説明

位置認識混合現実感ゲームプラットフォーム

【課題】ユーザの現実の環境に応じたゲーム内環境を提供する。
【解決手段】システムは、ユーザの周囲のレイアウトを求める。このシステムは、ユーザの位置及び/又は近くの物体104〜110を検出する。次に、このシステムは、求めたレイアウトに対して仮想的なコンテンツを関連づけるとともに、ゲームのルールの集合をその仮想的なコンテンツに関連づける。そして、このシステムは、ゲームのルールとコンテンツとに基づいて、視覚的及び聴覚的なゲーム表現をユーザに対して生成し、これによりユーザが自分の周囲の環境と自分の位置とに対応したゲームをプレイすることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステムに関し、特に、仮想的なコンテンツをユーザの環境にオーバーレイ(重畳)できる位置認識型の、混合現実感ゲームプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
センシング技術の進歩により、ユーザはかつてない対話型のゲーム体験を経験することができるようになっている。例えば、加速度センサを備えた無線ゲームコントローラは、当該コントローラの動きを検出し、ゲーム内の物体の正確な制御を可能にしている。さらには、そのようなコントローラにより、ユーザは三次元空間内を自由に移動することができ、はるかに直観的なゲーム体験を得ることができる。
【0003】
しかし、現在のゲームコンソールは、ユーザがディスプレイの前方にいることを要求する。最新の三次元動き検出技術を用いたとしても、ユーザの動きはゲームコンソールの近くの限られた空間に制限される。また、動き検出は、ユーザの手の中にあるコントローラの動きに限定されており、ゲーム内の登場人物、武器、道具のような物体の動きを制御することにしか利用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲーム内の世界の視覚的又は聴覚的な表現を、現実世界でのプレイヤーの周囲の状況に応じたものとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、位置認識型の混合現実感ゲームプラットフォームのためのシステムが提供される。動作中、このシステムは、ユーザの周囲のレイアウトを求める。このシステムは、ユーザの位置及び/又は近くの物体(オブジェクト)を検出する。次に、このシステムは、求めたレイアウトに対して仮想的なコンテンツを関連づけるとともに、ゲームのルールの集合をその仮想的なコンテンツに関連づける。そして、このシステムは、ゲームのルールとコンテンツとに基づいて、視覚的及び聴覚的なゲーム表現をユーザに対して生成し、これによりユーザが自分の周囲の環境と自分の位置とに対応したゲームをプレイすることを可能にする。
【0006】
この態様の1つの変形例では、ユーザの周囲のレイアウトを求める処理において、無線信号に基づく三角法により部屋の寸法を計算する。
【0007】
さらなる変形例では、ユーザの周囲のレイアウトを求める処理において、無線信号に基づき参照点を求める。
【0008】
この態様の1つの変形例では、近くの物体を検出する処理において、物体に付けられたRFID(Radio-frequency Identification)タグからRFID信号を検出し、当該システムの現在の位置とそのRFID信号とに基づき物体の位置を推定する。
【0009】
この態様の1つの変形例では、仮想的なコンテンツには、人、事象、物体、場所のうちの少なくとも1つが含まれる。仮想的なコンテンツには、更に、視覚的情報、聴覚的情報、又はテキスト情報を有するデジタルレコード(記録)が含まれてもよい。
【0010】
この態様の1つの変形例では、ユーザは、当該システムにより、仮想的なコンテンツを見直したり、編集したり、増やしたりすることができる。
【0011】
この態様の1つの変形例では、ユーザは、当該システムにより、ゲームのルールを見直したり、編集したり、増やしたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームプラットフォームを可能にする携帯型のゲームシステムの例を示す図である。
【図2】本発明の1つの実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームプラットフォームを構成するための処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の1つの実施形態に関連して、ユーザが居る部屋のレイアウトを求める処理の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の1つの実施形態に関連して、部屋の中でのユーザの位置を求める処理の例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の1つの実施形態に関連して、部屋の中での物体の位置を求める処理の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の1つの実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームプラットアーキテクチャを適用する処理の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の1つの実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームプラットフォームを可能にするコンピュータシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態によれば、位置認識型の、混合現実感ゲームプラットフォームを可能とするゲームシステムが提供される。このシステムは、ユーザの家庭のレイアウトを検出し、ユーザや物体の部屋の中での位置を検出し、そのレイアウトに対して仮想コンテンツを付加することができる。ある実施形態では、このゲームプラットフォームはハンドヘルド(手持ち型)装置上で実行され、ユーザが自分の周囲環境の実際の現実感(リアリティ)に対応する代替的な現実感の中でゲームを行うことができるようにする。結果として、ユーザは、より迫真的、対話(相互作用)的、直観的なゲームプレイ楽しむことができる。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に関連して、位置認識型混合現実感ゲームプラットフォームを可能とする携帯型のゲームシステムの例を示す。この例では、ユーザはハンドヘルドゲーム装置100を部屋102に持ち込む。部屋102の内部には、テーブル104、椅子108、カウチ106、テレビ110などの数多くの物体がある。ユーザがハンドヘルドゲーム装置100を部屋102に持ち込むと、ハンドヘルドゲーム装置100は部屋102のレイアウトとそれら物体の位置とを検出することができる。ハンドヘルドゲーム装置100は、それら物体のうちの少なくとも一部のものに対し、その部屋のレイアウトに応じて、一組の仮想コンテンツを付加する。
【0015】
図1に示したように、ハンドヘルド装置100は、部屋102のレイアウトに対し、一組の「エジプトの宝探し」コンテンツを付加する。例えば、ハンドヘルド装置100上に表示されているように、カウチ106は宝箱に対応し、テレビ110はミステリアスな胸像に対応し、テーブル104と椅子108とはスフィンクス像に対応する。ハンドヘルド装置100上のゲームプラットフォームは、この代替的な現実感に対し、一組のゲームルールを適用する。この代替的な現実感の中で、ユーザはエジプトの宝探しゲームをプレイすることができる。ここで、ユーザが部屋102内を動き回ると、これに応じてハンドヘルド装置100上に表示される代替的な現実感が変化する。ある実施形態では、ゲームにおいてユーザは、現実の物体と相互作用することで、ハンドヘルド装置100に表示されたその物体に対応するアイテムと相互作用することができる。例えば、ユーザは、カウチ106に十分に近づくことで、ゲーム内の宝箱を開けることができる。このようにして、ユーザはゲームを実際の周囲環境と容易に対応づけることができる。
【0016】
どのようなゲームでも、ユーザの周囲環境にオーバーレイ(重ね合わせ)された代替の現実感に関連づけることができることに留意されたい。例えば、このようなゲームには、例えば、犯罪現場捜査、ジュラ紀の恐竜狩り、エジプト建築ゲームなどが含まれる。さらには、ゲームが異なれば、異なる仮想コンテンツがユーザの家に対して対応づけられるようにしてもよい。例えば、犯罪現場捜査ゲームでは、ユーザの家に対し、18世紀の邸宅がオーバーレイされる。更に、本システムにより検出される実際の位置は、必ずしもユーザの家の中になくてもよい。そのような位置は、庭、クラブ、学校、モールなどといった他の環境の中にあってもよい。
【0017】
1つの実施形態では、ハンドヘルド装置100は、3D加速度計などの動き検出メカニズムと、無線通信装置を備えている。ユーザの位置や物体の検出を容易にするために、ハンドヘルド装置100が更に、家庭環境にある微小無線センサ(wireless sensor mote)、RFIDタグ、ウェブカメラなどの様々なセンサにより支援されてもよい。
【0018】
一般性をなくすことなく、このシステムは、(1)ユーザの家の物理的なレイアウト及び空間中の物体に関する情報を収集することができ、(2)物理的な位置や物体に仮想コンテンツを付することができ、(3)その仮想コンテンツと関連づけてゲームアーキテクチャを提供することができ、(4)ユーザが物理的な位置や物体に関連づけて仮想コンテンツやゲームのルールを閲覧したり、編集したり、追加したりするためのオーサリングツールを提供することができる。次節ではこれらの操作について詳細に説明する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態と関連して、位置認識型の混合現実感ゲームを構成する処理の例を示すフローチャートである。この処理の中で、システムはまずユーザの周囲環境のレイアウトを求める(処理202)。システムは更にその環境にある物体とユーザの一を検出する(処理204)。
【0020】
次に、システムは一組の仮想コンテンツの生成し(処理206)、その仮想コンテンツをユーザの環境のレイアウトに関連づける(処理208)。そして、システムは一組のゲームのルールをその仮想コンテンツに適用する(処理210)。それからシステムはゲームを開始する(処理212)。図3〜図6に関する説明により、これらの処理のさらなる詳細を説明する。
【0021】
図3は、本発明の実施形態に関連して、ユーザが居る部屋のレイアウトを求める処理の一例を示すフローチャートである。大略的にいえば、このシステムで部屋のレイアウトを求めるのに、様々な位置検出技術を用いることができる。このような技術には、例えば、Zigbee(商標)、WiFi(商標)、Bluetooth(商標)、Ultra−Wideband(UWB:超広帯域無線)ベースの通信技術などが含まれる。1つの例では、部屋に数多くの無線送信機を備え付け、それら無線通信機が、ハンドヘルド装置100などの受信機が参照点を見つけるためのビーコンとして機能する。個々の部屋にビーコン送信機を設ける必要は必ずしもないことに留意されたい。無線通信が部屋の壁を透過する範囲で、複数の部屋を1つの無線ビーコン送信機でカバーすることもできる。いくつかの実施例では、三角法のために、ユーザの家に2個又はそれ以上の無線ビーコン送信機が設けられる。
【0022】
図3に示されるように、処理の中で、システムはまず少なくとも1つの無線ビーコン信号を受信する(処理302)。次にシステムは、その無線ビーコン信号に基づき参照点を確立する(処理304)。そして、ユーザが、ハンドヘルド装置100を用いて部屋の壁や縁(へり)をなぞる(処理306)。1つの例では、ユーザは壁や縁をなぞる間ハンドヘルド装置100のボタンを押しっぱなしにし、壁や縁の終点に到達するとボタンをはなす。ハンドヘルド装置内の加速度計は、ユーザがなぞる動作の方向及び距離を検出することができる。更なる例では、システムはユーザに出入り口を示してもらい、部屋同士の接続関係をシステムに記憶するようにしてもよい。
【0023】
次に、システムは加速度計の測定結果を取得する(処理308)。参照点と加速度計の測定結果とに基づき、システムは部屋のレイアウトを求めて記憶する(処理310)。このレイアウト判定処理は、本システムを構成する方法の一例に過ぎないことを理解されたい。赤外線、音声信号、レーザ信号などに基づく他の技術を用いてももちろんよい。
【0024】
図4は、本発明の実施形態に関連して、部屋の中のユーザの一を求める処理の一例を示すフローチャートである。1つの例では、部屋のレイアウトの計算に用いられたのと同じビーコン送信機を、ユーザの位置の検出に用いることができる。処理の中で、システムは無線ビーコン信号を受信する(処理402)。次にシステムは、受信したビーコン信号に基づき三角法の計算を実行する(処理404)。次にシステムは、参照点に対するユーザの位置を求める(処理406)。ここで、参照点は、例えば、部屋のレイアウトの計算の処理の間に求められる。求めたユーザの位置とすでに記憶されているレイアウト情報とに基づき、システムは、ユーザがどの部屋に居るかを求め(処理408)、その部屋の中でのユーザの位置を求める(処理410)。1つの例では、システムが求めたユーザの位置に誤りがあれば、システムにより表示された代替的な現実感のなかでユーザが正しい位置を示すことで、その誤りを手動で補正できるようにしてもよい。
【0025】
1つの例では、システムは、例えばRFIDタグを用いて、部屋の中の物体の位置を検出することもできる。ユーザは、テレビなどの物体にRFIDタグを付けることができ、ハンドヘルド装置を用いて、RFIDタグから返されるRFID信号を検出することによりその物体の位置を検出する。
【0026】
図5は、本発明の実施形態に関連して、部屋の中の物体の位置を求める処理の例を示すフローチャートである。処理の中で、ユーザはまずRFIDタグを物体に付ける(処理502)。次にシステムはRFID信号を検出し、その信号に対応する物体の参照点に対する位置を求める(処理504)。ここで、様々なRFID位置測定技術を用いることができることに留意されたい。1つの例では、システムは1つの受信機を有し、短距離RFID信号の強度を用いてハンドヘルド装置の近傍にある物体を識別する。さらなる実施形態では、システムは2つの指向性アンテナを備え、それら2つのアンテナにより測定された信号強度に基づきRFIDタグの位置を検出することができる。もちろん、受動的又は能動的なRFIDタグに基づく他の位置測定技術を用いてもよい。
【0027】
物体の位置が求められると、すでに格納されている部屋のレイアウト情報に基づき、システムはその物体がどの部屋に存在するのかを判定し(処理506)、部屋の中での物体の位置を判定する(処理508)。1つの実施形態では、ユーザが物体にタグをつけなくても、システムは、位置の近さから静的な物体を検出することができることに留意されたい。
【0028】
部屋のレイアウトとオブジェクトの位置を判定した後、システムは、一組の仮想コンテンツをそれら物理的な位置と物体とに付加する。仮想コンテンツは、実際の現実感(リアリティ)にオーバーレイされる代替的な現実感を表現することができる。1つの実施形態では、仮想コンテンツは、人々や場所、物体などの様々なアイテムを含むことができる。概略的には、仮想コンテンツは、ゲーム内に存在可能などのような情報をも含み得る。仮想コンテンツは様々なデジタルレコード(記録)を含み得る。これらのレコードは、静的なグラフィカル画像やアニメーション、ビデオクリップなどの視覚的情報、長い環境音声トラックや短い録音されたサウンドクリップ及びサウンド効果などの音声情報、長いテキストや短い注釈などのテキスト情報、などを担持し得る。
【0029】
システムは、物理的な部屋及び物体のレイアウトに対して様々な方法で仮想コンテンツをオーバーレイすることができる。1つの実施形態では、システムは特定の部屋に対して代替的な現実感を割り当てることができる。例えば、システムはキッチンを科学捜査研究室として指定することができる。システムは、静的な物体を特定の部屋に割り当てることができる。例えば、システムは、キッチンの北西の角を遠心分離器の場所に割り当てることができる。更なる実施形態では、システムは、家の中にある他のメディア装置を介して、グラフィカルコンテンツを表示したり、音声コンテンツを放送したりすることができる。例えば、ユーザがテレビに近づくと、テレビはゲームに関連するビデオクリップを表示するようにしてもよい。
【0030】
更なる実施形態では、システムは、物体に対してRFIDタグを付けるようにユーザに要求し、ハンドヘルド装置でそのRFIDタグをスキャンすることにより、物理的な物体に代替的な意味を割り当てることができ、これによりRFIDコードが代替的な現実(リアリティ)の中にある仮想物体に関連づけられるようにすることができる。したがって、ハンドヘルド装置は、ゲーム中にRFIDコードを検出すると、そのRFIDコードに関連づけられた仮想オブジェクトを検索することができる。
【0031】
1つの実施形態では、システムは、ライブラリからテーマをランダムに選択し、あるいはユーザにライブラリからテーマを選択するように要求し、選択されたテーマに関連づけられた仮想コンテンツをユーザの家に自動的にオーバーレイする。例えば、ユーザが「犯罪現場」テーマを選択すれば、システムはこのテーマに関連するコンテンツをユーザの家に付加する。
【0032】
更なる実施形態では、システムは、ユーザが代替的な現実感のテーマを選択できるようにし、ユーザが個々の位置や物体に個々の仮想コンテンツを手動で割り当てられるようにすることができる。
【0033】
ユーザの家に仮想コンテンツを付けた後、システムはその仮想コンテンツを取り巻くゲームアーキテクチャを提供する。1つの実施形態では、システムは仮想コンテンツに対して異なる複数のゲームルールを適用するために予め定めた複数のテンプレートを用いる。それらゲームルールを適用して、(1)知覚されるゲーム終了状態すなわちゲームのゴールがあり、(2)ユーザが仮想の物体(オブジェクト)及び位置と相互作用することができ、(3)特定の相互作用によりユーザがゲーム終了状態又はゲームゴールに向かって進むことができる、ということを保証することにより、システムはその仮想コンテンツを取り巻くゲームを「構築」することができる。
【0034】
以下のゲームルールの例は、ゲームの構造を用意するために組み合わせたり混ぜ合わせたりしてもよい。(以下の説明では、「物体」という用語は仮想の登場人物も含むものとする。)
1.ユーザは、特定の静的な物体、又は一組の物体を見つけなければならない(例えば、ユーザの位置が、例えば物体の位置から6インチなどといった予め定められた距離より小さくならなければならない)
2.ユーザは、特定の物体又は位置、又は一組の物体又は位置を、閲覧すなわち探し出さなければならない(例えば、ユーザは特定の部屋に居たり、特定の物体の近くに居たりしなければならない)
3.ユーザは、2個又はそれ以上の物体を互いに隣接して置かなければならない(例えば、ユーザは同時に2つの物体の近くに居なければならない)
4.物体が、特定の場所又は一組の特定の場所まで持って行かれなくてはならない(例えば、オブジェクトと特定の場所との距離が1メートル未満でなければならない)
【0035】
1つの実施形態では、ゲームのルールは以下のように変形してもよい。
1.ある特定の位置でのみゴールに到達することができる
2.ある特定の長さの時間以内にゴールに到達しなければならない
3.ある特定の長さの時間が経過した後でのみゴールに到達することができる
4.ゴールには、別の1以上のゴールに到達した後でのみ到達できる
5.複数ユーザでのゲームにおいて、あるユーザはあるゴールにのみ到達できる
6.複数ユーザでのゲームにおいて、他の一以上のユーザが近くにいる場合にのみゴールに到達できる
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、ユーザに仮想コンテンツの閲覧、編集、追加を認める。例えば、システムは、ハンドヘルド装置又はコンピュータに記憶された物理的な位置又は物体にユーザがアクセスし閲覧することを許可する。ユーザは、
1.物理的なレイアウトとそれに対応するオーバーレイの指定を鳥瞰図としてみることができる
2.特定の部屋にズーム・インし、静止した物体及び移動可能な物体を閲覧することができる
3.特定の部屋又は物体を選択肢、現在割り当てられている仮想コンテンツを閲覧することができる
4.割り当てられたコンテンツを持たない部屋及び物体に仮想コンテンツを付加することができる
5.前に割り当てられた仮想コンテンツを、仮想コンテンツのライブラリの中から仮想コンテンツを選択することにより、変更することができる
6.ユーザが生成したコンテンツ(例えばハンドヘルド装置により撮られた写真)を仮想コンテンツのライブラリにアップロードすることができる
【0037】
ユーザは、ゲームのルールについても同様の操作を行うことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ユーザはハンドヘルド装置内の加速度計を利用して、ある動作を実行することができる。例えば、ユーザは、仮想コンテンツを混ぜたり揺さぶったりするために、揺り動かす動作を行ってもよい。ユーザは、仮想的なエリア又は物体をきれいにしたり清掃したりするために、掃引する動作を行ってもよい。ユーザは、仮想的な物体を投げたり引っ掛けたりするために、振り回す動作を行ってもよい。
【0039】
図6は、本発明の実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームアーキテクチャを適用する処理を示すフローチャートである。部屋のレイアウトと物体の位置を判定した後、システムはその部屋のレイアウト及び物体に対して仮想コンテンツを付加する(処理602)。システムは、ユーザにその仮想コンテンツの閲覧、付加、編集を許可する(処理604)。
【0040】
次に、システムはその仮想コンテンツについてのゲームアーキテクチャを求める(処理606)。システムは、仮想コンテンツに対して、対応するゲームのルールを適用する(処理608)。一つの実施形態では、システムはユーザにゲームのルールの閲覧、編集、追加を認めるようにしてもよい。次に、システムは、ユーザにハンドヘルド装置を用いてゲームを行うことを認める(処理610)。
【0041】
図7は、本発明の実施形態に関連して、位置認識型の混合現実感ゲームプラットフォームを可能にするコンピュータシステムを示す。この例では、ハンドヘルドゲーム装置730は、タッチスクリーンディスプレイ734と一組の入力ボタン732を備える。ハンドヘルド装置730には、コンピュータシステム702も含まれている。コンピュータシステム702は、プロセッサ704、メモリ706、及び記憶装置(ストレージ)708を備える。記憶装置708は、位置認識型のゲームアプリケーション710を記憶するとともに、アプリケーション720及び722を記憶している。位置認識ゲームアプリケーション710は、更に、部屋レイアウト検出モジュール712,物体及びユーザ位置検出モジュール714、仮想コンテンツ付加モジュール716、及びゲームアーキテクチャモジュール718を含む。
【0042】
モジュール712,714,716及び718を含む位置認識型ゲームアプリケーション710は、処理中に、記憶装置708からメモリ706にロードされ、プロセッサ704により実行される。次に、プロセッサ704は、前述の処理のうちの一以上を実行することで、位置認識型、混合現実感ゲームプラットフォームを可能にする。
【符号の説明】
【0043】
100 ゲーム装置、702 コンピュータシステム、704 プロセッサ、706 メモリ、708 記憶装置、710 位置認識型ゲームアプリケーション、712 部屋レイアウト検出モジュール、714 物体及びユーザ位置検出モジュール、716 仮想コンテンツ付加モジュール、718 ゲームアーキテクチャモジュール、730 ハンドヘルドゲーム装置、732 入力ボタン、734 タッチスクリーンディスプレイ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置認識型混合現実感ゲームプラットフォームのための方法であって、
ユーザの周囲のレイアウトを求め、
ユーザの位置又はその近傍の物体又はその両方を検出し、
求められたレイアウトに仮想コンテンツを対応付け、
前記仮想コンテンツにゲーム規則を対応付け、
前記ゲーム規則と前記仮想コンテンツとに基づき、前記ユーザに対するゲームの視覚表現又は聴覚表現又はその両方を生成し、前記ユーザが前記ユーザ自身の周囲及び位置に対応するゲームを行うことができるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記ユーザの周囲のレイアウトを求める処理では、無線信号に基づく三角法により部屋の寸法を計算する、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、
前記ユーザの周囲のレイアウトを求める処理では、無線信号に基づき参照点を求める、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記近傍の物体を検出する処理では、前記物体に取り付けられたRFIDタグからRFID信号を検出し、当該方法を実行するシステムの現在位置と前記RFID信号とに基づき、前記物体の位置を推論する、
ことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−195707(P2009−195707A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38215(P2009−38215)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(502096543)パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド (393)
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
【Fターム(参考)】