説明

二環式テトラヒドロピロール化合物

【課題】本発明の目的は、薬剤中のシグマ1受容体の変調に適切でなければならない有効成分として使用する新規の化合物を提供することである。
【解決手段】本発明は、一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物、化合物の調製方法、化合物を含む薬剤、及びヒト及び動物の治療用薬剤の製造へのその使用に関する。
【化66】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シグマ(σ)受容体に対する薬理活性を有する化合物、特に、二環式テトラヒドロピロール誘導体、化合物の調製方法、化合物を含む薬剤、治療及び予防、特に、アルツハイマー病の治療に対する使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、進行性で回復不能な脳疾患であり、原因又は治療方法は解明されていない。この疾患の症状は、記憶障害、錯乱、判断力低下、人格変化、見当識障害、言語能力の喪失等が挙げられる。常に致命的なアルツハイマー病は、回復不能な痴呆の最も一般的な形態である。
【0003】
American Health Assistance Foundation(AHAF)によると、2050年までに、450万人を超えるアメリカ人がアルツハイマー病になると考えられており、その数は、1千320万人に増える可能性がある。どの国でも平均寿命が延びており、アルツハイマー病の発症率も増加している。アルツハイマー病は、悲劇的に一般的になってきている。現在、世界中で1千8百万人がアルツハイマー病を患っていると推定される。この数値は、2025年までには倍程度の3千4百万人に達すると予測される。
【0004】
今のところ、この致命的な疾患に対する効果的な治療方法がない事実を考慮すると、アルツハイマー病を治療する新しい解決策を探すことは必須である。
【0005】
シグマ受容体は、共活性化薬剤(pharmacoactive drugs)の立体選択的異性体により識別される少なくとも2つのサブタイプを有する。SKF10047は、シグマ1(σ‐1)部位に対するナノモルの親和性、及びシグマ(σ‐2)部位に対するマイクロモルの親和性を有する。ハロペリドールは、両サブタイプに同様の親和性を有する。シグマの内因性リガンドは知られていないが、プロゲステロンはそのうちの1つであると示唆されている。シグマ部位の媒介による薬剤効果の可能性としては、グルタミン酸塩受容体機能の変調、神経伝達物質反応、神経防護作用、行動、及び認知力等が挙げられる(非特許文献1)。ほとんどの研究が、シグマ結合部位(受容体)がシグナル変換カスケードの原形質膜要素であることを示している。選択的シグマリガンドであると報告される薬剤は、抗精神病薬として評価されてきた(非特許文献2)。中枢神経系、免疫系、内分泌系におけるシグマ受容体の存在は、3つの系の間の連結として役立つ可能性を示している。
【0006】
従って、シグマ受容体に結合する化合物、及びこれらの受容体の変調に適する化合物は、シグマ受容体と関連する疾患の予防及び/又は治療に有用である。
【0007】
近年、シグマ1受容体がアルツハイマー病の病理発生に関係するかもしれないことが分かっている(非特許文献3)。
【0008】
【非特許文献1】Quirion, R.等 Trends Pharmacol. Sci., 1992, 13:85-86
【非特許文献2】Hanner, M.等 Proc. Natl. Acad. Sci., 1996, 93:8072-8077
【非特許文献3】Uchida等, Am J Geriatr Psychiatry 2005; 13:1062-1066
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明の目的は、薬剤中の有効成分として使用する新規の化合物を提供することである。特に、有効成分は、シグマ受容体、より詳細には、シグマ1受容体の変調に適切でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、下記一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロリジン化合物、その立体異性体、塩、及び溶媒化合物を提供することで達成される。
【0011】
従って、本発明の1つの態様は、一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロリジン化合物に関する。
【化12】

式中、Rは、水素原子;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基(aliphatic radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル(cyclyl)基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル(heterocyclyl)基;任意で少なくとも一置換されたベンズヒドリル基;
YとZとの結合は、不飽和(Y=Z)もしくは飽和(Y‐Z)でもよい;
YとZが(Y=Z)の場合、YはCHを表し、ZはC‐R;C‐CHR7a;C‐(C=O)‐R基;C‐CH(SO)‐R基;C‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはC‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
YとZが(Y‐Z)の場合、YはCH;C‐R1112;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1818a基を表し、ZはCH‐R;CH‐CHR7a;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
,R,R及びRは水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
及びR5aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
及びR7aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
,R13,R14,R15,R16及びR17は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
10及びR10aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
11及びR12は、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;‐(SO)‐R13基;‐NR1415基を表し;
18及びR18aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;並びに
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【0012】
本発明の好適な態様において、以下の条件が当てはまる。
19がメチルの場合、
YとZは(Y=Z)、YはCHを表し、ZはCH基を表さない。
【0013】
一般式(I)で表される化合物のプロドラッグである全ての化合物は、本発明の範囲に含まれる。「プロドラッグ」とは最も広い意味で使用され、生体内で本発明の化合物に変換される誘導体を含む。該誘導体は、当業者が容易に思いつくものであり、次の化合物の誘導体を含むが、分子中に存在する官能基次第であり、これらに限定されない:エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステル、金属塩スルホン酸エステル、カルバミン酸塩、及びアミド。所定の作用性化合物のプロドラッグ製造方法の例は、当業者に公知であり、例えば、Krogsgaard-Larsen等“Textbook of Drug design and Discovery” Taylor & Francis (April 2002)に見出される。
【0014】
特に明記しない限り、本発明の化合物は、また、1つ以上の同位体濃縮された原子が存在するという点だけが異なる化合物を含むことも意味する。例えば、水素が重水素もしくは三重水素で置換されている以外、又は炭素が13C‐濃縮炭素、14C‐濃縮炭素、もしくは15N‐濃縮窒素で置換されている以外は、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲に含まれる。
【0015】
「薬理学的ツール」とは、本発明の化合物の特性により、特に選択的シグマ受容体リガンドであり、シグマリガンド、例えば、置換される放射リガンドとして他の化合物のテスト用モデルとして使用でき、且つシグマ受容体に関する生理的作用のモデル化にも使用できる本発明の一般式(I)で表される化合物を含むことを示す。
【0016】
「塩」とは、イオン型と推測される、対イオン(陽イオン又は陰イオン)で帯電及び結合する、又は溶液中で、本発明で使用する活性化合物の形態の意味として理解される。また、これにより、他の分子及びイオンと反応する化合物の複合体、特に、イオン相互作用による複合体であると理解される。
【0017】
「生理学的に許容される塩」とは、本発明に関連して、治療に適切に使用、特に、ヒト及び/又は哺乳類に使用又は適用する場合に、生理学的に容認される(ほとんどの場合、有毒でない、特に対イオンによって毒性を生じないことを意味する)塩を意味する。
生理学的に許容される塩は、陽イオン又は塩基と反応して形成可能であり、本発明に関連して、特にヒト及び/又は哺乳類に使用する場合、少なくとも1つの生理学的に容認される陽イオン、好ましくは、無機の陽イオンと反応する陰イオンとして、本発明で使用する化合物の少なくとも1つの塩、通常、(脱プロトン化した)酸を意味すると理解される。特に好ましくは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩であり、また、これらがNHを有するものも好ましいが、特に、(一)もしくは(二)ナトリウム、(一)もしくは(二)カリウム、マグネシウム、又はカルシウム塩が好ましい。
生理学的に許容される塩は、また、陰イオン又は酸と反応して形成可能であり、本発明に関連して、特にヒト及び/又は哺乳類に使用する場合、少なくとも1つの生理学的に容認される陰イオンと反応する陽イオンとして、通常、例えば、窒素上でプロトン化した、本発明で使用する化合物の少なくとも1つの塩を意味すると理解される。これにより、特に、本発明に関連して、生理学的に許容される酸と反応して形成される塩、すなわち、特にヒト及び/又は哺乳類に使用する場合、生理学的に許容される無機又は有機酸と反応する特定の化合物の塩と理解される。特定の酸の生理学的に許容される塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、及びクエン酸等の塩が挙げられる。
【0018】
本発明の化合物は、結晶形、又は遊離化合物もしくは溶媒化合物であってもよく、これらの形態は本発明の範囲内であることを意図する。溶媒化方法は、概して、当業者に公知である。適切な溶媒化合物は、医薬的に許容される溶媒化合物である。本発明の「溶媒化合物」とは、化合物が、他の分子(ほとんどは極性溶剤)、特に、水和物及びアルコラート、例えば、メタノラート等と非共有結合により結合する本発明の活性化合物の形態の意味として理解される。
【0019】
特に「脂肪族基(aliphatic radical)」及び「アルキル基(alkyl radical)」に関して使用される「非分岐状」とは、概して、炭素原子の分岐していない鎖を意味する「直鎖」に相当し、且つ意味すると理解されるべきである。
【0020】
本発明における「縮合」は、環、又は環系が、他の環、又は環系に結合することを意味し、また、この種の結合を指すために「環状の」又は「縮環」も当業者に使用される。
【0021】
本発明における「環系」は、任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含み、且つ任意で少なくとも一置換された飽和、不飽和又は芳香族炭素環系を含む環系を示す。環系は、アリール基、ナフチル基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基等の他の炭素環系に縮合されてもよい。
【0022】
「任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として」とは、環員としてヘテロ原子を有さない、又は環員として1つのヘテロ原子、もしくは環員として1つよりも多いヘテロ原子を有することを定義する。
【0023】
「任意で少なくとも一置換され」とは、水素基(hydrogen radical)がCl,F等の他の基で置換されていない、1つの水素基がCl,F等の他の基で置換されている、又は1つよりも多い水素基がCl,F等の他の基で置換されている(多置換)として定義される。
【0024】
「任意で一置換又は多置換され」とは、水素基(hydrogen radical)がCl,F等の他の基で置換されていない、1つの水素基がCl,F等の他の基で置換されている、又は1つよりも多い水素基がCl,F等の他の基で置換されている(多置換)として定義される。
【0025】
「任意で置換され」とは、水素基(hydrogen radical)がCl,F等の他の基で置換されていない、1つの水素基がCl,F等の他の基で置換されている、又は1つよりも多い水素基がCl,F等の他の基で置換されている(多置換)として定義される。
【0026】
本発明で定義されるシクリル(cyclyl)基(groups)/基(radical)とは、任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含み、且つ任意で少なくとも一置換された飽和、不飽和、もしくは芳香族炭素環系を含む。シクリル基は、好ましくは、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、へテロシクリル及び/又はスピロ環系を含む。
【0027】
本発明で定義されるへテロシクリル(heterocyclyl)基(groups)/基(radical)とは、任意で少なくとも一置換され、且つ少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含む飽和、不飽和、もしくは芳香族炭素環系を含む。へテロシクリル基に対するヘテロ原子は、好ましくは、N,S又はOである。
【0028】
本発明における脂肪族基(radical)/基(groups)とは、任意で一置換もしくは多置換され、分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和でもよい。本発明で定義される不飽和脂肪族基は、アルケニル及びアルキニル基(radical)を含む。本発明で定義される飽和脂肪族基は、アルキル基(radical)を含む。本発明の脂肪族基(radical)は、好ましくは、メチル、エチル、ビニル(エテニル)、エチニル、プロピル、n‐プロピル、イソプロピル、アリル(2‐プロペニル)、1‐プロピニル、メチルエチル、ブチル、n‐ブチル、iso‐ブチル、sec‐ブチル、t‐ブチルブテニル、ブチニル、1‐メチルプロピル、2‐メチルプロピル、1,1‐ジメチルエチル、ペンチル、n‐ペンチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、へキシル、1‐メチルペンチル、n‐ヘプチル、n‐オクチル、n‐ノニル、及びn‐デシルを含むが、これらに限定されない。本発明の脂肪族基(radical)の置換基は、好ましくは、C1‐4アルキル基、直鎖もしくは分岐状C1‐6アルコキシ基、F,Cl,I,Br,CF,CHF,CHF,CN,OH,SH,NH,オキソ,(C=O)R’,SR’,SOR’,SOR’,NHR’及びNR’R”(各置換基のR’及び任意でR”は、それぞれ独立して直鎖もしくは分岐状C1‐6アルキル基を表す。)である。
【0029】
本発明におけるアルキル基(radical)とは、飽和脂肪族基(radical)である。これは、直鎖もしくは分岐していてもよく、任意で置換される。
この基(radical)において、C1‐2アルキルは、C1‐又はC2‐アルキルを表し、C1‐3アルキルは、C1‐,C2‐又はC3‐アルキルを表し、C1‐4アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐又はC4‐アルキルを表し、C1‐5アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐又はC5‐アルキルを表し、C1‐6アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐,C5‐又はC6‐アルキルを表し、C1‐7アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐,C5‐,C6‐又はC7‐アルキルを表し、C1‐8アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐,C5‐,C6‐,C7‐又はC8‐アルキルを表し、C1‐10アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐,C5‐,C6‐,C7‐,C8‐,C9‐又はC10‐アルキルを表し、及びC1‐18アルキルは、C1‐,C2‐,C3‐,C4‐,C5‐,C6‐,C7‐,C8‐,C9‐,C10‐,C11‐,C12‐,C13‐,C14‐,C15‐,C16‐,C17‐又はC18‐アルキルを表す。アルキル基(radical)は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、メチルエチル、ブチル、1‐メチルプロピル、2‐メチルプロピル、1,1‐ジメチルエチル、ペンチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、へキシル、1‐メチルペンチルであり、置換されるならば、CHF,CF又はCHOH等でもよい。
【0030】
(CH3‐6とは、‐CH‐CH‐CH‐,‐CH‐CH‐CH‐CH‐,‐CH‐CH‐CH‐CH‐CH‐及び‐CH‐CH‐CH‐CH‐CH‐CH‐の意味であると理解され;(CH1‐4とは、‐CH‐,‐CH‐CH‐,‐CH‐CH‐CH‐及び‐CH‐CH‐CH‐CH‐の意味であると理解され;(CH4‐5とは、‐CH‐CH‐CH‐CH‐及び‐CH‐CH‐CH‐CH‐CH‐等の意味であると理解される。
【0031】
本発明におけるシクロアルキル基(radical)とは、任意で非置換、一置換もしくは多置換しうる飽和及び不飽和(ただし、芳香族ではない)環状炭化水素の意味であると理解される。該基において、例えば、C3‐4シクロアルキルは、C‐又はC‐シクロアルキルを表し、C3‐5シクロアルキルは、C‐,C‐又はC‐シクロアルキル等を表す。シクロアルキルとは、また、任意で少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子、好ましくは、S,N,P又はOで置換されてもよい飽和シクロアルキルを含む。しかしながら、シクロアルキルが芳香族系でなければ、環にヘテロ原子を有さない一価もしくは多価不飽和、好ましくは、一価不飽和シクロアルキルもまた、特別にシクロアルキルに該当する。更に、C3‐4シクロアルキルは、C3‐又はC4‐シクロアルキルを表し、C3‐5シクロアルキルは、C3‐,C4‐又はC5‐シクロアルキルを表し、C3‐6シクロアルキルは、C3‐,C4‐,C5‐又はC6‐シクロアルキルを表し、C3‐7シクロアルキルは、C3‐,C4‐,C5‐,C6‐又はC7‐シクロアルキルを表し、C3‐8シクロアルキルは、C3‐,C4‐,C5‐,C6‐,C7‐又はC8‐シクロアルキルを表し、C4‐5シクロアルキルは、C4‐又はC5‐シクロアルキルを表し、C4‐6シクロアルキルは、C4‐,C5‐又はC6‐シクロアルキルを表し、C4‐7シクロアルキルは、C4‐,C5‐,C6‐又はC7‐シクロアルキルを表し、C5‐6シクロアルキルは、C5‐又はC6‐シクロアルキルを表し、及びC5‐7シクロアルキルは、C5‐,C6‐又はC7‐シクロアルキルを表す。
シクロアルキル基(radical)の例としては、好ましくは、シクロプロピル、2‐メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、アセチル、t‐ブチル、アダマンチル、ピロリン、ピロリジン、ピロリジンオン、ピラゾリン、ピラゾリノン、オキソピラゾリノン(oxopyrazolinone)、アジリジン、アセチジン、テトラヒドロピロール、オキシラン、オキセタン、ジオキセタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、オキサチオラン、オキサゾリジン、チイラン、チエタン、チオラン、チアン、チアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン及びモルホリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で定義するシクロアルキル基(radical)は、C1‐4アルキル基、直鎖もしくは分岐状C1‐6アルコキシ基,F,Cl,I,Br,CF,CHF,CHF,CN,OH,SH,NH,オキソ,(C=O)R’,SR’,SOR’,SOR’,NHR’及びNR’R”(各置換基のR’及び任意でR”は、それぞれ独立して直鎖もしくは分岐状C1‐6アルキル基を表す。)から独立して選択される置換基により、任意で、一置換又は多置換される。
【0032】
本発明におけるアリール基(radical)とは、少なくとも1つの芳香環を有する環系であり、環の1つでさえもヘテロ原子を有さない環系の意味であると理解される。該アリール基(radical)は、C1‐4アルキル基、直鎖もしくは分岐状C1‐6アルコキシ基、任意で少なくとも一置換されたフェニル基,F,Cl,I,Br,CF,CHF,CHF,CN,OH,SH,NH,オキソ,(C=O)R’,SR’,SOR’,SOR’,N(C=O)‐OR’,NHR’及びNR’R”(各置換基のR’及び任意でR”は、それぞれ独立して直鎖もしくは分岐状C1‐6アルキル基を表す。)から独立して選択される置換基により、任意で、一置換又は多置換されてもよい。アリール基(radical)の例としては、好ましくは、フェニル、ナフチル、フルオランテニル、フルオレニル、テトラリニル、インダニル及びアントラセニル基(radical)等が挙げられるが、これらは任意で一置換もしくは多置換され、特に定義されなければ、これらに限定されない。
【0033】
本発明におけるアルキル‐アリール基(radical)とは、上記で定義されるアリール基に結合する直鎖もしくは分岐状、任意で少なくとも一置換されたアルキル鎖を含む。アルキル‐アリール基(radical)は、好ましくは、ベンジル基であり、アルキル鎖が、任意で、分岐又は置換されている。本発明におけるアルキル‐アリール基(radical)の置換基は、好ましくは、F,Cl,Br,I,NH,SH,OH,SO,CF,カルボキシ、アミド、シアノ、カルバミル、ニトロ、フェニル、ベンジル、‐SONH,C1‐6アルキル及び/又はC1‐6アルコキシである。
【0034】
ヘテロアリール基(radical)は、少なくとも1つの芳香環を有し、窒素、酸素、及び/又は硫黄からなる群から1つ以上のヘテロ原子を任意で含んでもよく、及びC1‐4アルキル基、直鎖もしくは分岐状C1‐6アルコキシ基,F,Cl,I,Br,CF,CHF,CHF,CN,OH,SH,NH,オキソ,(C=O)R’,SR’,SOR’,SOR’,NHR’及びNR’R”(各置換基のR’及び任意でR”は、それぞれ独立して直鎖もしくは分岐状C1‐6アルキル基を表す。)から独立して選択される置換基で、任意で一置換もしくは多置換されてもよい複素環系の意味であると理解される。ヘテロアリールの例としては、好ましくは、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ベンゾ‐1,2,5‐チアジアゾール、ベンゾチアゾール、インドール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキソラン、ベンゾジオキサン、ベンズイミダゾール、カルバゾール及びキナゾリン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本発明で定義されるアルキル‐ヘテロアリール(又は、アルキル‐へテロシクリル)基(radical)は、上記で定義されるヘテロアリール(へテロシクリル)基に結合する、直鎖もしくは分岐状、任意で少なくとも一置換されたアルキル鎖を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一般式(I)で表される化合物に関して、YとZは以下に示す不飽和(Y=Z)、又は飽和結合(Y‐Z)を形成してもよい。
【化13】

【0037】
本発明の好適な実施形態は、一般式(Ia)で表される化合物である。
【化14】

式中、YはCHを表し、ZはC‐R;C‐CHR7a;C‐(C=O)‐R基;C‐CH(SO)‐R基;C‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはC‐(C=O)‐NR1010a基を表し;及び
,R,R,R7a,R,R,R10,R10a及びR19は上記に定義される。
【0038】
本発明の他の好適な実施形態は、一般式(Ib)で表される化合物である。
【化15】

式中、Yは、CH;C‐R1112;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;又はCH‐(C=O)‐NR1818a基を表し、Zは、CH‐R;CH‐CHR7a;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;及び
,R,R,R7a,R,R,R10,R10a,R11,R12,R16,R17,R18,R18a及びR19は上記に定義される。
【0039】
本発明の好適な実施形態は、一般式(Ia)で表される化合物であり、ZがC‐Rを表すことで、一般式(Iaa)で表される構造の化合物となる。
【化16】

式中、R,R及びR19は上記に定義される。
【0040】
本発明の他の好適な実施形態は、一般式(I),(Ia),(Ib)及び(Iaa)で表される化合物であり、
は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表す。
【0041】
本発明の他の好適な実施形態は、一般式(I),(Ia),(Ib)及び(Iaa)で表される化合物であり、
は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表す。
【0042】
本発明の他の好適な実施形態は、一般式(I),(Ia),(Ib)及び(Iaa)で表される化合物であり、
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表す。
【0043】
本発明の極めて好適な実施形態は、一般式(Iaa)で表される化合物である。
【化17】

式中、Rは、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;及び/又は、
は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表し、及び/又は、
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【0044】
最も極めて好ましくは、下記からなる群より選択される上記一般式(I)で表される化合物である。
・(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(5-ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aR,6aS)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aS,6aR)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)-メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)-メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ-1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐((3a,6a‐シス)‐6‐オキソ‐5‐フェニル‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;及び
・(2S)‐メチル 2‐((3a,6a‐シス)‐5‐ブチル‐6‐オキソ‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパノアート;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【0045】
本発明の他の態様は、一般式(Ia)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物を得るプロセスを示し、一般式(II)で表される少なくとも1つの置換ピロリン化合物を、触媒(例:Co(CO)等)、無極性溶媒(例:DCE(ジクロロエタン)等)、及び添加剤(ルイス塩基)(例:DMSO、チオアニソール、シクロヘキシルアミン等、好ましくは、DMSO)の存在下、還流温度が20℃〜100℃、好ましくは、50℃〜90℃、最も好ましくは80℃〜90℃で、一般式(III)で表される化合物と反応させ、一般式(Ia)で表される化合物を得る。
【化18】

一般式(II)中、Rは上記の意味を有し、
【化19】

一般式(III)中、ZはCH‐R基;CH‐CHR7a基;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
【化20】

一般式(Ia)中、YとZとの結合は、不飽和(Y=Z)であり、YはCH基を表し、Zは上記に定義する意味を有する。
【0046】
YとZとが不飽和結合(Y=Z)を形成する一般式(Ia)で表される化合物の一般的なスキームを下記スキーム(I)に示す。
【化21】

一般式(II)で表される1‐置換‐3‐ピロリンの合成は、無極性溶媒(ジクロロメタン(DCM)等)中で、一般式(AA)で表されるアミノ酸(エチル又はメチル)エステルを、(Z)‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテンを用いて10℃〜30℃、好ましくは室温で処理して行われる。上記反応の両工程が非常に良好に行われた反応時間は20〜30時間、特に24時間であった。また、好ましくは、塩基を付加せずに、過剰な(例えば、3.5eq.)アミノ酸エステル(一般式(AA))の使用も好適な条件であった。未反応の出発原料を有利に容易に回収して再利用でき、且つこの直接的な手法が、強力なルイス酸により窒素の塩基性を失活する必要がなく行われる。これは、ラセミ化しやすい基体がこの反応に含まれる場合に好ましい。
【0047】
飽和結合(Y‐Z)を形成するY及びZを有する一般式(I)で表される化合物が、一般式(Ia)で表される化合物との1,4‐付加反応によって得られる。
【化22】

式中、Rは上記の意味を有し、ZはCH‐R基;CH‐CHR7a基;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;YはCH基を表し、一般式(Ib)で表される化合物を得る。
【化23】

式中、Rは上記の意味を有し、上記に定義されるYとZとが飽和結合(Y‐Z)を形成し、YはCH基;C‐R1112基;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;又はCH‐(C=O)‐NR1818a基を表す。
【0048】
1,4‐付加反応の性能は、当業者に公知であり、好ましくは、EtO等の無極性基板及びヨウ化銅等の触媒の存在下で行われる。この1,4‐付加反応の反応物質は、金属性又は非金属性である。好ましくは、反応物質は金属性である。
金属反応物質の例は、好ましくは、Y‐Li及びY‐Mgxであり、YはCH基;C‐R1112基;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;又はCH‐(C=O)‐NR1818a基を表し;xは、リガンドYによって決まるMgの価数を表す。
【0049】
飽和結合(Y‐Z)を形成するY及びZを有する一般式(Ib)で表される化合物の一般的なスキームを下記スキーム(II)に示す:
【化24】

【0050】
一般式(II)で表される中間体/化合物の合成
上記スキーム(I)に記載するように、無極性溶媒(ジクロロメタン(DCM)等)中で、一般式(AA)で表されるアミノ酸(エチル又はメチル)エステルを(Z)‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテンを用いて10℃〜30℃、好ましくは室温で処理することで、一般式(II)で表される中間体/化合物(1‐置換‐3‐ピロリン)が合成される。
【化25】

【化26】

及びR19は上記に定義されるとおりである。
好ましくは、追加的な有機又は無機塩基の存在又は非存在下で行われる。非常に良好に行われた反応時間は20〜30時間、特に24時間であった。また、好ましくは、塩基を付加せずに、過剰な(例えば、3.5eq.)アミノ酸エステル(一般式(AA))の使用も好適な条件であった。未反応の出発原料を有利に容易に回収して再利用でき、且つこの直接的な手法が強力なルイス酸により窒素の塩基性を失活する必要がなく行われる。これは、ラセミ化しやすい基体がこの反応に含まれる場合に好ましい。
【0051】
上記プロセス中、感応基の保護又は試薬の保護が必要であり、及び/又は好ましい。通常の保護基の導入及び除去は当業者に公知の方法で行ってもよい。
【0052】
一般式(I)で表される化合物そのものが立体異性体、特に、鏡像異性体又はジアステレオ異性体の混合物の形態で得られる場合、混合物は当業者に公知の標準的な方法、例えば、クロマトグラフ法、キラルな試薬で結晶体を分離する等の方法で分離される。キラル中心がある場合、化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個別の鏡像異性体がエナンチオ選択的合成、又は分解によって調製されてもよい。
【0053】
また、一般式(I)で表される化合物、その立体異性体、又はそれらの塩の溶媒化合物、好ましくは、水和物も当業者に公知の標準的な方法によって得てもよい。
【0054】
一般式(I)で表される本発明の化合物、その立体異性体、塩、溶媒化合物、又はそれらの中間体の精製及び分離が、必要であれば、当業者に公知の標準的な方法、例えば、クロマトグラフ法、又は再結晶等の方法で行われてもよい。
【0055】
下記に示す一般式(I)で表される及び下記に示す化合物、その立体異性体、塩、及び溶媒化合物は、シグマ受容体に対して高親和性を有し、すなわち、シグマ受容体選択的リガンドであり、アンタゴニスト、インバースアゴニスト、アゴニスト等のモジュレーターとして受容体に作用することが分かっている。
【0056】
下記に示す一般式(I)で表される化合物、その立体異性体、塩、及び溶媒化合物は、毒性学的に許容し得るものであり、従って、医薬活性物質として薬剤の調製に適している。
【0057】
医薬的に許容される形態は、好ましくは、結晶形であり、薬剤組成物の形態等を含む。塩及び溶媒化合物の場合、追加的なイオン成分及び溶媒成分もまた、無毒性でなければならない。本発明の化合物は、異なる多形相で存在してもよく、本発明はそのような全ての形態を含むことを意図する。
【0058】
本発明の他の態様は、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を含む薬剤に関し、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、もしくはその溶媒化合物;又はそのプロドラッグである。
【0059】
本発明の他の実施形態において、薬剤は、少なくとも1つの一般式(I)で表される化合物を含み、化合物は、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【0060】
本発明の他の態様は、本発明の少なくとも1つの化合物の組み合わせを含む薬剤であり、任意で1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む。
【0061】
本発明の実施形態において、薬剤は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療に用いられる。
【0062】
本発明の実施形態において、薬剤は、からなる群より選択される1つ以上の疾患の予防及び/又は治療に用いられる。
【0063】
また、薬剤は、上記の一般式(I)で表される化合物、その立体異性体、その生理学的に許容される塩、及びその生理学的に許容される溶媒化合物から1つ以上の組み合わせを含んでもよい。
【0064】
本発明の他の態様は、少なくとも1つの上記一般式(I)で表される化合物の、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又は溶媒化合物、及び任意で、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤であり、適切な活性物質として、シグマ受容体の変調、好ましくは、アルツハイマー病の予防及び/又は治療用薬剤の調製に用いる使用である。
【0065】
本発明の薬剤は、ヒト及び/又は哺乳類、好ましくは、乳児、子供、大人を含むヒトへの適用に適した形態でもよく、当業者に公知の標準的な方法で製造できる。薬剤の組成物は、投与経路によって変わってもよい。
【0066】
本発明の薬剤は、例えば、水又は適切なアルコール等の通常の注入可能な液体キャリアと組み合わせて非経口投与してもよい。安定剤、可溶化剤、緩衝剤等の注入用の通常の医薬品賦形剤は、注入可能な組成物等に含まれてもよい。薬剤は、例えば、筋肉内、腹腔内、又は、静脈内注射されてもよい。
【0067】
固体の経口組成物(好ましくは液状である)は、混合、充填、又は錠剤にする等の通常の方法で調製されてもよい。該組成物中全体に活性薬剤を分布させるために大量の充填剤を用いて混合作業を繰り返してもよい。そのような作業は、当該技術分野では一般的である。錠剤は、例えば、湿式、又は乾式造粒で調製してもよく、任意で通常の医薬実務で公知の方法によりコーティングしてもよく、特に、腸溶性コーティングが好ましい。
【0068】
上記の調合物は、スペイン及び米国薬局方及び同様の参照テキストに記載、又は援用される方法などの標準方法を使用して調製される。
【0069】
本発明の薬剤は、また、1つ以上の固体、もしくは液状の生理学的に適合性のあるキャリア、又は賦形剤を含む経口投与可能な組成物に製剤化されてもよい。該組成物は、結合剤、充填剤、潤滑剤、及び許容される湿潤剤等の標準的な原料を含んでもよい。組成物は、即放性、又は徐放性の錠剤、ペレット、カプセル、口内錠、水溶液、油溶液、懸濁、エマルジョン、使用前に水又は他の適切な液状媒体との再形成に適した乾燥粉末形状等の便利な形態でもよい。
【0070】
液体経口投与形態は、甘味料、香味料、防腐剤、及び乳化剤等の所定の添加剤を含んでもよい。径口投与用非水性液状組成物は、食用油を含んで製剤化されてもよい。その様な液状組成物としては、便利にゼラチンカプセル等に適量単位でカプセル化してもよい。
【0071】
本発明の組成物は、また、局所投与、又は坐薬で投与されてもよい。
【0072】
人及び動物への1日投与量は、各種の根本的な要因、又は他の要因、例えば、年齢、性別、体重、もしくは病気の程度等によって変わる。ヒトへの1日投与量は、一日に1又は数回摂取する間に投与される活性物質が、好ましくは、1〜2,000mg、好ましくは1〜1,500mg、より好ましくは1〜1,000mgである。
【0073】
本発明の他の態様は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療方法を示し、方法は、少なくとも1つの上記に記載する一般式(I)で表される化合物を被検者に、及び任意で少なくとも1つの更なる活性物質及び/又は任意で少なくとも1つの補助物質を被検者に投与する工程を含む。
【0074】
本発明の他の態様は、薬剤の製造における、一般式(I)で表される化合物の使用を示す。
【0075】
本発明の他の態様は、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気の治療又は予防用薬剤の製造における、一般式(I)で表される化合物の使用を示す。
【0076】
本発明の他の態様は、一般式(I)で表される化合物の上記に記載の使用を示し、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気がアルツハイマー病である。
【0077】
本発明の他の態様は、一般式(I)で表される化合物の上記に記載の使用を示し、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、下痢、リポタンパク質異常(lipoprotein disorders)、片頭痛、肥満症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害、注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患;コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチン等の薬物及び化学物質中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、発作、ストレス、癌、又は精神障害状態、特に、うつ病、不安神経症、精神病、統合失調症;炎症、又は自己免疫疾患である。
【0078】
本発明の他の態様は、一般式(I)で表される化合物の上記に記載の使用を示し、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、トリグリセリド値上昇、カイロミクロン血症、異常βリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク質異常、高トリグリセリド血症、散発性高トリグリセリド血症、遺伝性高トリグリセリド血症、及び/又は異常βリポタンパク血症からなる群より選択される疾患である。
【0079】
本発明の他の態様は、一般式(I)で表される化合物の上記に記載の使用を示し、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、痛み、好ましくは、神経障害性の痛み、炎症性痛覚、及び異痛症及び/又は痛覚過敏を含む他の痛み状態からなる群より選択される疾患である。
【0080】
本発明の他の態様は、薬理学的ツールとして一般式(I)で表される化合物の使用を示す。
【0081】
別の態様において、本発明は、一般式(II)で表される中間体/化合物も含む。
【化27】

式中、Rは、水素原子;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基(aliphatic radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;任意で少なくとも一置換されたベンズヒドリル基;並びに
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
該化合物は、薬理学的に有用な化合物を合成するための有用な中間体である。
【0082】
好適な実施形態において、一般式(II)で表される化合物は、以下を特徴とする:
は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表し;及び/又は
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【0083】
他の好適な実施形態において、一般式(II)で表される化合物は下記からなる群より選択される。
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐プロピオン酸エチルエステル、
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐メチル酪酸エチルエステル、
・2‐(2,5-ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐4‐メチル‐ペンタン酸メチルエステル、
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐フェニル‐プロピオン酸メチルエステル、
・(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐フェニル‐酢酸メチルエステル、及び
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐プロピオン酸メチルエステル、
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又は溶媒化合物。
【0084】
一般式(II)で表される化合物は、また、生理学的に有益であり、シグマ受容体に親和性を有する、及び/又はアルツハイマー病の治療に有効なようである。
【0085】
本発明の他の好適な態様は、薬剤が、少なくとも1つの本発明の一般式(II)で表される化合物を含み、化合物が、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、もしくはその溶媒化合物;又はそのプロドラッグである。
【0086】
本発明の他の好適な態様は、薬剤の製造における、本発明の一般式(II)で表される化合物の使用である。
【0087】
本発明の他の好適な態様は、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気の治療又は予防用薬剤の製造における、本発明の一般式(II)で表される化合物の使用である。
【0088】
本発明の他の好適な態様において、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気がアルツハイマー病であることを特徴とする本発明の一般式(II)で表される化合物の使用。
【0089】
本発明の他の好適な態様において、シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、下痢、リポタンパク質異常、片頭痛、肥満症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害、注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患;コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチン等の薬物及び化学物質中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、発作、ストレス、癌、もしくは精神障害状態、特に、うつ病、不安神経症、精神病、統合失調症;炎症、もしくは自己免疫疾患;又はトリグリセリド値上昇、カイロミクロン血症、異常βリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク質異常、高トリグリセリド血症、散発性高トリグリセリド血症、遺伝性高トリグリセリド血症、及び/又は異常βリポタンパク血症、もしくは痛み、好ましくは、神経障害性の痛み、炎症性痛覚、もしくは異痛症及び/又は痛覚過敏を含む他の痛み状態から選択されることを特徴とする本発明の一般式(II)で表される化合物の使用。
【0090】
実施例を用いて本発明を以下に説明する。これらの説明は、実施例を示すことだけを目的とし、本発明の一般的な精神を制限するものではない。
【実施例】
【0091】
中間体の合成の基本手順
シス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(1eq)及びアミノエステル1a‐f(3.5eq)のジクロロメタンを室温で24時間撹拌した。ジクロロメタンを加え、沈殿物を濾過した。ろ液を水及びNaCl飽和溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗原料をフラッシュクロマトグラフィーで精製した。
【0092】
(S)‐エチル 2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート
【化28】

L‐アラニンエチルエステル(383mg,3.2mmol)、ジクロロメタン(0.1ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(140mg,1.0mmol)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出純ヘキサンからヘキサン:エチルアセテート(1:2))で、生成物として黄色の油(96mg,52%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)5.76(s,2H),4.17(q,J=7Hz,2H),3.63(m,4H),3.46(q,J=7Hz,1H),1.36(d,J=7Hz,3H),1.26(t,J=7Hz,3H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)173.86,127.13,60.35,60.28,56.55,17.22,14.26。MS(EI+)m/z:170.1(M+H)。
【0093】
(S)‐エチル 3‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ブタノアート
【化29】

L‐バリンエチルエステル(1.0g,6.9mmol)、ジクロロメタン(1ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(250mg,2.0mmol)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配は純ヘキサンからヘキサン:エチルアセテート(1:2))で、生成物として黄色の油(205mg,52%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)5.75(s,2H),4.10(q,J=7Hz,2H),3.70(m,2H),3.51(m,2H),2.98(d,J=7Hz,1H),1.95(m,1H),1.20(t,J=7Hz,3H),0.96(d,J=7Hz,3H),0.86(d,J=7Hz,3H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)172.67,127.08,70.72,59.70,55.79,29.16,19.94,19.07,14.45。MS(EI+)m/z:198.1(M+H)。
【0094】
(S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ペンタノアート
【化30】

L‐ロイシンメチルエステル(520mg,3.56mmol)、ジクロロメタン(1ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(135mg,1.08mmol)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出ヘキサン:エチルアセテート(3:1から1:1)で、生成物として黄色の油(180mg,84%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)5.73(s,2H),3.70(m,2H),3.66(s,3H),3.59〜3.54(m,2H),3.47(m,1H),1.62(m,2H),1.53(m,1H),0.90(m,6H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)174.25,127.15,62.11,56.07,51.24,40.37,24.84,22.77。HRMS(ES+)198.1501,C1119NO+H計算値:198.1494。
【0095】
(S)‐メチル 3‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート
【化31】

L‐フェニルアラニンメチルエステル(365mg,2.04mmol)、ジクロロメタン(4ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(71mg,0.58mmol)。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:エチルアセテート(2:1))で、生成物として無色の油(83mg,62%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.30〜7.17(m,5H),5.76(s,2H),3.75(m,2H),3.67(m,3H),3.59(s,3H),3.05(m,2H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)172.93,138.12,129.27,128.41,127.27,126.56,66.63,56.36,51.22,37.67。MS(EI+)m/z:232.1(M+H)。
【0096】
(S)‐メチル 2‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)アセテート
【化32】

L‐フェニルグリシンメチルエステル(808mg,4.89mmol)、ジクロロメタン(0.1ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(170mg,1.39mmol)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ヘキサンからへキサン:エチルアセテート(1:2))で、生成物として無色の油(197mg,65%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.48(m,2H),7.34(m,3H),5.75(s,2H),4.32(s,1H),3.69(s,3H),3.54(m,2H),3.52(m,2H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)172.23,137.31,128.65,128.52,128.33,127.20,72.56,58.09,52.09。MS(EI+)m/z:218.1(M+H)。
【0097】
(S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート
【化33】

L‐トリプトファントリプトファンメチルエステル(432mg,1.98mmol)、ジクロロメタン(1ml)及びシス‐1,4‐ジクロロ‐2‐ブテン(77mg,0.62mmol)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:エチルアセテート(1:1))で、生成物として黄色の油(123mg,73%)を得た。
H‐NMR(400MHz,CDCl):d(ppm)8.35(bs,1H),7.62(d,J=7.5Hz,1H),7.29(d,J=7.5Hz,1H),7.14(m,2H),7.00(d,J=2.5Hz,1H),5.81(s,2H),3.83(m,3H),3.74(m,2H),3.59(s,3H),3.35〜3.16(m,2H)。13C‐NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)173.29,136.08,127.31,127.12,122.64,121.76,119.15,118.44,111.41,111.16,65.93,56.41,51.29,27.20。HRMS(ES+)271.1439,C1618+H計算値:271.1447。
【0098】
ポーソン・カンド付加物の合成の基本手順
アルキン(1.2eq)及びCo(CO)(1.3eq)の1,2‐ジクロロエタン混合物を室温で2時間撹拌した。ピロリン(1eq)の1,2‐ジクロロエタン溶液、及び添加剤(ジメチルスルホキシド又はシクロヘキシルアミン)(3.5eq)を加え、混合物を83℃で24時間加熱した。反応混合物を室温で冷却し、セライトで濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。
以下の実施例が一般的なスキーム及び上記記載により合成され、その構造が1H‐NMR及びMSによって決定された。
【0099】
実施例11及び12:(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート(3ap)
【化34】

フェニルアセチレン(61mg,0.58mmol)、Co(CO)(200mg,0.58mmol)、(S)‐エチル 2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(90mg,0.53mmol)、ジメチルスルホキシド(145mg,1.86mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(3ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ヘキサンからへキサン:エチルアセテート(1:2))で、生成物として黄色の油(30mg,18%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(90:10),4.3ml/min。
【0100】
実施例11:(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)-イル)プロパノアート
【化35】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.72(m,2H),7.68(d,J=3Hz,1H),7.40〜7.29(m,3H),4.14(q,J=7Hz,2H),3.38(m,1H),3.27(q,J=7Hz,1H),3.17(m,1H),2.94(m,1H),2.98(m,1H),2.75(q,J=8Hz,2H),1.27(d,J=7Hz,3H),1.26(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(90:10),0.5ml/min,254nm、室温9.2分。HRMS(ES+)300.1600,C1821NO+H計算値:300.1600。[α]20+37.8°(c=1,CHCl)。
【0101】
実施例12:(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)-イル)プロパノアート
【化36】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.73(m,2H),7.69(d,J=3Hz,1H),7.40〜7.29(m,3H),4.15(q,J=7Hz,2H),3.39(m,1H),3.29(q,J=7Hz,1H),3.18(m,1H),2.96(m,1H),2.83(m,3H),1.27(d,J=7Hz,3H),1.26(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(90:10),0.5ml/min、254nm、室温11.5分。HRMS(ES+)300.1605,C1821NO+H計算値:300.1600。
[α]20−23.8°(c=1,CHCl)。
【0102】
実施例13及び14:(2S)‐エチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート
【化37】

1‐ヘキシン(46mg,0.54mmol)、CoCO(203mg,0.59mmol)、(S)‐エチル 2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(56mg,0.33mmol)、ジメチルスルホキシド(126mg,1.62mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(3ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ヘキサンからへキサン:エチルアセテート(3:1))で、生成物として黄色の油(43mg,46%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),5ml/min。
【0103】
実施例13:(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート
【化38】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.12(m,1H),4.14(q,J=7Hz,2H),3.26(m,1H),3.22(m,1H),3.06(d,J=9Hz,1H),2.76(m,2H),2.66(m,2H),2.16(m,2H),1.45(m,2H),1.32(m,2H),1.26(d,J=7Hz,3H),1.25(t,J=7Hz,3H),0.89(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),0.5ml/min,254nm、室温、14.46分。HRMS(ES+)280.1906,C1626NO+H計算値:280.1913。[α]20+70.5°(c=1,CHCl)。
【0104】
実施例14:(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート
【化39】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.13(m,1H),4.14(q,J=7Hz,2H),3.26(m,2H),3.04(m,1H),2.78(m,2H),2.72(m,2H),2.16(m,2H),1.45(m,2H),1.33(m,2H),1.27(d,J=7Hz,3H),1.25(t,J=7Hz,3H),0.89(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),0.5ml/min,254nm、室温15.80分。HRMS(ES+)280.1906,C1626NO+H計算値:280.1913。[α]20−83.6°(c=1,CHCl)。
【0105】
実施例15及び16:(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【0106】
【化40】

フェニルアセチレン(57mg,0.55mmol)、CoCO(191mg,0.55mmol)、(S)‐エチル 3‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ブタノアート(100mg,0.50mmol)、ジメチルスルホキシド(138mg,1.77mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ヘキサンからヘキサン:エチルアセテート(1:2)で、生成物として黄色の油(32mg,20%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),5ml/min。
【0107】
実施例15:(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【化41】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.65(m,3H),7.40〜7.30(m,3H),4.17(m,2H),3.34(m,1H),3.15(d,J=9Hz,1H),2.90〜2.82(m,3H),2.76〜2.64(m,2H),1.98〜1.88(m,1H),1.28(t,J=7Hz,3H),0.82(d,J=6.5Hz,3H),0.78(d,J=6.5Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),0.5ml/min,254nm、室温、10.6分。HRMS(ES+)328.1926,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20−0.4°(c=1,CHCl)。
【0108】
実施例16:(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【化42】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.66(m,3H),7.41〜7.30(m,3H),4.17(q,J=7Hz,2H),3.31(m,1H),3.21(d,J=9Hz,1H),2.90〜2.73(m,4H),2.68(m,1H),2.04〜1.94(m,1H),1.28(t,J=7Hz,3H),0.83(d,J=6.5Hz,3H),0.80(d,J=6.5Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),0.5ml/min,254nm、室温、14.0分。HRMS(ES+)328.1923,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20‐28.3°(c=1,CHCl)。
【0109】
実施例17及び18:(2S)‐エチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【化43】

1‐ヘキシン(43mg,0.50mmol)、CoCO(191mg,0.55mmol)、(S)‐エチル 3‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ブタノアート(100mg,0.50mmol)、ジメチルスルホキシド(138mg,1.77mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ヘキサンからヘキサン:エチルアセテート(1:2)で、生成物として黄色の油(45mg,27%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),5ml/min。
【0110】
実施例17:(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【化44】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.12(m,1H),4.16(q,J=7Hz,2H),3.20(m,1H),3.05(m,1H),2.86(m,1H),2.70〜2.60(m,4H),2.16(m,2H),1.92(m,1H),1.43(m,2H),1.32(m,2H),1.27(t,J=7Hz,3H),0.88(t,J=7Hz,3H),0.82(m,6H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),0.5ml/min,254nm、室温、9.4分。HRMS(ES+)308.2228,C1829NO+H計算値:308.2226。[α]20+54.4°(c=1,CHCl)。
【0111】
実施例18:(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート
【化45】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.13(m,1H),4.15(q,J=7Hz,2H),3.17(m,1H),3.06(m,1H),2.81(m,1H),2.67(m,3H),2.59(m,1H),2.16(m,2H),1.96(m,1H),1.43(m,2H),1.32(m,2H),1.27(t,J=7Hz,3H),0.88(t,J=7Hz,3H),0.82(m,6H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99.5:0.5),0.5ml/min,254nm、室温、10.2分。HRMS(ES+)308.2228,C1829NO+H計算値:308.2226。[α]20−125.4°(c=1,CHCl)。
【0112】
実施例19及び20:(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート
【化46】

フェニルアセチレン(41mg,0.39mmol)、CoCO(147mg,0.43mmol)、(S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ペンタノアート(71mg,0.36mmol),ジメチルスルホキシド(98mg,1.26mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で、3c‐1として黄色の油(42mg,35%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),5ml/min。
【0113】
実施例19:(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aR,6aS)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート
【化47】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.67(m,2H),7.65(d,J=3Hz,1H),7.40〜7.31(m,3H),3.68(s,3H),3.38(m,2H),3.16(d,J=9Hz,1H),2.89(m,1H),2.84(m,2H),2.77(m,1H),1.58〜1.42(m,3H),0.85(d,J=6.5Hz,3H)0.80(d,J=6.5Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、11.7分。HRMS(ES+)328.1923,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20+46.1°(c=1,CHCl)。
【0114】
実施例20:(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aS,6aR)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート
【化48】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.70〜7.65(m,3H),7.40〜7.30(m,3H),3.68(s,3H),3.37(m,2H),3.18(d,J=9Hz,1H),2.92(m,2H),2.82(m,2H),1.59〜1.44(m,3H),0.86(d,J=6.5Hz,3H),0.80(d,J=6.5Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、15.8分。HRMS(ES+)328.1922,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20−79.2°(c=1,CHCl)。
【0115】
実施例21及び22:(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート
【化49】

1‐ヘキシン(44mg,0.53mmol)、CoCO(194mg,0.56mmol)、(S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)ペンタノアート(70mg,0.35mmol)、ジメチルスルホキシド(97mg,1.25mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で、生成物として黄色の油(37mg,34%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)AS 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),5ml/min。
【0116】
実施例21:(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート
【化50】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.31(m,1H),3.67(m,3H),3.33(m,1H),3.26(m,1H),3.02(d,J=7Hz,1H),2.77(m,1H),2.69(m,3H),2.14(m,2H),1.47(m,5H),1.32(m,2H),0.91(t,J=7Hz,3H),0.87(d,J=7Hz,3H),0.82(d,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、6.50分。HRMS(ES+)308.2219,C1829NO+H計算値:308.2226。[α]20‐140.6°(c=1,CHCl)。
【0117】
実施例22:(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート
【化51】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.30(m,1H),3.67(m,3H),3.37(m,1H),3.29(m,1H),3.03(d,J=7Hz,1H),2.78(m,1H),2.71(m,3H),2.15(m,2H),1.47(m,5H),1.32(m,2H),0.91(t,J=7Hz,3H),0.87(d,J=7Hz,3H),0.82(d,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、7.50分。HRMS(ES+)308.2227,C1829NO+H計算値:308.2226。[α]20+78.7°(c=1,CHCl)。
【0118】
実施例23及び24:(2S)‐メチル 2(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化52】

フェニルアセチレン(41mg,0.39mmol)、CoCO(147mg,0.43mmol)、(S)‐メチル 3‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(83mg,0.36mmol)、ジメチルスルホキシド(98mg,1.26mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純ジクロロメタンからジクロロメタン:メタノール(1%))で、生成物として黄色の油(60mg,46%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),5ml/min。
【0119】
実施例23:(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化53】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.90(d,J=3Hz,1H),7.73(m,2H),7.43〜7.30(m,4H),7.16(m,4H),3.64(m,1H),3.60(s,3H),3.56(m,1H),3.23(m,1H),3.06(m,3H),2.99(m,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),0.5ml/min,254nm、室温、11.4分。HRMS(ES+)362.1761,C2323NO+H計算値:362.1756。[α]20+11.4°(c=1,CHCl)。
【0120】
実施例24:(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化54】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.86(d,J=3Hz,1H),7.73(m,2H),7.43〜7.30(m,4H),7.13(m,4H),3.62(s,3H),3.60(m,1H),3.47(m,1H),3.36(m,2H),3.00(m,3H),2.88(m,2H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),0.5ml/min,254nm。HRMS(ES+)362.1764,C2323NO+H計算値:362.1756。[α]20−69.7°(c=1,CHCl)。
【0121】
実施例25及び26:(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化54】

1‐ヘキシン(37mg,0.44mmol)、CoCO(162mg,0.48mmol)、(S)‐メチル 3‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(100mg,0.43mmol),ジメチルスルホキシド(119mg,1.5mmol)及び1,2-ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配溶出、純へキサンからヘキサン:エチルアセテート(1:1))で、生成物として黄色の油(70mg,47%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),5ml/min。
【0122】
実施例25:(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化55】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.28(m,1H),7.25〜7.10(m,5H),3.57(m,1H),3.56(s,3H),3.33(m,1H),3.11(d,J=7Hz,1H),2.95(m,3H),2.75(m,2H),2.72(m,1H),2.12(m,2H),1.44(m,2H),1.34(m,2H),0.94(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、12.7分。HRMS(ES+)342.2072,C2127NO+H計算値:342.2069。[α]20+92.1°(c=1,CHCl)。
【0123】
実施例26:(2S)-メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート
【化57】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.28(m,1H),7.26〜7.15(m,5H),3.65(m,1H),3.57(s,3H),3.39(m,1H),3.27(m,1H),3.07〜2.85(m,6H),2.14(m,2H),1.45(m,2H),1.34(m,2H),0.93(t,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(99:1),0.5ml/min,254nm、室温、15分。HRMS(ES+)342.2074,C2127NO+H計算値:342.2069。[α]20−56.2°(c=1,CHCl)。
【0124】
実施例3及び4:(2S)‐メチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化58】

フェニルアセチレン(40mg,0.38mmol)、CoCO(143mg,0.42mmol)、(S)‐メチル 2‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)-イル)アセテート(70mg,0.32mmol)、ジメチルスルホキシド(88mg,1.12mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、へキサン:エチルアセテート(2:1))で、生成物として黄色の油(39mg,35%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),5ml/min。
【0125】
実施例3:(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化59】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.73(m,2H),7.69(d,J=3Hz,1H),7.42〜7.26(m,8H),4.01(s,1H),3.65(s,3H),3.42(m,1H),3.00(m,1H),2.94(m,2H),2.62(m,1H),2.49(m,1H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),0.5ml/min,254nm、室温、11.4分。HRMS(ES+)348.1606,C2221NO+H計算値:348.1600。[α]20+51.6(c=1,CHOH)。
【0126】
実施例4:(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化60】

H‐NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)7.72(m,2H),7.63(d,J=3Hz,1H),7.42〜7.28(m,8H),4.05(m,1H),3.66(s,3H),3.38(m,1H),3.16(m,1H),3.00(m,1H),2.69(m,2H),2.51(m,1H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(85:15),0.5ml/min,254nm、室温、17.2分。HRMS(ES+)348.1604,C2221NO+H計算値:348.1600。[α]20−44.4°(c=1,CHOH)。
【0127】
実施例5及び6:(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化61】

1-ヘキシン(35mg,0.42mmol)、CoCO(165mg,0.48mmol)、(S)‐メチル 2‐フェニル‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)アセテート(70mg,0.32mmol)、ジメチルスルホキシド(88mg,1.12mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、へキサン:エチルアセテート(2:1))で、生成物として黄色の油(38mg,36%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。HPLCによる精製:キラルセル(登録商標)OD‐H 1cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),5ml/min。
【0128】
実施例5:(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化62】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.34(m,6H),4.05(m,1H),3.63(s,3H),3.37(m,1H),3.01(d,J=9Hz,1H),2.76(m,2H),2.51(m,1H),2.39(m,1H),2.20(m,2H),1.50(m,2H),1.38(m,2H),0.95(d,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),0.5ml/min,254nm、室温、9.89分。HRMS(ES+)328.1914,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20+221.4°(c=1,CHCl)。
【0129】
実施例6:(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート
【化63】

H‐NMR(400MHz,CDOD):δ(ppm)7.33(m,5H),7.23(m,1H),4.10(m,1H),3.64(s,3H),3.34(m,1H),3.23(m,1H),2.85(m,1H),2.58(m,2H),2.43(m,1H),2.20(m,2H),1.50(m,2H),1.38(m,2H),0.95(d,J=7Hz,3H)。HPLC:キラルセル(登録商標)OD‐H 0.46cm(直径)×25cm。n‐ヘキサン:2‐プロパノール(97:3),0.5ml/min,254nm、室温、13.01分。HRMS(ES+)328.1915,C2025NO+H計算値:328.1913。[α]20−77.5°(c=1,CHCl)。
【0130】
実施例27:(2S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐((3a,6a‐シス)‐6‐オキソ‐5‐フェニル‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート
【化64】

フェニルアセチレン(26mg,0.25mmol)、CoCO(92mg,0.27mmol)、(S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(52mg,0.19mmol)、ジメチルスルホキシド(60mg,0.77mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(3ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、へキサン:エチルアセテート(2:1))で、生成物として黄色の油(33mg,43%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。
H‐NMR(400MHz,CDCl)ジアステレオ異性体の混合物:δ(ppm)7.83(bs,1H),7.79(bs,1H),7.70(m,4H),7.65(d,J=3Hz,2H),7.55(m,2H),7.54(m,1H),7.45〜7.34(m,6H),7.26(m,2H),7.15(m,2H),7.09(m,2H),6.90(m,2H),3.69(m,1H),3.64(m,1H),3.62(s,3H),3.61(s,3H),3.43〜3.32(m,3H),3.28(d,J=9Hz,1H),3.24〜3.14(m,2H),3.09〜2.99(m,3H),2.99〜2.79(m,7H)。HRMS(ES+)401.1852,C2524+H計算値:401.1865。
【0131】
実施例28:(2S)‐メチル 2‐((3a,6a‐シス)‐5‐ブチル‐6‐オキソ‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐(1H‐インドール‐3‐イル)プロパノアート
【化65】

1‐ヘキシン(34mg,0.41mmol)、CoCO(280mg,0.82mmol)、(S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐(2H‐ピロール‐1(5H)‐イル)プロパノアート(74mg,0.27mmol)、ジメチルスルホキシド(106mg,1.36mmol)及び1,2‐ジクロロエタン(2.5ml)から得た。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、へキサン:エチルアセテート(2:1))で、生成物として黄色の油(30mg,29%)を得た。2つのジアステレオ異性体の混合物。
H‐NMR(400MHz,CDCl)ジアステレオ異性体の混合物:δ(ppm)8.02(bs,2H),7.54(d,J=8Hz,2H),7.31(d,J=8Hz,2H),7.19〜7.06(m,6H),6.93(m,2H),3.61(m,2H),3.57(s,3H),3.55(s,3H),3.29〜3.13(m,6H),3.07〜2.99(m,2H),2.90〜2.67(m,8H),2.16(m,4H),1.44(m,4H),1.34(m,4H),0.92(t,J=7Hz,3H),0.91(t,J=7Hz,3H)。HRMS(ES+)381.2188,C2328+H計算値:381.2178。
【0132】
合成例(一般式(Iaa))、原料アミノ酸エステル(一般式(AA))、中間体/化合物(一般式(II))、第一反応工程の収量(一般式(AA)で表される化合物から一般式(II)で表される化合物)及び第二反応工程の収量(一般式(II)で表される化合物から一般式(Iaa)で表される化合物)の概要を下記表に示す。更に、ポーソン・カンド反応(第二反応工程)は立体制御がなく進行するので、1:1のジアステレオ異性体混合物を生み出す。これは、調製用HPLC(例、キラルセル(登録商標)OD‐Hカラム)によって容易に分離可能であるため2つのジアステレオ異性体も同様に表に示す。2つのジアステレオ異性体は、溶出が早いジアステレオ異性体と溶出が遅いジアステレオ異性体とに区別でき、下記式で表される。
【化66】

これらの構造は、実施例20の化合物が結晶化し、X線回折されて、絶対配位となった事実に基づく。そして、これは、他の実施例も同様である。
【0133】
生物活性
本発明のいくつかの代表的な化合物を、シグマ(シグマ1及びシグマ2)阻害剤としての活性についてテストした。プロトコルは以下の通りである。
【0134】
シグマ1
脳膜標本のσ1受容体結合分析が、DeHaven‐Hudkins等、1992に記載のものを多少変更して行われる。手短に説明すると、モルモットの脳に10倍量(重量/体積比)のTris‐HCl 50mM、スクロース0.32M、pH7.4を加え、脳を均質化し、1,000g、10分間、4℃で遠心分離し、上清を集め、再度、48,000g、15分間、4℃で遠心分離する。ペレットを10倍量のTris‐HCl緩衝剤(50mM,pH7.4)で再懸濁し、37℃で30分間温め、48,000g、20分間、4℃で遠心分離する。続いて、ペレットを新たなTris‐HCl緩衝剤(50mM,pH7.4)に再懸濁し、使用するまで氷上で保存する。
各アッセイチューブは、[H]()ペンタゾシン10μL(最終濃度0.5nM)、組織懸濁液900μLが入っており、全量が1mL,組織の量が約30mg/mLとなるように調製した。非特異的結合を、最終濃度ハロペリドール1μMを加えて画定する。すべてのチューブを37℃で150分間温めた後、Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルター(事前に、0.5%ポリエチレンイミン溶液に少なくとも1時間浸漬する)で急速ろ過により反応を終了する。そして、フィルターを冷たいTris‐HCl緩衝剤(50mM,pH7.4)4mLで4回洗浄する。次に、シンチレーションカクテルを加えて、サンプルを一晩平衡化させる。結合放射能量は、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンターを使用して、液体シンチレーション分光法によって決める。タンパク質濃度は、Lowry等(1951)の方法で決める。
【0135】
シグマ2
σ2受容体結合試験がRadesca等1991に記載のものを多少変更して行われる。手短に説明すると、シグマ受容体タイプI(σ1)ノックアウトマウスの脳に、1gあたり10mLのスクロース320mMを含む氷冷したTris‐HCl 10mM、pH7.4(Tris‐sucrose緩衝剤)を加え、Potter‐Elvehjem型ホモジナイザー(500rpmで10ストローク)を用いてホモジネートする。そして、ホモジネートを1,000g、10分間、4℃で遠心分離し、上清を保存する。ペレットは、氷冷したTris‐sucrose緩衝剤2mL/gにボルテックスにより再懸濁され、再度、1,000gで10分間遠心分離する。上記1,000gで遠心した上清を合わせて、31,000g、15分間、4℃で遠心分離する。ペレットに、1gあたり3mLのTris‐HCl 10mM、pH7.4を加え、ボルテックスにより再懸濁され、懸濁液は25℃で15分間保たれる。次に、31,000gで、15分間遠心分離し、ペレットに1gあたり1.53mLのTris‐HCl 10mM、pH7.4を加えて、Potter‐Elvehjem型ホモジナイザーを用いて穏やかに再懸濁する。
アッセイチューブは、[H]DTG10μL(最終濃度3nM)組織懸濁液(Tris‐HCl 50mM、pH8.0、400μL(5.3mL/g))を含み、最終アッセー体積を0.5mLとする。非特異的結合をハロペリドール1μM(最終濃度)を加えて画定する。すべてのチューブを25℃で120分間温めたのち、Schleicher & Schuell GF 3362ガラス繊維フィルター(事前に、0.5%ポリエチレンイミン溶液に少なくとも1時間浸漬する)で急速ろ過により反応を終了する。そして、フィルターを冷たいTris‐HCl緩衝剤(10mM,pH8.0)5mLで3回洗浄する。次に、シンチレーションカクテルを加えて、サンプルを一晩平衡化させる。結合放射能量は、Wallac Winspectral 1414液体シンチレーションカウンターを使用して、液体シンチレーション分光法によって決める。タンパク質濃度は、Lowry等(1951)の方法で決める。
【0136】
参考文献:
DeHaven-Hudkins,D.L., L.C.Fleissner及びF.Y.Ford-Rice, 1992, “Characterization of the binding of [3H](+)pentazocine to s recognition sites in guinea pig brain”, Eur. J. Pharmacol. 227, 371-378.
Radesca,L., W.D.Bowen及びL.Di Paolo, B.R.de Costa, 1991, Synthesis and Receptor Binding of Enantiomeric N-Substituted cis-N-[2-(3,4-Dichlorophenyl)ethyl]-2-(1-pyrrolidinyl)cyclohexylamines as High-Affinity s Receptor Ligands, J. Med. Chem. 34, 3065-3074.
Langa, F., Codony X., Tovar V., Lavado A., Gimenez E., Cozar P., Cantero M., Dordal A., Hernandez E., Perez R., Monroy X., Zamanillo D., Guitart X., Montoliu Ll., 2003, Generation and phenotypic analysis of sigma receptor type I (Sigma1) knockout mice, European Journal of Neuroscience, Vol. 18, 2188-2196.
Lowry,O.H., N.J.Rosebrough, A.L.Farr, and R.J.Randall, 1951, Protein measurement with the Folin phenol reagent, J. Biol. Chem, 193, 265.
【0137】
結果のいくつかを表1に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物。
【化1】

式中、Rは、水素原子;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基(aliphatic radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル(cyclyl)基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル(heterocyclyl)基;任意で少なくとも一置換されたベンズヒドリル基;
YとZとの結合は、不飽和(Y=Z)もしくは飽和(Y‐Z)でもよい;
YとZが(Y=Z)の場合、YはCHを表し、ZはC‐R;C‐CHR7a;C‐(C=O)‐R基;C‐CH(SO)‐R基;C‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはC‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
YとZが(Y‐Z)の場合、YはCH;C‐R1112;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1818a基を表し、ZはCH‐R;CH‐CHR7a;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
,R,R及びRは水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
及びR5aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
及びR7aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
,R,R13,R14,R15,R16及びR17は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
10及びR10aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
11及びR12は、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;‐(SO)‐R13基;‐NR1415基を表し;
18及びR18aは、同一又は異なり、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;並びに
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【請求項2】
化合物が式(Ia)で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
【化2】


式中、Yは、CHを表し、ZはC‐R;C‐CHR7a;C‐(C=O)‐R基;C‐CH(SO)‐R基;C‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはC‐(C=O)‐NR1010a基を表し;及び
,R,R,R7a,R,R,R10,R10a及びR19は請求項1と同様に定義される。
【請求項3】
化合物が式(Ib)で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
【化3】

式中、YはCH;C‐R1112;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1818a基を表し、ZはCH‐R;CH‐CHR7a;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;及び
,R,R,R7a,R,R,R10,R10a,R11,R12,R16,R17,R18,R18a及びR19は請求項1と同様に定義される。
【請求項4】
ZがC‐Rを表すことで、一般式(Iaa)で表される構造の化合物となる請求項1及び2の1つ以上に記載の化合物。
【化4】

式中、R,R及びR19は請求項1と同様に定義される。
【請求項5】
が水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表す
請求項1から4の1つ以上に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表す
請求項1から5の1つ以上に記載の化合物。
【請求項7】
19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表す
請求項1から6の1つ以上に記載の化合物。
【請求項8】
一般式(Iaa)で表される請求項4に記載の化合物。
【化5】

式中、Rは水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;及び/又は、
は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表し、及び/又は、
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【請求項9】
下記からなる群より選択される請求項1から8の1つ以上に記載の化合物。
・(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐(5-ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐エチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐メチルブタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aR,6aS)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 4‐メチル‐2‐((3aS,6aR)‐4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)ペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)-メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐4‐メチルペンタノアート;
・(2S)‐メチル 2(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)-メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐フェニルプロパノアート;
・(2S)‐メチル 2‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(4‐オキソ‐5‐フェニル‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aR,6aS)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 2‐((3aS,6aR)‐(5‐ブチル‐4‐オキソ‐1,3a,4,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐2‐フェニルアセテート;
・(2S)‐メチル 3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐2‐((3a,6a‐シス)‐6‐オキソ‐5‐フェニル‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)プロパノアート;及び
・(2S)‐メチル 2‐((3a,6a‐シス)‐5‐ブチル‐6‐オキソ‐3,3a,6,6a‐テトラヒドロシクロペンタ[c]ピロール‐2(1H)‐イル)‐3‐(1H-インドール‐3‐イル)プロパノアート;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【請求項10】
一般式(II)で表される置換ピロリン化合物を反応させることにより一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物を調製する方法であって、一般式(II)で表される置換ピロリン化合物が一般式(III)で表される化合物と反応して、一般式(Ia)で表される化合物を得る置換二環式テトラヒドロピロール化合物を調製する方法;
【化6】


一般式(II)中、R及びR19は請求項1に記載の意味を有し、
【化7】

一般式(III)中、ZはCH‐R基;CH‐CHR7a基;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;
【化8】


一般式(Ia)中、YとZとの結合は、不飽和(Y=Z)であり、YはCH基を表し、Zは請求項1に記載の意味を有する。
【請求項11】
一般式(Ia)で表される置換ピロリン化合物を反応させることにより一般式(Ib)で表される化合物を得る、一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物を調製する方法;
【化9】

一般式(Ia)中、R及びR19は請求項1に記載の意味を有し、ZはCH‐R基;CH‐CHR7a基;CH‐(C=O)‐R基;CH‐CH(SO)‐R基;CH‐CH(SO)‐NR1010a基;もしくはCH‐(C=O)‐NR1010a基を表し;YはCH基を表し、
【化10】

一般式(Ib)中、R及びR19は請求項1に記載の意味を有し、YとZが飽和結合(Y‐Z)を形成し、YはCH基;C‐R1112基;CH‐(C=O)‐R16基;CH‐(SO)‐R17基;CH‐(SO)‐NR1818a基;又はCH‐(C=O)‐NR1818a基を表す。
【請求項12】
化合物が、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、もしくはその溶媒化合物;又はそのプロドラッグである請求項1から9の1つ以上に記載の少なくとも1つの一般式(I)で表される置換二環式テトラヒドロピロール化合物を含む薬剤。
【請求項13】
薬剤の製造における、請求項1から9の1つ以上に記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
【請求項14】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気の治療又は予防用薬剤の製造における、請求項1から9の1つ以上に記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
【請求項15】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気がアルツハイマー病である請求項14に記載の使用。
【請求項16】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、下痢、リポタンパク質異常(lipoprotein disorders)、片頭痛、肥満症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害、注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患;コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチン等の薬物及び化学物質中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、発作、ストレス、癌、又は精神障害状態、特に、うつ病、不安神経症、精神病、統合失調症;炎症、又は自己免疫疾患である請求項14に記載の使用。
【請求項17】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、トリグリセリド値上昇、カイロミクロン血症、異常βリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク質異常、高トリグリセリド血症、散発性高トリグリセリド血症、遺伝性高トリグリセリド血症、及び/又は異常βリポタンパク血症からなる群より選択される疾患である請求項14に記載の使用。
【請求項18】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、痛み、好ましくは、神経障害性の痛み、炎症性痛覚、及び異痛症及び/又は痛覚過敏を含む他の痛み状態からなる群より選択される疾患である請求項14に記載の使用。
【請求項19】
薬理学的ツールとしての請求項1から9の1つ以上に記載される一般式(I)で表される化合物の使用。
【請求項20】
一般式(II)で表される化合物。
【化11】

式中、Rは、水素原子;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基(aliphatic radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;任意で少なくとも一置換されたベンズヒドリル基;並びに
19は、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むシクリル基、シクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;アルキル基及び/又はシクロアルキル基が任意で少なくとも一置換された分岐もしくは非分岐状アルキル‐シクロアルキル基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で任意に縮合される分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である。
【請求項21】
が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基;
好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
より好ましくは、Rが、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;任意で少なくとも一置換されたアリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
最も好ましくは、Rが、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐6アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基;任意で少なくとも一置換されたベンジル基;任意で少なくとも一置換されたCHへテロシクリル基を表し;及び/又は
19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基;アリール基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐アリール基;飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された任意で少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含むヘテロシクリル基、ヘテロシクリル基は任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい;へテロシクリル基が他の任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい分岐もしくは非分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルキル‐へテロシクリル基を表し;
好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換された単環式もしくは多環式環系で縮合されてもよい任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
より好ましくは、R19が、水素原子;直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換された脂肪族基;非分岐もしくは分岐状、飽和もしくは不飽和、任意で少なくとも一置換されたアルコキシ基(alkoxy radical);任意で少なくとも一置換されたアリール基を表し;
最も好ましくは、R19が、直鎖もしくは分岐状、飽和、任意で少なくとも一置換されたC1‐4アルキル基;任意で少なくとも一置換されたフェニル基を表し;
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又はその溶媒化合物である請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
下記からなる群より選択される請求項20及び21の1つ以上に記載の化合物。
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐プロピオン酸エチルエステル、
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐メチル酪酸エチルエステル、
・2‐(2,5-ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐4‐メチル‐ペンタン酸メチルエステル、
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐フェニル‐プロピオン酸メチルエステル、
・(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐フェニル‐酢酸メチルエステル、及び
・2‐(2,5‐ジヒドロ‐ピロール‐1‐イル)‐3‐(1H‐インドール‐3‐イル)‐プロピオン酸メチルエステル、
任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、又は溶媒化合物。
【請求項23】
化合物が、任意で、立体異性体、好ましくは鏡像異性体もしくはジアステレオ異性体、の1つの形態、ラセミ化合物、もしくは、任意の混合比率の少なくとも2つの立体異性体、好ましくは鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体、の混合物の形態、その塩、もしくはその溶媒化合物;又はそのプロドラッグである請求項20から22の1つ以上に記載の少なくとも1つの一般式(II)で表される化合物を含む薬剤。
【請求項24】
薬剤の製造における、請求項20から22の1つ以上に記載の一般式(II)で表される化合物の使用。
【請求項25】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気の治療又は予防用薬剤の製造における、請求項20から22の1つ以上に記載の一般式(II)で表される化合物の使用。
【請求項26】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気がアルツハイマー病である請求項25に記載の使用。
【請求項27】
シグマ受容体を介する疾患もしくは病気が、下痢、リポタンパク質異常(lipoprotein disorders)、片頭痛、肥満症、関節炎、高血圧、不整脈、潰瘍、学習障害、記憶障害、注意欠陥、認知障害、神経変性疾患、脱髄疾患;コカイン、アンフェタミン、エタノール及びニコチン等の薬物及び化学物質中毒;遅発性ジスキネジア、虚血性脳梗塞、てんかん、発作、ストレス、癌、もしくは精神障害状態、特に、うつ病、不安神経症、精神病、統合失調症;炎症、もしくは自己免疫疾患;又はトリグリセリド値上昇、カイロミクロン血症、異常βリポタンパク血症、高リポタンパク血症、高脂血症、混合型高脂血症、高コレステロール血症、リポタンパク質異常、高トリグリセリド血症、散発性高トリグリセリド血症、遺伝性高トリグリセリド血症、及び/又は異常βリポタンパク血症、もしくは痛み、好ましくは、神経障害性の痛み、炎症性痛覚、もしくは異痛症及び/又は痛覚過敏を含む他の痛み状態である請求項25に記載の使用。

【公表番号】特表2009−535315(P2009−535315A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507000(P2009−507000)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003826
【国際公開番号】WO2007/128458
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(500031124)ラボラトリオス・デル・ドクトル・エステベ・ソシエダッド・アノニマ (55)
【Fターム(参考)】