説明

主蒸気隔離弁

【課題】主蒸気の流れをより一層良好にさせるとともに、主蒸気に含まれている湿分を効果的に除去する主蒸気隔離弁を提供する。
【解決手段】本発明に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング25の入口流路30と弁座34とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に背面ガイドリブと、流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部27とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを互いに接続させる接続交点Q11,Q10は、前記弁体収容部27に備えた背面ガイドリブの手前側の位置に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電プラントに使用される主蒸気隔離弁に係り、特に蒸気に含まれる湿分(水滴)の弁内構成要素への衝突に基づくエロージョンを抑制する主蒸気隔離弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電プラントでは、図34に示すように、原子炉圧力容器1を、例えば4本の主蒸気管2を介して蒸気タービン3に接続させるとともに、これら複数の主蒸気管2のうち、原子炉格納容器4の内側に第1主蒸気隔離弁5を配置し、その外側に第2主蒸気隔離弁6を配置し、第1主蒸気隔離弁5および第2主蒸気隔離弁6を閉じることによって、原子炉圧力容器1を必要に応じて隔離し得るようにしている。
【0003】
また、原子力発電プラントは、原子炉圧力容器1から発生した蒸気を主蒸気管2に設けたヘッダ7、主蒸気止め弁8、蒸気加減弁9を経て蒸気タービン3に供給し、ここで膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えたタービン排気を復水器10で凝縮させて復水にし、この復水を給水系11を介して再び原子炉圧力容器1に戻す構成にしている。
【0004】
一方、第1主蒸気隔離弁5および第2主蒸気隔離弁6は、図24に示すように、弁ケーシング(弁箱)12の入口端12aと出口端12bを主蒸気管2,2の途中に接続し、弁ケーシング12内に形成する円筒の弁体収容部13に有底円筒の弁体14を収容し、この弁体14を軸方向に向って自在に往復動させるように構成されている。
【0005】
また、弁ケーシング12は、その上端開口部を弁蓋(図示せず)で塞ぐとともに、この弁蓋の外側に弁駆動部15を備え、この弁駆動部15に弁蓋を貫装する弁軸(弁棒)の上端を接続させる構成にしている。
【0006】
弁軸は、矢印STで示す主蒸気の流れ方向に対し、例えば、45°の角度の入口側に向う前傾姿勢に配置して流路抵抗の低減化を図っている。さらに、弁軸は、弁駆動部15からの駆動力を弁体14に伝え、弁体14を往復動させて蒸気流路を開閉している。
【0007】
また、弁体14は、弁ケーシング12の弁体収容部13に収容され、入口流路18側からその背面下流側にかけて配置される入口ガイドリブ16と、その下流側の、例えば角度120度のピッチで左右対象に配置する背面ガイドリブ17(17)とのそれぞれの表面上を摺動し、かつ円形状の弁座19に向って移動し、弁座19に着座すると全閉になるように構成されている。
【0008】
また、弁体14は、全閉から全開に至るまでの弁リフト(ストローク距離)を短くするため、その底部側が弁ケーシング12の入口流路18の約半分の配置になると弁全閉状態になるように設計されている。
【0009】
このように、弁全閉から弁全開に至るまでの弁体14の弁リフトを短くさせると、主蒸気STの流れが、入口流路18から出口流路20に至るまでの間、蛇行、跳流、転向流等複雑な流れになるので、弁ケーシング12内の流路の断面形状は、図25〜図29に示すように、主蒸気STの複雑な流れに対処させて円形状から楕円形状に変化させている。
【0010】
すなわち、図24に示す入口ガイドリブ16に沿い、かつ主蒸気STの流れに交差する方向に切断した切断線Aで弁ケーシング12を切断したときの流路断面形状A1は、図25に示すように、輪郭線m1で画成される円形状になっている。
【0011】
また、弁ケーシング12を、入口ガイドはリブ16の出口端と弁座19との交点Pを通る切断線Bで切断したときの流路断面形状B1は、図26に示すように、輪郭線n1で画成される楕円形状になっている。
【0012】
また、入口ガイドリブ16の出口端と弁座19との交点Pを通る切断線Cで弁ケーシング12を切断したときの流路断面積形状C1は、図27に示すように、輪郭線n,nで画成され、点Qで互いが交差して外側に向う第1楕円aと第2楕円aとの2つの楕円を組み合せた形状になっている。
【0013】
さらに、入口ガイドリブ16の出口端と弁座19との交点Pを通る切断線Dで弁ケーシング12を切断したときの流路断面積形状Dは、図28に示すように、輪郭線n,n画成された点Qで互いが交差して外側に向う第3楕円a第4楕円aの2つの楕円を組み合せた形状になっている。
【0014】
また、入口ガイドリブ16の出口端と弁座19との交点Pを通る切断線Eで弁ケーシング12を切断したときの流路断面形状E1は、図29に示すように、2つの輪郭線m,mをつなぎ合わせて画成される擬似円形状になっている。
【0015】
なお、図27に示すように、第1楕円aと第2楕円aとを組み合わせるとともに、図28に示すように、第3楕円aと第4楕円aとを組み合わせているのは、第1楕円aおよび第3楕円aの横断面方向(楕円長軸方向)の流路面積を広く確保し、主蒸気STの圧力を回復させて、その流れを良好にするためである。
【0016】
このような流路の断面形状A〜Eを連続して形成する主蒸気隔離弁において、入口流路18に流入する主蒸気STは、入口ガイドリブ16で左右に分かれ、一部が弁体14の廻りを通って流れ、残りの大部分が弁体14の底部側と上述輪郭線n,n,…で画成される楕円長軸側端部脇面に向って流れる。
【0017】
また、図30に示すように、弁体14の入口ガイドリブ16側に被着するガイド壁21を備えるタイプの主蒸気隔離弁において、入口ガイドリブ16の出口端と弁座19の交点Pを通る切断線Fで弁ケーシング12を切断したときの流路断面形状F2は、図32に示すように、輪郭線nで画成される楕円形状であるが、楕円短軸側の輪郭線が楕円長軸側に沿って配置する円筒状の弁体14に隠れた状態になっている。
【0018】
また、入口ガイドリブ16の出口端と弁座19との交点Pを通る切断面Gで弁ケーシング12を切断したときの流路断面形状G2は、図33に示すように、輪郭線nで形成される楕円形状であるが、上述と同様に、楕円短軸側の輪郭線が円筒状の弁体14に隠れた状態になっている。
【0019】
このような構成を備える主蒸気隔離弁においても、入口流路18に流入する主蒸気STは、弁体14の開弁時、図31に示すように、一部が楕円長軸側端部脇面に向って流れるものの、残りが弁体14の底部側に衝突し、流れを乱し、弁体14の振動発生の要因になっていた。
【0020】
この主蒸気STの流れの乱れに基づく振動の発生を抑制する手段には、例えば、特許文献1に見られるように、弁体の開弁時、弁体を包囲形成せしめるガイド壁を弁ケーシングに設け、弁体との隙間を少なくさせたものや、例えば、特許文献2に見られるように、弁体の閉弁時、弁体を駆動する空気シリンダの押圧力で弁蓋を支持し、弁体に加わる流体力を拘束するものや、あるいは、例えば、特許文献3に見られるように、弁体の往復動軸方向を楕円の短軸にし、楕円の長軸方向に流路を広く確保させたものが提案されている。
【特許文献1】特開平5−231549号公報
【特許文献2】特開平5−52989号公報
【特許文献3】特開平7−63006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
図24や図30で示した従来の主蒸気隔離弁や特許文献1〜3に開示された主蒸気隔離弁は、幾つかの改良が加えられているものの、それでも主蒸気STの流れの乱れは、確実に解消されない可能性があった。
【0022】
すなわち、上述の図24,図30や特許文献に示された主蒸気隔離弁は、弁全開時でも、弁体14の底部側が流路の高さ方向の真中の位置に留まっている。このため、主蒸気STの流れの一部が弁体14と弁ケーシング12との間を通って楕円形状に形成されている楕円長軸側端部脇面や弁座側に向って流れるものの、残りが弁体14を沿うようにして流れた後、跳流して背面ガイドリブ17(17)に向かい、ここで衝突し、その流れに乱れを与える可能性があった。
【0023】
また、上述の主蒸気隔離弁は、入口流路18および出口流路20がともに円形状であり、中間部分の流路が円形状と楕円とを組み合せた形状になっている。このように、複雑に変化する流路を流れる主蒸気STは、楕円形状に形成されている楕円長軸側端部湾曲面から円形状の弁座19に流れるまでの過程で、湿分(水滴)が集り易く、この湿分の集りは、長年の使用の間に、弁座19等の構成要素のエロージョンを誘起させる虞があった。
【0024】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、主蒸気の流れをより一層良好にさせるとともに、主蒸気から生成される湿分を少なくさせ、弁座等の構成要素のエロージョン発生の可能性の抑制を図った主蒸気隔離弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明に係る主蒸気隔離弁は、上述の目的を達成するために、弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に背面ガイドリブと、流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを互いに接続させる接続交点は、前記弁体収容部に備えた背面ガイドリブの手前側の位置に設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁である。
【0026】
また、本発明に係る主蒸気隔離弁は、上述の目的を達成するために、弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に背面ガイドリブと、流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを組み合せた組合せ流路を円形状の弁座に結ぶ際、その中間位置における楕円形状の流路の楕円長軸を、その上流側の楕円形状の流路の楕円長軸およびその下流側の楕円形状の流路の楕円長軸よりも短く設定して変断面を形成したことを特徴とする主蒸気隔離弁である。
【0027】
また、本発明に係る主蒸気隔離弁は、上述の目的を達成するために、弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に複数の背面ガイドリブと流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを組み合せた組合せ流路のうち、前記楕円形状の流路の楕円短軸は、前記複数の背面ガイドリブを結んだ直線と前記楕円形状の流路底面とを結ぶ長さの範囲内に設定したことを特徴とする主蒸気隔離弁である。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング内の流路断面形状を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組み合せた各流路の接続交点の位置で変断面を形成し、これら変断面位置を背面ガイドリブの手前側に位置させ、変断面を利用して主蒸気の背面ガイドリブへの衝突を防止させるとともに、主蒸気に含まれる湿分を分離させる構成にしたので、主蒸気の流れの安定化を図って圧力損失を少なくさせることができ、主蒸気からの湿分の分離に基づく弁座等の弁内構成要素のエロージョン発生の可能性を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明に係る主蒸気隔離弁の第1実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0030】
図1は、本発明に係る主蒸気隔離弁の第1実施形態を示す概念図である。
【0031】
本実施形態に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング(弁箱)25の円形状の入口端25aと円形状の出口端25bを主蒸気管26,26の途中に介装させて接続し、弁ケーシング25の弁体収容部27内に有底筒状の弁体28を収容させ、この弁体28を軸方向に向って自在に往復動させるように構成されている。
【0032】
また、弁ケーシング25は、この上端開口部を弁蓋(図示せず)で塞いでおり、この弁蓋の外側に弁駆動部29を備え、この弁駆動部29に弁蓋を貫通する弁軸(弁棒)上端を接続させる構成にしている。
【0033】
弁軸は、矢印STで示す主蒸気の流入方向に対し、例えば、45°の角度の入口側に向う前傾姿勢に配置させており、弁体28の流路抵抗の低減化を図っている。さらに弁軸は、弁駆動部29の駆動力で弁体28を往復動させ、主蒸気STの流路の開閉を図っている。
【0034】
また、弁体28は、弁ケーシング25に収容され、入口流路30と出口流路31との中間に配置させた入口ガイドリブ32とこの下流側で左右対象に配置させた背面ガイドリブ33(33)のそれぞれの表面上を摺動し、かつ円形状の弁座34に着座すると全閉するように構成されている。
【0035】
さらに、弁体28は、全閉状態から全開状態に至るまでの弁リフト(ストローク距離)を短くするため、この底部側が弁ケーシング25における入口流路30の高さの約半分の位置になると弁全開状態になるように設計されている。
【0036】
このように、弁全閉から弁全開に至るまでの弁体28の弁リフトを短くさせると、主蒸気STの流れが、入口流路30から出口流路31に至るまでの間、蛇行、跳流、転向流等複雑な流れになるので、弁ケーシング25内の流路の断面形状は、図2および図3のそれぞれに示すように、主蒸気STの複雑な流れに対処させて円形状と楕円形状とを組み合わせた形状にしている。
【0037】
円形状流路と楕円形状流路とを組み合せた弁ケーシング25内の流路断面形状のうち、楕円形状流路は、楕円短軸を背面ガイドリブ33(33)の中間位置に臨む方向側に位置させるとともに、楕円長軸を横断面水平方向(楕円短軸と角度90°の直交方向)に位置させている。
【0038】
一方、図1に示した入口ガイドリブ32の出口端と円形状の弁座34との交点Pを通る切断線Cで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状C3は、図2にC−C矢視断面図で示すように、輪郭線n10で画成された円形状流路a10と輪郭線n11で画成された楕円形状流路aとで形成される。
【0039】
円形状流路a10に画成する輪郭線n10と楕円形状流路aに画成する輪郭線n11は、互いの接続位置を、背面ガイドリブ33,33のそれぞれから離れ、手前側(入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pに臨む方向側)の位置に接続交点Q10,Q10で結ばせ、これら接続交点Q10,Q10の位置で流路断面を不連続な変断面にしている。
【0040】
また、入口ガイドリブ32の出口端と円形状の弁座34との交点Pを通る切断線Dで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状D3は、図3にD−D矢視断面図で示すように、輪郭線n12で画成された円形状流路aと輪郭線で画成された楕円形状流路a13とで形成される。
【0041】
円形状流路a12に画成する輪郭線n12と楕円形状流路a13に画成する輪郭線n13は、互いの接続位置を、上記の円形状流路a10と楕円形状流路a11と同様に、背面ガイドリブ33,33のそれぞれから離れ、手前側(入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pに臨む方向側)の位置に接続交点Q11,Q11で結ばせ、これら接続点Q11,Q11の位置で流路断面を不連続な変断面にしている。
【0042】
このような構成を備えた本実施形態に係る主蒸気隔離弁において、入口端25aから入口流路30に供給された主蒸気STは、入口ガイドリブ32で左右に分流され、分流された一部が弁体28の周囲に沿って流れ、残りが弁体28の底部側から図2および図3のそれぞれに示す楕円形状流路a11,a13のそれぞれにおける楕円長軸側端部湾曲面に沿って流れる。
【0043】
楕円形状流路a11,a13のそれぞれの楕円長軸側端部湾曲面に沿って流れる主蒸気STは、この間、より多くの水滴等を含む湿分が集まり、背面ガイドリブ33,33に向って流れるが、その手前側に位置する円形状流路a10と楕円形状流路a11および円形状流路a12と楕円形状流路a13のそれぞれで結ばれた接続交点Q10,Q11の変断面で衝突させて湿分を分離させる。
【0044】
接続交点Q10,Q11で主蒸気STから分離された湿分は、円形状の弁座34の中央に集められ、ここから出口流路31に流れる。
【0045】
また、湿分を分離した主蒸気STは、慣性力によって矢印の方向に向って流れ、やがて円形状の弁座34の中央に集められた後、出口流路31に流れる。
【0046】
このように、本実施形態は、弁ケーシング25内の流路断面形状を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組み合せた円形状流路と楕円形状流路との接続交点Q10,Q11の位置で変断面に形成し、これら変断面位置を背面ガイドリブ33,33の手前側に位置させ、変断面を利用して主蒸気STの背面ガイドリブ33,33への衝突を防止させるとともに、主蒸気STに含まれる湿分を分離させる構成にしたので、主蒸気STの流れの安定流化を図ることができ、主蒸気STからの湿分の分離に基づく弁座等、弁内構成要素のエロージョンの発生の可能性を低減させることができる。
【0047】
図4および図5は、本発明に係る主蒸気隔離弁の第2実施形態を示す概念図である。
【0048】
なお、図中、図4は、本発明に係る主蒸気隔離弁を示す概略側断面図であり、また、図5は、図4のX−X矢視方向から見た概略平面図である。
【0049】
また、本実施形態においては、第1実施形態の構成要素と同一構成要素に同一符号を付す。
【0050】
本実施形態に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング25の入口流路30に配置した入口ガイドリブ32に設けられ、弁体28の周方向を囲うようにして配置するガイド壁35を備える一方、弁ケーシング25の入口流路30と弁座34をともに円形状に形成し、入口流路30と弁座34とを結ぶ弁ケーシング25内の流路断面形状を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せるとともに、この組合せ流路断面形状を円形状の弁座34に接続するまでの過程において、図6に示すように、弁座34に至るまでの中間位置の楕円形状流路の楕円長軸をLとし、この上流側の楕円形状流路の楕円長軸をLとし、この下流側の楕円形状流路の楕円長軸をLとするとき、楕円長軸の相互間を、
[数1]
>L≧L
の関係式で満たす構成にしたものである。つまり、楕円形状流路の楕円長軸Lを、その上流側、下流側に較べて短くし、短くした位置Q12からの流路断面を変流路断面、例えば、外側に向って膨出させた膨出流路形状に形成させたものである。
【0051】
そして、組合せ流路断面形状のうち、円形状流路は、弁体28を収容する弁体収容部27であり、また、楕円形状流路は、第1実施形態と同様に、楕円短軸を背面ガイドリブ33(33)の中間位置に臨む方向側に位置させるとともに、楕円長軸を横断面水平方向(楕円短軸に角度90°の直交方向)に位置させている。
【0052】
また、入口ガイドリブ32に設けたガイド壁35は、弁体28の全開中、主蒸気STの流体力を受けて発生する振動を抑制するものであり、その軸方向の長さを入口流路30の中間位置から弁体28の全開位置における弁体上端位置まで延ばしている。
【0053】
なお、他の構成要素は、第1実施形態の構成要素と同一なので、ここでは説明を省略する。
【0054】
このような構成を備える本実施形態に係る主蒸気隔離弁において、入口流路30から円形状流路と楕円形状流路を組み合せ、変断面を持つ流路断面に供給された主蒸気STは、ここから円形状の弁座34に向って流れる際、その中間の位置Q12に形成した変流路断面で衝突し、湿分を分離する。
【0055】
主蒸気STから分離した湿分は、弁座34の中央に集められ、ここから出口流路31に流れる。また、湿分を分離した主蒸気STは、慣性力によって流路壁に沿って流れ、やがて弁座34から出口流路31に流れる。
【0056】
このように、本実施形態は、弁ケーシング25内の流路断面を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組合せ流路断面を円形状の弁座34に接続させる中間の位置Q12に、その上流側および下流側の楕円長軸の長さよりも短くして変流路断面を形成し、この変流路断面に主蒸気STを衝突させて主蒸気に含まれる湿分を分離させる構成にしたので、主蒸気の湿分に基づく弁座等、弁内構成要素のエロージョンの発生の可能性を低減させることができる。
【0057】
図7は、本発明に係る主蒸気隔離弁の第3実施形態を示す概念図である。
【0058】
なお、本実施形態においては、第1実施形態の構成要素と同一構成要素に同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0059】
本実施形態に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング25内の流路断面形状を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、この組合せ流路断面形状のうち、楕円形状流路の楕円短軸を、円筒状の弁体収容部27内に配置する背面ガイドリブ33(33)の中間位置に臨む方向側に位置させるとともに、楕円長軸を横断面水平方向(楕円短軸に角度90°の直交方向)に位置させる一方、楕円短軸の長さを、二つの背面ガイドリブ33(33)を互いに結ぶ直線と、入口ガイドリブ32の出口端と円形状の弁座34との交点Pを通る楕円形状流路底面線との長さに同じくするか、またはこれよりも短い長さに設定し、より多くの主蒸気量を楕円長軸方向側に流す構成にしたものである。
【0060】
すなわち、図7に示す入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Cで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状C4は、図8にC−C矢視断面図で示すように、輪郭線n14で画成された円形状流路a14と輪郭線n15で画成された楕円形状流路a15とで形成される。
【0061】
また、輪郭線n15で画成された楕円形状流路a15の楕円短軸は、円形状の弁体収容部27に配置される二つの背面ガイドリブ33,33を結ぶ直線Rと、入口ガイドリブ32の出口端と円形状の弁座34との交点Pを通る楕円形状流路底面線Rとの長さに同じくするか、またはこれよりも短い長さに設定される。
【0062】
楕円短軸を、このような流さに設定すると、円形状流路a14を画成する輪郭線n14と楕円形状流路a15を画成する輪郭線n15とは、互いの接続交点Q12,Q12の位置を二つの背面ガイドリブ33,33よりも手前側(入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pに臨む方向側)の位置に確保させることができる。
【0063】
また、入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Dで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状D4は、図9に、D−D矢視断面図で示すように、輪郭線n16で画成された円形状流路a16と輪郭線n18で画成された楕円形状流路a18のうち、それぞれの楕円短軸の長さも上述と同様に、直線Rと楕円形状流路底面線Rとの長さに同じくするか、またはこれよりも短い長さに設定しているので、輪郭線n16,n18との交点Q13を二つの背面ガイドリブ33よりも手前側の位置に確保させることができる。
【0064】
さらに、入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Eで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状Eは、図10に、E−E矢視断面図で示されるように、輪郭線n17で画成された円形状流路a17と輪郭線n19で画成された楕円形状流路a19のうち、それぞれの楕円矩軸の長さも上述と同様に直線Rと楕円形状流路底面線Rとの長さに同じくするか、または、これよりも短い長さに設定しているので、輪郭線n17,n19との交点Q14を二つの背面ガイドリブ33よりも手前側の位置に確保させることができる。
【0065】
このように、本実施形態は、弁ケーシング25内の流路断面を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組み合せた円形状流路と楕円形状流路とのうち、楕円形状流路の楕円短軸の長さを、二つの背面ガイドリブ33,33を互いに結ぶ直線Rと楕円形状流路底面線Rとの流さに同じくするか、またはこれよりも短い長さに設定し、円形状流路と楕円形状流路との接続交点Q12,Q13,Q14のそれぞれを二つの背面ガイドリブ33,33の手前側の位置に確保させ、接続交点Q12,Q13,Q14のそれぞれの位置で主蒸気STの湿分を分離させ、主蒸気STの背面ガイドリブ33,33に向う主蒸気STの流れを抑制する構成にしたので、背面ガイドリブ33,33に衝突させない主蒸気STの安定流化を確保させることができ、主蒸気STからの湿分の分離に基づく弁座等、弁内構成要素のエロージョンの発生の可能性を低減させることができる。
【0066】
なお、本実施形態は、弁ケーシング25内の流路断面と、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組み合せた円形状流路と楕円形状流路のうち、楕円形状流路の楕円短軸の長さを、二つの背面ガイドリブ33,33を互いに結ぶ直線Rと楕円形状流路底面線Rとの長さに同じくするか、またはこれよりも短い長さに設定しているが、この例を、例えば、図11に示すように、円筒形状の弁体28が往復移動する際に摺動する入口ガイドリブ32にガイド壁35を被着させた主蒸気隔離弁に適用させてもよい。
【0067】
この場合、入口ガイドリブ32の出口端と円形状の弁座34との交点Pを通る切断線B,C,D,Eのそれぞれで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状B5,C5,D5,E5のそれぞれは、図12〜図15のそれぞれにB〜E矢視断面で示される。そして、図12〜図15のうち、図12と図13とは、弁体28およびガイド壁35で円形状流路の一部が隠れていることを示しているものの、第3実施形態に示した構成要素と同じである。
【0068】
図16は、本発明に係る主蒸気隔離弁の第5実施形態を示す概念図である。
【0069】
なお、本実施形態においては、第1実施形態の構成要素と同一構成要素に同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0070】
本実施形態に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング内の流路断面形状を、円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、この組合せ流路断面形状のうち、楕円形状流路の楕円短軸を、円筒状の弁体収容部27内に配置する背面ガイドリブ33(33)の中間位置に臨む方向側に位置させるとともに、楕円長軸を横断水平方向(楕円短軸に角度90°の直交方向)に位置させる一方、円形状流路と楕円形状流路の組合せ流路断面形状を下流側に位置する円形状の弁座34に結ぶ際、円形状流路と楕円形状流路とを互いに接続させる接続交点を通る接線と楕円短軸延長線との交差角を弁座34に向う側に沿って順次大きく設定し、より多くの主蒸気量を楕円長軸方向側に流す構成にしたものである。
【0071】
すなわち、図16に示す入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Cで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状C6は、図17に示すように、輪郭線n20で画成された弁体収容部27である円形状流路a20と輪郭線n21で画成された楕円形状流路a21とで形成される。
【0072】
また、輪郭線n20で画成された円形状流路a20と輪郭線n21で画成された楕円形状流路a21とは、互いを接続させる接続交点Q15,Q15を、円形状流路a20内に配置する背面ガイドリブ33,33の手前側(入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pに臨む方向側)に位置させるとともに、接続交点Q15,Q15を通る接点Tを交差角θで楕円短軸延長線Uで交差させている。
【0073】
また、入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Dで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状D6、図18に示すように、輪郭線n22で画成された弁体収容部27である円形状流路a22と輪郭線n23で画成された楕円形状流路a23とで形成されるとともに、円形状流路a22と楕円形状流路aとの接続交点Q16,Q16を通る接線Tを交差角θで楕円短軸延長線Uで交差させている。
【0074】
また、入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Eで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状E6は、図19に示すように、輪郭線n24で画成された弁体収容部27である円形状流路a24と輪郭線n25で画成された楕円形状流路a25とで形成されるとともに、円形状流路a24と楕円形状流路a25との接続交点Q17,Q17を通る接線Tを交差角θで楕円短軸延長線Uで交差させている。
【0075】
この場合、各切断線C,D,Eの流路断面形状における接続交点Q16,Q17,Q18を通る接線T,T,Tと楕円短軸延長線U,U,Uとのそれぞれのなす交差角θ,θ,θの相互は、
[数2]
θ>θ>θ
を満たす関係式に設定されている。
【0076】
接続交点Q16,Q17,Q18を通るT,T,Tと楕円短軸延長線U,U,Uとのそれぞれのなす交差角θ,θ,θの相互を、θ>θ>θの関係式を満たすように設定したのは、円形状流路と楕円形状流路とを組み合せた流路断面形状を円形状の弁座34に接続させる際、楕円形状流路の楕円長軸の長さが徐々に短くなって流路面積が狭まり、流入した蒸気STが背面ガイドリブ33,33に向って流れ、衝突することを抑制したもので、主蒸気STの流れの下流側に向って交差角を徐々に拡角させ、楕円長軸側端部湾曲面より広くさせ、より広くさせた楕円長軸側端部湾曲面に向って主蒸気STをより多く流し、背面ガイドリブ33,33の衝突を抑制したものである。
【0077】
このように、本実施形態は、弁ケーシング25内の流路断面を円形状流路と楕円形状流路とで組み合せ、組合せ流路断面を円形状の弁座34に接続させる際、円形状流路と楕円形状流路との接続交点を通る接線楕円短軸延長線とのなす交差角を主蒸気ST流れの下流側に向って徐々に拡角させ、楕円長軸側端部湾曲面をより広くさせ、より広くさせた楕円長軸側端部湾曲面により多くの主蒸気量を流し、主蒸気STの背面ガイドリブ33,33へ衝突を抑制する構成にしたので、主蒸気STの背面ガイドリブ33,33へ衝突を抑制する構成にしたので、主蒸気STの流れの安定化を図って圧力損失を少なくさせることができる。
【0078】
図20および図21は、本発明に係る主蒸気隔離弁の第6実施形態を示す概念図である。
【0079】
なお、図中、図20は、本発明に係る主蒸気隔離弁を示す概略側断面図であり、また、図21は、図20のX−X矢視方向から見た概略平面図である。
【0080】
また、本実施形態においては、第1実施形態の構成要素と同一構成要素に同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0081】
本実施形態に係る主蒸気隔離弁は、弁ケーシング25の入口流路30と出口流路31とを円形状にするとともに、入口ガイドリブ32から弁座34までの流路断面形状を楕円形状に形成し、流路断面形状の楕円形状に伴って弁体28および弁体収容部27も楕円形状に形成している。
【0082】
また、楕円形状の流路断面形状は、楕円短軸を背面ガイドリブ33(33)の中間位置に臨む方向側に位置させるとともに、楕円長軸を横断面水平方向(楕円短軸と角度90°の直交方向)に位置させている。
【0083】
一方、図20に示した入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Dで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状D7は、図22に示すように、輪郭線n26で画成された楕円形状流路aと、背面ガイドリブ33,33から外側に向って膨出する湾曲線n27で画成された膨らみ状流路a27とで形成される。
【0084】
また、入口ガイドリブ32の出口端と弁座34との交点Pを通る切断線Eで弁ケーシング25を切断したときの流路断面形状E7は、図23に示すように、輪郭線n28で画成された楕円形状流路a28で形成される。
【0085】
このような構成を備えた本実施形態に係る主蒸気隔離弁において、入口流路30の入口端25aから供給された主蒸気STは、図21に示すように、入口ガイドリブ32で左右に分流され、分流された一部が膨らみ状流路をa27経て弁座34に流れ、分流された残りが楕円長軸側端部湾曲面を経て弁座34に流れる。
【0086】
このように、本実施形態は、弁ケーシング25内の弁体28および弁座34を楕円形状に形成したことに伴なって流路断面形状を楕円形状に形成し、流路断面積形状を変化させることなく主蒸気STの流れの安定化を図る構成にしたので、主蒸気STの流れによる圧力損失をより一層少なくさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る主蒸気隔離弁の第1実施形態を示す概念図。
【図2】図1に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Cで切断したC−C矢視断面図。
【図3】図1に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Dで切断したC−C矢視断面図。
【図4】本発明に係る主蒸気隔離弁の第2実施形態を示す概念図。
【図5】図4のX−X矢視方向から見た平面図。
【図6】図5のJ部の部分拡大概念図。
【図7】本発明に係る主蒸気隔離弁の第3実施形態を示す概念図。
【図8】図7に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Cで切断したC−C矢視断面図。
【図9】図7に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Dで切断したD−D矢視断面図。
【図10】図7に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Eで切断したE−E矢視断面図。
【図11】本発明に係る主蒸気隔離弁の第4実施形態を示す概念図。
【図12】図11に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Bで切断したB−B矢視断面図。
【図13】図11に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Cで切断したC−C矢視断面図。
【図14】図11に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Dで切断したD−D矢視断面図。
【図15】図11に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Eで切断したE−E矢視断面図。
【図16】本発明に係る主蒸気隔離弁の第5実施形態を示す概念図。
【図17】図16に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Cで切断したC−C矢視切断断面図。
【図18】図16に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Dで切断したD−D矢視切断断面図。
【図19】図16に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Eで切断したE−E矢視切断断面図。
【図20】本発明に係る主蒸気隔離弁の第6実施形態を示す概念図。
【図21】図20のX−X矢視方向から見た平面図。
【図22】図20に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Dで切断した切断断面図。
【図23】図20に示す本発明に係る主蒸気隔離弁を切断線Eで切断した切断断面図。
【図24】従来の主蒸気隔離弁を示す概念図。
【図25】図24に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Aで切断した切断断面図。
【図26】図24に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Bで切断した切断断面図。
【図27】図24に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Cで切断した切断断面図。
【図28】図24に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Dで切断した切断断面図。
【図29】図24に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Eで切断した切断断面図。
【図30】従来の別の主蒸気隔離弁を示す概念図。
【図31】図30のX−X矢視方向から見た平面図。
【図32】図30に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Fで切断した切断断面図。
【図33】図30に示す従来の主蒸気隔離弁を切断線Gで切断した切断断面図。
【図34】従来の原子力発電プラントを示す概略系統図。
【符号の説明】
【0088】
1 原子炉圧力容器
2 主蒸気管
3 蒸気タービン
4 原子炉格納容器
5 第1主蒸気隔離弁
6 第2主蒸気隔離弁
7 ヘッダ
8 主蒸気止め弁
9 蒸気加減弁
10 復水器
11 給水系
12 弁ケーシング
12a 入口端
12b 出口端
13 弁体収容部
14 弁体
15 弁駆動部
16 入口ガイドリブ
17 背面ガイドリブ
18 入口流路
19 弁座
20 出口流路
21 ガイド壁
25 弁ケーシング
25a 入口端
25b 出口端
26 主蒸気管
27 弁体収容部
28 弁体
29 弁駆動部
30 入口流路
31 出口流路
32 入口ガイドリブ
33 背面ガイドリブ
34 弁座
35 ガイド壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に背面ガイドリブと、流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを互いに接続させる接続交点は、前記弁体収容部に備えた背面ガイドリブの手前側の位置に設けたことを特徴とする主蒸気隔離弁。
【請求項2】
弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に背面ガイドリブと、流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを組み合せた組合せ流路を円形状の弁座に結ぶ際、その中間位置における楕円形状の流路の楕円長軸を、その上流側の楕円形状の流路の楕円長軸およびその下流側の楕円形状の流路の楕円長軸よりも短く設定して変断面を形成したことを特徴とする主蒸気隔離弁。
【請求項3】
弁ケーシングの入口流路と弁座とを結ぶ流路の断面形状を円形状の流路と楕円形状の流路とを組み合せて形成するとともに、前記円形状の流路に複数の背面ガイドリブと流体の流れに対し前傾姿勢の弁体収容部とを備えた主蒸気隔離弁において、前記円形状の流路と前記楕円形状の流路とを組み合せた組合せ流路のうち、前記楕円形状の流路の楕円短軸は、前記複数の背面ガイドリブを結んだ直線と前記楕円形状の流路底面とを結ぶ長さの範囲内に設定したことを特徴とする主蒸気隔離弁。
【請求項4】
円形状の流路と楕円形状の流路とを互いに接続させる接続交点を位置させる背面ガイドリブの手前側は、入口流路の出口端と弁座との交点に臨む方向側であることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の主蒸気隔離弁。
【請求項5】
弁体収容部は、入口流路に設けた入口ガイドリブに被着させたガイド壁を備えたことを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項記載の主蒸気隔離弁。
【請求項6】
請求項1〜5記載の構成の主蒸気隔離弁は、発電プラントに適用することを特徴とする主蒸気隔離弁。
【請求項7】
請求項1〜5記載の構成の主蒸気隔離弁は、原子炉圧力容器の内側および外側のうち、少なくともいずれか一方に備えたことを特徴とする主蒸気隔離弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−300209(P2006−300209A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122490(P2005−122490)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】