説明

低カロリーデザート食品

【課題】本発明は、低カロリーデザート食品に不足する風味(コク味)を付与した低カロリーデザート食品を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、熱量が40キロカロリー/100g以下である低カロリーデザート食品であって、少なくとも甘味料とコラーゲンペプチドと食塩を含み、コラーゲンペプチドの含有量が全量に対し5質量%以下である、低カロリーデザート食品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デザート食品としてのおいしさが向上した低カロリーデザート食品に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
デザート食品の低カロリー化のためには、甘味料として、糖類の代わりに高甘味度甘味料や糖アルコールを用いることが有効である。例えば、特許文献1には、低カロリー、低う蝕性で、かつ、後味に長く甘味が残存しない、デザート食品のプレミックスを提供するもので、粒径が149μm篩下のエリスリトールを10〜70重量%、高甘味度甘味料を0.01〜0.24重量%含有する低カロリーデザート食品プレミックスに関する技術が開示されている。
【0003】
一方で、ゼラチン(平均分子量10万〜15万程度)を加水分解物により低分子量化したコラーゲンペプチドが、食品の栄養を強化する目的で食品中に配合されることがある。
【0004】
例えば、特許文献2には、清涼飲料やゼリーに天然の蛋白質であるコラーゲンを添加して、コラーゲンが有する栄養強化、健康増進などの機能を付与するコラーゲン添加飲食品に関し、コラーゲンに対し反応性を有するコラーゲン反応成分を含有し、酸性乳成分を含まない飲食品に対して、低分子コラーゲンペプチドを添加するコラーゲン添加飲食品に関する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、ゼラチンを加水分解して得られるコラーゲンペプチド等のタンパク分解物と、微結晶セルロース及び/又は微小繊維状セルロースを含む組成物と、ゲルを形成させるためのゲル化剤からなる、常温流通可能なゲル状食品に関する技術が開示されている。特許文献3の技術は、レトルト殺菌等の過酷な加熱殺菌を行っても、タンパク分解物が凝集したりすることなく、内容成分が均質に保持できる常温流通可能なゲル状食品を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-304829号公報
【特許文献2】特開2002-51734号公報
【特許文献3】特開2006-212006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
デザート食品を低カロリー化するためには、甘味料として、糖類の全部または一部を高甘味度甘味料や糖アルコールにより代替することが有効である。これらの糖類代替物を配合した低カロリーデザート食品は、通常のデザート食品と比較して甘味は同程度であるが、糖類に由来する味のコクが不足し、おいしさが劣るという問題がある。デザート食品では、通常の食品と異なり、旨味や味のある原料を多く使用するようなことがなく、使用する原材料は概ね固定されるため、低カロリーデザート食品におけるコク味の低下を補うことは容易なことではない。
【0008】
そこで本発明は、低カロリーデザート食品に不足する風味(コク味)を付与した低カロリーデザート食品を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はまた、当該低カロリーデザート食品を容器に充填密封後、加熱殺菌処理することにより、常温流通ができる低カロリーデザート食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは驚くべきことに、低カロリーデザート食品に、コラーゲンペプチドと食塩とを組み合わせて配合することにより、低カロリーデザート食品のコク味が改善され、好ましいおいしさが実現されるという知見を得た。
【0011】
コラーゲンペプチドは、特許文献2,3等に記載されているように食品の栄養を強化する目的で従来から使用されている。市販の低カロリーダイエット食品では、原材料としてコラーゲンペプチドと食塩とが組み合わせて配合されているものもある。しかしながら、低カロリーデザート食品にコラーゲンペプチドと食塩とを組み合わせて配合した例はない。両者の組み合わせにより低カロリーデザート食品のコク味の欠落を改善することができることは従来技術からは予期し得ない知見である。
【0012】
本発明は以下の発明を包含する。
(1) 熱量が40キロカロリー/100g以下である低カロリーデザート食品であって、少なくとも甘味料とコラーゲンペプチドと食塩を含み、コラーゲンペプチドの含有量が全量に対し5質量%以下 (但し0質量%を除く)である、低カロリーデザート食品。
(2) 上記甘味料が、糖アルコール及び/又は高甘味度甘味料である、(1)記載の低カロリーデザート食品。
(3) 上記コラーゲンペプチドの含有量が全量に対し0.01〜3質量%である、(1)又は(2)に記載の低カロリーデザート食品。
(4) 上記食塩の含有量が全量に対し0.01〜0.5質量%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の低カロリーデザート食品。
(5) 更に、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、グアーガム、カラヤガム及びアラビアガムから選択される1種又は2種以上のゲル化剤を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の低カロリーデザート食品。
(6) 上記低カロリーデザート食品が容器に充填密封されて加熱殺菌処理されたものである、(1)〜(5)のいずれかに記載の低カロリーデザート食品。
(7) 飲料の形態であり、熱量が20キロカロリー/100ml以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の低カロリーデザート食品。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の「低カロリーデザート食品」は、喫食される状態での湿重量100gあたりの熱量が40 キロカロリー以下である。本発明の「低カロリーデザート食品」は、飲料の形態である場合には、100mlあたりの熱量が20 キロカロリー以下である。栄養表示基準には、熱量40キロカロリー/100g以下(但し、飲料(飲用に供される液状の食品)の場合は熱量20キロカロリー/100ml以下)の食品は、低カロリーと表示することができる旨定められている。本発明の低カロリーデザート食品は、この規定に適合した食品である。低カロリーデザート食品の熱量の下限は特に限定されないが、例えば8キロカロリー/100g(飲料の場合は8キロカロリー/100ml)を挙げることができる。
【0014】
本発明の低カロリーデザート食品の形態は特に限定されず、固体又は半固体(ゲル状等)のデザート食品であってもよいし、液状のデザート食品(すなわちデザート飲料)であってもよい。固体又は半固体のデザート食品としては、プリン、ゼリー、ババロア、ムース、チーズケーキ、パンナコッタ、ヨーグルト等を例示することができる。液状のデザート飲料としては、コーヒー、ココア、乳酸菌飲料、チョコレートドリンク、ドリンクヨーグルト、ドリンクゼリー等を例示することができる。
【0015】
本発明において「甘味料」とは、食品に甘味を付与するための成分を指し、糖アルコール、高甘味度甘味料、糖類などが包含される。糖アルコールとしてはエリスリトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース等が挙げられる。高甘味度甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、甘草、アスパルテーム等が挙げられる。糖類としてはショ糖(砂糖)、ブドウ糖、果糖、乳糖等の、単糖類、二糖類、三糖類等が挙げられる。複数の甘味料を組み合わせて使用することもできる。本発明の所定の熱量を達成するためには、甘味料として糖アルコール及び/又は高甘味度甘味料を用いることが好ましく、高甘味度甘味料を用いることが特に好ましい。糖類の全部又は一部に代えて糖アルコール及び/又は高甘味度甘味料を含有するデザート食品は、味のコクが欠落しており、味が物足りなく感じられる場合があるが、本発明ではコラーゲンペプチドと食塩とを添加することによりコク味を付与することができる。
【0016】
本発明の低カロリーデザート食品の甘味料の含有量は、通常のデザート食品と同等の甘味度を与える量であれば特に限定されない。典型的には、低カロリーデザート食品100g当たり甘味度5〜50、より好ましくは10〜25に相当する甘味料が含有されることが好ましい。ここで甘味度とは、蔗糖の甘味を1とした時の低カロリーデザート食品100gの甘さの程度を示すものである。
【0017】
コラーゲンペプチドは、牛、豚、魚等に由来するコラーゲンを加水分解して得られるペプチドである。コラーゲンペプチドはゲル形成能を有さないため、飲料にも使用できる。原料となるコラーゲンとしては豚由来が好ましい。
【0018】
コラーゲンペプチドとしては、平均分子量が1000〜10000の範囲内のコラーゲンペプチドを用いることが好ましい。
【0019】
例えば、分子量が500〜10000の範囲内であり、分子量1000〜3000のペプチドが50%以上含まれており、且つ平均分子量が2500〜2600のコラーゲンペプチドを用いることができる。
【0020】
コラーゲンペプチドの分子量は、液体クロマトグラフによるゲル濾過での測定により求めることができる(食品と技術(発行者:食品産業センター), 2006-07, P11-P14)。
【0021】
コラーゲンペプチドの平均分子量は、特開2006-151847号公報に記載されているように、トーソー社製GPC-8020を用いて測定することができる。
【0022】
食塩としては、家庭等で使用されている通常の食塩を用いることができ、特殊なものである必要はない。
【0023】
低カロリーデザート食品に風味のバランスとコク味を付与するために有効な、コラーゲンペプチド及び食塩の含有量について説明する。
【0024】
コラーゲンペプチドの含有量は、低カロリーデザート食品の全量に対して、0〜5質量% (但し0質量%を除く) である。コラーゲンペプチドの含有量が5質量%を超えるとコラーゲンペプチド特有の風味が強く感じられるため好ましくない。コクの付与という効果を奏するためには、特に、コラーゲンペプチドの含有量が低カロリーデザート食品の全量に対して、0.01〜3質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることが特に好ましい。
【0025】
食塩は低カロリーデザート食品の味のきれを向上させる効果を奏し、コラーゲンペプチドと組み合わされることにより風味のバランスとコクを付与することができる。食塩の含有量は特に限定されないが、低カロリーデザート食品の全量に対して、0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.2質量%であることが特に好ましい。
【0026】
本発明の低カロリーデザート食品は、その形態に応じて、デザート食品の製造に用いられる他の成分を適量含有することができる。
【0027】
他の成分として、例えばゲル化剤を含むことができる。当該ゲル化剤としては、キサンタンガム、ジェランガム(ネイティブジェランガム等)、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、グアーガム、カラヤガム及びアラビアガムから選択される1種又は2種以上を使用することができる。使用する量は、目的とするデザート食品の形態、例えばゼリーやプリンのようなゲル状デザート食品、或いは粘性の弱い飲料(例えば、嚥下食)に応じて適宜決定される。
【0028】
他の成分の別の例としてはセルロースが挙げられる。セルロースは、加熱による蛋白凝集物の沈殿を防止して溶液中に均一に分散させる作用を有する。
【0029】
本発明の低カロリーデザート食品は、容器に充填密封され、レトルト殺菌や湯殺菌等の加熱殺菌処理された形態で提供されることができる。この形態のデザート食品は常温流通が可能である。
【実施例】
【0030】
材料等
コラーゲンペプチド: SCP-3100(新田ゼラチン(株)製,平均分子量3,000)及びSCP-5100(新田ゼラチン(株)製,平均分子量5,000)。SCP-5100は実施例1試料15のみに使用した。実施例1試料15以外のコラーゲンペプチド含有試料ではコラーゲンペプチドとしてSCP-3100を使用した。
ゼラチン: G-15 (新田ゼラチン(株)製)。ゼラチンは実施例1試料16のみで使用した。
【0031】
試料作成に使用した糖アルコールまたは高甘味度甘味料の甘味度は、エリスリトール0.8倍、スクラロース600倍、アセスルファムカリウム200倍、キシリトール1倍である。本発明における甘味度とは、特開2000-290199号公報や特開2002-17317号公報、特開2002-65156号公報等に記載のとおり、蔗糖の甘味を1とした時の他の甘味料の甘さの倍率を示すものである。
【0032】
実施例1: 低カロリープリン
低カロリープリンを以下の手順により作製した。
(1) エリスリトール、ローカストビーンガム、寒天、キサンタンガムからなる粉体原料を混合してゲル化配合とする。
(2) (1)を水に添加混合し、80℃達温後10分間加熱する。
(3) 上記とは別に脱脂粉乳、食塩、スクラロース、アセスルファムカリウム、コラーゲンペプチドを水に添加混合しておく。
(4) 上記とは別に卵黄、植物油脂クリームを混合しておく。
(5) (2)に(3)と(4)を添加混合した後、ホモゲナイザーによる均質化処理を施す。
(6) (5)の溶液を60gずつ成形容器に充填し、レトルト殺菌(120℃、25分間)後に冷却して本発明の低カロリープリン(約28キロカロリー/100g)を得た。
【0033】
食塩の添加量の影響
表1の試料1〜6の低カロリープリンを上記手順に則って作製した。
【0034】
得られた試料1〜6の低カロリープリンの内、試料1をコントロールとして試料2〜6について食塩の添加量による味への影響を官能で調べた。
【0035】
官能評価基準
◎:最もよい ○:よい △:ややよい ×:よくない
【0036】
評価結果
試料2、3、5は○、試料4は◎、試料6は△であった。具体的には、試料2はコントロールとは明らかに味が違うことがわかり、試料3はコク味があり、試料4はほどよい風味のバランスとコク味があり、試料5は塩味がやや強くなり、試料6はやや塩味がたつ、ということであった。
【0037】
従って、本件発明としては試料2(0.05質量%)〜6(0.5質量%)、好ましくは試料2(0.05質量%)〜5(0.2質量%)までが使用可能と判断した。
【0038】
【表1】

【0039】
コラーゲンペプチドの添加量の影響
表2の試料7〜13の低カロリープリンを上記手順に則って作製した。
【0040】
得られた試料7〜13の低カロリープリンの内、試料7をコントロールとして試料8〜13について食塩の添加量による味への影響を官能で調べた。
【0041】
官能評価基準
◎:最もよい ○:よい △:ややよい ×:よくない
【0042】
評価結果
試料9、11は○、試料10は◎、試料8、12は△、試料13は×であった。具体的には、試料8はコントロールとは味が違うことはわかるがコクが出ているかどうかはわからない、試料9はコクが出ていることがわかり、試料10はほどよい風味のバランスとコク味があり、試料11はコク味がやや強くなり、試料12は風味のバランスがややなくなり、少しくどさを感じ、試料13はコラーゲン特有のにおいを感じる、ということであった。
【0043】
従って、本件発明としては試料8(0.05質量%)〜12(2質量%)、好ましくは試料9(0.1質量%)〜11(1質量%)までが使用可能と判断した。
【0044】
【表2】

【0045】
コラーゲンの種別による影響
表3の試料14〜16の低カロリープリン(30キロカロリー/100g)を上記手順に則って作製した。
【0046】
得られた試料14〜16の低カロリープリンについて、官能評価した。
【0047】
官能評価基準
◎:最もおいしい ○:おいしい △:ややおいしい ×:おいしくない
【0048】
評価結果
試料14は◎、試料15は○、試料16は×であった。具体的には、試料14はほどよい風味のバランスとコク味があり、プリンとしてのおいしさが十分に感じられた。試料15はややコクに物足りなさを感じるが、食塩によるきれがそれを補ってプリンとしてのおいしさが感じられた。試料16は多少のコク味は感じられるが、プリンとしてのおいしさはほとんど感じられなかった。
【0049】
これらの結果から、コラーゲンペプチドと食塩とが組み合わされて奏する風味の改善効果は、ゼラチンと食塩との組み合わせでは奏されないことが確認された。平均分子量3,000のコラーゲンペプチドも平均分子量5,000のコラーゲンペプチドも使用できるが、前者がより好ましいことが確認された。
【0050】
【表3】

【0051】
実施例2: その他のデザート食品
チョコレートドリンク
低カロリーのチョコレートドリンクを以下の手順で作製し、実施例1と同様に評価した。
(1) チョコレートを細かく砕いておく。
(2) 水を温めた後、試料2、4、6に記載のチョコレートを含むすべての原料を添加混合しした後、ホモゲナイザーによる均質化処理を施す。
(3) (2)の溶液を60gずつ成形容器に充填し、レトルト殺菌(120℃、25分間)後に冷却して、3種類の本発明の低カロリーチョコレートドリンク(19キロカロリ/100ml)を得た。
【0052】
一方、食塩とコラーゲンペプチドを除いた試料1、3、5の原料を使用すること以外はすべて上記と同一の手順で3種類の本発明の低カロリーチョコレートドリンクと対比する3種類の低カロリーチョコレートドリンクを得た。
【0053】
次に、試料1と2、試料3と4、試料5と6とを飲み比べてみたところ、試料2、4、6は◎で、試料1、3、5は×であった。これらの比較から、食塩とコラーゲンペプチドとを併用することにより低カロリーチョコレートドリンクの風味が改善されることが確認された。
【0054】
試料2、4、6はそれぞれ甘味料の配合が異なるが、いずれの配合でも、食塩とコラーゲンペプチドとの併用効果が確認された。
【0055】
【表4】

【0056】
ゼリー
低カロリーゼリーを以下の手順で作製し、実施例1と同様に評価した。
(1) エリスリトール、キシリトールとカラギーナン、ローカストビーンガム、ハイメトキシルペクチンからなる粉体原料を混合してゲル化配合とする。
(2) (1)を水に添加混合し、80℃達温後10分間加熱する。
(3) 上記とは別にアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、コラーゲンペプチド、食塩を水に添加混合しておく。
(4) 上記とは別にクエン酸三ナトリウム、クエン酸(無水)、ブドウ果汁、香料を混合しておく。
(5) (2)に(3)と(4)を添加混合した後、ホモゲナイザーによる均質化処理を施す。
(6) (5)の溶液を60gずつ成形容器に充填し、湯殺菌(80℃、2分間)後に冷却して本発明の低カロリーゼリー(試料8,10約10キロカロリー/100g、試料12約28キロカロリー/100g)を得た。
【0057】
一方、食塩とコラーゲンペプチドを除いた試料7、9、11の原料を使用すること以外はすべて上記と同一の手順で3種類の本発明の低カロリーゼリーと対比する3種類の低カロリーゼリー(試料7,9約10キロカロリー/100g、試料11約28キロカロリー/100g)を得た。
【0058】
次に、試料7と8、試料9と10、試料11と12とを食べ比べてみたところ、試料8、10、12は◎で、試料7、9、11は×であった。これらの比較から、食塩とコラーゲンペプチドとを併用することにより低カロリーゼリーの風味が改善されることが確認された。
【0059】
試料2、4、6はそれぞれ甘味料の配合が異なるが、いずれの配合でも、食塩とコラーゲンペプチドとの併用効果が確認された。
【0060】
【表5】

【0061】
チョコレートプリン
低カロリーチョコレートプリンを以下の手順で作製し、実施例1と同様に評価した。
【0062】
実施例1の手順において、(4)に記載の原料の卵黄をチョコレート、ココア、香料に変更すること以外は実施例1と同様の手順で低カロリーチョコレートプリン(約30キロカロリー/100g)を得た。
【0063】
一方、食塩とコラーゲンペプチドを除いた試料13の原料を使用すること以外はすべて上記と同一の手順で低カロリーチョコレートプリンを得た。
【0064】
次に、試料13と14とを食べ比べてみたところ、試料14は◎で、試料13は×であった。このことから、食塩とコラーゲンペプチドとを併用することにより低カロリーチョコレートプリンの味が改善されることが確認された。
【0065】
【表6】

【0066】
黒ごまプリン
低カロリー黒ごまプリンを以下の手順で作製し、実施例1と同様に評価した。
【0067】
実施例1の手順において、(4)に記載の原料の卵黄をごまペースト、香料に変更すること以外は実施例1と同様の手順で低カロリー黒ごまプリン(約30キロカロリー/100g)を得た。
【0068】
一方、食塩とコラーゲンペプチドを除いた試料15の原料を使用すること以外はすべて上記方法と同一の手順で低カロリー黒ごまプリンを得た。
【0069】
次に、試料15と16とを食べ比べてみたところ、試料16は◎で、試料15は×であった。このことから、食塩とコラーゲンペプチドとを併用することにより低カロリー黒ごまプリンの風味が改善されることが確認された。
【0070】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱量が40キロカロリー/100g以下である低カロリーデザート食品であって、少なくとも甘味料とコラーゲンペプチドと食塩を含み、コラーゲンペプチドの含有量が全量に対し5質量%以下 (但し0質量%を除く) である、低カロリーデザート食品。
【請求項2】
上記甘味料が、糖アルコール及び/又は高甘味度甘味料である、請求項1記載の低カロリーデザート食品。
【請求項3】
上記コラーゲンペプチドの含有量が全量に対し0.01〜3質量%である、請求項1又は2に記載の低カロリーデザート食品。
【請求項4】
上記食塩の含有量が全量に対し0.01〜0.5質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の低カロリーデザート食品。
【請求項5】
更に、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、グアーガム、カラヤガム及びアラビアガムから選択される1種又は2種以上のゲル化剤を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の低カロリーデザート食品。
【請求項6】
上記低カロリーデザート食品が容器に充填密封されて加熱殺菌処理されたものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の低カロリーデザート食品。
【請求項7】
飲料の形態であり、熱量が20キロカロリー/100ml以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の低カロリーデザート食品。

【公開番号】特開2011−155870(P2011−155870A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18888(P2010−18888)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】