説明

乾式の外壁横目地止水構造及び外壁目地止水構造

【課題】横目地をガスケットを用いて乾式で施工容易に止水できると共に、該ガスケットの耐久性を向上し、また、きれいな仕上がり状態を得ることができる、、乾式の外壁横目地止水構造等を提供する。
【解決手段】横目地止水用のガスケット6がサッシ枠2のアタッチメント4に設けられ、該ガスケット6付きアタッチメント4のガスケット6が、外壁面材1とサッシ枠2との間の横目地3の内部に嵌め込まれて、横目地3がガスケット6で止水されると共に、横目地3がアタッチメント4で隠されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式の外壁横目地止水構造及び外壁目地止水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、開口部のサッシ枠と外壁面材との間の横目地や、階間の横目地の止水は、従来、湿式シーリングで行うのが一般的であった。
【特許文献1】特開2005−213886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、湿式リーリングによる方法では施工が厄介であることから、ガスケットを用いた乾式の横目地止水方法の提供が求められている。
【0004】
本発明は、そのような要請のもとで、横目地をガスケットを用いて乾式で施工容易に止水することができると共に、該ガスケットの耐久性を向上し、また、きれいな仕上がり状態を得ることができる、乾式の外壁横目地止水構造及び外壁目地止水構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、横目地止水用のガスケットが横目地隠し材に設けられ、該ガスケット付き横目地隠し材のガスケットが、外壁面における、外壁面材とサッシ枠との間の横目地内部、又は、外壁面材間の横目地内部に嵌め込まれて、外壁面における横目地がガスケットで止水されると共に、外壁面おける横目地が前記隠し材で隠されていることを特徴とする乾式の外壁横目地止水構造によって解決される(第1発明)。
【0006】
この構造では、ガスケット付き横目地隠し材のガスケットを、外壁面における、外壁面材とサッシ枠との間の横目地内部、又は、外壁面材間の横目地内部に嵌め込めば、横目地は止水され、横目地を乾式で施工容易に止水することができる。しかも、同時に、横目地は隠し材で隠され、それにより、ガスケットの耐久性を向上することができると共に、きれいな仕上がり状態を得ることができ、また、その施工も容易に行っていくことができる。
【0007】
第1発明において、前記横目地が、外壁面材とサッシ枠との間の横目地からなり、前記横目地隠し材が、サッシ枠のアタッチメントからなるとよい(第2発明)。このように、サッシ枠のアタッチメントを隠し材として併用することにより、専用の隠し材が不要で、部品点数を少なくすることができると共に、スッキリとした納まりにすることができ、また、サッシ枠のアタッチメントを取り付けることで、横目地の止水も横目地隠しも達せられ、施工を容易にすることができる。
【0008】
第1発明において、前記横目地が上下の外壁面材間の横目地からなるのもよい(第3発明)。また、第1発明において、前記横目地が階間における上下の外壁面材間の横目地からなるのもよい(第4発明)。これらの場合は、上下の外壁面材間の横目地や、階間における上下の外壁面材間の横目地を、ガスケットにより乾式で施工容易に止水することができ、しかも、同時に、横目地は隠し材で隠され、それにより、ガスケットの耐久性を向上することができると共に、きれいな仕上がり状態を得ることができ、また、その施工も容易に行っていくことができる。
【0009】
また、本発明は、第1〜第4発明の乾式の外壁横目地止水構造を採用する外壁目地止水構造であって、
縦目地内における前記横目地との連通開口部に仕切り材が配置されて該仕切り材により連通開口部が閉じられており、
該仕切り材は、前記ガスケット付き横目地隠し材のガスケットの端部に対し止水状態となるように設けられていると共に、前記横目地と連通する縦目地の目地内空間部を挟む側面部と面一ないしは略面一となるように設けられて縦目地内に嵌め込まれた縦目地用ガスケットの接地面を構成していることを特徴とする外壁目地止水構造を含む(第5発明)。
【0010】
この構造では、縦目地の目地内空間部における横目地の連通開口部に設けられた仕切り材が、縦目地内に嵌め込まれた縦目地用ガスケットの接地面を構成していると共に、該仕切り材は横目地隠し材のガスケットの端部に対し止水状態となるように設けられているので、横目地と縦目地とが交差する部分を、横目地隠し材のガスケットと仕切り材と縦目地用ガスケットとでしっかりとした止水状態にすることができ、しかも、その施工を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のとおりのものであるから、横目地をガスケットを用いて乾式で施工容易に止水することができると共に、該ガスケットの耐久性を向上し、また、きれいな仕上がり状態を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図4に示す第1実施形態は、外壁面材1とサッシ枠2との間の上下の横目地3,3に適用した場合のもので、4,5は、サッシ枠2の上下に備えられる横目地隠し材を兼ねたアタッチメントであり、図1及び図2に示すように、上アタッチメント4には、その上端の内面部に、横目地止水用のガスケット6が設けられ、また、図3に示すように、下アタッチメント5には、その下端の内面部に、同じく横目地止水用のガスケット6が設けられている。
【0014】
そして、サッシ枠2の上側に備えられている横目地3の止水は、図1(ロ)及び図2(イ)に示すように、側アタッチメント7と内側の上アタッチメント8とをサッシ枠2に取り付けた後、上記のガスケット6付きの上アタッチメント4を、ガスケット6を横目地3に嵌め込むようにして、サッシ枠2に取り付けるというようにして行うことができる。
【0015】
また、サッシ枠2の下側に備えられている横目地3の止水についても同様で、図3(ロ)に示すように、上記の側アタッチメント7と内側の下アタッチメント9とをサッシ枠2に取り付けた後、ガスケット6付きの下アタッチメント5を、ガスケット6を横目地3に嵌め込むようにして、サッシ枠2に取り付けるというようにして行うことができる。
【0016】
上記の乾式の外壁横目地止水構造によれば、ガスケット付きアタッチメント4,5のガスケット6,6をそれぞれ、外壁面材1とサッシ枠2との間の上下の横目地3,3の内部に嵌め込めば、横目地3,3はそれらのガスケット6,6によって止水され、上下の横目地3,3を乾式で施工容易に止水することができる。しかも、同時に、横目地3,3はアタッチメント4,5で隠され、ガスケット6,6の耐久性を向上することができ、また、きれいな仕上がり状態を得ることができる。更に、アタッチメント4,5を取り付けることで、横目地3,3の止水も横目地隠しも達せられ、施工を容易にすることができる。
【0017】
また、本実施形態では、サッシ枠2のアタッチメント4,5を隠し材として併用しているので、専用の隠し材が不要で、部品点数を少なくすることができると共に、スッキリとした納まりにすることができる。
【0018】
更に、本実施形態では、上記の横目地止水構造において、次のような構成が追加されている。即ち、図4及び図2(ロ)に示すように、縦目地11内における前記上側の横目地3との連通開口部13には、仕切り材としてのエンドキャップ12が配置されて、該エンドキャップ12により連通開口部13が閉じられ、該エンドキャップ12は、ガスケット付きアタッチメント4のガスケット6の端部に対し止水状態となるように設けられると共に、横目地3と連通する縦目地11の目地内空間部を挟む側面部14と面一ないしは略面一となるように設けられて、縦目地11内に嵌め込まれた縦目地用ガスケット10の接地面を構成し、縦目地用ガスケット10の側面部を弾力的に当接させて止水状態を形成している。なお、エンドキャップ12の材質や形態、特性に特段の制限はなく、プレート状のものや、ゴム状のものなどからなっていてもよい。また、図示しないが、下側の横目地3についても同様の構成が採用されている。
【0019】
このような構造を採用することによって、横目地3,3と縦目地11とが交差する部分を、ガスケット付きアタッチメント4,5のガスケット6とエンドキャップ12と縦目地用ガスケット10とでしっかりとした止水状態にすることができ、しかも、その施工を容易にすることができる。
【0020】
なお、ガスケット付きアタッチメント4やエンドキャップ12の取付けは、図4(イ)に示すようなサッシ枠2付き外壁パネル15に対して行われてもよいし、図4(ロ)に示すようなサッシ枠付き外壁パネル15を備えた外壁面に対して現場で行われてもよい。
【0021】
図5に示す第2実施形態は、横目地3が、上下の外壁面材1,1間の横目地、例えば、階間における上下の外壁面材1,1間の横目地からなる場合のもので、16がガスケット付き横目地隠し材で、横目地隠し材16は、金属や樹脂などからなる硬質の線状材あるいは硬質の面状材からなっていて、本実施形態では水切り板を兼ねた構造となっていて、該横目地隠し材16の内面部に横目地止水用のガスケット6が設けられている。
【0022】
そして、上下の外壁面材1,1間の横目地3の止水は、図5(ハ)に示すように、上記のガスケット6付きの横目地隠し材16を、ガスケット6を横目地3に嵌め込むようにして、外壁面材1に取り付けるというようにして行うことができる。
【0023】
上記の乾式の外壁横目地止水構造によれば、ガスケット付き横目地隠し材16のガスケット6を、上下の外壁面材1,1間の横目地3の内部に嵌め込めば、横目地3はガスケット6によって止水され、横目地3を乾式で施工容易に止水することができる。しかも、同時に、横目地3は横目地隠し材16で隠され、ガスケット6の耐久性を向上することができ、また、きれいな仕上がり状態を得ることができると共に、ガスケット付き横目地隠し材16を取り付けることで、横目地3の止水も横目地隠しも達せられ、施工を容易にすることができる。
【0024】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、仕切り材12を、サッシ枠2と外壁面材1との間の横目地との関係で採用した場合を示したが、第5発明では、上下の外壁面材間の横目地との関係で採用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1実施形態の外壁横目地止水構造を示すもので、図(イ)は図4(ロ)のI−I線断面矢視図、図(ロ)はガスケット付きアタッチメントの取付け方法を示す同断面矢視図である。
【図2】図(イ)はガスケット付きアタッチメントを分離状態にした斜視図、図(ロ)はエンドキャップを分離状態にした斜視図である。
【図3】図(イ)は図4(ロ)のII−II線断面矢視図、図(ロ)はガスケット付きアタッチメントの取付け方法を示す同断面矢視図である。
【図4】図(イ)は外壁面を構成するサッシ枠付き外壁パネルの正面図、図(ロ)は同外壁パネルを用いて構成された外壁面の正面図である。
【図5】第2実施形態の外壁横目地止水構造を示すもので、図(イ)は正面図、図(ロ)は図(イ)のIII−III線断面図、図(ハ)はガスケット付き横目地隠し材の取付け方法を示す同断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1…外壁面材
2…サッシ枠
3…横目地
4…アタッチメント(横目地隠し材)
6…ガスケット
10…縦目地用ガスケット
11…縦目地
12…エンドキャップ(仕切り材)
13…連通開口部
14…側面部
16…仕切り材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横目地止水用のガスケットが横目地隠し材に設けられ、該ガスケット付き横目地隠し材のガスケットが、外壁面における、外壁面材とサッシ枠との間の横目地内部、又は、外壁面材間の横目地内部に嵌め込まれて、外壁面における横目地がガスケットで止水されると共に、外壁面おける横目地が前記隠し材で隠されていることを特徴とする乾式の外壁横目地止水構造。
【請求項2】
前記横目地が、外壁面材とサッシ枠との間の横目地からなり、前記横目地隠し材が、サッシ枠のアタッチメントからなる請求項1に記載の乾式の外壁横目地止水構造。
【請求項3】
前記横目地が上下の外壁面材間の横目地からなる請求項1に記載の乾式の外壁横目地止水構造。
【請求項4】
前記横目地が階間における上下の外壁面材間の横目地からなる請求項1に記載の乾式の外壁横目地止水構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載の乾式の外壁横目地止水構造を採用する外壁目地止水構造であって、
縦目地内における前記横目地との連通開口部に仕切り材が配置されて該仕切り材により連通開口部が閉じられており、
該仕切り材は、前記ガスケット付き横目地隠し材のガスケットの端部に対し止水状態となるように設けられていると共に、前記横目地と連通する縦目地の目地内空間部を挟む側面部と面一ないしは略面一となるように設けられて縦目地内に嵌め込まれた縦目地用ガスケットの接地面を構成していることを特徴とする外壁目地止水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−185448(P2009−185448A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23369(P2008−23369)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】