代用乳溶解装置
【課題】所定濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製し得ると共に子牛等の体調に応じて哺乳することができて、例えば子牛等の価値を高めてコスト的なメリットが得られると共に、装置を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製し得る代用乳溶解装置を提供する。
【解決手段】湯沸かしタンク、代用乳タンク、溶解タンク、哺乳瓶載せ台及び制御装置を備えた代用乳溶解装置であって、制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする。また、制御装置が少なくとも洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であり、洗浄がミルク作製の後に自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする。
【解決手段】湯沸かしタンク、代用乳タンク、溶解タンク、哺乳瓶載せ台及び制御装置を備えた代用乳溶解装置であって、制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする。また、制御装置が少なくとも洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であり、洗浄がミルク作製の後に自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、子牛等を人工哺育する際に子牛等に与えるミルクを作製するための代用乳溶解装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、子牛に与えるミルクを作製する装置としては、例えば特許文献１に開示されている。この装置（自動哺乳機）は、粉乳（代用乳）を貯留する粉乳槽と、攪拌羽根を有して代用乳と水を攪拌してミルクを作製する乳槽と、該乳槽に給乳導管で接続されると共に先端に哺乳口が設けられた哺乳管が接続された哺乳槽等を備え、子牛乗台に子牛が乗った際にこれを検知して、哺乳口から哺乳槽内の所定量のミルクを子牛に与えるようにしたものである。
【特許文献１】実公昭４８−１０７８８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、このような装置にあっては、哺乳口を子牛が吸うことにより自動的に哺乳できるものの、子牛の全頭数を同じ柵内に入れてほとんど飼育者が関与しない状態で哺乳するため、例えば各子牛の下痢症状等の体調の悪化を個体管理することが困難で、子牛の価値（出荷価格）を低下させたり、出荷までの哺育期間が延びたり、あるいは本来なら体調が悪そうな子牛だけに与えればよい薬剤を全ての子牛に与えなければならない等、コスト的にディメリットが発生し易い。また、作製したミルクを子牛に与えた後に、哺乳槽等を単に水洗いしただけでは、ミルクを洗い流しできるものの細菌等の除去や殺菌が困難で、次のミルクを清潔な状態で作製することが難しく、例えば細菌を含んだミルクにより子牛が下痢症状等を起こして体調を崩す場合があり、子牛の成長に悪影響を与えて子牛の価値を一層低下させる虞もある。
【０００４】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所定濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製し得ると共に子牛等の体調に応じて哺乳することができて、例えば子牛等の価値を高めてコスト的なメリットが得られると共に、装置を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製し得る代用乳溶解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項１に記載の発明は、代用乳を溶かすに必要な水を貯留して湯沸かしする湯沸かしタンクと、前記代用乳を収容する代用乳タンクと、前記湯沸かしタンクから供給される湯と代用乳タンクから供給される代用乳とを攪拌羽根で攪拌して溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンクの下方に設けられた哺乳瓶載せ台と、前記各タンクを制御する制御装置と、を備えた代用乳溶解装置であって、前記制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする。
【０００６】
また、請求項２に記載の発明は、前記制御装置が、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であることを特徴とし、さらに、請求項３に記載の発明は、前記洗浄が、ミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のうち請求項１に記載の発明によれば、湯沸かしタンク、代用乳タンク、溶解タンク、哺乳瓶載せ台及び制御装置等を備え、制御装置によって溶解タンクに供給される湯や代用乳の量を所定に設定できるため、溶解タンクにより所定濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製することができると共に、このミルクが収容された哺乳瓶により飼育者が子牛等の体調を管理しながら哺乳することができ、子牛等の体調を良好に維持してその価値を高めたり哺育期間の延長を防止できると共に無駄な薬剤の投与等を防止できて、コスト的に有利な子牛等の哺育が可能となる。また、ミルクの作製後に、ミルク作製用の湯の温度より高い洗浄湯によって溶解経路を洗浄できて、溶解装置を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製することができる。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、制御装置が洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であるため、例えばミルクの作製量や代用乳の品質等に応じて回数を所定に設定できて、良好な洗浄状態を簡単に得ることができる。
【０００９】
さらに、請求項３に記載の発明によれば、請求項１または２に記載の発明の効果に加え、洗浄がミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であるため、例えば自動洗浄を選択することにより洗浄忘れを防止することができ、手動洗浄を選択することによりミルクの連続作製が可能になる等、装置自体の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１〜図１５は、本発明に係わる代用乳溶解装置の一実施形態を示し、図１〜図３がその概要を示す正面図、平面図、側面図、図４〜図６は各タンクを示す図、図７がコントロールボックスの正面図、図８が制御系のブロック図、図９の動作の一例を示す工程図、図１０及び図１１がその具体的な動作を示すフローチャート、図１２がその自動洗浄のフローチャート、図１３が手動洗浄のフローチャート、図１４及び図１５がそのタイミングチャートである。
【００１１】
図１〜図３において、代用乳溶解装置１（以下、溶解装置１という）は、縦長に枠組み構成された架台２を有し、この架台２の上部には湯沸かしタンク３と代用乳タンク４が配置され、これらタンク３、４の下方で正面視左側には溶解タンク５が配置され正面視右側には制御装置としてのコントロールボックス６が配置されている。また、架台２の下部で溶解タンク５の下方には、平坦なステンレス板で形成された哺乳瓶載せ台７が設けられている。なお、この例の溶解装置１は、例えば１度に２リットルの哺乳瓶３本分（子牛３頭分）のミルクを作製し、２１頭の子牛の哺乳に適用できる容量に設定されている。
【００１２】
前記湯沸かしタンク３は、図４に示すように、ステンレス板により上面開口部を有する直方体形状で満水容積が略６リットルのタンク本体３ａと、このタンク本体３ａの上面開口部に着脱可能に配設された蓋体３ｂ等で構成されている。タンク本体３ａには、その内部に水位センサ８と水温センサ９が配置され、その側壁に湯沸かし用のヒータ１０が配置されている。また、タンク本体３ａの側壁の上部にはオーバーフロー管１１が接続され、側壁の下部には給水電磁弁１２と給湯電磁弁１３が接続されている。
【００１３】
前記溶解タンク５は、図５に示すように、ステンレス板により底壁に円錐部を有する略円筒形状に形成されたタンク本体５ａと、このタンク本体５ａの上面開口部を閉塞する皿状の蓋体５ｂ等で構成されている。蓋体５ｂは、その所定位置が前記架台２に固定されると共に、その上面には攪拌モータ１５が取付板を介して取り付けられており、この攪拌モータ１５の回転軸の先端には攪拌羽根１６が固定されている。また、溶解タンク５は、タンク本体５ａの側壁外面で直径方向位置に一対の把手１７が固定され、この把手１７を持って、側壁の上部で十字の直径方向位置に設けた４個の係止突起１８を蓋体５ｂの係止溝（図示せず）に下方から挿入して係止させることにより、タンク本体５ａが蓋体５ｂに略ワンタッチで着脱できるように構成されている。
【００１４】
なお、溶解タンク５の蓋体５ｂの所定位置には、前記湯沸かしタンク３の給湯電磁弁１３が接続された給湯管と後述する代用乳タンク４のガイド筒２２の下端が嵌挿する開口（図示せず）がそれぞれ設けられている。また、溶解タンク５のタンク本体５ａの円錐部の底壁には排出口５ｃが設けられ、この排出口５ｃには、後述する制御部６ａの制御信号で開閉（オン・オフ）する排出電磁弁１９が接続されている。
【００１５】
前記代用乳タンク４は、図６に示すように、ステンレス板により横断面が長方形状のホッパ形状で代用乳が１４リットル（約７Ｋｇ分）収容できる容積のタンク本体４ａと、このタンク本体４ａの上面開口部を閉塞する蓋体４ｂ等で構成されている。そして、タンク本体４ａには、その側壁に透明な収容量表示窓４ｃが設けられると共に、その下部にスクリュウ装置２０が配置されている。このスクリュウ装置２０は、スクリュウモータ２０ｃの作動で回転するスクリュウ２０ｂと、このスクリュウ２０ｂを覆う樋状のスクリュウケース２０ａ等で構成されている。
【００１６】
また、スクリュウ２０ｂの長手方向の所定位置には、代用乳タンク４のタンク本体４ａ底面の排出口の大きさに対応した所定間隔を有する一対の規制板２１が配置され、この規制板２１により、代用乳タンク４から排出される粉ミルクからなる代用乳がスクリュウ装置２０の始端側や排出側にその粉体特性により侵入することが防止されるようになっている。さらに、スクリュウ装置２０の排出口にはカイド筒２２が接続され、このガイド筒２２の下端開口部が前記溶解タンク５の蓋体５ｂの開口部に嵌挿され、ガイド筒２２の上面には、代用乳の吸湿、固着を防止する例えばプロペラファン等の防湿ファン２３が配置されている。
【００１７】
前記コントロールボックス６は、筐体内に配置されたマイコン等の制御部６ａ（図８参照）と操作パネル６ｂ（図１及び図７参照）及び電源部（図示せず）等を有し、操作パネル６ｂは、例えば図７に示すように構成されている。すなわち、操作パネル６ｂは、その上部側に電源ランプ２８、溶解ランプ２９、洗浄ランプ３０、完了ランプ３１、異常ランプ３２等の各種表示ランプと、電源スイッチ３３、溶解スイッチ３４、洗浄スイッチ３５、停止スイッチ３６等の各種スイッチが配置され、これらの下方には、２個の数字表示器３７と、エラーコード表示器３８及び前記数字表示器３７に表示される数字が外気温度であるか設定温度であるかを表示する表示灯３９ａ、３９ｂが配置されている。
【００１８】
また、操作パネル６ｂの下部には、ユーザー入力設定部２７が設けられている。このユーザー入力設定部２７は、給湯温度を設定する給湯温度設定部２７ａ、例えば溶解タンク５で作製されるミルクの本数を設定する哺乳瓶作製本数設定部２７ｂ、１本当たりのミルク量を設定するミルク量設定部２７ｃ、スクリュウ装置２０の搬送量（スクリュウ２０ｂの回転数）を微調整するスクリュウ微調整部２７ｄ、ミルクチェックスイッチ２７ｅ等が配置されている。なお、操作パネル６ｂの所定位置には、洗浄工程を自動で行うか手動で行うかを切り換える洗浄運転スイッチ４０ａと、自動洗浄の際の回数を設定する自動洗浄回数スイッチ４０ｂ、手動洗浄の場合に溶解タンク５内の洗浄湯を排出するミルク排出スイッチ４１等が設けられている。
【００１９】
そして、このように構成されたコントロールボックス６の制御部６ａは、図８に示すように接続されている。すなわち、制御部６ａの入力側には、前記ユーザー入力設定部２７、電源スイッチ３３、溶解スイッチ３４、洗浄スイッチ３５、停止スイッチ３６、洗浄運転スイッチ４０ａ、自動洗浄回数スイッチ４０ｂ、ミルク排出スイッチ４１、水位センサ８、水温センサ９、外気温を検出する外気温センサ１４等が接続されている。また、制御部６ａの出力側には、前記電源ランプ２８、溶解ランプ２９、洗浄ランプ３０、完了ランプ３１、異常ランプ３２等と、給水電磁弁１２、給湯電磁弁１３、排出電磁弁１９、ヒータ１０、スクリュウモータ２０ｃ、攪拌モータ１５及び防湿ファン２３等が接続されている。
【００２０】
次に、前記溶解装置１の動作を図９〜図１５に基づいて説明する。先ず、溶解装置１は、図９の基本工程図に示すように、給水工程Ｋ１、湯沸かし工程Ｋ２、給湯工程Ｋ３、代用乳供給工程Ｋ４、攪拌溶解工程Ｋ５、充填工程Ｋ６及び洗浄工程Ｋ７の７つの工程によって、所定量のミルクが作製されて子牛に哺乳されるようになっている。そして、これらの工程Ｋ１〜Ｋ７のうち、前記給水工程Ｋ１から攪拌溶解工程Ｋ５までは、図１０及び図１１に示すフロチーャートに基づいて、前記制御部６ａの制御信号によって自動的に実行される。以下、この図１０及び図１１のフロチーャートを図９の工程図と関連付けて説明する。
【００２１】
前記操作パネル６ｂの電源スイッチ３３がオン（Ｓ１０１）すると、電源ランプ２８が点灯（Ｓ１０２）すると共に前記防湿ファン２３がオン（Ｓ１０３）してガイド筒２２内に送風され、この状態で運転が溶解スイッチ３４がオンか否かが判断（Ｓ１０４）される。この判断Ｓ１０４で「ＮＯ」の場合は、手動洗浄か否かが判断（Ｓ１０５）され、この判断で「ＮＯ」の場合は前記判断Ｓ１０４に戻り、判断Ｓ１０５で「ＹＥＳ」の場合は、後述する手動洗浄工程Ｓ３０１に移行する。また、前記判断Ｓ１０４で「ＹＥＳ」の場合は、溶解ランプ２９が点灯（Ｓ１０６）すると共に給水電磁弁１２がオン（開）となり、湯沸かしタンク３内に給水が開始される。
【００２２】
そして、湯沸かしタンク３の水位センサ８がオンか否か、すなわち湯沸かしタンク３が満水か否かが判断（Ｓ１０７）され、この判断Ｓ１０７で「ＹＥＳ」となった時点で給水電磁弁１２がオフ（閉）（Ｓ１０８）となり、このステップＳ１０７〜１０８により、前記給水工程Ｋ１が実行される。ステップＳ１０８で給水電磁弁１２がオフになると、湯沸かし用のヒータ１０がオン（Ｓ１０９）して、水温センサ９が前記給湯温度設定部２７ａで設定した設定温度か否かが判断（Ｓ１１０）され、この判断Ｓ１１０で「ＹＥＳ」の場合、すなわち湯沸かしタンク３内の水が設定温度（例えば４０℃）の湯となった場合に、ヒータ１０がオフ（Ｓ１１１）する。
【００２３】
ステップＳ１１１でヒータ１０がオフすると、給湯電磁弁１３がオン（Ｓ１１２）となり湯沸かしタンク３内の湯が溶解タンク５内に供給される。また、ステップＳ１１２で給湯電磁弁１３がオンになると、その所定時間Ｔａ後にスクリュウモータ２０ｃがオン（Ｓ１１３）してスクリュウ装置２０が作動し、さらに、給湯電磁弁１３のオンから所定時間Ｔａ後に攪拌モータ１５がオン（Ｓ１１４）して攪拌羽根１６が回転する。この状態で制御部６ｂにより給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ１が算出（Ｓ１１５）されると共に、スクリュウ装置２０の作動時間Ｔ２が算出（Ｓ１１６）され、さらに攪拌モータ１５の作動時間である攪拌時間Ｔ３が算出（Ｓ１１７）される。
【００２４】
この時の給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ１の算出は、前記哺乳瓶作製本数設定部２７ｂで選択された本数に応じて、３本の場合はＴ１＝Ｔｂ、２本の場合はＴ１＝Ｔｂ／３×２＋Ｔｇ、１本の場合はＴ１＝Ｔｂ／３＋Ｔｈ（但し、Ｔｂは３本分排出に必要な給湯電磁弁１３のオン時間、Ｔｇ：２本時の水面位置変位による追加時間、Ｔｈ：１本時の水面変化による追加時間でいずれも固定値）で算出される。
【００２５】
また、ステップＳ１１６のスクリュウ装置２０の作動時間の算出Ｔ２は、前記哺乳瓶作製本数設定部２７ｂと１本当たりのミルク量設定部２７ｃ及びスクリュウ微調整部２７ｄの各設定値に基づいて、例えば次のようにして算出される。すなわち、３本の場合はＴ２＝Ｔｃ＋Ｔｄ＋Ｘ１×３×Ｔｅ、２本の場合はＴ２＝（Ｔｃ＋Ｔｄ）／３×２＋Ｘ１×２×Ｔｅ、１本の場合はＴ２＝（Ｔｃ＋Ｔｄ）／３＋Ｘ１×Ｔｅ（但し、Ｔｃ：使用するミルクに応じた該ミルク９００ｇを搬送するに必要な基本時間、Ｔｄ：スクリュウ微調整部２７ｄで設定された値、Ｔｅ：（Ｔｃ＋Ｔｄ）／１８、Ｘ１：１本当たりのミルク量設定部２７ｃで設定された定数）で算出される。
【００２６】
さらに、前記攪拌時間Ｔ３は、Ｔ２＋Ｔｆ（但し、Ｔｆは攪拌モータ１５の作動時間）で算出される。このようにして、ステップＳ１１５〜Ｓ１１７で時間Ｔ１〜Ｔ３が算出されると、作動時間Ｔ２が経過したか否かが判断（Ｓ１１８）され、この判断Ｓ１１８で「ＹＥＳ」となった時点でスクリュウ装置２０がオフ（Ｓ１１９）する。ステップＳ１１９でスクリュウ装置２０がオフすると、前記オン時間Ｔ１が経過したか否かが判断（Ｓ１２０）され、この判断Ｓ１２０で「ＹＥＳ」となった時点で給湯電磁弁１３がオフ（Ｓ１２１）となり、さらに攪拌時間Ｔ３が経過したか否かが判断（Ｓ１２２）され、この判断Ｓ１２２で「ＹＥＳ」となった時点で攪拌モータ１５が停止（Ｓ１２３）して、完了ランプ３１が点灯（Ｓ１２４）する。このステップＳ１１２〜Ｓ１２４により、前記給湯工程Ｋ３、代用乳供給工程Ｋ４及び攪拌溶解工程Ｋ５が一部並行して実行されることになる。
【００２７】
そして、ステップＳ１２４で完了ランプ３１が点灯すると、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが判断（Ｓ１２５）されて、この判断Ｓ１２５で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９がオン（Ｓ１２６）して、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが再び判断（Ｓ１２７）される。この判断Ｓ１２７は「ＮＯ」になるまで、すなわちミルク排出スイッチ４１から作業者の手が離れてオフとなった場合に、排出電磁弁１９がオフ（Ｓ１２８）となり、その後、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ１２９）される。この判断Ｓ１２９で「ＮＯ」の場合は、判断Ｓ１２５に戻る。すなわち、判断Ｓ１２５〜判断Ｓ１２９において、ミルク排出スイッチ４１が押されてオンしている間、排出電磁弁１９がオン（開）して溶解タンク５内のミルクが下方に排出されて哺乳瓶に充填されることになる。
【００２８】
前記ステップＳ１２９で停止スイッチ３６がオンして「ＹＥＳ」になると、溶解ランプ２９が消灯（Ｓ１３０）するととも完了ランプ３１が消灯（Ｓ１３１）して、洗浄切換スイッチ４０が自動か否かが判断（Ｓ１３２）される。そして、この判断Ｓ１３２で「ＹＥＳ」の場合、すなわち自動洗浄が選択されている場合は自動洗浄フロー（Ｓ１３４）に進み、判断Ｓ１３２で「ＮＯ」の場合、すなわち手動洗浄が選択されている場合は各運転選択（Ｓ１３３）に進む。以下、この自動洗浄フローと手動洗浄フローを図１２及び図１３に基づいて説明する。
【００２９】
先ず、自動洗浄フローは、図１２に示すように、前記判断Ｓ１３２において「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が点灯（Ｓ２０１）して、給水電磁弁１２がオンになると共に数字表示器３７に洗浄湯の設定温度である６０℃が表示（Ｓ２０２）され、その後湯沸かしタンク３が満水か否かが判断（Ｓ２０３）される。この判断Ｓ２０３で「ＹＥＳ」になると、給水電磁弁１２がオフ（Ｓ２０４）となり、湯沸かし温度が６０℃に到達したか否かが判断（Ｓ２０５）され、この判断Ｓ２０５で「ＹＥＳ」の場合にヒータ１０がオフ（Ｓ２０６）し、給湯電磁弁１３がオン（Ｓ２０７）すると共に攪拌モータ１５がオン（Ｓ２０８）する。
【００３０】
そして、所定時間Ｔ４が経過したか否かが判断（Ｓ２０９）され、この判断Ｓ２０９で「ＹＥＳ」の場合に攪拌モータ１５が停止（Ｓ２１０）すると共に給湯電磁弁１３がオフ（Ｓ２１１）となり、さらに排出電磁弁１９がオン（Ｓ２１２）となる。排出電磁弁１９がオンすると、所定時間Ｔ５が経過したか否かが判断（Ｓ２１３）され、この判断Ｓ２１３で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９をオフ（Ｓ２１４）して、自動洗浄回数スイッチ４０ｂで設定された所定回数か否かが判断（Ｓ２１５）される。なお、前記時間Ｔ４は湯沸かしタンク３内の湯の全量を排出するに要する時間（本例の場合７０秒）であり、前記時間Ｔ５は溶解タンク５内の湯の全量を排出するに要する時間（本例の場合９０秒）である。
【００３１】
前記判断Ｓ２１５で「ＮＯ」の場合はステップ２０２に戻り、該ステップＳ２０２以降を繰り返す。これにより、洗浄湯の湯沸かしタンク３から溶解タンク５への供給及び溶解タンク５から排出電磁弁１９を介する排出、すなわち溶解経路（給湯経路）に洗浄湯が自動洗浄回数スイッチ４０ｂで設定された所定回数自動的に流れて該溶解経路が洗浄されることになる。一方、前記判断Ｓ２１５で「ＹＥＳ」の場合は、完了ランプ３１が点灯（Ｓ２１６）し、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ２１７）され、この判断Ｓ２１７で「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が消灯（Ｓ２１８）すると共に完了ランプ３１が消灯（Ｓ２１９）し、各種運転選択工程に移行（Ｓ２２０）する。この自動洗浄フローを選択した場合の電磁弁やモータ等の動作状態を示すのが図１４のタイミングチャートである。
【００３２】
また、前記手動洗浄フローは、図１３に示すように、前記判断Ｓ１０５で「ＹＥＳ」になると、自動洗浄フローと同様に、洗浄ランプ３０の点灯（Ｓ３０１）、設定温度６０℃表示（Ｓ３０２）、湯沸かしタンク３が満水か否かの判断（Ｓ３０３）、給水電磁弁１２のオフ（Ｓ３０４）、湯沸かし温度が６０℃に到達したか否かの判断（Ｓ３０５）、ヒータのオフ（Ｓ３０６）、給湯電磁弁１２のオン（Ｓ３０８７、攪拌モータ１５のオン（Ｓ３０８）、所定時間Ｔ４が経過したか否かの判断（Ｓ３０９）、攪拌モータ１５の停止（Ｓ３１０）、給湯電磁弁１３のオフ（Ｓ３１１）が実行される。
【００３３】
そして、ステップＳ３１１で給湯電磁弁１３がオフになると、完了ランプ３１が点灯（Ｓ３１２）し、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが判断（Ｓ３１３）され、この判断Ｓ３１３で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９をオン（Ｓ３１４）とし、さらにミルク排出スイッチ４１がオンしたか否かが判断（Ｓ３１５）される。この判断Ｓ３１５で「ＮＯ」の場合に排出電磁弁１９がオフ（Ｓ３１６）し、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ３１７）される。
【００３４】
そして、この判断Ｓ３１７で「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が消灯（Ｓ３１８）して前記ステップＳ１０４に戻る。つまり、この手動洗浄フローの場合、湯沸かしタンク３から溶解タンク５内に供給された洗浄湯が、ミルク排出スイッチ４１をオン操作することにより、排出電磁弁１９が自動的にオンとなって開き、溶解経路内に洗浄湯を流して洗浄することができ、この時、洗浄湯が溶解経路をミルク排出スイッチ４１のオン時間に対応した時間流れることになる。なお、この手動洗浄フローにおける洗浄湯の排出電磁弁１９による排出時間（溶解経路の流通時間）は、ミルク排出スイッチ４１をオンしている時間に限らず、例えばミルク排出スイッチ４１のオン操作により予め設定した一定の時間流れるようにしても良い。この手動洗浄フローを選択した場合の電磁弁やモータ等の動作状態を示すのが図１５のタイミングチャートである。
【００３５】
このように、上記実施形態の溶解装置１にあっては、湯沸かしタンク３、代用乳タンク４、溶解タンク５及び哺乳瓶載せ台７等を備えて、溶解タンク５によって子牛３頭分のミルクが繰り返し作製されると共に、繰り返し作製されたミルクが溶解タンク５の排出電磁弁１９から哺乳瓶載せ台７上の３本の哺乳瓶にそれぞれ充填されるため、溶解タンク５によって均一な濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製することができると共に、このミルクが充填された哺乳瓶により飼育者が子牛の体調等を管理しながら哺乳することができる。その結果、子牛の体調を良好に維持して販売時の価値を高めたり哺育期間の延長を防止することができると共に無駄な薬剤の投与等を防止でき、子牛の哺育コストを低減化させること等が可能となる。
【００３６】
また、コントロールボックス６の制御部６ａにより、溶解タンク５で代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンク３で代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク５内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄するため、ミルクの作製後に、ミルク作製用の湯の温度より高い洗浄湯によって溶解経路を洗浄できて、溶解装置１を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製することができる。特に、操作パネル６ｂの自動洗浄回数スイッチ４０ｂの操作により、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数（所定時間）に設定可能であることから、例えばミルクの作製量や代用乳の品質等に応じて回数を所定に設定できて、一層良好な洗浄状態を簡単に得ることができる。
【００３７】
さらに、洗浄運転スイッチ４０ａにより、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であるため、例えば自動洗浄を選択することにより洗浄忘れを防止することができると共に、手動洗浄を選択することによりミルクの連続作製が可能になる。また、溶解タンク５内のミルクの排出をミルク排出スイッチ４１の操作により行うことができるため、ミルクの哺乳瓶への充填を自動的に行うことができ、これらにより、溶解装置１自体の使い勝手を向上させることが可能となる。
【００３８】
また、上記溶解装置１によれば、次のような付随的な作用効果を得ることができる。すなわち、制御部６ａの制御により、給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ２内に、溶解タンク５内に代用乳が供給されると共に攪拌モータ１５をオンさせて攪拌羽根を回転させ、かつ、オン時間Ｔ２の終了後に攪拌モータ１５を停止させる等、給湯電磁弁１３、スクリュウ装置２０、攪拌モータ１５等を所定に制御するため、溶解タンク５内により良好な溶解状態が得られて、例えば代用乳のメーカや銘柄等の種類に係わらず代用乳の良好な溶解状態が得られて泡の発生や油脂分離を防止できる等、所望濃度等の均一な品質のミルクを常に安定して作製することが可能となる。
【００３９】
また、制御部６ａにより、溶解タンク５内に供給される代用乳の量を複数段階に設定できるため、例えば代用乳のメーカや銘柄に応じた代用乳の量調整が可能となり、濃度が均一な品質のミルクを安定して作製することができると共に、代用乳を溶解する溶解タンク５内の湯の温度が、外気温センサ１４で検出された温度に基づいて設定されるため、例えば外気温度が低い場合に溶解に使用される湯の設定温度を自動的に高めて、作製されたミルクの外気温による温度低下を抑制して、目標温度のミルクを容易に作製することができる。
【００４０】
さらに、一回の溶解作業で作製されるミルクの本数が、哺乳瓶作製本数設定部２７ｂにより１〜数本まで入力設定できるため、哺育農家の規模に応じた最適本数の哺乳瓶を作製できて、汎用性に優れた溶解装置１の提供が可能になると共に、ミルクの温度が冷めない状態の各哺乳瓶によりスピーディに哺乳でき、哺乳作業の能率向上等を図ることができる。また、代用乳タンク４のスクリュウ装置２０の排出口側に、ガイド筒２２内に送風して溶解タンク５内の湿気による代用乳の吸湿を防止する防湿ファン２３が配置されているため、溶解タンク５に供給される代用乳の吸湿によるガイド筒２２やスクリュウ装置２０への固着等を防止して、所望量の代用乳の溶解タンク５への搬送供給をスムーズに行うことができて、より一層均一な濃度のミルクの作製が可能となる。
【００４１】
なお、上記実施形態においては、防湿ファン２３としてプロペラファンを使用してガイド筒２２内に送風したが、例えばシロッコファンやクロスフローファン等を使用すると共にガイド筒２２内に誘導板を配置し、この誘導板によって送風を誘導しつつ代用乳の吸湿・固着を防止する構造とすることもできる。また、上記実施形態における、溶解装置全体の容量、各タンクの容量、架台に対する各タンクの配置位置、操作パネルの構成等は一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
本発明は、子牛への哺乳に限らず、子豚等の各種哺乳家畜の哺乳にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明に係わる代用乳溶解装置の一実施形態を示す概略正面図
【図２】同その平面図
【図３】同側面図
【図４】同湯沸かしタンクの正面図
【図５】同溶解タンクの一部破断した正面図
【図６】同代用乳タンクの正面図
【図７】同コントロールパネルの正面図
【図８】同制御系のブロック図
【図９】同動作の一例を示す基本工程図
【図１０】同その具体的動作を示すフローチャート
【図１１】同フローチャート
【図１２】同自動洗浄のフローチャート
【図１３】同手動洗浄のフローチャート
【図１４】同自動洗浄が選択された場合のタイミングチャート
【図１５】同手動洗浄が選択された場合のタイミングチャート
【符号の説明】
【００４４】
１・・・代用乳溶解装置、２・・・架台、３・・・湯沸かしタンク、４・・・代用乳タンク、５・・・溶解タンク、６・・・コントロールボックス、６ａ・・・制御部、６ｂ・・・・操作パネル、７・・・哺乳瓶載せ台、８・・・水位センサ、９・・・水温センサ、１０・・・ヒータ、１２・・・給水電磁弁、１３・・・給湯電磁弁、１４・・・外気温センサ、１５・・・攪拌モータ、１６・・・攪拌羽根、１７・・・把手、１８・・・係止突起、１９・・・排出電磁弁、２０・・・スクリュウ装置、２０ａ・・・スクリュウケース、２０ｂ・・・スクリュウ、２０ｃ・・・スクリュウモータ、２２・・・ガイド筒、２３・・・防湿ファン、２７・・・ユーザー入力設定部、２７ａ・・・給湯温度設定部、２７ｂ・・・哺乳瓶作製本数設定部、２７ｃ・・・ミルク量設定部、２７ｄ・・・スクリュウ微調整部、４０ａ・・・洗浄運転スイッチ、４０ｂ・・・自動洗浄回数スイッチ、４１・・・ミルク排出スイッチ。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、子牛等を人工哺育する際に子牛等に与えるミルクを作製するための代用乳溶解装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、子牛に与えるミルクを作製する装置としては、例えば特許文献１に開示されている。この装置（自動哺乳機）は、粉乳（代用乳）を貯留する粉乳槽と、攪拌羽根を有して代用乳と水を攪拌してミルクを作製する乳槽と、該乳槽に給乳導管で接続されると共に先端に哺乳口が設けられた哺乳管が接続された哺乳槽等を備え、子牛乗台に子牛が乗った際にこれを検知して、哺乳口から哺乳槽内の所定量のミルクを子牛に与えるようにしたものである。
【特許文献１】実公昭４８−１０７８８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかしながら、このような装置にあっては、哺乳口を子牛が吸うことにより自動的に哺乳できるものの、子牛の全頭数を同じ柵内に入れてほとんど飼育者が関与しない状態で哺乳するため、例えば各子牛の下痢症状等の体調の悪化を個体管理することが困難で、子牛の価値（出荷価格）を低下させたり、出荷までの哺育期間が延びたり、あるいは本来なら体調が悪そうな子牛だけに与えればよい薬剤を全ての子牛に与えなければならない等、コスト的にディメリットが発生し易い。また、作製したミルクを子牛に与えた後に、哺乳槽等を単に水洗いしただけでは、ミルクを洗い流しできるものの細菌等の除去や殺菌が困難で、次のミルクを清潔な状態で作製することが難しく、例えば細菌を含んだミルクにより子牛が下痢症状等を起こして体調を崩す場合があり、子牛の成長に悪影響を与えて子牛の価値を一層低下させる虞もある。
【０００４】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所定濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製し得ると共に子牛等の体調に応じて哺乳することができて、例えば子牛等の価値を高めてコスト的なメリットが得られると共に、装置を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製し得る代用乳溶解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項１に記載の発明は、代用乳を溶かすに必要な水を貯留して湯沸かしする湯沸かしタンクと、前記代用乳を収容する代用乳タンクと、前記湯沸かしタンクから供給される湯と代用乳タンクから供給される代用乳とを攪拌羽根で攪拌して溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンクの下方に設けられた哺乳瓶載せ台と、前記各タンクを制御する制御装置と、を備えた代用乳溶解装置であって、前記制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする。
【０００６】
また、請求項２に記載の発明は、前記制御装置が、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であることを特徴とし、さらに、請求項３に記載の発明は、前記洗浄が、ミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のうち請求項１に記載の発明によれば、湯沸かしタンク、代用乳タンク、溶解タンク、哺乳瓶載せ台及び制御装置等を備え、制御装置によって溶解タンクに供給される湯や代用乳の量を所定に設定できるため、溶解タンクにより所定濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製することができると共に、このミルクが収容された哺乳瓶により飼育者が子牛等の体調を管理しながら哺乳することができ、子牛等の体調を良好に維持してその価値を高めたり哺育期間の延長を防止できると共に無駄な薬剤の投与等を防止できて、コスト的に有利な子牛等の哺育が可能となる。また、ミルクの作製後に、ミルク作製用の湯の温度より高い洗浄湯によって溶解経路を洗浄できて、溶解装置を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製することができる。
【０００８】
また、請求項２に記載の発明によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、制御装置が洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であるため、例えばミルクの作製量や代用乳の品質等に応じて回数を所定に設定できて、良好な洗浄状態を簡単に得ることができる。
【０００９】
さらに、請求項３に記載の発明によれば、請求項１または２に記載の発明の効果に加え、洗浄がミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であるため、例えば自動洗浄を選択することにより洗浄忘れを防止することができ、手動洗浄を選択することによりミルクの連続作製が可能になる等、装置自体の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１〜図１５は、本発明に係わる代用乳溶解装置の一実施形態を示し、図１〜図３がその概要を示す正面図、平面図、側面図、図４〜図６は各タンクを示す図、図７がコントロールボックスの正面図、図８が制御系のブロック図、図９の動作の一例を示す工程図、図１０及び図１１がその具体的な動作を示すフローチャート、図１２がその自動洗浄のフローチャート、図１３が手動洗浄のフローチャート、図１４及び図１５がそのタイミングチャートである。
【００１１】
図１〜図３において、代用乳溶解装置１（以下、溶解装置１という）は、縦長に枠組み構成された架台２を有し、この架台２の上部には湯沸かしタンク３と代用乳タンク４が配置され、これらタンク３、４の下方で正面視左側には溶解タンク５が配置され正面視右側には制御装置としてのコントロールボックス６が配置されている。また、架台２の下部で溶解タンク５の下方には、平坦なステンレス板で形成された哺乳瓶載せ台７が設けられている。なお、この例の溶解装置１は、例えば１度に２リットルの哺乳瓶３本分（子牛３頭分）のミルクを作製し、２１頭の子牛の哺乳に適用できる容量に設定されている。
【００１２】
前記湯沸かしタンク３は、図４に示すように、ステンレス板により上面開口部を有する直方体形状で満水容積が略６リットルのタンク本体３ａと、このタンク本体３ａの上面開口部に着脱可能に配設された蓋体３ｂ等で構成されている。タンク本体３ａには、その内部に水位センサ８と水温センサ９が配置され、その側壁に湯沸かし用のヒータ１０が配置されている。また、タンク本体３ａの側壁の上部にはオーバーフロー管１１が接続され、側壁の下部には給水電磁弁１２と給湯電磁弁１３が接続されている。
【００１３】
前記溶解タンク５は、図５に示すように、ステンレス板により底壁に円錐部を有する略円筒形状に形成されたタンク本体５ａと、このタンク本体５ａの上面開口部を閉塞する皿状の蓋体５ｂ等で構成されている。蓋体５ｂは、その所定位置が前記架台２に固定されると共に、その上面には攪拌モータ１５が取付板を介して取り付けられており、この攪拌モータ１５の回転軸の先端には攪拌羽根１６が固定されている。また、溶解タンク５は、タンク本体５ａの側壁外面で直径方向位置に一対の把手１７が固定され、この把手１７を持って、側壁の上部で十字の直径方向位置に設けた４個の係止突起１８を蓋体５ｂの係止溝（図示せず）に下方から挿入して係止させることにより、タンク本体５ａが蓋体５ｂに略ワンタッチで着脱できるように構成されている。
【００１４】
なお、溶解タンク５の蓋体５ｂの所定位置には、前記湯沸かしタンク３の給湯電磁弁１３が接続された給湯管と後述する代用乳タンク４のガイド筒２２の下端が嵌挿する開口（図示せず）がそれぞれ設けられている。また、溶解タンク５のタンク本体５ａの円錐部の底壁には排出口５ｃが設けられ、この排出口５ｃには、後述する制御部６ａの制御信号で開閉（オン・オフ）する排出電磁弁１９が接続されている。
【００１５】
前記代用乳タンク４は、図６に示すように、ステンレス板により横断面が長方形状のホッパ形状で代用乳が１４リットル（約７Ｋｇ分）収容できる容積のタンク本体４ａと、このタンク本体４ａの上面開口部を閉塞する蓋体４ｂ等で構成されている。そして、タンク本体４ａには、その側壁に透明な収容量表示窓４ｃが設けられると共に、その下部にスクリュウ装置２０が配置されている。このスクリュウ装置２０は、スクリュウモータ２０ｃの作動で回転するスクリュウ２０ｂと、このスクリュウ２０ｂを覆う樋状のスクリュウケース２０ａ等で構成されている。
【００１６】
また、スクリュウ２０ｂの長手方向の所定位置には、代用乳タンク４のタンク本体４ａ底面の排出口の大きさに対応した所定間隔を有する一対の規制板２１が配置され、この規制板２１により、代用乳タンク４から排出される粉ミルクからなる代用乳がスクリュウ装置２０の始端側や排出側にその粉体特性により侵入することが防止されるようになっている。さらに、スクリュウ装置２０の排出口にはカイド筒２２が接続され、このガイド筒２２の下端開口部が前記溶解タンク５の蓋体５ｂの開口部に嵌挿され、ガイド筒２２の上面には、代用乳の吸湿、固着を防止する例えばプロペラファン等の防湿ファン２３が配置されている。
【００１７】
前記コントロールボックス６は、筐体内に配置されたマイコン等の制御部６ａ（図８参照）と操作パネル６ｂ（図１及び図７参照）及び電源部（図示せず）等を有し、操作パネル６ｂは、例えば図７に示すように構成されている。すなわち、操作パネル６ｂは、その上部側に電源ランプ２８、溶解ランプ２９、洗浄ランプ３０、完了ランプ３１、異常ランプ３２等の各種表示ランプと、電源スイッチ３３、溶解スイッチ３４、洗浄スイッチ３５、停止スイッチ３６等の各種スイッチが配置され、これらの下方には、２個の数字表示器３７と、エラーコード表示器３８及び前記数字表示器３７に表示される数字が外気温度であるか設定温度であるかを表示する表示灯３９ａ、３９ｂが配置されている。
【００１８】
また、操作パネル６ｂの下部には、ユーザー入力設定部２７が設けられている。このユーザー入力設定部２７は、給湯温度を設定する給湯温度設定部２７ａ、例えば溶解タンク５で作製されるミルクの本数を設定する哺乳瓶作製本数設定部２７ｂ、１本当たりのミルク量を設定するミルク量設定部２７ｃ、スクリュウ装置２０の搬送量（スクリュウ２０ｂの回転数）を微調整するスクリュウ微調整部２７ｄ、ミルクチェックスイッチ２７ｅ等が配置されている。なお、操作パネル６ｂの所定位置には、洗浄工程を自動で行うか手動で行うかを切り換える洗浄運転スイッチ４０ａと、自動洗浄の際の回数を設定する自動洗浄回数スイッチ４０ｂ、手動洗浄の場合に溶解タンク５内の洗浄湯を排出するミルク排出スイッチ４１等が設けられている。
【００１９】
そして、このように構成されたコントロールボックス６の制御部６ａは、図８に示すように接続されている。すなわち、制御部６ａの入力側には、前記ユーザー入力設定部２７、電源スイッチ３３、溶解スイッチ３４、洗浄スイッチ３５、停止スイッチ３６、洗浄運転スイッチ４０ａ、自動洗浄回数スイッチ４０ｂ、ミルク排出スイッチ４１、水位センサ８、水温センサ９、外気温を検出する外気温センサ１４等が接続されている。また、制御部６ａの出力側には、前記電源ランプ２８、溶解ランプ２９、洗浄ランプ３０、完了ランプ３１、異常ランプ３２等と、給水電磁弁１２、給湯電磁弁１３、排出電磁弁１９、ヒータ１０、スクリュウモータ２０ｃ、攪拌モータ１５及び防湿ファン２３等が接続されている。
【００２０】
次に、前記溶解装置１の動作を図９〜図１５に基づいて説明する。先ず、溶解装置１は、図９の基本工程図に示すように、給水工程Ｋ１、湯沸かし工程Ｋ２、給湯工程Ｋ３、代用乳供給工程Ｋ４、攪拌溶解工程Ｋ５、充填工程Ｋ６及び洗浄工程Ｋ７の７つの工程によって、所定量のミルクが作製されて子牛に哺乳されるようになっている。そして、これらの工程Ｋ１〜Ｋ７のうち、前記給水工程Ｋ１から攪拌溶解工程Ｋ５までは、図１０及び図１１に示すフロチーャートに基づいて、前記制御部６ａの制御信号によって自動的に実行される。以下、この図１０及び図１１のフロチーャートを図９の工程図と関連付けて説明する。
【００２１】
前記操作パネル６ｂの電源スイッチ３３がオン（Ｓ１０１）すると、電源ランプ２８が点灯（Ｓ１０２）すると共に前記防湿ファン２３がオン（Ｓ１０３）してガイド筒２２内に送風され、この状態で運転が溶解スイッチ３４がオンか否かが判断（Ｓ１０４）される。この判断Ｓ１０４で「ＮＯ」の場合は、手動洗浄か否かが判断（Ｓ１０５）され、この判断で「ＮＯ」の場合は前記判断Ｓ１０４に戻り、判断Ｓ１０５で「ＹＥＳ」の場合は、後述する手動洗浄工程Ｓ３０１に移行する。また、前記判断Ｓ１０４で「ＹＥＳ」の場合は、溶解ランプ２９が点灯（Ｓ１０６）すると共に給水電磁弁１２がオン（開）となり、湯沸かしタンク３内に給水が開始される。
【００２２】
そして、湯沸かしタンク３の水位センサ８がオンか否か、すなわち湯沸かしタンク３が満水か否かが判断（Ｓ１０７）され、この判断Ｓ１０７で「ＹＥＳ」となった時点で給水電磁弁１２がオフ（閉）（Ｓ１０８）となり、このステップＳ１０７〜１０８により、前記給水工程Ｋ１が実行される。ステップＳ１０８で給水電磁弁１２がオフになると、湯沸かし用のヒータ１０がオン（Ｓ１０９）して、水温センサ９が前記給湯温度設定部２７ａで設定した設定温度か否かが判断（Ｓ１１０）され、この判断Ｓ１１０で「ＹＥＳ」の場合、すなわち湯沸かしタンク３内の水が設定温度（例えば４０℃）の湯となった場合に、ヒータ１０がオフ（Ｓ１１１）する。
【００２３】
ステップＳ１１１でヒータ１０がオフすると、給湯電磁弁１３がオン（Ｓ１１２）となり湯沸かしタンク３内の湯が溶解タンク５内に供給される。また、ステップＳ１１２で給湯電磁弁１３がオンになると、その所定時間Ｔａ後にスクリュウモータ２０ｃがオン（Ｓ１１３）してスクリュウ装置２０が作動し、さらに、給湯電磁弁１３のオンから所定時間Ｔａ後に攪拌モータ１５がオン（Ｓ１１４）して攪拌羽根１６が回転する。この状態で制御部６ｂにより給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ１が算出（Ｓ１１５）されると共に、スクリュウ装置２０の作動時間Ｔ２が算出（Ｓ１１６）され、さらに攪拌モータ１５の作動時間である攪拌時間Ｔ３が算出（Ｓ１１７）される。
【００２４】
この時の給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ１の算出は、前記哺乳瓶作製本数設定部２７ｂで選択された本数に応じて、３本の場合はＴ１＝Ｔｂ、２本の場合はＴ１＝Ｔｂ／３×２＋Ｔｇ、１本の場合はＴ１＝Ｔｂ／３＋Ｔｈ（但し、Ｔｂは３本分排出に必要な給湯電磁弁１３のオン時間、Ｔｇ：２本時の水面位置変位による追加時間、Ｔｈ：１本時の水面変化による追加時間でいずれも固定値）で算出される。
【００２５】
また、ステップＳ１１６のスクリュウ装置２０の作動時間の算出Ｔ２は、前記哺乳瓶作製本数設定部２７ｂと１本当たりのミルク量設定部２７ｃ及びスクリュウ微調整部２７ｄの各設定値に基づいて、例えば次のようにして算出される。すなわち、３本の場合はＴ２＝Ｔｃ＋Ｔｄ＋Ｘ１×３×Ｔｅ、２本の場合はＴ２＝（Ｔｃ＋Ｔｄ）／３×２＋Ｘ１×２×Ｔｅ、１本の場合はＴ２＝（Ｔｃ＋Ｔｄ）／３＋Ｘ１×Ｔｅ（但し、Ｔｃ：使用するミルクに応じた該ミルク９００ｇを搬送するに必要な基本時間、Ｔｄ：スクリュウ微調整部２７ｄで設定された値、Ｔｅ：（Ｔｃ＋Ｔｄ）／１８、Ｘ１：１本当たりのミルク量設定部２７ｃで設定された定数）で算出される。
【００２６】
さらに、前記攪拌時間Ｔ３は、Ｔ２＋Ｔｆ（但し、Ｔｆは攪拌モータ１５の作動時間）で算出される。このようにして、ステップＳ１１５〜Ｓ１１７で時間Ｔ１〜Ｔ３が算出されると、作動時間Ｔ２が経過したか否かが判断（Ｓ１１８）され、この判断Ｓ１１８で「ＹＥＳ」となった時点でスクリュウ装置２０がオフ（Ｓ１１９）する。ステップＳ１１９でスクリュウ装置２０がオフすると、前記オン時間Ｔ１が経過したか否かが判断（Ｓ１２０）され、この判断Ｓ１２０で「ＹＥＳ」となった時点で給湯電磁弁１３がオフ（Ｓ１２１）となり、さらに攪拌時間Ｔ３が経過したか否かが判断（Ｓ１２２）され、この判断Ｓ１２２で「ＹＥＳ」となった時点で攪拌モータ１５が停止（Ｓ１２３）して、完了ランプ３１が点灯（Ｓ１２４）する。このステップＳ１１２〜Ｓ１２４により、前記給湯工程Ｋ３、代用乳供給工程Ｋ４及び攪拌溶解工程Ｋ５が一部並行して実行されることになる。
【００２７】
そして、ステップＳ１２４で完了ランプ３１が点灯すると、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが判断（Ｓ１２５）されて、この判断Ｓ１２５で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９がオン（Ｓ１２６）して、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが再び判断（Ｓ１２７）される。この判断Ｓ１２７は「ＮＯ」になるまで、すなわちミルク排出スイッチ４１から作業者の手が離れてオフとなった場合に、排出電磁弁１９がオフ（Ｓ１２８）となり、その後、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ１２９）される。この判断Ｓ１２９で「ＮＯ」の場合は、判断Ｓ１２５に戻る。すなわち、判断Ｓ１２５〜判断Ｓ１２９において、ミルク排出スイッチ４１が押されてオンしている間、排出電磁弁１９がオン（開）して溶解タンク５内のミルクが下方に排出されて哺乳瓶に充填されることになる。
【００２８】
前記ステップＳ１２９で停止スイッチ３６がオンして「ＹＥＳ」になると、溶解ランプ２９が消灯（Ｓ１３０）するととも完了ランプ３１が消灯（Ｓ１３１）して、洗浄切換スイッチ４０が自動か否かが判断（Ｓ１３２）される。そして、この判断Ｓ１３２で「ＹＥＳ」の場合、すなわち自動洗浄が選択されている場合は自動洗浄フロー（Ｓ１３４）に進み、判断Ｓ１３２で「ＮＯ」の場合、すなわち手動洗浄が選択されている場合は各運転選択（Ｓ１３３）に進む。以下、この自動洗浄フローと手動洗浄フローを図１２及び図１３に基づいて説明する。
【００２９】
先ず、自動洗浄フローは、図１２に示すように、前記判断Ｓ１３２において「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が点灯（Ｓ２０１）して、給水電磁弁１２がオンになると共に数字表示器３７に洗浄湯の設定温度である６０℃が表示（Ｓ２０２）され、その後湯沸かしタンク３が満水か否かが判断（Ｓ２０３）される。この判断Ｓ２０３で「ＹＥＳ」になると、給水電磁弁１２がオフ（Ｓ２０４）となり、湯沸かし温度が６０℃に到達したか否かが判断（Ｓ２０５）され、この判断Ｓ２０５で「ＹＥＳ」の場合にヒータ１０がオフ（Ｓ２０６）し、給湯電磁弁１３がオン（Ｓ２０７）すると共に攪拌モータ１５がオン（Ｓ２０８）する。
【００３０】
そして、所定時間Ｔ４が経過したか否かが判断（Ｓ２０９）され、この判断Ｓ２０９で「ＹＥＳ」の場合に攪拌モータ１５が停止（Ｓ２１０）すると共に給湯電磁弁１３がオフ（Ｓ２１１）となり、さらに排出電磁弁１９がオン（Ｓ２１２）となる。排出電磁弁１９がオンすると、所定時間Ｔ５が経過したか否かが判断（Ｓ２１３）され、この判断Ｓ２１３で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９をオフ（Ｓ２１４）して、自動洗浄回数スイッチ４０ｂで設定された所定回数か否かが判断（Ｓ２１５）される。なお、前記時間Ｔ４は湯沸かしタンク３内の湯の全量を排出するに要する時間（本例の場合７０秒）であり、前記時間Ｔ５は溶解タンク５内の湯の全量を排出するに要する時間（本例の場合９０秒）である。
【００３１】
前記判断Ｓ２１５で「ＮＯ」の場合はステップ２０２に戻り、該ステップＳ２０２以降を繰り返す。これにより、洗浄湯の湯沸かしタンク３から溶解タンク５への供給及び溶解タンク５から排出電磁弁１９を介する排出、すなわち溶解経路（給湯経路）に洗浄湯が自動洗浄回数スイッチ４０ｂで設定された所定回数自動的に流れて該溶解経路が洗浄されることになる。一方、前記判断Ｓ２１５で「ＹＥＳ」の場合は、完了ランプ３１が点灯（Ｓ２１６）し、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ２１７）され、この判断Ｓ２１７で「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が消灯（Ｓ２１８）すると共に完了ランプ３１が消灯（Ｓ２１９）し、各種運転選択工程に移行（Ｓ２２０）する。この自動洗浄フローを選択した場合の電磁弁やモータ等の動作状態を示すのが図１４のタイミングチャートである。
【００３２】
また、前記手動洗浄フローは、図１３に示すように、前記判断Ｓ１０５で「ＹＥＳ」になると、自動洗浄フローと同様に、洗浄ランプ３０の点灯（Ｓ３０１）、設定温度６０℃表示（Ｓ３０２）、湯沸かしタンク３が満水か否かの判断（Ｓ３０３）、給水電磁弁１２のオフ（Ｓ３０４）、湯沸かし温度が６０℃に到達したか否かの判断（Ｓ３０５）、ヒータのオフ（Ｓ３０６）、給湯電磁弁１２のオン（Ｓ３０８７、攪拌モータ１５のオン（Ｓ３０８）、所定時間Ｔ４が経過したか否かの判断（Ｓ３０９）、攪拌モータ１５の停止（Ｓ３１０）、給湯電磁弁１３のオフ（Ｓ３１１）が実行される。
【００３３】
そして、ステップＳ３１１で給湯電磁弁１３がオフになると、完了ランプ３１が点灯（Ｓ３１２）し、ミルク排出スイッチ４１がオンか否かが判断（Ｓ３１３）され、この判断Ｓ３１３で「ＹＥＳ」の場合に排出電磁弁１９をオン（Ｓ３１４）とし、さらにミルク排出スイッチ４１がオンしたか否かが判断（Ｓ３１５）される。この判断Ｓ３１５で「ＮＯ」の場合に排出電磁弁１９がオフ（Ｓ３１６）し、停止スイッチ３６がオンか否かが判断（Ｓ３１７）される。
【００３４】
そして、この判断Ｓ３１７で「ＹＥＳ」の場合に、洗浄ランプ３０が消灯（Ｓ３１８）して前記ステップＳ１０４に戻る。つまり、この手動洗浄フローの場合、湯沸かしタンク３から溶解タンク５内に供給された洗浄湯が、ミルク排出スイッチ４１をオン操作することにより、排出電磁弁１９が自動的にオンとなって開き、溶解経路内に洗浄湯を流して洗浄することができ、この時、洗浄湯が溶解経路をミルク排出スイッチ４１のオン時間に対応した時間流れることになる。なお、この手動洗浄フローにおける洗浄湯の排出電磁弁１９による排出時間（溶解経路の流通時間）は、ミルク排出スイッチ４１をオンしている時間に限らず、例えばミルク排出スイッチ４１のオン操作により予め設定した一定の時間流れるようにしても良い。この手動洗浄フローを選択した場合の電磁弁やモータ等の動作状態を示すのが図１５のタイミングチャートである。
【００３５】
このように、上記実施形態の溶解装置１にあっては、湯沸かしタンク３、代用乳タンク４、溶解タンク５及び哺乳瓶載せ台７等を備えて、溶解タンク５によって子牛３頭分のミルクが繰り返し作製されると共に、繰り返し作製されたミルクが溶解タンク５の排出電磁弁１９から哺乳瓶載せ台７上の３本の哺乳瓶にそれぞれ充填されるため、溶解タンク５によって均一な濃度、温度等のミルクを必要量自動的に作製することができると共に、このミルクが充填された哺乳瓶により飼育者が子牛の体調等を管理しながら哺乳することができる。その結果、子牛の体調を良好に維持して販売時の価値を高めたり哺育期間の延長を防止することができると共に無駄な薬剤の投与等を防止でき、子牛の哺育コストを低減化させること等が可能となる。
【００３６】
また、コントロールボックス６の制御部６ａにより、溶解タンク５で代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンク３で代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク５内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄するため、ミルクの作製後に、ミルク作製用の湯の温度より高い洗浄湯によって溶解経路を洗浄できて、溶解装置１を常に清潔に維持して細菌等のないミルクを安定して作製することができる。特に、操作パネル６ｂの自動洗浄回数スイッチ４０ｂの操作により、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数（所定時間）に設定可能であることから、例えばミルクの作製量や代用乳の品質等に応じて回数を所定に設定できて、一層良好な洗浄状態を簡単に得ることができる。
【００３７】
さらに、洗浄運転スイッチ４０ａにより、自動的に実行する自動洗浄と手動により行う手動洗浄とに切り換え可能であるため、例えば自動洗浄を選択することにより洗浄忘れを防止することができると共に、手動洗浄を選択することによりミルクの連続作製が可能になる。また、溶解タンク５内のミルクの排出をミルク排出スイッチ４１の操作により行うことができるため、ミルクの哺乳瓶への充填を自動的に行うことができ、これらにより、溶解装置１自体の使い勝手を向上させることが可能となる。
【００３８】
また、上記溶解装置１によれば、次のような付随的な作用効果を得ることができる。すなわち、制御部６ａの制御により、給湯電磁弁１３のオン時間Ｔ２内に、溶解タンク５内に代用乳が供給されると共に攪拌モータ１５をオンさせて攪拌羽根を回転させ、かつ、オン時間Ｔ２の終了後に攪拌モータ１５を停止させる等、給湯電磁弁１３、スクリュウ装置２０、攪拌モータ１５等を所定に制御するため、溶解タンク５内により良好な溶解状態が得られて、例えば代用乳のメーカや銘柄等の種類に係わらず代用乳の良好な溶解状態が得られて泡の発生や油脂分離を防止できる等、所望濃度等の均一な品質のミルクを常に安定して作製することが可能となる。
【００３９】
また、制御部６ａにより、溶解タンク５内に供給される代用乳の量を複数段階に設定できるため、例えば代用乳のメーカや銘柄に応じた代用乳の量調整が可能となり、濃度が均一な品質のミルクを安定して作製することができると共に、代用乳を溶解する溶解タンク５内の湯の温度が、外気温センサ１４で検出された温度に基づいて設定されるため、例えば外気温度が低い場合に溶解に使用される湯の設定温度を自動的に高めて、作製されたミルクの外気温による温度低下を抑制して、目標温度のミルクを容易に作製することができる。
【００４０】
さらに、一回の溶解作業で作製されるミルクの本数が、哺乳瓶作製本数設定部２７ｂにより１〜数本まで入力設定できるため、哺育農家の規模に応じた最適本数の哺乳瓶を作製できて、汎用性に優れた溶解装置１の提供が可能になると共に、ミルクの温度が冷めない状態の各哺乳瓶によりスピーディに哺乳でき、哺乳作業の能率向上等を図ることができる。また、代用乳タンク４のスクリュウ装置２０の排出口側に、ガイド筒２２内に送風して溶解タンク５内の湿気による代用乳の吸湿を防止する防湿ファン２３が配置されているため、溶解タンク５に供給される代用乳の吸湿によるガイド筒２２やスクリュウ装置２０への固着等を防止して、所望量の代用乳の溶解タンク５への搬送供給をスムーズに行うことができて、より一層均一な濃度のミルクの作製が可能となる。
【００４１】
なお、上記実施形態においては、防湿ファン２３としてプロペラファンを使用してガイド筒２２内に送風したが、例えばシロッコファンやクロスフローファン等を使用すると共にガイド筒２２内に誘導板を配置し、この誘導板によって送風を誘導しつつ代用乳の吸湿・固着を防止する構造とすることもできる。また、上記実施形態における、溶解装置全体の容量、各タンクの容量、架台に対する各タンクの配置位置、操作パネルの構成等は一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
本発明は、子牛への哺乳に限らず、子豚等の各種哺乳家畜の哺乳にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４３】
【図１】本発明に係わる代用乳溶解装置の一実施形態を示す概略正面図
【図２】同その平面図
【図３】同側面図
【図４】同湯沸かしタンクの正面図
【図５】同溶解タンクの一部破断した正面図
【図６】同代用乳タンクの正面図
【図７】同コントロールパネルの正面図
【図８】同制御系のブロック図
【図９】同動作の一例を示す基本工程図
【図１０】同その具体的動作を示すフローチャート
【図１１】同フローチャート
【図１２】同自動洗浄のフローチャート
【図１３】同手動洗浄のフローチャート
【図１４】同自動洗浄が選択された場合のタイミングチャート
【図１５】同手動洗浄が選択された場合のタイミングチャート
【符号の説明】
【００４４】
１・・・代用乳溶解装置、２・・・架台、３・・・湯沸かしタンク、４・・・代用乳タンク、５・・・溶解タンク、６・・・コントロールボックス、６ａ・・・制御部、６ｂ・・・・操作パネル、７・・・哺乳瓶載せ台、８・・・水位センサ、９・・・水温センサ、１０・・・ヒータ、１２・・・給水電磁弁、１３・・・給湯電磁弁、１４・・・外気温センサ、１５・・・攪拌モータ、１６・・・攪拌羽根、１７・・・把手、１８・・・係止突起、１９・・・排出電磁弁、２０・・・スクリュウ装置、２０ａ・・・スクリュウケース、２０ｂ・・・スクリュウ、２０ｃ・・・スクリュウモータ、２２・・・ガイド筒、２３・・・防湿ファン、２７・・・ユーザー入力設定部、２７ａ・・・給湯温度設定部、２７ｂ・・・哺乳瓶作製本数設定部、２７ｃ・・・ミルク量設定部、２７ｄ・・・スクリュウ微調整部、４０ａ・・・洗浄運転スイッチ、４０ｂ・・・自動洗浄回数スイッチ、４１・・・ミルク排出スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
代用乳を溶かすに必要な水を貯留して湯沸かしする湯沸かしタンクと、前記代用乳を収容する代用乳タンクと、前記湯沸かしタンクから供給される湯と代用乳タンクから供給される代用乳とを攪拌羽根で攪拌して溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンクの下方に設けられた哺乳瓶載せ台と、前記各タンクを制御する制御装置と、を備えた代用乳溶解装置であって、
前記制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする代用乳溶解装置。
【請求項２】
前記制御装置は、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であることを特徴とする請求項１に記載の代用乳溶解装置。
【請求項３】
前記洗浄は、ミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動で洗浄する手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする請求項１または２に記載の代用乳溶解装置。
【請求項１】
代用乳を溶かすに必要な水を貯留して湯沸かしする湯沸かしタンクと、前記代用乳を収容する代用乳タンクと、前記湯沸かしタンクから供給される湯と代用乳タンクから供給される代用乳とを攪拌羽根で攪拌して溶解させる溶解タンクと、前記溶解タンクの下方に設けられた哺乳瓶載せ台と、前記各タンクを制御する制御装置と、を備えた代用乳溶解装置であって、
前記制御装置は、溶解タンクで代用乳を作製し哺乳瓶に充填させた後に、前記湯沸かしタンクで代用乳を作製する温度より高い洗浄湯を作製し、該洗浄湯を溶解タンク内で攪拌させると共に排出して溶解経路を洗浄することを特徴とする代用乳溶解装置。
【請求項２】
前記制御装置は、洗浄湯の攪拌及び排出の回数を所定回数に設定可能であることを特徴とする請求項１に記載の代用乳溶解装置。
【請求項３】
前記洗浄は、ミルク作製の後に、自動的に実行する自動洗浄と手動で洗浄する手動洗浄とに切り換え可能であることを特徴とする請求項１または２に記載の代用乳溶解装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２００７−２４４２８２（Ｐ２００７−２４４２８２Ａ）
【公開日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−７２０４６（Ｐ２００６−７２０４６）
【出願日】平成１８年３月１６日（２００６．３．１６）
【出願人】（０００１９７３４４）静岡製機株式会社 (37)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年９月２７日（２００７．９．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月１６日（２００６．３．１６）
【出願人】（０００１９７３４４）静岡製機株式会社 (37)
【Ｆターム（参考）】
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