説明

伝動装置構成ユニット

本発明は、伝動装置構成ユニットであって、伝動装置入力部(E)及び少なくとも1つの伝動装置出力部(A)が設けられており;伝動装置入力部(E)に連結された発進用部材(2)が設けられており、該発進用部材(2)が、入力部(5)と、伝動装置出力部(A)に少なくとも仲介を経て連結可能な出力部(6)とを有しており;ギヤチェンジのための装置(3)が設けられており、該ギヤチェンジのための装置が、少なくとも2つの入力部(7,8)と、伝動装置出力部(A)に結合可能である出力部(9)とを有しており;ギヤチェンジのための装置(3)の第1の入力部(7)が発進用部材(2)の出力部(6)に結合されており、かつギヤチェンジのための装置(3)の第2の入力部(8)が発進用部材(2)の入力部(5)に結合されており;ギヤチェンジのための装置(3)の各入力部(7,8)が、選択的に、それぞれ1つの同期的に切換え可能な連結装置(16)を介して、第1の出力分岐部(10)及び第2の出力分岐部(11)の形成下で、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に結合可能であり、しかも、同期的に切換え可能な両連結装置(16,17)がそれぞれ、それ自体として単独で又は共同で、閉鎖若しくは締結された状態で、出力分岐部(10,11)を介した出力流れを可能にするようになっていることを特徴とする伝動装置構成ユニットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝動装置構成ユニット、特に、詳しくは独立請求項の上位概念部に記載した形式の(オートマチックトランスミッション等の)自動伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伝動装置構成ユニット、特に自動伝動装置は、従来技術に基づき極めて種々異なる多数の構成によって公知である。これらの構成は、最も単純な事例では、発進用部材と、該発進用部材に配設された(すなわち割り当てられた)ロックアップクラッチと、発進用部材及びロックアップクラッチに後置された回転数/回転モーメント変換ユニットとを有しており、該回転数/回転モーメント変換ユニットは少なくとも1つのギヤ段によって特徴付けられている。この場合、全ての伝動装置構成ユニットに共通する点は、切換え動作中、すなわち、特にギヤ段チェンジ中、いかなる牽引力中断も生じないことにある。このことが意味するのは、作動中のギヤ段の、解離しようとする切換え部材と、次の、すなわち入れようとするギヤ段の、閉鎖しようとするギヤ部材とが、互いに交差し合うように、駆動機械によって調達された出力の、少なくともさらに一部を伝達するということである。このために、切換え部材はスリップを伴うように運転される。そのために、ここでは通常、力接続的な(すなわち、力を伝達するような;kraftschluessig)、特に摩擦接続(すなわち、摩擦力による束縛;Reibschluss)を介して出力伝達する切換え部材だけが使用される。しかしながら、このことは次のような欠点を有している。すなわち、一つには、個々の切換え部材の、スリップを伴う運転形式に基づいて、伝動装置入力部と伝動装置出力部との間の出力伝達に際して出力損失が記録されなければならず、そのために、全ユニットの効率が低下し、さらに、個々の切換え部材は摩耗に晒され、ひいては全ユニットのためのメンテナンス間隔を短縮してしまう。同期的に切換え可能な連結装置が使用される場合には、切換えは、常時、牽引力中断を伴って行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の伝動装置構成ユニットを改良して、前記欠点が回避されるようなものを提供することである。この場合、特に、出力流れ(パワーフロー)内に摩耗を伴う伝達部材を設けなくてよくなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による解決手段は、独立請求項の特徴部に特徴付けられている。有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、出力流れの大部分、有利には全出力流れは、力接続的に(すなわち、力を伝達するように)作動する切換え部材を介して伝達されるのではなく、同期的に切換え可能な連結装置を介して伝達され、該連結装置は、出力伝達経路内の、互いに結合しようとする複数の部材の間のスリップ運転を回避する。このために、伝動装置構成ユニットは、少なくとも1つの伝動装置入力部及び伝動装置出力部を有している。該伝動装置入力部と伝動装置出力部との間には発進用部材が設けられており、かつ該発進用部材に配設された、ギヤチェンジのための装置が設けられている。該ギヤチェンジのための装置は、発進用部材のための繋ぎ機能(Ueberbrueckungsfunktion)のほかに、ギヤチェンジ中の牽引力の維持をも引き受ける。さらに、複数の回転数/回転モーメント変換装置、有利には少なくとも1つの回転数/回転モーメント変換装置が設けられており、該回転数/回転モーメント変換装置は発進用部材又はギヤチェンジのための装置に連結されているか又は発進用部材及びギヤチェンジのための装置の両方に共に連結されている。発進用部材自体は、伝動装置入力部に相対回転不能に結合されている少なくとも1つの入力部と、伝動装置出力部に少なくとも仲介を経て相対回転不能に結合可能である出力部とを有しており、しかも、該結合は部分的にギヤチェンジのための装置を介してのみ実現される。このために、ギヤチェンジのための装置は、少なくとも2つの入力部、すなわち、発進用部材の出力部に相対回転不能に結合されている第1の入力部と、発進用部材の入力部に相対回転不能に結合されている第2の入力部とを有しており、しかも、該結合部は、発進用部材の出力部との相対回転不能な連結部を有していない。このために、伝動装置出力部に結合されている少なくとも1つの出力部が設けられている。この場合、ギヤチェンジのための装置の各入力部は、選択的に、同期的に切換え可能な連結装置を介して、ギヤチェンジのための装置の出力部に、2つの出力分岐部、すなわち、第1の出力分岐部及び第2の出力分岐部の形成下で結合可能である。しかも、本発明によれば、同期的に切換え可能な両連結装置は、それぞれの入力部と出力部との間の相対回転不能な結合を実現する趣旨で共同で操作されていてよいか又はそれぞれ、それ自体として単独で操作されていてよい。このことによって、一方では、出力伝達を2つの出力分岐部内で行うことが可能になる。この場合、第1の出力分岐部内では出力伝達は発進用部材を介して行われるのに対して、第2の出力分岐部内では、純粋に機械式の出力伝達が行われ、その際、伝動装置入力部は相対回転不能にギヤチェンジのための装置の出力部に、発進用部材を迂回しながら結合される。他方では、出力は両分岐部を介して平行に伝達され得、しかも、ギヤチェンジのための装置は本事例では合成伝動装置(Summiergetriebe)として機能し、両出力分岐はギヤチェンジのための装置の出力部において再び集結させられる。
【0006】
入力部をギヤチェンジのための装置の出力部に結合する具体的な設計上の構成に関しては、複数の可能な手段が考えられ得る。最も単純な事例では中間歯車構成形式が用いられる。しかしながらこの場合、一般的に、出力流れの案内によって特徴付けられている2つの基本構成が区別される。前記出力流れに属するのは、
a)互いに平行な出力分岐部内の出力伝達であって、しかも、発進用部材に対して偏心的である出力伝達、及び
b)互いに同軸的に配置された出力分岐部内の出力伝達であって、しかも、少なくとも部分的に発進用部材に対して平行な出力伝達
である。
【0007】
この場合、第2の実施例は、全伝動装置の、特別に高度なコンパクト性によって際立っている。必要とされる構成スペースが最小に維持され得るか、若しくは、a)に従って提案される解決手段に比べて自由になった構成スペースが、別の機能部材の配置のために利用され得る。
【0008】
発進用部材、ギヤチェンジのための装置及び回転数/回転モーメント変換装置の、本発明による基本構成は、自動伝動装置の形状の伝動装置構成ユニットとしての運転のほかに、自動化された切換え伝動装置としての運転形式をも可能にする。この場合、いかなる変更及び修正も必要とされず、制御装置内の変更が行われるだけでよい。なぜならば、この事例では、常時、切換え動作中にエンジンと伝動装置との間の分離が行われるからである。制御装置内の前記変更は、切換え動作中の第1の出力分岐部を介した出力伝達を排除することを含むものである。すなわち、発進用部材を介した出力伝達は行われない。
【0009】
既述のように、設計上の構成は、最も単純な事例では中間歯車構成形式で行われる。この場合、各出力分岐部は少なくとも第1の中間歯車を有しており、該中間歯車は発進用部材の出力部若しくは発進用部材の入力部に相対回転不能に結合されており、前記中間歯車は、さらに、発進用部材に対して、特に発進用部材の回転軸線に対して平行に配置された中間歯車軸に連結可能な別の中間歯車を介して、再びギヤチェンジのための装置の出力部に結合されている。しかも、有利には、前記同期的に切換え可能な連結装置がそれぞれ、ギヤチェンジのための装置の出力部に相対回転不能に結合された中間歯車と中間歯車軸との間に配置される。
【0010】
高いコンパクト性によって際立つ第2の解決手段の端緒によれば、個々の中間歯車は軸方向で互いに平行にかつ互いに同軸的に配置されており、この場合、両中間歯車軸のうちの一方の中間歯車軸が中空軸として構成されており、該中空軸を貫通するように他方の出力分岐部のそれぞれ他方の中間歯車軸が案内されるようになっている。
【0011】
ギヤチェンジのための装置自体は既に1つのギヤ段を特徴付けることができ、ひいては回転数/回転モーメント変換装置の一部を形成しているか、若しくは回転数/回転モーメント変換装置の複数の部材が前記ギヤ段とギヤチェンジのための装置とによって共に利用される。このために、特別有利な構成によれば、ギヤチェンジのための装置に後置された回転数/回転モーメント変換装置もやはり中間歯車構成形式で構成されているので、ここでは、第2の出力分岐部の中間歯車軸が共に利用され得る。このことによって、所要構成スペースが極めて僅かに維持され得る。さらに、このことによって繋ぎ機能を直接的に伝動装置内に組み込むこともできるので、ギヤチェンジのための装置の出力部は、本事例では伝動装置内の任意の箇所に形成される。
【0012】
既述のように、本発明に従って形成された伝動装置は摩擦接続的な出力伝達装置を有していないので、摩耗を伴う伝達部材がほぼ省かれる。この場合、前記同期的に切換え可能な連結装置は形状接続的な連結装置、特に爪クラッチとして有利に構成されている。
【0013】
発進用部材の具体的な構成に関してはいかなる制約もない。使用事例の必要条件に応じて選択が行われる。考えられ得るのは、流体力学的な構成部材、例えば流体力学的な連結装置又は変換器、エネルギ源・発電機ユニット並びに流体力学的ではあるが機械的でもある(湿式又は乾式ディスククラッチ)解決手段である。発進用部材の主利用領域における有利な特性に基づいて、流体力学的な解決手段が有利に選択される。したがって、本発明による伝動装置構成ユニットは、発進用部材としてスリップを伴う1つの伝達部材しか有していない。他の全てのギヤ段では、出力伝達は純粋に機械式にスリップなしで行われる。したがって、流体力学的な部材とギヤ段とを繋ぐことを実現するためには、唯一の連結装置しか必要とされず、同時に係合していなければならない複数の連結装置は必要とはされない。
【0014】
以下に、本発明による解決手段が図面に基づき説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1には、本発明に従って形成された伝動装置構成ユニット、特に自動伝動装置の基本構造及び基本原理が概略的に単純化して示されている。該装置は少なくとも1つの伝動装置入力部E及び伝動装置出力部Aを有している。伝動装置入力部Eと伝動装置出力部Aとの間には発進用部材2と、前記発進用部材に配設された(すなわち割り当てられた)、ギヤチェンジのための装置、特にギヤ段チェンジ中に発進用部材を繋ぎかつ牽引力を維持するための装置とが存在する。このような形式の伝動装置構成ユニット1は、さらに、少なくとも1つの回転数/回転モーメント変換装置4を、有利にはいわゆる切換え段の形状で有している。この場合、発進用部材2と、該発進用部材2における出力流れを迂回するための繋ぎ連結装置(Ueberbrueckungsankopplung)とは、それぞれ伝動装置入力部Eに結合されていて、さらに、少なくとも仲介を経て伝動装置出力部Aに結合されている。このために、発進用部材2は入力部5を有しており、該入力部5は伝動装置入力部Eに結合されているか又は該伝動装置入力部Eを形成している。発進用部材2は、さらに、出力部6を有しており、該出力部6は少なくとも仲介を経て伝動装置出力部Aに結合されている。「少なくとも仲介を経て」とは、通常、別の回転数/回転モーメント伝達及び/又は変換装置が介在接続されているという意味である。このことは、ギヤチェンジのための装置についても同様に当てはまる。該ギヤチェンジのための装置は伝動装置入力部Eに少なくとも間接的に、有利には発進用部材2の入力部5を介して結合されている。さらに、ギヤチェンジのための装置3は発進用部材2の出力部6に連結されている。これら両連結部は、伝動装置入力部Eから伝動装置出力部Aへのトラクション運転中の出力伝達に際して観察すると、ギヤチェンジのための装置3の入力部7,8を形成している。ギヤチェンジのための装置3は、さらに、少なくとも1つの出力部9を有している。この場合、該出力部9は伝動装置出力部Aに少なくとも仲介を経て相対回転不能に結合されている。伝動装置出力部Aとの連結は、少なくとも1つの回転数/回転モーメント変換装置4を介して行われる。発進用部材2も、ギヤチェンジのための装置3を介して回転数/回転モーメント変換装置4に結合されている。この場合、発進用部材2及びギヤチェンジのための装置3は、互いに連結される別個の構成ユニットとして構成されていてよいが、又は1つの構成ユニットに纏められ得るようになっている。しかしながら、有利には、ギヤチェンジのための装置3は、後置された回転数/回転モーメント変換装置4と共に既に纏められていて、全構成ユニットになるように発進用部材2に伝動装置構成ユニット1が組み合わされるだけである。
【0016】
ギヤチェンジのための装置3が2つの入力部7,8を備えた構成になるように結合されていることに基づいて、発進用部材2とギヤチェンジのための装置3との協働において2つの出力分岐部を実現することが可能である。この場合、第1の出力分岐部(ここでは符号10で示す)では、出力は伝動装置入力部Eから伝動装置出力部Aへ、発進用部材2と該発進用部材に後置されたギヤチェンジのための装置3とを介して案内される。第2の出力分岐部11では、出力流れは発進用部材2を迂回しながら伝動装置出力部Aへギヤチェンジのための装置3を介して案内される。この場合、両出力分岐部は別個に又は並行して切換え可能である。しかも、第1の出力分岐部10は構造上、発進用部材2を介するギヤチェンジのための装置3の入力部7を備えた伝動装置入力部Eと出力部Aを備えたギヤチェンジのための装置3との間の連結によって特徴付けられている。この場合、第2の出力分岐部11は、伝動装置入力部Eと伝動装置出力部Aを備えたギヤチェンジのための装置3との間の連結によって特徴付けられている。
【0017】
本発明によれば両出力分岐部10,11はそれぞれ、それ自体として単独で又は並行に、各出力分岐部10,11内に配置されていて選択的に操作可能な同期的に切換え可能なそれぞれ1つの連結装置16,17を介して有効化可能である。この場合、同期的に切換え可能な両連結装置16,17は、ギヤチェンジのための装置3の個々の入力部7,8と出力部9との間の少なくとも間接的な、すなわち換言すれば、別の伝達部材を介して形成可能な相対回転不能な結合するために用いられる。出力流れは、個々の出力分岐部10,11内で、少なくとも部分的に発進用部材2の回転軸線に対して平行に行われる。
【0018】
この場合、出力分配を実現するために、ギヤチェンジのための装置3は少なくとも2つの中間歯車、すなわち、第1の中間歯車12及び第2の中間歯車13を有している。しかも、第1の中間歯車12が発進用部材2の出力部6に結合されているのに対して、第2の中間歯車13は、伝動装置入力部E若しくは、発進用部材2の、伝動装置入力部Eに相対回転不能に連結された入力部5に、出力流れ方向で見て発進用部材2の出力部6の手前で結合されている。この場合、両中間歯車(第1の中間歯車12及び第2の中間歯車13)のうちの各中間歯車の出力部14;15はそれぞれ前記同期的に切換え可能な連結装置16;17を介して、少なくとも仲介を経て、ギヤチェンジのための装置3の出力部9及びひいては伝動装置出力部Aに相対回転不能に結合可能である。しかも連結は、有利には、それぞれの中間歯車、特に第1の中間歯車12及び第2の中間歯車13に対して同軸的に配置された別の中間歯車18;19を介して行われる。このために、中間歯車12;13の各出力部14;15は中間歯車軸20;21に相対回転不能に結合されており、該中間歯車軸自体は前記同期的に切換え可能な連結装置16;17を介して、それぞれ対応する別の中間歯車18;19に連結可能である。したがって、ギヤチェンジのための装置3は、伝動装置入力部E若しくは伝動装置出力部Aに対して平行に配置された2つの中間歯車軸20,21を有しており、これらの中間歯車軸は中間歯車18,19を介して伝動装置出力部Aに結合可能である。伝動装置入力部E及び伝動装置出力部Aは有利には互いに同軸的に配置されている。しかしながら、このことはどうしても必要であるというわけではない。この場合、ギヤチェンジのための装置3は、同期的に切換え可能な両連結装置16,17によって実現され、しかも、同期的に切換え可能な第1の連結装置16が発進用部材2の出力部6を伝動装置出力部Aに連結するために用いられるのに対して、切換え可能な第2の連結装置17は、伝動装置入力部E若しくは、発進用部材の、伝動装置入力部Eに相対回転不能に連結された入力部5を、伝動装置出力部Aに連結するために用いられる。同期的に切換え可能な両連結装置16,17は、図1に示した実施例では互いに平行に配置されている。個々の中間歯車12,13はその伝達比に関して、当該中間歯車が、使用される発進用部材2に依存して少なくとも≦1の伝達比を実現するように設計されていると、有利である。同期的に切換え可能な連結装置16,17は、本発明によれば、形状接続的な(formschluessig)連結装置として構成されており、この場合、形状接続は有利には爪によって実現される。発進用部材は多様な形状に構成されていてよく、流体力学的な構成部材22が有利に使用される。力接続部(Kraftschluss)は、図1に示した基本構成では、第1又は第2の出力分岐部10;11だけを介した又は両出力分岐部10;11を共に介した所望の出力伝達に応じて形成される。発進動作と呼ばれる前者の事例では、出力伝達は第1の出力分岐部10だけを介して、すなわち発進用部材2を介して行われる。この場合、出力は、伝動装置入力部Eから伝動装置出力部Aへのトラクション運転において観察すると、伝動装置入力部Eから発進用部材2、発進用部材2の出力部を介して第1の中間歯車12へ伝達され、かつ切換え可能な連結装置16が操作された状態で前記別の中間歯車18へ伝達される。該別の中間歯車は伝動装置出力部Aに少なくとも仲介を経て相対回転不能に、すなわち例えば別の回転数/回転モーメント変換装置4を介して連結されている。本事例では、同期的に切換え可能な第2の連結装置17はその切換え位置II17に存在する。該切換え位置は開放(連結解除)された状態を示すものである。繋ぐためには、第2の出力分岐部11が有効化され、しかも、この状態では出力伝達は少なくともさらに部分的に、発進用部材2及びひいては第1の出力分岐部10を介して行われる。このことによって、切換え動作中、依然として所定のモーメントが駆動軸若しくは伝動装置出力部Aへ誘導される。このことは、流体力学的な構成部材の短時間の有効化によって制御される。このことは高切換え動作(Hochschaltvorgang)については以下のように行われる。すなわち、ギヤXでの走行に際して、出力伝達が純粋に機械式に前記切換え可能な連結装置、特に爪を介して行われ、これにより、エンジンと伝動装置との間の剛性的な結合が得られる。切換え動作前に、流体力学的な構成部材が流体で充填され、切換え動作yに際して所定のモーメントを伝達する。該モーメントがエンジントルクの大きさに達すると直ちに、今まで出力を伝達してきた爪、すなわち、解離しようとする切換え部材が解放されかつ開放される。充填量のさらなる増大及び/又はエンジン制御装置内への作用によって、エンジン、すなわち駆動機械だけが、ギヤチェンジの段変化量(Stufensprung)だけ負荷がかけられる。新しい回転数に達すると直ちに、新しいギヤ、すなわち次の若しくは入れようとするギヤ段の爪が入れられ、かつ切換えが終了される。しかもここでは、同期的に切換え可能な第2の連結装置17が閉鎖接続(締結)され、この場合、当該連結装置はその切換え位置I17に存在し、第2の中間歯車軸21を第4の別の中間歯車19に相対回転不能に結合する。このことによって、個々の中間軸、発進用部材2の第1の中間歯車12並びに第3の中間歯車18及び第2の中間歯車13並びに第4の中間歯車19の設計に相応して、それぞれ第1の出力成分が第1の出力分岐部10を介して伝達され、第2の出力成分が第2の出力分岐部11を介して伝達される。流体力学的な構成部材22はスリップをもって作動しなければならない。したがって、どのようなギヤチェンジに際してもスリップが可能であることが保証されなければならない。出力分岐部11を介した、唯一の出力伝達の運転状態への切換えに際して、発進用部材の構成に応じて当該発進用部材は、例えば流体力学的な連結装置として構成されている場合には、流体排出によって力の流れ(Kraftfluss)から取り出されるか、又は、同期的に切換え可能な前記第1の連結装置16がその切換え位置II16(該切換え位置は開放された状態を示すものである)にもたらされる。伝動装置入力部Eと伝動装置出力部Aとの間の出力伝達は、この場合、第2の出力分岐部11だけを介して、伝動装置入力部軸Eに対して平行に配置された中間歯車軸21を介して伝動装置出力部Aに向かって行われる。個々の前記運転状態は、図2a〜図2gにおいて、特別有利な構成のために示されている。
【0019】
これに対して図2a〜図2gには、本発明に従って形成された伝動装置構成ユニット1の特別有利な構成の基本構造及び機能形式が概略的に単純化して示されている。当該基本構造は、原理的に、図1に記載のものに対応している。そのため、同じ部材には同じ参照符号が使用される。4つの平歯車段23〜26を備えた構成によって特徴付けられている回転数/回転モーメント変換装置4の可能な構成が示されている。この場合、当該構成は例示的なものである。さらに、平歯車段23〜26の構成もやはり中間歯車構成形式で形成され、しかも、これらの平歯車段は第2の中間歯車13に連結されている。これにより、個々のギヤ段の、第2の出力分岐部11への配設が行われ、該出力分岐部内でギヤチェンジのための装置3に対する出力が純粋に機械式に伝達される。しかも、この構成によって、ギヤチェンジのための装置3の出力部9は回転数/回転モーメント変換装置4若しくはそれぞれ個別の平歯車段23〜26に結合されている。さらに、同期的に切換え可能な別の連結装置27が示されており、該連結装置は伝動装置入力部Eと伝動装置出力部Aの間で、空間的な配置形式に関しては軸方向で見て両中間歯車、すなわち、第1の中間歯車12及び第2の中間歯車13の後方(すなわち下流側)に配置されている。連結装置27は、伝動装置入力部Eと回転数/回転モーメント変換装置4、すなわちギヤチェンジのための装置3の出力部9との間を剛性的に連結するために用いられる。このことによって、伝動装置入力部Eと出力部Aとの間の伝達比1:1が実現されるいわゆるダイレクトギヤが実現される。しかも、この解決手段は、特別良好な効率によって際立っている。なぜならば、出力分岐部10;11を介した出力伝達に際しての摩擦損失が回避され得るからである。
【0020】
発進用部材2はここでは流体力学的な構成部材22として形成されていて、図示の事例では有利には流体力学的な連結装置28として形成されており、該流体力学的な構成部材は、トラクション運転中に伝動装置入力部Eから伝動装置出力部Aへの出力伝達に際して観察するとポンプインペラとして機能する少なくとも1つの一次ホイール29と、タービンランナとして機能する二次ホイール30とを有している。この場合、一次ホイール29は相対回転不能に伝動装置入力部Eに結合されているか又は該伝動装置入力部を形成している。一次ホイール29は、さらに、発進用部材2の入力部を形成している。二次ホイール30は発進用部材2の出力部6を形成していて、ギヤチェンジのための装置を介して少なくとも仲介を経て相対回転不能に伝動装置出力部Aに結合可能である。このことが意味するのは、二次ホイール30が伝動装置出力部Aから完全に切り離されている状態が考えられ得るということである。しかも図示の事例では、二次ホイール30は第1の中間歯車12に結合されている。該中間歯車12は単純な平歯車セット31として形成されており、この場合、平歯車セット31の第1の平歯車32は、相対回転不能に二次ホイール30に結合されている。しかも、平歯車として構成された該部材は、別の平歯車33に噛合しており、該別の平歯車33は相対回転不能に中間歯車軸20に結合されているか、又は該中間歯車軸20と共に1つの構成ユニットを形成している。第3の中間歯車18との連結は、図示の事例では爪クラッチの形状の、同期的に切換え可能な連結装置16を介して行われる。この場合、第1の中間歯車12と第3の中間歯車18とは互いに平行にかつ互いに同軸的に配置されている。別のギヤ段の実現のために、第1の中間歯車12は第4の中間歯車19にも少なくとも仲介を経て相対回転不能に連結可能であり、このこともやはり前記同期的に切換え可能な連結装置16を介して行われる。このために該連結装置16は、中間歯車軸20を相対回転不能に第4の中間歯車19に結合する別の切換え位置III16を有している。この動作形式は第2の中間歯車13についても同様に当てはまる。該第2の中間歯車13もやはり平歯車セット34として構成されている。該平歯車セット34は、伝動装置入力部E若しくは発進用部材2の入力部5に相対回転不能に連結された第1の平歯車35を有しており、該第1の平歯車は、相対回転不能に中間歯車軸21に連結された平歯車36に噛合しており、該平歯車は中間歯車13の出力部15を形成している。この場合、中間歯車軸21は前記同期的に切換え可能な連結装置17を介して第4の中間歯車19に結合されていて、別のギヤ段の実現のために択一的に第3の中間歯車18に結合されている。この構成において特別有利な実施態様では、ギヤチェンジのための装置3は直接的に回転数/回転モーメント変換装置4と組み合わされ、しかも本事例では、ギヤ段を中間歯車構成形式で実現するために中間歯車軸21が利用される。この場合、ギヤ段の実現のために互いに噛合している個々の歯車は、平歯車対の形状で構成されており、該平歯車対では、互いに噛合している平歯車はそれぞれ相対回転不能に伝動装置出力軸A及び中間歯車軸21に結合可能である。しかも、個々の平歯車の結合の具体的な選択は任意に行われ得る。これらの平歯車は、切換え可能な別の連結装置37;38を介して伝動装置出力部Aに相対回転不能に結合され得るか、又は中間歯車軸21における平歯車対のそれぞれ他方の平歯車が、前記切換え可能な連結装置を介して伝動装置出力部Aに相対回転不能に結合され得ると、有利である。図示の事例では、付加的な別の個々のギヤ段が4つの中間歯車によって実現される。これらの中間歯車はここでは符号39〜42で示されていて、平歯車セット23〜26によって特徴付けられている。この場合、個々の平歯車セット23〜26の平歯車は中間歯車軸21に相対回転不能に配置されるか、又は、相対回転不能に伝動装置出力部Aに連結された軸に相対回転不能に配置される。図示の事例では、切換え可能な連結装置37は発進用部材2に対して同軸的に、ひいてはさらに伝動装置入力部E及び伝動装置出力部Aに対して同軸的に配置されており、当該切換え可能な連結装置37は、さらに、第2の出力分岐部11を介して平歯車セット23〜26を伝動装置出力軸Aに選択的に相対回転不能に連結することを可能にする。平歯車セット41,42は、別の切換え可能な連結装置38を介して中間歯車軸21に結合可能であり、この場合、伝動装置出力部Aへのそれぞれの平歯車の相対回転不能な結合に基づいて、それぞれの平歯車による出力伝達が行われる。この配置形式は単純な構成形式によって際立っている。
【0021】
個々の中間歯車若しくは平歯車段内の個々の平歯車伝達量の設定は、回転数/回転モーメント変換装置のために、個々のギヤ段内の調節しようとする必要な伝達比に相応して行われる。中間歯車伝達量は、ここでは入力部Eと、回転数/回転モーメント変換ユニットとの連結部との間に、<1の伝達比が実現されるように設定されている。しかしながら、具体的な構成は、担当の当業者の裁量に任されている。
【0022】
特別有利な実施態様によれば、さらに、制動装置43が設けられており、該制動装置は発進用部材2、特に発進用部材2の出力部6に配設されていて、ひいては図示の事例では二次ホイール30の停止のために存在する。これにより、伝動装置出力部Aは、相応の伝達装置、特にギヤチェンジのための装置3及び一次ホイールとの連結部とを介して、又は直接的な通し連結(Durchkopplung)に際しては伝動装置入力部Eとの連結に基づいて、該伝動装置入力部Eに連結された一次ホイール29によって、この機能状態ではステータとして機能する二次ホイール30に支持され得る。
【0023】
図2bには、伝動装置構成ユニット1、特に図2aによる自動伝動装置の構成に基づき、発進の状態が例示的に示されている。ここでは出力流れが太線で示されている。この図から判るのは、この状態では、流体力学的な構成部材22としての発進用部材2だけが有効であり、出力伝達が第1の出力分岐部10を介してのみ行われるということである。ギヤチェンジのための装置3は、本事例では、同期的に切換え可能な連結装置16の切換え位置III16によって特徴付けられている。このことによって、第1の中間歯車12は、複数の中間歯車のうちの1つ、例えば第4の中間歯車19に相対回転不能に結合されている。中間歯車18を介した結合も考えられ得るであろう。同期的に切換え可能な他の全ての連結装置37,38;27,17は、この機能状態では開放(解離)されている。ロックアップの閉鎖接続は、発進状態と切換え状態とが組み合わされた状態で図2cに示されている。このことから判るのは、2つの出力分岐部、出力分岐部10及び出力分岐部11を介した出力伝達が短時間行われ、かつシュヴァルツ・ヴァイス切換えは行われないということである。本事例では、第2の中間歯車13、特に中間歯車軸21から、任意の平歯車セット、特にここでは平歯車セット25を介して伝動装置出力部Aに出力が伝達される。このために、中間歯車軸21は前記切換え可能な連結装置38を介して平歯車セット25及びひいては中間歯車41に連結される。調節しようとする所望のギヤ段に応じてここで前記同期的に切換え可能な連結装置17を操作し、しかもこの場合、中間歯車軸21が第4の中間歯車を介して伝動装置出力部Aに結合されているようにすることも、考えられ得るであろう。
【0024】
両出力分岐部10,11の出力流れは出力部Aの手前で集結させられる。このことは、有利にはギヤチェンジのための装置3の出力部で行われる。
【0025】
図2dには、所定のギヤ、例えば、中間歯車19によって特徴付けられているセカンドギヤ段における純粋に機械式の出力伝達が例示的に示されている。本事例では、流体力学的な連結装置が流体排出された状態で、同期的に切換え可能な連結装置16が、中間歯車軸21に連結されていない平歯車セットに係合していてよいか若しくは連結され得るか、又は、開放された状態で、すなわち、切換え位置II16において二次ホイール30が完全に伝動装置出力部Aから切り離されていてよい。この場合、出力伝達は、伝動装置入力部Eから伝動装置出力部Aへ第2の出力分岐部11、ここでは例示的には第4の中間歯車19を介して、同期的に切換え可能な連結装置17の有効化及び切換え位置I17への移動によって行われる。該切換え位置は、中間歯車軸21への第3の中間歯車18の相対回転不能な結合によって特徴付けられている。別の構成も考えられ得る。例えば、個々のギヤ段のための出力流れは前記同期的に切換え可能な連結装置37,38の選択的な有効化によって実現され得、この場合、第1の出力分岐部10を介した出力流れが生じないことが前提とされる。
【0026】
任意のギヤ段の切換えに際して出力流れを維持するために、切換え動作中、牽引力が引き続き発進用部材2を介して調達される。すなわちこの場合、出力は、切換え動作中、第1の出力分岐部10を介して伝達される。このことが意味するのは、例えば図2dに示した出力伝達を出発点として、発進用部材2が伝動装置出力部Aに再び連結され、例えば前記同期的に切換え可能な連結装置16の切換え若しくは操作によって、かつ中間歯車軸20と第4の中間歯車18及びひいては伝動装置出力部Aとの結合によって、再び連結される。このことは図2eに示されている。切換え動作の終わりには、短い状態のための出力流れが、流体力学的な分岐部10と純粋に機械式の分岐部11とを介して再び並行して案内される。この場合、前記同期的に切換え可能な連結装置16の係合が行われた後、作動中の切換え部材、図示の例では同期的に切換え可能な連結装置17が開放される。出力流れは、既述のように、この状態で短時間発進用部材、すなわち第1の出力分岐部10を介して行われる。回転数適合の後、入れようとするギヤ段、次の切換え部材(図示の事例では前記切換え可能な連結装置17によって形成される)のために、同期的に切換え可能な対応する連結装置が操作されて、その切換え位置、ここでは切換え位置III17にもたらされる。本事例では、第2の中間歯車13は第3の中間歯車18を介して伝動装置出力部Aに結合されている。同期的に切換え可能な連結装置17がその切換え位置III17に存在する場合、第1の出力分岐部10内の出力流れは中断される。
【0027】
これに対して図2gには、ダイレクトギヤにおける出力伝達が示されている。本事例では、同期的に切換え可能な連結装置27が操作される。このことは、伝動装置入力部Eと伝動装置出力部Aとの間の回転数が等しい状態で行われる。切換え可能な他の全ての連結装置は開放されている。
【0028】
本発明によれば、伝動装置構成ユニット1内では全ての連結装置は、同期的に切換え可能な連結装置として構成されており、該連結装置は有利には形状接続的に作動するものである。この場合、特別有利な形式では爪クラッチが使用される。伝動装置構成ユニット1は、ギヤチェンジのための装置3及び回転数/回転モーメント変換装置4内で実現しようとする連結に関しては、力接続的若しくは摩擦接続的に作動する連結部材を有していない。このことが意味するのは、機械式の出力伝達が常時スリップなしに行われるということである。
【0029】
図1及び図2には、ギヤチェンジのための装置3の切換え可能な個々の連結装置16,17の、互いに平行な配置形式を有する構成が示されており、図3には、これらの連結装置の同軸的な配置形式を有する特別有利な構成が示されている。このために、両中間歯車軸20;21のうちの一方が、中空軸として構成されている。このことは、中間歯車、すなわち、第1の中間歯車及び第2の中間歯車13の配置形式と、発進用部材2の入力部5及び出力部6の空間的な配置形式とに依存している。図示の事例では、第2の中間歯車13の中間歯車軸21は中空軸として構成されており、該中空軸を貫通するように第1の中間歯車12の中間歯車軸20が案内される。両中間歯車は互いに同軸的でかつ平行に配置されている。この場合、伝動装置出力部Aへの第1の中間歯車の結合は、第3の中間歯車18を介して行われ、該中間歯車は、本事例では、中空軸に連結された全ての中間歯車に軸方向で見て後置されている。この目的のために中間歯車軸20は、中空軸として構成された中間歯車軸21を貫通するように完全に案内され、かつ切換え可能な連結装置16は、空間的な配置形式に関しては軸方向で見て切換え可能な個々の連結装置に軸方向で後置されている。しかしながら、切換え可能な連結装置16に連結可能な中間歯車18は、本事例では、機械的なギヤのためのギヤ伝達装置としては利用可能ではない。したがって、別のギヤ段及びひいては可能な同じギヤ数を得るためには、図2に示した解決手段の場合のように、別の中間歯車44が設けられている。この構成によって、図2a〜図2gにおいて記載されているものと同じ機能形式が実現可能になる。もっとも、この解決手段は相当にコンパクトな構成形式によって際立っている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】制御の変化によって、自動化された切換え伝動措置としても利用可能である、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの基本構造を、概略的に単純化して示す図である。
【図2a】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示す1つの図である。
【図2b】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示す別の図である。
【図2c】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示すさらに別の図である。
【図2d】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示すさらに別の図である。
【図2e】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示すさらに別の図である。
【図2f】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示すさらに別の図である。
【図2g】図1による特別有利な構成に基づき、本発明に従って構成された伝動装置構成ユニットの機能形式を個々の運転状態において概略的に単純化して示すさらに別の図である。
【図3】互いに同軸的に配置された複数の中間歯車を備えた構成を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
1 伝動装置構成ユニット
2 発進用部材
3 ギヤチェンジのための装置
4 回転数/回転モーメント変換装置
5 発進用部材の入力部
6 発進用部材の出力部
7 ギヤチェンジのための装置の入力部
8 ギヤチェンジのための装置の入力部
9 ギヤチェンジのための装置の出力部
10 第1の出力分岐部
11 第2の出力分岐部
12 第1の中間歯車
13 第2の中間歯車
14 出力部
15 出力部
16 同期的に切換え可能な連結装置
17 同期的に切換え可能な連結装置
18 別の第3の中間歯車
19 第4の中間歯車
20 中間歯車軸
21 中間歯車軸
22 流体力学的な構成部材
23 平歯車段
24 平歯車段
25 平歯車段
26 平歯車段
27 同期的に切換え可能な連結装置
28 流体力学的な連結装置
29 一次ホイール
30 二次ホイール
31 平歯車セット
32 平歯車セットの第1の部材
33 平歯車
34 平歯車
35 平歯車
36 平歯車
37 切換え可能な連結装置
38 切換え可能な連結装置
39 中間歯車
40 中間歯車
41 中間歯車
42 中間歯車
43 制動装置
44 中間歯車
E 伝動装置入力部
A 伝動装置出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動装置構成ユニット(1)、特に自動伝動装置であって、
伝動装置入力部(E)及び少なくとも1つの伝動装置出力部(A)が設けられており;
伝動装置入力部(E)に連結された発進用部材(2)が設けられており、該発進用部材(2)が、入力部(5)と、伝動装置出力部(A)に少なくとも仲介を経て連結可能な出力部(6)とを有しており;
ギヤチェンジのための装置(3)が設けられており、該ギヤチェンジのための装置が、少なくとも2つの入力部(7,8)と、伝動装置出力部(A)に結合可能である出力部(9)とを有しており;
ギヤチェンジのための装置(3)の第1の入力部(7)が発進用部材(2)の出力部(6)に結合されており、かつギヤチェンジのための装置(3)の第2の入力部(8)が発進用部材(2)の入力部(5)に結合されており;
ギヤチェンジのための装置(3)の各入力部(7,8)が、選択的に、それぞれ1つの同期的に切換え可能な連結装置(16)を介して、第1の出力分岐部(10)及び第2の出力分岐部(11)の形成下で、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に結合可能であり、しかも、同期的に切換え可能な両連結装置(16,17)がそれぞれ、それ自体として単独で又は共同で、閉鎖若しくは締結された状態で、出力分岐部(10,11)を介した出力流れを可能にするようになっていることを特徴とする伝動装置構成ユニット。
【請求項2】
ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)が、少なくとも1つのギヤ段を実現するための少なくとも1つの回転数/回転モーメント変換装置(4)を介して、伝動装置出力部(A)に結合されている、請求項1記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項3】
回転数/回転モーメント変換装置の、個々のギヤ段の実現のために操作可能な切換え部材が、同期的に切換え可能な連結装置として構成されている、請求項2記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項4】
当該伝動装置構成ユニットが、切換えられる全てのギヤにおいて、スリップを伴う出力伝達装置を有していない、請求項1から3までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項5】
同期的に切換え可能な連結装置(16,17,27,37,38)が、形状接続的な連結装置として構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項6】
切換え可能な個々の連結装置(16,17,27,37,38)が、それぞれ爪クラッチとして構成されている、請求項5記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項7】
両出力分岐部(10,11)が、少なくとも部分的に互いに平行にかつ一部にわたって発進用部材(2)に対して平行に配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項8】
ギヤチェンジのための装置(3)が、2つの中間歯車、すなわち、発進用部材(2)の出力部(6)に相対回転不能に結合可能な第1の中間歯車(12)と、発進用部材(2)の入力部(5)に相対回転不能に結合可能な第2の中間歯車(13)とを有しており、該中間歯車(13)が、発進用部材(2)の出力部(6)への相対回転不能な連結部を有しておらず、
第1の中間歯車(12)及び第2の中間歯車(13)がそれぞれ少なくとも1つの中間歯車軸(20,21)を介して、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に相対回転不能に結合された中間歯車(18,19)に結合されており、
しかも、各出力分岐部(10,11)の同期的に切換え可能な連結装置(16,17)が、出力分岐部(10,11)内の、以下に記載の箇所、すなわち、
−第1及び/又は第2の中間歯車(12,13)と発進用部材(2)の出力部(6)若しくは入力部(5)との結合部、
−第1及び/又は第2の中間歯車(12,13)とそれぞれの中間歯車軸(20,21)との連結部、
−出力部に結合された中間歯車(18,19)とそれぞれの中間歯車軸(20,21)との連結部、
−出力部(9)に結合された中間歯車(18,19)の連結部(9)、
のうちの1つの箇所に配置されている、請求項7記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項9】
それぞれの出力分岐部(10,11)の、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に連結された中間歯車(18,19)が、それぞれの他方の出力分岐部(11,10)の中間歯車軸(20,21)にも結合され得るようになっている、請求項8記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項10】
個々の中間歯車(12,13,18,19)が平歯車段として構成されている、請求項8又は9記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項11】
軸方向で見て伝動装置入力部(E)と伝動装置出力部(A)との間で、出力部(9)に連結された両中間歯車(18,19)を第1及び第2の中間歯車(12,13)の後方で空間的に配置することが行われるようになっており、個々の出力分岐部(10,11)に配設された同期的に切換え可能な連結装置(16,17)がそれぞれ、出力部(9)に結合された両中間歯車(18,19)と中間歯車軸(20,21)とを結合するために用いられる、請求項8から10までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項12】
第1及び第2の中間歯車(12,13)が、互いに同軸的にかつ軸方向で互いに平行に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項13】
両出力分岐部(10,11)のうちの一方の出力分岐部の中間歯車軸(20,21)が、中空軸として構成されており、該中空軸を貫通するようにそれぞれ他方の出力分岐部の中間歯車軸(20,21)が案内されている、請求項12記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項14】
両出力分岐部(10,11)の切換え可能な両連結装置(16,17)が互いに同軸的に配置されていて、それぞれ、中間歯車軸(20,21)とギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に連結可能な中間歯車(18,19)とを結合するために用いられる、請求項12又は13記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項15】
軸方向で見て第2の中間歯車(13)が第1の中間歯車(12)の後方に配置されており、かつ各出力分岐部(10,11)の、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)に連結可能な両中間歯車(18,19)が、第1及び第2の中間歯車(12,13)に後置されている、請求項12から14までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項16】
力流れ方向で見て出力分岐部(10,11)の外方で伝動装置入力部(E)とギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)との間に、同期的に切換え可能な連結装置が配置されており、該連結装置が伝動装置入力部(E)と伝動装置出力部(A)との間の1つの直接的な通し駆動を可能にするようになっている、請求項1から15までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項17】
個々の出力分岐部(10,11)内に配置された回転数/回転モーメントへ変換ユニットの伝達比が同一である、請求項1から6までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項18】
個々の出力分岐部(10,11)内に配置された回転数/回転モーメントへ変換ユニットの伝達比が異なっている、請求項1から17までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項19】
ギヤチェンジのための装置(3)に後置された回転数/回転モーメント変換装置(4)が中間歯車構成形式で構成されていて、第2の出力分岐部(11)の第2の中間歯車軸(21)を介して伝動装置出力部(A)に、ギヤチェンジのための装置(3)の出力部(9)の形成下で結合されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項20】
発進用部材(2)が流体力学的な構成部材(22)として形成されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項21】
流体力学的な構成部材(22)が、一次ホイール(29)及び二次ホイール(30)を有する流体力学的な連結装置(28)として構成されており、しかも、該連結装置が摩擦ホイールを有していない、請求項20記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項22】
流体力学的な構成部材が流体力学的な回転数/回転モーメント変換器として形成されている、請求項21記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項23】
発進用部材(2)の出力部(6)に制動装置(43)が配設されており、該制動装置(43)が二次ホイール(30)の停止のために用いられ、一次歯車(29)が二次歯車(30)に支持されることを可能にするようになっている、請求項19から22までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。
【請求項24】
発進用部材(2)が、以下に記載の構成部材、すなわち、
−流体モータに結合されている流体ポンプを有している流体静力学的な伝動装置;
−エネルギ源・発電機ユニットであって、エネルギ源が燃料電池によって、エネルギアキュムレータによって、又はエネルギアキュムレータに連結された電気モータによって形成されるようになっているエネルギ源・発電機ユニット、
のうちの1つの構成部材として構成されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の伝動装置構成ユニット(1)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−506047(P2007−506047A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526544(P2006−526544)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009765
【国際公開番号】WO2005/040640
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(500022269)ヴォイス・ターボ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー (5)
【Fターム(参考)】