説明

他の薬剤と組合せた(R,R)−ホルモテロール

本発明は、立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロールを、ロイコトリエン阻害剤及びニューロキニン受容体アンタゴニスト等の他の薬剤と併用して、様々な肺疾患又は肺障害を治療する、予防する、及び管理する方法に関する。(R,R)-ホルモテロール及び他の薬剤を含む医薬組成物も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、いずれも参照によりその全体を本明細書に組み入れる、米国仮出願第60/559,015号(出願日2004年4月5日)及び第60/565,837(出願日2004年4月28日)に対する優先権を主張する。
【0002】
1.発明の分野
この発明は他の薬剤と組合せた立体異性体的に(stereomerically)純粋な(R,R)ホルモテロールの、様々な肺疾患及び肺障害を治療し、予防し及び管理するための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
2.発明の背景
ホルモテロールはβ2-アゴニストであり、これは2-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-[[2-(4-メトキシフェニル)-1-メチルエチル]-アミノ]エチル]ホルムアニリドという化学名を有し、以下の構造を有する:
【化1】

【0004】
ホルモテロール(formoterol)は4種類の立体異性体を有し、その混合物は商品名Foradil(登録商標)(Novartis)で市販され、これは合衆国で喘息の症状の予防に役立つことが示されている。あいにく、ホルモテロールの使用は、悪寒、風邪若しくはインフルエンザに似た症状、咳若しくは嗄声、発熱、くしゃみ、咽頭炎、体の痛み若しくは疼痛、胸部痛、充血、呼吸困難、頭痛、外傷、痙攣、尿量減少、及び不整脈等の、様々な副作用に関連する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
3.発明の概要
本発明は、肺疾患又は肺障害を治療し、予防し及び管理する方法であって、該治療、予防又は管理を必要とする患者に、治療上又は予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグと、治療上又は予防上有効量の第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグとを投与することを含む、上記方法を包含する。
【0006】
本発明はまた、立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、及び第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを含む医薬組成物を包含する。
【0007】
一実施形態では、第2薬剤はロイコトリエン阻害剤である。
【0008】
一実施形態では、ロイコトリエン阻害剤は5-リポキシゲナーゼ阻害剤である。
【0009】
別の実施形態では、ロイコトリエン阻害剤は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストである。
【0010】
別の実施形態では、ロイコトリエン阻害剤はロイコトリエン受容体アンタゴニストである。
【0011】
別の実施形態では、第2薬剤はニューロキニン受容体アンタゴニストである。
【0012】
一実施形態では、本発明はさらに、ホルモテロールのラセミ体又は他の立体異性体の投与に関連する副作用を回避又は低減しながら、肺疾患又は肺障害を治療し、予防し及び管理する方法であって、該治療、予防又は管理の必要な患者に、治療上又は予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグと、治療上又は予防上有効量の第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグとを投与することを含む、上記方法を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
4.発明の詳細な説明
本発明は、一部には、肺疾患又は肺障害の治療、予防又は管理のために、立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロールを、ロイコトリエン阻害剤及びニューロキニン受容体アンタゴニスト等の他の薬剤と組合せることができるという考えに基づいている。理論によって制限されることなく、この組合せは、肺疾患及び肺障害を治療する従来の方法と比較して、より有効であり、より少ない副作用を有し、及び/又は全体的に改善された治療指数を与えると考えられる。
【0014】
本明細書で使用される「製薬上許容し得る塩」という用語は、無機酸及び有機酸を含む、製薬上許容し得る非毒性の酸から製造される塩を指す。適当な非毒性の酸は、これに限定されるものではないが、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルコレン(glucorenic)酸、ガラクツロン酸、グリシド酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、プロピオン酸、リン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp-トルエンスルホン酸等の無機酸並びに有機酸を含む。塩酸、臭化水素酸、燐酸および硫酸が特に好ましく、塩酸塩が最も好ましい。
【0015】
「溶媒和物」という用語は、非共有分子間力によって結合した、化学量論的又は非化学量論的量の溶媒をさらに含む、本発明の化合物又はその塩を指す。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物である。
【0016】
他に特定されない限り、本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、加水分解し、酸化し、又は生物学的条件下(in vitro又はin vivo)で反応して化合物を生じることができる、化合物の誘導体を指す。プロドラッグの例には、これに限定されるものではないが、生物加水分解可能なアミド、生物加水分解可能なエステル、生物加水分解可能なカルバメート、生物加水分解可能なカルボナート、生物加水分解可能なウレイド及び生物加水分解可能なホスフェートアナログ等の、生物加水分解可能な部分を含む化合物が含まれる。プロドラッグの他の例は-NO、-NO2、-ONO又は-ON02部分を含む化合物を含む。
【0017】
他に特定されない限り、本明細書で使用される「生物加水分解可能なカルバメート」、「生物加水分解可能なカルボナート」、「生物加水分解可能なウレイド」及び「生物加水分解可能なホスフェート」という用語は、1)化合物の生物学的活性に干渉しないが、その化合物のin vivoでの有利な性質(生体吸収、作用の持続時間又は作用の開始等)を付与することができる、又は2)生物学的に不活性であるがin vivoで生物学的に活性な化合物に変換される、いずれかの化合物のカルバメート、カルボネート、ウレイド及びホスフェートを意味する。生物加水分解可能なカルバメートの例には、これに限定されるものではないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環アミン及びヘテロ芳香族アミン、並びにポリエーテルアミンが含まれる。
【0018】
4.1 治療、予防及び管理の方法
本発明は、肺疾患又は肺障害を治療し、予防し及び管理する方法であって、該治療、予防又は管理を要する患者に、治療上又は予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグと、治療上又は予防上有効量の第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグとを投与することを含む、上記方法を包含する。
【0019】
この方法はまた、ホルモテロールのラセミ体又は他の立体異性体の投与に関連する副作用を回避又は低減しながら、肺疾患又は肺障害を治療し、予防し及び管理する方法であって、該治療、予防又は管理を要する患者に、治療上又は予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグと、治療上又は予防上有効量の第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグとを投与することを含む、上記方法を包含する。副作用の例には、これに限定されるものではないが、悪寒、風邪若しくはインフルエンザに似た症状、咳若しくは嗄声、発熱、くしゃみ、咽頭炎、体の痛み若しくは疼痛、胸部痛、充血、呼吸困難、頭痛、外傷、痙攣、尿量減少、及び不整脈が含まれる。
【0020】
特に断らない限り、本明細書で使用される「立体異性体的に純粋な(stereomerically pure)」は、化合物の1種の立体異性体を含み、かつ実質的にその化合物の他の立体異性体を含まない組成を指す。例えば、1つの立体中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成は、この化合物の反対の立体異性体を実質的に含まないだろう。2つの立体中心を有する化合物の立体異性体的に純粋な組成は、この化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないだろう。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の一方の立体異性体を約80重量%以上で含みかつその化合物の他方の立体異性体を約20重量%未満で含み、より好ましくはその化合物の一方の立体異性体を約90重量%以上で含みかつその化合物の他方の立体異性体を約10重量%未満で含み、より一層好ましくはその化合物の一方の立体異性体を約95重量%以上で含みかつその化合物の他方の立体異性体を約5重量%未満で含み、より好ましくはその化合物の一方の立体異性体を約97重量%以上で含みかつその化合物の他方の異性体を約3重量%未満で含み、より一層好ましくはその化合物の一方の立体異性体を約99重量%以上で含みかつその化合物の他方の立体異性体を約1重量%未満で含む。
【0021】
本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療する(treating)」及び「治療」という用語は、患者が特定の疾患又は障害に罹患している間になされ、疾患若しくは障害の重篤度を低減するか又は疾患若しくは障害の進行を遅滞若しくは遅延させる処置を意図する。
【0022】
特に断らない限り、本明細書で使用される「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」及び「予防」という用語は、患者が特定の疾患又は障害に罹患し始める前になされ、疾患又は障害の重篤度を阻害又は低減する処置を意図する。この関連で、「予防」という用語は、本発明の化合物又は組成物の予防的投与を包含する。
【0023】
特に断らない限り、本明細書で使用される「管理する(manage)」、「管理する(managing)」及び管理という用語は、特定の疾患若しくは障害に既に罹患したことのある患者の該疾患若しくは障害の再発を防止すること、及び/又は該疾患若しくは障害に罹患したことのある患者が寛解を維持する時間を長くすることを包含する。この用語は疾患若しくは障害の閾値、発症及び/若しくは持続時間を調節すること、又は患者が疾患若しくは障害に応答する仕方を変更することを包含する。
【0024】
他に特定されない限り、本明細書で使用される化合物の「治療上有効量」は、疾患若しくは病状の治療若しくは管理に治療的利益を提供するか、又は疾患若しくは病状に関連する1以上の症状を遅延させるか若しくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療上有効量は、単独での、又は疾患若しくは病状の治療若しくは管理に治療的利益を提供する他の治療と併用した、治療剤の量を意味する。「治療上有効量」という用語は、全体的治療を改善する量、疾患若しくは病状の症状若しくは原因を低減若しくは回避する量、又は他の治療剤の治療効果を増強する量を包含し得る。
【0025】
他に特定されない限り、本明細書で使用される化合物の「予防上有効量」は、疾患若しくは病状又は該疾患若しくは病状と関連する1以上の症状を予防するのに十分な量、あるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効量は、単独での、又は疾患の予防に予防的利益を提供する他の薬剤と併用した、治療剤の量を意味する。「予防上有効量」という用語は、全体的予防を改善する量又は他の予防剤の予防効果を増強する量を包含し得る。
【0026】
一実施形態では、第2薬剤はロイコトリエン阻害剤である。
【0027】
本発明の方法と組合せて使用することができるロイコトリエン阻害剤の例は、これに限定されるものではないが、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニスト及びロイコトリエン受容体アンタゴニストを含む。
【0028】
一実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用されるロイコトリエン阻害剤は5-リポキシゲナーゼ阻害剤である。5-リポキシゲナーゼ阻害剤の例は、これに限定されるものではないが、ジロイトン(zileuton)、ドセベノン(docebenone)、ピリポスト(piripost)又はICI-D2318を含む。
【0029】
別の実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用されるロイコトリエン阻害剤は、5-リポキシゲナーゼ活性タンパク質アンタゴニストである。5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストの例は、これに限定されるものではないが、MK-591及びMK-886を含む。
【0030】
別の実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用されるロイコトリエン阻害剤はロイコトリエン受容体アンタゴニストである。ロイコトリエン受容体アンタゴニストの例は、これに限定されるものではないが、ザフィルルカスト(zafirlukast)、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト(pranlukast)、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エチニル)フェニル-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム、1-(((R)-(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸、及び(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンを含む。
【0031】
一実施形態では、ロイコトリエン受容体アンタゴニストはモンテルカストである。別の実施形態では、ロイコトリエン受容体アンタゴニストはモンテルカストナトリウムである。
【0032】
別の実施形態では、ロイコトリエン受容体アンタゴニストは、(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンである。
【0033】
別の実施形態では、第2薬剤はニューロキニン受容体アンタゴニストである。ニューロキニン受容体アンタゴニストの例は、これに限定されるものではないが、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタム、Cam-2445、FK224、L-754,030、L-733,060、Rl16301、SR48968、SR140333、SR142801及びZD-6021を含む(Chanら, J. Pharm. Sci., 85(3):251-7(1996); Kraneveldら, Am. J. Respir. Crit. Care Med.,156(2): 367-74(1997); Navariら, New Eng. J. Med.,340: 190-5 (1999); Grantら, J. Physiol.,543: 1007-14(2002); Mazzoneら, Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol., 283(1): R86-R98(2002); Yuら, Annals of New York Academy of Sciences, 965: 247-53(2002); Challetら, Neuropharmacology, 40: 408-415; de Vriesら,Am. J. Respir. Crit. Care Med., 159: 1541-4(1999);及びHamlinら, Biology of Reproduction, 62: 1661-6(2002))。特定の実施形態では、ニューロキニン受容体アンタゴニストは、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタムである。
【0034】
本発明の方法を用いて様々な肺疾患又は肺障害を治療し、予防し及び/又は管理することができる。肺疾患又は肺障害の例は、これに限定されるものではないが、呼吸不全;成人呼吸困難症候群;非限定的に喘息、慢性閉塞性肺疾患及び巨大水疱等の慢性閉塞性気道疾患;急性気管支炎;慢性気管支炎;気腫; 可逆性閉塞性気道疾患;夜間喘息;運動誘発性気管支痙攣;喘息の長期管理治療; 可逆性閉塞性気道疾患に罹患した患者(他の短時間作用性吸入β2-アンタゴニストによる治療を要する、喘息の症状を有する患者を含む)の気管支痙攣の予防;慢性気管支炎及び気腫を含む、慢性閉塞性肺疾患に関連する気管支収縮の長期管理;場合により随時使用される、運動誘発性気管支痙攣の緊急予防;気管支拡張症;無気肺;肺塞栓;肺炎;肺膿瘍;非限定的に過敏症肺炎、好酸球性肺炎及びアレルギー性気管支肺アスペルギルス症等の肺過敏症;並びにグッドパスチャー症候群を含む。
【0035】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ、及び第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物、水和物、クラスレート(clathrate)若しくはプロドラッグは、逐次的に又は同時に投与することができる。
【0036】
一実施形態では、立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロールは、使用される総ホルモテロールを、少なくとも約80重量%、90重量%、95重量%、97重量%又は99重量%で含む。立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロールが、1日当たり約0.001mg〜約50mg、1日当たり約0.002mg〜約10mg、又は1日当たり0.003mg〜約1mgの量で投与されることが好ましい。
【0037】
第2薬剤の適当な一日投与量範囲は、当業者が容易に決定することができる。例えばPhysician's Desk Reference(2001)を参照されたい。例えば、5-リポキシゲナーゼ阻害剤は、1日当たり約20mg〜約2500mg、又は1日当たり約20mg〜約800mgの一日用量範囲で投与することができる。ロイコトリエン受容体アンタゴニストに関して、一日用量は、一日当たり約0.001mg〜約100mg、約0.002mg〜約50mg、約0.005mg〜約10mg、約0.01mg〜約10mg、約0.1mg〜約5mg、又は約0.05〜約1mgの範囲であり得る。ロイコトリエン阻害剤の個別の量は、当業者が十分に認識するように、個別の薬剤に左右されよう。同様に、ニューロキニン受容体アンタゴニストの適当な一日投与量範囲は、当業者が容易に決定することができる。典型的に、ニューロキニン受容体アンタゴニストは、1日当たり、約0.001mg〜約1000mg、約0.005mg〜約500mg、約0.01mg〜約300mg、約0.1mg〜約200mg、約0.1mg〜約100mg、約0.1mg〜約50mg、約1mg〜約100mg、約5mg〜約50mg、約1mg〜約10mg、約1mg〜約20mg、約5mg〜約20mg又は約0.1mg〜約5mgの量で投与し得る。
【0038】
本発明の医薬組成物の投与の用量レベル及び頻度の選択は、投与経路、投与時間、治療剤の分泌速度、治療の持続時間、患者に使用される他の薬剤、化合物及び/若しくは材料、年齢、性別、体重、病状、治療する予定の患者の健康状態及び以前の病歴、並びに医療分野で周知の要素等を含む、様々な要素に左右されよう。例えば、用量は、健康な成人と比較して、妊娠女性、乳母及び幼児で変化する傾向がある。当該技術分野で一般的な技術を有する医師は、要求される医薬組成物の治療上の有効量を容易に決定及び規定することができる。
【0039】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロールは、当該技術分野で公知の、適当な任意の方法を用いて合成することができる。例えば、(R,R)-ホルモテロールは、キラルカラム又はキラル分割剤等の、標準的な技術を用いて非対称的に合成又は分割し得る。例えば、その全てを参照により本明細書に組み入れる、Jacques, J.ら, Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley-Interscience, New York, 1981); Wilen, S. H.ら, Tetrahedron 33: 2725 (1977); Eliel, E. L., Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);及びWilen, S. H., Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions, p.268 (E. L. Eliel, 編., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN, 1972)を参照されたい。
【0040】
4.2 医薬組成物
本発明は、立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ;第2薬剤又はその製薬上許容し得る塩、溶媒和物若しくはプロドラッグ;及び製薬上許容し得る担体又は賦形剤を含む、医薬組成物を包含する。
【0041】
一実施形態では、第2薬剤はロイコトリエン阻害剤である。
【0042】
一実施形態では、ロイコトリエン阻害剤は5-リポキシゲナーゼ阻害剤である。
【0043】
別の実施形態では、ロイコトリエン阻害剤は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストである。
【0044】
別の実施形態では、ロイコトリエン阻害剤はロイコトリエン受容体アンタゴニストである。
【0045】
別の実施形態では、第2薬剤はニューロキニン受容体アンタゴニストである。
【0046】
特定の医薬組成物は、患者への経口投与、粘膜投与(例えば、鼻腔、舌下、膣内、口腔又は直腸)、非経口投与(例えば皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内又は動脈内)又は経皮投与に適当な単回投与剤形である。剤形の例には、これに限定されるものではないが、錠剤;カプレット;軟質弾性カプセル又は硬質ゼラチンカプセル等のカプセル剤;カシェ剤; トローチ剤;ロゼンジ;ディスパーション;座薬;軟膏;パップ剤(シップ) ;糊剤;粉末剤;UDV噴霧化液;包帯剤;クリーム剤;硬膏剤;液剤;貼付剤;エアゾル剤(例えば、鼻内噴霧又は吸入);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁液、水中油型乳剤又は油中水型乳剤)、溶剤及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は粘膜投与に適当な液体剤形;患者への非経口投与に適当な液体剤形;並びに再構成して患者への非経口投与に適当な液体剤形を生じることができる滅菌固体(例えば結晶性又は無定形固体)が含まれる。
【0047】
一実施形態では、剤形はUDV噴霧化液である。この溶液は水であってもよく、そしてこの溶液は安定化剤をさらに含んでもよい。例えば、参照によりその全体を組み入れる米国特許第6,667,344号を参照されたい。
【0048】
製剤は投与様式に適するべきである。例えば、経口投与は、本発明の化合物を胃腸管内での分解から保護するために腸溶コーティングを必要とするかもしれない。別の例では、本発明の化合物は、分解酵素から化合物を保護し、循環系における輸送を促進し、かつ細胞膜から細胞内部位への送達をもたらすために、リポソーム製剤で投与し得る。
【0049】
本発明の剤形の組成、形状及びタイプは、典型的にはその用途に応じて変化するだろう。例えば、疾患の緊急治療に使用される剤形は、該剤形に含まれる1以上の活性成分を、この疾患の長期間治療に使用される剤形よりも多い量で含み得る。同様に、非経口剤形は、該剤形に含まれる1以上の活性成分を、この疾患を治療するために用いられる経口剤形よりも少ない量で含み得る。本発明に包含される特定の剤形が互いに異なるこれらの及び他の様式は、当業者に容易に明らかであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第18版, Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照されたい。
【0050】
本発明の医薬組成物の投与の用量レベル及び頻度の選択は、投与経路、投与時間、治療剤の分泌速度、治療の持続時間、患者に使用される他の薬剤、化合物及び/若しくは材料、年齢、性別、体重、病状、治療する予定の患者の健康状態及び以前の病歴、並びに医療分野で周知の要素等を含む、様々な要素に左右されよう。例えば、用量は、健康な成人と比較して、妊娠女性、乳母及び幼児で変化する傾向がある。当該技術分野で一般的な技術を有する医師は、要求される医薬組成物の治療上有効量を容易に決定及び規定することができる。
【0051】
本発明の医薬組成物は、製薬上許容し得る担体をさらに含み得る。「製薬上許容し得る担体」という用語は、1以上の製薬上許容し得る賦形剤を意味する。賦形剤の例は当該技術分野で周知であり、その全体を参照により本明細書に組み入れるUSP(XXI)/(XVI)に列挙され、非限定的に結合剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、超崩壊剤(super disintegrant)、滑沢剤、界面活性剤、付着防止剤及び安定化剤等を含む。「添加剤」という用語は、本明細書で使用される「賦形剤」という用語と同義語である。
【0052】
「製薬上許容し得る」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なく、ヒト及び動物の組織及び体液への投与並びに該組織及び体液と接触する用途に適当であり、合理的な医学的に健全な利益/リスクの比率と釣り合う、化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0053】
さらに、「製薬上許容し得る」賦形剤という用語は、所与の剤形の活性成分と任意の賦形剤成分との間に不適切な化学的又は物理的不適合性が存在しないことを意味すべく用いられる。例えば、不適切な化学的反応は、(R,R)-ホルモテロール又はロイコトリエン阻害剤の力価が、1以上の賦形剤の添加に起因して不利益的に低減又は増加するものである。不適切な化学反応の別の例は、剤形の味が、剤形が口に合わなくなる程度まで、過度に甘くなるか又はすっぱくなる等の場合である。各賦形剤は、この製剤の他の成分と適合するという意味で「許容し得る」ものであり、かつ患者に有害でないものとする。
【0054】
物理的な不適合性は、剤形の様々な成分とその任意の賦形剤との間の不適合性を指す。例えば、賦形剤と活性成分との組合せにより、剤形の所望の形状(例えば、錠剤、トローチ剤等)又はその安定性等を、所望の処方用量に従って剤形を投与できるのに十分に維持できない程度で、過度に吸湿性の混合物又は過度に分離した混合物を形成するかもしれない。
【0055】
本発明に従って作製される医薬組成物又は剤形に使用される全ての賦形剤が、USP/NF中の医薬成分及びその組合せに関する基準に合致するか又はこれを上回ることが好ましい。USP/NFの目的は、療法の実施に使用される材料及び物質並びにその製剤について、当局の基準及び規格を提供することである。USP/NFは、表題、定義、説明、並びに同一性、質、強度、純度、パッケージング及びラベルに関する基準を設定し、また、使用できる場合は、生物学的利用能、安定性、適当な取り扱い及び保管に関する手順、並びにその製造又は調製のための試験方法及び製法も提供する。
【0056】
医薬品の安定性は、特定の容器中で、特定の製剤の、その物理的、化学的、微生物学的、治療上の及び毒物学的規格の範囲内を維持する能力、及び例外はあるが、表示の効力レベルの少なくとも約90%を維持する能力として定義し得る。したがって、例えば使用期限日は、医薬品が推奨される条件下で保存される際に安定のままである時間として定義される。
【0057】
多くの要素が、医薬品の安定性(治療成分の安定性を含む)及び治療成分と不活性成分との間の潜在的な相互作用等に影響する。熱、光及び湿気等の物理的要素も化学反応を開始又は促進し得る。
【0058】
4.2.1 経口剤形
経口投与に適当な本発明の医薬組成物は、別個の剤形(これに限定されるものではないが、錠剤(例えばチュアブル錠)、カプレット、カプセル剤及び液体(例えば、フレーバーシロップ)等)として提供することができる。かかる剤形は所定量の活性成分を含み、当業者に周知の調剤法によって製剤化し得る。一般的にRemington's Pharmaceutical Sciences,第18版., Mack Publishing, Easton PA(1990)を参照されたい。
【0059】
本発明の典型的な経口剤形は、よく混ぜた混合物中で従来の医薬配合技術に従って活性成分を少なくとも1つの賦形剤と組み合せることによって調製される。賦形剤は投与に所望の製剤の形態に応じて広範な形態を採ることができる。
【0060】
その投与が容易であることから、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口投与単位剤形であり、この場合は固体賦形剤が使用される。所望であれば、錠剤は標準的な水性又は非水性技術によってコートし得る。かかる剤形は任意の調剤法によって調製することができる。一般的に、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微粉化した固体担体又はその両者と均一かつ十分よく(intimately)混合し、その後、必要に応じてその生成物を所望の形状(presentation)に成形することによって調製される。
【0061】
本発明による医薬組成物又は剤形の大規模な生産は、治療薬剤の成分に加えて、賦形剤又は添加剤(これに限定されるものではないが、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、甘味剤等又はこれらの混合物を含む)を必要とし得る。これらの及び他の添加剤の組込みにより、多様な剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット及びトローチ剤等)を作製し得る。これらには、例えば、作用を遅延させるための硬質ゼラチンカプセル、カプレット、糖衣錠、腸溶性錠剤、多重圧縮錠剤(multiple compressed tablet)、作用持続性錠剤、溶液用錠剤、発泡錠、口腔錠及び舌下錠及びトローチ剤等が含まれる。
【0062】
したがって、トローチ剤、錠剤又はカプセル剤等の、本発明の医薬組成物の単位用量剤形又は単位投与製剤は、所望量の各活性成分を、1以上の製薬上適合し得る又は許容し得る賦形剤と、下記に記載されるように、製薬上適合し得る量で組合せて、所望量の各活性成分の単位用量投与製剤を生じさせることによって形成し得る。この用量剤形又は投与製剤は当該技術分野で周知の方法で生じ得る。
【0063】
錠剤は、患者(例えば、用量の正確性、コンパクト性、携帯性、味の口当たりの良さ並びに投与の簡便さ)及び製造者(例えば、調製の簡潔さ及び経済性、安定性並びにパッケージング、輸送及び調剤における利便性)の両者にもたらされる利点のために、多くの場合で好適な剤形である。錠剤は、適当な添加剤を含むか又は含まない、治療薬物質を含む固体医薬剤形である。
【0064】
錠剤は典型的には、成形法により、圧縮法により又は一般的に許容される錠剤成形法により作製される。したがって、圧縮錠剤は通常は大規模な生産方法によって調製されるが、成形錠剤はしばしば小規模な操作を含む。例えば3種の一般的な錠剤製造法が存在する:(1)湿式造粒法;(2)乾式造粒法;及び(3)直接圧縮。これらの方法は当業者に周知である。Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16及び第18版., Mack Publishing Co., Easton, Pa.(1980及び1990)、さらにU.S. Phamacopeia XXI, U.S. Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, Md.(1985)を参照されたい。
【0065】
様々な錠剤製剤を本発明に従って作製し得る。これらは、糖衣錠、フィルムコート錠、腸溶性錠剤、多重圧縮錠剤、及び作用持続性錠剤等の錠剤剤形を含む。糖衣錠(SCT)は糖衣を含む圧縮錠剤である。かかるコーティングは着色してもよく、これは好ましくない味又は臭気を有する薬剤物質を隠蔽すること、及び酸化に敏感な材料を保護することに役立つ。フィルムコート錠(FCT)は、水溶性材料の薄層又はフィルムで覆われている圧縮錠剤である。フィルム形成能を有する多くのポリマー物質を使用し得る。フィルムコートは、コーティング操作に必要な時間を大幅に低減する追加の利点を有する糖衣と同一の一般的特徴を与える。腸溶性錠剤も本発明における使用に適当である。腸溶性錠剤(ECT)は、胃液中での分解には耐性であるが腸で分解する物質でコートされた圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、胃で不活性化又は破壊される薬剤物質を含む錠剤に、粘膜を刺激する錠剤に、又は薬物投与の持続放出の手段として、使用することができる。
【0066】
多重圧縮錠剤(MCT)は、2回以上の圧縮サイクルによって作製される圧縮錠剤である(層状錠剤又は圧縮被覆錠剤等)。層状錠剤は、既に圧縮された顆粒へさらに錠剤顆粒を圧縮することによって調製される。この操作を繰り返して、2又は3以上の層の多層錠剤を作製し得る。典型的に、特別な錠剤圧縮機が層状錠剤の作製に必要である。例えば、参照によりその全体を本明細書に組み入れる米国特許第5,213,738号を参照されたい。
【0067】
圧縮被覆錠剤は別形態の多重圧縮錠剤である。乾式被覆錠剤とも称される該錠剤は、予め圧縮した錠剤を錠剤成形機に供給し、予め成形された錠剤の周りに別の顆粒層を圧縮することによって調製される。これらの錠剤は、圧縮錠剤の全ての利点(すなわち、スロッティング、モノグラミング、分解速度等)を有する一方で、コア錠剤中の薬剤物質の味を隠蔽する際に糖衣錠の性状を維持する。圧縮被覆錠剤は不適合な薬剤物質を分離するために使用することもできる。さらに、これらは腸溶コーティングをコア錠剤に与えるために使用することができる。いずれのタイプの錠剤(すなわち、層状錠剤及び圧縮被覆錠剤)も、例えば本発明の作用持続性剤形の設計に使用し得る。
【0068】
作用持続性剤形の形態における本発明の医薬組成物又は単位剤形は、ある期間にわたって薬剤投与を与える様式で薬剤物質を放出するために製剤化された圧縮錠剤を含み得る。薬剤物質の放出が投与後ある期間の間又は特定の生理的条件が存在するまで妨げられる遅延作用錠剤を含む、多くの錠剤タイプが存在する。薬剤物質の完全用量を胃腸液へ定期的に放出する反復作用性錠剤を作製してもよい。また、増加量の含有薬剤物質を胃腸液に継続的に放出する持続放出製剤を作製してもよい。
【0069】
本発明の医薬物質又は治療成分を、賦形剤と共に又は賦形剤を含ませずに、利用可能な設備を用いて、圧力により固体剤形(例えば錠剤)へ成形するために、結晶形態又は粉末形態の材料が多くの物理的特徴を有することが必要である。これらの特徴は、例えば自由に流動する(free-flowing)能力、圧縮時に凝集する粉末としての能力、及び工作機から容易に解離する能力を含み得る。大部分の材料はこれらの性質がないか又はわずかに有するのみであるため、これらの所望の特徴を、錠剤又はこれに類似する剤形へ圧縮されるべき材料に与えるために、錠剤の製剤化方法及び製造方法が開発されてきた。
【0070】
説明したように、薬剤又は治療成分に加えて、錠剤又はこれに類似する剤形は、賦形剤又は添加剤と称する多くの材料を含んでもよい。これらの添加剤は、錠剤、カプレット、カプセル剤、トローチ剤等の剤形の製剤化において果たす役割に従って分類される。ある添加剤の群は、これに限定されるものではないが、結合剤、希釈剤(増量剤)、崩壊剤、滑沢剤及び界面活性剤を含む。一実施形態では、希釈剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤は同一ではない。
【0071】
結合剤は、材料が錠剤機で使用される際に流動するように、錠剤成分のミックスから易流動性粉末(free-flowing powder)を与えるために使用される。結合剤はさらに錠剤に凝集性を与える。結合剤が少なすぎると流動の問題が生じ、その完全性を維持しない錠剤をもたらすが、多すぎると錠剤からの薬剤又は活性成分の放出(溶解速度)に不利に影響し得る。したがって、錠剤からの薬剤成分の溶解速度に不利に影響することなく、錠剤成分の易流動ミックスを与えるのに十分な量の結合剤が錠剤に組み込まれるべきである。錠剤の用量が少ないほど、圧縮補助剤と呼ばれる適切な希釈賦形剤の使用によって、良好な圧縮性の必要性をある程度まで排除することができる。使用される結合剤の量は製剤のタイプ、投与の様式に応じて変化し、これは当業者に容易に識別可能である。
【0072】
本発明に従って作製される投与製剤と共に使用するのに適当な結合剤には、これに限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン若しくは他のデンプン、ゼラチン、天然ゴム及び合成ゴム(アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギナート、粉末トラガカントゴム、グアーゴム等)、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば番号2208、2906、2910)、微晶性セルロース又はその混合物が含まれる。微晶性セルロースの適当な形態には、例えばAVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103及びAVICEL-PH-105(FMC Corporation(American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, Pa., U.S.A.)から入手可能)として販売される材料が含まれ得る。
【0073】
増量剤又は希釈剤は、粉末(例えば錠剤又はカプセル中)に嵩を与えるために使用され、それによって許容し得るサイズの錠剤、カプセル剤又は他の所望の剤形が作製される。典型的には、治療成分が、これに希釈剤が組み込まれることによって、適当なサイズの便利な剤形に作製される。結合剤と同様に、薬剤の増量剤への結合が生じ、かつ生物利用能に影響し得る。したがって、増量剤を含む剤形からの薬剤成分の放出に不利益に影響することなく、所望の希釈比を達成するのに十分な量の増量剤が使用されるべきである。さらに、剤形の治療成分と物理的かつ化学的に適合し得る増量剤を用いるべきである。使用される増量剤の量は、製剤のタイプ及び投与の様式に応じて変化し、これは当業者に容易に識別可能である。増量剤の例には、これに限定されるものではないが、ラクトース、グルコース、スクロース、フルクトース、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒又は粉末)、微晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、プレゼラチン化デンプン又はその混合物が含まれる。
【0074】
崩壊剤は、水環境に曝露される際に崩壊する剤形(例えば錠剤)を生じさせるために使用される。崩壊剤が多すぎると大気中の湿気によってボトル中で崩壊し得る錠剤が生じるだろう。少なすぎると崩壊が生じるのに不十分であり得、そのため、剤形からの薬剤又は活性成分の放出の速度及び程度が変化するかもしれない。したがって、薬剤成分の放出を不利益に変化させない少な過ぎず多過ぎない十分な量の崩壊剤を使用して、本発明に従って作製される剤形を生じさせるべきである。使用される崩壊剤の量は製剤のタイプ及び投与様式に基づいて変化し、これは当業者に容易に識別可能である。崩壊剤の例には、これに限定されるものではないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、ナトリウムデンプングリコール酸、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、他のデンプン、プレゼラチン化デンプン、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ゴム又はその混合物が含まれる。
【0075】
被験者、例えば被験者の胃への投与時にかなり迅速に溶解する剤形が所望である場合、超崩壊剤(非限定的に、クロスカルメロースナトリウム又はナトリウムデンプングリコール酸等)を使用することができる。本明細書で使用される「超崩壊剤」という用語は、経口投与後に胃で薬剤又は活性成分の迅速な崩壊をもたらす崩壊剤を意味する。超崩壊剤の使用は、薬剤又は活性成分の迅速な吸収を促進することができ、これは作用のより迅速な開始をもたらし得る。
【0076】
製造機(例えば錠剤成形機)のパンチへの剤形成分の付着は回避する必要がある。例えば、薬剤がパンチ表面に蓄積する際に、これは錠剤表面にくぼみを生じさせ、その結果許容され得ないものとなる。また、このような薬剤又は賦形剤の粘着は、鋳型から錠剤を除去する際に不必要に高い突出力を要する。過剰な突出力は、高破損率に導き、鋳型の過剰な磨耗及び損傷は言うまでもなく、製造コストを増加するかもしれない。実際には、湿式マッシング(wet-massing)によって、又は滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)の使用によって、粘着を低減することが可能である。しかし、良好な付着防止性を有する薬剤塩の選択によってもこれらの問題を最小化することができる。
【0077】
説明したように、滑沢剤は、錠剤化粉末ミックスの錠剤機への流動を増強するために、及び錠剤が圧縮された後に鋳型中の錠剤の粘着を妨げるために使用される。滑沢剤が少な過ぎると、満足な錠剤の作製を可能とせず、多過ぎると水を通さない疎水性コーティング(滑沢剤は通常はステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸カルシウム等の疎水性材料であるため形成し得る)を有する錠剤を生じるかもしれない。さらに、水を通さない疎水性コーティングは、錠剤の崩壊及び薬剤成分の溶解を抑制することができる。したがって、薬剤成分の所望の崩壊及び/又は溶解に不利益に干渉する、水を通さない疎水性コーティングを形成することなく、鋳型から圧縮した錠剤を容易に解離させるのに十分な量の滑沢剤を使用すべきである。
【0078】
本発明で使用するための適当な滑沢剤の例は、これに限定されるものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリル酸エチル、寒天又はその混合物を含む。更なる滑沢剤には、例えばサイロイドシリカゲル(Baltimore MdのR. Grace Co.により製造されたAEROSIL 200)、合成シリカの凝固化エアロゾル(Plano, Tex.のDeaussa Co.により市販される)、CAB-O-SIL (Boston, Mass.のCabot Co.によって販売される発熱性二酸化ケイ素製品)又はその混合物が含まれる。
【0079】
界面活性剤は湿潤特性を改善するために及び/又は分解を増強するために剤形中で使用され、可溶性の乏しい若しくは不溶性の薬剤又は活性成分を含む医薬組成物又は剤形に特に有用である。界面活性剤の例は、これに限定されるものではないが、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(TWEEN(例えばTween 20及びTween 80)として市販されるもの等)、ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポロキサマー(poloxamers)等のポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)ブロック共重合体(例えばPLURONICとして市販される)、及びその後の酸化プロピレン及び酸化エチレンのエチレンジアミンへの付加により誘導される四官能性ブロック共重合体(ポリキサミン(例えばTETRONIC (BASF)として市販される)等)、デキストラン、レシチン、エアロゾルOT等のスルホコハク酸ナトリウムのジアルキルエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホン酸アルキルアリールポリエーテル又はアルキルアリールポリエーテルアルコール(TRITON X-200若しくはチロキサポール等)、p-イソノニルフェノキシポリ(グリシドール)(例えばOlin-lOG若しくはSurfactant 10-G(Olin Chemical))又はその混合物を含む。他の製薬上許容し得る界面活性剤は当該技術分野で周知であり、医薬品賦形剤の便覧に詳細に記載されている。
【0080】
本発明の医薬組成物又は剤形に使用するための別クラスの添加剤には、これに限定されるものではないが、アンチケーキング剤若しくは抗被着剤、抗菌性保存剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、着香剤及び香料、可塑剤、粘性増化剤、甘味剤、緩衝剤、及び湿潤剤等が含まれる。
【0081】
アンチケーキング剤の例には、これに限定されるものではないが、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、又はその混合物が含まれる。
【0082】
抗菌性保存剤の例には、これに限定されるものではないが、塩化ベンザルコニウム溶液、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、クレゾール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール(thimersol)、チモール又はその混合物が含まれる。
【0083】
本発明で使用するための着色剤の例には、これに限定されるものではないが、製薬上許容し得る染料及びレーキ、カラメル、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、又はその混合物が含まれる。乾燥剤の例には、これに限定されるものではないが、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、シリカゲル又はその混合物が含まれる。
【0084】
使用し得る着香剤には、これに限定されるものではないが、アカシア、トラガカンタ、アーモンド油、アネトール、アニス油、ベンズアルデヒド、カラウェー、カラウェー油、カルダモン油、カルダモン種子、化合物カルダモンチンキ剤、チェリージュース、シナモン、シナモン油、チョウジ油、ココア、コリアンダー油、エリオディクティオン(eriodictyon)、エリオディクティオン流エキス、酢酸エチル、エチルバニリン、ユーカリ油、ウイキュウ油、カンゾウ、純粋なカンゾウ抽出物、カンゾウ流エキス、ラベンダー油、レモン油、メントール、サリチル酸メチル、グルタミン酸一ナトリウム、ニクズク油、橙花油、橙花水、オレンジ油、橙皮チンキ剤、化合物オレンジスピリット、ペパーミント、ペパーミント油、ペパーミントスピリット、松葉油、バラ油、濃いバラ水、スペアミント、スペアミント油、チモール、トルーバルサムチンキ剤、バニラ、バニラチンキ剤、及びバニリン又はその混合物が含まれる。
【0085】
甘味剤の例には、これに限定されるものではないが、アスパルテーム、デキストレート、マンニトール、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ソルビトール、ソルビトール溶液又はその混合物が含まれる。
【0086】
本発明で使用するための例示的な可塑剤には、これに限定されるものではないが、ヒマシ油、ジアセチル化モノグリセリド、フタル酸ジエチル、グリセリン、モノアセチル化モノグリセリド及びジアセチル化モノグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びトリアセチン又はその混合物が含まれる。適当な粘性増化剤には、これに限定されるものではないが、アカシア、寒天、アラミックアシッド(alamic acid)、モノステアリン酸アルミニウム、ベントナイト、ベントナイトマグマ、カルボマー934、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム12、カラギーナン、セルロース、微晶性セルロース、ゼラチン、グアーゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(番号2208; 2906; 2910)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、ペクチン、ポリビニルアルコール、ポビドン、シリカゲル、コロイド状二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴム及びキサンタンゴム又はその混合物が含まれる。
【0087】
本発明に使用し得る緩衝剤には、これに限定されるものではないが、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等、又はその混合物が含まれる。湿潤剤の例には、これに限定されるものではないが、グリセロール、他の湿潤剤又はその混合物が含まれる。
【0088】
本発明の剤形はさらに以下の1以上を含み得る:(1)パラフィン等の分解緩和剤;(2)四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤;(3)例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール等の湿潤剤;(4)カオリン及びベントナイト粘土等の吸収剤;(5)水溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウム)等の酸化防止剤、油溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビルパルミテート、ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート及びα-トコフェロール等);並びに(6)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸及びリン酸等の金属キレート剤。
【0089】
錠剤又はカプレット等の本発明の剤形は、場合によりコーティングしてもよい。不活性コーティング剤は、典型的に適当な溶液中に分散した不活性フィルム形成剤を含み、着色剤及び可塑剤等の他の製薬上許容し得るアジュバントをさらに含んでもよい。適当な不活性コーティング剤及びコーティング方法は当該技術分野で周知であり、非限定的に水性若しくは非水性フィルムコーティング技術又はマイクロカプセル化を含む。フィルム形成剤又はフィルムコーティング剤の例は、これに限定されるものではないが、ゼラチン、医薬グレーズ(pharmaceutical glaze)、セラック、スクロース、二酸化チタン、カルナウバ蝋、ミクロクリスタリンワックス、セルロール(メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号:2208、2906、2910)、ヒドロキシプロピルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、番号: 200731、220824)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、場合により架橋し得るエチルセルロース、及びナトリウムカルボキシメチルセルロース等);ビニル(ポリビニルピロリドン、フタル酸ポリ酢酸ビニル等);グリコール(ポリエチレングリコール等);アクリル(メタクリル酸ジメチルアミノエチル-メタクリル酸エステル共重合体、及びアクリル酸エチル-メタクリル酸メチル共重合体等);並びに他の炭水化物重合体(マルトデキストリン及びポリデキストロース等)、又はその混合物を含む。使用されるコーティング剤及び担体ビヒクル(水性又は非水性)の量は、製剤のタイプ及び投与様式に応じて変化し、これは当業者に容易に識別可能である。
【0090】
フィルム形成ポリマーのコーティングは、場合により、本発明に従って、数タイプの装置(従来のコーティングパン、Accelacota、High-Cora又はWorster空気懸濁カラム等)の1つを用いることによって錠剤又はカプレット(例えばカプセル型錠剤)に適用し得る。係る装置は、典型的には、埃及び溶剤、又は迅速に乾燥を促進するための水蒸気、を除去するための廃棄システムを有する。スプレーガン又は他の適当なスプレー装置は、錠剤床(tablet bed)の迅速かつ均一な被覆率に寄与するスプレーパターンを提供するために、コーティングパンに導入し得る。通常、フィルムコーティング溶液の乾燥を促進するために、加熱した又は冷却した乾燥空気が、スプレーサイクルにより連続的又は選択的様式で錠剤床上に導入される。
【0091】
コーティング溶液は、連続的又は断続的なスプレー乾燥サイクルで、積極的な空気移動又は蠕動ポンプシステムを用いることによって噴霧し得る。スプレー適用の特定のタイプは、コーティングパンの乾燥効率に応じて選択される。ほとんどの場合は、錠剤が均一にコーティングされて錠剤の所望の厚さ及び所望の外観が達成されるまでコーティング材料が噴霧される。多くの異なるタイプのコーティング(腸溶コーティング、徐放性コーティング及び即効性錠剤用の迅速溶解型コーティング等)を適用し得る。迅速溶解型コーティングは、活性成分をより迅速に放出させ、効果の速やかな発現を生じさせるために使用される。例えば、錠剤に適用されるフィルム形成ポリマーのコーティングの厚さは変化し得る。しかし、厚さが外観、感触(触感及び口あたり)及びゼラチンカプセルの機能を刺激することが好ましい。治療剤のより迅速な又はより遅発性の放出が望ましい場合は、当業者は、もし活性成分の所望の血中レベル、放出速度、活性成分の可溶性及び剤形の所望の性能等の特徴に基づいて使用するためであっても、フィルムのタイプ及び厚さを容易に認識するだろう。
【0092】
錠剤等の最終剤形をコーティングする際の使用に適当な多くのフィルム形成剤には、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(PHARMACOAT 606 6 cps)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、エチルセルロース(ETHOCEL 10 cps)、メタクリル酸及びメタクリル酸エステルの様々な誘導体、酢酸フタル酸セルロース又はその混合物が含まれる。
【0093】
製造方法及び剤形(錠剤又はカプレット等)に組み込まれるべき賦形剤又は添加剤は、製造の簡便さ(例えば錠剤の迅速な圧縮)を可能にしながら、錠剤に所望の物理的特性を与えるために選択される。製造後、剤形が多くの更なる属性を有すべきことが好ましく、例えば錠剤に関しては、係る属性は外観、硬度、分解能及び均一性を含み、これらは製造方法及び錠剤製剤中に存在する添加剤の両者に影響を受ける。
【0094】
さらに、本発明の組成物の錠剤又は他の剤形が、通常の取り扱い及び保存条件下で、その貯蔵寿命を通じてその本来のサイズ、形状、重量及び色を維持すべきことに注意する。したがって、例えば、容器の底の過剰な粉末若しくは固体微粒子、錠剤表面のひび割れ若しくは欠け傷、又は錠剤表面若しくは容器壁上での結晶の出現は、非コート錠剤の物理的不安定性を示す。したがって、錠剤の穏やかな、均一な及び再現可能な振とう及びタンブリングを行い、錠剤が十分な物理的安定性を有することを確認すべきである。錠剤の硬度は市販の硬度計によって測定することができる。さらに、活性成分のin vitroでの利用性は経時的にはっきりと変化すべきではない。
【0095】
本発明の医薬組成物の錠剤及び他の剤形(糖衣錠、カプセル、丸剤及び顆粒剤等)は、場合により、コーティング及びシェル(例えば腸溶性コーティング及び医薬製剤の分野で周知の他のコーティング)を用いて取得又は製造してもよい。
【0096】
4.2.2 非経口剤形
非経口剤形は、様々な経路(これに限定されるものではないが、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、及び動脈内を含む)によって患者に投与することができる。その投与は典型的には汚染物質に対する患者の天然防御(natural defense)を回避するので、非経口剤形は無菌であるか又は患者への投与前に殺菌可能であることが好ましい。非経口剤形の例には、これに限定されるものではないが、注射用の溶液、注射用の製薬上許容し得るビヒクル中に溶解又は懸濁される乾燥製品、注射用の懸濁液及び乳剤が含まれる。
【0097】
本発明の非経口剤形を提供するために使用することができる適当なビヒクルは当業者に周知である。例として、これに限定されるものではないが、USP注射用水;水性ビヒクル(非限定的に、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、乳酸化リンガー液等);水混和性ビヒクル(非限定的にエチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等);並びに非水性ビヒクル(非限定的にトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジル等)が含まれる。
【0098】
本明細書に開示される1以上の活性成分(すなわち、本発明の化合物)の可溶性を増加させる化合物も、本発明の非経口剤形に組み込むことができる。
【0099】
4.2.3 経皮、局所及び粘膜剤形
本発明の経皮、局所及び粘膜剤形は、これに限定されるものではないが、点眼薬、スプレー、エアロゾル、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、溶液、乳剤、懸濁液又は当業者に公知の他の形態を含む。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,第16版及び第18版, Mack Publishing, Easton PA (1980 & 1990) ;並びにIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 第4版, Lea & Febiger, Philadelphia (1985)を参照されたい。経皮剤形は「貯留型(reservoir type)」又は「マトリックス型」貼占剤を含み、これは皮膚に塗布することができ、特定の期間で使い尽くされ、所望量の活性成分の浸透を可能にする。
【0100】
本発明に包含される経皮、局所及び粘膜剤形を提供するために使用することができる適当な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)及び他の材料は、製薬の分野の当業者に周知であり、これは所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織に依存する。
【0101】
治療されるべき特定の組織に応じて、追加の成分を本発明の活性成分による治療前に、これと併用して、又は治療後に使用し得る。例えば、浸透増強剤は活性成分の組織への送達を補助するために使用することができる。
【0102】
医薬組成物若しくは剤形のpH又は医薬組成物若しくは剤形が適用される組織のpHも、1以上の活性成分の送達を改善するために調整し得る。同様に、溶剤担体の極性、そのイオン強度又は等張性は、送達を改善するために調整することができる。ステアラート等の化合物も、1以上の活性成分の親水性又は脂溶性を有利に変化させて送達を改善するために、医薬組成物又は剤形に添加することができる。これに関連して、ステアラートは、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤若しくは界面活性剤として、及び送達増強剤若しくは浸透増強剤としての機能を果たすことができる。活性成分の異なる塩、水和物又は溶媒和物は、生じた組成物の性質をさらに調整するために使用することができる。
【0103】
4.2.4 安定性が増強した組成物
特定の賦形剤の適合性はさらに、剤形中の特定の活性成分に左右され得る。例えば、一部の活性成分の分解は、ラクトース等の一部の賦形剤によって、又は水へ曝露される際に促進され得る。1級又は2級アミンを含む活性成分は、係る分解の促進に特に影響される。したがって、本発明は、たとえあっても、ラクトース、他の単糖又は二糖をほとんど含まない医薬組成物及び剤形を包含する。本明細書で使用される「ラクトース無含」という用語は、たとえあってもラクトースの存在量が活性成分の分解速度を実質的に増加させるのに不十分であることをいう。
【0104】
本発明のラクトース無含組成物は、当該技術分野で周知であり、かつ例えば、U.S. Pharmacopeia(USP)25-NF20(2002)に列挙されている賦形剤を含むことができる。一般的に、ラクトース無含組成物は、活性成分、結合剤/増量剤、及び滑沢剤を製薬上適合し得る及び製薬上許容し得る量で含む。好適なラクトース無含剤形は活性成分、微晶性セルロース、プレゼラチン化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0105】
水は一部の化合物の分解を促進することができるので、本発明は、活性成分を含む無水医薬組成物及び無水剤形をさらに包含する。例えば、水の添加(例えば5%)は、長期にわたる製剤の貯蔵寿命又は安定性等の特徴を判断するための、長期保管をシミュレートする手段として、製薬の分野で広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 第2版, Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp.379-80を参照されたい。実際には、水及び熱が一部の化合物の分解を促進する。したがって、一般的に湿気及び/又は湿度は、製造、取り扱い、パッケージング、保管、出荷及び製剤の使用の間に遭遇するため、製剤に対する水の影響は非常に重要であり得る。
【0106】
本発明の無水医薬組成物及び無水剤形は、無水成分又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を使用して製造することができる。製造、パッケージング及び/又は保管の間に湿気及び/又は湿度との実質的な接触が予想される場合には、ラクトースと、1級又は2級アミンを含む少なくとも1種の活性成分とを含む医薬組成物及び剤形が無水であることが好ましい。
【0107】
無水医薬組成物はその無水性が維持されるように製造かつ保存すべきである。したがって、無水組成物は、水への曝露を防止することが知られる材料を用いて、該無水組成物が適当な処方キットに含まれ得るようにパッケージ化することが好ましい。適当なパッケージングの例には、これに限定されるものではないが、密閉ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスター包装及びストリップ包装が含まれる。
【0108】
本発明は、活性成分を分解する速度を低減する1以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形をさらに包含する。本明細書で「安定化剤」と称される係る化合物は、これに限定されるものではないが、アスコルビン酸、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤等の酸化防止剤を含む。
【0109】
賦形剤の量及びタイプと同様に、剤形中の活性成分の量及び具体的なタイプは、非限定的に、患者へ投与されるべき経路等の要素に応じて異なるかもしれない。
【0110】
4.2.5 遅延放出剤形
本発明の活性成分は、当業者に周知の制御放出手段によって又は送達装置によって投与することができる。例として、これに限定されるものではないが、それぞれ参照により本明細書に組み入れる、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123;及び第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号及び第5,733,566号に記載されるものを含む。係る剤形は、割合を変更する際に所望の放出プロフィールを与えるべく、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、浸透性膜、浸透システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、マイクロスフェア、又はその組合せを用いて、1以上の活性成分の持続放出又は制御放出を生じさせるために使用することができる。本明細書に記載されるものを含む、当業者に公知の適当な制御放出製剤は、本発明の化合物を用いた使用に関して容易に選択することができる。したがって、本発明は、経口投与に適当な単回投与剤形(これに限定されるものではないが、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、及び制御放出に適合するカプレット等)を包含する。
【0111】
全ての制御放出性医薬品は、薬物療法をその対応する非制御放出性医薬品により達成されるもの以上に改善するという共通の目的を有する。理想的には、最適に設計された制御放出性製剤の医療における使用は、病状を最小の時間で治療又は制御するために使用される最小の薬剤物質によって特徴付けられる。制御放出性製剤の利点は、薬剤活性の延長、投与頻度の低減、及び患者のコンプライアンスの増加が含まれる。さらに、制御放出性製剤は、作用の開始時間又は他の特徴(薬剤の血中レベル等)に影響を与えるために使用することができ、したがって副(有害)作用の発生に影響を与えることができる。
【0112】
大部分の制御放出性製剤は、最初に、所望の治療効果を早急に生じさせる量の薬剤(活性成分)を放出し、延長された期間にわたってこの治療又は予防効果のレベルを維持するために、徐々にかつ持続的に薬剤の残量を放出するように設計される。体内のこの薬剤の一定水準を維持するために、薬剤は、代謝されかつ体内から排出される薬剤の量を取り替える速度で剤形から放出される必要がある。活性成分の制御放出は、様々な条件(非限定的に、pH、温度、酵素、水、又は他の生理的条件若しくは化合物を含む)によって刺激され得る。
【0113】
4.2.6 キット
ある場合には、本発明の活性成分は同時に又は同じ投与経路によって患者に投与されないことが好ましい。したがって本発明は、医師によって使用される際に、適当な量の活性成分の患者への投与を単純化することができるキットを包含する。
【0114】
本発明の典型的なキットは、本発明の化合物の単回投与剤形又はその製薬上許容し得る塩、水和物、プロドラッグ、溶媒和物若しくはクラスレート、及び本発明の化合物と併用し得る別の薬剤の単回投与剤形を含む。本発明のキットは、活性成分を投与するために使用される装置をさらに含むことができる。かかる装置の例には、これに限定されるものではないが、注射器、点滴バッグ、貼占剤及び吸入器が含まれる。
【0115】
本発明のキットは、1以上の活性成分を投与するために使用できる製薬上許容し得るビヒクルをさらに含むことができる。例えば、活性成分が非経口投与のために再構成する必要がある固体形態で提供される場合は、キットは、非経口投与に適当な微粒子無含滅菌溶液を生じさせるために活性成分を溶解できる適当なビヒクルの密閉容器を含むことができる。製薬上許容し得るビヒクルの例は、これに限定されるものではないが、USP注射用水;水性ビヒクル(非限定的に塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、デキストロース注射液、デキストロース及び塩化ナトリウム注射液、及び乳酸化リンガー注射液等);水混和性ビヒクル(非限定的に、エチルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等);並びに非水性ビヒクル(非限定的に、トウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル及び安息香酸ベンジルを含む。
【0116】
本発明は以下の非限定的な実施例を参照することによってさらに定義される。材料及び方法に対する多くの改変を本発明の思想及び範囲から逸脱することなく実施可能であることは当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0117】
5.実施例
以下の実施例は本発明の特定の医薬組成物を説明する。
【0118】
5.1 実施例1
(R,R)-ホルモテロール 4.5μg
ザフィルルカスト 100μg
ラクトース一水和物 0.2〜2mg
【0119】
5.2 実施例2
(R,R)-ホルモテロール 9.0μg
ザフィルルカスト 100μg
ラクトース一水和物 0.2〜2mg
【0120】
5.3 実施例3
(R,R)-ホルモテロール 4.5μg
ザフィルルカスト 200μg
ラクトース一水和物 0.3〜2mg
【0121】
5.4 実施例4
(R,R)-ホルモテロール 9.0μg
ザフィルルカスト 200μg
ラクトース一水和物 0.3〜2mg
【0122】
5.5 実施例5
(R,R)-ホルモテロール 4.5μg
モンテルカストナトリウム 50μg
ラクトース一水和物 0.2〜2mg
【0123】
5.6 実施例6
(R,R)-ホルモテロール 4.5μg
モンテルカストナトリウム 100μg
ラクトース一水和物 0.2〜2mg
【0124】
本出願で言及された全ての特許、特許出願及び刊行物はその全体を本明細書に組み入れる。さらに、本出願中の任意の参考文献の引用又は認定は、かかる参考文献が本発明に対する先行技術として利用可能であることを自認するものではない。本発明の全範囲は特許請求の範囲を参照しながらより良く理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺疾患又は肺障害を治療する方法であって、治療上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、治療上有効量のロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを、該治療を必要とする患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項2】
肺疾患又は肺障害を予防する方法であって、予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、予防上有効量のロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを、該予防を必要とする患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項3】
肺疾患又は肺障害を管理する方法であって、治療上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、治療上有効量のロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩もしくは溶媒和物とを、該管理を必要とする患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項4】
立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とが同時に投与される、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とが、逐次的に投与される、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項6】
ロイコトリエン阻害剤が5−リポキシゲナーゼ阻害剤、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニスト、又はロイコトリエン受容体アンタゴニストである、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項7】
ロイコトリエン阻害剤が5−リポキシゲナーゼ阻害剤である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
5−リポキシゲナーゼ阻害剤がジロイトン、ドセベノン、ピリポスト又はICI-D2318である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ロイコトリエン阻害剤が5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストがMK-591又はMK-886である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ロイコトリエン阻害剤がロイコトリエン受容体アンタゴニストである、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
ロイコトリエン受容体アンタゴニストが、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エチニル)フェニル-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム、1-(((R)-(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸又は(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
肺疾患又は肺障害を治療する方法であって、治療上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、治療上有効量のニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを、該治療が必要な患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項14】
肺疾患又は肺障害を予防する方法であって、予防上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、予防上有効量のニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを、該予防が必要な患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項15】
肺疾患又は肺障害を管理する方法であって、治療上有効量の立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、治療上有効量のニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを、該管理が必要な患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項16】
立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とが、同時に投与される、請求項13、14又は15に記載の方法。
【請求項17】
立体異性体的に純粋な(R,R)ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とが、逐次的に投与される、請求項13、14又は15に記載の方法。
【請求項18】
ニューロキニン受容体アンタゴニストが、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタム、Cam-2445、FK224、L-754,030、L-733,060、Rl16301、SR48968、SR140333、SR142801又はZD-6021である、請求項13、14又は15に記載の方法。
【請求項19】
ニューロキニン受容体アンタゴニストが、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタムである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
肺疾患又は肺障害が、呼吸不全;成人呼吸困難症候群;非限定的に喘息、慢性閉塞性肺疾患及び巨大水疱等の慢性閉塞性気道疾患;急性気管支炎;慢性気管支炎;気腫;可逆性閉塞性気道疾患;夜間喘息;運動誘発性気管支痙攣;気管支拡張症;無気肺;肺塞栓症;肺炎;肺膿瘍;肺過敏症;又はグッドパスチャー症候群である、請求項1、2、3、13、14又は15に記載の方法。
【請求項21】
治療が喘息の長期管理治療である、請求項1又は13に記載の方法。
【請求項22】
予防が、可逆性閉塞性気道疾患若しくは喘息に罹患した患者における気管支痙攣の予防、又は運動誘発性気管支痙攣の緊急予防である、請求項2又は14に記載の方法。
【請求項23】
管理が慢性閉塞性肺疾患に関連する気管支収縮の長期管理である、請求項3又は15に記載の方法。
【請求項24】
慢性閉塞性肺疾患が慢性気管支炎又は気腫である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
肺過敏症が過敏性肺炎、好酸球性肺炎又はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
肺疾患又は肺障害が慢性閉塞性気道疾患である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
慢性閉塞性気道疾患が喘息又は慢性閉塞性肺疾患である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを含む医薬組成物。
【請求項29】
ロイコトリエン阻害剤が、5-リポキシゲナーゼ阻害剤、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニスト、又はロイコトリエン受容体アンタゴニストである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
ロイコトリエン阻害剤が5-リポキシゲナーゼ阻害剤である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
5-リポキシゲナーゼ阻害剤がジロイトン、ドセベノン、ピリポスト又はICI-D2318である、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
ロイコトリエン阻害剤が5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストである、請求項29に記載の組成物。
【請求項33】
5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質アンタゴニストが、MK-591又はMK-886である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
ロイコトリエン阻害剤がロイコトリエン受容体アンタゴニストである、請求項29に記載の組成物。
【請求項35】
ロイコトリエン受容体アンタゴニストが、ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エチニル)フェニル-3-(2-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウム、1-(((R)-(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸又は(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1Hテトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン-4-オンである、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを含む医薬組成物。
【請求項37】
ニューロキニン受容体アンタゴニストが、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタム、Cam-2445、FK224、L-754,030、L-733,060、Rl16301、SR48968、SR140333、SR142801又はZD-6021である、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
ニューロキニン受容体アンタゴニストが、シクロ[3-アミノ-L-アラニル-L-ロイシル-N-[2-(アセチルアミノ)-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシル-L-アスパラギニル-L-α-アスパルチル-L-トリプトフィル-L-フェニルアラニル]-(4-1)-ラクタムである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ロイコトリエン阻害剤又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを含む単回投与剤形。
【請求項40】
立体異性体的に純粋な(R,R)-ホルモテロール又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物と、ニューロキニン受容体アンタゴニスト又はその製薬上許容し得る塩若しくは溶媒和物とを含む単回投与剤形。
【請求項41】
経口投与、非経口投与、局所投与又は粘膜投与に適する、請求項39又は40に記載の剤形。
【請求項42】
経口投与又は粘膜投与に適する、請求項41に記載の剤形。
【請求項43】
UDV噴霧化液として投与するものである、請求項39又は40に記載の剤形。

【公表番号】特表2007−531743(P2007−531743A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506365(P2007−506365)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/011489
【国際公開番号】WO2005/097095
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(502337516)セプラコア インコーポレーテッド (14)
【Fターム(参考)】