交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法
【課題】交差側道路の交通量を予測することが可能な交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法を提供する。
【解決手段】走行状態検出手段2と、車両位置検出手段4と、一時停止交差点判定手段16と、一時停止交差点判定手段16が判定した一時停止交差点へ進入する際の車両の交差点進入挙動情報を蓄積部7に蓄積する走行情報蓄積手段6と、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を蓄積部7から取得する交差点進入挙動情報取得手段28と、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した交差点進入挙動情報と既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する交差側道路交通量推定手段18を備え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
【解決手段】走行状態検出手段2と、車両位置検出手段4と、一時停止交差点判定手段16と、一時停止交差点判定手段16が判定した一時停止交差点へ進入する際の車両の交差点進入挙動情報を蓄積部7に蓄積する走行情報蓄積手段6と、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を蓄積部7から取得する交差点進入挙動情報取得手段28と、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した交差点進入挙動情報と既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する交差側道路交通量推定手段18を備え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が走行する走行道路と交差する交差側道路の交通量を推定する交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の交差点特徴推定装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
特許文献1に記載の交差点特徴推定装置では、交差点に進入するプローブ車両の時々刻々の位置、速度、時刻等のデータを取得する。そして、この取得したデータに基づいて、自車両が走行している走行道路における、自車両が交差点に到達するまでの交通量を推定するものである。この推定結果は、例えば、自車両が交差点を通過する際に運転者へ提供する情報の変更に用いる。
【特許文献1】特開2007−257196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の交差点特徴推定装置では、自車両が走行している走行道路の交通量を推定することは可能である。しかしながら、走行道路と交差する交差側道路の交通量は推定することができないという問題がある。
このため、自車両が交差点を通過する際の、運転者へ提供する情報が不適切な内容となるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、交差側道路の交通量を推定することが可能な、交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。そして、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、前記既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、対象とする一時停止交差点へ以前に進入した際の交差点進入挙動情報と、予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
(構成)
まず、図1から図5を参照して、交差点特徴推定装置1の構成を説明する。
図1は、本実施形態の交差点特徴推定装置1を備える車両Cの構成を示す図である。また、図2は、交差点特徴推定装置1のシステム構成を示す図である。
図1及び図2中に示すように、交差点特徴推定装置1は、走行状態検出手段2と、車両位置検出手段4と、走行情報蓄積手段6と、提供情報処理手段8と、情報提供手段10とを備えている。
【0007】
走行状態検出手段2は、車両Cの走行状態により変化する要素を検出し、この検出した要素に基づいて、車両Cの速度(以下、「車速」と記載する)を検出する。そして、この検出した車速を含む情報信号を、車速信号S1として、走行情報蓄積手段6及び提供情報処理手段8へ送信する。
本実施形態では、一例として、走行状態検出手段2を、車輪Tの回転数等を検出する車速センサにより形成する。すなわち、車両Cの走行状態により変化する要素を、車輪Tの回転数とする。なお、車両Cの走行状態により変化する要素は、これに限定するものではなく、例えば、車両Cの加速度や減速度としてもよい。
【0008】
車両位置検出手段4は、車両Cの位置を示す座標を検出し、この検出した座標を地図データと照合して、地図データに対する車両Cの位置(以下、「位置」と記載する)を検出する。そして、この検出した位置を含む情報信号を、位置信号S2として、走行情報蓄積手段6及び提供情報処理手段8へ送信する。ここで、上記の位置は、車両Cが走行中の走行道路のリンク番号、車両Cが接近中の交差点の中心座標、この交差点までの距離を含む情報とする。
【0009】
また、車両位置検出手段4は、例えば、ナビゲーション装置が備えるGPS(Global Positioning System)受信機12と、地図データ記憶部14とから形成する。
GPS受信機12は、例えば、GPS衛星が送信する電波に基づいて、車両Cの位置を示す座標を検出する。
地図データ記憶部14は、例えば、国内等、設定した範囲の地図データを、予め記憶する。なお、地図データ記憶部14が記憶する地図データは、記憶媒体やデータ通信等を用いて、更新してもよい。
【0010】
走行情報蓄積手段6は、走行状態検出手段2が送信した車速信号S1を受信して、車速信号S1が含む車速を、蓄積部7に蓄積する。これに加え、車両位置検出手段4が送信した位置信号S2を受信して、位置信号S2が含む位置を、蓄積部7に蓄積する。これらの蓄積した情報が、車両Cの走行情報を構成する。
なお、走行情報蓄積手段6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が備えるRAM(Random Access Memory)により形成する。
【0011】
また、走行情報蓄積手段6は、提供情報処理手段8から、後述する各種情報信号を受信する。
具体的には、走行情報蓄積手段6は、提供情報処理手段8が送信する一時停止交差点信号S5及び交通量推定信号S6を受信する。これに加え、後述する停止位置設定手段20が送信する停止位置信号S7を受信する。なお、一時停止交差点信号S5、交通量推定信号S6及び停止位置信号S7に関する説明は、後述する。
【0012】
提供情報処理手段8は、一時停止交差点判定手段16と、交差側道路交通量推定手段18と、停止位置設定手段20と、車両状態検出手段22と、情報提供条件設定手段24と、提供情報選択手段26とを備えている。
また、提供情報処理手段8は、例えば、CPUと、RAM等の記憶手段により形成する。
【0013】
一時停止交差点判定手段16は、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づいて、車両Cが一時停止すべき一時停止交差点を判定する。そして、判定した一時停止交差点を含む情報信号を、一時停止交差点信号S5として、走行情報蓄積手段6へ送信する。なお、一時停止交差点信号S5には、判定した一時停止交差点を含む情報信号に加え、判定した一時停止交差点のノード(交差点中央)番号、ノード座標、リンク番号等を含む情報信号を付加する。
【0014】
一時停止交差点を判定する具体例としては、蓄積車速信号S3が含む車速と、蓄積位置信号S4が含む地図データとに基づいて、交差点から所定距離範囲で、車速が所定速度以下となる割合が高い交差点を、一時停止交差点と判定する。ここで、所定速度は、例えば、0[km/h]とする。なお、一時停止交差点の判定は、前記の方法以外にも、地図データに一時停止交差点の情報が存在していれば、この情報を用いてもよい。また、車両Cが交差点を通過する際に、車輪Tの操舵角が大きい(例えば、180°以上)である場合は、この交差点を、一時停止交差点と判定しない処理を加えてもよい。
【0015】
ここで、一時停止交差点信号S5を受信した走行情報蓄積手段6は、一時停止交差点信号S5と、車速信号S1及び位置信号S2に基づいて、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。すなわち、走行情報蓄積手段6は、一時停止交差点判定手段16が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。
【0016】
交差点進入挙動情報は、具体的には、車両Cが走行する走行道路が非優先道路であり、走行道路に対して一時停止交差点で交差する交差側道路が優先道路である場合における、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置から検出する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0017】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。ここで、「対象とする一時停止交差点」とは、走行道路を走行する車両Cが交差側道路を通過する対象となる一時停止交差点である。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を取得する。
【0018】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内において、車速を連続的に計測する。そして、車速が0[km/h]である時間を測定し、この測定した車速が0[km/h]である時間を、車両Cの停止時間として取得する。なお、上記所定の範囲は、一時停止交差点の中心以外にも、一時停止交差点に設定されている一時停止線を基準に設定してもよい。
【0019】
具体的には、図3(a)に示すように、対象とする一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心から所定の範囲内において、車速Vを連続的に計測する。そして、車速Vが0[km/h]である時間がほぼ0秒である場合、車両Cの停止時間tが約0秒(t≒0秒)であると検出する。なお、本実施形態では、上記所定の範囲を、約30[m]とした場合について説明する。
【0020】
一方、図3(b)に示すように、一時停止交差点Xの中心から所定の範囲内において、車速Vを連続的に計測し、車速Vが0[km/h]である時間が5秒以上である場合、車両Cの停止時間tが5秒以上(t=5秒以上)であると検出する。
なお、図3は、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図、及び対象とする一時停止交差点へ進入する際の車速Vと経過時間Tとの関係を示すグラフである。また、図3中では、対象とする一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0021】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
交通量推定基準値は、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
既知交差点進入挙動情報は、車両Cが一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの走行状態及び位置からなる既知の情報である。
【0022】
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間とする。
ここで、任意の一時停止交差点は、対象とする一時停止交差点と、各種条件(道路幅、歩道の有無等)が類似の一時停止交差点とする。
また、既知交通量は、任意の一時停止交差点で車両Cが走行する走行道路に交差する、交差側道路の既知の交通量である。
【0023】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間と、既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図4中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。一方、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図4は、車両Cの停止時間と交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【0024】
ここで、図5を参照して、交通量推定基準値を、上記のように設定した根拠について説明する。
図5は、実際の一時停止交差点において予め検出した、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間と、この車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数との関係を調査した結果を示すグラフである。すなわち、図5のグラフは、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係を示す。なお、図5中では、横軸に、車両の停止時間(秒)を示し、縦軸に、車両の停止時間に対する交差車両の台数毎の頻度割合を示す。
【0025】
図5中に示すように、車両の停止時間が約0秒である場合、交差車両の台数が0台である頻度割合が最大となっている。すなわち、車両の停止時間が約0秒である場合に、交差車両の台数が少ない場合の最頻値が検出される。
これに対し、車両の停止時間が5秒以上である場合、交差車両の台数が5台以上である頻度割合が最大となっている。すなわち、車両の停止時間が5秒以上である場合に、交差車両の台数が多い場合の最頻値が検出される。
【0026】
したがって、上述した車両の停止時間と交差車両の台数との関係に基づいて、本実施形態で用いる交通量推定基準値を、図4中に示す値に設定する。
すなわち、本実施形態では、交通量推定基準値を、既知交差点進入挙動情報(図5中に示す「停止時間(秒)」)を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に、既知交通量(図5中に示す「頻度割合」)の多少に基づく頻度割合を検出する。そして、この検出した頻度割合の大小に応じて設定する。
【0027】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0028】
具体的には、交差点進入挙動情報を既知交差点進入挙動情報に適合させ、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する既知交通量に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両Cが走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
なお、交差側道路の交通量を推定する際に、曜日や時間により、推定した交通量を補正してもよい。具体例としては、休日の夜間に推定する交通量を、平日の通勤時間帯に推定する交通量に対して減少補正してもよい。
【0029】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を蓄積する。
以上により、交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した交差点進入挙動情報と既定の交通量推定基準値に基づいて、車両Cが走行する走行道路に対し、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する。
【0030】
停止位置設定手段20は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した、一時停止交差点へ進入する車両Cの停止位置データに基づいて、一時停止交差点における停止位置を設定する。そして、この設定した停止位置を含む情報信号を、停止位置信号S7として、走行情報蓄積手段6へ送信する。具体的には、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づき、一時停止交差点付近において、交差側道路から所定の距離範囲内で車速が最低となる位置を、一時停止交差点における停止位置として設定する。停止位置信号S7を受信した走行情報蓄積手段6は、停止位置信号S7が含む一時停止交差点における停止位置を蓄積する。
【0031】
車両状態検出手段22は、一時停止交差点における停止位置に対し、車両Cがどの程度接近しているかを検出する。具体的には、車速信号S1、位置信号S2、一時停止交差点信号S5及び停止位置信号S7に基づいて、停止位置へ向けて走行する車両Cの車速と、停止位置と車両Cとの距離を検出する。
一時停止交差点における停止位置に対し、車両Cがどの程度接近しているかを検出した車両状態検出手段22は、その検出結果を含む情報信号を、車両接近信号S8として、情報提供条件設定手段24へ送信する。
【0032】
情報提供条件設定手段24は、一時停止交差点に対する車両Cの走行状態及び位置に基づいて、運転者へ情報を提供する条件を設定する。ここで、運転者へ提供する情報とは、一時停止交差点へ進入する際に運転者へ注意を促す情報であり、映像や音声の出力を用いる。さらに、映像や音声の出力に加え、運転者が操舵するステアリングホイールの振動を用いてもよい。
【0033】
また、運転者へ情報を提供する条件を設定する際には、具体的には、車両接近信号S8に基づいて、停止位置と車両Cとの距離が所定の間隔以下となったタイミングで、運転者に情報を提供すると設定する。なお、上記「所定の間隔」とは、例えば、50[m]とする。
ここで、「所定の間隔」は、車速に応じて変化させてもよい。具体的には、車速が大きい場合は、「所定の間隔」を、例えば、70[m]程度とする。すなわち、車速が大きいほど、「所定の間隔」を長くする。
【0034】
また、「所定の間隔」は、交差側道路交通量推定手段18が推定した交差側道路の交通量に応じて変化させてもよい。具体的には、交差側道路の交通量が多い場合は、「所定の間隔」を、例えば、70[m]程度とする。すなわち、交差側道路の交通量が多いほど、「所定の間隔」を長くする。
運転者に情報を提供する条件を設定した情報提供条件設定手段24は、その条件を含む情報信号を、情報提供条件信号S9として、提供情報選択手段26へ送信する。
【0035】
提供情報選択手段26は、交差側道路交通量推定手段18が推定した交差側道路の交通量に基づいて、情報提供手段10から出力する情報の内容を選択する。具体的には、交差側道路の交通量が多いほど、注意を促す警報度合いが高い内容の情報を選択する。
本実施形態では、上述したように、車両Cの停止時間が約0秒である場合に、交差側道路の交通量が少ないと推定し、車両Cの停止時間が5秒以上である場合に、交差側道路の交通量が多いと推定する。これに基づき、例えば、交差側道路の交通量が少ない場合は、一時停止を促す内容の情報を選択し、交差側道路の交通量が多い場合は、左右の安全確認を促す内容の情報を選択する。
【0036】
情報提供手段10から出力する情報の内容を選択した提供情報選択手段26は、その選択した内容の情報を含む情報信号を、選択情報信号S10として、情報提供手段10へ送信する。このとき、選択情報信号S10は、情報提供条件設定手段24が送信した情報提供条件信号S9に基づく条件で、情報提供手段10へ送信する。具体的には、上述したように、停止位置と車両Cとの距離が所定の間隔以下となったタイミングで、選択情報信号S10を情報提供手段10へ送信する。
情報提供手段10は、例えば、ナビゲーション装置が備えるモニタとスピーカから形成する。
また、情報提供手段10は、選択情報信号S10に基づいて、選択情報信号S10が含む内容の情報を出力する。具体的には、モニタへの映像表示やスピーカからの発声する音声により、選択情報信号S10が含む内容の情報を出力する。
【0037】
(動作)
次に、図1から図5を参照しつつ、図6から図8を用いて、交差点特徴推定装置1の動作の一例について説明する。なお、図6から図8は、本実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、図6を用いて、交差点特徴推定装置1が車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理の一例を説明する。
図6のフローチャートは、車両Cのイグニッションスイッチを始動(IGN ON)した状態からスタートし、その処理は、一定間隔毎に連続的に行う。本実施形態では、処理を行う間隔を、100[msec]とする。
【0038】
イグニッションスイッチが始動し、車両Cが走行を開始すると、車両位置検出手段4が車両Cの位置を検出する。そして、この検出した位置を含む位置信号S2を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの位置を取得する(ステップS10)。
ステップS10において、車両Cの位置を取得した後、位置信号S2及び一時停止交差点信号S5に基づいて、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であるか否かの判定は、例えば、車両Cが接近している一時停止交差点までの距離が所定の範囲(例えば、−5[m]〜25[m])内であれば、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であると判定する。
【0039】
ステップS11において、車両Cの位置が一時停止交差点の近傍であると判定すると、走行状態検出手段2が車速を検出し、この検出した車速を含む車速信号S1を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの走行状態を取得する(ステップS12)。
一方、ステップS11において、車両Cの位置が一時停止交差点の近傍ではないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS14へ移行する。
【0040】
ステップS12において、車両Cの走行状態を取得した後、走行情報蓄積手段6が、ステップS10において取得した車両Cの位置と、ステップS12において取得した車両Cの走行状態を、蓄積部7に蓄積する。これにより、車両Cの走行情報を蓄積する(ステップS13)。
ステップS13において、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に車両Cの走行情報を蓄積した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS14へ移行する。
【0041】
ステップS14では、車両Cのイグニッションスイッチが停止(IGN OFF)しているか否かを判定する。
ステップS14において、イグニッションスイッチが停止していると判定すると、交差点特徴推定装置1は、車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理を終了する(END)。
一方、ステップS14において、イグニッションスイッチが停止していないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS10へ復帰する。
【0042】
次に、図7を用いて、交差点特徴推定装置1が、交差側道路の交通量を推定して運転者に情報を提供する処理の一例を説明する。
図7のフローチャートは、図6のフローチャートと同様、車両Cのイグニッションスイッチを始動(IGN ON)した状態からスタートし、その処理は、一定間隔毎に連続的に行う。本実施形態では、処理を行う間隔を、100[msec]とする。
【0043】
イグニッションスイッチが始動し、車両Cが走行を開始すると、車両位置検出手段4が車両Cの位置を検出する。そして、この検出した位置を含む位置信号S2を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの位置を取得する(ステップS20)。
ステップS20において、車両Cの位置を取得した後、位置信号S2、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づいて、車両Cが接近している一時停止交差点に関する情報が、蓄積部7に蓄積されているか否かを判定する。これにより、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中か否かを判定する(ステップS21)。
【0044】
ステップS21において、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中であると判定すると、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す(ステップS22)。ここで、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報が複数蓄積されている場合には、例えば、最新のn回(n=1であってもよい)の情報のみを読み出してもよい。また、蓄積されている全ての走行情報を読み出してもよい。
【0045】
一方、ステップS21において、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中ではないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS27へ移行する。
ステップS22において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、交差側道路交通量推定手段18により、交差側道路の交通量を推定する(ステップS23)。交差側道路交通量推定手段18により、交差側道路の交通量を推定する処理の説明は、後述する。
【0046】
ステップS23において、交差側道路の交通量を推定した後、走行状態検出手段2が車速を検出し、この検出した車速を含む車速信号S1を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの走行状態を取得する(ステップS24)。
ステップS24において、車両Cの走行状態を取得した後、一時停止交差点の停止位置と車両Cとの距離が、情報提供条件設定手段24が設定した所定の間隔以下であるか否かを判定する。これにより、運転者へ情報提供するか否かを判定する(ステップS25)。運転者へ情報提供するか否かの判定は、一時停止交差点の停止位置と車両Cとの距離が、情報提供条件設定手段24が設定した所定の間隔以下である場合に、運転者へ情報提供すると判定する。なお、本フローチャートにおける処理では、所定の間隔を、50[m]とする。
【0047】
ステップS25において、運転者へ情報提供すると判定すると判定すると、提供情報選択手段26が、交差側道路の交通量に応じて選択した内容の情報を含む選択情報信号S10を、情報提供手段10へ送信する。
選択情報信号S10を受信した情報提供手段10は、選択情報信号S10が含む情報を出力し、運転者へ提供する。これにより、運転者へ情報提供を行う(ステップS26)。なお、本フローチャートにおける処理では、交差側道路の交通量が少ない場合は、一時停止を促す内容の情報を選択し、交差側道路の交通量が多い場合は、左右の安全確認を促す内容の情報を選択する。
【0048】
一方、ステップS25において、運転者へ情報提供しないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS20へ復帰する。
ステップS26において、運転者へ情報提供を行った後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS27へ移行する。
ステップS27では、車両Cのイグニッションスイッチが停止(IGN OFF)しているか否かを判定する。
【0049】
ステップS27において、イグニッションスイッチが停止していると判定すると、交差点特徴推定装置1は、車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理を終了する(END)。
一方、ステップS27において、イグニッションスイッチが停止していないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS20へ復帰する。
次に、図8を用いて、交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明する。なお、図8中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0050】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS30)。すなわち、ステップS30では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0051】
ステップS30において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS31)。
ステップS31において、車両Cの停止時間を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS32)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が少ないと推定し、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
【0052】
ステップS32において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
なお、上述したように、本実施形態の交差点特徴推定装置1の動作で実施する交差点特徴推定方法は、車両Cの走行状態及び位置を検出して蓄積し、車両Cが一時停止すべき一時停止交差点を判定する。そして、判定した一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積し、その蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
さらに、取得した交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で、車両Cが走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。これに加え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する方法である。
【0053】
(第一実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、走行情報蓄積手段が、一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を、蓄積部に蓄積する。また、交差点進入挙動情報取得手段が、蓄積部に蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。そして、交差側道路交通量推定手段が、交差点進入挙動情報取得手段が取得した交差点進入挙動情報と、既定の交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。また、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値とする。
【0054】
すなわち、交差側道路の交通量の推定に用いる交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値とする。
したがって、既定の交通量推定基準値と、対象とする一時停止交差点へ以前に進入した際の交差点進入挙動情報に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。
その結果、自車両が一時停止交差点を通過する際に運転者へ提供する情報を、交差側道路の交通量に応じて、適切な内容の情報に変更することが可能となる。これにより、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
また、一時停止交差点を一回のみ通過した状態であっても、二回目以降に同じ一時停止交差点を通過する際に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、走行の経験が少ない地域の走行時においても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0055】
(2)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差側道路交通量推定手段が、既定の交通量推定基準値対象と、対象とする一時停止交差点へ進入する際の交差点進入挙動情報に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。
このため、対象とする一時停止交差点における停止滞留の出現頻度に因らず、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。これにより、交差側道路を通行する車両が存在している場合において、ほとんど停止しないで一時停止交差点を通過可能な状況であっても、適切に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、交差側道路の交通量を、精度良く推定することが可能となる。
【0056】
(3)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、車両の位置を検出する車両位置検出手段を用いて取得する。
このため、例えば、カメラ、レーザレーダ、電波レーダ等の環境センサを追加することなく、ナビゲーション装置等、車両に既存の構成を用いて、交差点進入挙動情報を取得することが可能となる。
その結果、コストの増加を抑制することが可能となるとともに、車両のレイアウト性が低下することを抑制することが可能となる。
【0057】
(4)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差側道路交通量推定手段が、交差点進入挙動情報を既知交差点進入挙動情報に適合させる。そして、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する既知交通量に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
その結果、交差点進入挙動情報を単純な数値としても、この数値を既知交差点進入挙動情報に適合させることにより、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0058】
(5)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交通量推定基準値を、既知交差点進入挙動情報を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に既知交通量の多少に基づく頻度割合を検出し、この検出した頻度割合の大小に応じて設定する。
その結果、交通量推定基準値を、既知交通量の多さに応じて段階的に区分することが可能となるため、交差点進入挙動情報を単純な数値としても、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0059】
(6)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、予め検出した、車両が一時停止すべき一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間とする。
その結果、一時停止交差点へ進入する際の車速の変化と、一時停止交差点に対する車両の位置を検出することにより、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0060】
(7)本実施形態の交差点特徴推定方法では、車両の走行状態及び位置を検出し、車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定し、その判定した一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。そして、蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。さらに、取得した交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、車両が走行する走行道路に対し、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する。これに加え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
その結果、自車両が一時停止交差点を通過する際に運転者へ提供する情報を、交差側道路の交通量に応じて、適切な内容の情報に変更することが可能となる。これにより、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0061】
(応用例)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置1では、車両C、すなわち、自車両の走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、図9中に示すように、交差点特徴推定装置1の構成を、他車両走行情報受信手段34を備える構成とする。
ここで、他車両走行情報受信手段34は、他車両の走行状態及び他車両の位置を受信する構成とする。これに加え、交差点進入挙動情報に、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、他車両の走行状態及び位置からなる他車両挙動情報を含む。なお、図9は、本実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【0062】
このような構成とすることにより、他車両が走行した走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。これにより、初めて走行する一時停止交差点であっても、その一時停止交差点を他車両が通過していれば、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
なお、他車両走行情報受信手段34は、例えば、他車両の走行情報を、自車両と他車両との間で行う車車間通信により受信してもよい。また、他車両の走行情報を、記録媒体を介して受信してもよい。
また、例えば、複数台の他車両の走行情報を、基地局により一括管理し、その情報を用いて、交差側道路の交通量を推定し、他車両走行情報受信手段34を備える車両へ配信してもよい。
【0063】
(2)本実施形態の交差点特徴推定装置1では、車両C、すなわち、自車両の走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、図10中に示すように、交差点特徴推定装置1の構成を、自車両走行情報発信手段36を備える構成としてもよい。なお、図10は、本実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
ここで、自車両走行情報発信手段36は、走行状態検出手段2が検出した自車両(車両C)の走行状態と、車両位置検出手段4が検出した自車両(車両C)の位置を他車両へ発信する構成とする。
このような構成とすることにより、自車両の走行状態を、この走行状態を受信可能な他車両へ提供することが可能となる。
【0064】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図11を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0065】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び最低速度とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、それぞれの車両Cの停止時間及び最低速度を取得する。
【0066】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
車両Cの最低速度は、以下の手順により取得する。
【0067】
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて検出する。具体的には、車両Cが走行道路と交差側道路との境界を基準とし、この境界から所定の範囲内に存在する状態において、最も低い車速を検出する。そして、この検出した車速を、車両Cの最低速度として取得する。なお、本実施形態では、所定の範囲を、−5[m]〜25[m]とする。
【0068】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際のへ進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図11中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、車両Cの最低速度が2[km/h]以上である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0069】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、車両Cの最低速度が0[km/h]である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図11は、予め検出した、車両Cの停止時間及び最低速度と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び最低速度と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0070】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0071】
(動作)
次に、図1、図2及び図11を参照しつつ、図12を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図12は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図12中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0072】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS40)。すなわち、ステップS40では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0073】
ステップS40において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの最低速度を検出する(ステップS41)。すなわち、ステップS41では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの最低速度を取得する(最低速度の取得)。
ステップS41において、交差点進入挙動情報として車両Cの最低速度を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び最低速度を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS42)。
【0074】
ステップS42において、車両Cの停止時間及び最低速度を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS43)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、車両Cの最低速度が2[km/h]以上である場合、交差側道路の交通量が少ないと推定する。一方、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、車両Cの最低速度が0[km/h]である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
ステップS43において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0075】
(第二実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び最低速度とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び最低速度とする。
このため、一時停止交差点を一回のみ通過した場合において、交差側道路の交通量が少ない場合であっても、二回目以降に同じ一時停止交差点を通過する際に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、走行の経験が少ない地域の走行時においても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0076】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図13及び図14を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0077】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴を取得する。
【0078】
車両Cの停止時間の履歴は、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を、複数回測定して取得する。なお、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間の履歴を取得するために、車速が0[km/h]である時間を、5回測定する。
【0079】
そして、交差点進入挙動情報取得手段28は、複数回(5回)測定した停止時間の履歴を、図13中に示すように、停止時間毎の頻度割合として取得する。なお、図13は、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間と、停止時間毎の頻度割合との関係を示すグラフであり、横軸に停止時間(秒)を示し、縦軸に5回中の頻度割合を示す。
【0080】
図13中に示すように、本実施形態では、5回測定した停止時間のうち、80%に該当する4回の停止時間が約0秒であり、20%に該当する1回の停止時間が5秒以上である場合について説明する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間の履歴とする。
【0081】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の停止時間の履歴と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図14中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が「非常に少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量が「やや少ない」と推定する。
【0082】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量が「やや多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図14は、予め検出した、車両Cの停止時間の履歴と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間の履歴と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0083】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間の履歴を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0084】
(動作)
次に、図1、図2、図13及び図14を参照しつつ、図15を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図15は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図15中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0085】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す。そして、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴を検出する(ステップS50)。すなわち、ステップS50では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間の履歴を取得する(停止時間の履歴取得)。
ステップS50において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間の履歴を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間の履歴を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS51)。
【0086】
ステップS51において、車両Cの停止時間の履歴を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS52)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が非常に少ないと推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量がやや少ないと推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量がやや多いと推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
ステップS52において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0087】
(第三実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間の履歴とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の履歴とする。
このため、複数回測定した、一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の測定結果を用いて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、曜日や時間帯等の変動要因に因らず、交差側道路の平均的な交通量を推定することが可能となるため、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0088】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図16及び図17を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0089】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する。
【0090】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
一時停止交差点に対する車両Cの停止位置は、以下の手順により取得する。
【0091】
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて検出する。具体的には、図16中に示すように、一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心Pからの所定距離Dを基準として、車両Cの最も低い車速を検出する。そして、一時停止交差点Xの中心Pからの所定距離Dを基準として、車速が最も低い位置を、一時停止交差点Xに対する車両Cの停止位置として取得する。ここで、一時停止交差点Xの中心Pは、予め、地図データに記憶させてある。
【0092】
なお、図16は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図16中では、図3中と同様、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
本実施形態では、一時停止交差点の中心Pからの所定範囲Dを、図16(a)に示すように、3.5[m]以下とした場合と、図16(b)に示すように、6.5[m]以上とする。以下、その理由について説明する。
【0093】
上記のように、一時停止交差点の中心Pからの所定範囲Dを、3.5[m]以下及び6.5[m]以上とした理由は、以下の通りである。
所定の範囲Dを、3.5[m]以下とした理由は、片側一車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、車道と路肩で約3.5[m]となるためである。
また、所定の範囲Dを、6.5[m]以上とした理由は、片側二車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、約6.5[m]となるためである。
【0094】
以上により、一時停止交差点の中心Pから所定の範囲Dは、一般的な道路幅の規格に基づいて設定する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間、及び任意の一時停止交差点に対する車両Cの停止位置とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び任意の一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
【0095】
本実施形態では、一例として、図17中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
【0096】
上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合に、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する理由を説明する。
上述したように、片側一車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、車道と路肩で約3.5[m]となるため、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路が、片側一車線の一般的な道路であると判定する。このような、片側一車線の一般的な道路は、道路構造上、交通量が少ないと推測されるため、上記のように、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0097】
また、上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合に、交差側道路の交通量が「多い」と推定する理由を説明する。
上述したように、片側二車線の一般的な道路では、片側の道路幅が約6.5[m]となるため、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路が、片側二車線の一般的な道路であると判定する。このような、片側二車線の一般的な道路は、道路構造上、交通量が多いと推測されるため、上記のように、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
【0098】
なお、図17は、予め検出した、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0099】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0100】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0101】
(動作)
次に、図1、図2、図16及び図17を参照しつつ、図18を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図18は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図18中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0102】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS60)。すなわち、ステップS60では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0103】
ステップS60において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得する。そして、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を検出する(ステップS61)。すなわち、ステップS61では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する(交差点からの停止位置の取得)。
ステップS61において、交差点進入挙動情報として車両Cの一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する。そして、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS62)。
【0104】
ステップS62において、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS63)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
ステップS63において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0105】
(第四実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の車両の停止時間が、1秒〜4秒の範囲内等、停止時間が中途半端に短い場合であっても、交差側道路の道路幅に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、一時停止交差点に車両が進入する際に、車両が通過しているか停止しているかが曖昧な状態であっても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0106】
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図19及び図20を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0107】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数を取得する。
【0108】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
車両Cの停止回数は、蓄積車速信号S3が含む車速に基づいて、以下の手順により取得する。
【0109】
具体的には、図20中に示すように、一時停止交差点へ進入する際に、車両Cの車速を検出する。そして、車速が所定の車速以下となった回数を、車両Cの停止回数として取得する。なお、本実施形態では、一例として、所定の車速を、2[km/h]とした場合について説明する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数とする。
【0110】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び停止回数と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図19中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が1回である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0111】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が2回以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
なお、図19は、予め検出した、車両Cの停止時間及び停止回数と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び停止回数と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0112】
上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が1回である場合に、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する理由を、図20を参照して説明する。なお、図20は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図20中では、図3中と同様、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0113】
図20(a)中に示すように、歩道を有していない道路幅の狭い交差側道路L2では、交差側道路L2を車両のみが通行するため、走行道路L1を走行する車両Cは、1回の停止回数(停止回数N=1回)で、一時停止交差点Xへ進入すると推測される。
一方、図20(b)中に示すように、歩道LWを有する道路幅の広い交差側道路L2では、交差側道路L2を交差車両Zが通行するとともに、歩道LWを歩行者や自転車が通行する。このため、走行道路L1を走行する車両Cは、2回以上の停止回数(停止回数N=2回以上)で、一時停止交差点Xへ進入すると推測される。
【0114】
以上により、一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止回数が1回である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。一方、一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止回数が2回以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び停止回数を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0115】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0116】
(動作)
次に、図1、図2、図19及び図20を参照しつつ、図21を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図21は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図21中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0117】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS70)。すなわち、ステップS70では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0118】
ステップS70において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止回数を検出する(ステップS71)。すなわち、ステップS71では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止回数を取得する(停止回数の取得)。
ステップS71において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止回数を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び停止回数を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS72)。
【0119】
ステップS72において、車両Cの停止時間及び停止回数を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS73)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内である場合、停止回数が1回であれば、交差側道路の交通量が「少ない」と推定し、停止回数が2回以上であれば、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
ステップS73において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0120】
(第五実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び停止回数とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び停止回数とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の車両の停止時間が、1秒〜4秒の範囲内等、停止時間が中途半端に短い場合であっても、交差側道路の道路幅や構成等、交差側道路の道路環境に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、一時停止交差点に車両が進入する際に、車両が通過しているか停止しているかが曖昧な状態であっても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0121】
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図22及び図23を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0122】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、一時停止交差点に対する車両Cの複数の停止位置毎の停止時間(以下、「停止位置毎の停止時間」と記載する)とする。すなわち、すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、停止位置毎の停止時間を取得する。
停止位置毎の停止時間は、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、以下の手順により取得する。
【0123】
具体的には、図22中に示すように、一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心Pから所定の範囲内において、一時停止交差点Xの中心Pからの距離と、車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を検出する。そして、これらの検出した距離毎の時間を、停止位置毎の停止時間として、複数回検出する。なお、図22は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図22中では、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、車道を符号LC、歩道を符号LW、一時停止線を符合SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0124】
なお、本実施形態では、一例として、所定の車速を、2[km/h]とした場合について説明する。また、本実施形態では、一例として、停止位置毎の停止時間を、二回検出する場合について説明する。
そして、二回検出した停止時間のうち、一時停止交差点Xの中心Pからの距離が遠い位置で車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を、一回目の停止時間T1として取得する。また、二回検出した停止時間のうち、一時停止交差点Xの中心Pからの距離が近い位置で車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を、二回目の停止時間T2として取得する。なお、図22中では、一回目の停止時間T1において停止する車両Cを、符号C1で示し、二回目の停止時間T2において停止する車両Cを、符号C2で示す。
【0125】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
【0126】
本実施形態では、上述したように、二箇所の停止位置における、二回の停止時間T1及びT2を検出する。これにより、本実施形態では、一例として、図23中に示すように、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量が「少ない」(歩道・車道とも少ない)と推定する。また、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道の交通量が「少ない」及び車道の交通量が「多い」(歩道少ない・車道多い)と推定する。
【0127】
一方、本実施形態では、一例として、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、歩道の交通量が「多い」及び車道の交通量が「少ない」(歩道多い・車道少ない)と推定する。また、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道及び車道の交通量が「多い」(歩道・車道とも多い)と推定する。
【0128】
なお、図23は、予め検出した、停止位置毎の停止時間と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止位置毎の停止時間と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0129】
上記のように、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2に基づいて、歩道及び車道の交通量を推定する理由を、上記の図22を参照して説明する。
図22中に示すように、歩道LWを有する道路幅の広い交差側道路L2では、交差側道路L2を交差車両Zが通行するとともに、歩道LWを歩行者や自転車が通行する。このため、走行道路L1を走行する車両Cは、まず、歩道LWの手前(走行道路L1側)で停止(一回目の停止)し、次に、車道LCの手前で停止(二回目の停止)する。
【0130】
以上により、一時停止交差点に車両Cが進入する際の、一回目の停止時間T1は、歩道LWの交通量を反映し、二回目の停止時間T2は、車道LCの交通量を反映すると推測する。したがって、上述したように、一回目の停止時間T1が長いほど、歩道LWの交通量が「多い」と推定し、二回目の停止時間T2が長いほど、車道LCの交通量が「多い」と推定する。
【0131】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0132】
(動作)
次に、図1、図2、図22及び図23を参照しつつ、図24を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図24は、交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図24中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0133】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す。そして、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、一回目の停止時間T1を検出する(ステップS80)。すなわち、ステップS80では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点へ進入する際の、一回目の停止時間T1を取得する(1回目の停止時間T1の取得)。
【0134】
ステップS80において、交差点進入挙動情報として一回目の停止時間T1を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、二回目の停止時間T2を検出する(ステップS81)。すなわち、ステップS81では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点へ進入する際の、二回目の停止時間T2を取得する(2回目の停止時間T2の取得)。
ステップS81において、二回目の停止時間T2を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS82)。
【0135】
ステップS82において、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS83)。本フローチャートの処理では、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量が少ないと推定する。また、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道の交通量が少なく、車道の交通量が多いと推定する。さらに、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、歩道の交通量が多く、車道の交通量が少ないと推定する。また、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道及び車道の交通量が多いと推定する。
ステップS83において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0136】
(第六実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の停止位置毎における停止時間に基づいて、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量を、個別に推定することが可能となる。
その結果、運転者に対し、歩道を通行する歩行者や自転車及び車道を走行する車両の交通量に対して、個別に注意を喚起することが可能となり、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0137】
(全実施形態に対応する変形例)
上述した各実施形態では、それぞれ、一種類の交差点進入挙動情報と、この交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定しているが、これに限定するものではない。
すなわち、各実施形態で用いたそれぞれの交差点進入挙動情報のうち少なくとも二つと、これらの交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定してもよい。この場合、一種類の交差点進入挙動情報と、この交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定する場合と比較して、交差側道路の交通量の推定精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1を備える車両Cの構成を示す図である。
【図2】交差点特徴推定装置1のシステム構成を示す図である。
【図3】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図、及び一時停止交差点へ進入する際の車速Vと停止時間tとの関係を示すグラフである。
【図4】車両Cの停止時間と交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図5】実際の一時停止交差点において予め検出した、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間と、この車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数との関係を調査した結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【図10】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【図11】予め検出した、車両Cの停止時間及び最低速度と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図12】本発明の第二実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間と、停止時間毎の頻度割合との関係を示すグラフである。
【図14】予め検出した、車両Cの停止時間の履歴と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図15】本発明の第三実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図17】予め検出した、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図18】本発明の第四実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図19】予め検出した、車両Cの停止時間及び停止回数と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図20】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図21】本発明の第五実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図23】予め検出した、停止位置毎の停止時間と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図24】本発明の第六実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0139】
1 交差点特徴推定装置
2 走行状態検出手段
4 車両位置検出手段
6 走行情報蓄積手段
7 蓄積部
8 提供情報処理手段
10 情報提供手段
12 受信機
14 地図データ記憶部
16 一時停止交差点判定手段
18 交差側道路交通量推定手段
20 停止位置設定手段
22 車両状態検出手段
24 情報提供条件設定手段
26 提供情報選択手段
28 交差点進入挙動情報取得手段
30 交通量推定基準値記憶部
32 交差側道路交通量推定部
34 他車両走行情報受信手段
36 自車両走行情報発信手段
C 車両
T 車輪
S1 車速信号
S2 位置信号
S3 蓄積車速信号
S4 蓄積位置信号
S5 一時停止交差点信号
S6 交通量推定信号
S7 停止位置信号
S8 車両接近信号
S9 情報提供条件信号
S10 選択情報信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両が走行する走行道路と交差する交差側道路の交通量を推定する交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の交差点特徴推定装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
特許文献1に記載の交差点特徴推定装置では、交差点に進入するプローブ車両の時々刻々の位置、速度、時刻等のデータを取得する。そして、この取得したデータに基づいて、自車両が走行している走行道路における、自車両が交差点に到達するまでの交通量を推定するものである。この推定結果は、例えば、自車両が交差点を通過する際に運転者へ提供する情報の変更に用いる。
【特許文献1】特開2007−257196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の交差点特徴推定装置では、自車両が走行している走行道路の交通量を推定することは可能である。しかしながら、走行道路と交差する交差側道路の交通量は推定することができないという問題がある。
このため、自車両が交差点を通過する際の、運転者へ提供する情報が不適切な内容となるという問題が発生するおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、交差側道路の交通量を推定することが可能な、交差点特徴推定装置及び交差点特徴推定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。そして、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、前記既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、対象とする一時停止交差点へ以前に進入した際の交差点進入挙動情報と、予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
(構成)
まず、図1から図5を参照して、交差点特徴推定装置1の構成を説明する。
図1は、本実施形態の交差点特徴推定装置1を備える車両Cの構成を示す図である。また、図2は、交差点特徴推定装置1のシステム構成を示す図である。
図1及び図2中に示すように、交差点特徴推定装置1は、走行状態検出手段2と、車両位置検出手段4と、走行情報蓄積手段6と、提供情報処理手段8と、情報提供手段10とを備えている。
【0007】
走行状態検出手段2は、車両Cの走行状態により変化する要素を検出し、この検出した要素に基づいて、車両Cの速度(以下、「車速」と記載する)を検出する。そして、この検出した車速を含む情報信号を、車速信号S1として、走行情報蓄積手段6及び提供情報処理手段8へ送信する。
本実施形態では、一例として、走行状態検出手段2を、車輪Tの回転数等を検出する車速センサにより形成する。すなわち、車両Cの走行状態により変化する要素を、車輪Tの回転数とする。なお、車両Cの走行状態により変化する要素は、これに限定するものではなく、例えば、車両Cの加速度や減速度としてもよい。
【0008】
車両位置検出手段4は、車両Cの位置を示す座標を検出し、この検出した座標を地図データと照合して、地図データに対する車両Cの位置(以下、「位置」と記載する)を検出する。そして、この検出した位置を含む情報信号を、位置信号S2として、走行情報蓄積手段6及び提供情報処理手段8へ送信する。ここで、上記の位置は、車両Cが走行中の走行道路のリンク番号、車両Cが接近中の交差点の中心座標、この交差点までの距離を含む情報とする。
【0009】
また、車両位置検出手段4は、例えば、ナビゲーション装置が備えるGPS(Global Positioning System)受信機12と、地図データ記憶部14とから形成する。
GPS受信機12は、例えば、GPS衛星が送信する電波に基づいて、車両Cの位置を示す座標を検出する。
地図データ記憶部14は、例えば、国内等、設定した範囲の地図データを、予め記憶する。なお、地図データ記憶部14が記憶する地図データは、記憶媒体やデータ通信等を用いて、更新してもよい。
【0010】
走行情報蓄積手段6は、走行状態検出手段2が送信した車速信号S1を受信して、車速信号S1が含む車速を、蓄積部7に蓄積する。これに加え、車両位置検出手段4が送信した位置信号S2を受信して、位置信号S2が含む位置を、蓄積部7に蓄積する。これらの蓄積した情報が、車両Cの走行情報を構成する。
なお、走行情報蓄積手段6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)が備えるRAM(Random Access Memory)により形成する。
【0011】
また、走行情報蓄積手段6は、提供情報処理手段8から、後述する各種情報信号を受信する。
具体的には、走行情報蓄積手段6は、提供情報処理手段8が送信する一時停止交差点信号S5及び交通量推定信号S6を受信する。これに加え、後述する停止位置設定手段20が送信する停止位置信号S7を受信する。なお、一時停止交差点信号S5、交通量推定信号S6及び停止位置信号S7に関する説明は、後述する。
【0012】
提供情報処理手段8は、一時停止交差点判定手段16と、交差側道路交通量推定手段18と、停止位置設定手段20と、車両状態検出手段22と、情報提供条件設定手段24と、提供情報選択手段26とを備えている。
また、提供情報処理手段8は、例えば、CPUと、RAM等の記憶手段により形成する。
【0013】
一時停止交差点判定手段16は、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づいて、車両Cが一時停止すべき一時停止交差点を判定する。そして、判定した一時停止交差点を含む情報信号を、一時停止交差点信号S5として、走行情報蓄積手段6へ送信する。なお、一時停止交差点信号S5には、判定した一時停止交差点を含む情報信号に加え、判定した一時停止交差点のノード(交差点中央)番号、ノード座標、リンク番号等を含む情報信号を付加する。
【0014】
一時停止交差点を判定する具体例としては、蓄積車速信号S3が含む車速と、蓄積位置信号S4が含む地図データとに基づいて、交差点から所定距離範囲で、車速が所定速度以下となる割合が高い交差点を、一時停止交差点と判定する。ここで、所定速度は、例えば、0[km/h]とする。なお、一時停止交差点の判定は、前記の方法以外にも、地図データに一時停止交差点の情報が存在していれば、この情報を用いてもよい。また、車両Cが交差点を通過する際に、車輪Tの操舵角が大きい(例えば、180°以上)である場合は、この交差点を、一時停止交差点と判定しない処理を加えてもよい。
【0015】
ここで、一時停止交差点信号S5を受信した走行情報蓄積手段6は、一時停止交差点信号S5と、車速信号S1及び位置信号S2に基づいて、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。すなわち、走行情報蓄積手段6は、一時停止交差点判定手段16が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。
【0016】
交差点進入挙動情報は、具体的には、車両Cが走行する走行道路が非優先道路であり、走行道路に対して一時停止交差点で交差する交差側道路が優先道路である場合における、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置から検出する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0017】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。ここで、「対象とする一時停止交差点」とは、走行道路を走行する車両Cが交差側道路を通過する対象となる一時停止交差点である。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を取得する。
【0018】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内において、車速を連続的に計測する。そして、車速が0[km/h]である時間を測定し、この測定した車速が0[km/h]である時間を、車両Cの停止時間として取得する。なお、上記所定の範囲は、一時停止交差点の中心以外にも、一時停止交差点に設定されている一時停止線を基準に設定してもよい。
【0019】
具体的には、図3(a)に示すように、対象とする一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心から所定の範囲内において、車速Vを連続的に計測する。そして、車速Vが0[km/h]である時間がほぼ0秒である場合、車両Cの停止時間tが約0秒(t≒0秒)であると検出する。なお、本実施形態では、上記所定の範囲を、約30[m]とした場合について説明する。
【0020】
一方、図3(b)に示すように、一時停止交差点Xの中心から所定の範囲内において、車速Vを連続的に計測し、車速Vが0[km/h]である時間が5秒以上である場合、車両Cの停止時間tが5秒以上(t=5秒以上)であると検出する。
なお、図3は、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図、及び対象とする一時停止交差点へ進入する際の車速Vと経過時間Tとの関係を示すグラフである。また、図3中では、対象とする一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0021】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
交通量推定基準値は、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
既知交差点進入挙動情報は、車両Cが一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの走行状態及び位置からなる既知の情報である。
【0022】
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間とする。
ここで、任意の一時停止交差点は、対象とする一時停止交差点と、各種条件(道路幅、歩道の有無等)が類似の一時停止交差点とする。
また、既知交通量は、任意の一時停止交差点で車両Cが走行する走行道路に交差する、交差側道路の既知の交通量である。
【0023】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間と、既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図4中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。一方、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図4は、車両Cの停止時間と交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【0024】
ここで、図5を参照して、交通量推定基準値を、上記のように設定した根拠について説明する。
図5は、実際の一時停止交差点において予め検出した、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間と、この車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数との関係を調査した結果を示すグラフである。すなわち、図5のグラフは、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係を示す。なお、図5中では、横軸に、車両の停止時間(秒)を示し、縦軸に、車両の停止時間に対する交差車両の台数毎の頻度割合を示す。
【0025】
図5中に示すように、車両の停止時間が約0秒である場合、交差車両の台数が0台である頻度割合が最大となっている。すなわち、車両の停止時間が約0秒である場合に、交差車両の台数が少ない場合の最頻値が検出される。
これに対し、車両の停止時間が5秒以上である場合、交差車両の台数が5台以上である頻度割合が最大となっている。すなわち、車両の停止時間が5秒以上である場合に、交差車両の台数が多い場合の最頻値が検出される。
【0026】
したがって、上述した車両の停止時間と交差車両の台数との関係に基づいて、本実施形態で用いる交通量推定基準値を、図4中に示す値に設定する。
すなわち、本実施形態では、交通量推定基準値を、既知交差点進入挙動情報(図5中に示す「停止時間(秒)」)を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に、既知交通量(図5中に示す「頻度割合」)の多少に基づく頻度割合を検出する。そして、この検出した頻度割合の大小に応じて設定する。
【0027】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0028】
具体的には、交差点進入挙動情報を既知交差点進入挙動情報に適合させ、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する既知交通量に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両Cが走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
なお、交差側道路の交通量を推定する際に、曜日や時間により、推定した交通量を補正してもよい。具体例としては、休日の夜間に推定する交通量を、平日の通勤時間帯に推定する交通量に対して減少補正してもよい。
【0029】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を蓄積する。
以上により、交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した交差点進入挙動情報と既定の交通量推定基準値に基づいて、車両Cが走行する走行道路に対し、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する。
【0030】
停止位置設定手段20は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した、一時停止交差点へ進入する車両Cの停止位置データに基づいて、一時停止交差点における停止位置を設定する。そして、この設定した停止位置を含む情報信号を、停止位置信号S7として、走行情報蓄積手段6へ送信する。具体的には、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づき、一時停止交差点付近において、交差側道路から所定の距離範囲内で車速が最低となる位置を、一時停止交差点における停止位置として設定する。停止位置信号S7を受信した走行情報蓄積手段6は、停止位置信号S7が含む一時停止交差点における停止位置を蓄積する。
【0031】
車両状態検出手段22は、一時停止交差点における停止位置に対し、車両Cがどの程度接近しているかを検出する。具体的には、車速信号S1、位置信号S2、一時停止交差点信号S5及び停止位置信号S7に基づいて、停止位置へ向けて走行する車両Cの車速と、停止位置と車両Cとの距離を検出する。
一時停止交差点における停止位置に対し、車両Cがどの程度接近しているかを検出した車両状態検出手段22は、その検出結果を含む情報信号を、車両接近信号S8として、情報提供条件設定手段24へ送信する。
【0032】
情報提供条件設定手段24は、一時停止交差点に対する車両Cの走行状態及び位置に基づいて、運転者へ情報を提供する条件を設定する。ここで、運転者へ提供する情報とは、一時停止交差点へ進入する際に運転者へ注意を促す情報であり、映像や音声の出力を用いる。さらに、映像や音声の出力に加え、運転者が操舵するステアリングホイールの振動を用いてもよい。
【0033】
また、運転者へ情報を提供する条件を設定する際には、具体的には、車両接近信号S8に基づいて、停止位置と車両Cとの距離が所定の間隔以下となったタイミングで、運転者に情報を提供すると設定する。なお、上記「所定の間隔」とは、例えば、50[m]とする。
ここで、「所定の間隔」は、車速に応じて変化させてもよい。具体的には、車速が大きい場合は、「所定の間隔」を、例えば、70[m]程度とする。すなわち、車速が大きいほど、「所定の間隔」を長くする。
【0034】
また、「所定の間隔」は、交差側道路交通量推定手段18が推定した交差側道路の交通量に応じて変化させてもよい。具体的には、交差側道路の交通量が多い場合は、「所定の間隔」を、例えば、70[m]程度とする。すなわち、交差側道路の交通量が多いほど、「所定の間隔」を長くする。
運転者に情報を提供する条件を設定した情報提供条件設定手段24は、その条件を含む情報信号を、情報提供条件信号S9として、提供情報選択手段26へ送信する。
【0035】
提供情報選択手段26は、交差側道路交通量推定手段18が推定した交差側道路の交通量に基づいて、情報提供手段10から出力する情報の内容を選択する。具体的には、交差側道路の交通量が多いほど、注意を促す警報度合いが高い内容の情報を選択する。
本実施形態では、上述したように、車両Cの停止時間が約0秒である場合に、交差側道路の交通量が少ないと推定し、車両Cの停止時間が5秒以上である場合に、交差側道路の交通量が多いと推定する。これに基づき、例えば、交差側道路の交通量が少ない場合は、一時停止を促す内容の情報を選択し、交差側道路の交通量が多い場合は、左右の安全確認を促す内容の情報を選択する。
【0036】
情報提供手段10から出力する情報の内容を選択した提供情報選択手段26は、その選択した内容の情報を含む情報信号を、選択情報信号S10として、情報提供手段10へ送信する。このとき、選択情報信号S10は、情報提供条件設定手段24が送信した情報提供条件信号S9に基づく条件で、情報提供手段10へ送信する。具体的には、上述したように、停止位置と車両Cとの距離が所定の間隔以下となったタイミングで、選択情報信号S10を情報提供手段10へ送信する。
情報提供手段10は、例えば、ナビゲーション装置が備えるモニタとスピーカから形成する。
また、情報提供手段10は、選択情報信号S10に基づいて、選択情報信号S10が含む内容の情報を出力する。具体的には、モニタへの映像表示やスピーカからの発声する音声により、選択情報信号S10が含む内容の情報を出力する。
【0037】
(動作)
次に、図1から図5を参照しつつ、図6から図8を用いて、交差点特徴推定装置1の動作の一例について説明する。なお、図6から図8は、本実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、図6を用いて、交差点特徴推定装置1が車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理の一例を説明する。
図6のフローチャートは、車両Cのイグニッションスイッチを始動(IGN ON)した状態からスタートし、その処理は、一定間隔毎に連続的に行う。本実施形態では、処理を行う間隔を、100[msec]とする。
【0038】
イグニッションスイッチが始動し、車両Cが走行を開始すると、車両位置検出手段4が車両Cの位置を検出する。そして、この検出した位置を含む位置信号S2を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの位置を取得する(ステップS10)。
ステップS10において、車両Cの位置を取得した後、位置信号S2及び一時停止交差点信号S5に基づいて、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であるか否かの判定は、例えば、車両Cが接近している一時停止交差点までの距離が所定の範囲(例えば、−5[m]〜25[m])内であれば、車両Cの位置が、一時停止交差点の近傍であると判定する。
【0039】
ステップS11において、車両Cの位置が一時停止交差点の近傍であると判定すると、走行状態検出手段2が車速を検出し、この検出した車速を含む車速信号S1を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの走行状態を取得する(ステップS12)。
一方、ステップS11において、車両Cの位置が一時停止交差点の近傍ではないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS14へ移行する。
【0040】
ステップS12において、車両Cの走行状態を取得した後、走行情報蓄積手段6が、ステップS10において取得した車両Cの位置と、ステップS12において取得した車両Cの走行状態を、蓄積部7に蓄積する。これにより、車両Cの走行情報を蓄積する(ステップS13)。
ステップS13において、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に車両Cの走行情報を蓄積した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS14へ移行する。
【0041】
ステップS14では、車両Cのイグニッションスイッチが停止(IGN OFF)しているか否かを判定する。
ステップS14において、イグニッションスイッチが停止していると判定すると、交差点特徴推定装置1は、車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理を終了する(END)。
一方、ステップS14において、イグニッションスイッチが停止していないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS10へ復帰する。
【0042】
次に、図7を用いて、交差点特徴推定装置1が、交差側道路の交通量を推定して運転者に情報を提供する処理の一例を説明する。
図7のフローチャートは、図6のフローチャートと同様、車両Cのイグニッションスイッチを始動(IGN ON)した状態からスタートし、その処理は、一定間隔毎に連続的に行う。本実施形態では、処理を行う間隔を、100[msec]とする。
【0043】
イグニッションスイッチが始動し、車両Cが走行を開始すると、車両位置検出手段4が車両Cの位置を検出する。そして、この検出した位置を含む位置信号S2を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの位置を取得する(ステップS20)。
ステップS20において、車両Cの位置を取得した後、位置信号S2、蓄積車速信号S3及び蓄積位置信号S4に基づいて、車両Cが接近している一時停止交差点に関する情報が、蓄積部7に蓄積されているか否かを判定する。これにより、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中か否かを判定する(ステップS21)。
【0044】
ステップS21において、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中であると判定すると、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す(ステップS22)。ここで、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報が複数蓄積されている場合には、例えば、最新のn回(n=1であってもよい)の情報のみを読み出してもよい。また、蓄積されている全ての走行情報を読み出してもよい。
【0045】
一方、ステップS21において、車両Cが、走行情報が蓄積されている一時停止交差点に接近中ではないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS27へ移行する。
ステップS22において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、交差側道路交通量推定手段18により、交差側道路の交通量を推定する(ステップS23)。交差側道路交通量推定手段18により、交差側道路の交通量を推定する処理の説明は、後述する。
【0046】
ステップS23において、交差側道路の交通量を推定した後、走行状態検出手段2が車速を検出し、この検出した車速を含む車速信号S1を、走行情報蓄積手段6へ送信する。これにより、車両Cの走行状態を取得する(ステップS24)。
ステップS24において、車両Cの走行状態を取得した後、一時停止交差点の停止位置と車両Cとの距離が、情報提供条件設定手段24が設定した所定の間隔以下であるか否かを判定する。これにより、運転者へ情報提供するか否かを判定する(ステップS25)。運転者へ情報提供するか否かの判定は、一時停止交差点の停止位置と車両Cとの距離が、情報提供条件設定手段24が設定した所定の間隔以下である場合に、運転者へ情報提供すると判定する。なお、本フローチャートにおける処理では、所定の間隔を、50[m]とする。
【0047】
ステップS25において、運転者へ情報提供すると判定すると判定すると、提供情報選択手段26が、交差側道路の交通量に応じて選択した内容の情報を含む選択情報信号S10を、情報提供手段10へ送信する。
選択情報信号S10を受信した情報提供手段10は、選択情報信号S10が含む情報を出力し、運転者へ提供する。これにより、運転者へ情報提供を行う(ステップS26)。なお、本フローチャートにおける処理では、交差側道路の交通量が少ない場合は、一時停止を促す内容の情報を選択し、交差側道路の交通量が多い場合は、左右の安全確認を促す内容の情報を選択する。
【0048】
一方、ステップS25において、運転者へ情報提供しないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS20へ復帰する。
ステップS26において、運転者へ情報提供を行った後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS27へ移行する。
ステップS27では、車両Cのイグニッションスイッチが停止(IGN OFF)しているか否かを判定する。
【0049】
ステップS27において、イグニッションスイッチが停止していると判定すると、交差点特徴推定装置1は、車両Cの走行状態及び位置を蓄積する処理を終了する(END)。
一方、ステップS27において、イグニッションスイッチが停止していないと判定すると、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS20へ復帰する。
次に、図8を用いて、交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明する。なお、図8中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0050】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS30)。すなわち、ステップS30では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0051】
ステップS30において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS31)。
ステップS31において、車両Cの停止時間を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS32)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が少ないと推定し、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
【0052】
ステップS32において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
なお、上述したように、本実施形態の交差点特徴推定装置1の動作で実施する交差点特徴推定方法は、車両Cの走行状態及び位置を検出して蓄積し、車両Cが一時停止すべき一時停止交差点を判定する。そして、判定した一時停止交差点へ進入する際の車両Cの走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積し、その蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
さらに、取得した交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、対象とする一時停止交差点で、車両Cが走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。これに加え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する方法である。
【0053】
(第一実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、走行情報蓄積手段が、一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を、蓄積部に蓄積する。また、交差点進入挙動情報取得手段が、蓄積部に蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。そして、交差側道路交通量推定手段が、交差点進入挙動情報取得手段が取得した交差点進入挙動情報と、既定の交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。また、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値とする。
【0054】
すなわち、交差側道路の交通量の推定に用いる交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値とする。
したがって、既定の交通量推定基準値と、対象とする一時停止交差点へ以前に進入した際の交差点進入挙動情報に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。
その結果、自車両が一時停止交差点を通過する際に運転者へ提供する情報を、交差側道路の交通量に応じて、適切な内容の情報に変更することが可能となる。これにより、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
また、一時停止交差点を一回のみ通過した状態であっても、二回目以降に同じ一時停止交差点を通過する際に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、走行の経験が少ない地域の走行時においても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0055】
(2)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差側道路交通量推定手段が、既定の交通量推定基準値対象と、対象とする一時停止交差点へ進入する際の交差点進入挙動情報に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。
このため、対象とする一時停止交差点における停止滞留の出現頻度に因らず、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。これにより、交差側道路を通行する車両が存在している場合において、ほとんど停止しないで一時停止交差点を通過可能な状況であっても、適切に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、交差側道路の交通量を、精度良く推定することが可能となる。
【0056】
(3)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、車両の位置を検出する車両位置検出手段を用いて取得する。
このため、例えば、カメラ、レーザレーダ、電波レーダ等の環境センサを追加することなく、ナビゲーション装置等、車両に既存の構成を用いて、交差点進入挙動情報を取得することが可能となる。
その結果、コストの増加を抑制することが可能となるとともに、車両のレイアウト性が低下することを抑制することが可能となる。
【0057】
(4)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差側道路交通量推定手段が、交差点進入挙動情報を既知交差点進入挙動情報に適合させる。そして、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する既知交通量に基づいて、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する。
その結果、交差点進入挙動情報を単純な数値としても、この数値を既知交差点進入挙動情報に適合させることにより、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0058】
(5)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交通量推定基準値を、既知交差点進入挙動情報を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に既知交通量の多少に基づく頻度割合を検出し、この検出した頻度割合の大小に応じて設定する。
その結果、交通量推定基準値を、既知交通量の多さに応じて段階的に区分することが可能となるため、交差点進入挙動情報を単純な数値としても、対象とする一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0059】
(6)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、予め検出した、車両が一時停止すべき一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間とする。
その結果、一時停止交差点へ進入する際の車速の変化と、一時停止交差点に対する車両の位置を検出することにより、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
【0060】
(7)本実施形態の交差点特徴推定方法では、車両の走行状態及び位置を検出し、車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定し、その判定した一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積する。そして、蓄積した交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。さらに、取得した交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、車両が走行する走行道路に対し、対象とする一時停止交差点で交差する交差側道路の交通量を推定する。これに加え、交通量推定基準値を、既知の情報である既知交差点進入挙動情報と既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定する。
その結果、自車両が一時停止交差点を通過する際に運転者へ提供する情報を、交差側道路の交通量に応じて、適切な内容の情報に変更することが可能となる。これにより、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0061】
(応用例)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置1では、車両C、すなわち、自車両の走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、図9中に示すように、交差点特徴推定装置1の構成を、他車両走行情報受信手段34を備える構成とする。
ここで、他車両走行情報受信手段34は、他車両の走行状態及び他車両の位置を受信する構成とする。これに加え、交差点進入挙動情報に、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、他車両の走行状態及び位置からなる他車両挙動情報を含む。なお、図9は、本実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【0062】
このような構成とすることにより、他車両が走行した走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。これにより、初めて走行する一時停止交差点であっても、その一時停止交差点を他車両が通過していれば、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
なお、他車両走行情報受信手段34は、例えば、他車両の走行情報を、自車両と他車両との間で行う車車間通信により受信してもよい。また、他車両の走行情報を、記録媒体を介して受信してもよい。
また、例えば、複数台の他車両の走行情報を、基地局により一括管理し、その情報を用いて、交差側道路の交通量を推定し、他車両走行情報受信手段34を備える車両へ配信してもよい。
【0063】
(2)本実施形態の交差点特徴推定装置1では、車両C、すなわち、自車両の走行情報を用いて、交差側道路の交通量を推定したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、図10中に示すように、交差点特徴推定装置1の構成を、自車両走行情報発信手段36を備える構成としてもよい。なお、図10は、本実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
ここで、自車両走行情報発信手段36は、走行状態検出手段2が検出した自車両(車両C)の走行状態と、車両位置検出手段4が検出した自車両(車両C)の位置を他車両へ発信する構成とする。
このような構成とすることにより、自車両の走行状態を、この走行状態を受信可能な他車両へ提供することが可能となる。
【0064】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図11を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0065】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び最低速度とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、それぞれの車両Cの停止時間及び最低速度を取得する。
【0066】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
車両Cの最低速度は、以下の手順により取得する。
【0067】
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて検出する。具体的には、車両Cが走行道路と交差側道路との境界を基準とし、この境界から所定の範囲内に存在する状態において、最も低い車速を検出する。そして、この検出した車速を、車両Cの最低速度として取得する。なお、本実施形態では、所定の範囲を、−5[m]〜25[m]とする。
【0068】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際のへ進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図11中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、車両Cの最低速度が2[km/h]以上である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0069】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、車両Cの最低速度が0[km/h]である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図11は、予め検出した、車両Cの停止時間及び最低速度と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び最低速度と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0070】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び最低速度を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0071】
(動作)
次に、図1、図2及び図11を参照しつつ、図12を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図12は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図12中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0072】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS40)。すなわち、ステップS40では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0073】
ステップS40において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの最低速度を検出する(ステップS41)。すなわち、ステップS41では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの最低速度を取得する(最低速度の取得)。
ステップS41において、交差点進入挙動情報として車両Cの最低速度を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び最低速度を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS42)。
【0074】
ステップS42において、車両Cの停止時間及び最低速度を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS43)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、車両Cの最低速度が2[km/h]以上である場合、交差側道路の交通量が少ないと推定する。一方、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、車両Cの最低速度が0[km/h]である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
ステップS43において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0075】
(第二実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び最低速度とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び最低速度とする。
このため、一時停止交差点を一回のみ通過した場合において、交差側道路の交通量が少ない場合であっても、二回目以降に同じ一時停止交差点を通過する際に、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、走行の経験が少ない地域の走行時においても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0076】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図13及び図14を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0077】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴を取得する。
【0078】
車両Cの停止時間の履歴は、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を、複数回測定して取得する。なお、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間の履歴を取得するために、車速が0[km/h]である時間を、5回測定する。
【0079】
そして、交差点進入挙動情報取得手段28は、複数回(5回)測定した停止時間の履歴を、図13中に示すように、停止時間毎の頻度割合として取得する。なお、図13は、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間と、停止時間毎の頻度割合との関係を示すグラフであり、横軸に停止時間(秒)を示し、縦軸に5回中の頻度割合を示す。
【0080】
図13中に示すように、本実施形態では、5回測定した停止時間のうち、80%に該当する4回の停止時間が約0秒であり、20%に該当する1回の停止時間が5秒以上である場合について説明する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間の履歴とする。
【0081】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の停止時間の履歴と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図14中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が「非常に少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量が「やや少ない」と推定する。
【0082】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量が「やや多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。なお、図14は、予め検出した、車両Cの停止時間の履歴と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間の履歴と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0083】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間の履歴を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0084】
(動作)
次に、図1、図2、図13及び図14を参照しつつ、図15を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図15は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図15中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0085】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す。そして、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間の履歴を検出する(ステップS50)。すなわち、ステップS50では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間の履歴を取得する(停止時間の履歴取得)。
ステップS50において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間の履歴を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間の履歴を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS51)。
【0086】
ステップS51において、車両Cの停止時間の履歴を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS52)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が非常に少ないと推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約0秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量がやや少ないと推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が20%〜80%の範囲内である場合、交差側道路の交通量がやや多いと推定する。また、車両Cの停止時間が約0秒であるとともに、停止時間が約5秒である頻度割合が80%以上である場合、交差側道路の交通量が多いと推定する。
ステップS52において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0087】
(第三実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間の履歴とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の履歴とする。
このため、複数回測定した、一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の測定結果を用いて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、曜日や時間帯等の変動要因に因らず、交差側道路の平均的な交通量を推定することが可能となるため、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0088】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図16及び図17を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0089】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する。
【0090】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
一時停止交差点に対する車両Cの停止位置は、以下の手順により取得する。
【0091】
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて検出する。具体的には、図16中に示すように、一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心Pからの所定距離Dを基準として、車両Cの最も低い車速を検出する。そして、一時停止交差点Xの中心Pからの所定距離Dを基準として、車速が最も低い位置を、一時停止交差点Xに対する車両Cの停止位置として取得する。ここで、一時停止交差点Xの中心Pは、予め、地図データに記憶させてある。
【0092】
なお、図16は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図16中では、図3中と同様、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
本実施形態では、一時停止交差点の中心Pからの所定範囲Dを、図16(a)に示すように、3.5[m]以下とした場合と、図16(b)に示すように、6.5[m]以上とする。以下、その理由について説明する。
【0093】
上記のように、一時停止交差点の中心Pからの所定範囲Dを、3.5[m]以下及び6.5[m]以上とした理由は、以下の通りである。
所定の範囲Dを、3.5[m]以下とした理由は、片側一車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、車道と路肩で約3.5[m]となるためである。
また、所定の範囲Dを、6.5[m]以上とした理由は、片側二車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、約6.5[m]となるためである。
【0094】
以上により、一時停止交差点の中心Pから所定の範囲Dは、一般的な道路幅の規格に基づいて設定する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間、及び任意の一時停止交差点に対する車両Cの停止位置とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び任意の一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
【0095】
本実施形態では、一例として、図17中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
【0096】
上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合に、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する理由を説明する。
上述したように、片側一車線の一般的な道路では、片側の道路幅が、車道と路肩で約3.5[m]となるため、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路が、片側一車線の一般的な道路であると判定する。このような、片側一車線の一般的な道路は、道路構造上、交通量が少ないと推測されるため、上記のように、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0097】
また、上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合に、交差側道路の交通量が「多い」と推定する理由を説明する。
上述したように、片側二車線の一般的な道路では、片側の道路幅が約6.5[m]となるため、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路が、片側二車線の一般的な道路であると判定する。このような、片側二車線の一般的な道路は、道路構造上、交通量が多いと推測されるため、上記のように、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
【0098】
なお、図17は、予め検出した、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0099】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0100】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0101】
(動作)
次に、図1、図2、図16及び図17を参照しつつ、図18を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図18は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図18中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0102】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS60)。すなわち、ステップS60では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0103】
ステップS60において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得する。そして、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を検出する(ステップS61)。すなわち、ステップS61では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する(交差点からの停止位置の取得)。
ステップS61において、交差点進入挙動情報として車両Cの一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を取得する。そして、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS62)。
【0104】
ステップS62において、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS63)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が3.5[m]以下である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、一時停止交差点に対する車両Cの停止位置が6.5[m]以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
ステップS63において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0105】
(第四実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の車両の停止時間が、1秒〜4秒の範囲内等、停止時間が中途半端に短い場合であっても、交差側道路の道路幅に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、一時停止交差点に車両が進入する際に、車両が通過しているか停止しているかが曖昧な状態であっても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0106】
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図19及び図20を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0107】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数とする。すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数を取得する。
【0108】
車両Cの停止時間は、例えば、以下の手順により取得する。
まず、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、対象とする一時停止交差点の中心から所定の範囲内における車速が0[km/h]である時間を測定する。そして、この測定した時間を、車両Cの停止時間として取得する。
車両Cの停止回数は、蓄積車速信号S3が含む車速に基づいて、以下の手順により取得する。
【0109】
具体的には、図20中に示すように、一時停止交差点へ進入する際に、車両Cの車速を検出する。そして、車速が所定の車速以下となった回数を、車両Cの停止回数として取得する。なお、本実施形態では、一例として、所定の車速を、2[km/h]とした場合について説明する。
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間及び停止回数とする。
【0110】
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止時間及び停止回数と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
本実施形態では、一例として、図19中に示すように、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が1回である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。
【0111】
一方、本実施形態では、一例として、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が2回以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。また、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
なお、図19は、予め検出した、車両Cの停止時間及び停止回数と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間及び停止回数と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0112】
上記のように、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内であるとともに、停止回数が1回である場合に、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する理由を、図20を参照して説明する。なお、図20は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図20中では、図3中と同様、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、一時停止線を符号SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0113】
図20(a)中に示すように、歩道を有していない道路幅の狭い交差側道路L2では、交差側道路L2を車両のみが通行するため、走行道路L1を走行する車両Cは、1回の停止回数(停止回数N=1回)で、一時停止交差点Xへ進入すると推測される。
一方、図20(b)中に示すように、歩道LWを有する道路幅の広い交差側道路L2では、交差側道路L2を交差車両Zが通行するとともに、歩道LWを歩行者や自転車が通行する。このため、走行道路L1を走行する車両Cは、2回以上の停止回数(停止回数N=2回以上)で、一時停止交差点Xへ進入すると推測される。
【0114】
以上により、一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止回数が1回である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。一方、一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止回数が2回以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間及び停止回数を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
【0115】
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0116】
(動作)
次に、図1、図2、図19及び図20を参照しつつ、図21を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図21は、本実施形態の交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図21中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0117】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出した後、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止時間を検出する(ステップS70)。すなわち、ステップS70では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止時間を取得する(停止時間の取得)。
【0118】
ステップS70において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止時間を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、車両Cの停止回数を検出する(ステップS71)。すなわち、ステップS71では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、車両Cの停止回数を取得する(停止回数の取得)。
ステップS71において、交差点進入挙動情報として車両Cの停止回数を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、車両Cの停止時間及び停止回数を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS72)。
【0119】
ステップS72において、車両Cの停止時間及び停止回数を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS73)。本フローチャートの処理では、車両Cの停止時間が約0秒である場合、交差側道路の交通量が「少ない」と推定する。また、車両Cの停止時間が1〜4秒の範囲内である場合、停止回数が1回であれば、交差側道路の交通量が「少ない」と推定し、停止回数が2回以上であれば、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。さらに、車両Cの停止時間が5秒以上である場合、交差側道路の交通量が「多い」と推定する。
ステップS73において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0120】
(第五実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び停止回数とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の停止時間及び停止回数とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の車両の停止時間が、1秒〜4秒の範囲内等、停止時間が中途半端に短い場合であっても、交差側道路の道路幅や構成等、交差側道路の道路環境に基づいて、交差側道路の交通量を推定することが可能となる。
その結果、一時停止交差点に車両が進入する際に、車両が通過しているか停止しているかが曖昧な状態であっても、運転者に対し、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0121】
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を参照しつつ、図22及び図23を用いて、本実施形態の交差点特徴推定装置の構成を説明する。
本実施形態の交差点特徴推定装置の構成は、交差側道路交通量推定手段18の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成とする。なお、交差側道路交通量推定手段18以外の構成は、上述した第一実施形態と同様の構成とするため、詳細な説明を省略する。
交差側道路交通量推定手段18は、交差点進入挙動情報取得手段28と、交通量推定基準値記憶部30と、交差側道路交通量推定部32とを備えている。
【0122】
交差点進入挙動情報取得手段28は、蓄積部7から、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報を取得する。
本実施形態では、取得する交差点進入挙動情報を、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、一時停止交差点に対する車両Cの複数の停止位置毎の停止時間(以下、「停止位置毎の停止時間」と記載する)とする。すなわち、すなわち、交差点進入挙動情報取得手段28は、走行情報蓄積手段6が蓄積部7に蓄積する複数の交差点進入挙動情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、停止位置毎の停止時間を取得する。
停止位置毎の停止時間は、蓄積車速信号S3が含む車速及び蓄積位置信号S4が含む位置に基づいて、以下の手順により取得する。
【0123】
具体的には、図22中に示すように、一時停止交差点Xへ進入する際に、一時停止交差点Xの中心Pから所定の範囲内において、一時停止交差点Xの中心Pからの距離と、車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を検出する。そして、これらの検出した距離毎の時間を、停止位置毎の停止時間として、複数回検出する。なお、図22は、一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。また、図22中では、一時停止交差点を符号X、走行道路を符号L1、交差側道路を符号L2、車道を符号LC、歩道を符号LW、一時停止線を符合SL、交差側道路L2を走行する交差車両を符号Zで示す。
【0124】
なお、本実施形態では、一例として、所定の車速を、2[km/h]とした場合について説明する。また、本実施形態では、一例として、停止位置毎の停止時間を、二回検出する場合について説明する。
そして、二回検出した停止時間のうち、一時停止交差点Xの中心Pからの距離が遠い位置で車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を、一回目の停止時間T1として取得する。また、二回検出した停止時間のうち、一時停止交差点Xの中心Pからの距離が近い位置で車両Cの車速が所定の車速以下となった時間を、二回目の停止時間T2として取得する。なお、図22中では、一回目の停止時間T1において停止する車両Cを、符号C1で示し、二回目の停止時間T2において停止する車両Cを、符号C2で示す。
【0125】
交通量推定基準値記憶部30は、予め、既定の交通量推定基準値を記憶する。
本実施形態では、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間とする。
以上により、本実施形態で用いる交通量推定基準値は、任意の一時停止交差点に車両Cが進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間と、この一時停止交差点における既知交通量との関係に基づいて設定する。
【0126】
本実施形態では、上述したように、二箇所の停止位置における、二回の停止時間T1及びT2を検出する。これにより、本実施形態では、一例として、図23中に示すように、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量が「少ない」(歩道・車道とも少ない)と推定する。また、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道の交通量が「少ない」及び車道の交通量が「多い」(歩道少ない・車道多い)と推定する。
【0127】
一方、本実施形態では、一例として、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、歩道の交通量が「多い」及び車道の交通量が「少ない」(歩道多い・車道少ない)と推定する。また、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道及び車道の交通量が「多い」(歩道・車道とも多い)と推定する。
【0128】
なお、図23は、予め検出した、停止位置毎の停止時間と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。交差側道路の交通量の推定結果との関係は、例えば、実際の一時停止交差点において、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止位置毎の停止時間と、車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数とを調査する。そして、その調査結果に基づいて設定する。
【0129】
上記のように、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2に基づいて、歩道及び車道の交通量を推定する理由を、上記の図22を参照して説明する。
図22中に示すように、歩道LWを有する道路幅の広い交差側道路L2では、交差側道路L2を交差車両Zが通行するとともに、歩道LWを歩行者や自転車が通行する。このため、走行道路L1を走行する車両Cは、まず、歩道LWの手前(走行道路L1側)で停止(一回目の停止)し、次に、車道LCの手前で停止(二回目の停止)する。
【0130】
以上により、一時停止交差点に車両Cが進入する際の、一回目の停止時間T1は、歩道LWの交通量を反映し、二回目の停止時間T2は、車道LCの交通量を反映すると推測する。したがって、上述したように、一回目の停止時間T1が長いほど、歩道LWの交通量が「多い」と推定し、二回目の停止時間T2が長いほど、車道LCの交通量が「多い」と推定する。
【0131】
交差側道路交通量推定部32は、交差点進入挙動情報取得手段28が取得した対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報と、交通量推定基準値記憶部30が予め記憶する交通量推定基準値に基づいて、交差側道路の交通量を推定する。本実施形態では、対象とする一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止位置毎の停止時間を、交通量推定基準値に適合させ、交差側道路の交通量を推定する。
交差側道路の交通量を推定した交差側道路交通量推定部32は、その推定結果を含む情報信号を、交通量推定信号S6として、走行情報蓄積手段6へ送信する。交通量推定信号S6を受信した走行情報蓄積手段6は、交通量推定信号S6が含む交差側道路の交通量を、蓄積部7に蓄積する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0132】
(動作)
次に、図1、図2、図22及び図23を参照しつつ、図24を用いて、交差点特徴推定装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、交差側道路の交通量を推定する処理以外は、上述した第一実施形態と同様の処理を行うため、異なる部分の処理を説明する。
図24は、交差点特徴推定装置1が交差側道路の交通量を推定する処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図24中に示す処理は、図7中に示すステップS23の処理であり、ステップS22の処理とステップS24の処理との間に行う。
【0133】
ステップS22(図7参照)において、蓄積部7から、車両Cが接近中の一時停止交差点に関する走行情報を読み出す。そして、この読み出した走行情報から、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、一回目の停止時間T1を検出する(ステップS80)。すなわち、ステップS80では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点へ進入する際の、一回目の停止時間T1を取得する(1回目の停止時間T1の取得)。
【0134】
ステップS80において、交差点進入挙動情報として一回目の停止時間T1を取得した後、蓄積部7から読み出した走行情報に基づいて、対象とする一時停止交差点へ進入する際の、二回目の停止時間T2を検出する(ステップS81)。すなわち、ステップS81では、交差点進入挙動情報取得手段28が、対象とする一時停止交差点に対応する交差点進入挙動情報として、一時停止交差点へ進入する際の、二回目の停止時間T2を取得する(2回目の停止時間T2の取得)。
ステップS81において、二回目の停止時間T2を取得した後、交差側道路交通量推定部32が、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2を、交通量推定基準値と比較して適合させる(ステップS82)。
【0135】
ステップS82において、一回目の停止時間T1及び二回目の停止時間T2を交通量推定基準値に適合させた交差側道路交通量推定部32は、その結果に基づいて、交差側道路の交通量を推定する(ステップS83)。本フローチャートの処理では、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量が少ないと推定する。また、一回目の停止時間T1が約0秒であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道の交通量が少なく、車道の交通量が多いと推定する。さらに、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が約0秒である場合、歩道の交通量が多く、車道の交通量が少ないと推定する。また、一回目の停止時間T1が5秒以上であるとともに、二回目の停止時間T2が5秒以上である場合、歩道及び車道の交通量が多いと推定する。
ステップS83において、交差側道路の交通量を推定した後、交差点特徴推定装置1が行う処理は、ステップS24(図7参照)へ移行する。
【0136】
(第六実施形態の効果)
(1)本実施形態の交差点特徴推定装置では、交差点進入挙動情報を、一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の、一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間とする。これに加え、既知交差点進入挙動情報を、任意の一時停止交差点へ進入する際の、車両の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間とする。
このため、一時停止交差点に車両が進入する際の停止位置毎における停止時間に基づいて、交差側道路が有する歩道及び車道の交通量を、個別に推定することが可能となる。
その結果、運転者に対し、歩道を通行する歩行者や自転車及び車道を走行する車両の交通量に対して、個別に注意を喚起することが可能となり、一時停止交差点の通過に適切な注意を促すことが可能となる。
【0137】
(全実施形態に対応する変形例)
上述した各実施形態では、それぞれ、一種類の交差点進入挙動情報と、この交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定しているが、これに限定するものではない。
すなわち、各実施形態で用いたそれぞれの交差点進入挙動情報のうち少なくとも二つと、これらの交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定してもよい。この場合、一種類の交差点進入挙動情報と、この交差点進入挙動情報に対応する交通量推定基準値との比較により、交差側道路の交通量を推定する場合と比較して、交差側道路の交通量の推定精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1を備える車両Cの構成を示す図である。
【図2】交差点特徴推定装置1のシステム構成を示す図である。
【図3】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図、及び一時停止交差点へ進入する際の車速Vと停止時間tとの関係を示すグラフである。
【図4】車両Cの停止時間と交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図5】実際の一時停止交差点において予め検出した、走行道路から一時停止交差点へ進入する車両の停止時間と、この車両の停止時間中に交差側道路を通行した交差車両の台数との関係を調査した結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【図10】本発明の第一実施形態の交差点特徴推定装置1に対する変形例の構成を示す図である。
【図11】予め検出した、車両Cの停止時間及び最低速度と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図12】本発明の第二実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの停止時間と、停止時間毎の頻度割合との関係を示すグラフである。
【図14】予め検出した、車両Cの停止時間の履歴と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図15】本発明の第三実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図17】予め検出した、車両Cの停止時間及び一時停止交差点に対する車両Cの停止位置と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図18】本発明の第四実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図19】予め検出した、車両Cの停止時間及び停止回数と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図20】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図21】本発明の第五実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】一時停止交差点へ進入する際の車両Cの挙動と交差側道路の交通量との関係を示す図である。
【図23】予め検出した、停止位置毎の停止時間と、交差側道路の交通量の推定結果との関係を示す表である。
【図24】本発明の第六実施形態の交差点特徴推定装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0139】
1 交差点特徴推定装置
2 走行状態検出手段
4 車両位置検出手段
6 走行情報蓄積手段
7 蓄積部
8 提供情報処理手段
10 情報提供手段
12 受信機
14 地図データ記憶部
16 一時停止交差点判定手段
18 交差側道路交通量推定手段
20 停止位置設定手段
22 車両状態検出手段
24 情報提供条件設定手段
26 提供情報選択手段
28 交差点進入挙動情報取得手段
30 交通量推定基準値記憶部
32 交差側道路交通量推定部
34 他車両走行情報受信手段
36 自車両走行情報発信手段
C 車両
T 車輪
S1 車速信号
S2 位置信号
S3 蓄積車速信号
S4 蓄積位置信号
S5 一時停止交差点信号
S6 交通量推定信号
S7 停止位置信号
S8 車両接近信号
S9 情報提供条件信号
S10 選択情報信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記車両の位置を検出する車両位置検出手段と、前記車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定する一時停止交差点判定手段と、当該一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積部に蓄積する走行情報蓄積手段と、前記蓄積部から対象とする一時停止交差点に対応する前記交差点進入挙動情報を取得する交差点進入挙動情報取得手段と、既定の交通量推定基準値を予め記憶する交通量推定基準値記憶部と、前記交差点進入挙動情報取得手段が取得した前記交差点進入挙動情報と前記交通量推定基準値に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する交差側道路交通量推定手段と、を備え、
前記交通量推定基準値は、車両が一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる既知の情報である既知交差点進入挙動情報と、前記任意の一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値であることを特徴とする交差点特徴推定装置。
【請求項2】
前記交差側道路交通量推定手段は、前記交差点進入挙動情報を前記既知交差点進入挙動情報に適合させ、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する前記既知交通量に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することを特徴とする請求項1に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項3】
前記交通量推定基準値を、前記既知交差点進入挙動情報を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に前記既知交通量の多少に基づく頻度割合を検出し、この検出した頻度割合の大小に応じて設定することを特徴とする請求項1または2に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項4】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項5】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び最低速度であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び最低速度であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項6】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間の履歴であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の履歴であることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項7】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び任意の一時停止交差点に対する車両の停止位置であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項8】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び停止回数であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び停止回数であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項9】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の任意の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間であることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項10】
他車両の走行状態及び前記他車両の位置を受信する他車両走行情報受信手段を備え、
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記他車両の走行状態及び位置からなる他車両挙動情報を含むことを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項11】
前記走行状態検出手段は、自車両の走行状態を検出し、
前記車両位置検出手段は、前記自車両の位置を検出し、
前記自車両の走行状態及び位置を他車両へ発信する自車両走行情報発信手段を備えることを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項12】
車両の走行状態及び位置を検出し、前記車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定し、その判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積し、その蓄積した交差点進入挙動情報から対象とする一時停止交差点に対応する前記交差点進入挙動情報を取得し、その取得した前記交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定し、
前記交通量推定基準値を、車両が一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる既知の情報である既知交差点進入挙動情報と、前記任意の一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定することを特徴とする交差点特徴推定方法。
【請求項1】
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、前記車両の位置を検出する車両位置検出手段と、前記車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定する一時停止交差点判定手段と、当該一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積部に蓄積する走行情報蓄積手段と、前記蓄積部から対象とする一時停止交差点に対応する前記交差点進入挙動情報を取得する交差点進入挙動情報取得手段と、既定の交通量推定基準値を予め記憶する交通量推定基準値記憶部と、前記交差点進入挙動情報取得手段が取得した前記交差点進入挙動情報と前記交通量推定基準値に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定する交差側道路交通量推定手段と、を備え、
前記交通量推定基準値は、車両が一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる既知の情報である既知交差点進入挙動情報と、前記任意の一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の既知の交通量である既知交通量との関係に基づく値であることを特徴とする交差点特徴推定装置。
【請求項2】
前記交差側道路交通量推定手段は、前記交差点進入挙動情報を前記既知交差点進入挙動情報に適合させ、この適合させた既知交差点進入挙動情報と対応する前記既知交通量に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定することを特徴とする請求項1に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項3】
前記交通量推定基準値を、前記既知交差点進入挙動情報を区分し、この区分した既知交差点進入挙動情報毎に前記既知交通量の多少に基づく頻度割合を検出し、この検出した頻度割合の大小に応じて設定することを特徴とする請求項1または2に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項4】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項5】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び最低速度であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び最低速度であることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項6】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間の履歴であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間の履歴であることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項7】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び一時停止交差点に対する車両の停止位置であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び任意の一時停止交差点に対する車両の停止位置であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項8】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の停止時間及び停止回数であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の停止時間及び停止回数であることを特徴とする請求項1から7のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項9】
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間であり、
前記既知交差点進入挙動情報は、前記任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の任意の一時停止交差点に対する車両の複数の停止位置毎の停止時間であることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項10】
他車両の走行状態及び前記他車両の位置を受信する他車両走行情報受信手段を備え、
前記交差点進入挙動情報は、前記一時停止交差点判定手段が判定した一時停止交差点へ進入する際の前記他車両の走行状態及び位置からなる他車両挙動情報を含むことを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項11】
前記走行状態検出手段は、自車両の走行状態を検出し、
前記車両位置検出手段は、前記自車両の位置を検出し、
前記自車両の走行状態及び位置を他車両へ発信する自車両走行情報発信手段を備えることを特徴とする請求項1から10のうちいずれか1項に記載した交差点特徴推定装置。
【請求項12】
車両の走行状態及び位置を検出し、前記車両が一時停止すべき一時停止交差点を判定し、その判定した一時停止交差点へ進入する際の前記車両の走行状態及び位置からなる交差点進入挙動情報を蓄積し、その蓄積した交差点進入挙動情報から対象とする一時停止交差点に対応する前記交差点進入挙動情報を取得し、その取得した前記交差点進入挙動情報と予め記憶した既定の交通量推定基準値に基づいて、前記対象とする一時停止交差点で前記車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の交通量を推定し、
前記交通量推定基準値を、車両が一時停止すべき任意の一時停止交差点へ進入する際の車両の走行状態及び位置からなる既知の情報である既知交差点進入挙動情報と、前記任意の一時停止交差点で車両が走行する走行道路に交差する交差側道路の既知の交通量である既知交通量との関係に基づいて設定することを特徴とする交差点特徴推定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−86234(P2010−86234A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253839(P2008−253839)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]