説明

交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置

【課題】路面付近に設けられた上流側センサ及び下流側センサの同一車両による各検出波形を対応付けることができる交通諸量検出方法の提供。
【解決手段】上流側の第1センサ、及び第1センサと所定長離隔した下流側の第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、車両の速度及び交通量を検出する交通諸量検出方法。第1,2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1,2基準点を各設定し(S21)、各設定した第1,2基準点の各時点以降の第1,2特徴点を各抽出し(S23)、各抽出した第1,2特徴点及び第1,2基準点の時点の各差である第1,2時間を各算出し、第1,2特徴点の時間差と第1,2時間の差とに基づき(S25、27)第1,2特徴点を対応付け(S29)、対応付けた第1,2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき、車両の速度及び交通量を検出する(S31)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面付近に所定長離隔して設けられた上流側センサ及び下流側センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、車両の速度及び車両の交通量を検出する交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交通諸量検出装置では、路面付近に適長離隔して設けられた上流側センサ及び下流側センサが、路上を走行する車両を各検出し、各検出し出力した各出力波形に基づき、車両の速度及び車両の交通量を検出する。上流側センサ及び下流側センサには、電磁誘導、超音波又は遠赤外線等を検出するセンサが使用され、例えば、各出力波形の立ち上がりの時間差と、両センサ間の距離とに基づき、車両の速度が検出される。また、感知された車両数から交通量が検出される。
【0003】
非特許文献1には、路面付近に適長離隔して埋設された上流側ループコイル及び下流側ループコイルの、路上を走行する車両によるインダクタンスの変化を反映した出力波形に基づき、車両の速度及び車両の交通量を検出するループ式車両検知器が記載されている。また、上流側センサ及び下流側センサに、車線中央の直上に設置された超音波ヘッドを使用した超音波式車両検知器が記載されている。
【非特許文献1】「交通量計測設備標準仕様書 解説書」日本道路公団、平成8年4月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の交通諸量検出装置では、上流側センサを通過した車両が下流側センサを通過しない場合(逃避走行)、上流側センサ及び下流側センサの同一車両による各検出波形を対応付けること(ペアリング)ができないという問題がある。また、上流側センサを通過していない車両が下流側センサを通過した場合(割り込み走行)、及び車両が下流側センサに到着する前に、他の車両が上流側センサに侵入したような場合(異常接近走行)にも、同様の問題がある。
例えば、逃避走行が有った場合、上流側センサの検出波形に対応する下流側センサの検出波形が存在せず、また、割り込み走行が有った場合、下流側センサの検出波形に対応する上流側センサの検出波形が存在しないので、何れの場合も、正しい車両速度を検出することができない。
【0005】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1〜6発明では、上流側センサ及び下流側センサの同一車両による各検出波形を対応付けることができる交通諸量検出方法を提供することを目的とする。
第7〜12発明では、上流側センサ及び下流側センサの同一車両による各検出波形を対応付けることができる交通諸量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る交通諸量検出方法は、上流側の路面付近に設けられた第1センサ、及び該第1センサと所定長離隔した下流側の路面付近に設けられた第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、前記車両の速度と車両の交通量との少なくとも1つを含む交通諸量を検出する交通諸量検出方法において、前記第1センサ及び第2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1基準点及び第2基準点を設定し、設定した第1基準点及び第2基準点の各時点以降の第1特徴点及び第2特徴点を抽出し、抽出した第1特徴点及び前記第1基準点の時点の差である第1時間を算出し、抽出した第2特徴点及び前記第2基準点の時点の差である第2時間を算出し、前記第1時間及び第2時間の差に基づき、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付け、前記車両の速度は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき検出し、車両の交通量は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の数に基づき検出することを特徴とする。
【0007】
第2発明に係る交通諸量検出方法は、前記第1特徴点の時点及び第2特徴点の時点の差である時間を更に算出し、算出した時間が所定の範囲内であり、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下であるときに、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付けることを特徴とする。
【0008】
第3発明に係る交通諸量検出方法は、前記算出した時間が前記範囲内でないときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けることを特徴とする。
【0009】
第4発明に係る交通諸量検出方法は、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下でないときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間が第4時間より小さければ、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けることを特徴とする。
【0010】
第5発明に係る交通諸量検出方法は、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下でないときは、前記第2センサ又は第1センサの出力波形について、抽出した前記第2特徴点又は第1特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第2基準点又は第1基準点との時点の差である第2時間又は第1時間を算出し、算出した第2時間又は第1時間と前記第1特徴点又は第2特徴点について既に算出してある前記第1時間又は第2時間との差が前記第3時間以下であるか否かの判定を行い、該判定の結果が否のときは、更に新たに前記特徴点を抽出し、第2時間又は第1時間を算出して前記判定を繰り返し、該判定の結果が前記第3時間以下になったときに、前記特徴点と前記第1特徴点又は第2特徴点とを対応付けることを特徴とする。
【0011】
第6発明に係る交通諸量検出方法は、前記判定を所定回数繰り返したときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間が第4時間より小さければ、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けることを特徴とする。
【0012】
第7発明に係る交通諸量検出装置は、上流側の路面付近に設けられた第1センサ、及び該第1センサと所定長離隔した下流側の路面付近に設けられた第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、前記車両の速度と車両の交通量との少なくとも1つを含む交通諸量を検出する交通諸量検出装置において、前記第1センサ及び第2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1基準点及び第2基準点を設定する手段と、該手段が設定した第1基準点及び第2基準点の各時点以降の第1特徴点及び第2特徴点を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した第1特徴点及び前記第1基準点の時点の差である第1時間を算出する手段と、前記抽出手段が抽出した第2特徴点及び前記第2基準点の時点の差である第2時間を算出する手段と、前記第1時間及び第2時間の差に基づき、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付ける手段とを備え、前記車両の速度は該手段が対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき検出し、車両の交通量は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の数に基づき検出するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第1発明に係る交通諸量検出方法及び第7発明に係る交通諸量検出装置では、第1センサが上流側の路面付近に設けられ、第2センサが第1センサと所定長離隔した下流側の路面付近に設けられている。第1センサ及び第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、前記車両の速度と車両の交通量との少なくとも1つを含む交通諸量を検出する。設定する手段が、第1センサ及び第2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1基準点及び第2基準点を設定し、抽出手段が、その設定した第1基準点及び第2基準点の各時点以降の第1特徴点及び第2特徴点を抽出する。算出する手段が、抽出手段が抽出した第1特徴点及び第1基準点の時点の差である第1時間を算出し、抽出手段が抽出した第2特徴点及び第2基準点の時点の差である第2時間を算出する。対応付ける手段が、第1時間及び第2時間の差に基づき、第1特徴点及び第2特徴点を対応付け、車両の速度は対応付ける手段が対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき検出し、車両の交通量は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の数に基づき検出する。
【0014】
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【0015】
第8発明に係る交通諸量検出装置は、前記第1特徴点の時点及び第2特徴点の時点の差である時間を算出する手段と、該手段が算出した時間が所定の範囲内であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下であるか否かを判定する第2判定手段とを更に備え、前記第1判定手段が前記範囲内であると判定し、前記第2判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付けるように構成してあることを特徴とする。
【0016】
第2発明に係る交通諸量検出方法及び第8発明に係る交通諸量検出装置では、算出する手段が、第1特徴点の時点及び第2特徴点の時点の差である時間を算出し、第1判定手段が、その算出した時間が所定の範囲内であるか否かを判定し、第2判定手段が、第1時間及び第2時間の差が第3時間以下であるか否かを判定する。第1判定手段が所定の範囲内であると判定し、第2判定手段が第3時間以下であると判定したときに、第1特徴点及び第2特徴点を対応付ける。
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を、より確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【0017】
第9発明に係る交通諸量検出装置は、前記第1判定手段が前記範囲内でないと判定したときに、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してあることを特徴とする。
【0018】
第3発明に係る交通諸量検出方法及び第9発明に係る交通諸量検出装置では、第1判定手段が所定の範囲内でないと判定したときに、第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出する手段が、第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する。算出する手段が、その抽出した特徴点と第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、判定する手段が、その算出した第1時間又は第2時間と第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある第2時間又は第1時間との差が第3時間以下であるか否かを判定する。判定する手段が第3時間以下であると判定したときに、抽出した特徴点と第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける。
【0019】
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を、柔軟により確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【0020】
第10発明に係る交通諸量検出装置は、前記第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定する第3判定手段と、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第4判定手段とを更に備え、前記第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、前記第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してあることを特徴とする。
【0021】
第4発明に係る交通諸量検出方法及び第10発明に係る交通諸量検出装置では、第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、抽出する手段が、第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する。算出する手段が、その抽出した特徴点と第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、第3判定手段が、その算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定する。第4判定手段が、第1時間又は第2時間と第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある第2時間又は第1時間との差が第3時間以下であるか否かを判定する。第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、その抽出した特徴点と第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける。
【0022】
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を、柔軟により確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【0023】
第11発明に係る交通諸量検出装置は、前記第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、前記第2センサ又は第1センサの出力波形について、抽出した第2特徴点又は第1特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第2基準点又は第1基準点との時点の差である第2時間又は第1時間を算出する手段と、該手段が算出した第2時間又は第1時間と前記第1特徴点又は第2特徴点について既に算出してある前記第1時間又は第2時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第5判定手段と、該第5判定手段の判定結果が否のときは、更に新たに前記特徴点を抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点に基づく第2時間又は第1時間を算出する手段とを更に備え、前記第5判定手段は判定を繰り返し、該判定の結果が前記第3時間以下になったときに、前記特徴点と前記第1特徴点又は第2特徴点とを対応付けるように構成してあることを特徴とする。
【0024】
第5発明に係る交通諸量検出方法及び第11発明に係る交通諸量検出装置では、第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、抽出する手段が、第2センサ又は第1センサの出力波形について、抽出した第2特徴点又は第1特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する。算出する手段が、その抽出した特徴点と第2基準点又は第1基準点との時点の差である第2時間又は第1時間を算出し、第5判定手段が、その算出した第2時間又は第1時間と第1特徴点又は第2特徴点について既に算出してある第1時間又は第2時間との差が第3時間以下であるか否かを判定する。第5判定手段の判定結果が否のときは、抽出する手段が、更に新たに特徴点を抽出し、算出する手段が、その抽出した特徴点に基づく第2時間又は第1時間を算出する。第5判定手段は判定を繰り返し、その判定の結果が第3時間以下になったときに、その抽出した特徴点と第1特徴点又は第2特徴点とを対応付ける。
【0025】
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を、より柔軟により確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【0026】
第12発明に係る交通諸量検出装置は、前記第5判定手段の判定回数が所定回数に達したか否かを判定する手段と、該手段が達したと判定したときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定する第3判定手段と、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第4判定手段とを更に備え、前記第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、前記第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してあることを特徴とする。
【0027】
第6発明に係る交通諸量検出方法及び第12発明に係る交通諸量検出装置では、判定する手段が、第5判定手段の判定回数が所定回数に達したか否かを判定する。判定する手段が、所定回数に達したと判定したときは、抽出する手段が、第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、算出する手段が、その抽出した特徴点と第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する。第3判定手段が、その算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定し、第4判定手段が、第1時間又は第2時間と第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある第2時間又は第1時間との差が第3時間以下であるか否かを判定する。第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、その抽出した特徴点と第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける。
【0028】
これにより、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を、より柔軟により確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置によれば、異常走行時による対応する波形を持たない上流側センサ又は下流側センサの検出波形を除去することができ、それにより同一車両による各検出波形を確実に対応付けることができる交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、本発明を、その実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る交通諸量検出装置の実施の形態1が使用される交通管制システムの要部構成例を示す説明図である。この交通管制システムは、交差点に設けられた交通信号機13の上流側に、上流側の遠赤外線式車両感知器4及び下流側の遠赤外線式車両感知器5が、それぞれ感知エリア4a,5aの間隔が4〜10mになるように狙いをつけて道路の上方に設置されている。遠赤外線式車両感知器エリア4a,5aは、車両を検出する為のエリアであり、感知器エリア4a,5aを走行する車両による路面との温度の差をそれぞれの遠赤外線式車両感知器4,5で感知して、車両の有無を検出する。感知器エリア4a,5a及び感知器4,5を含む交通諸量検出装置1が検出した車両速度情報及び交通量情報は、交通信号機13を制御する信号制御装置2に与えられて、交通信号機13の制御に使用されると共に、交通管制センタ3に送られる。
【0031】
尚、図1では、立設されたポールに水平方向に突設された1本のアームに、2つの遠赤外線式車両感知器4,5が設置されているが、1つのヘッドに2つのセンサ(感知器)を収納することも可能である(1ヘッド2センサ)。また、2ヘッド2センサの場合は、1本のアームに2つのヘッドを設置するのではなく、2つのヘッドを2本のアームに個別に設置することも可能である。更に、アームではなくポールに直接設置することも可能である。
【0032】
以上から、感知器の取付け方法には、次の13通りが可能である。
〇アーム(ポール)が1本の場合
・2ヘッド2センサの場合
1.両方のヘッドを、車両を前方から見る向きにそれぞれ設置(図1)
2.一方のヘッドは車両を前方から見る向きに、他方のヘッドは真下向きにそれぞれ設置
3.一方のヘッドは車両を前方から見る向きに、他方のヘッドは車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
4.一方のヘッドは真下向きに、他方のヘッドは車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
5.両方のヘッドを、車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
【0033】
・1ヘッド2センサの場合
6.車両を前方から見る向きに設置
7.車両を後方から見る向きに設置
〇アーム(ポール)が2本の場合
・2ヘッド2センサの場合
8.両方のヘッドを、車両を前方から見る向きにそれぞれ設置
9.一方のヘッドは車両を前方から見る向きに、他方のヘッドは真下向きにそれぞれ設置
【0034】
10.一方のヘッドは車両を前方から見る向きに、他方のヘッドは車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
11.一方のヘッドは真下向きに、他方のヘッドは車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
12.両方のヘッドを、車両を後方から見る向きにそれぞれ設置
13.両方のヘッドを真下向きにそれぞれ設置
【0035】
交通管制センタ3は、周辺の複数の交通諸量検出装置1から送られた車両速度情報及び交通量情報に基づき、周辺の交通信号機13,13・・を制御する為の情報を作成し、交通信号機13,13・・毎の信号制御装置2,2・・へ送信する。また、渋滞情報及び平均所要時間情報等を作成し、光ビーコン21等から車両内の小型ディスプレイに提供する(VICS(Vehicle Information and Communication System))。また、道路上方に設けられた標示装置等に送信して表示させる。
【0036】
図2は、図1に示す交通管制システムの詳細構成例を示すブロック図である。この交通管制システムでは、交通諸量検出装置1は、上流側(遠赤外線式車両)感知器4及び下流側(遠赤外線式車両)感知器5の各検出波形が、記憶部6に与えられて記憶される。記憶部6が記憶する各検出波形は、情報処理部8により処理されて、速度検出部7で車両の速度情報が、交通量検出部9で車両の交通量情報がそれぞれ作成される。作成された速度情報及び交通量情報は、送信部10から信号制御装置2へ送信される。尚、情報処理部8、速度検出部7及び交通量検出部9は、マイクロコンピュータで構成される。
【0037】
信号制御装置2は、速度情報及び交通量情報を受信部11で受信し、受信した速度情報及び交通量情報は、信号制御部12で(交通)信号機13の制御に使用されると共に、送信部14から交通管制センタ3へ送信される。
交通管制センタ3は、速度情報及び交通量情報を受信部16で受信し、受信した速度情報及び交通量情報は、交通情報処理部17に与えられ、他の複数の交通諸量検出装置1から送られた車両速度情報及び交通量情報と共に、渋滞情報及び平均所要時間情報等の作成に使用される。作成された渋滞情報及び平均所要時間情報等は、VICS送信部18により光ビーコン21から車載端末に提供される。また、道路上方に設けられた標示装置等に送信されて表示される。
【0038】
交通情報処理部17に与えられた速度情報及び交通量情報は、また、他の複数の交通諸量検出装置1から送られた車両速度情報及び交通量情報と共に、交通制御部19で、周辺の交通信号機13,13・・を制御する情報を作成する為に使用される。
交通制御部19が作成した周辺の交通信号機13,13・・を制御する情報は、送信部20から周辺の交通信号機13,13・・毎の信号制御装置2,2・・へ送信される。
各信号制御装置2は、交通信号機13を制御する情報を受信部15で受信し、受信した情報は、交通諸量検出装置1から送られた速度情報及び交通量情報と共に、信号制御部12で(交通)信号機13の制御に使用される。
【0039】
以下に、本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を、それを示す図3〜5のフローチャートを参照しながら説明する。
交通諸量検出装置の情報処理部8は、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5の同一車両による各検出波形を対応付けるペアリング処理の為のスタート点(第1基準点、第2基準点)を設定する初期化を行う。
情報処理部8は、先ず、記憶部6が記憶している、図7(a)に示すような、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5の各出力波形から複数の特徴点を抜き出す(図3S1)。尚、特徴点とは、図7(a)に示すような波形であれば、ピーク位置(図中に×で表示)等を、感知パルスのような波形であれば、パルス波形の立ち上がり位置等を示す。また、図7(a)では、上流側波形と下流側波形との違いが判り易いように、上流側波形の実際の値に一定値のゲタを履かせてある。
【0040】
情報処理部8は、次に、上流側及び下流側別に、各特徴点間の時間差を計算する(S3)。尚、以後の説明の為、図7(b)に示すように、各特徴点について直前の特徴点との時間差をグラフ化するが、実際には、情報処理部8でこのようにグラフ化されることはない。図7(b)に示すようにグラフ化することで、各出力波形の縦軸方向の値の情報を取り除いて、処理する情報を単純化できる。
情報処理部8は、次に、上流側の最初の特徴点以降(未来)で、その特徴点に最も近い下流側の特徴点を探し(S5)、上流側のその特徴点と下流側の探した特徴点との時間差を算出し、算出した時間差が一定範囲内(例えば1秒以内)であるか否かを判定する(S7)。
ここで、上流側の特徴点と下流側の特徴点との時間差は、単純化したグラフ(図7(b))では、横ズレとなって表示される。
【0041】
情報処理部8は、算出した時間差が一定範囲内であれば(S7)、その2つの特徴点をペアリング処理の為のスタート点として(S9)リターンする。
情報処理部8は、算出した時間差が一定範囲内でなければ(S7)、上流側の特徴点をそれ以降に1つ進めて(S11)、1つ進めた上流側の特徴点以降(未来)で、その特徴点に最も近い下流側の特徴点を探す(S5)。次いで、上流側のその特徴点と下流側の探した特徴点との時間差を算出し、算出した時間差が一定範囲内であるか否かを判定する(S7)。
【0042】
図4は、上述した図3のフローチャートが示す初期化とは異なる初期化を示すフローチャートである。
この初期化では、情報処理部8は、先ず、記憶部6が記憶している、図7(a)に示すような、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5の出力波形から複数の特徴点を抜き出す(図4S13)。次いで、上流側及び下流側別に、各特徴点間の時間差を計算する(S15)。
【0043】
情報処理部8は、次に、上流側及び下流側別で、直前の特徴点との時間差が所定の閾値以上となっている特徴点を探す(S17)。
ここで、上流側及び下流側別の特徴点間の時間差は、単純化したグラフ(図7(b))では、縦方向に表示される。図10に示すように、閾値HEIGHTを何秒間車両が通過しなければ初期化するかを決めるパラメータとすれば、特徴点間の時間差が閾値以上(例えば5秒以上)であるときに、新たにペアリング処理を開始する(初期化)。
情報処理部8は、上流側及び下流側別で探した(S17)、直前の特徴点との時間差が所定の閾値以上となっている特徴点を、ペアリング処理の為のスタート点として(S19)リターンする。
【0044】
情報処理部8は、初期化(図5S21;図3又は図4)により設定された上流側及び下流側の各スタート点以降の最初の各特徴点(第1特徴点、第2特徴点)に進んで注目する(S23)。次いで、その注目した2特徴点間の時間差(横ズレ)を算出して、図8(a)Aに示すように、その横ズレが一定範囲内(所定の範囲内;例えば1秒以内)であるか否かを判定する(S25)。
情報処理部8は、その横ズレが一定範囲内であれば(S25)、その注目した2特徴点の各スタート点との各時間差(第1時間、第2時間)の差(縦ズレ)を算出して、その縦ズレが一定範囲内(第3時間以下;例えば0.2秒以内)であるか否かを判定する(S27)。
【0045】
情報処理部8は、図8(a)Aに示すように、その縦ズレが一定範囲内であれば(S27)、その注目した2特徴点を、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5による同一車両の出力波形としてペアリングする(対応付ける)(S29)。次いで、ペアリングした2特徴点間の時間差(横ズレ)と、上流側及び下流側の遠赤外線式車両感知器エリア4a,5aの同一相当箇所間の距離とに基づき、(同一相当箇所間の距離)/(2特徴点間の時間差)により、車両の速度を演算し検出して、速度検出部7へ与える。また、ペアリングした2特徴点のペアの数を交通量として検出して、交通量検出手段9へ与え(S31)、次の初期化を行う(S21)。
【0046】
情報処理部8は、図8(b)Cに示すように、その横ズレ(横矢印で示す)が一定範囲内(例えば1秒以内)でなければ(S25)、図8(b)Dに示すように、上流側又は下流側の一方の特徴点を次に進めて注目する(元の特徴点C及び破線で示す元の波形は無視する)。次いで、その注目した特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を算出する。その際、元の特徴点Cとスタート点との時間差(縦方向)を加算して、注目した特徴点Dとする。次いで、算出した時間差、及び他方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算して(S33)、その縦ズレが一定範囲内であるか否かを判定する(S27)。
【0047】
情報処理部8は、図8(a)Bに示すように、その縦ズレが一定範囲内でなければ(S27)、一方の特徴点を次に進めて注目し、その注目した特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を算出し、算出した時間差、及び他方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算する(S35)。次いで、先ず、その算出した時間差が所定の閾値以上(第4時間以上;例えば5秒以上)であるか否かを判定し(S37)、所定の閾値以上でなければ、再計算した縦ズレが一定範囲内であるか否かを判定する(S27)。
【0048】
情報処理部8は、図9(b)に示すように、注目した特徴点(円内)の算出した時間差が所定の閾値(HEIGHTで示す)以上であれば(S37)、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5で検出した車両が異なっている可能性が高く、新たにペアリング処理を開始する(初期化)(S21)。その際、元の特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を加算する(矢印)前の注目した特徴点(楕円内)と他方の特徴点(楕円内)との組を、新たに開始するペアリング処理のスタート点とする。
【0049】
例えば、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5から、図11に示すような出力波形が得られたとき、実際に通過した車両は4台であるが、上流側(a)では外乱によるノイズを車両であると誤感知している。
このような場合、上流側遠赤外線式車両感知器4しか設けていなければ、誤感知を識別する手段はないが、上述したようにペアリングを行うことにより、下流側の出力波形(b)にペア相手が存在しない上流側の出力波形(a)の特徴点を誤感知であると識別することができる。従って、このようにペアリングを行うことにより、車両の速度と交通量(占有率等)をより正確に検出することが可能である。
【0050】
(実施の形態2)
図6は、本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の実施の形態2の動作を示すフローチャートである。本実施の形態2の構成は、上述した実施の形態1の構成と同様であるので、説明を省略する。
情報処理部8は、上述した初期化(S41)(図3又は図4)により設定された上流側及び下流側の各スタート点以降の最初の各特徴点(第1特徴点、第2特徴点)に進んで注目する(S43)。次いで、その注目した2特徴点間の時間差(横ズレ)を算出して、図8(a)Aに示すように、その横ズレが一定範囲内(所定の範囲内;例えば1秒以内)であるか否かを判定する(S45)。
【0051】
情報処理部8は、その横ズレが一定範囲内であれば(S45)、その注目した2特徴点の各スタート点との各時間差(第1時間、第2時間)の差(縦ズレ)を算出して、その縦ズレが一定範囲内(第3時間以下;例えば0.2秒以内)であるか否かを判定する(S47)。
情報処理部8は、図8(a)Aに示すように、その縦ズレが一定範囲内であれば(S47)、その注目した2特徴点を、上流側遠赤外線式車両感知器4及び下流側遠赤外線式車両感知器5による同一車両の出力波形としてペアリングする(対応付ける)(S49)。次いで、ペアリングした2特徴点間の時間差(横ズレ)と、上流側及び下流側の遠赤外線式車両感知器4a,5aの同一相当箇所間の距離とに基づき、(同一相当箇所間の距離)/(2特徴点間の時間差)により、車両の速度を演算し検出して、速度検出部7へ与える。また、ペアリングした2特徴点のペアの数を交通量として検出して、交通量検出手段9へ与え(S51)、次の初期化を行う(S41)。
【0052】
情報処理部8は、図8(b)Cに示すように、その横ズレ(横矢印で示す)が一定範囲内(例えば1秒以内)でなければ(S45)、図8(b)Dに示すように、上流側又は下流側の一方の特徴点を次に進めて注目する(元の特徴点C及び破線で示す元の波形は無視する)。次いで、その注目した特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を算出する。その際、元の特徴点Cとスタート点との時間差(縦方向)を加算して、注目した特徴点Dとする。次いで、算出した時間差、及び他方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算して(S53)、その縦ズレが一定範囲内であるか否かを判定する(S47)。
【0053】
情報処理部8は、図9(a)Eに示すように、その横ズレ(横矢印で示す)が一定範囲内であり(S45)、その縦ズレ(縦矢印で示す)が一定範囲内でなければ(S47)、先ず、その判定した(S47)回数が規定回数(例えば3回)以上であるか否かを判定する(S55)。その判定した(S47)回数が規定回数以上でなければ、図9(a)Fに示すように、他方の特徴点を次に進めて注目し(元の特徴点E及び破線で示す元の波形は無視し)、その注目した特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を算出する。その際、元の特徴点Eとスタート点との時間差(縦方向)を加算して、注目した特徴点Fとする。次いで、算出した時間差、及び一方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算し(S61)、再計算した縦ズレが一定範囲内であるか否かを判定する(S47)。
【0054】
情報処理部8は、他方の特徴点を次に進めて注目し、注目した特徴点とスタート点との時間差を算出し、算出した時間差、及び一方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算し(S61)、再計算した縦ズレが一定範囲内になるか否かを判定する(S47)動作を繰り返す。その判定した(S47)回数が規定回数以上になれば(S55)、図9(b)に示すように、一方の特徴点を次に進めて注目し(元の特徴点及び破線で示す元の波形は無視し)、その注目した特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を算出する。その際、元の特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を加算して(矢印)、注目した特徴点(円内)とする。次いで、算出した時間差、及び他方の特徴点のスタート点との時間差の差(縦ズレ)を再計算する(S57)。
【0055】
情報処理部8は、次に、先ず、その算出した時間差が所定の閾値以上(第4時間;例えば5秒以上)であるか否かを判定し(S59)、所定の閾値以上でなければ、再計算した縦ズレが一定範囲内であるか否かを判定する(S47)。
情報処理部8は、図9(b)に示すように、注目した特徴点(円内)の算出した時間差が所定の閾値(HEIGHTで示す)以上であれば(S59)、上流側遠赤外線式車両感知器4と下流側遠赤外線式車両感知器5で検出した車両が異なっている可能性が高く、新たにペアリング処理を開始する(初期化)(S41)。その際、元の特徴点とスタート点との時間差(縦方向)を加算する(矢印)前の注目した特徴点(楕円内)と他方の特徴点(楕円内)との組を、新たに開始するペアリング処理のスタート点とする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る交通諸量検出装置の実施の形態が使用される交通管制システムの要部構成例を示す説明図である。
【図2】図1に示す交通管制システムの詳細構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示す説明図である。
【図8】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示す説明図である。
【図9】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示す説明図である。
【図10】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を示す説明図である。
【図11】本発明に係る交通諸量検出方法及び交通諸量検出装置の動作を感知出力により示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 交通諸量検出装置
2 信号制御装置
3 交通管制センタ
4 上流側遠赤外線式車両感知器
4a 上流側遠赤外線式車両感知器エリア
5 下流側遠赤外線式車両感知器
5a 下流側遠赤外線式車両感知器エリア
6 記憶部
7 速度検出部
8 情報処理部
9 交通量検出部
12 信号制御部
13 交通信号機
17 交通情報処理部
18 VICS送信部
19 交通制御部
21 光ビーコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の路面付近に設けられた第1センサ、及び該第1センサと所定長離隔した下流側の路面付近に設けられた第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、前記車両の速度と車両の交通量との少なくとも1つを含む交通諸量を検出する交通諸量検出方法において、
前記第1センサ及び第2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1基準点及び第2基準点を設定し、設定した第1基準点及び第2基準点の各時点以降の第1特徴点及び第2特徴点を抽出し、抽出した第1特徴点及び前記第1基準点の時点の差である第1時間を算出し、抽出した第2特徴点及び前記第2基準点の時点の差である第2時間を算出し、前記第1時間及び第2時間の差に基づき、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付け、前記車両の速度は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき検出し、車両の交通量は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の数に基づき検出することを特徴とする交通諸量検出方法。
【請求項2】
前記第1特徴点の時点及び第2特徴点の時点の差である時間を更に算出し、算出した時間が所定の範囲内であり、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下であるときに、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付ける請求項1記載の交通諸量検出方法。
【請求項3】
前記算出した時間が前記範囲内でないときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける請求項2記載の交通諸量検出方法。
【請求項4】
前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下でないときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間が第4時間より小さければ、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける請求項2又は3記載の交通諸量検出方法。
【請求項5】
前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下でないときは、前記第2センサ又は第1センサの出力波形について、抽出した前記第2特徴点又は第1特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第2基準点又は第1基準点との時点の差である第2時間又は第1時間を算出し、算出した第2時間又は第1時間と前記第1特徴点又は第2特徴点について既に算出してある前記第1時間又は第2時間との差が前記第3時間以下であるか否かの判定を行い、該判定の結果が否のときは、更に新たに前記特徴点を抽出し、第2時間又は第1時間を算出して前記判定を繰り返し、該判定の結果が前記第3時間以下になったときに、前記特徴点と前記第1特徴点又は第2特徴点とを対応付ける請求項2又は3記載の交通諸量検出方法。
【請求項6】
前記判定を所定回数繰り返したときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出し、抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出し、算出した第1時間又は第2時間が第4時間より小さければ、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付ける請求項5記載の交通諸量検出方法。
【請求項7】
上流側の路面付近に設けられた第1センサ、及び該第1センサと所定長離隔した下流側の路面付近に設けられた第2センサが、路上を走行する車両を各検出し出力した各出力波形に基づき、前記車両の速度と車両の交通量との少なくとも1つを含む交通諸量を検出する交通諸量検出装置において、
前記第1センサ及び第2センサの各出力波形について、基準となる特徴点である第1基準点及び第2基準点を設定する手段と、該手段が設定した第1基準点及び第2基準点の各時点以降の第1特徴点及び第2特徴点を抽出する抽出手段と、該抽出手段が抽出した第1特徴点及び前記第1基準点の時点の差である第1時間を算出する手段と、前記抽出手段が抽出した第2特徴点及び前記第2基準点の時点の差である第2時間を算出する手段と、前記第1時間及び第2時間の差に基づき、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付ける手段とを備え、前記車両の速度は該手段が対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の各時点と前記所定長とに基づき検出し、車両の交通量は対応付けた第1特徴点及び第2特徴点の数に基づき検出するように構成してあることを特徴とする交通諸量検出装置。
【請求項8】
前記第1特徴点の時点及び第2特徴点の時点の差である時間を算出する手段と、該手段が算出した時間が所定の範囲内であるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1時間及び第2時間の差が第3時間以下であるか否かを判定する第2判定手段とを更に備え、前記第1判定手段が前記範囲内であると判定し、前記第2判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記第1特徴点及び第2特徴点を対応付けるように構成してある請求項7記載の交通諸量検出装置。
【請求項9】
前記第1判定手段が前記範囲内でないと判定したときに、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する手段とを更に備え、該手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してある請求項8記載の交通諸量検出装置。
【請求項10】
前記第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した前記第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定する第3判定手段と、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第4判定手段とを更に備え、前記第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、前記第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してある請求項8又は9記載の交通諸量検出装置。
【請求項11】
前記第2判定手段が第3時間以下でないと判定したときに、前記第2センサ又は第1センサの出力波形について、抽出した第2特徴点又は第1特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第2基準点又は第1基準点との時点の差である第2時間又は第1時間を算出する手段と、該手段が算出した第2時間又は第1時間と前記第1特徴点又は第2特徴点について既に算出してある前記第1時間又は第2時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第5判定手段と、該第5判定手段の判定結果が否のときは、更に新たに前記特徴点を抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点に基づく第2時間又は第1時間を算出する手段とを更に備え、前記第5判定手段は判定を繰り返し、該判定の結果が前記第3時間以下になったときに、前記特徴点と前記第1特徴点又は第2特徴点とを対応付けるように構成してある請求項8又は9記載の交通諸量検出装置。
【請求項12】
前記第5判定手段の判定回数が所定回数に達したか否かを判定する手段と、該手段が達したと判定したときは、前記第1センサ又は第2センサの出力波形について、抽出した第1特徴点又は第2特徴点の時点以降の特徴点を新たに抽出する手段と、該手段が抽出した特徴点と前記第1基準点又は第2基準点との時点の差である第1時間又は第2時間を算出する手段と、該手段が算出した第1時間又は第2時間が第4時間以上であるか否かを判定する第3判定手段と、前記第1時間又は第2時間と前記第2特徴点又は第1特徴点について既に算出してある前記第2時間又は第1時間との差が前記第3時間以下であるか否かを判定する第4判定手段とを更に備え、前記第3判定手段が第4時間より小さいと判定し、前記第4判定手段が第3時間以下であると判定したときに、前記特徴点と前記第2特徴点又は第1特徴点とを対応付けるように構成してある請求項11記載の交通諸量検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−280286(P2007−280286A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108970(P2006−108970)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】