説明

二重床構造及び二重床設備、並びに二重床構造の床パネル

【課題】正規の設置方向と異なる方向での床パネルの設置を不能とし、床パネルが誤った方向に設置された場合に生ずるガタツキを未然に防止できると共に、床パネルに対して多様な素材を使用することを可能にする。
【解決手段】基礎床面100上で支持脚10により床パネル20を所定高さに支持し、基礎床面100と床パネル20との間に空間200を形成すると共に、床パネル20の側面に凸部23と凹部25を設け、別の床パネル20の凹部25若しくは凸部23に、床パネル20の凸部23若しくは凹部25を合わせることにより、別の床パネル20に対して床パネル20の設置方向が規制される二重床構造であり、床パネル20の側面に設ける凸部23を、別体の方向規制体22で構成し、好ましくは凸部23の前記床パネル20の側面からの突出長さを10mm以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、基礎床面と床パネルとの間に空間を設ける二重床構造及び二重床設備、並びに二重床構造の床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、基礎床面と床パネルとの間に配線等の空間を設ける二重床構造が知られているが、二重床構造の床パネルには、什器や備品の載置及びその移動等により、反りや撓みが生ずることがある。斯様な反りや撓みのある床パネルをコンセントの設置時等に取り外し、取り外し前と異なる方向に設置した場合にはガタツキの要因となるため、床パネルを設置する方向を規制することが必要となる。
【0003】
前記床パネルの設置方向を規制可能な二重床構造として、床パネル相互の関係から設置方向を規制可能な特許文献1、2の二重床構造がある。特許文献1の二重床構造は、各床パネルの表面に床パネルの設置方向を識別可能な矢印等の表示を付し、前記識別表示に従って床パネルを設置するものである。また、特許文献2の二重床構造は、各床パネルの端縁に水平方向に出入りする凸部と凹部を一体形成し、一の床パネルの凸部と隣接する床パネルの凹部を嵌め込んで床パネルを設置するものであり、その第6図の隣り合う2辺にそれぞれ単独で凸部を設け、他の隣り合う2辺にそれぞれ単独で凹部を設ける床パネルとする場合には、床パネルの設置方向を規制することが可能である。
【0004】
【特許文献1】実開平6−63726号公報
【特許文献2】実開昭53−109320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の二重床構造は、当初に施工する際には床パネルの設置方向について前記識別表示が注意を喚起できるものの、コンセントの設置時等に床パネルを取り外して元に戻す場合には、前記識別表示が注意を喚起することは実際上困難である。即ち、二重床構造では、設置した床パネル上にカーペットを設けることが多く、一旦施工した二重床構造の床パネルの前記識別表示はカーペットで隠れてしまう。そして、コンセントの設置時等には1つの床パネルの取り外しで足りるケースが大多数であり、他の床パネルの前記識別表示はカーペットで隠れたままで目視することができない状態となるため、床パネルの設置方向を規制することができなくなる。
【0006】
また、特許文献1の識別表示の構成は、床パネルの設置方向について注意を喚起することはできるものの、床パネルの正規の設置方向と異なる方向への施工自体は可能であるため、誤った設置方向に床パネルが設置されることも生ずる。特に、施工業者ではなく、識別表示の意味を理解していないユーザーが床パネルの設置を行う場合に前記誤った設置方向での床パネルの設置が多々行われてしまう。
【0007】
これに対して、特許文献2の図6の床パネルによる二重床構造は、方向性を有する一の床パネルの凸部と他の床パネルの凹部とを嵌め合わせて床パネルを設置する構成であるため、床パネルの正規の設置方向と異なる方向への施工自体が不能であり、誤った設置方向に床パネルが設置されることは無くなる。従って、二重床構造の当初施工時だけでなく、コンセントの設置時等に床パネルを取り外して元に戻す場合にも、床パネルは正規の設置方向で設置されることになり、特許文献1の二重床構造の上記問題点は解消される。
【0008】
ところで、一般的に床パネルの材質としては、樹脂系、スチール系、窯業系或いは木系の素材が用いられるが、窯業系或いは木系の素材を用いる場合、特許文献2の図6の如く床パネルに凸部と凹部を一体形成することは困難となる。そのため、床パネルの材質が限定されてしまい、顧客の多様な要望に対応することが難しくなると共に、製造業者や施工業者がコスト戦略や販売戦略で取り得る選択枝も限定される。また、凸部を一体形成した床パネルを製造する場合、仮に凸部が破損した時に床パネル全体を製造し直さなければならないという問題がある。また、凸部は施工時に施工業者が容易に目視確認できることが望まれるが、その場合に、凸部を床パネルと異なる色とする等が考えられるが、一体成形した床パネルの場合には、凸部のみに色を塗布する必要があるため、製造コストがアップするという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、正規の設置方向と異なる方向での床パネルの設置を不能とし、床パネルが誤った方向に設置された場合に生ずるガタツキを未然に防止できると共に、床パネル或いはそのコア材に対して多様な素材を使用することを可能にし、顧客の多様な要望に応え、且つ製造業者や施工業者が多様なコスト戦略や販売戦略を取ることを可能にする二重床構造、二重床設備並びに二重床構造の床パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の二重床構造は、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に配線等の空間を形成すると共に、該床パネルの側面に凸部と凹部を設け、該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの凹部若しくは凸部に、該床パネルの凸部若しくは凹部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造であって、該床パネルの側面に設ける該凸部を、該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体で構成することを特徴とする。例えば矩形の床パネルの場合、一側面に方向規制体で凸部を設け、該一側面の反対側の他側面に該凸部と同一構成の凸部を収納可能な凹部を設ける構成等とする。また、前記別体の方向規制体は、床パネル若しくはコア材の側面の切欠部に係合して固着する構成、或いは床パネル若しくはコア材の側面に打ち込んで固定する構成とすることが好ましい。
【0011】
また、本発明の二重床構造は、前記凸部の床パネル側面からの突出長さ又は突出幅の何れか一方を小さくすることを特徴とし、より具体的には前記凸部の前記床パネルの側面からの突出長さ又は突出幅の何れか一方を10mm以下とすることを特徴とする。より好適には前記凸部の突出長さ又は突出幅は4〜6mmとするとよい。
【0012】
また、本発明の二重床構造は、前記床パネルの側面若しくは前記コア材の側面に切欠部を設け、前記別体の方向規制体を該切欠部に収納して取り付け、該方向規制体の該切欠部内に配置する部分の平面視面積を該方向規制体の該切欠部外に配置する部分の平面視面積と略同じか、それよりも大きくすることを特徴とする。また、方向規制体には配線引出口を設けると好適である。また、方向規制体は略円形又は略楕円形の形状とすると好適である。
【0013】
また、本発明の二重床構造は、前記コア材の上下の少なくとも一方の面に、端部に屈曲部を有する板材を重ねて配置し、前記屈曲部を前記方向規制体に係合することを特徴とする。前記板材の素材は適宜であるが、例えば鋼性とすると好ましい。また、屈曲部の係合は、例えば方向規制体の側面等の面に屈曲部が係合する構成とすることも可能であるが、方向規制体に凹溝等の屈曲部を挿入可能な受入部を設け、前記受入部に屈曲部を挿入して係合する構成とすることが好ましい。更に、コア材の上面に端部に屈曲部を有する板材を重ねて配置し、方向規制体に形成された凹溝等の受入部に屈曲部を嵌挿することにより、屈曲部を方向規制体に係合する構成とするとより好適である。
【0014】
また、本発明の二重床構造は、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に配線等の空間を形成すると共に、該床パネルの隅部側面に凸部と隅凹部を設け、該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの隅凹部が集合して構成される凹部に、該床パネルの凸部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造であって、該床パネルの隅部側面の凸部を、該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体で構成することを特徴とする。例えば矩形の床パネルの場合、床パネルの一隅部の側面に凸部を設け、残りの3つの隅部に隅凹部を設け、一の床パネルの凸部が、隣接して配置される3つの床パネルの隅部の集合箇所で3つの隅凹部で形成される凹部に収納される構成等とする。また、前記隅部の凸部も前記側面の凸部と同様に、10mm以下など突出長さ又は突出幅を小さくすることが好ましい。また、床パネルの隅部側面若しくはコア材の隅部側面に切欠部を設け、別体の方向規制体を切欠部に収納して取り付け、方向規制体の切欠部内に配置する部分の平面視面積を方向規制体の切欠部外に配置する部分の平面視面積と略同じか、それよりも大きくする構成としてもよい。
【0015】
また、本発明の二重床設備は、本発明の二重床構造を、前記凸部と凹部の合わせ或いは前記凸部の凹部への収納により各床パネルの設置方向を規制して複数敷設することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の二重床設備は、前記床パネルの側面の凸部を合わせることが可能な凹部が各側面に設けられている第2の床パネルを前記基礎床面上で所定高さに支持し、該基礎床面と該第2の床パネルとの間に配線等の空間を形成する第2の二重床構造を前記二重床構造と並べて敷設し、該床パネルの凸部を該第2の床パネルの凹部に合わせることにより、該床パネルの設置方向を規制することを特徴とする。例えば矩形の床パネルの場合、凸部を収納可能な凹部を四側面に設ける構成等とする。また、第2の床パネルの凹部の一つを大配線引出用の凹部とすると好適である。
【0017】
また、本発明の二重床設備は、壁際に配置される前記床パネルの壁面に向けて配置される前記凸部を有する側面と該壁面との間に緩衝材を配設することを特徴とし、前記緩衝材により前記凸部を吸収可能な構成となる。
【0018】
また、本発明の二重床設備又はその施工方法では、支持脚により基礎床面上で床パネルを所定高さに支持する構成に於いて、支持脚の基台に貫通孔を設け、基台と基礎床面とを接着する接着剤を貫通孔の上側に流出させて固まらせる構成、或いは支持脚の基台の四辺や四隅に基準用切欠部を設け、基準用切欠部を基礎床面の墨出し線等の位置決め線に合わせて支持脚を設置する構成とすることを特徴とする。また、本発明の二重床設備又はその施工方法では、支持脚の上面に傾斜辺を有するパネル位置決め突起を設け、前記傾斜辺に沿って滑動可能なテーパ面を床パネルに設け、床パネルのテーパ面をパネル位置決め突起の傾斜辺を滑らせるようにして支持脚上に位置決め載置する構成とすることを特徴とし、好ましくは一の床パネルの凸部が収納される他の床パネルの凹部の上面を開放し、前記テーパ面の傾斜辺に対する滑動によって前記一の床パネルの凸部が隣接する他の床パネルの凹部に挿入される構成とすることが好ましい。
【0019】
また、本発明の二重床構造の床パネルは、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、該床パネルの側面に凸部と凹部を設け、該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの凹部若しくは凸部に、該床パネルの凸部若しくは凹部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造の床パネルであって、該床パネルの側面若しくは該床パネルのコア材の側面に、該凸部を構成する該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体を収納する切欠部を設けることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の二重床構造の床パネルは、基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、該床パネルの隅部側面に凸部と隅凹部を設け、該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの隅凹部が集合して構成される凹部に、該床パネルの凸部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造の床パネルであって、該床パネルの隅部側面に、該凸部を構成する該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体を収納する切欠部を設けることを特徴とする。
【0021】
尚、本明細書開示の発明には、各発明や各実施形態の構成の他に、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものも含まれ、又、二重床構造、二重床設備或いは二重床構造の床パネルの各構成を他の物や他のカテゴリー(二重床設備の施工方法或いは組立方法、二重床設備の壁際処理方法等)の構成として採用することも可能である。例えば基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に配線等の空間を形成すると共に、該床パネルの側面に凸部と凹部を設け、該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの凹部若しくは凸部に、該床パネルの凸部若しくは凹部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造であって、該凸部の前記床パネルの側面からの突出長さ又は突出幅を10mm以下とする構成も本明細書開示の発明に含まれる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、凸部と凹部の合わせにより、正規の設置方向と異なる方向で床パネルが設置されることを不能にし、床パネルが誤った方向に設置された場合に生ずるガタツキを未然に防止できると共に、床パネルの側面或いは隅部側面に設ける凸部を、床パネルと別体の方向規制体若しくは床パネルのコア材と別体の方向規制体で構成することにより、床パネル或いはそのコア材、方向規制体に対して多様な素材を使用することができ、顧客の多様な要望に応え、且つ製造業者や施工業者が多様なコスト戦略や販売戦略を取ることを可能にするという効果を有する。
【0023】
また、本発明では、床パネルの側面或いは隅部側面に設ける凸部の外方への突出長さ又は突出幅の何れか一方を例えば10mm以下とするなど小さくすることにより、凸部と合わせられる凹部も小さくなることから、凹部によって生ずる開口を閉塞する等の処理を行う必要がなくなり、施工コストを低減することができる。
【0024】
また、床パネルの側面、隅部側面若しくはコア材の側面、隅部側面の切欠部に別体の方向規制体を収納して取り付け、方向規制体の切欠部内に配置する部分の平面視面積を方向規制体の切欠部外に配置する部分の平面視面積と略同じか、それよりも大きくすることにより、方向規制体のより安定した取り付けが可能となる。また、コア材の上下の少なくとも一方の面に、端部に屈曲部を有する板材を重ねて配置し、屈曲部を前記方向規制体に係合することにより、方向規制体のより安定した取り付けや強度の向上が可能となる。また、方向規制体に配線引出口を設けることにより、方向規制体に多様な機能を持たせ、有効利用を図ることができる。
【0025】
また、床パネルの側面の凸部を合わせることが可能な凹部が各側面に設けられている第2の床パネルを用いることにより、顧客から床パネルの設置方向の変更の強い要望があった場合に第2の床パネルを設置して対応することが可能となる。また、第2の床パネルの凹部の一つを大配線引出用の凹部とすることにより、第2の床パネルに多様な機能を持たせ、大配線引出用の開口を別途形成する必要をなくせると共に、施工コストの低減を図ることができる。
【0026】
また、床パネルの凸部を有する側面と壁面との間に緩衝材を配設することにより、緩衝材で凸部の突出を吸収することが可能となり、壁際で壁面と床パネルの側面との間に開口が生じない連続した床面を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下では、本発明の具体的な実施形態について説明するが、各実施形態や各変形例の部分的な構成を組み合わせたもの、或いは各実施形態や各変形例の構成を部分的に取りだしたもの、或いは各実施形態や各変形例の部分的な構成を他の実施形態や変形例の構成に付加したものも、本明細書開示の発明の実施形態に相当するものである。
【0028】
〔第1実施形態〕
第1実施形態の二重床構造及びその二重床設備は、図1に示すように支持脚分離型であり、各二重床構造は、支持脚10を所定間隔で基礎床面100に配設し、支持脚10上に床パネル20を敷設し、支持脚10で支持される床パネル20が基礎床面100から所定高さの位置に配置されるものである。基礎床面100と床パネル20の下面との間には空間200が形成され、空間200には必要に応じて配線等が敷設される。
【0029】
支持脚10は、図2に示すように、平面視略方形の平板状である基台11と、基台11に嵌合して固着され、基台11の略中央で立設する寸切りボルトの支持ボルト12と、支持ボルト12に螺合されている高さ調整ナット13と、高さ調整ナット13に取り付けられている床パネル受皿14と、高さ調整ナット13の上側で支持ボルト12に螺合されている緩止ナット15とを備える。床パネル受皿14の高さを調整する際には、高さ調整ナット13の支持ボルト12に対する螺合位置を調整して、高さ調整ナット13に固着されている床パネル受皿14の高さを調整し、緩止ナット15を高さ調整ナット13に当接するように締め付け、高さ調整ナット13及び床パネル受皿14を所定高さで定置するようになっている。
【0030】
基台11には、底面側が凹状で上面側が凸状である平面視略十字形のリブ111が形成されており、リブ111の底面側凹溝112・112間(或いは上面側凸条113・113間)で基台11の四隅近傍には貫通孔114が形成されている。リブ111の底面側凹溝112は、基礎床面100と基台11を接着する際の接着剤の溜まり部としての機能を果たすと共に、リブ111は支持ボルト12の支持に対する補強の機能を有する。また、基礎床面100と基台11とを接着剤で接着する際に、接着剤が貫通孔114から盛り上がって基台11の上面側に流れ出し、貫通孔114の周縁の上面も接着剤で接着されることから、貫通孔114は、基台11を基礎床面100に固定するアンカー効果を発揮することが可能である。尚、貫通孔114は、基礎床面100に別体のアンカーを取り付け、アンカー止めを行う際のアンカーを通す孔として使用することも可能である。
【0031】
床パネル受皿14は、平面視略円形の皿状であり、床パネル20を支持する平面鍔状の支持部141と、支持部141で囲まれ、略中央で下方に向かって突出している凹段部142と、凹段部142の略中央に形成された取付孔143とを有する。取付孔143には高さ調整ナット13の一部がねじ込まれ、取付孔143の周縁が高さ調整ナット13の外周に嵌合して固定されている。凹段部142には、床パネル受皿14及び高さ調整ナット13の緩み止めを行うための緩止ナット15と、支持ボルト12の上端が収納され、又、凹段部142の略下端下側には高さ調整ナット13が配置される。
【0032】
床パネル20は、図3に示すように、平面視略方形の板体であり、一側面の略中央に切欠部21が形成され、切欠部21には別体の方向規制体22が取り付けられている。方向規制体22は、図4に示すように、床パネル20の厚さと略同一の高さを有する四角柱形であり、切欠部21は方向規制体22の外形に倣う平面視略五角形であり、切欠部21は嵌め込まれる方向規制体22が外方へ移動できない形状で切り欠かれていると共に、上下方向に方向規制体22を挿通可能になっている。そして、方向規制体22が切欠部21に嵌め込まれ、接着剤で接着する等により切欠部21に固着されている。
【0033】
切欠部21に取り付けられた方向規制体22の一端部は前記一側面から外方に突出して位置する凸部23となる。凸部23は、図3(c)に示すように、切欠部21で床パネル20の外周より外方に突出する凸部23の平面視面積が、切欠部21内に収納され床パネル20の外周より内方に位置する収納部24の平面視面積よりも小さくなるように設けられる。更に、凸部23と反対側の他側面には、凸部23と同一構成の凸部を収納可能な凹部25が形成されている。
【0034】
尚、床パネル20の材質には、例えば木材、コンクリート、セラミックスなど窯業系の素材、スチール、樹脂やこれらの組み合わせ等、適宜の素材を用いることが可能であり、又、方向規制体22の材質にも、例えば例えば木材、コンクリート、セラミックスなど窯業系の素材、スチール、樹脂やこれらの組み合わせ等、適宜の素材を用いることが可能であるが、加工性を考慮すると、床パネル20或いは方向規制体22の材質には、木材又は樹脂を用いることが好ましい。
【0035】
上記二重床構造を施工して二重床設備を構成する際には、図1に示すように、高さ調整ナット13を回転させることにより床パネル受皿14の高さを調整した支持脚10を、床パネル20の寸法に対応する所定ピッチで基礎床面100に配設すると共に、支持脚10の床パネル受皿14の支持部141上に床パネル20を載置する。前記床パネル20を載置する際には、各床パネル20の凸部23が同一方向を向くように各床パネル20を並列配置し、一の床パネルの凸部23を隣接する他の床パネル20の凹部25に収納或いは係合するようにして合わせながら、床パネル20を設置する。前記凸部23と凹部25の合わせにより、各床パネル20の設置方向が規制される。また、前記床パネル20の載置では、二重床設備の周縁に配置される支持脚10以外の各支持脚10には、四枚の床パネル20の四隅が集合するように載置する。支持脚10の支持部141と床パネル20の載置部分の下面とは必要に応じて接着剤で接着する等により固着する。
【0036】
また、壁際施工に於いては、壁面300に沿って支持脚10を所定ピッチで配設すると共に、支持脚10に床パネル20を載置し、必要に高じて支持部141と床パネル20の載置部分とを固着する。この際、壁面300に凸部23を向けて壁際に配置される床パネル20を施工する際には、凸部23を有する側面と壁面300との間に緩衝材30を配設する。緩衝材30は、ゴムや弾性樹脂、不織布、フェライト等の弾力性のある素材で形成され、凸部23の突出長さよりも肉厚が厚くなっており、図1に示すように、壁面300に沿って施工する。前記緩衝材30の設置により、凸部23の突出を吸収して、周縁に位置する床パネル20の側面と壁面300との間に開口が生じないようにし、壁面300に至るまで連続した二重床の床面を形成することが可能となる。また、方向規制体22の凸部23の突出長さが小さいため、床パネル20の凸部23以外の側面と壁面300との間に設置される緩衝材に荷重が負荷されることが無く、前記床パネルの側面と壁面300との間にハイヒールの踵等が落ち込む心配が無くなる。
【0037】
更に、前記施工を行った壁面300とは逆側の壁面300に於ける壁際施工では、周縁に位置する床パネル20の端部と壁面との間の距離に相当する所定寸法の床パネルを床パネル20を切断して準備する。そして、前記壁面300に沿って支持脚10を所定ピッチで配設すると共に、支持脚10に前記切断した床パネルを載置し、必要に高じて支持部141と前記床パネルの載置部分とを固着し、更には、必要に応じて、前記切断した床パネルの端部と壁面300の間に緩衝材30を介設して施工する。また、その他の二壁面300の一方の壁面300に於ける壁際施工では、床パネル20と壁面300との間に緩衝材30を介設して必要な処理を行って施工し、他方の壁面300に於ける壁際施工では、前記逆側の壁面300の場合と同様に床パネル20をカットした床パネルを載置して施工する。以上の施工により、基礎床面100上に二重床設備の平面状の床面が形成される。
【0038】
上記第1実施形態の二重床構造及び二重床設備は、凸部23と凹部25の合わせにより、一度取り外した床パネル20を元に戻す場合等に、正規の設置方向と異なる方向で床パネル20が設置されることを不能にし、床パネル20が誤った方向に設置された場合に生ずるガタツキを未然に防止できると共に、床パネル20の側面に設ける凸部23を、床パネル20と別体の方向規制体22で構成することにより、床パネル20に対して多様な素材を使用することができ、顧客の多様な要望に応え、且つ製造業者や施工業者が多様なコスト戦略や販売戦略を取ることを可能にするという効果を有する。更に、床パネル20自体の製造コストを低減することができる。また、凸部23の外方への突出長さを例えば10mm以下とするなど小さくすることにより、方向を規制する部材或いは部分の強度を高めて破損を防止することができ、且つ壁際施工などの際に壁際の隙間を極力小さくし、ハイヒールの踵の落ち込みなどを防止することができる。更に、施工時に凸部23が邪魔になる虞がなく、施工性の低下を防止することができる。また、方向規制体22の切欠部21内に配置する部分の平面視面積を方向規制体22の切欠部21外に配置する部分の平面視面積と略同じか、それよりも大きくすることにより、方向規制体22のより安定した取り付けが可能となる。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の二重床構造及び二重床設備について、上記第1実施形態と異なる箇所の詳細を説明する。
【0040】
第2実施形態の二重床構造及び二重床設備は、基本的構成は第1実施形態と同様であり、図5に示すように、各二重床構造は、支持脚10aを所定間隔で基礎床面100に配設し、支持脚10a上に床パネル20aを敷設し、支持脚10aで支持される床パネル20aが所定高さの位置に配置され、基礎床面100と床パネル20aの下面との間には空間200が形成され、空間200には必要に応じて配線等が敷設されるものである。
【0041】
支持脚10aは、図6に示すように、基台11aと、基台11aの略中央で立設する支持ボルト12aと、支持ボルト12aに螺合されている高さ調整ナット13aと、高さ調整ナット13aに取り付けられている床パネル受皿14aと、高さ調整ナット13aの上側で支持ボルト12aに螺合されている緩止ナット15aとを備え、第1実施形態の支持脚10と同様に床パネル受皿14aの高さ調整及び定置を行うことが可能である。
【0042】
基台11aには、底面側が凹状で上面側が凸状である平面視で八方向に放射状に延びるリブ111aが形成されており、リブ111aの底面側凹溝112a・112a間(或いは上面側凸条113a・113a間)に貫通孔114aが8つ形成されている。リブ111aの底面側凹溝112aが溜まり部としての機能を有し、リブ111aが支持ボルト12aの支持の補強としての機能を有し、貫通孔114aが接着時にアンカー機能を発揮すること等は第1実施形態と同様である。また、基台11aの四辺の各中央には基準用切欠部115aが設けられている。基準用切欠部115aは、施工時に基礎床面100に墨出しを行った際の基準として使用可能なものであり、基準用切欠部115aを墨出し線に合わせて施工することが可能である。
【0043】
床パネル受皿14aは、平面視略八角形の皿状であり、床パネル20aを支持する平面鍔状の支持部141aと、略中央で下方に向かって突出している凹段部142aと、凹段部142の略中央に形成された取付孔143aとを有する。更に、床パネル受皿14aの八辺には、その一つおきの辺に略三角形状に切り起こしたパネル位置決め突起144aが設けられ、パネル位置決め突起144aの内側で支持面から凹段部まで連なる補強用リブ145aが形成されており、パネル位置決め突起144aと補強用リブ145aは、平面視中心に対して対象となる2辺に対応して各々設けられている。また、パネル位置決め突起144aが形成されていない対象となる2辺の内側の支持部141aには、後述する床パネル20aと支持部141aとをビス固定する際にビスを挿入するビス孔146aが穿設されている。その他の支持脚10aの構成は第1実施形態の支持脚10の構成と同一である。
【0044】
床パネル20aは、図7及び図10〜図13に示すように、床パネル20aの基体となる平面視略方形の板体であるコア材21aと、コア材21aの上下面に重ねて配置され、接着剤の接着等でコア材21aに固着される上板22a及び下板23aとを有する。コア材21aの側面下側には、下方に向かって内側に傾斜するようにテーパ面211aが形成され、コア材21aの四隅に於けるテーパ面211aには凹段差部212aが形成されている。凹段差部212aは、支持脚10aの床パネル受皿14aを低く調整して支持ボルト12aが上方に突出した際に、前記支持ボルト12aの突出した部分を収納し、支持ボルト12aと床パネル20aとの干渉を防止する機能を有する。上板22aと、上板22aより若干サイズが小さい下板23aは、それぞれ四辺を略直角に屈曲して延設した屈曲部に相当する屈曲片221a、231aを有する形状であり、屈曲片221aの内面はコア材21aの外周面に当接し、屈曲片231aの先端はテーパ面211aに当接することにより、屈曲片221a、231aがコア材21aに係合する。
【0045】
上板22aの隣り合う2辺には配線引出凹部222aが形成され、配線引出凹部222aの位置に対応してコア材21aの隣り合う2辺と、下板23aの隣り合う2辺にも、配線引出凹部222aの形状に合わせて配線引出凹部219a、232aが形成されており、床パネル20aを隣接して配置した際に、上板22aの配線引出凹部222a及びコア材21a、下板23aの配線引出凹部219a、232aと、隣り合う別の床パネル20aの辺との間から、配線を引き出すことが可能になっている(図10〜図12参照)。
【0046】
コア材21aには、一側面の略中央に切欠部213aが形成され、切欠部213aには別体の方向規制体214aが取り付けられている。方向規制体214aは、平面視略円形で、コア材21aと略同一の高さを有する略円柱状の部材で構成され、その上面に上板22aの屈曲片221aを嵌挿可能な受入部に相当する凹溝218aが形成されている。切欠部213aは、方向規制体214aを収納可能に略3/4円等の弧状に切り欠かれており、嵌め込まれる方向規制体214aが外方へ移動できない形状で切り欠かれていると共に、上下方向に方向規制体214aを挿通可能になっている。そして、方向規制体214aは、切欠部213aに嵌め込まれ、凹溝218aに上板22aの屈曲片221aが嵌挿されて、接着剤で接着する等により切欠部213aに固着される。前記構成では、方向規制体214aの凹溝218aに屈曲片221aを嵌挿することにより、方向規制体214aの外方への動きを機械的に防止可能であると共に、方向規制体214aに下側から力が負荷された場合にも強固に保持し、上方への移動を防止可能になっている。尚、下板23aの方向規制体214aの設置箇所と対応する箇所は凹状に切り欠かれて切欠部233aになっており、下板23aと方向規制体214aが干渉しないようになっている。
【0047】
切欠部213aに取り付けられた方向規制体214aの一端部は、床パネル20aの側面或いはコア材21aの側面から外方に突出して位置する凸部215aとなる。凸部215aは、図8に示すように、切欠部213aから外方に突出する凸部215aの平面視面積(或いは床パネル20aの外周から外方に突出する凸部215aの平面視面積)が、切欠部213a内に収納される方向規制体214aの収納部216aの平面視面積(或いは床パネル20aの外周より内側に位置する方向規制体214aの部分の平面視面積)と略同じか、それよりも小さくなるようにして設けられる。凸部215aの切欠部213aから外方への突出長さ、又は床パネル20a若しくはコア材21aから外方への突出長さは10mm以下とすることが好ましく、より好適には4〜6mm程度とするとよい。また、コア材21aの前記一側面と反対側の他側面の略中央には凹部217aが形成され、上板22aにも凹部217aと対応する位置で凹部223aが形成されており、凹部217a、223aに凸部215aと同一構成の凸部を収納可能である。
【0048】
床パネル20aの四隅には、図7及び図9、図10〜図12に示すように、支持脚10aの床パネル受皿14aに形成されたビス孔146aと対応する箇所にビス孔224a、2191a、234aが上板22a、コア材21a、下板23aに一連で貫通して形成され、床パネル20aの上面側からビス孔146aとビス孔224a、2191a、234aにビスを一連で挿通してビス固定し、支持脚10aと床パネル20aを強固に固定可能である。尚、前記ビスに、例えば特殊な工具を使用しない限り緩められないものを使用することにより、安全性を向上することができる。
【0049】
尚、床パネル20aのコア材21aの材質には、例えば木材、コンクリート、セラミックスなど窯業系の素材やこれらの組み合わせ等、適宜の素材を用いることが可能であるが、木材系素材であるパーチクルボードやMDFを用いると好適である。MDFはミディアム・デンシティ・ファイバーボードの略であり、木材チップを蒸気で蒸し、繊維をほぐして繊維を取り出し、合成樹脂或いは接着剤などを散布混合して結合し、乾燥、プレスなどを行うことにより形成するものであり、加工性に優れる等のメリットを有する。
【0050】
上記床パネル20aを支持脚10aに載置する場合、図9に示すように、略三角形状のパネル位置決め突起144aの下方に向かって外側に傾斜する辺に、床パネル20aのコア材21aのテーパ面211aを滑らせて落とし込み、前記パネル位置決め突起144aの前記傾斜辺にテーパ面211aを当接して載置する。前記載置により、床パネル20aを支持脚10aの正確な位置に高い安定性で設置することが可能であり、前記床パネル20aの載置に応じて、床パネル20aのビス孔224a、2191a、234aを支持脚10aのビス孔146aの平面視略同一位置に自動的に導くことが可能である。即ち、床パネル20aを正確な位置から多少ズレた位置に載置した場合にも、パネル位置決め突起144aの傾斜辺を床パネル20aのテーパ面211aが滑動することにより、強制的に正確な位置へ導くことができる。
【0051】
更に、本実施形態では、方向規制体214aの凸部215aが収納される床パネル20aの凹部223a、217aの上面が開放され、上側から凸部215aを凹部223a、217aに入れて収納することが可能であるため、前記パネル位置決め突起144aの傾斜辺に対する床パネル20aのテーパ面211aの滑動動作により、一の床パネル20aの凸部215aを他の床パネル20aの凹部223a、217aに挿入することができ、加えて、床パネル20aの設置後には床パネル20aの隅部のパネル位置決め突起144aに対する当接と、凸部215aの凹部223a、217aへの収納とで、床パネル20aの設置位置を正確な位置で安定させることができる。
【0052】
ここで、床パネル20aの製造方法について図10〜図13に基づき説明する。
【0053】
先ず、図10に示すコア材21aを形成する。コア材21aを形成する際には、所定の素材を所定寸法の方形に切断してコア材21aのベース材を形成する切断工程と、前記ベース材に配線引出凹部219a、方向規制体214aを収納する切欠部213a、凸部215aが収納される凹部217a、ビス孔2191aを形成する工程と、前記ベース材の側面下側と底面の突合部分にテーパ面211aを形成する工程と、前記ベース材の四隅に於いてテーパ面211aに凹段差部212aを形成する工程と、コア材21a或いは切欠部213aに方向規制体214aを挿入して接着剤で固着する工程とを行って形成する。前記切欠部213aに方向規制体214aを固着する際には、方向規制体214aの接着する面に接着剤を塗布し、切欠部213aに上側又は下側から接着剤を塗布した方向規制体214aを挿入することにより固着する(図13参照)。
【0054】
また、図11及び図12に示す上板22a、下板23aを形成する。上板22aを形成する際には、鋼板等の板材を所定寸法に切断して上板22aのベース材を形成する切断工程と、前記ベース材にレーザー加工等を施して屈曲片221aに相当する屈曲可能な部位を形成する工程と、配線引出凹部222a、凸部215aが収納される凹部223a、ビス孔224aを形成する工程と、前記屈曲可能な部位を屈曲して屈曲片221aとする工程とを行って形成する。下板23aを形成する際には、鋼板等の板材を所定寸法に切断して下板23aのベース材を形成する切断工程と、前記ベース材にレーザー加工等を施して屈曲片231aに相当する屈曲可能な部位を形成する工程と、配線引出凹部232a、方形規制体214aを収納する切欠部233a、ビス孔234aを形成する工程と、前記屈曲可能な部位を屈曲して屈曲片231aとする工程とを行って形成する。
【0055】
尚、上板22aは凸部215aが収納される凹部223aを有するのに対し、下板23aはテーパ面211aの下端近傍に位置し、凸部215aがコア材21aのテーパ面211aの略上部に形成された凹部217aに収納され、凸部215aと干渉しないことから、下板23aには凸部215aが収納される凹部を形成していない。また、上板22aの方向規制体214aに対応する箇所には他の箇所と同様に下方に向かって屈曲する屈曲片221aが形成され、後述の如く屈曲片221aを方向規制体214aの凹溝218aに挿通する構成であるのに対し、下板23aの方向規制体214aに対応する箇所は、上板22aの屈曲片221aが挿入される凹溝218aのような凹溝が方向規制体214aの下側に形成されていないことから、方向規制体214aとの干渉を防ぐために凹状に切り欠かれた切欠部233aを形成している。また、上板22aの配線引出凹部222aは、下板23aが後述するコア材21aのテーパ面211aを介して内側に配置されることから、下板23aの配線引出凹部232aよりも切り欠き量が多くなっている。また、上板22a及び下板23aの隅部には、面取り部が形成されており、屈曲片221a及び231aの形成により、鋭利な外方への突出を未然に防止し、床パネル20の取り扱いの安全性を高めている。
【0056】
その後、上板22aの内面及び下板23aの内面に接着剤を塗布して加熱すると共に、コア材21aの上側と下側に上板22aと下板23aをそれぞれ配置し、更に、上板22aの屈曲片221aを方向規制体214aの凹溝218aに挿入するようにして上板22a及び下板23aをコア材21aの上下に配置し、コア材21aに上板22aと下板23aを接着して接合する工程と、コア材21aとその上側の上板22aとその下側の下板23aを上下からプレスして圧着する工程を行い、床パネル20aが完成する。
【0057】
また、上記第2実施形態の二重床構造を施工して二重床設備を構成する場合にも、支持脚10a、床パネル20aを用い、第1実施形態と同様の施工方法で施工、壁際施工を行うことが可能であるが、壁際施工を行うに際し、壁際に設置する支持脚として第1実施形態の支持脚10を用い、第1実施形態の壁際施工の手順で施工することが好ましい。
【0058】
上記第2実施形態の二重床構造及び二重床設備は、第1実施形態と同様の効果を発揮すると共に、屈曲片221aの凹溝218aへの嵌挿で方向規制体214aを上板22aに機械的に係合していることから、方向規制体214aに下側からの荷重に対する強度や耐久性を高めることができ、例えば隣り合う他の床パネル20aが床パネル20aの方向規制体214aに当たる場合、或いは万一、誤った方向で床パネル20aを載置した場合等にも、方向規制体214aや床パネル20aが破損する虞がなくなる。また、支持脚10aにパネル位置決め突起144aを設け、床パネル20aにテーパ面211aを設けることにより、多少適当な箇所に床パネル20aを配置しても正確な位置に自動的に修正することが可能となる。また、床パネル受皿14a及びパネル位置決め突起144aは、平面視略方形の基材の略中央部に凹段部142a及び補強用リブ145aを形成し、端部を単に屈曲して立ち上げて構成することが可能であるため、安価な製造も可能である。また、床パネル20aは、上板22aと下板23aでコア材21aを挟む積層構造であるため、高強度である。また、上板22a及び下板23aの側面は、互い接触しない程度の短い屈曲片221a、231aとするため、上板22a及び下板23aの材料費を節約することが可能である。また、方向規制体214aの凸部215aが角部を有しない円弧状に形成されることから、取扱い時に怪我をする等の心配がなく高い安全性を有すると共に、強度が弱い角部を無くし、更に強度を高めて破損を防止することができる。
【0059】
〔その他の実施形態及び変形例等〕
以上、本発明の第1、第2実施形態について説明したが、本発明は第1、第2実施形態に限定されない様々な拡張や変形が可能である。
【0060】
例えば、方向規制体の凸部と凹部の合わせによる方向規制構造は第1、第2実施形態に限定されず、例えば図14に示す第3〜第6実施形態の方向規制構造の構成としてもよい。
【0061】
図14(a)の第3実施形態の方向規制体22bは、板状又は柱状で一体形成されたものであり、床パネル20b側に向かって断面が縮小する台形基部221bと、床パネル20bの側面から外側に向かって突出する円弧部222bと、台形基部221bと円弧部222bとを結合する首部223bとを備える。方向規制体22bは、床パネル20bの側面に打ち付けるようにして床パネル20bに取り付けられ、台形基部221b及び首部223bが床パネル20bに入り込んでいる。前記方向規制体22bを打ち付けることにより、製造、組立の様々な工程で方向規制体22bを必要に応じて取り付けることが可能となり、方向規制体22bが不要であった床パネル20bに急遽必要となった場合でも容易且つスピーディに取り付けることができる。尚、前記打ち込みの構成に代え、床パネル20bに台形基部221b及び首部223bを上下方向に嵌挿可能若しくは床パネル20bの側面の外側から嵌挿可能な切欠部又は凹部を設け、前記切欠部又は凹部に台形基部221b及び首部223bを嵌挿する構成としてもよい。
【0062】
図14(b)の第4実施形態の方向規制体22cは、長方形の板状又は直方体状であり、床パネル20cの凹状の切欠部21cに略半分から略3/4程度嵌め込み、切欠部21cに接着剤で固着する構成である。切欠部21cは上下に開口して上下方向に方向規制体22cを挿入可能な構成、或いは皿状に凹んで、床パネル20cの側面の外側から方向規制体22cを挿入可能な構成としてもよい。前記形状の方向規制体22cは、特に強度に劣る部分がなく、高強度を有する。
【0063】
図14(c)の第5実施形態の方向規制体22dは、楕円形の板状であり、凹状の配線引出凹部221dが形成されている。方向規制体22dは、床パネル20dの平面視略半楕円形の切欠部21dに上下方向に嵌挿され、接着剤で固着されている。方向規制体22dを用いることにより、床パネル20dに別途の配線引出凹部を設ける必要がなくなる。
【0064】
図14(d)の第6実施形態の方向規制体22eは、三角形の板状であり、床パネル20eの平面視略台形の切欠部21eに上下方向に嵌挿され、接着剤で固着されている。
【0065】
また、本発明に於ける方向規制体は、床パネルの辺或いは側面に設けられる構成に限定されず、角部に設けられる構成としてもよい。例えば図15の第7実施形態では、方向規制体22fを平面視で2つの円が結合した形状で、板状若しくは上下方向に延びる短柱状とし、床パネル20fの一隅部に方向規制体22fの取付用の切欠部21fを設け、切欠部21fに上下方向に方向規制体22fを嵌挿して接着することにより、床パネル20fに方向規制体22fを固着する。そして、床パネル20fの他の三隅部には略1/4円形の隅凹部26fを形成し、隣接して設置される4つの床パネル20fの隅部が集合する箇所で3つの隅凹部26fで略3/4円形の凹部25fが形成されるようにし、凹部25fに方向規制体22fの凸部23fを収納する構成である。
【0066】
また、第2実施形態では、上板22aの屈曲片221aと凹溝218aの係合により、方向規制体214aを機械的に係合しているが、下板23aの屈曲片231aを方向規制体214aの対応する位置に形成された凹溝に係合し、下板23aと方向規制体214aを係合する構成、或いは上板22aと下板23aの双方を方向規制体214aと係合する構成としてもよい。前記上板22a及び下板23aの双方を方向規制体214aと係合する場合には、強度をより高めることができると共に、方向規制体214aと床パネル20aとを接着剤による接着を使用せずに固着することができる。また、第1、第3〜第6実施形態の各実施形態で上板或いは下板を設ける床パネルとする場合、上板或いは下板或いはその双方を方向規制体に係合する構成とすることが可能である。尚、屈曲片221a等の方向規制体214aに対する係合は、凹溝218aなど受入部に挿入する係合に限定されず、屈曲片221a等を方向規制体214aの側面等の所定面に引っ掛かけて係合する構成等とすることも可能である。
【0067】
また、第2実施形態の床パネル20aの製造方法は、上記製造工程に対し、可能な範囲で製造工程の順序を変えたもの、或いは一部の工程を削除したもの、或いは別途の工程を追加したものとすることが可能である。また、第2実施形態の床パネル20aに於けるテーパ面211aは必要に応じて設ければよく、無くすことも可能である。また、第2実施形態のテーパ面211aの傾斜を急にし、下板23aの配線引出凹部232aを無くす或いは配線引出凹部232aの切欠量を少なくすると、製造コストの低減を図ることができて好適である。また、床パネル20aや方向規制体214aが所要強度を有する場合には、上板22aと下板23aの屈曲片221a、231aを設けずに構成することも可能である。また、ビス孔は、適宜必要に応じて設ければよい。
【0068】
また、各実施形態の構成は例示であり、方向規制体や方向規制体が取り付けられる切欠部等の各々構成には、適宜の形状や取付構造を用いることが可能である。また、方向規制体や方向規制体が取り付けられる切欠部は、床パネルの一辺だけに設ける構成に限定されず、隣り合う2辺に設ける構成としてもよく、更に、1辺に1個である必要はなく、1辺に2個以上としても良く、更に、辺の略中央である必要はなく、辺の端部近傍、或いは図16の第8実施形態の方向規制体214a或いはその凸部41aのように、方向規制体や切欠部は辺の中央と端部との間に設けてもよく、間違った方向で床パネルを設置不能な構造であれば適宜の配置や個数とすることが可能である。
【0069】
また、図16の第8実施形態に示すように、方向規制体214aの突出長さを長くし、幅を小さくしてもよく、例えば突出幅を10mm等としてもよい。この際に、凸部41aが収納されるコア材21aの凹部42a、上板22aの凹部43aにより開口が形成される場合には、配線引出口として使用するなど適宜である。また、方向規制手段の強度を維持可能な適宜の構成を採用することが可能であり、例えば方向規制体が床パネルの外周よりも外方に突出する凸部の平面視面積と、切欠部内に収納され、床パネルの外周よりも内方に位置する収納部の平面視面積とを略同一とする構成等とすることが可能である。前記構成により、方向規制体を小型化し、コストダウンに繋げることもできる。尚、本発明に於ける凸部の突出長さは図16(c)の突出長さAの方向、凸部の突出幅は図16(c)の突出幅Bの方向を意味している。
【0070】
また、方向規制体を床パネルと異なる色、例えば赤・金など目立つ色に形成すると好適であり、施工者が人目で方向規制体を目視することができ、施工性を向上することができる。前記異なる色とする場合、床パネル本体の色に対し、方向規制体をその補色とすると、その対比によって方向規制体の色が強調されるので好ましい。また、方向規制体と床パネルとが別体であることにより、前記床パネルと方向規制体を異なる色とする構成を非常に容易に構成することができる。
【0071】
また、図16に示すように、コア材21aの配線引出用凹部217aと、上板22aの配線引出用凹部223aとで構成される等の配線引出口を床パネルの2辺に4つずつ設ける構成とすることが可能である。また、前記構成等の配線引出口の間に方向規制体を設ける構成としてもよく、前記構成により、配線引出口が集合し、床パネルの外形が大きく変形している箇所に方向規制体を設けて、方向規制体をより目立たせることが可能となる。
【0072】
また、方向規制体は筒形の形状に限定されず、方向規制体の下端等に傾斜面又は円弧部を設けてもよい。例えば図17(a)の如く方向規制体51の下端に傾斜面51aを設ける構成や、図17(b)の如く方向規制体52の外側面に傾斜面52aを設ける構成や、図17(c)の如く方向規制体53の略下端に外方に凸の湾曲面53aを設ける構成等とすることが可能である。前記構成により、施工時に方向規制体に加わる外力を極力抑えることができると共に、床パネルの施工性が向上する。
【0073】
また、本発明の二重床設備は、同じ床パネル20等を一律に設ける構成に限定されず、異なる種類の床パネルを組み合わせて敷設する構成としてもよい。図18及び図19の第9実施形態は、第2実施形態の床パネル20aと、床パネル20aと異なる第2の床パネル20gを使用する二重床設備の例である。
【0074】
図18の第2の床パネル20gは、第2実施形態の床パネル20aと共に敷設可能な構造であり、コア材21g、テーパ面211g、凹段差部212g、凹部217g、ビス孔2191g、上板22g、下板23g、屈曲片221g、231g、凹部223g、ビス孔224g、234gを備える。前記各部の構成は第2実施形態の床パネル20aの構成と基本的に同一であるが、凹部217g、223gは後述する大配線引出凹部24gが設けられている辺以外の3辺に設けられている。更に、第2の床パネル20gには、一辺に大量の配線引き出しが可能である大きな大配線引出凹部24gが形成されており、第2の床パネル20gの四辺には凹部217g、223g又は大配線引出凹部24gの何れかが設けられている。
【0075】
第2の床パネル20g・20gを並設し、且つ大配線引出凹部24g・24gを向かい合わせて配置する場合、対向する大配線引出凹部24g・24gで平面視略四角形状の開口部を形成し、前記開口部にコンセントなどを設置可能である。即ち、第2の床パネル20gの設置方向は、大量の配線を引き出す場合とコンセントを載置する場合とで変更する必要が生ずることがある。前記設置方向の変更に対応して、第2の床パネル20gには、上述の如く大配線引出凹部24gを有しない辺にそれぞれ凹部217g、223gが形成されており、第2の床パネル20gは全ての設置方向で第2実施形態の床パネル20aと並設することが可能である。
【0076】
図19に床パネル20aと並設して第2の床パネル20gを各設置方向で設置した場合を示す。図19(a)の第1の関係、図19(b)の第1の関係の第2の床パネル20gのみを反時計回りに90度回転させた第2の関係、図19(c)の第1の関係の第2のパネル20gのみを180度回転させた第3の関係、図19(d)の第1の関係の第2のパネル20gのみを時計回りに90度回転させた第4の関係の全てについて、床パネル20aの方向規制体214aの凸部215aが凹部217g、223g又は大配線引出凹部24gに収納されるようになっており、床パネル20aに対して第2の床パネル20gを何れの設置方向でも隣接配置することができる。また、第2の床パネル20g相互も互いに干渉し合う部分を有しないことから、互いに隣接して配置することができる。
【0077】
上記第9実施形態でも、方向規制体214aの凸部215aの突出長さが小さいことから、凸部215aが収納される凹部217g、223gの凹入量が小さくて済むため、第2の床パネル20gの凹部217g、223gと第2実施形態の方向規制体214aを有しない辺とが隣接する、或いは並設する第2の床パネル20g・20gの凹部217g、223g・217g、223g相互が隣接する場合にも、凹部217g、223gで形成される孔は小さくなり、ハイヒールの踵等が落ち込むことを防止できる。
【0078】
尚、第2の床パネル20aの大配線引出凹部24gからレイアウト変更などにより大量の配線の引き出しがなくなった場合は、大配線引出凹部24gを閉塞する断面視L字形等のカバーを配設する等適宜であり、この際、L字形のカバーの外側端部に第2の床パネル20aに形成した凹部223gと略同一形状の凹部を形成すると好適である。また、第2の床パネル20gは、大配線引出凹部24gを有するものに限定されず、顧客の要望に応じて、設置方向を回転して変更可能な適宜の床パネルとすることが可能であり、例えば四辺に凹部217g、223gがそれぞれ設けられる床パネルや、隣り合う2辺又は3辺に凹部217g、223gが設けられる床パネル等を第2の床パネル20gとすることが可能である。また、第9実施形態では、第2の床パネル20gを第2実施形態の床パネル20aと組み合わせて並設する二重床設備について説明したが、第2の床パネル20gは第1実施形態の床パネル20など適宜の実施形態の床パネル等と組み合わせて並設することが可能である。また、第9実施形態の第2の床パネル20gは、第2実施形態の床パネル20aを基本的な構成とするものとしたが、第1実施形態の床パネル20など適宜の実施形態の床パネル等に凹部217g、223gに相当する凹部を上記例と同様の辺など適宜の辺に設ける構成とすることも可能である。
【0079】
また、第2実施形態又は図16に示す例の床パネル20aは、上板22aと下板23aの屈曲片221a、231aを長くし、コア材21aを側面から目視不能にする構成としてもよく、前記構成により、床パネルの強度向上を図ることができる。また、床パネルの上面外周に小さな面取り部を施すなど適宜であり、前記構成により、隣り合う床パネル相互の段差を目立たないようにすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、例えばオフィスに床下配線を施す場合等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】(a)は第1実施形態の二重床構造及びその二重床設備を示す平面説明図、(b)は同図(a)の二重床構造及びその二重床設備を示す正面説明図。
【図2】(a)は第1実施形態に於ける支持脚を示す平面図、(b)は同図(a)の支持脚を示す底面図、(c)は同図(a)の支持脚を示す正面図、(d)は同図(a)の支持脚を示す部分断面図。
【図3】(a)は第1実施形態に於ける床パネルを示す平面図、(b)は同図(a)の床パネルを示す正面図、(c)は第1実施形態に於ける方向規制構造の拡大説明図。
【図4】(a)は第1実施形態に於ける方向規制構造で方向規制体の取付前の状態を示す斜視図、(b)は同図(a)の方向規制構造で方向規制体の取付後の状態を示す斜視図。
【図5】(a)は第2実施形態に於ける二重床構造及びその二重床設備を示す平面説明図、(b)は同図(a)の二重床構造及びその二重床設備を示す正面説明図。
【図6】(a)は第2実施形態に於ける支持脚を示す平面図、(b)は同図(a)の支持脚を示す底面図、(c)は同図(a)の支持脚を示す正面図、(d)は同図(a)の支持脚を示すA−A線矢視の一部断面図。
【図7】(a)は第2実施形態に於ける床パネルを示す平面図、(b)は同図(a)の床パネルを示す正面図、(c)は同図(a)のα1領域の拡大平面図、(d)は同図(b)のα2領域の拡大平面図。
【図8】(a)は第2実施形態に於ける方向規制構造で方向規制体と凹部の関係を説明する部分平面説明図、(b)は同図(a)の方向規制構造で方向規制体と凹部の関係を説明するB−B線矢視の一部断面図。
【図9】(a)は第2実施形態に於ける2枚の床パネルを支持脚に載置した状態を示す部分平面図、(b)は第2実施形態に於ける2枚の床パネルを支持脚に載置した状態を示す部分正面図。
【図10】(a)は第2実施形態に於けるコア材を示す平面図、(b)は第2実施形態に於けるコア材を示す正面図。
【図11】(a)は第2実施形態に於ける上板の平面図、(b)は第2実施形態に於ける上板の正面図、(c)は同図(a)のα3領域の拡大平面図、(d)は同図(b)のα4領域の拡大正面図、(e)は同図(a)のα5領域の拡大平面図、(f)は同図(a)のα6領域の拡大平面図。
【図12】(a)は第2実施形態に於ける下板の平面図、(b)は第2実施形態に於ける下板の正面図、(c)は同図(a)のα7領域の拡大平面図、(d)は同図(b)のα8領域の拡大正面図、(e)は同図(a)のα9領域の拡大平面図。
【図13】(a)は第2実施形態に於ける方向規制構造で方向規制体の取付前の状態を示す縦断面図、(b)は第2実施形態に於ける方向規制構造で方向規制体の取付後の状態を示す縦断面図、(c)は第2実施形態に於ける方向規制構造で上板及び下板の取付後の状態を示す縦断面図。
【図14】(a)〜(d)は第3実施形態〜第6実施形態に於ける方向規制構造を示す部分平面図。
【図15】(a)は第7実施形態に於ける床パネルの隅部に設けられる方向規制構造を示す平面図、(b)は同図(a)のα10領域の拡大平面図。
【図16】(a)は第8実施形態に於ける床パネルを示す平面図、(b)は同図(a)の床パネルを示す正面図、(c)は同図(a)のα11領域の拡大平面図、(d)は同図(b)のα12領域の拡大平面図
【図17】(a)〜(c)は方向規制体の変形例を示す部分正面図。
【図18】(a)は第9実施形態に於ける第2の床パネルを示す平面図、(b)は同図(a)の第2の床パネルを示す正面図、(c)は同図(a)のα13領域の拡大平面図、(d)は同図(b)のα14領域の拡大正面図、(e)は同図(a)のα15領域の拡大平面図。
【図19】(a)は第9実施形態に於ける床パネルと第2の床パネルとの第1の関係を示す二重床設備の平面説明図、(b)は第9実施形態に於ける床パネルと第2の床パネルとの第2の関係を示す二重床設備の平面説明図、(c)は第9実施形態に於ける床パネルと第2の床パネルとの第3の関係を示す平面説明図、(d)は第9実施形態に於ける床パネルと第2の床パネルとの第4の関係を示す平面説明図。
【符号の説明】
【0082】
10、10a…支持脚 11、11a…基台 111、111a…リブ 112、112a…底面側凹溝 113、113a…上面側凸条 114、114a…貫通孔 115a…基準用切欠部 12、12a…支持ボルト 13、13a…高さ調整ナット 14、14a…床パネル受皿 141、141a…支持部 142、142a…凹段部 143、143a…取付孔 144a…パネル位置決め突起 145a…補強用リブ 146a…ビス孔 15、15a…緩止ナット 20、20a〜20f…床パネル 20g…第2の床パネル 21、213a、21c〜21f、233a…切欠部 22、214a、22b〜22f、51、52、53…方向規制体 23、215a、23f、41a…凸部 24、216a…収納部 25、217a、223a、25f、217g、223g、42a、43a…凹部 21a、21g…コア材 211a、211g…テーパ面 212a、212g…凹段差部 218a…凹溝 219a、222a、232a、221d、44a、45a…配線引出凹部 2191a、224a、234a、2191g、224g、234g…ビス孔 22a、22g…上板 23a、23g…下板 221a、231a、221g、231g…屈曲片 221b…台形基部 222b…円弧部 223b…首部 26f…隅凹部 24g…大配線引出凹部 30…緩衝材 51a…傾斜面 52a…傾斜面 53a…湾曲面 100…基礎床面 200…空間 300…壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、
該床パネルの側面に凸部と凹部を設け、
該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの凹部若しくは凸部に、該床パネルの凸部若しくは凹部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造であって、
該床パネルの側面に設ける該凸部を、該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体で構成することを特徴とする二重床構造。
【請求項2】
前記凸部の前記床パネルの側面からの突出長さ又は突出幅の何れか一方を10mm以下とすることを特徴とする請求項1記載の二重床構造。
【請求項3】
前記床パネルの側面若しくは前記コア材の側面に切欠部を設け、
前記別体の方向規制体を該切欠部に収納して取り付け、
該方向規制体の該切欠部内に配置する部分の平面視面積を該方向規制体の該切欠部外に配置する部分の平面視面積と略同じか、それよりも大きくすることを特徴とする請求項1又は2記載の二重床構造。
【請求項4】
前記コア材の上下の少なくとも一方の面に、端部に屈曲部を有する板材を重ねて配置し、
前記屈曲部を前記方向規制体に係合することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の二重床構造。
【請求項5】
基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、
該床パネルの隅部側面に凸部と隅凹部を設け、
該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの隅凹部が集合して構成される凹部に、該床パネルの凸部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造であって、
該床パネルの隅部側面の凸部を、該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体で構成することを特徴とする二重床構造。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の二重床構造を、前記凸部と凹部の合わせにより各床パネルの設置方向を規制して複数敷設することを特徴とする二重床設備。
【請求項7】
前記床パネルの側面の凸部を合わせることが可能な凹部が各側面に設けられている第2の床パネルを前記基礎床面上で所定高さに支持し、該基礎床面と該第2の床パネルとの間に空間を形成する第2の二重床構造を前記二重床構造と並べて敷設し、
該床パネルの凸部を該第2の床パネルの凹部に合わせることにより、該床パネルの設置方向を規制することを特徴とする請求項6記載の二重床設備。
【請求項8】
壁際に配置される前記床パネルの壁面に向けて配置される前記凸部を有する側面と該壁面との間に緩衝材を配設することを特徴とする請求項6又は7記載の二重床設備。
【請求項9】
基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、
該床パネルの側面に凸部と凹部を設け、
該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの凹部若しくは凸部に、該床パネルの凸部若しくは凹部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造の床パネルであって、
該床パネルの側面若しくは該床パネルのコア材の側面に、該凸部を構成する該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体を収納する切欠部を設けることを特徴とする二重床構造の床パネル。
【請求項10】
基礎床面上で床パネルを所定高さに支持し、該基礎床面と該床パネルとの間に空間を形成すると共に、
該床パネルの隅部側面に凸部と隅凹部を設け、
該床パネルと同一構成で該床パネルと並べて配置される別の床パネルの隅凹部が集合して構成される凹部に、該床パネルの凸部を合わせることにより、該別の床パネルに対して該床パネルの設置方向が規制される二重床構造の床パネルであって、
該床パネルの隅部側面に、該凸部を構成する該床パネルと別体の方向規制体若しくは該床パネルのコア材と別体の方向規制体を収納する切欠部を設けることを特徴とする二重床構造の床パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−203616(P2009−203616A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44222(P2008−44222)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000162135)共同カイテック株式会社 (66)
【Fターム(参考)】