説明

位置特定プロセス終了方法及び装置

【課題】早い段階でUEの位置測定を終了し、不要なユーザ端末位置測定に伴う電力損失を防止する。
【解決手段】本発明は、SMLCにより、ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、前記SMLCにより、位置特定を実行するネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する位置特定プロセス終了方法を提供する。また、本発明は、ユーザ端末位置特定終了要求を受信する受信ユニットと、前記ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、位置特定を実行するネットワークエレメントに位置特定プロセス終了命令を送信する送信するユニットとを含む位置特定プロセス終了装置
を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末(UE:User Equipment)の位置特定(ロケーション)技術に関し、特に、位置特定プロセス終了方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、セルラー方式(小ゾーン方式)無線通信システムのアーキテクチャを示す。図1に示すように、セルラー方式無線通信システムは、主に、コアネットワーク(CN:Core Network)、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)及びユーザ端末(UE:User Equipment)から構成される。コアネットワークは、非アクセス層での処理(例えば、ユーザ端末の位置更新を行う等)を担う。コアネットワークは、ユーザプレーン(User plane)のアンカーポイントである。無線アクセスネットワークは、基地局(eNB:evolved Node B)を含む。あるいは、無線アクセスネットワークは、基地局及び基地局制御装置を含む。無線アクセスネットワークは、アクセス層での処理(例えば、無線リソースの管理等)を担う。複数の基地局は、実際の状況に応じて、物理的又は論理的に接続され得る。例えば、図1において、基地局1と基地局2とは物理的又は論理的に接続される。また、基地局1と基地局3とは物理的又は論理的に接続される。各基地局は、1以上のコアネットワークノードと接続され得る。ユーザ端末は、セルラー方式無線通信ネットワークと通信可能な装置である。例えば、ユーザ端末は、携帯電話やノートパソコン等である。
【0003】
図2は、IP(Internet Protocol)に基づくロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)セルラー方式無線通信システムのフラットアーキテクチャである。図2に示すように、LTEセルラー方式無線通信システムは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)及びコアネットワークノードから構成される。ここで、コアネットワークノードは、モビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)、サービングゲートウェイ(S-GW:Serving Gateway)等を含む。MMEは、制御プレーン(Control plane)に関する処理(例えば、モビリティ管理、非アクセス層での信号伝達処理、ユーザのモバイルコンテクスト管理の管理等)を担う。S-GWは、UEのユーザプレーンのデータの伝送、転送及びルーティング・スイッチ等を担う。E-UTRANは、基地局(eNB)を含む。複数のeNBは、X2インターフェースを介して、互いに論理的に接続される。X2インターフェースは、ネットワーク全体内でのUEの移動性(モビリティ)をサポートし、ユーザのシームレスハンドオーバを保証する。
【0004】
位置特定サービスを提供するために、ネットワーク側は、ネットワークエンティティ・サービングモバイルロケーションセンター(SMLC:Serving Mobile Location Center)を有する。SMLCは、位置特定を管理及び実現する。UEの位置特定を行う場合に、全ての位置特定要求が、MMEを介してSMLCに送信される。SMLCは、eNB又はUEを管理する。これにより、位置特定処理(例えば、位置測定及び結果報告等)が実行される。
【0005】
SMLCは、位置特定要求を受信した後、eNB又はUEを選択して位置特定を行う。SMLCは、位置情報要求及び要求された場合にはロケーション補助データなどをeNB又はUEに送信する。eNB又はUEは、SMLCによって送信された位置情報要求を受信する。eNB又はUEは、位置情報要求に含まれる指示内容に応じて、位置測定を行う。eNB又はUEは、要求に応じて、周期的に又はイベントトリガを受けて測定結果を報告する。あるいは、eNB又はUEは、計算した位置情報を直接報告する。
【0006】
しかしながら、eNB又はUEが周期的に結果を報告する場合、位置特定要求主体(例えば、発展型パケットコア(EPC:Evolved Packet Core)ネットワークにおける、位置特定サービス(LCS:Location Service)エンティティ)は、十分な端末位置情報を取得したと認識したり、UE位置情報が必要ないと認識したりする。あるいは、位置特定要求主体は、現在の位置特定方法が精度的に不十分であり、位置特定方法を調整及び更新する必要があると認識したりする。さらに、位置特定要求主体は、周期的に報告される報告数が最大報告数に達しない場合に、位置特定プロセスの終了を要求し得る。しかしながら、一般的なプロトコルでは、UE位置特定プロセスを能動的に終了することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑み、本発明の主な目的は、早い段階でユーザ端末の位置測定を終了し、不要なユーザ端末位置測定に伴う電力損失を防止することが可能な位置特定プロセスの終了方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の技術的なスキームは以下のように実現される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る位置特定プロセス終了方法は、
サービングモバイルロケーションセンター(SMLC:Serving Mobile Location Center)により、ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、
前記SMLCにより、位置特定を実行するネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する。
【0010】
好ましくは、前記ユーザ端末位置特定終了要求は、前記ユーザ端末、前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)により、前記SMLCに送信される。
【0011】
好ましくは、前記ユーザ端末位置特定終了要求は、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を含む。
【0012】
好ましくは、前記位置特定プロセス終了命令は、独立したメッセージであり、又は位置特定を実行する前記ネットワークエレメントに送信される既存のメッセージにより搬送されることで当該ネットワークエレメントに通知され、前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求は、独立したメッセージであり、又は前記SMLCに送信される既存のメッセージにより搬送されて前記SMLCに通知される。
【0013】
好ましくは、前記位置特定プロセス終了命令を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報要求メッセージを含み、前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報提供メッセージを含む。
【0014】
好ましくは、前記位置特定を実行するネットワークエレメントは、前記ユーザ端末又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局である。
【0015】
本発明の一実施形態に係る位置特定プロセス終了装置は、
ユーザ端末位置特定終了要求を受信する受信ユニットと、
前記ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、位置特定を実行するネットワークエレメントに位置特定プロセス終了命令を送信する送信するユニットとを含む。
【0016】
好ましくは、前記ユーザ端末位置特定終了要求は、前記ユーザ端末、又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME)により、前記SMLCに送信される。
【0017】
好ましくは、前記ユーザ端末位置特定終了要求は、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を含む。
【0018】
好ましくは、前記位置特定プロセス終了命令は、独立したメッセージであり、又は位置特定を実行する前記ネットワークエレメントに送信される既存のメッセージにより搬送されることで当該ネットワークエレメントに通知され、前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求は、独立したメッセージであり、又は前記SMLCに送信される既存のメッセージにより搬送されて前記SMLCに通知される。
【0019】
好ましくは、前記位置特定プロセス終了命令を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報要求メッセージを含み、前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報提供メッセージを含む。
【0020】
好ましくは、前記位置特定を実行するネットワークエレメントは、前記ユーザ端末又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局である。
【0021】
本発明によれば、UE又は基地局は、位置特定サービスを行う必要がないと判断する場合、ネットワーク側に、UE位置特定プロセス終了命令を送信する。ネットワーク側は、要求に応じて、位置特定を実行中のネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する。これにより、このネットワークエレメントは、UE位置特定プロセスを終了する。これにより、本発明によれば、UEの位置測定を早い段階で終了し、不要なUE位置測定に伴う電力損失を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】セルラー方式無線通信システムのアーキテクチャである。
【図2】IPに基づくロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)セルラー方式無線通信システムのフラットアーキテクチャである。
【図3】本発明における実施形態1の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。
【図4】本発明における実施形態2の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。
【図5】本発明における実施形態3の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。
【図6】本発明における実施形態4の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。
【図7】本発明における位置特定プロセス終了装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の基本的な思想は、以下のとおりである。UE又は基地局(eNB)は、位置特定サービスを実行する必要がないと判断する。この場合、UE又は基地局は、ネットワーク側に、UE位置特定プロセス終了命令を送信する。ネットワーク側は、要求に応じて、位置特定を実行中のネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する。これにより、ネットワークエレメントは、UE位置特定プロセスを終了する。これにより、本発明によれば、早い段階でUE位置測定を終了し、不要なUE位置測定に伴う電力損失を防止することが可能となる。
【0024】
本発明の目的、技術的なスキーム及び利点を更に明らかにするため、以下、実施形態を挙げながら添付図面を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
【0025】
実施形態1
図3は、本発明における実施形態1の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。図3に示すように、本実施形態において位置特定プロセス終了方法は以下のようなステップを含む。
【0026】
ステップ301:UEの現在のサービスネットワークは、位置特定サービスを行う。UEのユーザは、位置特定サービス要求をモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)に送信する。これにより、UEのユーザは、UE位置特定の実行を、ネットワークに要求する。
【0027】
ステップ302:MMEは、UEからの位置特定サービス要求を受信する。その後、MMEは、当該位置特定サービス要求をSMLCに送信する。
【0028】
ステップ303:SMLCは、位置特定能力要求をUEに送信する。これにより、SMLCは、UEが実行可能な位置特定方法に関する能力情報の取得を要求する。
【0029】
ステップ304:UEは、位置特定能力要求を受信する。その後、UEは、自機器の位置特定能力をSMLCにフィードバックする。
【0030】
ステップ305:SMLCは、UEが実行可能な位置特定能力に応じて、UEが実行可能な位置特定方法を選択する。SMLCは、当該位置特定方法に必要な補助データを構成する。SMLCは、補助データと、位置情報要求メッセージとを、UEに送信する。SMLCは、周期的に測定結果を報告するようUEに指示する。
【0031】
ステップ306:UEは、SMLCによって送信された位置情報要求メッセージ及び補助データに応じて、位置測定を行う。UEは、位置情報提供メッセージを用いて、位置特定結果をSMLCに周期的にフィードバックする。フィードバックされる位置特定結果は、衛星信号の測定結果、基地局信号の到達時間差、基地局ダウンリンク信号及びUE位置情報の計算結果の少なくともいずれか1つである。
【0032】
ステップ307:SMLCは、UEによってフィードバックされた、衛星信号、基地局信号の到達時間差又は基地局ダウンリンク信号を受信する。この場合、SMLCは、フィードバックされた情報に応じて、UE位置情報を計算する。
【0033】
ステップ308:SMLCは、UE位置情報をMMEにフィードバックする。
【0034】
ステップ309:MMEは、UE位置情報をUEにフィードバックする。
【0035】
ステップ310:UEのユーザは、十分な位置情報を既に取得し、位置情報を取得する必要がないと認識する。この場合、UEのユーザは、位置特定サービス終了要求を、MMEに送信する。この位置特定サービス終了要求とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了要求識別子を搬送する。
【0036】
ステップ311:MMEは、位置特定サービス終了要求を、SMLCに送信する。
【0037】
ステップ312:SMLCは、位置特定プロセス終了命令を、UEに送信する。この位置特定プロセス終了命令とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了指示識別子を搬送する。
【0038】
ステップ313:UEは、位置特定プロセス終了命令を受信する。その後、UEは、実行中の位置特定処理を終了し、現在の位置特定結果を報告する。あるいは、UEは、単に、実行中の位置特定処理を終了する。
【0039】
実施形態2
図4は本発明における実施形態2の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。図4に示すように、本実施形態において位置特定プロセス終了方法は以下のようなステップを含む。
【0040】
ステップ401:UEの現在のサービスネットワークは、位置特定サービスを行う。UEのユーザは、位置特定サービス要求を、モビリティ管理エンティティ(MME)に送信する。これにより、UEのユーザは、UE位置特定の実行を、ネットワークに要求する。
【0041】
ステップ402:MMEは、UEからの位置特定サービス要求を受信する。その後、MMEは、当該位置特定サービス要求を、SMLCに送信する。
【0042】
ステップ403:SMLCは、位置特定能力要求をUEに送信する。これにより、SMLCは、UEが実行可能な位置特定方法に関する能力情報の取得を要求する。
【0043】
ステップ404:UEは、位置特定能力要求を受信する。その後、UEは、自機器の位置特定能力をSMLCにフィードバックする。
【0044】
ステップ405:SMLCは、UEが実行可能な位置特定能力に応じて、UEが実行可能な位置特定方法を選択する。SMLCは、当該位置特定方法に必要な補助データを構成する。SMLCは、補助データと、位置情報要求メッセージとを、UEに送信する。SMLCは、周期的に測定結果を報告するようUEに指示する。
【0045】
ステップ406:UEは、SMLCによって送信された位置情報要求メッセージ及び補助データに応じて、位置測定を行う。UEは、位置情報提供メッセージを用いて、位置特定結果をSMLCに周期的にフィードバックする。フィードバックされる位置特定結果は、衛星信号の測定結果、基地局信号の到達時間差、基地局ダウンリンク信号及びUE位置情報の計算結果の少なくともいずれか1つである。
【0046】
ステップ407:SMLCは、UEによってフィードバックされた、衛星信号、基地局信号の到達時間差又は基地局ダウンリンク信号を受信する。この場合、SMLCは、フィードバックされた情報に応じて、UE位置情報を計算する。
【0047】
ステップ408:SMLCは、UE位置情報を、MMEにフィードバックする。
【0048】
ステップ409:MMEは、UE位置情報を、UEにフィードバックする。
【0049】
ステップ410:UEのユーザは、十分な位置情報を既に取得し、位置情報を取得する必要がないと認識する。この場合、UEのユーザは、位置特定プロセス終了要求をSMLCに送信する。この位置特定プロセス終了要求とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了要求識別子を搬送する。
【0050】
ステップ411:SMLCは、位置特定プロセス終了命令をUEに送信する。この位置特定プロセス終了命令とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了指示識別子を搬送する。
【0051】
ステップ412:UEは、位置特定プロセス終了命令を受信する。その後、UEは、実行中の位置特定処理を終了し、現在の位置特定結果を報告する。あるいは、UEは、単に、実行中の位置特定処理を終了する。
【0052】
実施形態3
図5は本発明における実施形態3の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。図5に示すように、本実施形態において位置特定プロセス終了方法は以下のようなステップを含む。
【0053】
ステップ501:UEの現在のサービスネットワークは、位置特定サービスを行う。UEのユーザは、位置特定サービス要求を、モビリティ管理エンティティ(MME)に送信する。これにより、UEのユーザは、UE位置特定の実行を、ネットワークに要求する。
【0054】
ステップ502:MMEは、UEからの位置特定サービス要求を受信する。その後、MMEは、当該位置特定サービス要求を、SMLCに送信する。
【0055】
ステップ503:SMLCは、位置特定方法として、E-CID(Enhanced Cell Identify:強化したセル識別方法)を選択する。SMLCは、基地局に位置情報要求メッセージを送信する。SMLCは、周期的に測定結果を報告するよう基地局に指示する。
【0056】
ステップ504:基地局は、SMLCによって送信された位置情報要求メッセージに応じて、位置測定を行う。基地局は、位置情報提供メッセージを用いて、位置特定結果をSMLCに周期的にフィードバックする。フィードバックされる位置特定結果は、UEのタイミングアドバンスの測定結果、信号到達角度、UEアップリンク信号の少なくともいずれか1つである。
【0057】
ステップ505:SMLCは、基地局によってフィードバックされた測定結果を受信する。その後、SMLCは、フィードバックされた情報に応じて、UE位置情報を計算する。
【0058】
ステップ506:SMLCは、UE位置情報をMMEにフィードバックする。
【0059】
ステップ507:MMEは、UE位置情報をUEにフィードバックする。
【0060】
ステップ508:UEのユーザは、十分な位置情報を既に取得し、位置情報を取得する必要がないと認識する。この場合、UEのユーザは、位置特定サービス終了要求を、MMEに送信する。この位置特定サービス終了要求とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了要求識別子を搬送する。
【0061】
ステップ509:MMEは、位置特定サービス終了要求をSMLCに送信する。
【0062】
ステップ510:SMLCは、位置特定プロセス終了命令を、基地局に送信する。この位置特定プロセス終了命令とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了指示識別子を搬送する。
【0063】
ステップ511:基地局は、位置特定プロセス終了命令を受信する。その後、基地局は、実行中の位置特定処理を終了し、現在の位置特定結果を報告する。あるいは、基地局は、単に、実行中の位置特定処理を終了する。
【0064】
実施形態4
図6は本発明における実施形態4の位置特定プロセス終了方法のフローチャートである。図6に示すように、本実施形態において位置特定プロセス終了方法は以下のようなステップを含む。
【0065】
ステップ601:基地局は、位置特定サービス要求をモビリティ管理エンティティ(MME)に送信する。これにより、基地局は、UE位置特定の実行を、ネットワークに要求する。
【0066】
ステップ602:MMEは、基地局からの位置特定サービス要求を受信する。その後、MMEは、当該位置特定サービス要求を、SMLCに送信する。
【0067】
ステップ603:SMLCは、位置特定方法として、E-CID(強化したセル識別方法)を選択する。SMLCは、基地局に位置情報要求メッセージを送信する。SMLCは、周期的に測定結果を報告するよう基地局に指示する。
【0068】
ステップ604:基地局は、SMLCによって送信された位置情報要求メッセージに応じて、位置測定を行う。基地局は、位置情報提供メッセージを用いて、位置特定結果をSMLCに周期的にフィードバックする。フィードバックされる位置特定結果は、UEのタイミングアドバンスの測定結果、信号到達角度、UEアップリンク信号の少なくともいずれか1つである。
【0069】
ステップ605:SMLCは、基地局によってフィードバックされた測定結果を受信する。その後、SMLCは、フィードバックされた情報に応じて、UE位置情報を計算する。
【0070】
ステップ606:SMLCは、UE位置情報をMMEにフィードバックする。
【0071】
ステップ607:MMEは、UE位置情報を基地局にフィードバックする。
【0072】
ステップ608:基地局は、十分な位置情報を既に取得し、位置情報を取得する必要がないと認識する。この場合、基地局は、位置特定プロセス終了要求を、SMLCに送信する。この位置特定プロセス終了要求とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了要求識別子を搬送する。
【0073】
ステップ609:SMLCは、位置特定プロセス終了命令を、基地局に送信する。この位置特定プロセス終了要求とは、新規な独立したメッセージエンティティであり、位置特定プロセス終了要求識別子を搬送する。
【0074】
ステップ610:基地局は、位置特定プロセス終了命令を受信する。その後、基地局は、実行中の位置特定処理を終了し、現在の位置特定結果を報告する。あるいは、基地局は、単に、実行中の位置特定処理を終了する。
【0075】
上記実施形態1〜実施形態4によれば、位置特定プロセスを終了するため、従来技術にない新規なシグナルが採用される。本発明によれば、また、既存のシグナルを採用して、本発明の技術的なスキームを実現することも可能である。すなわち、位置特定プロセス終了及び位置特定プロセス指示を識別するための情報要素を、既存のシグナルに設定する。詳細には、以下のとおりである。SMLCからUE又は基地局に対する位置特定プロセス終了指示シグナルを、SMLCからUE又は基地局に送信する既存のシグナル(例えば、位置情報要求メッセージ)に含めればよい。UE又は基地局からの位置特定プロセス終了要求シグナルを、UE又は基地局からSMLCに送信する既存のシグナル(例えば、位置情報提供メッセージ)に含めればよい。位置情報要求メッセージに、位置特定プロセス終了指示シグナルを搬送するための情報要素を付加すればよい。位置情報提供メッセージに、位置特定プロセス終了要求シグナルを搬送するための情報要素を付加すればよい。
【0076】
図7は、本発明における位置特定プロセス終了装置の構成図である。図7に示すように、本発明における位置特定プロセス終了装置は、受信ユニット70と送信ユニット71とを含む。受信ユニット70は、ユーザ端末位置特定終了要求を受信する。前記ユーザ端末位置特定終了要求を受信すると、送信ユニット71は、位置特定実行中のネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する。これにより、位置特定実行中のネットワークエレメントは、実行中の、ユーザ端末位置特定プロセスを終了する。前記ユーザ端末位置特定終了要求は、ユーザ端末、ユーザ端末にサービスを提供中の基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME)により、SMLCに送信される。前記ユーザ端末位置特定終了要求は、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を含む。位置特定プロセス終了命令は、独立したメッセージである。あるいは、位置特定プロセス終了命令は、位置特定実行中のネットワークエレメントに送信される既存のメッセージにより搬送される。これにより、位置特定プロセス終了命令が、ネットワークエレメントに通知される。位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求は、独立したメッセージである。あるいは、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求は、SMLCに送信される既存のメッセージにより搬送される。これにより、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求が、SMLCに通知される。位置特定プロセス終了命令を搬送する既存のメッセージは、位置情報要求メッセージを含む。位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を搬送する既存のメッセージは、位置情報提供メッセージを含む。位置特定を実行するネットワークエレメントは、ユーザ端末又は前ユーザ端末にサービスを提供中の基地局である。
【0077】
図7に示す位置特定プロセス終了装置は、上述の位置特定プロセス終了方法を実現する。図7に示す装置における各処理ユニットは、実施形態1〜実施形態4の関連説明を参照して理解される。各処理ユニットの機能は、プロセッサにてプログラムを実行することで実現してもよく、具体的な論理回路により実現してもよい。
【0078】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービングモバイルロケーションセンター(SMLC:Serving Mobile Location Center)により、ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、
前記SMLCにより、位置特定を実行するネットワークエレメントに、位置特定プロセス終了命令を送信する
位置特定プロセス終了方法。
【請求項2】
前記ユーザ端末位置特定終了要求は、前記ユーザ端末、前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)により、前記SMLCに送信される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ端末位置特定終了要求は、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記位置特定プロセス終了命令は、独立したメッセージであり、又は位置特定を実行する前記ネットワークエレメントに送信される既存のメッセージにより搬送されることで当該ネットワークエレメントに通知され、
前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求は、独立したメッセージであり、又は前記SMLCに送信される既存のメッセージにより搬送されて前記SMLCに通知される
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記位置特定プロセス終了命令を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報要求メッセージを含み、
前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報提供メッセージを含む
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記位置特定を実行するネットワークエレメントは、前記ユーザ端末又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局である
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ユーザ端末位置特定終了要求を受信する受信ユニットと、
前記ユーザ端末位置特定終了要求を受信し、位置特定を実行するネットワークエレメントに位置特定プロセス終了命令を送信する送信するユニットと
を含む位置特定プロセス終了装置。
【請求項8】
前記ユーザ端末位置特定終了要求は、前記ユーザ端末、又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局又はモビリティ管理エンティティ(MME)により、前記SMLCに送信される
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ユーザ端末位置特定終了要求は、位置特定サービス終了要求又は位置特定プロセス終了要求を含む
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記位置特定プロセス終了命令は、独立したメッセージであり、又は位置特定を実行する前記ネットワークエレメントに送信される既存のメッセージにより搬送されることで当該ネットワークエレメントに通知され、
前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求は、独立したメッセージであり、又は前記SMLCに送信される既存のメッセージにより搬送されて前記SMLCに通知される
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記位置特定プロセス終了命令を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報要求メッセージを含み、
前記位置特定サービス終了要求又は前記位置特定プロセス終了要求を搬送する前記既存のメッセージは、位置情報提供メッセージを含む
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記位置特定を実行するネットワークエレメントは、前記ユーザ端末又は前記ユーザ端末にサービスを提供中の基地局である
請求項7〜11のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−502761(P2013−502761A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525017(P2012−525017)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075465
【国際公開番号】WO2011/020263
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(511207729)ゼットティーイー コーポレイション (78)
【Fターム(参考)】