説明

乾式安全器

【課題】逆流・逆火時の低い圧力に対しても安定的に作動させることができ、信頼性の高い乾式安全装置を提供する。
【解決手段】本発明の乾式安全器は、消炎フィルタ2と、下流側にむけてバネ付勢される遮断器3と、遮断器3を所定位置で停止させるロックピン4と、逆流・逆火時に遮断器3に押し当たって流路を遮断する遮断弁5とを具備する。ロックピン4には、遮断時の圧力を受ける受圧面4aを設け、遮断器3とロックピン4の互いの当接箇所には、ロックピン4を所定位置に引っ掛け係止するためのテーパ面21,31を形成する。上記テーパ面21,31は、逆流・逆火時に生じる所定値以上の圧力によって遮断器3とロックピン4を互いに離れる方向に移動させて係止を解除させるように、摺動可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスの流路中に挿入される乾式安全器に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性ガスの流路中で逆流・逆火が生じたときに遮断動作を行うものとして、乾式安全器が知られている。図8には、特許文献1に記載される従来の乾式安全器を示している。
【0003】
この乾式安全器の本体ケース51内には、逆火の通過を防止する消炎フィルタ52や、逆止弁構造をなす遮断器53および遮断弁55が配設してある。本体ケース51内にはさらに遮断器スプリング60が配設してあり、該遮断器スプリング60によって、遮断器53を流れ方向(図中矢印方向)の上流側にむけてバネ付勢している。このバネ付勢による遮断器53のスライドは、側方からロックピン54が当接することによって、図示の所定位置で停止されている。上記ロックピン54は、ロック用スプリング61によって、所定の付勢力で遮断器53側へとバネ付勢されている。
【0004】
この乾式安全器においては、図示の所定位置で停止される遮断器53と、遮断弁55との間に、遮断弁55の開弁動作を可能にするためのスペースが形成される。そして、逆流・逆火が生じた場合には、その逆流・逆火時に生じる大きな圧力によってロックピン54をロック用スプリング61の付勢力に抗して押し上げ、ロックピン54を遮断器53から離間させる。ロックピン54が離れると、遮断器53は遮断器スプリング60のバネ付勢によって上流側の遮断弁55に押し当たり、該遮断弁55の開弁動作を不能にする。
【0005】
つまり、図8に示す従来の乾式安全器では、ロックピン54が作動する所定圧力(逆流・逆火により生じる流路内の圧力)を、ロック用スプリング61の機械的な組み込みによって適宜設定する構造となっていた。この構造においては、ロックピン54が低い圧力でも作動するように設定する場合、ロック用スプリング61によって微小な付勢力をロックピン54に対して安定的に付与することが要求される。
【0006】
しかし、このようなロック用スプリング61の機械的な組み込みによって、微小な付勢力を長期間にわたって安定的に付与し続けることは、決して容易なことではない。そのため、従来構造の乾式安全器では、長期間にわたって低い圧力でも安定的に作動するように設定することが、非常に困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−223331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、逆流・逆火時の低い圧力に対しても安定的に作動させることのできる、信頼性の高い乾式安全装置を提供することを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決することのできる本発明の乾式安全器は、逆火の通過を防止する消炎フィルタ2と、流れ方向にスライド自在であって下流側にむけてバネ付勢される遮断器3と、遮断器3に当接することで該遮断器3の下流側へのスライドを所定位置で停止させるロックピン4と、流れ方向にスライド自在であって逆流・逆火時には遮断器3に押し当たって流路を遮断する遮断弁5とを具備したものである。
【0010】
ロックピン4には、遮断時の圧力を受ける受圧面4aを設け、遮断器3とロックピン4の互いの当接箇所には、ロックピン4を所定位置に引っ掛け係止するためのテーパ面21,31を形成する。上記テーパ面21,31は、逆流・逆火時に生じる所定値以上の圧力によって遮断器3とロックピン4を互いに離れる方向に移動させて係止を解除させるように、摺動可能に設けたものである。
【0011】
上記構成からなる本発明の乾式安全器によれば、テーパ面21,31の当接によって遮断器3にロックピン4を引っ掛け係止させ、逆流・逆火時に所定値以上の圧力が生じれば、テーパ面21,31間での摺動によって遮断器3とロックピン4を互いに離れる方向に移動させ、係止を解除することができる。そのため、テーパ面21,31の角度αを適宜設定することで、逆流・逆火時の低い圧力に対しても、安定的に作動させることが可能となる。つまり、低い圧力であっても長期間にわたって安定的に作動する、信頼性の高い乾式安全装置となるのである。
【0012】
なお、本発明の乾式安全器では、上記ロックピン4を、軸中心に回転自在であるとともにその偏心位置から遮断器3側にむけて係止凸部20を突出させたものとし、上記遮断器3を、上記係止凸部20が引っ掛け係止する凹段部30をその外側面に有するものとし、上記係止凸部20と上記凹段部30に上記テーパ面21,31を形成することが好ましい。
【0013】
このようにすることで、遮断器3に対する引っ掛け係止を解除したロックピン4を初期位置にまで復帰させるには、ロックピン4を遮断器3側に押し込みつつ軸中心に1回転させるだけでよく、円滑な復帰作業が可能となる。このとき、ロックピン4の係止凸部20のテーパ面21を、遮断器3の凹段部30のテーパ面31に押し当てれば、その後は、テーパ面21,31同士の摺接によって引っ掛け係止の状態を維持したまま、係止凸部20の偏心回転によって遮断器3全体を円滑にスライドさせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の乾式安全器によれば、逆流・逆火時の低い圧力に対しても安定的に作動する信頼性の高い乾式安全装置を提供することができる、といった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における一例の乾式安全器の側断面図である。
【図2】同上の乾式安全器の逆流・逆火時の第一段階の挙動を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図3】同上の乾式安全器の逆流・逆火時の第二段階の挙動を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図4】同上の乾式安全器の逆流・逆火時の第三段階の挙動を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図5】同上の乾式安全器の逆流・逆火時の第四段階の挙動を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図6】同上の乾式安全器の復帰作業中の状態を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図7】同上の乾式安全器の復帰後の状態を示し、(a)は要部側断面図、(b)はロックピンが突出する方向からみたときの各部材の位置関係を示す説明図である。
【図8】従来の乾式安全器の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0017】
図1には、本発明の実施形態における一例の乾式安全器の構造を示している。図中の矢印方向が、通常時の流れ方向である。本文中においては、通常時の流れ方向を基準として「上流」や「下流」を用いる。
【0018】
一例の乾式安全器は、全体として概略円管状に形成される本体ケース1内に、消炎フィルタ2、遮断器3および遮断弁5を、上流側から下流側へとこの順に配設している。遮断器3には、これを下流側にむけて付勢する遮断器スプリング10を接続させてある。また、遮断弁5には、これを上流側にむけて付勢する遮断弁スプリング11を接続させてある。
【0019】
上記本体ケース1は、水素等の可燃性ガスの流路Rを内部に形成したものであって、上流側開口1aと下流側開口1bを有している。本体ケース1には、流路Rに対して側方から(つまり、流れの軸方向と直交する方向から)突没自在となるように、ロックピン4を配置している。
【0020】
以下、各構成についてさらに詳述する。上記消炎フィルタ2は、多孔質焼結金属からなる円筒状の部材であり、下流側開口1b側から流路R内に逆火が浸入した際にこれを消火し、上流側開口1aまで逆火が到達することを防止するように設けている。
【0021】
上記遮断器3は、通常時に消炎フィルタ2を通過した可燃性ガスが流入する上流側開口3aと、その内部を通過した可燃性ガスをさらに下流側に流出させる下流側開口3bとを有した、円筒状の部材である。上流側開口3aは、遮断器3の上流端部の側面に開口させており、下流側開口3bは、遮断器3の下流端部の端面に開口させている。遮断器3は、本体ケース1内の流路Rにおいて流れ方向にスライド自在に嵌合させている。
【0022】
上記遮断弁5は、遮断器3の下流側開口3b内にスライド自在に嵌入される筒型の弁体6を有し、その下流側には、該弁体6を通過した可燃性ガスをさらに下流側の流路R中に導入する導入体7を一体に有している。弁体6は、通常時に可燃性ガスが流入する上流側開口6aと、流入した可燃性ガスを下流側に流出させる下流側開口6bとを有している。上流側開口6aは、弁体6の上流側端面に開口させており、下流側開口6bは、弁体6の下流部側壁にて複数の窓状に開口させている。導入体7は、弁体6よりも大径の筒型をなしており、その側壁に、導入用の開口7aを窓状に複数設けている。
【0023】
上記ロックピン4は、遮断時の圧力を受けるための平坦な受圧面4aを流路R側にむけて形成した、円柱状の部材である。この受圧面4aからは、遮断器3に引っ掛け係止することで該遮断器3の下流側へのスライドを停止させる係止凸部20を、流れ方向(つまり遮断器3のスライド方向)と直交する方向にむけて突設している。
【0024】
ロックピン4は、本体ケース1に設けてある円筒状のロックピンガイド8内において、流れ方向と直交する方向に、一定範囲内でスライド自在に配置している。また、この円柱状のロックピン4は、軸中心に回転自在となるようにロックピンガイド8内に配置している。ロックピンガイド8内周面とロックピン4の外周面との間には、ロックピンガイド8との間でのロックピン4の摺動抵抗を確保するOリング9を、一対介在させている。
【0025】
ロックピン4の係止凸部20は、該ロックピン4の偏心位置(つまりロックピン4の中心軸から距離を隔てた受圧面4a上の位置)から遮断器3側にむけて突出させたものであり、円筒状をなす遮断器3の外周面に形成してある凹段部30に対して、その先端側部分を係止させるように設けている。
【0026】
遮断器3の外周面は、本体ケース1の内周面に対して摺接する中央の大径部分と、これの下流側にて該大径部分より小さな径で形成される小径部分とを有し、大径部分と小径部分との間に、全周にわたる凹段部30を設けている。
【0027】
係止凸部20と凹段部30には、遮断器スプリング10によって下流側にバネ付勢される遮断器3に対してロックピン4が引っ掛け係止されるように、互いにテーパ面21,31を形成している。係止凸部20の先端側部分は、先端側に近づくほどに径が増大する円錐台状に形成してあり、この円錐台状の先端側部分の側周面が、先端側に近づくほどに(つまり遮断器3側に近づくほどに)径が増大するテーパ面21となっている。
【0028】
遮断器3の凹段部30は、大径部分との境界部分よりも小径部分との境界部分のほうが上流側に位置するように傾斜させている。つまり、この凹段部30に全周にわたって形成されるテーパ面31は、流路Rの下流側を真っすぐにむく方向から、流路Rの内側にむけて角度αだけ傾斜した方向をむくように、全周に亘ってすり鉢状に傾斜させた面となっている。
【0029】
ここで、両テーパ面21,31は、接触部分において互いの傾きが一致するように形成している。具体的には、流路Rの軸方向と直交する面を基準としたとき、この基準面に対してその接触部分が角度αをなすように係止凸部20のテーパ面21を形成し、また、この基準面に対してその接触部分が同一角度αをなすように凹段部30のテーパ面31を形成している。
【0030】
上記テーパ面21,31にてロックピン4と係合することで所定位置に保持される遮断器3は、その所定位置において、遮断弁5の開弁動作を可能とするためのスペースを下流側に形成する。上記開弁動作は、遮断弁5が下流側にスライド移動する動作であり、このスライド移動により、遮断弁5の上流側部分をなす弁体6の下流側開口6bを側方の流路R中に開放させる。
【0031】
このとき、上流側開口3aを通じて遮断器3内に流入した可燃性ガスは、遮断弁5の弁体6に設けてある上流側開口6aおよび下流側開口6bを通じて下流側の流路R内に流出し、さらに開口7aを通じて導入体7内に流入した後に、さらに下流側の流路R内に流出する。
【0032】
上記構成からなる本例の乾式安全器においては、図1に矢印で示すような通常時の流れ中において、遮断器スプリング10が付与する下流側への付勢力により、遮断器3の凹段部30がロックピン4の係止凸部20に引っ掛け係止し、遮断器3を図示の所定位置に保持させる。下流側へのバネ付勢を伴う上記引っ掛け係止により、ロックピン4は通常の圧力では上昇しないようになっている。なお、このときのロックピンガイド8内でのロックピン4の回転位置は、偏心した係止凸部20が最も上流側に位置するように設定しておく。
【0033】
図2〜図8には、逆流・逆火時における乾式安全器の挙動を順に示している。各図において、(a)は要部側断面図、(b)はロックピン4が突出する方向からみたときの該ロックピン4と遮断器3の位置関係を示す説明図である。
【0034】
図2、図3に示すように、可燃性ガスの流路R中において下流側から逆流・逆火が生じたとき、逆流した火炎は流路Rに配置してある消炎フィルタ2で消火される。また、流路R中にスライド自在に配置した遮断弁5が上流側へとスライドし、遮断弁5の導入体7が遮断器3の下流側開口3bに押し当たる。このとき、遮断器3内に嵌入した弁体6の下流側開口6bは、該遮断器3の内壁によって封止される。
【0035】
上記封止により逆流が遮断されると、遮断箇所より下流側で流路R内の圧力が上昇し、この流路R内の圧力が、遮断器3に対してはこれを上流側に押し込み、ロックピン4の受圧面4aに対してはこれを遮断器3から離れる方向に押し上げる方向に働く。ここで、ロックピン4と遮断器3の両テーパ面21,31は角度αだけ傾けているので、逆流・逆火時の圧力が所定値以上になると、両テーパ面21,31を摺接させながら、遮断器3をバネ付勢力に抗して上流側にスライドさせるとともに、ロックピン4を遮断器3から離れるように側方へと押し出す。
【0036】
そして、図4に示すように両テーパ面21,31が離れ、ロックピン4の遮断器3に対する引っ掛け係止が解除されると、ロックピン4は遮断器3から最大限離れる位置にまで、圧力によってスライド移動する。この位置に至ったロックピン4は、その端部4bをロックピンガイド8から突出させ、逆流が生じたことをユーザに対して視覚的に通知する。
【0037】
この後、逆流が一段落すると、上流側に押し込まれていた遮断器3は遮断器スプリング10の付勢力によって再び下流側へとスライドを始め、図5に示すように、遮断弁5と一体に下流側へとスライド移動する。このときロックピン4は押し上げた位置にあるので、遮断器3はロックピン4によりスライドを停止されることなく、遮断弁5と一体となって、最も下流側の位置にまでスライドする。遮断器3の下流側開口3bには、遮断器スプリング10が及ぼす付勢力によって、遮断弁5の導入体7が継続的に押し当てられる。これにより、後述のようにロックピン4を外部操作して初期位置に戻すまでは、流路Rの遮断を継続する。
【0038】
ところで、例えば水素と酸素が燃焼したような場合には、逆流後の流路R内が負圧となってロックピン4を引き下げるように作用する。これに対して、ロックピン4には適当な摺動抵抗を与えるOリング9を被せ、遮断器3が最も下流側にまでスライドして図5の位置に至った後に、ロックピン4が遮断器3に当たるまで引き下がるように設定している。負圧で引き下げられたロックピン4は、係止凸部20の先端が遮断器3の大径部分に当る位置にて、その引き下げ動作を停止する。
【0039】
その後、乾式安全器を初期状態に復帰させるには、ロックピンガイド8から外部に突出したロックピン4の端部4bを、本体ケース1内部側に押し込みつつ軸中心に1回転させればよい。ロックピン4の端部4bには一条の溝部4cを設けているので、この溝部4cに適宜の工具先端を嵌合させ、そのまま回転させるとよい。
【0040】
このとき、ロックピン4を例えば60°程度回転させるまでは、偏心位置にある係止凸部20は遮断器3の大径部分に先端を当てながら偏心回転し、その後、240°程度までは、遮断器3の大径部分から下流側に外れた範囲内で係止凸部20が偏心回転する(図5(b)、図6(b)等参照)。
【0041】
そして、ロックピン4を押し込んで240°程度回転させた段階で、図6に示すように係止凸部20のテーパ面21が遮断器3のテーパ面31に当たる。ここでさらにロックピン4を回転させれば、ロックピン4と一体に偏心回転する係止凸部20が、テーパ面21,31同士を摺接させながら遮断器3を上流側にスライドさせる。ロックピン4を360°回転させた段階に至ると、遮断器3やロックピン4が図7の所期位置に復帰し、流路Rの遮断が解除される。
【0042】
このとき遮断器3は、角度α傾いたテーパ面21,31の摺接によってロックピン4に引っ掛け係止された状態を維持しつつ、上流側へと押し込まれる。そのため、ロックピン4の係止凸部20をいったん遮断器3の凹段部30に引っ掛け係止すれば、その後は、ロックピン4を円滑に回転させて遮断器3を押し込むことができる。
【0043】
上記した本発明の乾式安全器においては、テーパ面21,31同士の接触で遮断器3にロックピン4を引っ掛け係止させ、逆流・逆火時に所定値以上の圧力が生じれば、テーパ面21,31間の摺動によって遮断器3とロックピン4を互いに離れる方向に移動させて係止を解除する。したがって、テーパ面21,31の角度αを適宜設定することで、逆流・逆火時の低い圧力でも安定的に作動させることが可能となる。つまり、低い圧力であっても長期間にわたって安定的に作動する、信頼性の高い乾式安全装置となる。
【0044】
角度αとしては、20〜35°の範囲内に設定することが好適であり、最も好ましくは30°に設定する。これにより、0.15MPa以下の低い圧力であっても、長期間にわたって安定的に作動する乾式安全器となる。
【0045】
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0046】
2 消炎フィルタ
3 遮断器
30 凹段部
4 ロックピン
4a 受圧面
5 遮断弁
20 係止凸部
21 テーパ面
30 凹段部
31 テーパ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆火の通過を防止する消炎フィルタと、流れ方向にスライド自在であって下流側にむけてバネ付勢される遮断器と、遮断器に当接することで該遮断器の下流側へのスライドを所定位置で停止させるロックピンと、流れ方向にスライド自在であって逆流・逆火時には遮断器に押し当たって流路を遮断する遮断弁とを具備し、ロックピンには、遮断時の圧力を受ける受圧面を設け、遮断器とロックピンの互いの当接箇所には、ロックピンを所定位置に引っ掛け係止するためのテーパ面を形成した乾式安全器であって、上記テーパ面は、逆流・逆火時に生じる所定値以上の圧力によって遮断器とロックピンを互いに離れる方向に移動させて係止を解除させるように、摺動可能に設けたものであることを特徴とする乾式安全器。
【請求項2】
上記ロックピンは、軸中心に回転自在であるとともにその偏心位置から遮断器側にむけて係止凸部を突出させたものであり、上記遮断器は、上記係止凸部が引っ掛け係止する凹段部をその外側面に有するものであり、上記係止凸部と上記凹段部に上記テーパ面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の乾式安全器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−94777(P2011−94777A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252279(P2009−252279)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(592189491)株式会社千代田精機 (3)
【Fターム(参考)】