説明

位置測定装置

【課題】 簡単かつ正確に被測定面の位置を測定できる位置測定装置を提供する。
【解決手段】 測定基準面12aに取り付け可能な架台1に取り付けられた旋回台2の旋回角度測定手段2aと、首振りアーム3と、首振り角度測定手段3aと、首振りアーム3から導出される可撓性の線状部材3bと、導出長さ測定手段3cと、旋回角度、首振り角度および導出長さの各測定手段の出力値を入力とする制御部と、被測定面5上の三点にそれぞれ導出された線状部材3bの距離データと角度データとに基づいて、被測定面5の位置を算出する位置算出手段5aとを有する位置測定装置10において、首振りアーム3の基部3dと、この基部3dを左右から支持する左右の軸支板6a、6bと、基部3dと左右の軸支板6a、6bとを各々接触させることによって電気的に導通した位置を旋回角度測定手段2aによって計測して、首振りアーム3のセンター値を割り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定装置に関し、詳しくは、測定基準面から被測定面に延びる線状部材の角度と距離とを測定することにより、簡単かつ正確に被測定面の位置を測定できる位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、製鉄所や船舶内に引き回されている配管は、フランジ同士をボルトで連結して継ぎ足されて行く。
ところで、配管の途中には、所定角度に屈曲された部分もあり、この部分の接続は、通常、両側の直線部分の配管がなされた後に行われている。
【0003】
具体的には、角度計測器や巻尺を用いて、作業者が一方の配管のフランジから他方の配管のフランジまでの角度と距離とを粗測定し、これらの測定データに基づいて、工場において任意角度に湾曲した配管を仮止め状態で特別に製造し、それを現場に運び込んで修正した後、再び工場において本溶接を行ってから、再度現場に持ち込んで本来の据え付け作業を行っていた。
しかも、本溶接時に、若干の溶接誤差が生じる場合があり、これにより現場と工場との往復をさらに何回か強いられる場合もあった。
【0004】
図8、図9は、従来例に係る任意角度に湾曲した配管の製造工程の説明図である。図8に示すように、フランジA、及びフランジBをボルトで固定し、その間を鋼材で溶接して固定し、現場型取り管(金型管)を作製する。次に、図9の(a)に示すように、金型管を取り外し、陸揚げして管工場へ持ち込む。図9の(b)に示すように、金型管にフランジを取り付け、補強材で溶接して固定し、金型管を取り外し、その間を計測して製作図面を作成する。図9の(c)に示すように、手書き図面を作成し、加工寸法を算出する。図9の(d)に示すように、図面寸法で管を組み立てて、溶接する。図9の(e)に示すように、金型にフランジを取り付け、管を差し込んで溶接し、フランジを溶接した短管が完成する。
【0005】
また、測定基準面に架台を取り付け、首振りアームから線状部材を引っ張って測定点まで一直線に導出させたときの旋回台の旋回角度と、首振りアームの首振り角度と、線状部材の導出長さとを測定し、得られた線状部材の距離データと角度データとに基づいて、測定点の位置を算出し、簡単かつ正確に被測定面の位置を測定できる位置測定装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平7―229703号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような再三にわたる現場−工場間の往復を解消したり、被測定面の位置を測定できる位置測定装置が開示されているが、さらに、熟練の技を必要とすることなく、簡単に短時間に精度を向上させなければならないという課題があった。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みなされたもので、簡単かつ正確に被測定面の位置を測定できる位置測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の位置測定装置は、測定基準面に取り付け可能な架台と、この架台に取り付けられた旋回台と、この旋回台の旋回角度測定手段と、前記旋回台に取り付けられた首振りアームと、この首振りアームの首振り角度測定手段と、前記首振りアームから導出される可撓性の線状部材と、この線状部材の導出長さ測定手段と、前記旋回角度測定手段、前記首振り角度測定手段および前記導出長さ測定手段の出力値を入力とする制御部と、この制御部に、前記被測定面上の三点にそれぞれ導出された前記線状部材の距離データと角度データとに基づいて、前記被測定面の位置を算出する位置算出手段とを有する位置測定装置において、
前記首振りアームの基部と、この基部を左右から支持する左右の軸支板と、
前記基部と前記左右の軸支板とを各々接触させることによって電気的に導通した位置を前記旋回角度測定手段によって計測して、前記首振りアームのセンター値を割り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、首振りアームの基部と、この基部を左右から支持する左右の軸支板と、基部と左右の軸支板とを各々接触させることによって電気的に導通した位置を旋回角度測定手段によって計測して、首振りアームのセンター値を割り出すことによって、熟練の技を必要とすることなく簡単かつ短時間に精度良くセンター値を割り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る位置測定装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る位置測定装置の概略図を示し、図1の(a)は斜視図、(b)(c)は(a)のA矢視方向から見たアームの基部とその基部を左右から支持する左右の軸支板との関係を示し、センター値を割り出す原理を説明する説明図である。
【0012】
図1の(a)に示すように、位置測定装置10は、測定基準面12aに取り付け可能な架台1と、この架台1に取り付けられた旋回台2と、この旋回台2の旋回角度測定手段2aと、旋回台2に取り付けられた首振りアーム3と、この首振りアーム3の首振り角度測定手段3aと、首振りアーム3から導出される可撓性の線状部材3bと、この線状部材3bの導出長さ測定手段3cと、旋回角度測定手段2a、首振り角度測定手段3aおよび導出長さ測定手段3cの出力値を入力とする制御部4と、この制御部4に、被測定面5上の三点にそれぞれ導出された線状部材3bの距離データと角度データとに基づいて、被測定面(フランジ面)5の位置を算出する位置算出手段5aとを備えている。
【0013】
図1の(b)に示すように、首振りアーム3の基部3dと、この基部3dを左右から支持する左右の軸支板6a、6bと、基部3dと左右の軸支板6a、6bとを各々接触させることによって電気的に導通した位置を旋回角度測定手段2aによって計測して、首振りアーム3のセンター値を割り出す。
【0014】
本実施の形態においては、ワイヤ3bの先端がフランジ面5に固定された状態で位置測定装置10の旋回台2を左右に振ることによって、基部3dが左軸支板6a、および右軸支板6bに接触して、電気的に導通が図られるため、接点A、接点Bの位置データが得られる。通常、手で5回ほど振ることによって、多くのデータが蓄積されることにより、より精度を高めることができる。この場合、接点Aが1500パルスの値を示し、接点Bが1510パルスの値を示している。したがって、センター値は1505パルスとなり、正確にセンター値を割り出すことができる。これまでは、図1の(b)に示すように、基部3dと左右の軸支板6a、6bとの間のクリアランスを目測して、センター値としていたが、熟練を要する可能性もあった。
【0015】
図2は、位置測定装置10を説明するための概略図であり、図2の(a)は、ブロックA、及びブロックB間のつなぎや機器をつなぐために製作されるパイプ7aを備えた短管7を示し、図2の(b)は、被測定面5上の三点に対する線状部材3bの距離と角度を測定する様子を示している。測定されたデータは、パソコンなどの測定データ保存手段8に格納される。
【0016】
図3の(a)(b)は、次の工程を説明する図である。図3の(a)に示すように、パソコンなどによって管加工データに変換し、加工データとする。ここで、加工データとして、(1)曲げ数の設定(直管〜2曲げ)、(2)曲げ位置の設定、(3)ベンダー又はエルボの選定、(4)フランジの抜きしろ設定、(5)パッキン代の設定などである。
図3の(b)に示すように、製作仕様書が作成され、それに基づいて図面寸法で管を組み立てて、溶接される。
図4の(a)(b)は、次の工程を説明する図である。図4の(a)に示すように、再現装置9で形状を復元し、管(パイプ)7aにフランジ7bを差し込んで溶接する。
図4の(b)に示すように、フランジ7bが差し込まれて、溶接されたパイプ7aは、短管7として完成する。符号9aは再現装置の本体であり、符号9bはデータ処理装置である。
【0017】
<実施例>
ここで、位置測定装置10の詳細な実施例を説明する。
図5は、位置測定装置10の正面図、図6は同側面図、図7は同使用状態の全体正面図を示している。
先ず、図7に示すように、位置測定装置10は、一方の配管11のフランジ12から、所定距離だけ離れた他方の配管13のフランジ14の中心位置と、空間上の平面位置とを測定するものである。
【0018】
位置測定装置10は、フランジ12の測定基準面の一例であるフランジ面12aに、固定手段15を介して着脱可能に取り付けられる架台16を有している。
架台16の一側部上には、背面側にケーシング17が固着された垂直台18が取り付けられており、垂直台18に摺動可能に旋回台19が取り付けられている。
旋回台19には、先細り状で中空の首振りアーム20が首振り可能に取り付けられており、首振りアーム20の先端から線状部材の一例であるワイヤ21が出し入れできるようになっている。
ワイヤ21は、配管13のフランジ面14aの位置を測定するのに使用され、ワイヤ21の先端は、フランジ14のボルト孔14bに嵌着されたリングピン22に掛止可能な小さなフック23が固着されている。
なお、リングピン22は、フランジ14に抜け止めピン24を介して抜け落ちないようになっている。
【0019】
図5、6に示すように、取り付けケーシング37の底板の中央部には、ワイヤ21の導入口38が形成されている。
旋回台19の摺動距離は、ケーシング17内において垂直台18の元部に取り付けられたバネ式の巻き取りリール39に巻回されたワイヤ40の導出長さを、摺動距離測定手段の一例である第1のロータリーエンコーダ41により測定することにより計られている。
従って、図5の図面上において、リールケース39aの開口部から下方に導出されたワイヤ40は、架台16に設けられた一対の小径な滑車42を介して、上方に引き上げられて取り付けケーシング37の底板に固着されている。
また、取り付けケーシング37の一側面には、旋回台19を所定位置に固定する固定レバー37aが取り付けられている。
【0020】
取り付けケーシング37の大きな開口部には、中心部にベアリング43を介して管シャフト44が回動可能に取り付けられた蓋板37bが固着されており、管シャフト44の外部露出された先端に旋回台19が固着されている。
また、管シャフト44には、旋回台19を旋回させる大ギヤ45が固着されており、また取り付けケーシング37の底板には、旋回角度を測定する旋回角度測定手段の一例である第2のロータリーエンコーダ(旋回角度測定手段)46が取り付けられている。
図6に示すように、大ギヤ45には、取り付けケーシング37の底板から突出するシャフト47の一端部に固着された小ギヤ48が噛合されており、シャフト47の他端部に固着されたノブ49を回転させることにより、小ギヤ48、大ギヤ45、管シャフト44が回転することにより、旋回台19が所定角度まで旋回する。
旋回台19を所定角度位置に固定する場合には、取り付けケーシング37に取り付けられた固定ノブ50を回すことにより、短尺な固定シャフト51が、旋回用のシャフト47の外周面に圧接されて固定される。
【0021】
旋回台19の両端部上には、一対の軸支板52が固着されており、両軸支板52間に、首振りアーム20が固着された回転軸53が架けわたされている。
一方の軸支板52の外面には、首振りアーム20の首振り角度測定手段の一例である第3のロータリーエンコーダ(首振り角度測定手段)54が取り付けられており、回転軸53の回動角度を測定することにより、首振りアーム20の首振り角度が検出できるようになっている。
【0022】
また、他方の軸支板52の外面には、一対の小径な滑車55aを内部に配置した肉厚な板部材55が取り付けられている。
ワイヤ21は、管シャフト44の中空部、旋回台19の中心部に配置されたワイヤ横引き用の小径な滑車56、滑車55a、回転軸53の中心部に形成された図外の中空部を経て、首振りアーム20内に導入される。
首振りアーム20の他端部には、重りであるバランサ57が固着されている。
【0023】
図5に示すように、前記ワイヤ21は、ケーシング17の先端側に収納されたバネ式の巻き取りリール58から導出されている。
巻き取りリール58は、垂直台18の先部に取り付けられたリールケース59内に収納されており、ワイヤ21の導出長さ測定手段の一例である第4のロータリーエンコーダ(導出長さ測定手段)60により、ワイヤ21の導出長さを測定できるようになっている。
図5の図面上において、リールケース59の開口部から引き出されたワイヤ21は、架台16に取り付けられた小径な4個の滑車61を介して、真下から管シャフト44内に導入されることにより、前述の経路を経て、首振りアーム20の先端から外方に導出される。
【0024】
また、図5に示すように、位置測定装置10には制御部62を有している。
制御部62は、第1〜4のロータリーエンコーダ41、46、54、60の出力値を入力とする制御部であり、他方の配管13のフランジ面14a上の任意の三点(具体的には、フランジ14に嵌着された3個のリングピン22)まで導出されたワイヤ21の距離データと角度データとに基づいて、フランジ面14aの中心位置と、空間上の平面位置とを三点測量の原理に基づいて算出する位置算出手段が配備されている。
【0025】
続いて、本発明の位置測定装置10の使用方法を説明する。
図7に示すように、固定手段15を介して、位置測定装置10を一方の配管11のフランジ面12aに固定し、次いで首振りアーム20の先端からワイヤ21を引き出し、先端のフック23を他方の配管13のフランジ14のリングピン22に掛止する。
ワイヤ21の導出長さは、巻き取りリール58からのワイヤ21の導出長さを、第4のロータリーエンコーダ60が検出することにより求められる。
【0026】
この際、ワイヤ21が首振りアーム20の首振り中心から真っ直ぐに延びるように、ノブ49を回して旋回台19を所定方向に所定角度だけ旋回させる。
旋回台19の旋回角度は、第2のロータリーエンコーダ46により測定される。
首振りアーム20はフリーに軸着されているので、ワイヤ21の引き出し方向に自ずと首振りする。
旋回台19の旋回角度が定まったら、固定ノブ50を回して固定する。
首振りアーム20の傾斜角度(ワイヤ21の傾斜角度)は、第3のロータリーエンコーダ54により測定される。
【0027】
旋回台19の摺動距離は、第1のロータリーエンコーダ41が検出した巻き取りリール39からのワイヤ40の導出長さとして求められる。
こうして、得られたワイヤ21の距離データや角度データは、首振りアームの首振り中心位置を原点O、測定点をP(x、y、z)、rを原点Oと点Pとを結ぶ直線(線状部材)、θをZ軸と直線rとの角度、φをX−Y平面上における原点O−測定点Pを結ぶ直線とX軸との角度であるとした場合、測定点Pの位置は、次の極座標の式に代入することにより求められる。
x=rsinθ・cosφ ・・・・・・・・・(1)
y=rsinθ・sinφ ・・・・・・・・・(2)
z=rcosθ ・・・・・・・・・(3)
このように、制御部62の位置算出手段の数式(1)〜(3)に代入されて、フランジ面14aの第1の測定点P1が求められる。
なお、この際、旋回台19の移動距離分がワイヤ21の導出長さに加算される。
同様にして、ワイヤ21のフック23を他の2個のリングピン22に各々掛止し、フランジ面14aの他の二点である第2、3の測定点P2、P3を求める。
これらの第1〜3の測定点P1〜P3を含む面位置が、フランジ面14aの面位置である。
【0028】
次いで、これらのP1〜P3の位置データに基づき、制御部62の位置算出手段では、フランジ面14aの中心位置を求める演算が行われる。
すなわち、各点P1〜P3を結ぶ三本の直線P1−P2、P2−P3、P3−P1の中間点から三本の垂線A〜Cを延ばし、これらの垂線A〜Cの交点を、フランジ面14aの中心位置とする。
【0029】
位置測定装置10にあっては、測定基準面12に架台を取り付け、首振りアームから線状部材を引っ張って測定点まで導出させると共に、旋回台を旋回させると、首振りアームが首を振って、線状部材の導出方向に首振りアームの先端方向が向く。
【0030】
このときの旋回台の旋回角度を旋回角度測定手段により測定し、首振りアームの首振り角度を首振り角度測定手段により測定し、線状部材の導出長さを導出長さ測定手段により測定し、得られた線状部材の距離データと角度データとに基づいて、測定点の位置を算出する。
【0031】
特に、位置測定装置10は、首振りアームから被測定面上の三点にそれぞれ線状部材を導出させ、得られた各三つの線状部材の距離データと角度データとに基づき、位置演算手段により例えば三点測量の原理に当てはめて被測定面の位置を算出する。
【0032】
また、位置測定装置10は、固定手段により、一方の配管のフランジ面に架台を取り付け、首振りアームから他方の配管のフランジ面の三点にそれぞれ線状部材を導出させて、得られた三つの距離データと角度データとに基づいて、位置演算手段により他方のフランジの中心位置および空間上の平面位置を算出する。
【0033】
すなわち、まず前記数式(1)〜(3)により他方の配管のフランジ面における三つの点a〜cの位置を求め、これらの三点を含む平面が他方の配管のフランジ面になる。
また、各点a〜cを結ぶ三本の直線a−b、b−c、c−aの中間点から直角に三本の垂線d〜fを延ばし、これらの垂線d〜fが交差する点が、他方のフランジ面の中心位置になる。
それから、求められたフランジ面14aの面位置データと、中心位置データとに基づき、例えば設計者がモニター画面を見ながら、一方の配管11と他方の配管13とを接続する正確な湾曲部分の設計ができるので、再三にわたる現場−工場間の往復が不要になり、工場において仮止めされた配管を造ることなく、直ちに正確な寸法の本溶接された配管が製造できて、配管施工の工期を短縮できたり、配管の施工コストを低減できる。
【0034】
以上、本発明を図面に基づいて説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲での設計変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、配管のフランジ面の位置を測定するものを示したが、これに限定しなくても、離れた場所にあるその他どのようなものの位置でも測定できる。
【0035】
また、実施例では、旋回台の旋回角度測定手段、首振りアームの首振り角度測定手段、線状部材の導出長さ測定手段としてロータリーエンコーダを示したが、これに限定しなくても、それぞれその他の測定手段であってもよい。
また、実施例では、首振りアームから導出される線状部材として、ワイヤを示したが、これに限定しなくても、例えば紐などの可撓性の線状物であればどのような部材を採用してもよい。
【0036】
さらに、実施例では、被測定面の位置を算出する位置算出手段として、三点測量の原理に沿って他方のフランジの中心位置および空間上の平面位置を算出するものを示したが、これに限定しなくても、例えば空間上における任意の測定点の位置だけを算出するものであってもよい。
さらにまた、実施例では、測定基準面となる一方の配管のフランジ面に着脱可能に取り付けられる固定手段は、実施例のものに限定されなくても、その他どのような構造のものであってもよい。
また、実施例では、旋回台を摺動可能なものとしたが、これに限定しなくても、固定式の旋回台であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置測定装置の概略図を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のA矢視方向から見たアームの基部とその基部を左右から支持する左右の軸支板との関係を示し、センター値を割り出す原理を説明する説明図である
【図2】位置測定装置を説明するための概略図であり、(a)は、ブロックA、ブロックB間のつなぎや機器をつなぐために製作されるパイプを示し、(b)は、被測定面上の三点に対する線状部材の距離と角度を測定する様子を示している。
【図3】(a)(b)は、次の工程を説明する図である。
【図4】(a)(b)は、次の工程を説明する図である。
【図5】本発明の実施例に係る位置測定装置の正面図である。
【図6】同側面図である。
【図7】同使用状態の全体正面図である。
【図8】従来例に係る工程説明図である。
【図9】従来例に係る工程説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 架台
2 旋回台
2a 旋回角度測定手段
3 首振りアーム
3a 首振り角度測定手段
3b 線状部材(ワイヤ)
3c 導出長さ測定手段
3d アーム基部
4 制御部
5 被測定面(フランジ面)
5a 位置算出手段
6 軸支板
6a 左軸支板
6b 右軸支板
7 短管(パイプ)
7a パイプ
7b フランジ
8 測定データ保存手段
9 再現装置
9a 再現装置本体
9b データ処理装置
10 位置測定装置
11 配管
11′ 口径が異なる配管
12 フランジ
12′ フランジ
12a フランジ面(測定基準面)
12b ボルト孔
12b′ ボルト孔
13 他方の配管
14 フランジ
14a フランジ面
14b ボルト孔
15 固定手段
15a ボルトナット構造
16 架台
17 ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定基準面に取り付け可能な架台と、この架台に取り付けられた旋回台と、この旋回台の旋回角度測定手段と、前記旋回台に取り付けられた首振りアームと、この首振りアームの首振り角度測定手段と、前記首振りアームから導出される可撓性の線状部材と、この線状部材の導出長さ測定手段と、前記旋回角度測定手段、前記首振り角度測定手段および前記導出長さ測定手段の出力値を入力とする制御部と、この制御部に、前記被測定面上の三点にそれぞれ導出された前記線状部材の距離データと角度データとに基づいて、前記被測定面の位置を算出する位置算出手段とを有する位置測定装置において、
前記首振りアームの基部と、この基部を左右から支持する左右の軸支板と、
前記基部と前記左右の軸支板とを各々接触させることによって電気的に導通した位置を前記旋回角度測定手段によって計測して、前記首振りアームのセンター値を割り出すことを特徴とする位置測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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