説明

位相ベース検知

ファイバから後方散乱された信号の微分値または変化率が測定される、分散型音響検知(DAS)の方法である。信号が測定される2つの時間の差が、信号が測定されている期間よりもはるかに短い場合に、このようにして測定された位相の変化、または微分値は信号自体よりもはるかに小さい振幅を有し、結果的に感度が低下する。周波数偏移は、たとえば異なる周波数偏移によって各アームの信号を変調させるために配置された出力干渉計を採用することによって、変化率を比較するために時間的にずらされた帰還信号に適用されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ検知に関し、より具体的には分散型音響検知(DAS)に関する。
【背景技術】
【0002】
分散型音響検知(DAS)は、ポイントセンサに光ファイバ検知の代替形態を提供し、それによって単一の長さの長軸ファイバは、その長さに沿って音響/振動活動の実質的に連続的な検知を提供するために、通常は1つ以上の入力パルスによって光学的に問い合わせられる。単一の長さのファイバは、通常はシングルモードファイバであり、好ましくはその長さに沿っていかなる鏡、反射器、格子、または光学特性の変化も有していない。
【0003】
分散型音響検知において、通常はレイリー後方散乱が使用される。標準的な光ファイバのランダム不均質のため、ファイバに注入されたパルスからのわずかな光はファイバの長さに沿ったあらゆる場所から反射され、その結果、単一の入力パルスに応答する連続的な帰還信号を生じる。ファイバ内で後方散乱した放射を分析することにより、ファイバは、隣接してもよい(しかししなくてもよい)ファイバに沿って長軸方向に配置された複数の個別の検知部分に、有効に分割されることが可能である。
【0004】
ファイバに沿って外乱が発生すると、後方散乱光がその点で変化する。この変化は受信器で検出されることが可能であり、そこからソース外乱信号が予測され得る。低い雑音レベルおよび高い識別は、上述のようなコヒーレント光時間領域反射率計(C−OTDR)アプローチを用いて得られることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/110780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DASの代替アプローチは、ヘテロダイン干渉法に基づく。このアプローチにおいて、ファイバの所定区画を通過した光は、通過しなかった光に干渉される。ファイバのこの区画へのいかなる外乱も、干渉する光の2つの部分の間に位相変化を引き起こし、この位相変化は、C−OTDRで可能なよりも正確な妨害信号の予測を提供するために測定されることが可能である。このようなシステムのダイナミックレンジは、特に非常に長いファイバを検知するときに限定され、しばしばダイナミックレンジを増大させるために何らかの方法を用いることが望ましい。
【0007】
この目的を達成するために、様々な異なる手法が提案されてきた。特に適切な一例は、参照される、出願人の同時係属国際公開第2008/110780号に明記されるような、微分検知手法(DST)である。この文献は、5つのファイバ結合鏡の間に配置された4つの光ファイバセンサコイルを有するタイプの知られているセンサパッケージを記載している。センサパッケージの問い合わせは、1対の光パルスの導入により、コイルおよびパルスは、一連のパルスが帰還するように配置され、各センサコイルからの情報は、それぞれのパルスに付与された位相から誘導可能である。国際公開第2008/110780号は、位相の変化、または微分値が代わりに測定されると、信号が測定される2つの時間の差が、信号が測定されている期間よりもはるかに短い場合に、これは信号自体よりもはるかに小さい振幅を有することを、記載している。そして、直接または「正常」位相情報および微分位相を交互に有するように、パッケージから帰還するパルスのタイミングを操作するシステムおよび方法が、提案されている。国際公開第2008/110780号の図6は、添付図4に再掲され、(たとえば時間614における)微分情報を含む帰還パルス列604および606の組み合わせを示しており、(たとえば時間612における)直接位相情報を含む帰還パルス列602および608の組み合わせが一時的にインターリーブされている。
【0008】
本発明の目的は、分散型音響検知を提供するための改善された方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一の態様によれば、ある長さの光ファイバに問い合わせることによる分散型音響検知(DAS)の方法が提供され、前記光ファイバは、検知されたパラメータに応えて信号伝播の位相の変化を提供し、前記方法は、ある長さの光ファイバ内に入力信号を導入するステップと、前記入力信号に応えて前記光ファイバから後方散乱された帰還信号を受信するステップと、第一の時点で前記ファイバの一部分から後方散乱された第一帰還信号と、第二の異なる時点で前記ファイバの同じ部分から後方散乱された第二帰還信号とを比較するステップと、前記比較から、前記後方散乱信号の時間による位相の変化率の測定値を導き出すステップと、を含む。
【0010】
特に好適な実施形態において、第一帰還信号は、前記第二帰還信号に対して周波数偏移されている。
【0011】
このようにして、微分検知手法(DST)は、分散型音響検知(DAS)が実質的に連続的な帰還信号を提供するにも関わらず、DASに適用されることが可能である。これは、ポイントセンサのアレイによって提供されるパルス帰還とは対照的であり、これは当然ながら、正常および微分出力をインターリーブさせる。
【0012】
DASは、使用するのに変更または準備をほとんどまたは全く必要とせずに、未変更の、実質的に連続的な長さの標準ファイバ(たとえばSMF28)が使用され得るという利点を提供する。好ましくは、レイリー後方散乱信号が検出および分析される。分散型音響検知配置の一例は、長さが最大40kmまでの長軸ファイバを用いて動作し、検知されたデータを10mの長さに対応する複数のチャネルに分解することができる。適切なDASシステムは、たとえば英国特許第2442745号明細書に記載されている。
【0013】
ファイバは不連続性を有していないので、各チャネルに対応するファイバ区画の長さおよび配置は、ファイバの問い合わせによって決定される。これらは、ファイバの物理的配置およびそれが監視している構造または空間に応じて、ならびに必要とされる監視の種類にも応じて、選択されることが可能である。このように、ファイバに沿った距離、および各ファイバ区画の長さ、またはチャネル分解能は、ファイバに変更を加えることなく、入力パルス幅、パルス間隔、および入力パルスデューティサイクルを変更する問い合わせ器の調整とともに、容易に異なることが可能である。
【0014】
第一および第二帰還信号の間に付与される周波数偏移は、たとえばAOMの使用によってなど、帰還信号のうちの1つに適用される偏移によって実現されることが可能である。このような場合、およそ40MHzの最小周波数偏移が予測されるだろう。好適な実施形態において、第一帰還信号は第一周波数偏移によって変調され、第二帰還信号は第二周波数偏移によって変調される。これは、より小さい差を実現させ、使用される周波数の選択をより柔軟にする。これを実行する便利な方法は、受信した帰還信号を出力干渉計に通すことによる方法であり、前記出力干渉計は、異なる周波数偏移によって各アームの信号を変調するために配置される。マイケルソンまたはマッハツェンダー型の干渉計が、使用可能であろう。
【0015】
試験対象ファイバに入力される信号は、特定の実施形態において、1対の時間間隔パルスを含む。これらのパルスは、通常は異なる周波数偏移を有することになり、後方散乱信号の分析にはヘテロダイン干渉法が使用され得る。第一および第二帰還信号に適用される周波数偏移、ならびに入力パルスの周波数偏移は、所望の出力成分の単純な分離、すなわち以下に説明されるような様々な搬送波周波数を許容するように、望ましく選択される。代わりに、または加えて、入力パルスの波長は、以下の例に記載されるように、出力成分に対するさらなる制御を可能にするように、操作されることが可能である。
【0016】
第一および第二帰還信号は、一実施形態においておよそ125nsだけ離れているが、しかしこれは用途に適合するように変化してもよく、別の実施形態では、500ns未満、あるいは250nsまたは100ns未満の間隔が望ましい場合がある。
【0017】
実施形態において、方法は、第一の時点で前記ファイバの第一部分から後方散乱された第一帰還信号と、実質的に同じ時点で前記ファイバの第二の異なる部分から後方散乱された第二帰還信号とを比較するステップと、前記比較から、前記後方散乱信号の位相の測定値を導き出すステップと、を含む。これは、位相の「正常な」測定値を提供し、したがって「直接的な」音響信号を提供する。位相の測定値および位相の変化率の測定値は、共通の入力信号に応えて実質的に同時に決定されることが、有利である。この特徴を示す実施形態は、国際公開第2010/004249号として公開されている、PCT出願第GB2009/001480号明細書に記載されるように、複数の感度出力を提供する方法において活用されることが可能である。
【0018】
本発明のさらなる態様は、ある長さの光ファイバに問い合わせるための分散型音響検知(DAS)システムを提供し、前記光ファイバは、検知されたパラメータに応えて信号伝播の位相の変化を提供し、前記システムは、入力信号に応えて前記光ファイバから後方散乱された信号を受信するための受信器と、第一の時点で前記ファイバの一部分から後方散乱された第一受信信号と、第二の異なる時点で前記ファイバの同じ部分から後方散乱された第二受信信号とを結合させるようになっている出力干渉計であって、前記出力干渉計は、前記第一および第二帰還信号の間に周波数差を付与するために、少なくとも1つのアームに周波数変調器を含む、出力干渉計と、前記結合信号を受信し、前記後方散乱信号の時間による位相の変化率を判定するための、位相検出器と、を含む。
【0019】
このシステムは随意的に、試験対象ファイバに入力信号を提供するための光源を含む。
【0020】
本発明は、実質的に添付図面を参照して本明細書に記載されるとおりの、方法、装置、および/または使用を包含する。
【0021】
本発明の一態様におけるいずれの特徴も、本発明のその他の態様に、いずれの適切な組み合わせにおいても、適用されてもよい。具体的には、方法態様が装置態様に適用されてもよく、その逆でもよい。
【0022】
さらに、ハードウェアにおいて実現される特徴は、一般的にソフトウェアにおいて実現されてもよく、その逆でもよい。本明細書のソフトウェアおよびハードウェアの特徴に関するいかなる言及も、相応に解釈されるべきである。
【0023】
ここで本発明の好適な特徴は、以下の添付図面を参照して、例示目的でのみ記載される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図2】代替パルス配置を示す図である。
【図3】本発明の代替実施形態を示す図である。
【図4】先行技術のパルス出力を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、2つの光パルス102および104は、f1およびf2の周波数偏移、およびこれらの始点の間にxメートルの間隔を伴って、生成される。これらのパルスは、サーキュレータ106を通じて試験対象ファイバ(FUT)108内に伝播する入力信号を含み、これは説明されたように、ある長さの未変更のシングルモードファイバであってもよい。入力パルスに応えて後方散乱された光は、光検出器112に到達する前に、サーキュレータおよび次に出力干渉計110を通過して戻ってくる。好適な実施形態において、干渉計および光検出器は、レイリー後方散乱信号上で動作するようになっている。出力干渉計は、それぞれf3およびf4の周波数偏移を連続的に適用して進む各アームの音響光学変調器(AOM)116および118を有する。1つのアームは、パルス間隔に等しい、すなわちxメートルの長さの遅延を付与するために、遅延コイル120も有する。
【0026】
図1に示される位置から始まり、サーキュレータに出入りして進みながら、出力干渉計の遅延アームを通過するf2パルス104からの光は、干渉計の短い方のアームを通過するf1パルス102からの光と同じ距離だけ進むことがわかる。このため、これらのパルスからの光が同時に光検出器に到着した場合、これらはファイバの同じ区画から、しかし異なる時点で反射されたはずであり、そのためこれらは微分信号を生成する。つまり、これらは同じ光路を辿ってきたので、これらの間の位相差は、2つのパルスの間の時間間隔の間の光路長における変化のみである。これら2つのパルスの周波数偏移はf2+f4およびf1+f3であり、そのためこれらは以下の周波数の搬送波信号を形成するために混合する。
C1=(f2−f1)+(f4−f3)
【0027】
干渉計の短い方のアームを通過するf2パルスからの光は、遅延アームを通過してきたパルスf1からの光と同時に光検出器に到達するために、試験対象ファイバ中をさらに2xメートル(すなわちxメートルの2倍の経路)だけ余計に進まなければならない。これは、xメートルのFUTに対応する正常信号(すなわち微分値ではない)を発生することになる。この正常信号を生成するパルスは、以下の周波数の搬送波信号を与えるために混合する、f2+f3およびf1+f4の周波数を有する。
C2=(f2−f1)+(f3−f4)
【0028】
生成されるその他の搬送波周波数は、干渉計の同じアームを通過する両方のパルスから生じ
C3=f2−f1
または
C4=f3−f4
を与える干渉計の両方のアームを通過する同じパルスから生じる。
【0029】
f1〜4の適切な選択を通じて、我々は、C1〜4が全て異なり、各搬送波信号を分離できることを、保証する。たとえば、
f1=0MHz、f2=10MHz、f3=20MHz、およびf4=50MHzである場合、
C1=40MHz、C2=20MHz、C3=10MHz、およびC4=30MHzとなるが、ただし、いずれの場合も周波数は正の数として示される。パルスf1〜f4について示される周波数は、全て任意の基準に対するものであり、そのため正の数と同様に、ゼロまたは負の数を有することもできることに留意されたい。
【0030】
最高空間分解能を備える正常信号を有する搬送波はC3であり、x/2メートル離れたファイバの区画から反射するパルスから生じる。しかしながら、干渉計からのこの出力は、互いに重なり合う、x/2メートル離れたファイバの区画からの(遅延および非遅延干渉計アームに対応する)この信号の2つのバージョンからなる。この問題は、図1に示されるように、出力ファイバが分割されて、1つの枝が、この高空間分解能正常信号を備える単一の搬送波(C3)に遭遇するだけの光検出器114に行く場合に、回避されることが可能であろう。
【0031】
英国特許第2442745号明細書は、各々が異なる搬送周波数を生成する多数のパルス対が、DASシステムに問い合わせるためにどのようにして同時に使用されることが可能であるかを記載している。この文献において、複数の搬送波の目的は、1つの搬送波の振幅を復調できないほど低くしたコヒーレンス減衰の問題を緩和するために、冗長性を提供することである。
【0032】
本発明の実施形態において、コヒーレンス減衰の問題を克服するために、異なる周波数を有する何組ものパルス対を送信することも、やはり可能である。たとえばf1=−5MHz、f2=15MHz、次にf1=−10MHz、f2=20MHzの値を用いると、それぞれC1=50そして60となり、その他全ての周波数は30MHz未満のままとなるだろう。光検出器114において、10、20、および30MHzの搬送波を有する正常信号が、3組の入力パルスについて発生するだろう。
【0033】
提案される一実施形態において、2つのパルスの間の遅延はおよそ125nsとなる。微分信号の振幅は、2つのパルスの間の間隔に比例し、この比較的小さい遅延を用いると、いくつかの用途における微分信号は、正常信号が過負荷のとき、特に外乱の周波数が低い場合に、かなり低いSNRを有するだろう。微分信号の振幅は、パルス間隔を増大することによって改善され得るが、しかしこれは、システムの空間分解能に対して悪影響を有するだろう。
【0034】
この問題を回避するために提案される方法は、図2の実施形態に示されるように、3つのパルスからなる列を送信することであろう。
【0035】
入力パルスf1およびf2はやはり、xメートルの間隔を有し、x/2メートルの長さのファイバの区画のために正常信号を形成するため、光検出器114上で混合する。入力パルスf1および新たに導入されたパルスf5は、はるかに大きいyメートルの間隔を有し、(今やyメートルの遅延コイルを備える)出力干渉計を通過した後に、パルスf5は、yn/cの時間間隔に基づいて微分信号を与えるために光検出器112上でパルスf1と混合するが、ここでnはファイバの屈折率、cは光の速度である。
【0036】
これらパルスの各々は、好ましくは異なる周波数であるべきなので、これは生成される搬送周波数の数を増加させ、互いに良好に分離した搬送波上に所望の信号を生成する1組の周波数を見いだすのを、より困難にする。あるいは、システムは、図3に示される配置を用いて、2つの異なる波長でパルス対を生成することができるだろう。波長2(入力パルス302および306)は微分信号を生成するために大きいパルス間隔を有することになり、その一方で波長1(入力パルス302および304)は正常信号を生成するために短いものを有していた。受信側において、波長は、出力干渉計を通じて光検出器312まで通過するλ2および光検出器314まで直接通過するλ1を用いて、波長逆多重器310によって分離されることになる。同じ対の周波数偏移(f1およびf2)が、2つの波長に使用されることが可能であろう。
【0037】
本発明は、純粋に例示によって上記に記載されており、本発明の範囲内で詳細の変更がなされてもよいことは、理解される。
【0038】
本文ならびに(適切であれば)請求項および図面に開示される各々の特徴は、個別に、またはいずれかの適切な組み合わせにおいて提供されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある長さの光ファイバに問い合わせることによる分散型音響検知(DAS)の方法において、前記光ファイバが、検知されたパラメータに応えて信号伝播の位相の変化を提供し、
ある長さの光ファイバ内に入力信号を導入するステップと、
前記入力信号に応えて前記光ファイバから後方散乱された帰還信号を受信するステップと、
第一の時点で前記ファイバの一部分から後方散乱された第一帰還信号と、第二の異なる時点で前記ファイバの同じ部分から後方散乱された第二帰還信号とを比較するステップと、
前記比較から、前記後方散乱信号の時間による位相の変化率の測定値を導き出すステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記第一帰還信号が、前記第二帰還信号に対して周波数偏移されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第一帰還信号が第一周波数偏移によって変調され、前記第二帰還信号が第二周波数偏移によって変調される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、受信した帰還信号を出力干渉計に通すステップを含み、前記出力干渉計が、異なる周波数偏移によって各アームの信号を変調するために配置される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記入力信号が、1対の時間間隔パルスを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記パルスが異なる周波数偏移を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定された位相の変化率に基づいて位相値を得るステップをさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
第一の時点で前記ファイバの第一部分から後方散乱された第一帰還信号と、実質的に同じ時点で前記ファイバの第二の異なる部分から後方散乱された第二帰還信号とを比較するステップと、前記比較から、前記後方散乱信号の位相の測定値を導き出すステップと、をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記位相の測定値および前記位相の変化率の測定値が、共通の入力信号に応えて実質的に同時に決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記入力信号が3つの時間間隔パルスを含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記入力パルスが、少なくとも2つの異なる波長を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一および第三パルスの間の時間間隔が、第一および第二パルスの間の時間間隔の2倍より大きい、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
ある長さの光ファイバに問い合わせるための分散型音響検知(DAS)システムにおいて、前記光ファイバが、検知されたパラメータに応えて信号伝播の位相の変化を提供し、
入力信号に応えて前記光ファイバから後方散乱された信号を受信するための受信器と、
第一の時点で前記ファイバの一部分から後方散乱された第一受信信号と、第二の異なる時点で前記ファイバの同じ部分から後方散乱された第二受信信号とを結合させるようになっている出力干渉計であって、前記出力干渉計が、前記第一および第二帰還信号の間に周波数差を付与するために、少なくとも1つのアームに周波数変調器を含む、出力干渉計と、
前記結合信号を受信し、前記後方散乱信号の時間による位相の変化率を判定するための、位相検出器と、を含むシステム。
【請求項14】
前記出力干渉計が、前記出力干渉計の各アーム上に周波数変調器を含み、各周波数変調器が異なる周波数偏移を付与する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、前記後方散乱信号の位相を判定するための第二位相検出器を含む、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムが、異なる波長を有する入力から後方散乱された信号を分離するための逆多重器を含む、請求項13から15のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項17】
第一波長における後方散乱信号が前記出力干渉計に渡され、第二波長における信号が前記第二位相検出器に直接渡される、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−506828(P2013−506828A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531489(P2012−531489)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001802
【国際公開番号】WO2011/039501
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(512297505)オプタセンス・ホールデイングス・リミテツド (1)
【Fターム(参考)】