説明

二級アルコール基を含有するポリエステルポリオールおよびポリウレタン、例えば、柔軟性ポリウレタン発泡体の製造におけるそれらの使用

二級ヒドロキシル基を含有するコポリエステルはポリウレタンの製造に有用なポリオールである。これらは、二級ヒドロキシル含有脂肪酸もしくはそれらのエステルをヒドロキシルおよび/または一級もしくは二級アミノ基を含有する開始剤と反応させることによって調製することができる。特に関心のあるコポリエステルはポリエチレンオキシド開始剤から誘導されるポリエチレンオキシドセグメントを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2005年4月29日出願の米国仮出願第60/676,348号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、ポリエステルポリオール、該ポリエステルポリオールの製造方法および該ポリエステルポリオールから製造されるポリウレタンポリマーに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリウレタンはポリイソシアネートおよびポリオールの反応によって生成される。ポリウレタンの最初の大規模商業生産は、柔軟性発泡体の製造にジオールもしくはポリオールおよびジカルボン酸のエステル縮合反応からのポリエステルポリオールを用いることで生じた。ポリエステルポリオールは、それらのより低いコストおよび広範囲のポリオールを製造する能力のため、ポリエーテルポリオールに取って代わられた。ポリエーテルは、石油原料から誘導されるエポキシド(オキシラン)を、活性水素出発化合物を含有する開始剤化合物、例えば、低分子量ポリオールおよびポリアミンの存在下で重合することによって製造される。
【0004】
石油系ポリオールを周年再生可能資源、例えば、植物性油もしくは動物性油から誘導されるポリオール生成物で置き換えることに関心が集まっている。この関心は、部分的には、地政学的問題および全世界的要求の増加による石油価格の不安定性、輸入原料に対する依存を少なくしようとする大農業国内での願望並びにより持続的な経済性を創出しようとする願望によって駆り立てられている。
【0005】
植物性油からポリオールを製造しようとする幾つかのアプローチが試みられている。例えば、柔軟性ポリウレタン発泡体用途のポリオールが「褐色」ダイズ油から製造されている。褐色ダイズ油の名称は、ダイズ油を空気で酸化して反応性ヒドロキシル基を形成するその製造方法に由来する。酸化された物質は、次に、低分子量ポリオール、例えば、グリセリンもしくはスクロースでトランスエステル化される。生じるポリエーテルポリオールは残留臭気、暗色および油性感を有する傾向にある。それらのポリオールから製造されるポリウレタン発泡体は物理的特性に劣る傾向にある。これらのポリオールでは、それらを小さな割合で従来のポリエーテルポリオールと配合することによってのみ、良質の発泡体を製造することができる。
【0006】
より最近では、脂肪酸から誘導される高機能性ポリエステルポリオール材料が開発されている。WO04/096882およびWO04/096883(両者とも参照により組み込まれる)に記載されるように、これらのポリエステルポリオールは、ポリヒドロキシ開始剤を特定のヒドロキシメチル化脂肪酸と反応させることによって製造される。これらのポリオールは柔軟性発泡体および他のポリウレタン用途において用途が見出されている。しかしながら、これらのポリオールを生成するには幾つかのプロセス工程が必要である。より単純な生成方法が望ましい。加えて、これらのポリオールは主として一級ヒドロキシル基を有し、これらは幾つかのポリウレタン用途において所望のものよりも反応性が高い可能性がある。結果として、これらのポリオールの使用は、幾つかの場合において、狭い処理ウィンドウを生じる可能性がある。これは、配合物中のスズ触媒濃度に対する鋭い感受性において時折現れる。それらの場合、許容し得る発泡体製品を製造するため、スズ触媒の濃度を非常に狭い範囲内に制御しなければならない。多くの商業的発泡環境において、そのような触媒濃度の狭い制御を達成することは困難である。
【0007】
硬質ポリウレタン発泡体はヒマシ油もしくはヒマシ油副生物で製造されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、容易に調製することができ、かつ様々なポリウレタン用途において有用である、再生可能資源に基づくポリオールを提供することが望ましい。柔軟性ポリウレタン発泡体配合物における主要な、もしくは単独の高当量ポリオール成分として、良好な特性を有する発泡体の提供に用いることができるようなポリオールを提供することが特に望ましい。再生可能資源に基づくポリオールを用いてポリウレタン発泡体形成組成物を提供することができ、それが合理的な広さの処理許容範囲を許容するのであれば、さらにより望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、(a)少なくとも2つのヒドロキシル基、一級アミノ基もしくは二級アミノ基を有するグリセリン以外の化合物からヒドロキシルおよびアミノ水素原子を除去した後の残留物である開始剤セグメント、並びに(b)7個またはそれ以上の炭素原子を有するヒドロキシル含有脂肪酸もしくは2種類またはそれ以上の該脂肪酸の混合物から誘導される、コポリエステル分子あたり平均で少なくとも3つのエステル単位を有する液体コポリエステルであって、ヒドロキシル含有脂肪酸の少なくとも一部が該脂肪酸の酸基のカルボニル炭素から少なくとも5炭素原子離れた二級ヒドロキシル基を含有する液体コポリエステルである。本発明のさらに別の態様は、この液体コポリエステルをポリイソシアネートと反応させることによって形成されるポリウレタンおよびそのようなポリウレタンの製造方法を含む。
【0010】
第1態様の好ましい実施形態において、開始剤セグメントはポリエーテルである。
【0011】
「誘導される」は、本明細書において、問題のエステル単位が、脂肪酸もしくはそのエステルがエステル化(もしくは、エステルの場合には、トランスエステル化)反応に関わってコポリエステルポリオールを形成した後に得られる残留物に相当することを意味する略語として用いられる。その残留物はその脂肪酸もしくはエステルから、それぞれ、−OH基もしくは−OR基を除去し、かつ、そのエステル単位がその分子の末端部分を形成する場合を除いて、その脂肪酸もしくはエステルの任意のヒドロキシル基(単数又は複数)から水素原子を除去した後に残るものに等しい。
【0012】
この態様のコポリエステルはポリウレタン、特には、柔軟性(もしくはエラストマー)ポリウレタンの製造において有用である。特定の実施形態は柔軟性ポリウレタン発泡体の製造に特に有用なポリオールである。したがって、本発明の第2態様は、発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを、少なくとも1種類の高当量ポリオールを含む、イソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、該高当量ポリオールの少なくとも10重量%が第1態様のコポリエステルであるポリウレタン発泡体である。本発明の第3態様はこのポリウレタン発泡体の製造方法である。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、(a)少なくとも2つのヒドロキシル、一級アミノもしくは二級アミノ基を有する化合物からヒドロキシルおよびアミノ水素原子を除去した後の残留物である開始剤セグメント、並びに(b)7個またはそれ以上の炭素原子を有するヒドロキシル含有脂肪酸もしくは2種類またはそれ以上の該脂肪酸の混合物から誘導される、コポリエステル分子あたり平均で少なくとも3.5のエステル単位を有する液体コポリエステルであって、ヒドロキシル含有脂肪酸の少なくとも一部が該脂肪酸の酸基のカルボニル炭素から少なくとも5炭素原子離れた二級ヒドロキシル基を含有する液体コポリエステルである。
【発明の効果】
【0014】
各々の場合において、コポリエステルの重量のかなりの割合が周年再生可能な天然資源から都合よく得られる脂肪酸材料に由来する。コポリエステルはそれらの脂肪酸材料から容易に、限られた数のプロセス工程で調製することができる。良質のポリウレタンがこれらのコポリエステルポリオールを用いて容易に製造される。このコポリエステルの特定の実施形態は、発泡体配合物の単独の高分子量ポリオール成分として用いられたときでさえ、良好な物理特性を有する柔軟性ポリウレタン発泡体に容易に加工されることが見出されている。本発明のポリオールの使用が、特定の他の植物性油系ポリオールが用いられるときにみられるものよりも、柔軟性発泡体製造におけるより広い処理許容範囲を可能にすることが見出されている。スズ触媒濃度に対する感受性の低下が、本発明でしばしばみられる具体的な利点である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のコポリエステルは開始剤およびヒドロキシル含有脂肪酸のコポリエステルである。それは開始剤セグメントおよびヒドロキシル含有脂肪酸から誘導されるエステル単位を含有する。開始剤セグメントは、以下に説明されるように、脂肪酸もしくは脂肪酸混合物と重合してコポリエステルを形成した後の開始剤化合物の残部である。エステル単位はヒドロキシル含有脂肪酸もしくはそのような脂肪酸のエステルの重合後に残るものである。「脂肪酸から誘導される」という用語は、本明細書では、略記としてそれらのエステル単位の記述に用いられるが、コポリエステルが具体的に脂肪酸を出発物質として用いて製造されることを必要とするものではない。以下により十分に説明されるように、ヒドロキシル含有脂肪酸もしくは対応するエステルのいずれかを本発明のコポリエステルの生成に用いることができる。これらの出発物質のいずれかから製造されるコポリエステルは、本発明の目的上、ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導されるエステル単位を有するものとみなされる。
【0016】
開始剤は少なくとも2つのヒドロキシル基、一級アミノ基もしくは二級アミノ基(またはこれらの基の混合物)を有する有機化合物である。これらの基は脂肪酸(エステル)と反応し、ヒドロキシル含有開始剤の場合にはそれらへのエステル結合を、開始剤がアミノ基を含有するときにはそれらへのアミド結合を形成する。それに対応して、開始剤セグメントはヒドロキシルもしくはアミノ基の除去の後に残る開始剤の部分である。アミノ含有開始剤はより固体コポリエステルを形成する傾向にあるため、ヒドロキシル含有開始剤が一般に好ましい。
【0017】
開始剤化合物は、その開始剤化合物中に存在する各ヒドロキシル基、一級アミノ基および二級アミノ基あたり約31〜約2000の当量を有し得る。より典型的には、開始剤当量は31〜約750である。好ましい開始剤当量範囲は約50〜約350である。特に好ましい当量範囲は約75〜約250である。開始剤化合物は、分子あたり、適切には2〜12、特には2〜6、とりわけ2〜4のヒドロキシル基、一級アミノ基および/もしくは二級アミノ基を含有する。
【0018】
したがって、例えば、開始剤化合物はポリヒドロキシル化合物、例えば、ネオペンチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはスクロース;アルカンジオール、例えば、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−もしくは1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールおよびエチレングリコール;グリコールエーテル、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール;並びに他のポリヒドロキシ化合物、例えば、9(10)−ヒドロキシメチルオクタデクタノール(9(10)-hydroxymethyloctadectanol)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン;8,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デセン、Dimerolアルコール(Henkel Corporationから入手可能な36炭素原子ジオール)、水素化ビスフェノール;9,9(10,10)−ビスヒドロキシメチルオクタデカノール、1,2,6−ヘキサントリオール等であり得る。3つを上回る脂肪酸残留物がコポリエステル中に含有される場合、グリセリンが有用である。
【0019】
ポリアミン開始剤には、エチレンジアミン、ネオペンチルジアミン、ピペラジン、アミノエチルピペラジン、1,6−ジアミノヘキサン、ビスアミノメチルトリシクロデカン、ビスアミノシクロヘキサン、ジエチレントリアミン、ビス−3−アミノプロピルメチルアミンおよびトリエチレンテトラアミンが含まれる。他の適切なポリアミン開始剤は、アミン基を上述のポリエーテルポリオール化合物に導入することによって都合よく形成される、アミン末端ポリエーテルである。これらのアミノ基の導入方法は、例えば、米国特許第4,433,067号に記載される。ポリアミン開始剤が用いられるとき、コポリエステルはアミド基を含有する。
【0020】
アミノ基およびヒドロキシル基の両者を有する適切な開始剤化合物には、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等が含まれる。
【0021】
他の有用な開始剤化合物には、米国特許第4,216,344号、第4,243,818号および第4,348,543号並びに英国特許第1,043,507号に記載されるポリオール、ポリアミンおよびアミノアルコールが含まれる。
【0022】
コポリエステルをエラストマーポリウレタンの製造において用いようとするとき、開始剤化合物の好ましいタイプは、分子あたり平均で2つまたはそれ以上のヒドロキシル基、一級アミノ基もしくは二級アミノ基を有するポリエーテルである。適切なそのようなポリエーテルには、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、それらの混合物等のポリマーもしくはコポリマーが含まれる。ポリエーテル開始剤は、一般には約150〜約5,000、特には約150〜約3,000、とりわけ約300〜約1,500、最も好ましくは約300〜1000の分子量を有する。それらは、適切には、分子あたり約2〜約12のヒドロキシル基を有し、好ましくは、分子あたり2〜4のヒドロキシル基を含有する。これらは一級もしくは二級のいずれのヒドロキシル基であってもよい。
【0023】
柔軟性ポリウレタン発泡体用途に対しては、特に好ましいポリエーテルポリオール開始剤はエチレンオキシドのホモポリマーもしくはエチレンオキシドおよび、先行する段落に記載される分子量を有する、1種類またはそれ以上の他の共重合性モノマーのコポリマーである。プロピレンオキシドが特に好ましい共重合性モノマーである。コポリマーは、好ましくは、50〜99重量%のエチレンオキシドおよび1〜50重量%のコモノマーを含有する。これらのエチレンオキシド含有ポリエーテル開始剤は、良質のポリウレタン発泡体を形成するように容易に加工されるコポリエステルを生成することが見出されている。
【0024】
脂肪酸は、本発明の目的上、酸基のカルボニル炭素を含む最長鎖中に少なくとも7個の炭素原子を有する、直鎖もしくは分岐鎖脂肪族カルボン酸である。脂肪酸は、好ましくは10〜30個の炭素原子、特には12〜24個の炭素原子を含有する。脂肪族基はその鎖に沿う1つまたはそれ以上の部位で炭素−炭素不飽和を含有することができ、かつ不活性置換基、例えば、ハロゲン(とりわけ、塩素もしくは臭素)もしくはニトロ基を含有することができる。炭素−炭素不飽和の存在は、そのコポリエステルから製造されるポリウレタンの幾つかの特性を改善し得る。
【0025】
脂肪酸の少なくとも一部は二級ヒドロキシル基、すなわち、それ自体が少なくとも2個の他の炭素原子に結合する、炭素原子に結合するものを有する。この二級ヒドロキシル基はカルボン酸基のカルボニル炭素から少なくとも5炭素原子離れている炭素原子に結合するが、これは、カルボニルにより接近して位置する二級ヒドロキシルが副反応に関わって環状ラクトン、例えば、ジヒドロフラノンもしくはテトラヒドロピラノンを形成する傾向にあるためである。このヒドロキシル基は、好ましくは、カルボニル炭素から約6〜約16炭素原子離れている。ヒドロキシル基が結合する炭素原子はそのヒドロキシル基がカルボニル炭素から如何に遠くに離れているかの計算において数えるが、カルボニル炭素は数えない。
【0026】
二級ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導されるエステル単位はコポリエステル中のエステル単位の100%までを構成することができる。また、エステル単位の一部が、一級ヒドロキシル基を含有するか、もしくはヒドロキシル基を含有しない脂肪酸から誘導されてもよい。そのような場合、二級ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導されるエステル単位は、コポリエステル中のエステル単位の1、5、10、25もしくは50%、エステル単位の99%、95%、90%、75%、50%もしくは25%までを構成することができる。
【0027】
存在するのであれば、一級ヒドロキシル含有脂肪酸は、適切には、コポリエステル中の一級および二級ヒドロキシル含有脂肪酸単位の総数の約1〜約95モルパーセント、好ましくは1〜80モルパーセント、より好ましくは1〜50モルパーセントを構成する。一級ヒドロキシル基は脂肪酸のカルボニル炭素から、好ましくは少なくとも5、好ましくは6〜16炭素原子離れる。
【0028】
脂肪酸は1、2、3もしくはそれを上回るヒドロキシル基を含有することができる。脂肪酸は1つのヒドロキシル基のみを含有することが一般に好ましい。複数のヒドロキシル基を有する脂肪酸は、しばしばより高いヒドロキシル官能性を有する、分岐鎖コポリエステルを生成する傾向にある。それらの分子構造は、通常、より複雑で可変性である。1つのヒドロキシル基のみを有する脂肪酸は、開始剤化合物の選択によって確立される官能性および分岐を有するコポリエステルを形成する傾向にある。
【0029】
エステル単位が比較的小さい割合(約30モルパーセントまで、好ましくは約20モルパーセントまで、特には約15モルパーセントまで)の、ヒドロキシル基を含有しない脂肪酸の残留物を含むことも可能である。これらのエステル単位は連鎖停止剤として作用し、それらの存在はコポリエステルのヒドロキシル官能性を低下させ、かつ重合プロセス中に分子量を適度にする傾向にある。
【0030】
コポリエステルは、各々、3〜20もしくはそれを上回る、ヒドロキシル含有脂肪酸(もしくはエステル)から誘導されるエステル単位を含有することができる。一般には、そのようなエステル単位の数は、開始剤と共に、コポリエステルが50℃で、好ましくは22℃でも、液体であるように選択される。ポリウレタン用途に特に有用な分子量を有する液体コポリエステルは、典型的には3〜12、特には3.5〜10の、ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導されるエステル単位を含有する。特に好ましいコポリエステルは、開始剤化合物の各ヒドロキシ基、一級アミノ基および二級アミノ基あたり、約1〜約5、より好ましくは約1〜約3、特には約1〜約2の、脂肪酸から誘導されるエステル単位を含有する。
【0031】
本発明のコポリエステルは一工程プロセスもしくは二工程プロセスで調製することができる。加えて、二級ヒドロキシル含有脂肪酸(もしくはエステル)を特定の不飽和脂肪酸(もしくはエステル)から形成し、それを一工程でオリゴマー化した後、開始剤化合物と反応させてコポリエステルを形成することができる。
【0032】
一工程プロセスにおいては、開始剤化合物を脂肪酸もしくは脂肪酸のエステルと組み合わせ、開始剤化合物および脂肪酸が重合してコポリエステルを形成する条件に処する。適切な反応条件には、高温、減圧(縮合生成物、例えば、水および低級アルコールをそれらが形成されたときに除去するため)および反応を促進するための触媒、例えば、ルイス酸の使用が含まれる。一般には、ポリエステルを形成するための周知反応条件が適切であるが、ただし、反応温度は適切には約190℃未満、好ましくは170℃未満に維持して二級ヒドロキシル含有脂肪酸からのラクトンの形成を回避する。より高温では脱水反応が観察されることがあり、それが二級ヒドロキシル含有脂肪酸分子からのヒドロキシル基の損失を生じる。これはコポリエステルにおける分子量および官能性を制限し、炭素−炭素不飽和をも導入する。より高圧を、大気圧でさえ用いることができるものの、50mmHg(約6.8kPa)未満、好ましくは0.5〜20mmHg(約0.07〜約2.7kPa)の真空が一般に適切である。反応は望ましい重合度のコポリエステルの構築に十分な時間行う。一般には、1〜72時間の反応時間で十分である。
【0033】
適切な重合触媒には様々なルイス酸、特には、スズもしくはチタン酸系重合触媒が含まれる。そのような触媒の例は米国特許第5,498,651号および米国特許第5,547,984号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。2種類またはそれ以上の触媒を一緒に、もしくは連続して用いることができる。触媒の典型的な量はモノマーの重量の0.01〜約5パーセントであり、より典型的な量は約0.1〜0.25重量パーセントである。
【0034】
一工程プロセスにおいては、脂肪酸もしくはエステルを開始剤に、一度に全て、連続的に、もしくは2回以上の一定量で添加することができる。
【0035】
脂肪酸の混合物が用いられる場合、多様な脂肪酸(もしくはエステル)を開始剤に、所望であれば、混合物として、もしくは任意の順番で連続的に添加することができる。脂肪酸(エステル)添加の順番はコポリエステル中の一級ヒドロキシル対二級ヒドロキシルの割合に影響を及ぼし得る。ヒドロキシル基を含まない脂肪酸(エステル)が用いられる場合、対応する残留物が鎖末端を形成する。
【0036】
幾つかの実施形態においては、コポリエステルは主として二級ヒドロキシル基を有することができる。二級ヒドロキシル基形成は(1)高いモル比(100モル%まで)の二級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)の使用および/もしくは(2)反応の終了に向けての二級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)の供給によって優勢となる。二級ヒドロキシルはプロピレンオキシドもしくはより高級のアルキレンオキシドでのアルコキシル化によって導入することもできる。
【0037】
他の実施形態においては、コポリマーは主として一級ヒドロキシル基を有することができる。一級ヒドロキシル基は、一級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)の使用により、一級ヒドロキシル含有エステル単位をコポリエステルに導入することによって形成することができる。そのような場合、一級ヒドロキシル基形成は(1)コポリエステル合成中のより高い割合の一級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)の使用および(3)反応の終了に向けての一級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)の供給によって優勢となる。一級ヒドロキシルはエチレンオキシドでのアルコキシル化によって導入することもできる。
【0038】
分子量は幾つかの方法で制御することができ、これには(1)脂肪酸の開始剤化合物に対する比の選択、(2)ヒドロキシル基を含まない脂肪酸を含むことおよび存在するそれらの相対量の調整、並びに(3)反応パラメータ、例えば、温度、真空、反応時間並びに触媒の種類および量の調整が含まれる。一般には、脂肪酸の開始剤化合物に対する比の増加はコポリエステル分子量を増加させる傾向にある。ヒドロキシル基を含まない脂肪酸は鎖末端を形成し、したがって、分子量を制限するが、同時に官能性も低下させる。したがって、それらを増量して用いることは、それに対応して、より低い分子量のコポリエステルを形成させる傾向にある。
【0039】
開始剤化合物の当量あたり約3〜約10モルの脂肪酸(エステル)の比がポリウレタン用途において用いるためのコポリエステルの調製に一般に適する。好ましくは、用いられる脂肪酸(エステル)の30モル%以下がヒドロキシル基を欠く。
【0040】
二段階プロセスは、まず脂肪酸(エステル)を望ましい重合度にオリゴマー化し、次いで生じるオリゴマーを開始剤化合物と反応させてコポリエステルを形成することを除いて、同様である。反応条件は、一般には、一工程プロセスに関して記述されるものに類似する。二工程プロセスの変形においては、ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)を不飽和脂肪酸から形成して1工程でオリゴマー化し、次に生じるオリゴマーを開始剤化合物と反応させる。そのような反応の実施方法は、例えば、米国特許第6,018,063号に記載される。
【0041】
適切な二級ヒドロキシル含有脂肪酸およびエステルは少なくとも7個の炭素原子を有し、好ましくは、10〜30個の炭素原子を含有する。これらの脂肪酸およびエステルは末端酸もしくはエステル基および、不活性置換、例えば、前に論じられるように、ハロゲンもしくはニトロを含み得る、非環式炭化水素「テール(tail)」を含有する。この炭化水素「テール」は1つまたはそれ以上の炭素−炭素不飽和、典型的には、炭素−炭素二重結合の部位を含有することができる。二級ヒドロキシル基は、酸もしくはエステル基のカルボニル炭素から少なくとも5炭素原子離れた、この「テール」に位置する。
【0042】
二級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)は、好ましくは、天然植物性油もしくは動物性油から誘導される。天然二級ヒドロキシル含有脂肪酸はリシノール酸であり、これは9位に炭素−炭素二重結合および12位にヒドロキシル基を有する18炭素原子脂肪酸である。この酸はヒマシ油中の構成脂肪酸の約87%を構成する。その水素化対応物、12−ヒドロキシオクタデカン酸(12−ヒドロキシステアリン酸)はリシノール酸を水素化することによって容易に調製される。別の天然二級ヒドロキシル含有脂肪酸はレスケレル酸(lesquerelic acid)、すなわち、14−ヒドロキシ−ドデス−9−エン酸であり、これはレスケレラ油(lesquerella oil)中の構成脂肪酸の約55〜64%を構成する。それを水素化して14−ヒドロキシドデカン酸を形成することができる。
【0043】
二級ヒドロキシル含有脂肪酸は、不飽和脂肪酸から、炭素−炭素二重結合を横切って水を反応させることによっても調製することができる。これは、高温での過塩素酸水溶液との反応によって達成することができる。前述のように、この調製方法は、生じるヒドロキシル含有脂肪酸が重合し、時折「エストリド」として知られる、オリゴマーを形成する条件下で行うことができる。そのような方法は、例えば、米国特許第6,018,063号およびIsbell et al., J. Amer. Oil. Chem. Soc., 71 (4) 379 (1994)に記載される。9,10位に炭素−炭素二重結合を有するオレイン酸が適切な出発脂肪酸であり、加水分解反応後に9もしくは10−ヒドロキシオクタデカン酸を生成する。オレイン酸はオリーブおよびダイズ油の成分である。植物性油および/もしくは動物性油から入手可能な他の不飽和カルボン酸が出発物質として同様に有用である。
【0044】
別のタイプの二級ヒドロキシル含有脂肪酸は、不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸をギ酸と酸触媒の下で反応させ、次いで水性塩基でケン化することによって調製することができる。そのような方法は、例えば、米国特許第2,759,953号に記載される。この方法は、オレイン酸に加えて、他の不飽和脂肪酸にも適用可能である。
【0045】
いわゆる「褐色」脂肪酸も有用である。これらの脂肪酸は湿った空気と触媒、例えば、コバルトの存在下で反応し、主としてジヒドロキシ脂肪酸を形成する。ダイズ油の場合、生じる生成物は主として9,10−ジヒドロキシステアリン酸である。そのような褐色ダイズ油を製造する方法は、John et al., J. Appl. Polym. Sci. 86, 3097 (2002)およびSwern et al., JACS, 67, 1134 (1945)によって記述されている。
【0046】
適切な一級ヒドロキシル含有脂肪酸(エステル)には、WO04/096882に記載されるヒドロキシメチル化脂肪酸およびエスエルが含まれる。そのようなヒドロキシメチル化脂肪酸(エステル)の例には、9,(10)ヒドロキシメチルステアリン酸およびそれらのメチルエステル並びに植物性油もしくは動物性油から得られる他のヒドロキシメチル化脂肪酸混合物が含まれる。これらの一級ヒドロキシル含有脂肪酸は、例えば、米国特許第4,731,486号および第4,633,021号、例えば、並びにWO04/096882(全て参照により本明細書に組み込まれる)に記載される、メチルホルミル化および水素化法によって調製することができる。原料は不飽和脂肪酸もしくはエステルまたはそれらの混合物、例えば、植物性油、例えば、ダイズ油から生成される脂肪酸もしくはエステル混合物である。アルデヒド(−CHO)基がその脂肪酸(エステル)中の炭素−炭素二重結合の部位に導入される。幾つかの脂肪酸基は複数の炭素−炭素二重結合部位を含有する。それに続く水素化工程は、あらゆる残りの炭素−炭素結合を水素化して全ての炭素−炭素不飽和を本質的に除去しながら、−CHO基をヒドロキシメチル(−CH2OH)基に変換する。
【0047】
ヒドロキシル基を含まない脂肪酸(エステル)はほとんどの天然植物性油および動物性油の成分である。特には、ヘキサデカン(パルミチン)酸およびオクタデカン(ステアリン)酸は、植物性油の中でも、ダイズ油およびコーン油の構成脂肪酸である。
【0048】
脂肪酸は、一般には、脂肪酸トリグリセリドである、対応する植物性油もしくは動物性油を加水分解することによって入手可能である。脂肪酸エステルは、出発油もしくは脂を低級アルコール、例えば、エタノールもしくは、好ましくは、メタノールと反応させて対応するエチルもしくはメチルエステルをトランスエステル化で形成することによって入手可能である。そのようにして得られる脂肪酸もしくはエステルの構造に依存して、それを修飾せずにモノマーとしてコポリエステル形成反応において用いることができ、または上述のように修飾して一級もしくは二級ヒドロキシル基を付加し、および/または炭素−炭素二重結合を除去することができる。
【0049】
天然油もしくは脂から得られる脂肪酸およびエステルは、一般には、出発物質の構成脂肪酸に対応する混合物である。その混合物が本発明に有用である脂肪酸(エステル)を望ましい比で含有する程度まで、それらの脂肪酸(エステル)をモノマーもしくはさらなる修飾(例えば、ヒドロキシル基の付加および/もしくは炭素−炭素二重結合の除去)のための反応体のいずれかとして直接用いることができる。脂肪酸(エステル)成分が望ましい比にない場合、それらを精製し、および/もしくは他の脂肪酸(エステル)と配合し、望ましい脂肪酸(エステル)混合物を得ることができる。
【0050】
したがって、例えば、ヒマシ油から得られる脂肪酸混合物は約87モル%のリシノール酸を含み、これは二級ヒドロキシル基を含有する。残りの脂肪酸は飽和および不飽和ジヒドロキシル含有もしくはヒドロキシ非含有物質の混合物である。この脂肪酸混合物は、さらなる修飾せずに、本発明のコポリエステルの製造に適する。しかしながら、ジヒドロキシ置換脂肪酸の存在は少量の分岐をコポリエステルに付加する傾向にある。この理由のため、それらの物質の割合を低下させることが望ましいものであり得る。加えて、この混合物中のヒドロキシ非含有脂肪酸の割合を幾らか調節してコポリエステルの分子量および官能性を制御することが望ましいものであり得る。一級ヒドロキシル基を有する幾つかの脂肪酸を提供することも望ましいものであり得る。
【0051】
例えば、ヒマシ油から誘導される脂肪酸(エステル)は、それらの元来の割合で用い;精製してリシノール酸含有率を高め;還元して飽和二級アルコールを精製し;および/もしくは、望ましい属性の組を有する脂肪酸(エステル)混合物を生成するため、一級ヒドロキシル含有脂肪酸と配合することができる。異なるロットのヒマシ油誘導脂肪酸(エステル)を配合し、もしくはそれらを他の二級ヒドロキシル含有脂肪酸と配合することも可能である。レスケレラ油誘導脂肪酸(エステル)は同様の方法で精製し、もしくは他の脂肪酸と配合することができる。これらの脂肪酸(エステル)を水素化して炭素−炭素二重結合を除去するとき、記述される精製および/もしくは配合工程は水素化工程の前もしくは後に行うことができる。
【0052】
脂肪酸混合物は蒸留および再結晶化のような方法によって精製することができる。蒸留法は、混合物中のヒドロキシル含有およびヒドロキシル非含有脂肪酸(エステル)の間の高温(所与の圧力)での沸点の差を利用する。例えば、(ヒマシ油から得られる)メチルリシノレートの水素化によって生成されるメチル12−ヒドロキシステアレートは、約4mmHg(約0.55kPa)で、約202℃で沸騰する。ヒマシ油脂肪酸エステルを水素化するときに共通して生成されるメチルステアレートは、それらの条件下で、約181℃で沸騰する。この沸点の差を分別蒸留による分離の基礎として用いることができる。しかしながら、ヒドロキシル含有脂肪酸をそのような温度に露出することは、ヒドロキシル基の損失および不飽和の形成を伴う、脱水につながる可能性がある。
【0053】
再結晶化法も適切であり、低温を用いることで意味をなす程度までの脱水反応が生じないという利点を有する。再結晶化は脂肪酸(エステル)混合物の溶媒もしくは溶媒混合液から行う。炭化水素溶媒、例えば、アルカン、特には、C5−C10アルカンがヒドロキシル非含有脂肪酸エステルからのヒドロキシル含有脂肪酸エステルの分離に適する。液化プロパンを用いることもできる。高負荷の脂肪酸エステルを幾らか高温(例えば、35〜70℃)で溶媒に溶解し、その混合物を冷却して望ましい脂肪酸エステルを沈殿させる。次に、沈殿した結晶を冷溶媒で洗浄した後、残留する溶媒を減圧下、幾らか高温で除去することができる。
【0054】
所望であれば、前述のコポリエステルをアルコキシル化し、ポリエーテル鎖を1つまたはそれ以上のヒドロキシル基に導入することができる。アンモニアもしくは一級アミンとの反応によってアミノ化した後、水素化し、ヒドロキシル基を一級もしくは二級アミン基で置換することもできる。一級もしくは二級アミン基は、コポリエステルのOH基をジイソシアネートでキャッピングし、次いでそのようにして導入された末端イソシアネート基を水との反応によってアミノ基に変換することによっても導入することができる。
【0055】
本発明のコポリエステルは約400〜約10,000もしくはそれを上回る当量を有することができる。好ましい当量は500〜2000、特には、500〜1200である。コポリエステルのヒドロキシル官能性は、好ましくは、分子あたり約1.8〜約6、特には、約2〜約3.5ヒドロキシル基である。好ましい分子量は900〜5000、特には、1500〜3500である。
【0056】
本発明のコポリエステルはポリウレタンの製造に有用である。コポリエステルの分子量、官能性および組成に依存して、硬質発泡(cellular)および非発泡材料、非発泡エラストマー、カーペット裏層、接着剤、シーラント等を含む様々なポリウレタン材料の製造に用いることができる。
【0057】
特に重要なポリウレタン用途は柔軟性発泡体であり、これはその用途が油原料から誘導されるポリオールの明らかに最大の消費に相当するためである。柔軟性ポリウレタン発泡体は、ポリオールもしくはポリオール混合物を少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートと反応させることによって製造される。その反応は発泡剤の存在下で行われる。
【0058】
ポリオールもしくはポリオール混合物は1種類またはそれ以上の高当量ポリオールを含み、そのうちの1つが本発明のコポリエステルである。「高当量ポリオール」が意味するところは、そのポリオール分子上のヒドロキシル基、一級アミン基および二級アミン基の総数の少なくとも400倍の原子量を有するポリオールである。
【0059】
コポリエステルは発泡体の製造において用いられる単独の高当量ポリオールであってもよい。しかしながら、所望であれば、1種類またはそれ以上のさらなる高当量ポリオールをこのコポリエステルと共に用いることができる。適切なそのようなさらなる高当量ポリオールにはポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールが含まれる。ポリエーテルポリオールには、例えば、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシドのポリマー、それらのブロックおよび/もしくはランダムコポリマー等が含まれ、それらはモノマーを出発化合物の存在下で重合させることによって調製される。特に関心のあるものは、ポリプロピレンオキシドホモポリマー、ポリエチレンオキシド含有率が、例えば、約1〜約30重量%であるプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのランダムコポリマー、エチレンオキシドキャップドポリプロピレンオキシドポリマー並びにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドのエチレンオキシドキャップドランダムコポリマーである。スラブストック発泡体用途には、そのようなポリエーテルは、好ましくは、分子あたり2〜4、特には、2〜3の主として二級のヒドロキシル基を含み、約400〜約3000、特には、約800〜約1750のヒドロキシル基あたりの当量を有する。高弾性スラブストックおよび成型発泡体用途には、そのようなポリエーテルは、好ましくは、分子あたり2〜4、特には、2〜3の主として一級のヒドロキシル基を含み、約1000〜約3000、特には、約1200〜約2000のヒドロキシル基あたりの当量を有する。ポリエーテルポリオールは、低末端不飽和(例えば、0.02meq/g未満もしくは0.01meq/g未満)、例えば、米国特許第3,278,457号、第3,278,458号、第3,278,459号、第3,404,109号、第3,427,256号、第3,427,334号、第3,427,335号、第5,470,813号および第5,627,120号に例えば記載されるような、いわゆる二重金属シアン化物(DMC)触媒を用いて製造されるものを含有することができる。ポリエステルポリオールは、典型的には、分子あたり約2のヒドロキシル基を含み、約400〜1500のヒドロキシル基あたりの当量を有する。その上、様々な種類のポリマーポリオールを用いることができる。ポリマーポリオールには、ポリマー粒子、例えば、ポリ尿素、ポリウレタン−尿素、ポリスチレン、ポリアクリロニトリルおよびポリスチレン−co−アクリロニトリルポリマー粒子のポリオール、典型的には、ポリエーテルポリオール中の分散液が含まれる。適切なポリマーポリオールは米国特許第4,581,418号および第4,574,137号に記載される。
【0060】
加えて、本発明のポリオールは、再生可能な資源から誘導される他のポリオール、特には、前述の「褐色」ダイズポリオールまたはWO04/096882に記載されるヒドロキシメチル化脂肪酸もしくはエステルから誘導されるポリオールと配合することができる。
【0061】
本発明のコポリエステルは、適切には、柔軟性発泡体配合物中に用いられる高当量ポリオールの総量の少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも35%、少なくとも50%もしくは少なくとも65%を構成する。このコポリエステルは、高当量ポリオールの総量の75%以上、85%以上、90%以上、95%以上もしくは100%でさえも構成することができる。
【0062】
1種類またはそれ以上の架橋剤が、上述の高当量ポリオールに加えて、柔軟性発泡体配合物中に存在していてもよい。特には、高弾性スラブストックもしくは成型発泡体を製造するときがこの場合である。用いられる場合、架橋剤の適切な量は、100重量部の高当量ポリオールあたり、約0.1〜約1重量部、特には、約0.25〜約0.5重量部である。
【0063】
本発明の目的上、「架橋剤」は、分子あたり3つまたはそれ以上のイソシアネート反応性基および400未満のイソシアネート反応性基あたりの当量を有する物質である。架橋剤は、好ましくは、分子あたり3〜8、特には、3〜4のヒドロキシル基、一級アミン基もしくは二級アミン基を含み、かつ30〜約200、特には、50〜125の当量を有する。適切な架橋剤の例には、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−、ジ−もしくはトリイソプロパノールアミン、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が含まれる。
【0064】
1種類またはそれ以上の鎖伸長剤を発泡体配合物において用いることも可能である。本発明の目的上、鎖伸長剤は、分子あたり2つのイソシアネート反応性基および400未満、特には、31〜125のイソシアネート反応性基あたりの当量を有する物質である。イソシアネート反応性基は、好ましくは、ヒドロキシル、一級脂肪族もしくは芳香族アミンまたは二級脂肪族もしくは芳香族アミン基である。代表的な鎖伸長剤には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ビス(3−クロロ−4−アミノフェニル)メタンおよび2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンが含まれる。用いられる場合、鎖伸長剤は、典型的には、100重量部の高当量ポリオールあたり約1〜約50、特には、約3〜約25重量部の量で存在する。鎖伸長剤は、典型的には、スラブストックおよび高弾性スラブストック発泡体配合物から省略される。
【0065】
ポリウレタン発泡体の製造において用いられる有機ポリイソシアネートはポリマー性ポリイソシアネート、芳香族イソシアネート、脂環式イソシアネートもしくは脂肪族イソシアネートであり得る。例示的なポリイソシアネートには、m−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PMDI)、トリレン−2,4,6−トリイソシアネートおよび4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートが含まれる。好ましくは、ポリイソシアネートはジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、PMDI、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネートもしくはそれらの混合物である。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネートおよびそれらの混合物は一般にMDIと呼ばれ、全てを用いることができる。トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネートおよびそれらの混合物は一般にTDIと呼ばれ、全てを用いることができる。
【0066】
柔軟性発泡体の製造において用いられるポリイソシアネートの量は、通常、イソシアネートインデックス(isocyanate index)、すなわち、反応混合物(発泡剤として用いられる場合、水によってもたらされるものを含む)中のNCO基のイソシアネート反応性基に対する比の100倍で表される。従来のスラブストック発泡体の製造においては、イソシアネートインデックスは、典型的には、約95〜140、好ましくは、約100〜115の範囲をとる。成型および高弾性スラブストック発泡体においては、イソシアネートインデックスは、典型的には、約50〜約150、特には、約85〜約110の範囲をとる。
【0067】
発泡体を形成するポリイソシアネートおよびポリオール成分の反応は発泡剤の存在下で行う。適切な発泡剤には、気体、例えば、空気、窒素もしくはアルゴンおよび物理的発泡剤、例えば、様々な低沸点クロロフルオロカーボン、フルオロカーボン、炭化水素等が含まれる。地球温暖化およびオゾン破壊の潜在能力が低いか、もしくはゼロであるフルオロカーボンおよび炭化水素が物理的発泡剤のうちで好ましい。ポリウレタン形成反応の条件下で分解もしくは反応する化学的発泡剤も有用である。とりわけ最も好ましい化学的発泡剤は水であり、これはイソシアネート基と反応して二酸化炭素を遊離させ、尿素結合を形成する。水は、好ましくは、単独の発泡剤として用いられ、その場合、100重量部の高当量ポリオールあたり約1〜約7、特には、約2.5〜約6重量部の水が典型的に用いられる。水は物理的発泡剤、特には、フルオロカーボンもしくは炭化水素発泡剤と組み合わせて用いることもできる。加えて、気体、例えば、二酸化炭素、空気、窒素もしくはアルゴンを発泡剤として発泡プロセスにおいて用いることができる。
【0068】
表面活性剤を発泡体配合物中に用いることもできる。ポリウレタン発泡体の製造において通常用いられる様々なシリコーン表面活性剤を本発明の発泡体の製造において用いることができる。そのようなシリコーン表面活性剤の例は、Tegostab(商標)(Th. Goldschmidt and Co.)、Niax(商標)(GE OSi Silicones)およびDabco(商標)(Air Products and Chemicals)の商品名で商業的に入手可能である。表面活性剤の量はその特定の用途およびその特定の表面活性剤に従って幾らか変化するが、一般には、100重量部の高当量ポリオールあたり0.1〜6重量部である。
【0069】
発泡体配合物は、一般には、触媒を含む。特定の触媒パッケージの選択は発泡体配合物中の他の成分に従って幾らか変化する。触媒は、ポリオール−イソシアネート(ゲル化)反応もしくは水−イソシアネート(発泡)反応(水が発泡剤として用いられるとき)またはその両者を触媒することができる。水発泡発泡体の製造においては、発泡反応に有利な少なくとも1種類の触媒およびゲル化反応に有利な少なくとも1種類の他の触媒の混合物を用いることが典型的である。
【0070】
三級アミン、三級ホスフィン、様々な金属キレート、酸金属塩、強塩基、様々な金属アルコラートおよびフェノラート並びに有機酸の金属塩を含む様々な物質がポリウレタン形成反応を触媒することが公知である。最も重要な触媒は三級アミン触媒および有機スズ触媒である。三級アミン触媒の例には:トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、1,4−ジアゾビシクロ−2,2,2−オクタン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミンおよびアルキル基が4〜18個の炭素原子を含有するジメチルアルキルが含まれる。これらの三級アミン触媒の混合物がしばしば用いられる。適切に商業的に入手可能な触媒の例には、Niax(商標)A1(GE OSi Siliconesから入手可能な、プロピレングリコール中のビス(ジメチルアミノエチル)エーテル)、Niax(商標)B9(GE OSi Siliconesから入手可能な、ポリアルキレンオキシドポリオール中のN,N−ジメチルピペラジンおよびN,N−ジメチルヘキサデシルアミン)、Dabco(商標)8264(Air Products and Chemicalsから入手可能な、ジプロピレングリコール中のビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチレンジアミンおよびジメチルヒドロキシエチルアミンの混合物)およびDabco(商標)33LV(Air Products and Chemicalsから入手可能な、ジプロピレングリコール中のトリエチレンジアミン)、Niax(商標)A−400(GE OSi Siliconesから入手可能な、水中の自社開発三級アミン/カルボン酸塩およびビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル並びに自社開発ヒドロキシル化合物の配合物);Niax(商標)A−300(GE OSi Specialties Co.から入手可能な、水中の自社開発三級アミン/カルボン酸塩およびトリエチレンジアミン);Polycat(商標)58(Air Products and Chemicalsから入手可能な自社開発アミン触媒)、Polycat(商標)5(Air Products and Chemicalsから入手可能なペンタメチルジエチレントリアミン)およびPolycat(商標)8(Air Products and Chemicalsから入手可能なN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)が含まれる。
【0071】
有機スズ触媒の例は、塩化第二スズ、塩化第一スズ、オクタン酸第一スズ、オレイン酸第一スズ、ジラウリン酸ジメチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、式SnRn(OR)4-n(式中、Rはアルキルもしくはアリールであり、nは0〜2である)の他の有機スズ化合物等である。有機スズ触媒は、用いられる場合、一般には、1種類またはそれ以上の三級アミン触媒と共に用いられる。有機スズ触媒は強力なゲル化触媒である傾向にあり、したがって、三級アミン触媒よりも好ましさに劣り、用いられる場合には、好ましくは、特に高弾性発泡体配合物において、少量で用いられる。関心のある商業的に入手可能な有機スズ触媒には、Dabco(商標)T−9およびT−95触媒(両者とも、Air Products and Chemicalsから入手可能なオクタン酸第一スズ組成物)が含まれる。
【0072】
触媒は典型的には少量で用いられ、例えば、各々の触媒は100重量部の高当量ポリオールあたり約0.0015〜約5重量部が用いられる。本発明のポリオールを含有するポリウレタン配合物の利点は、それらが、しばしば、植物性油から誘導される他のポリオールでみられるものよりもスズ触媒濃度に対する感受性が低いことである。このより広い処理許容範囲は、特に柔軟性ポリウレタン発泡体製造の場合、これらのポリオールを商業的規模の操作における使用を容易なものとする。
【0073】
前述の成分に加えて、発泡体配合物は様々な他の任意成分、例えば、セル開放剤(cell openers);充填剤、例えば、炭酸カルシウム;顔料および/着色料、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、アゾ/ジアゾ染料、フタロシアニン、ジオキサジンおよびカーボンブラック;補強材、例えば、ファイバーグラス、炭素繊維、フレーク状ガラス、雲母、タルク等;殺生剤;保存剤;酸化防止剤;難燃剤;等を含有することができる。
【0074】
一般には、ポリウレタン発泡体は、ポリイソシアネートおよびポリオール組成物を発泡剤、表面活性剤、触媒および所望される他の任意成分の存在下、ポリイソシアネートおよびポリオール組成物が反応してポリウレタンおよび/もしくはポリ尿素ポリマーを形成し、それと同時に発泡剤がその反応性混合物を膨張させる気体を生成するような条件下で混合することによって調製する。発泡体は(例えば、米国特許第4,390,645号に記載される)いわゆるプレポリマー法によって形成することができ、そこでは、まず化学量論的過剰のポリイソシアネートを高当量ポリオールと反応させてプレポリマーを形成し、それを第二工程において鎖伸長剤および/もしくは水と反応させて所望の発泡体を形成する。(例えば、米国特許第3,755,212号、第3,849,156号および第3,821,130号に記載される)発泡法も適切である。(例えば、米国特許第2,866,744号に記載される)いわゆるワンショット法(one-shot methods)が好ましい。そのようなワンショット法においては、ポリイソシアネートおよび全てのポリイソシアネート反応性成分を同時に一緒にして反応させる。本発明における使用に適する3種類の広く用いられるワンショット法には、スラブストック発泡体法、高弾性スラブストック発泡体法および成型発泡体法が含まれる。
【0075】
スラブストック発泡体は、発泡体成分を混合し、それらを反応混合物が反応するトラフもしくは他の領域に分配し、雰囲気に対して自由に上昇(フィルムもしくは他の柔軟性被覆材の幾らか下)させて硬化することによって都合よく調製される。一般の商業規模スラブストック発泡体製造においては、発泡体成分(もしくはそれらの様々な混合物)をそれらが混合される混合ヘッドに独立に汲み上げ、紙もしくはプラスチックで裏打ちされたコンベアに分配する。発泡および硬化はそのコンベア上で生じ、発泡体バンを形成する。生じる発泡体は、典型的には、密度が立方フィート(pcf)あたり約1〜約5ポンド(16〜80kg/m3)、特には、約1.2〜約2.0pcf(19.2〜32kg/m3)である。
【0076】
本発明による好ましいスラブストック発泡体配合物は主な発泡剤として、より好ましくは、単独の発泡剤として水を用い、約1.2〜約2.0pcf(19.2〜32kg/m3)、特には、約1.2〜約1.8pcf(19.2〜28.8kg/m3)の密度を有する発泡体を生成する。そのような密度を得るため、100重量部の高当量ポリオールあたり約3〜約6、好ましくは、約4〜約5重量部の水が用いられる。
【0077】
高弾性スラブストック(HRスラブストック)発泡体は従来のスラブストック発泡体の製造に用いられるものに類似する方法で製造される。HRスラブストック発泡体は、ASTM 3574.03により、55%以上のBashore反跳スコア(Bashore rebound score)を示すことを特徴とする。これらの発泡体は、それらの発泡体を硬化するエネルギー要求を低減するため、通常のスラブストック発泡体と比較して、幾らか高めの触媒濃度を用いて調製される傾向にある。水のみで発泡させるHRスラブストック発泡体配合物は通常のスラブストック配合物よりも低濃度の水を用いる傾向にあり、したがって、僅かに高密度の発泡体を生成する。水濃度は100重量部の高当量ポリオールあたり約2〜約3.5、特には、約2.5〜約3部となる傾向にある。発泡体密度は、典型的には、約2〜約5pcf(32〜80kg/m3)、特には、約2.1〜約3pcf(33.6〜48kg/m3)である。
【0078】
成型発泡体は、本発明に従い、反応体(コポリエステル、ポリイソシアネート、発泡剤および表面活性剤を含むポリオール組成物)を密閉された型に移し、そこで起泡反応を行って成形発泡体を生成することによって製造することができる。型を周囲温度を有意に上回って予備加熱しない、いわゆる「冷成型(cold-molding)」、もしくは型を加熱して硬化を促進する「熱成型(hot-molding)」のいずれをも用いることができる。高弾性成型発泡体の製造には冷成型法が好ましい。成型発泡体の密度は立方フィートあたり2.0〜約5.0ポンド(32〜80kg/m3)の範囲になる傾向にある。
【0079】
本発明のポリオールは機械的発泡法による発泡体の製造においても有用である。そのような方法においては、空気、窒素もしくは他の気体を、高当量ポリオール、ポリイソシアネート並びに、任意に、触媒、前述の表面活性剤、架橋剤、鎖伸長剤および他の成分を含有する反応性混合物中で泡立てる。その後、発泡した反応混合物を、典型的には、基体に塗布し、そこで硬化させて接着性発泡層を形成する。特に重要な発泡用途はポリウレタンクッションが取り付けられたカーペットの形成である。そのようなカーペット裏打ち法は、例えば、米国特許第6,372,810号および第5,908,701号に記載される。
【0080】
本発明の発泡体は、家具緩衝材、自動車の座席、自動車ダッシュボード、包装用途、他の緩衝材およびエネルギー管理用途、カーペット裏層、ガスケット材並びに従来のポリウレタン発泡体が用いられる他の用途として有用である。
【0081】
本発明のコポリエステルは、エラストマー性で実質的に非発泡性のポリウレタン発泡体配合物、例えば、キャストエラストマーおよび反応射出成型(reaction injection molding)(RIM)配合物における高当量ポリオール成分としても有用である。適切なRIM配合物は、例えば、米国特許第4,433,067号、第4,876,019号および第4,412,543号に記載される。
【実施例】
【0082】
以下の例は本発明を説明するために提供されるが、それらの範囲を限定しようとするものではない。全ての部およびパーセンテージは、他に指示されない限り、重量基準である。
【0083】
(実施例1)
Biddle Sawyerから入手した粗製(約85%)メチル12−ヒドロキシステアレートを、ヘプタンからの再結晶化により、まずその溶媒中の26.7%溶液を50℃で形成することによって精製する。その溶液を、攪拌しながら、室温に急速に冷却する。沈殿が形成され、それを濾過によって集める。その後、溶液を12〜15℃に冷却することで第2沈殿が生じ、それを再度濾別する。それらの沈殿物を別々に冷ヘプタンで洗浄して合わせ、60〜70℃で真空除去して溶媒を除去する。得られる物質の純度は約95%である。
【0084】
18.83部の精製したメチル12−ヒドロキシステアレートを、加熱した(60℃)還流濃縮器を備える反応容器に、4.85部の約625の分子量の三官能性ポリエチレンオキシド(Dow ChemicalからのVoranol(商標)IP 625)と共に投入する。その混合物を、約4mmHg(約0.55kPa)減圧の下、125℃で約1時間加熱することによって揮発分を除去する。0.03部のエチルヘキサノン酸スズを添加し、その反応混合物を、11mmHg(約1.6kPa)の減圧の下、窒素で徐々に流しながら、約25時間、165℃に加熱する。(2696の理論的Mnに対して)2880の実測Mnおよび44.2のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は1269である。NMRは出発エステルの脱水によるオレフィン形成の証拠をほとんど示さない。
【0085】
(実施例2)
475.7部の粗製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)および123.4部のIP625ポリエーテルポリオールを、加熱した(60°)還流濃縮器を備えた反応器に投入する。その混合物を、約4mmHg減圧の下、125℃で約1時間加熱することによって揮発分を除去する。0.6部のエチルヘキサン酸スズを添加し、その混合物を、6mmHg(約0.82kPa)の下、徐々に窒素を流しながら、165℃で15時間重合させる。(2465の理論的Mnに対して)2562の実測Mnおよび48.6のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は1155である。NMRは出発エステルの脱水によるオレフィン形成の証拠を示さない。
【0086】
(実施例3)
564部の精製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)、133.1部のIP625ポリオールおよび0.7部のスズ触媒を用いて実施例1を反復する。この場合、重合は26時間行う。(2897の理論的Mnに対して)2640の実測Mnおよび64.5のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は870である。
【0087】
(実施例4)
511.7部の粗製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)および83.7部のIP625ポリオールを前述の反応容器に投入する。その混合物を、完全真空下、120℃で30分間加熱する。窒素の下で真空を解き、0.5部の酸化ビス−(ジブチルクロロスズ)を添加する。次に、その反応混合物を15mmHg(約2.0kPa)減圧の下で165℃に加熱した後、4mmHg(約0.55kPa)の下、同じ温度でさらに72時間加熱する。(3514の理論的Mnに対して)3161の実測Mnおよび42.5のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は1320である。
【0088】
(実施例5)
507.1部の粗製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)、128.0部のIP625ポリオールおよび0.5部の酸化ビス−(ジブチルクロロスズ)を用いて実施例4を反復する。(2498の理論的Mnに対して)2930の実測Mnおよび53.3のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は1053である。
【0089】
(実施例6)
377.2部の粗製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)、184.9部のIP625ポリオールおよび0.5部の酸化ビス−(ジブチルクロロスズ)を用いて実施例4を反復する。(1589の理論的Mnに対して)1816の実測Mnおよび78.5のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は715である。
【0090】
(実施例7)
374部の高純度(96.8%)メチル12−ヒドロキシステアレート、85.3部のIP625ポリオールおよび0.4部の酸化ビス−(ジブチルクロロスズ)を用いて実施例4を反復する。(3008の理論的Mnに対して)3260の実測Mnおよび60.0のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は936である。
【0091】
(実施例8)
377部の粗製メチル12−ヒドロキシステアレート(実施例1を参照)、185.0部のIP625ポリオールおよび0.5部の酸化ビス−(ジブチルクロロスズ)を用いて実施例4を反復する。(1588の理論的Mnに対して)1755の実測Mnおよび77.3のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。ヒドロキシル当量は726である。
【0092】
(実施例9)
100部の、実施例6からのコポリエステルを1部のシリコーン表面活性剤(OSi Specialties製Niax(商標)L620)、3部の水および1部の三級アミン触媒(Air Products and Chemicals製Dabco B−9)と配合する。100のイソシアネートインデックスを得るのに十分な、トルエンジイソシアネートの2,4−および2,6−異性体の80/20混合物を添加する。それらの反応体を簡単に攪拌して開放カップに注ぎ入れ、周囲条件下で発泡させる。得られる発泡体の引張り強さ、引裂き強さおよび伸びを、試験前に発泡体のエージングをしないことを除いて、ASTM D−3574に従ってスクリーニングする。結果は表1に報告されるとおりである。
【0093】
(実施例10)
ここでは、100部の実施例7からのコポリエステルを用いて実施例9を反復する。引張り、引裂きおよび伸びを実施例9に記載されるように測定し、それらの結果は表1に報告されるとおりである。
【0094】
(実施例11)
ここでは、100部の実施例8からのコポリエステルおよび0.05部の有機スズ触媒(Air Products and Chemicals製Dabco T−12)を用いて実施例9を再度反復する。引張り、引裂き、伸びをASTM D−3574によって測定し、密度および気流を測定する。結果は表1に報告されるとおりである。
【0095】
(実施例12)
前の実施例において用いられるシリコーン表面活性剤の代わりに2部の別のシリコーン表面活性剤(Air Products and Chemicals製DC−5043)を用いて実施例11を反復する。引張り強さ、引裂き強さおよび伸びを実施例11に記載されるとおりに測定し、結果は表1に報告されるとおりである。
【表1】

【0096】
(実施例13)
550部の、Biddle Sawyerから入手した粗製(約85%)メチル12−ヒドロキシステアレート、5000部のポリヒドロキシメチル脂肪酸メチルエステルおよび2480部のIP625ポリエーテルポリオールを、還流濃縮器を備えた反応器に投入する。この粗製メチル12−ヒドロキシステアレートおよびポリヒドロキシメチル脂肪エステルは以下のおおよその組成を有する:
【表2】

【0097】
このコポリエステルにおいては、約8.6モルパーセントのエステル単位が二級ヒドロキシル含有脂肪酸由来である。約64%は一級ヒドロキシル含有脂肪酸由来である。残りのエステル単位はほとんどが非ヒドロキシル含有脂肪酸由来である。
【0098】
その混合物を、約4mmHg(約0.55kPa)減圧の下、125℃で約1時間加熱することによって揮発分を除去する。その後、4.15ppmのエチルヘキサン酸スズを添加し、その混合物を195℃で6mmHg減圧(約0.82kPa)の下、窒素を徐々に流しながら24時間重合させる。1643の実測Mnおよび96のヒドロキシル数(理論値94)を有するコポリエステルが得られる。そのコポリエステルは約2.8ヒドロキシル基/分子の平均ヒドロキシル官能性を有する。
【0099】
(実施例14)
1388部の実施例13に記載される粗製(約85%)メチル12−ヒドロキシステアレート、4163部の実施例13に記載されるポリ(ヒドロキシメチル)脂肪エステルおよび2440部のIP625ポリエーテルポリオールを、濃縮器を備えた反応器に投入する。その混合物を、約4mmHg(約0.55kPa)減圧の下、125℃で約1時間加熱することによって揮発分を除去する。その後、4.15ppmのエチルヘキサン酸スズを添加し、その混合物を195℃で6mmHg減圧(約0.82kPa)の下、窒素を徐々に流しながら36時間重合させる。1651の実測Mnおよび92(理論値87)のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。そのコポリエステルは約2.7ヒドロキシル基/分子の平均ヒドロキシル官能性を有する。
【0100】
このコポリエステルにおいて、約21.7モルパーセントのエステル単位は二級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来する。約53.4%は一級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来する。残りのエステル単位はほとんどがヒドロキシル非含有脂肪酸に由来する。
【0101】
配合物中の有機スズ触媒濃度に対する感受性を評価するため、一連の柔軟性ポリウレタン発泡体を実施例13および14のコポリエステルから別々に調製する。各々の場合において、発泡体試料14−3を除いて、50部のコポリエステルポリオールを50部の、名目上三官能性の、87%プロピレンオキシドおよび13%エチレンオキシドの1000当量ランダムコポリマー(Dow ChemicalからVoranol(登録商標)3136ポリオールとして商業的に入手可能)と配合する。発泡体試料14−3の場合、これらの成分の比は75:25である。この配合物に0.6部のシリコーン表面活性剤(GE製Niax(商標)L620)、4.5部の水および0.15部の三級アミン触媒(Air Products and Chemicals製Dabco 8264)を添加する。それらの反応体を3000rpmで15秒間攪拌する。この混合物に下記表において指示される量のオクタン酸第一スズ(Niax(商標)T−9触媒として入手可能)並びに102のイソシアネートインデックスを得るのに十分なトルエンジイソシアネートの2,4−および2,6−異性体の80/20混合物を添加する。この混合物を3000rpmで3秒間攪拌した後、開放された15×15×8in(38×38×20cm)の箱に注ぎ入れ、周囲条件下で発泡させる。その発泡体を7日間エージングした後、物理的特性をASTM D−3574に従って得る。結果は下記表2に示されるとおりである。
【表3】

【0102】
実施例13のコポリエステルを含有する配合物は、試験した全範囲である、100部のポリオールあたり0.11〜0.14部のスズ触媒範囲にわたって良好に処理される。この結果は、コポリエステルポリオール中のエステル単位の小率のみが二級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来するため、意味を持つ。
【0103】
コポリエステル中のより多くのエステル単位が二級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来するとき、発泡体試料14−1、14−2および14−3でみられるように、より広い処理許容範囲が達成される。これらの配合物は100部のポリオールあたり0.11〜0.18部のスズ触媒濃度の範囲にわたって良好に処理される。実施例14のコポリエステルにおけるより高率の二級ヒドロキシル基の存在はそれを幾らか反応性に劣るものとし、幾らか濃度の高いゲル化触媒(この場合、有機スズ触媒)が好ましい。
【0104】
(実施例15)
2776部の、実施例13に記載されるものと同じ粗製(約85%)メチル12−ヒドロキシステアレートおよび同じポリヒドロキシメチル脂肪酸メチルエステルの各々を、2380部のIP625ポリエーテルポリオールと共に、還流濃縮器を備えた反応器に投入する。その混合物を、約4mmHg(約0.55kPa)減圧の下、125℃で約1時間加熱することによって揮発分を除去する。その後、4.15ppmのエチルヘキサン酸スズを添加し、その混合物を195℃で6mmHg(約0.82kPa)減圧の下、窒素を徐々に流しながら48時間重合させる。1476の実測Mnおよび109(理論値79)のヒドロキシル数を有するコポリエステルが得られる。そのコポリエステルは約2.9ヒドロキシル基/分子の平均ヒドロキシル官能性を有する。
【0105】
このコポリエステルにおいては、約43.5モルパーセントのエステル単位が二級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来する。約35.5%は一級ヒドロキシル含有脂肪酸に由来する。残りのエステル単位はほとんどがヒドロキシル非含有脂肪酸に由来する。
【0106】
このコポリエステルから、実施例13および14について記述される方法で、柔軟性ポリウレタン発泡体を形成する。約1.7ポンド/立方フィート(26kg/m3)の密度を有する発泡体が形成される。このコポリエステルは実施例13および14のコポリエステルのいずれよりも多い二級ヒドロキシル基を有し、したがって、その配合物は幾らか高濃度のゲル化触媒を必要とする。
【0107】
(実施例16および17)
実施例14に記載される一般法で、以下に記載される配合物を用いてポリウレタン発泡体を製造する。この場合においては、コポリエステルは実施例4に記載される一般法で製造する。それは2785の実測Mnおよび54のヒドロキシル数を有する。ヒドロキシル当量は1050であり、ヒドロキシル官能性は約2.65である。
【表4】

【0108】
発泡体実施例16は5.28立方フィート/分(149リットル/分)の気流および1.74pcf(27.8kg/m3)の密度を有する。発泡体実施例17は5.30立方フィート/分(150リットル/分)の気流および1.73pcf(27.7kg/m3)の密度を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
50℃で液体であるコポリエステルであって、(a)少なくとも2つのヒドロキシル基、一級アミノ基もしくは二級アミノ基を有する、グリセリン以外の開始剤化合物からヒドロキシルおよびアミノ水素原子を除去した後の残留物である開始剤セグメント、並びに(b)7個またはそれ以上の炭素原子を有するヒドロキシル含有脂肪酸もしくは2種類またはそれ以上の前記脂肪酸の混合物から誘導される、コポリエステル分子あたり平均で少なくとも3のエステル単位を有し、ヒドロキシル含有脂肪酸の少なくとも一部が脂肪酸の酸基のカルボニル炭素から少なくとも5炭素原子離れた二級ヒドロキシル基を含有する二級ヒドロキシル含有脂肪酸であるコポリエステル。
【請求項2】
前記ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導される、コポリエステル分子あたり3.5〜10のエステル単位を含有する、請求項1のコポリエステル。
【請求項3】
前記コポリエステル中の約5〜約95%のエスエル単位が前記二級ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導される、請求項2のコポリエステル。
【請求項4】
前記エステル単位の一部がヒドロキシル基を有さない脂肪酸から誘導される、請求項3のコポリエステル。
【請求項5】
前記エステル単位の一部が一級ヒドロキシル含有脂肪酸から誘導される、請求項3のコポリエステル。
【請求項6】
前記一級ヒドロキシル含有脂肪酸が1つまたはそれ以上のヒドロキシメチル基を含有する、請求項5のコポリエステル。
【請求項7】
前記エステル単位の一部がヒドロキシル基を有さない脂肪酸から誘導される、請求項6のコポリエステル。
【請求項8】
400〜2000のヒドロキシル当量を有し、かつ分子あたり2〜3.5のヒドロキシル基を含有する、請求項1のコポリエステル。
【請求項9】
前記二級ヒドロキシル基を含有する脂肪酸がリシノール酸、12−ヒドロキシオクタデカノール、14−ヒドロキシ−ドデス−9−エン酸、14−ヒドロキシドデカン酸もしくはそれらの混合物である、請求項8のコポリエステル。
【請求項10】
前記開始剤化合物のヒドロキシル基、一級アミノ基および二級アミノ基の総数あたり3.5〜10のエステル単位を含有する、請求項9のコポリエステル。
【請求項11】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項1のコポリエステル。
【請求項12】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項2のコポリエステル。
【請求項13】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項3のコポリエステル。
【請求項14】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項4のコポリエステル。
【請求項15】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項5のコポリエステル。
【請求項16】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項6のコポリエステル。
【請求項17】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項7のコポリエステル。
【請求項18】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項8のコポリエステル。
【請求項19】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項9のコポリエステル。
【請求項20】
前記開始剤セグメントがポリエーテルである、請求項10のコポリエステル。
【請求項21】
22℃で液体である、請求項1のコポリエステル。
【請求項22】
22℃で液体である、請求項11のコポリエステル。
【請求項23】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項1のコポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項24】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項2の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項25】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項3の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項26】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項4の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項27】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項5の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項28】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項6の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項29】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項7の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項30】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項8の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項31】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項9の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項32】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項10の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項33】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項11の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項34】
発泡剤の存在下で、少なくとも1種類の有機ポリイソシアネートを少なくとも1種類の高当量ポリオールを含むイソシアネート反応性成分と反応させることによって調製されるポリウレタン発泡体であって、前記高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項22の液体コポリエステルであるポリウレタン発泡体。
【請求項35】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項1の液体コポリエステルである方法。
【請求項36】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項6の液体コポリエステルである方法。
【請求項37】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が請求項7の液体コポリエステルである方法。
【請求項38】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項8の液体コポリエステルである方法。
【請求項39】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項11の液体コポリエステルである方法。
【請求項40】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項16の液体コポリエステルである方法。
【請求項41】
少なくとも1種類の高当量ポリオール、少なくとも1種類のイソシアネート、少なくとも1種類の発泡剤、少なくとも1種類の表面活性剤および少なくとも1種類の有機スズ触媒を含む混合物を形成し、前記混合物を、前記混合物を膨張および硬化させて柔軟性ポリウレタン発泡体を形成するのに十分な条件に処することを含む柔軟性ポリウレタン発泡体の調製方法であって、高当量ポリオールの少なくとも10重量%が、請求項17の液体コポリエステルである方法。

【公表番号】特表2008−539324(P2008−539324A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509156(P2008−509156)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/016173
【国際公開番号】WO2006/118995
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】