説明

位置計測方法及び位置計測装置

【課題】特定の位置を高精度で検出できる、又は、位置を検出し、その検出したことを容易に知らせることができる位置計測方法及び位置計測装置を提供する。
【解決手段】位置計測システム1を用いた位置計測方法によれば、モータ42の回転軸4
3を回転させることで一対の永久磁石44、45が回転し、回転する一対の永久磁石44
、45から発生する回転磁束は、前記モータ42の回転軸43の延長線上に検出コイル6
1の不感帯部を形成するので、用前記検出コイル61の位置を変えながら当該検出コイル
61に誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板物を放射線透過法によって検査するにあたり、撮影側のフィルムの位置
決めを行う、又は、この位置決めと撮影側のフィルムの位置が決まったことを知らせる位置計測方法及び位置計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船板やタンク等の大型鋼板物の溶接部の金属疲労、クラックや溶接不良を検査す
る方法として、例えば特許文献1等に見られるようなX線を用いる放射線透過試験がある

【0003】
X線を用いる放射線透過法としては、X線発生装置とフィルムを大型鋼板物の両側に配
置し、大型鋼板物の片面にX線を照射して、大型鋼板物を透過したX線像をフィルムに撮
影する方法が一般的である。
【0004】
ここで、X線発生装置を置く場所は容易に決定できるが、撮影側のフィルムを貼る位置
は、撮影側でX線発生装置を目視出来ない場合が多いので、微弱なX線によるサーベイメ
ーターの感度での測定や大型鋼板物の実測測定により決定されていたが、これらの方法で
は正確な測定は困難であるとともに、X線の多用は色々な面で問題が大きかった。
【0005】
一方、電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を計測する方法
として、例えば特許文献2に記載されている地中位置計測方法がある。
【0006】
特許文献2に記載されている地中位置計測方法では、往路ケーブルおよび帰路ケーブル
を一定の間隔をもって設置し、被計測体には、直交して配置する2つの検出コイルを設け
、前記ケーブルに交流電流を流し、前記の第1,2のコイルに誘起された信号を測定する
ことで被計測体の位置を求めるようになっている。
【0007】
また、大型鋼板物(船板、タンクなど)の溶接部のX線検査の場合、大型鋼板物の中と外での連絡のやり取りは、携帯電話や無線機などの電波を用いた通信手段は鉄板により電波がシールドされてしまう。そのため、従来の連絡のやり取りは、鋼板を叩いて音を発生させることによる連絡手段しかなく、鋼板を叩いて音を発生させることによる合図で作業が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−229860号公報
【特許文献2】特開平5−125898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら従来の電磁誘導の原理を利用し目視出来ない位置にある被計測体の位置を
計測する方法では、広範囲をある程度万偏なく測定できるが、特定の位置に対して精度は
あまり高くなく、X線を用いる放射線透過法における撮影側のフィルムを貼る位置の特定
用には十分適しているとはいえなかった。
また、大型鋼板物(船板、タンクなど)の溶接部のX線検査の場合の大型鋼板物の中と外での鋼板を叩いて発生させる音による連絡のやり取りでは、叩いて発生させる音以外の騒音などによって叩いて発生させた音が消されてしまい、分かりにくい場合があるなどの問題がある。
【0010】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、特定の位置を高精度で検
出できる、又は、この検出と検出したことを容易に知らせることができる位置計測方法及び位置計測装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の発明の位置計測方法は、モータの回転
軸に対して直交する方向に磁化方向を向けて当該回転軸に永久磁石を取付け、前記モータ
の回転軸を鋼板物の板面に対して直交する方向に向けて当該モータを当該鋼板物の一面側
に配置し、コイル面が前記鋼板物に対して平行に向いた検出コイルを鋼板物の他面側に配
置し、前記モータの回転軸を回転させ、前記検出コイルに誘起された信号を測定すること
で前記永久磁石による回転磁束の不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明の位置計測方法は、幅調整可能な隙間を介して一方のS極を他方
のN極に対向させるとともに、モータの回転軸に対して直交する方向に磁化方向を向けて
配置した一対の永久磁石を当該モータの回転軸に取付け、前記モータの回転軸を鋼板物の
板面に対して直交する方向に向けて当該モータを当該鋼板物の一面側に配置し、コイル面
が前記鋼板物に対して平行に向いた検出コイルを鋼板物の他面側に配置し、前記モータの
回転軸を回転させ、前記検出コイルに誘起された信号を測定することで前記一対の永久磁
石による回転磁束の不感帯部の位置を検出することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明の位置計測方法は、請求項1または2に記載の位置計測方法であ
って、前記検出コイルを複数用意し、前記鋼板物の他面側に配置される検出コイル保持部
材により前記検出コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の検出コイルのそれぞ
れに誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴と
する。
【0014】
請求項4に記載の発明の位置計測装置は、鋼板物の一面側に配置される回転磁束発生手段と、前記鋼板物の他面側に配置される電磁誘導検出手段と、を備え、前記回転磁束発生手段は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる磁束発生手段と、前記モータにモータ駆動電流を流すモータ駆動手段を有し、前記電磁誘導検出手段は、コイルからなる電磁誘導検出部と、該電磁誘導検出部からの出力を検出する出力検出部を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明の位置計測装置は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段と、コイルからなる受信手段と、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と前記コイルに誘導される交流電流の周波数を計数する周波数計数手段を備えた制御手段と、特定の周波数の交流電流が前記コイルに誘導されたときを知らせる表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明の位置計測装置は、請求項5に記載の位置計測装置であって、前記制御手段は、前記モータの回転による回転磁束から前記コイルに生じる電磁誘導により発生する交流電流に基づく信号をフィードバックして前記モータの回転を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明の位置計測装置は、請求項5または6記載の位置計測装置であって、前記表示手段は、少なくとも1つのLEDからなり、前記周波数計数手段によって計数した周波数に応じて、異なる前記LEDを点灯させることを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明の位置計測装置は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の位置計測装置であって、前記制御手段は、波形整形手段を備え、前記波形整形手段は、前記コイルによって検出された交流電流からパルス波形に整形し、前記周波数計数手段は、前記波形整形手段によって出力される前記パルス波形から、前記交流電流の周波数を計数することを特徴とする
【0019】
請求項9に記載の発明の位置計測方法は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段の、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御して特定の回転磁束を発生させて信号を送信するステップと、前記送信された回転磁束によって電磁誘導されたコイルに発生する交流電流を検出するステップと、検出された前記交流電流の周波数を計数するステップと、計数した周波数に応じて検出したことを表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項1に記載の位置計測方法によれば、前記モータの回転軸を回転させることで永久
磁石が回転し、回転する永久磁石から発生する回転磁束は、前記モータの回転軸の延長線
上に前記検出コイルの不感帯部を形成するので、前記検出コイルの位置を変えながら前記
検出コイルに誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出できる。
【0021】
請求項2に記載の位置計測方法によれば、前記モータの回転軸を回転させることで一対
の永久磁石が回転し、回転する一対の永久磁石から発生する回転磁束は、前記モータの回
転軸の延長線上に前記検出コイルの不感帯部を形成するので、前記検出コイルの位置を変
えながら前記検出コイルに誘起された信号を測定することで特定の位置を高精度で検出で
きとともに、一対の永久磁石の幅を変更することで前記不感帯部の幅を変更することがで
き、鋼板物の大きさや厚さ対応して効率的な位置検出を行える。
【0022】
請求項3に記載の位置計測方法によれば、複数の検出コイルのそれぞれに誘起された信
号を個別に測定することで、短時間で特定の位置を高精度で検出できる。
【0023】
請求項4に記載の位置計測装置によれば、鋼板物の一面側に配置される回転磁束発生手段と、前記鋼板物の他面側に配置される電磁誘導検出手段と、を備え、前記回転磁束発生手段は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる磁束発生手段と、前記モータにモータ駆動電流を流すモータ駆動手段を有し、前記電磁誘導検出手段は、コイルからなる電磁誘導検出部と、該電磁誘導検出部からの出力を検出する出力検出部を有するので、特定の位置を高精度で検出できる。
【0024】
請求項5に記載の位置計測装置によれば、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段と、コイルからなる受信手段と、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と前記コイルに誘導される交流電流の周波数を計数する周波数計数手段を備えた制御手段と、特定の周波数の交流電流が前記コイルに誘導されたときを知らせる表示手段と、を備えるので、大型鋼板物の中と外で容易に通信をすることができる。
【0025】
請求項6に記載の位置計測装置によれば、前記制御手段は、前記モータの回転による回転磁束から前記コイルに生じる電磁誘導により発生する交流電流に基づく信号をフィードバックして前記モータの回転を制御するので、安定したモータの回転が得られ、確実な通信を行うことができる。
【0026】
請求項7に記載の位置計測装置によれば、前記表示手段は、少なくとも1つのLEDからなり、前記周波数計数手段によって計数した周波数に応じて、異なる前記LEDを点灯させるので、確実に通信を行うことができる。
【0027】
請求項8に記載の位置計測装置によれば、前記制御手段は、波形整形手段を備え、前記波形整形手段は、前記コイルによって検出された交流電流からパルス波形に整形し、前記周波数計数手段は、前記波形整形手段によって出力される前記パルス波形から、前記交流電流の周波数を計数するので、確実に通信を行うことができる。
【0028】
請求項9に記載の位置計測方法によれば、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段の、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御して特定の回転磁束を発生させて信号を送信するステップと、前記送信された回転磁束によって電磁誘導されたコイルに発生する交流電流を検出するステップと、検出された前記交流電流の周波数を計数するステップと、計数した周波数に応じて検出したことを表示するステップと、を有するので、確実に通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の位置計測方法によれば、特定の位置を高精度で検出できるとともに、鋼板物の
大きさや厚さに対応して効率的な位置検出を行えるので、鋼板物をX線を用いて検査する
放射線透過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効
率を向上させることができる。
また、本発明の位置計測装置によれば、鋼板物の一面側に配置される回転磁束発生手段と、前記鋼板物の他面側に配置される電磁誘導検出手段と、を備え、前記回転磁束発生手段は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる磁束発生手段と、前記モータにモータ駆動電流を流すモータ駆動手段を有し、前記電磁誘導検出手段は、コイルからなる電磁誘導検出部と、該電磁誘導検出部からの出力を検出する出力検出部を有するので、特定の位置を高精度で検出できる。
さらに、本発明の位置計測装置によれば、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段と、コイルからなる受信手段と、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と前記コイルに誘導される交流電流の周波数を計数する周波数計数手段を備えた制御手段と、特定の周波数の交流電流が前記コイルに誘導されたときを知らせる表示手段と、を備えるので、回転させた磁石を使い、片面から鋼板を磁化させ裏面からの磁力線により、検出コイルを電磁誘導させこのパルスを読み取り、磁石の回転数を変えることにより、そのパルスの周波数をみることにより情報のやり取りができる。
また、本発明の位置計測方法によれば、モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段の、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御して特定の回転磁束を発生させて信号を送信するステップと、前記送信された回転磁束によって電磁誘導されたコイルに発生する交流電流を検出するステップと、検出された前記交流電流の周波数を計数するステップと、計数した周波数に応じて検出したことを表示するステップと、を有するので、確実に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による位置計測システムの断面図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態による磁石回転ユニットの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態による先端磁石組立部及びその周辺部の正面右斜め上側から見た斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態による先端磁石組立部及びその周辺部の背面右斜め上側から見た斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による磁束発生部の組み立てた状態の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態による電磁誘導検出部の分解斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態による電磁誘導検出部の組み立てた状態の斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施形態による第1の検出コイルによる検出位置を説明する説明図である。
【図10】図10は、本発明の第1の実施形態による位置計測システムの配置を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の第1の実施形態による第1の検出コイルに誘起された信号の検出結果と水平方向の位置の関係を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の第1の実施形態による第1の検出コイルに誘起された信号の検出結果と垂直方向の位置の関係を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の第1の実施形態による一対の永久磁石の間隔について説明する説明図である。
【図14】図14は、本発明の第1の実施形態による一対の永久磁石の間隔を狭くした先端磁石組立部及びその周辺部の背面右斜め上側から見た斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第1の実施形態による一対の永久磁石の間隔と磁力線の距離について説明する説明図である。
【図16】図16は、本発明の第1の実施形態による一対の永久磁石の間隔を変えた場合の検出コイルに誘起された信号の検出結果と水平方向の位置の関係を示すグラフである。
【図17】図17は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる電磁誘導検出装置を示す一面側から見た斜視図である。
【図18】図18は、本発明の第2の実施形態による位置計測方法に用いられる電磁誘導検出装置を示す他面側から見た斜視図である。
【図19】本発明の第3の実施形態による位置計測装置の送信装置と受信装置のブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態による位置計測装置の送信装置の制御部のブロック図である。
【図21】本発明の第3の実施形態による位置計測装置の受信装置の制御部のブロック図である。
【図22】本発明の第3の実施形態による位置計測装置の送信装置と受信装置の動作を説明する図である。
【図23】本発明の第4の実施形態による位置計測装置のブロック図である。
【図24】本発明の第4の実施形態による位置計測装置の構造図である。
【図25】本発明の第4の実施形態による位置計測装置の制御装置のブロック図である。
【図26】本発明の第4の実施形態による位置計測装置の動作を説明する図である。
【図27】本発明の第4の実施形態による位置計測装置の送信方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第1の実施形態を位置計測システム(位置計測装置)を例に図面を参照して説明する。なお、図1は位置計測システム1の断面図である。
【0032】
図1において、位置計測システム1は、鋼板物100の一面側に配置される回転磁束発
生装置2と、鋼板物100の他面側に配置される電磁誘導検出装置3とから構成され、鋼
板物100の溶接部の金属疲労、クラックや溶接不良を放射線透過法によって探査するに
あたり、撮影側のフィルムの位置決めを行うためのものである。
【0033】
回転磁束発生装置2は、磁束発生部4と、この磁束発生部4にモータ駆動電流を流すモ
ータ駆動部5とから構成される。
【0034】
電磁誘導検出装置3は、電磁誘導検出部6と、この電磁誘導検出部6からの出力を検出
する出力検出部7とから構成される。
【0035】
磁束発生部4は、合成樹脂製のケース40に、磁石回転ユニット41を収納したもので
ある。
【0036】
磁石回転ユニット41は、隙間を介して一方のS極を他方のN極に対向させるとともに
、モータ42の回転軸43に対して直交する方向に磁化方向を向けて配置した一対の永久
磁石44(後述の図2参照)、45を当該モータ42の回転軸43に取付け、モータ42
の回転軸43を鋼板物100の板面に対して直交する方向(後述の図10参照)に向けて
当該モータ42を当該鋼板物100の一面側に配置する。
【0037】
また、ケース40には、モータ駆動部5からのコード51が挿入される貫通孔46が形
成されている。
【0038】
コード51は、モータ42に接続する一対の導線47、48が挿入されている。
【0039】
一方、電磁誘導検出部6は、合成樹脂製の検出コイルケース60に、コイル面がモータ
42の前記回転軸43の延長線と直交する方向に向いた検出コイル61を収納したもので
ある。
【0040】
ここで、モータ42の前記回転軸43の延長線は、図中の先端磁石組立部201の回転
の中心線L1と一致している。検出コイル61のコイル面は鋼板物100の壁面に対して
平行に配置する。
【0041】
検出コイルケース60には、出力検出部7に接続するコード71が挿入される貫通孔6
6が形成されている。
【0042】
コード71は、検出コイル61の一端及び他端とそれぞれ接続する導線72、73が挿
入されている。
【0043】
出力検出部7は、導線72、73を介して検出コイル61と電気的に接続しており、検
出コイル61が電磁誘導検出した信号を増幅して整流し、電圧出力に変換して測定を行う
ことで、前記検出コイル61に誘起された信号を測定する。
【0044】
以下、磁束発生部4の構造について詳細に説明する。
【0045】
図2は位置計測システム1を構成する磁束発生部4の分解斜視図である。
【0046】
図2において、磁束発生部4のケース40は、平面部410及び前後左右の壁部411
、412、413、414を備え、上面が開放したケース本体401と、ケース本体40
1の上面を閉塞するケース蓋体402とから構成される。
【0047】
図3は磁束発生部4を構成する磁石回転ユニット41の分解斜視図である。
【0048】
図3において、磁石回転ユニット41は、モータ42と、一対の永久磁石44、45と
、ベース板441と、左右の取付金具442、443と、軸継手444と、取付用回転軸
445とスペーサ446と、ネジ451、452、453、454、455、456、4
57と、ナット461、462と、ワッシャ463とから構成されている。
【0049】
モータ42は、左右の取付金具442、443とネジ451、452、453とナット
461によりベース板441の上面に回転軸43を前方に向けた状態で取付固定される。
【0050】
ベース板441の四隅近傍には、4本のネジ422(図2参照)がそれぞれ挿入される
4つのネジ挿入孔471が形成されている。
【0051】
軸継手444の後方の軸挿入穴472(図5参照)には、モータ42の回転軸43が挿
入され、当該回転軸43がネジ454によりネジ止め固定される。
【0052】
軸継手444の前方の軸挿入穴473には、取付用回転軸445の基端側が挿入され、
当該取付用回転軸445がネジ455によりネジ止め固定される。
【0053】
取付用回転軸445は、前端から中間部にかけて雄ネジ部474が形成されている。
【0054】
スペーサ446は、六面体のブロック状に形成されている。スペーサ446は、前方か
ら見て長い四角形となっており、上下方向が最も長く、次に左右方向が長く、前後方向が
最も短くなっている。
【0055】
スペーサ446は、前面から背面を貫通して貫通孔475が形成されている。貫通孔4
75には、取付用回転軸445が挿入される。スペーサ446の長辺側の一方の側面44
8及び他方の側面449には、ネジが挿入されるネジ孔476、477が形成されている

【0056】
一対の永久磁石44、45は、上下方向が長い四角形の板状に形成されている。一対の
永久磁石44、45の板面の中央にはネジ456、467のネジ部が挿入される貫通孔4
78、479が形成されている。一対の永久磁石44、45は一方の板面がS極となり他
方の板面がN極となっている。永久磁石44の一方の板面における貫通孔478の縁には
、ネジ456のネジ頭が挿入される凹部481が形成されている。永久磁石45の他方の
板面における貫通孔479の縁には、ネジ457のネジ頭が挿入される凹部482が形成
されている。
【0057】
ネジ456は、そのネジ部が永久磁石44のS極側の板面から当該永久磁石44の貫通
孔478に挿入し、スペーサ446のネジ孔476に螺入して締めつけられることで、永
久磁石44のN極側の板面をスペーサ446の側面448に向けた状態で当該永久磁石4
4をスペーサ446にネジ止め固定する。
【0058】
ネジ457は、そのネジ部が永久磁石45のN極側の板面から当該永久磁石45の貫通
孔479に挿入し、スペーサ446のネジ孔477に螺入して締めつけられることで、永
久磁石45のS極側の板面をスペーサ446の側面449に向けた状態で永久磁石45を
スペーサ446にネジ止め固定する。これにより、先端磁石組立部201が図4及び図5
に示す状態に組立てられる。
【0059】
図4は磁石回転ユニット41を構成する先端磁石組立部201及びその周辺部の正面右
斜め上側から見た斜視図である。図5は先端磁石組立部201及びその周辺部の背面右斜
め上側から見た斜視図である。
【0060】
図4及び図5において、永久磁石44のN極は、スペーサ446を介して永久磁石44
のS極と対向し、一対の永久磁石44、45とスペーサ446、ネジ456、457は、
一つの永久磁石として機能する先端磁石組立部201を構成している。
【0061】
図3に示すスペーサ446の貫通孔475から前方に突出する取付用回転軸445の先
端側は、図4に示すように、ワッシャ463が取付られ、ワッシャ463から前方に突出
する取付用回転軸445の雄ネジ部474はナット462の雌ネジ部に螺入されている。
スペーサ446は、ナット462が締めつけられることで、ワッシャ463と軸継手44
4(図5参照)の間に挟持されて取付用回転軸445に固定される。
【0062】
一方、図2において、平面部410の上面には、ベース板441をネジ止め固定するた
めの4つのボス415が形成されている。ボス415には、ベース板441のネジ挿入孔
471に挿入し、下方に突出したネジ422のネジ部が螺入されるネジ孔が形成されてい
る。
【0063】
後の壁部412には、コード51が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0064】
図6は位置計測システム1を構成する磁束発生部4の組み立てた状態の斜視図である。
【0065】
ケース蓋体402は、図6に示すように4本のネジ421によりケース本体401の上
面にネジ止め固定される。
【0066】
図2及び図6において、ケース蓋体402の上面の前側には、磁束発生部4の位置決め
の基準となる目印線431が印刷されている。図2に示す平面部410の下面の前側には
、磁束発生部4の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0067】
図2及び図6において、右の壁部414の外側面の前側には、磁束発生部4の位置決め
の基準となる目印線432が印刷されている。図2に示す左の壁部413の外側面の前側
には、磁束発生部4の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0068】
以下、電磁誘導検出装置3の電磁誘導検出部6の構造について詳細に説明する。
【0069】
図7は位置計測システム1を構成する電磁誘導検出部6の分解斜視図である。
【0070】
図7において、電磁誘導検出部6の検出コイルケース60は、平面部610及び前後左
右の壁部611、612、613、614を備え、上面が開放したケース本体601と、
ケース本体601の上面を閉塞するケース蓋体602とから構成される。尚、検出コイル
ケース60は、図1の鋼板物100側が後側になっている。
【0071】
検出コイル61はボビン62に巻き回されている。平面部610の上面には、検出コイ
ル61の位置決めを行うための台座部615が形成されている。検出コイル61は、台座
部615に接着固定される。
【0072】
前の壁部611には、コード71が挿入される貫通孔66が形成されている。
【0073】
図8は電磁誘導検出部6の組み立てた状態の斜視図である。
【0074】
ケース蓋体602は、図8に示すように4本のネジ621によりケース本体601の上
面にネジ止め固定される。
【0075】
図7及び図8において、ケース蓋体602の上面の後側には、電磁誘導検出部6の位置
決めの基準となる目印線631が印刷されている。図7に示す平面部610の下面の前側
には、電磁誘導検出部6の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0076】
図7及び図8において、右の壁部614の外側面の後側には、電磁誘導検出部6の位置
決めの基準となる目印線632が印刷されている。図7に示す左の壁部613の外側面の
前側には、電磁誘導検出部6の位置決めの基準となる目印線が印刷されている。
【0077】
以下、先端磁石組立部201の発生する磁力線と検出コイル61の関係について説明す
る。
【0078】
図9は電磁誘導検出部6を構成する検出コイル61による検出位置を説明する説明図で
ある。
【0079】
図9において、鋼板物100の他面側に配置される検出コイル61は、鋼板物100の
一面側に配置した先端磁石組立部201を回転の中心線L1上において、先端磁石組立部
201からの磁力線が当該検出コイル61のコイル面に平行になるので、最も感度が低下
することになる。
【0080】
図10は位置計測システム1の配置を説明する説明図である。
【0081】
図10において、X軸は、鋼板物100の他面側におけるモータ42の回転軸43の延
長線(中心線L1)からの水平方向のずれを示し、Y軸は、鋼板物100の他面側におけ
るモータ42の回転軸43の延長線からの垂直方向のずれを示している。
【0082】
図11は検出コイル61に誘起された信号の検出結果と水平方向の位置の関係を示すグ
ラフである。
【0083】
図11において、X軸は、図10に示す検出コイル61の横方向の位置を示し、先端磁
石組立部201の回転の中心線L1上が0mmになっている。
【0084】
図12は検出コイル61に誘起された信号の検出結果と垂直方向の位置の関係を示すグ
ラフである。
【0085】
図12において、Y軸は、図10に示す検出コイル61の縦方向の位置を示し、先端磁
石組立部201の回転の中心線L1上が0mmになっている。図11及び図12において、
Z軸は、図1に示す出力検出部7において検出コイル61が出力する交流信号を増幅して
整流した電圧出力を示している。
【0086】
電磁誘導検出装置3で先端磁石組立部201からの磁束の検出を行う場合、図10に示
すように、電磁誘導検出部6を上下左右に動かすことで、検出コイル61を上下に動かす
ことになる。一方、先端磁石組立部201は、モータ42により回転することで、前方向
に楕円形の磁力線を回転させた磁束を発生させる。これにより、検出コイル61は、上下
左右の2軸方向の中心測定が可能になる。検出コイル61は、図11及び図12に示すよ
うに、先端磁石組立部201の回転の中心線L1(図1参照)上で著しく感度が低下する
ことにより、磁束パターンの中心部を精度よく測定することができる。
【0087】
図13は一対の永久磁石44、45の間隔D1について説明する説明図である。
【0088】
図13において、一対の永久磁石44、45の隙間D1はスペーサ446の厚みにより
決定する。
【0089】
図14は一対の永久磁石44、45の間隔を狭くした先端磁石組立部202及びその周
辺部の背面右斜め上側から見た斜視図である。
【0090】
一対の永久磁石44、45の隙間を短くする場合には、図14に示す一対の永久磁石4
4、45の間に薄いスペーサ447を挟み、スペーサ447に形成された前後方向の貫通
孔448に取付用回転軸445を挿通し、軸継手444とワッシャ463の間に一対の永
久磁石44、45を挟んだ状態で、ナット462が締めつける。これにより、一対の永久
磁石44、45及びスペーサ447が回転軸43に固定され、一対の永久磁石44、45
の間隔が狭い磁石ユニット202が組み立てられる。
【0091】
図15は一対の永久磁石44、45の間隔と磁力線の距離について説明する説明図であ
る。図16は一対の永久磁石44、45の間隔を変えた場合の検出コイル61に誘起され
た信号の検出結果と水平方向の位置の関係を示すグラフである。ここで、図16に示すグ
ラフにおいて、X軸は、図10に示す検出コイル61の横方向の位置を示し、Z軸は、図
1に示す出力検出部7において検出コイル61が出力する交流信号を増幅して整流した電
圧出力を示し、グラフ中の実線は一対の永久磁石44、45の間隔が広い先端磁石組立部
201に対応し、グラフ中の破線は一対の永久磁石44、45の間隔が狭い先端磁石組立
部202に対応している。
【0092】
図15に示すように、一対の永久磁石44、45の間隔が広い先端磁石組立部201の
S極の先端からN極の先端までの距離をD11とし、一対の永久磁石44、45の間隔が
狭い先端磁石組立部202のS極の先端からN極の先端までの距離をD12とすると、S
極の先端からN極の先端までの距離が短い先端磁石組立部202の方が磁力線の長さが短
く図16に示すように出力落ち込み部の幅が狭くなる。
【0093】
以下、位置計測システム1を用いて比較的大型の鋼板物の位置計測方法について説明す
る。
【0094】
位置計測システム1は、図1に示すように比較的大型の鋼板物100の一面側に回転磁
束発生装置2を配置し、鋼板物100の他面側に電磁誘導検出装置3を配置し、鋼板物1
00のX線発生装置を配置する予定の位置に磁束発生部4を配置する。この場合、磁束発
生部4は、上下左右を正確に合わせて配置する。次に、モータ駆動部5をオンし、先端磁
石組立部201にモータ駆動電流を流して、先端磁石組立部201を回転させ、先端磁石
組立部201からの磁束を回転させる。
【0095】
次に、電磁誘導検出装置3の電磁誘導検出部6を上下左右に動かすことで、先端磁石組
立部201の磁束の検出を行う。出力検出部7において検出コイル61が出力した交流信
号を増幅して整流した電圧出力の検出結果は、出力検出部7に設けられた液晶表示装置や
出力検出部7からの出力データをコンピューターの画面に表示することで確認できる。
【0096】
出力検出部7の検出結果が高い状態から急激に低下して出力の谷となる位置は、先端磁
石組立部201を回転させる回転軸43の延長線L1上にあり、この位置が撮影側のフィ
ルムを貼る位置の中心となる。
【0097】
位置計測システム1を用いて比較的小型の鋼板物の位置計測を行う場合には、図14に
示すように磁石44、45の間隔を狭くする。
【0098】
一対の永久磁石の幅を変更することで前記不感帯部の幅が狭くなるので、高い精度で測
定できる。
【0099】
このような構成及び動作を纏めて説明すると、位置計測システム1を用いた位置計測方
法では、モータ42の回転軸43に対して直交する方向に磁化方向を向けて当該回転軸4
3に一対の永久磁石44、45を取付け、モータ42の回転軸43を鋼板物100の板面
に対して直交する方向に向けて当該モータ42を当該鋼板物100の一面側に配置し、コ
イル面が鋼板物100の板面に対して平行に向いた検出コイル61を鋼板物100の他面
側に配置し、前記モータ42の回転軸43を回転させ、前記検出コイル61に誘起された
信号を測定することで前記一対の永久磁石44、45による回転磁束の不感帯部の位置を
検出する。
【0100】
一対の永久磁石44、45は、幅調整可能な隙間を介して一方のS極を他方のN極に対
向させるとともに、モータ42の回転軸43に対して直交する方向に磁化方向を向けて配
置している。
【0101】
かかる構成の図1乃至図16に示した位置計測システム1を用いた位置計測方法によれ
ば、前記モータ42の回転軸43を回転させることで一対の永久磁石44、45が回転し
、回転する一対の永久磁石44、45から発生する回転磁束は、前記モータ42の回転軸
43の中心線の延長線上に前記検出コイル61の不感帯部を形成するので、前記検出コイ
ル61の位置を変えながら当該検出コイル61に誘起された信号を測定することで特定の
位置を高精度で検出できる。これにより、鋼板物100に対応したX線を用いる放射線透
過法において、撮影側のフィルムを貼る位置を正確かつ確実に特定でき、作業効率を向上
させることができる。また、一対の永久磁石44、45の幅を変更することで前記不感帯
部の幅を変更することができ、鋼板物100の大きさや厚さに対応して効率的な位置検出
を行える。
【0102】
以下、本発明に係る位置計測方法の好適な第2の実施形態を位置計測システムを例に図
面を参照して説明する。図17は位置計測方法に用いられる電磁誘導検出装置8を示す一
面側から見た斜視図である。尚、第2の実施形態において、電磁誘導検出装置8以外の部
分は図1に示した第1の実施形態と同様である。
【0103】
図17において、電磁誘導検出装置8は、合成樹脂製の基板80の一面側に複数の検出
コイル81を縦7列、横7列で配置したものである。検出コイル81は、基板80を図1
に示した鋼板物100の壁面に対して平行に配置した状態でそのコイル面が図1に示した
回転軸43の延長線と直交する方向に向いている。
【0104】
図18は位置計測方法に用いられる電磁誘導検出装置8を示す他面側から見た斜視図で
ある。
【0105】
図18において、電磁誘導検出装置8の基板80の他面側には、複数の発光ダイオード
82が縦7列、横7列で配置したものである。複数の発光ダイオード82は、基板80に
形成された貫通孔を介してそれぞれ図17に示す検出コイル81と電気的に接続している

【0106】
以下、電磁誘導検出装置8を用いた位置測定方法について説明する。
【0107】
以下、位置計測システム1を用いた具体的な位置計測方法について説明する。
【0108】
作業者は、まず、図1に示す鋼板物100の一面側に回転磁束発生装置2の磁束発生部
4を配置し、鋼板物100の他面側に基板80の一面側を向け、基板80を図1に示した
鋼板物100の壁面に対して平行にした状態で電磁誘導検出装置8と配置する。
【0109】
次に、モータ駆動部5をオンし、モータ42にモータ駆動電流を流して、先端磁石組立
部201からの磁束を回転させる。
【0110】
この状態で、電磁誘導検出装置8の複数の発光ダイオード82の発光を確認し、回りの
発光ダイオードに比べて極端に暗い発光ダイオードの位置が先端磁石組立部201を回転
させる回転軸43の延長線上にあり、この位置が撮影側のフィルムを貼る位置となる。
【0111】
このような構成及び動作により、電磁誘導検出装置8を用いた位置測定方法では、前記
鋼板物100の他面側に配置される検出コイル保持部材としての基板80により前記検出
コイル81を平面上に複数並べて配置し、前記検出コイル81を平面上に複数並べて配置
し、これら複数の検出コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで前
記不感帯部の位置を検出するようになっている。
【0112】
図17及び図18に示した電磁誘導検出装置8を用いた位置測定方法によれば、複数の
検出コイル81のそれぞれに誘起された信号を個別に測定することで、短時間で特定の位
置を高精度で検出できる。
【0113】
尚、図1乃至図18に示した位置計測システムの第1及び第2の実施形態では、モータ
の回転軸に対して直交する方向に磁化方向を向けて配置した一対の永久磁石を当該モータ
の回転軸に取付ける構造を採用したが、モータの回転軸に対して直交する方向に磁化方向
を向けた1つの永久磁石を当該モータの回転軸に取付ける構造を採用してもよい。
【0114】
次に、本発明に係る位置計測装置の好適な実施形態(第3の実施形態)を図面を参照して説明する。この実施形態では、図1で示した位置計測システム1の回転磁束発生装置2を送信装置に応用し、電磁誘導検出装置3を受信装置に応用する。図19は、回転磁束発生装置2を応用した送信装置1000と電磁誘導検出装置3を応用した受信装置1001のブロック図である。図19では、送信装置1000と受信装置1001の鋼板100に対する配置も合わせて図示している。
【0115】
図19において、通信を行うためには、送信装置1000と、受信装置1001を用いる。送信装置1000は、第1実施形態で説明した回転磁束発生装置2に制御部1002とスイッチ1003を付加して構成される。受信装置1001は、第1実施形態で説明した電磁誘導検出装置3に制御部1004と表示部1005を付加して構成される。
【0116】
送信装置1000と受信装置1001を用いて検査員同士の連絡、すなわち通信を行うためには、鋼板100に対して、左側(符号A)に送信装置1000を配置し、鋼板に対して右側(符号B)に受信装置1001を配置する。そして、左側の送信装置1000のスイッチ1003をオンにすることで回転磁束発生装置2から信号(回転磁束)を送り、鋼板100を通して、右側の受信装置1001の電磁誘導検出装置3で回転磁束による信号が受信される。それにより、受信装置1001側は、送信装置1000側から信号が送られたことを知ることができる。
【0117】
送信装置1000を構成する回転磁束発生装置2と、受信装置1001を構成する電磁誘導検出装置3は、図1で説明したとおりであるので説明を省略する。ここでは、図20を用いて、送信装置1000を構成する制御部1002とスイッチ1003を説明し、図21を用いて、受信装置1001を構成する制御部1004と表示部1005を説明する。
【0118】
図20は、制御部1002のブロック図である。制御部1002は、マイクロコンピュータ1006を備えている。マイクロコンピュータ1006は、図示しない記憶部に3つのスイッチSW1,SW2,SW3のそれぞれに対して異なる回転数を発生するための回転数パターン発生プログラムとその回転数パターンパターン発生プログラムによって決定した回転数でモータを回転するための回転数制御プログラムを備えている。マイクロコンピュータ1006は、上記それぞれのプログラムにより、それぞれの機能を実行する装置としてみなすことができるので、図20では、マイクロコンピュータ1006に回転数パターン発生プログラムによって機能される回転数パターン部1007と、回転数制御プログラムによって機能される回転数制御部2008を有しているとして示している。
【0119】
また、送信装置1000では、例えば、スイッチSW1に対して、60Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとし、スイッチSW2に対して、75Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとし、スイッチSW3に対して、90Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとするように設定しておく。
【0120】
図21は、受信装置1001の制御部1004のブロック図である。制御部1004は、マイクロコンピュータ1010と波形整形部1011と増幅回路1012を備えている。マイクロコンピュータ1010は、図示しない記憶部に、波形整形部1004から出力されるパルス波の周波数を計数する周波数カウンタプログラムと、その周波数カウンタプログラムによって決定された周波数から、複数のLED1013,1014,1015から対応するLEDを点灯させるための判定プログラムを記憶している。マイクロコンピュータ1010は、上記それぞれのプログラムにより、それぞれの機能を実行する装置としてみなすことができるので、図21では、マイクロコンピュータ1010に周波数カウンタプログラムによって機能される周波数カウンタ部1022と判定プログラムによって機能される判定部1023を有しているとして示している。
【0121】
また、表示器として、例えば、3つのLED1013,1014,1015を設け、電磁誘導検出装置3が60Hzの信号を受信したときは、LED1013が点灯し、受信部が75Hzの信号を受信したときは、LED1014が点灯し、受信部が90Hzの信号を受信したときは、LED1015が点灯するように設定しておく。
【0122】
次に、送信装置1000と受信装置1001を用いての通信方法について図19〜図22を参照して説明する。
【0123】
使用者がスイッチSW1をオンすると、回転数パターン部1007は、60Hzの周波数の回転磁束を発生するようにモータ42を回転するように回転数制御部1008に指令を送る。回転数制御部1008は、その指令を受けてモータ42を60Hzの回転磁束を発生するように回転させる。
【0124】
そのとき、受信装置1001では、鋼板100の反対側で、送信装置1000から送られた回転磁束(図22の符号D)によって電磁誘導検出装置3のコイル61に60Hzの交流電流である誘導電流が発生し、その電流信号は、増幅回路1012で増幅され、波形整形回路1011に送られる。波形整形回路1011では、増幅された交流電流を、その交流電流と同じ周波数のパルス波に波形整形を行い、周波数カウンタ1022に送る。周波数カウンタ1022で計数された周波数は、判定部1023に送られ、60Hzに対応するLED1013を点灯する。また、同様にして、使用者が送信装置1000のスイッチSW2をオンしたときは、受信装置1001側では、LED1014が点灯し、送信装置1000のスイッチSW3をオンしたときは、受信装置1001側では、LED1015が点灯する。このように3つのスイッチによって、3種類の合図を送ることができる。例えば、スイッチSW1による60Hzの信号は、位置決め用の信号の送信、スイッチSW2による75Hzの信号は、X線を照射する準備ができたことを知らせる信号、スイッチSW3による90Hzの信号は、X線照射中の合図を示す信号として予め決めておく。そのように予め決めておくことで、受信装置1001側では、それぞれのLEDの点灯により、送信装置1000側での作業を把握することができる。
【0125】
なお、本実施形態では、送信装置1000のスイッチを3つ設け、それらに対応する受信装置1001のLEDを3つ設けるようにしたが、それに限らず、より多くのスイッチとそれらに対応するLEDを設けることもできる。
また、本実施形態では、受信装置1001として、図1に示したコイルが1つの電磁誘導検出装置3を用いた例を示したが、それに限らず、第2実施形態の図17と図18で説明したような複数の検出コイルを用いた電磁誘導検出装置8を用いて受信装置とすることができる。
【0126】
次に、本発明に係る位置計測装置の好適な実施形態(第4の実施形態)を図面を参照して説明する。図23は、本発明の第4の実施形態に係る位置計測装置2000、2100のブロック図である。第4の実施形態では、第3の実施形態で説明した送信装置1000と受信装置1001を組み合わせ1つの位置計測装置2000と位置計測装置2100としたものである。図23では、位置計測装置2000,2100の鋼板100に対する配置も合わせて図示している。
【0127】
図23において、位置計測装置2000は、送信部2001と、受信部2002と、制御装置2003と、スイッチ2004と、表示部2005から構成される。位置計測装置2100は、送信部2101と、受信部2102と、制御装置2103と、スイッチ2104と、表示部2105から構成される。位置計測装置2100の送信部2101のケース2106内での位置は、位置計測装置2000の受信部2002のケース2006内の位置に配置されており、位置計測装置2100の受信部2102のケース2106内での位置は、位置計測装置2000の送信部2001のケース2006内での位置に配置されている。送信部2001と送信部2101は、ケース内での配置は異なるがそれぞれ同一の部品構成をしている。受信部2002と受信部2102もケース内での配置は異なるがそれぞれ同一の部品構成をしている。これらの位置計測装置2000と位置計測装置2100は、ペアで用い、鋼板物100の溶接部の金属疲労、クラックや溶接不良を放射線透過法によって探査するにあたり、撮影側のフィルムの位置決めを行い、検査員同士の連絡をとるためのものである。
【0128】
位置計測装置2000,2100を用いて検査員同士の連絡、すなわち通信を行うためには、鋼板100に対して、左側(符号A)に位置計測装置2000を配置し、鋼板に対して右側(符号B)に位置計測装置2100を配置する。そして、スイッチ2004をオンにすることで送信部2001から信号(回転磁束)を送り、鋼板100を通して、位置計測装置2100の受信部2102で回転磁束による信号が受信され、第1実施形態で説明したように、不感帯部、すなわち、送信部2001を構成するモータの回転軸の中心部分を探る。中心部分に受信部2102が一致したとき、検査員は、スイッチ2104をオンにし、位置計測装置2100の送信部2101から信号(回転磁束)を送る。その回転磁束による信号を鋼板100に対して左側(符号A)の位置計測装置2000の受信部2002によって回転磁束による信号が受信され、表示部2005のLEDが点灯する。それによって、位置決めができたことを通信装置2000を使用している検査員は認識することができる。
【0129】
次に、図24によって位置計測装置2000の構造を説明する。位置計測装置2100は、送信部2101と受信部2102のケース2106内での配置が位置計測装置2000の送信部2001と受信部2002のケース2006内での配置と異なるなるだけであり、それ以外は、位置計測装置2000と同一であるので、位置計測装置2000に対して説明し、位置計測装置2100の説明を省略する。
【0130】
図24に示すように、位置計測装置2000の送信部2001は、モータ1043とモータ1042の回転軸1043に固定された磁石1044,1045からなっている。送信部2001は、制御装置2003によって特定の回転数の回転磁束を発生する。また、位置計測装置2000の受信部2002は、コイル1046からなっている。受信部2002は、回転磁束を受けることで交流電流が誘導される。
【0131】
図25は、制御装置2003のブロック図である。制御装置2003は、マイクロコンピュータ2010と波形整形部2011と増幅回路2012整流回路2017を備えている。マイクロコンピュータ2010は、図示しない記憶部に3つのスイッチSW1,SW2,SW3のそれぞれに対して異なる回転数を発生するための回転数パターン発生プログラムとその回転数パターンパターン発生プログラムによって決定した回転数でモータを回転するための回転数制御プログラムを備えている。また、マイクロコンピュータ2010は、図示しない記憶部に、波形整形部2011から出力されるパルス波の周波数を計数する周波数カウンタプログラムと、その周波数カウンタプログラムによって決定された周波数から、複数のLED2013,2014,2015から対応するLEDを点灯させるための判定プログラムを記憶している。また、判定プログラムは、整流回路2017から出力される直流電流の大きさが一定の値から変動したときにLED2016を点灯させる機能も有している。マイクロコンピュータ2010は、上記それぞれのプログラムにより、それぞれの機能を実行する装置としてみなすことができるので、図25では、マイクロコンピュータ2010に回転数パターン発生プログラムによって機能される回転数パターン部2020と、回転数制御プログラムによって機能される回転数制御部2021と周波数カウンタプログラムによって機能される周波数カウンタ部2022と判定プログラムによって機能される判定部2023を有しているとして示している。
【0132】
また、位置計測装置2000では、例えば、スイッチSW1に対して、60Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとし、スイッチSW2に対して、75Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとし、スイッチSW3に対して、90Hzの周波数の回転磁束を発生するためのスイッチとするように設定しておく。
また、表示器として、4つのLED2013,2014,2015,2016を設け、受信部が60Hzの信号を受信したときは、LED2013が点灯し、受信部が75Hzの信号を受信したときは、LED2014が点灯し、受信部が90Hzの信号を受信したときは、LED2015が点灯するように設定しておく。また、整流回路2017からの直流電流の値が一定値から変動したときにLED2016が点灯するようにしておく。
【0133】
次に、位置計測装置2000と位置計測装置2100を用いての比較的大型の鋼板物の位置計測方法について図23〜図26を参照して説明する。
【0134】
使用者がスイッチSW1をオンすると、回転数パターン部2020は、60Hzの周波数の回転磁束を発生するようにモータ1042を回転するように回転数制御部2021に指令を送る。回転数制御部2021は、その指令を受けてモータ1042を60Hzの回転磁束を発生するように回転させる。そのとき、発生した回転磁束は、図26の符号Cで示すように、位置計測装置2000の受信部2002のコイル1046にも60Hzの交流電流からなる誘導電流を発生させる。その電流信号は、増幅回路2012で増幅され、波形整形回路2011に送られる。波形整形回路2011では、増幅された交流電流を、その交流電流と同じ周波数のパルス波に波形整形を、周波数カウンタ2022に送る。周波数カウンタ2022で計数された周波数は、判定部2023に送られ、60Hzに対応するLED2013を点灯する。また、周波数カウンタ2022は、その60Hzのパルス波を回転数制御部2021にフィードバックする。回転数制御部2021は、それにより、安定したモータの回転をさせることができる。また、増幅回路2012で増幅された交流電流は、整流回路2017によって整流され、その直流電流の値は、判定部2023に送られる。このときは、整流回路2017から出力される直流電流は一定の値を有している。
【0135】
一方、位置計測装置2100では、鋼板100の反対側で、位置計測装置2000から送られた回転磁束(図26の符号D)によって受信部のコイル2146に60Hzの交流電流である誘導電流が発生し、その電流信号は、増幅回路2012で増幅され、波形整形回路2011に送られる。ここでは、位置計測装置2100の制御装置2103の構成要素は、位置計測装置2000の制御装置2003の構成要素と同一であるので、図25での制御装置2003の構成要素の符号と同一の符号で説明する。波形整形回路2011では、増幅された交流電流を、その交流電流と同じ周波数のパルス波に波形整形を行い、周波数カウンタ2022に送る。周波数カウンタ2022で計数された周波数を、判定部2023は、判定し、60Hzに対応するLED2013を点灯する。そして、使用者は、位置計測装置2100の図示しない液晶表示部等でモータの回転中心である不感帯を探り当てたならば、位置計測装置2100のスイッチSW3をオンする。それにより、位置計測装置2100の送信部2102から90Hzの周波数の回転磁束が発生する(図26の符号E)。その回転磁束は、鋼板100の反対側の位置計測装置2000の受信部2002のコイル1046に90Hzの誘導電流を発生させる。それにより、増幅回路2012によって増幅された交流電流には、60Hzの他に90Hzの交流電流が含まれている。波形整形回路2011でパルス波に整形され周波数カウンタ2022に送られる。また、増幅回路2012によって増幅された交流電流は、整流回路2017で整流され、直流電流が判定部2023に入力される。このとき、60Hzの交流電流の他に、通信装置2100から送られた90Hzの信号も含まれるようになるので、整流回路2017から出力される電流は、一定値から変動して増加する。判定部2023は、整流回路2017からの直流電流の変動によってLED2016が点灯する。これにより、鋼板の反対側で位置決めが終わったことを認識することができる。そして、使用者は、60Hzの回転を停止し、それにより、90Hzの回転のみが受信され、LED2015が点灯し、確実に位置計測装置2100からの信号を受けることができる。
【0136】
なお、鋼板を挟んだ通信では、鉄板を磁化することにより、信号を伝えている為、互いに発振すると、磁化状況が変化してしまい、正しい回転数パルスが送れなくなってしまうため、本実施形態では、整流回路2017からの直流電流の変動を検知を知らせるLED2016を設けたが、整流回路2017を設けずに、互いに送受信を確認しながら、混合しないように制御するようにしてもよい。
【0137】
すなわち、図27で示すように、検査員が確認したら、位置計測装置2100を用いて、例えば90Hzで最初の発振は数秒の間発振し(図27の符号F)、符号Gで示す間、待機し、符号Hで示す間、発振するというように間隔を設けて発振する。待機中に相手からの信号を得れば、信号パルスを受信したことをLEDの点灯により確認した後、検査員は、相手の信号が待機状態になるのを待ち、再度発振することにより、交互に送受信を行うようにする。
【0138】
最初に信号を受けた側は、相手からの信号パルスを確認後表示し、こちらから返答するときは、相手が待機状態になったのを、受信センサで確認し、発振をおこなうものである。
互いが送受信モードに入ったら、相手の信号が待機状態になったのを確認し、発振することにより、互いの信号が混合しないように制御しながら送受信を行うものである。この場合には、位置計測装置2000と位置計測装置2100ともどちらも同じ周波数、例えば、両方のコイル1046,1146に60Hzの交流電流が発生するように送信部を駆動して信号のやり取りをすることが可能となる。
【0139】
なお、表示器については、本実施形態ではLEDを使用しているが、ブザーや液晶をつけることにより、音やコメントの表示をすることもできる。
【0140】
また、本実施形態では、受信部として、図24に示したコイルが1つの受信部を用いた例を示したが、それに限らず、第2実施形態で説明したような複数の検出コイルを用いた電磁誘導検出装置8を受信部として用いることができる。
【0141】
さらに、本実施形態では、鋼板物の一面側と他面側での位置決めに本発明に係る位置計測装置を用いることを例として説明したが、鋼板物に限らず、コンクリートや木材、アルミニウム板、デッキプレート等の他の物体の一面側と他面側での位置決めにも本発明に係る位置計測装置を用いることができる。
【0142】
以上の実施形態で説明された構成、配置関係等については本発明が理解・実施できる程度に概略的にしたものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【符号の説明】
【0143】
1…位置計測システム、2…回転磁束発生装置、3…電磁誘導検出装置、
4…磁束発生部、5…モータ駆動部、6…電磁誘導検出部、
7…出力検出部、8…電磁誘導検出装置、40…ケース、
41…磁石回転ユニット、42…モータ、43…回転軸、
44、45…永久磁石、46…貫通孔、47、48…導線、
51…コード、60…検出コイルケース、61…検出コイル、
62…ボビン、66…貫通孔、71…コード、72、73…導線、
80…基板、81…検出コイル、82…発光ダイオード、
100…鋼板物、201、202…先端磁石組立部、
401…ケース本体、402…ケース蓋体、410…平面部、
411、412、413、414…壁部、421…ネジ、
431、432…目印線、441…ベース板、442、443…取付金具、
444…軸継手、445…取付用回転軸、446、447…スペーサ、
451、452、453、454、455、456、457…ネジ、
461、462…ナット、463…ワッシャ、491…ネジ、
471…ネジ挿入孔、472、473…軸挿入穴、474…雄ネジ部、
475…貫通孔、476、477…ネジ孔、478、479…貫通孔、
481、482…凹部、601…ケース本体、602…ケース蓋体、
610…平面部、611、612、613、614…壁部、
615…台座部、621…ネジ、631、632…目印線
2000…位置計測装置、2100…位置計測装置、2001…送信部、
2101…送信部、2002…受信部、2102…受信部、
2003…制御装置、2103…制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸に対して直交する方向に磁化方向を向けて当該回転軸に永久磁石を取付
け、
前記モータの回転軸を鋼板物の板面に対して直交する方向に向けて当該モータを当該鋼
板物の一面側に配置し、
コイル面が前記鋼板物に対して平行に向いた検出コイルを鋼板物の他面側に配置し、
前記モータの回転軸を回転させ、前記検出コイルに誘起された信号を測定することで前
記永久磁石による回転磁束の不感帯部の位置を検出することを特徴とする位置計測方法。
【請求項2】
幅調整可能な隙間を介して一方のS極を他方のN極に対向させるとともに、モータの回
転軸に対して直交する方向に磁化方向を向けて配置した一対の永久磁石を当該モータの回
転軸に取付け、
前記モータの回転軸を鋼板物の板面に対して直交する方向に向けて当該モータを当該鋼
板物の一面側に配置し、
コイル面が前記鋼板物に対して平行に向いた検出コイルを鋼板物の他面側に配置し、
前記モータの回転軸を回転させ、前記検出コイルに誘起された信号を測定することで前
記一対の永久磁石による回転磁束の不感帯部の位置を検出することを特徴とする位置計測
方法。
【請求項3】
前記検出コイルを複数用意し、前記鋼板物の他面側に配置される検出コイル保持部材に
より前記検出コイルを平面上に複数並べて配置し、これら複数の検出コイルのそれぞれに
誘起された信号を個別に測定することで前記不感帯部の位置を検出することを特徴とする
請求項1または2に記載の位置計測方法。
【請求項4】
鋼板物の一面側に配置される回転磁束発生手段と、
前記鋼板物の他面側に配置される電磁誘導検出手段と、を備え、
前記回転磁束発生手段は、モータと該モータの回転軸に固定された磁石を有する磁束発生手段と、
前記モータにモータ駆動電流を流すモータ駆動手段を有し、
前記電磁誘導検出手段は、コイルを有する電磁誘導検出部と、該電磁誘導検出部からの出力を検出する出力検出部を有することを特徴とする位置計測装置。
【請求項5】
モータと該モータの回転軸に固定された磁石を有する送信手段と、
コイルを有する受信手段と、
前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と
前記コイルに誘導される交流電流の周波数を計数する周波数計数手段を備えた制御手段と、
特定の周波数の交流電流が前記コイルに誘導されたときを知らせる表示手段と、を備えることを特徴とする位置計測装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記モータの回転による回転磁束から前記コイルに生じる電磁誘導により発生する交流電流に基づく信号をフィードバックして前記モータの回転を制御することを特徴とする請求項5記載の位置計測装置。
【請求項7】
前記表示手段は、少なくとも1つのLEDからなり、前記周波数計数手段によって計数した周波数に応じて、異なる前記LEDを点灯させることを特徴とする請求項5または6記載の位置計測装置。
【請求項8】
前記制御手段は、波形整形手段を備え、前記波形整形手段は、前記コイルによって検出された交流電流からパルス波形に整形し、
前記周波数計数手段は、前記波形整形手段によって出力される前記パルス波形から、前記交流電流の周波数を計数することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の位置計測装置。
【請求項9】
モータと該モータの回転軸に固定された磁石からなる送信手段の、前記モータにモータ駆動電流を流し、前記モータの回転数を制御して特定の回転磁束を発生させて信号を送信するステップと、
前記送信された回転磁束によって電磁誘導されたコイルに発生する交流電流を検出するステップと、
検出された前記交流電流の周波数を計数するステップと、
計数した周波数に応じて検出したことを表示するステップと、
を有することを特徴とする位置計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−210566(P2009−210566A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17895(P2009−17895)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(591248577)東京理学検査株式会社 (5)
【Fターム(参考)】