説明

乗客コンベア

【課題】簡便安価な方法によって、欄干からの乗り出し行為等を高度に抑止することが可能な乗客コンベアを提供することである。
【解決手段】エスカレータ10は、手摺ガイドレール18の内部空間に、移動手摺12に対する過重を検出する過重検出装置20と、予め定められた所定の警告を実行するスピーカ32と、過重検出装置20によって閾値以上の荷重が検出されたときに、スピーカ32に対して所定の警告を実行させる制御装置30の警告作動モジュールとを備える。また、過重検出装置20は、手摺ガイドレール18の上面よりも上方に突出して移動手摺12の裏面に当接すると共に、移動手摺12に対する荷重を受容する荷重伝達部材である当接ローラ21、付勢部材22、及び支持アーム23と、支持アーム23により押圧されることで移動手摺12に対する荷重を計測する荷重計測部24とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベアに関し、特にステップに沿って欄干及び移動手摺が設けられた乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータ等の乗客コンベアには、ステップと共に移動する移動手摺が欄干上に設けられ、通常、乗客は移動手摺をもってステップの適正位置に乗って移動する。欄干の高さは、乗客が移動手摺を持ち易いように設定されるので、欄干から身体を乗り出したり、荷物がはみ出たりするおそれがある。欄干から身体を乗り出すと、落下等の危険があるため、適正乗り位置の表示やアナウンス等によって欄干からの乗り出しを防止している。
【0003】
また、エスカレータには、エスカレータと天井部又は他の上部エスカレータとが交差する部分である所謂デルタ部が形成される場合があり、エスカレータから身体を乗り出すと、デルタ部に挟まれる危険がある。そこで、デルタ部には、プラスチック製の保護板が設置されデルタ部に挟まれることを防止している。
【0004】
本発明に関連する技術として、乗客コンベアの移動手摺をカバーする手摺フードが特許文献1に開示されている。この手摺フードは、移動手摺の乗客が触れる部分を外側から覆うように、手摺デッキに取り付けられており、断面形状が略半円の弾性部材から構成されている。さらに、手摺フードの表面には、押圧を検出するセンサが取り付けられ、手摺フードに対して強い力が加わったときには、警報を発する仕組みになっている。
【0005】
また、特許文献2には、アウターデッキ側に立設され、長手方向に発光装置と受光装置とを対向位置に配置した光電装置と、この光電装置の発光装置から出力される光源と受光装置の光検出装置の少なくともひとつの間に遮蔽物が存在すると、警報を鳴動させるとともに、エスカレータを停止させる緊急停止手段とを備えたエスカレータの安全装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−53281号公報
【特許文献2】特開2000−219474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の手摺フードや特許文献2の安全装置によれば、上記乗り出し行為等の抑止効果が期待できる。しかしながら、特許文献1の手摺フードは、デザイン性の観点から好ましくない場合が想定され、乗客コンベアの形態や設置状況によっては、取り付けが困難或いは煩雑になることも想定される。一方、特許文献2の安全装置では、光軸の設定が容易ではなく、光軸の高さ次第で誤作動が頻繁に発生する、或いは乗り出し行為の抑止が困難といった課題が想定される。また、光学式のセンサは一般的に高額であり、実装コスト低減の観点からも改良の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、簡便安価な方法によって、欄干からの乗り出し行為等を高度に抑止することが可能な乗客コンベアを提供することである。また、本発明のもう1つの目的は、移動手摺に過重が加わることを抑止して、移動手摺の滑りを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る乗客コンベアは、ステップに沿って設けられた欄干パネルと、欄干パネルの上部に設置された手摺ガイドレールと、手摺ガイドレールに取り付けられステップと共に移動する移動手摺と、を備える乗客コンベアにおいて、手摺ガイドレール又は欄干パネルに、移動手摺に対する過重を検出する過重検出装置が設置されたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、移動手摺に対する過重を検出することによって、欄干からの乗り出し行為を認識することが可能になる。即ち、乗り出し行為がなされたときには、通常、移動手摺に乗客(多くは子供)の体重がかかることになる。したがって、過重検出装置による過重検出を通して乗り出し行為を認識し、例えば、乗客に対する警告や乗客コンベアの運転規制を実行することが可能になる。また、移動手摺に対して過重が加わると、ステップの移動速度に対して移動手摺の移動速度が遅くなる「滑り現象」が発生する可能性があり、過重検出装置によって、この滑り現象をも防止することが可能になる。
【0011】
また、過重検出装置は、手摺ガイドレールの上面よりも上方に突出して移動手摺の裏面に当接すると共に、移動手摺に対する荷重を受容する荷重伝達部材と、荷重伝達部材により押圧されることで移動手摺に対する荷重を計測する荷重計測部と、を有することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、荷重を計測する計測機器である荷重計測部と移動手摺とが接触しないので、計測機器の部品耐久性を向上させることができる。
【0013】
また、荷重伝達部材は、移動手摺の裏面に当接し移動手摺の移動に伴って回転するローラを含むことが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、移動手摺と荷重伝達部材との摩擦抵抗を低減して、部品耐久性の向上等を図ることができる。
【0015】
また、予め定められた所定の警告を実行する警告装置と、過重検出装置によって閾値以上の荷重が検出されたときに、警告装置を制御して所定の警告を実行させる制御装置と、を有することが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、過重検出装置の検出情報に基いて、自動的に所定の警告を実行することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る乗客コンベアによれば、簡便安価な方法によって、欄干からの乗り出し行為等を高度に抑止することが可能となる。また、移動手摺に過重が加わることを抑止して、移動手摺の滑りを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るエスカレータの概略構成を示す図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】欄干及び過重検出装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を用いて本発明に係る乗客コンベアの実施の形態につき、詳細に説明する。なお、以下では、乗客コンベアとしてエスカレータ10を例に挙げて説明するが、乗客コンベアは、所謂動く歩道とすることもできる。
【0020】
図1に示すように、エスカレータ10は、複数のステップ11が上階と下階との間を循環する昇降装置である。ステップ11の両側には、ステップ11と共に移動する移動手摺12を取り付ける欄干13が設けられている。なお、エスカレータ10の運転は、制御装置30によって制御されている。
【0021】
ステップ11は、乗客を運搬するための踏段であって、その裏側には、各ステップ11を連結するステップチェーンに取り付けられたステップ軸、ステップ軸の先端に取り付けられステップ11を移動可能に支持するための駆動ローラ等が設置される。そして、後述の駆動装置によってステップチェーンが駆動されることで、ステップ11が移動する仕組みになっている。
【0022】
移動手摺12は、ステップ11の移動と共に移動する手摺であって、欄干13に取り付けられている。移動手摺12は、図示しない移動手摺駆動部によって駆動され、移動手摺駆動部は、ステップ11を移動させる駆動装置によって駆動されるので、ステップ11及び移動手摺12を連動させることが可能になる。
【0023】
欄干13は、上記のように、移動手摺12が取り付けられる側壁であって、ステップ11の両側に設けられている。図1に示す欄干13は、図示しない欄干フレームにステンレス製の薄板からなる欄干パネルが取り付けられたものである。欄干パネルは、内側パネル14、外側パネル15、上面パネル16とから構成され、上面パネル16には、移動手摺12を取り付ける手摺ガイドレール18が設置されている。また、内側パネル14の下方には、インナーデッキ17が取り付けられている。
【0024】
手摺ガイドレール18は、上面パネル16上において、乗り口から降り口に亘って設置されている。図2に示すように、手摺ガイドレール18は、断面形状が略コの字状であって、開口部を上方に向けた状態で、図示しない締結部材により設置される。手摺ガイドレール18の上端部は、L字状に加工され、硬質ゴム或いはプラスチック製の保護部材19が取り付けられている。そして、後述する当接ローラ21が設置されない部分では、この保護部材19の上面と移動手摺12の裏面とが接触した状態で、移動手摺12が手摺ガイドレール18に沿って移動している。なお、手摺ガードレール18の内部は、大部分が空洞になっており、その空洞部分に、過重検出装置20を設置することが可能である。
【0025】
インナーデッキ17には、乗客に対して注意を喚起するための警告装置として、ブザー音や音声等の警告音を発報するスピーカ32が設置されている。スピーカ32から発報される警告音は、制御装置30に予め記憶されており、スピーカ32は、制御装置30の警告作動モジュールによって制御される。なお、スピーカ32は、例えば、乗り口や降り口、或いは天井部に設置することもできる。また、警告装置としては、スピーカ32の他に、警告灯を用いることもできる。
【0026】
エスカレータ10は、手摺ガイドレール18に、移動手摺12に対する過重を検出する過重検出装置20を備えている。具体的に、過重検出装置20は、図2及び図3に示すように、手摺ガードレール18の内部空間に設置される。上記のように、乗り出し行為がなされたときには、通常、移動手摺12に対して強い力が加わることになるので、過重検出装置20による過重検出を通して乗り出し行為を認識することが可能になる。
【0027】
過重検出装置20は、手摺ガイドレール18の上面よりも上方に突出して移動手摺12の裏面に当接すると共に、移動手摺12に対する荷重を受容する荷重伝達部材と、荷重伝達部材により押圧されることで移動手摺12に対する荷重を計測する荷重計測部24とから構成される。このように、荷重伝達部材を介して過重検出を行うことにより、荷重を計測する精密機器である荷重計測部24の耐久性を向上させることができる。また、後述の付勢部材22等の機能によって、通常の使用状態では荷重計測部24に過重がかからないようにすることができ、過重検出の精度が向上することも期待できる。
【0028】
図1に示すように、過重検出装置20は、移動手摺12の傾斜部、即ち乗り口と降り口を除く部分に複数設置されることが好ましい。乗り口や降り口においては、移動手摺12が反転する部分等、手摺ガイドレール18等に加わる荷重が大きいので、正確な荷重検出が難しく、また、乗り出し行為は、通常、傾斜部においてなされるためである。なお、過重検出装置20の設置位置は、任意に設定することができ、例えば、デルタ部の下方エリアに集中的に設置することもできる。
【0029】
荷重計測部24は、移動手摺12に対する荷重を検出することができ、手摺ガードレール18或いは欄干13に設置可能な装置であれば、種々の計測機器やセンサを使用することができる。例えば、各種圧電素子(ピエゾフィルム等)を利用したセンサや所謂ロードセルなどが挙げられ、ロードセルにおいても、電磁式、静電容量式、ジャイロ式、歪みゲージ式、圧電式など各種検出方式のロードセルが存在する。一般的には、変形量に応じて抵抗値が変化する歪みゲージ式が広く採用されている。荷重計測部24にも、歪みゲージ式のロードセルを使用することができ、図2及び図3に示すように、手摺ガードレール18の下部に設置される。
【0030】
荷重伝達部材は、当接ローラ21と、付勢部材22と、支持アーム23とから構成されている。当接ローラ21は、移動手摺12との摩擦抵抗を低減するために、移動手摺12の裏面に当接して移動手摺12の移動に伴って回転する。当接ローラ21は、移動手摺12の移動方向に対して直交する方向(略直交する方向を含む)に沿った回転軸を有する。そして、当接ローラ21は、付勢部材22によって上方、即ち移動手摺12の裏面の方向に付勢され、手摺ガイドレール18の上面よりも上方に突出して移動手摺12の裏面に当接している。なお、当接ローラ21は、図3に示すように、1つの荷重計測部24に対して複数個(2つ)設けることができる。
【0031】
付勢部材22は、上記のように、当接ローラ21を上方に付勢する機能を有する部材であって、バネやゴム等から構成される。図2及び図3に示すように、付勢部材22は、一端が支持アーム23に、他端が荷重計測部24に接続され、支持アーム23を介して当接ローラ21を付勢している。付勢部材22は、当接ローラ21を安定に支持するために、支持アーム23の4箇所に設置されている。なお、付勢部材22の付勢力を調整することによって、通常の使用による荷重と乗り出し行為による荷重とを区別することが可能である。
【0032】
支持アーム23は、当接ローラ21を回転可能に支持すると共に、当接ローラ21を介して伝達される移動手摺12に対する荷重を荷重計測部24に伝達する機能を有する。移動手摺12に対して荷重が加わると、付勢部材22の付勢力に抗して支持アーム23が下方に移動し、下方に移動した支持アーム23によって荷重計測部24が押圧されることにより、例えば、荷重計測部24の歪みゲージが変形して荷重を定量することができる。即ち、支持アーム23の下方には、図示しない荷重計測部24の歪みゲージが設置されている。そして、荷重計測部24による検出情報は、トラス31に設置される制御装置30に送信されて、所定の警告がなされることになる。
【0033】
ここで、制御装置30が設置されるトラス31は、自重及び荷重を支える土台部分であって、内部には、制御装置30の他に、ステップ11を連結する図示しないステップチェーン、ステップチェーンが撒き掛けられる図示しないスプロケット、移動手摺12を駆動する図示しない移動手摺駆動部、及びスプロケットを駆動する駆動装置等が設置されている。なお、駆動装置がスプロケットを駆動させることで、ステップチェーン及び移動手摺駆動部に連結された手摺チェーンが駆動して、ステップ11及び移動手摺12が循環することになる。
【0034】
制御装置30は、エスカレータ10の機械的要素の動作を統一的に制御する装置であって、駆動装置の駆動を制御して、ステップ11及び移動手摺12の循環又は停止させる機能を有する。さらに、制御装置30は、過重検出装置20の荷重計測部24から荷重検出情報を受信して、警告装置であるスピーカ32に対して所定の警告を実行させる警告作動モジュールを有する。
【0035】
なお、制御装置30は、CPUと、制御パラメータ等の入力に用いられる入力装置と、入力した制御パラメータや制御プログラム、荷重の閾値や警告内容等を記憶する記録装置と、入出力ポートなどを備える装置であって、コンピュータによって構成することができる。各機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、対応するエスカレータ制御プログラムを実行することにより実現できる。
【0036】
警告作動モジュールは、過重検出装置20によって閾値以上の荷重が検出されたときに、スピーカ32に対して所定の警告を実行させる機能を有する。具体的に、警告作動モジュールは、過重検出装置20からの検出信号を取得する機能を有すると共に、検出信号を受信したときには、予め定められた所定の警告音をスピーカ32から発報させる。したがって、過重検出装置20の検出情報に基いて、自動的に所定の警告を実行することが可能となり、簡便安価な方法によって、欄干13からの乗り出し行為を高度に抑止することが可能となる。また、移動手摺12に過重が加わることを抑止して、移動手摺12の滑りを防止することもできる。
【0037】
過重検出装置20により閾値以上の荷重が検出されたか否かの判断は、警告作動モジュール或いは過重検出装置20のいずれかで実行される。上記閾値は、乗客が移動手摺12を普通に持つ力よりも当然に大きく、且つ乗り出し行為がなされたときに加わる荷重を確実に検出できるような値に設置される必要がある。また、所定の警告としては、「エスカレータから乗り出すと危険です」といった音声やブザー音等の警告音とすることができ、過重検出がなされた過重検出装置20の近傍のスピーカ32のみから選択的に警告音を発報することができる。
【0038】
なお、警告作動モジュールの他に、エスカレータ10の運転を規制する運転規制モジュールを備えることもできる。例えば、運転規制モジュールは、荷重の閾値を複数設定して、警告装置による警告を実行してもなお検出される荷重が閾値を超えるときには、エスカレータ10の運転を規制する機能を有するものである。
【0039】
以上のように、エスカレータ10によれば、手摺ガイドレール18の内部空間に、移動手摺12に対する過重を検出する過重検出装置20が設置され、予め定められた所定の警告を実行する警告装置であるスピーカ32と、過重検出装置20によって閾値以上の荷重が検出されたときに、警告装置を制御して所定の警告を実行させる制御装置30の警告作動モジュールとを有するので、簡便安価な方法によって、欄干13からの乗り出し行為等を高度に抑止することが可能となる。
【0040】
また、過重検出装置20は、手摺ガイドレール18の上面よりも上方に突出して移動手摺12の裏面に当接すると共に、移動手摺12に対する荷重を受容する荷重伝達部材である当接ローラ21、付勢部材22、及び支持アーム23と、荷重伝達部材の支持アーム23により押圧されることで移動手摺12に対する荷重を計測できる荷重計測部24とを有するので、荷重を計測する計測機器の耐久性や過重検出精度の向上が期待できる。
【0041】
なお、上記においては、過重検出装置20は、手摺ガイドレール18に設置されるものとして説明したが、図4に示すように、欄干パネル上であって手摺ガイドレール18(43)の下方に設置することもできる。また、過重検出装置20が設置される部分には、手摺ガイドレール18を設けず、過重検出装置20を上面パネル16上に設置することもできる。
【0042】
欄干13は、図4に示すように、内側パネル14と、外側パネル16との間に隙間を設けた形状にすると共に、手摺ガイドレール43の形状も、その隙間に嵌合する形状とすることができる。そして、内側パネル14と外側パネル16とに固定された支持パネル44上であって、手摺ガイドレール43の下方に、過重検出装置40を設置することができる。このような構成とすれば、手摺ガイドレール43にかかる荷重を検出でき、且つ手摺ガイドレール43を安定に支持することが可能になる。なお、この場合には、手摺ガイドレール43の保護部材19と移動手摺12の裏面とが接触した状態である。
【0043】
過重検出装置40は、荷重計測部42と、手摺ガイドレール43を上方に付勢する付勢部材41(付勢部材22と同様の機能を有する)とから構成され、所定の荷重が移動手摺12にかかったときには、付勢部材41の付勢力に抗して手摺ガイドレール43が下方に移動する。したがって、手摺ガイドレール43は、上下方向に移動可能に支持されている。そして、手摺ガイドレール43によって荷重計測部42が押圧されることにより荷重が検出されることになる。
【0044】
なお、付勢部材43を使用することなく、荷重計測部42の上に直接、手摺ガイドレール43を設置することもできる(即ち、過重検出装置40は、荷重計測部42のみから構成される)。また、図2に示すような一般的な形状の欄干13において、薄膜形状の荷重計測部42を手摺ガイドレール18の下方に設置することもできる。
【符号の説明】
【0045】
10 エスカレータ、11 ステップ、12 移動手摺、13 欄干、14 内側パネル、15 外側パネル、16 上面パネル、17 インナーデッキ、18 手摺ガイドレール、19 保護部材、20 過重検出装置、21 当接ローラ、22 付勢部材、23 支持アーム、24 荷重計測部、30 制御装置、31 トラス、32 スピーカ、40 過重検出装置、41 付勢部材、42 荷重計測部、43 手摺ガイドレール、44 支持パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップに沿って設けられた欄干パネルと、
欄干パネルの上部に設置された手摺ガイドレールと、
手摺ガイドレールに取り付けられステップと共に移動する移動手摺と、
を備える乗客コンベアにおいて、
手摺ガイドレール又は欄干パネルに、移動手摺に対する過重を検出する過重検出装置が設置されたことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
請求項1に記載の乗客コンベアにおいて、
過重検出装置は、
手摺ガイドレールの上面よりも上方に突出して移動手摺の裏面に当接すると共に、移動手摺に対する荷重を受容する荷重伝達部材と、
荷重伝達部材により押圧されることで移動手摺に対する荷重を計測する荷重計測部と、
を有することを特徴とする乗客コンベア。
【請求項3】
請求項2に記載の乗客コンベアにおいて、
荷重伝達部材は、移動手摺の裏面に当接し移動手摺の移動に伴って回転するローラを含むことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の乗客コンベアにおいて、
予め定められた所定の警告を実行する警告装置と、
過重検出装置によって閾値以上の荷重が検出されたときに、警告装置を制御して所定の警告を実行させる制御装置と、
を有することを特徴とする乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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