説明

中性ビームを用いるエッチング装置

【課題】中性化手段の損傷及び異物の生成を防止する中性ビームを用いるエッチング装置を提供する。
【解決手段】複数のグリッド12によりプラズマから抽出されたイオンビームを、電子との衝突によって中性ビームに変換させる電子放出部13を備えることによって、イオンビームが電子放出部13に物理的に衝突するのを防止し、イオンビームを、方向性及びエネルギーの損失を招くことなく、高い中性化効率で中性ビームに変換させ、大面積の中性ビームを生成して半導体ウエハを均一にエッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性ビームを用いるエッチング装置に係り、より詳細には、プラズマから抽出されたイオンビームを中性ビームに変換して半導体ウエハなどのエッチング対象体をエッチングする、中性ビームを用いるエッチング装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子の高集積化への要求が増加するに伴い、より小型の半導体集積回路へのデザインは、0.25μmより小さい臨界寸法(Critical Dimension)を有する半導体集積回路の生産に至ることになった。このような微視的な半導体素子をデザインするために、高密度プラズマ(High Density Plasma)エッチング装置、反応性イオンエッチング装置(Reactive Ion Etcher)のようなイオン強化用エッチング装備が主に用いられてきている。
【0003】
ところが、上記のエッチング装備では、エッチング工程を行うのに多量のイオンが用いられ、これらのイオンが数百eVのエネルギーで半導体ウエハまたは半導体ウエハ上の特定物質層に衝突するため、当該半導体ウエハまたは特定物質層に物理的・電気的損傷を招いてきた。そこで、エッチング深さを高精度に制御すると同時に被エッチング物質層への損傷を最小化できる、中性ビームを用いるエッチング装置に対する研究が行われてきた。
【0004】
図1に示すように、中性ビームを用いるエッチング装置は、反射板4を介して上部側空間であるソースチャンバと下部側空間であるプロセスチャンバとが画設され、かつ、これらのチャンバが互いに連通するように形成されたチャンバ部1を備える。このソースチャンバ内には、該ソースチャンバの両側面に形成されてソースチャンバ内にエッチング工程のための反応ガスを供給するガス供給部2と、ソースチャンバ中のプラズマからイオンビームを抽出する3つのグリッド3と、が設けられ、プロセスチャンバ内には、3つのグリッド3により抽出されたイオンビームを中性ビームに変換する中性化手段としての反射板4と、この反射板4により変換された中性ビームによりエッチングされる半導体ウエハ5を固定支持するチャック6と、が設けられ、また、プロセスチャンバ中のガスを排出させるガス排出部7がプロセスチャンバの一面に貫通形成される。なお、ガス供給部2により供給された反応ガスをプラズマに変化させる高周波パワーソース部8a,8bと、3つのグリッド3にそれぞれ異なる極性と大きさの直流電源を供給する直流パワーソース部9と、が備えられる。
【0005】
次に、上記のエッチング装置の作動について説明する。
【0006】
ソースチャンバ中に供給される反応ガスは、高周波パワーソース部8a,8bによりプラズマに変換され、このプラズマソースから、3つのグリッド3により一定の極性を持つイオンビームが抽出される。抽出されたイオンビームは、電気的にグラウンドされている反射板4に衝突しながら電気的なイオン交換によって電気的な性質のない中性ビームに変換されたのち入射角と同角で反射されて、半導体ウエハ5の表面をエッチングする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の中性ビームを用いるエッチング装置は、プラズマから抽出されたイオンビームが反射板4のような中性化手段に物理的に衝突するため、反射板の寿命短縮を招くだけでなく、衝突する過程で異物が発生する他、中性化時にエネルギー及び方向性が損失するといった諸問題があった。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、プラズマから抽出されたイオンビームが中性化手段に物理的に衝突せずにも中性ビームに変換されるようにすることによって、中性化手段の損傷及び異物発生を防止することができ、イオンビームを、方向性及びエネルギーの損失を招くことなく、高い中性化効率で中性ビームに変換することができる、中性ビームを用いるエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一側面によれば、チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出して中性ビームに変換した後、該中性ビームを用いて対象体をエッチングする、中性ビームを用いるエッチング装置において、前記チャンバ部内のプラズマからイオンビームを抽出するイオン抽出部と、前記抽出されたイオンビームに電子を衝突させて中性ビームに変換させる電子放出部と、前記中性ビームによりエッチングされる対象体を固定支持するチャックと、を備える中性ビームを用いるエッチング装置が提供さる。
【0010】
また、本発明の他の側面によれば、チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出して中性ビームに変換した後、該中性ビームを用いて対象体をエッチングする中性ビームを用いるエッチング装置において、前記チャンバ部内のプラズマからイオンビームを抽出する複数の第1電極と、前記抽出されたイオンビームが電子との衝突により中性ビームに変換するように、表面に電子放出層が塗布された第2電極と、前記複数の第1電極と第2電極との間に設けられ、電子放出量を調節する第3電極と、前記中性ビームによりエッチングされる対象体を固定支持するチャックと、を備える中性ビームを用いるエッチング装置が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の側面によれば、ソースチャンバ及び工程チャンバに区画され、前記ソースチャンバ内に生成されたプラズマからのイオンビームを用いて対象対をエッチングするエッチング装置において、前記イオンビームを抽出し、該イオンビームの特性を調節するイオン抽出電極のグリッドと、前記ソースチャンバと前記工程チャンバとを区画し、前記イオン抽出電極のグリッドによって抽出された前記イオンビームを中性ビームに変換させ、また、複数の貫通穴を有する電子放出電極と、を備えるエッチング装置が提供される。
【0012】
前記イオン抽出電極のグリッドは、イオンビームを抽出し加速させる第1列の電極と、前記イオンビームを減速させる第2列の電極と、前記イオンビームを集中させる第3列の電極と、からなることを特徴とする。
【0013】
前記電極は、イオン抽出方向に配置されることを特徴とする。
【0014】
前記第1列、第2列及び第3列上の各電極は、複数の一致する貫通穴をそれぞれ含むことを特徴とする。
【0015】
前記ソースチャン及び工程チャンバ内の圧力は、前記グリッドの貫通穴のサイズと前記電子放出電極の貫通穴の大きさによって変わることができる。
【0016】
前記電子放出電極は、電子が前記イオン抽出電極のグリッドによって抽出されたイオンビームと衝突して該イオンビームを中性ビームに変換させるように電子を放出することを特徴とする。
【0017】
前記電子放出電極は、電子が前記イオンビームと均一に衝突するように、電子を進行するイオンビームに放出することを特徴とする。
【0018】
前記電子放出電極は、温度上昇無しに小さい電圧で電子を放出できる冷陰極であることを特徴とする。
【0019】
前記電子放出電極は、前記イオン抽出電極のグリッドと平行に配置されることを特徴とする。
【0020】
前記電子放出電極は、電子の放出を容易にする電子放出層を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明のさらに他の側面によれば、チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法において、前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出し、前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させ、前記中性ビームによってエッチングされる対象体を固定支持する、ことを特徴とする方法が提供される。
【0022】
また、本発明のさらに他の側面によれば、チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法において、前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出し、前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させ、前記電子の放出量を調節し、前記中性ビームによってエッチングされる対象体を固定支持する、ことを特徴とする方法が提供される。
【0023】
また、本発明のさらに他の側面によれば、チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法において、イオンビームを抽出し、前記イオンビームの特性を調節し、前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子が衝突するように前記電子を放出することによって中性ビームに変換させる、ことを特徴とする方法が提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の中性ビームを用いるエッチング装置によれば、複数のグリッドによってプラズマから抽出されたイオンビームを電子との衝突により中性ビームに変換させる電子放出部を備えるため、イオンビームが電子放出部に物理的に衝突するのを防止し、結果として簡単な構造で中性化手段の損傷及び異物の生成を防止することが可能になる。
【0025】
なお、本発明のエッチング装置によれば、イオンビームを、方向性及びエネルギーの損失を招くことなく高い中性化効率で中性ビームに変換させることが可能になる。
【0026】
また、本発明のエッチング装置によれば、電子放出部が、イオンビーム抽出領域の全体にわたってイオンビームの進行方向と反対方向に電子を放出するようにしたため、中性化効率を増加させ、大面積の中性ビームを生成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施例を、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0028】
図2に示すように、本発明の一実施例による中性ビームを用いるエッチング装置は、ソースチャンバとプロセッサーチャンバとに区画されるチャンバ部10と、ガス供給部11と、複数のグリッド12及び第1直流パワーソース部18を有するイオン抽出部と、電子放出電極13、電子放出層13a及び第2直流パワーソース部19を備える電子放出部と、チャック15と、ガス排出部16と、高周波パワーソース部17を備えてなる。
【0029】
チャンバ部10は、電子放出電極13を介して上部側空間であるソースチャンバと、このソースチャンバと連通できる下部側空間であるプロセスチャンバとに区画される。
【0030】
プロセスチャンバの両側面には、エッチング工程のための反応ガスを供給するガス供給部11が連結される。反応ガスとしては、N2、H2、Ar、NF3、及びO2などが使用されることができる。これらの反応ガスは、単独で供給されても良く、2種以上の組み合わせで供給されても良い。すなわち、エッチング対象物質によって反応ガスとして異なる物質が使用されることができ、供給流量及び供給時間なども可変可能である。
【0031】
ソースチャンバの上部外側には、高周波パワーソース部が設けられる。高周波パワーソース部は、ソースチャンバの上部外面に沿って配置された高周波コイル17bと、この高周波コイル17bに連結された高周波パワーユニット17aとからなる。ソースチャンバ内に供給された反応ガスは、一次的に高周波パワーに露出される。この高周波パワーソース部によりソースチャンバの内部には高周波電場が形成され、この高周波電場によって反応ガスがプラズマに変換される。ガス状態の物質に熱を加えると、各原子が電子と陽イオンとに分離され、第4状態のプラズマ状態に切り替わる。この状態を、通常、‘プラズマ’という。このプラズマは、荷電粒子及び中性粒子が集まっている状態で、特に、マイナス(−)に荷電された粒子の密度とプラス(+)に荷電された粒子の密度が略同一なため、巨視的には中性を示す物質の状態を意味する。したがって、荷電粒子は電子(electron)及びイオン(ion)を含み、中性粒子はラジカル(radical)を含む。このプラズマはダウンストリーム(downstream)に流れ、ソースチャンバからプロセスチャンバへの下降流が発生する。
【0032】
ソースチャンバの内部には、プラズマから所定の極性を持つイオンビームを抽出するために、例えば、3つのグリッド12が設置される。各グリッド12は、ソースチャンバの内部断面積と略同一な断面積を持つ。各グリッド12は、半導体ウエハ14が装着されるチャック15の上部に水平方向に配置される。なお、各グリッド12は、導電体金属からなり、直流パワーソース部18から供給されるそれぞれ異なる極性と大きさの直流電源によって極性を帯び、これにより電場を形成する。また、グリッドは、1つまたは複数にすることができる。
【0033】
複数のグリッド12のそれぞれは、電気的に絶縁されたイオン抽出電極を含み、各電極は互いに一定の間隔で隔たっている。これらのイオン抽出電極は、イオンビームのエネルギーなどのような特性を調節することができる。例えば、3つのグリッドがそれぞれイオン抽出電極を含む場合、1番目の電極はイオンを抽出及び加速させ、2番目の電極は当該イオンビームを減速させ、3番目の電極はイオンビームを集中させることができる。これらの電極は、イオン抽出方向に配置されている。各電極には、プラズマを保持すると同時にイオンビームを抽出するために、複数の貫通穴が形成される。図3A及び図3Bに示すように、貫通穴は、プラズマの漏れを防止できるような大きさの小さい円形穴12a及び長穴(Slit)12a’の形状とされる。各電極上に形成された貫通穴は、互いに対応して整列される。
【0034】
ソースチャンバとプロセスチャンバは、各グリッド12により抽出されたイオンビームを中性ビームに変換するように設けられた電子放出電極13によって区画される。ここで、ソースチャンバの内部断面積は、プロセスチャンバの内部断面積よりも小さいと良い。また、両チャンバ間には圧力勾配が存在することができ、両チャンバ間の圧力は、各グリッド12の貫通穴のサイズと電子放出電極13の貫通穴の大きさによって変わるが、通常、ソースチャンバの圧力がプロセスチャンバの圧力よりも2倍以上高い。電子放出電極13は、各グリッド12により抽出されたイオンビームに衝突するように電子を放出し、イオンビームを中性ビームに変換させる。電子放出電極13は、各グリッド12と平行に配置されることができ、複数の貫通穴が形成されているプレートからなる。この電子放出電極13の表面には、電子の放出を容易にする電子放出層(例えば、カーボンナノチューブ(Carbon Nano−Tube;CNT)層)が塗布される。第2直流パワーソース部19により電子放出電極13に印加される電源は、陽極となるイオン抽出電極の最後の電極と抽出されたイオンビームとの電位差を考慮し、電子放出電極13を陰極にさせる。イオンビームは、電子放出電極13を通過する前に中性ビームに変換される。
【0035】
電子放出電極13は、均一な衝突がおきるように、進行するイオンビームに電子を放出する。この電子放出電極13は、温度上昇無しに小さい電圧で電子を放出できる冷陰極(cool cathode)である。したがって、電子の放出には陽極(Anode)が要求される。イオンを抽出する最終電極が、上記陽極となる。また、最終電極が、抽出されたイオンよりも低い電位差を有する場合、抽出されたイオンは、他の陽極となる。この電子放出電極13の貫通穴の直径は、グリッド12の貫通穴と等しいまたは大きい直径を持つことができる。すなわち、抽出されたイオンビームが中性ビームに変換された後、フラックスの減少なしに半導体ウエハ14上に入射されなければならない。
【0036】
イオン抽出電極のうち最後の電極が陽極となり、電子放出電極13が、電子の放出が容易な冷陰極となり、これら両電極間の電位差によって電子放出電極13から電子が放出される。この放出された電子は、電子放出電極13上に入射されるイオンビーム方向に進行し、このとき、イオンビームは他の陽極になりうる。以降、イオンビームは電子との衝突によって中性ビームに変換され、該中性ビームは電子放出電極13を通過して半導体ウエハ14上に入射される。
【0037】
図4に示すように、本発明の他の実施例による中性ビームを用いるエッチング装置は、グリッド12と電子放出電極13との間にグリッド12のイオン抽出電極と同形状で形成され、イオン抽出電極の最後の電極に代えて電子を放出する陽極20をさらに備える。すなわち、本エッチング装置は、イオンビーム抽出部と電子放出部が互いに分離された構造を有することができる。方向性を持つイオンが電子の放出及び加速される区間を進行して通過すると、イオンビームは電子と衝突でき、結果として中性ビームに変換される。
【0038】
プロセスチャンバ内部中央には、半導体ウエハ14を支持するチャック15が配置される。チャック15は、プロセスチャンバの底面から一定高さで半導体ウエハ14を固定支持する。
【0039】
プロセスチャンバの所定部分にガス排出部16が貫通設置される。ガス排出部16は、エッチング工程の前後に、チャンバ部10中のガス、例えば、反応生成物または未反応ガスなどを外部に排出する。
【0040】
以下、図2乃至図4を参照しつつ、本発明による上記エッチング装置を用いて半導体ウエハをエッチングする過程について説明する。
【0041】
まず、エッチング工程のためにチャンバ部1の内部は真空状態になる。すなわち、チャンバ部1中のガスがガス排出部16を通じてチャンバ部1の外部に排出され、チャンバ部10内部が真空状態となる。
【0042】
半導体ウエハ14は、プロセスチャンバ内に提供され、チャック15の上面に装着される。
【0043】
この状態で、ソースチャンバ内にガス供給部11からエッチング工程のための反応ガスが供給される。エッチング工程のための反応ガスは、ダウンストリーム(downstream)方式でガス供給部11からソースチャンバに供給される。反応ガスはソースチャンバ内でプラズマに変換される。高周波パワーソース部の高周波パワーユニット17aは、高周波コイル17bに高周波パワーを提供し、これにより、ソースチャンバ中の反応ガスをプラズマに変換させる。したがって、プラズマはソースチャンバの内部で集中的に生成される。このソースチャンバの内部に生成されたプラズマは、イオン、電子及びラジカルを全て含む。
【0044】
該プラズマは下降気流によってソースチャンバからプロセスチャンバに流れる。ここで、第1直流パワーソース部18から各グリッド12に直流電源が印加されると、図2の点線矢印で示すように、電場によって、特定極性及び一定の方向性を有し且つイオンを含むイオンビームが、プラズマから抽出されて加速される。
【0045】
なお、第2直流パワーソース部19から電子放出電極13に直流電源が印加されると、陽極となるイオン抽出電極の最後の電極と、陰極となる電子放出電極との電位差によって電子放出層13aから電子(e−)が放出される。電子放出電極13に入射されるイオンビームの方向に放出される電子は、イオンビームと衝突し、イオンビームを中性ビームに変換させる。この中性ビームは電子放出電極13を通過した後、図2の実線矢印で示すように、半導体ウエハ14に入射されてその表面をエッチングする。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】従来の中性ビームを用いるエッチング装置の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施例による中性ビームを用いるエッチング装置の概略断面図である。
【図3A】図2の複数のグリッドのそれぞれに形成された貫通穴の一形状例を示す図である。
【図3B】図2の複数のグリッドのそれぞれに形成された貫通穴の他の形状例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例による中性ビームを用いるエッチング装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 チャンバ部
11 ガス供給部
12 グリッド
13 電子放出電極
13a 電子放出層
14 半導体ウエハ
15 チャック
16 ガス排出部
17 高周波パワーソース部
18 第1直流パワーソース部
19 第2直流パワーソース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置であって、
前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出するイオン抽出部と、
前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させる電子放出部と、
前記中性ビームによりエッチングされる対象体を固定支持するチャックと、
を備えることを特徴とするエッチング装置。
【請求項2】
前記イオン抽出部は、それぞれ複数の貫通穴を有する複数のイオン抽出電極と、前記複数のイオン抽出電極に直流電源をそれぞれ印加する第1直流パワーソース部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項3】
前記電子放出部は、表面に電子放出層が塗布され、複数の貫通穴が形成された電子放出電極と、前記電子放出電極に直流電源を印加する第2直流パワーソース部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載のエッチング装置。
【請求項4】
前記電子放出層は、カーボンナノチューブ層からなることを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項5】
前記第1直流パワーソース部によって直流電源が印加される前記複数のイオン抽出電極のうちの最後の電極と前記第2直流パワーソース部によって直流電源が印加される前記電子放出電極間の電位差によって前記電子が放出されることを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項6】
前記電子放出電極に形成された貫通穴の直径は、前記イオン抽出電極に形成された貫通穴の直径と等しいまたは大きいことを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項7】
前記電子放出電極は、前記複数のイオン抽出電極と平行に配置され、該複数のイオン抽出電極及び電子放出電極にそれぞれ形成された貫通穴は、互いに対応して整列されたことを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項8】
チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置であって、
前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出する複数の第1電極と、
前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させる、表面に電子放出層が塗布された第2電極と、
前記複数の第1電極と第2電極との間に配置され、前記電子の放出量を調節する第3電極と、
前記中性ビームによってエッチングされる対象体を固定支持するチャックと、
を備えることを特徴とするエッチング装置。
【請求項9】
前記電子放出層は、カーボンナノチューブ層からなることを特徴とする請求項8に記載のエッチング装置。
【請求項10】
前記第2電極の表面が、前記抽出されたイオンビームの進行方向と反対方向に前記電子が放出されるように前記電子放出層で塗布されたことを特徴とする請求項9に記載のエッチング装置。
【請求項11】
前記電子は、前記第2電極と前記第3電極間の電位差によって放出されることを特徴とする請求項10に記載のエッチング装置。
【請求項12】
前記第2電極及び第3電極に形成された複数の貫通穴をさらに備え、前記第2電極に形成された貫通穴の直径は、前記第3電極に形成された貫通穴の直径と等しいまたは大きいことを特徴とする請求項8に記載のエッチング装置。
【請求項13】
前記複数の第1電極、第2電極及び第3電極は、互いに一定間隔隔たって平行に配置されたことを特徴とする請求項8に記載のエッチング装置。
【請求項14】
ソースチャンバ及び工程チャンバに区画され、前記ソースチャンバ内に生成されたプラズマからのイオンビームを用いて対象対をエッチングするエッチング装置であって、
前記イオンビームを抽出し、該イオンビームの特性を調節するイオン抽出電極のグリッドと、
前記ソースチャンバと前記工程チャンバとを区画し、前記イオン抽出電極のグリッドによって抽出された前記イオンビームを中性ビームに変換させ、また、複数の貫通穴を有する電子放出電極とを備えるエッチング装置。
【請求項15】
前記イオン抽出電極のグリッドは、
イオンビームを抽出し加速させる第1列の電極と、
前記イオンビームを減速させる第2列の電極と、
前記イオンビームを集中させる第3列の電極と、
からなることを特徴とする請求項14に記載のエッチング装置。
【請求項16】
前記電極は、イオン抽出方向に配置されることを特徴とする請求項15に記載のエッチング装置。
【請求項17】
前記第1列、第2列及び第3列上の各電極は、複数の一致する貫通穴をそれぞれ含むことを特徴とする請求項15に記載のエッチング装置。
【請求項18】
前記電子放出電極は、電子が前記イオン抽出電極のグリッドによって抽出されたイオンビームと衝突して該イオンビームを中性ビームに変換させるように電子を放出することを特徴とする請求項14に記載のエッチング装置。
【請求項19】
前記電子放出電極は、電子が前記イオンビームと均一に衝突するように、電子を進行するイオンビームに放出することを特徴とする請求項18に記載のエッチング装置。
【請求項20】
前記電子放出電極は、温度上昇無しに小さい電圧で電子を放出できる冷陰極であることを特徴とする請求項18に記載のエッチング装置。
【請求項21】
前記電子放出電極は、前記イオン抽出電極のグリッドと平行に配置されることを特徴とする請求項14に記載のエッチング装置。
【請求項22】
前記電子放出電極は、電子の放出を容易にする電子放出層を備えることを特徴とする請求項14に記載のエッチング装置。
【請求項23】
チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法であって、
前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出し、
前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させ、
前記中性ビームによってエッチングされる対象体を固定支持することを特徴とする方法。
【請求項24】
チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法であって、
前記チャンバ部内に生成されたプラズマからイオンビームを抽出し、
前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子との衝突によって中性ビームに変換させ、
前記電子の放出量を調節し、
前記中性ビームによってエッチングされる対象体を固定支持することを特徴とする方法。
【請求項25】
チャンバ部内の対象体をエッチングするエッチング装置の方法であって、
イオンビームを抽出し、
前記イオンビームの特性を調節し、
前記抽出されたイオンビームを、該イオンビームと電子が衝突するように前記電子を放出することによって中性ビームに変換させることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−166822(P2008−166822A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340549(P2007−340549)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】