説明

二軸連動コンピュータ入力デバイス

【課題】ゲーム機やコンピュータ装置への入力操作あるいは運動方向の自由度を拡大する、二軸連動コンピュータ入力デバイスを提供する。
【解決手段】ユーザの手に収まる第1および第2ハンドル部材を有する。これらは互いに移動(回転)可能であると共に、全体的としてリンケージによって接続している。リンケージにより、部材はX軸に沿った横方向とY軸に沿った上下方向、そして矢印24、26で示す方向に枢動可能とする。2つのハンドル部材の互いに対する位置を通知するよう位置センサが構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子入力デバイスに関する。更に特定すれば、本発明は、二軸連動動作を可能とする両手コンピュータ入力デバイス(two-handed computer input device)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、コンピュータにユーザ入力情報を供給するために、多くの異なる種類のユーザ入力デバイスが用いられている。このようなユーザ入力デバイスは、例えば、ポインティング/クリック・デバイス(一般にコンピュータ・マウスと呼ばれている)、キーボード、ジョイスティック、およびトラック・ボールを含むことができる。このようなユーザ入力デバイスは、全て、典型的に可動エレメントの固定基盤またはハウジング部分に対する移動を検知し、この相対的移動を示す入力信号をコンピュータに供給する。
【0003】
加えて、パーソナル・コンピュータまたはゲーム・コンソール上で走る現在のゲーム・アプリケーションのいくつかは、ファースト・パーソン・パースペクティブ・アプリケーションである(first person perspective application)。このようなアプリケーションは、ナビゲーションおよびポインティング機能を与え、現在ではマウスおよびキーボード操作の組み合わせによって行っている(が、いくらか煩わしいところがある)。マウスは、典型的に、視点(上、下、左、右)を制御し、キーボードは位置的移動制御(左方摺動、右方摺動、前進、後退)を行う。また、マウス・ボタンは、アクション・ゲームでは「発火」(fire)を操作し、キーボードは多数の選択オプションを与える(兵器選択、ドア開放、ズーム・イン等)。マウスおよびキーボードを用いてこれらの機能を制御することは非常に難しく、比較的非直感的な指の動作の組み合わせに習熟することが必要である。
【0004】
したがって、現行の入力デバイスを用いたファースト・パーソン・パースペクティブ三次元仮想環境における、正確な移動、照準決定(aiming)、および実際の制御は、ぎこちなさを伴う可能性があることがわかる。このようなゲームまたは仮想環境は、非常に速い移動が必要であり、また素早く方向を変え迷路のような廊下を擦り抜けるように誘導したり、敵の攻撃をかわす能力が必要である。照準決定およびポインティング(ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューを通じて、上または下、左または右を見ることに対応する)を最良に行うには、マウスまたはジョイスティックによって得られるような、(離散的なボタンの押下ではなく)連続する動作範囲にわたる制御を行う入力デバイスを用いるとよい。位置移動制御(マウスの前進/後退、または左摺動/右摺動、または上昇)を最良に行うには、ジョイスティック上で一般に見られるある種のスイッチ構成、またはキーボードのボタン、あるいはその他のデバイスによって得られるような、離散的なキーストロークがよい。
【0005】
加えて、ある種のユーザ入力デバイスには、単一の入力モードに対して2よりも大きい自由度を割り当てるものがある。例えば、X軸およびY軸に沿って押下することができるジョイスティックは2の自由度を有し、XおよびY軸に沿って押下することができ、しかもその長手方向軸に沿って回転しコンピュータに入力を与えることができるジョイスティックは、3の自由度を有する。この種のユーザ入力デバイス(入力モード毎に2よりも大きい自由度が得られる)は、高度な軸交差干渉を生ずる可能性があることがわかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
軸交差干渉は、ユーザが無意識に1つの自由度を扱いつつ、別個の自由度を扱おうとすることによって特徴付けることができる。言い換えると、回転運動を行おうとしながら(ジョイスティックをその長手方向軸を中心に回転させようとしながら)、並進運動を行う(ジョイスティックをXまたはY軸に沿って動かす)ことは非常に困難である。このような自由度間の干渉が、軸交差干渉である。軸交差干渉の傾向は、追加される自由度毎に、二次的に(quadratically)いずれの所与の入力モードにも増加すると考えられる。
【0007】
マウスおよびキーボードに加えて、ゲーム・アプリケーションに用いる従来の入力デバイスには、別の種類もある。このようなゲーム・アプリケーションに用いられる従来からのデバイスの1つがゲーム・パッドである。しかしながら、このデバイスは、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ゲームに必要な操作性(maneuvering)には適していない。標準的な方向パッドおよびボタンのみを備えるゲームパッドでは、連続的な移動を入力する術がない。小さなサムスティック(親指用ジョイスティック)を備えたゲーム・パッドを用いると、連続入力は可能であるが、サムスティックは直感的な移動のための位置付けはできないので、ユーザはサムスティックの中央に戻ろうとする力と悪戦苦闘しなければならず、正確な照準の決定は困難である。また、サムスティックは、手および指の小筋肉群を疲労させる。
【0008】
ジョイスティックは、小筋肉群の微細運動制御機能を与えない腕および手首の筋肉を使う。一般的なジョイスティックの構成は、連続移動装置(ジョイスティック)および離散移動装置(ハットスイッチ)も有し、これらを同じ手で扱わなければならない。このため、正確にこのような動作を制御することは困難となる。加えて、ジョイスティックおよびハットスイッチは双方とも、中心復帰ばね力を含み、正確な照準決定を妨げる。
【0009】
別の入力デバイスに、Space Orb 360という商標で販売されているものがある。このデバイスは、6の自由度を与え、これらを1つの手で操作する。このため、集中的な訓練またはデバイスが制御する1つまたは2つの軸を他の軸から分離する先天的な生体力学的能力がなければ、このデバイスを使用するのは非常に難しい。
【0010】
同様に、Cyberman IIという商標で販売されているデバイスも、1つの手で操作する6の自由度を与える。この入力デバイスにも、前節で述べたのと同じ困難がある。
【0011】
Wingman Warriorという商標で販売されている別の入力デバイスもある。このデバイスは、回転のみのための自由回転ノブを備えたジョイスティックである。このデバイスは、ファースト・パーソン・パースペクティブ環境において適応するのに必要な多くの基本機能に対処するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、二軸連動コンピュータ入力デバイスを提供する。2つの部材どうしの相対的な位置を示す位置情報を与えるように位置センサを構成する。
【0013】
一実施形態では、これらの部材はハンドルであり、ハンドルの1つは、表示装置上のファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューを表わす。これらのハンドルは、複数の挙動ゾーン全体において互いに対して相対的に移動可能であり、表示装置上の表示に異なる影響を与える。一実施形態では、第1挙動ゾーンを通過する移動により、表示装置上に、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの絶対移動(absolute movement)が生ずる。第2挙動ゾーンを通過する移動により、ファースト・パーソン・パースペクティブは、絶対的ではなく、連続的に移動する。
【0014】
別の実施形態では、ユーザがゾーン間を移行する際、触覚フィードバックをユーザに与える。触覚フィードバックは、一例として、移動に対する抵抗変化とすることができる。
【0015】
また、本発明は、人間工学的利点を備えた入力デバイスも提供する。疲労を減少させるように機能する形状および運動範囲を与える。加えて、位置情報をコンピュータに送信するために用いるデータ構造を備えている。このデータ構造は、効果的な方法および装置を用いて形成し処理する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明による入力デバイスを利用可能なコンピュータ・システムのブロック図である。
【図2】本発明による入力デバイスと共に使用可能なコンピュータの一実施形態のブロック図である。
【図3】本発明の一態様による絶対位置検知を示す図である。
【図4】本発明の一態様による絶対位置検知を示す図である。
【図5】本発明の一態様による絶対位置検知を示す図である。
【図6】本発明の一態様による絶対および速度制御を示すグラフである。
【図7】本発明の一態様による絶対ゾーンおよび速度ゾーンを示す図である。
【図8】本発明の一態様による入力デバイスの上位機能ブロック図である。
【図9】図8に示す入力デバイスが発生する情報パケットの一実施形態を示す図である。
【図10】図8に示す入力デバイスが情報パケットを発生する際の動作を示すフロー図である。
【図11】本発明の一態様による情報パケットの処理を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の一態様による情報パケットの処理を示すフロー図である。
【図13】本発明の一態様による情報パケットの処理を示すフロー図である。
【図14】本発明の一態様による情報パケットの処理を示すフロー図である。
【図15】本発明の一実施形態による入力デバイスの分解図である。
【図16】図15に示す入力デバイスの一部の拡大図である。
【図17】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図18】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図19】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図20】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図21】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図22】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図23】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図24】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図25】本発明の一態様によるカム配列を示す図である。
【図26】本発明の一態様によるある人間工学的機構を示す図である。
【図27】本発明の一態様によるある人間工学的機構を示す図である。
【図28】本発明の一態様によるある人間工学的機構を示す図である。
【図29】本発明の一態様によるある人間工学的機構を示す図である。
【図30】本発明の一態様によるある人間工学的機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一態様によるシステム10の一部ブロック/一部概略図である。システム10は、入力デバイス14、コンピュータ表示装置15およびコンピュータ20を含む。
【0018】
尚、図示の一実施形態では、デバイス14は、ハンドルまたはその一部がその別の部分に対して移動可能な、あらゆる入力デバイス(ジョイスティックのような)として実現可能であることを注記しておく。しかしながら、簡略化の目的上、ここでは、図1に示すデバイス14の代表的な実施形態に関して論述を進めていく。
【0019】
コンピュータ入力デバイス14は、本発明の一実施態様によれば、それぞれ、第1および第2ハンドル部材16および18を備えている。部材16および18は、ユーザの手に納まるサイズとし、互いに対して移動可能である。図示の実施形態では、部材16および18は、全体的に22で示すリンケージによって接続してある。リンケージ22により、部材18は、部材16に対して、矢印24で概略的に示すヨー方向(即ち、X−軸に沿った横方向)に連動可能となっている。また、リンケージ22は、一例として、部材18がピッチ方向(Y軸に沿った上下方向)に、矢印26で全体的に示す方向に枢動可能とする。この運動、およびリンケージ22については、本明細書の後ろで更に詳しく説明する。加えて、コンピュータ入力デバイス14は、一例として、位置センサを含み、部材18の部材16に対する位置を検知する。
【0020】
本発明の代表的な一実施形態によれば、コンピュータ入力デバイス14には、ボタン28のアレイも備えている。代表的な一実施形態では、アレイ28は部材18上に4つのボタン、および部材16上に3つの追加ボタン(シフト・キーを含む)を含む。更に、コンピュータ入力デバイス14には、多元スイッチ入力デバイス30(方向パッドまたはハットスイッチ等)、および1つ以上のトリガ32備えている。また、図1は、コンピュータ入力デバイス14の部材16および18は、細長ハンドル部分34および36も含むことができ、これらは下方向にボタン・アレイ28から遠ざかるように延び、ユーザの手の中に快適に納まるサイズであることも示す。
【0021】
コンピュータ入力デバイス14は、コントローラを含む。このコントローラは、種々のボタン、トリガおよび多元スイッチ入力デバイスを示す情報、ならびに位置センサからの情報を受け取り、この情報を示す情報パケットを発生する。情報パケットをコンピュータ20に供給する(その一実施形態については、図2において更に詳細に説明する)。コンピュータ20は、一例として、ゲームまたは入力デバイス14からのパケット内にある情報を利用するその他のプログラムのようなアプリケーション・プログラムを含む。コンピュータ20は、入力デバイス14からのパケット内にある情報を、コンピュータ20上で走るアプリケーション・プログラムに供給するように動作し、この情報を用いて表示装置15上に表示されているオブジェクトを操作する。代表的な実施形態では、コンピュータ20はパーソナル・コンピュータであり、表示装置15は、CRT型モニタ(テレビジョン・ディスプレイ、LCDディスプレイ、プラズマ・ディスプレイ等を含む)のようないずれの形式のディスプレイとしてもよい。代替実施形態では、コンピュータ20は、Nintendo(任天堂)、Sega(セガ)、Sony(ソニー)およびその他が製造する多くのゲーム専用コンピュータの1つのような専用コンピュータ、あるいは専用シミュレーションまたは制御コンピュータとすることも可能である。このようなコンピュータの中には、Sega DreamcastおよびSony Playstationという名称で販売されているものがある。
【0022】
勿論、コンピュータ入力デバイス14からコンピュータ20に供給する情報パケットは、コンピュータ20(およびその上で走るアプリケーション・プログラム)が用いて、表示装置15以外の別の項目を制御することも可能である。しかしながら、明確化のために、本発明の説明は、主に表示装置15の制御に関して行うことにする。
【0023】
図2を参照すると、本発明の環境例は、従来のパーソナル・コンピュータ20の形態の汎用計算機を含む。パーソナル・コンピュータ20は、演算装置38、システム・メモリ39、およびシステムメモリないし演算装置38までを含む種々のコンピュータ・コンポーネントを結合するシステム・バス40を含む。システム・バス40は、種々のバス・アーキテクチャのいずれかを用いたメモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、およびローカル・バスを含む、数種類のバス構造のいずれでもよい。システム・メモリは、リード・オンリ・メモリ(ROM)41、およびランダム・アクセス・メモリ(RAM)42を含む。起動中等においてパーソナル・コンピュータ20内のエレメント間の情報転送に供する基本ルーチンを収容する基本入出力システム(BIOS)43は、ROM41に格納してある。また、パーソナル・コンピュータ20は、ハード・ディスク(図示せず)の読み取りおよび書き込みを行うハード・ディスク・ドライブ44、リムーバブル磁気ディスク46の読み取りおよび書き込みを行う磁気ディスク・ドライブ45、ならびにCD−ROMまたはその他の光媒体のようなリムーバブル光ディスク48の読み取りおよび書き込みを行う光ディスク・ドライブ47も含むことができる。ハード・ディスク・ドライブ44、磁気ディスク・ドライブ45、および光ディスク・ドライブ47は、それぞれ、ハード・ディスク・ドライブ・インターフェース49、磁気ディスク・ドライブ・インターフェース50、および光ディスク・ドライブ・インターフェース51によって、システム・バス40に接続してある。これらのドライブおよびそれに関連するコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、およびパーソナル・コンピュータ20用のその他のデータの不揮発性格納を行う。
【0024】
ここに記載する環境の一例は、ハード・ディスク、リムーバブル磁気ディスク46およびリムーバブル光ディスク48を採用するが、磁気カセット、フラッシュ・メモリ・カード、ディジタル・ビデオ・ディスク、ベルヌーイ・カートリッジ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)等のような、コンピュータによるアクセスが可能なデータを格納することができる、他の種類のコンピュータ読み取り可能媒体も、動作環境の一例において使用可能であることは、当業者には認められよう。
【0025】
多数のプログラム・モジュールを、ハード・ディスク、磁気ディクス46、光ディスク48、ROM41またはRAM42上に格納することができ、オペレーティング・システム52、1つ以上のアプリケーション・プログラム53、その他のプログラム・モジュール54、およびプログラム・データ55を含む。ユーザは、キーボード56、ポインティング・デバイス57のような入力デバイスによって、コマンドおよび情報をパーソナル・コンピュータ20に入力することができる。他の入力デバイス(図示せず)として、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星ディッシュ(satellite dish)、スキャナ等を含むことができる。これらおよびその他の入力デバイスは、多くの場合、システム・バス40に結合してあるシリアル・ポート・インターフェース58を介して、演算装置38に接続しているが、サウンド・カード、パラレル・ポート、ゲーム・ポートまたはユニバーサル・シリアル・バス(USB:universal serial bus)のようなその他のインターフェースによって接続することも可能である。モニタ16または別の種類の表示装置も、ビデオ・アダプタ59のようなインターフェースを介して、システム・バス40に接続する。モニタ16に加えて、パーソナル・コンピュータは、通常、スピーカやプリンタのような、その他の周辺出力デバイス(図示せず)を含むこともできる。
【0026】
パーソナル・コンピュータ20は、リモート・コンピュータ60のような1つ以上のリモート・コンピュータへの論理接続を用いて、有線またはワイヤレス・ネットワーク環境で動作することも可能である。リモート・コンピュータ60は、別のパーソナル・コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、またはその他のネットワーク・ノードとすることができ、通常、パーソナル・コンピュータ20に関して先に記載したエレメントの多くまたは全てを含むが、メモリ記憶装置61だけを図2に示す。図2に示す論理接続は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)62およびワイド・エリア・ネットワーク(WAN)63を含む。このようなネットワーク環境は、事務所、企業規模のコンピュータ・ネットワーク・イントラネットおよびインターネットでは一般的である。
【0027】
LANネットワーク環境で用いる場合、パーソナル・コンピュータ20は、ネットワーク・インターフェースまたはアダプタ64を介して、ローカル・ネットワーク62に接続する。WANネットワーク環境で用いる場合、パーソナル・コンピュータ20は通常モデム65またはインターネットのようなワイド・エリア・ネットワーク63上で通信を確立するその他の手段を含む。モデム65は、内蔵型でも外付け型でもよく、シリアル・ポート・インターフェース58を介してシステム・バス40に接続する。ネットワーク環境では、パーソナル・コンピュータ20に関して図示したプログラム・モジュールまたはその一部をリモート・メモリ記憶装置に格納することも可能である。図示のネットワーク接続は一例であり、コンピュータ間に通信リンクを確立するその他の手段も使用可能であることは認められよう。
【0028】
コンピュータ20が専用コンピュータである場合、個々のアーキテクチャは、図2に示すものと異なる場合もあり得る。しかしながら、その相違が重大な結果を招くことはない。このようなコンピュータは全て、コンピュータ・ソフトウエアおよび/またはハードウエアを実行する機構を含む。この機構は、入力デバイス14から情報を受け取り、受け取った情報を利用してソフトウエアおよび/またはハードウエアの挙動または外観を変更する。多くの場合、この結果、表示装置上で視認可能な変化が生ずる。
【0029】
図3ないし図5は、本発明の一態様による位置検知を示す。図3において、コンピュータ入力デバイス14は、表示装置15上の表示100に関係付けて示してある。図3は、表示100が表示装置15上に表示可能な3D仮想環境の一部に過ぎないことを示す。XおよびY回転軸双方に沿って部材16に対して部材18を実質的に中心の位置におくと、表示中の三次元仮想環境の部分は、図3に示すように、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの中央部分となる。
【0030】
しかしながら、図4は、コンピュータ入力デバイス14の平面図を示し、部材18を部材16に対して、矢印24で示すX方向に、概略的に回転軸102を中心として枢動可能であることを示す。デバイス14をジョイスティックとして実施する場合、軸102を中心とする枢動は、例えば、ジョイスティックの横方向の移動に対応付けることができる。部材18をある所定の運動範囲内で軸102を中心として枢動させると、コンピュータ入力デバイス14は、軸102を中心とした、部材16に対する部材18の相対的な位置を示す情報を含む情報パケットを形成する。この情報は、コンピュータ20(およびその上で走るアプリケーション)が表示装置15上にある表示の視点を制御するために用いることができる。
【0031】
例えば、所定の運動範囲内で軸102を中心として部材18を回転させると、一例として、図4における矢印104で示す方向に対応して視点をずらすことができる。部材18を軸102を中心として反時計回りに連動させると、図4における番号100Aで示す位置に向けて視点をずらすことができる。同様に、部材18を軸102を中心として時計回り方向に連動させると、図4に示す位置100Bに向けて視点をずらすことができる。このように、部材18の部材16に対する絶対移動は、図4に示すように、表示する視点の絶対移動にマップされる。勿論、この同じ形式のマッピングは、デバイス14をジョイスティックのような別の方法で実施する場合も得ることができる。
【0032】
図5は、コンピュータ入力デバイス14の側面図である。図5は、代表的な一実施形態において、コンピュータ・デバイス14の部材18が、軸102(図4に示す)を中心として連動可能なだけでなく、矢印26で示すピッチ方向即ちY方向にも軸106を中心として回転可能であることを示す。デバイス14がジョイスティックである場合、軸106を中心とする回転は、前から後ろへ(または後ろから前)へのジョイスティックの移動に対応する。部材18が矢印26で示す方向に揺動する(pitch)と、所定の運動範囲内に留まっている限り、表示装置15上に表示されるファースト・パーソン・パースペクティブは、矢印108で示す方向に対応して移動する。例えば、部材18を(図3を参照して)反時計回り方向に回転させると、ファースト・パーソン・パースペクティブは、図5における番号100Cが示す位置に向かって上方向にシフトする。同様に、軸106を中心として(この場合も図5を参照して)時計回り方向に部材18を回転させると、表示装置15上のファースト・パーソン・パースペクティブは、概略的に番号100Dで示す位置に向かって、というように下方向にシフトする。このように、部材18は所定の運動範囲内で軸106を中心に回転する限り、部材16に対する部材18の絶対移動は、表示装置15上に表示されるファースト・パーソン・パースペクティブの絶対移動にマップすることができる。この種のマッピングは、デバイス14を例えばジョイスティックとして実施する場合にも行うことができる。
【0033】
勿論、軸102または106のいずれかを中心とする部材18の部材16に対する絶対移動は、直接マップしたり、あるいは上方向または下方向にスケーリングして、表示装置15上に表示されるファースト・パーソン・パースペクティブの絶対移動を与えることができる。例えば、部材18の軸102または106のいずれかを中心とする5度の回転は、表示デバイス15上に表示される仮想環境におけるファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの20度の回転に対応付けることができる。いずれの望ましいスケーリング・ファクタ(1:1を含む)でも使用可能である。
【0034】
部材18が軸102または016のいずれかを中心として所定の運動範囲を超えて移動した場合(またはジョイスティックが所定の運動範囲を超えて横方向にまたは前方にまたは後方に移動した場合)、このような移動はもはや表示装置15上に表示されるファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの絶対移動にも絶対位置にもマップされない。代わりに、この移動は、一例として、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの連続移動に対応する。例えば、部材18を矢印24(図4に示す)で示す方向に軸102を中心として、所定の運動範囲を超える量だけ連動させた場合、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは、部材18が所定の運動範囲内に戻されるまで、部材18の移動方向に連続的にスピンするように現れる。これを図6および図7に更に詳細に示す。
【0035】
図6は、代表的な一実施形態において、ユーザが感じる、このような回転に対応する物理的な力に対してプロットした、軸102または106いずれかを中心とする運動の範囲(度を単位とする回転)を示す。運動範囲は、異なる3つの範囲即ち挙動ゾーン110、112および114に分割して示すが、これよりも多いゾーンまたは少ないゾーンを異なるプロファイルで使用することも可能である。ユーザが範囲110内で部材18を回転させると(代表的な一実施形態では、これは、中心に位置する中立位置に対して約+または−30度であるが、いずれの所望の範囲でも使用可能であり、範囲は、望ましければ、中立位置に対して非対称でもよい)、ユーザは、一例として、ゾーン110全体にわたっての移動に対する軽い一定の抵抗のある、粘性流体運動を知覚する。しかしながら、中心復帰力もゾーン110内に与えることも可能である。ユーザが部材118をいずれかの方向にゾーン110の境界を超えて回転させると直ぐに、ユーザは、一例として、増加した力のように、移動に対する異なる抵抗を受ける。したがって、ユーザが約+30度の運動範囲を超えて、例えば、範囲112内に部材118を回転させると、ユーザが部材118をその最大正運動範囲(例えば、約+40度)にわたって回転させ続けるに連れて、受ける物理的抵抗が増大する。同様に、ユーザが部材118を中立から約−30度を超えて移動させゾーン114に入ると、ユーザは、ゾーン114を通じてその全運動範囲(例えば、約−40度)にわたって、連続回転に対して増大する抵抗を受ける。尚、いずれかまたは全てのゾーンは、中心復帰力を有するような構成も同様に可能であることも注記しておく。更に、ゾーンのいずれかまたは全てにおいて、別の非線形または段階的な力プロファイルを用いることも可能である。力は、いずれのゾーンにおいても増大し次いで減少することができる。また、中央ゾーン110は、一定の力プロファイルを呈する必要はない。単に例示の目的のために、外側のゾーンには線形でしかも増大する力プロファイルを示し、中央ゾーンには線形で一定の力プロファイルを示す。
【0036】
代表的な一実施形態では、図6に示す力プロファイルを得るには、カムおよびカム・ホロワ構成を用いる。これについては、図17ないし図25に更に詳細に示し、以下で論ずる。しかしながら、所望の力プロファイルを得るのであれば、それ以外のいずれの構成でも使用可能である。例えば、圧縮または伸長ばね、流体充填ダッシュポット、空気力または水力システム、空気−水力混合システム(air-over-hydraulic system)、あるいはその他の抵抗変動アセンブリまたはバイアス部材を用いることができる。
【0037】
図7は、本発明の一態様による異なる挙動ゾーン(例えば、絶対および速度移動ゾーン)を示す。図7は、図6および図3ないし図5と関連付けて説明する。図7は、部材118の軸106を中心とする揺動運動(またはY−軸移動)、および部材18の軸102を中心とするヨー運動(即ち、X軸移動)のプロットである。図7のプロットは、3つの制御帯即ち挙動ゾーン、それぞれ、116、118、および120に分割してある。しかしながら、これ以上またはこれ以下の挙動ゾーンも同様に使用可能である。挙動ゾーンは、部材18の軸106を中心とする揺動運動(Y−軸移動)を表わす軸および部材18の軸102を中心とするヨー運動(X−軸移動)を表わす軸に対して、デバイス14をジョイスティックとした場合についてプロットしたものであり、このような挙動ゾーンは、ジョイスティックの前方/後方および横方向の移動にそれぞれ対応する。
【0038】
挙動ゾーン116は、部材18の部材16に対する運動の範囲中、中立即ち中心位置を概略的に表わす、中央帯である。尚、中央制御帯116は、図7における単一点または点の小集団のみによって、または点の大集団によって表わしてもよいことを注記しておく。挙動ゾーン118は、絶対位置決め制御帯であり、軸102および106を中心とした所定の運動範囲110に対応する。挙動ゾーン120は、速度制御ゾーンであり、所定の運動範囲110を超えたいずれかの方向における部材18の移動に対応する。
【0039】
制御帯は部材18の軸102または106のいずれかを中心とした回転に対して、同様に振る舞うことができるが、簡略化のために、軸102を中心とする部材18の回転に関してこの論述を進めるだけに止める。ユーザが部材18を部材16に対して軸102を中心としてゾーン118内で移動させると、デバイス14は、部材16および18の相対的位置を示す情報をコンピュータ20に供給し、表示装置15がゲームの仮想環境を表示している実施形態では、コンピュータ20はファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューを絶対的に左または右のいずれかに、部材18の軸102を中心とする回転と同じ方向にシフトさせる。したがって、ユーザが部材18を例えば軸102を中心として+5度中央帯116に対して回転させた場合、コンピュータ20は、ファースト・パーソン・パ
ースペクティブ・ビューを、図4に示すように、所定距離だけ右にシフトさせる。尚、部材18の5度の移動は、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの同量の移動、または異なる移動量のいずれにも対応付け可能であることを注記しておく。しかしながら、部材18の絶対移動は、一例として、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの絶対移動に直接マップするものとする。
【0040】
部材18の軸102を中心とする移動が挙動ゾーン118から出て挙動ゾーン120に入った場合、部材18の絶対移動はもはやファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの絶対移動にはマップされない。代わりに、ゾーン120内における部材18の移動は、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの、軸102を中心とする部材18の回転の方向に対応する方向への連続移動を形成する(establish)。言い換えると、ユーザが部材18を軸102を中心として時計回り方向に回転させてゾーン120に入った場合、図4に示すファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは右にスピンし始める。ユーザが部材18をゾーン120内の固定位置に保持する限り、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは、一定速度で右にスピンし続ける。
【0041】
代表的な一実施形態では、ゾーン120を複数の副制御帯に分割する。したがって、ユーザが部材18を軸102を中心として更に回転させてゾーン120に入れると、部材18は副制御帯を通過し、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは各ゾーン毎に高速化してスピンする。このように、ゾーン120における速度プロファイルは、部材18が副制御帯を移動する毎に段階的に上昇する。同様に、代替実施形態では、ゾーン120の速度プロファイルは、線形増加関数または非線形増加(例えば、指数または二次)関数、あるいは連続低に増加するのではなく最初に増加し、次いで一定となるかまたは減少する線形または
非線形関数で表わすことも可能である。速度プロファイルの形状も、ユーザによって選択可能または調節可能である。この場合、ユーザには、種々の異なる所定プロファイルから選択する機会、即ち、プロファイル形状を指定することによってプロファイルをカスタム化する機会を与えるようにするとよい。
【0042】
ユーザが部材18を更に回転させてゾーン120内に進めていくに連れて、一例として、図6に示す力プロファイルにおける運動範囲112によって示すように、デバイス内の軸を中心とした回転に対して、ユーザが受ける物理的な抵抗も増大していくことが認められよう。したがって、速度が高くなる程、直感的に、物理的な抵抗の増加に結び付き、速度ゾーン内部への所与の回転に対応する速度に対して、ユーザに接触フィードバックを与える。勿論、再度述べておくべきは、他の力プロファイル(例えば、傾斜を一層急にまたは緩やかにしたもの、非線形、段階状等)もこれらのゾーンに使用可能であるということである。これらの場合、接触フィードバック(力プロファイル)は、全体的に速度プロファイルに一致するように構成しても、一致しないように構成してもよい。
【0043】
ユーザが部材18を軸102を中心に反時計回り方向に、挙動ゾーン118および120間の境界に向かって戻るように回転させ始めると、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューがスピンする速度は、その方向の速度プロファイルに追従する。したがって、図示の実施形態では、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューがスピンする速度は低下する。ゾーン120からゾーン118に戻る遷移は、多くの異なる方法で処理可能である。例えば、絶対的位置決めを再開する前に、制御帯120を出るときに、部材18を中央即ち中立位置116に置くことが望ましい場合がある。その場合、ユーザが部材18を軸102を中心として反時計回りに回転させるに連れて、ゾーン118および120間の境界を、ゾーン118および116間の境界と一致するように、移動させることができる。したがって、中央ゾーン116の境界まで部材18を軸102を中心として絶えず回転させている間は、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは、速度を低下させつつスピンし続ける。次いで、ゾーン120および118間の境界をその元の位置(図7に示す)に再度確立し、ユーザは、先に論じたように、ゾーン118内における絶対的位置決めを再開することができる。
【0044】
別の代表的実施形態では、ゾーン120からゾーン118への遷移を、異なる方法で処理する。その実施形態では、ユーザが部材18を反時計回りに回転させ、ゾーン118の境界を交差すると、ユーザは単に不感帯に遭遇し、ユーザが部材18を反時計回りに回転させ続け中央ゾーン116内に入るまで、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューの移動を知覚しない。言い換えると、ユーザが部材18を軸102を中心として反時計回り方向に回転させゾーン120の境界を越えゾーン118に入ると、ファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューはスピンを停止し、ユーザがゾーン118を通って中央ゾーン116に向かって部材18を回転させ続けても、全く移動しない。一旦ユーザが部材18をゾーン116内で再度中心に位置付ける(recenter)と、通常の位置決めが再開される。
【0045】
更に、代替実施形態では、制御を切り替えるために部材18をゾーン118内の中心に位置付ける必要はない。言い換えると、部材18をゾーン120からゾーン118に戻し次第、絶対移動制御を再開する。また、これを行う境界は、運動範囲に沿った望ましい地点であれば、実質的にどこにでも設定することができる。尚、この点はユーザによって選択可能または調節可能とするとよいことも注記しておく。
【0046】
図8は、ユーザ入力デバイス14の一実施形態のブロック図である。図8は、ユーザ入力デバイス14が、コントローラ124、XおよびY位置センサ126および128、較正回路130、ボタン・アレイ・スイッチ、トリガ・スイッチおよびマルチ・スイッチ入力デバイス30に対応するスイッチ(全てを集合的に番号132で示す)、ならびにゾーン較正回路134を含むことを示す。
【0047】
XおよびYセンサ126および128は、回転式ポテンショメータである。勿論、センサ126および128は、光学式または機械式エンコーダ、容量式センサ、電磁センサ等のような、他の種類のセンサとすることも可能である。センサ126および128をポテンショメータとした場合、センサ126では、一例として、部材16に抵抗部分を結合し、部材18にワイパー部分を結合してある(あるいはその逆)。したがって、部材18をピッチ軸106を中心として回転させると、センサ126を具体化するポテンショメータの抵抗値が変化する。同様に、センサ128では、一例として、抵抗部分を部材16に結合し、ワイパー部分を部材18に結合してある(またはその逆)。したがって、部材18を軸102を中心として回転させると、センサ128を具体化するポテンショメータの抵抗値が変化する。このように、センサ126および128は、部材18の部材16に対するXおよびY(ピッチおよびヨー)位置を示す信号を与える。
【0048】
同様に、デバイス14をジョイスティックとした場合、センサ126および128は、ジョイスティックの横方向および前方/後方移動を検知するために使用する従来のセンサ構成であれば、そのいずれとすることも可能である。このような構成の1つが、米国特許第5,694,153号に明示されている。その内容は、この言及により本願にも全体が含まれるものとする。
【0049】
センサ126および128からの信号は、アナログ/ディジタル(A/D)変換器136に供給する。代表的な実施形態では、変換器はマイクロコントローラ124と一体化する。勿論、その他の個別A/D変換器も同様に使用可能である。A/D変換器136は、センサ126および128からのアナログ・センサ信号を、ディジタル信号に変換し、マイクロコントローラ124に供給する。
【0050】
センサ126および128を較正するために、コンピュータ入力デバイス14は、一例として、検査固定具に配置する。これは、部材18を部材16に対して正確に既知の角度に回転するように操作することができる。正確に既知の角度において、センサ較正回路130を用いて、センサ126および128が出力する値を所望値に設定する(トリムする等)。代表的な一実施形態では、回路130は、センサ126および128の出力値をトリムするように構成したトリム・ポテンショメータの回路である。他の較正回路も、ハードウエアまたはソフトウエアのいずれでも、同様に使用可能である。例の中には、光学式エンコーダを物理的に方位付けし直し、プログラマブル電源をプログラムしたり、あるいは一旦信号をディジタル形態に変換したならばディジタル・オフセットを与えることを含むものもある。
【0051】
ボタン・アレイ、トリガおよびハットスイッチのスイッチ132は、代表的な一実施形態では、単に、スイッチ・アレイから成り、それらの閉鎖を示す信号をマイクロコントローラ124に供給する。したがって、アレイ28またはトリガ32、あるいはハットスイッチ30に関連するボタンのいずれかを押下すると、これらのボタンおよびトリガは、スイッチを閉鎖し、これをマイクロコントローラ124が検知する。
【0052】
ゾーン較正回路134を用いて、絶対位置決めゾーンおよび速度位置決めゾーン(図7に示した挙動ゾーン118および120に関して説明した)間のゾーン境界を設定する(トリムするかあるいはその他の方法で精度高く設定する)。人間工学的またはその他の理由のために、XおよびY軸を中心とする運動の最大範囲が、最大で+/−40度程度となるようにすることが望ましいであろう。その場合、センサ126および128の出力を調節し、センサが出力する最大信号が、部材18の部材16に対する適切な軸を中心とする運動(即ち、移動)の最大範囲に対応するようにする。
【0053】
同様に、ゾーン118(絶対位置ゾーン)およびゾーン120(速度位置ゾーン)間の遷移についても、これらのゾーン間の遷移が直接、ユーザが知覚する力の増大(図6に示す力プロファイルで表わすように)に対応するように精度高く較正することが望ましいと考えられる。したがって、力の増大が知覚される境界位置に部材18を回転させ、センサ126および128による出力である値を所望の値に設定する。これは、歪みゲージを組み込んだテキスト固定具(text fixture)、またはその他の歪み測定デバイス内にコンピュータ入力デバイス14を配置し、ユーザ入力デバイスが絶対位置決めゾーンおよび速度位置決めゾーン間の遷移位置に到達したときをテキスト固定具が識別できるようにすることによって、行うことができる。センサ較正回路130の場合と同様、ゾーン較正回路134は、センサ126および128の出力を所望のレベルにトリムするように構成したトリム・ポテンショメータを用いて実施することができる。勿論、代わりの較正(ハードウエアまたはソフトウエアのいずれでもよい)も同様に使用可能である。例えば、センサが光学式エンコーダである場合、これらは方位付けし直すことができる。また、ディジタル・オフセットを備える等とすることができる。
【0054】
また、マイクロコントローラ124には、コンピュータ20に結合するのに適した出力も備えている。代表的な一実施形態では、マイクロコントローラ124が供給する出力は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)プロトコルにしたがって供給する。同様に、USB変換ケーブルをマイクロコントローラ124およびコンピュータ20間に結合し、必要なデータ送信に対処することができる。別の代表的な実施形態では、マイクロコントローラ124の出力は、ゲーム・ポート・プロトコルまたはその他の所望のプロトコルのいずれかにしたがって供給する。
【0055】
図9は、マイクロコントローラ124が用意し、コンピュータ20に送信するデータ・パケット136を示す。データ・パケット136はシリアルまたはパラレルのいずれでもコンピュータ20に送信することができるが、データ・パケット136の実体を、5つの8ビット・バイト情報に関して図9に示す。これらのバイトには、パケット136の左側の列に沿ってバイト0ないしバイト4と記してあり、ビットには、パケット136の最上行に沿ってビット0ないし7と記してある。
【0056】
センサ126および128からの信号は、A/D変換器136によって、一例として10ビット分解能を有するディジタル・ワードに変換する。これは、部材18の部材16に対する位置を表わす。勿論、8ビット分解能またはその他のいずれの所望の分解能も、同様に使用可能である。10ビット分解能データは、(センサ128に対して)ビットX0〜X9、および(センサ126に対して)ビットY0〜Y9で表わしてある。この情報は、バイト0、ビット位置0から始まりバイト2、ビット位置3で終わるパケット136内に含まれる。
【0057】
A/D変換器136からの値に基づき、マイクロコントローラ124は、ユーザが部材18を回転させて速度制御ゾーン120に入ったか否か、または部材18は相変わらず絶対位置決めゾーン118内にいるか否かについて判定を行うことができる。それぞれバイト2、ビット位置4および5内にあるビットZBXおよびZBYは、部材18が絶対位置決めゾーンまたは速度位置決めゾーンのどちらにあるかについての判定に対応する。それぞれバイト2、ビット位置4および5に位置するビットZBXおよびZBYは、部材が絶対位置決めゾーンまたは速度位置決めゾーンのどちらにあるのかに対する判定に対応する。例えば、ZBXビットが0にセットされている場合、これは、部材18がX(即ちヨー)方向の絶対位置決めゾーン内にあることに対応する。このビットが1にセットされている場合、これは、部材18が軸102を中心として回転し、所定の運動範囲を越えて速度ゾーンに入ったことを示す。したがって、ビットX0〜X9が示す値は、部材118が速度ゾ−ンにおいて中立の正側または負側のどちらにあるのかを示す。バイト2ビット位置5におけるZBYビットは、同様に、部材18のY方向(即ち、ピッチ軸106を中心とする)の回転に対応する。
【0058】
バイト2内のビット位置6および7は未使用である。バイト3、ビット位置0〜6にあるビットB0〜B6は、ボタン・アレイ28内のボタンに対応するスイッチの閉鎖状態を示す。バイト3,ビット位置7およびバイト4ビット位置0にそれぞれ位置する信号T0およびT1は、トリガ32に関連するスイッチの閉鎖状態を示す。
【0059】
バイト4内のビット1、2および3は未使用である。バイト4、ビット位置4〜7において、多元スイッチ・デバイス30の状態を表わす値を与える。図示の実施形態では、デバイス30はハットスイッチである。したがって、関連するビット位置におけるビットには、H0〜H3と記してある。以下の表は、ビットH0〜H3によって表わすハットスイッチ30の位置を示す。
【0060】
【表1】

【0061】
図10は、図8に示したマイクロコントローラ124によるパケット136の形成を示すフロー図である。コントローラ124は、XおよびY位置情報を受け取り、フィルタリングする。これをブロック138で示す。XおよびY位置情報をフィルタリングする際、コントローラ124は、代表的な一実施形態では、センサから受け取ったデータをオーバーサンプルし、スムージングする。このデータを、コントローラ124内に実装したフィルタリング・ロジックに供給することができる。フィルタリング・ロジックは、一例として、ロー・パス・フィルタリング技法を用い、大きな、即ち異常な、スパイクを除去することことができる。一旦データを受け取りフィルタリングしたなら、これをコントローラ124(または関連するメモリ)に格納し、後にデータ・パケット136を作成する。
【0062】
また、コントローラ124は、ボタン、トリガ、およびハットスイッチに関連するスイッチ・アレイ132を周期的にポールし、このようなスイッチに関連するデータを取得する。スイッチ132からのデータにも、一例として、アンチ・ジッタおよびオーバーサンプルを行い、信号のロバスト性を改善する。これをブロック140で示す。
【0063】
次に、コントローラ124は、センサ126および128からの位置情報に基づいて、入力デバイス14がX軸に対して速度ゾーンにあるか否かについて判定を行う。これをブロック142で示す。ある場合、コントローラ124はパケット136内のバイト2、ビット位置4に位置するZBXビットをセットする。これをブロック144で示す。
【0064】
次に、コントローラ124は、入力デバイス14がY軸に対して速度ゾーンにあるか否かについて判定を行う。これをブロック146で示す。ある場合、コントローラ124はパケット136内のバイト2,ビット位置5にあるZBYビットをセットする。これをブロック148で示す。次に、コントローラ124は、ブロック150で示すように、パケット136の残りの部分を組み立て、ブロック152で示すように、適切なプロトコルにしたがってこのパケットをコンピュータ20に送信する。
【0065】
図11は、パーソナル・コンピュータであるコンピュータ20の代表的な一実施形態上におけるパケット136の受信および処理を示す機能ブロック図である。他の実施形態におけると同様、コンピュータが専用コンピュータである場合、処理は多少異なる場合もあるが、同様の結果が得られる。図11は、コンピュータ入力デバイス14、バス・レベル・レイヤ153、第1バス・ドライバ154、リマッパ(re-mapper)156、アプリケーション・インターフェース158、および1つ以上のアプリケーション162、164および166で構成することができるアプリケーション・レイヤ160を示す。図11に示すシステムの動作について論ずる前に、従来のUSBプロトコルによれば、デバイスはヒューマン・インターフェース・デバイス(HID)として分類可能であることを注記しておく。更に、機能デバイス・オブジェクト(FDO:functional device object)は、次のプログラム・モジュールまたはデバイスを示すデータ、どのようにデータを処理するかに関する情報を収容することができる。FDOは、主に、生データを受信側モジュールまたはデバイスが見ることを予想するものに変換する変換器である。物理デバイス・オブジェクト(PDO)は、データを収容し、受信側デバイスまたはモジュールがコールしそのデータにアクセスすることができる関連のメソッドを収容するオブジェクトである。フィルタ・デバイス・オブジェクト(FiDO)は、データを試験することができ、有る設定値(レジストリ内の設定値等)に基づいて、受信側が使用できる形態にデータを配列するためにはデータに何をすべきかについて判定することができる。FDO、PDO、およびFiDOは、全て従来からのオブジェクトデあり、当業者には公知である。
【0066】
動作において、デバイス14は最初に、先に図9および図10に関して論じたように、パケット136を組み立てる。次に、コンピュータ20上のバス・レベル・レイヤ153にこのパケットを渡す。バス・レベル・レイヤ153は、標準的なUSBレイヤであり、データを受け取り処理スタックを介してデータを第1バス・ドライバ154に送るように作用する。
【0067】
第1バス・ドライバ154は、HIDCLASSドライバ・ラッパ(driver wrapper)で包まれたドライバである。入力デバイス14から受け取ったパケットは、代表的な一実施形態では、ジョイスティック型データ・パケットである。他のデータ・パケット(例えば、マウス、キーボード等)も同様に使用可能である。したがって、第1バス・ドライバ154は、パケットをジョイスティック型データ・パケットとして識別し、ジョイスティックPDOを作成し、作成したPDOに情報を引き継ぐFDOを含む。次に、ジョイスティックPDOは、スタックの上位にある、リマッパ156に情報を渡す。
【0068】
リマッパ156は、プログラム・モジュールであり、その代表的な一実施形態はGCKERNEL.SYSと呼ばれ、アプリケーション・レイヤ160における最終的な受信側アプリケーションが必要とするオブジェクトを作成する。例えば、パケット136内の情報はコンピュータ20にジョイスティック・パケットとして入ってくるので、そして多くのゲーム・アプリケーションはマウスおよび/またはキーボード操作によって視点情報を伝達する必要があるので、リマッパ156は、アプリケーション・レイヤ160におけるその後の使用のために、ジョイスティック情報をマウスおよび/またはキーボードPDOにリマップする必要があるか否かについて判定を行う。
【0069】
リマッパ156は、第1バス・ドライバ154において、PDO155からの情報を受け取るFiDO170を含む。FiDO170を図11の分解部分に概略的に示す。FiDO170は、入力ポート172において情報を受け取り、これを正しいPDOに送る。FiDO170は次に、この種の入力クラスを割り当てたか否かについて判定を行う。これをブロック174および176で示す。このような割り当てが行われていない場合、これは、受信側アプリケーションおよびアプリケーション・レイヤ160が単にその情報をジョイスティック情報として見ようとしていることを意味し、この情報をFiDO170を介して直接出力ポート178に渡し、ここから(矢印180で示すように、アプリケーション・レイヤ160に)送信する。
【0070】
しかしながら、割り当てブロック174において、この特定種類の入力クラスをマウス・パケットに割り当ててあった場合、FiDO170はこの情報をマウス・カーブ・フィルタ182に供給し、その中に含まれている適切なデータでマウスPDOを作成する。このような仮想マウスPDOを、リマッパ156内の184で示す。次に、マウスPDOを、後述するアプリケーション・インターフェース158に渡す。
【0071】
更に、FiDO170が、アプリケーション・レイヤ160内の受信側アプリケーションがキーボード操作に関する情報を見ようとしていると判定した場合、情報をマクロ・キュー186に供給し、キーストリークをボタン押下に割り当てる。これは、リマッパ156内に番号188で示す、仮想キーボードPDOを作成するように作用する。次に、この情報を再度出力ポート178に供給し、ここからアプリケーション・インターフェース158に送信する。
【0072】
デバイス14から受け取ったジョイスティック型データ・パケットを実際に仮想マウスまたは仮想キーボードPDOに変換した場合、これをアプリケーション・インターフェース158に供給する。アプリケーション・インターフェース158(代表的な一実施形態では、HIDSWVD.SYSとも呼ぶ)は、アプリケーション・レイヤ160が予想するマウスまたはキーボード・データに対して特定の形態で情報を収容するPDOを作成する。
【0073】
したがって、リマッパ156は、一方のパイプ(例えば、ジョイスティック・パイプ)を通じて受け取ったデータを、別のパイプ(例えば、マウスおよび/またはキーボード・パイプ)に分割するように機能する。これによって、リマッパ156は、アプリケーション・レイヤ160内の特定のアプリケーションが何を受け取ることを予想しているかにしたがって、ジョイスティック・データをマウス・データまたはキーボード・データあるいは双方の組み合わせに変装させる(masquerade)。
【0074】
また、リマッパ156は別の機能も実行する。リマッパ156は、データを試験し、当該データが、部材18がメンバ16に対して絶対または速度ゾーンのどちらにあることを示しているのかについて判定を行う。絶対ゾーンにある場合、リマッパ156は単にアプリケーションに(恐らくアプリケーション・インターフェース158を介して)、現在位置と最後の位置との差を表わす差分値、および最後の位置からのオフセットの方向を渡す。アプリケーション・レイヤ160内のアプリエーション・プログラムは、次に、視線表示(または、ディスプレイ装置15上に表示中の他のいずれかのオブジェクト)を更新することができる。同様に、リマッパ156が、部材18が連続即ち速度ゾーンにあると判定した場合、リマッパ156は、所定の差分値をアプリケーションに送り、部材18が速度ゾーン内にあることを示すパケットがデバイス14から受信される限り、そのデータを送り続ける。また、勿論、前述のように、速度ゾーンを多数の副帯またはサブ・ゾーンに分解する場合、部材18が現在位置する個々のサブ・ゾーンに基づいて、変更値を変化させることができる。同様に、速度プロファイルが、先に論じたように異なる形状を有する場合、変更値をそれに応じて決定する。
【0075】
図12ないし図14は、リマッパ156の動作を更に示す。最初に、リマッパ156は、デバイス14から新たなパケットを受け取る。これをブロック190で示す。次に、リマッパ156はパケット内の位置情報を試験し、部材18が絶対ゾーンまたは速度ゾーンのどちらにあるかについて判定を行う。これをブロック192および194で示す。尚、XおよびY軸双方に対して、同じ試験および判定を行うことを注記しておく。しかしながら、簡略化のために、図12ないし図14に関しては、一方の軸についてのみ説明する。
【0076】
部材18が絶対ゾーンにない場合、これは、速度ゾーンにあることを意味し、リマッパ156は、速度ゾーン内のける部材18の部材16に対する現在位置に基づいて、変更値を決定する。これをブロック196で示す。次に、この変更値をアプリケーション・レイヤ160に(恐らく、アプリケーション・インターフェース158を介して)、新たな位置情報として出力する。これをブロック198で示す。尚、部材18が絶対ゾーンまたは速度ゾーンのどちらにあるかについて判定する際、リマッパ156はある種のヒステリシスを実装し、部材18が絶対ゾーンおよび速度ゾーン間の境界付近に位置する場合、これら2つのを行ったり来たりするのを回避してもよい。これについては、図6および図7に関して説明する。
【0077】
ブロック194において、リマッパ156が、部材18が絶対位置決めゾーン内にあると判定した場合、次に、リマッパ156は、部材18が丁度速度ゾーンから絶対位置決めゾーンに入ったところか否かについて判定を行う。その通りである場合、図7に関して説明したように、リマッパ156は、実際に速度ゾーン挙動から出る前に、ユーザに部材18を中心に位置付けさせたい場合がある。したがって、本発明の一実施形態によれば、リマッパ156は、ブロック200において、部材18が直前には絶対位置決めゾーンにいたか否かについて判定を行う。そうでない場合、部材18は速度ゾーンから絶対位置決めゾーンに入ったばかりであることを示す。この場合、リマッパ156は、絶対位置決めゾーンおよび速度ゾーン間の境界を、更に絶対位置決めゾーン側に移動させ、図7に示す中央ゾーン116の境界と一致させる。これをブロック202で示す。このように、リマッパ156は、部材18を所定の公称中央範囲内に位置付けるまで、部材18の速度ゾーン内における位置付けを示す値を供給し続ける。これらのゾーン間の境界を中央ゾーン116に移動したという事実が得られた場合、リマッパ156は、部材18の位置に基づいて、変更値を決定し、これをアプリケーションに送る。これをブロック204に示す。次に、この値は、新たな位置情報としてアプリケーション・レイヤ160に出力する。これをブロック198で示す。勿論、図6および図7に関して先に説明したように、これらゾーン間の遷移は、種々の異なる方法で処理することができる。これらは、リマッパ156によってそれなりに実施する。
【0078】
部材18が絶対位置決めゾーン内にあり、ユーザがそれを移動させてない場合、位置センサが与える実際の位置情報値は、ある許容度およびフィルタリング技法のために、数ビット位置だけ変動する可能性がある。リマッパ156がこれらを認識した場合、ディスプレイ15上に表示中のファースト・パーソン・パースペクティブ・ビューは、これら位置情報における、たいしたことがなく、不要な変化に基づいてジッタを生じたり、前後に行ったり来たりする場合がある。したがって、従来のジッタ・フィルタを採用し、変化の大きさがスレシホルド・レベル未満の場合には、位置情報の変化を無視することができる。
【0079】
しかしながら、変化を無視すると、分解能が低下する虞れがあり、その結果制御の平滑性を損なうことになる。例えば、ユーザが部材18を軸102を中心として連続的に時計回り方向に移動させている場合、ジッタ・フィルタを採用する必要は実質的にない。何故なら、各サンプル値は、以前の値よりも大きいからである。したがって、分解能を低下させる必要はない。
【0080】
この理由のために、ブロック200において、部材18が絶対位置決めゾーン内にあると判定し、前回のサンプリング間隔中絶対位置決めゾーン内にいた場合、リマッパ156は、スロープ・フラグがセットされているか否かについて判定する。スロープ・フラグは、2回以上の連続するサンプリング期間において部材18の位置が同じ方向に変化したことを示す位置情報を含む2つ以上の連続パケットを受信した場合、関連する軸を中心とする部材18の移動の方向を示すためにセットする。
【0081】
その通りである場合、ユーザが部材18を連続的に同じ方向に少なくとも2サンプリング間隔において移動させていることを示す。スロープ・フラグがセットされているか否かについての判定をブロック206で示す。スロープ・フラグがセットされていない場合、ユーザは部材18を一方向に2回以上の連続サンプリング間隔において連続的に移動させていないことを示す。その場合、リマッパ156はジッタ・フィルタを呼び出す(図12に関して詳細に説明する)。これをブロック208で示す。ジッタ・フィルタの出力に基づいて、リマッパ156は、ブロック198に示すように、新たな位置情報をアプリケーションに出力する。
【0082】
ブロック206において、スロープ・フラグがセットされている場合、リマッパ156は、部材18の位置変化が、直前のスロープと同じ方向か否かについて判定を行う。同じでない場合、ユーザは移動方向を切り替えたことを意味する。その場合、ブロック208で示すように、再度ジッタ・フィルタを呼び出すことが望ましい場合がある。位置変化が直前のスロープと同じ方向か否かについての判定を、ブロック210で示す。
【0083】
ブロック210において、部材18の位置変化が直前のスロープと同じ方向であると判定した場合、ユーザは単に同じ方向に部材を移動させ続けていることを意味し、ジッタ・フィルタを呼び出したり、その結果として分解能の低下を招く必要はない。したがって、リマッパ156は、その場合、ブロック198で示すように、単に新たな位置情報をアプリケーション・レイヤ160に出力する。
【0084】
一旦新たな位置情報をアプリケーションに供給したなら、アプリケーションはXY位置フィールドからの新たなデータおよび残りのデータ(ボタン・アレイ内のいずれかのスイッチの押下等)に基づいて、表示を変更する。これをブロック212で示す。
【0085】
図14は、ジッタ・フィルタの呼び出しをより良く示す。ジッタ・フィルタを呼び出すと、リマッパ156は、前回の値からの位置変化がスレシホルド・レベルよりも大きいか否かについて判定を行う。これをブロック214で示す。大きい場合、これは正当な位置変化に対応し、リマッパ156は新たな位置情報をアプリケーション・レイヤ160に供給する。これをブロック198で示す。しかしながら、ブロック214において、前回の値からの位置変化がスレシホルド・レベルを超過しないと判定した場合、リマッパ156は単にこの位置変化を無視する。これをブロック260で示す。
【0086】
図15は、コンピュータ入力デバイス14の代表的な一実施形態の分解図であり、その多数の機械的構造をより良く示すものである。図15は、通常の使用位置からひっくり返した位置におけるコンピュータ入力デバイス14を示す。図15は、入力デバイス14が、下側筐体220、および上側筐体222を有し、これらを組み立ての間に互いに接続することを示す。上側筐体222は、ボタンアレイ28の親指接触部分226を受容する複数の空洞224を有する。一方、親指接触部分226は、対応するプランジャ228を摩擦力で係合する。これらは、押下した場合、関連するプリント回路ボード230上に位置するスイッチ接点を閉じるように作用する。
【0087】
指係合トリガ(finger engaging trigger)32を、ポスト232に枢動自在に装着する。ポスト232は、上側筐体部分222に固着する。トリガ32は、延出するプランジャ234を有し、トリガ32を押下した場合、プリント回路ボード230上に装着してある対応のスイッチ236とプランジャ234は係合する。
【0088】
加えて、ハットスイッチ30を、上側筐体222内の開口を貫通して、ショルダ238に装着してある。ハットスイッチ30を種々の角度で押下すると(先の表1に関して記載したように)、ショルダ238はプリント回路ボード240上に装着してあるスイッチ接点の1つ以上の集合を閉鎖するように作用する(図15に示す実施形態では、スイッチは、図示する面とは反対側のプリント回路ボード240の面上に装着してある)。
【0089】
リンケージ(または蝶番部分)22は、第1カム・アセンブリ242および第2カム・アセンブリ244を含み、双方については、図17ないし図25に関して更に詳細に説明する。カム・アセンブリ242により、部材18は軸106を中心として揺動することができ、一方カム・アセンブリ244により、部材18は軸102を中心として偏揺する(yaw)ことができる。また、入力デバイス14は、一例として、中空シャフト246も含み、これはカム・アセンブリ244を貫通し、カム・アセンブリ242内に達する。ワイヤ・ハーネス248が、シャフト246の中空部分を貫通し、部材18上の回路ボード230上の種々のスイッチおよびボタンからの信号を、後続の処理のために、部材16上に位置する回路ボード230に返送する。
【0090】
スリーブ252を用いてシャフト246をポテンショメータ260に接続する。スリーブ252は、延出するタング部254を含む。タング部254は、中空シャフト246の開放上部内に見えないように嵌合するサイズであり、中空シャフト246の内面を開放上部と摩擦係合させる。また、スリーブ252は、ポテンショメータ260の回転ワイパ258を受容するサイズとした開口を含む対向端256を有する。ポテンショメータ260は、部材16内に収容した回路ボード230に装着してある。スリーブ252をシャフト246上に組み付けた場合、部材18が軸106を中心として揺動すると、スリーブ252はシャフト246と共に回転する。スリーブ252内の開口256は、ポテンショメータ260のワイパ258と摩擦係合するので、ワイパ258もシャフト246と共に回転する。これによって、部材18の軸106を中心とする移動を示すポテンショメータ信号を与える。
【0091】
図16は、図15に示したコンピュータ入力デバイス14の一部の超拡大図である。同様の品目には、図15に示したものと同様に付番してある。図16は、第2シャフト266を部材18に結合し、カム・アセンブリ242を貫通して上方向(図16に示す図において)に延びることを示す。シャフト266は、シャフト246の開放部分を貫通して上方向に延び、軸102を規定する。軸102を中心として部材18はヨー方向即ちX方向に枢動する。カム・アセンブリ242によって隠れているが、図15においてシャフト246に関して説明したのと同様のポテンショメータ構成が、シャフト266にも備えてあり、部材18のX方向位置を示す電気信号も回路ボード230に(ワイヤ・ハーネス248を介して)供給するようにしてある。
【0092】
また、図16は、開口270を内部に規定する部材18の筐体も示す。開口270は、筐体268および環状スリーブ272間に多少の遊びが得られる程度の大きさである。環状スリーブ272はシャフト246に堅固に結合してあり、それと共に回転する。一実施形態では、環状スリーブ272およびシャフト246は、互いに一体的に成形する。環状スリーブ272は、部材18がその外周の回りを回転する間、適所に留まる。環状スリーブ272が内側に延び筐体18内に達しているので、部材18がその最大運動範囲にわたって軸102を中心に回転しても、スリーブ272はなおもアパーチャ270の実質的な閉鎖を維持するため、部材18の筐体268の内側は露出されない。
【0093】
また、図16は、カム・アセンブリ244がクロージャ274も含むことを示す。クロージャ274は、カム276の外周よりも多少大きいサイズの内周を有する。カム・ホロワ278が、カム276に近接配置してあり、シャフト246と共に回転するように構成してある。圧縮ばね280(図17に示す)が、クロージャ274の内壁とカム276の対向面との間に配置してある。
【0094】
図17ないし図25は、カム・アセンブリ242および244をより良く示す。これらの図に示すカム・アセンブリは、カム・アセンブリ242または244のいずれにも等しく適用可能であるが、明確化のために、ここではカム・アセンブリ244のみについて論ずることにする。更に、カムおよびカム・ホロワの向きは、図示のものから逆転することも可能である。
【0095】
図17は、カム276、カム・ホロワ278および圧縮ばね280の分解図であり、クロージャ274を取り除いてある。図17は、カム276がその実質的に平坦な表面上に配した複数のカム面282を、図17に示す面と対向して、有することを示す。同様に、カム276は、圧縮ばね280の外周よりも多少大きなサイズとした、ショルダ284を含む。したがって、圧縮ばね280は、ショルダ284が規定する空洞内において、カム276に接する。
【0096】
カム・ホロワ278は複数の突起286を含み、実質的に平坦なカム追従面288から突出している。カム・ホロワ278は、シャフト246周囲に配置してあり、シャフト246と共に回転する。
【0097】
図18は、カム・アセンブリ244を組み立てた図を示し、クロージャ274は取り外してある。図18は、中立位置にあるカム・アセンブリ244を示し、その場合、突起286はカム面282間に位置する。中立位置は、部材18が図6における挙動ゾーン110内にあることとに対応する。
【0098】
図19は、中立位置にあるカム・アセンブリ244の一部を通過する側断面図である。図19は、中立位置において、カム・フォロワ278上の突起286およびカム276上のカム面282が実質的に平坦な対向面に接するように、圧縮ばね280がカム276およびカムフォロワ278に力を加えていることをより良く示す。したがって、シャフト246が回転すると、ユーザは、圧縮ばね280が加える力によって対向する表面に沿って摺動する突起286およびカム面282の摩擦によって生ずるほぼ一定の力を知覚する。代表的な一実施形態では、カム276およびカム・フォロワ278は、Delrinという商標で販売されているアセタール材で形成する。この材料は、2つの部品が互いに摺動する際、粘性流体感を与え、移動に対して軽い抵抗をもたらす。勿論、所望の感触を得るためには、他の材料も同様に使用可能である。
【0099】
図20ないし図22は、図17ないし図19に示した中立位置に対して、例えば、約30度回転した位置におけるカム・アセンブリ244を示す。したがって、図20ないし図22は、部材18を回転させ図6に示したゾーン110を完全に通過し、ゾーン112または114の一方に移行し始めているときの、カム・アセンブリ244を示す。図22に明確に見ることができるように、カム面282および突起286は、圧縮ばね280の力により、直接互いに接している。したがって、ユーザが部材18を回転させて絶対位置ゾーンから速度ゾーンに移行させると、ユーザは回転に対して別個の抵抗増大を感じる。何故なら、カム面282および突起286はその時点で互いに係合するからである。
【0100】
図24ないし図25は、例えば、図17ないし図19に示した中立位置から約40度回転した場合の位置におけるカム・アセンブリ244を示す。したがって、これは、例えば、図7に示したゾーン112の一方の側端に対応する。図22に示すように、カム面282は、カム・ホロワ278上の突起286と係合し、互いに向かって押し付けられ、カム276がカム・ホロワ278から変位している。勿論、カム・ホロワ278は、図22に示す図の垂直方向に固定してある。したがって、カム276を上方向に移動させることによって、ばね280を圧縮させる。ばね280を圧縮させる程、ばね280はより大きな抵抗力を発生する。したがって、カム・フォロワ278をその最大運動範囲にわたって回転させた場合(例えば、中立から約+40度)、ばね280はその最大の力を発揮し、したがってユーザはこの時点で回転に対して最大の抵抗を知覚する。
【0101】
図15ないし図30は、入力デバイス14のある人間工学的な面を示す。図26は、部材16および18双方が、全体的に長手方向軸290および292をそれぞれ有することを示す。部材16および18の長手方向軸は、人間工学的な中立位置を得るために、僅かなトーイン(toe-in)角度を有する。例えば、シャフト246は、図26において番号294で全体的に示す軸を規定する。軸290および292は、軸294に対してほぼ垂直な線に対して角度296だけ内向きになっている。トーイン角度296は、一例として、約10ないし15度であり、更に約12度とすることができる。このように、入力デバイス14の形状および初期トーイン角度により、ユーザの手首を中立初期手首姿勢とする。平均して、デバイス14の初期手首姿勢は、約14度の延長(extension)および8度の尺骨偏位(ulnar deviation)である。これらの値は、手首の中立姿勢の範囲内である。中立手首屈曲/延長は、約0度ないし20度の延長範囲であり、一方中立手首偏位は約0度ないし20度の尺骨偏位の範囲である。
【0102】
図27は、第5パーセンタイル(percentile)ないし第95パーセンタイルの親指の幅を有する北アメリカの男性の親指の幅を収容する多数の間隔を示す。親指作動制御部(ハットスイッチ30およびボタン・アレイ28内のボタン等)は、不用意な作動を回避するように構成してある。したがって、ボタン・アレイ28内のボタンの中心対中心間隔300は、一例として、約18mmないし28mmであり、約21mmとすることも可能である。加えて、アレイ28内のボタンの中心対中心間隔302は、一例として、約13mmよりも大きく、更に約14.6mmである。
【0103】
加えて、リンケージ(または蝶番機構)22は、一例として、アレイ28内のボタンを作動させていないときに、ユーザの右手の親指を載せることができる表面304を含む。また、表面304の中央領域は、軸102を中心として部材18を枢動させるための枢軸位置にも対応する。部材18上の4つのボタン・アレイ28の中心と枢動軸102との間の距離306は、一例として、約7mmないし47mmの範囲である。更に、距離306は、一例として、約25ないし30mmの範囲であり、約27mmとすることも可能である。
【0104】
枢動軸102から4つのボタン・アレイ28の中央までの距離308は、典型的な親指のスイングの運動範囲が入るように構成する。距離308は、一例として、約30ないし40mmの範囲であり、約34.6mmとすることも可能である。
【0105】
方向パッド30も、第5パーセンタイルないし第95パーセンタイルの親指の幅を有する男性に対処するサイズを有し、不用意な作動を回避するように構成する。したがって、ハットスイッチ30が有する長さ310は、一例として、約20ないし30mmの範囲であり、約28.4mmとすることも可能である。加えて、ハットスイッチ30は、幅312も有し、一例として、約18ないし28mmの範囲であり、約22.5mmとすることができる。
【0106】
図28は、入力デバイス14の前下側から取った斜視図である。図28は、部材16および18のハンド・グリップが、下側に指係合部分314および316を有し、把持摩擦を増大させるために表面処理(texture)を施してある。テクスチャは、摩擦を増大させる表面であればいずれとすることもでき、リッジが内部に形成してある低デュロメータ材料、または粗い表面のプラスチック等がある。
【0107】
図29は、図28の切断線16B−16Bに沿った断面図である。図29は、部材16のハンドル部分のエッジを丸めてあり、凸円弧形状となっていることを示す。これは、ユーザの手のひらの凹円弧と一致するような外形としたものである。同様に、ハンドル部分の直径320全体は、第5パーセンタイルないし第95パーセンタイル範囲の手のひらサイズを有する北アメリカの男性に対処するような外形としてある。したがって、直径320は、一例として、約43mmないし53mmの範囲であり、約50mmとすることができる。同様に、部材16および18のハンドル部分の胴回り(即ち、外周)は、一例として、約120ないし145mmの範囲であり、約133mmとすることができる。
【0108】
図30は、図26に示した軸292に沿った部材18の断面図である。部材18のハンドル部分の長さ322は、一例として、第5パーセンタイルないし第95パーセンタイル範囲の北アメリカの男性の手のひらの幅が納まるように構成する。したがって、長さ322は、一例として、約86mmよりも大きく、また約105mmよりも大きくてもよく、更に約131mmとすることも可能である。また、図30は、部材16および18は、そのハンドル部分が、ボタン・アレイ28およびハットスイッチ30を支持するパッド・エリアから後方および下方に延びているという点で、いくらかピストルのグリップのように具体化していることも示す。部材18上に位置する4つのボタン・アレイ28の中心から部材18のハンドル部分の端部までの距離324は、一例として、約90ないし100mmの範囲であり、約97.5mmとすることができる。
【0109】
トリガ32の位置は、手および指が部材18のハンドル部分上のピストル・グリップ形状内にある場合に、人差指の先端で作動させることができるように構成する。部材18上の4つのボタン・アレイ28の中心からトリガ32の前面までの距離326は、指の長さが第5パーセンタイルないし第95パーセンタイルの範囲である北アメリカの男性に対応する。これを行うには、手がピストル・グリップにあるときに、目標母集団(target population)の細端がトリガ32の表面に達することができるようにする。したがって、距離326は、約45mm未満であり、約35mm未満とすることもでき、更に約33.5mmとすることも可能である。
【0110】
加えて、デバイス14の重量は、一例として、長時間使用してもユーザに大きな疲労を与えないように、十分小さくする。したがって、代表的な一実施形態では、デバイス14は、約225ないし345グラムの範囲の重量である。また、デバイス14は、約284グラムの重量とすることも可能である。
結論
以上のように、本発明は、互いに対して回転可能および連動可能であり、その移動を示す信号を与える2つの部材を有する、コンピュータへのユーザ入力デバイスを提供する。一例として、本発明は、2つ以上の範囲の運動間の移動を与え、これを検知して、表示しているオブジェクトの挙動特性を変化させるために用いることができる。同様に、本デバイスは、人間工学的な作動に対応したサイズおよび形状を有するコンポーネントを用いて構成した。
【0111】
本発明は、好適な実施形態を参照しながら説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更も可能であることを、当業者は認めよう。
【符号の説明】
【0112】
10 システム
14 入力デバイス
15 コンピュータ表示装置
16 第1ハンドル部材
18 第2ハンドル部材
20 コンピュータ
22 リンケージ
28 ボタン・アレイ
30 多元スイッチ入力デバイス
32 トリガ
34,36 細長ハンドル部分
110,112,114 挙動ゾーン
116 中央制御帯
118 絶対位置決め制御帯
120 速度制御ゾーン
124 コントローラ
126 X位置センサ
128 Y位置センサ
130 較正回路
132 スイッチ
134 ゾーン較正回路
136 アナログ/ディジタル(A/D)変換器
153 バス・レベル・レイヤ
154 第1バス・ドライバ
156 リマッパ
158 アプリケーション・インターフェース
160 アプリケーション・レイヤ
162,164,166 アプリケーション
220 下側筐体
222 上側筐体
224 空洞
226 親指接触部分
228 プランジャ
230 プリント回路ボード
232 ポスト
234 プランジャ
238 ショルダ
240 プリント回路ボード
242 第1カム・アセンブリ
244 第2カム・アセンブリ
246 中空シャフト
248 ワイヤ・ハーネス
252 スリーブ
254 タング部
258 回転ワイパ
260 ポテンショメータ
266 第2シャフト
268 筐体
270 アパーチャ
272 環状スリーブ
274 クロージャ
276 カム
278 カム・ホロワ
280 圧縮ばね
282 カム面
284 ショルダ
286 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子入力デバイスであって、
第1ハンドルと、
第2ハンドルと、
第1回転軸を中心として行程が約40ないし100度の運動範囲にわたって、前記第1ハンドルが前記第2ハンドルに対して前記第1回転軸を中心として枢動するように、前記第1および第2ハンドル間に結合してあるリンケージであって、前記第1および第2ハンドルが、各々、長手方向軸を規定し、各長手方向軸が、前記第1回転軸に垂直な線に対してあるトーイン角度に配置してあり、前記トーイン角度が、約8ないし16度の範囲である、リンケージと、
前記第1および第2ハンドルに動作可能に結合してあり、前記第1および第2ハンドルの互いに対する位置を示す位置信号を与えるように構成してあるセンサと、
前記センサに結合してあり、前記位置信号に基づいて前記位置を示すコンピュータ入力を与えるように構成したコントローラと、
を備えることを特徴とする電子入力デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の電子入力デバイスにおいて、各トーイン角度が約12度であることを特徴とする電子入力デバイス。
【請求項3】
電子入力デバイスであって、
第1部材と、
前記第1部材に移動可能に結合してあり、複数の範囲から成る運動範囲にわたって前記第1部材に対して移動可能なハンドルと、
前記第1部材および前記ハンドルに動作可能に結合してあり、前記第1部材および前記ハンドルの互いに対する位置を示す位置信号を与えるように構成したセンサと、
前記第1部材および前記ハンドルの少なくとも一方に結合されたリンケージ部分であって、前記運動範囲のほぼ中心に位置する領域に位置した第1ゾーンを前記ハンドルが通って移動する際第1抵抗を移動に与えるように構成した第1抵抗機構と、前記ハンドルが前記第2ゾーンを通って移動する際第2抵抗を移動に与えるように構成した第2抵抗機構と、前記ハンドルが前記第3ゾーンを通って移動する際第3抵抗を移動に与えるように構成した第3抵抗機構とを備えたリンケージ部分と、
前記センサに結合してあり、前記位置信号に基づいて、前記位置を示すコンピ
ュータ入力を与えるように構成したコントローラと、
を備えることを特徴とする電子入力デバイス。
【請求項4】
請求項3記載の電子入力デバイスにおいて、前記第3抵抗機構は、前記第3抵抗を、前記ハンドルが前記第3ゾーンを通って移動するに連れて変化する変動抵抗として与えるように構成したことを特徴とする電子入力デバイス。
【請求項5】
請求項3記載の電子入力デバイスにおいて、前記第1ゾーンが、前記運動範囲に沿った前記第2および第3ゾーンの間に位置することを特徴とする電子入力デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−151820(P2009−151820A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48585(P2009−48585)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【分割の表示】特願2000−44264(P2000−44264)の分割
【原出願日】平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】