説明

低コストの中間転写部材の製造

本発明は、中間転写部材の製造方法である。この方法は、継ぎ目を形成するために基体材料の2つの端部を継ぎ合わせることによって、エンドレスベルトを形成することを含む。回転流延法を用いてエンドレスベルトの上側に平滑化層が適用され、前記中間転写部材は連続的な継ぎ目無し上面を有する。好ましい態様の場合、エンドレスベルトは、内側及び外側の継ぎ目を有するベルトを形成するために基体の少なくとも2つの層を接着することにより、形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷及び複写の分野に関する。より具体的には、本発明は、低コストの材料の使用を可能にする中間転写部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写部材は良く知られており、静電写真画像形成機械において幅広く使用されている。継ぎ目無しの中間転写部材(ITM)が、多種多様の紙判のための機械生産性を向上させるという理由から望ましい。さらに、継ぎ目付きITMは、継ぎ目検出のためのハードウェアを必要とし、またITMのクリーニングの難しさを増大させる。しかし、継ぎ目無しITMの製造に伴うコストは、特に大型円周部材の場合に高い。
【0003】
2つ以上の層を有する中間転写部材の利点は、発行済の文献において論じられている。多層ITMは、画像形成プロセスの特定機能を最適化するように種々の層を設計することができるので、画像形成品質を改善することができる。例えばトップ層は、トナーリリースのために最適化することができるのに対して、基体層は、その機械的及び電気的な特性のために最適化することができる。トップ層と基体との間の追加の層は、画像アーチファクトを低減し、そして粗い又はテクスチャ化された特定のタイプの紙への転写を改善するように追従性(compliant)となることができる。転写を改善するために追従性層及びリリース層を使用することは、米国特許第5,084,735号明細書及び同第5,370,961号明細書に記載されている。多層ITMを製造するために使用される注型システムも開示されている。典型的な静電写真機械の画質要件を満たすために、ITMはしばしば、機械動作、例えばオーバードライブ及びニップ幅の変動を最小限に抑えるように、厚さ、振れ、及び/又は粗さのような特徴に関して厳しい機械許容差を有している。加えて、ITMの表面の粗さは低くなければならない。特定の機械許容差を有する多層ITMを製造するのに必要な研削作業は、かなりのコスト及び時間を追加する冗長な製造工程である。
【0004】
Mammino他は、米国特許第5,298,956号明細書及び同第5,409,557号明細書には、充填剤材料及び電気特性調節材料が埋め込まれた補強部材を有する中間転写部材を製造する方法を開示している。記載された補強部材は、金属、合成材料、又は繊維性材料から形成されている。記載された中間転写部材は、厚さ1000分の2〜7インチ(0.05〜0.175mm)である。
【0005】
米国特許第5,761,595号明細書には、改善された転写のための、多層の炭素充填型転写構成部分の使用について述べられているが、しかし継ぎ目の上側での画像形成又はトナーの転写に関しては特許請求の範囲に記載されていない。
【0006】
米国特許第6,457,392号明細書には、パズルカット型ポンチ・ダイシステムを使用して継ぎ目無し転写ベルトを製造する方法が言及されている。このようなベルトの製造の難しさ、及びこのようなベルトの性能が、米国特許出願公開第2006/0002746号明細書に記載されている。
【0007】
プラスチック又は金属から成る極めて長いシートを、連続的な高速プロセスを用いてロール形態で低廉に製造することができる。従って、このようなロールから切断されたシートを利用する継ぎ目付き基体のコストは、継ぎ目無し基体(典型的には一度に一片ずつ製造される)を製造するコストよりもかなり低いと言える。上記の理由から、静電写真機械内で使用することができる継ぎ目付き基体を有するITMであって、この継ぎ目領域上に、画像形成アーチファクト又は他の難点を生じさせることなしに画像を形成することができるITMを製造する低コストの方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、高価な仕上げ工程、例えば研削工程及び状態調節工程を最小限に抑える、中間転写部材を生産するプロセス又は製造方法を提供することである。本発明の別の目的は、継ぎ目領域内の基体表面へ又は基体表面から転写される画像に不都合な影響を及ぼさない継ぎ目付き基体層を有する中間転写部材を製造する方法を提供することである。改善されたこのような中間転写部材は、継ぎ目領域を含む転写部材全体を利用して、一次画像形成装置からのトナー画像の均一な、中断のない第1の静電的転写、及び中間転写部材から受理体への第2の静電的転写を可能にする。改善されたこのような中間転写部材はまた、継ぎ目領域を含む転写部材全体を利用できることにより、広い受理体サイズ範囲にわたる機械生産性の向上を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、中間転写部材の製造方法である。この方法は、継ぎ目を形成するために基体材料の2つの端部を継ぎ合わせることによって、エンドレスベルトを形成することを含む。回転流延法を用いてエンドレスベルトの上側に平滑化層が適用され、前記中間転写部材は連続的な継ぎ目無し上面を有する。好ましい態様の場合、エンドレスベルトは、内側及び外側の継ぎ目を有するベルトを形成するために基体の少なくとも2つの層を接着することにより、形成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、円筒形ベルトの形態を成す、斜め(ダイアゴナル)方向に延びる、突き合わせ継ぎ目を有しテーピングされた基体を、継ぎ目を内側から見た状態で示す概略斜視図である(ノンスケール)。基体の端部間の間隔は、判りやすさのために誇張されている。
【図1B】図1Bは、円筒形ベルトの形態を成す、斜め方向に延びる、突き合わせ継ぎ目を有しテーピングされた基体を、継ぎ目を外側から見た状態で示す概略斜視図である(ノンスケール)。基体の端部間の間隔は、判りやすさのために誇張されている。
【図2】図2は、突き合わせ添え継ぎによる斜め方向に延びる2つの継ぎ目を有する二重ラップを示す概略斜視図である(ノンスケール)。
【図3】図3は、基体上にエラストマー層を塗布するための回転流延システムを示す概略図である。
【図4】図4は、エンドレスベルトとして使用されるITMを試験するための電子写真装置を示す概略図である。
【0011】
本発明をその他の利点及び可能性と一緒により良く理解するために、上記図面とともに以下の詳細な説明を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的は、静電写真機械内で使用するための低コストの多層中間転写部材(ITM)を製造する方法である。本発明の方法は、継ぎ目付き基体上に形成された連続的な継ぎ目無しの上面を有する多層ITMを形成する。継ぎ目付き基体の上側に特定の厚さの平滑化層を適用することにより、継ぎ目付き基体は、あたかも継ぎ目無しであるかのように静電写真機械内で使用されることが可能になる。
【0013】
静電写真機械内で使用するための中間転写部材を製造するための本発明の方法は:1)基体材料の2つの端部を継ぎ合わせることによって、エンドレスベルトを形成し;2)仕上げ工程の必要なしに継ぎ目から遠いベルトの厚さが継ぎ目におけるベルトの厚さに等しくなるように、エンドレスベルトの上側に平滑化層を、これがベルトの表面全体にわたって連続的な層を形成するように適用し;3)平滑化層の上側にリリース層を適用し;継ぎ目付き基体領域の上方の中間転写部材の上面は、継ぎ目が存在しない領域内の粗さにほぼ等しい粗さを有している。中間転写部材を形成する方法は、中間スリーブ、エンドレス中間ベルト、又は中間ドラムを形成する際に利用することができる。
【0014】
ITMを形成する際の第1工程は、基体材料の2つの端部を継ぎ合わせることである。基体層は、後続の機能層を支持する支持層として作用する。基体材料は、種々の可撓性材料、例えばフッ素化コポリマー(ポリフッ化ビニリデン)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド(例えばKapton(登録商標))、ポリエチレンナフタレート、シリコーンゴムのうちのいずれかであってよい。いくつかの用途の場合、基体は金属、例えばニッケル、アルミニウム、又は鋼を含むこともできる。非金属が使用される場合には、基体材料は、所望の導電率を付与するために、添加剤、例えば静電防止剤(例えば金属塩)、導電性ポリマー(例えばポリアニリン又はポリチオフェン)、導電性金属酸化物(例えば酸化錫)、又は小型導電性粒子(例えば炭素)を含有してよい。好ましい支持層は、高分子材料、例えばポリエステル、ポリカーボネート、又はポリアミドであるが、しかし基体の仕様は用途に応じて変化することになる。好ましくは、基体は、その表面に沿って且つ/又はそのバルクを通して導電性又は半導体である。表面導電性層として使用するに適した材料の一例としては、蒸着されたアルミニウム、ニッケル、又は酸化インジウム錫、又は溶液塗布されたポリチオフェン、酸化錫、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、又はポリアニリンが挙げられる。
【0015】
基体層を補強するために、繊維性材料を用いることができる。この技術分野において実施されているように繊維性材料を製織してマット又はシートを形成することにより、繊維性材料から成る補強部材を調製することができ、或いは、この技術分野において実施されているように、結合剤を用いないで又は用いて繊維性材料を不織布形態にまとめることもできる。
【0016】
最適な基体厚は、特定の用途に依存することになり、10〜400マイクロメートルであることが可能であり、好ましい厚さは50〜175マイクロメートルである。
【0017】
支持層の端部を一緒にして、連続ループを形成するために継ぎ合わせる。継ぎ目を形成するためには種々の方法を用いることができるが、その表面上に塗布された平滑化層が継ぎ目を効果的に隠すことができるように、適切な方法を選ばなければならない。継ぎ目はまた、後続の層の製造過程、例えば熱硬化及び研磨の後で機能的であり続けなければならない。
【0018】
好ましい継ぎ目は、継ぎ目付き部材の縁部に対して、そして静電写真機械内のベルトのプロセス運動方向に対して垂直である直線以外の形態を成している。90度以外の角度を成す継ぎ目を形成することに伴う利点は、ITMの機械強度の増大、ベルトがローラ上に巻き付けられる時の継ぎ目の可撓性の改善、及び画像アーチファクトの知覚の低減である。ベルトの継ぎ目をその長さ又はその所期の運動の方向に関して斜め方向に形成することにより、材料の端部を接合するべきインターフェースを長くすることができる。インターフェースが長ければ長いほど、継ぎ目は強くなることができる。45度の角度を成す継ぎ目は、90度の継ぎ目、すなわち部材の縁部に対して垂直である継ぎ目に対して41%だけ継ぎ目強度を高める。継ぎ目の角度は、20度〜60度であることが可能であり、好ましくはベルトの長手方向次元に対して45度である。角度付き継ぎ目はまた、ベルトのより大きい長さにわたって剛性変化を分配することにより、ベルトの均一な可撓性に対して生じる、継ぎ目に起因する剛性変化作用を最小限にする。従って、画像形成系内の成分の傍らを通るか又は成分を超えて通過する、継ぎ目に起因する画像形成系内の摂動が低減される。2つの端部が切断されるジオメトリは、直線形、山形、又はパズルカット型継ぎ目としても知られる指関節形を含むこともできる。他の継ぎ合わせアプローチ、例えば正方形又は斜めの端部を有する重ね継ぎ目を用いることもできる。最適なタイプの継ぎ目は、製造コスト、ITMの特定の用途、選択された材料、及び所期の機械特性に基づく。米国特許第6,016,415号明細書には、静電写真部材の縁部に対して垂直ではない継ぎ目に伴う画像形成の改良点、並びにその他の詳細及び利点が開示されている。
【0019】
テーピングされた突き合わせ継ぎ目を有する基体の概略図が、図1A及び図1Bに示されている。突き合わせ継ぎ目は、良く知られた低コストの継ぎ合わせ法である。既知の直径を有する装置、例えばマンドレルの周りに支持体材料を巻き付けることにより、よく制御された円周を有するベルトを、突き合わせ継ぎ目を備えた状態で形成することができる。支持体材料を所定の位置に保持するために真空を用いることができる。支持体材料は、切断溝が存在するマンドレル上の領域でオーバーラップされ、次いで鋭利な工具で切断される。好ましい継ぎ目は、シートの端部に対して垂直以外の角度を成して切断される。このような切断部を形成するために、切断溝は斜め方向に延びていなければならず、また、円筒形添え継ぎマンドレル上にヘリカル又は螺旋状の切断部として現れることになる。基体を正確な寸法に切断するための別の方法は、ダイを使用することである。ダイによる打ち抜きは、いくつかのタイプの切断部分、例えば指関節状の切断部分にとって好ましい。
【0020】
継ぎ目を一緒に結合する好ましい低コストの方法は、テープ添え継ぎである。テープは、後続の製造過程の要件、並びに印刷装置の電気的及び機械的な仕様の要件を満たすべきである。好ましいテープ材料はポリエステルである。別の好ましいテープ材料は、支持体材料の表面のうちの一方に接着剤塗膜を適用することにより、支持体材料と同じ材料から形成されることになる。いずれの事例においても、テープの接着特性は、テープが基体材料に十分に付着するようになっているべきである。テープ材料の幅は継ぎ目を覆い、4mm〜30mmであることが可能であり、好ましい幅は6〜15mmである。テープの厚さは0.012〜0.075mmであることが可能であるが、好ましい幅は0.025〜0.050mmである。
【0021】
接着剤に適した材料の一例としては、ホットメルト材料、例えばポリアミド、ウレタン、又はポリエステル、或いは、UV硬化性接着剤、例えばアクリル系エポキシ、又はポリビニルブチラールなどが挙げられる。導電性成分、例えば銀、酸化インジウム錫、ヨウ化第一銅、酸化錫、7,7’,8,8’−テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)、キノリン、カーボンブラック、NiO及び/又はイオン錯体、例えば第四アンモニウム塩、金属酸化物、又はグラファイトなど、粒子、フレーク又は繊維形態の導電性充填剤、及び導電性ポリマー、例えばポリアニリン及びポリチオフェンを内蔵することにより、接着剤に導電性を付与することができる。
【0022】
一旦、基体端部が互いに結合されたら、基体材料の継ぎ目付き連続ループの取り出しを可能にするために、取り付け装置から、適用された真空を除去することができる。中間転写基体の端部を接合するのに適したその他の手段の一例としては、接着、接着テープ、溶接、機械的インターロッキング、縫合、ワイヤ接合、又はステープル留めが挙げられる。熱又は超音波によって溶接された重ね継ぎの好ましいオーバーラップ範囲は1〜6mmである。このオーバーラップ量は、継ぎ目全体にわたって実質的に均一であり、そしてベルト材料の両端部を適切な角度を成すように切断し、そしてこれらの端部を、一方の端部が他方の端部の上側に位置するように位置決めすることにより形成される。継ぎ合わせ方法とは無関係に、継ぎ目はフレキシブルのままであることが好ましい。
【0023】
いくつかの用途の場合、基体の継ぎ目領域を平滑化するために平滑化層を塗布する前に、後仕上げ工程を用いること、すなわち研削及び研磨によって継ぎ目の段の高さを低減することが望ましい場合がある。ベルト全体は、均一な表面粗さまで研削されてもよい。
【0024】
継ぎ目付き基体を形成する別の方法の場合、図2に示されたエンドレスループを形成するために、基体材料から成る2つのシートを、互いに上側が結合された状態で利用する。好ましい角度付き継ぎ目が図2に示されているが、しかし上記のような他の継ぎ目ジオメトリを使用することもできる。好ましい基体材料は、高分子材料、例えばポリエステル又はポリアミドであるが、しかし上記のような他の材料を使用することもできる。上記の方法及び材料を、所期の電気特性を基体に付与するために使用することもできる。基体材料が絶縁材であるならば、各シートの一方又は両方の側に薄い導電性塗膜が使用されてよい。片面導電性塗膜の場合、2つの基板は、導電性塗膜が互いに対向側に位置するように貼り合わされる。2つのシートの端部は2つの突き合わせ継ぎ目、つまり図2に示されているように、一方の継ぎ目を部材の内側に形成し、そして一方の継ぎ目を外側に形成する。2つの基板は、ITMの機械性能に及ぼす継ぎ目の作用を最小限に抑えるために、これらのそれぞれの継ぎ目が好ましくはオーバーラップしない状態で貼り合わされ、20〜60度で配向された斜め方向の継ぎ目を有することが好ましい。2つの基体シートは好ましくは、ITMの製造過程における後続工程で使用される熱及び化学薬品に対して抵抗性の接着剤を使用して接着される。この態様における最も好ましい基体材料は、シートの一方に導電性塗膜、例えばアルミニウムを有し、そしてシートの反対側には耐熱性接着剤を有するように製造された50〜125マイクロメートル厚のポリエステル・シートである。
【0025】
絶縁基体上に導電性塗膜を含む態様のうちのいずれにおいても、内側(下側)導電性表面と外側(上側)導電性表面との間に電気的な接続を形成することが望ましい場合がある。基体のバルクが絶縁材であるときに基体の一方の表面から基体の他方の表面への電気的な連続性を保証するための具体的なアプローチ、これらの利用及び重要性が、添付の公開技報整理番号第92459号に含まれている。例えば、電気的な接続は、導電性テープによって、又は炭素又は銀を含有する導電性充填剤を充填された孔を加えることにより形成することもできる。
【0026】
更なる継ぎ合わせ方法が当業者によって知られており、これらは、ITMのための基体として作用するエンドレスループを形成する別の方法と考えられる。
【0027】
継ぎ目付き基体の上側に、ベルトの表面全体にわたって連続的な層を形成するように、平滑化層が形成される。平滑化層の厚さは、継ぎ目付き基体の機械的及び電気的な不連続性を隠すのに十分に厚いように指定される。平滑化層の厚さは、ITMの特定の用途に応じて変化するが、しかし典型的には、0.03mm〜5mmとなり、好ましくは0.08mm〜0.8mmである。平滑化層は、追従性のエラストマー材料、例えばポリウレタン、ネオプレン、シリコーン、フルオロポリマー、シリコーン−フルオロポリマー混成物、ニトリル、ケイ素−ニトリルであることが好ましい。
【0028】
平滑化層のための好ましい材料は、追従性であるエラストマー、好ましくはポリウレタン・エラストマーであり、このエラストマーは、好ましくはほぼ107〜1011オーム−cm、より好ましくは109オーム−cmである比較的低いバルク又は体積電気抵抗率を有するのに十分に導電性の材料(例えば静電防止粒子、イオン伝導性材料、又は導電性ドーパント)でドープされている。好ましい平滑化層のヤング率は、50MPa未満、より好ましくはほぼ2〜10MPaである。
【0029】
平滑化層を形成するために用いられる方法は、本発明の重要な観点である。平滑な連続した上面は、寸法許容差を達成するために典型的には必要とされる仕上げ工程の必要性を排除する。このような仕上げ工程は高価であり、また精度許容差が指定されているときには長時間の条件調節を必要とする。
【0030】
平滑化層を適用する方法は、回転流延法、例えばリボン塗布、噴霧塗布、又は転写塗布、又はグラビア塗布を利用する。好ましい流延法は、下に詳細に説明するようなリボン流延である。回転流延法によって形成された平滑化層は、継ぎ目付き基体の機械的不連続性を効果的にマスキングし、そして格別の寸法許容差を有する中間転写部材をもたらし、こうして最終厚まで研削する必要を排除することができる。継ぎ目付き基体の領域内のITMの粗さは、ITMの他の機能領域内の粗さと同様になるように生成することができる。
【0031】
本発明において記載された方法を用いると、回転流延装置は、継ぎ目が存在しない領域内の体積抵抗にほぼ等しい体積抵抗を継ぎ目付き基体領域内に有するITMを製造することができる。ITMは、継ぎ目付き基体領域の上方の表面抵抗が、継ぎ目が存在しない領域内の体積抵抗にほぼ等しくなるように形成することもできる。
【0032】
追従性層を適用するこのような回転流延法は、良く制御された溶液供給装置を有する塗布装置を必要とする。塗布装置は、回転装置、例えば旋盤と、何らかの金属加工又は木材加工旋盤に見いだされるような良く制御された直線運動装置とを含む。
【0033】
好ましい溶液供給法は、流量を正確に制御し、また塗布されるべき材料を脱ガスすることができる混合・計量装置を使用することである。別の溶液供給システムは、材料リザーバから塗布ヘッド内へ、そして基体上へ塗布用材料を引き出すために可変速度ポンプを使用する。溶液供給流量を制御するのに適したコントローラは、塗布厚及び均一性に影響を及ぼす任意の変数、例えば温度、粘度、及び速度の変化を補償することができる。
【0034】
典型的な回転流延装置の概略図が図3に示されている。支持層又は基体材料は、回転装置(図示せず)、例えば旋盤上に水平方向に保持された円筒形マンドレル(200)上に載置される。或いは、平滑化層の適用中に支持基体を緊張状態で保持するために、円筒形マンドレルの代わりに、2つ又は3つ以上のローラを使用することもできる。水平方向に装着されたマンドレルが回転する速度は、コントローラ170、又は適正なプログラミング・ソフトウェア、例えばLabview(登録商標)を有するコンピュータを使用して良好に維持することができる。溶液供給システムは、良く制御された流量で溶液ポットから、そして基体200上へ材料を引き出す可変速度ポンプ162を含むこともできる。可変速度ポンプの代わりに、混合・計量溶液供給装置を使用することもできる。混合・計量装置は、追従性層材料が混合ヘッドから基体上に出てくるのに伴って、追従性層材料の混合、計量、粘度制御、温度モニタリング、及び脱ガスを可能にする。計量供給装置は典型的には、正確な材料の供給のための流量及び容積混合比、並びに所望の材料特性を制御するためにコントローラを使用する。
【0035】
可変ポンプ供給装置又は混合・計量供給装置は、直線運動装置(130)に接続される。ポンプを横方向運動装置に接続するために、ゴム又は金属でライニングされた管164を使用することができる。可変速度ポンプ供給装置並びに混合・計量供給装置の両方において種々異なる幅のノズル(120)を使用することにより、マンドレル上に載置された基体上に供給される追従性層リボンの幅を制御することができる。ノズルは、追加の混合物のための定置又は静的ミキサーを内蔵することもできる。また、特定の用途に応じて、種々異なるノズル形態、例えばテーパ形、円形、及びリボン形の形態が可能である。ノズルのサイズの直径は0.075mm〜40mmである。
【0036】
好ましくは、塗布過程中の平滑化層材料をモニタリングするために、インライン粘度計及び温度センサが使用される。
【0037】
平滑化層を適用する方法はいくつかの工程を含む。回転装置140は、矢印Bによって示される方向で回転軸202を中心として塗布が施されるように基体を回転させる。塗布装置110にはノズル120が取り付けられている。ポンプ162が、塗布用材料リザーバ160から管164を通して塗布用材料300をポンプ供給する。次いで塗布用材料300は、塗布装置110を介してノズル120に流入し、そして基体200上に小出しされる一方、回転装置140はマンドレル200を回転させ、また直線運動装置130は矢印Aによって示された方向に塗布装置110を動かす。ノズル120はクリーニングするか、又は別のノズルと交換することができるように、取り外し可能であることが好ましい。
【0038】
装置内の1つ又は2つ以上の要素に、これらの要素の動作の種々の特徴を制御するために、コントローラ170が接続されている。図3では、リンク172によって回転装置140に、リンク174によって直線運動装置130に、リンク176によって塗布装置110に、そしてリンク178によってポンプ162に接続されたコントローラが示されている。コントローラ170は、回転装置140による基体200の駆動を制御することができ、そして直線運動装置130による塗布装置110の運動を制御することができる。入力装置180を介してコントローラ170に、種々の制御データが入力されてよい。コントローラ170は、当業者に知られている形で形成されたプログラムの指示に従うことができる。使用者の入力を促し確認するために、そして処理前、処理中、又は処理後に関連メッセージ(例えば「塗布完了」)を出力するために、コントローラ170に接続された一種のメッセージ出力装置、例えばモニターなど(図示せず)を使用することにより、装置の操作者と相互作用する手段も当業者に知られている。また、コントローラ170は、種々の状態、例えば「材料リザーバの充填が必要」及び/又はこれに類似した状態を検出し、そしてメッセージ出力装置を介して操作者に適切に知らせることができる。
【0039】
平滑化層材料に関する品質及び処理時間は、回転流延法を改善する、平滑化層材料に対する添加剤によって最適化することができる。例えば、触媒は、材料の反応速度を制御するのを助け、平滑な均一表面が達成されるようにそれぞれ個々のリボンの流動及び癒合過程を補助する。触媒の一例としては、金属系触媒、例えばDABCO K−15、DABCO T−120、又はDABCO T12Nが挙げられる。触媒の他の例としては、アミン含有触媒、例えばDABCO 33−LV、DABCO TMR及びCurithane 52が挙げられる。塗布用材料の温度を制御することによって、材料の均一性を改善することもできる。
【0040】
必要ならば、外面に目立つ継ぎ目を生成しない技法を用いて、平滑化層の形成に続くトップ層として、リリース層を適用することもできる。トップリリース層が好ましく、そしてITMの性能及び寿命全体をさらに改善するために使用される。均一なトップリリース層を適用する好ましい方法は、リング塗布である。ITMは剛性マンドレル上に、又は支持のための2つのエンドキャップ間に取り付けられる。取り付けられたITMは、塗布用ガスケット内部で鉛直方向にセンタリングされるので、塗布用ガスケットは、ITMの外側との若干の締め代を有する。塗布用ガスケットとITMとの間の締め代は、リリース層材料を保持するための塗布用溶液ウェルを形成する。操作者は溶液ウェルを充填し、ITMがガスケットを通って鉛直方向上方に移動して、均一な塗膜をもたらすのを可能にする。塗膜の厚さ及び均一性は、塗布用溶液の粘度、並びにITMが塗布用ガスケットを通して引き上げられる鉛直方向速度を調節することにより制御される。リング塗布がリリース層の適用のための好ましい方法ではあるものの、別の方法、例えば噴霧塗布、浸漬塗布、回転流延、グラビア塗布、及びトランスファー塗布を用いることもできる。上記製造方法のうちの全てが、均一であり且つ一貫したリリース層を提供するのに適している。
【0041】
リリース層は、熱可塑性材料、シリコーン、ポリウレタン、ゾルゲル、セラマー(ceramer)、又はフッ素化材料、例えばPTFEから成る一体型の均一な塗膜又は外皮であるが、しかし低い表面エネルギーを含む良好なリリース特性を有する他の材料が使用されてもよい。或いは、塗膜は、平滑化層の表面を実質的に覆うのに十分に互いに密接した間隔で配置された微粒子から成ることも可能である。リリース層の厚さは1〜20マイクロメートルであることが好ましいが、用途に応じて変化することになる。
【0042】
ITMは表示(indicia)、例えばバーコード又はRFIDデバイスを含んでよい。表示は、平滑化層を塗布する前の基体表面、平滑化表面、又はリリース層の上側に配置されていてよい。表示の詳細は以前に、米国特許第6,377,772号明細書において開示されている。
【実施例】
【0043】
例1
寸法的に均一な、追従性の平滑化層を有する中間転写部材を形成するために、円周569mm及び長さ360mmの継ぎ目付き基体を塗布するために、図3に示された上記塗布装置を成功裡に使用した。静電散逸性ポリイミド・シート85マイクロメートル厚を基体として使用した。基体を塗布する前に、これを先ず、円筒形状を形成するために添え継ぎした。基体材料を、良く定義された円筒形の添え継ぎマンドレルの周りに巻き付け、そして添え継ぎマンドレル内の孔に真空を印加することにより、マンドレル表面に対して密に基体を保持した。添え継ぎマンドレルは、その結果として生じる継ぎ目付き基体の良く制御された内径を提供した。基体の端部をオーバーラップさせ、そして、シートの端部を正確に整合させるようにその長さに沿って切断するために、鋭利な切断工具を使用した。過剰な不用材料を除去し、そしてシートの2つの端部を付着させるように0.05mm厚のポリエステル・テープを適用することにより、継ぎ目付き基体のエッジに対して垂直な、テーピングされた突き合わせ継ぎ目を形成した。
【0044】
次いで、良く定義された円筒形の塗布用マンドレル上に、継ぎ目付き基体材料を空気装着し、この場合、継ぎ目付き基体の内径と塗布用マンドレルの外径との間の締め代はほぼ0.025mmであった。空気装着は、塗布用マンドレルの表面の一方の端部を取り囲む孔に圧縮空気を印加することにより、塗布用マンドレルと基体との間に空気軸受けを形成することにより達成された。空気軸受けは基体を拡張させるので、基体をマンドレル上の適切な位置に容易に装着することができた。次いで、基体とマンドレルとの間の初期の少量の締め代が、基体材料が平滑化層の適用中に動くのを防止し、また、平滑化層材料のいずれかが基体とマンドレルとの間に漏れるのを防止するように、空気を除去した。
【0045】
平滑化層材料のために、金属塩静電防止材料でドープされたポリウレタンを使用した。ポリウレタン材料は、1)Uniroyal Chemical Companyから得られたジイソシアネートを末端基とするプレポリマー;2)Sigma Aldrichから得られたジオールを末端基とするプレポリマー;3)Eastman Kodak Companyから得られた静電防止材料;及び4)Perstorp Polyols Incから得られたエトキシル化トリメチロールプロパンから成った。平滑化層の均一性を改善するために、ポリウレタン材料成分の温度を制御した。ポリウレタン材料を、良く制御された混合・計量装置内で予混合し、そして塗布用リザーバとして役立つビーカー内に供給した。ポリウレタン材料をリザーバから計量ヘッドへ移すために、そしてこの材料が基体上に供給される速度を制御するために、可変速度ポンプを使用した。5mm幅の計量ヘッドノズルを使用した。塗布用マンドレルの回転速度及び直線運動装置の並進速度の双方の制御と結びついた、平滑化層溶液が供給される流量の制御が、平滑化層の厚さの正確な制御を可能にした。基体上へ供給されるのに伴う平滑化層材料のレオロジーをモニタリングすることは、それぞれの個々のリボンの供給、及びその隣接するリボン内への癒合を助けた。
【0046】
平滑化層材料を適用した後、マンドレルは1時間にわたって回転し続け、回転中のマンドレルの遠心力が平滑化層の追加のレベリングを助け、そして材料を部分硬化させるのを可能にした。次いで、平滑化層を有する基体は、材料を完全硬化させるために100℃で16時間にわたって炉内に入れた。
【0047】
完全硬化後、その部品を炉から取り出し、そして平滑化層の均一性のために寸法測定した。中間転写部材の一方の端部にゼロ度マークを付け、ITMが4つの異なる四分円に分解されるのを可能にした。大型目盛り付きキャリパー対を使用して、4つの四分円のそれぞれにおいて1インチの長さのところで、平滑化層壁厚を測定し、全部で総計52回の測定を行った。ITMの厚さは、0.625mm厚であることが測定され、これは均一且つ平滑であった。測定データから計算された円筒の振れは、この部品の機能部分において8マイクロメートルであり、従って、特定の許容差を達成するために仕上げ工程は必要とならなかった。
【0048】
次に、リリース層を適用した。リリース層の材料は、米国特許第5,968,656号明細書に記載されたゾルゲル・セラマーであった。ゾルゲル・セラマー材料は、厚さ6.0+/−1マイクロメートルを達成するリング塗布法で適用した。リリース層の適用後、リリース層を完全硬化させるために、ITMを80℃で24時間にわたって炉内に入れた。
【0049】
継ぎ目領域内のITM表面の平均粗さは、他のITM領域の粗さとほぼ等しかった。継ぎ目領域の内側及び外側の双方で平均粗さを測定し、そして両領域内で平均粗さは0.07マイクロメートルであることが判った。最大プロフィール高さ及び平均プロフィール・ピーク高さも、継ぎ目の上方及び継ぎ目から離れた両方の領域でほぼ等しく、それぞれ0.54マイクロメートル及び0.36マイクロメートルであった。
【0050】
例2
例1に記載したのと同じ製造法を利用し、同じ材料を平滑化層及びリリース層のために使用した。使用する基体が100μm厚の絶縁ポリエステル材料である点で例2は例1とは異なり、例2の基体は例1に記載されたものと同様の形式及び形態で継ぎ合わされた。平滑化層の適用及び硬化の後に、ITMの厚さは、0.625mm厚であることが測定され、これは均一且つ平滑であった。測定データから計算された円筒の振れは、この部品の機能部分において8マイクロメートルであり、従って、特定の許容差を達成するために仕上げ工程は必要とならなかった。リリース層の適用及び硬化の後に、継ぎ目領域の内側及び外側の双方で平均粗さを測定し、そして両領域内で平均粗さは0.07マイクロメートルであることが判った。最大プロフィール高さ及び平均プロフィール・ピーク高さも、継ぎ目の上方及び継ぎ目から離れた両方の領域でほぼ等しく、それぞれ0.54マイクロメートル及び0.36マイクロメートルであった。
【0051】
例3
例2に記載したのと同じ材料及び製造法を利用した。100μm厚の絶縁ポリエステル材料である基体が、1つの表面上にニッケル金属化層を有し、表面抵抗率5 logオーム/□を提供する点で、例3は例2とは異なる。この導電性表面の上側に平滑化層及びリリース層を塗布した。平滑化層の適用及び硬化の後に、ITMの厚さは、0.653mm厚であることが測定され、これは均一且つ平滑であった。測定データから計算された円筒の振れは、この部品の機能部分において5マイクロメートルであり、従って、特定の許容差を達成するために仕上げ工程は必要とならなかった。リリース層の適用及び硬化の後に、継ぎ目領域の内側及び外側の双方で平均粗さを測定し、そして両領域内で平均粗さは0.06マイクロメートルであることが判った。最大プロフィール高さ及び平均プロフィール・ピーク高さも、継ぎ目の上方及び継ぎ目から離れた両方の領域でほぼ等しく、それぞれ0.24マイクロメートル及び0.36マイクロメートルであった。
【0052】
比較例1
例1に記載されているものと同じ基体材料(静電散逸性ポリイミド・シート85μm厚)及び基体継ぎ合わせ法を利用した。平滑化層を適用しなかった点で比較例1は例1とは異なる。その代わりに、例1に記載されているようなセラマーリリース層を、継ぎ目付き基体の上側に直接的に塗布した。
【0053】
例1〜3及び比較例1に記載されているITMを、図4に示された電子写真装置内の、プロセス速度300mm/秒で動作するエンドレスベルト部材として試験した。管40の形態を成す一次画像形成部材(PIFM)は、光伝導性表面を有しており、この表面上には、図4の矢印によって示すようにそれぞれの回転軸を中心としてPIFMが回転するのに伴って、着色マーキング粒子画像が形成される。画像を形成するために、PIFMの外面を、先ずコロナ放電装置42によって均一に荷電させる。次いで、PIFM40の表面上の電荷を選択的に変化させるために、均一に荷電した表面をLED44によって露光し、再現されるべき画像に相当する静電画像を形成した。なお、静電画像形成法は、ITM48における継ぎ目の位置とは無関係に行われる。このことは、継ぎ目上の箇所並びに継ぎ目から離れた箇所の両方の画質の評価を可能にする。現像ステーション46により、潜像を担持する光伝導性管40に着色マーキング粒子を適用することにより、静電画像を現像する。次いで、転写バックアップ・ローラ52と光伝導性管40との係合によって形成される転写ニップ50で、光伝導性管40上のマーキング粒子画像をITM48の外面に静電的に転写する。ローラ52は、高電圧電源53を使用して電気的に偏倚される。続いて、光伝導性管40からクリーナー54によって残留トナー画像を除去することにより、その表面を再使用のために調製した。
【0054】
ITM48は、ステアリング・ローラ58の周りの被駆動ローラ56によって時計回り方向に搬送される。ステアリング・ローラ58はまた、張力をITM48に提供する。ITM48の外面上に位置するマーキング粒子画像は今や、バックアップ・ローラ66と駆動ローラ56との係合によって形成された転写ニップ64で、受理体部材60に静電的に転写される。受理体部材60は予め、輸送ウェブ62に静電的に付着させられている(図示せず)。続いて、受理体部材60を輸送メカニズムによってフューザに輸送し、このフューザにおいてマーキング粒子画像は熱及び圧力を加えることにより、受理体部材60に定着される(これも図示せず)。加えて、残留トナー画像を除去し、そして表面を再使用のために調製するように、ITM48をクリーナー68に輸送する。
【0055】
表1に示すように、例1、2及び3に記載されたITMベルトは、継ぎ目上でさえ良好な画質を示した。対照的に、比較例1に記載されたITMベルトは、継ぎ目において画質が著しく劣化した。
【0056】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写部材の製造方法であって、
継ぎ目を形成するために基体材料の2つの端部を継ぎ合わせることによって、エンドレスベルトを形成し;
回転流延法を用いて該エンドレスベルトの上側に平滑化層を適用することを含み、前記中間転写部材が連続的な継ぎ目無し上面を有する、
中間転写部材の製造方法。
【請求項2】
該継ぎ目から遠い該部材の厚さが、該継ぎ目における該部材の厚さにほぼ等しい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該継ぎ目の上方の該中間転写部材の上面が、該継ぎ目から遠い領域の上方の粗さにほぼ等しい粗さを有している請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該継ぎ目の上方の該中間転写部材の上面が、該継ぎ目から遠い領域の上方の表面抵抗にほぼ等しい表面抵抗を有している請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該継ぎ目の領域内の体積抵抗が、該継ぎ目から遠い領域内の体積抵抗にほぼ等しい請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該平滑化層の上側にリリース層を適用することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該継ぎ合わせが、テーピングによって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該継ぎ合わせが超音波溶接によって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該継ぎ合わせが機械的インターロッキングによって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該継ぎ合わせが、該継ぎ目に接着剤を適用することにより実施される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該継ぎ目が、該部材の縁部に対して垂直である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該継ぎ目が、該部材の縁部に対して垂直以外の角度を成している請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該平滑化層がポリウレタンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
該平滑化層の厚さが0.03mm〜5mmである請求項1に記載の方法。
【請求項15】
該基体が、フッ素化コポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、シリコーンゴムから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
該中間転写部材上に表示が配置される請求項1に記載の方法。
【請求項17】
中間転写部材の製造方法であって:
内側及び外側の継ぎ目を有するベルトを形成するために基体の少なくとも2つの層を接着することにより、エンドレスベルトを形成し;
回転流延法を用いて該エンドレスベルトの上側に平滑化層を適用することを含み、前記中間転写部材が連続的な継ぎ目無し上面を有する、
中間転写部材の製造方法。
【請求項18】
該内側継ぎ目と外側継ぎ目とが整合しない請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに、該基体の2つの層の間に挿入された接着剤を含む請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該外側継ぎ目から遠い該部材の厚さが、該外側継ぎ目における該部材の厚さに等しい請求項16に記載の方法。
【請求項21】
該外側継ぎ目の上方の該中間転写部材の上面が、該外側継ぎ目から遠い領域の上方の表面抵抗にほぼ等しい表面抵抗を有する請求項16に記載の方法。
【請求項22】
該外側継ぎ目の領域内の体積抵抗が、該外側継ぎ目から遠い領域内の体積抵抗にほぼ等しい請求項16に記載の方法。
【請求項23】
該平滑化層の上側にリリース層を適用することをさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項24】
該平滑化層がポリウレタンを含む請求項16に記載の方法。
【請求項25】
該平滑化層の厚さが0.03mm〜5mmである請求項16に記載の方法。
【請求項26】
該基体が、フッ素化コポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、シリコーンゴムから成る群から選択される請求項16に記載の方法。
【請求項27】
該中間転写部材上に表示が配置される請求項16に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−500202(P2010−500202A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524606(P2009−524606)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/017023
【国際公開番号】WO2008/020987
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】