説明

交通規制情報生成装置及び交通規制情報生成プログラム

【課題】画像データから抽出した道路標識について、道路標識の直近のリンク形状だけでなく、所定の範囲内のリンク形状に基づいて、道路標識の規制内容を出力する交通規制情報生成装置を提供する。
【解決手段】交通規制情報生成装置は、最初に特定したノードに接続するリンク形状が道路標識の内容に矛盾している場合でも、再度別のノードを特定することにより、道路標識の内容に矛盾しないノードに接続しているリンク形状を再度特定することが可能となる。これにより、道路標識が直近のノードに接続するリンクに対する道路標識ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する道路標識である場合でも、道路標識の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通規制情報を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の走行中にナビゲーション装置のカメラが撮影した画像データに対して画像解析処理を行い、当該画像データから道路標識を抽出した場合、走行箇所に対応するリンク情報の規制情報と抽出した道路標識の規制情報との相違を検出し、検出した結果に応じてリンク情報の更新を行うナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−10598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のナビゲーション装置の場合、道路標識を撮影した位置に基づいて、リンク情報を更新しているため、例えば、上記の道路標識が、直近の交差点に関する標識ではない場合、正確な規制情報をリンク情報に反映できないという問題点があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明の目的は、画像データから抽出した道路標識について、道路標識の直近のリンク形状だけでなく、所定の範囲内のリンク形状に基づいて、道路標識の規制内容を出力する交通規制情報生成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、交通規制情報生成装置であって、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、道路標識ノード間距離判定手段が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の発明は、交通規制情報生成方法であって、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持工程と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持工程と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持工程と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持工程と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出工程と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定工程と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定工程と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定工程と、前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定工程と、前記整合性判定工程が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定工程と、前記整合性判定工程が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、コンピュータを備える装置によって実行される交通規制情報生成プログラムであって、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の好適な実施形態では、交通規制情報生成装置は、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、道路標識ノード間距離判定手段が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段と、を備える。
【0010】
上記の交通規制情報生成装置は、具体的には、カーナビゲーション装置や、パーソナルコンピュータ等に適用することができる。交通規制情報生成装置は、予め、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保持する。そして、交通規制情報生成装置は、上記画像データの撮影時刻と上記画像データとの関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データや、道路標識パターンや、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報も保持する。
【0011】
そして、交通規制情報生成装置では、道路標識抽出手段が、画像データに対して画像解析処理を行い、保持している道路標識パターンと照らし合わせることにより、画像データ内の道路標識を抽出する。
【0012】
また、道路標識対応ノード判定手段が、上記道路標識に対応するノードであるか否かを判定する。また、ノード対応リンク特定手段が、所定のノードに接続されているリンクをノード情報及びリンク情報を用いて特定する。
【0013】
次に、道路標識ノード間距離判定手段が、画像データを撮影した走行位置からノードまでの距離を算出し、所定の閾値より下回っている場合、整合性判定手段が、画像データ内の道路標識及びリンク形状に基づいて、整合性があるか否かを判定する。ここで、整合性があるとは、道路標識の内容とリンク形状に矛盾がないことをいう。
【0014】
そして、道路標識対応ノード再特定部は、整合性判定手段が整合性不明と判断した場合に、最初に特定したノードに隣接するノードを特定する。ここで、整合性が不明とは、特定しているノードに接続しているリンク形状と道路標識とでは、整合性がないが、特定しているノードに隣接しているノードに接続しているリンク形状と道路標識とが整合性を有する可能性があることをいう。そして、整合性判定手段が、道路標識対応ノード再特定部が特定したノードに接続するリンク形状と道路標識とに基づいて、整合性の有無を判断する。
【0015】
そして、交通規制情報出力部は、整合性がある場合に、整合性判定部106の判定結果に応じて、交通規制情報(例えば、一方通行を示す一方通行フラグ等)を出力する。
【0016】
このように、交通規制情報生成装置は、最初に特定したノードに接続するリンク形状が道路標識の内容に矛盾している場合でも、再度別のノードを特定することにより、道路標識の内容に矛盾しないノードに接続しているリンク形状を再度特定することが可能となる。これにより、道路標識が直近のノードに接続するリンクに対する道路標識ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する道路標識である場合でも、道路標識の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。
【0017】
上記の交通規制情報生成装置の一態様では、前記移動体は、前方撮影用のカメラ及び後方撮影用のカメラを備えており、判定用画像データを用いて画像データの撮影方向を判定する撮影方向判定手段と、をさらに備え、前記道路標識対応ノード判定手段は、前記撮影方向判定手段の結果に基づいて道路標識が所定のノードに対応するか否かを判定する。
【0018】
この場合、交通規制情報生成装置は、各画像データが移動体の前方撮影用のカメラで撮影されたか否かを判別することができるので、移動体の前方方向が撮影された画像データ及び移動体の後方方向が撮影された画像データを用いて、画像データに含まれる道路標識を抽出し、当該道路標識に基づいてリンクの交通規制情報を出力することができる。
【0019】
上記の交通規制情報生成装置の一態様では、前記交通規制情報出力手段は、前記整合性判定手段が整合性なしと判定した場合、前記判定結果を出力する。これによれば、交通規制情報生成装置は、ノードに接続するリンク形状が道路標識の内容に矛盾する場合、矛盾している旨をファイルに出力するので、交通規制情報生成装置の利用者に対してリンク形状と道路標識の内容に矛盾があることを通知することができる。
【0020】
本発明の他の観点では、交通規制情報生成方法は、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持工程と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持工程と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持工程と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持工程と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出工程と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定工程と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定工程と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定工程と、前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定工程と、前記整合性判定工程が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定工程と、前記整合性判定工程が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力工程と、を備える。
【0021】
上記の方法によっても、最初に特定したノードに接続するリンク形状が道路標識の内容に矛盾している場合でも、再度別のノードを特定することにより、道路標識の内容に矛盾しないノードに接続しているリンク形状を再度特定することが可能となる。これにより、道路標識が直近のノードに接続するリンクに対する標識ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する標識である場合でも、道路標識の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。
【0022】
本発明の他の観点では、コンピュータを備える装置によって実行される交通規制情報生成プログラムは、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムを、コンピュータ上で実行することにより、上記の交通規制情報生成装置を実現することができる。なお、この交通規制情報生成プログラムは、記録媒体に記録した状態で好適に取り扱うことができる。
【実施例】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0024】
[交通規制情報生成装置]
図1に、本発明の実施例に係る交通規制情報生成装置1の構成を示す。交通規制情報生成装置1は、車両(例えば、地図調査用車両)に搭載されたカメラが撮影した複数の画像データと、リンク情報及びノード情報を含む地図情報等を保持し、上記画像データから道路標識を抽出し、当該道路標識に基づいて各リンクの交通規制情報を所定の方法で出力する装置である。交通規制情報生成装置1は、実体的には、パーソナルコンピュータやナビゲーション装置より構成される。
【0025】
交通規制情報生成装置1は、図示のように、制御部20と、記憶部36と、入力装置60とを備える。記憶部36は、ハードディスク等であり、走行ログDB120と、地図情報DB130と、複数の画像データ140と、標識検出結果リスト150と、道路標識パターンファイル197とを保持する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等であり、道路標識抽出部101と、撮影方向判定部102と、道路標識対応ノード判定部103と、道路標識ノード間距離判定部104と、ノード対応リンク特定部105と、整合性判定部106と、道路標識対応ノード再特定部107と、交通規制情報出力部108とを備える。即ち、制御部20が所定のプログラムを実行することにより、道路標識抽出部101と、撮影方向判定部102と、道路標識対応ノード判定部103と、道路標識ノード間距離判定部104と、ノード対応リンク特定部105と、整合性判定部106と、道路標識対応ノード再特定部107と、交通規制情報出力部108とを実現する。
【0026】
走行ログDB120は、走行ログデータ121を保持するデータベースである。図2に走行ログデータ121の構造を示す。走行ログデータ121とは、位置情報122と、タイムコード123と、走行方向124と、画像データに関する情報である画像ファイル情報(画像データの保存先や、走行調査識別子)125と、カメラ情報126とを含む情報である。ここで、位置情報122は、具体的には、経度緯度情報であり、撮影時の地図調査用車両の位置を示す。タイムコード123は、カメラにより画像を撮影した時刻を示す。走行方向124は、地図調査用車両の方向を示し、具体的には、北を基準にした場合における角度である。カメラ情報126は、画像データを撮影したカメラに関する情報である(識別番号等)。また、本実施例では、上記走行ログデータ121が撮影関連データとして機能する。
【0027】
地図情報DB130は、リンクデータやノードデータを含む地図情報が格納されているデータベースである。ここで、図3(a)にリンクデータ170の構造を示す。リンクデータ170は、リンクの識別子である「リンクID171」と、リンクが接続している1つ目のノード(以下、第1ノードとも呼ぶ)の識別子である「第1ノードID172」と、リンクが接続している2つ目のノード(以下、第2ノードとも呼ぶ)の識別子である「第2ノードID173」と、第1ノードから第2ノードまでの交通規制情報を示す「第1ノードから第2ノードへの交通規制フラグ174」と、第2ノードから第1ノードまでの交通規制情報を示す「第2ノードから第1ノードへの交通規制フラグ175」と、リンクの位置範囲を示すリンク位置範囲情報176」と、を有する情報である。また、図3(b)にノードデータ180の構造を示す。ノードデータ180は、ノードの識別子であるノードID181と、ノードの位置を示すノード位置情報182とを含む情報である。画像データ140は、地図調査用車両のカメラが撮影した画像データ140である。
【0028】
標識検出結果リスト150は、画像データ140から抽出した道路標識に関連する情報を保持するリストである。図4に標識検出結果リスト150の例を示す。図示のように、標識検出結果リスト150は、画像データ140を一意に識別し得る画像ID151、サイクルID152、撮影時刻153、走行方向154、位置情報155、標識種別156、標識サイズ157、対応リンク158、対応ノード159、道路標識ノード間距離160、及び撮影方向161を有する。ここで、サイクルID152とは、走行調査単位を示す識別子(例えば、1回目の調査が「001」、2回目の調査が「002」等)であり、走行ログデータ121内の画像ファイル情報125の走行調査識別子に対応する。撮影時刻153は、走行調査車両のカメラが画像データを撮影した時刻を示し、走行ログデータ121のタイムコード123に対応する。走行方向154は、走行ログデータ121の走行方向124に対応する。位置情報155は、走行ログデータ121の位置情報122に対応する。標識種別156は、後述する道路標識抽出部101が抽出した道路標識の種別を示す。標識サイズ157は、道路標識抽出部101が抽出した道路標識141のサイズを示す。対応リンク158は、道路標識141に対応するリンクを示し、具体的には、後述する整合性判定部106が定義するリンクである。対応ノード159は、道路標識141に対応するノードを示し、具体的には、道路標識対応ノード判定部103が道路標識に対応すると判定したノードが設定される。そして、道路標識ノード間距離160は、道路標識141から道路標識141に対応するノードまでの距離を示す。撮影方向161は、画像データ140を撮影したカメラの方向(車両の前方、後方等)の情報を示し、後述する撮影方向判定部102が設定する。道路標識パターンファイル197は、道路標識を抽出する際の基準となるパターンを保持するファイルである。
【0029】
道路標識抽出部101は、画像データ140に対して画像解析処理を施し、道路標識パターンファイル197に合致する道路標識141を抽出する。これにより、道路標識抽出部101は、画像データ140内の道路標識の種別及び当該道路標識のサイズを判別できる。
【0030】
撮影方向判定部102は、地図調査用車両が車両の前方及び後方にカメラを搭載している場合に、画像データ140がどちらのカメラによって撮影されたかを判別するために必要な画像データである撮影方向判定用画像データ140Bを特定した後に、選択した画像データ140である選択画像データ140A内の道路標識141と、上記撮影方向判定用画像データ140Bの道路標識141とを比較し、その比較結果に基づいて、選択画像データ140を撮影した撮影方向を判定する。具体的には、撮影方向判定部102は、カメラ情報126、撮影時刻153、及び道路標識141に基づいて撮影方向判定用画像データ140Bを特定する。そして、撮影方向判定部102が、選択画像データ140A及び撮影方向判定用画像データ140Bを用いて撮影方向を判定する方法については、図5を用いて説明する。図5(a)に示す選択画像データ140Aの後に図5(b)に示す撮影方向判定用画像データ140Bが撮影されたとする。撮影方向判定部102は、撮影方向判定用画像データ140B内の道路標識141Bと、選択画像データ140A内の道路標識141Aとを比較し、選択画像データ140Aの道路標識141Aより撮影方向判定用画像データ140Bの道路標識141Bの方が大きいと判断する。
【0031】
そして、撮影方向判定部102は、選択画像データ140A及び撮影方向判定用画像データ140Bの道路標識141の大きさを比較した結果に基づいて撮影方向の判定を行う。図5の例では、撮影方向判定部102が道路標識141の大きさを比較した結果、撮影時刻が後の撮影方向判定用画像データ140Bの道路標識141Bの方が、撮影時刻が先の選択画像データ140Aの道路標識141Aより大きいので、選択画像データ140A及び撮影方向判定用画像データ140Bを撮影したカメラを搭載した車両は、道路標識141に向かって走行したと推測できる。従って、撮影方向判定部102は、選択画像データ140A及び撮影方向判定用画像データ140Bが前方のカメラによって撮影されたと判定し、判定結果を上記選択画像データ140Aに対応する標識検出結果リスト150の撮影方向161へ入力する。
【0032】
道路標識対応ノード特定部103は、道路標識141に対応するノードを特定する。具体的には、道路標識対応ノード特定部103は、走行ログデータ121の走行方向124と、撮影方向判定部102が判定した撮影方向161とに基づいて、道路標識141の位置に最も近いノードを特定する。
【0033】
道路標識ノード間距離判定部104は、道路標識対応ノード特定部103又は後述する道路標識対応ノード再特定部107が特定したノードと、道路標識141との距離を算出し、上記距離が閾値以上ある場合は、交通規制情報の生成を中断する。これにより、道路標識141とノードが離れているにも関わらず、ノードに接続するリンクに対して交通規制情報を設定してしまうことを防ぐことができる。
【0034】
ノード対応リンク特定部105は、所定のノードに接続しているリンクを特定する。具体的には、ノード対応リンク特定部105は、所定の方法で確定したノードデータ180のノードID181に合致する値を、第1ノードID172又は第2ノードID173に含むリンクデータ170を検索する。
【0035】
整合性判定部106は、道路標識141の内容と、ノードに接続されているリンクの形状(十字路やT字路等)に基づいて、道路標識141とリンク形状との整合性があるか否かを判定する。ここでいう整合性があるとは、道路標識141の内容とリンク形状とが矛盾しないことをいい、整合性がないとは、道路標識141の内容とリンク形状に矛盾があることをいい、具体的には、道路標識141の内容に応じて一方通行フラグを設定する場合に設定対象のリンクが存在しなかったり、進入可能なリンクが存在しなかったりする場合等がある。また、一方通行フラグとは、一方通行であることを示す交通規制情報である。なお、整合性判定部106は、「整合性あり」、「整合性なし」だけではなく、「整合性不明」という判定結果も出力する。「整合性不明」とは、特定しているノードに接続するリンク形状と道路標識141とでは、整合性がないが、最初に特定したノードに隣接するノードに接続するリンク形状と道路標識141とが整合性を有する可能性がある場合のことをいう。
【0036】
整合性判定部106は、図6(a)に示す一方通行フラグ設定対応表190における、道路標識141とリンク形状とにより定まる整合性有一方通行フラグ設定規則191、整合性無一方通行フラグ設定規則192、及び整合性不明一方通行フラグ設定規則193に基づいて、整合性の有無を判定する。なお、一方通行フラグ設定対応表190は、整合性有一方通行フラグ設定規則191、整合性無一方通行フラグ設定規則192、及び整合性不明一方通行フラグ設定規則193を概念的に表したものであり、実際的には、プログラムやファイルに定義される。
【0037】
ここで、図6(b)を用いて、整合性有一方通行フラグ設定規則191の説明をする。図6(b)は、リンク形状が「十字路」であり、道路標識141が「車両進入禁止」である場合の整合性有一方通行フラグ設定規則191である。
【0038】
この場合、ノードN1に対して、リンクL0、リンクL1、リンクL2、及びリンクL3が接続している。そして、撮影方向195が図6(b)の下方向から上方向である場合、リンクL3における図6(b)の上方向からノードN1方向が一方通行フラグ194の設定対象となるので、整合性があるということになる。
【0039】
道路標識対応ノード再特定部107は、整合性判定部106が「整合性不明」と判定した場合に、道路標識対応ノード特定部103が特定したノードと撮影方向に隣接しているノードを特定する。具体的には、道路標識対応ノード再特定部107は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンクのリンク情報170の第1ノードID172又は第2ノードID173を用いて特定する。
【0040】
ここで、図7を用いて、道路標識対応ノード再特定部107が、道路標識対応ノード特定部103が特定したノードと撮影方向に隣接しているノードを特定する例について説明する。最初に、道路標識対応ノード特定部103が道路標識141に対応するノードとしてノードN1を特定したものとする。そして、整合性判定部106は、道路標識141及びノードN1に接続するリンクの形状(直進+左折)に基づいて、道路標識141とリンク形状との整合性があるか否かを判定する。そうすると、整合性判定部106は、整合性不明一方通行フラグ設定規則193Eに該当すると判定することにより、判定結果を「整合性不明」とする。
【0041】
次に、道路標識対応ノード再特定部107は、ノードN1から撮影方向195に接続しているリンクL2に対応するリンクデータ170の第1ノードID172及び第2ノードID173の内、ノードN1に関するノードIDと異なるノードID(ノードN2のノードID)を取得する。
【0042】
これにより、道路標識対応ノード再特定部107は、ノードN2を特定することができる。なお、図7の例の場合、整合性判定部106は、道路標識141及びノードN2に接続するリンク形状(T字路)に基づいて、道路標識141とリンク形状との整合性があるか否かを判定し、整合性有一方通行フラグ設定規則191Hとなると判定することにより、判定結果を「整合性有り」とする。
【0043】
このように、交通規制情報生成装置1は、最初に道路標識対応ノード特定部103が特定したノードに接続されているリンク形状と道路標識141に基づいて、整合性を判定した後に、上記道路標識141が上記ノードに隣接するノードのリンク形状と整合する可能性があると判断した場合に、ノードを再特定する。これにより、交通規制情報生成装置1は、ノードと道路標識141との距離の関係により、道路標識141に対応しないノードを最初に特定しても、ノードの再特定を行うため、結果として、道路標識141に対応するノードを特定することができる。従って、交通規制情報生成装置1は、従来に比して、道路標識141に対応したノードを正確に特定することができることになり、ノードに接続しているリンクに関する一方通行フラグに関する情報についても、従来に比して正確に出力することができることになる。
【0044】
交通規制情報出力部108は、整合性判定部106が判定した結果を出力する。本実施例では、交通規制情報出力部108は、所定のファイル又は、地図情報130内のリンク情報170の「第1ノードから第2ノードへの交通規制フラグ174」及び「第2ノードから第1ノードへの交通規制フラグ175」へ出力する。
【0045】
[交通規制情報生成処理]
(第1実施例)
次に、第1実施例における交通規制情報生成処理について説明する。第1実施例における交通規制情報生成装置1は、走行調査車両等のカメラにより所定期間撮影された画像データ140を保持する。そして、交通規制情報生成装置1は、所定の画像データ140に対して画像解析処理を行い、道路標識を抽出する。そして、交通規制情報生成装置1は、上記道路標識141に対応するノードに接続するリンク形状を特定する。そして、交通規制情報生成装置1は、一方通行フラグ設定対応表190を用いて、上記道路標識141及びリンク形状に基づいて、整合性判断を行う。そして、交通規制情報生成装置1は、整合性があると判断した場合、一方通行フラグを設定する一方、整合性判断が不明であると判断し場合には、道路標識141に対応するノードを再度特定し、再度整合性判断を行う。
【0046】
このように、交通規制情報生成装置1は、最初に特定したノードに接続するリンク形状に基づいて、整合性判断を行うだけでなく、最初に特定したノードの付近のノードに接続するリンク形状にも基づいて再度整合性判断を行うことにより、道路標識が直近のノードに接続するリンクに対する標識ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する標識である場合でも、道路標識の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。
【0047】
以下に、第1実施例における交通規制情報生成処理の手順について図8示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、交通規制情報生成装置1内の制御部20が、予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0048】
まず、利用者が入力装置60を操作したことに応じて、制御部20は、交通規制情報生成命令を検知すると、上記プログラムを実行する。そして、道路標識抽出部101は、所定の画像データ140に対して画像解析処理を施し、画像データ140から道路標識141を抽出する(ステップS1)。これにより、道路標識抽出部101は、抽出した道路標識141の種類や大きさを判別できる。そして、道路標識抽出部101は、標識検出結果リスト150を生成する。具体的に、道路標識抽出部101は、画像ID151に対して各画像データ140で定義されている識別子を設定し、サイクルID152には、走行ログデータ121内の画像ファイル情報125の走行調査識別子を設定し、撮影時刻153には、走行ログデータ121のタイムコード123を設定する。また、道路標識抽出部101は、走行方向154には、走行ログデータ121の走行方向124を設定し、位置情報155には、走行ログデータ121の位置情報122を設定する。そして、道路標識抽出部101は、標識種別156には、道路標識抽出部101自身が抽出した道路標識141の種類を設定し、標識サイズ157には、道路標識抽出部101自身が抽出した道路標識141のサイズを設定する。なお、この時点における標識検出結果リスト150の対応リンク158、対応ノード159、道路標識ノード間距離160、及び撮影方向161は、未入力状態である。
【0049】
撮影方向判定部102は、選択画像データ140Aの撮影位置に近い位置で撮影された画像データ140を検索することにより、撮影方向判定用画像データ140の候補となる画像データ140を特定し、上記撮影方向判定用画像データ140の候補の画像データ140から道路標識141を抽出し、所定の条件(例えば、撮影時間がほぼ同一で、同一の道路標識を含む等)に合致するか否かを判定した後、上記条件に合致した場合は、上記撮影方向判定用の候補画像データ140を撮影方向判定用画像データ140Bに特定する。そして、撮影方向判定部104は、選択画像データ140Aの道路標識141Aの大きさと撮影方向判定用画像データ140Bの道路標識141Bの大きさとを比較し、画像データ140の撮影方向を判定し、判定結果を標識検出結果リスト150の撮影方向161へ出力する(ステップS2)。
【0050】
そして、道路標識対応ノード判定部103は、走行ログデータ121の走行方向124と、走行ログデータ121の位置情報122と、撮影方向判定部102が判定した撮影方向とに基づいて、道路標識に対応するノードを意味する道路標識対応ノードを特定し、標識検出結果リスト150の対応ノード159に特定したノードのノードID181を入力する(ステップS3)。
【0051】
道路標識ノード間距離判定部102は、道路標識対応ノード特定部103又は道路標識対応ノード再特定部107が特定したノードと、道路標識141との距離を算出し(ステップS4)、上記距離が閾値以上ある場合は、交通規制情報生成処理を終了し(ステップS5;No)、上記距離が閾値未満である場合は、交通規制情報生成処理を続行する(ステップS5;Yes)。
【0052】
そして、ノード対応リンク特定部106は、上記の道路標識対応ノードに接続するリンクを特定する。具体的には、ノード対応リンク特定部106は、第1ノードID172又は第2ノードID173に道路標識対応ノードのノードID181を含むリンクデータ170を取得し、取得したリンクデータ170を道路標識対応ノードに対応するリンクに特定する(ステップS6)。
【0053】
整合性判定部106は、一方通行フラグ設定対応表190を用いて、道路標識141とリンク形状とについて、整合性があるか否かを判定する(ステップS7)。
【0054】
そして、整合性判定部106が、「整合性不明」という判定結果を出力した場合(ステップS8;Yes)、道路標識対応ノード再特定部107が、特定したノードに隣接するノードを特定し(ステップS9)、ステップS4へ移動する。
【0055】
また、整合性判定部106が、「整合性不明」という判定結果を出力していない場合において(ステップS8;No)、「整合性無」という判定結果を出力している場合(ステップS10;Yes)、これは、判定エラーを意味し、交通規制情報出力部109は、「リンク形状に矛盾がある」旨をファイル出力し(ステップS11)、交通規制情報生成処理を終了する。
【0056】
そして、整合性判定部106が、「整合性不明」という判定結果を出力していない場合において(ステップS8;No)、「整合性有」という判定結果を出力している場合(ステップS10;No)、交通規制情報出力部109は、整合性判定部106が判定した内容に基づいて、一方通行フラグの設定対象となるリンクについてファイル出力し(ステップS12)、交通規制情報生成処理を終了する。
【0057】
このように、交通規制情報生成装置1は、最初に特定したノードに接続するリンク形状が道路標識141の内容に矛盾している場合でも、再度別のノードを特定することにより、道路標識141の内容に矛盾しないノードに接続しているリンク形状を再度特定することが可能となる。これにより、道路標識141が直近のノードに接続するリンクに対する道路標識141ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する道路標識141である場合でも、道路標識141の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。
【0058】
また、交通規制情報生成装置1は、複数の画像データ140を用いて、各画像データ140内の道路標識141の大きさ等に基づいて画像データ140の撮影方向を定めているので、画像データ140が走行調査車両の前方方向の画像データ140であるか否かを判別することができる。従って、交通規制情報生成装置1は、走行調査車両の前方方向の画像データ140及び後方方向の画像データ140内の道路標識141の内容に基づいて、当該道路標識141に対応するノードに接続する各リンクに一方通行フラグを設定し、設定内容を出力することができる。
【0059】
また、交通規制情報生成装置1は、「整合性無」という判定結果を出力している場合に、「リンク形状に矛盾がある」旨をファイルに出力している。これにより、交通規制情報生成装置の利用者に対してリンク形状と道路標識の内容に矛盾があることを通知することができる。
【0060】
(第2実施例)
続いて、第2実施例における交通規制情報生成処理について説明する。第1実施例では、ステップS7の整合性判断において、整合性判定部106が、一方通行フラグ設定対応表190に従って、交通情報設定対象のリンクがあるか否かを判定していたが、第2実施例では、一方通行フラグ設定対応表190を用いずに、リンク形状と、道路標識141の内容とに基づいて、整合性があるか否かを判定する。この場合でも、第1実施例と同様に、交通規制情報生成装置1は、リンク形状と道路標識141に基づいて、整合性を判定することができる。
【0061】
以下に、図9に示すフローチャートを用いて第2実施例における整合性判断の処理について説明する。整合性判断の処理(ステップS7)以外は、第1実施例と同様となるため、省略する。
【0062】
整合性判定部106は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンクの形状について、直進方向(撮影方向)に道路の接続があるか否かを判定した結果、直進方向に道路の接続がない場合において(ステップS21;No)、「道路標識141が進入禁止標識ではない」(ステップS22;No)、「道路標識141に直進方向の矢印がない」(ステップS23;No)及び「道路標識141の矢印方向と同じ道路の接続のみではない」(ステップS24;No)の全ての条件に合致する場合は、整合性有りと判定し(ステップS25)、ステップS7を終了する。
【0063】
整合性判定部106は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンク形状について、直進方向に道路の接続があるか否かを判定した結果、直進方向に道路の接続がない場合において(ステップS21;No)、「道路標識141が進入禁止標識である」(ステップS22;Yes)、「道路標識141に直進方向の矢印が有る」(ステップS23;Yes)、「道路標識の矢印方向と同じリンク接続のみである」(ステップS24;Yes)のいずれかの条件に合致する場合は、整合性なしと判定し(ステップS26)、ステップS7を終了する。
【0064】
整合性判定部106は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンクの形状について、直進方向(撮影方向)に道路の接続があるか否かを判定した結果、直進方向に道路の接続がある場合において(ステップS21;Yes)、道路標識141が進入禁止標識である(ステップS27;Yes)場合、整合性有りと判定し(ステップS30)、ステップS7を終了する。
【0065】
そして、整合性判定部106は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンクの形状について、直進方向(撮影方向)に道路の接続があるか否かを判定した結果、直進方向に道路の接続がある場合において(ステップS21;Yes)、「道路標識141が進入禁止標識でない」(ステップS27;No)、「道路標識141の矢印方向にリンクの接続がある」(ステップS28;No)、「道路標識141の矢印方向と同じリンクの接続のみではない」(ステップS29;No)の全ての条件に合致する場合、整合性有りと判定し(ステップS30)、ステップS7を終了する。
【0066】
そして、整合性判定部106は、ノード対応リンク特定部105が特定したリンクの形状について、直進方向(撮影方向)に道路の接続があるか否かを判定した結果、直進方向に道路の接続があり(ステップS21;Yes)、道路標識141が進入禁止標識ではない場合において(ステップS27;No)、「道路標識141の矢印方向にリンクの接続がない」(ステップS28;Yes)又は「道路標識141の矢印方向と同じリンクの接続のみである」(ステップS29;Yes)のいずれかの条件に合致する場合、整合性不明と判定し(ステップS31)、ステップS7を終了する。
【0067】
以上述べたように、交通規制情報生成装置1は、ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、撮影時刻と画像データと移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、道路標識パターンを用いて画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、ノードと道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、道路標識ノード間距離判定手段が判定した結果に応じて、道路標識の内容及びノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段と、を備える。
【0068】
このように、交通規制情報生成装置1は、最初に特定したノードに接続するリンク形状が道路標識の内容に矛盾している場合でも、再度別のノードを特定することにより、道路標識の内容に矛盾しないノードに接続しているリンク形状を再度特定することが可能となる。これにより、道路標識が直近のノードに接続するリンクに対する標識ではなく、隣接するノードに接続するリンクに対する標識である場合でも、道路標識の内容に対応する交通規制情報を正確に出力することができる。
【0069】
上述の実施例では、撮影方向判定部102が撮影方向を判定する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、走行調査車両が複数台カメラを搭載していない場合には、上記撮影方向判定部102が撮影方向の判定を行わなくても良い。
【0070】
上述の実施例では、交通規制情報出力部108は、整合性判定部106が判定した結果に基づいて、所定のファイルへ一方通行フラグの設定内容を出力する場合について述べたが、本発明は、これに限られず、交通規制情報出力部108がリンクデータ170における、「第1ノードから第2ノードへの交通規制フラグ174」又は「第2ノードから第1ノードへの交通規制フラグ175」へ一方通行フラグを出力するようにしても良い。
【0071】
この場合、交通規制情報生成装置1は、画像データ140内の道路標識141に対応する一方通行フラグを自動でリンクデータ170へ反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】交通規制情報設定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】走行ログデータ構造を示す図である。
【図3】リンクデータ及びノードデータのデータ構造を示す図である。
【図4】検出結果リストの構造を示す図である。
【図5】道路標識の比較を示す図である。
【図6】一方通行フラグ設定対応表を示す図である。
【図7】ノードの再特定を示す図である。
【図8】第1実施形態における交通規制情報生成処理のフローチャートである。
【図9】第2実施形態における交通規制情報生成処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 交通規制情報設定装置
120 走行ログDB
130 地図情報DB
140 画像データ
150 標識検出結果リスト
197 道路標識パターンファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、
移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、
撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、
道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、
前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、
前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、
前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、
ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、
道路標識ノード間距離判定手段が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、
前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、
前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段と、
を備えることを特徴とする交通規制情報生成装置。
【請求項2】
前記移動体は、前方撮影用のカメラ及び後方撮影用のカメラを備えており、
判定用画像データを用いて画像データの撮影方向を判定する撮影方向判定手段と、をさらに備え、
前記道路標識対応ノード判定手段は、前記撮影方向判定手段の結果に基づいて道路標識が所定のノードに対応するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の交通規制情報生成装置。
【請求項3】
前記交通規制情報出力手段は、前記整合性判定手段が整合性なしと判定した場合、前記判定結果を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の交通規制情報生成装置。
【請求項4】
ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持工程と、
移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持工程と、
撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持工程と、
道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持工程と、
前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出工程と、
前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定工程と、
前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定工程と、
ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定工程と、
前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定工程と、
前記整合性判定工程が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定工程と、
前記整合性判定工程が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力工程と、
を備えることを特徴とする交通規制情報生成方法。
【請求項5】
コンピュータを備える装置によって実行される交通規制情報生成プログラムであって、
ノード情報及びリンク情報を含む地図情報を保持する地図情報保持手段と、
移動体に搭載されたカメラが撮影した画像データを保存する画像データ保持手段と、
撮影時刻と前記画像データと前記移動体の走行方向と走行位置との関連を定義した撮影関連データを保持する撮影関連データ保持手段と、
道路標識パターンを保持する道路標識パターン保持手段と、
前記道路標識パターンを用いて前記画像データから道路標識を抽出する道路標識抽出手段と、
前記道路標識抽出手段が抽出した道路標識に対応するノードを特定する道路標識対応ノード特定手段と、
前記ノードと前記道路標識との距離が閾値に達しているか否かを判定する道路標識ノード間距離判定手段と、
ノードに対応するリンクを特定するノード対応リンク特定手段と、
前記道路標識ノード間距離判定工程が判定した結果に応じて、前記道路標識の内容及び前記ノードに対するリンクの接続状態に基づいて整合性を判定する整合性判定手段と、
前記整合性判定手段が整合性不明と判定した場合、道路標識に対応するノードを再度特定する道路標識対応ノード再特定手段と、
前記整合性判定手段が判定した結果に基づいて交通規制情報を出力する交通規制情報出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする交通規制情報生成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の交通規制情報生成プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−31131(P2009−31131A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195639(P2007−195639)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】