説明

中枢神経系介在障害を治療するためのシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤の組成物

本発明は、中枢神経系仲介障害を治療するための方法及び組成物を提供する。より具体的には、本発明は、神経栄養因子調節剤をシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤と組み合わせて被験者に投与することを含む、中枢神経系仲介障害を治療するための併用療法剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中枢神経系介在障害を治療するための組成物及び方法を提供する。より詳細には、本発明は、神経栄養因子調節剤をシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤と組み合わせて被験者に投与することを含む、トラウマ又は神経変性性障害に起因する中枢神経系介在障害を治療するための併用療法剤に向けられる。
【背景技術】
【0002】
哺乳類における中枢神経系の進化は、困難な問題の解決を必要とする次第に複雑になる環境に対する当然の反応であった。生じた構造は、化学的に調節された規制経路の綿密な機構によって正確に統制及び減衰される複雑な生化学的マトリックスである。極めて特異的な化学反応の綿密なシリーズによって、これらの経路は、中枢神経系の全ての構造的及び操作的な局面を監督及び指揮し、それによって、生物それ自体を監督及び指揮する。通常、種々の制御機構の複雑な相互作用が協力して、脳により管理される著しく効率的な万能の中枢神経系を生じる。残念なことに、中枢神経系の生化学的マトリックスが年齢、疾患又は他の理由の何れかにより損傷された場合、正常な規制経路は損失を効率的に代償できないことがある。このような場合、このような障害を予防又は代償するために神経機構を変更又は補充することが著しく望ましいだろう。
【0003】
中枢神経系経路に主に関与するものは、神経栄養因子である。中枢神経系における支持グリア細胞及び星状細胞により分泌される神経栄養因子は、ニューロンの発達及び分化と細胞の完全性の維持の両者を刺激する種々の作用を発揮し、且つ生物のライフサイクル全体を通してニューロンの生存及び発達に必要とされる分子である。一般的に、神経栄養因子は二つの広いクラス:ニューロトロフィン及びプレイオトロフィンに分類することができる。プレイオトロフィンは、それらが細胞から分泌される分子に特徴的な分子シグナル配列を欠如しており、そしてニューロンを包含する多数の型の細胞にも影響を与えるという点で、ニューロトロフィンとは異なる。神経栄養因子の二つの効果:(i)ニューロンの死の予防、及び(ii)神経突起(新生軸索又は樹状突起の何れか)の伸長の刺激は、特に重要である。
【0004】
精神機能は、ニューロンネットワークが構成神経細胞の死又は機能不全により撹乱された場合に、変化する程度で妨げられることがある。ニューロンの撹乱に関連する有害効果は、神経変性性疾患及び障害、加齢、トラウマ、並びに有害な化学物質又は環境物質への暴露を包含する多くの要因の一つによって引き起こされることがある。
【0005】
ニューロン機能に不利な影響を与える公知の神経系疾患の中には、アルツハイマー病及び関連障害、パーキンソン病、運動神経障害性疾患、例えば筋萎縮性側索硬化症、脳性麻痺、多発性硬化症及びハンチントン病がある。同様の問題は、通常の加齢のためのニューロン接続の損失によって引き起こされることがある。直接の肉体的トラウマ又は化学物質、重金属などを包含する環境的要因もまた、ニューロン機能不全を引き起こす。
【0006】
神経障害又は機能不全の原因が何であろうとも、損傷した神経細胞が普通の条件下で十分な再成長及び再生を行うことが一般的にできないことは、神経の成長及び機能の刺激によりニューロン機能の回復を助けるために神経栄養因子を神経細胞に投与する提案に導いている。同様に、神経栄養因子の投与により神経突起生成又は神経突起の成長を刺激することは、ニューロンが生存して側副接続を形成し、且つこれにより神経機能を回復する能力に寄与することができる。
【0007】
最近、多くの研究は、中枢神経系神経栄養因子の合成及び放出を誘導する薬剤の投与により、動物及びヒトの両者において記憶及び他のニューロン機能が改善されることの間には重要な相関関係があることを示している(Potkin et al., (2002) Brain Res. 951(1):
87-95; Nguyen et al., (2003) Psychopharmacology)。これらの神経栄養因子調節剤は、血液−脳関門を越えることができ、且つ天然由来の神経栄養因子の活性を模倣する小さい分子であり、損傷後のニューロンの支持を助け(神経突起生成と呼ばれる)、そして興奮毒性損傷に対して神経保護を与える(Gaylord, SCI News Bytes (Feb. 2002) 4)。一つの研究で示されたように、神経栄養因子調節剤である Neotrofin(R) による治療は、神経成長因子(NGF)、形質転換成長因子(ベータ)(TGF9beta))及び S100B を包含する中枢神経系における種々の神経栄養因子のmRNAレベルを上昇させた(Ramirez et al., (2002) Restor. Neurol Neurosci. 20(1-2): 51-59)。NeoTherapeutics により行われた Neotrofin(R)の使用に関するさらに別の研究では、加齢誘導記憶障害を有するマウスは、作業記憶を改善することを示した。(Glasky et al., (1994) Pharmacol. Biochem Behav. 47(2): 325-329)。さらに、軽度ないし中等度のアルツハイマー病を有する500人の個体の研究もまた、Neotrofin(R)を投与した場合に精神状態及び一般的機能の試験において改善を示した(Glasky et al., (1994) Pharmacol. Biochem Behav. 47(2): 325-329)。
【0008】
さらに、幾つかの研究は、シクロオキシゲナーゼ−2が虚血カスケードの炎症成分に関与することを示している。シクロオキシゲナーゼ−2の発現は、虚血性損傷後の中枢神経系において誘導されることが知られている。一つの研究では、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤による治療は、虚血性脳損傷を受けたマウスにおいて梗塞量を減少したことが示された(Nagayama et al., (1999) J. Cereb. Blood Flow Metab. 19(11): 1213-19)。同様の研究は、シクロオキシゲナーゼ−2欠損マウスでは、シクロオキシゲナーゼ−2を発現するマウスと比べて、中脳動脈の閉塞により生じた脳損傷が著しく減少していることを示した(Iadecola et al., (2001) PNAS 98: 1294-1299)。別の研究は、別の研究は、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤による治療が、ウサギにおいて可逆性脊髄虚血により誘導された行動欠陥の改善を生じることを示した(Lapchak et al., (2001) Stroke 32(5): 1220-1230)。さらに、研究者は、神経変性性障害、例えばアルツハイマー病に冒された脳領域において炎症と同様の徴候を観察している。この慢性炎症はそれ自体が、組織に損傷を引き起こすことがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の幾つかの態様の中でも、被験者における中枢神経系介在障害の治療方法が提供される。この方法は、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその製薬上許容される塩若しくはプロドラッグを、神経栄養因子調節剤又はその製薬上許容される塩若しくはプロドラッグと組み合わせて被験者に投与することを含む。
【0010】
一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、クロメンのクラスの化合物の一員である。例えば、クロメン化合物は下記式
【化1】

の化合物であってよく、式中:
nは0、1、2、3又は4である整数であり;
GはO、S又はNRaであり;
aはアルキルであり;
1はH又はアリールであり;
2はカルボキシル、アミノカルボニル、アルキルスルホニルアミノカルボニル又はアルコキシカルボニルであり;
3は、アルキルチオ、ニトロ及びアルキルスルホニルから選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されたハロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキル又はアリールであり;そして
各R4は独立して、H、ハロ、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ニトロ、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、ヘテロアラルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシアリールカルボニル、ニトロアリール、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールカルボニル、アミノカルボニル又はアルキルカルボニルであり;
又は、R4は、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する。
【0011】
別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその製薬上許容される塩若しくはプロドラッグは、下記式
【化2】

の化合物を含み、式中:
Aは部分不飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル又は部分不飽和若しくは不飽和の炭素環式環であり;
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアリールであり、ここで、R1は置換可能な位置でアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオから選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されており;
2はメチル又はアミノであり;そして
3はH、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル又はN−アルキル−N−アリールアミノスルホニルである。
【0012】
一つの実施形態において、神経栄養因子調節剤は、レテプリニムカリウムである。
別の実施形態において、神経栄養因子調節剤は、セレブロリシンである。
別の実施形態において、神経栄養因子調節剤は、キサリプロデンである。
さらに別の実施形態において、神経栄養因子調節剤は、GM1ガングリオシドである。
【0013】
本発明の他の態様を以下にさらに詳細に記載する。
〔略語及び定義〕
「アシル」という用語は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残余により与えられる基である。このような基の例は、アルカノイル及びアロイル基を包含する。このような低級アルカノイル基の例は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル及びトリフルオロアセチルを包含する。
「アルケニル」という用語は、2〜約20個の炭素原子、又は好ましくは2〜約12個の炭素原子の少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状又は分枝状の基である。より好ましいアルキル基は、2〜約6個の炭素原子を有する「低級アルケニル」基である。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニル及び4−メチルブテニルを包含する。
【0014】
「アルケニル」及び「低級アルケニル」という用語はまた、「シス」及び「トランス」配置、又はその代わりに「E」及び「Z」配置を有する基である。「シクロアルキル」という用語は、3〜12個の炭素原子を有する飽和炭素環式基である。より好ましいシクロアルキル基は、3〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」基である。このような基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを包含する。
「アルコキシ」及び「アルキルオキシ」という用語は、それぞれ1〜約10個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖状又は分枝状のオキシ含有基である。より好ましいアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」基である。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びtert−ブトキシを包含する。
【0015】
「アルコキシアルキル」という用語は、アルキル基に結合した1個又はそれ以上のアルコキシ基を有するアルキル基であり、すなわちモノアルコキシアルキル及びジアルコキシアルキル基を形成する。「アルコキシ」基は、1個又はそれ以上のハロ原子、例えばフルオロ、クロロ又はブロモでさらに置換されてハロアルコキシ基を与えてもよい。より好ましいハロアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子及び1個又はそれ以上のハロ基を有する「低級ハロアルコキシ」基である。このような基の例は、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ及びフルオロプロポキシを包含する。
「アルコキシカルボニル」という用語は、酸素原子を介してカルボニル基に結合した上
記定義のアルコキシ基を含有する基である。より好ましいものは、1〜6個の炭素を有するアルキル部分を持つ「低級アルコキシカルボニル」基である。このような低級アルコキシカルボニル(エステル)基の例は、置換又は非置換のメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル及びヘキシルオキシカルボニルを包含する。
【0016】
「アルキル」という用語は、単独で用いるか又は「ハロアルキル」、「アルキルスルホニル」、「アルコキシアルキル」及び「ヒドロキシアルキル」のように他の用語内で用いる何れの場合にも、1〜約20個の炭素原子、又は好ましくは1〜約12個の炭素原子を有する直鎖状、環状又は分枝状の基である。より好ましいアルキル基は、1〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキル」基である。最も好ましいものは、1〜約6個の炭素原子を有する低級アルキル基である。このような基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを包含する。
【0017】
「アルキルアミノ」という用語は、1個又は2個のアルキル基で置換されているアミノ基である。好ましいものは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル部分を持つ「低級N−アルキルアミノ」基である。好適な低級アルキルアミノは、モノ又はジアルキルアミノ、例えばN−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノなどであってよい。
「アルキルアミノアルキル」という用語は、アミノアルキル基に結合した1個又はそれ以上のアルキル基を有する基である。
【0018】
「アルキルアミノカルボニル」という用語は、アミノ窒素原子上で1個又は2個のアルキル基で置換されているアミノカルボニル基である。好ましいものは、「N−アルキルアミノカルボニル」、「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」基である。より好ましいものは、上記定義の低級アルキル部分を有する「低級N−アルキルアミノカルボニル」、「低級N,N−ジアルキルアミノカルボニル」である。
「アルキルカルボニル」、「アリールカルボニル」及び「アラルキルカルボニル」という用語は、カルボニル基に結合した上記定義のアルキル、アリール及びアラルキル基を有する基を包含する。このような基の例は、置換又は非置換のメチルカルボニル、エチルカルボニル、フェニルカルボニル及びベンジルカルボニルを包含する。
【0019】
「アルキルチオ」という用語は、2価の硫黄原子に結合した1〜約10個の炭素原子の直鎖状又は分枝状のアルキル基を含有する基である。より好ましいアルキルチオ基は、1〜6個の炭素原子のアルキル部分を有する「低級アルキルチオ」基である。このような低級アルキルチオ基の例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ及びヘキシルチオを包含する。
「アルキルチオアルキル」という用語は、2価の硫黄原子を介して1〜約10個の炭素原子のアルキル基に結合したアルキルチオ基を含有する基である。より好ましいアルキルチオアルキル基は、1〜6個の炭素原子のアルキル基を有する「低級アルキルチオアルキル」基である。このような低級アルキルチオアルキル基の例は、メチルチオメチルを包含する。
【0020】
「アルキルスルフィニル」という用語は、2価の−S(=O)−基に結合した1〜約10個の炭素原子の直鎖状又は分枝状のアルキル基を含有する基である。より好ましいアルキルスルフィニル基は、1〜6個の炭素原子のアルキル基を有する「低級アルキルスルフィニル」基である。このような低級アルキルスルフィニル基の例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニルを包含する。
「アルキニル」という用語は、2〜約20個の炭素原子、又は好ましくは2〜約12個
の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の基である。より好ましいアルキニル基は、2〜約10個の炭素原子を有する「低級アルキニル」基である。最も好ましいものは、2〜約6個の炭素原子を有する低級アルキニル基である。このような基の例は、プロパルギル、ブチニルなどを包含する。
【0021】
「アミノアルキル」という用語は、1個又はそれ以上のアミノ基で置換されたアルキル基である。より好ましいものは、「低級アミノアルキル」基である。このような基の例は、アミノメチル、アミノエチルなどを包含する。
「アミノカルボニル」という用語は、式−C(=O)NH2のアミド基である。
「アラルコキシ」という用語は、酸素原子を介して他の基に結合したアラルキル基である。
「アラルコキシアルキル」という用語は、酸素原子を介してアルキル基に結合したアラルコキシ基である。
「アラルキル」という用語は、アリールで置換されたアルキル基、例えばベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、フェニルエチル及びジフェニルエチルである。該アラルキルのアリールは、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロアルコキシでさらに置換されていてもよい。ベンジル及びフェニルメチルという用語は、交換可能である。
【0022】
「アラルキルアミノ」という用語は、アミノ窒素原子を介して他の基に結合したアラルキル基である。「N−アリールアミノアルキル」及び「N−アリール−N−アルキル−アミノアルキル」という用語は、それぞれ1個のアリール基又は1個のアリール基と1個のアルキル基で置換されているアミノ基であり、そのアミノ基はアルキル基に結合している。このような基の例は、N−フェニルアミノメチル及びN−フェニル−N−メチルアミノメチルを包含する。
「アラルキルチオ」という用語は、硫黄原子に結合したアラルキル基である。
「アラルキルチオアルキル」という用語は、硫黄原子を介してアルキル基に結合したアラルキルチオ基である。
「アロイル」という用語は、上記定義のカルボニル基を有するアリール基である。アロイルの例は、ベンゾイル、ナフトイルなどを包含し、そして該アロイルのアリールはさらに置換されていてもよい。
【0023】
「アリール」という用語は、単独で又は組み合わせて、1個、2個又は3個の環を含有する炭素環式芳香族系であり、ここで、このような環はペンダント様式で一緒に結合していてもよく、又は縮合していてもよい。「アリール」という用語は、芳香族基、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン及びビフェニルを包含する。アリール部分構造は、置換可能な位置でアルキル、アルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニルアルキル、アルコキシ、アラルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、ハロ、ニトロ、アルキルアミノ、アシル、シアノ、カルボキシ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル及びアラルコキシカルボニルから独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよい。
「アリールアミノ」という用語は、1個又は2個のアリール基で置換されているアミノ基、例えばN−フェニルアミノである。「アリールアミノ」基は、この基のアリール環部分上でさらに置換されていてもよい。
【0024】
「アリールオキシアルキル」という用語は、2価の酸素原子を介してアルキル基に結合したアリール基を有する基である。
「アリールチオアルキル」という用語は、2価の硫黄原子を介してアルキル基に結合したアリール基を有する基である。
「カルボニル」という用語は、単独で用いようと又は「アルコキシカルボニル」のよう
に他の用語と共に用いようと、−(C=O)−である。
「カルボキシ」又は「カルボキシル」という用語は、単独で用いようと又は「カルボキシアルキル」のように他の用語と共に用いようと、−CO2Hである。
「カルボキシアルキル」という用語は、カルボキシ基で置換されたアルキル基である。より好ましいものは、上記定義の低級アルキル基である「低級カルボキシアルキル」であり、そしてアルキル基上でハロでさらに置換されていてもよい。このような低級カルボキシアルキル基の例は、カルボキシメチル、カルボキシエチル及びカルボキシプロピルを包含する。
【0025】
「シクロアルケニル」という用語は、3〜12個の炭素原子を有する部分不飽和の炭素環式基である。より好ましいシクロアルケニル基は、4〜約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルケニル」基である。このような基の例は、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル及びシクロヘキセニルを包含する。
【0026】
「シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤」という用語は、シクロオキシゲナーゼ−1よりもシクロオキシゲナーゼ−2を選択的に阻害できる化合物である。典型的には、それは、約0.2マイクロモル未満のシクロオキシゲナーゼ−2 IC50を有し、そしてまた少なくとも約5、より典型的には少なくとも約50、より一層典型的には少なくとも約100のシクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)IC50対シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)IC50の選択率を有する化合物を包含する。さらに、本明細書に記載するシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、約1マイクロモルより大きい、より好ましくは10マイクロモルより大きいシクロオキシゲナーゼ−1 IC50を有する。「シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤」という用語はまた、その任意の異性体、製薬上許容される塩、エステル又はプロドラッグを包含する。本発明方法に用いられるアラキドン酸の代謝におけるシクロオキシゲナーゼ経路の阻害剤は、種々のメカニズムによって酵素活性を阻害することができる。一例として、また限定することなく、本明細書に記載の方法に用いられる阻害剤は、酵素の基質として作用することにより酵素活性を直接ブロックすることができる。
「ハロ」という用語は、ハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
「ハロアルキル」という用語は、アルキル炭素原子の何れか1個又はそれ以上が上記定義のハロで置換されている基である。具体的に包含されるものは、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びポリハロアルキル基である。モノハロアルキル基は、一例として、その基内にヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロ原子の何れかを有することができる。ジハロ及びポリハロアルキル基は、2個又はそれ以上の同一ハロ原子又は異なるハロ原子の組み合わせを有することができる。「低級ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する基である。ハロアルキル基の例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピルを包含する。
【0027】
「ヘテロアリール」という用語は、不飽和ヘテロシクリル基である。「ヘテロアリール」基とも呼ばれる不飽和ヘテロシクリル基の例は、1〜4個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル(例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリルなど)、テトラゾリル(例えば、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリルなど)、その他;1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル(例えば、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニルなど)、その他;酸素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、ピラニル、フリル、その他;硫黄原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、チエニル、その他;1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリルなど)、その他;1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリルなど);1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和3〜6員ヘテロ単環式基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリルなど)、その他;1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合ヘテロシクリル基(例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなど)その他を包含する。この用語はまた、ヘテロシクリル基がアリール基と縮合した基を包含する。このような縮合二環式基の例は、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンなどを包含する。該「ヘテロシクリル基」は、1〜3個の置換基、例えばアルキル、ヒドロキシル、ハロ、アルコキシ、オキソ、アミノ及びアルキルアミノを有していてもよい。
【0028】
「ヘテロシクリル」という用語は、飽和、部分不飽和及び不飽和のヘテロ原子含有環状基であり、ここで、ヘテロ原子は窒素、硫黄及び酸素から選択することができる。飽和ヘテロシクリル基の例は、1〜4個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニルなど);1〜2個の酸素原子及び1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、モルホリニルなど);1〜2個の硫黄原子及び1〜3個の窒素原子を含有する飽和3〜6員ヘテロ単環式基(例えば、チアゾリジニルなど)を包含する。部分不飽和ヘテロシクリル基の例は、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン及びジヒドロチアゾールを包含する。
【0029】
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、飽和及び部分不飽和のヘテロシクリルで置換されたアルキル基、例えばピロリジニルメチル、並びにヘテロアリールで置換されたアルキル基、例えばピリジルメチル、キノリルメチル、チエニルメチル、フリルエチル及びキノリルエチルである。該へテロアラルキルのヘテロアリールは、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル及びハロアルコキシでさらに置換されていてもよい。
「ヒドリド」という用語は、1個の水素原子(H)である。このヒドリド基は、例えば、酸素原子に結合してヒドロキシル基を形成してもよく、又は2個のヒドリド基は、炭素原子に結合してメチレン(−CH2−)を形成してもよい。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1〜約10個の炭素原子(その何れか1個は1個又はそれ以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい)を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基である。より好ましいヒドロキシアルキル基は、1〜6個の炭素原子及び1個又はそれ以上のヒドロキシル基を有する「低級ヒドロキシアルキル」基である。このような基の例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル及びヒドロキシヘキシルを包含する。
【0030】
神経栄養因子と関連して用いる場合の「模倣」という用語は、模倣が同じ反応関与体を用いる反応を触媒することができ、且つその反応があたかも天然由来の神経栄養因子で触媒されたかのように同じ生成物を生成するように、天然由来の神経栄養因子の効果を模倣する能力を有する化合物を意味する。この用語は、任意の自然源から得られた何れの神経栄養因子をも明示的に除外する。
本明細書で用いる「調節」という用語は、生物学的に活性な分子の生物学的活性の変化を指す。調節は、生物学的に活性な分子の活性の増加若しくは減少、結合特性の変化、又は生物学的、機能的若しくは免疫学的性質における任意の他の変化であってよい。
【0031】
「神経栄養因子調節剤」という用語は、中枢神経系神経栄養因子の合成及び放出を誘導する物質を意味するために本明細書で用いられる。具体的には、これらの物質は、神経細胞再生、神経突起生成を引き起こす神経栄養因子を産生する遺伝子を活性化し、そして興奮毒性損傷に対して神経保護を与える。このクラスの物質は、天然由来の神経栄養因子の効果を模倣する物質をさらに包含することができる。
【0032】
「製薬上許容される」という用語は、修飾される名詞が製薬用生成物に使用するのに適切であることを意味するために本明細書で形容詞的に用いられ;すなわち、「製薬上許容される」材料は、相対的に安全及び/又は無毒性であるが、それだけで分離可能な治療上の利益を必ずしも与えるとは限らない。製薬上許容されるカチオンは、金属イオン及び有機イオンを包含する。より好ましい金属イオンは、適切なアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び他の生理的に許容される金属イオンを包含するが、これらに限定されるものではない。模範的なイオンは、それらの通常の原子価のアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛を包含する。好ましい有機イオンは、プロトン化第三級アミン及び第四級アンモニウムカチオンを包含し、それらの一部は、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインを包含する。模範的な製薬上許容される酸は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸などを包含するが、これらに限定されるものではない。
【0033】
「プロドラッグ」という用語は、被験者の体内での代謝又は単純な化学的方法により治療化合物に変換できる化合物を指す。例えば、COX−2阻害剤のプロドラッグのクラスは、米国特許第5,932,598号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
治療目的の「被験者」という用語は、中枢神経系介在障害の治療が必要であるか、又は中枢神経系介在障害を発症する危険性のある任意のヒト又は動物の被験者を包含する。被験者は、家畜の種、実験動物の種、動物園の動物の種又はコンパニオン動物であってよい。一つの実施形態において、被験者は哺乳類である。別の実施形態において、哺乳類はヒトである。
【0034】
「スルホニル」という用語は、単独で用いようと又はアルキルスルホニルのように他の用語と連結しようと、2価の基−SO2−である。「アルキルスルホニル」は、スルホニル基に結合したアルキル基であり、ここで、アルキルは上記定義のとおりである。より好ましいアルキルスルホニル基は、1〜6個の炭素原子を有する「低級アルキルスルホニル」基である。このような低級アルキルスルホニル基の例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル及びプロピルスルホニルを包含する。「アルキルスルホニル」基は、1個又はそれ以上のハロ原子、例えばフルオロ、クロロ又はブロモでさらに置換されてハロアルキルスルホニル基を与えてもよい。「スルファミル」、「アミノスルホニル」及び「スルホンアミジル」という用語は、NH22S−である。
【0035】
「治療有効」という語句は、治療しないか又は各物質単独で治療した場合を超えて障害の重症度及び発生頻度を改善するという目標を達成するであろう各物質の量(すなわち、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤の量及び神経栄養因子調節剤の量)を修飾することを意図している。
「血栓事象」又は「血栓塞栓事象」という用語は、動脈血栓症を包含するが、これに限定されるものではなく、これは、ステント及び移植片血栓症、心臓血栓症、冠状動脈血栓症、心臓弁血栓症、肺血栓症及び静脈血栓症を包含する。心臓血栓症は、心臓内の血栓症
である。肺血栓症は、肺内の血栓症である。動脈血栓症は、動脈内の血栓症である。冠状動脈血栓症は、冠状動脈内の閉塞性血栓の進行であり、突然死又は心筋梗塞をしばしば引き起こす。静脈血栓症は、静脈内の血栓症である。心臓弁血栓症は、心臓弁上の血栓症である。ステント血栓症は、血管ステントに由来し、そして/又はその付近に位置する血栓症である。移植片血栓症は、埋め込まれた移植片、特に血管移植片に由来し、そして/又はその付近に位置する血栓症である。本明細書で用いる血栓事象は、身体内のどこにでも生じる局所的血栓事象及び末梢血栓事象(例えば、血栓塞栓事象、例えば塞栓性脳卒中など)を包含することを意図している。
【0036】
本明細書で用いる「治療する」又は「治療」という用語は、併用療法剤を中枢神経系の損傷が知られている被験者に投与することを包含する。他の態様において、それはまた、臨床的に明らかな中枢神経系損傷の発現を全体的に防止すること、又は中枢神経系損傷の発症前に明らかな段階の発現を防止することの何れをも包含する。この定義は、予防的治療を包含する。
「脈管閉塞事象」という用語は、血管、ステント又は血管移植片の部分的閉塞(狭窄を包含する)又は完全閉塞を包含する。脈管閉塞事象は、血栓又は血栓塞栓事象、及びそれらが引き起こす血管閉塞性障害又は症状を包含することを意図している。従って、脈管閉塞事象は、血栓又は血栓塞栓事象に由来する部分的又は全体的血管閉塞に帰着する全ての血管閉塞性障害を包含することを意図している。
【0037】
〔好ましい実施形態の説明〕
本発明は、COX−2選択的阻害剤の治療有効量を神経栄養因子調節剤の治療有効量と組み合わせて被験者に投与することを含む、併用療法剤を提供する。併用療法剤は、中枢神経系へのトラウマ又は神経変性性障害に起因する中枢神経系介在障害を治療又は予防するために用いられる。併用療法剤の一部として投与した場合に、COX−2選択的阻害剤は神経栄養因子調節剤と一緒になって、神経栄養因子調節剤又はCOX−2選択的阻害剤の何れか単独の投与と比べて向上した治療選択肢を与える。
【0038】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤
多数の好適なシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はそれらの異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを、本発明の組成物に用いることができる。一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、例えば、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤メロキシカムであってよい。
【化3】

【0039】
また別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、式B−2のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤、6−[[5−(4−クロロベンゾイル)−1,4−ジメチル−1H−ピロール−2−イル]メチル]−3(2H)−ピリダジノン(CAS登録番号 179382-91-3)である。
【化4】

【0040】
さらに別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、クロメン化合物であり、これは置換ベンゾピラン又は置換ベンゾピラン類似体であり、そしてよりいっそう典型的には、置換されたベンゾチオピラン、ジヒドロキノリン、ジヒドロナフタリン、又は下記に示す式Iを有し、且つ一例として表1に開示する構造を有する化合物であるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明方法の実施に有用なベンゾピランシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、米国特許第6,034,256号及び6,077,850号に記載されており、これらは参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0041】
別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、式I:
【化5】

で表されるクロメン化合物であり、式中:
nは0、1、2、3又は4である整数であり;
GはO、S又はNRaであり;
aはアルキルであり;
1はH又はアリールであり;
2はカルボキシル、低級アルキル、低級アラルキル、アミノカルボニル、アルキルスルホニルアミノカルボニル又はアルコキシカルボニルであり;
3は、アルキルチオ、ニトロ及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されたハロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキル又はアリールであり;そして
各R4は独立して、H、ハロ、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ニトロ、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、ヘテロアラルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシアリールカルボニル、ニトロアリール、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールカルボニル、アミノカルボニル又はアルキルカルボニルであり;又は、R4は、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する。
【0042】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが0、1、2、3又は4である整数であり;
GがO、S又はNRaであり;
aがアルキルであり;
1がHであり;
2がカルボキシル、アミノカルボニル、アルキルスルホニルアミノカルボニル又はアルコキシカルボニルであり;
3が、アルキルチオ、ニトロ及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されたハロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキル又はアリールであり;そして
各R4が独立して、ヒドリド、ハロ、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ニトロ、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、ヘテロアラルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、アルキルスルホニル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールカルボニル、アミノカルボニル又はアルキルカルボニルであり;又は、R4が、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する、式(I)の化合物であってよい。
【0043】
もう一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが0、1、2、3又は4である整数であり;
Gが酸素又は硫黄であり;
1がHであり;
2がカルボキシル、低級アルキル、低級アラルキル又は低級アルコキシカルボニルであり;
3が低級ハロアルキル、低級シクロアルキル又フェニルであり;そして
各R4が独立して、H、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、低級ハロアルコキシ、低級アルキルアミノ、ニトロ、アミノ、アミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、5員ヘテロアリールアルキルアミノスルホニル、6員ヘテロアリールアルキルアミノスルホニル、低級アラルキルアミノスルホニル、5員の窒素含有ヘテロシクロスルホニル、6員の窒素含有ヘテロシクロスルホニル、低級アルキルスルホニル、場合により置換されたフェニル、低級アラルキルカルボニル又は低級アルキルカルボニルであり;又は、R4が、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する、式(I)の化合物であってよい。
【0044】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが0、1、2、3又は4である整数であり;
Gが酸素又は硫黄であり;
1がHであり;
2がカルボキシルであり;
3が低級ハロアルキルであり;そして
各R4が独立して、H、ハロ、低級アルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルコキシ、低級アルキルアミノ、アミノ、アミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、5員ヘテロアリールアルキルアミノスルホニル、6員ヘテロアリールアルキルアミノスルホニル、低級アラルキルアミノスルホニル、低級アルキルスルホニル、6員の窒素含有ヘテロシクロスルホニル、場合により置換されたフェニル、低級アラルキルカルボニル又は低級アルキルカルボニルであり;又は、R4が、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する、式(I)の化合物であってよい。
【0045】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが0、1、2、3又は4である整数であり;
Gが酸素又は硫黄であり;
1がHであり;
2がカルボキシルであり;
3がフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、ジクロロプロピル、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;そして
各R4が独立して、H、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、tertブチルオキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−フェニルメチルアミノスルホニル、N−フェニルエチルアミノスルホニル、N−(2−フリルメチル)アミノスルホニル、ニトロ、N,N−ジメチルアミノスルホニル、アミノスルホニル、N−メチルアミノスルホニル、N−エチルスルホニル、2,2−ジメチルエチルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N−(2−メチルプロピル)アミノスルホニル、N−モルホリノスルホニル、メチルスルホニル、ベンジルカルボニル、2,2−ジメチルプロピルカルボニル、フェニルアセチル又はフェニルであり;又は、R4が、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する、式(I)の化合物であってよい。
【0046】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが0、1、2、3又は4である整数であり;
Gが酸素又は硫黄であり;
1がHであり;
2がカルボキシルであり;
3がトリフルオロメチル又はペンタフルオロエチルであり;そして
各R4が独立して、H、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、N−フェニルメチルアミノスルホニル、N−フェニルエチルアミノスルホニル、N−(2−フリルメチル)アミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N−メチルアミノスルホニル、N−(2,2−ジメチルエチル)アミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、2−メチルプロピルアミノスルホニル、N−モルホリノスルホニル、メチルスルホニル、ベンジルカルボニル又はフェニルであり;又は、R4が、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する、式(I)の化合物であってよい。
【0047】
さらに別の実施形態において、本発明方法に関連して用いられるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(I)中:
nが4であり;
GがO又はSであり;
1がHであり;
2がCO2Hであり;
3が低級ハロアルキルであり;
9に相当する第一のR4がヒドリド又はハロであり、
10に相当する第二のR4がH、ハロ、低級アルキル、低級ハロアルコキシ、低級アルコキシ、低級アラルキルカルボニル、低級ジアルキルアミノスルホニル、低級アルキルアミノスルホニル、低級アラルキルアミノスルホニル、低級ヘテロアラルキルアミノスルホニル、5員の窒素含有ヘテロシクロスルホニル又は6員の窒素含有ヘテロシクロスルホニルであり;
11に相当する第三のR4がH、低級アルキル、ハロ、低級アルコキシ又はアリールであり;そして
【0048】
12に相当する第四のR4がH、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ又はアリールである、式(I)の構造を有する化合物であってよく;
ここで、式(I)は、式(Ia):
【化6】

で表される。
【0049】
本発明方法に関連して用いられるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤はまた、式(Ia)中:
GがO又はSであり;
3がトリフルオロメチル又はペンタフルオロエチルであり;
9がH、クロロ又はフルオロであり、
10がH、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、メチル、tert−ブチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、ベンジルカルボニル、ジメチルアミノスルホニル、イソプロピルアミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ベンジルアミノスルホニル、フェニルエチルアミノスルホニル、メチルプロピルアミノスルホニル、メチルスルホニル又はモルホリノスルホニルであり;
11がH、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、クロロ、メトキシ、ジエチルアミノ又はフェニルであり;そして
12がH、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、tert−ブチル、メトキシ又はフェニルである、式(Ia)の構造を有する化合物であってよい。
模範的なクロメンシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤の例を下記の表1に示す。
【0050】
【表1】

【表2】

【表3】

【0051】
もう一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、式II
【化7】

の一般構造で表される三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤のクラスから選択され、式中:
Aは部分不飽和又は不飽和のヘテロシクリル環、又は部分不飽和又は不飽和の炭素環式環であり;
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアリールであり、ここで、R1は置換可能な位置でアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ及びアルキルチオから選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されており;
2はメチル又はアミノであり;そして
3はH、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル又はN−アルキル−N−アリールアミノスルホニルである。
【0052】
別の実施形態において、上記式IIで表されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、セレコキシブ(B-18; 米国特許第 5,466,823 号;CAS No.169590-42-5)、バルデコキシブ(B-19; 米国特許第 5,633,272 号;CAS No.181695-72-7)、デラコキシブ(B-20;米国特許第 5,521,207 号;CAS No.169590-41-4)、ロフェコキシブ(B-21;CAS No. 162011-90-7)、エトリコキシブ(MK-663;B-22;PCT公開 WO 98/03484)、チルマコキシブ(JTE-522;B-23;CAS No. 180200-68-4)及びシミコキシブ(UR-8880;B23a;CAS No. 265114-23-6)からなる、表2に示す化合物群から選択される。
【0053】
【表4】

【表5】

【0054】
さらに別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、セレコキシブ、ロフェコキシブ又はエトリコキシブである。
さらに別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、パレコキシブ(B-24、米国特許第5,932,598号、CAS No.198470-84-7)であり、これは三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤バルデコキシブ、B−19の治療上有効なプロドラッグであり、シクロオキシゲナーゼ阻害剤源として有利に採用することができる(米国特許第5,932,598号、参照により本明細書に組み込まれる)。
【化8】

【0055】
パレコキシブの一つの形態はナトリウムパレコキシブである。
本発明の別の実施形態において、国際公開番号WO 00/24719号(これは参照により本明細書に組み込まれる)に以前に記載された式B−25を有する化合物は、有利に採用できる別の三環式シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤である。
【化9】

【0056】
本発明方法に関連して有用である別のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、下記にB−26として示す構造を有するN−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)−メタンスルホンアミド(NS-398)である。
【化10】

【0057】
さらにもう一つの実施形態において、本発明方法に関連して用いられるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、式(III):
【化11】

の一般構造で表されるフェニル酢酸誘導体シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤のクラスから選択することができ、式中:
16はメチル又はエチルであり;
17はクロロ又はフルオロであり;
18は水素又はフルオロであり;
19は水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ又はヒドロキシであり;
20は水素又はフルオロであり;そして
21はクロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメチルであり、ただし、R16がエチルであり、そしてR19がHである場合には、R17、R18、R20及びR21のそれぞれはフルオロではないものとする。
【0058】
本発明方法に関連して用いられる別のフェニル酢酸誘導体シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、COX 189(ルミラコキシブ;B-211)の名称を有し、式(III)中:
16がエチルであり;
17及びR19がクロロであり;
18及びR20が水素であり;そして
21がメチルである、式(III)で示す構造を有する化合物である。
【0059】
さらに別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、式(IV):
【化12】

で表され、式中:
XはO又はSであり;
Jは炭素環又はヘテロ環であり;
22はNHSO2CH3又はFであり;
23はH、NO2又はFであり;そして
24はH、NHSO2CH3又は(SO2CH3)C64である。
【0060】
別の実施形態によれば、本発明方法に用いられるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、構造式(V):
【化13】

を有し、式中:
T及びMは独立して、フェニル、ナフチル、5〜6員を含み、且つ1〜4個のヘテロ原子を有するヘテロ環から誘導される基、又は3〜7個の炭素原子を有する飽和炭化水素環から誘導される基であり;
25、R26、R27及びR28は独立して、水素、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基、1〜6個の炭素原子を有する低級ハロアルキル基、又はフェニル、ナフチル、チエニル、フリル及びピリジルからなる群から選択される芳香族基であり;又は
25及びR26はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル、又は3〜7個の炭素原子を有する飽和炭化水素環を形成し;又は
27及びR28はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル、又は3〜7個の炭素原子を有する飽和炭化水素環を形成し;
1、Q2、L1又はL2は独立して、水素、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、トリフルオロメチル、1〜6個の炭素原子を有する低級メトキシ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルであり;そしてQ1、Q2、L1又はL2の少なくとも一つはパラ位にあり、且つ−S(O)n−Rであり、ここで、nは0、1又は2であり、Rは1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基又は1〜6個の炭素原子を有する低級ハロアルキル基又は−SO2NH2であり;又はQ1及びQ2は一緒になって、メチレンジオキシを形成し;又はL1及びL2は一緒になって、メチレンジオキシを形成する。
【0061】
別の実施形態において、式(V)の構造を有する化合物N−(2−シクロヘキシルオキシニトロフェニル)メタンスルホンアミド、及び(E)−4−[(4−メチルフェニル)(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニリデン)メチル]ベンゼンスルホンアミドが、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤として採用される。
【0062】
もう一つの実施形態において、本発明方法に関連して用いられるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤として有用である化合物は(それらの構造を以下の表3に示す)、下記の化合物を包含するが、これらに限定されるものではない:
6−クロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-27);
6−クロロ−7−メチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-28);
8−(1−メチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-29);
6−クロロ−8−(1−メチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-30);
2−トリフルオロメチル−3H−ナフト[2,1-b]ピラン−3−カルボン酸(B-31);
7−(1,1−ジメチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-32);
6−ブロモ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-33);
8−クロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-34);
6−トリフルオロメトキシ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-35);
5,7−ジクロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-36);
8−フェニル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-37);
7,8−ジメチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-38);
6,8−ビス(ジメチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-39);
【0063】
7−(1−メチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-40);
7−フェニル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-41);
6−クロロ−7−エチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-42);
6−クロロ−8−エチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン
酸(B-43);
6−クロロ−7−フェニル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-44);
6,7−ジクロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-45);
6,8−ジクロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-46);
6−クロロ−8−メチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-47);
8−クロロ−6−メチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-48);
8−クロロ−6−メトキシ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-49);
6−ブロモ−8−クロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-50);
【0064】
8−ブロモ−6−フルオロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-51);
8−ブロモ−6−メチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-52);
8−ブロモ−5−フルオロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-53);
6−クロロ−8−フルオロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-54);
6−ブロモ−8−メトキシ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-55);
6−[[(フェニルメチル)アミノ]スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-56);
6−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-57);
6−[(メチルアミノ)スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-58);
6−[(4−モルホリノ)スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-59);
6−[(1,1−ジメチルエチル)アミノスルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-60);
【0065】
6−[(2−メチルプロピル)アミノスルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-61);
6−メチルスルホニル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-62);
8−クロロ−6−[[(フェニルメチル)アミノ]スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-63);
6−フェニルアセチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-64);
6,8−ジブロモ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-65);
8−クロロ−5,6−ジメチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-66);
6,8−ジクロロ−(S)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸
(B-67);
6−ベンジルスルホニル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-68);
6−[[N−(2−フリルメチル)アミノ]スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-69);
6−[[N−(2−フェニルエチル)アミノ]スルホニル]−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-70);
【0066】
6−ヨード−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-71);
7−(1,1−ジメチルエチル)−2−ペンタフルオロエチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-72);
6−クロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾチオピラン−3−カルボン酸(B-73);
3−[(3−クロロ−フェニル)−(4−メタンスルホニル−フェニル) −メチレン]−ジヒドロ−フラン−2−オン(B-74);
8−アセチル−3−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルスルホニル)フェニル−イミダゾ(1,2-a)ピリジン(B-75);
5,5−ジメチル−4−(4−メチルスルホニル)フェニル−3−フェニル−2−(5H)−フラノン(B-76);
5−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール(B-77);
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4-(メチルスルホニル)フェニル]−1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)ピラゾール(B-78);
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル]−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-79);
4−(3,5−ビス(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-80);
【0067】
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-81);
4−(3,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-82);
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-83);
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-84);
4−(5−(4−クロロフェニル)−3−(5−クロロ−2−チエニル)−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-85);
4−(4−クロロ−3,5−ジフェニル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(B-86);
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-87);
4−[5−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-88);
4−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-89);
4−[5−(4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-90);
【0068】
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベ
ンゼンスルホンアミド(B-91);
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-92);
4−[4−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-93);
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-94);
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-95);
4−[3−(ジフルオロメチル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-96);
4−[3−シアノ−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-97);
4−[3−(ジフルオロフェニル)−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-98);
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-99);
4−[4−クロロ−5−フェニル−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-100);
【0069】
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(ヒドロキシメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-101);
4−[5−(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-102);
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン(B-103);
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-104);
6−(4−フルオロフェニル)−7−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[3.4]オクタ−6−エン(B-105);
5−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン(B-106);
4−[6−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-107);
5−(3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン(B-108);
5−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン(B-109);
4−[6−(3,4−ジクロロフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−5−エン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-110);
【0070】
2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール(B-111);
2−(2−クロロフェニル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール(B-112);
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−メチルチアゾール(B-113);
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール(B-114);
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(2−チエニル)チ
アゾール(B-115);
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−ベンジルアミノチアゾール(B-116);
4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−(1−プロピルアミノ)チアゾール(B-117);
2−[(3,5−ジクロロフェノキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]チアゾール(B-118);
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチルチアゾール(B-119);
1−メチルスルホニル−4−[1,1−ジメチル−4−(4−フルオロフェニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼン(B-120);
【0071】
4−[4−(4−フルオロフェニル)−1,1−ジメチルシクロペンタ−2,4−ジエン−3−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-121);
5−(4−フルオロフェニル)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン(B-122);
4−[6−(4−フルオロフェニル)スピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−5−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-123);
6−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル(B-124);
2−ブロモ−6−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−ピリジン−3−カルボニトリル(B-125);
6−(4−フルオロフェニル)− 5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニル−ピリジン−3−カルボニトリル(B-126);
4−[2−(4−メチルピリジン−2−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-127);
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-128);
4−[2−(2−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-129);
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-130);
【0072】
2−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-131);
2−メチル−4−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-132);
2−メチル−6−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-133);
4−[2−(6−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-134);
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(B-135);
4−[2−(4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-136);
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−メチル−1H−イミダゾール(B-137);
2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−フェニル−1H−イミダゾール(B-138);
2−(4−クロロフェニル)−4−(フルオロフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニ
ル]−1H−イミダゾール(B-139);
2−(3−フルオロ−メトキシフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(B-140);
【0073】
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]− 2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール(B-141);
2−(4−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメ
チル−1H−イミダゾール(B-142);
4−[2−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-143);
2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(B-144);
4−[2−(3−フルオロ−5−メチルフェニル)− 4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-145);
2−(3−メチルフェニル)−1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(B-146);
4−[2−(3−メチルフェニル)− 4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-147);
1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール(B-148);
4−[2−(3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-149);
4−[2−フェニル−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-150);
4−[2−(4−メトキシ−3−クロロフェニル)−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-151);
【0074】
1−アリル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(B-152);
4−[1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-153);
N−フェニル−[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]アセトアミド(B-154);
[4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]酢酸エチル(B-155);
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−1H−ピラゾール(B-156);
4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1−(2−フェニルエチル)−5−(トリフルオロメチル)ピラゾール(B-157);
1−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−3−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(B-158);
5−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−2−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール(B-159);
4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−(2−チオフェニル)−2−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(B-160);
【0075】
5−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシ−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(B-161);
2−エトキシ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(B-162);
5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−(2−プロピル
オキシ)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(B-163);
2−ブロモ−5−(4−フルオロフェニル)−4−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(B-164);
4−[2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−4,5−ジフルオロフェニル]ベンゼンスルホンアミド(B-165);
1−(4−フルオロフェニル)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ベンゼン(B-166)

5−ジフルオロメチル−4−(4−メチルスルホニルフェニル)−3−フェニルイソオキサゾール(B-167);
4−[3−エチル−5−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-168);
4−[5−ジフルオロメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-169);
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-170);
【0076】
4−[5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-171);
1−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-172);
1−[2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-173);
1−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-174);
1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-175);
1−[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-176);
1−[2−(4−メチルチオフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-177);
1−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-178);
4−[2−(4−フルオロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-179);
1−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-180);
【0077】
4−[2−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチルシクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-181);
4−[2−(4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-182);
4−[2−(4−クロロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-183);
1−[2−(4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-184);
1−[2−(2,3−ジフルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルスルホニル)ベンゼン(B-185);
4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-186);
1−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]−4−(メチルス
ルホニル)ベンゼン(B-187);
4−[2−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-188);
4−[2−(2−メチルピリジン−5−イル)シクロペンテン−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-189);
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]−2−ベンジル-酢酸エチル(B-190);
【0078】
2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール−2−イル]酢酸(B-191);
2−(tert−ブチル)−4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール(B-192);
4−(4−フルオロフェニル)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2−フェニルオキサゾール(B-193);
4−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]オキサゾール(B-194);
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド(B-195);
6−クロロ−7−(1,1−ジメチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-196);
6−クロロ−8−メチル−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸(B-197);
5,5−ジメチル−3−(3−フルオロフェニル)−4−メチルスルホニル−2(5H)−フラノン(B-198);
6−クロロ−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾチオピラン−3−カルボン酸(B-199);
4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-200);
【0079】
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-201);
4−[5−(3−フルオロ−メトキシフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-202);
3−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-203);
2−メチル−5−[1−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−4−トリフルオロメチル−1H−イミダゾール−2−イル]ピリジン(B-204);
4−[2−(5−メチルピリジン−3−イル)−4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-205);
4−[5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-206);
4−[5−ヒドロキシメチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル]ベンゼンスルホンアミド(B-207);
[2−トリフルオロメチル−5−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド(B-208);
4−[2−メチル−4−フェニル−5−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド(B-209);
4−[5−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−4−オキサゾリル]ベンゼンスルホンアミド(B-210);
【0080】
[2−(2−クロロ−6−フルオロ−フェニルアミノ)−5−メチル−フェニル]酢酸又はCOX 189(ルミラコキシブ;B-211);
N−(4−ニトロ−2−フェノキシ−フェニル)メタンスルホンアミド又はニメスリド(B-212);
N−[6−(2,4−ジフルオロ−フェノキシ)−1−オキソ−インダン−5−イル]メタンスルホンアミド又はフロスリド(B-213);
N−[6−(2,4−ジフルオロ−フェニルスルファニル)−1−オキソ−1H−インデン−5−イル]メタンスルホンアミド、ナトリウム塩(B-214);
N−[5−(4−フルオロ−フェニルスルファニル)−チオフェン−2−イル]メタンスルホンアミド(B-215);
3−(3,4−ジフルオロ−フェノキシ)−4−(4−メタンスルホニル−フェニル)−5−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−5H−フラン−2−オン(B-216);
(5Z)−2−アミノ−5−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−メチレン]−4(5H)−チアゾロン(B-217);
CS-502(B-218);
LAS-34475(B-219);
LAS-34555(B-220);
【0081】
S-33516(B-221);
SD-8381(B-222);
L-783003(B-223);
N−[3−(ホルミルアミノ)−4−オキソ−6−フェノキシ−4H−1−ベンゾピラン−7−イル]メタンスルホンアミド(B-224);
D-1367(B-225);
L-748731(B-226);
(6aR,10aR)−3−(1,1−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−カルボン酸(B-227);
CGP-28238(B-228);
4−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチレン]ジヒドロ−2−メチル−2H−1,2−オキサジン−3(4H)−オン(B-229);
GR-253035(B-230);
【0082】
6−ジオキソ−9H−プリン−8−イル−桂皮酸(B-231);
S-2474(B-232);
4−[4−(メチル)スルホニル]フェニル]−3−フェニル−2(5H)−フラノン;
4−(5−メチル−3−フェニル−4−イソオキサゾリル);
2−(6−メチルピリド−3−イル)−3−(4−メチルスルホニルフェニル)−5−クロロピリジン;
4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル];
N−[[4−(5−メチル−3−フェニル−4−イソオキサゾリル)フェニル]スルホニル];
4−[5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−(ジフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミド;
(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3(2H)−ピリダジノン;
2−トリフルオロメチル−3H−ナフト[2,1-b]ピラン−3−カルボン酸;
6−クロロ−7−(1,1−ジメチルエチル)−2−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸;及び
[2−(2,4−ジクロロ−6−エチル−3,5−ジメチル−フェニルアミノ)−5−プロピル−フェニル]酢酸。
【0083】
【表6】

【0084】
【表7】

【0085】
【表8】

【0086】
【表9】

【0087】
【表10】

【0088】
【表11】

【0089】
【表12】

【0090】
【表13】

【0091】
【表14】

【0092】
【表15】

【0093】
【表16】

【0094】
【表17】

【0095】
【表18】

【0096】
【表19】

【0097】
【表20】

【0098】
【表21】

【0099】
【表22】

【0100】
【表23】

【0101】
【表24】

【0102】
【表25】

【0103】
【表26】

【0104】
【表27】

【0105】
【表28】

【0106】
【表29】

【0107】
【表30】

【0108】
【表31】

【0109】
【表32】

【0110】
【表33】

【0111】
【表34】

【0112】
【表35】

【0113】
【表36】

【0114】
【表37】

【0115】
【表38】

【0116】
【表39】

【0117】
【表40】

【0118】
【表41】

【0119】
【表42】

【0120】
【表43】

【0121】
【表44】

【0122】
【表45】

【0123】
【表46】

【0124】
【表47】

【0125】
【表48】

【0126】
【表49】

【0127】
【表50】

【0128】
【表51】

【0129】
【表52】

【0130】
【表53】

【0131】
【表54】

【0132】
【表55】

【0133】
【表56】

【0134】
【表57】

【0135】
【表58】

【0136】
【表59】

【0137】
【表60】

【0138】
【表61】

【0139】
【表62】

【0140】
【表63】

【0141】
【表64】

【0142】
【表65】

【0143】
【表66】

【0144】
【表67】

【0145】
【表68】

【0146】
【表69】

【0147】
本発明に採用されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、互変、幾何又は立体異性体形態で存在することができる。一般的に言って、互変、幾何又は立体異性体の形態にある好適なシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、100μM又はそれ以下の濃度で存在する場合に、シクロオキシゲナーゼ−2活性を約25%だけ、より典型的には約50%だけ、よりいっそう典型的には約75%又はそれ以上だけ阻害する化合物である。本発明は、このような全ての化合物を想定しており、シス−及びトランス−幾何異性体、E−及びZ−幾何異性体、R−及びS−エナンチオマー、ジアステレオマー、d−異性体、l−異性体、それらのラセミ混合物並びにそれらの他の混合物を包含する。このような互変、幾何又は立体異性体形態の製薬上許容される塩もまた、本発明の範囲内に包含される。本明細書で用いられる「シス」及び「トランス」という用語は、二重結合により結合した2個の炭素原子がそれぞれ二重結合の同じ側(「シス」)又は二重結合の反対側(「トラ
ンス」)に水素原子を有する幾何異性体の形態を意味する。記載した化合物の幾つかはアルケニル基を含有し、そしてシス及びトランス又は「E」及び「Z」幾何形態の両者を包含することを意味する。さらに、記載した化合物の幾つかは1個又はそれ以上の立体中心を含有し、そして存在する各立体中心に関してR、S、並びにR及びS形態の混合物を包含することを意味する。
【0148】
本発明に利用されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、遊離塩基又はその製薬上許容される酸付加塩の形態にあることができる。「製薬上許容される塩」という用語は、遊離酸又は遊離塩基のアルカリ金属塩を形成するため及び付加塩を形成するために普通に用いられる塩である。塩の性質は、それが製薬上許容されるならば、変化することができる。本発明に用いられる化合物の好適な製薬上許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸から製造することができる。このような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸及びリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、ヘテロシクリル、カルボン酸及びスルホン酸クラスの有機酸から選択することができ、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸である。本発明に用いられる化合物の好適な製薬上許容される塩基付加塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から作られる金属塩、又はN,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインから作られる有機塩を包含する。これらの塩の全ては、相当する化合物から慣用手段で、例えば、適切な酸又は塩基を本明細書に記載した任意の式の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0149】
本発明のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、医薬組成物に製剤化することができ、そして治療上有効な用量を送出する多くの異なる手段で投与することができる。このような組成物は、所望により慣用の無毒性の製薬上許容される担体、補助剤及びビヒクルを含有する用量単位製剤として、経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、皮内に、経皮的に又は局所的に投与することができる。局所投与はまた、経皮パッチ又はイオン導入装置のような経皮投与の使用を伴うこともできる。本明細書で用いられる非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内又は胸骨内の注射又は注入技術を包含する。薬剤の製剤は、例えば、Hoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania (1975) 及び Liberman, H.A. 及び Lachman, L., 編集、Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y. (1980) で論じられている。
【0150】
注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、公知技術により好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を用いて製剤化することができる。滅菌注射用調製物はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶剤中の滅菌注射用溶液又は懸濁液であってよい。採用できる許容性ビヒクル及び溶剤は、中でも水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌不揮発性油は、溶剤又は懸濁媒質として普通に採用される。この目的で、合成モノ−又はジグリセリドを包含する任意銘柄の不揮発性油を採用することができる。加えて、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の製造に有用である。ジメチルアセトアミド、イオン及び非イオン界面活性剤を包含する界面活性剤、並びにポリエチレングリコールを用いることができる。上記で論じたような溶剤及び湿潤剤の混合物もまた有用である。
【0151】
本明細書で論じた化合物の直腸内投与のための坐剤は、活性物質を、常温で固体であるが直腸温度で液体であり、従って直腸内で溶融して薬剤を放出する好適な非刺激性賦形剤、例えばカカオ脂、合成モノ−、ジ−若しくはトリグリセリド、脂肪酸又はポリエチレングリコールと混合することにより製造することができる。
【0152】
経口投与のための固体投与形態は、カプセル、錠剤、ピル、粉末及び顆粒を包含することができる。このような固体投与形態において、化合物は適応される投与経路に適切な1種又はそれ以上の補助剤と普通に組み合わせられる。経口投与する場合には、化合物を乳糖、ショ糖、澱粉粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールと混合し、次いで投与に便利なように打錠又はカプセル封入することができる。このようなカプセル又は錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性化合物の分散物として提供できるように、制御放出製剤を含有することができる。カプセル、錠剤及びピルの場合、投与形態はまた、緩衝剤、例えばクエン酸ナトリウム、又は炭酸若しくは重炭酸マグネシウム若しくはカルシウムを含むこともできる。錠剤及びピルはさらに、腸溶性コーティングを用いて製造することができる。
【0153】
治療目的で、非経口投与のための製剤は、水性又は非水性の等張性の滅菌注射溶液又は懸濁液の形態にあってよい。このような溶液及び懸濁液は、経口投与のための製剤における使用について上記した1種又はそれ以上の担体又は希釈剤を有する滅菌粉末又は顆粒から製造することができる。化合物を、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム及び/又は種々の緩衝液に溶解することができる。他の補助剤及び投与方式は製薬技術で広くよく知られている。
【0154】
経口投与のための液体投与形態は、当技術分野で普通に用いられる不活性希釈剤、例えば水を含有する製薬上許容されるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルを包含することができる。このような組成物はまた、補助剤、例えば湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、並びに甘味料、香味料及び香料を含むこともできる。
【0155】
担体材料と組み合わせてシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤の単一用量を製造できる活性成分の量は、患者及び特定の投与方式に応じて変化するだろう。一般的に、医薬組成物は、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤を約0.1〜2000mgの範囲、より典型的には約0.5〜500 mgの範囲、より典型的には約1〜200 mgの量で含有することができる。1日量は、約0.01〜100 mg/kg体重、より典型的には約0.1〜約50 mg/kg体重、よりいっそう典型的には約1〜20 mg/kg体重が適切でありうる。1日量は、1日当たり1〜約4回の投薬として投与することができる。
【0156】
一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がロフェコキシブを含む場合、使用量は約0.15〜約1.0 mg/日・kg、より一層典型的には約0.18〜約0.4 mg/日・kgの範囲内にあることが典型的である。
さらに別の実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がエトリコキシブを含む場合、使用量は約0.5〜約5mg/日・kg、より一層典型的には約0.8〜約4mg/日・kgの範囲内にあることが典型的である。
さらに、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がセレコキシブを含む場合、使用量は約1〜約20 mg/日・kg、より一層典型的には約1.4〜約8.6 mg/日・kg、なおいっそう典型的には約2〜約3mg/日・kgの範囲内にあることが典型的である。
【0157】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がバルデコキシブを含む場合、使用量は約 0.1〜約5mg/日・kg、より一層典型的には約0.8〜約4mg/日・kgの範囲内にあることが典型的である。
もう一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がパレコキシブを含む場合、使用量は約 0.1〜約5mg/日・kg、より一層典型的には約1〜約3mg/日・kg
の範囲内にあることが典型的である。
【0158】
当業者は、Goodman & Goldman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ninth
Edition (1996), Appendix II, pp.1707-1711及びGoodman & Goldman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition (2001), Appendix II, pp. 475-493 からの指針を用いても投与量を決定できることを理解するだろう。
【0159】
神経栄養因子調節剤
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤に加えて、本発明の組成物はまた、神経栄養因子調節剤を含む。多数の異なる神経栄養因子調節剤を本発明に採用することができる。一般的に言って、神経栄養因子調節剤は、典型的に血液−脳関門を越えることができ、そして中枢神経系神経栄養因子調節剤の合成及び放出を誘導するだろう。しかしながら、幾つかの実施形態において、神経栄養因子調節剤は、天然由来の神経栄養因子それら自体の効果を模倣して、神経細胞の再生及び神経突起生成を引き起こすことができる。
【0160】
本発明の一つの実施形態において、神経栄養因子調節剤は、レテプリニムカリウムである。レテプリニムカリウムは、Neotrofin(R)の名称で(NeoTheraputics of Irvine, Californiaから)販売されているプリン誘導体である。レテプリニムカリウムは、血管−脳関門を首尾よく越えることのできる活性成分を含有し、それはそこで神経成長因子を産生する遺伝子を活性化する。これらの神経因子は、神経成長因子(NGF)及び形質転換成長因子(ベータ)(bTF)を包含する。前臨床研究は、レテプリニムカリウムが認識衰退、加齢、神経保護及び脊髄損傷の動物モデルにおいて機能を回復させることを実証している。レテプリニムカリウムはさらに、脊髄及び脳傷害の持続性無能力化効果の一因となる神経興奮毒による脳損傷を防止することが示されている。この物質の別の利点は、それが何れの有害な毒性学的効果にも関連していないことである。
【0161】
別の代替実施形態において、神経栄養因子調節剤は、セレブロリシンである。一般的に言って、如何なる特定の理論又はメカニズムにも拘束されずに、セレブロリシンは、体内で天然由来の成長因子を模倣して、脳内の神経細胞の生成又は支持を生じさせると信じられている。セレブロリシンは、ブタの精製脳タンパク質から任意の一般的に公知の方法により単離できるか、又はそれは Ebewe Pharmaceuticals, Ltd. (Austria) のような製造業者から市販されている。
【0162】
さらに別の代替実施形態において、神経栄養因子調節剤は、キサリプロデンである。如何なる特定の理論又はメカニズムにも拘束されずに、キサリプロデンは、多数の神経栄養因子、例えばNGF、毛様体神経栄養因子(CNTF)及び脳由来神経栄養因子(BDNF)の活性の模倣又は生合性の刺激により、その神経栄養及び神経保護効果を生じさせると信じられている。キサリプロデンは、Sanon Pharmaceuticals of Montpellier, France
のような製造業者から市販されている。
【0163】
さらに別の代替実施形態において、神経栄養因子調節剤は、GM1ガングリオシドである。GM1ガングリオシドは、神経細胞の外層又は膜の一部として脳内に存在する天然由来の化学物質であり、細胞が傷害に応答する方法に影響を与える重要な役割を演じる。如何なる特定の理論又はメカニズムにも拘束されずに、GM1は、神経細胞膜に位置するこ
れらの因子のためのタンパク質受容体の調節により、神経栄養因子に対する細胞の応答を向上することができると信じられている。証拠は、GM1が神経栄養因子の放出にも同様に影響を与えることを示している。
【0164】
一般的に言って、投与すべき特定の物質の薬物動態は、最も好ましい投与方法及び投薬管理を決定づけるだろう。神経栄養因子調節剤は、担体を含むか含まない医薬組成物として投与することができる。「製薬上許容される担体」又は「担体」という用語は、比較的に不活性であり且つ無毒性である一般的に許容される任意の賦形剤又は薬剤送出組成物を指す。模範的な担体は、滅菌水、塩溶液(例えばリンゲル液)、アルコール、ゼラチン、タルク、粘稠パラフィン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、炭酸カルシウム、炭水化物(例えば乳糖、ショ糖、デキストロース、マンノース、アルブミン、澱粉、セルロース、シリカゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、乾燥スキムミルク、米粉、ステアリン酸マグネシウムなど)を包含する。好適な製剤及び追加の担体は、Remington's Pharmaceutical Sciences, (17th Ed., Mack Pub. Co., Easton, Pa.) に記載されている。このような調製物は、滅菌し、そして所望により、活性化合物と有害に反応しない助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝剤、着色剤、保存剤及び/又は芳香族物質などと混合することができる。典型的な保存剤は、ソルビン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、チメロサールなどを包含することができる。組成物はまた、所望により他の活性物質、例えば酵素阻害剤と混合して代謝退化を減少させることもできる。
【0165】
一つの実施形態において、神経栄養因子調節剤は、経口的に、静脈内に又は非経口的に投与することができる。一例として、神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウムである場合、典型的な投与方式は液体形態での経口投与である。
もう一つの例として、神経栄養因子調節剤がセレブロリシンである場合、典型的な投与経路は静脈間投与である。さらにもう一つの例として、神経栄養因子調節剤がGM1ガングリオシドである場合、典型的な投与方式はIV注入による静脈内投与又は皮下注射である。
さらにもう一つの例として、神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウムである場合、この物質は非経口的に投与することができる。
【0166】
化合物又は薬剤の実際の有効量は、利用される特定の組成物、投与方式、並びに被験者の年齢、体重及び状態により変化することができ、また変化するだろう。特定の個々の被験者に対する投与量は、当業者により従来の考慮事項を用いて決定することができる。
一例として、神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウムである場合の一つの実施形態において、毎日の投与量は、典型的には1日当たり約150〜約2000ミリグラム、より典型的には1日当たり約500〜約1000ミリグラムである。投与量は1日当たり1〜2回の用量で投与することができる。
もう一つの例として、神経栄養因子調節剤がセレブロリシンである場合の別の実施形態において、毎日の投与量は、典型的には、約30 mL/100 mL食塩水であり、1日1回30分より長い時間IV投与される。
さらにもう一つの例として、神経栄養因子調節剤がキサリプロデンである場合の別の実施形態において、その投与量は、典型的には1日当たり約1.0〜約2.0ミリグラムである。
さらにもう一つの例として、神経栄養因子調節剤がGM1ガングリオシドである場合の別の実施形態において、毎日の投与量は、典型的には約100〜約1000ミリグラムである。
【0167】
当業者は、Goodman & Goldman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Ninth
Edition (1996), Appendix II, pp.1707-1711及びGoodman & Goldman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, Tenth Edition (2001), Appendix II, pp. 475-493からの指針を用いても投与量を決定できることを理解するだろう。
【0168】
一般的に言って、組成物を投与して中枢神経系介在障害を治療する場合、神経栄養因子調節剤及びシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、障害の診断後又は傷害の発生後にできるだけ早く被験者に投与される。典型的には、神経栄養因子調節剤及びシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、障害の診断後又は傷害の発生後21日以内に投与される。
【0169】
さらに、神経栄養因子調節剤の投与に関してシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤を投与するタイミングはまた、被験者ごとに変化することができる。一つの実施形態において、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤は、実質的に同時に投与することができ、これは両方の物質を被験者にほぼ同時に投与してよいことを意味する。例えば、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、神経栄養因子調節剤の開始と同日に始まって神経栄養因子調節剤の終了後の期間までにわたる連続期間中に投与される。別法として、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤は、順次に投与することができ、これはそれらを別個の治療中に別個の時点で投与することを意味する。一つの実施形態において、例えば、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、神経栄養因子調節剤の投与前に始まって神経栄養因子調節剤の投与後に終了する連続期間中に投与される。当然ながら、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤は、神経栄養因子調節剤より多いか又は少ない頻度の何れでも投与することが可能である。さらに、当業者には、本発明の実施において種々の投与時点及び方法の組み合わせが可能であり、且つ多分望ましいことが明らかであろう。
【0170】
併用療法剤
一般的に言って、本発明の実施に採用される組成物は、上記で詳述した任意のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤の1種又はそれ以上を、上記で詳述した任意の神経栄養因子調節剤の1種又はそれ以上と組み合わせて含むことができると想定される。非限定的な一例として、本発明の方法及び組成物に有用である多数の好適な組み合わせを、表4aに詳述する。組み合わせはまた、表4aに列挙する任意のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又は神経栄養因子調節剤の異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを含むことができる。
【0171】
【表70】

【0172】
さらなる例として、本発明の方法及び組成物に採用できる多数の好適な組み合わせを、表4bに詳述する。組み合わせはまた、表4bに列挙する任意のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又は神経栄養因子調節剤の異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを含むことができる。
【0173】
【表71】

【0174】
【表72】

【0175】
【表73】

【0176】
【表74】

【0177】
よりさらなる例として、本発明の方法及び組成物に採用できる追加の好適な組み合わせを、表4cに詳述する。組み合わせはまた、表4cに列挙する任意のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又は神経栄養因子調節剤の異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを含むことができる。
【0178】
【表75】

【0179】
【表76】

【0180】
【表78】

【0181】
血管閉塞の診断
本発明の一つの態様は、血管閉塞事象の治療又は予防を必要とする被験者の診断を包含する。血管閉塞の診断に適する多数の方法を本発明の実施に用いることができる。このような一つの方法において、超音波を採用することができる。この方法は、超音波(高周波数音波)を用いて腕及び脚の主要動脈及び静脈中の血流量を調べる。一つの実施形態において、試験には、音声測定を用いて「聴き」、そして血流量を測定する Doppler(登録商標)超音波検査法、及び視覚映像を与える複式超音波検査法と組み合わせることができる。一つの代替実施形態において、試験には、多周波超音波法又は多周波経頭蓋 Doppler(登録商標)(MTCD)超音波法を採用することができる。
採用できる別の方法は、造影できる化合物を被験者に注射することを包含する。この実施形態の一つの代替手段において、少量の放射性材料を被験者に注射し、次いで、遮断を検出するための血流の監視に基づく標準的技術、例えば磁気共鳴直接血栓造影法 (MRDTI)を利用して、血管閉塞を造影することができる。一つの代替実施形態において、ThromboView(登録商標)(Agenix Limited から市販されている)は、放射性標識に結合した凝血塊結合性単クローン性抗体を用いる。本明細書で特定した方法に加えて、血管閉塞事象の診断に適する当技術分野で公知の多数の方法を利用することができる。
【0182】
治療すべき適応症
典型的には、シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤の治療有効量及び神経栄養因子調節剤の治療有効量を含む組成物を採用して、多数の中枢神経系介在障害を治療することができる。
幾つかの態様において、本発明は、組成物を被験者に投与して中枢神経系介在障害を治
療することを包含する。多数の中枢神経系介在障害を、本発明の組成物により治療することができる。一つの実施形態において、介在障害は、被験者の中枢神経系へのトラウマ傷害に起因する。これらの障害は、脳又は脊髄への傷害を包含することができるが、これらに限定されるものではない。さらに、中枢神経系障害は、被験者が外科手術を受けた結果として生じることがある。一例として、被験者は、心臓手術、肺手術、脊髄手術、脳手術、血管手術、腹腔手術又は臓器移植手術を受けることがある。臓器移植手術は、心臓、肺、膵臓又は肝臓移植手術を包含することができる。さらに、中枢神経系介在障害は、被験者の身体の一部への中枢神経系外でのトラウマ又は傷害の結果として生じることがある。一例として、トラウマ又は傷害は、頭部又は背部への物体からの一撃;ミサイル、銃弾及び爆弾金属片からの貫通傷害;墜落;骨断片による貫通を結果として伴う頭蓋骨折;並びに突然の加速又は減速傷害を包含する多種多様な原因に起因することがある。しかしながら、本発明の組成物は、トラウマ傷害を治療するために、その原因に関係なく有利に利用することができる。
【0183】
別の実施形態において、介在障害は、神経変性状態に起因することがある。これらの状態は、アルツハイマー病;パーキンソン病;筋萎縮性側索硬化症(ALS又はルー・ゲーリック病);脳性麻痺;多発性硬化症;及びハンチントン病を包含するが、これらに限定されるものではない。
さらに別の実施形態において、介在障害は、化学療法誘導ニューロパシーに起因することがある。一例として、化学療法誘導ニューロパシーは、シスプラチン、ビンクリスチン及びタキソール(これらに限定されない)を包含する幾つかの普通に用いられる化学療法剤投薬の重篤な副作用の結果として生じることがある。当然ながら、組成物は、中枢神経系介在障害を治療するために、症状の原因に関係なく採用できると想定される。
【0184】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤に加えて、本発明の組成物はまた、循環の問題の効果、例えば中枢神経系への血流量の減少を改善する任意の物質を含むこともできる。一つの実施形態において、この物質は、ヘパリンのようなトロンビン阻害剤及び、ワルファリンのような第Xa因子阻害剤を包含する抗凝血剤である。追加の実施形態において、この物質は、GP IIb/IIIa 阻害剤のような抗血小板阻害剤である。さらなる物質は、HMG-CoA シンターゼ阻害剤;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレンシンテターゼ阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られている)、アシル補酵素A;コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;プロブコール;ナイアシン;フィブレート、例えばクロフィブレート、フェノフィブレート及びジェムフィブリゾール;コレステロール吸収阻害剤;胆汁酸抑制剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質;ビタミンB6(ピリドキシンとしても知られている)及びその製薬上許容される塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られている);β−アドレナリン受容体遮断剤;葉酸又はその製薬上許容される塩若しくはエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩;並びに抗酸化ビタミン、例えばビタミンC及びE及びベータカロチンを包含するが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0185】
以下の実施例において、併用療法剤は、神経栄養因子調節剤及びCOX−2選択的阻害剤を含有する。このような併用療法剤の有効性は、コントロール治療剤、例えばプラセボ治療剤、COX−2阻害剤だけの投与、又は神経栄養因子調節剤だけの投与と比較して評価することができる。一例として、併用療法剤は、レテプリニムカリウム及びセレコキシブ、レテプリニムカリウム及びバルデコキシブ、セレブロリシン及びロフェコキシブ、又はセレブロリシン及びセレコキシブを含有することができる。これらは若干の例に過ぎないこと、そして本発明の神経栄養因子調節剤及びCOX−2阻害剤の何れも、併用療法剤として試験できることに注意すべきである。特定の治療用組み合わせにおける神経栄養因子調節剤及びCOX−2阻害剤の投与量は、研究を行う当業者により容易に決定すること
ができる。研究治療の期間は特定の研究に応じて変化し、そしてまた当業者により容易に決定することができる。一例として、併用療法剤は12週間投与することができる。神経栄養因子調節剤及びCOX−2阻害剤は、本明細書に記載した任意の経路により投与することができるが、ヒト被験者には経口投与することが好ましい。
【0186】
〔実施例1〕インビトロでのCOX−1及びCOX−2活性の評価
本発明で使用するのに適するCOX−2阻害剤は、下記の活性アッセイによりインビトロで試験したときのIC50値で測定して、COX−2よりもCOX−1の選択的阻害を示す。
組み換えCOXバキュロウイルスの調製
組み換えCOX−1及びCOX−2を、Gierse et al により記載されたように調製した[J. Biochem., 305, 479-84 (1995)]。ヒト若しくはネズミCOX−1又はヒト若しくはネズミCOX−2の何れかのコーディング領域を含む2.0kb 断片を、D.R. O'Reilly et al(Baculovirus Expression Vectors: A Laboratory Manual (1992))の方法と同様にして、バキュロウイルス移入ベクター pVL 1393(Invitrogen)の BamH 1 部位にクローン化してCOX−1及びCOX−2のためのバキュロウイルス移入ベクターを作製した。4μgのバキュロウイルス移入ベクターDNAを、リン酸カルシウム法により線状化した200ngのバキュロウイルスプラスミドDNAと共にSF9昆虫細胞(2×108)にトランスフェクトすることにより組み換えバキュロウイルスを単離した。M.D. Summers and
G.E. Smith, A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture
procedures, Texas Agric. Exp. Station Bull. 1555 (1987) 参照。組み換えウイルスを3回のプラーク精製により精製し、ウイルスの高力価(107-108 pfu/mL)ストックを調製した。大規模製造のためには、10リットルの培養槽(0.5×106/mL)中で、感染の多重度が0.1になるようにSF9昆虫細胞を組み換えバキュロウイルスストックに感染させた。72時間後、細胞を遠心分離し、細胞ペレットを、1%の3-[(3−クロロアミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)を含有するトリス/ショ糖(50 mM: 25%, pH 8.0)中でホモジナイズした。このホモジネートを10,000 ×Gで30分間遠心分離し、得られた上澄み液を−80℃で貯蔵した後にCOX活性をアッセイした。
【0187】
COX−1及びCOX−2活性のアッセイ
COX活性を、ELISAを用いて、放出されたプロスタグランジンを検出することにより生成したPEG2/μgタンパク質/時間としてアッセイした。適切なCOX酵素を含有するCHAPS可溶化昆虫細胞膜を、エピネフリン、フェノール及びヘムを含有するリン酸カリウム緩衝液(50 mM, pH 8.0)中でアラキドン酸(10μM)を加えてインキュベートした。化合物を酵素と共に10〜20分間予備インキュベートした後、アラキドン酸を加えた。37℃で10分後に40μl の反応混合物を160μl のELISA緩衝液及び25μl のインドメタシンに移すことにより、アラキドン酸と酵素との反応を停止した。生成したPEG2を標準ELISA法(Cayman Chemical)により測定した。
【0188】
COX−1及びCOX−2活性の迅速アッセイ
COX活性を、ELISAを用いて、放出されたプロスタグランジンを検出することにより生成したPEG2/μgタンパク質/時間としてアッセイした。適切なCOX酵素を含有するCHAPS可溶化昆虫細胞膜を、リン酸カリウム緩衝液(0.05M リン酸カリウム、pH7.5、2μM フェノール、1μM ヘム、300μM エピネフリン)中で 20μl の 100μM アラキドン酸(10μM)を加えてインキュベートした。化合物を酵素と共に25℃で10分間予備インキュベートした後、アラキドン酸を加えた。37℃で2分後に40μl の反応混合物を160μl のELISA緩衝液及び25μMのインドメタシンに移すことにより、アラキドン酸と酵素との全ての反応を停止した。非選択的COX−2/COX−1阻害剤であるインドメタシンは、陽性コントロールとして利用することができる。生成したPGE2を、典型的には、多数の商業的供給源から入手できるPGE2特異抗体を利用して標準ELISA法により測定した。
【0189】
試験すべき各化合物をそれぞれ2mlのバイオアッセイ試験用ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、各特定化合物のCOX−1及びCOX−2阻害効果を決定することができる。効力は、典型的には、PGE2生成の50%阻害を生じるg化合物/ml 溶剤として表されるIC50値によって表される。COX−2の選択的阻害は、COX−1/COX−2のIC50比により決定することができる。
【0190】
一例として、COX−2を 10 ug/ml の濃度で阻害する特定の化合物を決定するために、一次スクリーンを行うことができる。次いで化合物を確認アッセイに付し、三つの異なる濃度(例えば、10ug/ml、3.3ug/ml及び1.1ug/ml)でCOX−2阻害の程度を決定することができる。このスクリーンの後、化合物をそれらのCOX−1阻害能について 10 ug/ml の濃度で試験することができる。このアッセイを用いて、コントロールと比較したCOX阻害のパーセンテージを決定することができ、より高いパーセンテージはより大きいCOX阻害度を示す。加えて、COX−1及びCOX−2のIC50値もまた、試験化合物について決定することができる。次いで各化合物の選択性を、上記のようにCOX−2/COX−1のIC50比により決定することができる。
【0191】
〔実施例2〕 血小板凝集及び血小板活性化マーカーの測定方法
ヒト被験者又は実験動物モデル、例えばマウスにおいて、下記の研究を行うことができる。ヒト被験者に関する臨床研究を開始する前に、研究は適切なヒト被験者委員会により承認されるべきであり、そして被験者は参加する前に研究について知らされ、且つ書面の同意を与えるべきである。
血小板活性化は、当技術分野で利用可能な多数の試験により決定することができる。幾つかのこのような試験を以下に説明する。治療の有効性を決定するために、血小板活性化の状態を、研究中の幾つかの時点で、例えば併用治療剤の投与前及び治療中週1回評価する。血小板凝集の監視に使用できる血液サンプリング及び分析のための模範的な手順を以下に挙げる。
【0192】
血小板凝集研究
血液サンプルを、肘正中静脈から19ゲージ針により2本のプラスチック製管に集める。自由流動性血液の各サンプルを、静脈内カテーテルから遠位の新たな静脈穿刺部位から、針及び Vacutainer フードを用いて7ccバキュテイナー管(一方はCTAD(ジピリダモール)を含み、他方は 3.8%クエン酸三ナトリウムを含む)に集める。血液を他の研究のために同時に集める場合には、血小板サンプルを最初ではなく2度目又は3度目に得ることが好ましい。血小板サンプルだけを集める場合には、初期の2〜3ccを捨て、次いでバキュテイナー管を満たす。管が15秒以内に満たされるならば、静脈穿刺で十分である。全ての採取は専門技術者が行う。
【0193】
各被験者の血液サンプルを2本のバキュテイナー管に採取した後、直ちに、しかし穏やかに3〜5回反転させて抗凝血剤の完全な混合を確保する。管は振らない。過剰の抗凝血剤は血小板機能を変えることがあるので、バキュテイナー管をいっぱいに満たす。乱流を最小限にするために、できるだけ注意する。ちょっとした手段、例えば針を傾けてバキュテイナーに入れ、血液を底までずっと打ち付けるのではなく管の側面を流下させることは、著しい改善をもたらすことができる。これらの管を室温で保持し、そしてサンプル調製に責任のある検査技師に直接受け渡す。バキュテイナー管はどの時点でも冷却しない。
【0194】
クエン酸三ナトリウム(3.8%)及び全血を直ちに1:9の比率で混合し、次いで1200gで2.5分間遠心分離し、血小板に富んだ血漿(PRP)を得て、これを1時間以内に血
小板凝集研究に使用するために室温で保持した。各PRPサンプル中の血小板数を Coulter Counter ZM(Coulter Co., Hialeah, Fla.)で決定した。血小板数を、凝集のために血小板の少ない均質血漿で 3.50×108/ml に調節した。PRP及び全血の凝集試験を同時に行った。全血を0.5mlのPBSで1:1に希釈し、次いで穏やかに渦巻かせて混合した。攪拌棒を入れたキュベットをインキュベーションウェルに入れ、37℃に5分間加温した。次いでサンプルをアッセイウェルに移した。電極をサンプルキュベットに入れた。血小板凝集を5μMのADP、1μg/mlのコラーゲン及び0.75mMのアラキドン酸で刺激した。全ての作用薬は、例えば、Chronolog Corporation(Hawertown, Pa.)から入手した。Chrono-Log Whole Blood Lumi-Aggregometer(モデル 560-Ca)を用いて血小板凝集研究を行った。血小板凝集能は、血漿サンプルでは記録時間終了時に血小板の少ない血漿を対照として用いたベースラインからの光透過率変化のパーセンテージとして、又は全血サンプルでは電気インピーダンスの変化として表される。凝集曲線を4分間記録し、国際的に確立された基準により Aggrolink(登録商標)ソフトウェアを用いて分析した。
次いで、神経栄養因子調節剤及びCOX−2阻害剤を含有する併用療法剤を服用した被験者の凝集曲線を、該併用療法剤の有効性を決定するために、コントロール治療剤を服用した被験者の凝集曲線と比較することができる。
【0195】
洗浄血小板フローサイトメトリー
静脈血(8 ml)を、2ml の酸−クエン酸塩−デキストロース(ACD)(1000 ml の蒸留水中の7.3gのクエン酸、22.0gのクエン酸ナトリウム×2H2O及び24.5グルコース)を含むプラスチック製管に採取し、よく混合した。この血液−ACD混合物を、1000r.p.m.で10分間室温で遠心分離した。次いで血小板に富んだ血漿(PRP)の上方2/3を集め、ACDを加えてpH=6.5に調節した。次いでPRPを 3000r.p.m.で10分間遠心分離した。上澄み液を除去し、血小板ペレットを4ccの洗浄緩衝液(10mM Tris/HCl、0.15M NaCl、20mM EDTA、pH=7.4)に穏やかに再懸濁した。血小板を洗浄緩衝液及びTBS(10 mM Tris、0.15 M NaCl、pH=7.4)で洗浄した。次いで全ての細胞を適切な数の管に分けた。一例として、9種の異なる表面マーカーを本明細書に記載したように評価する場合には、細胞を10本の管に分けるべきであり、洗浄した血小板を含む9本の管は5μl のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)−複合抗体と共に暗所で+4℃で30分間インキュベートし、そして1本は染色しないでおき、ネガティブコントロールとして役立てるようにした。表面抗原発現を、単クローン性ネズミ抗ヒト抗体、例えば CD9(p24);CD41a(IIb/IIIa、aIIbb3);CD42b(Ib);CD61(IIIa)(DAKO Corporation, Carpinteria Calif.);CD49b(VLA-2 又は a2b1);CD62p(P−セレクチン);CD31(PECAM-1);CD41b(IIb);及び CD51/CD61(ビトロネクチン受容体、avb3)(PharmMingen, San Diego Calf.)で測定した。細胞上でのこれらの抗原の発現が血小板活性化に関連しているからである。インキュベーションの後、細胞をTBSで洗浄し、0.25 ml の1%パラホルムアルデヒドに再懸濁した。サンプルを+4℃で冷蔵庫中に貯蔵し、Becton Dickinson FACScan フローサイトメーターにより 15 mw のレーザー出力、488 nm での励起及び 530±30 nm での発光検出を用いて分析した。データを収集してリストモードで貯蔵し、次いで CELLQuest(登録商標)ソフトウェアを用いて分析することができる。FACS手順は、例えば Gurbel, P.A. et al., J Amer Coll Cardiol 31: 1466-1473 (1998); Serebruany, V.L. et al., Am Heart J 136: 398-405 (1998); Gurbel P.A. et al., Coron Artery Dis 9: 451-456 (1998) 及び Serebruany, V.L. et al., Arterioscl Thromb Vasc Biol 19: 153-158 (1999) に詳述されている。
次いで、血小板に対する併用療法剤の有効性を決定するために、併用療法剤を服用した被検者から単離された血小板の抗体染色を、コントロール治療剤を服用した被検者から単離された血小板の染色と比較することができる。
【0196】
全血フローサイトメトリー
4ccの血液を、2ccの酸−クエン酸塩−デキストロース(ACD、前の例参照)を含む
管に集め、よく混合した。緩衝液TBS(10 mM Tris、0.15 M NaCl、pH=7.4)及び下記のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)複合単クローン性抗体(PharMingen,
San Diego Calif., USA 及び DAKO Calif., USA)を冷蔵庫から取り出し、室温(RT)に温まらせた後、それらを用いた。使用できる抗体の非限定的例は、CD41(IIb/IIIa);CD31(PECAM-1);CD62p(P−セレクチン);及び CD51/61(ビトロネクチン受容体)包含する。各被験者に対し、6本の褐色管(1.25 ml)及び1本のエッペンドルフ管(1.5 ml)を得て適切に目印をつけた。450μl のTBS緩衝液をラベル表示したエッペンドルフ管にピペットで加えた。患者の全血管を穏やかに2回反転させて混合し、50μl の全血を適切にラベル表示したエッペンドルフ管にピペットで加えた。エッペンドルフ管に栓をし、この希釈全血を、エッペンドルフ管を穏やかに2回反転させることにより混合し、次いで50μl の希釈全血を各褐色管にピペットで加えた。5μl の適切な抗体を相当する褐色管の底にピペットで加えた。管をアルミニウムホイルで覆い、4℃で30分間インキュベートした。インキュベーションの後、400μlの2%緩衝パラホルムアルデヒドを加えた。褐色管を蓋で気密に閉め、フローサイトメトリー分析まで冷蔵庫内に4℃で貯蔵した。サンプルをBecton Dickinson FACScanフローサイトメーターにより分析した。これらのデータをリストモードファイルで収集し、次いで分析した。次いで、上記のように、併用療法剤を服用した被験者から単離された血小板の抗体染色を、コントロール治療剤を服用した被験者から単離された血小板の染色と比較することができた。
【0197】
ELISA
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、標準的技術により、且つ本明細書に記載したように用いられる。エイコサノイド代謝物を用いて血小板凝集を決定することができる。エイコサノイドは生理的条件下で短い半減期を有するという事実によって、代謝物を分析する。トロンボキサンA2の安定な分解生成物であるトロンボキサンB2(TXB2)、及びプロスタサイクリンの安定な分解生成物である 6ケト−PGF1アルファを試験することができる。トロンボキサンB2はTXA2の安定な加水分解生成物であり、種々の作用物質、例えばトロンビン及びコラーゲンにより誘導される血小板凝集の後に生成する。6ケト−プロスタグランジンF1アルファは不安定なPGI2(プロスタサイクリン)の安定な加水分解生成物である。プロスタサイクリンは血小板凝集を阻害し、血管拡張を誘導する。従って、プロスタサイクリン生成の定量は、6ケト−PGF1レベルの決定により行うことができる。代謝物は、−4℃で保持される血小板の少ない血漿(PPP)中で測定することができる。また、血漿サンプルをエタノールで抽出することもでき、次いで−80℃で貯蔵した後、例えば、標準的技術により TiterZyme(登録商標)酵素イムノアッセイ(PreSeptive Diagnostics, Inc., Cambridge, Mass., USA)を用いて、最終プロスタグランジンを決定する。TXB2及び6ケト−PGF1を測定するためのELISAキットもまた市販されている。
併用療法剤を服用した被験者及びコントロール治療剤を服用した被験者の血漿中におけるTXB2及び6ケト−PGF1の量を比較して、併用治療剤の有効性を決定することができる。
【0198】
DADE BEHRINGER 血小板機能分析装置、PFA-100(登録商標)により測定される閉鎖時間
PFA-100(登録商標)は、血小板機能障害を検出するためのインビトロシステムとして用いることができる。それは、抗凝血剤添加全血の血小板機能の定量手段を与える。システムは、マイクロプロセッサー制御機器及び生物学的活性膜を含有する使い捨て試験カートリッジを含む。機器は、血液サンプルを一定の真空下でサンプル受器から毛管及び微小開口カットを経て膜内に吸引する。膜はコラーゲン及びエピネフリン又はアデノシン5'−二リン酸で被覆されている。これらの生物学的刺激物質、及び標準化した流れ条件下で生じる高い剪断速度が存在する結果、血小板の結合、活性化及び凝集をもたらし、開口部に安定な血小板血栓が徐々に築かれる。開口の完全閉塞を得るために要する時間は、「閉鎖時間」として報告され、これは通常1〜3分間の範囲にある。
【0199】
PFA-100(登録商標)試験カートリッジの膜は生物学的成分の支持マトリックスとして役立ち、開口の配置を可能にする。この膜は、平均孔径 0.45μm の標準ニトロセルロース濾過膜である。膜の血液取り入れ側を、2μgの細繊維I型ウマ腱コラーゲン及び10μgの重酒石酸エピネフリン又は50μgのアデノシン5'−二リン酸(ADP)で被覆した。これらの物質は血液サンプルが開口を通過するときに制御された刺激を血小板に与える。コラーゲン表面もまた、血小板の沈着及び結合のための明確なマトリックスとしても役立つ。
【0200】
PFA-100(登録商標)試験の原理は、Kratzer 及び Born により記載されたものとよく似ている(Kratzer, et al., Haemostasis 15: 357-362 (1985))。この試験は、3.2%クエン酸ナトリウム抗凝血剤の 3.8%中に採取した全血サンプルを利用する。毛管を通して血液サンプルをカップに吸入し、そこで血液サンプルは被覆された膜と接触し、次いで開口を通過する。被膜に存在するコラーゲン及びエピネフリン又はADPによる刺激、並びに開口における剪断応力に応答して、血小板はコラーゲン表面上で接着して凝集するが、これは開口を取り巻く領域から始まる。測定の経過中に安定な血小板血栓が生成し、これは最終的に開口を閉塞させる。開口の完全閉塞を得るために要する時間は、「閉鎖時間」と定義され、サンプルの血小板機能の指標である。従って、併用療法剤の効力を評価するために、併用療法剤を服用した被験者とコントロール治療剤を服用した被験者との間で「閉鎖時間」を比較することができる。
【0201】
〔実施例3〕 アルツハイマー病を治療するためのCOX−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤を用いる併用療法
この研究は、二重盲検プラセボ対照試験であり、そして一般的に、htpp://hdlighthouse.org/see/drugs/neotrofin4.html (September 5, 2001) から入手可能な NeoTherapeutics, Inc. Newsletter に記載されたように行うことができる。
簡単に述べると、この研究は、軽度ないし中等度のアルツハイマー病患者のグループについて行うことができる。この研究の参加基準は、患者が「軽度ないし中等度」のカテゴリーを満たすために、18より大きいアルツハイマー病アセスメント尺度−認知下位尺度(ADAS-cog)スコア及び10〜21のミニ精神状態検査(MMSE)スコアを包含する。これらの患者を、アルツハイマー病患者の精神的、機能的及び社会的能力の決定に用いられる多数の試験により、ベースラインで試験し、次いで12週間後及び24週間後に再度試験する。この研究は、一次分析のための12週間の治療、次いで最初はプラセボを与えた患者に併用療法剤を服用させるための12週間の治療を含む。最初の12週間中に、この研究のプロトコールは、患者が500mgの併用療法剤又はプラセボを毎日2回1週間服用し、次いで1000mgの併用療法剤又はプラセボを毎日2回11週間服用することを必要とし、最初の1週間の投与中に有害反応がないことを推測する。
【0202】
プラセボと比較した併用療法剤の効果は、定性的及び定量的の両方で決定することができる。例えば、ADAS-cog 及びアルツハイマー病共同研究−臨床医の変化に関するグローバルな印象(ADCS-CGIC)を用いて、記憶及び他の認識障害が測定されるだろう。標準的な記憶及び行動試験からなる副次的評価項目もまた、研究を通して行われるだろう。
【0203】
〔実施例4〕 脊髄傷害を治療するためのCOX−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤を用いる併用療法
この研究は、一般的に、www.gaylord.org/pages/sci newsletter issues/sci news 4.html (February 2002) から入手可能なGaylord Sci News Bytes に記載されたように行うことができる。
簡単に述べると、この研究は、脊髄障害を有する患者のグループについて行うことができる。この研究に適格であるためには、患者は、完全脊髄損傷を有し、医学的に安定して
おり、且つ傷害から21日以内に併用療法を開始しなければならない。さらに、患者は、人工呼吸器を装着していてはならず、妊娠していてはならず、又は他の医療的状態を有していてはならない。患者は毎日500mgの併用療法剤を12週間服用し、入院患者から始め、次いで外来患者を続けるだろう。
患者は、入院患者である間は研究職員により毎日、次いで退院した後は再び調査され、その時点で副作用プロフィール及び薬剤効力が測定される。
併用療法剤の効果は、定性的及び定量的の両方で決定することができる。患者は、運動及び感覚評価、すなわちアメリカ脊髄損傷協会アセスメント、機能的独立性基準、並びにバイタルサイン、薬剤有害反応及び同時媒介に関する他の臨床アセスメントにより、定期的に評価されるだろう。
【0204】
〔実施例5〕 パーキンソン病を治療するためのCOX−2選択的阻害剤及び神経栄養因子調節剤を用いる併用療法
この試験は、一般的に、 www.clinicaltrials.gov/ct/gui/show/NCT00037830 (last visited April 21, 2003) から入手可能な NIS's ClinicalTrials.gov に記載されたように行うことができる。
【0205】
この無作為化二重盲検プラセボ対照研究は、併用療法が、パーキンソン病に罹患した患者の症状を改善でき、疾患の進行を遅延でき、そして損傷した脳細胞をおそらく部分的に回復できる程度をさらに調査するために計画される。この研究は、一般的に、スクリーニングの少なくとも6ヵ月前に診断して、「軽度ないし中等度の」特発性パーキンソン病のクラスに適合する患者のグループについて行うことができる。さらに、患者は、39〜85歳の年齢;少なくとも12時間の実際に定められた「オフ」期間中に評価して、1〜3の修正 Hoehn and Yahr 病期;少なくとも12時間の実際に定められた「オフ」期間中に評価して、10〜40の統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)運動成分スコア及び「オン」期間中に6又はそれ以上のスコア;25より大きいミニ精神状態検査(MMSE)スコア;10未満のベックうつ病評価尺度スコアを有するべきであり;そしてインフォームドコンセントに署名すべきである。これらの有資格患者は、二つのグループに分けられるだろう。一方のグループは併用療法剤を6ヵ月服用し、そして他方はプラセボを服用するだろう。この6ヶ月の期間の終わりに、全ての患者は2年間のオープン延長研究に入り、この研究では全ての患者は併用療法剤を服用するだろう。
【0206】
併用療法剤の効力は幾つかの方法で測定することができる。患者は、運動及び認知機能の臨床的尺度により研究され、そして研究者はPET(陽電子放射断層撮影法)を用いて脳神経終末を造影するだろう。
2年間のオープン延長追跡研究において、軽度ないし中等度のパーキンソン病患者は、2年間にわたり監視されるだろう。これらの患者は、年1回のPETスキャン及び年2回の臨床的評価を受けるだろう。
上記の手順の全ては、用いられる薬剤の組み合わせ、研究の期間、選択される被験者などのようなファクターに応じて、特定の研究のために変更できることに注目すべきである。このような変更は、当業者により過度の実験を行うことなく計画することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)卒中の治療が必要な被験者を診断し;そして
(b)シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ、及びレテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン及びGM1ガングリオシドからなる群から選択される神経栄養因子調節剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを被験者に投与する
ことを含む、卒中の治療方法。
【請求項2】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤が約50以上のCOX−1 IC50対COX−2 IC50の選択率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤が約100以上のCOX−1 IC50対COX−2 IC50の選択率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がセレコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、メロキシカム、パレコキシブ、4−(4−シクロヘキシル−2−メチルオキサゾール−5−イル)−2−フルオロベンゼンスルホンアミド、2−(3,5−ジフルオロフェニル)−3−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−シクロペンテン−1−オン、N−[2−(シクロヘキシルオキシ)−4−ニトロフェニル]メタンスルホンアミド、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3(2H)−ピリダジノン、2−[(2,4−ジクロロ−6−メチルフェニル)アミノ]−5−エチル−ベンゼン酢酸、(3Z)−3−[(4−クロロフェニル)[4−(メチルスルホニル)フェニル]メチレン]ジヒドロ−2(3H)−フラノン、又は(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン又はGM1ガングリオシド、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(a)下記式:
【化1】

(式中:
nは0、1、2、3又は4である整数であり;
GはO、S又はNRaであり;
aはアルキルであり;
1はH又はアリールであり;
2はカルボキシル、アミノカルボニル、アルキルスルホニルアミノカルボニル又はアルコキシカルボニルであり;
3は、アルキルチオ、ニトロ及びアルキルスルホニルから選択される1個又はそれ以
上の基で場合により置換されたハロアルキル、アルキル、アラルキル、シクロアルキル又はアリールであり;そして
各R4は独立して、H、ハロ、アルキル、アラルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノ、ニトロ、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ヘテロアリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、ヘテロアラルキルアミノスルホニル、ヘテロシクロスルホニル、アルキルスルホニル、ヒドロキシアリールカルボニル、ニトロアリール、場合により置換されたアリール、場合により置換されたヘテロアリール、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールカルボニル、アミノカルボニル又はアルキルカルボニルであり;又は、R4は、それが結合している炭素原子及び環Eの残余と一緒になってナフチル基を形成する)を有するシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ;及び
(b)レテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン及びGM1ガングリオシドからなる群から選択される神経栄養因子調節剤、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ
を含む組成物。
【請求項7】
(a)下記式:
【化2】

(式中:
Aは部分不飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環又は部分不飽和若しくは不飽和の炭素環式環であり;
1はヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル及びアリールであり、ここで、R1は置換可能な位置でアルキル、ハロアルキル、シアノ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、アルコキシアルキル、アルキルスルフィニル、ハロ、アルコキシ又はアルキルチオから選択される1個又はそれ以上の基で場合により置換されており;
2はメチル又はアミノであり;そして
3はH、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、シアノ、カルボキシル、シアノアルキル、ヘテロシクリルオキシ、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルケニル、アラルキル、ヘテロシクリルアルキル、アシル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アラルケニル、アルコキシアルキル、アリールチオアルキル、アリールオキシアルキル、アラルキルチオアルキル、アラルコキシアルキル、アルコキシアラルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、N−アリールアミノカルボニル、N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルアルキル、カルボキシアルキル、アルキルアミノ、N−アリールアミノ、N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アラルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、N−アリールアミノアルキル、N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アラルキルアミノアルキル、N−アルキル−N−アリールアミノアルキル、アリールオキシ、アラルコキシ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、N−アリールアミノスルホニル、アリールスルホニル又はN−アルキル−N−アリールアミノスルホニルである)を有するシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ;及び
(b)レテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン及びGM1ガングリオシドからなる群から選択される神経栄養因子調節剤、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ
を含む組成物。
【請求項8】
(a)下記式:
【化3】

(式中:
16はメチル又はエチルであり;
17はクロロ又はフルオロであり;
18は水素又はフルオロであり;
19は水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ又はヒドロキシであり;
20は水素又はフルオロであり;そして
21はクロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はメチルであり、ただし、R16がエチルであり、そしてR19がHである場合には、R17、R18、R20及びR21のそれぞれはフルオロではないものとする)を有するシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ;及び
(b)レテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン及びGM1ガングリオシドからなる群から選択される神経栄養因子調節剤、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ
を含む組成物。
【請求項9】
セレコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブトキシ)−5−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−3(2H)−ピリダジノン及び(S)−6,8−ジクロロ−2−(トリフルオロメチル)−2H−1−ベンゾピラン−3−カルボン酸からなる群から選択されるシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグ;及びレテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン及びGM1ガングリオシドからなる群から選択される神経栄養因子調節剤、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを含む組成物。
【請求項10】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がセレコキシブ、シミコキシブ、デラコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ又はパレコキシブであり;そして神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウム、セレブロリシン、キサリプロデン又はGM1ガングリオシド、又はその異性体、製薬上許容される塩、エステル若しくはプロドラッグである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がセレコキシブであり、そして神経栄養因子調節剤がレテプリニムカリウムである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がセレコキシブであり、そして神経栄養因子調節剤がセレブロリシンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤がバルデコキシブであり、そして神経栄養因子調節剤がキサリプロデンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
卒中が出血性卒中である、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
卒中が虚血性卒中である、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−510756(P2007−510756A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539919(P2006−539919)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037882
【国際公開番号】WO2005/046615
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】