互い違いの壁構造を有するウェハ容器
互いにネストするベース及びカバーを備えたウェハ容器。ベースは、内壁及び外壁から成る互い違いの壁構造を含む。互い違いの壁構造は、側面衝撃による力が主に外壁セグメントにより吸収されるように配置される。カバーに設けられたリブは、外壁セグメントが内壁径を越えて曲がるのを制限する。ベースに設けられた基準タブは、カバーに対するベースの位置合わせを容易にする。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体ウェハは、運搬に際して適切に保護されなければ容易に傷付いたり破損したりする、壊れやすい基板である。各半導体ウェハは、シリコン基板上に多数の集積回路パターンが形成されている。輸送及び荷役作業中に半導体ウェハを損傷から保護するため、種々の容器が開発されてきた。
【0002】
ウェハ容器の上半分と下半分は、作業者によって不適切に組み合わされたり、輸送中に容器に力が及んで位置ずれしたりすることがよくある。このような位置ずれが起こると、容器内に収容された高価なウェハに汚染、割れ、その他の損傷を生じる恐れがある。
【0003】
半導体ウェハに用いられる様々な水平型のウェハ容器の中に、二重壁構造を有する容器がある。米国特許第6,193,068号(ルイス)は一例である。ルイスの二重壁は、ベースの外壁に接触する可能性のある力からウェハを保護するために設計された。しかしながら、ルイスにおいては、外壁が内壁の真後ろにあり、同様の角度セクタに整列されている。このようなウェハ容器における内壁は、一般的に柔軟性がなく、衝撃を十分に吸収できない。外力は、外壁を内壁まで曲げるほど大きい可能性もあり、その場合、ウェハ容器内に収容されたウェハに損傷を与えてしまう。
【0004】
分離され難く、輸送及び荷役作業中に伝わる力から半導体ウェハを保護するために十分頑丈なウェハ容器が、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ベース上に二重壁構造を有するウェハ容器に関する。壁構造は、複数の外壁と複数の内壁とを備える。各内壁が各々に隣接する外壁と共有する角度セクタの割合は、最小限に抑えられる。
【0006】
また、本発明は、カバーとベースとの正しい位置合わせを容易にするための位置合わせシステムに関する。位置合わせシステムは、カバーによって受け止められる基準タブと、容器の2つの部分を正しく位置合わせできるように作業者をガイドする目視可能な識別部とを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、ウェハ容器の2つの部分を互いに固定するためのロック機構に関する。下半分は、ベースに垂直な壁構造を備える。壁構造は、セグメント化された内壁及び外壁を備え、壁構造の各部分は特徴的な円弧長を有する。各内壁の円弧長は、いずれの外壁の円弧長とも完全には重ならない。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、ベースと嵌合するウェハ容器用カバーに関する。カバーは、ベースから各ラッチを容易に受け止めるランプを各々有する、一又は複数のノッチを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の容器の斜視図であり、容器の両半分の間にウェハが置かれた状態を示す図。
【図2】カバーに対して位置合わせされたベースの基準タブを示す図。
【図3A】カバーに対して位置合わせされた状態の基準タブを示す図。
【図3B】カバーに対してずれている状態の基準タブを示す図。
【図3C】ベースに対する正しい位置付けを容易にするために位置合わせ矢印が付されたカバーを示す図。
【図4A】ラッチのフック部分の高さ寸法を示す図。
【図4B】図2の基準タブの高さ寸法を示す図。
【図5】トップカバーが下半分に固定された状態の図1の容器を示す図。
【図6A】図5の閉じた状態の容器の側面図。
【図6B】図5の閉じた状態の容器を示す別の側面図。
【図7】本発明のベースにおける角度セクタの配置を示す図。
【図8】ベースの上面図。
【図9】本発明のベースの斜視図。
【図10】トップカバーの内側の斜視図。
【図11】図10におけるランプの破断図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の容器は、半導体ウェハ又は半導体フィルムフレームを収容する。図1は容器の2つの部分、ベース100及びそれに対応するカバー200を示している。デッキ60のフロア10に設けられたリブパターン30は、ベース100の信頼性を高める働きをする。ベース100の収容領域は、内壁80と、フロア10と、外壁90A,90B,92A及び92Bとで定められる。カバー200とベース100との間に、ウェハ30,32及びウェハセパレータ37−39が挟まれる。
【0011】
衝撃を受けると、外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、内壁セグメント80の内径12側に曲がる。外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、側面衝撃からエネルギーの大部分を吸収し、それにより、内壁セグメント80に伝わるエネルギー量が減る。結果として、ウェハ30及び32は、本発明の互い違いの壁構造により、強い衝撃を受けないよう保護される。
【0012】
図2は、ウェハ容器250のベース100の別実施形態を示す。より好ましい本実施形態においては、一連の基準タブが、ベース100のデッキ60に取り付けられている。基準タブ20A,20B,22A,22B,24A,24B,28A及び28Bは、以下のような方法でカバー200に対するベース100の位置合わせを助けるように設計される。カバー200は、タブ20,22,24及び28と合うように設計された支持ブラケットを有する。具体的には、ブラケット70の凹部70Aはタブ20Aに緩く嵌合するとともに、凹部70Bはタブ20Bに緩く嵌合する。同様に、凹部78Aはタブ28A(図示せず)に嵌合し、凹部78Bはタブ28Bに嵌合する。凹部74A及び74Bはそれぞれタブ24A及び24Bに嵌合する。支持ブラケット70,72,74,78の凹部はいずれも、タブ20,22,24及び28にぴったり嵌合しないことが好ましい。最も好ましい実施形態においては、4つの支持ブラケットはいずれも同じものであり、支持ブラケット70の外観を有する。図3Cは、全ての支持ブラケットが同じ構造を有するカバー200を示している。
【0013】
図3Aにおいては、ベース100の上面図が示されるとともに、カバー100がスケルトンで示されている。斜線は、カバー200を示すため、及び、カバー200をベース100に正しく位置合わせする方法を示すために用いられている。また、図3Aには、各角に設けられたラッチ25も示されている。各ラッチに隣接して、ラッチ25がラッチ位置又はアンラッチ位置に移動するための余裕を与える開口31が設けられている。対になった基準タブが、ベース100の上面の各側に配置されている。例えば、図3Aでは、タブ24A及び24Bが、ベース100の一側における開口31C及び31Dの間に配置され、タブ28A及び28Bが、ベース100の隣接する側における開口31A及び31Dの間に配置されている。同様に、タブ22A及び22Bは、ベース100の異なる側における開口31B及び31Aの間に配置されている。タブ20A及び20Bは、ベース100の第4の側に配置されている。図3Bは、図3Aのカバー200を90度回転させた状態を示している。図3Bの位置では、カバー200はベース100に対してずれている。凹部70A及び凹部78Aはそれぞれ基準タブ20A及び基準タブ28Aと合っていないため、カバー200はベース100に正しく嵌まらない。すなわち、支持ブラケット70及び78の凹部はタブ20A及び28Aに自由に滑り込まず、それにより、カバー200がベース100に誤った位置で取り付けられることを防止する。図3Bはまた、位置確認矢印35及び37を示している。位置確認矢印35,37は、作業者がベース100とカバー200を正しく位置合わせする上で役立つ目視基準となる。好ましい実施形態においては、カバー200も図3Cに示されるような一対の位置確認矢印を有し、この矢印は、2つの部分が互いに正しい位置にあるとき、ベース100の矢印と一致する。矢印の代わりに、カバーとベースが正しく位置合わせされたときを作業者が認識するのに役立つ他の種類の目視マークを用いてもよい。
【0014】
ラッチフックの高さ寸法H1は、図4Aに示されている。基準タブの高さ寸法H2は、図4Bに示されている。H2は、カバー200がベース100の上に十分に押し下げられていない場合にラッチ25がカバー200に係合するのを防止するような高さでなければならない。好ましい実施形態においては、H2>H1である。
【0015】
図5は、閉じた状態のウェハ容器250の斜視図である。具体的には、カバー200の側壁75並びに支持ブラケット70及び74が壁構造80,90及び92の外側を囲み、閉じた容器250を形成する。カバー200の主面50は、容器250の上部に構造強度及び剛性を与えるパターンを有する。特に、カバー200の星形パターン33及び同心円状のリブ52,54を付加することにより、剛性があり且つ軽量なカバー200が得られることが分かった。星形パターン33は4アームに限られず、図3Bに示されるように5本以上のアームを有するものであってもよい。また、ベース100は、デッキ60の各角にラッチ25が取り付けられている。図5に示されるように、各ラッチ25がカバー200の各ノッチ43にロックされると、容器250の2つの部分が固定される。また、図5では、カバー200の周囲にリップ27が設けられているのが分かる。このリップ27を設けることにより、容器250は、第1のものと同一の第2の容器上に積み重ねることが可能になる。
【0016】
どのようにしてベース100のセグメント化された壁構造がカバー200と結合するのかを説明するために、容器250の側面図が図6A及び図6Bに示されている。壁セグメント81は、カバー200の側壁75の内側に収まる。側壁75はスロット35を有し、それにより、外壁81及び85の一部を露出させることができる。同様に、外壁85は、2つの部分100,200を嵌合させると、カバー100の側壁75の内側に収まる。さらに、支持ブラケット70A及び70Bは、ベース100の外壁83及び87の外側をネストし、内部に収容されるウェハのために安定した収容領域を提供する。
【0017】
ベース100の様々な壁セグメントは、ベース100の円周内の特定領域を占める。ここでは、これらの領域を角度セクタと呼ぶ。図7は、ベース100に配置された円周50内に存在し得る角度セクタR1−R6の一例を示す。R1,R3及びR5は内壁セグメントが配置される角度セクタを表し、R2,R4及びR6は外壁セグメントが配置される領域を表す。各角度セクタの最も外側の境界は円弧で定められる。最も外側の円弧は、41B,41D及び41Fと表示されている。円周50内における最も内側の円弧は、41A,41C及び41Eである。円弧41Aは、約2度の角度γだけ角度セクタ41F内に延びるものとして示されている。円弧41Cは、隣接する両方のセクタR4及びR2内に角度θ1及びθ2だけ延びるものとして示されており、θ1は約3度、θ2は約4度である。円弧41Eは、約5度の角度αだけセクタR5から延びる。図示されている角度セクタは6つだけであるが、容器は8つ以上の角度セクタを有するものであってもよい。
【0018】
図8は、ベース100の上面図であり、セグメント化された壁80,82,84,86,90A,90B,92A,92Bと角度セクタR1−R8の両方を示している。角度セクタR1−R8をより明確に示すため、デッキ60のフロア10はリブパターン30なしで示されている。但し、好ましい実施形態においてはリブパターン30が存在することを理解されたい。ベース100に対して垂直に、又は略垂直に、一連の内壁80,82,84及び86が設けられている。さらに、一連の外壁90A,90B,92A,92Bもまた、ベース100に対して垂直、又は略垂直である。図示される壁は各々、特定の円弧長の円弧を有する。例えば、内壁86は円弧長58の円弧59を有する。同様に、外壁92Aは円弧長56の円弧53を有する。各内壁及び外壁は、角度セクタR1−R8のいずれかを占める。内壁の円弧の50−99.5%は、隣接する外壁の円弧と同じ角度セクタに位置しない。例えば、内壁の円弧59の90%以上がR7に位置しており、隣接する角度セクタR6又はR8のいずれも、ほとんど占めていない。外壁92Aは円弧53上にあり、ほとんど全体が角度セクタR4内に位置している。従って、外壁92Aの約95%は、隣接する角度セクタR3又はR5に位置しない。
【0019】
内壁セグメントは外壁セグメントと交互に配置されるため、内壁の円弧は、隣接する角度セクタ内に侵入し得る。本発明の好ましい実施形態においては、各内壁セグメントの円弧長は、外壁の隣接する角度セクタの円弧長の約0−50%に侵入する。本発明のより好ましい実施形態においては、内壁82は、角度セクタR3を占めるとともに、角度セクタR4の0.1%から25%を外壁92Aと共有し、また、角度セクタR2の0.1%から25%を外壁90Aと共有する。最も好ましくは、内壁82は、角度セクタR4の0.1%から10%を外壁92Aと共有し、角度セクタR2の0.1%から10%を外壁90Aと共有する。同様に、主に角度セクタR1を占める内壁80は、角度セクタR2の0−50%を外壁90Aと共有し、角度セクタR8の0−50%を外壁92Bと共有するのが好ましい。より好ましくは、内壁80は、角度セクタR2の0.1%から25%を外壁90Aと共有し、また、角度セクタR8の0.1%から25%を外壁92Bと共有する。最も好ましくは、内壁80は、角度セクタR2の0.1%から10%を外壁90Aと共有し、角度セクタR8の0.1%から10%を外壁92Bと共有する。
【0020】
本発明は、図8に示される8つの角度セクタR1−R8のみを有する容器に限られない。本発明は、8つより少ない角度セクタを有するベースや、8つより多い角度セクタを有するベースでも機能する。セクタの数は、内壁及び外壁のセグメントの総数に等しくなる。各壁セグメントの円弧は、各角度セクタの最も外側の境界を定める。図8における各壁(80,82,84,86,90A,90B,92A及び92B)はそれぞれ、ベースの円周の90度未満を占める(すなわち、各壁は(Π/2×半径)より小さい円弧長を有することが好ましい)が、これは本発明が機能するための必須条件ではない。つまり、各壁は、円周のより大きな角度部分を占めていてもよい。さらに、各内壁(80,82,84,86)は、他の全ての内壁と同じ円弧長を有する必要はない。同様に、各外壁(90A,90B,92A及び92B)は、ベース100上のその他全ての外壁と同じ円弧長を有することは必須ではない。図8では、ベース100の各角に取り付けられたラッチ25も示されている。ラッチ25の背面にはリブ23がある。リブ23は、ラッチ25を補強するための任意的な特徴である。図5では4つのラッチが示されているが、2つだけのラッチを有するものであっても、本発明は十分に機能する。
【0021】
図9は、ここではベース100と呼ばれるウェハ容器250の下半分を示している。ベース100の壁構造は、セグメント化された内壁とセグメント化された外壁とを含む。連続的な壁構造は、横方向の開口を1つか2つ設けたとしても、非常に堅いという欠点がある。セグメント化された壁構造を設けることにより、内壁80,82,84及び86の柔軟性及び衝撃吸収性が高まる。その結果、容器が落下した場合、あるいはその他の強い衝撃を受けた場合に、壁80,82,84及び86は、容器250内のウェハを十分に衝撃から守る。
【0022】
図9に示されるように、外壁90A,90B,92A及び92Bは、内壁80,82,84及び86に対して互い違いになっている。この互い違いの二重壁構造により、容器250に収容されたウェハを衝撃から最大限に保護する。また、外壁90A,90B,92A及び92Bは、その角度セクタと隣接する内壁の角度セクタとの重なりを最小限に抑えると、撓みの許容範囲がより大きくなる。外壁92A及び92Bは各々スロット15を有する。スロット15の下部はデッキ60と同じ高さまで延びないことが好ましい。スロット15は、作業者がベース100内に収容されたウェハに腕を伸ばし易くする。
【0023】
図9のデッキ60はまた、カバー200にベース100を固定するためのラッチ25を含む。各ラッチ25は、基端がベース100の角部60に取り付けられている。各ラッチ25の先端は、カバー200を支持するフック25Aになっている。
【0024】
カバー200の詳細は図10に示されている。カバー200の内側面44には、一連の同心円状のリブ51,52,54が設けられている。最も外側のリブ54は、ウェハ容器250が外力を受けると、ベース100上の壁構造の一部に接触し得る。輸送又は荷役中に、閉じた状態の容器250が強い側面衝撃を受けると、外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、内壁セグメント80の内径12側へ内方に曲がることにより、衝撃の大部分を吸収する。外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、カバー200の内側に設けられたリブ58により、径12を越えて曲がることを制限される。
【0025】
リブに加え、カバー200は、表面44から垂直に延びる側壁75を含む。好ましい実施形態においては、側壁75には2つのスロット35が設けられている。スロット35は各々、支持ブラケット71又は73で囲まれる。支持ブラケット70A及び70Bもまた、カバー200の側壁75に取り付けられている。支持ブラケット70,71及び73は、カバー200をベース100上の正しい位置に置くのに役立つ。ブラケット73は、細い結合部74によって互いに連結された2つのフィン77A及び77Bを有し、凹部72A及び72Bを形成している。また、支持ブラケット71内には凹部74A及び74Bがある。カバー200の4つの角部60は各々、各ラッチ25を受けるためのノッチ43を有する。カバー200がベース100から外れるのをより確実に防ぐため、ノッチ43にはランプ85が設けられている。
【0026】
図11は、カバー200をベース100に固定する、本発明のロック機構の破断図である。長方形のノッチ43が示されている。ノッチ43の長いほうの縁は、ランプ85を有する。ランプ85の適切な角度は、カバー200の平面から5度−30度の範囲である。ベース100にカバー200を固定するため、ノッチ43は、フック25Aがノッチ43に入れるように、それぞれに対応するラッチの上方に位置合わせされる。その後、ラッチフック25Aは、ランプ85のプラス勾配、すなわちカバー200の上面50に対してプラス、の上を下方に滑る。ラッチ25が所定位置にロックされると、カバー200はベース100に確実に嵌合される。カバー200をベース100から取り外すには、作業者は、ノッチ43を通過するまでフック25Aを押し戻し、その後、カバー200はベース100から持ち上げられる。ノッチ43は長方形に示されているが、「T」形又は楕円形等、他の形状であってもよい。
【0027】
ここで説明された様々なセグメント化された壁の例は、単に本発明を代表するものである。上述したウェハ容器の例及び操作方法は、発明の精神や範囲から逸脱することなく、様々な変更及び代用を行うことができる。当業者が直面する特定の状況によっては、本発明の一部の特徴が、他の特徴を用いずに採用される場合もある。従って、発明の範囲は添付の請求項によって定められるよう意図される。
【背景技術】
【0001】
半導体ウェハは、運搬に際して適切に保護されなければ容易に傷付いたり破損したりする、壊れやすい基板である。各半導体ウェハは、シリコン基板上に多数の集積回路パターンが形成されている。輸送及び荷役作業中に半導体ウェハを損傷から保護するため、種々の容器が開発されてきた。
【0002】
ウェハ容器の上半分と下半分は、作業者によって不適切に組み合わされたり、輸送中に容器に力が及んで位置ずれしたりすることがよくある。このような位置ずれが起こると、容器内に収容された高価なウェハに汚染、割れ、その他の損傷を生じる恐れがある。
【0003】
半導体ウェハに用いられる様々な水平型のウェハ容器の中に、二重壁構造を有する容器がある。米国特許第6,193,068号(ルイス)は一例である。ルイスの二重壁は、ベースの外壁に接触する可能性のある力からウェハを保護するために設計された。しかしながら、ルイスにおいては、外壁が内壁の真後ろにあり、同様の角度セクタに整列されている。このようなウェハ容器における内壁は、一般的に柔軟性がなく、衝撃を十分に吸収できない。外力は、外壁を内壁まで曲げるほど大きい可能性もあり、その場合、ウェハ容器内に収容されたウェハに損傷を与えてしまう。
【0004】
分離され難く、輸送及び荷役作業中に伝わる力から半導体ウェハを保護するために十分頑丈なウェハ容器が、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ベース上に二重壁構造を有するウェハ容器に関する。壁構造は、複数の外壁と複数の内壁とを備える。各内壁が各々に隣接する外壁と共有する角度セクタの割合は、最小限に抑えられる。
【0006】
また、本発明は、カバーとベースとの正しい位置合わせを容易にするための位置合わせシステムに関する。位置合わせシステムは、カバーによって受け止められる基準タブと、容器の2つの部分を正しく位置合わせできるように作業者をガイドする目視可能な識別部とを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、ウェハ容器の2つの部分を互いに固定するためのロック機構に関する。下半分は、ベースに垂直な壁構造を備える。壁構造は、セグメント化された内壁及び外壁を備え、壁構造の各部分は特徴的な円弧長を有する。各内壁の円弧長は、いずれの外壁の円弧長とも完全には重ならない。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、ベースと嵌合するウェハ容器用カバーに関する。カバーは、ベースから各ラッチを容易に受け止めるランプを各々有する、一又は複数のノッチを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の容器の斜視図であり、容器の両半分の間にウェハが置かれた状態を示す図。
【図2】カバーに対して位置合わせされたベースの基準タブを示す図。
【図3A】カバーに対して位置合わせされた状態の基準タブを示す図。
【図3B】カバーに対してずれている状態の基準タブを示す図。
【図3C】ベースに対する正しい位置付けを容易にするために位置合わせ矢印が付されたカバーを示す図。
【図4A】ラッチのフック部分の高さ寸法を示す図。
【図4B】図2の基準タブの高さ寸法を示す図。
【図5】トップカバーが下半分に固定された状態の図1の容器を示す図。
【図6A】図5の閉じた状態の容器の側面図。
【図6B】図5の閉じた状態の容器を示す別の側面図。
【図7】本発明のベースにおける角度セクタの配置を示す図。
【図8】ベースの上面図。
【図9】本発明のベースの斜視図。
【図10】トップカバーの内側の斜視図。
【図11】図10におけるランプの破断図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の容器は、半導体ウェハ又は半導体フィルムフレームを収容する。図1は容器の2つの部分、ベース100及びそれに対応するカバー200を示している。デッキ60のフロア10に設けられたリブパターン30は、ベース100の信頼性を高める働きをする。ベース100の収容領域は、内壁80と、フロア10と、外壁90A,90B,92A及び92Bとで定められる。カバー200とベース100との間に、ウェハ30,32及びウェハセパレータ37−39が挟まれる。
【0011】
衝撃を受けると、外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、内壁セグメント80の内径12側に曲がる。外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、側面衝撃からエネルギーの大部分を吸収し、それにより、内壁セグメント80に伝わるエネルギー量が減る。結果として、ウェハ30及び32は、本発明の互い違いの壁構造により、強い衝撃を受けないよう保護される。
【0012】
図2は、ウェハ容器250のベース100の別実施形態を示す。より好ましい本実施形態においては、一連の基準タブが、ベース100のデッキ60に取り付けられている。基準タブ20A,20B,22A,22B,24A,24B,28A及び28Bは、以下のような方法でカバー200に対するベース100の位置合わせを助けるように設計される。カバー200は、タブ20,22,24及び28と合うように設計された支持ブラケットを有する。具体的には、ブラケット70の凹部70Aはタブ20Aに緩く嵌合するとともに、凹部70Bはタブ20Bに緩く嵌合する。同様に、凹部78Aはタブ28A(図示せず)に嵌合し、凹部78Bはタブ28Bに嵌合する。凹部74A及び74Bはそれぞれタブ24A及び24Bに嵌合する。支持ブラケット70,72,74,78の凹部はいずれも、タブ20,22,24及び28にぴったり嵌合しないことが好ましい。最も好ましい実施形態においては、4つの支持ブラケットはいずれも同じものであり、支持ブラケット70の外観を有する。図3Cは、全ての支持ブラケットが同じ構造を有するカバー200を示している。
【0013】
図3Aにおいては、ベース100の上面図が示されるとともに、カバー100がスケルトンで示されている。斜線は、カバー200を示すため、及び、カバー200をベース100に正しく位置合わせする方法を示すために用いられている。また、図3Aには、各角に設けられたラッチ25も示されている。各ラッチに隣接して、ラッチ25がラッチ位置又はアンラッチ位置に移動するための余裕を与える開口31が設けられている。対になった基準タブが、ベース100の上面の各側に配置されている。例えば、図3Aでは、タブ24A及び24Bが、ベース100の一側における開口31C及び31Dの間に配置され、タブ28A及び28Bが、ベース100の隣接する側における開口31A及び31Dの間に配置されている。同様に、タブ22A及び22Bは、ベース100の異なる側における開口31B及び31Aの間に配置されている。タブ20A及び20Bは、ベース100の第4の側に配置されている。図3Bは、図3Aのカバー200を90度回転させた状態を示している。図3Bの位置では、カバー200はベース100に対してずれている。凹部70A及び凹部78Aはそれぞれ基準タブ20A及び基準タブ28Aと合っていないため、カバー200はベース100に正しく嵌まらない。すなわち、支持ブラケット70及び78の凹部はタブ20A及び28Aに自由に滑り込まず、それにより、カバー200がベース100に誤った位置で取り付けられることを防止する。図3Bはまた、位置確認矢印35及び37を示している。位置確認矢印35,37は、作業者がベース100とカバー200を正しく位置合わせする上で役立つ目視基準となる。好ましい実施形態においては、カバー200も図3Cに示されるような一対の位置確認矢印を有し、この矢印は、2つの部分が互いに正しい位置にあるとき、ベース100の矢印と一致する。矢印の代わりに、カバーとベースが正しく位置合わせされたときを作業者が認識するのに役立つ他の種類の目視マークを用いてもよい。
【0014】
ラッチフックの高さ寸法H1は、図4Aに示されている。基準タブの高さ寸法H2は、図4Bに示されている。H2は、カバー200がベース100の上に十分に押し下げられていない場合にラッチ25がカバー200に係合するのを防止するような高さでなければならない。好ましい実施形態においては、H2>H1である。
【0015】
図5は、閉じた状態のウェハ容器250の斜視図である。具体的には、カバー200の側壁75並びに支持ブラケット70及び74が壁構造80,90及び92の外側を囲み、閉じた容器250を形成する。カバー200の主面50は、容器250の上部に構造強度及び剛性を与えるパターンを有する。特に、カバー200の星形パターン33及び同心円状のリブ52,54を付加することにより、剛性があり且つ軽量なカバー200が得られることが分かった。星形パターン33は4アームに限られず、図3Bに示されるように5本以上のアームを有するものであってもよい。また、ベース100は、デッキ60の各角にラッチ25が取り付けられている。図5に示されるように、各ラッチ25がカバー200の各ノッチ43にロックされると、容器250の2つの部分が固定される。また、図5では、カバー200の周囲にリップ27が設けられているのが分かる。このリップ27を設けることにより、容器250は、第1のものと同一の第2の容器上に積み重ねることが可能になる。
【0016】
どのようにしてベース100のセグメント化された壁構造がカバー200と結合するのかを説明するために、容器250の側面図が図6A及び図6Bに示されている。壁セグメント81は、カバー200の側壁75の内側に収まる。側壁75はスロット35を有し、それにより、外壁81及び85の一部を露出させることができる。同様に、外壁85は、2つの部分100,200を嵌合させると、カバー100の側壁75の内側に収まる。さらに、支持ブラケット70A及び70Bは、ベース100の外壁83及び87の外側をネストし、内部に収容されるウェハのために安定した収容領域を提供する。
【0017】
ベース100の様々な壁セグメントは、ベース100の円周内の特定領域を占める。ここでは、これらの領域を角度セクタと呼ぶ。図7は、ベース100に配置された円周50内に存在し得る角度セクタR1−R6の一例を示す。R1,R3及びR5は内壁セグメントが配置される角度セクタを表し、R2,R4及びR6は外壁セグメントが配置される領域を表す。各角度セクタの最も外側の境界は円弧で定められる。最も外側の円弧は、41B,41D及び41Fと表示されている。円周50内における最も内側の円弧は、41A,41C及び41Eである。円弧41Aは、約2度の角度γだけ角度セクタ41F内に延びるものとして示されている。円弧41Cは、隣接する両方のセクタR4及びR2内に角度θ1及びθ2だけ延びるものとして示されており、θ1は約3度、θ2は約4度である。円弧41Eは、約5度の角度αだけセクタR5から延びる。図示されている角度セクタは6つだけであるが、容器は8つ以上の角度セクタを有するものであってもよい。
【0018】
図8は、ベース100の上面図であり、セグメント化された壁80,82,84,86,90A,90B,92A,92Bと角度セクタR1−R8の両方を示している。角度セクタR1−R8をより明確に示すため、デッキ60のフロア10はリブパターン30なしで示されている。但し、好ましい実施形態においてはリブパターン30が存在することを理解されたい。ベース100に対して垂直に、又は略垂直に、一連の内壁80,82,84及び86が設けられている。さらに、一連の外壁90A,90B,92A,92Bもまた、ベース100に対して垂直、又は略垂直である。図示される壁は各々、特定の円弧長の円弧を有する。例えば、内壁86は円弧長58の円弧59を有する。同様に、外壁92Aは円弧長56の円弧53を有する。各内壁及び外壁は、角度セクタR1−R8のいずれかを占める。内壁の円弧の50−99.5%は、隣接する外壁の円弧と同じ角度セクタに位置しない。例えば、内壁の円弧59の90%以上がR7に位置しており、隣接する角度セクタR6又はR8のいずれも、ほとんど占めていない。外壁92Aは円弧53上にあり、ほとんど全体が角度セクタR4内に位置している。従って、外壁92Aの約95%は、隣接する角度セクタR3又はR5に位置しない。
【0019】
内壁セグメントは外壁セグメントと交互に配置されるため、内壁の円弧は、隣接する角度セクタ内に侵入し得る。本発明の好ましい実施形態においては、各内壁セグメントの円弧長は、外壁の隣接する角度セクタの円弧長の約0−50%に侵入する。本発明のより好ましい実施形態においては、内壁82は、角度セクタR3を占めるとともに、角度セクタR4の0.1%から25%を外壁92Aと共有し、また、角度セクタR2の0.1%から25%を外壁90Aと共有する。最も好ましくは、内壁82は、角度セクタR4の0.1%から10%を外壁92Aと共有し、角度セクタR2の0.1%から10%を外壁90Aと共有する。同様に、主に角度セクタR1を占める内壁80は、角度セクタR2の0−50%を外壁90Aと共有し、角度セクタR8の0−50%を外壁92Bと共有するのが好ましい。より好ましくは、内壁80は、角度セクタR2の0.1%から25%を外壁90Aと共有し、また、角度セクタR8の0.1%から25%を外壁92Bと共有する。最も好ましくは、内壁80は、角度セクタR2の0.1%から10%を外壁90Aと共有し、角度セクタR8の0.1%から10%を外壁92Bと共有する。
【0020】
本発明は、図8に示される8つの角度セクタR1−R8のみを有する容器に限られない。本発明は、8つより少ない角度セクタを有するベースや、8つより多い角度セクタを有するベースでも機能する。セクタの数は、内壁及び外壁のセグメントの総数に等しくなる。各壁セグメントの円弧は、各角度セクタの最も外側の境界を定める。図8における各壁(80,82,84,86,90A,90B,92A及び92B)はそれぞれ、ベースの円周の90度未満を占める(すなわち、各壁は(Π/2×半径)より小さい円弧長を有することが好ましい)が、これは本発明が機能するための必須条件ではない。つまり、各壁は、円周のより大きな角度部分を占めていてもよい。さらに、各内壁(80,82,84,86)は、他の全ての内壁と同じ円弧長を有する必要はない。同様に、各外壁(90A,90B,92A及び92B)は、ベース100上のその他全ての外壁と同じ円弧長を有することは必須ではない。図8では、ベース100の各角に取り付けられたラッチ25も示されている。ラッチ25の背面にはリブ23がある。リブ23は、ラッチ25を補強するための任意的な特徴である。図5では4つのラッチが示されているが、2つだけのラッチを有するものであっても、本発明は十分に機能する。
【0021】
図9は、ここではベース100と呼ばれるウェハ容器250の下半分を示している。ベース100の壁構造は、セグメント化された内壁とセグメント化された外壁とを含む。連続的な壁構造は、横方向の開口を1つか2つ設けたとしても、非常に堅いという欠点がある。セグメント化された壁構造を設けることにより、内壁80,82,84及び86の柔軟性及び衝撃吸収性が高まる。その結果、容器が落下した場合、あるいはその他の強い衝撃を受けた場合に、壁80,82,84及び86は、容器250内のウェハを十分に衝撃から守る。
【0022】
図9に示されるように、外壁90A,90B,92A及び92Bは、内壁80,82,84及び86に対して互い違いになっている。この互い違いの二重壁構造により、容器250に収容されたウェハを衝撃から最大限に保護する。また、外壁90A,90B,92A及び92Bは、その角度セクタと隣接する内壁の角度セクタとの重なりを最小限に抑えると、撓みの許容範囲がより大きくなる。外壁92A及び92Bは各々スロット15を有する。スロット15の下部はデッキ60と同じ高さまで延びないことが好ましい。スロット15は、作業者がベース100内に収容されたウェハに腕を伸ばし易くする。
【0023】
図9のデッキ60はまた、カバー200にベース100を固定するためのラッチ25を含む。各ラッチ25は、基端がベース100の角部60に取り付けられている。各ラッチ25の先端は、カバー200を支持するフック25Aになっている。
【0024】
カバー200の詳細は図10に示されている。カバー200の内側面44には、一連の同心円状のリブ51,52,54が設けられている。最も外側のリブ54は、ウェハ容器250が外力を受けると、ベース100上の壁構造の一部に接触し得る。輸送又は荷役中に、閉じた状態の容器250が強い側面衝撃を受けると、外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、内壁セグメント80の内径12側へ内方に曲がることにより、衝撃の大部分を吸収する。外壁セグメント90A,90B,92A及び92Bは、カバー200の内側に設けられたリブ58により、径12を越えて曲がることを制限される。
【0025】
リブに加え、カバー200は、表面44から垂直に延びる側壁75を含む。好ましい実施形態においては、側壁75には2つのスロット35が設けられている。スロット35は各々、支持ブラケット71又は73で囲まれる。支持ブラケット70A及び70Bもまた、カバー200の側壁75に取り付けられている。支持ブラケット70,71及び73は、カバー200をベース100上の正しい位置に置くのに役立つ。ブラケット73は、細い結合部74によって互いに連結された2つのフィン77A及び77Bを有し、凹部72A及び72Bを形成している。また、支持ブラケット71内には凹部74A及び74Bがある。カバー200の4つの角部60は各々、各ラッチ25を受けるためのノッチ43を有する。カバー200がベース100から外れるのをより確実に防ぐため、ノッチ43にはランプ85が設けられている。
【0026】
図11は、カバー200をベース100に固定する、本発明のロック機構の破断図である。長方形のノッチ43が示されている。ノッチ43の長いほうの縁は、ランプ85を有する。ランプ85の適切な角度は、カバー200の平面から5度−30度の範囲である。ベース100にカバー200を固定するため、ノッチ43は、フック25Aがノッチ43に入れるように、それぞれに対応するラッチの上方に位置合わせされる。その後、ラッチフック25Aは、ランプ85のプラス勾配、すなわちカバー200の上面50に対してプラス、の上を下方に滑る。ラッチ25が所定位置にロックされると、カバー200はベース100に確実に嵌合される。カバー200をベース100から取り外すには、作業者は、ノッチ43を通過するまでフック25Aを押し戻し、その後、カバー200はベース100から持ち上げられる。ノッチ43は長方形に示されているが、「T」形又は楕円形等、他の形状であってもよい。
【0027】
ここで説明された様々なセグメント化された壁の例は、単に本発明を代表するものである。上述したウェハ容器の例及び操作方法は、発明の精神や範囲から逸脱することなく、様々な変更及び代用を行うことができる。当業者が直面する特定の状況によっては、本発明の一部の特徴が、他の特徴を用いずに採用される場合もある。従って、発明の範囲は添付の請求項によって定められるよう意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形領域が複数の角度セクタを含む円周を有するベースと、
第1角度セクタを定める第1外側円弧に沿った第1壁と、第2角度セクタを定める第1内側円弧に沿った第2壁とを含み、前記第1壁と前記第2壁が角度セクタの0−50%を共有する、前記ベースに取り付けられた壁構造と、
第3角度セクタを定める第2外側円弧に沿った第3壁と、第4角度セクタを定める第2内側円弧に沿っており、角度セクタの0−50%を前記第3壁と共有する第4壁と、
前記ベースと嵌合して閉じた容器を形成するカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項2】
壁の総数をk個とする一連の付加的な壁をさらに備え、kは4より大きい整数であり、k番目の壁は角度セクタの0−50%を前記第1壁と共有する円弧を有し、各内側円弧は前記円周に沿って外側円弧と交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項3】
前記壁構造の壁は、角度セクタの0.1%から25%を共有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項4】
前記壁構造の壁は、角度セクタの0.1%から10%を共有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項5】
前記カバーは各ノッチに隣接したランプを含み、該ランプは、前記ベース上のラッチをガイドしてそれぞれのノッチと係合させるための勾配を有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項6】
前記ベースは4つの角を有し、当該角の少なくとも2つにはラッチが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項7】
円形領域が複数の角度セクタを含む円周を有するベースと、
セグメント化された内壁とセグメント化された外壁とを備え、前記ベースに対して垂直であり、各内壁は前記ベースにおけるそれぞれの第1円弧上に位置するとともに各外壁は前記ベースにおけるそれぞれの第2円弧上に位置し、前記第1円弧の円弧長の50−99.5%は前記第2円弧の円弧長と同じ角度セクタに位置しない、壁構造と、
前記ベースと嵌合して閉じた容器を形成するカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項8】
前記第1円弧の円弧長の少なくとも90%は、前記第2円弧の円弧長と同じ角度セクタに位置しないことを特徴とする7に記載のウェハ容器。
【請求項9】
セグメント化された内壁はそれぞれ前記円周の90度未満を占めることを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項10】
前記セグメント化された内壁は、前記セグメント化された外壁と交互に配置されることを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項11】
前記カバーは、前記ベースを受けるためのランプを有するノッチを含むことを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項12】
前記ベースに連結された一対のラッチをさらに備え、各ラッチが前記カバーの各ランプ上にロックされると、前記ラッチは前記ベースを前記カバーに固定することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
主面を有するトップカバー、及び該主面から延びる第1壁構造と、
前記壁構造に取り付けられた複数の支持ブラケットと、
前記カバーの各角に設けられたノッチと、
前記トップカバーの各ノッチと係合する複数のラッチを有するベースとを備え、
各ノッチは第1の縁と該第1の縁より長い第2の縁とを有し、前記第2の縁は前記ベースから対応するラッチを受けるためのランプを有することを特徴とするウェハ容器。
【請求項14】
前記壁構造における隙間をさらに備え、前記支持ブラケットの一つは前記隙間の一方の側を囲むことを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項15】
前記ベースに垂直な第2壁構造をさらに備え、前記ベースは複数の角度セクタを含む円周を有する円形領域を有し、前記壁構造は外壁部分と交互に配置される内壁セグメントを含み、各内壁セグメントは角度セクタの0−10%を次に代わる外壁セグメントと共有することを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項16】
内部に収容された複数の半導体ウェハをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項17】
円周が配置される上面を有するベースと、
前記ベースから延びる壁構造と、
前記上面の各側に位置する一対の基準タブと、
固定されたウェハ容器を形成するために前記基準タブと位置合わせされるカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項18】
前記カバーはその第1表面に取り付けられた支持ブラケットを含み、各支持ブラケットは対応する一対の基準タブと連結する一対の凹部を有することを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項19】
前記ベースの少なくとも2つの角にラッチをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項20】
前記カバーは前記ベースからラッチを受けるノッチを有し、各ノッチは第1の縁と該第1の縁より長い第2の縁とを有し、前記第2の縁は前記ベースから対応するラッチを受けるためのランプを有することを特徴とする請求項19に記載のウェハ容器。
【請求項21】
内部に収容された複数の半導体ウェハをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項22】
前記ベースと前記カバーとの位置合わせを容易にするために、前記ベースの上面及び前記カバーに目視マークをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項1】
円形領域が複数の角度セクタを含む円周を有するベースと、
第1角度セクタを定める第1外側円弧に沿った第1壁と、第2角度セクタを定める第1内側円弧に沿った第2壁とを含み、前記第1壁と前記第2壁が角度セクタの0−50%を共有する、前記ベースに取り付けられた壁構造と、
第3角度セクタを定める第2外側円弧に沿った第3壁と、第4角度セクタを定める第2内側円弧に沿っており、角度セクタの0−50%を前記第3壁と共有する第4壁と、
前記ベースと嵌合して閉じた容器を形成するカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項2】
壁の総数をk個とする一連の付加的な壁をさらに備え、kは4より大きい整数であり、k番目の壁は角度セクタの0−50%を前記第1壁と共有する円弧を有し、各内側円弧は前記円周に沿って外側円弧と交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項3】
前記壁構造の壁は、角度セクタの0.1%から25%を共有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項4】
前記壁構造の壁は、角度セクタの0.1%から10%を共有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項5】
前記カバーは各ノッチに隣接したランプを含み、該ランプは、前記ベース上のラッチをガイドしてそれぞれのノッチと係合させるための勾配を有することを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項6】
前記ベースは4つの角を有し、当該角の少なくとも2つにはラッチが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のウェハ容器。
【請求項7】
円形領域が複数の角度セクタを含む円周を有するベースと、
セグメント化された内壁とセグメント化された外壁とを備え、前記ベースに対して垂直であり、各内壁は前記ベースにおけるそれぞれの第1円弧上に位置するとともに各外壁は前記ベースにおけるそれぞれの第2円弧上に位置し、前記第1円弧の円弧長の50−99.5%は前記第2円弧の円弧長と同じ角度セクタに位置しない、壁構造と、
前記ベースと嵌合して閉じた容器を形成するカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項8】
前記第1円弧の円弧長の少なくとも90%は、前記第2円弧の円弧長と同じ角度セクタに位置しないことを特徴とする7に記載のウェハ容器。
【請求項9】
セグメント化された内壁はそれぞれ前記円周の90度未満を占めることを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項10】
前記セグメント化された内壁は、前記セグメント化された外壁と交互に配置されることを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項11】
前記カバーは、前記ベースを受けるためのランプを有するノッチを含むことを特徴とする請求項7に記載のウェハ容器。
【請求項12】
前記ベースに連結された一対のラッチをさらに備え、各ラッチが前記カバーの各ランプ上にロックされると、前記ラッチは前記ベースを前記カバーに固定することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
主面を有するトップカバー、及び該主面から延びる第1壁構造と、
前記壁構造に取り付けられた複数の支持ブラケットと、
前記カバーの各角に設けられたノッチと、
前記トップカバーの各ノッチと係合する複数のラッチを有するベースとを備え、
各ノッチは第1の縁と該第1の縁より長い第2の縁とを有し、前記第2の縁は前記ベースから対応するラッチを受けるためのランプを有することを特徴とするウェハ容器。
【請求項14】
前記壁構造における隙間をさらに備え、前記支持ブラケットの一つは前記隙間の一方の側を囲むことを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項15】
前記ベースに垂直な第2壁構造をさらに備え、前記ベースは複数の角度セクタを含む円周を有する円形領域を有し、前記壁構造は外壁部分と交互に配置される内壁セグメントを含み、各内壁セグメントは角度セクタの0−10%を次に代わる外壁セグメントと共有することを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項16】
内部に収容された複数の半導体ウェハをさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載のウェハ容器。
【請求項17】
円周が配置される上面を有するベースと、
前記ベースから延びる壁構造と、
前記上面の各側に位置する一対の基準タブと、
固定されたウェハ容器を形成するために前記基準タブと位置合わせされるカバーと、を備えたことを特徴とするウェハ容器。
【請求項18】
前記カバーはその第1表面に取り付けられた支持ブラケットを含み、各支持ブラケットは対応する一対の基準タブと連結する一対の凹部を有することを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項19】
前記ベースの少なくとも2つの角にラッチをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項20】
前記カバーは前記ベースからラッチを受けるノッチを有し、各ノッチは第1の縁と該第1の縁より長い第2の縁とを有し、前記第2の縁は前記ベースから対応するラッチを受けるためのランプを有することを特徴とする請求項19に記載のウェハ容器。
【請求項21】
内部に収容された複数の半導体ウェハをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【請求項22】
前記ベースと前記カバーとの位置合わせを容易にするために、前記ベースの上面及び前記カバーに目視マークをさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のウェハ容器。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−500462(P2011−500462A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528847(P2010−528847)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/025434
【国際公開番号】WO2009/048456
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510099785)デウォン セミコンダクター パッケージング インダストリアル シーオー.,エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/025434
【国際公開番号】WO2009/048456
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510099785)デウォン セミコンダクター パッケージング インダストリアル シーオー.,エルティーディー (1)
【Fターム(参考)】
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