説明

中空で管状の薬剤溶出医療器具

中空の薬剤溶出医療器具を形成する方法は、外側部材と、外側部材の管腔内に配置されたコア部材とを有する複合部材を提供することを含む。複合部材は、あるパターンに成形される。開口部が、複合部材の外側部材を貫通して形成される。複合部材は、外側部材を傷つけることなく、外側部材の管腔からコア部材を取り除くように処理され、所望のパターンに既に形成された中空の管状部材を残す。外側部材の管腔は、治療物質で満たされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療物質を放出する埋込み型医療器具と、そのような医療器具を形成する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
埋込み型薬剤溶出医療器具は、最近、それらの主要な機能(例えば、構造的な支持)を行う能力と、それらが埋め込まれた範囲を医学的に処置する能力とで評判になっている。
【0003】
例えば、薬剤溶出ステントは、冠状動脈における再狭窄を防止するために使用されている。薬剤溶出ステントは、単球の局所的な侵入/活性化を防ぎ、それによりVSMCの増殖および移動を引き起こし得る成長因子の分泌を防止する抗炎症化合物などの治療剤を投与することが出来る。他の潜在的な抗再狭窄化合物は、ラパマイシンやパクリタキセルを含む化学療法剤などの抗増殖剤を含む。抗血栓剤、抗酸化剤、血小板凝集阻害剤、および細胞増殖抑制剤などの他の種類の薬剤もまた、抗再狭窄的な用途のために提案されている。
【0004】
同様に、治療剤は、例えば、関節置換補綴、骨ねじ、ステープルなどの整形外科器具に添加されている。このような器具の配置に付随し得るリスクは、感染を含み、そして、ある種の器具に関しては、長期的には、骨が再構築するときの、器具との接触面における骨組織の損傷と、結果としての器具の緩みとを含む。このような整形外科器具における治療剤は、骨および/または他の組織の成長を促進および/または阻害したり、器具の拒絶反応、もしくは器具に隣接して接続または配置されているコンポーネントの拒絶反応を阻害したり、感染を減少させたり、炎症を減少させたり、痛みを減少させたり、ビタミンおよび/またはミネラルを提供したり、周囲の組織の治癒を促進したり、他の同様な機能を行なったりすることが出来る。
【0005】
外科ステープルもまた、治癒を補助するため、感染を防止するため、または外科ステープルに関する他の考えられる有害な効果を防止するために治療剤を含んでいる。抗菌剤、抗凝固剤、抗血栓剤、抗血小板剤、抗増殖剤、抗炎症剤、脂質低下剤、特定の成長因子アンタゴニスト、抗酸化剤、遺伝物質、血管新生成長因子、抗高血圧剤、放射性化合物、リンホカイン、および他の適切な薬剤などの薬剤が、提案されている。
【0006】
埋込み型除細動器に接続されたリード線は、心臓の内側、または心臓の表面に配置される。これらのリード線は、必要に応じて、電気ショックを伝え、心調律を感知し、そして、ときには、心臓を鼓動させるために使用される。リード線の端においては、心臓組織の中に置かれたらせん巻き金属電極があり、電気刺激を心臓に伝える。組織における異物に対する天然の免疫反応が、金属電極の腐食を非常に増加させる化学種(代表的には、ペルオキシ化合物)を生成することが分かっている。この免疫反応および関連の腐食を防止するために、スプレーや浸漬被覆法によって、電極が、例えば、ステロイド、抗生物質、抗真菌物質などの抗炎症剤で被覆される。しかしながら、このような被覆は、心臓組織への送達および挿入の間に損傷され得る。さらに、正確な用量の薬剤を送達することが、困難なことがある。
【0007】
上記で考察された薬剤溶出医療器具は、ポリマー材料で被覆されてもよく、ポリマー材料は、一種類の薬剤または薬剤の組み合わせで浸漬される。医療器具が、標的位置に埋め込まれると、薬剤が、局部組織を処置するためにポリマーから放出される。薬剤は、生物学的に安定性のあるポリマーに関しては、ポリマー層を介した拡散のプロセスによって放出され、および/または生分解性ポリマーに関しては、ポリマー材料が分解するので放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
薬剤を浸漬されたポリマー材料からの薬剤溶出の速度を制御することは、概ね、ポリマー材料の性質に基づいている。しかしながら、溶出プロセスの終了の際、ある場合には、残ったポリマー材料が、血管に対する副作用と関連し、小さいが危険な血栓を形成する可能性がある。さらに、医療器具の露出表面における、薬剤を浸漬されたポリマー被覆は、送達の間に、はげ落ち得るか、そうでなければ損傷されることがあり、それにより、薬剤が標的部位に到達するのを妨げる。またさらに、薬剤を浸漬されたポリマー被覆は、ポリマー被覆が運べる薬剤の量と、医療器具のサイズとによって、送達される薬剤の量に関して制限される。ポリマー被覆を使用して溶出速度を制御することもまた、困難である。
【0009】
従って、薬剤溶出医療器具によって送達される薬剤の量の増加を可能にし、そして、薬剤の溶出速度の制御の改善、およびこのような医療器具を形成する方法の改善を可能にする薬剤溶出医療器具が、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
中空の薬剤溶出医療器具と、中空の薬剤溶出医療器具を形成する方法とが、開示される。一実施形態において、外側部材と外側部材の管腔内に配置されたコア部材とを有するコアワイヤまたは複合部材が、医療器具に成形される。コアワイヤの外側部材を貫通して、開口部が形成される。コアワイヤは、コア部材を取り除くが、外側部材には悪影響を与えないエッチング液に曝され、中空の管状ワイヤを残す。外側部材の管腔は、治療物質で満たされる。その方法が使用され得る医療器具は、ステント、骨ねじ、ステープル、および埋込み型除細動器を含む。
【0011】
本発明の上記の特徴および他の特徴と、利点とは、添付の図面に図示される本発明の以下の記述から明らかとなるであろう。本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成している添付の図面はさらに、本発明の原理を説明し、そして、当業者が本発明を作成し使用することを可能にすることに役立つ。図面は、一定の縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に従った、例示的なステントの概略図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図1のステントのワイヤの端の長手方向の断面図である。
【図4】コアワイヤの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤを形成するステップを示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤを形成するステップを示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤを形成するステップを示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤを形成するステップを示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤを形成する方法を説明する流れ図である。
【図10】本発明の一実施形態に従った、2つのコアワイヤから中空のワイヤを形成するステップを示す長手方向の断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に従った、2つのコアワイヤから中空のワイヤを形成するステップを示す長手方向の断面図である。
【図12】本発明の一実施形態に従った、2つのコアワイヤから中空のワイヤを形成するステップを示す長手方向の断面図である。
【図13】本発明の一実施形態に従った、2つのコアワイヤから中空のワイヤを形成するステップを示す長手方向の断面図である。
【図14】本発明の別の実施形態に従った、複数の中空のワイヤから形成されたステントの概略図である。
【図15】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図16】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図17】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図18】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図19】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図20】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図21】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図22】本発明の別の実施形態に従った、ステントを形成する方法を示す。
【図23】本発明書の一実施形態に従った、中空の薬剤溶出骨ねじの断面図である。
【図24】図23の中空の薬剤溶出骨ねじを形成する方法の断面図である。
【図25】図23の中空の薬剤溶出骨ねじを形成する方法の断面図である。
【図26】図23の中空の薬剤溶出骨ねじを形成する方法の断面図である。
【図27】図23の中空の薬剤溶出骨ねじを形成する方法の断面図である。
【図28】図23の中空の薬剤溶出骨ねじを形成する方法の断面図である。
【図29】図29は、本発明の一実施形態に従った、中空の薬剤溶出ステープルの概略図である。
【図30】図29の中空の薬剤溶出ステープルを形成する方法の断面図である。
【図31】図29の中空の薬剤溶出ステープルを形成する方法の断面図である。
【図32】図29の中空の薬剤溶出ステープルを形成する方法の断面図である。
【図33】図29の中空の薬剤溶出ステープルを形成する方法の断面図である。
【図34】図29の中空の薬剤溶出ステープルを形成する方法の断面図である。
【図35】埋込み型除細動器の概略図である。
【図36】埋込み型除細動器と共に使用するための電極を示す。
【図37】埋込み型除細動器と共に使用するための電極を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本発明の特定の実施形態が、ここで図面を参照して記述され、同じ参照符号は、同一または機能的に同様な要素を示す。
ステントの実施形態
【0014】
本明細書に開示されたステント100の実施形態が、図1〜図3に示されている。特に、ステント100は、中空のワイヤ102から形成されている。図1に示された実施形態において、ステント100は、湾曲部分またはクラウン108によって接合された、略真直ぐな部分106を含む一連の略正弦曲線の波に形成され、略管状のステント100を形成している。略正弦曲線のパターンは、図1に示されているように、管の形にされている。図1に示された実施形態において、長手方向に隣接する正弦曲線のうちの選択されたクラウン108が、例えば、接合部110によって接合され得る。本発明は、図1に示されたパターンには限定されない。ステント100は、ステントとしての使用に適した任意のパターンに形成されてもよい。限定するものではないが、例えば、ステント100は、Gianturcoに対する米国特許第4,800,082号明細書、Wiktorに対する米国特許第4,886,062号明細書、Wiktorに対する米国特許第5,133,732号明細書、Wiktorに対する米国特許第5,782,903号明細書、Boyleに対する米国特許第6,136,023号明細書、およびPinchukに対する米国特許第5,019,090号明細書に開示されたパターンに形成されてもよく、これらのそれぞれは、その全体が、参照により組み込まれる。
【0015】
図2に示されるように、ステント100の中空のワイヤ102は、治療物質または薬剤112が中空のワイヤ102の管腔103内に収容されることを可能にしている。中空のワイヤ102は、略円形の断面を有するように示されているが、中空のワイヤ102は、断面が略楕円または長方形であってもよい。中空のワイヤ102はさらに、薬剤112が管腔103から放出されるのを可能にするように、中空のワイヤの長さに沿って分散された切開部または開口部104を含んでいる。開口部104は、ステント100の略真直ぐな部分106にだけか、ステント100のクラウン108にだけか、または略真直ぐな部分106とクラウン108との両方に配置されてもよい。開口部104は、ステント100からの薬剤112の溶出速度を制御するために所望に応じたサイズや形状にされ得る。より大きいサイズの開口部104は、概ね、より速い溶出速度を可能にし、そして、より小さいサイズの開口部104は、概ね、より遅い溶出速度を提供する。さらに、開口部104のサイズおよび/または数は、ステント100の異なる部分においてステント100から溶出される薬剤112の量および/または速度を変更するために、ステント100に沿って変更され得る。限定するものではないが、例えば、開口部104は、直径が10〜30μmであり得る。開口部104は、図2に示されているように、ステント100の外側に面する表面または反管腔側の表面116だけに提供されるか、ステント100の内側に面している表面または管腔側の表面118だけに提供されるか、両方の表面に提供されてもよく、またはワイヤ102の円周に沿ってどこにでも提供されてよい。
【0016】
ワイヤ102の端114は、図3に示されているように閉じられ得る。端114は、管腔103を閉じるために、ワイヤ102の余分な材料の両端を引き寄せて重ねることによって閉じられ得る。端114を閉じることは、薬剤114が時期尚早に端114から放出されることを防止する。しかしながら、薬剤112が、乾燥され得るか、ポリマーマトリックス内に提供され得るか、ライナー(図示せず)内に包み込まれ得るか、または別の方法で端114からの時期尚早な放出から保護されることが出来る場合には、端114を閉じることは、必要とされない。さらに、端114が自由端でないように、端114は、ワイヤ102の他の部分に溶接され得るか、両端を引き寄せて重ねられ得るか、または別の方法で接続され得る。端114は、代替的には、自由端として提供されてもよい。
【0017】
図4〜図9は、本発明の一実施形態に従った、中空のワイヤステントを形成するための方法を示している。図9に示されているように、ステップ200は、外側部材と中央のコア部材とをワイヤに提供することである。これらの種類のワイヤは、コアワイヤと呼ばれる場合もあり、複合部材と呼ばれることもあり得る。コアワイヤ170は、図4に概略的に示されているように、外側部材102と、内側部材またはコア部材120とから形成されている。外側部材102は、ステント100の中空のワイヤ102となり、従って、同じ参照符号が付されている。コアワイヤ170は、当該分野において公知の任意の方法によって形成されることが出来、限定するものではないが、例えば、延伸充填管プロセスか、内側部材を覆って外側部材を押出成形することか、またはその他任意の適切な方法によって形成されることが出来る。コアワイヤと、コアワイヤを形成する方法との例は、Mayerに対する米国特許第5,630,840号明細書、Stinsonに対する米国特許第6,248,190号明細書、Heathに対する米国特許第6,497,709号明細書、Heathに対する米国特許第7,101,392号明細書に見出されることが出来、これらのそれぞれは、その全体が参照により組み込まれる。
【0018】
外側部材102は、ステントとして使用されることに適した任意の材料であり得る。外側部材102は、以下でさらに詳細に説明されるように、中空のワイヤ102になる残存材料である。限定するものではないが、例えば、外側部材102は、ステンレススチール、「MP35N」、「MP20N」、Nitinolなどのニッケルチタン合金、マグネシウム、L605、またはそれらの組み合わせであり得る。「MP35N」および「MP20N」は、standard Press Steel Co.、Jenkintown, Paから入手可能な、コバルトとニッケルとクロムとモリブデンとの合金のトレードネームである。「MP35N」は、35%のコバルトと、35%のニッケルと、20%のクロムと、10%のモリブデンとからなっている。「MP20N」は、50%のコバルトと、20%のニッケルと、20%のクロムと、10%のモリブデンとからなっている。外側部材102の材料としての要件は、以下でさらに詳細に考察されるように、材料が、生体適合性であり、ステントとして使用されるように十分に弾力的であることと、材料が、コア部材120を取り除くためのプロセスに耐えることとである。
【0019】
コア部材120は、以下でさらに詳細に説明されるように、コアワイヤがステントパターンに曲げられている間に、外側部材102に対して十分な支持を提供する材料であり得る。コア部材120は、外側部材102の材料よりも延性のある材料で作られてもよく、または外側部材102の材料よりも高い融点を有してもよい。さらに、コア部材120は、外側部材102の材料を損傷しないプロセスによって取り除かれることが出来る犠牲材料で作られている。コア部材120のための材料の例は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、レニウム(Re)、炭素(c)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン(Si)、およびそれらの合金を含むが、それらには限定されない。
【0020】
コアワイヤ170の断面が、図5に示されている。例えば、どの内腔またはどの臓器において、およびどのような目的で、ステントが利用されるかなどの用途に応じて、外側部材102は、0.0025インチから0.010インチの範囲で外径D1を有することが出来、0.0005インチ以上の範囲で壁厚Tを有することが出来る。上記で列挙された値は、単なる例であり、他の直径や他の厚さが、例えば、使用される材料、所望のステントの形状、およびステントの目的または位置などに応じて使用されることが出来る。
【0021】
図9を参照すると、ステップ210は、コアワイヤ170をステントパターンに成形することである。上記で考察されたように、ステントパターンは、図1に示されたパターンか、またはワイヤから形成されるその他任意の適切なパターンであり得る。さらに、すべてのステップの順序は、重要ではないが、ステップ210は、以下でさらに詳細に説明されるように、コア部材120を取り除く前に行われなければならない。コア部材120が外側部材102内に配置される間に、コアワイヤ170をステントパターンに成形することが、よじれ、または他の変形が、外側部材102において起こることを防止することを助ける。図1に示されたステントパターンにコアワイヤ170を成形することは、当業者には公知のように、概ね、二次元の正弦曲線のパターンにコアワイヤ170を形成するステップを含み、そのステップには、マンドレルの周りにそのパターンを巻くことが続く。最終的な結果は、マンドレル上に形成されるらせん状のステントパターンである。次に、らせん状のパターンの選択されたクラウン108が、共に溶接され、そして、ステントが、マンドレルから取り外される。
【0022】
図9に示されたステップ220は、外側部材102において開口部104を提供することである。開口部104は、外側部材102において、レーザ切断されるか、ドリルで開けられるか、エッチングされるか、または別の方法で提供されてもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、ステップ220は、ステップ230の前に行われることが好ましいが、ステップ220は、ステップ210の後に行われる必要も、ステップ230の前に行われる必要もない。ステップ220が、ステップ210の後に行われる場合には、コアワイヤ170の断面は、図6に示されているように、外側部材102と、内側部材120と、開口部104とを含む。
【0023】
ステップ230は、コア部材120を化学的にエッチングして除去することである。ステップ230は、外側部材102を保存しながら、コア部材120を除去するための任意の適切なプロセスによって行われることが出来る。特に、1〜6Torrの低い圧力で、比較的に高い温度(約150℃)において、キセノンジフルオリド(XeF2)ガスにコアワイヤ170を当てることが、キセノンジフルオリド(XeF2)ガスをタンタル(Ta)のコア部材102と反応させて、TaF5ガスおよびXeガスを形成し、TaF5ガスおよびXeガスは、管腔103から排出されることが出来る。キセノンジフルオリド(XeF2)ガスは、同様に、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、およびシリコンから作られたコア部材120と反応する。しかしながら、キセノンジフルオリド(XeF2)ガスは、MP35Nで形成された外側部材とは反応しない。したがって、ステップ230が完了した後、外側部材102が残り、コア部材120が取り除かれ、図7に示された構造を残す。上記で特に言及されたように、エッチング液にコア部材120を曝す方法がある限り、開口部104は、コア部材120を取り除くステップの前に形成される必要はない。例えば、エッチング液にコア部材120を曝すために、ワイヤの端114は、開いていてもよく、または一時的なポートが、外側部材102を貫通して形成されてもよい。
【0024】
コア部材120が、取り除かれた後、図10のステップ240に示されているように、薬剤112が、外側部材102の管腔103に注入され得る。これが、図2および図8に示されているように、管腔103に配置された薬剤112と、これを通って薬剤112が溶出できる開口部104とを備えた中空のワイヤまたは外側部材102を作り出す。
【0025】
ステント100は、従来通り、体の血管において、血管形成手術の後に、このような血管を支持するために使用されることが出来る。ステントから溶出される特定の薬剤が、血管形成術またはステントと関連付けられる再狭窄または他の合併症を防止することが出来ることが公知である。ステント100は、代替的には、腫瘍、炎症、精神の状態、または当業者には明白である他の状態を処置するための薬剤の送達のために、体の他の臓器または他の組織において使用されてもよい。
【0026】
図10〜図13は、ステントを形成するために使用される中空のワイヤの別の実施形態を示しており、ここで、中空のワイヤは、端と端とを接続する方法で互いに結合された第1のコアワイヤ170と第2のコアワイヤ170’とから形成されている。ワイヤの一部分だけが、図10〜図13に示されている。さらに、3つ以上のワイヤが、本明細書に開示されているようなステントを形成するために互いに結合されてもよい。
【0027】
図10に示されているように、第1のコアワイヤ170の遠位端114が、第2のコアワイヤ170’の近位端114’に結合されている。第1のコアワイヤ170は、第1の外側部材102と、第1の外側部材102の第1の管腔103内に配置された第1のコア部材120とを含んでいる。同様に、第2のコアワイヤ170’は、第2の外側部材102’と、外側部材102’の第2の管腔103’内に配置された第2のコア部材120’とを含んでいる。第1のコアワイヤ170と第2のコアワイヤ170’とは、溶接、はんだ付け、接着剤、機械結合、または当業者に公知の他の手段を介して連結されることが出来る。
【0028】
結合されたコアワイヤ170、170’は、次に、図1に示されたパターンなどのステントパターンに成形される。図11に示されているように、第1の開口部104は、第1のコアワイヤ170の第1の外側部材102を貫通して形成され、第2の開口部104’は、第2のコアワイヤ170’の第2の外側部材102’を貫通して形成されている。第1および第2の開口部104、104’は、用途に応じて、同じサイズおよび同じ形状であり得るか、または異なるサイズおよび/または異なる形状であり得る。開口部104、104’は、上記で考察されたように形成されることが出来る。
【0029】
第1および第2のコアワイヤ170、170’は、次に、第1のコア部材120および第2のコア部材120’を取り除くために、化学的なエッチング液に曝され、図12に示されているように、第1および第2の外側部材102、102’を残す。化学的なエッチング液は、上記で考察されたようなものであり得る。
【0030】
図13に示されているように、次に、第1の薬剤112が、第1の外側部材102の第1の管腔103に注入され、そして、第2の薬剤が、第2の外側部材102’の第2の管腔103’に注入される。第1の薬剤112と第2の薬剤112’とは、用途に応じて、異なる薬剤、または異なる濃度の同じ薬剤であり得る。
【0031】
ステントを形成するために複数のワイヤを連結することが、異なる薬剤または異なる用量の同じ薬剤がステントの異なる部分に対して使用されることを可能にしている。例えば、図14に示されたステント300は、腫瘍を処置するために使用されることが出来、ここで、より高い濃度の薬剤112が、ステント300の中央部分382において必要とされ、より低い濃度の薬剤112が、ステント300の近位および遠位の部分380、384において必要とされている。従って、第1のコアワイヤと、第2のワイヤと、第3のコアワイヤとは、図10に関して上記で説明されたように、端と端(114、114’、114’’)とを接続して連結されている。接合されたコアワイヤは、次に、図14に示されているステントなどのステントに成形される。第1のコアワイヤは、近位部分380を形成するための適切な長さであり、第2のコアワイヤは、中央部分382を形成するための適切な長さであり、そして、第3のコアワイヤは、遠位部分384を形成するための適切な長さである。穴104、104’、104’’は、それぞれ、第1、第2、および第3のコアワイヤの外側部材102、102’、102’’を貫通して形成される。コアワイヤは、上記で考察されたように、コア部材を取り除くために、化学的なエッチング液に曝され、そして、各外側部材102、102’、102’’が、それぞれの薬剤で満たされる。
【0032】
中空のストラットを含むステントを形成する別の方法が、図15〜図22を参照して記述される。記述された先の実施形態は、コアワイヤをステントの形状に形成し、次に、コアワイヤのコア部材または内側部材を取り除き、ステントの形態に成形された中空のワイヤを残す。当業者によって理解されるように、ステントはまた、示されているような、中空の、略円筒形の、薄い壁の管から開始して、次に、略円筒形のステントを残すように、管から材料をレーザ切断するか、またはエッチングして除去して製造される。このような方法におけるストラットは、管の壁の厚さである。本実施形態の方法において、このようなストラットは、ストラットが治療物質で満たされることが出来るように中空であるように作られる。
【0033】
本実施形態において、図15に示された、略円筒形の、薄い壁の管200は、図16に示されているように、残りの材料が、所望のステント形状になるように材料を除去するように、レーザ切断されるか、エッチングされるか、または別の方法で処理される。しかしながら、管200は、コアワイヤのコア部材に関して本明細書において記述された材料と同様な犠牲材料で作られている。さらに管200から残っているストラット202は、最終的なステントのストラットとしてではなく、サイズを決められたり間隔を開けられたりする。むしろ、ストラット202は、以下でさらに詳細に記述されるように、ステントの中空のストラットの内側管腔としてサイズを決められたり間隔を開けられたりする。
【0034】
内側薄壁管210は、管200の管腔204に挿入され、外側薄壁管220は、管200を覆って配置され、それにより、図17に部分的に示されているように、管210と管220との間に管200を挟んでいる。管210と管220とは、最終的なステントに対して所望される材料から作られている。材料はまた、以下でさらに詳細に記述されるように、管200を取り除くために使用されるプロセスに対して不活性でなければならない。図18に示されているように、管210および管220の壁が、管200のストラット202を囲むように、3層の管が、処理されている。このようなプロセスの例は、内側管210における支持ロッドを挿入することを含む。3つの管を、円筒形のプレスがスエージ加工、または加圧が溶接する。アロイングなどの他のステップが、潜在的なストレスを管から除去するために使用され得る。
【0035】
次に、組み合わされた管は、残りの材料が、図19に示されているようなステント240として成形されるように材料を取り除くように、レーザ切断されるか、エッチングされるか、または別の方法で処理される。ステント240のストラット242は、図20に示されているように、管210および管220の材料から形成された外側層と、管200のストラット202から形成された内側層とを含んでいる。
【0036】
次に、穴244が、図21に示されているように、ストラット242の中にレーザ切断されるか、そうでなければドリルで開けられる。ステント240は、次に、ストラット242からストラット202を取り除くためのプロセスを受けさせられる。例えば、上記で記述されているように、管200(従ってストラット202)は、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、またはシリコンから作られることが出来、そして、内側管210および外側管220は、MP35Nから作られることが出来る。ステント240は、ステント240に切り込まれた穴244または他のポートを通って排出されることが出来るガスを形成するように、キセノンジフルオリドが、ストラット202と反応するように、低い圧力で、比較的に高い温度でキセノンジフルオリドガスに曝され得る。キセノンジフルオリドは、MP35Nと反応しない。従って、ストラット242は残り、ストラット202が溶解して除去された空隙に、管腔246が、作り出される。その結果、管腔246は、上記で説明されたように、治療物質で満たされることが出来る。以下で考察される、コア部材を取り除くための代替的な材料およびプロセスが、ストラット242の管腔246からストラット202を取り除くために、ここで記述されたステントを作るプロセスにおいて使用されてもよい。
【0037】
治療物質または薬剤は、抗新生物剤、抗有糸分裂剤、抗炎症剤、抗血小板剤、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗トロンビン剤、抗増殖剤、抗生物質、抗酸化剤、および抗アレルギー物質だけでなく、それらの組み合わせを含み得るが、それらには限定されない。このような抗新生物剤および/または抗有糸分裂剤の例は、パクリタキセル(例えば、Bristol−Myers Squibb Co., Stamford, Conn.によるTAXOL(登録商標))、ドセタキセル(例えば、Aventis S.A., Frankfurt, GermanyからのTaxotere(登録商標))、メトトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えば、Pharmacia & Upjohn, Peapack N.J.からのAdriamycin(登録商標))、およびマイトマイシン(例えば、Bristol−Myers Squibb Co., Stamford, Conn.からのMutamycin(登録商標))を含む。このような抗血小板剤、抗凝固剤、抗フィブリン、および抗トロンビン剤の例は、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリン類似物質、ヒルジン、アルガトロバン、ホルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリンおよびプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体アンタゴニスト抗体、組換体ヒルジン、ならびにAngiomax(商標)(Biogen, Inc., Cambridge, Mass.)などのトロンビンインヒビターを含む。このような細胞増殖抑制剤または抗増殖剤の例は、ABT−578(ラパマイシンの合成類似体)、ラパマイシン(シロリムス)、ゾタロリムス、エベロリムス、アンギオペプチン、カプトプリル(例えば、Bristol−Myers Squibb Co., Stamford, Conn.からのCapoten(登録商標)およびCapozide(登録商標))などアンジオテンシン変換酵素インヒビター、シラザプリルまたはリシノプリル(例えば、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J.からのPrinivil(登録商標)およびPrinzide(登録商標))、カルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピンなど)、コルヒチン、線維芽細胞成長因子(FGF)アンタゴニスト、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン(Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J.からのHMG−CoAレダクターゼのインヒビター、コレステロール降下薬、ブランドネームは、Mevacor(登録商標))、モノクローナル抗体(血小板由来成長因子(PDGF)受容体に対して特異的なモノクローナル抗体など)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼインヒビター、プロスタグランジンインヒビター、スラミン、セロトニン遮断薬、ステロイド、チオプロテアーゼインヒビター、トリアゾロピリミジン(PDGFアンタゴニスト)、および一酸化窒素を含む。抗アレルギー剤の例は、ペミロラストカリウムである。使用されてもよい他の治療物質または治療剤は、一酸化窒素、アルファ−インターフェロン、遺伝子操作された上皮細胞、およびデキサメタゾンを含む。他の例において、治療物質は、放射線療法治療における埋込み型器具の使用のための放射性同位体である。放射性同位体の例は、リン(P32)、パラジウム(Pd103)、セシウム(Cs131)、イリジウム(I192)、およびヨウ素(I125)を含むが、それらには限定されない。上記の治療物質または治療剤の予防特性および処置特性は、当業者には周知であるが、その治療物質または治療剤は、例として提供されており、限定することを意図されていない。他の治療物質が、開示の方法および組成物との使用に対して同様に適用可能である。
【0038】
さらに、キャリアが、治療物質または治療薬と共に使用されてもよい。適切なキャリアの例は、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、それらの組み合わせ、または当業者に公知の他の適切なキャリアを含むが、それらには限定されない。またさらに、界面活性剤が、薬剤の溶出を補助するために、薬剤および溶媒と共に処方されてもよい。
外側部材からコア部材を取り除く方法
【0039】
記述されたステントの実施形態において、中空で管状の構造が、外側部材とコア部材とを含むコアワイヤまたは複合部材から形成されており、ここで、コア部材は、組み合わせられた外側部材/コア部材(コアワイヤ)を所望の形状に成形した後に取り除かれる犠牲材料である。記述された実施形態において、外側部材は、MP35Nなどの金属から形成されることが出来、コア部材は、タンタルから形成されることが出来る。コア部材は、真空においてキセノンジフルオリドガスに曝され、キセノンジフルオリドガスは、コア部材の材料と反応して、外側部材から排出されることが出来るガスを形成する。あるいは、三フッ化臭素(BrF3)または他のハロゲン間化合物ガスが、コア部材と反応させるためにキセノンジフルオリドの代わりに使用されてもよい。
【0040】
コア部材および外側部材のための他の材料が、コア部材と反応させるために他のガスと共に使用されてもよい。例えば、ニッケル(Ni)が、コア部材として使用されてもよく、プラチナ、イリジウム、チタン、またはタンタルが、外側部材として使用されてもよい。コア部材は、一酸化炭素(CO)に曝され、一酸化炭素(CO)は、ニッケルのコア部材と反応して、外側部材の管腔から蒸発させられるガス状のニッケルカルボニルを形成する。一酸化炭素は、例示的な外側部材として列挙された材料とは反応しない。別の例において、コア部材は、チタンまたはジルコニウムから作られ、そして、ヨウ素(I2)に曝されてもよい。ヨウ素は、チタンまたはジルコニウムのコア部材と反応して、当業者には公知の適切なエッチング条件の下ではガスであり得るヨウ化チタン(TiI4)またはヨウ化ジルコニウム(ZrI4)を形成する。ヨウ素とは反応しない材料、例えば、ステンレススチール、およびニッケルベースの合金から形成された外側部材が、使用される。
【0041】
コアワイヤが、所望の形状に形成されるか、または別の方法で処理される間に、外側部材を支持し、そして、次に、コア部材を取り除いて、中空の管状構造を残すために、他の方法もまた、使用され得る。
【0042】
一実施形態において、コア部材と反応してコア部材を溶解させるが、外側部材とは反応しない化学物質に、コア部材が曝されるように、湿式化学的溶解法が、使用される。外側部材/コア部材の組み合わせと化学エッチング液との例は、化学エッチング液としての過酸化水素(H22)とMP35Nの外側部材およびモリブデンのコア部材、化学エッチング液としての三ヨウ化カリウム(Kl3)とニチノール(および他のニッケル合金)またはステンレススチールの外側部材および金のコア部材、ならびに化学エッチング液としての硝酸とアルミニウム合金またはステンレススチールの外側部材および銅のコア部材を含むが、それらには限定されない。これらの例は、例示的であり、コア部材と反応してコア部材を溶解させるが、医療器具としての使用に適している外側部材と反応しない化学エッチング液が、このプロセスにおいて使用され得ることが、当業者によって理解される。
【0043】
別の実施形態において、コア部材は、溶解化によって、外側部材の管腔から取り除かれる。コアワイヤまたは複合部材は、上記で考察されたように開口部を含む。コア部材の材料は可溶性であるが、外側部材は可溶性ではない液体溶媒に複合部材を配置することが、コア部材の材料を溶解する。コア部材の材料が、その中で溶解されている溶媒は、次に、外側部材の管腔から排出される。非限定的な1つの例において、外側部材の材料は、医療器具の用途のために通常使用される材料であり、外側部材の管腔は、塩または蝋で満たされる。コアワイヤを所望の形状に成形した後、成形されたコアワイヤは、水、またはヘキサンなどの非極性溶媒にそれぞれ曝される。コア部材は、溶媒の中で溶解し、管腔から取り除かれる。非限定的な別の例において、外側部材は、プラチナで作られてもよく、コア部材は、水銀によって溶解される金属、例えば、銀、金、および銅で作られてもよい。同様に、タングステンが、外側部材のために使用されてもよく、液体ガリウムが、溶媒として使用されてもよい。コア部材は、液体ガリウムによって溶解される材料、例えば、アルミニウムで作られてもよい。
【0044】
別の実施形態において、外側部材の管腔からコア部材の材料を取り除くために、固相から気相にコア部材を転換するために、昇華が使用される。高真空において加熱されたときに、固相から気相に転換する材料から、コア部材は形成されている。コア部材を囲んでいる外側部材は、複合部材(組み合わされた外側部材とコア部材)が曝される条件において昇華または融解しない材料から作られる。例えば、モリブデンまたはタングステンが、外側部材として使用され得、クロムが、コア部材として使用され得る。真空においてクロムを加熱することが、融点温度よりも低い温度で昇華によってクロムを気化させる。
【0045】
別の実施形態において、コア部材は、外側部材の材料よりも低い融点温度を有する材料から作られる。コアワイヤが、所望の形状に形成された後、または別の方法で処理された後、コアワイヤは、コア部材の融点温度よりも高いが、外側部材の融点温度よりも低い温度まで加熱される。コア部材は、融解して液相になり、外側部材の管腔から取り除かれる。コア部材の融点温度よりも高い温度にコアワイヤを加熱することが、外側部材の物性に悪影響を与えないように、外側部材は、選択されるべきである。使用されてもよい外側部材の例は、チタン、MP35Nなどのニッケル−クロム合金、ステンレススチール、タンタル、およびタングステンを含むが、それらには限定されない。外側部材よりも低い温度で融解するコア部材の例は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、金、および銀を含むが、それらには限定されない。一例において、マグネシウムのコア部材は、MP35Nで形成された外側部材によって囲まれている。MP35Nに対する融点は、1440℃であるが、マグネシウムに対する融点は、約650℃である。従って、MP35Nから形成された外側部材とマグネシウムから形成されたコア部材とから形成されたコアワイヤまたは複合部材を、650℃よりも高いが、1440℃よりも低い温度に加熱することが、外側部材部材の管腔から排出されることが出来る液体にマグネシウムのコア部材を融解し、中空のワイヤを残す。このような例において、マグネシウムのコア部材が、MP35Nの外側部材の管腔から蒸発して、中空のワイヤを残すように、複合部材は、代替的に、1090℃、すなわち、マグネシウムの沸点よりも高いが、1440℃よりも低い温度に加熱されてもよい。
骨ねじの実施形態
【0046】
図23は、本発明の一実施形態に従った、骨ねじ300の断面図を示している。骨ねじ300は、頭部302と、ねじ山306を含むシャンク304とを含んでいる。骨ねじ300はさらに、シャンク304内に配置されたリザーバまたは管腔308を含んでいる。リザーバ308は、シャンク304の中だけに示されているが、リザーバ208は、頭部302の中に延伸することが出来る。穴または開口部310が、シャンク304において、シャンク304の外側表面からリザーバ308まで提供されている。治療物質または薬剤312は、骨ねじ300が体の中に埋め込まれた時には、治療物質312がリザーバ308から穴310を通って溶出するように、リザーバ308内に収容される。
【0047】
図24〜図28は、中空の薬剤溶出骨ねじ300を作るための方法の実施形態を説明している。図24に示されているように、外側部材314は、コア部材316を覆って押出成形されているか、または別の方法で提供されている。外側部材314の端318および320は、示されているように、コア部材316の端を越えて延伸してもよい。外側部材314は、骨ねじのための任意の適切な材料で形成され得る。このような材料の例は、ステンレススチール、チタン、コバルト、クロム、タングステン、タンタル、モリブデン、およびそれらの合金(例えば、MP35N)を含むが、それらには限定されない。コア部材316は、上記で記述された犠牲材料などの犠牲材料で形成されている。外側部材314およびコア部材316は、上記で記述されたように、外側部材314からコア部材316を溶解するために使用されるプロセスに応じて選択される。
【0048】
外側部材314の端318および320は、次に、端318、320が、図25に示されているようにコア部材316を囲むように圧縮されるか、または別の方法で処理され得る。外側部材は、次に、当業者には公知の技術を使用して、例えば、4軸のCNC機械圧延機を使用して所望の形状に形成される。このようなプロセスが、外側部材314を、図26に示されているような、コア部材316が骨ねじ300の中に包み込まれた骨ねじ300の形状にする。次に、穴310が、図27に示されているように、外側部材314を貫通して、ドリルで開けられるか、レーザ切断されるか、または別の方法で提供される。次に、コア部材316は、コア部材316が溶解し、ガスなどの任意の副産物成分が穴310を通って排出され、図28に示されているようにリザーバ308を残すように、穴310を介して物質に曝される。外側部材からコア部材を取り除くための、上記で考察されたプロセスが、コア部材316を溶解するために使用されてもよい。次に、リザーバ308が、穴310を介して治療物質312で満たされ、それにより、図24に示された骨ねじ300となることが出来る。
【0049】
記述された実施形態において使用された治療物質312は、ステロイド、抗生物質、抗炎症薬、抗増殖化合物、抗真菌化合物、抗有糸分裂化合物、代謝拮抗化合物、鎮痛薬、コルチコステロイド、抗血管新生ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、ヒドロキシルアパタイトやSimvastatinなどの骨成長促進薬、および当業者には明白な他の物質を含み得るが、それらには限定されない。さらに、キャリアまたは放出制御剤が、治療物質に添加されてもよい。
ステープルの実施形態
【0050】
図29は、本発明の実施形態に従った、中空の薬剤溶出ステープル400の概略的斜視図を示している。ステープルは、先端402と、リザーバまたは管腔410(図33〜図34を参照)に通じる穴または開口部404とを含んでいる。治療物質または薬剤412(図34)は、ステープル400が体の中に埋め込まれた時には、治療物質412がリザーバ410から穴404を通って溶出するように、リザーバ410内に収容される。
【0051】
図30〜図34は、中空の薬剤溶出ステープル400を作るための方法の実施形態を説明している。図30に示されているように、外側部材406は、コア部材408を覆って押出成形されるか、または別の方法で提供されている。外側部材406の端は、示されているように、コア部材408の端を越えて延伸してもよい。外側部材406は、ステープルのための任意の適切な材料で形成され得る。このような材料の例は、ステンレススチール、チタン、コバルト、クロム、タングステン、タンタル、モリブデン、およびそれらの合金(例えば、MP35N)を含むが、それらには限定されない。コア部材408は、上記で記述された犠牲材料などの犠牲材料で形成されている。外側部材406およびコア部材408は、上記で記述されたように、外側部材406からコア部材408を溶解させるために使用されるプロセスに応じて選択される。
【0052】
外側部材406およびコア部材408は、外側部材406の端が、コア部材408を囲み、そして、次に、組み合わせが、当業者には公知の技術を使用して所望の形状に形成されるように圧縮されるか、または別の方法で処理され得る。このようなプロセスが、外側部材406を、図31に示されているような、コア部材408がステープル400の中に包み込まれたステープル400の形状にする。次に、穴404が、図32に示されているように、外側部材406を貫通して、ドリルで開けられるか、レーザ切断されるか、または別の方法で提供される。次に、コア部材408は、コア部材408が溶解し、ガスなどの任意の副産物成分が穴404を通って排出され、図33に示されているようにリザーバ410を残すように、穴404を介して物質に曝される。外側部材からコア部材を取り除くための、上記で考察されたプロセスが、コア部材408を溶解するために使用されてもよい。次に、リザーバ410が、穴410を介して治療物質412で満たされ、それにより、図34に示された骨ねじ300となり得る。
【0053】
記述された実施形態において使用された治療物質412は、ステロイド、抗生物質、抗炎症薬、抗増殖化合物、抗真菌化合物、抗有糸分裂化合物、代謝拮抗化合物、鎮痛薬、コルチコステロイド、抗血管新生ステロイド、非ステロイド抗炎症剤、および当業者には明白な他の物質を含み得るが、それらには限定されない。さらに、キャリアまたは放出制御剤が、治療物質に添加されてもよい。
埋込み型除細動器
【0054】
図35は、プログラムされたペーシングおよび/または感知モードに基づいて心房および心室を感知する機能を提供し、心室および心房のカルディオバージョン療法を提供するための、マルチプログラマブル二腔埋込み型医療器具(IMD)500と、関連のリード線システムとの例を説明している。
【0055】
プログラムされたペーシングモードに応じて、ペーシングパルスが、IMD500による適切な徐脈条件の検知に応答して心房および/または心室に適用され得る。ペーシングおよび感知の機能は、右心房/上大静脈(RA/SVC)および右心室(RV)のリード線502および504の端のそれぞれにおける心房および心室の双極のペース/感知の電極対を介してもたらされる。リード線502および504は、右心房506および右心室508のそれぞれに固定され得、リード線502および504は、コネクタブロック510を介してIMD500の回路網に電気的に結合されている。
【0056】
冠状静脈洞(CS)リード線512は、細長い露出されたコイルワイヤのCSカルディオバージョン電極514に結合された1つの細長い渦巻きワイヤ導体を包み込んでいる細長い絶縁リード線本体を含んでいる。破線の輪郭線で描かれたCSカルディオバージョン電極514は、心臓516の冠状動脈洞の中に配置されている。渦巻きワイヤ導体に結合された露出されたコネクタを有し、コネクタブロック510内で、当該分野において周知の方法でコネクタブロックの端子に取り付けられたコネクタ端518が、CSリード線512の近位端にある。
【0057】
RA/SVCリード線502は、管状の絶縁シースによって互いに隔離された、同心の、電気的に絶縁された、渦巻きワイヤ導体を担持する細長い絶縁リード線本体を含み得る。リード線本体は、右心房の付属器に遠位端を配置するために心房用のJ字型であり得る。心房のペース/感知リング電極520と、絶縁電極の頭部524内に格納可能に据え付けられた延伸可能ならせん状のペース/感知電極522とが、J字型の湾曲部に対して遠位方向に形成されている。らせん状の電極522は、電極の頭部524から延伸可能であり、当該分野において周知の方法で心房の付属器の中にねじ留めされることができる。
【0058】
RAペース/感知電極520、522は、心房のペーシングと、近接場のP波の検知とのために使用される。細長い、露出されたコイルのRA/SVCカルディオバージョン電極526は、RAリード線502上で支持され、ペース/感知リング電極520に対して近位方向に延伸し、RAリード線本体内で、第3の、渦巻きワイヤ導体に結合されている。RA/SVCカルディオバージョン電極526は、長さが10cm以上であり、SVC内から三尖弁528に向かって延伸するように構成されていることが好ましい。それぞれが渦巻きワイヤ導体のうちの1つに結合されている3つの露出された電気コネクタを担持する二股コネクタ530が、RAリード線502の近位端にあり、電気コネクタは、コネクタブロック510内で、当該分野において周知の方法でコネクタブロックの端子に取り付けられている。
【0059】
心房のカルディオバージョン/除細動療法の心房への送達は、心臓内電極の選択された組み合わせ、例えば、説明された例示的な、RA/SVCカルディオバージョン電極526とCSカルディオバージョン電極514とを介してもたらされることが出来る。IMD500の外側筐体または缶の露出された表面532は、選択的に缶電極534として使用されてもよい。缶電極534は、心房を心変換または除細動するために、1つ以上の心臓内カルディオバージョン電極と組み合わせて皮下の遠隔カルディオバージョン電極として働くことが出来る。
【0060】
RVリード線504は、管状の絶縁シースによって互いから隔離されている、少なくとも3つの、同心の、電気的に絶縁された、渦巻きワイヤ導体を包み込んでいる細長い絶縁リード線本体を含み得る。ペース/感知リング電極536と、絶縁電極の頭部540内に格納可能に据え付けられているらせん状のペース/感知電極538が、RVリード線504の遠位端に隣接して配置されている。らせん状の電極538は、電極の頭部540から延伸可能であり、当業者には周知の方法で、心尖部の中にねじ留めされることが出来る。RVペース/感知電極536、538はそれぞれ、RVリード線本体内で、渦巻きワイヤ導体に結合され、心室における心臓ペーシングのために、および近接場のR波を感知するために使用される。
【0061】
心室のカルディオバージョン療法を送達するために実装された、本発明の実施形態において、RVリード線504の遠位部分もまた、細長い、露出されたワイヤコイルのカルディオバージョン電極542を支持している。カルディオバージョン電極542は、心臓516の右心室508に配置され、RVリード線本体内で、さらなる渦巻きワイヤ導体に接続されてもよい。具体的には説明されていないが、心室のカルディオバージョン療法が、カルディオバージョン電極542と組み合わせて、さらなるRVカルディオバージョン電極の間に送達されるか、またはカルディオバージョン電極と缶電極534および/またはCSカルディオバージョン電極514もしくはRA/SVCカルディオバージョン電極526との間に送達されてもよいことが、理解される。それぞれがRVリード線本体において渦巻き導体のうちの1つの結合されている複数の電気コネクタを有する二股コネクタ端544が、RVリード線504の近位端にあり、複数の電気コネクタは、当該分野において周知の方法で、コネクタブロック510内で、コネクタブロックの端子に取り付けられている。
【0062】
らせん状の電極538などのらせん状の電極が、心臓組織の中に配置され、電気刺激を心臓に送達する。一実施形態において、らせん状または渦巻き状の電極538が、図36および図37に示されている。電極538を通って配置され、そして、その中に配置された治療物質554を含む管腔552を、電極538は、含んでいる。外側部材556を貫通して配置された穴または開口部550は、治療物質556が標的組織まで溶出するのを可能にする。電極538は、上記で記述されたように、すなわち、外側部材556およびコア部材(図示せず)で形成されたコアワイヤを形成し、所望の形状にコアワイヤを成形し、外側部材556を貫通して開口部550をドリルで開けるか、またはレーザ切断し、コア部材が溶解するようにエッチング液にコア部材を曝し、そして、治療物質554で管腔552を満たすことによって形成されることが出来る。外側部材は、電極のために通常使用される任意の材料、例えば、ステンレススチール、MP35N、およびプラチナ/イリジウム合金であり得る。コア部材は、犠牲材料から作られ、コア部材を溶解するために使用される方法と、外側部材556のために選択される材料とに基づいて選択される。
【0063】
治療物質552は、ステロイド、抗生物質、および抗真菌物質などの抗炎症薬を含み得るが、それらには限定されない。さらに、キャリアまたは制御放出剤が、治療物質に添加されてもよい。
【0064】
本発明の様々な実施形態が、上記で記述されてきたが、それらは、説明および例としてのみ提示されており、限定するものではないことが、理解されるべきである。形式および詳細に関する様々な変更が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく本発明に行われることが出来ることが、当業者には明白となるであろう。従って、本発明の広さおよび範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲とその均等物に従ってのみ定義されるべきである。本明細書において考察された各実施形態および本明細書において引用された各参考文献のそれぞれの特徴は、その他の実施形態の特徴と組み合わせて使用されることが出来ることも、理解されるべきである。さらに、先の、技術分野、背景技術、発明の概要、または詳細な記述に提示されている、表現または暗示されたどの見解によっても束縛される意図はない。本明細書において考察された全ての特許または出版物は、その全体が、参考として組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を形成する方法であって、
外側部材と、前記外側部材の管腔内に配置されたコア部材とを含む複合部材を提供するステップと、
前記複合部材をあるパターンに成形するステップと、
前記外側部材を貫通する開口部を形成するステップと、
前記パターンに前記複合部材を成形するステップの後に、前記コア部材が、前記外側部材に悪影響を与えることなく、前記外側部材から取り除かれるように、前記複合部材を処理するステップと
を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記コア部材が、取り除かれた後に、前記外側部材の前記管腔を治療物質で満たすステップをさらに備えている、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記治療物質は、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、抗炎症剤、抗血小板物質、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗トロンビン剤、抗増殖剤、抗生物質、抗酸化剤、および抗アレルギー物質だけでなくそれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記医療器具は、ステントである、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記医療器具は、外科ステープルである、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記医療器具は、骨ねじである、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記医療器具は、埋込み型除細動器の電極である、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記複合部材を処理するステップは、前記コア部材を取り除くために、前記コア部材と反応するエッチング液に前記複合部材を曝すことを包み、ここで、エッチング液は、前記外側部材とは、反応しない、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エッチング液は、前記コア部材を溶解する液体の化学物質である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記外側部材は、MP35Nから形成され、前記コア部材は、モリブデンから形成され、そして、前記エッチング液は、過酸化水素である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前期外側部材は、ニッケルチタン合金またはステンレススチールから形成され、前記コア部材は、金から形成され、そして、前記エッチング液は、三ヨウ化カリウムである、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記外側部材は、アルミニウム合金またはステンレススチールから形成され、前記コア部材は、銅から形成され、そして、前記エッチング液は、硝酸である、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記エッチング液は、ガスである、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記外側部材は、MP35Nから形成され、前記コア部材は、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、およびシリコンのうちの1つから形成され、そして、前記エッチング液は、キセノンジフルオリドである、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記外側部材は、MP35Nから形成され、前記コア部材は、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、およびシリコンのうちの1つから形成され、前記エッチング液は、三フッ化臭素である、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記外側部材は、プラチナ、イリジウム、チタン、およびタンタルからなる群から形成され、前記コア部材は、ニッケルから形成され、そして、前記エッチング液は、一酸化炭素である、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記外側部材は、ステンレススチールまたはニッケルベースの合金から形成され、前記コア部材は、チタンまたはジルコニウムから形成され、そして、前記エッチング液は、ヨウ素である、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記コア部材は、前記エッチング液の中では可溶性であるが、前記外側部材は、前記エッチング液の中では可溶性ではない、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記外側部材は、プラチナを備え、前記コア部材は、銀、金、および銅からなる群から選択され、そして、前記エッチング液は、水銀を備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記外側部材は、タングステンを備え、前記コア部材は、アルミニウムを備え、そして、前記エッチング液は、液体ガリウムを備えている、
請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記複合材料を処理するステップは、前記コア部材を昇華させるために、前記複合材料をある温度に加熱することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記外側部材は、モリブデンまたはタングステンを備え、前記コア部材は、クロムを備え、そして、前記複合部材は、真空において、クロムが昇華する温度よりも高い温度に加熱される、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複合部材を処理するステップは、前記コア部材を融解させるために、前記複合部材をある温度まで加熱することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記外側部材は、MP35N、チタン、タンタル、およびタングステンからなる群から選択され、前記コア部材は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、金、および銀からなる群から選択され、そして、前記複合部材は、前記コア部材の融点温度よりも高いが、前記外側部材の融点温度よりも低い温度に加熱される、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
中空のストラットを有するステントを形成するための方法であって、
第1の材料から作られた第1の管を提供するステップであって、前記第1の管は、第1の内径を画定する内側表面と第1の外径を画定する外側表面とを画定する壁を有する、ステップと、
前記第1の管の壁の一部を取り除いて、前記材料の残りが、第1のパターンを形成するステップと、
前記取り除くステップの後に、第2の材料から作られた第2の管を前記第1の管を覆って配置するステップであって、前記第2の管は、前記第1の外径よりも大きい第2の内径を画定する内側表面を有する壁を有する、ステップと、
前記取り除くステップの後に、前記第2の材料から作られた第3の管を前記第1の管の内側に配置するステップであって、前記第3の管は、前記第1の内径よりも小さい第3の外径を画定する外側表面を有する壁を有する、ステップと、
前記第2および第3の管が、前記第1の管の前記残りの材料を囲むように、前記第1、第2、および第3の管を共に圧縮するステップと、
前記第1の管の前記残りの材料と、前記第1の管の前記残りの材料を囲む前記第2および第3の管の材料とを捕獲する第2のパターンに、前記第2および第3の管の壁の一部を取り除くステップと、
前記第1の管の前記残りの材料に到達するために、前記第1の管および前記第2の管のうちの少なくとも一方を貫通して開口部を形成するステップと、
前記第1の管の前記残りの材料が、前記第2および第3の管の残りの材料を損傷することなく取り除かれるように、前記残りの材料を処理し、それにより、前記ステントの中空のストラット、および前記第1の管の前記残りの材料が前記中空のストラットにおける空洞として取り除かれた範囲として、前記第2および第3の管の残りの材料を残すステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
治療物質で前記空洞を満たすステップをさらに備えている、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記治療物質は、抗血管新生剤、抗有糸分裂剤、抗炎症剤、抗血小板物質、抗凝固剤、抗フィブリン剤、抗トロンビン剤、抗増殖剤、抗生物質、抗酸化剤、および抗アレルギー物質だけでなくそれらの組み合わせからなる群から選択される、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記残りの材料を処理するステップは、前記第1の材料を取り除くために、前記第1の材料と反応するエッチング液に前記残りの材料を曝すことを包含し、ここで、前記エッチング液は、前記第2の材料とは反応しない、
請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記エッチング液は、前記第1の材料を溶解する液体の化学物質である、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の材料は、MP35Nであり、前記第1の材料は、モリブデンであり、そして、前記エッチング液は、過酸化水素である、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の材料は、ニッケルチタン合金またはステンレススチールであり、前記第1の材料は、金であり、そして、前記エッチング液は、三ヨウ化カリウムである、
請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第2の材料は、アルミニウム合金またはステンレススチールであり、前記第1の材料は、銅であり、そして、前記エッチング液は、硝酸である、
請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記エッチング液は、ガスである、
請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の材料は、MP35Nであり、前記第1の材料は、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、およびシリコンからなる群から選択され、前記エッチング液は、キセノンジフルオリドである、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の材料は、MP35Nであり、前記第1の材料は、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、レニウム、炭素、ゲルマニウム、およびシリコンからなる群から選択され、前記エッチング液は、三フッ化臭素である、
請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の材料は、プラチナ、イリジウム、チタン、およびタンタルからなる群から形成され、前記第1の材料は、ニッケルであり、そして、前記エッチング液は、一酸化炭素である、
請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の材料は、ステンレススチールまたはニッケルベースの合金であり、前記第1の材料は、チタンまたはジルコニウムであり、そして、前記エッチング液は、ヨウ素である、
請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の材料は、前記エッチング液の中では可溶性であるが、前記第2の材料は、前記エッチング液の中では可溶性ではない、
請求項28に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の材料は、プラチナであり、前記第1の材料は、銀、金、および銅からなる群から選択され、そして、前記エッチング液は、水銀を備えている、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の材料は、タングステンであり、前記第1の材料は、アルミニウムであり、そして、前記エッチング液は、液体ガリウムを備えている、
請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記残りの材料を処理するステップは、前記第1の材料を昇華させるために、前記残りの材料をある温度に加熱することを包含する、
請求項25に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の材料は、モリブデンまたはタングステンを備え、前記第1の材料は、クロムを備え、そして、前記処理するステップは、真空において、クロムが昇華する温度よりも高い温度に前記残りの材料を加熱することを包含する、
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記残りの材料を処理するステップは、前記第1の材料を融解させるために、前記残りの材料をある温度まで加熱することを包含する、
請求項25に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の材料は、MP35N、チタン、タンタル、およびタングステンからなる群から選択され、前記第1の材料は、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、金、および銀からなる群から選択され、そして、前記処理するステップは、前記第1の材料の融点温度よりも高いが、前記第2の材料の融点温度よりも低い温度に前記残りの材料を加熱することを包含する、
請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公表番号】特表2012−532671(P2012−532671A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519561(P2012−519561)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/039087
【国際公開番号】WO2011/005451
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511126109)メドトロニック ヴァスキュラー インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】