説明

人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品及びその利用

メチルメチオニンスルホニウム、カルボキシルウラシル、パラアミノ安息香酸、ジメチルスルホキシド、及びポリエトキシヒマシ油を含む、高度な同化効力を備えた複合体製品の製造と、その利用とに関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線及び化学療法による治療、外科手術、紫外線、X線、及び放射線に加
えて、ウイルス、バクテリア、及び真菌感染と、特に花粉及び粉塵アレルギーを引き起こす有害な環境排出物とにより減少した、或いは不十分となった、食物供給の適切な水準を回復させるためになされた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】ハンガリー国特許HU224444号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
更に、本発明の狙いは、老化と、自然老化の過程において発生した有害な多重効果とにより不十分となった食物の同化を改善することにある。
【0004】
こうした目標を達成するために、本発明の目的は、容易に実現可能なできる限り簡易な手順を開発及び実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による製品は、水溶性ヨウ化メチルメチオニンスルホニウム及びパラアミノ安息香酸と、脂溶性カルボキシルウラシルとにより、後者に属して制限なく水溶性を与える独自のエマルジョン系と共に構成される。
【発明の効果】
【0006】
このエマルジョンを製造するために、本発明では、代謝中に分解されるポリエトキシヒマシ油 (Chremophor(登録商標) EL、BASF) と、ジメチルスルホキシドとを使用するため
、本発明の製品は人間に対する使用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本製品は、水溶性物質の形態で腸を介して同化され、消化剤及び他の酵素を含有しない。
【0008】
先端技術による成果を考慮に入れても、我々の手順の新規性に疑問を呈する公開は、文献中に見あたらない。
【0009】
特許番号第HU224444号による動物用に製造されたビタミン及びミネラルを含む複合体製品は、塩化メチルメチオニンスルホニウム及びヨウ化カリウムを含有するが、1:これらは食品中の成分としてのみ使用されており、2:これら二成分の適切な使用の利点は認識されていない。
【0010】
更に、複合体製品のエマルジョン系も異なる。
特許番号第P0700175号により保護された我々の方法 (ACHENTY S.A.:/UYによる出願) を使用することで、様々な理由により生じた食物同化効力の減少を回復させることが可能な人間用の水溶性製品を製造できる。
【0011】
しかしながら、この結果は、全ての必要なビタミン、アミノ酸、ミネラル、及び必須であることが公知の微量元素を含むエマルジョン系を使用して達成されており、本明細書に
提示した特許手順とは完全に異なる。
【0012】
我々の目標を達成するためには、何よりも、終末段階において最終的に部分的又は完全に停止する可能性のある食物の同化の減少が発生する理由を知る必要がある。
【0013】
減少した或いは不十分な食物の同化は、既に科学により疑いなく証明されており、破壊された同化真皮 (assimilation dermises) は、放射線及び化学療法による治療、外科手
術、紫外線、X線、及び放射線に加えて、ウイルス、バクテリア、及び菌類の代謝産物及
び毒素と、特に花粉及び粉塵アレルギーを引き起こす環境排出物との両方により発生する、所謂「フリーラジカル」が原因とされている。
【0014】
同様に、不健康な栄養習慣又は食餌規則、食物のNO2-NO3含有成分は、腸の壁に害を及
ぼして自然な腸内フローラを破壊する薬物、抗生物質と共に、フリーラジカルの数を増大させる。
【0015】
革新的手法の実現にとっては、まず、こうした「悪影響」の本質を解明し、次に、生物の同化真皮の正常機能を回復可能にする必要があるという認識が疑いなく極めて重要であった。
【0016】
「フリーラジカル」の本質は、一電子欠乏酸素を含有するあらゆる種類の形態の一つであることも解明された。
【0017】
これにより、革新的手法の目標を達成するためには、「レドックス」と呼ばれる酸化剤-還元剤系を介して----更に、その助けを借りて----食物を一時的に人体に取り込ませる
ことが可能な製品の開発が必要であることが明らかとなった。
【0018】
まず、上述した構成要素を使用して、その量及び割合が飢餓状態の生物の基本要件に合致するように、この所謂「レドックス」系を日々構築しなければならなかった。
【0019】
この事実を強調する必要があるのは、特殊な食品を補給するのではなく、本製品を使用して基礎食品を生物に供給するためであり、同時に、研究開発作業中に製造された、この特定の製品を使用して、可能な限り高い速度及び効力により、食品同化の正常水準を回復することが可能となるためである。
【0020】
研究開発段階では、減少した或いは停止に近い状態の食品同化を回復させる上で、以下の組成が最善であることを発見した。
【0021】
適切な形で水溶性相に転換させた、塩化メチルメチオニンスルホニウムの一日投与量30〜150mgと、ヨウ化カリウム0.20〜3.15mgと、パラアミノ安息香酸11〜56mgと、カルボキ
シルウラシル6.5〜31.0mgとの混合物。
【0022】
水溶性は、この特定の場合において、ジメチルスルホキシド15〜43mg及びポリエトキシヒマシ油70〜350mgの混合物により、革新的手法を用いて最も良好に達成された。
【0023】
パラアミノ安息香酸の直接的及び間接的抗酸化作用は、塩化メチルメチオニンスルホニウムと共に周知であり、パラアミノ安息香酸の抗菌作用も同様である。
【0024】
カルボキシルウラシルは、ミネラルの同化、主にマグネシウムの腸からの同化を顕著に改善する。
【0025】
最新の研究によれば、主に理論考察ではあるが、本製品は、DNAの欠損を修復する上で
も活発な役割を果たす。
【0026】
ジメチルスルホキシドは、真皮を貫通して様々な有機分子を搬送可能であることで有名であり、中間代謝中に生成されることから、その利用は当然と言える。
【0027】
しかしながら、驚くべきことに、ジメチルスルホキシドのみが、意外にもカルボキシルウラシルを我々の革新的手法であるエマルジョン系に混合可能であった。
【0028】
実施段階中に製造された製品にヨウ素を添加することは意外に思えると共に、このような強い酸化物質を、基本的に抗酸化性である系になぜ混合可能であるかについては疑問が生じた。
【0029】
しかしながら、一方で、ヨウ素は、生物にとって非常に重要であり、代謝を大幅に改善するものであり、我々のケースでは特に必要となる。
【0030】
本特許製品を製造する過程では、本製品に使用される非有機的なヨウ素、即ちヨウ化カリウムを、製造プロセス中、別個の手順において塩化メチルメチオニンスルホニウムに混合した時に、意外な驚くべき結果が得られた。
【0031】
この意外な驚くべき結果である新たな複合体ヨウ素は、この新たな複合体の環境に存在する様々な化合物又は化合物の集合の実際の「レドックス電位」又は電気モータ出力 (electro-motor power) により決定される一定の状況において、酸化及び還元が可能である
ことから、最終的には食物の同化の減少又は完全な停止を引き起こす様々な悪影響により発生した、細胞壁/細胞膜の電位における正又は負の変動を回復させることが可能となる

【0032】
この現象は、混合物の酸化状態が様々な時間窓内において時間及び空間に応じて変化する、硫酸セリウム、臭素酸カリウム、マロン酸、及び硫黄酸の混合物等、コロイド化学者及び生理化学者に公知の所謂「散逸」系に類似するが、同一ではない。
【0033】
生体の細胞内の一定の細胞小器官の「レドックス電位」における任意の種類の正又は負の変化は、あらゆる種類の疾病及び老化プロセスを含む悪影響の始まりを規定するものであるため、この現象の発見は、極めて重要となる。
【0034】
こうした変化は、更に、消化管を介した同化の効力の致命的劣化及び、最終的には、完全な喪失をもたらす。
【0035】
これにより、上述したような複合体の製法において系を安定させる「レドックス分子」により確保される機能を有する抗酸化物質を含有する系を、革新的製品の開発により提供可能であることが如何に重要であるかが明らかとなる。
【0036】
この安定化効果は、インビトロにおいても検出可能である。
【0037】
生体細胞内の「レドックス状態」が極めて重要であることは、オットー・ヴァールブルク氏がノーベル賞を獲得した、癌に感染した細胞において検出可能な嫌気性----即ち、還元----プロセスを立証する発見により正当性が証明される。
【0038】
製品を製造する過程において、我々は、ヨウ化メチルメチオニンをパラアミノ安息香酸及びカルボキシルウラシルと共に含み、ポリエトキシヒマシ油及びジメチルスルホキシド
を添加することにより水溶性となり、それ自体が減少又は停止した食物の同化を回復させることが可能な製品をもたらす分子を作成した。
【0039】
本発明の製品の製造プロセスは、四ステップから成る。
【0040】
・脂溶性原料を水溶性にするエマルジョン系の製造プロセス----希釈物の混合----ここでは、カルボキシルウラシル6.5〜31mgをジメチルスルホキシド15〜43mgと併せて、65℃
の温度まで加熱したChremophor(登録商標) EL (BASF) 0〜350mgに混合した。七分間の混
合の後、冷ました材料は、均質となり、パッキング可能な状態となる。
【0041】
・塩化メチルメチオニンスルホニウム及びヨウ化カリウムを使用した「レドックス複合体」の製造プロセス----粉末の混合----ここでは、塩化メチルメチオニンスルホニウム30〜105mgをゆっくりと完全にヨウ化カリウム0.20〜3.15mgと15分間に渡って混合する。
【0042】
・先に製造した「レドックス複合体」とパラアミノ安息香酸11〜56mgとの混合----粉末の混合。
【0043】
・液体と粉末とを別々にカプセルにパッケージングするが、我々の革新的製品では、複合体を水溶性の単相形態にすることが可能である。
【0044】
我々の革新的製品の多用途性により、例えば、輸液チューブによる供給が一時的に必要な時等、特定の場合において、水溶性形態のものに、次のような一日投与量のビタミン、重要なアミノ酸、不飽和脂肪酸、多量元素、及び微量元素が添加可能となる:
乳酸カルシウム110〜180mg、ビタミンC75〜110mg、グルタミン酸60〜100mg、L-アスパ
ラギン酸30〜45mg、L-アルギニン28〜35mg、L-オルニチン27〜33mg、L-システイン15〜30mg、L-カルニチン3.6〜21.5mg、ビタミンB1 35〜50mg、ビタミンB2 38〜45mg、ビタミンB6 28〜60mg、ナイアシンアミド38〜80mg、Ca d-パントテン酸塩15〜40mg、m-イノシトー
ル13〜45mg、葉酸5〜20mg、ルチン6〜18mg、d-ビオチン0.15〜0.40、亜セレン酸ナトリウム0.15〜0.24mg、モリブデン酸ナトリウム0.21〜0.65mg、乳酸第二鉄21〜62mg、塩化コバルト0.03〜0.1mg、塩化亜鉛25.4〜42.0mg、塩化マンガン10〜30mg、オメガ3油20〜80mg、ビタミンEアセテート11〜20mg、β-カロチン4〜21.2mg、大豆レシチン70〜210mg、ビタミンAパルミテート900〜3600IU、ビタミンD3 150〜240IU。
【0045】
革新的手法の別の利点は、この場合、上述した原料の混合/希釈に特定の順序が存在し
ないことである。
【0046】
以下の排他的ではない実施例により、革新的手法を説明するが、特許の保護範囲に対する限定的な影響を有しないことに留意されたい。
【実施例1】
【0047】
この目的から、革新的製品の1000日分投与量を次の方法により製造した (一日投与量は、部分的又は完全に食物を同化不能な消化系を回復するために70kgの慢性患者に対して十分とされた量である) 。
【0048】
カルボキシルウラシル20gr及びジメチルスルホキシド18grをChremophor(登録商標) EL 210grに七分間混合し、混合ボウルにおいて絶えず攪拌した。
【0049】
塩化メチルメチオニンスルホニウム102gr及びヨウ化カリウム0.30grを、実験室用ホモ
ジナイザにおいて15分間攪拌することで混合し、この物質にパラアミノ安息香酸15grを添加して、再度均質化した。
【0050】
-液体及び粉末を共に等分した。
-半量の一方、即ち500回分投与量を、志願した慢性患者用のカプセルに一回分ずつパッキングした。
-半量の他方を水で希釈し、必要な場合に、水による希釈中の物質の反応を評価するた
めに混合した。
【0051】
製造した製品のエマルジョン系及び粉末部分では、別個に或いは一緒に水で希釈した後、非常に薄い希釈であっても、共に沈殿は生じなかった。
【実施例2】
【0052】
一部の慢性患者には、革新的製品の投与量をカプセルにより投与した (男性四人及び女性三人、男性の一人は外科手術により小腸を6cm切除されていた) 。
【0053】
全ての患者に、液体及び粉末カプセルを毎日一回ずつ処方した。
【0054】
五日後、七人全員の患者が食欲の改善を報告し、二週間後、全員の体重が1.5〜2.3kg増加した。
【0055】
興味深いことに、外科手術を受けた患者が最も大きな体重の増加を示した。
【0056】
この実施例は、革新的手法により製造された製品自体が、停止又は減少した人間の食物の同化を回復可能であることを証明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品であって、ヨウ化メチルメチオニンスルホニウムと、カルボキシルウラシルと、パラアミノ安息香酸と、ジメチルスルホキシドと、ポリエトキシヒマシ油とを含有する、製品。
【請求項2】
人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品であって、前記ヨウ化メチルメチオニンスルホニウムは、ヨウ化カリウムと、塩化メチルメチオニンスルホニウムとにより、別個の手順において作成される、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品であって、塩化メチルメチオニンスルホニウム30〜105重量単位、ヨウ化カリウム0.20〜3.15重量単位、パラアミノ安息香酸11〜56
重量単位、カルボキシルウラシル5.5〜31重量単位、ジメチルスルホキシド15〜43重量単
位、及びポリエトキシヒマシ油70〜350重量単位、或いは前記重量単位の倍数により作成
される、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品であって、腸内の減少又は停止した食物同化能力を回復する製品の製造に使用される、請求項1に記載の製品。
【請求項5】
人間用の高度な同化効力を備えた複合体製品であって、特定の場合、以下と混合可能である、請求項1に記載の製品:
乳酸カルシウム110〜180mg、ビタミンC75〜110mg、グルタミン酸60〜100mg、L-アスパ
ラギン酸30〜45mg、L-アルギニン28〜35mg、L-オルニチン27〜33mg、L-システイン15〜30mg、L-カルニチン3.6〜21.5mg、ビタミンB1 35〜50mg、ビタミンB2 38〜45mg、ビタミンB6 28〜60mg、ナイアシンアミド38〜80mg、Ca d-パントテン酸塩15〜40mg、m-イノシトー
ル13〜45mg、葉酸5〜20mg、ルチン6〜18mg、d-ビオチン0.15〜0.40、亜セレン酸ナトリウム0.15〜0.24mg、モリブデン酸ナトリウム0.21〜0.65mg、乳酸第二鉄21〜62mg、塩化コバルト0.03〜0.1mg、塩化亜鉛25.4〜42.0mg、塩化マンガン10〜30mg、オメガ3油20〜80mg、ビタミンEアセテート11〜20mg、β-カロチン4〜21.2mg、大豆レシチン70〜210mg、ビタミンAパルミテート900〜3600IU、ビタミンD3 150〜240IU。

【公表番号】特表2010−540510(P2010−540510A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526377(P2010−526377)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/HU2007/000088
【国際公開番号】WO2009/040590
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(510084769)
【氏名又は名称原語表記】FICSUR,Tibor
【Fターム(参考)】