説明

代謝調節型グルタミン酸受容体結合用トレーサーとしてのアルキン誘導体

本発明は、同位体標識アルキン誘導体化合物、特に11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH標識化合物を対象とする。特に、本発明は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH複素環式アルキン、並びにそれらの調製方法を対象とする。本発明は、さらに、11C、18F、15O又は13N標識複素環式アルキン化合物を、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断における、特に哺乳動物の代謝病、具体的には、代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)によって調節される病気の研究におけるトレーサーとして使用する方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHで同位体標識された複素環式アルキン誘導体化合物を対象とする。特に、本発明は、複素環式アルキンの11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH同位体、並びにそれらの調製方法を対象とする。
【0002】
本発明は、さらに、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH標識複素環式アルキン化合物を、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断における、及び/又は哺乳動物における代謝病、具体的には代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)によって調節される病気を研究するための他の形式の画像診断においてトレーサーとして使用する方法を含む。
【背景技術】
【0003】
陽電子放射断層撮影(PET)は、様々な用途、特に医学研究及び診断技術において使用される核画像診断(nuclear imaging)の一種である。典型的なPETシステムにおいては、放射性化合物、例えば、フッ化デオキシグルコース(FDGと通常称される放射性医薬品)が被検者に投与される。次いで、同位体化合物は、患者の血中を循環する選択物質を標識し、ある種の組織に吸収され得る。次いで、利用可能な陽電子放射検出手段を用いて、体内の様々な浸透組織中の放射性同位体化合物又はトレーサーを観察する。したがって、PET画像診断は、様々な生物学的プロセスをインビボで研究する高速走査技術である。例えば、PETは、発作、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん及び脳腫瘍を含めて、神経学的疾患及び障害を研究することができる。さらに、PETによって、医薬品研究者は、薬物候補の生化学変化又は代謝的効果を長期間にわたってインビボで評価することができる。重要なことは、PETが薬物分布を測定することができ、したがって検討中の特定の薬物候補の薬物動態学及び薬動力学の評価が可能なことである。その結果、同位体標識生化学物質、及び外側からの画像診断によって放射能を検出する適切な検出装置の開発をもとに、薬剤開発用PETトレーサーに対する関心が高まった。
【0004】
PETトレーサーシステムに使用される同位体は、電子と同じ質量の正に帯電した粒子(陽電子)及びニュートリノを核から放出して崩壊する。このプロセスにおいては、核内のプロトンの1個が中性子となり、その結果、その原子量は一定であるが同位体の原子番号は減少する。同位体により異なるが、陽電子が最高2MeVの運動エネルギーで放出され、患者の体内を通過するときの衝突によってこのエネルギーは失われる。陽電子が熱エネルギー準位に達すると、電子と相互作用し、この2個の粒子は対消滅する。次いで、2個の粒子の静止質量は、互いに180°で特徴的に放射される511KeVの2本のガンマ線に転換される。
【0005】
これらの2本のガンマ線は、適切な装置によって検出することができる。通常、この装置は、患者の周囲に正確な幾何学的パターンで配置されたシンチレーション検出器である。シンチレーション検出器は、ガンマ放射線を吸収するたびに、ガンマ線のエネルギーに比例した光強度を有する閃光を発する。このガンマ放射線が陽電子と電子の対消滅によって生じてもそうでなくても、コンピュータ相関及び断層撮影法によって、関連する対消滅現象が時間と空間でグラフ化される。
【0006】
多種多様な化合物がPET画像診断に使用される。これらの化合物(具体的には陽電子を放出する放射性核種)は、生物医学研究に一般に使用される放射性同位体よりも半減期が短く、放射エネルギーが大きい。PETに使用される主な陽電子放出放射性核種としては、炭素−11(半減期20分)、窒素−13(半減期10分)、酸素−15(半減期2分)、フッ素−18(半減期110分)などがある。したがって、このような同位体を含む化合物は、PETトレーサーとして潜在的に有用となり得る。これらの放射性核種は、核変換によって生成され、すなわち、1個の元素が別の元素に、極微量の汚染物質を除いて、無担体であるように変換されるので比放射能(Ci/mmol)が高い。一般に使用されるPET放射性核種である18F及び11Cの実際の比放射能は、例えばサイクロトロン照射による変換の最後には1000〜5000Ci/mmol程度である。したがって、これらの放射性プローブは、ナノモルのトレーサーレベルで注射される。トレーサー方式に基づくこの核診断技術によって、受容体などの容易に飽和する部位の生化学を含めて、外側からの画像診断による生化学インビボデータの測定が容易になる。例えば、受容体結合研究としては以下の3つの主要な領域が含まれる。
【0007】
A。薬物と所望の結合部位(例えば、受容体又は酵素)との相互作用の測定。試験すべき生化学パラメータを撹乱しないようにそれ自体が同位体標識された潜在的薬物を使用する。所望の諸特性を有する放射性リガンドを使用し、競合によって潜在的薬物候補結合を試験する。
【0008】
B。その推定作用様式が神経伝達物質放出によるものである潜在的薬物を投与した後に、可逆的受容体放射性リガンドによる神経伝達物質濃度変化を間接的に測定する。
【0009】
C。神経伝達物質濃度を測定することによって酵素阻害を間接的に測定する。
【0010】
炭素−11、窒素−13及び酸素−15の元素は、人体によって消費される化合物のすべてではないがほとんどに含まれるので、PETは、これらの化合物の運命をインビボで研究するのに適切な技術である。11C、18F、15O又は13N放射性核種で標識された化合物であるトレーサーは、注射又は吸入によって投与することができ、その目的は単に、血流中にその化合物を注入することである。被検者にほんのわずかな被曝で大用量を投与することができ、同じ被検者に繰り返し試験を実施することができるのは、これらのトレーサー中の放射性核種の半減期が短いためである。動物又はヒトを2回以上試験することができるために、それぞれの生きた検体を(研究の統計的検出力を高める)それ自体の対照として使用することができ、介入的戦略(interventional strategies)を時間をかけて実施することができる。
【0011】
その結果、過去数年にわたって、主に、ヒトの研究に利用可能な多数の新しいトレーサー物質のためにPETは極めて急速に進歩した。それにもかかわらず、新規なPETトレーサーが依然として求められている。
【0012】
本発明の同位体標識化合物の主な用途は、インビボでの分析技術である陽電子放射断層撮影であるが、ある種の同位体標識化合物はPET分析以外にも使用することができる。特に、14C及びH標識化合物は、結合、受容体占有率、及び共有結合性標識を含めた代謝的試験を測定するインビトロ及びインビボでの方法に使用することができる。特に、様々な同位体標識化合物が、磁気共鳴画像法、オートラジオグラフィー、及び他の類似の分析的ツールにおいて有用である。
【0013】
代謝調節型グルタミン酸受容体(「mGluR」)は、興奮性アミノ酸L−グルタミン酸(グルタメート)に結合したときに細胞内二次メッセンジャー系を活性化するGタンパク質共役受容体である。mGluRは、アミノ酸配列相同性、伝達機序及び薬理学的諸特性に基づいて、3つのグループ、すなわちグループI、グループII及びグループIIIに分類される。各受容体グループは、1個以上の受容体サブタイプを含む。例えば、グループIは、代謝調節型グルタミン酸受容体1及び5(mGluR1及びmGluR5)を含む。
【0014】
mGluRは、さらに、大きい推定細胞外アミノ末端ドメインが先行し、大きい推定細胞内カルボキシ末端ドメインが後に続く推定7回膜貫通ドメインを特徴とする。これらの受容体は、G−タンパク質と共役して、受容体グループに応じてある種の二次メッセンジャーを活性化する。すなわち、例えばグループI mGluRは、ホスホリパーゼCを活性化する。受容体の活性化によって、膜ホスファチジルイノシトール(4,5)−二リン酸塩がジアシルグリセロールに加水分解され、ジアシルグリセロールは、プロテインキナーゼC及びイノシトール三リン酸を活性化し、イノシトール三リン酸はイノシトール三リン酸受容体を活性化して細胞内カルシウムの放出を促進する。
【0015】
解剖学的、生化学的及び電気生理学的分析によって、グルタミン酸によって活性化されたmGluRは、哺乳動物の中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質受容体クラスであることが示唆されている。[Nakanishi等、Brain Research Reviews 26:230〜235(1998);Monaghan等、Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.29:365〜402(1980)]。mGluRの機能のこの広範なレパートリー、特にとう痛、不安/抑うつ、薬物嗜癖及び離脱、基底核障害及び精神発達遅滞に関係する機能によって、グルタミン酸がその効果を及ぼす機序を説明し定義しようとする最近の試みが促進された。
【0016】
哺乳動物の神経系における解剖学的研究によれば、mGluR5は、小脳内でわずかに発現され、一方、線条体及び皮質において高レベルで発現される(Romano等、(1995) J.Comp.Neuro.、355:455〜469)。海馬においては、mGluR5は広範に分布すると考えられ、散在的に発現される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
興奮性アミノ酸受容体、特に代謝調節型グルタミン酸受容体は生理学的及び病理学的に重要であるので、脳及び中枢神経系の研究を促進し、これらの受容体によって調節される病気を処置する治療薬の開発を促進するPET画像診断などの方法の開発が求められている。したがって、様々な代謝調節型グルタミン酸受容体に結合する新規PETトレーサーが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、同位体標識アルキン誘導体化合物、特に11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH標識化合物を対象とする。特に、本発明は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH標識複素環式アルキン、並びにそれらの調製方法を対象とする。
【0019】
本発明は、さらに、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH標識複素環式アルキン化合物を陽電子放射断層撮影(PET)画像診断におけるトレーサーとして使用する方法も含む。好ましい実施形態においては、本発明は、代謝調節型グルタミン酸受容体用の利用できる同位体標識リガンドとして役立ち、哺乳動物における代謝病、具体的には代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)によって調節される病気の研究を促進する。
【発明の詳細な説明】
【0020】
本発明は、代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)用の強力なリガンドとされている同位体標識アルキン誘導体化合物、特に複素環式アルキンの11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びH同位体を対象とする。本発明は、少なくとも1個の窒素原子及び少なくとも1個の炭素原子を含む置換不飽和複素環式5、6又は7員環を含む。このような化合物の環は、さらに、炭素、窒素、硫黄及び酸素原子から独立に選択される3、4又は5個の原子を含む。複素環式環は、環窒素原子に隣接する環位置にある少なくとも1個の置換基を有する。この環の必須の置換基としては、アルキニレン部分を介して複素環式環に連結された部分が含まれる。
【0021】
本発明は、少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式Iの化合物、又は薬剤として許容されるその塩を対象とする。
【0022】
【化5】

(式中、
Aは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよい複素環であり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいアリール、複素環、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニルであって、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、A=6−メチル−2−ピリジルのときには、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない。)
本発明の別の化合物は、少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式IIの化合物、又は薬剤として許容されるその塩である。
【0023】
【化6】

(式中、
Aは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない。}
式Iの化合物に類似した非標識化合物、及びそれらの使用方法は、国際公開第01/16121号A1に開示されている。
【0024】
一側面においては、本発明は、
Aが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない、少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式Iの化合物、又は薬剤として許容される塩を対象とする。
【0025】
第2の側面においては、本発明は、
Aが、1〜3個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいチアゾリル又はイソチアゾリルであり、
Bが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6−アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルである、少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式Iの化合物、又は薬剤として許容される塩を対象とする。
【0026】
第3の側面においては、本発明は、
Aが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、
、R及びRが各々独立に−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル又はフェニルであり、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない、少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式Iの化合物、又は薬剤として許容される塩を対象とする。
【0027】
好ましい部分としては、Aが、イソチアゾール−3−イル(1,2−チアゾール−3−イル)、チアゾール−4−イル(1,3−チアゾール−4−イル)及びチアゾール−2−イル(1,3−チアゾール−2−イル)である部分が挙げられる。他の好ましい部分としては、Aが、オキサゾール−2−イル、イソキサゾール−3−イル及びオキサゾール−4−イルである部分が挙げられる。本発明の好ましい実施形態においては、Aは、2−ピリジニル、3−ピリジニル又は2−ピロリルである。他の好ましい部分としては、Aが、3−ピリダジニル(1,2−ジアジン−3−イル)、ピリミジン−4−イル(1,3−ジアジン−4−イル)、ピラジン−3−イル(1,4−ジアジン−3−イル)、ピリミジン−2−イル(1,3−ジアジン−2−イル)、1,3−イソジアゾール−4−イル及び1,3−イソジアゾール−2−イルである部分が挙げられる。現時点で好ましい部分としては、Aが、1,2,3−トリアジン−4−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イルである部分が挙げられる。現時点で好ましい部分としては、Aがテトラゾリルである部分が挙げられる。現時点で好ましい部分としては、Aが、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル及び1,2,4−チアジアゾール−5−イルである部分が挙げられる。現時点で好ましい部分としては、Aが、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−5−イルである部分が挙げられる。
【0028】
本発明のさらに好ましい化合物は、Bが、置換又は非置換アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル、シクロアルカトリエニル、シクロアルキニル、シクロアルカジイニル、2個の環が2個の原子を共有する二環式炭化水素などである化合物である。特に好ましい化合物は、Bが、4個〜約8個の炭素原子を有するシクロアルキル及びシクロアルケニルである化合物である。例示的な化合物としては、シクロプロパニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルがある。また、特に好ましいのは、2個の環が2個の原子を共有する二環式炭化水素部分であり、例示的な化合物としては、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル及びジヒドロナフタレニルがある。
【0029】
本発明のさらに好ましい化合物は、Bが、1個以上の二重結合を場合によっては含む置換又は非置換複素環である化合物である。例示的な化合物としては、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルなどがある。また、好ましいのは、Bが置換又は非置換アリールである化合物である。特に好ましい化合物は、本明細書に記載する置換基、メチル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、アルコキシ、ハロゲン及びシアノを場合によってはさらに有する、置換基がアリール及び複素環である化合物である。また、好ましいのは、Bが、2個の環が2個の原子を共有する二環式複素環部分である化合物である。例示的な化合物としては、インドリル及びイソキノリニルがある。
【0030】
Bは、上述の部分から選択され、さらに、1〜5個の独立したハロゲン、−C1〜12アルキル、−N(C0〜12アルキル)(C0〜12アルキル)又は−O(C1〜12アルキル)置換基で場合によっては置換されていてもよく、少なくともA又はBはフッ素−18又は炭素−11同位体で置換されている。
【0031】
本明細書において使用する「ヒドロカルビル」とは、別段の記載がないかぎり、炭素及び水素原子のみを含み、かつ約1個〜12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和部分から誘導される直鎖又は分枝鎖の一価及び二価の基を意味する。例示的なヒドロカルビル部分としては、アルキル部分、アルケニル部分、ジアルケニル部分、トリアルケニル部分、アルキニル部分、アルカジイナル部分、アルカトリイナル部分、アルケニン部分、アルカジエニイン部分、アルケンジイン部分などが挙げられる。「置換ヒドロカルビル」という用語は、上述の置換基をさらに有するヒドロカルビル部分を指す。
【0032】
本明細書において使用する「アルキル」とは、約1個〜12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基を指し、「置換アルキル」とは、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アリール、複素環、ハロゲン、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、シアノ、シアノメチル、ニトロ、アミノ、アミド、アミジン、アミド、カルボキシル、カルボキサミド、カルバメート、エステル、スルホニル、スルホンアミドなど1個以上の置換基をさらに有するアルキル基を指す。
【0033】
本明細書において使用する「シクロヒドロカルビル」とは、炭素及び水素原子のみを含み、かつ約3個〜20個の炭素原子を有する飽和又は不飽和部分から誘導される一価の環式(すなわち、環含有)基を指す。例示的なシクロヒドロカルビル部分としては、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、シクロアルカジエニル部分、シクロアルカトリエニル部分、シクロアルキニル部分、シクロアルカジイニル部分、2個の環の唯一の共通メンバーである単一原子によって2個の環が連結されているスピロ炭化水素部分(例えば、スピロ[3.4]オクタニルなど)、2個の環が連結され、かつ2個の原子を共有する二環式炭化水素部分(例えば、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.1]ケプト(kept)−2−エン、ノルボルネン、デカリン)などがある。「置換シクロヒドロカルビル」という用語は、上述した1個以上の置換基をさらに有するシクロヒドロカルビル部分を指す。
【0034】
本明細書において使用する「シクロアルキル」とは、約3個〜20個の炭素原子を含む環含有アルキル基を指し、「置換シクロアルキル」とは、上述した1個以上の置換基をさらに有するシクロアルキル基を指す。
【0035】
本明細書において使用する「アリール」とは、6個〜14個の炭素原子を有する単核及び多核芳香族基を指し、「置換アリール」とは、上述した1個以上の置換基をさらに有するアリール基、例えば、アルキルアリール部分を指す。
【0036】
本明細書において使用する「複素環」とは、環構造の一部として1個以上のヘテロ原子(例えば、N、O、S)を有し、かつ3個〜20個の原子を環中に有する環含有基を指す。複素環式部分は、1個以上の二重結合を場合によっては含むことができるときには飽和でも不飽和でもよく、2個以上の環を含むこともできる。複素環式部分としては、例えば、イミダゾリル部分、ピリミジニル部分、イソチアゾリル部分、イソキサゾリル部分、部分などの単環式部分、及びアザビシクロアルカニル部分、オキサビシクロアルキル部分などの二環式複素環式部分がある。「置換複素環」という用語は、上述した1個以上の置換基をさらに有する複素環を指す。
【0037】
本明細書において使用する「ハロゲン」とは、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物を指す。
【0038】
本発明は、さらに、哺乳動物における代謝病、具体的には、代謝調節型グルタミン酸受容体サブタイプ5(mGluR5)によって調節される病気の研究のために、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断においてトレーサーとして同位体標識アルキン誘導体を使用する方法も開示する。これらのアルキン誘導体は、大脳領域、中枢神経系などのmGluR5に富む組織に対して優れた結合親和性を有する。特に、11C又は18F標識アルキン誘導体は、PET画像診断によるmGluR5受容体活性の測定に潜在的に使用可能である。
【0039】
前記アルキン誘導体が、mGluR5受容体との結合に高い親和性を有し、検出可能な「タグ付け(tagging)」分子で標識することができ、標識されたmGluR5受容体を陽電子放射トポグラフィー(PET)によってはっきりと見えるようにする点で、本発明は、分子画像診断の分野における試薬、放射性医薬品及び技術にも関係する。
【0040】
本発明のアルキン誘導体は、例えば中枢神経系におけるmGluR5受容体の画像診断において有利に使用され、したがって、mGluR5受容体陽性癌の診断において有用になり得る。このような誘導体の開発は、現在利用可能な画像診断技術の品質を大いに改善し、PETスキャンの正確度を改善するものである。
【0041】
本発明の最終目的は、mGluR5受容体に対する高い親和性のために、比放射能が高く、標的組織選択性が高く、PET画像診断に有用な放射性医薬品を提供することである。この組織選択性は、この高度に選択的な放射性医薬品を微粒子などのターゲティング剤と一緒にすることによってさらに高めることができる。一実施形態において、この方法は、患者を仰臥位にすること、mGluR5受容体に富む組織に11C−又は18F標識mGluR5リガンドの十分な量を投与すること、mGluR5受容体に富む組織の放射スキャンを実施し、前記組織のPET画像を得ること、及び前記PET画像について、前記組織内での同位体標識リガンドの限局的な取り込み増加の有無を検査することを含む。
【0042】
本発明によれば、同位体標識複素環式アルキン誘導体が画像診断薬として使用される、患者におけるmGluR5受容体を画像診断する最も好ましい方法は、以下の段階、すなわち、患者がPETカメラ中で仰臥位に置かれ、同位体標識複素環式アルキン誘導体の十分な量(約10mCi)が患者の脳組織に投与されることを含む。大脳領域の放射スキャンが実施される。胸部の放射スキャンを実施する技術は当業者に周知である。PET技術は、Freeman等、Freeman and Johnson’s Clinical Radionuclide Imaging. 3rd.Ed.Vol.1(1984);Grune&Stratton、New York;Ennis et Q. Vascular Radionuclide Imaging:A Clinical Atlas、John Wiley&Sons、New York(1983)に記載されている。
【0043】
「標識トレーサー」という用語は、定義済みの活性をインビボで追跡又は検出するために使用することができる任意の分子を指し、例えば、好ましいトレーサーは、代謝調節型グルタミン酸受容体に富む領域中に蓄積するトレーサーである。好ましくは、標識トレーサーは、例えば、陽電子放射断層撮影(PET)走査によって動物全体にわたって見ることができるトレーサーである。適切な標識としては、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、色素、及び酵素を含めたタンパク質などがあるが、これらだけに限定されない。
【0044】
本発明は、酵素又は他の分子のインビボ活性を求める方法も提供する。より具体的には、標的活性を特異的に追跡するトレーサーが選択され標識される。好ましい実施形態においては、トレーサーは、脳及び中枢神経系中のmGluR5受容体に対する結合活性を追跡する。このトレーサーは、高速の興奮性シナプス伝達、神経伝達物質放出の調節、及び長期の増強作用を含めた様々な神経細胞プロセスを評価する手段を提供する。本発明によって、研究者は、とう痛、不安/抑うつ、薬物嗜癖及び離脱、基底核障害、摂食障害、肥満、長期の抑うつ、学習と記憶、発達的シナプス可塑性(developmental synaptic plasticity)、低酸素性虚血性障害及び神経細胞細胞死、てんかん発作、視覚処理、並びにいくつかの神経変性障害の病態発生の生化学機序を研究する手段を得る。
【0045】
標識を検出する手段は当業者に周知である。例えば、同位体標識は、画像診断技術、写真フィルム、又はシンチレーションカウンターを用いて検出することができる。好ましい実施形態においては、標識は、画像診断技術、例えば、陽電子放射断層撮影(PET)によって被検者の脳内でインビボで検出される。
【0046】
本発明の標識化合物は、標識として少なくとも1個の放射性核種を含むことが好ましい。陽電子放出放射性核種はすべて利用候補である。本発明において、放射性核種は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H及びHから選択されることが好ましい。
【0047】
トレーサーは、選択した検出方法に従って選択することができる。本発明による方法を実施する前に、本発明の標識又は非標識化合物の診断上有効な量がヒトを含めた生体に投与される。
【0048】
本発明のためにインビボ方法を実施する前に投与される本発明の標識又は非標識化合物の診断上有効な量は0.1ng〜100mg/kg体重であり、好ましくは1ng〜10mg/kg体重である。
【0049】
本発明の別の実施形態によれば、上述した複素環化合物の調製方法が提供される。例えば、上記複素環化合物は、当分野で周知の合成化学技術(Comprehensive Heterocyclic Chemistry、Katritzky、A.R.及びRees,C.W.編、Pergamon Press、Oxford、1984参照)を用いて、以下に概説する式1の置換複素環の前駆体から調製することができる。本発明の同位体標識化合物は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、Hなどの同位体を基質分子に組み込むことによって調製される。これは、その中に含まれる1個以上の原子を核反応器、サイクロトロンなどの放射能源中に置いて放射性にした試薬を利用することによって実施される。O、CI、14Br、ClCH14COClなどのさらに多数の同位体標識試薬が市販されている。次いで、同位体標識試薬は、以下に示すように、式Iの化合物に同位体原子を組み込む標準有機化学合成技術に使用される。以下のスキームにおいては、A、B又はL(L=アルキン又はアルケンリンカー)のいずれかが、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、Hなどの同位体を含むことができる。
【0050】
【化7】

【0051】
スキーム1においては、(当分野で周知の合成化学技術を用いて調製される)置換複素環前駆体はアルキン誘導体と反応する。スキーム1において、A及びBは上で定義したとおりであり、Y及びWは、遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応を行うことができる官能基である。例えば、Yは、水素、ハロゲン、アシルオキシ、フルオロスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、アルキル又はアリールスルホナート、アルキル又はアリールスルフィナート、アルキル又はアリールスルフィド、ホスフェート、ホスフィナートなどの基であり、Wは、水素、又はLi、MgHal、SnR、B(OR)、SiR、GeRなどの金属種若しくはメタロイド種である。カップリングは、PdCl(PPhなどの均一触媒によって、又は適切な溶媒(例えば、THF、DME、MeCN、DMFなど)中の炭素担持Pdなどの不均一触媒によって促進することができる。一般に、ヨウ化銅(I)などの共触媒、及び塩基(例えば、NEt、KCOなど)も反応混合物中に存在する。カップリング反応は、一般に、約0℃から周囲温度まで数時間かけて徐々に反応温度を上昇させることによって進めることができる。次いで、反応混合物を周囲温度に維持し、又は30℃〜150℃に加温する。次いで、反応混合物を適切な温度で約4時間から最高48時間維持する。一般に、約12時間で十分である。この反応から得られた生成物は、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留などの標準技術を使用して単離し精製することができる。
【0052】
【化8】

【0053】
本発明の別の実施形態をスキーム2に示す。置換複素環前駆体は、スキーム1で示した手順と類似の方法でアルケン誘導体と反応する。スキーム2のアルケン誘導体生成物は、スキーム3に概説する手法を用いてアルキン誘導体に転化することができる。
【0054】
【化9】

【0055】
すなわち、アルケン誘導体を、塩素、臭素、ヨウ素、NCS、NBS、NIS、IC1などのハロゲン化剤と、適切な溶媒(CCl、CHCl、CHCl、AcOHなど)中で接触させることができる。次いで、得られたハロゲン化誘導体(G=ハロゲン)を、二重脱離(double elimination)反応を促進してアルキンを生成するNaOH、KOH、DBU、DBN、DABCOなどの適切な塩基を用いて処理する。この反応は、適切な温度、通常0℃〜150℃でEtOH、MeCN、トルエンなどの適切な溶媒中で実施される。
【0056】
【化10】

【0057】
本発明の別の実施形態においては、置換複素環式誘導体は、アルデヒド又はケトンと反応して置換アルケンを生成する。すなわち、スキーム4において、Jは水素、PR、P(O)(OR)、SOR、SiRなどであり、Kは水素、(先に定義した)低級アルキル又はアリールであり、Rは水素、Acなどである。この反応の適切な触媒としては、NaH、nBuLi、LDA、LiHMDS、HNR、HNR、NRなどの塩基、又はAcO、ZnClなどの陽性試薬などがある。この反応は、適切な温度、通常0℃〜150℃で適切な溶媒(THF、MeCNなど)中で実施される。中間体が単離され、精製又は部分的に精製されてからアルケン生成物が得られる場合もある。
【0058】
【化11】

【0059】
本発明のさらに別の実施形態においては、置換複素環式アルデヒド又はケトンが活性メチレン含有化合物と反応して置換アルケンが得られる。すなわち、スキーム5において、J、K、R、触媒及び反応条件はスキーム4で述べたとおりである。また、スキーム4と同様、中間体が単離され、精製又は部分的に精製されてからアルケン生成物が得られる場合もある。
【0060】
スキーム4及びスキーム5の反応から得られるアルケン生成物は、スキーム3で述べた試薬及び条件を使用して、アルキン誘導体に転化することができる。
【0061】
式Iの複素環化合物を調製する別の方法をスキーム6に示す。
【0062】
【化12】

【0063】
スキーム6においては、XはO、S又はNRとすることができ、Gはハロゲン又は類似の脱離基であり、Lはアルキン又はアルケンであり、Bは定義したとおりであり、Rは前述したA上の置換基である。これらの試薬をEtOH、DMFなどの適切な溶媒中で接触させ、生成物が形成されるまで攪拌する。一般に、反応温度は周囲温度〜約150℃であり、反応時間は1時間〜約48時間であって、現時点では70℃で4時間が好ましい。複素環生成物は、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留などの標準技術を使用して単離し精製することができる。生成物を塩酸塩又は臭化水素酸塩として単離し、この物質を精製して又は精製せずに次の段階に使用する場合が多い。
【0064】
【化13】

【0065】
式Iの複素環化合物を調製するさらに別の方法をスキーム7に示す。スキーム7においては、XはO、S又はNRとすることができ、Gはハロゲン又は類似の脱離基であり、Lはアルキン又はアルケンであり、Bは定義したとおりであり、Rは前述したA上の置換基である。反応条件及び精製手順は、スキーム6で述べたとおりである。
【0066】
【化14】

【0067】
スキーム8に示した本発明の別の実施形態においては、(当分野で周知の合成化学技術を用いて調製された)アルキニル置換複素環前駆体を、反応性官能基Yを有する種Bと反応させる。スキーム8においては、A及びBは上で定義したとおりであり、Y及びWは、遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応を起こすことができる官能基である。例えば、Yは、水素、ハロゲン、アシルオキシ、フルオロスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、アルキル−又はアリールスルホナート、アルキル−又はアリールスルフィナート、アルキル−又はアリールスルフィド、ホスフェート、ホスフィナートなどの基であり、Wは、水素、又はLi、MgHal、SnR、B(OR)、SiR、GeRなどの金属又はメタロイド種である。カップリングは、PdCl(PPhなどの均一触媒、又は適切な溶媒(例えば、THF、DME、MeCN、DMFなど)中の炭素担持Pdなどの不均一触媒によって促進することができる。一般に、ヨウ化銅(I)などの共触媒、及び塩基(例えば、NEt、KCOなど)も反応混合物中に存在する。カップリング反応は、一般に、約0℃から周囲温度まで数時間かけて徐々に反応温度を上昇させることによって進めることができる。次いで、反応混合物を周囲温度に維持し、又は30℃〜150℃に加温する。次いで、反応混合物を適切な温度で約4時間〜48時間維持する。一般に、約12時間で十分である。この反応から得られる生成物は、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留などの標準技術を使用して単離し精製することができる。
【0068】
【化15】

【0069】
本発明の別の実施形態をスキーム9に示す。スキーム8で述べた手順と類似の方法でアルケニル置換複素環前駆体をアルケン誘導体と反応させる。スキーム9のアルケン誘導体生成物は、上記スキーム3に概説する手法を用いてアルキン誘導体に転化することができる。
【0070】
【化16】

【0071】
スキーム10に示す本発明のさらに別の実施形態においては、アルキニル置換複素環前駆体は、置換基R’及びCHR”R’’’を有するカルボニル基で構成される種と反応する。すなわち、スキーム10においては、R’、R”及びR’’’を水素、又は前述の他の置換基とすることができ、或いは一緒に環を場合によっては形成することができる(分子のこの部分は、最終化合物においてBを構成する)。Wは、水素、又はLi、MgHal、SnR、B(OR)、SiR、GeRなどの金属若しくはメタロイド種である。この反応に適切な触媒としては、NaH、nBuLi、LDA、LiHMDS、HNR、HNR、NR、nBuNF、EtMgHalなどの塩基などがあり、スキーム10におけるRは水素、Acなどとすることができる。一般に、この反応は、適切な温度、通常−100℃〜25℃で、EtO、THF、DME、トルエンなどの適切な溶媒中で実施される。この反応は、適切な時間、通常15分〜24時間進められる。−OR基を有する中間体は、上述したように単離し精製することができ、部分的に精製することができ、又は精製せずに次の段階に使用することができる。−OR基を脱離させてアルケン誘導体を得ることは、当業者に周知の様々な方法を用いて実施することができる。例えば、中間体は、ピリジンなどの溶媒中でPOClと接触させることができ、適切な温度、一般に0℃〜150℃で、適切な時間、通常1時間〜48時間攪拌することができる。この反応から得られた生成物は、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化、蒸留などの標準技術を使用して単離し精製することができる。
【0072】
【化17】

【0073】
本発明の別の実施形態をスキーム11に示す。反応性官能基Xを有する(当分野で周知の合成化学技術を用いて調製される)アルキニル複素環を種R−Zと接触させる。スキーム11においては、A及びBは上で定義したとおりであり、XはOH、SH、NHR’などである。Rは、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、Hなどの少なくとも1個の同位体を含む部分であり、Zは、ハロゲン、フルオロスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、アルキル−又はアリールスルホナートなどの脱離基である。この複素環式アルキンを、適切な触媒、一般に、KCO、CsCO、NaOH、KOH、DBU、DBN、DABCO、NaH、nBuLi、LDA、LiHMDS、HNR、HNR、NRなどの塩基の存在下でR−Zと反応させる。この反応は、THF、DME、MeCN、DMFなどの適切な溶媒中で温度−78℃〜約200℃、一般に好ましくは0℃〜100℃で実施される。反応時間は数分〜数時間であり、一般に1分〜1時間で十分である。反応生成物は、単離され、標準技術、通常、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて精製される。
【0074】
【化18】

【0075】
スキーム12に示した本発明の別の実施形態においては、スキーム11におけるアルキンに類似しているが複素環Aに結合した反応性基Xを有する化合物を、スキーム11における化合物に対して示したのと類似した方法で種R−Zと反応させる。
【0076】
【化19】

【0077】
スキーム13に示す本発明のさらに別の実施形態においては、反応性官能基Wを有する(当分野で周知の合成化学技術を用いて調製される)アルキニル複素環を、反応性官能基Yを有する種R−Yと反応させる。スキーム13においては、A及びBは上で定義したとおりであり、Rは11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、Hなどの少なくとも1個の同位体を含む部分である。Y及びWは、遷移金属によって触媒されるクロスカップリング反応を起こすことができる官能基である。例えば、Yは、ハロゲン、アシルオキシ、フルオロスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、アルキル又はアリールスルホナート、アルキル又はアリールスルフィナート、アルキル又はアリールスルフィド、ホスフェート、ホスフィナートなどの基であり、Wは、水素、又はLi、MgHal、SnR、B(OR)、SiR、GeRなどの金属種若しくはメタロイド種である。カップリングは、Pd(dba)、PdCl(PPhなどの均一触媒によって、又は適切な溶媒(例えば、THF、DME、MeCN、DMFなど)中の炭素担持Pdなどの不均一触媒によって促進することができる。P(oTol)、As(Ph)などの共触媒及び塩基(例えば、NEt、KCOなど)も反応混合物中に存在する場合がある。このカップリング反応は、一般に、温度−78℃〜約200℃、一般に好ましくは0℃〜120℃で進行する。反応時間は数分〜数時間であり、一般に1分〜1時間で十分である。反応生成物は、単離され、標準技術、通常、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などを用いて精製される。
【0078】
【化20】

【0079】
スキーム14に示した本発明の別の実施形態においては、スキーム13におけるアルキンに類似しているが複素環Aに結合した反応性基Wを有する化合物を、スキーム13における化合物について示したのと類似した方法で種R−Yと反応させる。
【0080】
以下は、本発明を実施するための具体的な実施態様の実施例である。実施例は、説明の目的のためのみにあり、本発明の範囲を限定するものでは決してない。
【0081】
化合物1
3−ブロモ−5−メトキシピリジン
【0082】
【化21】

【0083】
60℃のNaOMe(1.89g、35.0mmol)のDMF(50mL)溶液に、3,5−ジブロモピリジン(5.14g、21.7mmol)を添加した。この反応物を2.5時間攪拌し、次いで、室温に冷却してさらに18時間攪拌し、HO(約15mL)でクエンチし、分液漏斗中でジエチルエーテル(100mL)及びHO(200mL)を用いて分配させた。その水層をさらに2部のジエチルエーテル(2x100mL)で洗浄した。次いで、混合ジエチルエーテル抽出物を50%希釈飽和NaCl(50mL)を用いて逆抽出し、次いでMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮乾固して、白色固体の3−ブロモ−5−メトキシピリジンを得た。H NMR (CDCl、300MHz) δ 8.30(d、1H)、8.25(d、1H)、7.37(dd、1H)、3.87(s、3H)。
【0084】
化合物2
3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0085】
【化22】

【0086】
3−ブロモ−5−メトキシピリジン(392mg、2.09mmol)及び2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(339mg、1.74mmol)を、トリフェニルホスフィン(73mg、0.27mmol)、ビス−トリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド(98mg、0.14mmol)、CuI(53mg、0.27mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(257mg、0.696mmol)及びトリエチルアミン(879mg、1.21mL、8.7mmol)の脱酸素された40℃のDMF(20mL)溶液に添加した。この反応物を50℃に加温し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.83mmol、1.0M THF溶液1.83mL)を1.5時間かけて徐々に添加した。次いで、この反応物を周囲温度に冷却し、1:1へキサン:EtOAc(150mL)を含む分液漏斗に注入し、50%希釈塩水(4x50mL)で洗浄し、脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その粗製残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上で2:1へキサン:EtOAcを用いて溶出させて、オフホワイト固体の3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを得た。次いで、これをジエチルエーテル(15mL)に溶解し、1M HClのジエチルエーテル(5mL)溶液で処理して、白色塩酸塩として溶液から沈降させた。H NMR(CDOD、300MHz) δ 8.73(s、1H)、8.66(d、1H)、8.39(m、1H)、7.98(s、1H)、4.11(s、3H)、2.78(s、3H)。MS(ESI)230.9(M+H)。
【0087】
化合物3
5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オール
【0088】
【化23】

【0089】
トルエン(20mL)及び3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(0.30g、1.33mmol)の溶液にAlBr(CHCl溶液8.0mL、8.0mmol)を添加した。その溶液を周囲温度で3時間攪拌し、10%NaOHでクエンチし、CHClで抽出し(x3)、その水層を10%HClで中和する。この水層をCHCl(x3)で抽出し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。この粗製物質をRPHPLCによって精製して白色固体を得た。H NMR(CDOD、300MHz) δ 8.18(s、1H)、8.09(d、1H)、7.74(s、1H)、7.34(dd、1H)、3.34(s、1H)、2.72(s、3H)。MS(ESI)217.1(M+H)。
【0090】
化合物4
3−エチニル−5−メトキシピリジン
【0091】
【化24】

【0092】
脱気したトリエチルアミン(20mL)溶液に、3−ブロモ−5−メトキシピリジン(6.3g、34mmol)、Pd(PPh(0.4g、0.4mmol)、CuI(0.005g、0.4mmol)及びTMSアセチレン(5.0g、51mmol)を添加した。この溶液を55℃に18時間加熱し、周囲温度に冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水で抽出した(x3)。その有機層にTBAF(50mL(1M THF溶液)、50mmol)を添加し、その溶液を周囲温度で30分間攪拌した。この溶液を水で2回抽出し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させて、オフホワイト固体を得た。
H−NMR(CDCl、500MHz) δ 8.39(d、1H)、8.34(d、1H)、7.28(m、1H)、3.88(s、1H)
【0093】
化合物5
4−ブロモ−2−メチル−1,3−チアゾールd
【0094】
【化25】

【0095】
−78℃の2,4−ジブロモチアゾール(10g、41mmol)のジエチルエーテル(100mL)とTHF(20mL)の溶液にnBuLi(46mmol)を30分にわたって添加した。この溶液を−78℃でさらに1時間攪拌し、CuI(3.9g、21mmol)及びCDIを追加のTHF(20mL)とともに添加した。この溶液を周囲温度に4時間かけて徐々に加温した。この反応物をクエンチし、水で2回洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。この粗製物質をカラムクロマトグラフにかけ、SiO上で溶出剤5%EtOAc:へキサンを用いて精製して淡黄色オイルを得る。
H−NMR(CDCl、500MHz) δ 7.09(s、1H)
【0096】
(実施例1A)
3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルピリジンd
【0097】
【化26】

【0098】
トリエチルアミン(20mL)とDMF(20mL)の脱気溶液に、4−ブロモ−2−メチル−1,3−チアゾールd(1.5g、8.3mmol)、Pd(PPh(0.5g、0.4mmol)、CuI(0.016g、0.08mmol)及び3−エチニル−5−メトキシピリジン(1.1g、8.3mmol)を添加した。この溶液を70℃に18時間加熱し、周囲温度に冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水で抽出し(x3)、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。この粗製物質をカラムクロマトグラフにかけ、SiO上で溶出剤として10〜50%EtOAc/へキサンを用いて白色固体を得た。H−NMR(CDCl、500MHz) 8.42(s、1H)、8.30(d、1H)、7.46(s、1H)、7.36(m、1H)。MS(ESI)234.0(M+H)。
【0099】
(実施例1B)
5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オールd
【0100】
【化27】

【0101】
CHCl(20mL)と3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンd(0.10g、0.43mmol)の溶液にAlBr(CHCl溶液2.15mL、2.15mmol)を添加した。この溶液を周囲温度で3時間攪拌し、10%NaOHでクエンチし、CHClを用いて抽出し(x3)、その水層を10%HClで中和した。その水層をCHClで抽出し(x3)、MgSOで脱水し、ろ過し、蒸発させた。この粗製物質をRPHPLCによって精製して白色固体を得た。H−NMR(d−MeOD、500MHz) 8.18(s、1H)、8.11(d、1H)、7.76(s、1H)、7.38(m、1H)。MS(ESI)220.1(M+H)。
【0102】
化合物7
3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル
【0103】
【化28】

【0104】
1,3−ジブロモ−5−メチルベンゼン(4.97g、19.9mmol)、シアン化銅(I)(2.70g、30.1mmol)、ピリジン(4.85mL、60.0mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(35mL)の混合物を153℃で6時間加熱した。この反応物を周囲温度に冷却し、HO(200mL)とNHOH(100mL)の溶液に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(100mLx2)で抽出した。この混合有機抽出物を、NHCl(200mL)飽和水溶液で洗浄し、得られた水層をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)を用いて抽出した。次いで、この混合有機抽出物を、NaHCO(200mL)飽和水溶液で洗浄し、得られた水層をメチルtert−ブチルエーテル(50mL)を用いて抽出した。この混合有機抽出物を脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上でへキサン:EtOAc(99:1→1:99)を用いて、オフホワイト固体の3−ブロモ−5メチルベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl、500MHz) δ 7.60(s、1H)、7.57(s、1H)、7.40(s、1H)、2.39(s、3H)。
【0105】
化合物8
3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0106】
【化29】

【0107】
フッ化テトラブチルアンモニウム(3.2mL、1M THF溶液、3.2mmol)を、3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリル(394mg、2.01mmol)、2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(605mg、3.10mmol)、トリエチルアミン(0.60mL、4.3mmol)、ヨウ化銅(I)(76mg、0.40mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(138mg、0.20mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)の混合物に添加した。得られた混合物を通して窒素を15分間バブリングさせ、反応物をマイクロ波反応器中で100℃で15分間加熱した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上でへキサン:EtOAc(9:1→1:1)を用いて、オフホワイト固体の3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl、500MHz) δ 7.63(s、1H)、7.58(s、1H)、7.43(s、1H)、7.42(s、1H)、2.75(s、3H)、2.39(s、3H)。MS(ESI)239.5(M+H)。
【0108】
化合物9
3−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0109】
【化30】

【0110】
フッ化テトラブチルアンモニウム(21mL、1M THF溶液、21mmol)を、3,5−ジブロモベンゾニトリル(5.0g、19mmol)、2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(3.8g、19mmol)、トリエチルアミン(5.5mL、40mmol)、ヨウ化銅(I)(730mg、3.8mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.4g、1.9mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)の混合物に添加した。得られた混合物を通して窒素を30分間バブリングさせ、反応物を90℃で5時間加熱した。この反応物を周囲温度に冷却し、HO(500mL)とNHOH(150mL)の溶液に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(100mLx3)で抽出した。この混合有機抽出物を脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上でへキサン:EtOAc(9:1→1:1)を用いて、淡褐色固体の3−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl、500MHz) δ 7.90(t、J=1.6Hz、1H)、7.76〜7.73(m、2H)、7.46(s、1H)、2.75(s、3H)。MS(ESI)303.2(M+H)
【0111】
化合物10
3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−5−(トリメチルスタンニル)ベンゾニトリル
【0112】
【化31】

【0113】
3−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル(403mg、1.33mmol)溶液、ヘキサメチルジチン(525mg、1.60mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(154mg、0.133mmol)及び脱気したテトラヒドロフラン(4mL)をマイクロ波反応器中で110℃で1時間加熱した。この反応物をHO(50mL)に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(50mL)を用いて抽出した。この有機抽出物を脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上でへキサン:EtOAc(9:1→3:1)を用いて淡橙色固体の3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−5−(トリメチルスタンニル)ベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl、500MHz) δ 7.91〜7.82(m、1H)、7.73(t、J=1.6Hz、1H)、7.73〜7.65(m、1H)、7.43(s、1H)、2.75(s、3H)、0.42〜0.29(m、9H)。MS(ESI)388.9(M+H)。
【0114】
化合物11
3−シアノ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]フェニルボロン酸
【0115】
【化32】

【0116】
3−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル(404mg、1.33mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(373mg、1.47mmol)、酢酸カリウム(500mg、5.09mmol)、ジクロロ[1、1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)ジクロロメタン付加体(67mg、0.082mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(4mL)の混合物を通して窒素を1時間バブリングさせた。この反応物をマイクロ波反応器中で110℃で20分間加熱し、HO(50mL)に注ぎ、メチルtert−ブチルエーテル(20mLx4)を用いて抽出した。この混合有機抽出物を塩水(30mL)で洗浄し、脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その残渣を逆相HPLCによって精製して、白色固体の3−シアノ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]フェニルボロン酸を得た。H NMR(CDOD、500MHz) δ 8.08(s、1H)、7.99(s、1H)、7.94(s、1H)、7.76(s、1H)、2.75(s、3H)。MS(ESI)268.8(M+H)。
【0117】
(実施例2)
11C]3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンd
【0118】
【化33】

【0119】
1%酸素を含有するN−14ガス標的に11MeV陽子線を照射して[11C]COを発生させた。グラファイト球(カーボスフェア(carbosphere))を充填した外径1/8”の銅管内で室温で[11C]COを捕捉し、4ポート2方弁を切り替えることによって雰囲気から単離し、鉛容器内に置いた。[11C]COを放射化学実験室に移した。GE Medical Systems PETtrace MeI Microlabを用いて[11C]COを[11C]MeIに転化した。生成した[11C]MeIを、炭酸セシウムを含有する0℃の5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オールd(化合物6、0.3mg)混合物のDMF(0.2mL)溶液中で捕捉した。この混合物中の放射能量がピークに達したときに、この混合物を少量の炭酸セシウムを含む100℃のバイアルに移した。この反応混合物を4分間100℃で加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLCに注入した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、15分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[11C]3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンdに対応するピークを収集し(保持時間約5分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[11C]3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンdの67mCiを得た。この物質を標準標準とともにHPLC(Waters C18 Symmetry、4.6x250mm、15分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、1mL/min)によって共溶出させた(保持時間9分)。
【0120】
(実施例3)
11C]3−メトキシ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0121】
【化34】

【0122】
実施例5でも、5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オール(化合物2)を前駆体として使用した以外は、実施例4に使用したのと同じ手順に従った。
【0123】
(実施例4)
11C]3メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0124】
【化35】

【0125】
Pd(dba)(約1mg)とP(oTol)(約1.3mg)の脱気DMF(0.2mL)溶液を使用前に少なくとも15分間脱気した。3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−5−(トリメチルスタンニル)ベンゾニトリル(化合物10、約1.5mg)のDMF(0.1mL)溶液を使用前に脱気した。[11C]MeIをパラジウム溶液中で室温でバブリングさせ、2分間静置した。この混合物を水素化スズ溶液に移し、120℃で5分間加熱した。この反応混合物をHO(0.5mL)で希釈し、Phenomenex C18−SD Empore Disc Cartridgeを通してろ過し、HPLC(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、10分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min、90%MeCNで10分間保持)に注入した。[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルに対応するピークを収集し(保持時間約9.5分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移した。[11C]標識物質を、実施例3の標準試料とともにHPLC(Waters C18 Symmetry、4.6x250mm、10分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、90%MeCNで10分間保持、1mL/min)によって共溶出させた(保持時間12分)。
【0126】
化合物12
(5−ブロモピリジン−3−イル)メタノール
【0127】
【化36】

【0128】
5−ブロモニコチン酸(2.07g、10.2mmol)を無水DME(15mL)に懸濁させ、氷/メタノール浴中で冷却した。トリエチルアミン(1.6mL、11.5mmol)を添加して透明溶液を得た。次いで、クロロギ酸イソブチル(1.4ml、10.8mmol)を添加して濃い懸濁液を得た。NaBH(788mg、20.8mmol)のHO(5ml)溶液を滴下した。冷浴を取り外し、反応物を周囲温度に終夜加温した。10%HCl(水溶液)を添加してこの反応をクエンチし、得られた淡黄色溶液を、固体KCOを添加して塩基性にした。得られた懸濁液を減圧濃縮し、その混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(200mL)、塩水(200mL)で洗浄し、NaSOを用いて脱水し、ろ過した。そのろ液を減圧濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィーにかけ、へキサン:EtOAc(3:2)を用いて溶出させて精製して、透明オイルの(5−ブロモピリジン−3−イル)メタノールを得た。
【0129】
化合物13
{5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−イル}メタノール
【0130】
【化37】

【0131】
PdCl(29.6mg、0.17mmol)及びCuI(95.5mg、0.50mmol)をDME(16mL)中で混合し、この懸濁液を通してアルゴンガスを数分間バブリングさせ、その後トリエチルアミン(3.4mL、24.4mmol)を添加した。得られた褐色懸濁液を油浴中で70℃に加温しながら、アルゴンガスをバブリングさせた。PPh(181mg、0.69mmol)を添加し、2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−l、3−チアゾール(1.03g、5.3mmol)及び(5−ブロモピリジン−3−イル)メタノール(892.1mg、4.74mmol)をDME(7ml)溶液として添加した。フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0Mテトラヒドロフラン溶液5.0mL、5.0mmol)を10分間添加した。添加終了後、固体がフラスコ中に出現し、その反応混合物を70℃で終夜加熱した。この反応混合物を25℃に冷却した。TLC分析によって、出発(5−ブロモピリジン−3−イル)メタノールが残留しいていないことを確認した。この反応混合物を減圧濃縮し、EtOAc(300mL)で希釈し、ろ過した。ろ液をHO(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧濃縮して、高真空下で部分的に固化する薄黒いオイルを得た。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィーにかけ、CHCl、次いで、MeOH:CHCl(1:40)を用いて溶出させて精製して、{5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−イル}メタノールmp98〜99℃を得た。H NMR(CDOD、300MHz) δ 8.59(s、1H)、8.51(s、1H)、7.94(s、1H)、7.75(s、1H)、4.68(s、2H)、2.72(s、3H)。MS(ESI) m/e 230.9(M+H)
【0132】
化合物14
3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0133】
【化38】

【0134】
{5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−イル}メタノール(380mg、2.5mmol)をアルゴン下でTHF(5mL)に溶解し、NaH(99mg、60%オイル溶液、2.5mmol)を添加した。10分後、ヨードメタン(281mg、1.98mmol)を0℃で徐々に添加し、終夜攪拌した。出発物質が残っていないことをTLC分析によって確認し、NaHCO(30mL水溶液)を添加して反応をクエンチし、EtOAc(20mLx2)を用いて抽出した。EtOAc層をHO(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。この粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーにかけ、へキサンからへキサン:EtOAc(3:7から4:6)を用いて溶出させて精製して、3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを得た。
H NMR(CDOD、300MHz) δ 8.71(s、1H)、8.52(s、1H)、7.84(s、1H)、7.43(s、1H)、4.48(s、2H)、3.42(s、3H)、2.75(s、3H)。MS(ESI) m/e 245.1(M+H)
【0135】
化合物15
3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン
【0136】
【化39】

【0137】
3−ブロモ−5−メトキシピリジン(化合物1;1.00g、5.32mmol)及び2−エチニルピリジン(823mg、7.98mmol)を、ビス−トリフェニルホスフィンパラジウムジクロライド(300mg、0.43mmol)、CuI(162mg、0.85mmol)及びトリエチルアミン(2.69g、26.6mmol)の脱酸素された40℃DMF(35mL)溶液に添加した。この反応物を75℃に加温し、Ar下で6時間攪拌し、次いで周囲温度に冷却し、1:1へキサン:EtOAc(250mL)を含む分液漏斗に注ぎ、50%希釈塩水(4x75mL)で洗浄し、脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その粗製残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上で1:1へキサン:EtOAcを用いて溶出させて、黄褐色固体の3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンを得た。H NMR(CDCl、300MHz) δ 8.65(d、1H)、8.44(d、1H)、8.31(d、1H)、7.71(m、1H)、7.56(d、1H)、7.39(m、1H)、7.29(m、1H)、3.87(s、3H)。MS(ESI)211.1(M+H)。
【0138】
化合物16
5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン−3−オール
【0139】
【化40】

【0140】
3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン(化合物15;610mg、2.90mmol)を、攪拌棒(stirbar)を備えアルゴンを流したフラスコに添加した。次いで、フラスコを氷浴中で0℃に冷却し、AlBr(1.0Mのジブロモメタン溶液20mL)を激しく撹拌しながら添加した。この反応物を0℃で5分間攪拌し、次いで、周囲温度に加温し、飽和酒石酸カリウムナトリウム(40mL)を用いてクエンチした。この混合物を分液漏斗に注入し、HO(200mL)で希釈し、DCM(5X75mL)で洗浄した。有機層を混合し、脱水(MgSO)し、ろ過し、減圧濃縮した。その粗製残渣をクロマトグラフにかけ、シリカゲル上で2:1 EtOAc:へキサンを用いて溶出させて、黄褐色固体の5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン−3−オールを得た。H NMR(CDOD、300MHz) δ 8.57(d、1H)、8.23(d、1H)、8.13(d、1H)、7.89(dd、1H)、7.67(d、1H)、7.45(m、1H)、7.41(m、1H)。MS(ESI) 197.1(M+H)。
【0141】
(実施例5)
11C]3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン
【0142】
【化41】

【0143】
1%酸素を含有するN−14ガス標的に11MeV陽子線を照射して[11C]COを発生させた。カーボスフェアを充填した外径1/8”の銅管内で室温で[11C]COを捕捉し、4ポート2方弁を切り替えることによって雰囲気から単離し、鉛容器内に置いた。[11C]COを放射化学実験室に移し、GE Medical Systems PETtrace MeI MicroLabを用いて[11C]MeIに転化した。生成した[11C]MeIを、炭酸セシウムを含有する0℃の5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン−3−オール(化合物16;0.3mg)混合物のDMF(0.2mL)溶液中で捕捉した。この混合物中の放射能量がピークに達したときに、この混合物を少量の炭酸セシウムを含む100℃のバイアルに移した。この反応混合物を4分間100℃で加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLCに注入した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、15分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[11C]3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンに対応するピークを収集し(保持時間約5分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[11C]3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン50mCiを得た。
【0144】
(実施例6)
18F]3−(フルオロメトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンd
【0145】
【化42】

【0146】
18O]HOの11MeVプロトン照射によって[18F]Fを生成し、標的内容物をイオン交換樹脂を通して[18O]HOを回収した。[18F]Fを陰イオン交換樹脂に載せて放射化学実験室に移し、80%MeCN:20%シュウ酸塩(水)溶液の混合物1.5mLを用いて溶出させた[(200mg K/3mg KCO/5mL HO)0.05mL+HO 0.25mL+MeCN 1.2mL]。フッ化物水溶液に、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(Kryptofix222;36mg/mL MeCN)0.2mLを添加し、そのフッ化物を95℃(油浴)で減圧下アルゴン気流で乾燥させた。MeCNの追加のアリコート(3x0.7mL)を添加して共沸脱水した。油浴を下げ、約1分後、CDBr(0.05mL)のMeCN(1mL)溶液を添加し、油浴を上げた。アルゴン気流を使用して[18F]FCDBrを蒸留して、少量のCsCOを含む5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン−3−オール(化合物16;0.5mg)のDMF(0.2mL)溶液を含む0℃のバイアルに入れた。捕捉した放射能量がピークに達したときに、容器を100℃で5分間加熱し、次いでアルゴン気流を用いて100℃で5分間DMFを除去した。この反応物をエタノール(0.2mL)及びHO(0.5mL)で希釈し、HPLCに注入した(Waters C18 μ Bondapak、7.8x300mm、20分直線勾配、10%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCN、3mL/min)。[18F]3−(フルオロメトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンdに対応するピークを収集し(保持時間約12.5分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[18F]3−(フルオロメトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンd 5mCiを得た。
【0147】
(実施例7)
18F]3−(フルオロメトキシ)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンd
【0148】
【化43】

【0149】
5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オール(化合物2)を前駆体として使用した以外は実施例6と同じ手順に従って、[18F]3−(フルオロメトキシ)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンd 32mCiを得た。
【0150】
化合物17
6’−クロロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジン
【0151】
【化44】

【0152】
6−クロロ−3−ピリジルボロン酸(1.3g、8.3mmol)の2:1 DMF:HO溶液(30mL)を5分間脱気した。国際公開第0116121号の手順に従って調製した3−ブロモ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(1.5g、5.5mmol)、KCO(1.9g、13.8mmol)、Pd(PhP)(320mg、0.28mmol)及びn−BuNBr(890mg、2.8mmol)を添加した。この反応混合物をアルゴン下80℃で2時間加熱した。さらに2mol%Pd(PhP)を添加して1時間加熱し続け、次いで、その反応混合物を22℃に冷却した。水(30mL)を添加し、その混合物をEtOAc(3x100mL)を用いて抽出した。その混合有機抽出物を塩水(3x20mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧濃縮し、その残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけ、シリカゲル上でEtOAc:へキサン(1:1)を用いて溶出させて精製して、固体の6’−クロロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジンを得た。MS(ES):312(M+H)H NMR(CDCl) δ 8.83(d、1H)、8.76(d、1H)、8.63(d、1H)、8.02(t、1H)、7.86(dd、1H)、7.48(app.t、2H)、2.77(s、3H)ppm。
【0153】
(実施例8)
18F]6’−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジン。
【0154】
【化45】

【0155】
18F]F含有樹脂を、80%MeCN:20%シュウ酸塩(水)溶液の混合物1mLを用いて溶出させた[(200mg K/3mg KCO/5mL HO)0.05mL+HO 0.25mL+MeCN 1.2mL]。フッ化物水溶液(0.5mL)の一部を、マイクロ波装置のキャビティ中の、SiC沸騰石を含むセプタムで蓋をした1mL v−バイアルに移した。マイクロ波の設定は、コイル=高、一次=低、出力約45Wであった。このバイアルは、通気孔として挿入された1インチ18G針を有した。フッ化物水溶液にKryptofix222(36mg/mL MeCN)0.2mLを添加し、水を除去する必要がある場合には、短いマイクロ波パルス(5〜20秒)を用いてフッ化物をアルゴン気流下で乾燥させた。MeCNの追加のアリコート(2x0.5mL)を添加してフッ化物を共沸脱水した。通気孔の針をバイアルから外し、6’−クロロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジン(化合物17;2mg)のDMSO(0.2mL)溶液を添加し、バイアルにマイクロ波を30秒間隔で2x15秒間パルスした。このバイアルを約1分間冷却し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLCに注入した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、15分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[18F]6’−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジンに対応するピークを収集し(保持時間約8.5分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[18F]6’−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−3,3’−ビピリジン75mCiを得た。
【0156】
化合物18
2−クロロ−3−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−ピリジン
【0157】
【化46】

【0158】
ジイソプロピルアミン(17.6mmol、2.5mL)をTHF(20mL)に溶解し、−70℃に冷却した。n−BuLi(2.5Mへキサン溶液、17.6mmol、7mL)を滴下し、得られた淡黄色溶液を0℃で30分間攪拌した。その溶液を冷却して−70℃に戻し、2−クロロピリジン(17.6mmol、2g)のTHF(20mL)溶液を滴下し、溶液を−70℃でさらに4時間攪拌した。THF(15mL)に溶解したヨウ素(17.6mmol、4.5g)を滴下し、−70℃で45分間撹拌を続けた。この反応混合物をHO:THF(5:25)の混合物を用いて−70℃で加水分解し、続いてHO(25mL)を0℃で添加した。チオ硫酸ナトリウム水溶液及びEtOAcを反応混合物に添加し、2層を分離させた。水層をEtOAcで2回抽出し、それらの有機物を混合し、NaSOで脱水し、蒸発乾固させて黒色固体を得た。この粗製物質をカラムクロマトグラフィーにかけ、シリカゲル上で精製して(20〜50%CHClのへキサン溶液)、2−クロロ−3−ヨード−ピリジンと2−クロロ−3,6−ジヨード−ピリジンの混合物を得た。
【0159】
2−クロロ−3−ヨード−ピリジン(2−クロロ−3,6−ジヨード−ピリジン、2.1mmol、500mgとの6:1混合物)、2−メチル−4−トリメチルシラニルエチニル−チアゾール(3.15mmol、614mg)、CuI(0.42mmol、80mg)、トリエチルアミン(8.4mmol、1.2mL)、PdCl(PPh(0.21mmol、148mg)及びTBAF(1M THF溶液、2.5mmol、2.5mL)の混合物のDMF(40mL)溶液を65℃に3時間加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc/塩水を添加した。2層を分離させ、その水層をEtOAcで2回抽出し、有機物を混合し、NaSOで脱水し、蒸発乾固させた。その粗製物質をカラムクロマトグラフィーにかけ、シリカゲル上で(10%EtOAc/へキサン)精製して、2−クロロ−3−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−ピリジンを得た。
H NMR(CDCl、300MHz) δ 8.35(dd、1H)、7.89(dd、1H)、7.50(s、1H)、7.25(m、1H)、2.76(s、3H);MS(ESI)235(M)。
【0160】
(実施例9)
18F]2−フルオロ−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0161】
【化47】

【0162】
2−クロロ−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(化合物18)を前駆体として使用した以外は実施例8と同じ手順に従って、[18F]2−フルオロ−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン36mCiを得た。
【0163】
(実施例10)
H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0164】
【化48】

【0165】
磁性攪拌棒を含む25mL丸底フラスコに、水素化ナトリウム(60%オイル懸濁液、2.0mg、過剰)を窒素雰囲気下で添加した。それに無水n−へキサン(2mL)を添加し、その反応混合物を周囲温度で攪拌した。5分間撹拌後、有機層をデカントし、無水THF(0.2mL)を添加し、続いて{5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−イル}メタノール(化合物13;0.718mg、0.003mmol)の0.1mL無水THF溶液を添加した。15分間室温で撹拌した後、反応混合物を氷浴中で0℃に冷却し、[H]ヨウ化メチル(250mCi、0.003mmol)の0.1mLトルエン溶液(American Radiolabeled Chemicals,Inc.)を添加した。冷浴を除去した。15時間後、酢酸エチル(10mL)、続いて水(5mL)を添加してその反応をクエンチした。その水層を酢酸エチル(2x5mL)を用いて抽出した。その混合有機層を飽和重炭酸ナトリウム(5mL)、水(5mL)及び塩水(5mL)で洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸発させた。その粗製生成物を、半調製用HPLCカラムを用いて精製した(Zorbax SB−フェニル、9.8x250mm、0.1%TFAを含む水、アセトニトリル、80:20、UV=254nm、4mL/min)。必要な画分を収集し、混合し、アセトニトリルを減圧蒸発させた。その水溶液を、Sep−Pak(Waters C−18)カートリッジを通過させた。カートリッジを水で洗浄し、続いてエタノール(10mL)で溶出させて、[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(26.35mCi、比活性=314.8mCi/mg)を得た。
【0166】
(実施例11)
H]3−(メトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン
【0167】
【化49】

【0168】
磁性攪拌棒を含む10mL丸底フラスコに水素化ナトリウム(60%オイル懸濁液、3.0mg、過剰)を窒素雰囲気下で添加した。それに無水n−へキサン(2mL)を添加し、その反応混合物を周囲温度で攪拌した。5分後、その有機層をデカントし、無水DMF(0.2mL)を添加した。この反応混合物に5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン−3−オール(化合物16;2.7mg、0.013mmol)の0.1mL無水DMF溶液を添加した。15分間室温で撹拌した後、反応混合物を氷浴中で0℃に冷却し、[H]ヨウ化メチル(250mCi、0.003mmol)の0.1mLトルエン溶液(American Radiolabeled Chemicals,Inc.)を添加した。冷浴を取り外し、反応混合物を室温で攪拌した。15時間後、酢酸エチル(10mL)、続いて水(5mL)を添加してその反応をクエンチした。その水層を酢酸エチル(2x5mL)を用いて抽出した。その混合有機層を飽和重炭酸ナトリウム(5mL)、水(5mL)及び塩水(5mL)で洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸発させた。その粗製生成物を、半調製用HPLCカラムを用いて精製した(Zorbax SB−フェニル、9.8x250mm、0.1%TFAを含む水、アセトニトリル、80:20、UV=254nm、4mL/min)。必要な画分を収集し、混合し、アセトニトリルを減圧蒸発させた。その水溶液を、Sep−Pak(Waters C−18)カートリッジを通過させた。カートリッジを水で洗浄し、続いてエタノール(10mL)で溶出させて、[H]3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン(33.5mCi、比活性=313.2mCi/mg)を得た。
【0169】
(実施例12)
H]3−(メトキシ)−5−[1(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンの合成
【0170】
【化50】

【0171】
磁性攪拌棒を含む10mL丸底フラスコに水素化ナトリウム(60%オイル懸濁液、2.0mg、過剰)を窒素雰囲気下で添加した。それに無水n−へキサン(2mL)を添加し、その反応混合物を周囲温度で攪拌した。5分間撹拌後、有機層をデカントし、無水DMF(0.2mL)を添加した。この反応混合物に5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−3−オール(化合物3;2.1mg、0.01mmol)の0.1mL 無水DMF溶液を添加した。15分間室温で撹拌した後、反応混合物を氷浴中で0℃に冷却し、[H]ヨウ化メチル(250mCi、0.003mmol)の0.1mLトルエン溶液(American Radiolabeled Chemicals,Inc.)を添加した。冷浴を取り外し、反応混合物を室温で攪拌した。15時間後、酢酸エチル(10mL)、続いて水(5mL)を添加してその反応をクエンチした。その水層を酢酸エチル(2x5mL)を用いて抽出した。その混合有機層を飽和重炭酸ナトリウム(5mL)、水(5mL)及び塩水(5mL)で洗浄した。その有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧蒸発させた。その粗製生成物を、半調製用HPLCカラムを用いて精製した(Zorbax SB−フェニル、9.8x250mm、0.1%TFAを含む水、アセトニトリル、80:20、UV=254nm、4mL/min)。必要な画分を収集し、混合し、アセトニトリルを減圧蒸発させた。その水溶液を、Sep−Pak(Waters C−18)カートリッジを通過させた。カートリッジを水で洗浄し、続いてエタノール(10mL)で溶出させて、[H]3−メトキシ−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン(34.8mCi、比活性=346.2mCi/mg)を得た。
【0172】
(実施例13)
H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンとのインビトロ結合
既報(Ransom RW及びStec N.L.J NeuroChem.1988、51、830〜836.)のようにして、ラットの脳全体、或いはmGlu5+/+又はmGlu5−/−マウス脳全体を用いて膜を調製した。既報(Schaffhauser H等、Mol.Pharmacol. 1998、53、228〜233)にわずかな修正を加えて結合アッセイを室温で実施した。手短に述べると、膜を解凍し、アッセイ緩衝剤(50mM HEPES、2mM MgCl、pH7.4)で1回洗浄し、続いて40,000xgで20分間遠心分離した。ペレットをアッセイ緩衝剤に再懸濁し、ポリトロンを用いて短時間ホモジナイズした。
【0173】
タンパク質の直線性実験(linearity experiment)の場合、漸増濃度の膜タンパク質を96ウェルのプレートに3つ組で添加し、20nM[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを添加して結合を開始した。分析物を2時間インキュベートし、10μM MPEPを用いて非特異的結合を求めた。96ウェルプレートBrandel細胞ハーベスターを用いて、ガラス繊維フィルター(Unifilter−96 GF/Bプレート、Packard)を通して急速ろ過することによって結合を停止させた。シンチラント(scintillant)を添加後、液体シンチレーション分光測定によって放射能を求めた。BioRad−DCタンパク質アッセイによってウシ血清アルブミンを標準として用いてタンパク質測定を実施した。
【0174】
漸増濃度の[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(1pMから100nM)を用いて飽和結合実験を3回実施した。10nM[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを異なる時点(0〜240分)で膜に添加し、続いてろ過することによって会合の経時変化を測定した。10nM[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンとともに3時間あらかじめインキュベートした膜に100μM非標識メトキシメチル−MTEPを異なる時点で添加することによって解離を測定した。競合実験の場合、100μg膜タンパク質及び10nM[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを、漸増濃度の試験化合物を含むウェルに2つ組で添加した(3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン又はMPEP)。
mGlu5受容体タンパク質のウエスタンブロット分析
脳の半球を、20体積(w/v)の氷冷均質化緩衝剤(プロテアーゼ阻害剤カクテル(Calbiochem、La Jolla、CA)を含有するPBS/0.1%CHAPS)中でDounceホモジナイザーを用いてホモジナイズした。次いで、ホモジネートを4℃で30分間管型ローテータ上でインキュベートし、次いで、10,000xgで10分間遠心分離した。上清を2X試料緩衝剤(Laemmli U.K.()Nature 1970、227、680〜685.)に1:1添加し、2分間煮沸した。4〜12%Tris−グリシンPAGE−Goldプレキャストゲル(BioWhittaker、Rockland ME)を用いてタンパク質を分離し、次いで、PVDF膜(Millipore、Bedford、MA)に写した。それらの膜を10%脱脂粉乳を含むPBS中でブロックし、0.1%Tween−20を含むPBS中で1:5000希釈した抗mGlu5抗体(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)を用いてプローブした。抗ウサギIgG−HRP(Amersham、Arlington Heights、IL)を二次抗体として使用し、0.1%Tween−20を含むPBS中で1:5000希釈した。これらの膜を強化化学発光(enhanced chemiluminesence)(Amersham、Arlington Heights、IL)を用いて現像し、続いて、Kodakサイエンティックイメージングフィルム(scientific imaging film)(Eastman Kodak、Rochester、NY)に暴露した。
インビボでの[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン結合
ラットにおける[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンのインビボ結合の経時変化。ラットをプラスチックコーン中に緩やかに拘束し、尾を短時間暖めて容器が容易に拡張できるようにした。次いで、[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(50μCi/kg;等張性食塩水溶液1ml/kg注射体積)を外側尾静脈から投与した。適当な時間でラットを屠殺し、冷却された解剖用トレイ上で素早く脳組織を解剖した。海馬及び小脳を直ちに計量し、ポリトロンを用いて10体積の氷冷緩衝剤(10mMリン酸カリウム、100mM KCl、pH7.4)中でホモジナイズした。次いで、ホモジネート(400μl)をシンチレーションバイアル中に直接置く(全放射能)か、又はGF/Bメンブランフィルター(Whatman)でろ過し、氷冷均質化緩衝剤5mlで2回洗浄して結合した膜を遊離放射能から分離した(Atack,J.R.、Neuropsychopharmacology 1999、20、255〜262)。次いで、フィルター及びホモジネートの放射能をBeckmanカウンターを用いてカウントした。
【0175】
mGlu5欠失マウスにおける[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンのインビボでの結合。mGlu5欠失マウス(及び野生型対照)において、[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(50μCi/kg;等張性食塩水溶液5ml/kg注射体積)を外側尾静脈から投与することによってインビボ結合を実施した。上で詳述したように、マウスを1分後に屠殺し、前脳及び小脳を素早く解剖し、ホモジナイズし、ろ過した。
【0176】
ラットにおけるインビボでの受容体占有率。非標識化合物のインビボでの受容体占有率を測定する試験では、ラットに非標識化合物(50%PEG400に溶解;2ml/kg注射体積)を腹腔内投与した。屠殺1分前に、外側尾静脈から[H]3−(メトキシメチル)−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを投与した(50μCi/kg)。次いで、上述したように、ラットを屠殺し、海馬を素早く解剖し、ホモジナイズし、ろ過した。
【0177】
データ分析及び統計。インビトロでの結合曲線を、Prism GraphPadプログラム(Graphpad Software、San Diego、CA)を用いてフィッティングさせた。非線形回帰分析を使用してインビトロ置換試験でのIC50値を計算し、インビボ実験でのIC50値を得た。示した値は、算術平均SEM又は幾何平均(標準誤差の下限と上限)である。分散分析と、それに続くDunnettのt検定又はStudent Neuman Keuls検定によって各投与群間の差を評価して、具体的な群間の差を明らかにした。
【0178】
(実施例14)
オスのSDラット(150〜200g)を断頭して安楽死させ、脳領域を解剖した。組織を(1:10w/v)氷冷アッセイ緩衝剤I(50mM Tris、pH7.5、0.9%NaCl)中でホモジナイズし、そのホモジネートを17,000rpm、4℃で10分間遠心分離して粗製P1ペレットを得た。このペレットを緩衝剤(最初の組織の湿重量で6mg/ml)に再懸濁した。[H]3−(メトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジン(80Ci/mmol)の結合を濃度範囲0.01〜30nMを用いて測定し、10μM MPEPを用いて非特異的結合を求めた。続いて、競合試験を、1nM放射性トレーサを用いてラット皮質ホモジネートにおいて実施した。化合物を体積100μlで添加して、最終アッセイ体積を1mlとした。膜(最終濃度3mg/ml)を添加してインキュベーションを開始し、室温(24±2℃)で60分間インキュベートし、氷冷0.9%NaCl、pH7.4 3x10mlを用いて0.5%ポリエチレンイミンにあらかじめ浸漬したGF/Bフィルターで急速ろ過して終了した。液体シンチレーション分光測定によって放射能を測定した。Bradford(Bradford)Anal.Biochem.1976、72、248〜254)の方法によってウシ血清アルブミンを標準として用いてタンパク質をアッセイした。結合パラメータを、Sigmaplot 5.0(SPSS Inc.、USA)を用いた非線形最小二乗回帰分析によって求めた。
【0179】
ラット皮質膜における[H]3−(メトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンの会合速度を求めるために、3nM放射性トレーサを組織3mg/ml(最終濃度)とともに時間を変えてインキュベートし、ろ過した(0.5〜120分)。SigmaPlotによってリガンド−受容体会合式に解析的解法を用いてkonの値を計算した。解離速度を求めるために、35nM〜平衡の飽和濃度の放射性トレーサ濃度で膜をインキュベートし、次いで、過剰の非標識MPEP(10μM)を添加して放射性トレーサ解離を開始した。SigmaPlotにおける単一指数関数を用いて解離速度定数を求めた。
オートラジオグラフィー:
H]3−(メトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンの場合には、クリオスタットで切断したラット脳の20μm環状切片においてオートラジオグラフィーを実施した。切片をFrost+スライド上で風乾し、使用するまで−70℃で貯蔵した。1nM放射性トレーサーの存在下、緩衝剤I中にて室温で1時間切片をインキュベートして全結合値を得た。10μM MPEPを用いて非特異的結合を求めた。インキュベーション時間後、切片を氷冷アッセイ緩衝剤で洗浄し(2x3分)、その後、氷冷脱イオン水で2秒間洗浄した。次いで、切片を、冷風下で素早く乾燥させ、次いで、低解像度(TR5025)Fuji蛍光体イメージングプレートに並置し、暗所に室温で5日間貯蔵し(トリチウム+標準)、ホスホイメージャー(phosphoimager)(BAS5000)上で走査し、続いてMCID 4(BioImaging)ソフトウエアを用いてデータを解析した。[13F]3−(フルオロメトキシ)−5−(ピリジン−2−イルエチニル)ピリジンの場合には、ラット及びアカゲザルの脳切片を使用した。方法はすべて上記と同一であるが、風乾した切片は、高解像度蛍光体イメージングプレートにわずか20分間暴露したたけで適切な暴露が得られた。プレゼンテーション用にAdobe Photoshopを用いて画像を後処理した。
【0180】
(実施例15)
11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0181】
【化51】

【0182】
放射性核種は、Siemens RDS−111サイクロトロンを用いてPETNet Pharmaceuticals,Inc.によって製造された。1%酸素を含有するN−14ガス標的に11MeV陽子線を照射して[11C]COを発生させた。カーボスフェアを充填した外径1/8”の銅管内で室温で[11C]COを捕捉し、4ポート2方弁を切り替えることによって雰囲気から単離し、鉛容器内に置いた。[11C]COを放射化学実験室に移し、GE Medical Systems PETtrace MeI MicroLabを用いて[11C]MeIに転化した。使用前に脱気したPd(dppf)Cl 1mgの0.2mL DMF室温溶液中で[11C]MeIを捕捉した。2分間静置した後、この溶液を3−シアノ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]フェニルボロン酸2mgの0.05mL脱気DMF溶液に移し、使用直前に1M KPO 0.02mLを添加した。次いで、この混合物をマイクロ波装置(Resonance Instrumentsモデル520マイクロ波装置、設定:コイル=高、一次=低、出力約45W)のキャビティ中の1mL v−バイアルに添加した。この反応混合物に、4x10秒サイクルでパルス間に10秒間の休止を置いてマイクロ波をパルスした。約30秒間冷却した後に、反応物をHO 0.5mLで希釈し、フィルターディスクを通し、エタノール0.1mLですすいだ。粗製[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルを調製用HPLCによって精製した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、10分直線勾配、30%MeCN:(95:5:0.1HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルに対応するピークを収集し(保持時間約9分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル50mCiを得た。
【0183】
(実施例16)
11C]3−メチル−5−[(2−メチルl−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0184】
【化52】

【0185】
上述のようにして[11C]MeIを生成した。Pd(dba) 1mg及びP(oTol) 1.3mgの混合物を一緒に添加し、脱気DMF 0.2mLを添加し、得られた混合物をアルゴンガスを用いて少なくとも10分間脱気した。[11C]MeIをこのパラジウム混合物中で室温で捕捉し、室温で2分間静置した。次いで、この混合物を、3−トリブイル(tribuyl)スタンニル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン2mgの0.1mL脱気DMF溶液に移し、その反応混合物をマイクロ波装置キャビティ内の1mL v−バイアルに移した。5x10秒パルス、パルス間隔10秒の連続パルスを使用した。約30秒間冷却した後に、反応物をHO 0.5mLで希釈し、フィルターディスクを通し、エタノール0.1mLですすいだ。粗製[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンを調製用HPLCによって精製した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、10分直線勾配、10%MeCN:(95:5:0.1HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンに対応するピークを収集し(保持時間約6分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[11C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン21mCiを得た。
【0186】
(実施例17)
18F]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0187】
【化53】

【0188】
18O]HOの11MeVプロトン照射によって[18F]Fを生成し、標的内容物をイオン交換樹脂を通して[18O]HOを回収した。[18F]Fを陰イオン交換樹脂に載せて放射化学実験室に移し、80%MeCN:20%シュウ酸塩(水)溶液の混合物0.5mLを用いて溶出させ[(200mg K/3mg KCO/5mL HO)0.05mL+HO 0.25mL+MeCN 1.2mL]、マイクロ波装置のキャビティ内の1mL v−バイアルに添加した。このバイアルは、炭化ケイ素沸騰石を含み、シリンジ針を用いてガス抜きされた。フッ化物水溶液にKryptofix222(MeCN 36mg/mL)0.2mLを添加し、このフッ化物をマイクロ波パルスを用いてアルゴン気流下乾燥させて、アセトニトリル水溶液を加熱した。MeCNの追加のアリコート(2x0.5mL)を添加して共沸脱水した。3−クロロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル2mgの0.2mL DMSO溶液をマイクロ波バイアルに添加し、通気孔の針を外し、反応混合物に5x15秒間、パルス間に30秒の休止を置いてマイクロ波をパルスした。1分間冷却した後に、反応物をHO 0.6mLで希釈し、HPLCに注入した(Waters C18 Bondapak、7.8x300mm、15分直線勾配、30%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[18F]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルに対応するピークを収集し(保持時間約14分)、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して、[18F]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル7mCiを得た。
【0189】
(実施例18)
18F]3−フルオロ−5−[(ピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0190】
【化54】

【0191】
18F]3−フルオロ−5−[(ピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾニトリルを、[18F]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルで上述した手順を用い、前駆体として3−クロロ−5−[(ピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾニトリルを用いて合成した。HPLC精製(Waters C18 μBondapak、7.8x300mm、15分直線勾配、10%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min、保持時間14分)して、[18F]3−フルオロ−5−[(ピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾニトリル14mCiを得た。
【0192】
(実施例19)
18F]3−(2−フルオロエトキシ)−5−[(2−メチル−d−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0193】
【化55】

【0194】
18O]HOの11MeVプロトン照射によって[18F]Fを生成し、標的内容物をイオン交換樹脂を通して[18O]HOを回収した。[18F]Fを陰イオン交換樹脂に載せて放射化学実験室に移し、80%MeCN:20%シュウ酸塩(水)溶液の混合物1.5mLを用いて溶出させた[(200mg K/3mg KCO/5mL HO)0.05mL+HO 0.25mL+MeCN 1.2mL]。フッ化物水溶液に、Kryptofix222(36mg/mL MeCN)0.2mLを添加し、そのフッ化を115℃(油浴)で減圧下及びアルゴン気流(約10mL/min)下で乾燥させた。MeCNの追加のアリコート(3x0.7mL)を添加して115℃で共沸脱水させた。油浴を下げ、約1分後にブロモエチルトリフレート(0.005mL、Chi等、JOC、1987、52、658〜664)の1,2−ジクロロベンゼン(0.7mL)溶液を添加し、油浴を上げた。アルゴン気流を使用して[18F]FCHCHBrを蒸留して、少量(約1〜2mg)のCsCOを含む3−ヒドロキシ−5−[(2−メチル−d−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン(0.3mg)のDMF(0.2mL)溶液を含む室温のバイアルに入れた。捕捉した放射能の量がピークに達したときに、この混合物を少量の炭酸セシウムを含む100℃の2mLバイアルに移した。この反応混合物を100℃で5分間加熱し、HO(0.8mL)で希釈し、HPLCによって精製した(Waters C18 Xterra、7.8x150mm、15分直線勾配、20%MeCN:(95:5:0.1 HO:MeCN:TFA)から90%MeCNへ、3mL/min)。[18F]3−(2−フルオロエトキシ)−5−[(2−メチル−d−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジンに対応するピーク(保持時間約7分)をロータリーエバポレーター上で50mL丸底フラスコに収集し、溶媒の大部分を減圧除去し、すすぎとして生理食塩水を用いて、蓋をしたバイアルに移して生成物28mCiを得た。
【0195】
スキーム15は、実施例20〜29に関係する。
【0196】
【化56】

【0197】
(実施例20)
[カルボニル−14C]1−クロロ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−2−オン(I)
塩化アルミニウム325mgの5mL塩化メチレン懸濁液をまず室温で20分間、次いで0℃で攪拌した。分離フラスコ中でビス(トリメチルシリル)アセチレン297mgを塩化メチレン2mLに溶解し、[カルボニル−14C]塩化クロロアセチル100mCiにシリンジで添加した。次いで、この溶液を塩化アルミニウム懸濁液に0℃で滴下した。得られた暗褐色混合物を0℃で1時間、続いて室温で1時間攪拌した。次いで、冷却して0℃に戻し、1N HClを徐々に添加してクエンチした。層分離させ、その水性部分を塩化メチレン(2x5mL)を用いて抽出した。次いで、有機抽出物を混合し、水(1x5mL)及び飽和重炭酸ナトリウム(1x5mL)で洗浄した。この溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、400mBarで減圧濃縮して、HPLCによる放射化学的純度が95%である暗褐色オイル91mCiを得た(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、20%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)から100%アセトニトリル、15分間直線勾配、1mL/min、t=12.1分)。
【0198】
(実施例21)
[チアゾール−4−14C]2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(II)
0℃の[カルボニル−14C]1−クロロ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−2−オン91mCi(309mg)の4mLジメチルホルムアミド溶液をチオアセトアミド171mgで処理し、その後室温に加温し終夜攪拌した。この反応混合物を1:1酢酸エチル:へキサン5mLで希釈し、1:1 HO:塩水(3x7mL)で洗浄した。水性洗液を混合し、1:1酢酸エチル:へキサン(3x5mL)を用いて抽出した。次いで、その有機抽出物を混合し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、150mBarで減圧濃縮した。シリカゲル上(2.5%酢酸エチル:へキサン溶出剤)でフラッシュクロマトグラフィーにかけた後、黄色オイル53mCi(201mg)を得た。この放射化学的純度はHPLCで89%であった(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、20%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)から100%アセトニトリルへ、15分間直線勾配、1mL/min、t=12.4分)。
【0199】
(実施例22)
[チアゾール−4−14C]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル(IIIa)
3−ブロモ−5−フルオロベンゾニトリル15mg、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)5.4mg、ヨウ化銅(I)3mg、トリエチルアミン54μL、[チアゾール−4−14C]2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール4mCi(15mg)及びジメチルホルムアミド1mLの溶液を窒素雰囲気下で50℃に加熱した。続いて、1Mフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液77μLを添加し、温度を80℃に上昇させた。3時間後、反応混合物を室温に冷却し、1:1酢酸エチル:へキサン5mlで希釈し、1:1塩水:HO(1x10mL)で洗浄した。次いで、水性部分を1:1酢酸エチル:へキサン(2x5mL)を用いて抽出した。有機抽出物を混合し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。次いで、残渣をアセトニトリル3mLに溶解し、0.2μMフィルターを通してろ過した。調製用HPLCクロマトグラフィー(Zorbax XDB C18 250x21.2mmカラム、20%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)から100%アセトニトリルへ、60分間直線勾配、20mL/min、2x1.5mL注入)後、HPLC(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、40%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)20分間から10分で100%アセトニトリルへ、100%で15分間保持、1mL/min、t=19.3min)による放射化学的純度が>99.5%である生成物1.2mCi(5.6mg)を得て、[チアゾール−4−14C]3−フルオロ−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルの標準試料と共溶出させた。LC/MS m/z=245。
【0200】
(実施例23)
[チアゾール−4−14C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル(IIIb)
3−ブロモ−5−メチルベンゾニトリルを臭化アリールとして用いて実施例22に従った。HPLC(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、45%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)20分間から10分で100%アセトニトリルへ、100%で15分間保持、1mL/min、t=15.6分)による放射化学的純度が>99.5%である生成物800μCi(3.7mg)を得て、[チアゾール−4−14C]3−メチル−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルの標準試料と共溶出させた。LC/MS m/z=241。
【0201】
(実施例24)
[チアゾール−4−14C]3−フルオロ−5−[5−([2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル]エチニル)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル(IVa)
3−(5−ブロモピリジン−2−イル)−5−フルオロベンゾニトリルを臭化アリールとして用いて実施例22に従った。HPLC(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、50%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)20分間から10分で100%アセトニトリルへ、100%で15分間保持、1mL/min、t=17.5min)による放射化学的純度が>99.5%である生成物1.1mCi(6.8mg)を得て、[チアゾール−4−14C]3−フルオロ−5−[5−([2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル]エチニル)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリルの標準試料と共溶出させた。LC/MS m/z=322
【0202】
(実施例25)
[チアゾール−4−14C]3−(5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(IVb)
3−(5−ブロモピリジン−2−イル)ベンゾニトリルを臭化アリールとして用いて実施例22に従った。HPLC(Zorbax SB C18カラム、4.6x150mm、45%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)20分間から10分で100%アセトニトリルへ、100%で15分間保持、1mL/min、t=18.1min)による放射化学的純度が>99.5%である生成物1.1mCi(6.4mg)を得て、[チアゾール−4−14C]3−(5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4イル)エチニル]ピリジン−2−イル)ベンゾニトリルの標準試料と共溶出させた。LC/MS m/z=304。
【0203】
(実施例26)
[チアゾール−4−14C]5−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−[2,3’]ビピリジル(V)
5−ブロモ−[2,3’]ビピリジルを臭化アリールとして用いて実施例22に従った。HPLC(Zorbax Rx C8カラム、4.6x250mm、40%アセトニトリル:HO(0.1%TFA)から30分で100%アセトニトリルへ、100%で10分間保持、1mL/min、t=23.6min)による放射化学的純度が99.1%である生成物1.3mCi(13.2mg)を得て、[チアゾール−4−14C]5−(2−メチル−チアゾール−4−イルエチニル)−[2,3’]ビピリジルの標準試料と共溶出させた。LC/MS m/z=278.
【0204】
(実施例27)
[U−14C−フェニル](2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルベンゼン
【0205】
【化57】

【0206】
[チアゾール−4−14C]2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(25mCi、123mCi/mmol、0.20mmol)の1.6mL DMF溶液に、[U−14C]−ブロモベンゼン(45mg、0.24mmol)、PdCl(PPh(12mg)、CuI(8mg)及びトリエチルアミン(120μL)を添加した。この反応混合物を、Nを5分間バブリングさせて脱気し、油浴中で70℃に加熱した。TBAF/THF(120μL、1.0M)溶液を徐々に添加し、得られた混合物を70℃で16時間エージングさせた。反応混合物を室温に冷却した後、へキサン/EtOAc(1:1)及び塩水を用いて抽出した。混合有機層をNaSO(無水)で脱水し、ろ過して[U−14C−フェニル](2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルベンゼン17.7mCiを得た(HPLC分析:Zorbax SB−フェニル、4.6x250mm、45:55:0.1 MeCN:HO:TFA、1.0mL/min、30℃、t=14.82min、放射化学的純度55.8%)。粗製[U−14C−フェニル](2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルベンゼンを、連続prep−HPLCカラム(1. Zorbax SB−フェニル、21.2x250mm、20mL/min、勾配:60分間で37%から42%MeCNのHO(0.1%TFA)溶液へ;2. Waters XTerra RP−18 7μm、19x300mm、20mL/min、無勾配:40:60:0.1 MeCN:HO:TFA)によって精製して、[U−14C−フェニル](2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルベンゼン4.54mCiを得た。これを非標識(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニルベンゼン19.7mgで希釈した。(HPLC分析:Zorbax SB−フェニル、4.6x250mm、45:55:0.1 MeCN:HO:TFA、1.0mL/min、30℃、t=14.93min、放射化学的純度100%、254nmにおけるUV純度98.3%)。
【0207】
(実施例28)
3−[C]−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル
【0208】
【化58】

【0209】
乾燥反応バイアル(2mL)中で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(4.6mg、0.005mmol)及びトリ−o−トリルホスフィン(6.0mg、0.02mmol)を窒素下に置いた。DMF(50uL)を添加した後に、反応混合物を室温で5分間攪拌し、次いで、[H]ヨウ化メチルのトルエン溶液(200uL、100mCi、SA=80Ci/mmol、0.0012mmol、American Radiolabeled Chemicals Inc.、Saint Louis、MO USAから入手)を添加した。混合物を室温でさらに3分間攪拌し、続いてトリブチルスズ誘導体3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]−5−(トリブチルスタンニル)ベンゾニトリル(3.9mg、0.008mmol)の200uL DMF溶液を連続添加した。得られた混合物を窒素下50℃で15時間攪拌した。この粗製反応混合物を減圧濃縮し、半調製用HPLCカラム(Zorbax SBフェニル、0.1%TFAを含む水、アセトニトリル、60:40、4mL/min、UV=254nm、Rf=20min)によって精製した。その混合HPLC画分を、Waters Sep−Pak(登録商標)カートリッジ(Plus C18)を通過させ、水で洗浄し、次いで、生成物をエタノール(10mL)で溶出させて、LC/MS(Agilent MSD−1100、エレクトロスプレーイオン化)によって求めた比活性が76.1Ci/mmolである3−[C]−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリル(3.8mCi)を得た。3−[C]−5−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ベンゾニトリルの放射化学的純度は、HPLC(Zorbax SBフェニル、0.1%TFAを含む水:アセトニトリル、60:40、1mL/min、UV=254nm、Rf=20.2min)によって求めて>98%であった。
【0210】
(実施例29)
[チアゾール−4−14C]−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン
【0211】
【化59】

【0212】
Pd(II)(PPhCl(3.9mg、0.0055mmol)、CuI(2.1mg、0.011mmol)及びトリエチルアミン(77μL、0.55mmol)の1.5mL無水DMF溶液にNを2分間バブリングさせ、40℃で10分間加熱し、3−ヨードピリジン(114mg、0.55mmol)を添加した。次いで、温度を70℃に上昇させ、続いて[チアゾール−4−14C]2−メチル−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−1,3−チアゾール(7.0mCi、S.A.=52mCi/mmol、0.14mmol)を添加し、TBAF(1.0M THF溶液、158uL、0.15mmol)をシリンジポンプを用いて徐々に添加した。この反応物を70℃で終夜攪拌した。反応物を室温に冷却した後に、1:1 EtOAc/へキサン20mLで希釈し、次いで、水10mLで洗浄した。1:1 EtOAc/へキサン2x10mLを用いて水層を抽出し、混合有機層を水3x10mL及び塩水10mLで洗浄し、次いで、NaSOで脱水し、ろ過して、粗製[チアゾール−4−14C]−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン6.3mCi(HPLC分析:Zorbax SB−C8カラム、4.6x250mm、15%MeCN−0.1%aq.TFA、1.0mL/min.、25℃、t=18.7min、放射化学的純度81.8%)を収率85.9%で得た。自動化調製用HPLC分離(Zorbax Rx−C8カラム、21.2x250mm、10%MeCN−0.1%aq.TFA、20mL/min、25℃、0.9mCi/回で7回)によって最後の精製を行って、放射化学的純度99.7%(HPLC分析:Zorbax SB−C8カラム、4.6x250mm、15%MeCN−0.1%aq.TFA、1.0mL/min、25℃、t=18.9min)及び比活性52.4mCi/mMolの[チアゾール−4−14C]−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン5.4mCiを得た。
【0213】
ある具体的な実施態様を参照して本発明を記述し説明したが、当業者は、手順及びプロトコルの様々な手直し、変更、改変、置換、削除又は追加が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。例えば、本発明の上記化合物による適応症のいずれかについて治療を受ける哺乳動物の応答性にばらつきがあることから、本明細書に示す特定の投与量以外の有効な投与量を適用することができる。同様に、認められる特異的薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、或いは医薬担体が現在あるかどうか、並びに製剤タイプ及び使用する投与方法によって、また、それらに応じて変動し得る。このような予想される結果の変動又は差異も、本発明の目的及び実施によって企図される。したがって、本発明は以下の特許請求の範囲によって規定され、このような特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式Iの化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【化1】

(式中、
Aは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよい複素環であり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいアリール、複素環、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニルであって、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない。)
【請求項2】
少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された式IIの化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【化2】

(式中、
Aは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRは、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
は、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない。)
【請求項3】
Aが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルであり、前記アルキル、アルケニル又はアルキニルは、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない、
少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された、請求項1に記載の化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項4】
Aが、1〜3個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいチアゾリル又はイソチアゾリルであり、
Bが、1〜3個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6−アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいフェニル、−C3〜20シクロアルキル、−C3〜20シクロアルケニル、−C3〜20シクロアルカジエニル、−C3〜20シクロアルカトリエニル、−C3〜20シクロアルキニル、−C3〜20シクロアルカジイニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフタレニル、ジヒドロナフタレニル、ピリジニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニルである、
少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された、請求項2に記載の化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項5】
Aが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R又は−C(=NOR)R置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラゾイル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、テトラジニル、テトラゼピニル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアダジニル、チアジアゾリル、チアジアゼピニル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、アゼピニル及びジアゼピニルであり、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
Bが、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、NO、−C1〜6アルキル、−C1〜6アルケニル、−C1〜6アルキニル、−OR、−NR、−C(=NR)NR、−N(=NR)NR、−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、−C(=NOR)R、アリール又は複素環置換基で場合によっては置換されていてもよいピリジニル又はフェニルであり、
、R及びRが、各々独立に、−C0〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、これらのいずれも1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよく、
が、1〜5個の独立したハロゲン、−CN、−C1〜6アルキル、−O(C0〜6アルキル)、−O(C3〜7シクロアルキル)、−O(アリール)、−N(C0〜6アルキル)(C0〜6アルキル)、−N(C0〜6アルキル)(C3〜7シクロアルキル)、−N(C0〜6アルキル)(アリール)置換基で場合によっては置換されていてもよい−C1〜6アルキル、−C3〜7シクロアルキル、ヘテロアリール又はアリールであり、
ただし、Aが6−メチル−2−ピリジルのときは、Bは3−メトキシフェニルでも非置換フェニルでもない、
少なくとも1個の11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H又はH原子で同位体標識された、請求項1に記載の化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項6】
Aが、イソチアゾール−3−イル(1,2−チアゾール−3−イル)、チアゾール−4−イル(1,3−チアゾール−4−イル)、チアゾール−2−イル(1,3−チアゾール−2−イル)、オキサゾール−3−イル、オキサゾール−4−イル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、2−ピロリル、3−ピリダジニル(1,2−ジアジン−3−イル)、ピリミジン−4−イル(1,3−ジアジン−4−イル)、ピラジン−3−イル(1,4−ジアジン−3−イル)、ピリミジン−2−イル(1,3−ジアジン−2−イル)、1,3−イソジアゾール−4−イル、1,3−イソジアゾール−2−イル、1,2,3−トリアジン−4−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、テトラゾリル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,3−オキサジアゾール−4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−5−イルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Aがチアゾリル又はイソチアゾリルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Bが、置換又は非置換アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル、シクロアルカトリエニル、シクロアルキニルもしくはシクロアルカジイニル、2個の環が2個の原子を共有する二環式炭化水素、又は1個以上の二重結合を場合によっては含む置換又は非置換複素環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Bが、シクロプロパニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、フェニル、ナフタレニル ジヒドロナフタレニル、チアゾリル、フリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチオピラニル、ピペリジニル、イソキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル及びイソキノリニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Bがピリジニル又はフェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
【化3】



から選択される同位体標識化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【請求項12】
請求項1の化合物の前駆体と、11C、13C、1418F、15O、13N、35S、H及びHから選択される1個以上の同位体を含み前記前駆体と反応し得る同位体標識試薬とを、請求項1の化合物が生成する標準有機合成化学手順によって反応させ、前記同位体標識試薬が基質上で同位体標識置換基を生成する工程を含む、請求項1に記載の同位体標識化合物の調製方法。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物をトレーサー化合物として投与する段階を含む、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断を実施する方法。
【請求項14】
請求項5に記載の化合物をトレーサー化合物として投与する段階を含む、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断を実施する方法。
【請求項15】
a)請求項1に記載の同位体標識代謝調節型グルタミン酸受容体リガンドの有効量を投与すること、
b)PET装置中に被検者を配置すること、
c)代謝調節型グルタミン酸受容体に富む組織を放射スキャンし、前記組織のPET画像を得ること、及び
d)前記PET画像について、前記組織内での前記同位体標識リガンドの限局的な取り込み増加の有無を検査すること
を含む、代謝調節型グルタミン酸受容体に富む組織における代謝調節型グルタミン酸受容体を画像診断する方法。
【請求項16】
a)請求項5に記載の同位体標識代謝調節型グルタミン酸受容体リガンドの有効量を投与すること、
b)PET装置中に被検者を配置すること、
c)代謝調節型グルタミン酸受容体に富む組織を放射スキャンし、前記組織のPET画像を得ること、及び前記PET画像について、前記組織内での前記同位体標識リガンドの限局的な取り込み増加の有無を検査すること
を含む、代謝調節型グルタミン酸受容体に富む組織における代謝調節型グルタミン酸受容体を画像診断する方法。
【請求項17】
前記代謝調節型グルタミン酸受容体に富む組織が大脳組織又は神経組織である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記PET画像診断において前記トレーサーが、代謝調節型受容体の代謝活性をインビボでモニターすることを可能にする、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
代謝調節型グルタミン酸受容体によって調節される病気、疾患又は障害を有する疑いのある患者に、請求項11に記載の化合物の有効トレーサー量を投与する工程を含む、代謝調節型グルタミン酸受容体によって調節される病気、疾患又は障害の処置を診断しモニターする方法。
【請求項20】
Xが−11CH又は18Fであり、YがH又はHである、式IIIの同位体標識化合物、又は薬剤として許容されるその塩。
【化4】

【請求項21】
請求項1に記載の化合物をトレーサーとして投与する工程を含む、陽電子放射断層撮影(PET)画像診断を実施してmGluR5作用物質又は拮抗物質の受容体占有率を求める方法。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物をトレーサーとして投与する工程を含む、同位体標識化合物を使用してmGluR5作用物質又は拮抗物質の受容体占有率を求める方法。

【公表番号】特表2006−513996(P2006−513996A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547079(P2004−547079)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/033613
【国際公開番号】WO2004/038374
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】