説明

位置同定機能付き印刷物、2次元座標同定装置、画像形成装置及びその方法

【課題】 広大な面積の符号化が可能であって、位置検出精度を向上させた2次元座標同定装置を提供する。
【解決手段】 印刷物上の符号化領域が複数の符号化単位に分割され、符号化単位ごとに、印刷物上での位置を示す座標値のコード情報と、印刷物を識別する識別番号のコード情報とが記録された印刷物の所定範囲の画像を読み込む画像読み取り部21と、読み込まれた所定範囲の画像から識別番号と、印刷ページ上の座標値とを示すコード情報を検出する識別番号符号検出部27、X座標符号検出部32、Y座標符号検出部36と、コード情報を復号化し、識別番号と座標値とを出力する識別番号符号復号部29、X座標復号部33、Y座標復号部37とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元表面上に一様に配置されたシンボルの一部を読み込み、2次元表面上の読み込み位置を同定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2次元表面上にシンボルを一様に配置し、シンボルを読み込むことで2次元表面上の位置を同定する技術が提案されている。例えば、紙等に印刷されたテスト問題上に、一様にシンボルを印刷しておき、解答者が、選択した解答位置をスキャナ等でなぞることで、選択された解答が通信事業者などに送られるといったシステムが提案されている(例えば、図18参照)。
【0003】
この2次元平面の符号化に、M系列の符号が使用されることが多い。M系列の符号は、「長さ2−1のM系列符号から、長さmの部分系列を切り出したときに、いずれの2つの部分系列の並びも決して一致しない」という性質を持つ。この性質を利用して平面を符号化する技術が種々提案されている。
【0004】
M系列符号は、以下に示すp次の漸化式から生成される系列のうちで周期が最大(2−1)のものをいう(疑似ランダム系列とも呼ばれる)。
【0005】
【数1】

【0006】
例えば、p=5、C=1,C=1,C=1,C=0,C=1の場合、図19に示すM系列(長さ2−1=31)が生成される。図19に示すようにM系列の異なる位置から取り出した長さpの部分系列A,B,Cは、決して一致しない。この性質を利用して、平面上の座標を1ビットの精度で位置決めすることができる。
【0007】
例えば、1ビットを0.3mmのシンボルで表現すると、A4長手方向の297mmを表現するためには、以下に示すように10次のM系列で符号化可能である。
(210−1)×0.3mm=1023×0.3mm=306.9mm
しかしながら、これではA4を1枚しか符号化できない。広大な面積を符号化しようとすると、もっと高次のM系列が必要になる。このため、平面上の位置を同定する時に、読み込む面積を大きくしなければならず、さらに、復号が複雑になるという問題が生じてしまう。
【0008】
特許文献1では、座標位置を表すために、図20に示すように平面上のY軸方向に平行に、同じM系列符号を配置している。Y軸方向に平行に並べられたM系列符号は、X軸方向には適当に位相をずらして配置している。例えば、図20では左から第2列目と第3列目では2ビットずらしており、第3列目と4列目では9ビットずらしており、第4列目と第5列目では24ビットずらしており、第5列目と第6列目では10ビットずらしている。これらの差は、同じX座標上の位置であれば一致する。これらの差をもとにX座標を表現する。Y座標の表現についてもX軸の表現と同様に、X軸方向に平行に並べられたM系列符号を、Y軸方向に適当に位相をずらして配置している。なお、ここでは、簡単のために同期方法を省略して説明した。
【0009】
【特許文献1】特表2003−511762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1では、A4などの実用的な大きさで利用する場合に、紙面の端を特定するための工夫が必要となる。すなわち、図21に示すように全符号化領域上での位置は同定できるが、利用面(ページ)の位置を同定するためには、図21に示すように符号化領域上でのページの位置を獲得する必要がある。また、複数のM系列符号を区切るための工夫により、符号化の冗長度が大きくなるという欠点を有している。さらに符号化及び復号化のアルゴリズムが複雑で計算負荷が高くなるという欠点を有している。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、広大な面積の符号化が可能であると共に、位置検出精度を向上させた位置同定機能付き印刷物、2次元座標同定装置、画像形成装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の位置同定機能付き印刷物は、印刷物上の符号化領域を複数の符号化単位に分割し、前記符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値のコード情報と、前記印刷物を識別する識別番号のコード情報とを記録した構成を備えている。このように本発明は、印刷物上での位置を示す座標値と、印刷物を識別する識別番号とを別々にコード化して記録しているので、広大な面積の符号化が可能となる。また符号化単位ごとに座標値と識別番号とが記録されているので、符号化単位を読み出すだけで、印刷物上の位置と、印刷物の識別番号を取り出すことができる。さらに、各印刷物に、印刷物上の座標値を示すコード情報を記録しているので、位置検出精度を高めることができる。
【0013】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記座標値を表すコード情報は、M系列符号によって符号化されているとよい。座標値を表すコード情報が、M系列符号によって符号化されているので、印刷物上のどの位置を読み込んでも座標を特定することができる。
【0014】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記複数の符号化単位間は、同期符号によって区切られているとよい。印刷物上に記録された情報を読み込んだ時に、読み込み位置を簡単に特定することができる。
【0015】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記コード情報は、1つで多ビットを表現可能なシンボルで表現されているとよい。コード情報が、1つで多ビットを表現可能なシンボルで表現されているので、印刷物の表面に印刷するシンボル数を削減することができる。
【0016】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記コード情報及び前記同期符号は、シンボルによって表現され、前記同期符号を表すシンボルによって、前記コード情報を表すシンボルの向きを特定可能であるとよい。コード情報を表すシンボルの向きを特定し、正確に情報を取り出すことができる。
【0017】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記識別番号を示すコード情報は、前記符号化単位ごとに繰り返し記録されているとよい。識別番号が、符号化単位ごとに繰り返し記録されているので、どこを読み出しても再現し復号化可能となる。
【0018】
上記位置同定機能付き印刷物において、符号化する印刷物のページ数に応じて、前記識別番号を表す前記コード情報の大きさを変更するとよい。従って、印刷物のページ数が増えても、符号化することが可能となる。
【0019】
上記位置同定機能付き印刷物において、前記符号化領域の大きさに応じて、前記座標値を表す前記コード情報のコード長を変更するとよい。従って、印刷物の大きさが変更になっても、符号化することができる。
【0020】
本発明の2次元座標同定装置は、印刷物上の符号化領域が複数の符号化単位に分割され、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録した前記印刷物の所定範囲の画像を読み込む読込手段と、読み込まれた前記所定範囲の画像から前記識別番号と、前記符号化単位の位置を示す座標値とを示す前記コード情報を検出する検出手段と、前記コード情報を復号化し、前記識別番号と前記座標値とを出力する復号化手段とを有する構成としている。このように本発明は、印刷物上の位置を示す座標値のコード情報と、印刷物の識別番号を示すコード情報とがそれぞれ記録された印刷物から所定範囲の画像を読み込んで、コード情報の検出、復号化を行なっているので、印刷物の識別番号と、印刷物上の座標との特定を精度よく行なうことができる。また符号化単位ごとに座標値と識別番号とが記録されているので、符号化単位を読み出すだけで、印刷物上の位置と、印刷物の識別番号を取り出すことができる。
【0021】
上記2次元座標同定装置において、前記検出手段は、複数の前記符号化単位から前記コード情報を読み込んで、1つの前記識別情報を表す前記コード情報を検出するとよい。読み込み範囲が符号化単位に一致しなくても、複数の符号化単位からのコード情報によって1つの識別情報を表すコード情報として検出するので、画像の読み込み位置を意識する必要がなく、どの位置で読み込んでも精度よく識別番号と座標を得ることができる。
【0022】
上記2次元座標同定装置において、前記コード情報は、1つで多ビットを表現可能なシンボルで表現され、前記複数の符号化単位間には、前記コード情報を表す前記シンボルの向きを特定可能なシンボルが形成されており、前記検出手段は、前記シンボルの向きを特定して前記コード情報を特定するとよい。シンボルの向きを特定し、正確に情報を取り出すことができる。
【0023】
上記2次元座標同定装置において、前記座標値の前記コード情報と、その前又は後の所定ビットとから前記座標値の前記コード情報の誤りを検出する誤り検出手段を有するとよい。検出した座標値に誤りがあるか否かを判定することができる。
【0024】
上記2次元座標同定装置において、前記座標値のコード情報は、M系列符号からなり、前記座標値を示す、前記M系列符号の一部からなる部分系列が、他の部分系列と一致しているか否かを判定して前記コード情報の誤りを検出する誤り検出手段を有するとよい。座標値の誤りを正確に検出することができる。
【0025】
上記2次元座標同定装置において、前記検出した誤りが、その誤りから正しいビット列を推定することのできる誤りであった場合に、前記誤りを訂正する訂正手段を有するとよい。訂正できる誤りであった場合に、誤りを訂正して正しい座標値に復号することができる。
【0026】
本発明の画像形成装置は、印刷物を識別する識別番号をコード化する識別番号コード化手段と、前記印刷物上の位置を示す座標値をコード化する座標値コード化手段と、前記識別番号と前記座標値とのコードに従って、前記識別番号と前記座標値とをシンボル化するシンボル化手段と、印刷画像と、前記シンボル化された前記識別番号と前記座標値とを合成する合成手段と、前記印刷物上の符号化領域を複数の符号化単位に分割し、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録し、前記コード情報上に前記印刷画像が形成された前記印刷物を形成する画像形成手段と、を有する構成としている。このように本発明は、印刷物上での位置を示す座標値と、印刷物を識別する識別番号とを別々にコード化して記録しているので、広大な面積の符号化が可能となる。また符号化単位ごとに座標値と識別番号とが記録されているので、符号化単位を読み出すだけで、印刷物上の位置と、印刷物の識別番号を取り出すことができる。さらに、各印刷物に、印刷物上の座標値を示すコード情報を記録しているので、位置検出精度を高めることができる。
【0027】
上記画像形成装置において、前記位置を示す座標値は、M系列符号によって符号化されているとよい。座標値を表すコード情報が、M系列符号によって符号化されているので、印刷物上のどの位置を読み込んでも座標を特定することができる。
【0028】
上記画像形成装置において、前記識別番号コード化手段は、符号化するページ数に応じて、前記識別番号を表す前記コード情報の大きさを変更するとよい。従って、印刷物のページ数が増えても、符号化することが可能となる。
【0029】
上記画像形成装置において、前記座標値コード化手段は、前記符号化領域の面積に応じて、前記座標値を表す前記コード情報の大きさを変更するとよい。従って、印刷物の大きさが変更になっても、符号化することができる。
【0030】
本発明の2次元座標同定方法は、印刷物上の符号化領域が複数の符号化単位に分割され、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録した前記印刷物の所定範囲の画像を読み込むステップと、読み込んだ前記所定範囲の画像から前記識別番号と、前記印刷ページ上の座標値とを示す前記コード情報を検出するステップと、前記コード情報を復号化し、前記識別番号と前記座標値とを出力するステップとを有している。このように本発明は、印刷物上の位置を示す座標値のコード情報と、印刷物の識別番号を示すコード情報とがそれぞれ記録された印刷物から所定範囲の画像を読み込んで、コード情報の検出、復号化を行なっているので、印刷物の識別番号と、印刷物上の座標との特定を精度よく行なうことができる。また符号化単位ごとに座標値と識別番号とが記録されているので、符号化単位を読み出すだけで、印刷物上の位置と、印刷物の識別番号を取り出すことができる。
【0031】
上記2次元座標同定方法において、前記座標値の前記コード情報と、その前又は後の所定ビットとから前記コード情報の誤りを検出するステップを有しているとよい。検出した座標値に誤りがあるか否かを判定することができる。
【0032】
上記2次元座標同定方法において、前記座標値のコード情報は、M系列符号からなり、前記座標値を示す、前記M系列符号の一部からなる部分系列が、他の部分系列と一致しているか否かを判定して前記コード情報の誤りを検出するステップを有しているとよい。座標値の誤りを正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、広大な面積の符号化が可能であると共に、位置検出精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0035】
[位置同定機能付き印刷物]
まず、位置同定機能付き印刷物の構成について説明する。
本実施例では、符号化する全面積を、実用的な大きさの平面(例えば、A3,A4)に分割し、この平面を符号化領域とする。なお、以下では、説明の簡略化のため符号化領域をページと呼ぶ。各ページには、ページを識別する識別番号と、ページ上での位置を表す座標(X,Y)を分けて符号化する。各ページは、図1に示すように複数の符号化単位に分割され、各符号化単位に所定の情報が記録される。1つの符号化単位は、縦6個、横7個の長方形で表される。長方形の1マスに1つのシンボルが形成される。シンボルとは、符号化されたコードをページ上に表示するためのものであり、例えば、図2(A)に示すような非対称のシンボルや、図2(B)に示すような対称シンボルが用いられる。図2に示すシンボルは、所定角度回転させることによって1シンボルで4つの情報、すなわち2ビットを表すことができる。1つのシンボルは、例えば600dpiで2ドット、シンボル間の間隔は0.3mmで形成される。これ以外にも、利用する平面と利用方法に応じて、他の形状や、異なる大きさのシンボルが利用できる。符号化単位も、表現するページ数と面積とに応じて、より多くのあるいは少ないシンボル数で表現してもよい。
【0036】
1つの符号化単位には、図1に示すように識別番号を表示するシンボルと、ページ上のX座標とY座標を表示するシンボルと、他の符号化領域との区切りを示すシンボル(以下、同期符号と呼ぶ)とが記録される。配置の一例として、図1に示すように符号化単位の左辺と底辺とに同期符号のシンボルを配置し、その内側のY方向にY座標を示すシンボルを5つと、同じく内側のX方向にX座標を示すシンボルを5つとを配置している。X座標、Y座標を表示するシンボルの内側には、識別番号を表示するシンボルが20配置される。
【0037】
識別番号は、図1に示すように20シンボルで表現される。1シンボルで2ビットの情報を表現することができるので、20シンボルの場合、240=1.1×1012、約1兆枚を符号化することができる。同じ用紙上の複数の符号化領域には、同じ識別番号を示すシンボルが書き込まれる。ここでは20シンボルで説明しているが、表現するページ数に応じて、より多くのあるいは少ないシンボル数で表現してもよい。
【0038】
X座標又はY座標は、M系列符号によって表現される。1符号化単位では、X座標,Y座標ともに10ビット(5シンボル)で表現され、M系列符号長は、210−1=1023ビットである。ここでは5シンボルで説明しているが、表現する面積に応じて、より多くのあるいは少ないシンボル数で表現してもよい。
【0039】
なお、1シンボルで2ビットを表す場合、1023ビットは511.5シンボルで表現され、図3に示すようにA4長手方向のサイズの半分にしかならない。しかしながら、周期が奇数であることから、次の周期では1ビットずれで表現される。このことから2周期でA4長手方向を符号化することができる。
【0040】
符号化単位を区切る同期符号は、1シンボルの2ビット分のうちの1ビットで表現される。図1に示すように複数の符号化単位は、同期符号によって区切られている。同期符号を設けることによって、印刷物上に記録された情報を読み込んだ時に、読み込み位置を簡単に特定することができる。この同期符号は、例えば、全て「0」や「1」で揃える。これによって読み込んだ際に、連続する値を検出することで符号化単位の境界と認識することができる。残りの1ビットは、識別番号あるいは誤り検出符号に利用する。
【0041】
また、この同期符号として書き込む値を予め決めておけば、その他の識別番号、X座標やY座標の値を示すシンボルの向きを判定することができる。例えば、同期符号として書き込んだ値が「1」で、ページ上をスキャンした時に得られた値が「2」であった場合、図2に示すようにページは90度回転しているので、90度逆方向に回転させることで、識別番号、X座標やY座標の値を示すシンボルを正しく読み取ることができる。
【0042】
このように配置された紙面上を、予め設定された所定の大きさ(符号化単位の大きさ)で読み込むことで、図4に示すように読み込み範囲が複数の符号化単位にまたがっても、その他の符号化単位からの情報で識別番号、X座標やY座標の値を補完することができる。
【0043】
[画像形成装置の構成]
このような印刷物を印刷する画像形成装置1の構成を図5に示す。図5に示す画像形成装置1は、ページ座標情報入力部2と、識別番号符号化部3と、X座標符号化部4と、Y座標符号化部5と、識別番号符号パターン化部6と、座標符号パターン化部7と、同期符号パターン化部8と、パターン合成部9と、画像合成部10と、文書画像生成部11と、画像生成部12とを備えている。
【0044】
ページ座標情報入力部2は、印刷する用紙のサイズ及び印刷向きと、識別番号とを入力する。識別番号符号化部3は、入力した識別番号を符号化すると共に、符号化した識別番号を配置する位置情報を識別番号符号パターン化部6に出力する。符号化の方法は、特に限定しないが、本実施例では、ページ数の表示に40ビットが使用できる。
【0045】
X座標符号化部4は、入力した用紙サイズ及び印刷向きに従って、X方向の座標値データを書き込む位置を求める。次に、X方向の座標値をM系列符号によって符号化し、符号化データと位置情報とを座標符号パターン化部7に出力する。同様に、Y座標符号化部5は、入力した用紙サイズ及び印刷向きに従って、Y方向の座標データを書き込む位置を求める。Y方向の座標値をM系列符号によって符号化し、符号化データと位置情報とを座標符号パターン化部7に出力する。
【0046】
識別番号符号パターン化部6は、符号化された識別番号を、その符号を表すシンボルのパターンに変換し、位置情報に従って識別番号配置位置にシンボル化された識別番号を配置する。座標符号パターン化部7は、M系列符号によって符号化されたX座標とY座標とを、その符号を表すシンボルのパターンに変換し、位置情報に従って、座標値の配置位置に該当するシンボル化された座標値を配置する。
【0047】
同期符号パターン化部8は、入力した用紙サイズに従って、同期符号の配置位置を求める。次に、同期符号をその符号を表すシンボルのパターンに変換し、位置情報に従って同期符号配置位置にシンボル化された同期符号を配置する。
【0048】
パターン合成部9は、シンボル化された識別番号と、シンボル化された座標値と、シンボル化された同期符号とを重ね合わせ、一つのシンボルパターンを形成する。
【0049】
文書画像生成部11は、用紙に印刷する文書や画像を生成する。また、文書画像生成部11は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと呼ぶ)等と接続し、このPCで作成した文書や画像を取り込むものであってもよい。さらに、スキャナ等によって読み込んだ文書や画像を取り込むものであってもよい。
【0050】
画像合成部10は、パターン合成部9で合成したシンボルパターンに、文書画像生成部11から取得した文書や画像を重ね合わせ、一つの印刷画像を形成する。画像合成部10で合成された印刷画像は、画像生成部12から印刷出力される。
【0051】
次に、図1に示す位置同定機能付き印刷物を読み込んで、印刷物上の位置を同定する2次元座標同定装置20について説明する。図6に示す2次元座標同定装置20は、画像読み取り部21と、パターン検出部22と、ビット情報変換部23と、同期符号検出部24と、画像回転判定部25と、ビット情報回転変換部26と、識別番号符号検出部27と、識別番号符号復元部28と、識別番号符号復号部29と、識別番号符号誤り検出部30と、識別番号符号誤り訂正部31と、X座標符号検出部32と、X座標復号部33と、X座標符号誤り検出部34と、X座標符号誤り訂正部35と、Y座標符号検出部36と、Y座標復号部37と、Y座標符号誤り検出部38と、Y座標符号誤り訂正部39と、ページ座標情報出力部40とを備えている。
【0052】
画像読み取り部21は、ページと座標を同定すべき領域の画像を読み込む。パターン検出部22は、読み込んだ画像からシンボルを検出する。ビット情報変換部23は、パターン検出部22で検出されたシンボルをビット行列に変換する。同期符号検出部24は、ビット行列をスキャンし、同期符号のビット列を検出する。画像回転判定部25は、検出した同期符号のビット列から画像の回転を判定する。ビット情報回転変換部26は、画像回転判定部25によって判定された回転角度で画像を逆回転させ、画像の向きを正規の向きに変換する。
【0053】
識別番号符号検出部27は、図4に示すように同期符号のビット列で分けられた4つの領域から識別番号を示すシンボルを検出する。読み込み範囲が符号化単位に一致しない場合、図4に示すように同期符号のビット列で分けられた4つの領域から識別番号を示すシンボルが取り出される。
【0054】
識別番号符号復元部28は、最大4つの領域から取り出されたシンボルを並び替えたり、同一シンボルを削除したりして、1符号化単位に書き込まれた図1に示す識別番号のシンボル(P11〜P15,P21〜P25,P31〜P35,P41〜P45)に変換する(これを、ビット行列と呼ぶ)。また、ビット行列をスキャンして、識別番号を表す並びのビット列に変換する。
【0055】
識別番号復号部29は、識別番号符号を復号する。識別番号符号誤り検出部30は、識別番号を表す並びのビット列に、ノイズ等によって誤りが生じているか否かを判定する。識別番号符号誤り訂正部31は、識別番号を表す並びのビット列に誤りがあると判定されると、その誤りを訂正する。
【0056】
識別番号を表す符号の誤り検出には、パリティチェック符号などが用いられる。パリティチェック符号は、図7(A)に示すように情報符号の和が偶数の場合には「0」を、情報符号の和が奇数の場合には「1」をチェック符号としておくものであり、図7(B)に示すように識別番号の符号の行方向のチェック符号と、列方向のチェック符号とを配置する。パリティチェック符号は、上述した同期符号の残り1ビットに含ませても良い。また誤り検出には、同一の最小ハミング距離を持つ線形符号の中で検査記号数が最小となるRS符号(リードソロモン)を用いることもできる。例えば、40ビットで符号化する場合、ブロックビット長を4ビットとし、符号ブロック数を10、情報ブロック数を6としたRS(10,6)符号を使用すると、符号化効率は0.6程度となり、約6000万枚を符号化できる。この符号化は、2ブロックまでの訂正が可能である。さらに、これ以外の誤り訂正方式も利用可能である。
【0057】
X座標符号検出部32は、X座標の座標値を表すシンボルを検出し、符号化されたX座標を表すビット列に変換する。X座標復号部33は、符号化されたX座標を表すビット列を復号し、X座標を求める。なお、復号部33の詳細な動作については後述する。
【0058】
X座標符号誤り検出部34は、符号化されたX座標を表すビット列に誤りが含まれているかを検出する。X座標符号誤り訂正部35は、誤りを検出し、その誤りが訂正可能な誤りであった場合に、誤りを訂正する。これらの機能部の詳細な動作についても後述する。
【0059】
Y座標符号検出部36は、Y座標の座標値を表すシンボルを検出し、符号化されたY座標を表すビット列に変換する。Y座標復号部37は、符号化されたY座標を表すビット列を復号し、Y座標を求める。復号部37の詳細な動作についても後述する。
【0060】
Y座標符号誤り検出部38は、符号化されたY座標を表すビット列に誤りが含まれているかを検出する。Y座標符号誤り訂正部39は、誤りを検出し、その誤りが訂正可能な誤りであった場合に、誤りを訂正する。これらの機能部の詳細な動作についても後述する。
【0061】
ページ座標情報出力部40は、復号された識別番号、X方向座標値、Y軸方向座標値を出力する。
【0062】
ここで、符号化された座標値の誤りを検出する方法について説明する。
従来、符号化されたビット列の誤りを検出するために、図8に示すようにパリティチェックビットが付加されている。パリティチェックビットは、図8(A)に示すように各部分系列ごとに配置する方法と、図8(B)に示すように次数間隔ごとにパリティチェックビットを配置する方法とがある。図8(A)に示すように各部分系列ごとに配置する場合、位置決め精度を1ビットにできるが、情報と同じ数のチェックビットとなるため冗長度が大きすぎるという問題が生じる。また、図8(B)に示す次数間隔ごとにチェックビットを配置する方法では、冗長度は小さいが、検査のために2倍の長さの読み込みが必要となる。
【0063】
そこで、本実施例ではM系列符号の特性を利用した誤り検出を行なっている。ページ上の位置を表示するX、Yの座標値には、M系列符号を使用している。上述したようにM系列符号は、数1に示す漸化式を使用して算出される。このため、(p+1)の部分系列は、M系列符号を生成した漸化式を利用して、矛盾がないかを判定することができる。例えば、図9に示すように任意に取り出した5ビットに、C1〜C5の係数を掛け合わせて生成した符号と、取り出した5ビットの次のビットとが一致しているか否かを判定することで、符号の誤りを検出することができる。図9(A)に誤りがなかった場合を示し、図9(B)に誤りがあった場合を示す。
【0064】
しかしながら、図10(A)に示すように係数C1〜C5に「0」が含まれていると、「0」の位置の符号を検査することができない。そのため、係数に含まれる「0」の個数と、取り出した部分系列に含まれる「0」の数が一致してしまうと、誤りを検出することができない。
【0065】
そこで、本実施例は、検査対象となるビット列の誤り検出を行なうと共に、図10(B)に示すように対象となるビット列を前後にずらして、誤りがあるか否かを判定している。例えば、図10(B)に示すように対象となるビット列を前に1ビットずらすことで、誤りがあった場合、前回の検査で係数「0」に該当するビットに誤りがあることが分かる。
【0066】
符号化された座標値の誤りを検出する方法として、上述した以外に、次の方法も用いることができる。この方法は、連続した長さpビットの部分系列間の最小ハミング距離は1以上であるが、nビット余分に取った長さ(p+n)ビットの部分系列間の最小ハミング距離は2以上であるようなM系列符号を利用する。図11にp=5の部分系列の場合を示す。1ビットの誤りがあった場合、図11(B)に示すように他の部分系列と一致することがあり、誤りを検出することができない。これに対し、図11(C)に示すように2ビット余分に見て7ビットを見ると、1ビットの誤りで一致する部分系列は、このM系列符号には存在しない。このようにしてビット誤りを検出することができる。
【0067】
例えば、M系列符号のp=10でnが4の場合、(p+n)部分系列のハミング距離が2以上となるM系列を生成する漸化式の係数には、以下の数2に示すものがある。
【0068】
【数2】

【0069】
このM系列の(10+4)部分系列のハミング距離は3であり、2つ以上の誤りを検出することができ、1つの誤りを訂正することができる。
【0070】
図12に誤り数と、その誤りの検出確率とを示す。この検出確率で、ビットエラー率が4%のとき、検出失敗が発生する確率は0.128%となる。ビットエラー率が3%のとき、検出失敗が発生する確率は、0.059%である。
【0071】
またM系列符号のp=11でnが5の場合、(p+n)部分系列のハミング距離が2以上となるM系列を生成する漸化式の係数には、以下の数3に示すものがある。
【0072】
【数3】

【0073】
このM系列の(11+5)部分系列のハミング距離は3であり、2つ以上の誤りを検出することができ、1つの誤りを訂正することができる。
【0074】
図13に誤り数と、その誤りの検出確率とを示す。この検出確率で、ビットエラー率が4%のとき、検出失敗が発生する確率は0.078%となる。ビットエラー率が3%のとき、検出失敗が発生する確率は、0.037%である。
【0075】
2次元座標同定装置20の動作手順を図14〜図17に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、図14を参照しながら全体の動作を説明する。
まず、ページと座標を同定すべき領域の画像を読み込む(ステップS1)。次に、読み込んだ画像からシンボルを検出し、ビット行列に変換する(ステップS2)。次に変換したビット行列をスキャンし同期符号のビット列を検出する(ステップS3)。検出した同期符号のビット列から画像を回転させる必要があるか否かを判定する(ステップS4)。回転の必要がある場合には(ステップS4/YES)、ビット行列を検出した回転角度とは逆に回転させる(ステップS5)。
【0076】
次に、図1に示すように交差するX方向の同期符号のビット列と、Y方向の同期符号のビット列で分割される4つの領域のビット行列を検出する(ステップS6)。次に、X座標を符号化するビット列を検出する(ステップS7)。X座標を符号化するビット列を検出すると、検出したビット列を用いてX座標の復号を行なう(ステップS8)。
【0077】
次に、Y座標を符号化するビット列を検出し(ステップS9)、検出したビット列からY座標の復号を行なう(ステップS10)。
【0078】
次に、識別番号を符号化するビット列を検出し(ステップS11)、このビット列から識別番号を復号する(ステップS12)。
【0079】
以上の処理によって求められた識別番号、X座標値、Y座標値をページ座標情報出力部40から出力する。
【0080】
次に、図15に示すフローチャートを参照しながらX座標値を復号化する手順を説明する。
まず、X座標を符号化するビット列(以下、X座標符号化ビット列と呼ぶ)の左端又は右端のビットをTX=1に設定する(ステップS20)。なお、TXは、処理対象のビットを識別するパラメータである。次に、TX番目から(TX+PX−1)番目までのビット列を取り出す(ステップS21)。なおPXは、X座標を符号化するM系列符号の次数を表す。次に、TXから(TX+PX−1)までのビット列と、M系列符号の漸化式から(TX+PX)の予測値QXを求め(ステップS22)、これを取り出した(TX+PX)と比較する(ステップS23)。両者が位置していない場合には(ステップS23/NO)、全ビット列を訂正可能ビット列パターンと比較する(ステップS29)。訂正可能ビット列パターンとは、誤ったパターンから正常なビット列を推定できるパターンである。検出したビット列と、訂正可能ビット列パターンとが一致している場合には(ステップS30/YES)、訂正可能ビット列パターンによりビット列を訂正する(ステップS31)。また訂正可能ビット列パターンと一致していない場合には(ステップS30/NO)、N/A(not applicable:適用不可)を代入する(ステップS32)。
【0081】
また、取り出した(TX+PX)と、漸化式から求めたQXとが一致した場合には(ステップS23/YES)、TXがNXに一致しているか否かを判定する(ステップS24)。NXは、付加的読み込みビット数と呼び、ステップS22、S23の判定を行なうTXの範囲を示す。このNXが、図10に示す対象となるビット列を前後にずらして、誤りがあるか否かを判定する範囲に該当する。図10(B)に示すように対象となるビット列を前又は後ろに所定数ずらすことで、前回の検査で係数「0」に該当するビットに誤りがあるか否かを判定することができる。TXがNXに一致していない場合には(ステップS24/NO)、TXの値を1インクリメントし(ステップS25)ステップS21からの処理手順を繰り返す。また、TXとNXとが一致した場合には(ステップS24/YES)、検出した全ビット列を誤りビット列パターンと比較する(ステップS26)。誤りビット列パターンとは、X座標の符号化に使用したM系列符号の他の部分系列を指し、検出したビット列がM系列符号の他の部分系列と一致していると(ステップS27/YES)、検出したビット列は誤りであると判定できる。
【0082】
検出したビット列が誤りビット列パターンに一致していた場合には(ステップS27/YES)、全ビット列を訂正可能ビット列パターンと比較する(ステップS29)。この後、上述したように検出したビット列と、訂正可能ビット列パターンとが一致している場合には(ステップS30/YES)、訂正可能ビット列パターンによりビット列を訂正する(ステップS31)。また訂正可能ビット列パターンと一致していない場合には(ステップS30/NO)、N/A(not applicable:適用不可)を代入する。また、全ビット列と誤りビット列パターンとが一致していなかった場合(ステップS27/NO)、またはステップS31でビット列を訂正した場合には、TXが1番目からPX番目までのビット列からX座標を復号する(ステップS28)。
【0083】
なお、Y座標の復号化は図16に示すフローチャートに従って行なわれるが、X座標の復号化と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0084】
次に、図17に示すフローチャートを参照しながら識別番号の復号処理手順について説明する。
まず、図1に示すようにX座標を表す符号化ビット列と、Y座標を表す符号化ビット列とで分割される4つの領域にまたがっているビット行列を並び替えて、識別番号を表すビット行列に復元する(ステップS61)。次に、復元したビット行列をスキャンし、識別番号を表すビット列に変換する(ステップS62)。次に、変換したビット列に誤りがあるか否かを検出する(ステップS63)。誤りがあった場合には(ステップS64/YES)、訂正可能な誤りか否かを判定する(ステップS65)。訂正可能であった場合には(ステップS66/YES)、誤りを訂正して(ステップS67)、ページを復号する(ステップS69)。また、訂正可能な誤りではなかった場合には(ステップS66/NO)、識別番号にN/Aを代入して(ステップS68)、処理を終了する。また復元したビット列に誤りがなかった場合には(ステップS64/NO)、識別番号を復号する(ステップS69)。
【0085】
このように本実施例は、ページ上の位置を示す座標値のコード情報と、ページの識別番号を示すコード情報とがそれぞれ記録された印刷物から所定範囲の画像を読み込んで、コード情報の検出、復号化を行なっているので、印刷物の識別番号と、印刷物上の座標との特定を精度よく行なうことができる。また符号化単位ごとに座標値と識別番号とが記録されているので、符号化単位を読み出すだけで、ページ上の位置と、ページの識別番号を取り出すことができる。
【0086】
なお、上述した印刷物は、図21に示すようなテスト問題以外に、カレンダー、紙に印刷されたキーボード、申し込み書や申請書などへの適用が可能である。テスト問題を印刷した印刷物の場合には、印刷された問題に対する解答を、解答者が選択すると、選択された解答が通信回線で接続されたセンタに送られ、問題の点数が集計されたり、解答するためのアドバイスが解答者の端末に送信されたりする。また、カレンダーの場合、入力ペンで日付を選択すると、この日付の印刷された領域に記録された符号を2次元座標同定符号化装置によって読み取り、該当する日付のスケジュールを表示装置に表示させることもできる。
【0087】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の符号化方法を説明するための図である。
【図2】シンボルの構成を示す図である。
【図3】A4長手方向の符号化例を示す図である。
【図4】読み込み範囲の一例を示す図である。
【図5】画像形成装置の構成を示す図である。
【図6】2次元座標同定装置の構成を示す図である。
【図7】パリティチェック符号について説明するための図である。
【図8】従来の誤り検査方法を説明するための図である。
【図9】本発明の誤り検査方法を説明するための図である。
【図10】本発明の誤り検査方法を説明するための図である。
【図11】本発明の誤り検査方法を説明するための図である。
【図12】本発明の誤り検査方法での誤り検出確率を示す図である。
【図13】本発明の誤り検査方法での誤り検出確率を示す図である。
【図14】2次元座標同定装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】X座標の復号化の手順を示すフローチャートである。
【図16】Y座標の符号化の手順を示すフローチャートである。
【図17】識別番号の復号化の手順を示すフローチャートである。
【図18】2次元表面上の読み込み位置を同定する技術の利用例を示す図である。
【図19】M系列符号について説明するための図である。
【図20】従来の符号化方法を説明するための図である。
【図21】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置 2 ページ座標情報入力部
3 識別番号符号化部 4 X座標符号化部
5 Y座標符号化部 6 識別番号符号パターン化部
7 座標符号パターン化部 8 同期符号パターン化部
9 パターン合成部 10 画像合成部
11 文書画像生成部 12 画像生成部
20 2次元座標同定装置 21 画像読み取り部
22 パターン検出部 23 ビット情報変換部
24 同期符号検出部 25 画像回転判定部
26 ビット情報回転変換部 27 識別番号符号化検出部
28 識別番号符号復元部 29 識別番号符号復号部
30 識別番号符号誤り検出部 31 識別番号符号誤り訂正部
32 X座標符号検出部 33 X座標復号部
34 X座標符号誤り検出部 35 X座標符号誤り訂正部
36 Y座標符号検出部 37 Y座標復号部
38 Y座標符号誤り検出部 39 Y座標符号誤り訂正部
40 ページ座標情報出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物上の符号化領域を複数の符号化単位に分割し、前記符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値のコード情報と、前記印刷物を識別する識別番号のコード情報とを記録したことを特徴とする位置同定機能付き印刷物。
【請求項2】
前記座標値を表すコード情報は、M系列符号によって符号化されていることを特徴とする請求項1記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項3】
前記複数の符号化単位間は、同期符号によって区切られていることを特徴とする請求項1記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項4】
前記コード情報は、1つで多ビットを表現可能なシンボルで表現されていることを特徴とする請求項1記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項5】
前記コード情報及び前記同期符号は、シンボルによって表現され、前記同期符号を表すシンボルによって、前記コード情報を表すシンボルの向きを特定可能であることを特徴とする請求項3記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項6】
前記識別番号を示すコード情報は、前記符号化単位ごとに繰り返し記録されていることを特徴とする請求項1記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項7】
符号化する印刷物のページ数に応じて、前記識別番号を表す前記コード情報の大きさを変更することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項8】
前記符号化領域の大きさに応じて、前記座標値を表す前記コード情報のコード長を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の位置同定機能付き印刷物。
【請求項9】
印刷物上の符号化領域が複数の符号化単位に分割され、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録した前記印刷物の所定範囲の画像を読み込む読込手段と、
読み込まれた前記所定範囲の画像から前記識別番号と、前記符号化単位の位置を示す座標値とを示す前記コード情報を検出する検出手段と、
前記コード情報を復号化し、前記識別番号と前記座標値とを出力する復号化手段とを有することを特徴とする2次元座標同定装置。
【請求項10】
前記検出手段は、複数の前記符号化単位から前記コード情報を読み込んで、1つの前記識別情報を表す前記コード情報を検出することを特徴とする請求項9記載の2次元座標同定装置。
【請求項11】
前記コード情報は、1つで多ビットを表現可能なシンボルで表現され、前記複数の符号化単位間には、前記コード情報を表す前記シンボルの向きを特定可能なシンボルが形成されており、
前記検出手段は、前記シンボルの向きを特定して前記コード情報を特定することを特徴とする請求項9記載の2次元座標同定装置。
【請求項12】
前記座標値の前記コード情報と、その前又は後の所定ビットとから前記座標値の前記コード情報の誤りを検出する誤り検出手段を有することを特徴とする請求項9記載の2次元座標同定装置。
【請求項13】
前記座標値のコード情報は、M系列符号からなり、
前記座標値を示す、前記M系列符号の一部からなる部分系列が、他の部分系列と一致しているか否かを判定して前記コード情報の誤りを検出する誤り検出手段を有することを特徴とする請求項9記載の2次元座標同定装置。
【請求項14】
前記検出した誤りが、その誤りから正しいビット列を推定することのできる誤りであった場合に、前記誤りを訂正する訂正手段を有することを特徴とする請求項12又は13記載の2次元座標同定装置。
【請求項15】
印刷物を識別する識別番号をコード化する識別番号コード化手段と、
前記印刷物上の位置を示す座標値をコード化する座標値コード化手段と、
前記識別番号と前記座標値とのコードに従って、前記識別番号と前記座標値とをシンボル化するシンボル化手段と、
印刷画像と、前記シンボル化された前記識別番号と前記座標値とを合成する合成手段と、
前記印刷物上の符号化領域を複数の符号化単位に分割し、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録し、前記コード情報上に前記印刷画像が形成された前記印刷物を形成する画像形成手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
前記位置を示す座標値は、M系列符号によって符号化されていることを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記識別番号コード化手段は、符号化するページ数に応じて、前記識別番号を表す前記コード情報の大きさを変更することを特徴とする請求項15又は16記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記座標値コード化手段は、前記符号化領域の面積に応じて、前記座標値を表す前記コード情報の大きさを変更することを特徴とする請求項15から17のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項19】
印刷物上の符号化領域が複数の符号化単位に分割され、該符号化単位ごとに、前記印刷物上での位置を示す座標値と、前記印刷物を識別する識別番号とを示すコード情報をそれぞれ記録した前記印刷物の所定範囲の画像を読み込むステップと、
読み込んだ前記所定範囲の画像から前記識別番号と、前記印刷ページ上の座標値とを示す前記コード情報を検出するステップと、
前記コード情報を復号化し、前記識別番号と前記座標値とを出力するステップとを有することを特徴とする2次元座標同定方法。
【請求項20】
前記座標値の前記コード情報と、その前又は後の所定ビットとから前記コード情報の誤りを検出するステップを有することを特徴とする請求項19記載の2次元座標同定方法。
【請求項21】
前記座標値のコード情報は、M系列符号からなり、
前記座標値を示す、前記M系列符号の一部からなる部分系列が、他の部分系列と一致しているか否かを判定して前記コード情報の誤りを検出するステップを有することを特徴とする請求項19記載の2次元座標同定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−243818(P2006−243818A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54713(P2005−54713)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】