説明

人体通信の指紋認証方法

【課題】本発明は、人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法に関する。
【解決手段】本発明は、指紋認証を利用してデータを送受信する人体通信の指紋認証方法に関するもので、データの重要度、即ち、既設定の保安レベルに従って通信するデータを公開情報、保護情報及び保安情報に分類し、二人の使用者の事前約定に従って公開情報に対しては指紋認証過程なしで送受信し、保護情報に対しては認証された指紋情報と共に保護情報を送受信し、保安情報に対しては夫々の人体通信装置に内装された指紋認証部により現場で採取した指紋と受信した指紋情報を比較して指紋認証を行った後、保安情報を送受信することにより、情報の隠匿性及び保護性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法に関し、より詳細には、人体を媒質とする人体通信環境において人体通信装置を携帯した二人の使用者が、人体の皮膚接触を通じて各使用者が所有しているデータを既設定の保安レベルに従って公開情報、保護情報及び保安情報に分類して通信することにおいて、保護水準の高い保護情報及び保安情報に対しては指紋情報の交換及び指紋認証を行ってから送受信することができる人体通信の指紋認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IT産業の大衆化が急速に変化する情報交流の環境において、個人、団体及び企業が保有している情報の保護、装置の動作保護、そして、インターネット商取引における使用者の認証は重要な技術的課題である。
【0003】
現在の認証手段は、人体から得られる顔、目玉、指紋、静脈パターン等の生体情報を用いており、認証機関に登録された認証データと共に暗号化する方法が活用されている。
【0004】
そして、最近、浮かび上がっている人体媒質を利用した人体通信では、人間同士の通信、又は人とIT機器の入出力装置(プリンタ、デジタル・ディスプレイ、携帯用動画再生機、携帯用移動通信機器等)との通信手段が知られているが、現在実用化のための開発中にあり、特に、人同士の人体通信では両者が夫々主体の立場として人体通信する場合、無作為通信作動の制御及び情報保護のための認証方法とそれによる認証装置が必要である。
【0005】
現在、このような人体通信に関する標準化も公表されておらず、IEEE802.15 Working Group WPAN(Wireless Personal Area Network)内でBAN(Body Area Network)という副題で協議中にある。
【0006】
ここで、人体通信とは、伝導性を有する人体を通信チャンネルとして利用し、人体と人体、又は人体と連結される機器の間に信号を伝達する技術のことをいい、人体及び人体の周りに発生する電界を利用する方法と、人体の皮膚の内部に直接デジタル信号を伝送する方法がある。
【0007】
前者の方法は、人体と衣服等の表面上の電界を通信経路として使用し、後者の方法は、人体の皮膚に付着された電極を通じてデジタル信号を印加するとき、皮膚内部及び表皮を通信経路として利用して通信するものであり、本発明は、上記後者の方法に基づくものである。
【0008】
人体通信の実用化の側面において、人体通信の主体者と通信対象(人又はIT機器)間の認証過程は、人体通信の両側の情報を保護するために必須の条件である。
【0009】
最近、人体通信の対象が電子機器(プリンタ)の場合、その電子機器をインターネット・ネットワークに連結させた通信環境で、使用者の識別及び認証のための指紋情報を通信ネットワーク上のデータベース(DB)に保存しておき、その指紋情報と電子機器に付着された指紋認識装置により現場で採取する指紋を比較して認証する方法が提示されている。しかし、上記方法は、指紋認証が必要な場合、ネットワーク上の顧客サーバーのデータベースに保存されている指紋情報を呼び出さなければならないという不便さがある。
【0010】
一方、インターネット・ネットワーク環境の金融決済又は商取引する時の約定の認証ファイルを利用する場合には、現在の認証手続きのように暗号情報を入力するための入力装置(キーボード、キーパッド)が必要となり、人体通信の環境で活用する際は入力装置としての物理的サイズの制限及びキーイン(Key−in)に時間がかかって使用上に不便さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、二人の間に人体通信が行われるとき、当事者の両方が携帯した人体通信装置により指紋情報(例えば、指紋認証書)を直接交換し、人体通信装置に付着された指紋認証部により現場で指紋を採取し、交換した指紋情報と採取した指紋を比較して認証することにより、使用者の情報を安全に保護し、使用者が所望する情報を円滑に通信することができる人体通信の指紋認証方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に従う人体通信の指紋認証方法は、人体通信装置を携帯した二人の使用者が人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法において、送信するデータに対して待機状態、公開情報、保護情報及び保安情報の夫々の通信モードのうち該当する1つの通信モードを選ぶ段階と、選ばれた通信モードに従って人体通信が可能か否かを確認するための通信開始知らせ信号を受信側に送信する段階と、上記通信開始知らせ信号に対する通信受諾信号を受信すると、上記選ばれた通信モードに従って指紋情報の送信又は上記受信側において行われた指紋認証結果を受信した後、上記受信側にデータを送信する段階を含んでなる。
【0013】
上記人体通信の指紋認証方法は、上記データを既設定の保安レベルに従って指紋認証の必要のない公開情報と、指紋認証の必要な保護情報及び保安情報に類することを特徴とする。
【0014】
上記データ送信段階は、上記選ばれた通信モードが保護情報の通信モードであれば指紋情報を上記受信側に伝送する段階、及び上記指紋情報に対する通信受諾信号を受信すると、上記受信側にデータを送信する段階を含んでなる。
【0015】
更に、上記データ送信段階は、上記選ばれた通信モードが保安情報の通信モードであれば、現場で採取した指紋と既伝送の指紋情報を比較した指紋認証結果(真(True))が受信されると、上記受信側にデータを送信することを特徴とする。
【0016】
一方、本発明の他の一実施形態に従う人体通信の指紋認証方法は、人体通信装置を携帯した二人の使用者が人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法において、送信側からの選ばれた通信モードの通信開始知らせ信号を受信する段階と、上記通信開始知らせ信号に対する通信受諾の可否を上記送信側へ送信する段階と、上記送信側からの選ばれた通信モードに従って受信した指紋情報に対する応答又は指紋認証を行った指紋認証結果を上記送信側に送信する段階と、上記送信側からデータを受信する段階を含んでなる。
【0017】
上記データは、既設定の保安レベルに従って指紋認証の必要のない公開情報、指紋認証の必要な保護情報及び保安情報に分類することを特徴とする。
【0018】
上記送信側での選ばれた通信モードは、待機状態、公開情報、保護情報及び保安情報の夫々の通信モードのうち、上記送信側から受信するデータに該当する1つの通信モードを有することを特徴とする。
【0019】
上記送信側からの選ばれた通信モードが上記保護情報の通信モードであれば上記送信側から指紋情報を受信する段階と、上記指紋情報を保存してから上記受信した指紋情報に対する応答として通信受諾信号を上記送信側に送信する段階を含んでなる。
【0020】
上記送信側からの選ばれた通信モードが上記保安情報の通信モードであれば現場で指紋入力窓を通じて入力される指紋を採取し、上記採取した指紋と上記受信した指紋情報を比較して上記採取した指紋の真偽を判定する段階と、判定結果が‘真(True)’であれば上記判定結果を上記送信側に送信する段階と、判定結果が‘偽(False)’であれば上記指紋入力窓を通じて指紋入力を再要請する段階を含んでなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、既設定の情報の保安レベルに従ってデータを公開情報、保護情報及び保安情報に分けて、保護水準の高い保護情報及び保安情報の伝送時にのみ指紋情報の交換及び指紋認証を通じた人体通信を行うことにより、使用者が所望する情報を円滑に通信することができ、また、使用者夫々が携帯した人体通信装置に保存された指紋情報を交換し、現場で採取した指紋を互いに交換した指紋情報と比較して認証することで、使用者の情報を安全に保護するための情報の隠匿性と保護性を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による指紋認証を通じてデータを送受信するための人体通信装置(HBC−Unit)の構成図である。
【図2】図1に図示された二人の使用者(主体者UserA、対象者UserB)の持つHBC−Unit1及び2との間で公開情報又は保護情報通信モード(M1、M2)に従ってデータを送受信するための指紋認証過程を示す説明図である。
【図3】図1に図示された二人の使用者(主体者UserA、対象者UserB)の持つHBC−Unit1及び2との間で保安情報の通信モードM3に従ってデータを送受信するための指紋認証過程を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態によるデータの送信時、人体通信の指紋認証方法を示す流れ図である。
【図5】図1に図示された指紋認証を利用してデータを送受信するための人体通信装置において、指紋認証部の指紋認証過程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施することができる好ましい実施例を詳細に説明する。
【0024】
但し、本発明の好ましい実施例に対する動作の原理を詳細に説明するにおいて、関わる公知の機能又は構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明確にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明を省く。また、図面全体にわたって類似した機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を用いる。
【0025】
なお、明細書全体において、ある部分が他の部分と‘連結’されていると記されている場合、これは‘直接的に連結’されている場合だけではなく、その間に他の素子を介して‘間接的に連結’されている場合も含んでいる。
【0026】
また、ある構成要素を‘含む’とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によってデータを送受信することにおいて、指紋認証を利用した人体通信装置(Human Body Communication−unitと、以下‘HBC−Unit’という)の構成図である。両使用者、即ち、主体者UserAと対象者UserBはHBC_Unit1及び2を夫々基本的に内装した端末機を携帯する。
【0028】
ここで二人の間の人体通信は、握手のような人体の皮膚接触(以下、‘人体接触’という)されている状態で両者の人体を通信チャンネルとし、互いが約定したデジタル・データを送受信するものと設定する。
【0029】
また、本発明による使用者の両者間に送受信できる送信データの種類は、情報の保護水準、即ち、既設定の保安レベルに従って分類され、名刺のような公開情報、個人又は団体及び機密性が必要な会社の保護情報及び法的責任が伴う事業の契約における両者の特定約定文書(ファイル)のような保安情報がある。
【0030】
特に、上記保安情報は、事業契約のような取引現場で判子(又は印鑑)を必要とする不動産取引、特殊商品(使用中に継続的な技術支援を必要とする場合)等の取引、そして任意の組織において特定グループのメンバーのみに許される情報等をいう。
【0031】
従って、本発明によるHBC−Unitは公開情報、保護情報及び保安情報の3種類の情報のうち保安レベルが高い保護情報及び保安情報に対して人体通信の指紋認証方法を適用する。
【0032】
具体的に、上記保護情報に対する人体通信の指紋認証方法は、認証機関に登録して認証された同一の指紋情報を使用者の端末機内に予め保存しておき、人体通信時に両者の約定下で自身の指紋情報を夫々送受信した後に保護情報のデータを交信する。ここで、保護情報に対する指紋認証は、指紋認証書を互いに交換することのみをいう。
【0033】
また、保安情報に対する人体通信の指紋認証方法は、例えば、人体通信時に両者の約定により個人印鑑が必要な場合、契約現場でHBC−Unitに装着された指紋認証部を用いて指紋の採取及び指紋認証を行い、両者の身元及び指紋情報を確認してから、約定による保安情報のデータを交信する。
【0034】
この際、保護情報に対する人体通信の指紋認証方法において、指紋採取が必要ない場合にも使用者自身の指紋情報を交信することは、継続的な取引の可能性がある場合の両者の約定の証拠として使用する場合である。これは人体通信の両者の立場で、取引者の管理及び信用度の蓄積等の意味を有するもので、人体通信の活用度の側面において考慮されたものである。また、本発明の活用において、個人情報及び事業情報に対する保護問題のために公開情報、保護情報、保安情報の順に通信するのが好ましいが、最初から保安情報の段階で通信することも可能である。
【0035】
人体通信の当事者の指紋認証は、指紋を単にイメージデータで比較する従来のパターンマッチング(Pattern Matching)方式より、指紋の盗用性が低いことで知られているマニューシャ(Minutia)方式又は周波数解析法を用いた方式が好ましい。
【0036】
上記の各指紋認識方法及び具体的な認証方法に対する説明は、本発明の技術的範囲から外れ、本発明では指紋認識の一般的な概念を適用して人体通信の認証に活用した方法に対して述べ、各指紋認識方法及び具体的な認証方法に対する詳細な説明は省く。
【0037】
また、指紋情報は現在のインターネット金融で活用している認証書ファイルのような公認の認証機関に契約の当事者らが指紋認証書として前もって登録されているとする。
【0038】
以下では、UserAが、UserBに対してデータを送受信するための人体通信の指紋認証過程を説明する。人体通信の使用者UserAを主体者とし、使用者UserBを対象者とする。
【0039】
図1において、UserAとUserBが持つHBC−Unit1及び2は、使用者の夫々が所有している端末機(携帯用の移動通信機器、又は動画再生機等)毎に外形的な形態は異なることはあるが、各UserAとUserBは、HBC−Unit1及び2を夫々部品装置として内装するか、独立の装置として備える。
【0040】
そして、UserAとUserBが携帯する各HBC−Unit1及び2は、同じ構成を有するため、通信主体をUserAのHBC−Unit1に設定した場合のみに対して説明する。
【0041】
本発明によるHBC−Unit1は、スイッチ11と、デコーダー12と、制御部13と、データベース14と、物理層モデム15と、入出力部(I/O)16及び指紋認証部ち17からなる。
【0042】
HBC−Unit1は、使用者の送信データの保安レベルに従ってスイッチ11が選ばれ人体通信の通信モードを決定することで人体通信が開始される。
【0043】
具体的に、スイッチ11は、データの保護水準、即ち、保安レベルに従って公開情報、保護情報及び保安情報に分類されたデータによる通信状態と、通信をしない場合、即ち、待機状態を含む4つの状態のうち1つの状態を選ぶ。具体的に、スイッチ11は、待機状態に“0”を、公開情報伝送に“1”を、保護情報伝送に“2”を、保安情報伝送に“3”を選ぶ。
【0044】
即ち、スイッチ11で選ばれる状態に従って4つの通信モードに区分し、4つの通信モードにおいて、M0(スイッチ“0”)は待機状態の通信モード、M1(スイッチ“1”)は公開情報の通信モード、M2(スイッチ“2”)は保護情報の通信モード、及びM3(スイッチ“3”)は保安情報の通信モードを表す。
【0045】
デコーダー12は、スイッチ11で選ばれた1つの状態により信号を区分し、上記4つの通信モード(M0、M1、M2及びM3)のうち1つの通信モードに対応する信号を発生させる。
【0046】
制御部13は、デコーダー12から伝達された通信モードに対応する入力信号に従って各構成要素を統制及び管理して通信モードによる人体通信を行うように制御する。また、制御部13は、通信対象者との入出力信号及びデータの送受信状態を管理及び監督する。また、制御部13は、データを受信する場合、送信側から伝送される入力信号に対応する通信モードの種類を判別し、これを人体通信装置の外部に音、又はランプ等の素子を付着して使用者に知らせることができる。以上の過程より二人の使用者の通信モードを一致させることができる。
【0047】
データベース14には、通信対象者との認証のために使用者自身の指紋情報のような保護情報及び保安情報を保護メモリであるSec_Dat DB141に保存し、自身を紹介するための名刺のような公開可能な情報は公開メモリであるPub_Dat DB142に保存する。
【0048】
Sec_Dat DB141は、通信対象者から受信する指紋認証書を含んだ全ての情報が保存され、使用者自身の保護情報Sec_Datとの区別は、設計するメモリの住所を分離するか、又は制御部13からの特定住所の指定により管理が可能である。
【0049】
指紋認証部17は、通信対象者に対して両者の約定による相互認証のために指紋4を採取して認識し、採取した指紋と既保存された指紋情報を比較して指紋情報の真偽を判定することで指紋認証を行う。
【0050】
物理層モデム15は、ベースバンドのデジタル・データを人体チャンネルの雑音特性によって通信帯域を選び、拡散変調してからHBC−Unitに付着された電極を通じて送信し、受信時にはアナログ回路部で雑音除去フィルタリング及びデータ・リタイミング(Retiming)した後、ベースバンドを逆拡散復調してデジタル・データを得る構造である。
【0051】
入出力部(I/O)16は、制御部13とバス信号線10で連結され、物理層モデム15に付属されている。この入出力部(I/O)16では、UserAとUserBの人体接触時3、HBC−Unit1、2の相互通信開始/終了及び特定データの送受信の完了状態を確認する信号は、バス信号線10を通じて制御部13とやり取りを行う。一方、人体の皮膚に接触させる電極のようなHBC−Unitの外部の付着物に対する詳細な説明は省く。
【0052】
図2乃至図4は、本発明による図1のHBC−Unit1の人体通信環境で、データの種類による公開情報、保護情報及び保安情報の各通信モードの動作過程に対する好ましい実施例の説明図である。
【0053】
また、実施例の説明において使用者間の人体接触は、人体通信が終了するまで持続される状態を仮定して述べる。但し、ある程度人体通信が止まる状態(指紋採取)のための待機時間等は本発明の具現の際、制御部13で必要に合わせて設定する。
【0054】
<公開情報又は保護情報の伝送>
図2は、図1に図示された二人の使用者(UserAは主体者、UserBは対象者)間のHBC−Unit1、2で公開情報又は保護情報通信モードに従ってデータを送受信するための指紋認証過程を示す説明図である。ここで、UserAの公開情報又は保護情報は、デジタル・データとしてPub_Dat DB142又はSec_Dat DB141に夫々予め保存されており、HBC−Unit1、2は、基本的に待機状態に設定される。
【0055】
そして、Pub_Dat DB142に保存された公開情報は、自身を知らせるための名刺、事業案内又は広告のための資料であり、デジタル情報に変換されたデータである。また、Sec_Dat DB141に保存されている保護情報は、自身の指紋を公認機関に登録して認証された指紋認証書と、個人又は団体及び会社の保護情報のデジタル・データのことをいう。
【0056】
図2に図示されたように、UserAによりスイッチ11が“1”の位置に選ばれると(S201)、公開情報の通信モードM1が開始される(S202)。又はUserAによりスイッチ11が“2”に選ばれると(S201)、保護情報の通信モードM2が開始される(S202)。
【0057】
UserAがUserBに対して人体接触3を試すと、UserAは、通信開始知らせ信号をバス信号線10及び入出力部(I/O)16を通じてUserBに送信する(S203、S204)。
【0058】
UserBは、通信開始知らせ信号を受信すると(S205)、通信受諾信号をバス信号線20及び入出力部(I/O)26を通じてUserAに応答する(S206、S207)。
【0059】
通信受諾信号を受信S208したUserAは、公開情報の通信モードM1の場合、自身の公開情報データを物理層モデム15に伝達し(S209、S210)、物理層モデム15で伝送するデータに対してベースバンド変調を行った後(S211)、変調されたデータを、入出力部(I/O)16を通じて伝送する(S212、S213)。即ち、公開情報の通信モードM1は、指紋認証過程なしでデータを伝送する。
【0060】
一方、保護情報の通信モードM2の場合、通信受諾信号を受信(S208)したUserAは、自身の指紋情報を伝送し、その応答を待つ。この際、UserBは受信した指紋情報をSec_Dat DB241に保存し、再び通信受諾信号を伝送する。即ち、保護情報の通信モードM2の指紋認証は指紋情報の伝送のみで行われる。
【0061】
その後、UserAは通信受諾信号を受信すると、自身の保護情報データSec_Datを物理層モデム15に伝達し(S209、S210)、物理層モデム15で伝送するデータに対してベースバンド変調を行った後(S211)、変調されたデータを入出力部(I/O)16を通じて伝送する(S212、S213)。
【0062】
入出力部(I/O)26を通じてベースバンド変調されたデータを受信(S214)したUserBの物理層モデム25は、ベースバンド復調を行った後(S215)、復調された公開情報又は保護情報をデータベース24のSec_Dat DB241に保存する(S217)。
【0063】
その後、UserBの制御部23は、受信完了信号をバス信号線20及び入出力部(I/O)26を通じてUserAに送信する(S218、S219)。
【0064】
若し、UserBがUserAからデータをさらに必要とする場合、通信受諾信号を再び送り、再び伝送されるUserAの公開情報データ又は保護情報データを受信完了した後に受信完了信号を送信する。
【0065】
受信完了信号を入出力部(I/O)16及びバス信号線10を通じて受信(S220)したUserAは、通信を終了する(S221)。
【0066】
図2において、UserAから送信される信号及びデータは、制御部13から生成される制御信号と、物理層モデム15でベースバンド変調処理されたデータが入出力部(I/0)16を通じて両者の人体接触3によって伝送され、受信側のUserBはUserAと同一のHBC−Unit装置で逆方向に物理層モデム25を通じてベースバンド復調されたデータをUserBのデータベース24に保存する。一方、通信主体者をUserBとし、対象者をUserAに設定する場合は、上記の通信過程を逆方向に適用すれば、技術的問題なく十分に通信可能である。
【0067】
<指紋認証による保安情報の伝送>
図3は、図1に図示された二人の使用者(UserAは主体者、UserBは対象者)間のHBC−Unit1、2で、保安情報の通信モードM3に従ってデータを送受信するための指紋認証過程を示す説明図である。
【0068】
図3に図示されたように、UserAによりスイッチ11が“3”の位置に選ばれると(S301)、指紋認識を通じた保安情報の通信モードM3が開始される(S302)。
【0069】
UserAがUserBに対して人体接触3を試すと、UserAは、通信開始知らせ信号をバス信号線10及び入出力部(I/O)16を通じてUserBに送信する(S303、S304)。UserBは、通信開始知らせ信号を受信すると(S305)、通信受諾信号をバス信号線20及び入出力部(I/O)26を通じて応答する(S306、S307)。
【0070】
通信受諾信号を受信(S308)したUserAは、UserBのHBC−Unit2の指紋認証部27の指紋入力窓28に指を接触し(S309)、UserBの指紋認証部27は、UserAの指紋を採取する。その後、UserBは、採取した指紋と保護情報の通信モードによりSec_Dat DB241に予め保存してあるUserAの指紋情報(S310)を比較して指紋の真偽を判定する(S311)。ここで指紋認証部27の指紋認証過程に対しては、図5を参照して具体的に説明する。
【0071】
UserBは、入出力部(I/O)26を通じて指紋認証結果をUserAに伝送する(S312、S313、S314)。
【0072】
指紋認証結果を受信S315したUserAは、自身の保安情報データを物理層モデム15に伝達し(S316、S317)、物理層モデム15は、伝送するデータに対してベースバンド変調を行った後(S318)、入出力部(I/O)16及び人体接触を通じて変調されたデータを伝送する(S319、S320)。
【0073】
入出力部(I/O)26を通じてベースバンド変調されたデータを受信(S321)したUserBの物理層モデム25は、ベースバンド復調を行った後(S322)、復調された保安情報をデータベース24のSec_Dat DB241に保存する(S323、S324)。
【0074】
それから、UserBは、受信完了信号をバス信号線20及び入出力部(I/O)26を通じてUserAに送信する(S325、S326)。
【0075】
受信完了信号を入出力部(I/O)16及びバス信号線10を通じて受信したUserAは、通信を終了する(S327、S328)。
【0076】
図3において、UserAからの送信信号及びデータは、図2に示した上記公開情報又は保安情報の通信モードにおいて述べた送受信方法と同一である。一方、通信主体者をUserBとし、対象者をUserAと設定する場合は、上記の通信過程を逆方向に適用すれば、技術的問題なく十分に通信可能である。
【0077】
図4は、本発明の一実施形態によるデータを送信するための人体通信の指紋認証方法を示した流れ図である。
【0078】
図4を参照すると、情報の既設定の保安レベルに従って分類されたデータの種類によってスイッチ11の状態が選ばれ、選ばれた状態に対応する通信モードが選ばれる(S401)。
【0079】
スイッチ11の状態は、“0”、“1”、“2”及び“3”に区分され、各状態による動作モードは、待機状態M0、公開情報の通信モードM1、保護情報の通信モードM2及び保安情報の通信モードM3である。
【0080】
本発明によるHBC−Unitは、基本的に待機状態M0であり、後にS401段階において該当する通信モードが選ばれる。
【0081】
この際、該当する通信モードがM1の場合(S402)、主体者UserAのHBC−Unit1は、通信開始知らせ信号を対象者に人体接触を通じて伝送する(S405)。
【0082】
それから、主体者UserAが対象者UserBから通信受諾信号を受信すると(S406)、主体者UserAのHBC−Unit1は、送信するデータをベースバンド変調を行った後、対象者に伝送する(S407)。
【0083】
一方、該当する通信モードがM2の場合(S403)、主体者UserAのHBC−Unit1は、通信開始知らせ信号を対象者に人体接触を通じて伝送する(S405)。
【0084】
それから、主体者UserAが対象者UserBから通信受諾信号を受信すると(S406)、対象者UserBに指紋情報を伝送する(S411)。対象者UserBから通信受諾信号を受信すると(S412)、主体者UserAのHBC−Unit1は、送信するデータをベースバンド変調を行った後、対象者に伝送する(S407)。
【0085】
それから、伝送した公開情報又は保護情報の受信完了信号を対象者UserBから受信されると(S408、はい)、通信を終了する(S409)。一方、受信完了信号が受信されないと(S408、いいえ)、データの再伝送要請信号が受信されたか否かを確認する(S410)。
【0086】
S410段階の確認結果、再伝送要請信号が受信されると(S410、はい)、S407段階を再び行う。
【0087】
一方、該当する通信モードがM3の場合(S404)、主体者UserAが対象者UserBから通信受諾信号を受信すると(S406)、主体者UserAは、対象者UserBが携帯している人体通信装置HBC−Unitに内装されている指紋認証部27の指紋入力窓28に指紋の接触を行う(S413)。
【0088】
この際、対象者UserBは、保護情報の通信モードM2により主体者UserAの指紋情報を予め伝送を受けて保存した状態である。それから、保安情報の通信モードM3が開示されると、人体通信の両者の事前約定による取引契約の現場で判子(又は印鑑)の使用の代わりに、採取した指紋を既に保存されている主体者UserAの指紋情報と比較して指紋認証を行い、採取した指紋の真偽を判定する。それから、判定結果を主体者UserAに伝送する。
【0089】
主体者UserAは対象者UserBから指紋の真偽の判定に対する結果を受信し、指紋が認証されないと(S414、いいえ)指紋の接触を行い(S415)、指紋が認証されると(S414、はい)、上記のようにS407乃至S410段階を行って通信を終了する。
【0090】
図5は、図1に図示されたデータを送受信することにおいて、指紋認証を利用した人体通信装置において、指紋認証部の指紋認証過程を示す流れ図である。
【0091】
図5に示したように、対象者UserBは、保護情報の通信モードM2により主体者UserAの公認登録された指紋認証書を受信する(S501)。
【0092】
その後、保安情報の通信モードM3が開始されると、人体通信経路ではない対象者UserBのHBC−Unit2の指紋入力窓28に主体者UserAの指が接触されるとき、指紋を採取する(S502)。この際、対象者UserBの指紋比較モジュール29では、採取した現場の指紋データと受信した指紋情報を対照して比較する(S503)。
【0093】
指紋比較モジュールS501では、S503段階の比較結果である判定フラグ(Flag)により採取した指紋の真偽を判定する(S504)。S504の判定結果、真(True)の場合は、その結果を対象者UserBの制御部23に伝達し、対象者UserBの制御部23は、指紋認識成功による結果をUserAのHBC−Unit1に知らせる(S505)。S504の判定結果が偽(False)の場合は、指紋の再入力を要請してS506指紋入力窓28で指紋採取を再び行う(S502)。本発明の具現の側面において、指紋再入力要請(S506)は、人体通信装置の外部に音又はランプ等の素子を付着して使用者に知らせることができる。また、指紋再入力要請は、UserAが同一人物であるにも関わらず採取された指紋の状態によって一致しない場合に備えたもので、他人の意図的な指紋接触の試し防止及び保安のために本発明の具現の側面において再び試すことの回数を制限することが好ましい。
【0094】
一方、両者の約定下で主体者UserAがさらに契約書のような文書ファイル・データの伝送が必要な場合、保安情報の通信モードM3を通じて伝送し、主体者UserAの伝送が完了すると対象者UserBは、受信完了信号を主体者UserAに伝送する。
【0095】
上記の指紋認識過程を通じて契約当事者の身元やその契約の証拠を交換するようになる。そして、指紋を採取及び認識してデジタル・データのファイルに生成する過程は、既存の指紋認識技術及び認証書作成技術を適用すれば可能であり、これに対する詳細な説明は省く。但し、本発明のHBC−Unitでは、採取した指紋を制御部13及び23で既指紋認証書と同様の技法を適用して指紋認証書を作成し、指紋認証部17及び27で認証する必要がある。
【0096】
本発明において、人体通信の主体者及び対象者を共に人と設定しているが、特に、通信対象者がIT機器の場合、通信モードM2を適用すると指紋認証を通じて人体通信によるIT・通信機器のアフターサービス、或いは使用者の所望する取引が拡張可能である。
【0097】
以上、本発明の実施例に対して詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、下記の請求範囲により定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0098】
1,2 HBC−Unit
3 人体接触
4 指紋
10,20 バス信号線
11,21 スイッチ
12,22 デコーダー
13,23 制御部
14,24 データベース
141,241 Sec_Dat DB
142,242 Pub_Dat DB
15,25 物理層モデム
16,26 入出力部(I/O)
17,27 指紋認証部
18,28 指紋入力窓
19,29 指紋比較モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体通信装置を携帯した二人の使用者が、人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法において、
送信するデータに対して待機状態、公開情報、保護情報及び保安情報の夫々の通信モードのうち該当する1つの通信モードを選ぶ段階と、
選ばれた通信モードに従って人体通信が可能か否かを確認するための通信開始知らせ信号を受信側に送信する段階と、
前記通信開始知らせ信号に対する通信受諾信号を受信すると、前記選ばれた通信モードに従って指紋情報の送信又は前記受信側において行われた指紋認証結果を受信した後、前記受信側にデータを送信する段階と
を含んでなる人体通信の指紋認証方法。
【請求項2】
前記データは、既設定の保安レベルに従って指紋認証の必要がない公開情報と、指紋認証が必要な保護情報及び保安情報に分類することを特徴とする請求項1に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項3】
前記データ送信段階は、前記選ばれた通信モードが保護情報の通信モードであれば指紋情報を前記受信側に伝送する段階と、
前記指紋情報に対する通信受諾信号を受信すると、前記送信するデータを前記受信側に送信する段階と
を含んでなることを特徴とする請求項2に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項4】
前記データ送信段階は、前記選ばれた通信モードが保安情報の通信モードであれば、現場で採取した指紋と既伝送の指紋情報を比較した指紋認証結果(真(True))を受信すると、前記受信側にデータを送信することを特徴とする請求項3に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項5】
人体通信装置を携帯した二人の使用者が、人体接触によりデータを送受信する人体通信の指紋認証方法において、
送信側において選ばれた通信モードの通信開始知らせ信号を受信する段階と、
前記通信開始知らせ信号に対して通信受諾の可否を前記送信側に送信する段階と、
前記送信側において選ばれた通信モードに従って受信した指紋情報に対する応答又は指紋認証を行った指紋認証結果を前記送信側に送信する段階と、
前記送信側からデータを受信する段階と
を含んでなる人体通信の指紋認証方法。
【請求項6】
前記データは、既設定の保安レベルに従って指紋認証の必要がない公開情報、指紋認証が必要な保護情報及び保安情報に分類されたことを特徴とする請求項5に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項7】
前記送信側において選ばれた通信モードは、待機状態、公開情報、保護情報及び保安情報の夫々の通信モードのうち前記送信側から受信するデータに該当する1つの通信モードであることを特徴とする請求項5に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項8】
前記送信側において選ばれた通信モードが前記保護情報の通信モードであれば、前記送信側から指紋情報を受信する段階と、
前記指紋情報を保存してから前記受信した指紋情報に対する応答として通信受諾信号を前記送信側に送信する段階と
を含んでなることを特徴とする請求項6に記載の人体通信の指紋認証方法。
【請求項9】
前記送信側において選ばれた通信モードが前記保安情報の通信モードであれば、現場で指紋入力窓を通じて入力される指紋を採取し、前記採取した指紋と前記受信した指紋情報を比較して前記採取した指紋の真偽を判定する段階と、
判定結果が‘真(True)’であれば、前記判定結果を前記送信側に送信する段階と、
判定結果が‘偽(False)’であれば、前記指紋入力窓を通じて指紋入力を再要請する段階と
を含んでなることを特徴とする請求項8に記載の人体通信の指紋認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−266234(P2009−266234A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108128(P2009−108128)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】