説明

位置案内システム

【課題】 納入作業者が部品保管棚の設置場所を容易に特定できるシステムを提供
【解決手段】 位置案内システム1は、組立工場からの発注内容を示すデータを取得して、納入部品の種類と順序を指示するデータ(納入部品指示データ)を作成するデータ受信端末3と、納入部品指示データに基づいて納入作業の作業順序を指示する複数のチェック端末4と、チェック端末4毎に設けられ、チェック端末4からの指令に基づき、納入部品を種類毎に分けて保管するための部品保管箱(不図示)の位置を納入作業者に案内する位置案内装置6を備える。位置案内装置6は、部品保管箱毎に設けられたロケーション案内灯12と、位置案内装置6内の全てのロケーション案内灯12の動作を制御する案内制御装置11とから構成される。案内制御装置11は、チェック端末4で指示された作業順序に従って、納入部品の種類に対応したロケーション案内灯12を順次発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者に対して、複数の部品保管場所の中から適切な部品保管場所を発光によって案内するための位置案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品工場が自動車メーカへ部品を納入する形態としては、順序納入と呼ばれるものが主流となっている。
順序納入とは、多品種の自動車を同一の組立ラインで組み立てる組立工場において、組み立てる自動車が組立ラインに投入される毎に部品工場へ部品の発注を行い、部品工場は、発注された順番に部品を組立工場に納入する形態である。即ち、部品工場は、自動車の品種に応じた部品を、組立工場から発注を受けた順番に揃えて納入する必要がある。
【0003】
以下に順序納入システムについて、図13〜図15をもとに説明する。
図13に示すように、部品工場200内には、組立工場300内のホストコンピュータ301とデータ通信可能に接続された順序納入端末201と、順序納入端末に接続されたプリンタ202が設置されている。順序納入端末201は、ホストコンピュータ301からの発注内容を示すデータ(以降、発注データと称す)を取得すると、プリンタ202から、この発注データに基づいて、納入する納入部品を発注順に記載した納入リストLを印刷させる。
【0004】
納入リストLは、図14に示すように、投入番号(発注順に対応する)と、この投入番号に対応する品番(つまり、納入部品の種類)と投入時間とが記載されている。
部品工場200内の出荷準備作業場には、図15(a)に示すように、品番毎に納入部品210(図ではフロアカーペット)を保管する部品保管箱220が設けられており、納入作業者は、納入リストLで品番を確認して、確認した品番と同じ品番の部品保管箱220を探し、この部品保管箱220から納入部品210を取り出して(ピッキングして)、台車230に積み込む(セットする)という作業を行う。
【0005】
尚、納入部品210の積み込み順は、投入番号が大きいものからとなる。即ち、投入番号が大きい納入部品210が下に配置されるように、台車230上に納入部品210が積み重ねられる。これにより、自動車組立工場において、組み立て作業者が、積み重ねられた納入部品を上から取れば、発注した順(つまり、組立ラインに投入された自動車の順)に納入部品を取り出すことができる。
【0006】
また、納入部品210には現品表G(図15(b)参照)が貼付されており、納入作業者は、取り出した納入部品210を台車230に積み込む際に、現品表Gの割符ラベルWをミシン目から切り取って、納入リストLの品番が記載されている右横に貼り付ける。そして、納入リストLの品番と、割符ラベルWの品番とを照合して、一致してれば納入部品210を台車230に積み込む。
【0007】
その後、納入リストLに記載された品番の納入部品210を全て積み込むと、納入作業者は、納入リストLの品番と、割符ラベルWの品番とを再度照合する。そして照合した結果が一致していれば、納入リストLの品番と割符ラベルWの品番の横に確認済を示す「レ点」を記入して(図15(c)参照)、積み込み作業を完了する。
【0008】
尚、上述の順序納入システムは一般的であり、公知・公用の技術に該当するため、ここでは、特に先行技術文献は開示しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、このような順序納入システムにおいて、納入作業者は、上述のように、納入リストLで品番を確認して、確認した品番と同じ品番の部品保管棚を探すという作業を行う必要がある。
【0010】
しかしながら、自動車メーカへ納入するための取り扱い部品は多品種である。このため、部品保管棚の数も多くなる(例えば、50,60個程度)。従って、納入作業者は、間違った部品保管棚から部品を取り出してしまったり、部品保管棚の場所を探し出すのに時間が掛かったりしてしまうという問題があった。
【0011】
また、納入作業の熟練者であれば、経験により部品保管棚の設置場所を多く記憶しているため、比較的早く部品保管棚の場所を探し出すことができるが、未熟練者は、部品保管棚の設置場所を多く記憶できていないために、部品保管棚の場所を探し出すのに時間が掛かってしまう。即ち、納入作業の熟練度に応じて納入作業時間が変動してしまうため、納入作業の管理者は、納入作業時間を一律に見積もることが困難であるという問題があった。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、納入作業者が部品保管棚の設置場所を容易に特定できる位置案内システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明は、複数種類の納入部品について、同一種類の納入部品毎に当該納入部品の部品保管場所が設定された部品工場で用いられる位置案内システムであって、部品保管場所毎に設置され、当該部品保管場所の位置を特定可能に発光する表示灯装置と、納入すべき複数の納入部品の種類と、その納入部品を納入する納入順序とを特定するための納入指示情報を取得する納入指示情報取得手段と、納入部品毎に取り付けられ、当該納入部品の種類を示す種類識別情報が記憶された種類識別情報記憶手段と、種類識別情報記憶手段から種類識別情報を読み取る読取手段と、納入指示情報取得手段が取得した納入指示情報に基づいて、納入部品を部品保管場所から取り出す順序である取出順序を決定する順序決定手段と、順序決定手段によって取出順序が決定されると、まず、この取出順序に基づいて、最初に発光させる表示灯装置を指示し、その後、読取手段により読み取られた種類識別情報によって示される納入部品の種類と、現時点で発光指示をしている表示灯装置に対応した納入部品の種類とが一致するか否かを判断し、納入部品の種類が一致すると判断する毎に、順序決定手段によって決定された取出順序に従った順序で、次に発光させる表示灯装置を指示する装置指示手段と、装置指示手段で指示された表示灯装置を発光させる第1発光制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
このように構成された位置案内システムでは、まず納入指示情報取得手段が納入指示情報を取得する。そして順序決定手段は、納入指示情報取得手段が取得した納入指示情報に基づいて取出順序を決定する。その後に装置指示手段は、この取出順序に基づいて、最初に発光させる表示灯装置を指示し、その後、読取手段により読み取られた種類識別情報によって示される納入部品の種類と、現時点で発光指示をしている表示灯装置に対応した納入部品の種類とが一致するか否かを判断し、納入部品の種類が一致すると判断する毎に、順序決定手段によって決定された取出順序に従った順序で、次に発光させる表示灯装置を指示する。また第1発光制御手段は、装置指示手段で指示された表示灯装置を発光させる。
【0015】
即ち、本発明の位置案内システムでは、納入指示情報取得手段が納入指示情報を取得すると、まず、取出順序の1番目となる納入部品の部品保管場所に設置された表示灯装置が発光する。
【0016】
その後に、納入作業者が、発光している表示灯装置に対応した部品保管場所から納入部品を取り出し、この納入部品に取り付けられた種類識別情報記憶手段に記憶されている種類識別情報を読取手段により読み取らせる。
【0017】
そして、読取手段により読み取られた種類識別情報によって示される納入部品の種類と、現時点で発光している表示灯装置に対応した納入部品の種類とが一致している場合には、次の取出順序に対応した表示灯装置が発光する。
【0018】
このため納入作業者は、次に取り出すべき納入部品が保管されている部品保管場所の位置を知ることができる。そして納入作業者は、次の納入部品を取り出す作業に移る。以降、納入作業者は、表示灯装置が発光している部品保管場所から納入部品を取り出し、この納入部品に取り付けられた種類識別情報記憶手段に記憶されている種類識別情報を読取手段により読み取らせるという作業を繰り返せばよい。
【0019】
従って、本発明の位置案内システムによれば、現時点で取り出すべき納入部品が保管されている部品保管場所の位置を、その部品保管場所に設置された表示灯装置の発光によって認識することができる。
【0020】
即ち納入作業者は、表示灯装置の発光によって容易に部品保管場所を特定できる。このため、部品保管場所を間違えてしまうというミスの発生を抑制できる。また、部品保管場所を特定するまでに掛かる時間を短縮できる。
【0021】
更に、部品保管場所の位置を予め記憶しておく必要がなくなるため、熟練者と未熟練者との間での、部品保管場所を探し出す時間の差が小さくなる。即ち、納入作業者の熟練度による納入作業時間の変動が抑制できるため、納入作業の管理者は、納入作業者の熟練度にかかわらず納入作業時間を一律に見積もり易くなる。
【0022】
また本発明の位置案内システムでは、表示灯装置は、視覚により識別可能な光を発する発光手段と、当該装置を識別するための装置識別番号を示す装置識別信号を外部から入力する第1信号入力部と、装置識別信号を外部へ出力する複数の第1信号出力部とを備え、第1信号入力部から入力した装置識別信号を複数の第1信号出力部のそれぞれへ出力する第1信号入出力手段と、装置識別番号を設定する識別番号設定手段と、第1信号入力部から入力した装置識別信号により示される装置識別番号を信号識別番号、識別番号設定手段により設定された装置識別番号を設定識別番号として、信号識別番号と設定識別番号とが一致しているか否かを判断する識別番号判断手段と、信号識別番号と設定識別番号とが一致していると識別番号判断手段が判断した場合に、発光手段を発光させる第2発光制御手段と、から構成され、複数の表示灯装置のそれぞれは、第1信号入力部及び第1信号出力部の少なくとも一方を介して、他の表示灯装置と接続され、第1発光制御手段は、装置指示手段で指示された表示灯装置の装置識別番号を示す装置識別信号を第1信号入力部へ出力するようにするとよい。
【0023】
このように構成された位置案内システムにおいて、まず表示灯装置では、第1信号入出力手段が、第1信号入力部から入力した装置識別信号を複数の第1信号出力部のそれぞれへ出力する。また識別番号判断手段は、第1信号入力部から入力した装置識別信号により示される装置識別番号(信号識別番号)と、識別番号設定手段により設定された装置識別番号(設定識別番号)とが一致しているか否かを判断する。そして第2発光制御手段は、信号識別番号と設定識別番号とが一致していると識別番号判断手段が判断した場合に、発光手段を発光させる。
【0024】
また第1発光制御手段は、装置指示手段で指示された表示灯装置の装置識別番号を示す装置識別信号を第1信号入力部へ出力する。更に、複数の表示灯装置のそれぞれは、第1信号入力部及び第1信号出力部の少なくとも一方を介して、他の表示灯装置と接続される。
【0025】
つまり、第1発光制御手段から出力された装置識別信号は、位置案内システム内の表示灯装置全てに入力される。このため、第1発光制御手段が第1信号入力部へ装置識別信号を出力することによって、位置案内システム内の表示灯装置の中から信号識別番号と設定識別番号とが一致している表示灯装置のみを発光させることができる。
【0026】
また表示灯装置はそれぞれ、複数の第1信号出力部を備えている。即ち、1つの第1信号出力部が他の表示灯装置の第1信号入力部と接続されていても、残りの第1信号出力部を介して、既に接続されている表示灯装置とは別の表示灯装置の第1信号入力部と接続することができる。つまり、直列型だけでなくスター型でも接続が可能であり、位置案内システム内の表示灯装置を自由に設置することができる。
【0027】
また本発明の位置案内システムでは、表示灯装置のそれぞれは、当該表示灯装置が設置されている部品保管場所からの納入部品の取り出しを検出する取出検出手段を備え、発光手段が非発光状態である表示灯装置の取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、予め設定された所定報知態様で報知する報知手段を備えるようにするとよい。
【0028】
このように構成された位置案内システムでは、非発光状態の表示灯装置が設置されている部品保管場所から納入部品が取り出されると、報知手段が報知する。このため、納入作業者は、間違った部品保管場所から納入部品を取り出したことを知ることができる。
【0029】
また本発明の位置案内システムでは、表示灯装置は、当該表示灯装置が設置されている部品保管場所からの納入部品の取り出しを検出する取出検出手段と、当該装置の発光手段が発光している間に、取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、予め設定された第1所定電圧値の電気信号を出力し、当該装置の発光手段が非発光状態である間に、取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、第1所定電圧値と異なるように予め設定された第2所定電圧値の電気信号を出力する第2信号出力手段とを備えるようにするとよい。
【0030】
このように構成された位置案内システムでは、当該装置の発光手段が発光している間に取出検出手段が納入部品の取り出しを検出した旨を示す信号と、当該装置の発光手段が非発光状態である間に取出検出手段が納入部品の取り出しを検出した旨を示す信号の出力を、1本の通信線を介して行うことができる。尚、1本の通信線で信号を出力するものとしてシリアル通信がよく知られているが、本発明では、2つの異なる電圧値の電気信号を出力するため、シリアル通信よりも簡易な構成を採用できる。
【0031】
ところで、上述の取出検出手段として、反射型センサ,透過型センサ及び近接センサ等を採用してもよいが、本発明の位置案内システムでは、取出検出手段は、当該装置に取り付けられた被操作部に対する操作を検出することによって、納入部品の取り出しを検出したとするようにするとよい。
【0032】
即ち、納入作業者が部品保管場所から納入部品を取り出す前または後に、部品保管場所に設置された装置に取り付けられた被操作部を操作させるようにする。これによって、正しい部品保管場所から納入部品が取り出されたか否かの確認が可能となる。つまり、被操作部に対する操作を検出するという簡易な構成で取出検出手段を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に本発明の実施形態について図面をもとに説明する。
図1は本発明が適用された位置案内システム1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、位置案内システム1は、自動車組立工場内のホストコンピュータ(不図示)と専用回線によってデータ通信可能に接続された順序納入端末2と、順序納入端末2が受信した、組立工場からの発注内容を示すデータ(以降、発注データと称す)を取得して、取得したデータに基づいて、納入部品の種類と順序を指示するデータ(以降、納入部品指示データと称す)を作成するデータ受信端末3と、データ受信端末3が作成した納入部品指示データを受信して、この納入部品指示データに基づいて納入作業の確認を行う複数のチェック端末4と、チェック端末4毎に設けられ、チェック端末4からの指令に基づいて、納入部品を種類毎に分けて保管するための部品保管箱8(図2(a)参照)の位置を納入作業者に案内する位置案内装置6とから構成される。
【0034】
これらのうち位置案内装置6は、部品保管箱8毎に設けられ、予め設定された色(本実施形態では黄色)で発光するロケーション案内灯12と、位置案内装置6が備える全てのロケーション案内灯12の動作を制御する案内制御装置11とから構成される。
【0035】
図2(a)はチェック端末4,部品保管箱8及びロケーション案内灯12の配置を示す平面図、図2(b)は部品保管箱8の斜視図、図2(c)は図2(b)のA−A断面部を示す図である。
【0036】
図2(b)に示すように部品保管箱8は、上面が矩形状に開口された箱体であり、この中には、図2(c)に示すように、車両用フロアカーペット15が、縦方向に積み重ねられて保管されている。
【0037】
尚、車両用フロアカーペット15には、図7(b)に示すように、車両用フロアカーペット15の品番と品番を示すバーコードが記載されたラベル16が貼付されている。
そして図2(a)に示すように、複数(図では11個)の部品保管箱8は、コの字形状に配置されている。尚、各部品保管箱8は、長手方向側面が、上記コの字形状の内側を向くように配置されている。
【0038】
またロケーション案内灯12は、図2(a),(b)に示すように、部品保管箱8における、上記コの字形状の内側を向いている長手方向側面上に設置されている。これにより、上記コの字形状の内側にいる納入作業者は、部品保管箱8に設置された全てのロケーション案内灯12を見渡すことができる。
【0039】
更にチェック端末4は、図2(a)に示すように、上記コの字形状の開口部に配置される。また、車両用フロアカーペット15を積載して搬送するための台車9をチェック端末4の近傍に一時停車させておくための場所が確保されている。
【0040】
図3は、チェック端末4及び案内制御装置11の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、チェック端末4は、予め設定された各種情報を入力するための操作キー27aおよび表示パネル27bからなるユーザインターフェース(以降、ユーザI/Fと称す)27と、バーコードを読取るためのバーコードリーダ28と、音声を出力するスピーカ29と、チェック端末4全体の動作を制御するチェック端末制御部20とから構成される。
【0041】
これらのうちチェック端末制御部20は、所定の処理プログラムに基づいて処理を実行するCPU21と、種々の処理プログラムが格納されたROM22と、種々のデータを格納するRAM23と、データ受信端末3及び案内制御装置11との間でデータ通信を行う通信部24と、ユーザI/F27,バーコードリーダ28及びスピーカ29が接続され、CPU21及びRAM23との間で信号及びデータの入出力を行う入出力部25とから構成され、CPU21,ROM22,RAM23,通信部24及び入出力部25はバス26を介して接続されている。
【0042】
なおRAM23には、ロケーション案内灯12で設定されている案内灯識別番号とその案内灯識別番号に対応する納入部品の種類とを記憶する案内灯識別番号対応リスト23aの記憶領域が確保されている。
【0043】
このように構成されたチェック端末4において、CPU21は、納入部品の種類と順序が正しいか否かをチェックするためのチェック処理を実行する。
また、案内制御装置11は、所定の処理プログラムに基づいて処理を実行するCPU31と、種々の処理プログラムが格納されたROM32と、種々のデータを格納するRAM33と、チェック端末制御部20との間でデータ通信を行う通信部34と、ロケーション案内灯12が接続され、CPU31及びRAM33との間で信号及びデータの入出力を行う入出力部35とから構成され、CPU31,ROM32,RAM33,通信部34及び入出力部35はバス36を介して接続されている。
【0044】
このように構成された案内制御装置11において、CPU31は、チェック端末4からの指令やロケーション案内灯12からの信号に基づいて、信号の出力や情報の送信を行う出力・送信処理を実行する。
【0045】
図4は、ロケーション案内灯12の構成を示すブロック図である。図4に示すようにロケーション案内灯12は、入力する案内灯番号指示信号(後述)から案内灯識別番号をデコードするアドレスデコーダ41と、案内灯識別番号を設定する際に操作されるアドレススイッチ43と、アドレスデコーダ41でデコードされた案内灯識別番号と、アドレススイッチ43で設定された案内灯識別番号とを比較して、一致している場合には電圧値5V、一致していない場合には電圧値0Vの出力信号を出力するコンパレータ42と、コンパレータ42が電圧値5Vの出力信号を出力すると発光するランプ44と、コンパレータ42の出力信号(以降、コンパレータ出力信号という)と、不図示の回路から出力される電圧値2.5Vの出力信号(以降、2.5V出力信号という)とを入力し、コンパレータ出力信号に基づいて、コンパレータ出力信号及び2.5V出力信号の何れかを出力する切替スイッチ46と、切替スイッチ46からの出力信号(以降、切替スイッチ出力信号という)を入力し、押下されると、切替スイッチ出力信号を出力する押しボタン45と、LANケーブルを介してロケーション案内灯12の外部から案内灯番号指示信号を入力するための入力コネクタ47と、LANケーブルを介して案内灯番号指示信号をロケーション案内灯12の外部へ出力するための2つの出力コネクタ48,49とから構成されている。
【0046】
これらのうち切替スイッチ46は、コンパレータ出力信号の電圧値が5Vの時にコンパレータ出力信号を、0Vの時に2.5V出力信号を出力するように構成されている。
また入力コネクタ47は、入力端子47a,47bと出力端子47c,47dを有し、入力端子47aと出力端子47cとの間、及び入力端子47bと出力端子47dとの間は電気的に接続されている。
【0047】
同様に出力コネクタ48(49)は、入力端子48a(49a),48b(49b)と出力端子48c(49c),48d(49d)を有し、入力端子48a(49a)と出力端子48c(49c)との間、及び入力端子48b(49b)と出力端子48d(49d)との間は電気的に接続されている。
【0048】
また出力端子47cは、アドレスデコーダ41の入力部,入力端子48a及び入力端子49aと電気的に接続されている。
また出力端子47dは、押しボタン45の出力部,入力端子48b及び入力端子49bと電気的に接続されている。
【0049】
ここで、チェック端末4のCPU21が実行するチェック処理の手順を、図5を用いて説明する。図5はチェック処理を表すフローチャートである。尚、このチェック処理は、
データ受信端末3から納入部品指示データを受信すると開始される処理である。
【0050】
このチェック処理が実行されると、CPU21は、まずS10にて、受信した納入部品指示データに基づいて、納入部品(本実施形態ではフロアカーペット15)の取出し順序を決定する。そしてS20にて、S10にて決定された納入部品の取出し順序と、既に取り出した納入部品とに基づいて、取り出すべき納入部品の品番を決定し、案内灯識別番号対応リスト23aに記憶されたデータを参照して、決定した納入部品の品番に対応するロケーション案内灯12を決定する。また表示パネル27bに、図7(a)に示すように、取り出すべき納入部品の品番を指示するための表示をさせる。
【0051】
尚、表示パネル27bの表示画面の左側の欄には、取り出すべき納入部品の品番が、自動車組立工場からの発注順に表示されている。即ち、左側の欄の「001」,「002」,・・・,「005」の数字は発注順を示し、この数字の右側に表示されている「123」,「456」,「789」の数字は、納入部品の種類(品番)を示している。
【0052】
また、表示画面の中央に表示されている数字は、現在取り出すべき納入部品の発注順と品番を指示するためのものである。図中には、納入部品の発注順としての「004」と、品番としての「456」が表示されている。
【0053】
また、表示画面の右側の欄には、取り出すべき納入部品の品番が、取出し順に表示されている。即ち、右側の欄には、上から「005」,「004」,・・・,「001」と発注順を示す数字が表示されて、この数字の右側に、発注順に対応した納入部品の品番が表示される。つまり、発注順が遅い納入部品(フロアカーペット15)が下に配置されるように、台車9上に納入部品(フロアカーペット15)が積み重ねられる。これにより、自動車組立工場において、組み立て作業者が、積み重ねられた納入部品(フロアカーペット15)を上から取れば、発注した順(つまり、組立ラインに投入された自動車の順)に納入部品(フロアカーペット15)を取り出したことになる。
【0054】
尚、表示画面の右側の欄では、既に取り出しが完了した納入部品に対応する部分(図中では、「005」と「789」)は、反転表示される。
そしてS20の処理が終了すると、S30にて、S20で決定したロケーション案内灯12に対応する案内灯識別番号を示す案内灯番号指示指令を通信部24を介して案内制御装置11へ送信する。
【0055】
その後S40にて、取出場所正常情報(後述)または取出場所異常情報(後述)を通信部24を介して案内制御装置11から受信するまで待機する。そして取出場所正常情報または取出場所異常情報を受信すると、S50にて取出場所正常情報を受信したか否かを判断する。
【0056】
ここで取出場所正常情報を受信した場合には(S50:YES)、S70に移行する。一方、取出場所正常情報を受信していない場合には(S50:NO)、取出場所異常情報を受信したとして、S60にて、取り出し場所が間違っている旨を報知する音声をスピーカ29から出力させ、その音声出力が終了すると、S30に移行して、上述の処理を繰り返す。
【0057】
そしてS70に移行すると、取り出したフロアカーペット15に貼付されたラベル16上に記載されているバーコードをバーコードリーダ28が読み取るまで待機し、バーコードを読み取ると、読み取ったバーコードによって示される品番と、S20で決定した品番とが一致しているか否かを判断する。
【0058】
ここで、納入部品の品番が一致している場合には(S70:YES)、S90に移行する。一方、納入部品の品番が一致していない場合には(S70:NO)、S80にて、納入部品の品番が間違っている旨を報知する音声をスピーカ29から出力させ、その音声出力が終了すると、S30に移行して、上述の処理を繰り返す。
【0059】
そしてS90に移行すると、受信した納入部品指示データに示される納入部品の全ての指示が終了したか否かを判断する。ここで、全ての指示が終了していない場合には(S90:NO)、S20に移行して、上述の処理を繰り返す。一方、全ての指示が終了した場合には(S90:YES)、チェック処理を終了する。
【0060】
ここで、案内制御装置11のCPU31が実行する出力・送信処理の手順を、図6を用いて説明する。図6は出力・送信処理を表すフローチャートである。尚、この出力・送信処理は、CPU31が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
【0061】
この出力・送信処理が実行されると、CPU31は、まずS210にて、案内灯番号指示指令を通信部34を介してチェック端末4から受信したか否かを判断する。ここで、案内灯番号指示指令を受信していない場合には(S210:NO)、S230に移行する。一方、案内灯番号指示指令を受信した場合には(S210:YES)、S220にて、ロケーション案内灯12に案内灯識別番号を指示するための案内灯番号指示信号を入出力部35を介してロケーション案内灯12へ出力する。
【0062】
尚、この案内灯番号指示信号は、1サイクルが8ビットのシリアル信号である。即ち、1〜256の案内灯識別番号を指示可能である。
そしてS230に移行すると、電圧値5Vの信号(即ち、コンパレータ出力信号)を入出力部35を介してロケーション案内灯12から入力したか否かを判断する。ここで、5Vの信号を入力していない場合には(S230:NO)、S250に移行する。一方、5Vの信号を入力した場合には(S230:YES)、S240にて、取り出し場所が正しい旨を示す取出場所正常情報を通信部34を介してチェック端末4へ送信し、S250に移行する。
【0063】
そしてS250に移行すると、電圧値2.5Vの信号(即ち、2.5V出力信号)を入出力部35を介してロケーション案内灯12から入力したか否かを判断する。ここで、2.5Vの信号を入力していない場合には(S250:NO)、出力・送信処理を終了する。一方、2.5Vの信号を入力した場合には(S250:YES)、S260にて、取り出し場所が間違っている旨を示す取出場所異常情報を通信部34を介してチェック端末4へ送信し、出力・送信処理を終了する。
【0064】
このように構成された位置案内システム1では、まずチェック端末4の通信部24がデータ受信端末3から納入部品指示データを取得する。そして、受信した納入部品指示データに基づいて、納入部品の取出し順序を決定する(S10)。その後に、この取出し順序に基づいて、最初に発光させるロケーション案内灯12を決定し(S20)、その後、バーコードリーダ28により読み取られたバーコードによって示される品番と、S20で決定したロケーション案内灯12に対応した品番とが一致しているか否かを判断し(S70)、一致すると判断する毎に(S70:YES)、S10で決定した取出し順序に従った順序で、次に発光させるロケーション案内灯12を決定する(S20)。また、S30では、S20で決定したロケーション案内灯12に対応する案内灯識別番号を示す案内灯番号指示指令を通信部24を介して案内制御装置11へ送信する。
【0065】
即ち位置案内システム1では、チェック端末4の通信部24が納入部品指示データを取得すると、まず、取出し順序の1番目となる納入部品(車両用フロアカーペット15)の部品保管箱8に設置されたロケーション案内灯12が発光する。
【0066】
その後に、納入作業者が、発光しているロケーション案内灯12に対応した部品保管箱8から納入部品を取り出し、この納入部品に貼付されているラベル16に記載されているバーコードをバーコードリーダ28により読み取らせる。
【0067】
そして、バーコードリーダ28により読み取られたバーコードによって示される納入部品の品番と、現時点で発光しているロケーション案内灯12に対応した納入部品の品番とが一致している場合には、次の取出し順序に対応したロケーション案内灯12が発光する。
【0068】
このため納入作業者は、次に取り出すべき納入部品が保管されている部品保管箱8の位置を知ることができる。そして納入作業者は、次の納入部品を取り出す作業に移る。以降、納入作業者は、ロケーション案内灯12が発光している部品保管箱8から納入部品を取り出し、この納入部品に貼付されたラベル16に記載されているバーコードをバーコードリーダ28により読み取らせるという作業を繰り返せばよい。
【0069】
従って、位置案内システム1によれば、現時点で取り出すべき納入部品が保管されている部品保管箱8の位置を、その部品保管箱8に設置されたロケーション案内灯12の発光によって認識することができる。
【0070】
即ち納入作業者は、ロケーション案内灯12の発光によって容易に部品保管箱8を特定できる。このため、部品保管箱8を間違えてしまうというミスの発生を抑制できる。また、部品保管箱8を特定するまでに掛かる時間を短縮できる。
【0071】
更に、部品保管箱8の位置を予め記憶しておく必要がなくなるため、熟練者と未熟練者との間での、部品保管箱8を探し出す時間の差が小さくなる。即ち、納入作業者の熟練度による納入作業時間の変動が抑制できるため、納入作業の管理者は、納入作業者の熟練度にかかわらず納入作業時間を一律に見積もり易くなる。
【0072】
また、納入部品に貼付されたラベル16に記載されているバーコードをバーコードリーダ28により読み取らせて、バーコードによって示される品番と、S20で決定した品番とが一致しているか否かを判断し、一致すると判断する毎に、次のロケーション案内灯12を発光させるため、納入作業者が、間違った納入部品を台車9に積み込んでしまうことを防止できる。
【0073】
またロケーション案内灯12では、入力コネクタ47から入力した案内灯番号指示信号を出力コネクタ48,49のそれぞれへ出力する。またコンパレータ42は、入力コネクタ47から入力した案内灯番号指示信号により示される案内灯識別番号(以降、信号識別番号と称す)と、アドレススイッチ43で設定された案内灯識別番号(以降、設定識別番号と称す)とが一致しているか否かを判断し、信号識別番号と設定識別番号とが一致している場合に、電圧値5Vの出力信号を出力する。これにより、ランプ44が発光する。
【0074】
また案内制御装置11は、チェック端末4からの案内灯番号指示指令で指示された案内灯識別番号を示す案内灯番号指示信号を入力コネクタ47へ出力する。更に、複数のロケーション案内灯12のそれぞれは、入力コネクタ47及び出力コネクタ48,49の少なくとも一方を介して、他のロケーション案内灯12と接続される。
【0075】
つまり、案内制御装置11から出力された案内灯番号指示信号は、位置案内システム1内のロケーション案内灯12全てに入力される。このため、案内制御装置11が入力コネクタ47へ案内灯番号指示信号を出力することによって、位置案内システム1内のロケーション案内灯12の中から信号識別番号と設定識別番号とが一致しているロケーション案内灯12のみを発光させることができる。
【0076】
また表示灯装置はそれぞれ、出力コネクタ48,49を備えている。即ち、出力コネクタ48が他のロケーション案内灯12の入力コネクタ47と接続されていても、出力コネクタ49を介して、既に接続されているロケーション案内灯12とは別のロケーション案内灯12の入力コネクタ47と接続することができる。つまり、直列型だけでなくスター型でも接続が可能であり、位置案内システム1内のロケーション案内灯12を自由に設置することができる。
【0077】
例えば図8(a)に示すように、8個のロケーション案内灯12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hが「12a→12b→12c→12d→12e→12f→12g→12h」の順に直列に接続されている状態から、図8(b)に示すように「12a→12g→12c→12d→12e→12f→12b→12h」の順に直列に接続されている状態(つまり、ロケーション案内灯12bとロケーション案内灯12gとを入れ替えた状態)に配置変更する場合には、以下のような作業を行えばよい(尚、図中の各ロケーション案内灯12に付されている数字(1,2,3・・・,8)は、案内灯識別番号である)。
【0078】
即ち、まず、ロケーション案内灯12bとロケーション案内灯12gとの配置を入れ替える。その後、ロケーション案内灯12gの入力コネクタ47とロケーション案内灯12aの出力コネクタ48との間をLANケーブルで接続するとともに、ロケーション案内灯12gの出力コネクタ48とロケーション案内灯12cの入力コネクタ47との間をLANケーブルで接続する。更に、ロケーション案内灯12bの入力コネクタ47とロケーション案内灯12fの出力コネクタ48との間をLANケーブルで接続するとともに、ロケーション案内灯12bの出力コネクタ48とロケーション案内灯12hの入力コネクタ47との間をLANケーブルで接続する。以上の作業で、配置変更が完了する。
【0079】
また、例えば図9(a)に示すように、8個のロケーション案内灯12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12hが「12a→12b→12c→12d→12e→12f→12g→12h」の順に直列に接続されている状態(図8(a)と同様)から、例えば図9(b)に示すように、ロケーション案内灯12fをロケーション案内灯12cに隣接しているとともに、ロケーション案内灯12gをロケーション案内灯12dに隣接している状態に配置変更する場合には、以下のような作業を行えばよい。
【0080】
即ち、まず、ロケーション案内灯12fをロケーション案内灯12cに隣接した位置に移動させるとともに、ロケーション案内灯12gをロケーション案内灯12dに隣接した位置に移動させる。その後、ロケーション案内灯12fの入力コネクタ47とロケーション案内灯12bの出力コネクタ49との間をLANケーブルで接続するとともに、ロケーション案内灯12gの入力コネクタ47とロケーション案内灯12fの出力コネクタ48との間をLANケーブルで接続する。更に、ロケーション案内灯12hの入力コネクタ47とロケーション案内灯12eの出力コネクタ48との間をLANケーブルで接続する。以上の作業で、配置変更が完了する。
【0081】
即ち、或るロケーション案内灯12を移動させると、このロケーション案内灯12(以降、移動ロケーション案内灯と称す)の入力コネクタ47と、他のロケーション案内灯12の出力コネクタ48,49との間をLANケーブルで接続すればよい。
【0082】
また図12に示すように、位置案内システム100の全体の動作を制御する制御端末110と、部品の保管場所としての部品保管箱130毎に取り付けられたロケーション案内灯120とがそれぞれ独立に配線されている場合には、部品保管箱130の配置を変更する際に、この部品保管箱130に対応したロケーション案内灯120も移動させる必要がある。しかし、ロケーション案内灯120に接続されている配線の配置も変える必要があり、部品保管箱130の配置変更作業は非常に面倒である。尚、このような配線作業を配線業者に依頼するようにしてもよいが、部品保管箱130の配置変更が頻繁に行われる場合には、依頼するための出費が多くなる。また配線業者の都合によっては、迅速に対応してもらえない場合がある。
【0083】
これに対し、位置案内システム1では、「移動ロケーション案内灯の入力コネクタ47と、他のロケーション案内灯12の出力コネクタ48,49との間を接続する」という取り決めのみを覚えていれば、特に熟練を要することなく、ロケーション案内灯12の配置変更を行うことができるので、自工場内の人員で容易に配置変更作業を行うことが可能である。
【0084】
一方、位置案内システム100において、ロケーション案内灯120の位置を変更することなく、部品保管箱130の配置を変更する方法も考えられる。即ち、制御端末110内に格納されている制御プログラムを変更して、部品保管箱130とロケーション案内灯120との対応関係を設定し直す方法である。しかし、制御プログラムの変更作業に精通した人員を自工場に確保しておくか、当該システムを構築したシステム業者に依頼する必要があり、部品保管箱130の配置変更作業に対応するための出費が多くなる。またシステム業者の都合によっては、迅速に対応してもらえない場合がある。これに対し、位置案内システム1では、容易にロケーション案内灯12の配置変更作業を行えるので、配置変更作業の際に制御プログラムを変更するという方法を採用する必要がない。つまり、制御プログラムの変更作業に精通した人員を自工場に確保したり、当該システムを構築したシステム業者に依頼したりする必要がなくなる。
【0085】
また位置案内システム1では、非発光状態のロケーション案内灯12における押しボタン45が押下されると、取り出し場所が間違っている旨をスピーカ29が報知する。このため、納入作業者が部品保管箱8から納入部品を取り出す前または後に、部品保管箱8に設置されたロケーション案内灯12に取り付けられた押しボタン45を押下させるようにすることによって、間違った部品保管箱8から納入部品を取り出した際にその旨を知ることができる。換言すると、納入作業者は、正しい部品保管箱8から納入部品が取り出されたか否かの確認が可能となる。また、押しボタン45に対する操作を検出するという簡易な構成で、部品保管箱8からの納入部品の取り出しを検出するための手段を構成することができる。
【0086】
またロケーション案内灯12は、ランプ44が発光している間に押しボタン45が押下されると、電圧値5Vの出力信号を出力し、ランプ44が非発光状態である間に、間に押しボタン45が押下されると、電圧値0Vの出力信号を出力する。
【0087】
このため、正しい部品保管箱8から納入部品が取り出された旨を示す信号と、間違った部品保管箱8から納入部品が取り出された旨を示す信号の出力を、1本の通信線を介して行うことができる。尚、1本の通信線で信号を出力するものとしてシリアル通信がよく知られているが、ロケーション案内灯12では、2つの異なる電圧値の電気信号を出力するため、シリアル通信よりも簡易な構成を採用できる。
【0088】
以上説明した実施形態において、ロケーション案内灯12は本発明における表示灯装置、通信部24は本発明における納入指示情報取得手段、ラベル16は本発明における種類識別情報記憶手段、バーコードリーダ28は本発明における読取手段、S10の処理は本発明における順序決定手段、S20,S30,S70及びS90の処理は本発明における装置指示手段、案内制御装置11は本発明における第1発光制御手段、部品保管箱8は本発明における部品保管場所、納入部品指示データは本発明における納入指示情報、バーコードは本発明における種類識別情報である。
【0089】
また、ランプ44は本発明における発光手段、入力コネクタ47及び出力コネクタ48,49は本発明における第1信号入出力手段、アドレススイッチ43は本発明における識別番号設定手段、コンパレータ42は本発明における識別番号判断手段及び第2発光制御手段、入力コネクタ47は本発明における第1信号出力部、出力コネクタ48,49は本発明における第1信号出力部、案内灯識別番号は本発明における装置識別番号である。
【0090】
また、押しボタン45は本発明における取出検出手段、S50,S60及びS230〜S260の処理は本発明における報知手段、切替スイッチ46及び押しボタン45は本発明における第2信号出力手段、第1所定電圧値は本発明におけるコンパレータ出力信号の電圧値、第2所定電圧値は本発明における2.5V出力信号の電圧値である。
【0091】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態においては、納入部品を部品保管箱8から取り出すときに、取り出すべき納入部品が保管された部品保管箱8を納入作業者に案内するものを示した。しかし、部品保管箱8に納入部品を保管するときに、保管すべき納入部品に対応した部品保管箱8を保管作業者に案内するために利用してもよい。
【0092】
例えば、保管すべき納入部品に貼付されたラベルに記載されたバーコード(或いは、保管すべき納入部品が積載された通い箱に貼付されたラベルに記載されたバーコード)をバーコードリーダで読み取ると、読み取ったバーコードから納入部品の種類を識別し、この納入部品の種類に対応した部品保管箱8に取り付けられたロケーション案内灯12を発光させるようにするとよい。
【0093】
このようにすることによって、保管作業者は、納入部品を保管すべき部品保管箱8を容易に特定できるため、保管作業の効率を向上できる。また、部品保管箱8内に、間違った種類の納入部品が混入してしまうという事態が発生することを抑制できる。
【0094】
また上記実施形態においては、チェック端末4の近傍にいる納入作業者が、全ての部品保管箱8のロケーション案内灯12を見渡すことができるように部品保管箱8が配置されているものを示した。
【0095】
しかし、例えば図10に示すように、チェック端末4の近傍から見ると、前方に配置された部品保管箱8(部品保管箱群8aを参照)に隠れて、その後方に配置された部品保管箱8(部品保管箱群8b,8cを参照)に取り付けられたロケーション案内灯12を、納入作業者が視認することができないように部品保管箱8が配置されている場合もある。
【0096】
このような場合には、部品保管箱群8bと部品保管箱群8cの付近まで移動しないと、部品保管箱群8b及び部品保管箱群8cの何れかに属する部品保管箱8のロケーション案内灯12が発光しているかを判断することができない。
【0097】
そこで、部品保管箱群8b及び部品保管箱群8cのそれぞれの近傍に、それぞれの部品保管箱群8b,8cに属するロケーション案内灯12が発光すると、その旨を示すために発光する代表案内灯17を設置するようにするとよい。尚、部品保管箱群8aに隠れて代表案内灯17の発光を視認できなくならないように、代表案内灯17は、部品保管箱8より高い位置に設置することが望ましい。
【0098】
このようにすれば、チェック端末4の近傍にいる納入作業者は、代表案内灯17の発光によって、発光しているロケーション案内灯12のおおよその位置を把握することができる。
【0099】
また上記実施形態においては、押しボタン45の押下によって、取り出し場所が正しいか否かを判断するものを示した。しかし、部品保管箱8にセンサを取り付けて、このセンサの検出結果に基づいて判断するようにしてもよい。
【0100】
例えば図11(a),(b)に示すように、部品保管箱8の内側に、周知の反射型センサ19を取り付けるようにするとよい。即ち、納入作業者が部品保管箱8から納入部品を取り出す際に、反射型センサ19の発光素子から照射された光が納入部品に当たって反射した光を、反射型センサ19の受光素子が検出すると、納入部品が部品保管箱8から取り出されたと判断する。
【0101】
また、反射型センサ19の代わりに、周知の透過型センサや近接センサを取り付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】位置案内システム1の全体構成を示すブロック図。
【図2】チェック端末4,部品保管箱8及びロケーション案内灯12の配置を示す平面図、部品保管箱8の斜視図、及び部品保管箱8の断面図。
【図3】チェック端末4及び案内制御装置11の電気的構成を示すブロック図。
【図4】ロケーション案内灯12の構成を示すブロック図。
【図5】チェック処理手順を示すフローチャート。
【図6】出力・送信処理手順を示すフローチャート。
【図7】表示パネル27bの表示画面と、車両用フロアカーペット15に貼付されたバーコードを説明するための図。
【図8】ロケーション案内灯12の配置変更を説明するための図。
【図9】別のロケーション案内灯12の配置変更を説明するための図。
【図10】代表案内灯17を説明するための、チェック端末4,部品保管箱8及びロケーション案内灯12の配置を示す平面図。
【図11】反射型センサ19の取り付け位置を説明するための、部品保管箱8の斜視図及び断面図。
【図12】制御端末110と表示灯120との間の配線方法を説明するための図。
【図13】従来の順序納入システムの全体構成を示すブロック図。
【図14】納入リストLの記載内容を説明するための図。
【図15】納入作業の手順を説明するための図。
【符号の説明】
【0103】
1…位置案内システム、2…順序納入端末、3…データ受信端末、4…チェック端末、6…位置案内装置、8…部品保管箱、9…台車、11…案内制御装置、12…ロケーション案内灯、15…車両用フロアカーペット、16…ラベル、17…代表案内灯、19…反射型センサ、20…チェック端末制御部、21…CPU、22…ROM、23…RAM、23a…案内灯識別番号対応リスト、24…通信部、25…入出力部、26…バス、27…ユーザI/F、27a…操作キー、27b…表示パネル、28…バーコードリーダ、29…スピーカ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…通信部、35…入出力部、36…バス、41…アドレスデコーダ、42…コンパレータ、43…アドレススイッチ、44…ランプ、45…押しボタン、46…切替スイッチ、47…入力コネクタ、48,49…出力コネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の納入部品について、同一種類の納入部品毎に当該納入部品の部品保管場所が設定された部品工場で用いられる位置案内システムであって、
前記部品保管場所毎に設置され、当該部品保管場所の位置を特定可能に発光する表示灯装置と、
納入すべき複数の納入部品の種類と、その納入部品を納入する納入順序とを特定するための納入指示情報を取得する納入指示情報取得手段と、
前記納入部品毎に取り付けられ、当該納入部品の種類を示す種類識別情報が記憶された種類識別情報記憶手段と、
前記種類識別情報記憶手段から種類識別情報を読み取る読取手段と、
前記納入指示情報取得手段が取得した納入指示情報に基づいて、納入部品を前記部品保管場所から取り出す順序である取出順序を決定する順序決定手段と、
前記順序決定手段によって取出順序が決定されると、まず、この取出順序に基づいて、最初に発光させる前記表示灯装置を指示し、その後、前記読取手段により読み取られた種類識別情報によって示される納入部品の種類と、現時点で発光指示をしている前記表示灯装置に対応した納入部品の種類とが一致するか否かを判断し、納入部品の種類が一致すると判断する毎に、前記順序決定手段によって決定された取出順序に従った順序で、次に発光させる前記表示灯装置を指示する装置指示手段と、
前記装置指示手段で指示された前記表示灯装置を発光させる第1発光制御手段と、
を備えたことを特徴とする位置案内システム。
【請求項2】
前記表示灯装置は、
視覚により識別可能な光を発する発光手段と、
当該装置を識別するための装置識別番号を示す装置識別信号を外部から入力する第1信号入力部と、前記装置識別信号を外部へ出力する複数の第1信号出力部とを備え、前記第1信号入力部から入力した前記装置識別信号を前記複数の第1信号出力部のそれぞれへ出力する第1信号入出力手段と、
前記装置識別番号を設定する識別番号設定手段と、
前記第1信号入力部から入力した装置識別信号により示される装置識別番号を信号識別番号、前記識別番号設定手段により設定された装置識別番号を設定識別番号として、前記信号識別番号と前記設定識別番号とが一致しているか否かを判断する識別番号判断手段と、
前記信号識別番号と前記設定識別番号とが一致していると前記識別番号判断手段が判断した場合に、前記発光手段を発光させる第2発光制御手段と、
から構成され、
前記複数の表示灯装置のそれぞれは、前記第1信号入力部及び前記第1信号出力部の少なくとも一方を介して、他の前記表示灯装置と接続され、
前記第1発光制御手段は、
前記装置指示手段で指示された前記表示灯装置の前記装置識別番号を示す装置識別信号を前記第1信号入力部へ出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の位置案内システム。
【請求項3】
前記表示灯装置のそれぞれは、当該表示灯装置が設置されている部品保管場所からの納入部品の取り出しを検出する取出検出手段を備え、
前記発光手段が非発光状態である前記表示灯装置の前記取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、予め設定された所定報知態様で報知する報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の位置案内システム。
【請求項4】
前記表示灯装置は、
当該表示灯装置が設置されている部品保管場所からの納入部品の取り出しを検出する取出検出手段と、
当該装置の前記発光手段が発光している間に、前記取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、予め設定された第1所定電圧値の電気信号を出力し、当該装置の前記発光手段が非発光状態である間に、前記取出検出手段が納入部品の取り出しを検出すると、前記第1所定電圧値と異なるように予め設定された第2所定電圧値の電気信号を出力する第2信号出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の位置案内システム。
【請求項5】
前記取出検出手段は、
当該装置に取り付けられた被操作部に対する操作を検出することによって、納入部品の取り出しを検出したとする、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の位置案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−76885(P2007−76885A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270243(P2005−270243)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(305041555)株式会社加藤製作所 (1)
【Fターム(参考)】