説明

人感センサを用いた在宅監視と防犯監視を切り替え可能なメールによる監視システム

【課題】ひとつの装置を携帯端末の遠隔操作で、在宅監視、防犯監視の両方に利用可能とし、警報発生の閾値の設定、故障の検知を自動で行うことで利用者の煩わしさを解消する。
【解決手段】携帯端末7より、監視サーバー6に対して「在宅監視」モードか「防犯監視」モードかを指定し、単位時間内に人感センサー2にて検知した信号の回数から、在宅異常か、防犯異常か判断し、携帯端末へ警報メールを送信する。また、過去のデータに統計的な計算を行うことにより、行動パターンを類推し、警報発生の閾値を自動設定する。故障の自動検知においては、人感センサーとネットトップPC3間の接続異常のデータを監視サーバーへ送ることで、センサー異常のメール送信を携帯端末へ行い、逆に、監視サーバーが、規定時間内にデータを受信しない場合は、ネットトップPC以降のシステムの故障と判断して、携帯端末へメール送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人感センサからの信号にデータ処理を行い、人の存在の有無を検知し、登録している携帯電話に、人の活動の有無に対しての警報をメール通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一人暮らしの高齢者、身障者の方の安否確認のための監視手段や、防犯のための監視手段は電気,ガス,水道,電話機,携帯端末、カメラなどを利用した技術が考案されているが、安価なシステムではない。
しかし、安否確認の手段においては、個人のプライバシーへの配慮より、画像の監視は好ましくないと思われる。
また、その警報値及び診断基準値の設定は固定値で設定するので、個人固有の行動パターンに当てはまらないことがあり、警報の発生の正確性にかける。
さらに、システムの故障も自動的に検知出来る機能を有するものは無い。
【先行技術文献】
【0003】
以下、先行技術を特許庁の特許電子図書館より記述する。
【特許文献1】 特許公開2008−165730
【特許文献2】 特許公開2007−323533
【特許文献3】 特許公開2006−5530
【特許文献4】 特許公開2004−326623
【特許文献5】 特許公開2004−112735
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ひとつの装置を携帯端末の遠隔操作で切り替えることにより、在宅監視と防犯監視の両方に利用できるようにし、安価なシステムとする。
【0005】
過去の収集したデータを基に、在宅の人の行動パターンを類推し、警報を発生させる基準値を自動的に算出する。
【0006】
不在時でも、遠隔にてセンサー及びシステムの故障を自動検知する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず、携帯端末(7)より、「在宅監視」モードか「防犯監視」モードかを指定する。単位時間内に人感センサー(2)にて検知した信号のログをネットトップPC(3)を通じて監視サーバー(6)へメール形式で送信する。
「在宅監視」モードの場合、単位時間内の人の検知回数が閾値より少ない場合は、異常と認識して警報を監視サーバー(6)より、携帯端末(7)へメール送信する。
「防犯監視」モードの場合、単位時間内の人の検知回数が閾値より多い場合は、異常と認識して警報を監視サーバー(6)より、携帯端末(7)へメール送信する。
【0008】
「在宅監視」モード限定機能ではあるが、過去の収集した単位時間内の人感データを、監視サーバー(6)に保管し、時間帯別、及び曜日毎に統計演算を行い、平均値を算出する。
この平均値を元に、行動パターンを数値化し、もともと活動量が少ない時間帯は単位時間内の人の検知回数が閾値より少なくても異常とは認識させない。
【0009】
人感センサー(2)とネットトップPC(3)間の接続が正常でない場合は、ネットトップPC(3)で認識ができるので、センサー異常のデータを監視サーバー(6)に送り、監視サーバー(6)よりセンサー異常を監視者の携帯端末(7)へメール通知する。
ネットトップPC(3)から送られるメール形式のデータが規定時間内に未到達の場合、システムの故障と判断し、監視者の携帯端末(7)へシステムの異常をメール通知する。
【発明の効果】
【0010】
本発明を使用することによって、ひとつの装置を在宅監視と防犯監視に切り替えて使用できる。
また、警報発生のための設定値の自動調整、及びシステムの故障を自動検知することができるので、利用者の煩わしさはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のシステムの構成図
【図2】ネットトップPCでの処理流れ図
【図3】監視サーバーでの処理流れ図
【図4】過去の収集データに基づく行動パターンの計算方法
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)、まず、携帯端末(7)より、WEB型ソフトを通じて「在宅監視」モードか「防犯監視」モードかを指定する。
この操作により、以降の警報発生のための異常の認識方法が変わる。
(ロ)、ネットトップPC(3)は、人感センサー(2)で検知した信号(23)があれば、ログを記録(24)する。
(ハ)、住居(1)内において、人感センサー(2)とネットトップPC(3)間の接続が正常でない場合は、ネットトップPC(3)で認識ができるので、センサー異常(21)と判断しセンサー異常ログとして記録(22)する。
(ニ)、単位時間が経過(25)したら、記録しておいた検知信号のログ(24)とセンサー異常ログ(22)をメール形式に組み立て(26)、データ通信装置(4)から、情報通信網(5)を経由してメールを監視サーバー(6)へメール送信する。
(ホ)、監視サーバー(6)は、基本的には、ネットトップPC(3)の単位時間毎にメールを受信するはずであるが、単位時間の数倍の規定時間を経過(370)してもメールを受信しない場合(310)は、自動的にシステムの故障と判断し、監視者の携帯端末(7)に、「システムの故障」のメール送信(371)を行う。
(ヘ)、監視サーバー(6)は、単位時間単位でメールの受信があった(310)場合、メールを解析して保管(320)し、センサー異常のデータがあるかチエック(330)する。
センサー異常のデータがあった場合、管理者の携帯端末(7)に、「センサー異常」のメール送信(331)を行う。
(ト)、センサー異常のデータが無い場合、(イ)で設定された「在宅監視」モードか「防犯監視」モードかの判定(340)を行う。
(チ)、「在宅監視」モードの場合、在宅者の行動パターン値と比較(350)し、単位時間内の人の検知回数が少なかった場合、「在宅監視警報」メール送信(351)を行う。
(リ)、「防犯監視」モードの場合、規定値と比較(360)し、単位時間内の人の検知回数が多かった場合、「防犯監視警報」メール送信(361)を行う。
(ヌ)、(チ)で用いた「行動パターン値」の算出方について述べる。
保管した過去の在宅監視データ(320)を回数=0のデータを除いてデータを同一曜日、同一時間帯で抽出する(41)。
該当する、曜日、時間の保管データ件数を判断(42)し、0件の場合は、提供する初期値を利用(45)するが、1件以上の場合は、次の統計計算を行う。
単純平均μと標準偏差σを計算(43)し、μ±σの範囲内を行動パターン値として(44)利用する。
【符号の説明】
【0013】
1 住居
2 人感センサー
3 ネットトップPC
4 データ通信装置
5 情報通信網
6 監視サーバー
7 携帯端末
21 センサー異常の判断
22 センサー異常ログを記録
23 検知信号有の判断
24 検知ログを記録
25 単位時間経過の判断
26 検知ログ、異常ログをメール形式に組み立てて送信
310 メール有の判断
320 メールを解析してデータ保管
330 センサー異常の判断
331 センサー異常のメール送信
340 モードの判断
350 (在宅監視モード時の)回数の判断
351 在宅監視 警報メール送信
360 (防犯監視モード時の)回数の判断
361 防犯監視 警報メール送信
370 規定時間経過の判断
371 システムの故障のメール送信

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人感センサを用い、携帯端末の遠隔操作で「在宅監視」と「防犯監視」をひとつのシステムで切り賛え可能な監視システム。
【請求項2】
過去に収集したデータを基に、在宅の人の標準の行動パターンを類推し、それに対して在宅監視の警報発生の閾値を自動計算する監視システム。
【請求項3】
住居に不在でも、センサーの故障や、ネットワークを含めた異常を自動で検出し、監視者の携帯端末へメール送信して知らせる監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−168911(P2012−168911A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46944(P2011−46944)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(511057043)株式会社パーソン (1)
【Fターム(参考)】