説明

低ビットレートアプリケーション用にATMセルを生成するための方法

【課題】 低ビットレートアプリケーション用にATMセルを生成する方法を提供すること。
【解決手段】 複数の着信データユニットストリーム(STi)を複数の着信ショートパケットストリーム(STi’)へ変換するためのセグメント化およびパケット化のステップ(1)であって、データユニットのショートパケットへのパケット化の前に、長いデータユニットをセグメント化することを含むステップと、前記複数のSTi’をひとつの同じATM接続にまとめるための単一の発信ショートパケットストリーム(ST)に多重化するためと種々のSTi’を前記STへスケジュールするための多重化およびスケジューリングのためのステップであって、種々のSTiの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記STにインタリーブできるような形のステップとを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは遠隔通信システムに関する。
【0002】
本発明は、より詳細にはATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)を使用した遠隔通信システムに関する。ATMは、遠隔通信システムおいて高速ビットレートデータの伝送ための標準として普通に使用されており、セルと呼ばれる固定長のパケット非同期時間多重化に基づいている。
【背景技術】
【0003】
ATMを使用した遠隔通信システムは、ATM層と、ATM層とユーザとの間インターフェース層、あるいはATMアダプテイション層(AAL)によりモデル化することができる。
【0004】
特有のATMアダプテイション層が、特に移動体通信システムとりわけ第3世代の移動体通信システム(詳細には、UMTS:「ユニバーサル移動体遠隔通信システム」)など低ビットレートアプリケーション用に、提供されている。
【0005】
そのような特定の層あるいはAAL2は、ITU−T勧告1.363.2で定義されている。AAL2は、サービス特定コンバージェンス副層(SSCS:Service Specific Convergence Sublayer)と、CPSパケットと呼ばれる複数ショートパケットを同じATMセルに多重化することにより複数の低ビットレート接続が同じATM接続を共用できるようにする共通部分副層(CPS:Common Part Sublayer)とに、さらに分割される。
【0006】
したがって、AAL2層は、低ビットレートデータユニットの、種々の着信ストリームを受信することになるが、そのデータユニットは、その上、特に関連するトラフィックタイプ(音声、データ、イメージ、信号など)に依存して、異なるレートおよび/または長さを有する可能性がある。各着信データユニットストリームは、データユニットをショートパケット(またはCPSパケット)にパケット化することにより、着信ショートパケットストリームに変換される。これらの種々の着信ショートパケットストリームは、同じATM接続にまとめられるため、単一の発信ショートパケットストリームに多重化される。
【0007】
効率的であるために、CPSレベルで実行されるプロセスは、同時にいくつかの目的を達成するべきである。詳細には以下のとおりである。
【0008】
このプロセスは帯域幅に関して効率的であるべきである。すなわちATMセルはできる限り最少のパディングで送られるべきである。
【0009】
このプロセスはサービス要件の品質を満たすべきであり、特に導入する遅延変動をなるべく最少にするべきである。
【0010】
このプロセスは、多重化される異なるタイプのトラフィック用の質の異なるサービス要件を満たすべきである。特に、ボイストラフィックは時間に敏感であり、遅延変動にたいするきびしい目標を要求するのに対し、データおよび信号トラフィックは、通常は、転送遅延変動に対して耐性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
遅延変動の1つの特別な原因は、長いデータユニットの処理である(すなわち、45オクテットより長いデータユニットの実行において)。
【0012】
長いデータユニットは、現在、パケット化の前に短いパケットに分割されている。このようなわけで、WO97/48251は、異なる優先順位をもつ2つのタイプトラフィック(すなわち、ボイスおよびデータトラフィック)の場合を考え、短くかつより優先順位の高いユーザデータユニット(すなわち、ボイストラフィック)の着信の際に、長いデータユニット(すなわちデータトラフィック)のセグメント化およびパケット化を中断することを教示しているが、それはそのような高い優先順位のトラフィック上でのそのような長いデータユニットの処理の結果から、生じる可能性のあるセル遅延変動を減少させるためである。
【0013】
しかし、この参照文献には、着信ストリームの何れかの数および種々の着信ストリームにより搬送されるトラフィックの何れかの型という一般的な場合においての、いかなる解決策も提供されておらず、特に、長いデータユニットを搬送する複数の着信ストリームの場合、他の着信ストリームのおのおのにおける、所与のストリームの長いデータユニットの処理の結果から生じる可能性のある、遅延変動の問題に対していかなる解決策も提供されていない。
【0014】
本発明は特にそのような欠点の回避を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の目的は、低ビットレートアプリケーション用にATMセルを生成する方法であって、
複数の着信データユニットストリームを複数の短い着信パケットストリームへ変換するためのセグメント化およびパケット化のステップであって、データユニットのショートパケットへのパケット化の前に、長いデータユニットをセグメント化することを含むステップと、
複数の着信ショートパケットストリームをひとつの同じATM接続にまとめるための単一の発信ショートパケットストリームに多重化するためと、種々の着信ショートパケットストリームを前記単一の発信ショートパケットストリームへスケジュールするための多重化およびスケジューリングのステップであって、種々の着信データユニットストリームの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記単一の発信ショートパケットストリームにインタリーブできるような形のステップとを含むものである。
【0016】
本発明の他の目的によれば、多重化およびスケジューリングの前記ステップは、異なる長さおよび/またはレートの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記発信ショートパケットストリームに、それぞれの長さおよび/またはレートに応じてインタリーブすることができるような形でさらに実行される。
【0017】
本発明の他の目的によれば、所与の着信ショートパケットストリームのスケジューリングが、このストリームのショートパケットが、前記単一の発信ショートパケットストリームでTiの間隔を置くように決定され、ここでTiは、伝送時間間隔または対応する着信データユニットストリームのデータユニット繰り返し周期と、この着信データユニットストリームのデータユニットのセグメント化の後のショートパケットの数との比率である。
【0018】
本発明の他の目的によれば、多重化およびスケジューリングの前記ステップは、ショートデータユニットに対応するショートパケットを、前記発信ショートパケットストリームに、それぞれの長さおよび/またはレートに応じて挿入することができるような形でさらに実行される。
【0019】
本発明の他の目的によれば、前記方法は、ATMセルをできる限り一定の間隔に保つという形でATMセル伝送時点をスケジュールするステップと、前記単一の発信ショートパケットストリームを、このようにスケジュールされたATMセル伝送時点を有する同じATM接続にまとめるステップとをさらに含む。
【0020】
本発明の他の目的によれば、前記ATMセルの間隔配置が、対応するATM接続用に取り決められたセルレートにできる限り近くに保たれる。
【0021】
ATM接続のトラフィック合意のタイプに応じ、そして多様な実施形態により、前記セルレートを、
DBR(Deterministic Bit Rate:決定性セルレート)またはCBR(Constant Bit Rate:固定ビットレート)型のサービスカテゴリの場合のPCR(Peak Cell Rate:ピークセル転送レート)、
ABT(ATM Block Transfer:ATMブロック転送)型のサービスカテゴリの場合のBCR(Block Cell Rate:ブロックセルレート)、
ABR(Available Bit Rate:利用可能ビットレート)のサービスカテゴリの場合のACR(Allowed Cell Rate:許容セルレート)とすることができる。
【0022】
他の実施形態によれば、前記セルレートを再取り決めすることによって、ネットワークリソースの利用を最適化することができる。
【0023】
他の実施形態によれば、前記単一の発信ショートパケットストリームから利用可能なデータがない場合、ATMセルは送られず、前記方法は、前記単一の発信ショートパケットストリームからのデータの使用可能性を考慮して前記スケジューリングのステップを参照するさらなるステップを含む。
【0024】
本発明の他の目的は、低ビットレートのアプリケーションためにATMセルを生成するための装置であって、前記装置には、
複数の着信データユニットストリームを複数の着信ショートパケットストリームへ変換するためのセグメント化およびパケット化の手段であって、データユニットをショートパケットにパケット化する前に、長いデータユニットをセグメント化する手段を含む手段と、
前記複数の着信ショートパケットストリームを同じATM接続にまとめるための単一の発信ショートパケットストリームに多重化するためと、種々の着信ショートパケットストリームを前記単一の発信ショートパケットストリームへスケジュールするための多重化およびスケジューリングの手段であって、種々の着信データユニットストリームの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記単一の発信ショートパケットストリームにおいてインタリーブできるような形の手段とを含む。
【0025】
本発明は、そのような装置を備える移動体無線通信ネットワーク用の基地局(またはUMTSのノードB)などの構成要素も、本発明の目的のために有する。
【0026】
本発明は、そのような装置を備える移動体無線通信ネットワーク用のコントローラ(またはUMTSのRNCすなわちRadio Network Controller:無線ネットワークコントローラ)などの構成要素も本発明の目的のために有する。
【0027】
本発明のこれらおよび他の目的は、添付図面と結びつけて記述されている以下の記載からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による方法の一例を例示しようとする図である。
【図2】本発明による方法のアプリケーションの一例を例示しようとする図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書では、以下の表記を使うことになる。
【0030】
スケジューラ(Scheduler):各着信ショートパケットストリームをスケジュールする時点をもつ
GLL:グローバルリンクリスト(Global Linked List)、ATMセルにまとめるために競合するCPSパケットのすべてのアドレスをもっている
t:現在の時点
:前記発信ストリームにおける、所与の着信ストリームn°iのショートパケット間の、間隔期間
LVST:着信ショートパケットストリームn°iの現スケジュール時点
例として、図1では、複数の着信データユニットストリームの1つをSTiと示し、この着信データユニットストリームのデータユニットをAALSDUと示している。
【0031】
STiなどの各データユニットストリームの、STi’などのショートパケットストリームへの変換は、セグメント化およびパケット化手段1と示されたもので実行される。そのような変換には、AALSDUなどのデータユニットの、いくつかのショートパケットまたはCPS1およびCPS2などと示されたCPSパケットへの、セグメント化およびパケット化が含まれている。
【0032】
こうして得られたCPSパケットの待ち行列作成が、共通のバッファメモリCBを使用して実行され、そこでSTi’などの異なるストリームのCPSパケットが、ストリームSTi’のために2で示しているように、格納される。
【0033】
STiのような複数の着信ショートパケットストリームを多重化することで得られる単一の発信ショートパケットストリームにむけて、こうして待ち行列化されたCPSパケットのLVSTと示されたスケジュール時点の決定は、図1で3と示された計算手段で実行される。
【0034】
こうして決定されたスケジュール時点を有するCPSパケットの共通バッファCB内のアドレス@が、パケットCPS1に対しては4またはパケットCPS2に対しては5で例として示しているように、SCHと示されたスケジューラのこの時点に対応するその行に記される。
【0035】
本発明によれば、種々の着信ショートパケットストリームを前記単一の発信ショートパケットストリームへスケジュールすることは、種々の着信データユニットストリームの長いデータユニットに対応するショートパケットを前記単一の発信ショートパケットストリームに、インタリーブすることができるような形で実行される。
【0036】
このようにして、長いデータユニットを搬送する複数の着信ストリームの場合、他の着信ストリームのおのおので所与のストリームの長いデータユニットの処理の結果から生じる可能性のある遅延変動を減少させることができ、したがって処理効率も改善することができる。
【0037】
さらに、そのようなスケジューリングは、異なる長さおよび/またはレートの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記発信ショートパケットストリームに、それぞれの長さおよび/またはレートに応じてインタリーブすることができるような形で実行することができる。
【0038】
さらに、そのようなスケジューリングは、短いデータユニットに対応するショートパケットを、前記発信ショートパケットストリームに、それぞれの長さおよび/またはレートに応じて挿入することができるような形で実行することができる。
【0039】
LVSTiを着信ストリームSTiの現在のCPSパケットのスケジュールされた時点とする。
【0040】
LVSTiは以下の関係により決定することができる。
【0041】
LVST=LVST+T
言い換えると、LVSTiは、着信するストリームSTiのショートパケットが前記の発信ショートパケットストリームでTの間隔を置くように決定することができ、Tは、例えばストリームSTi用の伝送時間間隔(またはデータユニットの繰り返し周期)と、ストリームSTiのデータユニットのセグメント化の後のCPSパケットの数Nとの比率である。Tは時間により変化する可能性があり、言い換えれば、CPSの間隔配置比率をいつでも必要な時に新しい比率に調整できるようにするために、間隔配置は動的に決定することができる。所与のAAL2接続のために間隔配置の変更が起きるとき、このAAL2接続のすでに格納されているパケットには効果がないが、新しく着信したCPSパケットには効果がある。
【0042】
さらに、各データユニットストリームSTiの着信時点「t」を考慮にいれるためには、以下のアルゴリズムを代わりに使用してスケジュールされた時点LVSTiを決定することができる。
【0043】
LVST+T≦tの場合、LVST=t
LVST+T>tの場合、LVST=LVST+T
言い換えれば、もし必要ならLVSTi=tは、他の場合に用いられるLVST=LVST+Tという関係による新しいLVSTiの計算のための新しい参照と同様な役割を果たすと見なすことができる。
【0044】
こうして決定されたスケジュール時点により着信ショートパケットストリームのスケジューリングは、スケジューラSCHの異なる行を一つ一つ読み取り、各行に対してアドレスがこの行に格納されているショートパケットを選択することにより、実行される。複数のショートパケットがスケジューラの同じ行に対応する所与の時点でスケジュールされる必要がある場合、そのアドレスは、その時点をスケジュールされた時点として有するCPSパケットのアドレスのリンクされたリストを形成する。ATMセルにまとめるために競合するCPSパケットのアドレスの並びが結果として、GLLと示された、グローバルリンクリストを形成する。
【0045】
6で例示しているように、いずれのパッキングプロセスでも、STと示された前記単一の発信ショートパケットストリームを同じATM接続にまとめるために使用することができる。例えば、現在のパッキングプロセスによれば、ATMセルは、「即座」の伝送のために満載であるとき、またはタイマが時間切れ(タイマはATMセルの各発信の時にリセットされる)のときに、送ることができる。しかし、そのような現在の方法には、その度ごとにに遅延変動を持ち込むという欠点がある。
【0046】
特にそのような遅延変動を避けることができる、新しいパッキングプロセスをつぎに開示する。
【0047】
以下の表記が、この新しいパッキングプロセスの記載のために使用することになる。
【0048】
T:ATM放出間隔(またはATMセルレート)
AST:ATMスケジュール時点(またはATMセルのスケジュールされた伝送時点)
SLI:長さインディケータの合計(またはグローバルリンクリストGLLのすべてのCPSパケットの長さの合計)
ASTを現在のATMセルのスケジュールされた伝送時点とする。
【0049】
各スケジュールされたセル伝送時点ASTで、
SLI≧47オクテット(すなわち、SLI≧ATMセルペイロードのオクテットの数)の場合、最初に受信した47オクテットの共通バッファ内のアドレスが、グローバルリンクリストGLLに読み込まれ、共通バッファCBではこれらの最初の47オクテットから「空にされ」なり、SLIはSLI−47に設定され、これらのオクテットはATMセル(この場合、パディングはない)へマップされる。
【0050】
SLI<47オクテットの場合(SLI=xとおく)、高い優先順位の「x」個の最初に受領したオクテットの共通バッファ内でのアドレスが、グローバルリンクリストGLLに読み込まれ、共通バッファCBにはこれらの「x」オクテットから「空にされ」、SLIはSLI=0に設定される。ついで、これらの「x」オクテットはATMセルへマップされ、この場合、パディングがセルを満たすために使用される。
【0051】
例としてその1つをATMnとして示されたATMセルは、現在は、いわゆるSTFフィールドであるHと示されたヘッダフィールドと、この例ではCPS、CPSなどのCPSパケットと、から構成される。
【0052】
さらに、各スケジュールされたATMセル伝送時点ASTについては、このプロセスの後にグローバルリンクリストGLLに何もない場合、すなわちCPSパケットがATMセルでの伝送用に利用ができていない場合には、新しいASTはスケジュールされず、すなわち新しいATMセルは送られない。あるいは、グローバルリストが空ではない場合、新しいASTがスケジュールされる。この新しいパッキングプロセスによれば、この新しいASTはATMセルをできる限り一定の間隔に保つという形で決定される。ASTを以下の関係で計算することができるなら、それは利点となる。
【0053】
AST=AST+T
ここでTは、対応するATM接続用に取り決められたセルレートである。
【0054】
取り決められたセルレートの遵守を確実にすることは遅延変動を防ぐ簡単で効果的なやり方であり、一方同時にネットワークでのトラフィック管理を簡単にする。
【0055】
ATM接続のトラフィック合意のタイプに応じ、そして多様な実施形態により、セルレートを、
DBR(Deterministic Cell Rate:決定性セルレート)またはCBR(Constant Bit Rate:固定ビットレート)のサービスカテゴリの場合のPCR(Peak Cell Rate:ピークセル転送レート)型、
ABT(ATM Block Transfer:ATMブロック転送)のサービスカテゴリの場合のBCR(Block Cell Rate:ブロックセルレート)型、
ABR(available Bit Rate:使用可能ビットレート)サービスカテゴリの場合のACR(Allowed Cell Rate:許容セルレート)型とすることができる。
【0056】
さらに、新しいASTの以下の計算は、新しいCPSパケットが時点「t」で着信しグローバルリンクリストGLLに何も無い場合、すなわちATMセルで伝送するためのCPSパケットの次の使用可能性がある場合、さらには使用可能性のない期間についても、実行することができる。
【0057】
AST+T≦tの場合、AST=t
AST+T>tの場合、AST=AST+T
言い換えれば、AST=tは、他で使用されたAST=AST+Tという関係による新しいASTの計算にとっての新しい参照の役割を果たすと見なすことができる。
【0058】
計算手段(図示せず)は、そのような方法によりAST時点のスケジューリングのために使用することができる。
【0059】
図2は、着信データストリームの所与の例の対応する、本発明のアプリケーションを例示しようとする図である。
【0060】
図2では、3つの着信データユニットストリームを考え、3つのデータユニット「a」、「b」、「c」はそれぞれこれらの異なる着信データユニットストリームを受信する。さらに、この例では、データユニット「a」および「c」は長いデータユニット(特にデータトラフィックに対応)、そしてデータユニット「b」は短いデータユニット(特に音声トラフィックに対応)とする。したがって、データユニット「a」および「c」複数のショートパケットに変換される。この例では3つのショートパケット、それぞれa1、a2、a3、およびc1、c2、c3。伝送時間間隔(またはデータユニット繰り返し周期)は、「a」などのデータユニット用にはTa、そして「c」などのデータユニット用にはTcと示されている。さらにこの例では、Ta=Tc=2tcである。
【0061】
この例では、
データユニット「a」の受信時点tにおいて、ショートパケットa1、a2、a3のアドレス@a1、@a2、@a3が、それぞれt+2tc、t+4tc、t+6tcに対応するスケジューラのその列に格納され、
データユニット「b」の受領時点t+tcにおいて、ショートパケット「b」のアドレス@bが、t+2tcに対応するスケジューラSCHのその列に格納され、
データユニット「c」の受領時点t+2tcにおいて、ショートパケットc1、c2、c3のアドレス@c1、@c2、@c3が、それぞれt+2tc、t+4tc、t+6tcに対応するスケジューラのその列に格納される。
【0062】
したがって、この例では、
ショートパケットa1、b、c1のアドレスが、時点t+2tcでグローバルリンクリストに加えられ、
ショートパケットa2、c2のアドレスは、時点t+4tcでグローバルリンクリストに加えられ、
ショートパケットa3、c3のアドレスは、時点t+6tcでグローバルリンクリストに加えられる。
【0063】
したがって、この例では、
ショートパケットa1、b、c1は、時点t+2tcで発信ショートパケットストリームへとスケジュールされ、
ショートパケットa2、c2は、時点t+4tcで発信ショートパケットストリームへとスケジュールされ、
ショートパケットa3、c3は、時点t+6tcで発信ショートパケットストリームへとスケジュールされる。
【0064】
本発明による低ビットレートのアプリケーションためにATMセルを生成するための方法または装置は、特に移動体通信システムで使用することができるものであって、詳細には、
基地局コントローラへの伝送のために複数のソースからの低ビットレートトラフィックを同じATM接続に多重化するために、基地局またはUMTSのノードBで、
基地局への伝送のために複数のソースからの低ビットレートトラフィックを同じATM接続に多重化するための、基地局コントローラまたはUMTSの無線ネットワークコントローラすなわちRNCで、使用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 セグメント化およびパケット化手段
2 ストリームSTiの格納ルート
3 計算手段
4 CPS1のアドレス
5 CPS2のアドレス
6 パッキングプロセス
ST、STi、STi’ ストリーム
AALSDU データユニット
CPS1、CPS2 CPSパケット
SCH スケジューラ
GLL グローバルリンクリスト
CB 共通バッファ
Ti、Ta、Tc 伝送時間間隔またはデータユニット繰り返し周期
H ヘッダフィールド
ATMn ATMセル
a、c 長いデータユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低ビットレートアプリケーション用にATMセルを生成する方法であって、
複数の着信データユニットストリームを複数の着信ショートパケットストリームへ変換するためのセグメント化およびパケット化のステップであってデータユニットをショートパケットへパケット化する前に長いデータユニットをセグメント化することを含むステップと、
前記複数の着信ショートパケットストリームを、ひとつの同じATM接続にまとめるための単一の発信ショートパケットストリームに多重化するため、および種々の着信ショートパケットストリームを前記単一の発信ショートパケットストリームへとスケジュールするための多重化およびスケジューリングのステップであって、種々の着信データユニットストリームの長いデータユニットに対応するショートパケットを前記単一の発信ショートパケットストリームにインタリーブできるような形のステップとを含む方法。
【請求項2】
多重化およびスケジューリングの前記ステップが、異なる長さおよび/またはレートをもつ長いデータユニットに対応する短いパケットを、それぞれの長さおよび/またはレートに応じて前記発信ショートパケットストリームに、インタリーブすることができるような形で更に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所与の着信ショートパケットストリームのスケジューリングは、このストリームのショートパケットが、前記単一の発信ショートパケットストリームでTiの間隔を置くように決定され、ここでTiが、伝送時間間隔または対応する着信データユニットストリームのデータユニット繰り返し周期と、この着信データユニットストリームのデータユニットをセグメント化した後のショートパケットの数と、の比率である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
多重化およびスケジューリングの前記ステップが、短いデータユニットに対応するショートパケットを、前記発信ショートパケットストリームに、データユニットのそれぞれの長さおよび/またはレートに応じて挿入することができるような形で更に実行される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ATMセルをできる限り一定の間隔に保つという形でATMセル伝送時点をスケジュールするステップと、前記単一の発信ショートパケットストリームを、このようにスケジュールされたATMセル伝送時点を有する同じATM接続に詰め込むステップとをさらに含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ATMセルの間隔が、対応するATM接続用に取り決められたセルレートにできる限り近くなるように保たれる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セルレートが、DBRすなわち決定性ビットレートまたはCBRすなわち固定ビットレートのサービスカテゴリの場合、ピークセルレートPCRである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記セルレートが、ABTすなわちATMブロック転送型のサービスカテゴリの場合、ブロックセルレート、BCRである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記セルレートが、ABRすなわち利用可能ビットレート型のサービスカテゴリの場合、許容セルレート、ACRである請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記セルレートを再取り決めすることができる請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記単一の発信ショートパケットストリームからの利用可能なデータがないときはATMセルが送られず、かつ前記単一の発信ショートパケットストリームからのデータの次の使用可能性を考慮して、前記スケジューリングのステップを参照する他のステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項12】
低ビットレートのアプリケーションためにATMセルを生成するための装置であって、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実行するために、
複数の着信データユニットストリームを複数の着信ショートパケットストリームへ変換するためのセグメント化およびパケット化の手段であって、データユニットをショートパケットへとパケット化する前に、長いデータユニットをセグメント化する手段を含む手段と、
前記複数の着信ショートパケットストリームを、ひとつの同じATM接続に詰め込むための単一の発信ショートパケットストリームに多重化するためと、種々の着信ショートパケットストリームを前記単一の発信ショートパケットストリームへスケジュールするための多重化およびスケジューリングの手段であって、種々の着信データユニットストリームの長いデータユニットに対応するショートパケットを、前記単一の発信ショートパケットストリームにインタリーブできるような形の手段と、を含む装置。
【請求項13】
移動体無線通信ネットワーク用の基地局であって、基地局コントローラへの伝送のために、複数のソースからの低ビットレートトラフィックを同じATM接続に多重化するための、請求項12に記載の装置を含む基地局。
【請求項14】
移動体無線通信ネットワーク用の基地局コントローラであって、基地局への伝送のために複数のソースからの低ビットレートトラフィックを同じATM接続に多重化するための、請求項12に記載の装置を含む基地局コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−24269(P2011−24269A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−242008(P2010−242008)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【分割の表示】特願2000−184385(P2000−184385)の分割
【原出願日】平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】