説明

中継装置および中継方法

【課題】通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させる。
【解決手段】IPゲートウェイ装置20は、WAN通信回路50と、無線通信回路54などと、メモリ52と、CPU60とを含む。WAN通信回路50は、IP電話網を介して複数のIP電話機と通信する。無線通信回路54などは、無線電話機28などと通信する。メモリ52は、IP電話機の優先度を表わす情報を記憶する。CPU60は、無線通信回路54などおよびWAN通信回路50を介して無線電話機28が複数のIP電話機のいずれかと通信中に、無線電話機28などに対しIP電話機のいずれかが着信を要求した場合、優先度に基づいて、通信の継続および着信を要求したIP電話機との通信の少なくとも一方を実施するように、無線通信回路54などおよびWAN通信回路50を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置および中継方法に関し、特に、2台以上の電話機が接続される中継装置および中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電話機を接続するアダプタと、アップリンク側がIP(インターネットプロトコル)ネットワークに接続され、ダウンリンク側がネットワークを介してアダプタに接続されるルータ装置を備えるIP電話端末システムを開示する。特許文献1に開示されたIP電話端末システムにおいて、ルータ装置は、発呼受付け装置と、宛先特定装置と、発呼送信装置と、応答受信装置と、通話パスを設定する装置とを具備する。発呼受付け装置は、アダプタから、自己宛の呼設定要求を受付ける。宛先特定装置は、発呼受付け装置で受付けた呼設定要求から、アップリンクに接続された宛先を特定する。発呼送信装置は、宛先特定装置で特定した宛先に、呼設定要求に基づいて、第2の呼設定要求を作成し送信する。応答受信装置は、発呼送信装置で作成した第2の呼設定要求に対する応答を受信する。通話パスを設定する装置は、応答受信装置で受信した応答が、自己が送信した第2の呼設定要求に基づいてアップリンク側の呼が設定された旨の情報であった場合に、アダプタと宛先との間の通話パスを設定する。
【0003】
特許文献1に開示された発明によると、安価な構成により、プライベートIPネットワーク内からのIP音声通信が可能となる。
【0004】
特許文献2は、デジタルデータ通信によって電話通話を行うためのデジタル通話回線を含む複数の通話回線に接続され、複数の通話回線を選択的に用いて電話通話を行う電話装置を開示する。特許文献2に開示された電話装置は、捕捉装置と、記憶装置と、検出装置と、制御装置とを含む。捕捉装置は、着信情報を捕捉する。記憶装置は、着信情報を捕捉装置によって捕捉させるか否かの判断基準を示す判断基準情報を記憶する。検出装置は、着信情報の発信元の相手または電話通話中の相手を示す相手情報を検出する。制御装置は、電話通話中にデジタル通話回線を介して着信情報が着信したとき、検出装置によって検出された相手情報および記憶装置に記憶される判断基準情報に基づいて、相手情報が判断基準情報を満たすとき、着信情報を捕捉させ、相手情報が判断基準情報を満たさないとき、着信情報を捕捉させないように捕捉装置を制御する。
【0005】
特許文献2に開示された発明によると、電話通話中に着信情報が着信したとき、その着信情報を選択的に捕捉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−160055号公報
【特許文献2】特開2006−80881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示された発明では、通話中に第三者からの着信があった場合における対策が施されていないので、重要な着信を取逃がす可能性が比較的高いという問題点がある。通話中に第三者からの着信があったことを通知する技術が広く知られているので、その技術を併用すればこの問題点は小さくなる。しかしながら、従来から知られているそのような技術は、第三者からの着信があったことを受話器からの音によりユーザに通知する。そのような通知が実施されるので、特許文献1に開示された発明と従来からある技術を単に組合せただけでは、通話中の相手の重要な言葉を聞逃す可能性が比較的高いという問題点がある。
【0008】
特許文献2に開示された発明では、重要な相手からの着信があったにも関わらず、その相手からの着信を捕捉できないことがあるという問題点がある。
【0009】
本発明は上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させる中継装置および中継方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、中継装置は、ネットワーク通信手段と、電話機通信手段と、記憶手段と、制御手段とを含む。ネットワーク通信手段は、ネットワークを介して複数の電話機と通信する。電話機通信手段は、複数の電話機とは異なる、2台以上の電話機と通信する。記憶手段は、ネットワーク通信手段が通信する複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶する。制御手段は、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を介して、2台以上の電話機のいずれかが複数の電話機のいずれかと通信中に、2台以上の電話機のいずれかである通信中の電話機に対し、ネットワーク通信手段が通信する電話機のいずれかが着信を要求した場合、優先度に基づいて、通信の継続および着信を要求した電話機との通信の少なくとも一方を実施するように、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御する。
【0011】
また、上述した制御手段は、ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の優先度が要件を満たす場合、通信の継続を少なくとも実施するように、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0012】
もしくは、上述したネットワーク通信手段を制御するための手段は、ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の優先度と、着信を要求した電話機の優先度とが、いずれも要件を満たす場合、通信の継続および着信を要求した電話機との通信の双方を実施するように、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0013】
もしくは、上述したネットワーク通信手段を制御するための手段は、ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の優先度が要件を満たし、かつ着信を要求した電話機の優先度が要件を満たさない場合、着信を要求した電話機に対し、通話中であることを表わすデータを返信し、通信の継続を実施するように、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御するための手段を含むことが望ましい。
【0014】
また、上述したネットワーク通信手段は、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および送信先に送信する情報を表わすデータを、ネットワークを介して複数の電話機と通信するための手段を含むことが望ましい。併せて、記憶手段は、電話機通信手段が通信する電話機の電話番号を表わす情報、ならびに電話機通信手段が通信する電話機が通信中か待機中かと電話機通信手段が通信する電話機からの情報の送信先とを電話機通信手段が通信する電話機ごとに表わす情報と共に、ネットワーク通信手段が通信する複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶するための手段を含むことが望ましい。併せて、制御手段は、識別手段と、番号判断手段と、読出手段と、電話機判断手段と、割込判断手段と、情報制御手段と、実施制御手段と、データ制御手段とを含むことが望ましい。識別手段は、ネットワーク通信手段が受信したデータが表わす、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および送信先に送信する情報を識別する。番号判断手段は、記憶手段が記憶した情報に基づいて、識別手段が識別した送信先の電話番号が、電話機通信手段と通信する電話機の電話番号に一致するか否かを判断する。読出手段は、記憶手段から、送信元の電話番号が表わす電話機の、優先度を表わす情報を読出す。電話機判断手段は、識別手段が識別した送信先の
電話番号が電話機通信手段と通信する電話機の電話番号に一致する場合、記憶手段が記憶した情報に基づいて、送信先の電話番号が表わす電話機が通信中か待機中かを判断する。割込判断手段は、送信先の電話番号が表わす電話機が通信中の場合、送信先の電話番号が表わす電話機と送信元の電話番号が表わす電話機とが、ネットワーク通信手段を介して通信中か否かを判断する。情報制御手段は、送信先の電話番号が表わす電話機が待機中の場合、および送信先の電話番号が表わす電話機が送信元の電話番号が表わす電話機とネットワーク通信手段を介して通信中の場合、送信先の電話番号が表わす電話機に対し、識別手段が識別した情報を送信するように、電話機通信手段を制御する。実施制御手段は、送信先の電話番号が表わす電話機とネットワーク通信手段を介して通信中の電話機の優先度と、送信元の電話番号が表わす電話機の優先度とのうち、いずれの優先度が要件を満たすかに応じて、通信中の電話機と、送信元の電話番号が表わす電話機とのうち、少なくとも一方と通信するように、ネットワーク通信手段および電話機通信手段を制御する。データ制御手段は、電話機通信手段が受信した信号の内容を表わすデータを送信するように、ネットワーク通信手段を制御する。
【0015】
本発明の他の局面に従うと、中継方法は、ネットワーク通信手段と、電話機通信手段と、記憶手段と、制御手段とを含む、中継装置における情報の中継方法である。ネットワーク通信手段は、ネットワークを介して複数の電話機と通信する。電話機通信手段は、複数の電話機とは異なる、2台以上の電話機と通信する。記憶手段は、ネットワーク通信手段が通信する複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶する。制御手段は、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御する。中継方法は、通信ステップと、制御ステップとを含む。通信ステップにおいて、制御手段は、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を介して、2台以上の電話機のいずれかが複数の電話機のいずれかと通信する。制御ステップにおいて、通信ステップの間に、2台以上の電話機のいずれかである通信中の電話機に対し、ネットワーク通信手段が通信する電話機のいずれかが着信を要求すると、制御手段が、優先度に基づいて、通信の継続および着信を要求した電話機との通信の少なくとも一方を実施するように、電話機通信手段およびネットワーク通信手段を制御する。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る中継装置および中継方法は、通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るIP電話システムの構成と機能とを表わす図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るIPゲートウェイ装置のハードウェア構成を表わす図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るCPUの機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る優先度データベースの内容を表わす図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電話機データベースの内容を表わす図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る優先度の登録処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る着信処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る呼出処理の制御の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係るIPゲートウェイ装置の処理の内容を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0019】
図1は、本実施の形態に係るIP電話システムの構成と機能とを表わす図である。図1を参照して、本実施の形態に係るIP電話システムは、複数のユーザに、IP電話網30を介して、複数のIP電話機26やサーバ34のユーザと通話させる。「IP電話」には、電話専用のネットワークを利用する電話と、一般のインターネット用のネットワークを利用する電話とがある。IP電話網30はどちらのネットワークであってもよいが、本実施の形態の場合、インターネット用のネットワークであることとする。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態に係るIP電話システムは、IPゲートウェイ装置20と、IP電話アダプタ22と、アナログ電話機24と、IP電話機26と、無線電話機28とを含む。本実施の形態の場合、IPゲートウェイ装置20には、4台のアナログ電話機24が接続されているが、図1においては、2台のアナログ電話機24のみが図示されている。IPゲートウェイ装置20は、IP電話アダプタ22を介して接続されたアナログ電話機24や、IPゲートウェイ装置20に直接接続されたアナログ電話機24や、IP電話機26や、無線電話機28と、IP電話網30を介して接続されたIP電話機26やサーバ34との間の通信を中継する中継装置である。IP電話アダプタ22は、アナログ電話機24を用いてIP電話を実現するための装置である。アナログ電話機24は、アナログ信号によりユーザが電話するための装置である。IP電話機26は、インターネットプロトコルに従ってユーザが通話するための装置である。無線電話機28は、インターネットプロトコルに従って無線通信によりユーザが電話するための装置である。
【0021】
図2は、IPゲートウェイ装置20のハードウェア構成図である。IPゲートウェイ装置20は、WAN(Wide Area Network)通信回路50と、メモリ52と、無線通信回路
54と、PHY(Physical Layer Chip)56と、SLIC(Subscriber Line Interface
Circuit)58と、CPU(Central processing Unit)60と、電源62とを含む。
【0022】
WAN通信回路50は、次に述べるデータを、IP電話網30を介してIP電話機26やサーバ34と通信する回路である。そのデータとは、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および送信先に送信する情報を表わすデータである。本実施の形態の場合、これらのデータは、パケットとして通信される。メモリ52は、後述する情報を記憶する装置である。無線通信回路54は、無線電話機28と無線通信する回路である。PHY56は、IP電話アダプタ22やIP電話機26が通信可能な信号とCPU60が利用できる信号とを相互に変換する装置である。PHY56は、IP電話アダプタ22に接続されたアナログ電話機24やIP電話機26と通信するための装置として動作する。SLIC58は、CPU60が利用できる信号とアナログ電話機24が利用できる信号とを相互に変換する装置である。SLIC58は、複数のアナログ電話機24と通信するための装置として動作する。SLIC58は、信号波形の制御を通じてアナログ電話機24の動作を制御する装置でもある。CPU60は、WAN通信回路50と、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58とを制御する装置である。CPU60は、これらを制御するために必要な処理を実施する装置でもある。電源62は、IPゲートウェイ装置20を構成する装置や回路に電力を供給する装置である。
【0023】
図3は、CPU60の機能ブロック図である。図3を参照して、CPU60は、識別部70と、番号判断部72と、読出部78と、電話機判断部74と、割込判断部84と、情報制御部76と、実施制御部80と、データ制御部82とを含む。
【0024】
識別部70は、WAN通信回路50が受信したパケットの内容を識別する。番号判断部72は、WAN通信回路50が受信したパケットの送信先が、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58と通信する電話機か否かを判断する。
【0025】
読出部78は、優先度を表わす情報を読出す。電話機判断部74は、WAN通信回路50が受信したパケットの送信先の電話機が通信中か待機中かを判断する。割込判断部84は、WAN通信回路50が受信したパケットの送信先の電話機と送信元の電話機とが、WAN通信回路50を介して通信中か否かを判断する。情報制御部76は、WAN通信回路50が受信したパケットの送信先の電話機が待機中の場合、および送信先の電話機が送信元の電話機とWAN通信回路50を介して通信中の場合、送信先の電話機に対し、識別部70が識別した情報を送信する。実施制御部80は、等級についての要件を優先度が満たすか否かに応じて、電話機の通信を実施させる。データ制御部82は、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が受信した信号の内容を表わすデータを送信するように、WAN通信回路50を制御する。
【0026】
本実施の形態において、識別部70と、番号判断部72と、電話機判断部74と、情報制御部76と、読出部78と、実施制御部80と、データ制御部82と、割込判断部84とは、CPU60によって実現される仮想装置である。
【0027】
実施制御部80は、通信制御部90と、割込制御部92とを含む。通信制御部90は、送信先として指定された電話機以外の電話機に対する通信を実施する。割込制御部92は、送信先として指定されていた電話機に対し、着信があったことを表わす信号を送信するための制御を行う。通信制御部90と、割込制御部92とも、CPU60によって実現される仮想装置である。
【0028】
通信制御部90は、転送制御部96と、ネットワーク制御部98とを含む。転送制御部96は、送信先として指定されていた電話機とは別の電話機に着信信号などを送信するための制御を行う。ネットワーク制御部98は、通話中を意味するデータを返信するための制御を行う。転送制御部96と、ネットワーク制御部98とも、CPU60によって実現される仮想装置である。
【0029】
図4は、メモリ52が記憶する優先度データベースの内容を表わす図である。優先度データベースが含む情報は、WAN通信回路50が通信する電話機の優先度を表わす。本実施の形態の場合、メモリ52が記憶する優先度データベースは、番号と、相手の電話番号の情報と、優先度の情報とを含む。番号は、電話番号の情報と優先度の情報との組合せを特定するための情報である。相手の電話番号の情報は、IP電話網30を介してWAN通信回路50が通信する電話機の、電話番号を表わす。優先度の情報は、相手の電話番号の情報が表わす電話機それぞれに対してユーザが設定した、優先度を表わす情報である。本実施の形態の場合、優先度は、2段階の等級で表わされる。図4においては、それらの等級のうち高い等級が設定されていることを、「高」という文字により表わしている。それらの等級のうち低い等級が設定されていることを、「NULL」という文字列により表わしている。メモリ52には、「高」あるいは「NULL」に対応するデータが記憶される。
【0030】
図5は、メモリ52が記憶した電話機データベースの内容を表わす図である。本実施の形態の場合、メモリ52が記憶する電話機データベースは、電話機IDと、外線番号を表わす情報と、通話の可否を表わす情報と、送信先の電話番号を表わす情報とを含む。
【0031】
電話機IDは、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機を特定するための情報である。電話機データベースを構成する情報のうちを構成する情報のうち電話機ID以外の情報は、無線通信回路54、電話機ID以外の情報が、電話機IDに対応付けられている。これにより、電話機データベースは、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機ごとに表わされることとなる。
【0032】
外線番号を表わす情報は、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機の電話番号を表わす。通信の可否を表わす情報は、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機が、通信中か待機中かを表わす情報である。送信先の電話番号を表わす情報は、情報の送信先となる電話機を、電話番号により表わす情報である。この情報により送信先が表わされる情報は、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機を送信元とする情報である。
【0033】
「電話機を送信元とする情報」の例には、通話中の音声を表わす情報や、通話の開始時や終了時に通信される、制御のための情報が含まれる。本実施の形態の場合、通話のための制御はSIP(Session Initiation Protocol)に従うこととする。これにより、制御のための情報として、「200 OK」などといった文字列の情報が通信されることとなる。無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機ごとに表わされる限り、電話機データベースを構成するそれぞれの情報が独立した別のデータベースであってもよいことは、言うまでもない。
【0034】
図6を参照して、IPゲートウェイ装置20で実行されるプログラムは、優先度を表わす情報の登録に関し、以下のような制御を実行する。
【0035】
ステップS100にて、ユーザが図示しないスイッチを投入したことに応答して、IPゲートウェイ装置20を構成する装置や回路に対し電源62は電力の供給を開始する。
【0036】
ステップS102にて、IPゲートウェイ装置20の図示しないキーボードは、優先度の情報を受付ける。このキーボードは、電話番号ごとに優先度の情報を受付ける。受付けられた優先度の情報は、CPU60を介してメモリ52に出力される。メモリ52は、前述した優先度データベースの情報として、その情報を記憶する。
【0037】
図7を参照して、IPゲートウェイ装置20で実行されるプログラムは、通話に関し、以下のような制御を実行する。
【0038】
ステップS110にて、CPU60は、着呼を待ち受ける。着呼を待ち受けるための処理として、WAN通信回路50がパケットを受信するたびに、次の2つの処理が実施される。第1の処理は、パケットが表わす、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および送信先に送信する情報を、識別部70が識別する処理である。第2の処理は、番号判断部72が、識別部70が識別した送信先の電話番号が、次に述べる電話機の電話番号のいずれかに一致するか否かを判断する処理である。その電話機とは、アナログ電話機24、IP電話機26、および無線電話機28である。これらの電話機は、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58が通信する電話機である。この判断は、メモリ52が記憶した電話機データベースの情報に基づいて実施される。送信先の電話番号がこれらの電話機のいずれの電話番号にも一致しない場合、WAN通信回路50が受信したパケットは無視される。
【0039】
ステップS112にて、読出部78は、送信元の電話番号の情報に基づき、その電話番号が表わす電話機の優先度の情報をメモリ52の優先度データベースから読出す。読出された優先度は、CPU60の図示しないバッファが記憶する。なお、本実施の形態において、ステップS110にて識別部70が識別した「送信元の電話番号」が表わす電話機を、「発信側の電話機」と称する。
【0040】
ステップS114にて、電話機判断部74は、メモリ52が記憶した電話機データベースの情報に基づいて、次に述べる電話機が通信中か待機中かを判断する。その電話機とは、識別部70が識別した「送信先の電話番号」が表わす電話機である。この場合、そのような電話機が待機中とすると、情報制御部76とデータ制御部82とは、通話を開始するための制御を実施する。すなわち、情報制御部76は、待機中の電話機に対し、識別部70が識別した情報を送信するように、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58を制御する。データ制御部82は、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58が受信した信号の内容を表わすデータを送信するように、WAN通信回路50を制御する。その通信のための制御は、SIPに則って実施される。なお、本実施の形態において、ステップS110にて識別部70が識別した「送信先の電話番号」が表わす電話機を、「着信側の電話機」と称する。
【0041】
ステップS116にて、データ制御部82は、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58が受信した信号の内容を表わすデータを送信するように、WAN通信回路50を制御する。WAN通信回路50がパケットを受信すると、データ制御部82の制御の合間に、識別部70は、パケットが表わす、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および送信先に送信する情報を識別する。情報が識別されると、番号判断部72は、このス
テップにおいて識別部70が識別した送信先の電話番号が、次に述べる電話機の電話番号のいずれかに一致するか否かを判断する。その電話機とは、アナログ電話機24、IP電話機26、および無線電話機28である。これらの電話機は、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58が通信する電話機である。このステップにおいて識別部70が識別した送信先の電話番号が、そのような電話機の電話番号のいずれかに一致する場合、電話機判断部74は、メモリ52が記憶した電話機データベースの情報に基づいて、次に述べる電話機が通信中か待機中かを判断する。その電話機とは、このステップにおいて識別部70が識別した送信先の電話番号が表わす電話機である。その電話機が通話中の場合、割込判断部84は、その電話機と次に述べる電話機とが、WAN通信回路50を介して通信中か否かを判断する。その電話機とは、識別部70が識別した送信元の電話番号が表わす電話機である。これにより、割込判断部84は、前述した「着信側の電話機」に対し、第三者の電話機からの着信があったか否かを判断することとなる。第三者の電話機からの着信があったと判断した場合には(ステップS116にてYES)、処理はステップS118へと移される。もしそうでないと(ステップS116にてNO)、処理はステップS122へと移される。なお、本実施の形態において、このステップにて識別部70が識別した「送信元の電話番号」が表わす電話機を、「第三者の電話機」と称する。
【0042】
ステップS118にて、読出部78は、ステップS116にて識別部70が識別した送信元の電話番号の情報に基づき、第三者の電話機の優先度の情報を、メモリ52の優先度データベースから読出す。読出された優先度は、CPU60の図示しないバッファが記憶する。これにより、第三者の電話機の優先度の情報が読出されることとなる。
【0043】
ステップS120にて、実施制御部80は、ステップS112にて読出部78が読出した優先度とステップS118にて読出部78が読出した優先度との違いに応じた処理を実施する。この処理は、実施制御部80が、発信側の電話機と第三者の電話機とのうちいずれの電話機の優先度が要件を満たすかに応じて、それらの電話機のうち、少なくとも一方の通信を実施するように、次に述べる2種類の回線などを制御する処理である。前述した「次に述べる2種類の回線など」のうち、1種類目の「回線など」は、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58を意味する。2種類目の「回線など」は、WAN通信回路50を意味する。この処理は、後述するステップS130からステップS142までの処理に相当する。
【0044】
ステップS122にて、実施制御部80は、アナログ電話機24、IP電話機26、あるいは無線電話機28が無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58から受信した信号に基づいて、通話を継続するか否かを判断する。通話を継続すると判断した場合には(ステップS122にてYES)、処理はステップS116へと移される。もしそうでないと(ステップS122にてNO)、処理は終了する。
【0045】
図8を参照して、IPゲートウェイ装置20で実行されるプログラムは、呼出に関し、以下のような制御を実行する。
【0046】
ステップS130にて、通信制御部90は、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する。発信側の電話機の優先度が高い等級と判断した場合には(ステップS130にてYES)、処理はステップS132へと移される。もしそうでないと(ステップS130にてNO)、処理はステップS140へと移される。ステップS132以降の処理により、通信制御部90は、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級であることという要件が満たされている場合、次に述べる回路などを制御することとなる。「次に述べる回路など」は、WAN通信回路50、ならびに無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58を意味する。これらの回路が制御されることにより、着信側の電話機以外の電話機に対する通信が実施される。
【0047】
ステップS132にて、転送制御部96は、第三者の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する。第三者の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級であると判断した場合には(ステップS132にてYES)、処理はステップS134へと移される。もしそうでないと(ステップS132にてNO)、処理はステップS142へと移される。ステップS134以降の処理により、転送制御部96は、次に述べる要件が満たされている場合、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58を制御することとなる。その要件とは、発信側の電話機の優先度と第三者の電話機の優先度とが、いずれも2段階の等級のうち高い等級であることという要件である。この制御により、着信側の電話機に送信する情報は、着信側の電話機とは別の電話機に送信される。
【0048】
ステップS134にて、転送制御部96は、メモリ52が記憶した電話機データベースに基づき、空き回線があるか否かを判断する。本実施の形態において、「空き回線」とは、無線通信回路54、PHY56、およびSLIC58と通信する電話機のうち待機中の電話機を意味する。空き回線があると判断した場合には(ステップS134にてYES)、処理はステップS136へと移される。もしそうでないと(ステップS134にてNO)、処理はステップS140へと移される。
【0049】
ステップS136にて、転送制御部96は、空き回線に呼出信号を送信するように、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58を制御する。
【0050】
ステップS138にて、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58が空き回線からの応答信号を受信すると、転送制御部96は、第三者との通話を開始させるため、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58と、WAN通信回路50とを制御する。
【0051】
ステップS140にて、割込制御部92は、着信側の電話機に対し第三者の電話機からの着信があったことを表わす信号を送信するように、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58を制御する。これに対し、着信側の電話機から、第三者の電話機からの着信に応じることを表わす信号が返信されると、割込制御部92は、発信側の電話機との通話を保留し、第三者の電話機との通話を可能とするための処理を行う。着信側の電話機から、第三者の電話機からの着信に応じることを表わす信号が返信されるまでは、割込制御部92は、第三者の電話機に対し、呼出中であることを表わす信号を返信するように、WAN通信回路50を制御する。本実施の形態において、この制御を「割込み処理」と称する。
【0052】
ステップS142にて、ネットワーク制御部98は、第三者の電話機に対し、通話中であることを表わすデータを返信するように、WAN通信回路50を制御する。本実施の形態において、この制御を「話し中処理」と称する。
【0053】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、IPゲートウェイ装置20の動作について説明する。
【0054】
[第三者の電話機からの着信を空き回線に転送する場合]
CPU60は、着呼を待ち受ける(ステップS110)。着呼があると、読出部78は、発信側の電話機の優先度の情報を読出す(ステップS112)。優先度の情報が読出されると、電話機判断部74の判断の後、情報制御部76とデータ制御部82とは、通話を開始するための制御を実施する(ステップS114)。
【0055】
その後、割込判断部84は、第三者の電話機からの着信があったか否かを判断する(ステップS116)。当初、第三者の電話機からの着信はなかったとすると(ステップS116にてNO)、実施制御部80は、通話を継続するか否かを判断する(ステップS122)。通話が継続されている間(ステップS122にてYES)、ステップS116とステップS122との処理が繰返される。
【0056】
その後、第三者の電話機からの着信があったとすると(ステップS116にてYES)、読出部78は、第三者の電話機の優先度の情報を読出す(ステップS118)。優先度の情報が読出されると、通信制御部90は、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する(ステップS130)。この場合、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級であるとすると(ステップS130にてYES)、転送制御部96は、第三者の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する(ステップS132)。この場合、第三者の電話機の優先度も2段階の等級のうち高い等級であるとすると(ステップS132にてYES)、転送制御部96は、空き回線があるか否かを判断する(ステップS134)。この場合、空き回線があるとすると、転送制御部96は、空き回線に呼出信号を送信するように、無線通信回路54、PHY56、あるいはSLIC58を制御する(ステップS136)。呼出信号が送信された後、ユーザが空き回線の受話器を取上げると、転送制御部96は、第三者との通話を開始させる(ステップS138)。
【0057】
第三者との通話が開始されると、いったんステップS122の処理を経た後、ステップS116、ステップS118、ステップS130からステップS142までの処理、およびステップS122の処理が繰返される。その後、最初に通話が開始された相手との通話を終了すると(ステップS122にてNO)、処理は終了する。ただし後に着呼があった相手との通話が継続されている場合、その相手との通話は継続される。
【0058】
[話し中であることを表わすパケットを返信する場合]
ステップS130までの処理を経て、転送制御部96は、第三者の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する(ステップS132)。この場合、第三者の電話機の優先度が2段階の等級のうち低い等級であるとすると(ステップS132にてNO)、ネットワーク制御部98は、第三者の電話機に対し、通話中であることを表わすデータを返信するように、WAN通信回路50を制御する(ステップS142)。その後、いったんステップS122の処理を経た後、ステップS116およびステップS122の処理が繰返される。
【0059】
[割込処理を行う場合]
ステップS118までの処理を経て、通信制御部90は、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち高い等級か否かを判断する(ステップS130)。この場合、発信側の電話機の優先度が2段階の等級のうち低い等級であるとすると(ステップS130にてNO)、割込制御部92は、割込み処理を行う(ステップS140)。
【0060】
以上のようにして、本実施の形態に係るIPゲートウェイ装置は、通話中の電話機に対して第三者から新たな着信があった場合、第三者の電話機と現在通話中の電話機との優先度を比較し、比較の結果に基づいて、少なくとも一方の通信を実施するように、各種の制御を行う。図9は、最初に着呼があった相手の優先度と後に着呼があった相手との優先度に応じた処理の内容を表わす図である。これにより、通話中に重要な相手から着信があった場合、その着信を取逃がすことを防止できる。その結果、通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させるIPゲートウェイ装置およびIPゲートウェイ装置による通話の中継方法を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態に係るIPゲートウェイ装置は、重要な相手との通話を良好に実施するための制御を実施する。これにより、第三者からの発信によって、重要な相手との通話の機会が損なわれたり、重要な相手からの情報を聞き損なったりする危険性が減少する。その結果、第三者からの発信によって通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させるIPゲートウェイ装置およびIPゲートウェイ装置による通話の中継方法を提供することができる。
【0062】
また、本実施の形態に係るIPゲートウェイ装置は、重要な相手との通話中に別の重要な相手の発信があった場合、後者からの発信を空き回線に着信させる。これにより、重要な相手との通話中に別の重要な相手の発信があった場合、通話中の相手との通話の機会が損なわれたり、その相手からの情報を聞き損なったりする危険性が減少する上、別の重要な相手との通話の機会が損なわれたり、その相手からの情報を聞き損なったりする危険性も減少する。その結果、通話の際に複数の相手からの重要な情報を聞き損なう危険性を減少させるIPゲートウェイ装置およびIPゲートウェイ装置による通話の中継方法を提供することができる。
【0063】
また、本実施の形態に係るIPゲートウェイ装置は、ある相手との通話中に重要な相手の発信があった場合、後者からの発信を通知する。これにより、さして重要でない相手からの発信によって、重要な相手との通話の機会が損なわれたり、重要な相手からの情報を聞き損なったりする危険性が減少する。その結果、さして重要でない相手と通話していたことによって、通話の際に重要な情報を聞き損なう危険性を減少させるIPゲートウェイ装置およびIPゲートウェイ装置による通話の中継方法を提供することができる。
【0064】
なお、本発明の変形例として、メモリ52に記憶される優先度の情報は、IP電話アダプタ22を介して接続されたアナログ電話機24から、IP電話アダプタ22およびPHY56を介して、信号として入力されてもよい。同様に、メモリ52に記憶される優先度の情報は、IPゲートウェイ装置20に直接接続されたアナログ電話機24から、SLIC58を介して、信号として入力されてもよい。IP電話機26から、PHY56を介して、入力されてもよい。無線電話機28から、無線通信回路54を介して、入力されてもよい。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
20 IPゲートウェイ装置、22 IP電話アダプタ、24 アナログ電話機、26
IP電話機、28 無線電話機、30 IP電話網、34 サーバ、50 WAN通信回路、52 メモリ、54 無線通信回路、56 PHY、58 SLIC、60 CPU、62 電源、70 識別部、72 番号判断部、78 読出部、74 電話機判断部、84 割込判断部、76 情報制御部、80 実施制御部、82 データ制御部、90
通信制御部、92 割込制御部、96 転送制御部、98 ネットワーク制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の電話機と通信するためのネットワーク通信手段と、
前記複数の電話機とは異なる、2台以上の電話機と通信するための電話機通信手段と、
前記ネットワーク通信手段が通信する前記複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶するための記憶手段と、
前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を介して、前記2台以上の電話機のいずれかが前記複数の電話機のいずれかと通信中に、前記2台以上の電話機のいずれかである通信中の電話機に対し、前記ネットワーク通信手段が通信する電話機のいずれかが着信を要求した場合、前記優先度に基づいて、通信の継続および着信を要求した前記電話機との通信の少なくとも一方を実施するように、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御するための制御手段とを含む、中継装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の前記優先度が要件を満たす場合、前記通信の継続を少なくとも実施するように、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記ネットワーク通信手段を制御するための手段は、前記ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の前記優先度と、前記着信を要求した電話機の前記優先度とが、いずれも前記要件を満たす場合、前記通信の継続および前記着信を要求した電話機との通信の双方を実施するように、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御するための手段を含む、請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記ネットワーク通信手段を制御するための手段は、前記ネットワーク通信手段が通信する電話機のうち通信中の電話機の前記優先度が前記要件を満たし、かつ前記着信を要求した電話機の前記優先度が前記要件を満たさない場合、前記着信を要求した電話機に対し、通話中であることを表わすデータを返信し、前記通信の継続を実施するように、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御するための手段を含む、請求項2に記載の中継装置。
【請求項5】
前記ネットワーク通信手段は、送信元の電話番号、送信先の電話番号、および前記送信先に送信する情報を表わすデータを、前記ネットワークを介して前記複数の電話機と通信するための手段を含み、
前記記憶手段は、前記電話機通信手段が通信する電話機の電話番号を表わす情報、ならびに前記電話機通信手段が通信する電話機が通信中か待機中かと前記電話機通信手段が通信する電話機からの情報の送信先とを前記電話機通信手段が通信する電話機ごとに表わす情報と共に、前記ネットワーク通信手段が通信する前記複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶するための手段を含み、
前記制御手段は、
前記ネットワーク通信手段が受信したデータが表わす、前記送信元の電話番号、前記送信先の電話番号、および前記送信先に送信する情報を識別するための識別手段と、
前記記憶手段が記憶した情報に基づいて、前記識別手段が識別した送信先の電話番号が、前記電話機通信手段と通信する電話機の電話番号に一致するか否かを判断するための番号判断手段と、
前記記憶手段から、前記送信元の電話番号が表わす電話機の、前記優先度を表わす情報を読出すための読出手段と、
前記識別手段が識別した送信先の電話番号が前記電話機通信手段と通信する電話機の電話番号に一致する場合、前記記憶手段が記憶した情報に基づいて、前記送信先の電話番号が表わす電話機が通信中か待機中かを判断するための電話機判断手段と、
前記送信先の電話番号が表わす電話機が通信中の場合、前記送信先の電話番号が表わす電話機と前記送信元の電話番号が表わす電話機とが、前記ネットワーク通信手段を介して通信中か否かを判断するための割込判断手段と、
前記送信先の電話番号が表わす電話機が待機中の場合、および前記送信先の電話番号が表わす電話機が前記送信元の電話番号が表わす電話機と前記ネットワーク通信手段を介して通信中の場合、前記送信先の電話番号が表わす電話機に対し、前記識別手段が識別した情報を送信するように、前記電話機通信手段を制御するための情報制御手段と、
前記送信先の電話番号が表わす電話機と前記ネットワーク通信手段を介して通信中の電話機の前記優先度と、前記送信元の電話番号が表わす電話機の前記優先度とのうち、いずれの前記優先度が要件を満たすかに応じて、前記通信中の電話機と、前記送信元の電話番号が表わす電話機とのうち、少なくとも一方と通信するように、前記ネットワーク通信手段および前記電話機通信手段を制御するための実施制御手段と、
前記電話機通信手段が受信した信号の内容を表わすデータを送信するように、前記ネットワーク通信手段を制御するためのデータ制御手段とを含む、請求項1に記載の中継装置。
【請求項6】
ネットワークを介して複数の電話機と通信するためのネットワーク通信手段と、
前記複数の電話機とは異なる、2台以上の電話機と通信するための電話機通信手段と、
前記ネットワーク通信手段が通信する前記複数の電話機の優先度を表わす情報を記憶するための記憶手段と、
前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御するための制御手段とを含む、中継装置における情報の中継方法であって、
前記中継方法は、
前記制御手段が、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を介して、前記2台以上の電話機のいずれかが前記複数の電話機のいずれかと通信する通信ステップと、
前記通信ステップの間に、前記2台以上の電話機のいずれかである通信中の電話機に対し、前記ネットワーク通信手段が通信する電話機のいずれかが着信を要求すると、前記制御手段が、前記優先度に基づいて、通信の継続および着信を要求した前記電話機との通信の少なくとも一方を実施するように、前記電話機通信手段および前記ネットワーク通信手段を制御する制御ステップとを含む、中継方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−151850(P2011−151850A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91820(P2011−91820)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【分割の表示】特願2006−244548(P2006−244548)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】