRWBUSを「H」レベルに維持する。
【0050】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号WTRANを「H」レベルとし、トランジスタ72をオン状態とし、制御信号DY_Lを「H」レベルとし、トランジスタ52Lをオン状態とする。また、カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、「H」レベルのカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2をページバッファ及びセンスアンプ13に出力し、トランジスタ53R、77、78をオンさせる。
これにより、外部からのデータがデータ「01」またはデータ「00」の場合、つまり上位のデータがデータ「0」の場合、ラッチLTLの接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベルの状態となる。一方、外部からのデータがデータ「11」、データ「10」の場合、つまり上位のデータがデータ「1」の場合、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルの状態であり、これは上記リセット状態が維持されることになる。
【0051】
なお、この書き込み処理において、ラッチLTLへのデータの書き込みは、カラムアドレスの最下位ビットを0のまま、つまり、カラムアドレスの偶数について順次変化させて行う。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、ラッチLTLへの書き込み動作を繰り返して行う。なお、図5においては、一つのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTLにデータを書き込む動作を示している。
【0052】
そして、制御回路20は、制御信号BLSLToを「L」レベルに維持したまま、制御信号BLSLTeを「H」レベルにする。これにより接続点SO_L(SO_R)と偶数ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。
時刻t3において、制御回路20は、制御信号pDISeを「L」レベルにし、ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)とインバータIV3を非接続とする(0Vのフローティング状態とする)。制御回路20は、制御信号pDISoを「H」レベルに維持し、制御信号nPGMを「L」レベルとする。これにより、データ書き込みの行われないビット線BL0_Lo(ビット線BL0_Ro)は、「H」レベルにプリチャージされる。データを書き込むべきセルに接続されるワード線にプログラム電圧Vpgmが印加された場合にデータが書き込まれることを防ぐためである。
【0053】
制御回路20は、制御信号BLSLToを「H」レベルから、更にトランジスタ41Le(41Re)の閾地電圧分以上の電圧レベルに昇圧するとともに、制御信号pPGMを「H」レベルにする。これにより、ラッチLTL(LTR)とビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。また、上位のデータがデータ「0」の場合(データ「01」、データ「00」の場合)、ラッチLTLの接続点N2_Lが「L」レベルの状態であるので、ビット線BL0_Leは0Vの状態を維持する。一方、上位データが「1」の場合(データ「11」、データ「10」の場合)、ラッチLTLの接続点N2_Lが「H」レベルの状態であるので、ビット線BL0_Leは「H」レベルにプリチャージされる。また、ラッチLTRの接続点N2_Rが「H」レベルの状態であるので、ビット線BL0_Reは「H」レベルにプリチャージされる。
つまり、不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「0」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)を含むNANDセルストリングNAが接続されるビット線BL0_Leは0Vに維持される。一方、不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「1」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)を含むNANDセルストリングNAが接続されるビット線BL0_Leは「H」レベルにプリチャージされる。
また、不揮発性メモリセルCell(R)は上位のデータを書き込まないので、不揮発性メモリセルCell(R)を含むNANDセルストリングNAが接続されるビット線BL0_Reは「H」レベルにプリチャージされる。
【0054】
ロウデコーダ14Lは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Lの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(L)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(L)が接続されている選択ワード線Wordにプログラム電圧Vpgmを供給する。また、ロウデコーダ14Lは、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vpassを供給する(図2参照)。
同様に、ロウデコーダ14Rは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Rの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(R)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(R)が接続されている選択ワード線Wordにプログラム電圧Vpgmを供給する。また、ロウデコーダ14Rは、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vpassを供給する。
これにより、図9に示すように、不揮発性メモリセルCell(L)に多値データ「00」、「01」を書き込む場合、メモリセルのソース、ドレイン及びチャネル部分が「L」レベルであるので、浮遊ゲートに対して電子が注入され、閾値電圧が上昇し上位のデータ「0」が書き込まれる。
また、不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「1」を書き込む場合、メモリセルのソース、ドレイン及びチャネル部分が「H」レベルであるので、浮遊ゲートに対して電子は注入されず、データ「1」が維持される。
また、不揮発性メモリセルCell(R)にはデータを書き込まないため、メモリセルのソース、ドレイン及びチャネル部分が「H」レベルであるので、浮遊ゲートに対して電子は注入されず、データ「0」が維持される。
【0055】
そして、時刻t4において、制御回路20は各制御信号を初期状態へと変化させ、ロウデコーダ14L及び14Rは、選択ワード線Word及び非選択ワード線Wordを0Vに変化させ、書き込み処理を終了する。
このようにして、図9に示すように、メモリセルアレイ11Lの不揮発性メモリセルCell(L)に多値データ「01」、「00」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇し、多値データ「11」、「10」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇しない。また、メモリセルアレイ11Rの不揮発性メモリセルCell(R)はいずれの多値データも書き込まれず、不揮発性メモリセルCell(R)の閾地電圧は上昇しない。
【0056】
<書き込みベリファイ動作>
書き込みベリファイ動作において、制御回路20は、メモリセルに書き込むべきデータが正常に書き込まれたか否かの判定を行うため、ラッチLTLに不揮発性メモリセルMCから読み出したデータを書き込む。
この書き込みベリファイ動作については、図6及び図9を用いて説明する。
図6に示すように、初期状態においては、制御回路20は、制御信号nPGM、pDISe、pDISo、pLOAD、PBRSTを「H」レベルとし、制御信号BLSLTe、BLSLTo、pPGM、READ、R−SET、RTRAN_DIFF、PBLCH、RTRAN_PG、WTRANを「L」レベルとしている。
また、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレス信号DY0、DY1及びDY2を「L」レベルとしている。
時刻t1において、制御回路20は、制御信号pDISeを「L」レベルとして、ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)とインバータIV3を非接続とする(0Vのフローティング状態とする)。制御回路20は、制御信号pDISoを「H」レベルに維持し、制御信号nPGMを「L」レベルとしている。これにより、データ書き込みの行われないビット線BL0_Lo(ビット線BL0_Ro)は、「L」レベルに維持される。データを検証すべきセルに接続されるワード線にベリファイ電圧Vrが印加された場合でも、データが書き込まれるおそれはないためである。
また、制御回路20は、制御信号BLSLToを「L」レベルに維持したまま、制御信号BLSLTeを「H」レベルにする。これにより接続点SO_L(SO_R)と偶数ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。
【0057】
続いて、制御回路20は、制御信号BLSLToを「H」レベルから、更にトランジスタ41Le(41Re)の閾地電圧分以上の電圧レベルに昇圧するとともに、制御信号pLOADを「L」レベルにする。これにより、接続点SO_L(SO_R)及びビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が「H」レベルにプリチャージされる。
【0058】
ロウデコーダ14Lは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Lの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(L)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(L)が接続されている選択ワード線Wordにベリファイ電圧P2を供給する。また、ロウデコーダ14Lは、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給し(図2参照)、非選択ワード線Wordがゲートに接続された不揮発性メモリセルMCすべてをオン状態とする。
同様に、ロウデコーダ14Rは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Rの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(R)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(R)が接続されている選択ワード線Wordにベリファイ電圧P2を供給する。また、ロウデコーダ14Rは、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給し(図2参照)、非選択ワード線Wordがゲートに接続された不揮発性メモリセルMCすべてをオン状態とする。
不揮発性メモリセルCell(L)に、先の書き込み動作により上位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「01」または「00」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされず、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「H」レベルを維持する。一方、不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「1」が記憶されている場合(多値データ「11」または「10」を書き込む場合であって、もともと上位のデータ「1」を書いた場合、及びデータ「0」を書き込んだにもかかわらず、閾値電圧がベリファイ電圧P2を超えていない場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされ、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「L」レベルとなる。
また、不揮発性メモリセルCell(L)は、データが書き込まれていないので、ビット線BL0_Reはディスチャージされ、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「L」レベルとなる。
【0059】
次に、制御回路20は、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させ、トランジスタ34L(34R)をオン状態とする。
これにより、上位のデータ「0」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「0」が書き込まれている場合、接続点SO_Lが「H」レベルのままなので、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと変化する。
一方、上位のデータ「0」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「0」が書き込まれていない場合、接続点SO_Lが「L」レベルとなり、ラッチLTLを反転できず、ラッチLTLの接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベルと、ラッチLTLは、初期状態(図5の時刻t2における状態)を維持する。
また、上位のデータ「1」が書き込まれている不揮発性メモリセルCell(L)の場合、接続点SO_Lが「L」レベルとなっても、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと、ラッチLTLは、リセット状態(図5の時刻t1における状態)を維持する。
不揮発性メモリセルCell(R)の場合、接続点SO_Rが「L」レベルとなっても、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと、ラッチLTRは、リセット状態(時刻t1における状態)を維持する。
【0060】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びラッチLTRに読み出された後、制御回路20は、時刻t4に制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及び制御信号DY_Lを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Lをオン状態とする。
【0061】
これにより、不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「0」が書き込まれた場合(多値データ「01」または「00」を書き込む場合)、接続点N1_Lが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(L)に上位のデータ「0」を書き込んだにもかかわらず上位のデータ「0」が書き込まれていない場合(閾値電圧がベリファイ電圧P2未満の状態にある場合)、接続点N1_Lが「H」レベルであり、トランジスタ73がオンするため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Fail)。
また、不揮発性メモリセルMCに上位のデータ「1」が書き込まれた場合(多値データ「11」または「10」を書き込む場合)、接続点N1_Lは「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
【0062】
この制御回路20へのデータ入力動作は、カラムアドレスを順次変化させて実行される。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、選択したページバッファ及びセンスアンプ13におけるラッチLTLからリードライトバスRWBUSへのデータ読み出し動作を繰り返して行う。
そして、制御回路20は、すべてのページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出される信号が「H」レベルである場合、データ書き込みが正常に完了したと判定し、書き込みベリファイ動作を終了する。一方、リードライトバスRWBUSに読み出される信号が一つでも「L」レベルにある場合、再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作を実行する。この再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作においては、ページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びLTRにおけるデータをリセットしないで上記書き込み動作及び書き込みベリファイ動作が再実行される。また、再書き込み動作に続く書き込みベリファイ動作は、接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベル(時刻t1のリセット状態)となり、制御回路20が、データ書き込みが正常に終了したと判定するまで、あるいは、予め設定された回数に達するまで実行される。
また、同様のデータ書込み動作及び書き込みベリファイ動作は、カラムアドレスの最下位ビットが1の場合、つまり奇数ビット線のデータ書込み、書き込みベリファイ動作についても実行される。このようにして、メモリセルアレイ11Lにおける同一ページ内の全ての不揮発性メモリセルへの、多値データのうち上位データの書込み処理が終了し、不揮発性メモリセルには、図9の最右欄に示すデータが書き込まれる。
【0063】
メモリセルアレイ11Rへの上位データ書込み処理も、上述したメモリセルアレイ11Lへの上位データ書込み処理と同様に実行される。
図7、図8及び図10を用いて、メモリセルアレイ11Lへの上位データ書込み処理との相違点について、以下に説明する。
データ書込み動作においては、図7に示すように、時刻t1の後、制御回路20は、不揮発性メモリセルに対して、外部からのデータ「11」、データ「10」、データ「01」またはデータ「00」を書き込むため、入出力回路17を制御する。また、制御回路20は、制御信号BUSPCを「L」レベルから「H」レベルとし、リードライトバスRWBUSを「H」レベルのフローティング状態とする。
入出力回路17は、外部からのシリアルに入力されるこれら2ビットのデータのうち上位データに対応して、外部からのデータがデータ「11」またはデータ「10」の場合(上位のデータ「1」の場合)、リードライトバスRWBUSを「H」レベルに維持し、外部からのデータがデータ「01」またはデータ「00」の場合(上位のデータ「0」の場合)、リードライトバスRWBUSを「L」レベルにする(図10参照)。
【0064】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号WTRANを「H」レベルとし、トランジスタ72をオン状態とし、制御信号DY_Rを「H」レベルとし、トランジスタ52Rをオン状態とする。また、カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、「H」レベルのカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2をページバッファ及びセンスアンプ13に出力し、トランジスタ53R、77、78をオンさせる。
これにより、外部からのデータがデータ「01」またはデータ「00」の場合、つまり上位のデータがデータ「0」の場合、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルの状態であり、これはリセット状態が維持されることになる。
一方、外部からのデータがデータ「11」、データ「10」の場合、つまり上位のデータがデータ「1」の場合、ラッチLTRの接続点N1_Rが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルの状態となる。
【0065】
時刻t3において、ロウデコーダ14L及び14Rは、選択ワード線Wordにプログラム電圧Vpgmを供給し、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vpassを供給する。
これにより、図10に示すように、メモリセルアレイ11Rの不揮発性メモリセルCell(R)に多値データ「11」、「10」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(R)の閾地電圧は上昇し、多値データ「01」、「00」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(R)の閾地電圧は上昇しない。また、メモリセルアレイ11Lの不揮発性メモリセルCell(L)はいずれの多値データも書き込まれず、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇しない(図9に示す1回目のデータ書込み処理後の状態)。
【0066】
書込みベリファイ動作においては、図8に示すように、時刻t1の後、ロウデコーダ14L及び14Rは、制御回路20に制御され、選択ワード線Wordにベリファイ電圧P2を、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給する。
不揮発性メモリセルCell(R)に、先の書き込み動作により上位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「11」または「10」を書き込む場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされず、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「H」レベルを維持する。一方、不揮発性メモリセルCell(R)に上位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「01」または「00」を書き込む場合であって、先の書き込み動作により、もともと上位のデータ「0」を書いた場合、及び上位のデータ「1」を書き込んだにもかかわらず、閾値電圧がベリファイ電圧P2を超えていない場合、)、ビット線BL0_Reはディスチャージされ、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「L」レベルとなる。
また、不揮発性メモリセルCell(L)は、1回目のデータ書き込み動作処理で上位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「01」または「00」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされず、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「H」レベルとなる。一方、1回目のデータ書込み処理で上位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「11」または「10」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされ、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「L」レベルとなる。
【0067】
時刻t3において、制御回路20は、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させ、トランジスタ34L(34R)をオン状態とする。
これにより、上位のデータ「1」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(R)に上位のデータ「1」が書き込まれている場合、接続点SO_Rが「H」レベルのままなので、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと変化する。
一方、上位のデータ「1」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(R)に上位のデータ「1」が書き込まれていない場合、接続点SO_Rが「L」レベルとなり、ラッチLTRを反転できず、ラッチLTRの接続点N1_Rが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルと、ラッチLTRは、初期状態(図7の時刻t2における状態)を維持する。
また、上位のデータ「0」が書き込まれている不揮発性メモリセルCell(R)の場合、接続点SO_Rが「L」レベルとなっても、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと、ラッチLTRは、リセット状態(図7の時刻t1における状態)を維持する。
不揮発性メモリセルCell(L)の場合、接続点SO_Lが「L」レベル、「H」レベルのいずれとなっても、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと、ラッチLTLは、リセット状態(図7の時刻t1における状態)を維持する。
【0068】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びラッチLTRに読み出された後、制御回路20は、時刻t4に制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及び制御信号DY_Rを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Rをオン状態とする。
【0069】
これにより、不揮発性メモリセルCell(R)に上位のデータ「1」が書き込まれた場合(多値データ「10」または「11」を書き込む場合)、接続点N1_Rが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(R)に上位のデータ「1」を書き込んだにもかかわらずデータ「1」が書き込まれていない場合(閾値電圧がベリファイ電圧P2未満の状態にある場合)、接続点N1_Rが「H」レベルであり、トランジスタ73がオンするため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Fail)。
また、不揮発性メモリセルMCに上位のデータ「0」が書き込まれた場合(多値データ「00」または「01」を書き込む場合)、接続点N1_Rは「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
【0070】
この制御回路20へのデータ入力動作は、カラムアドレスを順次変化させて実行される。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、選択したページバッファ及びセンスアンプ13におけるラッチLTRからリードライトバスRWBUSへのデータ読み出し動作を繰り返して行う。
そして、制御回路20は、すべてのページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出される信号が「H」レベルである場合、データ書き込みが正常に完了したと判定し、書き込みベリファイ動作を終了する。一方、リードライトバスRWBUSに読み出される信号が一つでも「L」レベルにある場合、再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作を実行する。この再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作においては、ページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びLTRにおけるデータをリセットしないで上記書き込み動作及び書き込みベリファイ動作が再実行される。また、再書き込み動作に続く書き込みベリファイ動作は、接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベル(図7における時刻t1のリセット状態)となり、制御回路20が、データ書き込みが正常に終了したと判定するまで、あるいは、予め設定された回数に達するまで実行される。
また、同様のデータ書込み動作及び書き込みベリファイ動作は、カラムアドレスの最下位ビットが1の場合、つまり奇数ビット線のデータ書込み、書き込みベリファイ動作についても実行される。このようにして、メモリセルアレイ11Rにおける同一ページ内の全ての不揮発性メモリセルへの、多値データのうち上位データの書込み処理が終了し、不揮発性メモリセルには、図10の最右欄に示すデータが書き込まれる。
【0071】
メモリセルアレイ11Lへの下位データ書込み処理も、上述したメモリセルアレイ11Lへの上位データ書込み処理と同様に実行される。
図5、図6及び図11を用いて、メモリセルアレイ11Lへの上位データ書込み処理との相違点について、以下に説明する。
データ書込み動作においては、図5に示すように、時刻t1の後、制御回路20は、不揮発性メモリセルに対して、外部からのデータ「11」、データ「10」、データ「01」またはデータ「00」を書き込むため、入出力回路17を制御する。また、制御回路20は、制御信号BUSPCを「L」レベルから「H」レベルとし、リードライトバスRWBUSを「H」レベルのフローティング状態とする。
入出力回路17は、外部からのシリアルに入力されたこれら2ビットのデータのうち下位データに対応して、外部からのデータがデータ「10」またはデータ「00」の場合(下位のデータ「0」の場合)、リードライトバスRWBUSを「H」レベルに維持し、外部からのデータがデータ「11」またはデータ「01」の場合(下位のデータ「1」の場合)、リードライトバスRWBUSを「L」レベルにする(図11参照)。
【0072】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号WTRANを「H」レベルとし、トランジスタ72をオン状態とし、制御信号DY_Lを「H」レベルとし、トランジスタ52Lをオン状態とする。また、カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、「H」レベルのカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2をページバッファ及びセンスアンプ13に出力し、トランジスタ53L、77、78をオンさせる。
これにより、外部からのデータがデータ「11」またはデータ「01」の場合、つまり下位のデータがデータ「1」の場合、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルの状態であり、これはリセット状態が維持されることになる。
一方、外部からのデータがデータ「10」、データ「00」の場合、つまり下位のデータがデータ「0」の場合、ラッチLTLの接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベルの状態となる。
【0073】
時刻t3において、ロウデコーダ14L及び14Rは、選択ワード線Wordにプログラム電圧Vpgmを供給し、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vpassを供給する。
これにより、図11に示すように、メモリセルアレイ11Lの不揮発性メモリセルCell(L)に多値データ「10」、「00」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇し、多値データ「11」、「01」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇しない。また、メモリセルアレイ11Rの不揮発性メモリセルCell(R)はいずれの多値データも書き込まれず、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇しない(図10に示す2回目のデータ書込み処理後の状態を維持する)。
【0074】
書込みベリファイ動作においては、図8に示すように、時刻t1の後、ロウデコーダ14L及び14Rは、制御回路20に制御され、上位のデータがデータ「1」の場合、選択ワード線Wordにベリファイ電圧P1を、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給する。また、上位のデータがデータ「0」の場合、選択ワード線Wordにベリファイ電圧P3を、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給する。
不揮発性メモリセルCell(L)に、先の書き込み動作により下位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「10」または「00」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされず、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「H」レベルを維持する。
一方、不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「01」または「11」を書き込む場合であって、先の書き込み動作により、もともと下位のデータ「1」を書いた場合、及び下位のデータ「0」を書き込んだにもかかわらず、閾値電圧がベリファイ電圧P1またはP3を超えていない場合、)、ビット線BL0_Leはディスチャージされ、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「L」レベルとなる。
また、不揮発性メモリセルCell(R)は、2回目のデータ書き込み動作処理で下位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「01」または「11」を書き込む場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされず、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「H」レベルとなる。一方、2回目のデータ書込み処理で下位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「10」または「00」を書き込む場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされ、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「L」レベルとなる。
【0075】
時刻t3において、制御回路20は、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させ、トランジスタ34L(34R)をオン状態とする。
これにより、下位のデータ「1」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(L)に下位のデータ「0」が書き込まれている場合、接続点SO_Lが「H」レベルのままなので、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと変化する。
一方、下位のデータ「0」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(L)に下位のデータ「0」が書き込まれていない場合、接続点SO_Lが「L」レベルとなり、ラッチLTLを反転できず、ラッチLTLの接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルと、ラッチLTLは、初期状態(図5の時刻t2における状態)を維持する。
また、下位のデータ「1」が書き込まれている不揮発性メモリセルCell(L)の場合、接続点SO_Lが「L」レベルとなっても、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと、ラッチLTLは、リセット状態(図5の時刻t1における状態)を維持する。
不揮発性メモリセルCell(R)の場合、接続点SO_Rが「L」レベル、「H」レベルのいずれとなっても、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと、ラッチLTRは、リセット状態(図5の時刻t1における状態)を維持する。
【0076】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びラッチLTRに読み出された後、制御回路20は、時刻t4に制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及びDY_Lを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Lをオン状態とする。
【0077】
これにより、不揮発性メモリセルCell(L)に下位のデータ「0」が書き込まれた場合(多値データ「00」または「10」を書き込む場合)、接続点N1_Lが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(L)に下位のデータ「0」を書き込んだにもかかわらずデータ「0」が書き込まれていない場合(閾値電圧がベリファイ電圧P1またはP3未満の状態にある場合)、接続点N1_Lが「H」レベルであり、トランジスタ73がオンするため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Fail)。
また、不揮発性メモリセルMCに下位のデータ「1」が書き込まれた場合(多値データ「01」または「11」を書き込む場合)、接続点N1_Lは「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
【0078】
この制御回路20へのデータ入力動作は、カラムアドレスを順次変化させて実行される。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、選択したページバッファ及びセンスアンプ13におけるラッチLTLからリードライトバスRWBUSへのデータ読み出し動作を繰り返して行う。
そして、制御回路20は、すべてのページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出される信号が「H」レベルである場合、データ書き込みが正常に完了したと判定し、書き込みベリファイ動作を終了する。一方、リードライトバスRWBUSに読み出される信号が一つでも「L」レベルにある場合、再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作を実行する。この再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作においては、ページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びLTRにおけるデータをリセットしないで上記書き込み動作及び書き込みベリファイ動作が再実行される。また、再書き込み動作に続く書き込みベリファイ動作は、接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベル(図5における時刻t1のリセット状態)となり、制御回路20が、データ書き込みが正常に終了したと判定するまで、あるいは、予め設定された回数に達するまで実行される。
また、同様のデータ書込み動作及び書き込みベリファイ動作は、カラムアドレスの最下位ビットが1の場合、つまり奇数ビット線のデータ書込み、書き込みベリファイ動作についても実行される。このようにして、メモリセルアレイ11Lにおける同一ページ内の全ての不揮発性メモリセルへの、多値データのうち上位及び下位データの書込み処理が終了し、不揮発性メモリセルには、図11の最右欄に示すデータが書き込まれる。
【0079】
メモリセルアレイ11Rへの下位データ書込み処理も、上述したメモリセルアレイ11Lへの下位データ書込み処理と同様に実行される。
図7、図8及び図12を用いて、メモリセルアレイ11Lへの下位データ書込み処理との相違点について、以下に説明する。
データ書込み動作においては、図7に示すように、時刻t1の後、制御回路20は、不揮発性メモリセルに対して、外部からのデータ「11」、データ「10」、データ「01」またはデータ「00」を書き込むため、入出力回路17を制御する。また、制御回路20は、制御信号BUSPCを「L」レベルから「H」レベルとし、リードライトバスRWBUSを「H」レベルのフローティング状態とする。
入出力回路17は、外部からのシリアルに入力されるこれら2ビットのデータのうち下位データに対応して、外部からのデータがデータ「11」またはデータ「01」の場合(下位のデータ「1」の場合)、リードライトバスRWBUSを「H」レベルに維持し、外部からのデータがデータ「10」またはデータ「00」の場合(下位のデータ「0」の場合)、リードライトバスRWBUSを「L」レベルにする(図12参照)。
【0080】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号WTRANを「H」レベルとし、トランジスタ72をオン状態とし、制御信号DY_Rを「H」レベルとし、トランジスタ52Rをオン状態とする。また、カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、「H」レベルのカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2をページバッファ及びセンスアンプ13に出力し、トランジスタ53R、77、78をオンさせる。
これにより、外部からのデータがデータ「10」またはデータ「00」の場合、つまり下位のデータがデータ「0」の場合、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルの状態であり、これはリセット状態が維持されることになる。
一方、外部からのデータがデータ「11」、データ「01」の場合、つまり下位のデータがデータ「1」の場合、ラッチLTRの接続点N1_Rが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルの状態となる。
【0081】
時刻t3において、ロウデコーダ14L及び14Rは、選択ワード線Wordにプログラム電圧Vpgmを供給し、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vpassを供給する。
これにより、図12に示すように、メモリセルアレイ11Rの不揮発性メモリセルCell(R)に多値データ「11」、「01」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(R)の閾地電圧は上昇し、多値データ「10」、「00」を書き込む場合、不揮発性メモリセルCell(R)の閾地電圧は上昇しない。また、メモリセルアレイ11Lの不揮発性メモリセルCell(L)はいずれの多値データも書き込まれず、不揮発性メモリセルCell(L)の閾地電圧は上昇しない(図11に示す3回目のデータ書込み処理後の状態)。
【0082】
書込みベリファイ動作においては、図8に示すように、時刻t1の後、ロウデコーダ14L及び14Rは、制御回路20に制御され、上位のデータがデータ「1」の場合、選択ワード線Wordにベリファイ電圧P1を、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給する。また、上位のデータがデータ「0」の場合、選択ワード線Wordにベリファイ電圧P3を、選択ワード線Word以外の全ての非選択ワード線Wordに、パス電圧Vreadを供給する。
不揮発性メモリセルCell(R)に、先の書き込み動作により下位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「11」または「01」を書き込む場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされず、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「H」レベルを維持する。
一方、不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「10」または「00」を書き込む場合であって、先の書き込み動作により、もともと下位のデータ「0」を書いた場合、及び下位のデータ「1」を書き込んだにもかかわらず、閾値電圧がベリファイ電圧P1またはP3を超えていない場合、)、ビット線BL0_Reはディスチャージされ、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「L」レベルとなる。
また、不揮発性メモリセルCell(L)は、3回目のデータ書き込み動作処理で下位のデータ「0」が書き込まれている場合(多値データ「10」または「00」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされず、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「H」レベルとなる。一方、3回目のデータ書込み処理で下位のデータ「1」が書き込まれている場合(多値データ「11」または「01」を書き込む場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされ、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「L」レベルとなる。
【0083】
時刻t3において、制御回路20は、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させ、トランジスタ34L(34R)をオン状態とする。
これにより、下位のデータ「1」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「1」が書き込まれている場合、接続点SO_Rが「H」レベルのままなので、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと変化する。
一方、下位のデータ「1」を書き込むべき不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「1」が書き込まれていない場合、接続点SO_Rが「L」レベルとなり、ラッチLTRを反転できず、ラッチLTRの接続点N1_Rが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルと、ラッチLTRは、初期状態(図7の時刻t2における状態)を維持する。
また、下位のデータ「0」が書き込まれている不揮発性メモリセルCell(R)の場合、接続点SO_Rが「L」レベルとなっても、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと、ラッチLTRは、リセット状態(図7の時刻t1における状態)を維持する。
不揮発性メモリセルCell(L)の場合、接続点SO_Lが「L」レベル、「H」レベルのいずれとなっても、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと、ラッチLTLは、リセット状態(図7の時刻t1における状態)を維持する。
【0084】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びラッチLTRに読み出された後、制御回路20は、時刻t4に制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及びDY_Rを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Rをオン状態とする。
【0085】
これにより、不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「1」が書き込まれた場合(多値データ「01」または「11」を書き込む場合)、接続点N1_Rが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(R)に下位のデータ「1」を書き込んだにもかかわらずデータ「1」が書き込まれていない場合(閾値電圧がベリファイ電圧P1またはP3未満の状態にある場合)、接続点N1_Rが「H」レベルであり、トランジスタ73がオンするため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Fail)。
また、不揮発性メモリセルMCに下位のデータ「0」が書き込まれた場合(多値データ「00」または「10」を書き込む場合)、接続点N1_Rは「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(WriteVerify_Pass)。
【0086】
この制御回路20へのデータ入力動作は、カラムアドレスを順次変化させて実行される。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、選択したページバッファ及びセンスアンプ13におけるラッチLTRからリードライトバスRWBUSへのデータ読み出し動作を繰り返して行う。
そして、制御回路20は、すべてのページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出される信号が「H」レベルである場合、データ書き込みが正常に完了したと判定し、書き込みベリファイ動作を終了する。一方、リードライトバスRWBUSに読み出される信号が一つでも「L」レベルにある場合、再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作を実行する。この再書き込み動作及び書き込みベリファイ動作においては、ページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びLTRにおけるデータをリセットしないで上記書き込み動作及び書き込みベリファイ動作が再実行される。また、再書き込み動作に続く書き込みベリファイ動作は、接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベル(図7における時刻t1のリセット状態)となり、制御回路20が、データ書き込みが正常に終了したと判定するまで、あるいは、予め設定された回数に達するまで実行される。
また、同様のデータ書込み動作及び書き込みベリファイ動作は、カラムアドレスの最下位ビットが1の場合、つまり奇数ビット線のデータ書込み、書き込みベリファイ動作についても実行される。このようにして、メモリセルアレイ11Rにおける同一ページ内の全ての不揮発性メモリセルへの、多値データのうち上位及び下位データの書込み処理が終了し、不揮発性メモリセルには、図12の最右欄に示すデータが書き込まれる。
【0087】
<消去ベリファイ動作>
次に、ペアセルの消去ベリファイ動作について、図13及び図14を用いて説明する。
本実施形態においては、消去動作においてペアセルを含む両ブロックがブロック消去され、消去ベリファイ動作においてペアセルについて消去が成功したか否かが検証される。
図13は、不揮発性メモリセルCell(L)及びCell(R)からラッチLTL及びLTRへのパスデータまたはフェイルデータの書き込み動作におけるページバッファ及びセンスアンプ13の動作タイミングチャートである。
また、図14は、消去ベリファイ動作においてベリファイする場合のリードライトバスRWBUS,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
消去動作において、外部からブロック単位の消去指示を示すコマンドデータが入力され、コマンドレジスタ18には消去モードとするデータが設定される。制御回路20は、このデータに基づいて、電圧生成回路16に不揮発性メモリセルのデータの消去に必要な消去電圧を発生させ、選択ブロックBLCの不揮発性メモリセルMCに対して、この消去電圧を印加する(消去のためのストレスの印加)。
【0088】
これにより、上述の通り、消去電圧が印加されたブロックBLC全ての不揮発性メモリセルのデータの消去処理が一括して行われる。
続いて、選択ブロックBLCの消去が実行された後、コマンドレジスタ18には消去ベリファイモードとするデータが設定される。制御回路20は、このデータに基づいて各回路を制御する制御信号を出力する。
初期状態においては、制御回路20は、制御信号nPGM、pDISe、pDISo、pLOAD、PBRSTを「H」レベルとし、制御信号BLSLTe、BLSLTo、pPGM、READ、R−SET、RTRAN_DIFF、PBLCH、RTRAN_PG、WTRANを「L」レベルとしている。
また、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレス信号DY0、DY1及びDY2を「L」レベルとしている。
【0089】
時刻t1において、制御回路20は、制御信号PBRSTを「L」レベルに変化さる。これにより、トランジスタ32L(32R)がオン状態となり、強制的に接続点N1_L(N1_R)に「H」レベルのデータを与え、不揮発性メモリセルMCからのデータを書き込む前準備のリセット(RESET)動作を行う。これにより、ラッチLTL(LTR)に接続点N1_L(N1_R)に「H」レベル、接続点N2_L(N2_R)に「L」レベルのデータが書き込みまれ、リセット時のデータが各ラッチに記憶される。
そして、制御回路20は、制御信号PBRSTを「H」レベルに変化させ、トランジスタ32L(32R)をオフ状態とし、図14に示すデータ設定としてリセット処理を終了する。
【0090】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号pDISeを「L」レベルとして、ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)とインバータIV3を非接続とする(0Vのフローティング状態とする)。制御回路20は、制御信号pDISoを「H」レベルに維持し、制御信号nPGMを「L」レベルとしている。これにより、消去検証の行われないビット線BL0_Lo(ビット線BL0_Ro)は、「L」レベルに維持される。
また、制御回路20は、制御信号BLSLToを「L」レベルに維持したまま、制御信号BLSLTeを「H」レベルにする。これにより接続点SO_L(SO_R)と偶数ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。
【0091】
また、制御回路20は、制御信号pLOADを「L」レベルにするとともに、制御信号BLSLToを「H」レベルから、更にトランジスタ41Le(41Re)の閾地電圧分以上の電圧レベルに昇圧するとともに、これにより、接続点SO_L(SO_R)及びビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が「H」レベルにプリチャージされる。
【0092】
ロウデコーダ14Lは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Lの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(L)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(L)が接続されている選択ワード線Word及び非選択ワード線Wordに0Vを供給する。
同様に、ロウデコーダ14Rは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Rの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(R)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(R)が接続されている選択ワード線Word及び非選択ワード線Wordに0Vを供給する。
【0093】
時刻t3において、制御回路20は、制御信号pLOADを「H」レベルに変化させる。
不揮発性メモリセルCell(L)に、先の消去動作により多値データ「11」が書き込まれている場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされ、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「L」レベルとなる。一方、不揮発性メモリセルCell(L)に多値データ「11」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧にある場合)、ビット線BL0_Leはディスチャージされず、ビット線BL0_Le及び接続点SO_Lは「H」レベルを維持する。
同様に、不揮発性メモリセルCell(R)に、先の消去動作により多値データ「00」が書き込まれている場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされ、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「L」レベルとなる。一方、不揮発性メモリセルCell(R)に多値データ「00」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧にある場合)、ビット線BL0_Reはディスチャージされず、ビット線BL0_Re及び接続点SO_Rは「H」レベルを維持する。
【0094】
次に、制御回路20は、制御信号PBLCHを「H」レベルに変化させ、トランジスタ34L(34R)をオン状態とする。
これにより、不揮発性メモリセルCell(L)に先の消去動作により多値データ「11」が書き込まれている場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、接続点SO_Lが「L」レベルとなり、ラッチLTLを反転できず、ラッチLTLの接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベルと、ラッチLTLは、初期状態(図13の時刻t1における状態)を維持する。
一方、不揮発性メモリセルCell(L)に先の消去動作により多値データ「11」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧の場合)、接続点SO_Lが「H」レベルのままなので、ラッチLTLの接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルと変化する。
また、不揮発性メモリセルCell(R)に先の消去動作により多値データ「00」が書き込まれている場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、接続点SO_Rが「L」レベルとなり、ラッチLTRを反転できず、ラッチLTRの接続点N1_Rが「H」レベル、接続点N2_Rが「L」レベルと、ラッチLTRは、初期状態(図13の時刻t1における状態)を維持する。
一方、不揮発性メモリセルCell(R)に先の消去動作により多値データ「00」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧の場合)、接続点SO_Rが「H」レベルのままなので、ラッチLTRの接続点N1_Rが「L」レベル、接続点N2_Rが「H」レベルと変化する。
【0095】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びラッチLTRに読み出された後、制御回路20は、時刻t4に制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及びDY_Lを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Lをオン状態とする。
【0096】
これにより、不揮発性メモリセルCell(L)に多値データ「11」が書き込まれた場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、接続点N1_Lが「H」レベルであり、トランジスタ73がオン状態であるため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(EraseVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(L)のデータを消去したにもかかわらず多値データ「11」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧の場合)、接続点N1_Lが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(EraseVerify_Fail)。
【0097】
引き続き、制御回路20は、制御信号BUSPCを「H」レベルから「L」レベルとし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを行い、時刻t5に制御信号BUSPCを「H」レベルとし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
このとき、カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルに維持している。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_PB及びDY_Rを「H」レベルとし、トランジスタ74、51Rをオン状態とする。
【0098】
これにより、不揮発性メモリセルCell(R)に多値データ「00」が書き込まれた場合(データ消去され、閾値電圧が負電圧に移動している場合)、接続点N1_Rが「H」レベルであり、トランジスタ73がオン状態であるため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される(EraseVerify_Pass)。
一方、書き込み動作において不揮発性メモリセルCell(R)のデータを消去したにもかかわらず多値データ「00」が書き込まれていない場合(データ消去されず、閾値電圧が正電圧の場合)、接続点N1_Rが「L」レベルであり、トランジスタ73がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルのままとなる。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される(EraseVerify_Fail)。
【0099】
この制御回路20へのデータ入力動作は、カラムアドレスを順次変化させて実行される。すなわち、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレスから生成したカラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を順次切り替えて、複数のページバッファ及びセンスアンプ13のいずれかを選択し、選択したページバッファ及びセンスアンプ13におけるラッチLTL及びLTRからリードライトバスRWBUSへのデータ読み出し動作を繰り返して行う。
そして、制御回路20は、すべてのページバッファ及びセンスアンプ13からリードライトバスRWBUSに読み出される信号が「L」レベルである場合、データ消去が正常に完了したと判定し、消去ベリファイ動作を終了する。一方、リードライトバスRWBUSに読み出される信号が一つでも「H」レベルにある場合、再消去動作及び消去ベリファイ動作を実行する。この再消去動作及び消去ベリファイ動作においては、ページバッファ及びセンスアンプ13のラッチLTL及びLTRにおけるデータを上述の様にリセットして上記消去ベリファイ動作が再実行される。また、消去ベリファイ動作は、接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベル(図13における時刻t1のリセット状態)となり、制御回路20が、データ消去が正常に終了したと判定するまで、あるいは、予め設定された回数に達するまで実行される。
また、同様の消去ベリファイ動作は、カラムアドレスの最下位ビットが1の場合、つまり奇数ビット線の消去ベリファイ動作についても実行される。このようにして、メモリセルアレイ11L及びメモリセルアレイ11Lにおける同一ページ内の全ての不揮発性メモリセルの消去ベリファイが終了する。続いて、ページアドレスを変化させながら、ブロック内における全ての不揮発性メモリセルの消去ベリファイを実行して、ブロック単位の消去ベリファイ処理が完了する。
【0100】
<データ読出し動作>
次に、ペアセルのデータ読出し動作について、図15及び図16を用いて説明する。
本実施形態においては、データ読出し動作において、ペアセルをワード線により選択する際、ペアをなす選択ワード線Wordにそれぞれ異なる電圧を3回供給して、リードライトバスRWBUSへデータを読み出し、制御回路20が3回読み出されたデータを判定して、入出力回路17を制御して多値データを外部へ出力させる。また、上述したデータ書き込み処理及びデータ消去処理の動作においてベリファイ判定のためのパスまたはフェイルデータをラッチしたページバッファも、データ読出し動作においては、メモリセルからのデータをラッチし、このラッチしたデータにより、ペアセルがデータを保持するに足りる閾値電圧を保持しているか否かが判定される。なお、この判定機能は、図20に示すページバッファ及びセンスアンプにはない機能であり、本願がこの判定機能を持つことによる効果を、データ読出し動作の説明の後、図17及び図18を用いて説明する。
【0101】
図15は、不揮発性メモリセルCell(L)及びCell(R)から多値データを読み出す場合のタイミングチャートであり、ラッチLTL及びLTRへのパスデータまたはフェイルデータの書き込み動作、及び差動センスアンプDiffSAのセンス動作を示す動作タイミングチャートである。
また、図16は、データ読出し動作においてリードライトバスRWBUSの状態、制御回路20(コントローラ)の判定結果、及び,ラッチLTL及びLTRにおける各接続点の状態等を示すテーブルである。
データ読出し動作において、外部からデータ読出しを示すコマンドデータが入力され、コマンドレジスタ18にはデータ読出しモードとするデータが設定される。制御回路20は、このデータに基づいて、制御回路20は、このデータに基づいて各回路を制御する制御信号を出力する。
初期状態においては、制御回路20は、制御信号nPGM、pDISe、pDISo、pLOAD、PBRSTを「H」レベルとし、制御信号BLSLTe、BLSLTo、pPGM、READ、R−SET、RTRAN_DIFF、PBLCH、RTRAN_PG、WTRANを「L」レベルとしている。
また、カラムデコーダ15L及び15Rは、カラムアドレス信号DY0、DY1及びDY2を「L」レベルとしている。
【0102】
時刻t1において、制御回路20は、制御信号PBRSTを「L」レベルに変化さる。これにより、トランジスタ32L(32R)がオン状態となり、強制的に接続点N1_L(N1_R)に「H」レベルのデータを与え、不揮発性メモリセルMCからのデータを書き込む前準備のリセット(RESET)動作を行う。これにより、ラッチLTL(LTR)に接続点N1_L(N1_R)に「H」レベル、接続点N2_L(N2_R)に「L」レベルのデータが書き込みまれ、リセット時のデータが各ラッチに記憶される。
そして、制御回路20は、制御信号PBRSTを「H」レベルに変化させ、トランジスタ32L(32R)をオフ状態とし、リセット処理を終了する。
【0103】
時刻t2において、制御回路20は、制御信号pDISeを「L」レベルとして、ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)とインバータIV3を非接続とする(0Vのフローティング状態とする)。制御回路20は、制御信号pDISoを「H」レベルに維持し、制御信号nPGMを「L」レベルとしている。これにより、データ読出しの行われないビット線BL0_Lo(ビット線BL0_Ro)は、「L」レベルに維持される。
また、制御回路20は、制御信号BLSLToを「L」レベルに維持したまま、制御信号BLSLTeを「H」レベルにする。これにより接続点SO_L(SO_R)と偶数ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。
【0104】
また、制御回路20は、制御信号pLOADを「L」レベルにするとともに、制御信号BLSLToを「H」レベルから、更にトランジスタ41Le(41Re)の閾地電圧分以上の電圧レベルに昇圧するとともに、これにより、接続点SO_L(SO_R)及びビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が「H」レベルにプリチャージされる。
【0105】
ロウデコーダ14Lは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Lの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(L)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(L)が接続されている選択ワード線Wordに読み出し電圧Vr(1回目のデータ読出し動作においてR2、2回目のデータ読出し動作においてはR3、3回目のデータ読出し動作においてはR1)、非選択ワード線Wordにパス電圧Vreadを供給する。
同様に、ロウデコーダ14Rは、制御回路20に制御され、メモリセルアレイ11Rの複数のブロックBLCのうち、不揮発性メモリセルCell(R)があるブロックBLCを選択し、選択されたブロックBLCにおける不揮発性メモリセルCell(R)が接続されている選択ワード線Wordに読み出し電圧Vr(1回目のデータ読出し動作においてR2、2回目のデータ読出し動作においてはR1、3回目のデータ読出し動作においてはR3)、非選択ワード線Wordにパス電圧Vreadを供給する。
また、時刻t2において、制御回路20は、差動センスアンプDiffSAに入力される制御信号READを「H」レベルにし、接続点SO_Lと接続点RD_L(センスノード)とを、接続点SO_Rと接続点RD_R(センスノード)とを、それぞれ接続する。これにより、センスノードはそれぞれ「H」レベルにプリチャージされる。
【0106】
時刻t3において、制御回路20は、制御信号BLSLTeを、いったん「L」レベルに変化させる。
これにより、「不揮発性メモリセルの閾値電圧<読み出し電圧Vrとなるセル(ONセルとする)に接続されているビット線の電圧」<「不揮発性メモリセルの閾値電圧>読み出し電圧Vrとなるセル(OFFセルとする)に接続されているビット線の電圧」となる。
例えば、多値データ「10」の場合、1回目の読出し動作では、不揮発性メモリセルCell(L)がONセルとなり、不揮発性メモリセルCell(R)がOFFセルとなる。
また、多値データ「10」の場合、2回目の読出し動作でも、不揮発性メモリセルCell(L)がONセルとなり、不揮発性メモリセルCell(R)がOFFセルとなるが、3回目の読出し動作では、不揮発性メモリセルCell(L)がOFFセルとなり、不揮発性メモリセルCell(R)がONセルとなる(図16参照)。
【0107】
次に、制御回路20は、制御信号pLOADを「H」レベルに変化させた後、時刻t4において、制御信号BLSLTeを再び「H」レベルとする。これにより、接続点SO_L(SO_R)と偶数ビット線BL0_Le(ビット線BL0_Re)が接続される。また、接続点SO_Lと接続点RD_Lと、接続点SO_Rと接続点RD_Rと、がそれぞれ接続され、センスノードはビット線と同じ電圧レベルとなる。
制御回路20は、制御信号READを「L」レベルとして、両接続点と両センスノードとを非接続とし、制御信号R_SETを「H」レベルとする。これにより、差動センスアンプDiffSAにおいて、センスノード(接続点RD_L及び接続点RD_R)が、それぞれ接続点SO_L及び接続点SO_Rから電気的に切り離されるとともに、差動センスアンプDiffSAのラッチ部分のPチャネル型MOSトランジスタ(トランジスタ62L及び62R)のソースに電源電圧Vccが、ラッチ部分のNチャネル型MOSトランジスタ(トランジスタ63L及び63R)のソースに接地電圧(GND)が供給される。センスアンプDfiffSAは、センスノード(接続点RD_L及び接続点RD_R)のいずれか一方を電源電圧Vccへ、他方を接地電圧GNDへと増幅するとともに、増幅結果をラッチする。
これにより、時刻t4から制御信号R_SETが「H」レベルとなるまでの間にビット線を介してONセルに接続されたセンスノードが「L」レベルとなり、ビット線を介してOFFセルに接続されていたセンスノードが「H」レベルへ増幅される。
例えば、多値データ「10」の場合、1回目の読出し動作では、接続点RD_Lが「L」レベルとなり、接続点RD_Rが「H」レベルとなる。
また、多値データ「10」の場合、2回目の読出し動作でも、接続点RD_Lが「L」レベルとなり、接続点RD_Rが「H」レベルとなるが、3回目の読出し動作では、接続点RD_Lが「H」レベルとなり、接続点RD_Rが「L」レベルとなる。(図16参照)。
【0108】
選択ブロックBLCのワード線WLを共通とする不揮発性メモリセルMCのデータが、全てのページバッファ及びセンスアンプ13における差動センスアンプDiffSAにより増幅された後、制御回路20は、制御信号BUSPCを「H」レベルにし、リードライトバスRWBUSのプリチャージを終了する。
カラムデコーダ15L及び15Rは、制御回路20に制御され、入力されたアドレスに対応するページバッファ及びセンスアンプ13を選択するため、カラムアドレス信号DY0、DY1、DY2を「H」レベルとする。
また、制御回路20は、制御信号RTRAN_DIFFを「H」レベルとし、トランジスタ76をオン状態とする。
【0109】
これにより、差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Rが増幅結果により「H」レベルとなる場合、トランジスタ75がオン状態であるため、リードライトバスRWBUSは「L」レベルとなる。制御回路20は、この「L」レベルのデータが入力される。
一方、差動センスアンプDiffSAの接続点RD_Rが増幅結果により「L」レベルとなる場合、トランジスタ75がオフ状態であるため、リードライトバスRWBUSは「H」レベルを維持する。制御回路20は、この「H」レベルのデータが入力される。
【0110】
制御回路20は、リードライトバスRWBUSの反転信号/RWBUSにより、不揮発性メモリセルに書き込まれた多値データの上位のデータ、下位のデータ各々を判定する。
制御回路20は、図16に示すように、1回目のデータ読出し動作における反転信号/RWBUSが「H」レベルのとき、上位のデータをデータ「1」とし、反転信号/RWBUSが「L」レベルのとき、上位のデータをデータ「0」とする。
また、上位のデータ「1」のとき、下位データは3回目の読み出しデータ、上位データ「0」のとき、下位データは2回目の読み出しデータとし、上位のデータと下位のデータとのアンドをとり、多値データを生成する。
例えば、不揮発性メモリセルに書き込まれた多値データが多値データ「10」の場合、
1回目の読出し動作において、反転信号/RWBUSは「H」レベルであり、上位のデータはデータ「1」となる。この場合、3回目の読出しデータを下位のデータとし、反転信号/RWBUSは「L」レベルであるから、下位のデータ「0」となる。
また、入出力回路17は、制御回路20の制御により、この多値データを、例えば、上位のデータから下位のデータの順番に外部へシリアル出力する。
【0111】
ところで、本実施形態において、ページバッファ及びセンスアンプ13は、コンパレータCOMP1を有している。そして、本実施形態におけるデータ読み出し動作において、差動センスアンプDiffSAと左右のページバッファ(ページバッファPBUF_L及びPBUF_R)を用いて、差動セル(不揮発性メモリセルCell(L)及びCell(R))からのデータ読み出しを行う。
差動で動作するセンスアンプDiffSAは、差動セルの電流差として現れる接続点SO_Lと接続点SO_Rとの微小な電圧差を検出し、差動セルが記憶するデータを増幅してリードライトバスRWBUSへ正常に増幅結果であるデータを出力する。
しかし、ページバッファ各々は、回路が有するオンまたはオフの判定レベル以上に、メモリセルのデータ保持量が劣化すると、差動セル各々からのデータを正常に読み出すことができなくなり、ラッチに設定された初期データ(接続点N1_L(N1_R)が「H」レベル、接続点N2_L(N2_R)が「L」レベル)の反転が生じる。よって、このページバッファ各々のラッチにおけるデータ反転を検知することで、差動セル各々がデータを記憶するに十分な閾値電圧を有しているか否かを判定することができる。つまり、ページバッファ各々のラッチは、上記初期データを設定したデータをパスデータとし、そのデータ反転状態をパスデータとは相補的なフェイルデータとすると、差動セル各々からのデータ読出し動作において、メモリセルが有する閾値電圧がデータ保持に十分である場合、パスデータをラッチし続け、データ保持に十分でない場合、パスデータが反転されてフェイルデータをラッチする。
この判定動作について、図17及び図18を用いて説明する。図17及び図18は、データ読出し動作を説明するために用いた図15における時刻t3〜時刻t6を拡大し、判定に関る主要信号を示した図である。
図17に示すように、時刻t4において、メモリセルがOFFセルの場合、接続点SO_L(SO_R)は「H」レベルとなるが、OFFセルの閾値電圧が高ければ、この「H」レベルはトランジスタ33L(33R)をオン状態にするほど十分高くなる。
一方、OFFセルの閾値電圧が上記OFFセルほど高くないOFFセル(図17においてOff_Lossセルで示す)である場合、この「H」レベルはトランジスタ33L(33R)をオン状態にするほど十分高くならず、トランジスタ33L(33R)をオフ状態にしてしまう。
【0112】
制御回路20は、メモリセルのデータをリードライトバスRWBUSへ読み出すため、制御信号RTRAN_DIFFを「H」レベルにしたが、これと同時に制御信号PBLCHを「H」レベルとする。
Off_Lossセルの場合、トランジスタ33L(33R)はオフ状態のため、ラッチLTL(LTR)は、N1_L(N1_R)が「H」レベル、N2_L(N2_R)が「L」レベルとなり、リセット処理を行った状態を維持する。この状態は、図17に示すONセルの状態と同じ状態である。
差動センスアンプDiffSAは、ページバッファと異なり、差動セルから読み出された相補データを増幅するので、図17に示すように、Off_Lossであっても、正しくOff_Lossセルが「H」レベルとなるように増幅する。
【0113】
例えば、上述した通り、多値データ「10」の場合、3回目のデータ読出し動作では、接続点RD_Lが「H」レベルとなり、接続点RD_Rが「L」レベルとなる(図16参照)。
このケースでは、不揮発性メモリセルCell(L)がOFFセルであるので、ページバッファPBUF_Lのラッチの状態は、接続点N1_Lが「L」レベル、接続点N2_Lが「H」レベルとなる(図16参照)。ところが、このメモリセルの閾値電圧が高い場合、Off_Lossセルとなり、ラッチLTLの接続点N1_Lは「H」レベルのままである。そのため、図4に示すコンパレータCOMP1において、直列接続されたトランジスタ91及び92のいずれもがオン状態となる。
制御回路20が、制御信号BUSPCにより検査信号線nLOSSを「H」レベルにプリチャージ終了後、制御信号LOSS_CHKを「H」レベルにすることにより、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスが形成され、検査信号線nLOSSの電圧レベルは「L」レベルとなる。
【0114】
また、図18に示すように、時刻t4において、メモリセルがONセルの場合、接続点SO_L(SO_R)は「L」レベルとなるが、ONセルの閾値電圧が低ければ、この「L」レベルはトランジスタ33L(33R)をオフ状態にするほど十分低くなる。
一方、ONセルの閾値電圧が上記ONセルほど低くないONセル(図18においてOn_Lossセルで示す)である場合、この「L」レベルはトランジスタ33L(33R)をオフ状態にするほど十分低くならず、トランジスタ33L(33R)をオン状態にしてしまう。
【0115】
制御回路20は、メモリセルのデータをリードライトバスRWBUSへ読み出すため、制御信号RTRAN_DIFFを「H」レベルにしたが、これと同時に制御信号PBLCHを「H」レベルとする。
On_Lossセルの場合、トランジスタ33L(33R)はオン状態のため、ラッチLTL(LTR)は、N1_L(N1_R)が「L」レベル、N2_L(N2_R)が「H」レベルとなり、リセット処理を行った状態の反転状態となる。この状態は、図18に示すOFFセルの状態と同じ状態である。
差動センスアンプDiffSAは、上述の通りページバッファと異なり、差動セルから読み出された相補データを増幅するので、図18に示すように、On_Lossであっても、正しくOn_Lossセルが「L」レベルとなるように増幅する。
【0116】
例えば、上述した通り、多値データ「10」の場合、2回目のデータ読出し動作では、接続点RD_Lが「L」レベルとなり、接続点RD_Rが「H」レベルとなる(図16参照)。
このケースでは、不揮発性メモリセルCell(L)がONセルであるので、ページバッファPBUF_LのラッチLTLの状態は、接続点N1_Lが「H」レベル、接続点N2_Lが「L」レベルと、ラッチLTLはリセット状態を維持する(図16参照)。ところが、このメモリセルの閾値電圧が低い場合、On_Lossセルとなり、ラッチLTLの接続点N1_Lは「L」レベルとなり、接続点N2_Lは「H」レベルとなる。そのため、図4に示すコンパレータCOMP1において、直列接続されたトランジスタ93及び94のいずれもがオン状態となる。
制御回路20が、制御信号BUSPCにより検査信号線nLOSSを「H」レベルにプリチャージ終了後、制御信号LOSS_CHKを「H」レベルにすることにより、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスが形成され、検査信号線nLOSSの電圧レベルは「L」レベルとなる。
【0117】
図17及び図18を用いて説明した場合の様に、検査信号線nLOSSの電圧レベルが「L」レベルとなった場合、制御回路20は、例えば、入出力回路17を制御して、いずれかの外部端子から、入出力回路17が出力した多値データは正しいが、多値データを記憶するメモリセルの閾値電圧が、多値データを保持するのには十分な電圧でないというNG情報を出力する。
このように、コンパレータCOMP1の構成を、差動センスアンプDiffSAの各出力と、ページバッファPBUF_L(PBUF_R)の出力とを、排他的論理和(XOR)をとり比較する構成としている。つまり、両方の出力が共に「H」レベルと論理が同じとき、電流パスを形成し、検査信号線nLOSSを「L」レベルとし、いずれか一方が「L」レベルのときは「H」レベルを維持する構成としている。そのため、コンパレータCOMP1をデータ読出し動作において動作させることで、差動セル(ペアセル)を構成するトランジスタ各々の一方または両方の閾値電圧が変化して差動センスアンプDiffSAがデータ判定において誤動作してしまう前に、差動セルが未だ差動センスアンプDiffSAのデータ判定に必要な閾値電圧を確保できているか否か(差動セルがデータ保持に必要な閾値電圧を十分に確保できているか否か)を判定するデータ評価を行うことができる。
【0118】
このデータ評価機能は、従来にない新規な機能である。例えば、図20に示すページバッファ及びセンスアンプは、図4に示したページバッファ及びセンスアンプ13と相違し、コンパレータCOMP1及び検査信号線nLOSS、及び転送回路PBTRANにおいて、検査信号線nLOSSへデータを読み出すための制御信号LOSS_CHKが入力されるトランジスタを備えていない。
図21は、図20に示すページバッファ及びセンスアンプのデータ読出し動作における動作タイミングチャートであり、図22は、メモリセルが記憶する多値データと、センスノード、リードライトバスRWBUS等の状態、制御回路20(コントローラ)の判定結果を示す図である。図21は図15に対応し、図22は図16に対応する。
図20及び図22に示すページバッファ及びセンスアンプのデータ読み出し動作は本実施形態と重複するため、説明を省略する。
従来のページバッファ及びセンスアンプは、本実施形態と相違し、コンパレータを有さないため、図15に示すように制御信号PBRST及びPBLCHを動作させてページバッファのラッチにメモリセルからのデータを書き込む構成としても、メモリセルのデータ保持量(閾値電圧を十分確保できているか否か)の評価を行うことができない。そのため、従来の構成では、差動センスアンプDiffSAが誤動作し、入出力回路17がフェイルデータ(あるアドレスのメモリセルに書き込んだデータとは異なるデータ)を出力するまで、セルデータの保持量が失われていることを知ることができない。
これに対して、本実施形態の不揮発性半導体記憶装置においては、上述の通り、コンパレータCOMP1を備える構成となっているので、セルデータの保持量が失われていることを知ることができる。
【0119】
なお、本実施形態において、コンパレータは、図4に示す構成をとったが、コンパレータの構成は、図19に示すコンパレータCOMP2の構成をとってもよい。
コンパレータCOMP2は、トランジスタ90,92,94,96,98から構成される。これらのトランジスタは、全てNチャネル型MOSトランジスタである。
トランジスタ90は、コンパレータCOMP1と同じく、ドレインが転送回路PBTRANのトランジスタ81のソースに接続され、ゲートがカラムアドレス信号DY0の配線に接続され、ソースがトランジスタ92,98のドレインに接続されている。
トランジスタ92は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Lの接続点N1_Lに接続され、ソースがトランジスタ96のドレインに接続されている。
トランジスタ96は、ドレインがトランジスタ92のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Rの接続点N1_Rに接続され、ソースが接地されている。
トランジスタ98は、ドレインがトランジスタ90のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Rの接続点N2_Rに接続され、ソースがトランジスタ94のドレインに接続されている。
トランジスタ94は、ドレインがトランジスタ98のソースに接続され、ゲートがページバッファPBUF_Lの接続点N2_Lに接続され、ソースが接地されている。
【0120】
コンパレータCOMP2は、トランジスタ92と96により、接続点N1_Lと接続点N1_Rがいずれも「H」レベルの場合、第1の電流パスを形成する。また、トランジスタ94と98により、接続点N2_Rと接続点N2_Lがいずれも「H」レベルの場合、第2の電流パスを形成する。コンパレータCOMP2の第1及び第2の電流パスは、並列接続されており、データ読み出し動作において、制御回路20が制御信号LOSS_CHKを「H」レベルにすると、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスを形成し、検査信号線nLOSSを「L」レベルにする。一方、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できている場合、検査信号線nLOSSと接地の間で電流パスは形成されず、検査信号線nLOSSを「H」レベルに維持する。
つまり、コンパレータCOMP1と異なり、センスアンプのセンスノードと接続する構成をとらないで、データ読み出し動作において、ペアセル各々が有する閾値電圧がペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、閾値電圧が確保できていないという検査結果を、検査信号線nLOSSに転送する。
【0121】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、本実施形態においては、メモリセルが多値データを記憶する例について説明したが、これは多値データを記憶する場合、データ保持量が失われて差動センスアンプDiffSAが誤動作する可能性が2値データを記憶する場合に比べて高い例として説明したからである。2値データを記憶する場合であっても、本願は同様の効果を奏する。
【0122】
また、上記説明では、セルのデータ保持量が失われている情報(検査信号線nLOSSの情報)を、外部に出力して知らせる例について説明したが、nLOSSの情報が入力される外部のコントローラ(例えば、不揮発性半導体記憶装置を制御するCPU、MPU)が、本不揮発性半導体記憶装置に自動的にコピーバック動作を実行させる構成としてもよい。この場合、制御回路20は、nLOSS情報と共に、データ保持量が失われているメモリセルを含んだページアドレスの情報(ワード線の位置を示すアドレス情報)を、入出力回路17から出力する構成とする。外部のコントローラは、当該ページアドレス及び読み出す動作において入出力回路17が出力した多値データを基に、当該ページアドレスとは別のページアドレスを本不揮発性半導体記憶装置に与え、他のページに読み出した多値データを再書込みする。これにより、メモリセルが記憶するデータが失われる前に、当該データを他のページに退避することができる。
【0123】
あるいは、制御回路20は、他の記憶領域(メモリセルアレイを含む)に、データ保持量が失われているメモリセルを含む同一ページのRWBUSへの読出しデータを記憶させる。そして、制御回路20は、他の記憶領域に記憶したデータを、他のページにコピーする。その際、制御回路20が、例えばアドレスレジスタ19を制御して、データ保持量が失われているメモリセルを含むページアドレスと、コピー先のページアドレスとを記憶させ、以降前者のアドレスが外部から入力されると、記憶したコピー先のページが選択されるようにする構成としてもよい。
【符号の説明】
【0124】
11L,11R…メモリセルアレイ、13…ページバッファ及びセンスアンプ、14L,14R…ロウデコーダ、15L,15R…カラムデコーダ、16…電圧生成回路、17…入出力回路、18…コマンドレジスタ、19…アドレスレジスタ、20…制御回路、BL,BL0,BLe,BLo…ビット線、BLC,BLCi…ブロック、CSL…共通ソース線、RWBUS…リードライトバス、IV1L,IV2L,IV3…インバータ、LTL,LTR…ラッチ、MC,MCsel,Cell…不揮発性メモリセル、N1,N2,SO,RD…接続点、NA…NANDセルストリング、PBUF…ページバッファ、DiffSA…差動センスアンプ、COMP1,COMP2…コンパレータ、WL,WL1,Word…ワード線、SSL,GSL…選択ゲート線、Vpgm…プログラム電圧、Vpass,Vread…パス電圧、Vr…読み出し電圧、Vcc…電源電圧、nPGM,pDISe,pDISo,pLOAD,BLSLTe,BLSLTo,pPGM,READ,nREAD,RTRAN,WTRAN,PBRST,PBLCH,DY,BUSPC,LOSS,R,nR…制御信号、nLOSS…検査信号線、DY0,DY1,DY2…カラムアドレス信号、31L,32L,33L,34L,40L,41Le,41Lo,42Le,42Lo,51L,51R,52L,52R,53L,53R,54,60,61,62L,62R,63L,63R,64L,65L,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,90,91,92,93,94,95,96,97,98,SG1,SG2…トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビット線と複数のワード線との各々が交差し、交差した部分に不揮発性のメモリセルが配置されたメモリセルアレイと、
前記複数のビット線のうち対をなす第1のビット線及び第2のビット線にそれぞれ接続され、互いに電圧値の異なる閾値電圧を有してデータを保持する第1のメモリセルと第2のメモリセルとから構成されるペアセルの電流差を検出して、前記ペアセルのデータを読み出すセンスアンプと、
前記第1のビット線及び前記第2のビット線各々に対応して設けられ、前記ワード線により選択された当該メモリセルに書き込むデータまたは前記メモリセルから読み出したデータを記憶するラッチを含む第1のページバッファ及び第2のページバッファと、
前記センスアンプにより前記ペアセルのデータを読み出すときに、前記第1のページバッファの前記ラッチに読み出したデータと、前記第2のページバッファの前記ラッチに読み出したデータとを比較して、前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを判定するコンパレータと、
を備えたことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記センスアンプは、前記ペアセルのデータ読出し動作において、それぞれ前記第1のビット線及び前記第2のビット線に接続される第1のセンスノード及び第2のセンスノードからなる一対のセンスノードを有し、
前記第1のページバッファ及び前記第2のページバッファの前記ラッチ各々は、第1の接続点及び第2の接続点を有し、前記ペアセルのデータ読出し動作において、前記ワード線により選択された当該メモリセルの有する閾値電圧がデータ保持に十分であることを示すパスデータを前記第1の接続点または前記第2の接続点のいずれか一方に、及び前記パスデータとは相補的なフェイルデータを他方にラッチする回路であって、
前記コンパレータは、
前記第1のセンスノードと前記第1のページバッファの前記ラッチにおける第1の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第1の電流パスと、
前記第2のセンスノードと前記第1のページバッファの前記ラッチにおける第2の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第2の電流パスと、
前記第2のセンスノードと前記第2のページバッファの前記ラッチにおける第1の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第3の電流パスと、
前記第2のセンスノードと前記第2のページバッファの前記ラッチにおける第2の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第4の電流パスと、を有し、
前記第1〜第4の電流パスは並列に接続され、
並列接続された前記第1〜第4の電流パスが、
前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、接地または電源への電流パスを形成し、
前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できている場合、接地または電源への電流パスを形成しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1のページバッファ及び前記第2のページバッファの前記ラッチ各々は、第1の接続点及び第2の接続点を有し、前記ペアセルのデータ読出し動作において、前記ワード線により選択された当該メモリセルの有する閾値電圧がデータ保持に十分であることを示すパスデータを前記第1の接続点または前記第2の接続点のいずれか一方に、及び前記パスデータとは相補的なフェイルデータを他方にラッチする回路であって、
前記コンパレータは、
前記第1のページバッファの前記ラッチにおける第1の接続点と、前記第2のページバッファの前記ラッチにおける第1の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第1の電流パスと、
前記第1のページバッファの前記ラッチにおける第2の接続点と、前記第2のページバッファの前記ラッチにおける第2の接続点との論理が一致した場合、電流パスを形成する第2の電流パスと、を有し、
前記第1及び第2の電流パスは並列に接続され、
並列接続された前記第1及び第2の電流パスが、
前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できていない場合、接地または電源への電流パスを形成し、
前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できている場合、接地または電源への電流パスを形成しない、
ことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記コンパレータは、前記センスアンプに対応して設けられ、
前記センスアンプの前記不揮発性半導体記憶装置における位置を示すカラムアドレス信号と、前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できているか否かを検査する検査信号が入力されると、検査信号線に接続され、当該カラムアドレス信号がその位置を示す前記センスアンプが前記ペアセルのデータを読み出すと同時に、検査結果を前記検査信号線に出力することを特徴とする請求項1から請求項3いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
外部出力端子にデータを出力するデータ出力回路と、
前記検査信号線の論理を監視し、その論理レベルに変化がある場合、
前記ペアセル各々が有する閾値電圧が前記ペアセルのデータを保持するだけ確保できていないことを示すデータ、及び当該ペアセルに接続されるワード線の位置を示すアドレスを、前記データ出力回路に前記外部出力端子から出力させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記検査信号線の論理を監視し、その論理レベルに変化がある場合、センスアンプから読み出されたデータを、前記カラムアドレス信号毎に記憶し、当該記憶したデータを、前記ワード線とは異なるワード線に接続されるメモリセルへ書き込むコピーバック動作を実行する制御部を備えることを特徴とする請求項4に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記コピーバック動作を実行したか否かを示す第1のデータと、
データがコピーバックされたメモリセルの前記不揮発性半導体記憶装置におけるワード線の位置を示すロウアドレスからなる第2のデータと、
データをコピーバックした先の前記不揮発性半導体記憶装置におけるワード線の位置を示すロウアドレスからなる第3のデータと、を記憶し、
データ読出し動作またはデータ書込み動作において、前記第1のデータがコピーバック動作を実行したことを示すとき、
外部から入力されるメモリセルを選択するワード線の位置を示すロウアドレスが、前記第2のデータと一致するか否かを比較し、比較結果が一致するとき、前記第2のデータに対応するワード線を選択せず、前記第3のデータに対応するワード線を選択することを特徴とする請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
前記メモリセルアレイは、前記センスアンプ、前記第1のページバッファ、及び第2のページバッファを共有する第1のセルアレイ及び第2のセルアレイを有し、
前記第1のセルアレイ及び前記第2のセルアレイの対応するビット線が、それぞれ前記第1のビット線と前記第2のビット線を構成することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
前記不揮発性のメモリセルは、それぞれ電圧レベルの異なる第1、第2、第3、第4閾値電圧の状態の中で少なくとも一つの状態で選択的にプログラムされ、前記ペアセルは、データとしてデータ「11」、データ「10」、データ「01」、データ「00」を保持することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−133834(P2012−133834A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283128(P2010−283128)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】